JP2003298465A - 無線通信システム - Google Patents

無線通信システム

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JP2003298465A
JP2003298465A JP2002093900A JP2002093900A JP2003298465A JP 2003298465 A JP2003298465 A JP 2003298465A JP 2002093900 A JP2002093900 A JP 2002093900A JP 2002093900 A JP2002093900 A JP 2002093900A JP 2003298465 A JP2003298465 A JP 2003298465A
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radio wave
variable radio
reflection plate
interrogator
signal
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Application number
JP2002093900A
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English (en)
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Tomozo Ota
智三 太田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Priority to AU2003211338A priority patent/AU2003211338A1/en
Priority to EP03706978A priority patent/EP1487126A4/en
Priority to US10/505,129 priority patent/US20050156806A1/en
Priority to KR10-2004-7013001A priority patent/KR20040089652A/ko
Priority to TW092103706A priority patent/TWI222602B/zh
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q15/00Devices for reflection, refraction, diffraction or polarisation of waves radiated from an antenna, e.g. quasi-optical devices
    • H01Q15/14Reflecting surfaces; Equivalent structures
    • H01Q15/147Reflecting surfaces; Equivalent structures provided with means for controlling or monitoring the shape of the reflecting surface

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号の散乱を防止し、信号を有効に利用する
無線通信システムを提供する。 【解決手段】 質問器11に接続される質問器アンテナ
12が送信した質問信号は、可変電波反射板14で反射
されて、無線タグ13によって受信される。反射板変更
手段15を用いて、可変電波反射板14の反射面14a
の形状および位置の少なくとも一方を変更することによ
って、反射後の質問信号の伝播方向を変更することがで
きる。これによって質問信号の伝播方向を適宜設定し、
質問信号を有効に利用することができる。また質問器ア
ンテナ12からの質問信号を、可変電波反射板14の反
射面14aで反射させて、無線タグ13に導くことによ
って、質問信号の伝播方向を変えることができるので、
質問器アンテナ12と無線タグ13との配置の自由度を
高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、質問器と応答器と
の間で通信を行う無線通信システムに関する。
【0002】本発明において、「焦点近傍」は焦点を含
む。本発明において、「回転」は、0度以上360度未
満の角変位を含む。本発明において、略中央部は、中央
部を含む。本発明において、略コの字状は、コの字状を
含む。
【0003】
【従来の技術】無線通信システムの1つに、移動体識別
(RFID)システムがある。従来の技術のRFIDシ
ステムは、読出し・書込み機能を有するシステムであっ
て、質問器と応答器とを備える。応答器は、無線タグと
呼ばれ、質問器の指示に従い情報を蓄え、また蓄えられ
た情報を送信する。
【0004】RFIDシステムで用いられる無線タグと
して、特にマイクロ領域では、バッテリを内蔵した無線
タグがファクトリオートメーション(Factory Automati
on;略称FA)分野などでよく利用されているが、半導
体の進展、つまり半導体を用いた無線通信回路の技術の
進展によって、質問器に基づく信号から駆動電力を得る
バッテリを持たない無線タグが開発され、多くの分野で
様々な活用が検討されている。以下、バッテリを持たな
い無線タグをバッテリレスタグと呼称する場合がある。
バッテリレスタグを用いたRFIDシステムは、構成が
簡単であり安価に形成できるので、生産ラインまたは倉
庫での物品管理、品物を自動選別するピッキングシステ
ム、郵便配達、および宅配など、FA、流通および物流
分野などの幅広い分野における応用が検討されている。
【0005】図16は、従来の技術であるRFIDシス
テム1の基本構成を示す図である。RFIDシステム1
は、質問器2と、質問器アンテナ3と、無線タグ4とを
備える。質問器アンテナ3は、質問器2と接続されてい
る。無線タグ4は、タグアンテナと、無線通信機能を有
するタグIC(Integrated Circuit)から構成される。
【0006】質問器2は質問を生成し、質問器アンテナ
3は質問を表す質問信号を無線タグ4に送信する。無線
タグ4は、質問信号をタグアンテナで受信して、タグI
Cによって、質問に対する回答を生成して、回答を表す
応答信号をタグアンテナから送信する。無線タグ4から
送信される応答信号は、質問器アンテナ3で受信され
て、回答が質問器2に与えられる。これによって、無線
タグ4が有する情報が取り出される。またRFIDシス
テム1では、質問器2から情報を無線タグ4に送信し、
無線タグ4に情報を書込み蓄積することができる。
【0007】質問信号は、質問器アンテナ4から電波と
して放射されるので、質問信号の多くは無駄な電波とし
て散乱する。質問信号が散乱すると、無線タグ4におい
て、質問器アンテナ3から送信される質問信号から得ら
れる電力、つまり取得通信電力は、質問器アンテナ3か
ら離反するほど小さくなる。したがって、質問器アンテ
ナ3と無線タグ4との距離が小さくなるほど取得通信電
力が大きいので、質問器2と無線タグ4との通信精度が
高くなり、質問器アンテナ3と無線タグ4との距離が大
きくなるほど取得通信電力が小さいので、質問器2と無
線タグ4との通信精度が低くなる。
【0008】質問器2と無線タグ4との間で通信可能と
なる質問器アンテナ3および無線タグ4の間の距離は、
質問器アンテナ3が放射する信号全体から得られる電
力、すなわち放射通信電力と、質問器2および無線タグ
4の信号の受信感度によって異なるが、バッテリレスタ
グを用いたRFIDシステムの場合では数cm〜2m程
度の範囲である。
【0009】したがって、質問器アンテナ3の指向方向
に、無線タグ4が装着された物体を移動させるベルトコ
ンベアなどの搬送装置を設置されるRFIDシステム1
では、質問信号から得られる電力が大きい領域、すなわ
ち質問器アンテナ3と無線タグ4との距離が前記通信可
能距距離となる領域に無線タグ4が配置される状態で、
質問器2と無線タグ4との間の通信が行われる。
【0010】また特開平1−300515号公報に示さ
れる光化学蒸着(CVD)装置では、異なる2つの曲率
半径に変えることができるガイド支持部材を用いて、光
を反射するための反射板の形状を変更し、所望の薄膜を
基板に形成する構成になっている。反射板は、その両端
部がガイド支持部材によって支持され、異なる2つの曲
率半径を有する形状に変更することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】質問器2と無線タグ4
との通信精度を高めるためには、質問器2と無線タグと
の通信可能な距離である質問器アンテナ3に対する無線
タグ4の配置範囲を広げる必要がある。
【0012】前記放射通信電力を大きくすれば、質問器
アンテナ3と無線タグ4との通信可能距離を延ばすこと
ができるけれども、消費電力が大きくなる。放射通信電
力を大きくすることなく、通信距離を延ばすためには、
信号の散乱をなくし、所望の領域に信号を集めればよ
い。しかしながら、RFIDシステム1では、上述した
ように質問器アンテナ3から送信される信号を所望の範
囲に照射することは難しく、特に、質問器アンテナ3は
小型になるほど指向特性が広くなるので、無線タグ4に
有効に放射されない質問信号が増大し、散乱してしま
う。また遠方に散乱した質問信号は、他のRFIDシス
テムおよび無線ラン(Local Area Network;略称LA
N)などの無線通信システムへの干渉波となり悪影響を
与えると言った問題もある。
【0013】また特開平1−300515号公報に示さ
れる技術は、光CVD装置に関するものであって、無線
通信システムにそのまま応用することができない。
【0014】本発明の目的は、信号の散乱を防止し、信
号を有効に利用する無線通信システムを提供することで
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、質問器と、前
記質問器に接続され、信号を送信する質問器アンテナ
と、前記質問器アンテナが送信した信号を反射する反射
面で形成される可変電波反射板と、可変電波反射板の反
射面の形状および位置の少なくとも一方を変更する反射
板変更手段と、前記質問器アンテナからの信号を受信可
能であり、少なくとも可変電波反射板を介して質問器と
の間で通信可能な応答器とを有することを特徴とする無
線通信システムである。
【0016】本発明に従えば、質問器に接続される質問
器アンテナが送信した信号を、可変電波反射板で反射さ
せて、応答器によって受信することができる。可変電波
反射板を設けて、信号を反射させることによって、信号
が可変電波反射板の裏側、すなわち反射面と反対側の面
へ透過して、散乱することを防止することができる。こ
れによって他の無線通信システムへの電波の干渉を低減
させることができる。
【0017】また可変電波反射板の反射面の形状および
位置の少なくともいずれか一方を反射板変更手段によっ
て変更することによって、反射後の信号の伝播方向を変
更することができる。これによって信号の伝播方向を適
宜設定し、信号を有効に利用することができる。たとえ
ば、応答器は、質問器アンテナから送信される信号を、
直接受けるとともに、可変電波反射板で反射させて受
け、その両方を利用することができる。
【0018】また質問器アンテナからの信号を、可変電
波反射板の反射面で反射させて応答器に導くことによっ
て、信号の伝播方向を変えることができるので、質問器
アンテナと応答器との配置の自由度が高まる。
【0019】また本発明は、反射板変更手段は、反射面
を、放物曲線、楕円曲線および円曲線ならびにこれらに
近い曲線の一部を含む形状のうち、少なくともいずれか
1つの形状にすることができることを特徴とする無線通
信システムである。
【0020】本発明に従えば、可変電波反射板の反射面
は、放物曲線、楕円曲線および円曲線ならびにこれらに
近い曲線の一部を含む形状のうち、少なくともいずれか
1つの形状になるように、反射板変更手段によって変更
される。可変電波反射板の反射面は、曲面となっている
ので、反射面で反射される信号は、可変電波反射板の反
射面に対向する領域内で局所的に集束させることができ
る。したがって、質問器アンテナから送信される信号を
集めることによって、その信号の強い領域を容易に形成
することができる。さらに応答器が信号の強い領域に配
置されるように、可変電波反射板の反射面の形状および
位置を適宜変更することによって、質問器と応答器との
通信精度を向上させることができるとともに、質問器ア
ンテナと応答器との間で通信可能な距離を延ばすことが
できる。またたとえば複数の可変電波反射板を用いるよ
うにすれば、信号の強い領域を1つだけでなく、複数形
成することができるので、信号をさらに有効に利用する
ことができる。
【0021】また本発明は、可変電波反射板は、少なく
とも可撓性を有し、反射板変更手段は、可変電波反射板
の少なくとも1カ所を固定し、可変電波反射板の固定位
置とは異なる少なくとも1カ所を反射面と反対側から押
圧して、反射面を凹となる形状にすることを特徴とす
る。
【0022】本発明に従えば、反射板変更手段は、可変
電波反射板の少なくとも1カ所を固定し、可変電波反射
板の固定位置とは異なる少なくとも1カ所を反射面と反
対側から押圧して、反射面を凹となる形状にする。これ
によって信号の強い領域を、可変電波反射板の反射面に
対向する領域に形成できるとともに、所望の領域に配置
することができる。また可変電波反射板は、少なくとも
可撓性を有するので、反射面と反対側からの押圧状態を
変化させるだけの簡単な構成で、反射面を変形させるこ
とができる。また本発明において可変電波反射板の構成
をさらに限定して、たとえば可変電波反射板を、可撓性
および弾発性を有するもので形成すれば、反射面と反対
側からの押圧状態を変化させるだけの簡単な構成で、反
射面を変形させ、かつその形状を安定して保持すること
ができる。
【0023】また本発明は、可変電波反射板は、少なく
とも可撓性を有し、反射板変更手段は、可変電波反射板
の所定方向両端部を、相互に近接させる方向に押圧し
て、反射面を凹となる形状にすることを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、反射板変更手段は、可変
電波反射板の所定方向両端部を、相互に近接させる方向
に押圧して、可変電波反射板の反射面を凹となる形状に
する。これによって信号の強い領域を、可変電波反射板
の反射面に対向する領域に形成できるとともに、所望の
領域に配置することができる。また可変電波反射板は、
少なくとも可撓性を有するので、所定方向両端部を近接
させる押圧状態を変化させるだけの簡単な構成で、反射
面を変形させることができる。また本発明において可変
電波反射板の構成をさらに限定して、たとえば可変電波
反射板を、可撓性および弾発性を有するもので形成すれ
ば、所定方向両端部を近接させる押圧状態を変化させる
だけの簡単な構成で、反射面を変形させ、かつその形状
に安定して保持することができる。
【0025】また本発明は、可変電波反射板は、少なく
とも可撓性を有し、反射板変更手段は、可変電波反射板
の相互に異なる位置を引張って、反射面を凹となる形状
にすることを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、反射板変更手段は、可変
電波反射板の相互に異なる位置を引張って、可変電波反
射板の反射面を凹となる形状にする。これによって信号
の強い領域を、可変電波反射板の反射面に対向する領域
に形成できるとともに、所望の領域に配置することがで
きる。また可変電波反射板は、少なくとも可撓性を有す
るので、2つの位置の引張状態を変化させるだけの簡単
な構成で、反射面を変形させることができる。また本発
明において可変電波反射板の構成をさらに限定して、た
とえば可変電波反射板を、可撓性および弾発性を有する
もので形成すれば、2つの位置の引張状態を変化させる
だけの簡単な構成で、反射面を変形させ、かつその形状
に安定して保持することができる。
【0027】また本発明は、反射板変更手段は、相互に
異なる形状にそれぞれ形成される1または複数のガイド
部材を有し、可変電波反射板をガイド部材に選択的に沿
わせて、反射面の形状をガイド部材の形状に倣わせて凹
となる形状にすることを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、反射板変更手段は、可変
電波反射板を、ガイド部材に選択的に沿わせて、反射面
の形状をガイド部材の形状に倣わせて凹となる形状にす
る。これによって信号の強い領域を、可変電波反射板の
反射面に対向する領域に形成できるとともに、所望の領
域に配置することができる。可変電波反射板に倣わせる
だけで形状を変更することができ、形状の設定が容易で
あるとともに、その形状に安定して保持することができ
る。
【0029】また本発明は、反射板変更手段は、可変電
波反射板を予め定める回転軸線まわりに回転させること
を特徴とする。
【0030】本発明に従えば、反射板変更手段によっ
て、可変電波反射板を予め定める回転軸線まわりに回転
させて、反射面の位置を変更することによって、反射後
の信号の伝播方向を容易に変更することができる。
【0031】また本発明は、前記質問器に接続される複
数の質問器アンテナを有し、1つの質問器アンテナから
送信された信号を応答器で受信し、応答器から送信され
る信号を他の質問器アンテナで受信することを特徴とす
る。
【0032】本発明に従えば、応答器に信号を送信する
質問器アンテナと、応答器から信号を受信する質問器ア
ンテナとを個別に備えるので、1つの質問器アンテナで
応答器との送受信を行う場合のように、質問器から質問
器アンテナに送る信号が質問器アンテナで反射すること
を考慮して、受信した応答器からの信号を処理する必要
が無いので、受信した応答器からの信号の処理が容易と
なる。
【0033】また本発明は、質問器は、質問を生成する
送信器と、送信器とは個別に設けられ、応答器からの回
答を受ける受信器とを有し、質問器アンテナは、送信用
質問器アンテナと受信用質問器アンテナとを有し、送信
用質問器アンテナは送信器に接続され、受信用質問器ア
ンテナは受信器に接続されることを特徴とする。
【0034】本発明に従えば、送信用質問器アンテナは
質問を生成する質問器に接続され、受信用アンテナは受
信器に接続されるので、送信用質問器アンテナと受信用
質問器アンテナとを離反して配置することができ、配置
の自由度が高くなる。またこの場合、各アンテナと送信
器および受信器との間の接続線などの経路を短くするこ
とができ、この接続線などの経路による信号への影響を
低減させることができる。
【0035】また本発明は、前記応答器は、少なくとも
変調部および情報を蓄積するメモリ部を有する処理回路
と、信号を送受信するアンテナとを備え、処理回路は、
アンテナで信号を受信したとき、その信号に基づいて、
メモリ部に蓄積される情報に関連する信号を用いて変調
部でアンテナの反射特性を変化させて、アンテナで受信
した信号を反射させることを特徴とする。
【0036】本発明に従えば、応答器は、質問器アンテ
ナから送信される信号をアンテナで受信すると、処理回
路が受信した質問器からの信号に基づいて、メモリ部に
蓄積される情報に関連する信号を用いて変調部でアンテ
ナの反射特性を変化させて、アンテナで受信した信号を
反射させることができる。これによって、メモリ部に蓄
積される情報を応答器から読出すことができる。たとえ
ば応答器が装着される物体に関する情報などを、質問器
を用いて読出すことができる。
【0037】また本発明は、前記応答器は、少なくとも
復調部および情報を蓄積するメモリ部を有する処理回路
と、信号を受信するアンテナとを備え、処理回路は、ア
ンテナで信号を受信したとき、その信号に基づいて情報
をメモリ部に書込むことを特徴とする。
【0038】本発明に従えば、応答器は、質問器アンテ
ナから送信される信号をアンテナで受信すると、処理回
路が受信した質問器からの信号を復調部で復調して、メ
モリ部に書込むことによって、質問器から情報を与えて
メモリ部にその情報を蓄積することができる。たとえば
応答器が装着される物体に関する情報などを質問器から
送信して書込むことができる。
【0039】また本発明は、反射面の形状および位置が
一定の非可変電波反射板を有し、応答器は、少なくとも
可変電波反射板および非可変電波反射板を介して、質問
器との間で通信可能な応答器とを有することを特徴とす
る。
【0040】本発明に従えば、信号を可変電波反射板お
よび非可変電波反射板で反射させて、質問器と応答器と
の間で通信することができる。たとえば可変電波反射板
の反射面で反射した信号を、さらに非可変電波反射板の
反射面で反射させることによって、可変電波反射板で反
射された信号のうち、応答器で受信できなかった信号を
非可変電波反射板で反射させて、応答器に集めることが
できる。これによって信号をさらに有効に利用すること
ができる。特に可変電波反射板の反射面と非可変電波反
射板の反射面とを対向させて配置すると、複数の反射板
の反射面で挟まれた領域から信号が散乱することを防止
できる。
【0041】また本発明は、質問器と、前記質問器に接
続され、信号を送信する質問器アンテナと、前記質問器
アンテナが送信した信号を反射する反射面で形成される
可変電波反射板と、可変電波反射板の反射面の形状およ
び位置の少なくとも一方を変更する反射板変更手段と、
反射面の形状および位置が一定の非可変電波反射板と、
前記質問器アンテナからの信号を受信可能であり、少な
くとも可変電波反射板および非可変電波反射板を介して
質問器との間で通信可能な応答器とを有することを特徴
とする無線通信システムである。
【0042】本発明に従えば、質問器に接続される質問
器アンテナが送信した信号を、可変電波反射板および非
可変電波反射板で反射させて、応答器によって受信する
ことができる。可変電波反射板および非可変電波反射板
を設けて、信号を反射させることによって、信号が可変
電波反射板および非可変電波反射板の裏面、すなわち反
射面と反対側の面へ透過して散乱することを防止でき
る。これによって、他の無線通信システムへの電波の干
渉を低減させることができる。
【0043】また可変電波反射板の反射面の形状および
位置の少なくともいずれか一方を反射板変更手段によっ
て変更することによって、反射後の信号の伝播方向を変
更することができる。これによって信号の伝播方向を適
宜設定し、信号を有効に利用することができる。たとえ
ば、応答器は、質問器アンテナから送信される信号を、
直接受けるとともに、可変電波反射板で反射させて受
け、可変電波反射板の反射面で反射した信号をさらに非
可変電波反射板の反射面で反射させて受け、それぞれの
信号を利用することができる。特に、可変電波反射板の
反射面と非可変電波反射板の反射面を対向させて配置す
ると、複数の反射板の反射面で挟まれた領域から信号が
散乱することを防止できる。
【0044】また可変電波反射板の反射面は、曲面であ
るので、反射面で反射される信号は、可変電波反射板の
反射面に対向する領域内で局所的に集めることができ
る。したがって、質問器アンテナから送信される信号を
集めることによって、その信号の強い領域を容易に形成
することができる。さらに応答器が信号の強い領域に配
置されるように、可変電波反射板の反射面の形状および
位置の少なくとも一方を変更することによって応答器の
アンテナ利得が向上した事と等価で、質問器と応答器と
の通信精度を向上させることができるとともに、質問器
アンテナと応答器との間で通信可能な距離を延ばすこと
ができる。
【0045】また質問器アンテナから送信される信号を
可変電波反射板および非可変電波反射板の反射面で反射
させて応答器に導くことができるので、信号の伝播方向
を変えることができ、質問器アンテナと応答器との配置
の自由度が高まる。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明の無線通信装置である無線
通信システムは、質問器と、質問器に接続される質問器
アンテナと、応答器とを含んで構成される。質問器は、
応答器への質問を生成し、質問器アンテナは、質問を表
す信号である質問信号を電波として送信する。応答器
は、質問信号を受信し、質問に対する応答処理をする。
たとえば質問に対する回答を、自己に蓄積される情報に
基づいて生成して、その回答を表す信号である応答信号
を電波として送信する。応答器から送信される応答信号
は、質問器アンテナで受信され、質問器に回答が与えら
れる。またたとえば、質問に基づく情報を記憶し、蓄積
する。無線通信システムにおいては、このように、質問
器と応答器との間で通信が行われる。本発明は、特に近
距離の無線通信に好適に用いることができる。
【0047】以下、本発明の実施の形態の具体例を説明
する。本発明において、「板状」は、平板状、すなわち
平面状の板状および湾曲板状、すなわち曲面状に湾曲し
た板状を含む。
【0048】図1は、本発明の実施の第1の形態である
移動体識別システム(以下、RFIDシステムと記す)
10の構成を示す断面図である。図2は、無線タグ13
を示す平面図である。無線通信装置であるRFIDシス
テム10は、質問器11と、質問器11に接続される質
問器アンテナ12と、応答器である無線タグ13と、可
変電波反射板14と、反射板変更手段15とを含んで構
成される。図1において、可変電波反射板14および反
射板変更手段15は、その断面が示されている。
【0049】質問器11は、無線タグ13に対する質問
を生成する送信部と、無線タグ13からの回答を受ける
受信部と、信号分離器とを含んで構成される。信号分離
器は、送信部から質問器アンテナに送信される質問信号
と、質問器アンテナで受信される応答信号とを分離する
サーキュレータなどから成る。送信部は、無線タグ13
に蓄積される情報を読み出すための命令である応答命
令、無線タグ13に情報を書込むための命令である書込
み命令などの質問を表す質問信号を生成する質問生成部
と、搬送波を生成する送信源と、質問信号を送信源を用
いて変調して、変調された質問信号を生成する変調器と
を含んで構成される。受信部は、質問器アンテナ12で
受信した応答信号を復調する同期検波器などからなる復
調器を含んで構成される。
【0050】質問器11は、変調器で変調された質問信
号を質問器アンテナ12に送るとともに、質問器アンテ
ナ12で受信された信号を質問器アンテナ12から受け
取って復調器で復調し、回答を得るように構成されてい
る。
【0051】質問器アンテナ12は、相互に直交する2
つのダイポールアンテナと、移相器とを有し、移相器か
ら各ダイポールアンテナに、相互に90度の位相差を与
えて質問信号がそれぞれ与えられ、これによって質問信
号を円偏波にして送信することができる。また、質問器
アンテナ12は、各ダイポールアンテナから得られる相
互に90度の位相差を有する信号を移相器によって相互
に位相差のない信号に変換して合成する。質問器アンテ
ナ12は、無線タグ13から直線偏波で送信される応答
信号または円偏波で送信される応答信号の両者を受信す
ることができる。
【0052】本実施の形態では質問器11と質問器アン
テナ12とは、別体で設けられるが、本発明の実施の他
の形態として質問器11と質問器アンテナ12とを一体
化してもよい。また、本発明の実施のさらに他の形態と
して、質問器アンテナ12は平面アンテナなどの通常の
円偏波アンテナまたは直線偏波アンテナとしてもよい。
【0053】無線タグ13は、質問器アンテナ12から
の信号を受信することができ、少なくとも可変電波反射
板14を介して質問器11との間で通信することができ
る応答器である。無線タグ13は、たとえば質問器アン
テナ12から送信される質問信号から駆動電力を得るこ
とができるバッテリを持たないバッテリレスタグであ
る。
【0054】無線タグ13は、平板状の誘電体基板18
上にタグアンテナであるダイポールアンテナ19および
処理回路であるタグIC(Integrated Circuit)20を
備える。タグIC20は、半導体集積回路によって実現
され、復調部と、変調部と、情報を蓄積するメモリ部と
を有する。タグIC20は、ダイポールアンテナ19で
受信した質問信号を復調部で復調して得られる質問が応
答命令である場合、変調部がメモリ部に蓄積される情報
に関する信号を用いてダイポールアンテナ19の反射特
性を変化させ、ダイポールアンテナ19によって質問信
号の一部を、回答を表す応答信号に変調して反射送信す
る。
【0055】また、タグIC20は、復調部で復調した
質問が書込み命令である場合、受信した情報をメモリ部
に書込む。本実施の形態では、タグIC20は、応答命
令および書込み命令の両方に対応する機能を有する構成
とするが、本発明の実施のさらに他の形態として、タグ
IC20は、応答命令に対応する機能のみを有する構成
としてもよい。
【0056】また無線タグ13は、ダイポールアンテナ
17を平板状の誘電体基板18の一方の表面に直交して
配置し、位相調整器を用いる構成であってもよい(以
下、この構成の無線タグを、クロスタグと呼ぶ場合があ
る)。クロスタグは、直交するダイポールアンテナ17
を備えるので、円偏波を効率よく送受信することができ
るとともに、右旋円偏波および左旋円偏波の送受信を行
うことができる。
【0057】無線タグ13は、搬送装置であるベルトコ
ンベア16に載置される対象物17に設けられる。無線
タグ13は、直接質問器11と通信可能であり、また可
変電波反射板14の反射面14a(以下、「可変電波反
射板14の反射面14a」を「反射面14a」と呼ぶ場
合がある)を介して間接的に質問器11と通信可能であ
る。図1の例では、対象物17は、質問器アンテナ12
と可変電波反射板14との間をベルトコンベア16によ
って搬送される。
【0058】可変電波反射板14は、電波信号を反射す
る反射面14aを有する。可変電波反射板14は、少な
くとも可撓性を有する。本実施の形態において、可変電
波反射板14は、可撓性および弾発性を有し、自然状態
において板状、具体的には、反射面14aが平面である
平板状である。また可変電波反射板14は、厚み方向一
方側から見て、長方形状である。可変電波反射板14
は、質問器アンテナ12から送信される質問信号および
無線タグ13から送信される応答信号を反射面14aで
反射することができる。
【0059】可変電波反射板14は、少なくとも反射面
を含む表面が金属から成る平面の板であって、たとえば
銅およびアルミなどから成る金属平板ならびにアルミ箔
を貼り付けてこのアルミ箔によって反射面を形成した誘
電体基板である。本実施の形態では、可変電波反射板1
4は、その長手方向A1が対象物17の搬送方向に対し
て平行になるように配置される。
【0060】反射板変更手段15は、可変電波反射板1
4の反射面14aの形状および位置の少なくとも一方を
変更する。反射板変更手段15は、反射面14aを、放
物曲線、楕円曲線および円曲線ならびにこれらに近い曲
線の一部を含む形状のうち、少なくともいずれか1つの
形状にすることができる。これによって可変電波反射板
14を湾曲させて、反射面14aを凹となる形状にする
ことができる。
【0061】本実施の形態では、反射板変更手段15
は、反射面14aの形状を、可変電波反射板14の中心
位置を通り、自然状態における可変電波反射板14の幅
方向B1に対して垂直な仮想平面である形状変更平面2
8に関して対称になるように変更する。可変電波反射板
14の中心位置(以下、「可変電波反射板14の中心位
置」を、中心位置と呼ぶ場合がある)は、自然状態にお
ける可変電波反射板14の重心位置である。
【0062】放物曲線およびそれに近い曲線の一部を含
む曲面の一例として、回転放物面もしくは放物柱面また
はこれらに近い曲面の一部を含む曲面が挙げられる。楕
円曲線またはそれに近い曲線の一部を含む曲線の一例と
して、回転楕円面もしくは楕円柱面またはこれらに近い
曲面の一部を含む曲面が挙げられる。円曲線またはそれ
に近い曲線の一部を含む曲面の一例として、球面および
円筒面またはこれらに近い曲線の一部を含む曲面が挙げ
られる。
【0063】反射板変更手段15は、可変電波反射板1
4を固定するための固定治具21と、可変電波反射板1
4を押圧するための押圧部材22とを含んで構成され
る。可変電波反射板14は、反射面14aと反対側の一
表面である非反射面14bの少なくとも1カ所が固定治
具21によって固定され、固定位置とは異なる少なくと
も1カ所が、押圧部材22の一端部によって、反射面1
4aと反対側から押圧される。押圧部材22は、たとえ
ば軸状および板状の部材である。
【0064】図1に示す例では、固定治具21は、固定
軸21aと平板状の固定台21bとを有する。固定軸2
1aは、可変電波反射板14と固定台21bとの間に設
けられるとともに、固定軸21aの軸線が、自然状態に
おける反射面14aおよび非反射面14bに対して垂直
になるように設けられる。固定軸21aの一端部は、非
反射面14bの略中央部に設けられる。固定軸21aの
他端部は、固定台21bの可変電波反射板14に対向さ
れる側の一表面に固定される。固定軸21aは、複数設
けられてもよく、この場合、各固定軸21aの軸線が、
たとえば形状変更平面28に含まれるように設けられ
る。
【0065】固定台21bは、自然状態における可変電
波反射板14と平行に、間隔をあけて設けられる。固定
台21bは、その厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有
する。可変電波反射板14および固定台21bが、相互
に平行に、間隔をあけて設けられる状態で、貫通孔は、
可変電波反射板14に投影した場合、可変電波反射板1
4の長手方向A1および幅方向B1に、間隔をあけて設
けられる。貫通孔は、押圧部材22を挿通することがで
きるように形成される。押圧部材22は、軸部材であっ
て、前記貫通孔に挿通される。押圧部材22および貫通
孔は、1つであってもよいし、複数であってもよい。押
圧部材22の一端部が非反射面14bに当接しない状態
では、可変電波反射板14は、平板状である。
【0066】押圧部材22は、所定の押圧方向に移動さ
れる。押圧方向は、可変電波反射板14に近接および離
反させる方向であって、自然状態における可変電波反射
板14の反射面14aに対して垂直な方向である。押圧
部材22を可変電波反射板14に近接させる方向に移動
させると、押圧部材22の一端部が非反射面14bに当
接する。その後、押圧部材22を可変電波反射板14に
近接させる方向にさらに移動させると、押圧部材22が
非反射面14bを押圧して、可変電波反射板14を湾曲
させる。これによって反射面14aの形状を、平面の状
態から凹の状態に変更させることができる。
【0067】押圧部材22は、可変電波反射板14に当
接する端部と反対側の端部で、従動平歯車23(図3参
照)とスプライン結合される。従動歯車23と噛合する
駆動平歯車25(図3参照)を、駆動手段24、たとえ
ば電気モータによって回転駆動することによって、押圧
部材22を、可変電波反射板14に近接および離反させ
る方向に移動させる。駆動手段24は、制御手段9によ
って時間的に制御される。本実施の形態では、複数の押
圧部材22が固定台21bに設けられ、各押圧部材22
は、駆動手段24によってそれぞれ個別に回転駆動され
る。各駆動手段24は、制御手段9で時間的に制御され
て、各押圧部材22の押圧状態を時間的に個別に変化さ
せることができる。これによって可変電波反射板14の
反射面14aの形状を、経時的に変更することができ
る。
【0068】また押圧部材22を可変電波反射板14に
さらに近接させる方向に移動させるだけでなく、可変電
波反射板14に離反する方向に移動させて、別の形状に
変更することができる。このように固定台21bに対す
る押圧部材22の位置を変えることによって、押圧部材
22の一端部による押圧状態を変化させて、反射面14
aの形状を変更することができるので、たとえば通信時
の状況ならびに質問器アンテナ12および無線タグ13
の配置状況に応じて、反射面14aの形状を変更して、
反射後の信号の伝播方向を適宜変更することができる。
【0069】反射面14aの形状は、可変電波反射板1
4の中心位置を通り、形状変更平面28に対して垂直な
仮想平面に関して対称になるように変更されてもよい。
また反射面14aの形状は、中心位置を通り、自然状態
における反射面14aに対して垂直な仮想直線に関し
て、対称になるように変更されてもよいし、前記仮想直
線に関して、非対称になるように変更されてもよい。
【0070】上述のように無線タグ13が設けられる対
象物17が、ベルトコンベア16によって搬送される状
態で、質問器アンテナ12から送信された質問信号は、
質問器アンテナ12の近傍に配置される無線タグ13
に、有効に照射されるので、質問信号から得られる電力
である取得通信電力を充分に得るとともに、応答信号を
質問器アンテナに送信する。したがって、質問器アンテ
ナ12の近傍に配置される無線タグ13と質問器11と
の間の通信は、精度良く行われる。
【0071】質問器アンテナ12から送信される質問信
号で、質問器アンテナ12の近傍に配置された無線タグ
13で受信されなかった質問信号は、可変電波反射板1
4に向かう。無線タグ13の取得通信電力は、無線タグ
13が質問器アンテナ12から離反するほど小さくなる
ので、可変電波反射板14によって無線タグ13に信号
を集める必要がある。
【0072】可変電波反射板14で反射した後の質問信
号は、可変電波反射板の反射面14aが放物曲線に近い
曲線の形状、たとえば図1の実線で表される形状である
場合、その形状で決まる焦点近傍で、体積を有さない点
位置に集束するのではなく、所定の寸法を持った領域に
集束し、質問信号の強い領域を形成することができる。
これによって領域内に配置される無線タグ13は、取得
通信電力が大きくなり、質問器11と無線タグ13との
間の通信精度が高くなる。
【0073】また可変電波反射板14の反射面14a
が、上述の放物曲線に近い曲線の形状と異なる形状、た
とえば図1の仮想線29で表される形状に変更した場
合、反射後の質問信号の伝播方向が異なるので、反射後
の質問信号が集束する領域の位置が変わる。このように
反射面14aの形状を変更することによって、質問信号
の強い領域を、反射面14aに対向する領域に形成する
ことができるとともに、所望の領域に配置することがで
きる。これによって形状変更前と異なる領域内に配置さ
れる無線タグ13の取得通信電力が大きくなり、質問器
11と無線タグ13との間の通信精度が高くなる。
【0074】可変電波反射板14の反射面14aは、そ
の形状を反射板変更手段15によって変更することがで
きるので、反射後の質問信号の伝播方向を適宜変更する
ことができる。これによって質問信号が強い領域を形成
することができるので、無線タグ13の取得通信電力を
大きくして、通信精度を向上させることができる。
【0075】また質問器アンテナ12、ベルトコンベア
16および対象物17の位置に制約がある工場内におい
ても、無線タグ13の受信精度が向上するように、反射
面14aの形状を適宜変更することができるので、現場
の状況に応じてシステムを容易に最適化することができ
る。
【0076】また固定軸21aの一端部と非反射面14
bとを、回転可能に連結して、可変電波反射板14の反
射面14aの位置を変更することができるように、固定
治具21を構成してもよい。また固定治具21は、固定
軸21aだけから構成されていてもよく、この場合、押
圧部材22が移動可能な状態で、固定軸21aの他端部
は、たとえば壁面に固定される。
【0077】また可変電波反射板14が、弾発性を有さ
ず、可撓性だけを有する場合であっても、可変電波反射
板14と固定台21bとの間に弾発性を有する付勢部
材、たとえば、ばね部材を設けることによって、反射面
14aの形状および位置を調整することができる。な
お、可変電波反射板14の下方部でベルトコンベア16
により、質問器アンテナ12が送信した質問信号が遮蔽
される部分は有効に作用しないため、それらの部分は除
去してもよい。
【0078】図3は、反射板変更手段15の一部を示す
断面図である。本実施の形態では、反射板変更手段15
は、駆動手段24、駆動平歯車25および従動平歯車2
3をさらに含む。押圧部材22の一端部には、保持部に
よってボールが回動可能に保持されるローラ22aが設
けられる。
【0079】固定台21bの貫通孔は、雌ねじが形成さ
れるねじ孔である。押圧部材22は、軸線方向一端部寄
りの部分に、外周部に雄ねじが形成される雄ねじ部22
bを有し、雄ねじ部22bよりも軸線方向他端部側で外
周部に複数のスプライン溝が周方向に間隔をあけてスプ
ライン部23bを有する。押圧部材22は、その雄ねじ
部22bが固定台21bに貫通孔を挿通するように螺着
され、軸線L22まわりに回転可能に設けられる。押圧
部材22は、その軸線L22まわりに回転することによ
って、その軸線L22に沿って固定台21bに対して移
動し、可変電波反射板14に近接および離反する方向に
移動する。
【0080】駆動手段24は、押圧部材22を回転駆動
するための手段であって、電気モータ、たとえばサーボ
モータである。駆動平歯車25は、駆動手段24の出力
軸24bの一端部に設けられ、駆動手段24によって回
転駆動される。
【0081】従動平歯車23は、その軸線方向に貫通す
る貫通孔が形成され内周部にスプライン溝が形成され
る。押圧部材22と従動平歯車23とはスプライン結合
され、従動平歯車23は、押圧部材22に対して軸線L
22まわりの回転が阻止され、軸線L22方向に移動可
能である。この従動平歯車23は、駆動平歯車25に噛
合している。
【0082】駆動手段24によって駆動平歯車25を回
転駆動すると、駆動平歯車25と噛み合う従動平歯車2
3が回転し、押圧部材22が軸線L22まわりに回転す
る。これによって押圧部材22は、固定台21bに螺着
されているので、押圧部材22が螺進する方向および螺
退する方向のいずれか一方に、したがって可変電波反射
板14に近接および離反する方向に移動する。ローラ2
2aを非反射面14bに当接させて、押圧部材22を螺
進および螺退させる、言換えると押圧部材22を可変電
波反射板14に近接および離反する方向に移動させるこ
とによって、可変電波反射板14の押圧状態を変化さ
せ、反射面14aの形状を変更する。
【0083】押圧部材22は、その軸線L22まわりに
回転するとともに、可変電波反射板14に近接および離
反する方向に移動し、反射板14における当接位置が変
化するけれども、ローラ22aの回動可能に設けられる
ボールを当接させる構成であるので、非反射面14bを
損傷しないように押圧することができるとともに、反射
面14aの形状を容易に、かつ滑らかに変更することが
できる。
【0084】また上述のようにねじ機構およびスプライ
ン機構を用いて、可変電波反射板14の形状を変更する
ので、反射面14aの形状の微調整が容易である。また
仮に駆動源である駆動手段24の駆動力が小さい場合で
あっても、大きな押圧力で反射面14aの形状を変更さ
せることができる。また複数の押圧部材22を用いるの
で、可変電波反射板14の反射面14aの形状を精度よ
く調整することができる。
【0085】図4は、反射板変更手段15の他の例を示
す断面図である。反射板変更手段15の他の例として、
シリンダチューブ27に対してピストンロッド26aが
伸長および縮退可能に設けられる流体圧シリンダを駆動
手段24とともに用いる構成であってもよい。流体シリ
ンダは、ピストンロッド26aが設けられるピストン2
6bによって、シリンダチューブ27内が仕切られ、各
流体圧室の流体の供排を制御することによって、ピスト
ンロッド26aを伸長および縮退させることができる。
流体は、たとえば作動油、作動空気または作動水であ
る。
【0086】この構成では、押圧部材22は、棒状の部
材であり、ピストンロッド26aに固定され、固定台2
1bの貫通孔をゆるやかに挿通している。ピストンロッ
ド26の一端部には、ローラ26cが設けられ、このロ
ーラ26cによって非反射面14bが押圧される。前記
ローラ26cは、ピストンロッド26aの軸線L26
と、可変電波反射板14の長手方向および幅方向のいず
れか一方とに対して垂直な軸線まわりに回転可能に設け
られる。
【0087】たとえば前記形状変更平面28に関して、
反射面14aの形状を変更する場合、ローラは、ピスト
ンロッド26aの軸線L26および可変電波反射板14
の長手方向A1に対して垂直な軸線まわりに回転可能で
ある。また反射面14aの中心位置を通り、形状変更平
面28に対して垂直な仮想平面に関して、反射面14a
の形状を変更する場合、ローラ26cは、ピストンロッ
ド26aの軸線L26および可変電波反射板14の幅方
向に対して垂直な軸線まわりに回転可能である。
【0088】ピストンロッド26aが固定台21bの貫
通孔に挿通された状態で、シリンダチューブ27内の各
流体圧室の流体の給排を制御することによってピストン
ロッド26aを介して、押圧部材22を可変電波反射板
14に近接および離反させる方向に移動させる。ピスト
ンロッド26aは、可変電波反射板14に近接および離
反する方向に移動し、可変電波反射板14における当接
位置が変化するけれども、ローラ26cを当接させる構
成であるので、非反射面14bを損傷しないように押圧
することができるとともに、反射面14aの形状を容易
に、かつ滑らかに変更することができる。ピストンロッ
ド26は、その軸線L26まわりに回転することなく、
軸線L26に対して平行な方向に移動するだけであるの
で、ローラをピストンロッド26の一端部に設ける構成
で充分であるけれども、上述のようにボールを用いる構
成であってもよい。
【0089】油圧および水圧を用いる流体シリンダは、
電気モータに比べて大きな力を発生させて、可変電波反
射板14を押圧することができるので、可変電波反射板
14の寸法が大きい場合に有効である。また空気圧を用
いる流体シリンダは、周囲の空気を用いることができる
とともに、汚損の心配がない。
【0090】図5は、反射面14aの形状の一例を示す
断面図である。反射面14aの形状を変更するにあたっ
て、押圧部材22を設ける位置および変更後の反射面1
4aの形状を考慮して、押圧部材22を移動させなけれ
ばならない。可変電波反射板14の中心位置を通り、自
然状態における反射面14aに対して垂直な仮想直線を
X軸とし、中心位置を通り、X軸に直交し、可変電波反
射板14の長手方向A1および幅方向B1のいずれか一
方に対して垂直な仮想直線をY軸とする。
【0091】図5に示す例では、X軸は、形状変更平面
28に含まれる仮想直線であって、Y軸は、形状変更平
面28に対して垂直な仮想直線である。X軸とY軸との
交点を、基準点30に設定する。またX軸における正方
向は、質問器アンテナ12を前方に臨み、反射面14a
を後方に臨む方向に設定され、Y軸における正方向は、
固定台21bを右方に臨み、非反射面14bを左方に臨
む方向に設定する。
【0092】図5に示す例では、形状変更平面28に関
して、反射面14aの形状が対称になるように変更され
る。具体的には、反射面14aは、X軸およびY軸に対
して垂直な方向から見て、Y2=200Xで表される放
物曲線の形状に変更される。可変電波反射板14は、自
然状態において、Y軸に対して平行な方向の寸法が少な
くとも100cmよりも大きい反射板である。固定台2
1bの貫通孔は、Y軸正方向において、座標(0,1
2),(0,25),(0,37),(0,50)にそ
れぞれ設けられる。上述の座標の数値は、概略値であ
る。Y軸負方向における固定台21bの貫通孔は、X軸
に関してY軸正方向における貫通孔と対称に設けられ
る。
【0093】押圧部材22は、固定台21bに設けられ
る貫通孔に挿通され、自然状態における可変電波反射板
14の非反射面14bに当接される。可変電波反射板1
4が平板状の状態から、所望の放物曲線の形状に変更さ
れるまでに、各押圧部材22を移動させる距離は、変更
後の放物曲線の式と、各押圧部材22が挿通される貫通
孔の位置とに基づいて求めることができる。形状変更後
に関して、可変電波反射板14と押圧部材22とが接触
する部位の座標は、X軸正方向およびY軸正方向におい
て、概略値で表すと、(0.7,12),(3.1,2
5),(6.8,37),(12.5,50)である。
これによって各押圧部材22を移動させる距離を知るこ
とができる。
【0094】また反射後の質問信号を集める領域の中心
位置は、X軸上であって、基準点30からX軸正方向に
50cm離れた位置、言換えると座標(50,0)であ
った。反射面14aの形状変更後、Y軸に対して平行な
方向における可変電波反射板14の幅方向両端部間の開
口寸法は、100cmであった。反射面14aが、他の
曲線、たとえば楕円曲線および円曲線の形状に変更され
る場合であっても、押圧部材22を移動させる距離は、
容易に求めることができる。また押圧部材22を相互に
平行に配置し、押圧部材22の軸方向に移動させる構成
であるので、押圧部材22の押圧位置を容易に検出する
ことができ、反射面14aの形状を求めることができ
る。
【0095】図6は、反射面14aの形状の他の例を示
す断面図である。反射板変更手段15は、反射面14a
を、図6に示す例では、上述のようにX軸およびY軸を
設定し、可変電波反射板14の反射面14aの形状を、
形状変更平面28に関して、非対称に変更する。たとえ
ばY軸正方向における反射面14aは、反射板変更手段
15によって放物曲線に近い曲線の形状にされ、Y軸負
方向における反射面14aは、反射板変更手段15によ
って円曲線に近い曲線の形状にされる。
【0096】Y軸正方向における反射面14aで反射さ
れた質問信号は、放物曲線の焦点近傍に集束し、中心位
置がX軸上に配置される質問信号の強い領域が形成され
る。Y軸負方向における反射面14bで反射された質問
信号は、円曲線による反射であるので、図6に示される
ように、第1象限に分散する。Y軸正方向における反射
面14aで反射された質問信号と、Y軸負方向における
反射面14aで反射された質問信号とによって、質問信
号の強い領域が第1象限に形成される。このようにして
質問信号の強い領域を、1カ所だけでなく、複数カ所に
分散させて形成するとともに、反射面14aの形状を適
宜変更することによって、質問信号の強い領域の配置を
調整することができる。これによって、質問器11と無
線タグ13との通信精度を向上させることができ、質問
信号を有効に利用することができる。
【0097】本実施の形態では、無線タグ13から送信
される応答信号は、直接または可変電波反射板14の反
射面14aを介して質問器アンテナ12で受信される。
無線タグには、上述の無線タグ13およびクロスタグの
いずれを用いてもよいが、円偏波を用いて通信を行う場
合には、クロスタグを用いることによって、効率のよい
通信を行うことができる。
【0098】クロスタグは、一方面が右旋円偏波に対応
し、他方面が左旋円偏波に対応できる。たとえば、質問
器アンテナ12から右旋円偏波で質問信号が送信された
場合、質問器アンテナ12の近傍に配置され、質問器ア
ンテナ12と直接通信を行うクロスタグは、前記一方面
を質問器アンテナ12に臨ませて配置することによっ
て、効率よく質問信号を受信することができる。またこ
の場合、反射面14aで反射された質問信号は、左旋円
偏波となるので、反射面14aにおける焦点近傍に配置
されるクロスタグは、前記他方面を可変電波反射板14
に臨ませて配置することによって、効率よく質問信号を
受信することができる。反射面14aにおける焦点近傍
に配置される無線タグ13から可変電波反射板14に向
かって送信される応答信号は、左旋円偏波となるが、反
射面14aで反射されることによって、右旋円偏波とな
り、質問器アンテナ12で受信することができる。
【0099】また本実施の形態では、1つの質問器アン
テナ12が質問器11に接続されるが、複数の質問器ア
ンテナ12が接続される構成であってもよい。この構成
では、質問器11は、無線タグ13に質問信号を送信す
る1つの質問器アンテナ12と、無線タグ13から応答
信号を受信する他の質問器アンテナ12とを個別に備え
る。これによって1つの質問器アンテナ12で無線タグ
13との送受信を行う場合のように、質問器11から質
問器アンテナ12に送る質問信号が質問器アンテナ12
で反射することを考慮して、受信した無線タグ13から
の応答信号を処理する必要が無いので、受信した無線タ
グ13からの応答信号の処理が容易となる。
【0100】また本実施の形態では、質問器11は、質
問を生成する送信器と、送信器とは個別に設けられ、無
線タグ13からの回答を受ける受信器とを有し、質問器
アンテナ12は、送信用質問器アンテナと受信用質問器
アンテナとを有する構成であってもよい。この構成で
は、送信用質問器アンテナは送信器に接続され、仮想線
で示す受信用質問器アンテナ80は受信器79に接続さ
れる。図1の例では、実線で示される質問器11を送信
器とし、それに接続される質問器アンテナ12を送信用
質問器アンテナとして用いる。このように質問器11お
よび質問器アンテナ12が構成されることによって、送
信用質問器アンテナと受信用質問器アンテナとを離れた
場所に配置することができ、配置の自由度が高くなる。
またこの場合、各アンテナと送信器および受信器との間
の接続線などの経路を短くすることができ、この接続線
などの経路による信号への影響を低減させることができ
る。
【0101】またRFIDシステム10は、可変電波反
射板14に加えて、図1において仮想線で示される反射
面の形状および位置が一定の非可変電波反射板78をさ
らに含む構成であってもよい。このようにRFIDシス
テム10を構成することによって、質問信号を可変電波
反射板14および非可変電波反射板78で反射させて、
質問器11と無線タグ13との間で通信することができ
る。図1の例では、非可変電波反射板78の反射面78
aを、可変電波反射板14の反射面14aに対向させて
配置させる。質問器11は仮想線で示すように、質問信
号を遮ることがないように、予め退避させて配置され
る。このように配置された状態で、質問信号が可変電波
反射板に向けて送信される。このように可変電波反射板
14の反射面14aと非可変電波反射板78の反射面7
8aとを対向させて配置することによって、質問信号が
2つの反射板に挟まれた領域から外部に放射されること
を効率的に防止でき、他の無線通信システムへの干渉を
さらに低減させることができる。駆動手段24を用いる
換わりに、操作者自身が押圧部材22を可変電波反射板
14に近接および離反させる方向に移動させてもよい。
【0102】本実施の形態によれば、RFIDシステム
10では、質問器アンテナ12から送信された質問信号
のうち、質問器アンテナ12の近傍に配置される無線タ
グ13で受信されない信号は、可変電波反射板14の反
射面14aで反射されるので、質問信号が可変電波反射
板14の裏面、すなわち反射面14aと反対側の面に透
過して散乱することを防止することができる。これによ
って、他の無線通信システムへの電波の干渉を低減させ
ることができる。
【0103】また、質問器アンテナ12として、幅の広
い指向角度で電波が放射される指向特性の広い小型の質
問器アンテナ12を用いたとしても、質問信号を効率的
に集めることが可能である。無線タグ13は、質問器1
1から送信される質問信号を直接受け取るとともに、可
変電波反射板14の反射面14aで反射させて受け、そ
の両方を利用することができ、質問信号を有効に利用す
ることができる。
【0104】反射面14aで反射された質問信号は、反
射面14aの形状で決まる焦点近傍で所定の寸法を持っ
た領域に集束するので、この焦点近傍に質問信号の強い
領域を広く形成することができる。この質問信号の強い
領域に無線タグ13を配置することによって、この領域
に配置される無線タグ13との質問器11との通信精度
を向上させることができ、質問器アンテナ12と無線タ
グ13との通信距離を延ばすことができる。質問器アン
テナ12からの質問信号を、反射面14aで反射させて
無線タグ13に導くことによって、質問信号の伝播方向
を変えることができるので、質問器アンテナ12と無線
タグ13との配置の自由度が高まる。
【0105】また可変電波反射板14の反射面14a
は、放物曲線、楕円曲線および円曲線ならびにこれらに
近い曲線の一部を含む形状のうち、少なくともいずれか
1つの形状になるように、反射板変更手段15によって
変更される。反射面14aは、曲面となっているので、
反射面14aで反射される信号は、反射面14aに対向
する焦点近傍で局所的に集束させることができる。した
がって、質問器アンテナ12から送信される質問信号を
集めることによって、その質問信号の強い領域を容易に
形成することができる。さらに無線タグ13が質問信号
の強い領域内に配置されるように、反射面14aの形状
および位置を変更することによって、質問器11と無線
タグ13との通信精度を向上させることができるととも
に、質問器アンテナ12と無線タグ13との間で通信可
能な距離を延ばすことができる。たとえば複数の可変電
波反射板14を用いて、質問信号の強い領域を1つだけ
でなく、複数形成することができるので、質問信号を有
効に利用することができる。
【0106】また反射板変更手段15は、可変電波反射
板14の少なくとも1カ所を固定し、可変電波反射板1
4の固定位置とは異なる少なくとも1カ所を反射面14
aと反対側から押圧して、自然状態で平板状の可変電波
反射板14の反射面14aを凹となる形状にする。これ
によって信号の強い領域を、可変電波反射板の反射面1
4aに対向する領域に形成できるとともに、所望の領域
に配置することができる。また可変電波反射板14は、
可撓性および弾発性を有するので、反射面14aと反対
側からの押圧状態を変化させるだけの簡単な構成で、反
射面14aを変形させ、かつその形状を安定して保持す
ることができる。
【0107】図7は、本発明の実施の第2の形態である
RFIDシステム35の構成を示す断面図である。図8
は、可変電波反射板14および反射板変更手段36を示
す断面図である。第1の実施の形態では、棒状の押圧部
材22によって、反射面14aの形状を変更したが、本
実施の形態では、略コの字状の部材を有する可変治具3
7を用いて、可変電波反射板14を湾曲させて、反射面
14の形状を変更させる。上述の実施の第1の形態と対
応する部分には同一の参照符号を付し、この対応する構
成および効果に関する説明は重複を避けて省略する。
【0108】反射板変更手段36は、固定台21bおよ
び押圧部材22である可変治具37を含んで構成され
る。図7および図8に示す例では、反射面14aの形状
は、反射面14aの中心位置を通り、可変電波反射板1
4の幅方向B2に対して垂直な仮想平面である形状変更
平面28に関して、対称になるように変更される。可変
治具37は、操作軸部材38、連結部材39および押圧
具40を含んで構成される。
【0109】操作軸部材38は、軸部材であって、その
一端部に連結部材39が設けられる。操作軸部材38
は、連結部材39に連結される部位よりも他端部寄りの
外周部に雄ねじ部を有し、固定台21bの雌ねじが形成
されるねじ孔によって螺着される。操作軸部材38の一
端部には、連結部材39が設けられる。操作軸部材38
は、連結部材39によって、軸線L38まわりの回転が
許容されるとともに、軸線L38に対して平行な方向へ
の変位が阻止される。連結部材39は、押圧具40に固
定された状態で設けられて、操作軸部材38と押圧具4
0とを連結する。
【0110】押圧具40は、略コの字状の部材であっ
て、基部40aおよび突起部40bを有する。基部40
aは、所定の一方向に延びる部材である。本実施の形態
では、押圧具40は、基部40の延びる方向が可変電波
反射板14の長手方向A2に対して平行になるように設
けられる。突起部40bは、基部40aの延びる方向に
対して垂直な方向に突出するとともに、基部40aの両
端部にそれぞれ設けられる。押圧具40は、突起部40
bの突出する方向が、操作軸部材38の軸線L38に対
して平行になるように、可変電波反射板14と固定台2
1bとの間に設けられる。基部40aの一端部に設けら
れる突起部40bの寸法は、基部40aの他端部に設け
られる突起部40bの寸法と同一である。
【0111】突起部40bの一端部には、図4に示すロ
ーラ26cが回転可能に設けられる。前記ローラ26c
は、操作軸部材38の軸線L38および基部40aが延
びる方向に対して垂直な軸線まわりに回転可能である。
前記ローラは、押圧具40が可変電波反射板14と固定
台21bとの間に設けられる状態で、非反射面14bに
対向し、押圧時に非反射面14bに当接する。
【0112】可変治具37は、固定軸21aと相互に干
渉しないように設けられる。本実施の形態では、複数の
可変治具37が、可変電波反射板14の幅方向に間隔を
あけて設けられる。
【0113】回転防止片41は、押圧具40が操作軸部
材38の軸線L38まわりに回転することを防止するた
めの部材であって、固定台21bの可変電波反射板14
に対向される側の一表面に設けられる。基部40aの一
端部が、2つの回転防止片41によって挟まれるととも
に、基部40aの他端部が、2つの回転防止片41によ
って挟まれる。押圧具40が連結部材39によって操作
軸部材38に連結される状態で、押圧具40は、回転防
止片41によって、操作軸部材38の軸線L38まわり
の回転が防止され、操作軸部材38の軸線L38に平行
な方向への変位が許容される。
【0114】操作軸部材38を軸線L38まわりに回転
させることによって、操作軸部材38が螺進および螺退
し、押圧具40が可変電波反射板14に近接および離反
する方向に移動する。押圧具40を上述のように移動さ
せることによって、非反射面14bを押圧具40によっ
て押圧し、可変電波反射板14の反射面14aの形状を
変更させる。操作軸部材38は、電気モータを用いて回
転される。上述のように可変治具37を構成することに
よって、反射面14aの形状を、形状変更平面28に関
して対称に変更させることができるとともに、経時的に
変更して、所望の形状にすることができる。これによっ
て、反射後の質問信号の強い領域を容易に形成すること
ができ、質問器11と無線タグ13との通信精度を向上
させることができる。
【0115】また可変電波反射板14は、可撓性および
弾発性を有するので、反射面14aと反対側からの押圧
状態を変化させるだけの簡単な構成で、反射面14aを
変形させ、かつその形状を安定して保持することができ
る。また図7では、複数の質問器アンテナ12は可変電
波反射板14の長手方向や幅方向で、反射面14aに対
向して配置される。
【0116】本実施の形態において、図7に示すよう
に、複数の質問器アンテナ12を用いることによって、
反射後の質問信号が集まる領域を複数形成することがで
きるので、無線タグ13が質問信号を確実に受信するこ
とができる。
【0117】2つの突起部40bは、突出する方向の寸
法が相互に異なるように形成されてもよい。これによっ
て、反射面14aの形状を、形状変更平面28に関し
て、非対称になるように変更することができる。また反
射面14aの形状が、可変電波反射板14の中心位置を
通り、形状変更平面28に対して垂直な仮想平面に関し
て対称になるように変更される構成であってもよい。ま
た反射面14aの形状が、可変電波反射板14の中心位
置を通り、形状変更平面28に対して垂直な仮想平面に
関して非対称になるように変更される構成であってもよ
い。
【0118】また可変治具37を流体圧によって移動さ
せる構成であってもよいし、操作者自身が可変治具37
を操作する構成であってもよい。突起部40bの一端部
には、図3に示すローラ22aを設けてもよい。また可
変治具37は、可変電波反射板14の幅方向に間隔をあ
けて複数設けられるが、1つだけでもよい。
【0119】図9は、本発明の実施の第3の形態におけ
る可変電波反射板45および反射板変更手段46を示す
断面図である。本発明の実施の第3の形態では、可変電
波反射板14を屈曲させる構成になっている。上述の実
施の第1〜2の形態と対応する部分には同一の参照符号
を付し、この対応する構成および効果に関する説明は重
複を避けて省略する。
【0120】可変電波反射板45は、第1可変電波反射
板47および第2可変電波反射板48を有する。本実施
の形態では、第1可変電波反射板47の寸法は、第2可
変電波反射板48の寸法と同一である。第1の形態にお
ける反射面14aは、第1可変電波反射板47の反射面
47aと、第2可変電波反射板48の反射面48aとに
よって形成される。
【0121】第1可変電波反射板47は、厚み方向に対
して平行な一側面に、所定の方向に対して平行な方向に
貫通する貫通孔が設けられる第1連結部49を有する。
本実施の形態では、所定の方向は、第1可変電波反射板
47の長手方向である。第2可変電波反射板48は、厚
み方向に対して平行な一側面に、所定の方向に対して平
行な方向に貫通する貫通孔が設けられる第2連結部50
を有する。本実施の形態では、所定の方向は、第2可変
電波反射板48の長手方向である。
【0122】反射板変更手段46は、押圧部材22の他
に、固定軸51および連結軸部材52を有する。固定軸
51は、その一端部51aに、固定軸51の軸線に対し
て垂直な方向に貫通する貫通孔が設けられる固定軸連結
部53を有する。第1連結部49、第2連結部50およ
び固定軸連結部52の各貫通孔は、連結軸部材52を挿
通可能な径をそれぞれ有する。第1可変電波反射板4
7、第2可変電波反射板48および固定軸51は、第1
連結部49、第2連結部50および固定軸連結部53の
各貫通孔に連結軸部材52が挿通されて、連結軸部材5
2によって連結される。
【0123】第1可変電波反射板47、第2可変電波反
射板48および固定軸51が連結される状態で、連結軸
部材52の軸線方向は、第1および第2可変電波反射板
47,48の各長手方向に対して平行であって、第1お
よび第2可変電波反射板47,48は、連結軸部材52
の軸線まわりに角変位可能である。
【0124】付勢部材54は、第1ばね部材54aおよ
び第2ばね部材54bを有する。第1ばね部材54a
は、第1可変電波反射板47と固定台21bとの間に設
けられる。第1ばね部材54aは、その一端部が第1可
変電波反射板47の反射面47aと反対側の一表面に設
けられるとともに、他端部が固定台21bに設けられ
る。付勢部材である第2ばね部材54bは、第2可変電
波反射板48と固定台21bとの間に設けられる。第2
ばね部材54bは、その一端部が第2可変電波反射板4
8の反射面47bと反対側の一表面に設けられるととも
に、他端部が固定台21bに設けられる。
【0125】押圧部材22は、その一端部に図4に示す
ローラ26cが設けられ、このローラ26cが第1およ
び第2可変電波反射板47,48に当接する。押圧部材
22は、たとえば図4に示すピストンロッドであって、
流体の給排を制御することによって、押圧状態を変更す
る。
【0126】押圧部材22を用いて、第1可変電波反射
板47に近接および離反させる方向に移動させることに
よって、第1可変電波反射板47を押圧部材22の一端
部によって押圧して、第1可変電波反射板47を連結軸
部材52の軸線まわりに角変位させることができる。ま
た押圧部材22を用いて、第2可変電波反射板48に近
接および離反させる方向に移動させることによって、第
2可変電波反射板48を押圧部材22の一端部によって
押圧して、第2可変電波反射板48を連結軸部材52の
軸線まわりに角変位させることができる。
【0127】第1および第2可変電波反射板47,48
を連結軸部材52の軸線まわりに角変位させることによ
って、第1可変電波反射板47の反射面47aの位置
と、第2可変電波反射板48の反射面48aの位置とを
変更することができる。また付勢部材54を用いること
によって、第1可変電波反射板47の反射面47aの位
置と、第2可変電波反射板48の反射面48a位置とを
設定することが容易であるとともに、設定した状態を安
定して保持することができる。
【0128】これによって第1可変電波反射板47の反
射面47aと、第2可変電波反射板48の反射面48a
とによって形成される第1の形態における反射面14a
を屈曲させた状態にすることができ、第1の形態におけ
る反射面14aの形状を変更することができる。これに
よって質問信号の強い領域を、第1可変電波反射板47
の反射面47aと、第2可変電波反射板48の反射面4
8aとに対向する領域に形成できるとともに、所望の領
域に配置することができる。
【0129】また第1可変電波反射板47および第2可
変電波反射板48の各反射面47a,48aと反対側か
らの押圧状態を変化させるだけの簡単な構成で、前記各
反射面47a,48aの位置を変更させ、かつ形状を安
定して保持することができる。
【0130】本実施の形態において、複数の第1可変電
波反射板47および第2可変電波反射板48を、連結軸
部材52の軸線方向に並べて配置し、連結軸部材52に
よって連結する構成であってもよい。これによって連結
軸部材52の軸線方向に関して、複数の質問信号の強い
領域を分散させて形成することができ、質問器11と無
線タグ13との通信精度を向上させることができる。本
実施の形態では、平板状の第1および第2可変電波反射
板47,48が用いられる構成であったが、図9の仮想
線で示されるように、予め湾曲した形状を有する第1お
よび第2可変電波反射板80,81を用いる構成であっ
てもよい。
【0131】図10は、本発明の実施の第4の形態にお
ける可変電波反射板14および反射板変更手段15を示
す断面図である。本発明の実施の第4の形態では、第1
の形態における反射板変更手段15を用いるとともに、
押圧部材22の配置を変更して、反射面14aの形状を
変更させる。具体的には、可変電波反射板14を、押圧
部材22を用いて予め湾曲させた状態で、押圧部材22
を自然状態における可変電波反射板14の反射面14a
に対して平行な方向に移動させて、反射面14aの形状
を変更させる。上述の実施の第1〜3の形態と対応する
部分には同一の参照符号を付し、この対応する構成およ
び効果に関する説明は重複を避けて省略する。
【0132】固定台55は、略コの字状であって、平板
状の基部55aおよび2つの突起部55bに囲まれる空
間56を形成する。前記空間56は、自然状態における
可変電波反射板14を収容できる程度に、固定台55に
よって形成される。固定台55の基部55aの略中央部
に、固定軸21aが設けられる。固定軸21aは、その
軸線が基部55aの厚み方向に対して垂直になるように
設けられる。固定台55の突起部55bは、基部55a
の厚み方向に対して平行に設けられるとともに、基部5
5aの両端部にそれぞれ設けられる。突起部55bは、
たとえば基部55aの長手方向両端部に設けられる。押
圧部材22は、第1の形態と同様の構成であって、突起
部55bに設けられる。押圧部材22は、その軸線L2
2が基部55aの厚み方向に対して垂直、かつ突起部5
5の厚み方向に対して平行になるように設けられる。
【0133】可変電波反射板14は、たとえば可変電波
反射板14の長手方向が、固定台55の基部55aおよ
び突起部55bの各厚み方向に対して垂直であって、反
射面14aが外方に臨む状態で前記空間56に設けられ
る。可変電波反射板14は、予め湾曲された状態であっ
て、反射面14aに対して平行な方向の両側から、押圧
部材22によって挟まれる。
【0134】上述のように可変電波反射板14が、押圧
部材22によって挟まれた状態で、可変電波反射板14
は、その所定方向両端部を、相互に近接させる方向に、
押圧部材22によって押圧される。本実施の形態におい
て、所定方向両端部は、幅方向の両端部である。このよ
うにして押圧部材22によって押圧されることによっ
て、可変電波反射板14の湾曲の度合いを調整し、質問
信号の強い領域を可変電波反射板14の対向する領域に
形成することができ、所望の領域に配置することができ
る。また可変電波反射板14は、可撓性および弾発性を
有するので、所定方向両端部を近接させる押圧状態を変
化させるだけの簡単な構成で、反射面14aを変形さ
せ、かつその形状を安定して保持することができる。
【0135】本実施の形態では、可変電波反射板14の
幅方向両端部を、相互に近接させる方向に押圧する構成
であったが、突起部55bを基部55aの長手方向両端
部だけでなく、基部55aの幅方向両端部に設けて、可
変電波反射板14の長手方向両端部を、相互に近接させ
る方向に押圧する構成であってもよい。
【0136】図11は、本発明の実施の第5の形態にお
ける可変電波反射板14および反射板変更手段57を示
す断面図である。本発明の実施の第5の形態では、反射
板変更手段57を用いて、可変電波反射板14を予め湾
曲させた状態で、可変電波反射板14の所定方向端部
を、相互に近接する方向に押圧して、反射面14aを凹
となる形状にする。上述の実施の第1〜4の形態と対応
する部分には同一の参照符号を付し、この対応する構成
および効果に関する説明は重複を避けて省略する。
【0137】可変電波反射板14は、その厚み方向に対
して平行な方向に貫通する複数の貫通孔を有する。可変
電波反射板14の貫通孔は、押圧操作軸部材61がその
軸線まわりに回転可能な大きさを有する。可変電波反射
板14の貫通孔は、可変電波反射板14の幅方向両端部
に設けられ、幅方向一方側端部の貫通孔と幅方向他方側
端部の貫通孔とが、幅方向に関して対になるように設け
られる。本実施の形態では、可変電波反射板14の幅方
向に関して、設けられる一対の貫通孔よりも内方側にも
う一対の貫通孔が設けられる。上述のように設けられる
二対の貫通孔は、長手方向一方側の端部と他方側の端部
とにそれぞれ設けられる。可変電波反射板14が長手方
向に長い場合、貫通孔は他の任意の位置に設けてもよ
い。
【0138】反射板変更手段57は、非導電性を有し、
押圧操作部材58、第1保護部材59、第2保護部材6
0、軸部材である押圧操作軸部材61を含んで構成され
る。押圧操作部材58は、軸状であって、貫通孔を有す
る。押圧操作部材58の貫通孔には、雌ねじが形成され
る。押圧操作部材58は、軸部材である操作軸部材61
に挿通されるとともに、非反射面14bに対向して設け
られる。
【0139】第1および第2保護部材59,60は、球
体であって、円柱状の貫通孔を有する。第1保護部材5
9は、押圧操作軸部材61に挿通されて、反射面14b
と押圧操作部材58との間に、押圧操作軸部材61の軸
線まわりに回転可能に設けられる。第1保護部材59の
貫通孔は、その直径が押圧操作部材58の外径よりも小
さい。第2保護部材60は、押圧操作軸部材61の軸線
まわりに回転可能に設けられる。
【0140】押圧操作軸部材61は、反射面14aと反
対側から一対の貫通孔の一方から他方に挿通される。押
圧操作軸部材61には、押圧操作部材58と螺着可能な
雄ねじ部を有する。本実施の形態では、雄ねじ部は、押
圧操作軸部材61の一端部から中間部にかけて設けられ
る。
【0141】押圧操作軸部材61の他端部は、第2保護
部材60の径よりも充分に大きい径を有する係止部62
が設けられる。これによって第2保護部材60が押圧操
作軸部材61に挿通され、非反射面14bと前記係止部
62との間に設けられる状態で、第2保護部材60を押
圧操作軸部材61の軸線まわりに回転可能な状態で係止
することができる。
【0142】本実施の形態では、押圧操作部材58は、
第1の形態と同様に、歯車および電気モータを用いて電
気的に制御して、螺進および螺退させてもよいし、操作
者自身が押圧操作部材58を操作して、螺進および螺退
させてもよい。
【0143】上述のように反射板変更手段57を構成す
ることによって、可変電波反射板14は、予め湾曲され
た状態で保持される。反射板変更手段57が可変電波反
射板14に設けられた状態で、押圧操作部材58を押圧
操作軸部材61の軸線まわりに回転させて、押圧操作部
材58を螺進および螺退させて、可変電波反射板14の
湾曲の度合いが調整される。
【0144】第1保護部材59が非反射面14bと押圧
操作部材58との間に設けられ、第2保護部材60が非
反射面14bと押圧操作軸部材61の係止部62との間
に設けられるので、押圧操作部材58によって非反射面
14bが傷つくことを防止することができる。また反射
板変更手段57は非導電性を有するので、反射面14a
に対向して設けられる場合であっても、質問信号に対し
て悪影響を及ぼすこと、たとえば反射後の質問信号の伝
播方向を変化させることを防止することができる。
【0145】上述のように反射板変更手段57を構成す
ることによって、質問信号の強い領域を、可変電波反射
板14の反射面14aに対向する領域に形成することが
できるとともに、所望の領域に配置することができる。
また可変電波反射板14は、可撓性および弾発性を有す
るので、所定方向両端部を近接させる押圧状態を変化さ
せるだけの簡単な構成で、反射面14aを変形させ、か
つその形状を安定して保持することができる。
【0146】上述の可変電波反射板14の貫通孔は、可
変電波反射板14の長手方向に平行な方向に関して、対
になるように設けられ、その一対の貫通孔よりも内方側
にもう一対の貫通孔が設けられてもよい。また押圧操作
軸部材61の他端部に、雄ねじ部が設けられ、その雄ね
じ部に螺着可能なねじ孔を有する別の部材が螺着される
構成であってもよい。4つの反射板変更手段57が設け
られるが、1つだけであってもよいし、5つ以上であっ
てもよい。図11では、押圧操作部材58が可変電波反
射板14の上部に配置される構成としたけれども、押圧
操作部材58、第1保護部材59、第2保護部材60お
よび押圧操作軸部材61の配置を上下逆転させて、押圧
操作部材58が可変電波反射板14の下部に配置される
構成であってもよい。また第1保護部材59に換えて、
押圧操作軸部材61に螺着され、押圧操作軸部材61に
対して回転して移動する部材を用いて、この部材と押圧
操作部材58とのいずれか一方を、可変電波反射板14
の内側にあたる反射面14a側に用いて、反射面14a
を厚み方向両側から挟持する。これによって反射面14
aの形状をより任意に、かつ固定的に変更することがで
きる。またこのように可変電波反射板14を厚み方向両
側から挟持する構成とすることによって、弾発性の小さ
い材料から成る可変電波反射板14を有効に利用して、
その反射面14aの形状を任意に変更することができ
る。
【0147】図12は、本発明の実施の第6の形態にお
ける可変電波反射板14および反射板変更手段57を示
す断面図である。本発明の実施の第6の形態では、第5
の形態における反射板変更手段57と、可変電波反射板
14を予め湾曲させた状態を保持するための湾曲保持部
材63とを用いて、反射板14aの形状を変更する。上
述の実施の第1〜5の形態と対応する部分には同一の参
照符号を付し、この対応する構成および効果に関する説
明は重複を避けて省略する。
【0148】湾曲保持部材63は、可変電波反射板14
を湾曲させた状態を保持するための部材である。湾曲保
持部材63は、非導電性を有し、棒状の部材であって、
長手方向に関してU字状に屈曲する端部を有する。湾曲
保持部材63のU字状の端部に、可変電波反射板14の
幅方向の端部が嵌まり込む状態でU字状の端部を可変電
波反射板14幅方向の端部に係合させる。このようにし
て可変電波反射板14の幅方向の2つの端部を自然状態
から相互に近接させるようにして支持し、可変電波反射
板14を湾曲させた状態で保持する。
【0149】反射板変更手段57は、非導電性を有す
る。本実施の形態では、反射板変更手段57は、雌ねじ
が形成される筒状の押圧操作部材58と、雄ねじが形成
される押圧操作軸部材61とを有する。押圧操作部材5
8は、押圧操作軸部材61に螺着されて設けられ、押圧
操作軸部材61に対して、軸線方向に螺進および螺退す
ることができ、この螺進および螺退によって、反射板変
更手段57は、軸線方向寸法を変化させて、伸縮するこ
とができる。このような反射板変更手段57は、押圧操
作部材58の一端部および押圧操作軸部材61の一端部
が、反射面14aの所定の位置に、位置ずれを防止した
状態でそれぞれ当接されて、可変電波反射板14の反射
面14a側に設けられる。押圧操作部材58を螺進およ
び螺退させて、反射板変更手段57を伸縮することによ
って、可変電波反射板14の反射面14aの押圧状態が
変化して、反射面14aの形状が変更される。
【0150】上述のように構成される反射板変更手段5
7を用いることによって質問信号の強い領域を、可変電
波反射板14の反射面14aに対向する領域に形成でき
るとともに、所望の領域に配置することができる。また
可変電波反射板14は、可撓性および弾発性を有するの
で、反射面14aを押圧する押圧状態を変化させるだけ
の簡単な構成で、反射面14aを変形させ、かつその形
状を安定して保持することができる。
【0151】湾曲保持部材63は、長手方向寸法を変
更、すなわち伸縮可能な構成とし、これによって、可変
電波反射板14の幅方向両端部間の間隔である開口寸法
を変えることができる構成であってもよい。
【0152】図13は、本発明の実施の第7の形態にお
ける可変電波反射板14および反射板変更手段65を示
す断面図である。本発明の実施の第7の形態では、可変
電波反射板14の相互に異なる位置を引張って、反射面
14aを凹となる形状にする。上述の実施の第1〜6の
形態と対応する部分には同一の参照符号を付し、この対
応する構成および効果に関する説明は重複を避けて省略
する。
【0153】固定軸21aは、その外周部に雄ねじ部が
形成されて、固定台21bに設けられるねじ孔に螺着さ
れるとともに、一端部に図8に示す連結部材39が設け
られる。連結部材39は、可変電波反射板14の非反射
面14bに設けられて、可変電波反射板14と固定軸2
1aとが連結される。可変電波反射板14と固定軸21
aとが、連結部材39によって連結された状態で、固定
軸21aは、連結部材39によって、固定軸21aの軸
線まわりの回転が許容されるとともに、固定軸21aの
軸線方向への変位が阻止される。
【0154】本実施の形態では、2つの固定軸21aが
非反射面14bに設けられるとともに、可変電波反射板
14の長手方向および幅方向のいずれか一方に関して、
間隔をあけて相互に異なる位置に設けられる。本実施の
形態では、2つの固定軸21aは、非反射面14bの略
中央部に設けられるとともに、可変電波反射板14の長
手方向に関して、相互に間隔をあけて設けられる。
【0155】固定軸21aは、その一端部が図3に示す
従動平歯車23とスプライン結合される。従動歯車23
と噛合する図3に示す駆動平歯車25を、図3に示す駆
動手段24、たとえば電気モータによって回転駆動する
ことによって、固定軸21aを、可変電波反射板14に
近接および離反させる方向に移動させる。
【0156】本実施の形態において、押圧部材22は、
その他端部22cが固定台21bに固定されるととも
に、押圧部材22の軸線が固定台21bに対して垂直に
なるように設けられる。押圧部材22の一端部には、図
4に示すローラ26cが設けられ、このローラ26cが
可変電波反射板14に当接する。
【0157】反射面14aの形状は、自然状態における
可変電波反射板14を、固定軸21aを引張ることによ
って湾曲させて変更される。具体的には、固定軸21a
をその軸線に対して平行な方向であって、非反射面14
bが固定台21bに近接する方向に移動させることによ
って、反射面14aの形状を変更させる。また形状変更
後、固定軸21aをさらに引張ることおよび固定軸21
aを押出す、言換えると非反射面14bが固定台21b
に離反する方向に移動させることによって、反射面14
aを別の形状に変更することができる。
【0158】本実施の形態によれば、上述のように可変
電波反射板14の相互に異なる位置を引張って、自然状
態で平板状の可変電波反射板14の反射面14aを凹と
なる形状にすることができる。これによって質問信号の
強い領域を、可変電波反射板14の反射面14aに対向
する領域に形成できるとともに、所望の領域に配置する
ことができる。また可変電波反射板14は、可撓性およ
び弾発性を有するので、2つの位置の引張状態を変化さ
せるだけの簡単な構成で、反射面14aを変形させ、か
つその形状に安定して保持することができる。
【0159】本実施の形態では、可変電波反射板14は
可撓性および弾発性を有していたが、可変電波反射板1
4が可撓性だけを有する場合であっても、図13の仮想
線で示す付勢部材であるばね部材64を、非反射面14
bと固定台21bとの間に設けることによって、反射面
14aを変形させ、かつその形状に安定して保持するこ
とができる。
【0160】本実施の形態では、反射面14aの形状
を、電気モータおよび歯車を用いて、固定軸21aを移
動させて変更する構成であったが、図4に示す流体圧シ
リンダを用いて、反射面14aの形状を、固定軸21a
を移動させて変更する構成であってもよい。また固定軸
21aを固定台21bに固定し、可変電波反射板14の
幅方向両端部を固定台21bから離反させる方向に引張
ることによって、反射面14aの形状を変更させる構成
であってもよい。
【0161】図14は、本発明の実施の第8の形態にお
ける可変電波反射板14および反射板変更手段75を示
す断面図である。本発明の実施の第8の形態では、反射
板変更手段75は、相互に異なる形状にそれぞれ形成さ
れる1または複数のガイド部材66を有し、可変電波反
射板14をガイド部材66に選択的に沿わせて、反射面
14aの形状をガイド部材66の形状に倣わせて凹とな
る形状にする。上述の実施の第1〜7の形態と対応する
部分には同一の参照符号を付し、この対応する構成およ
び効果に関する説明は重複を避けて省略する。
【0162】反射板変更手段75は、複数のガイド部材
66と挿入ガイド選択手段67を含んで構成される。複
数のガイド部材66は、相互に異なる形状にそれぞれ形
成されるとともに、積層される。挿入ガイド選択手段6
7は、可変電波反射板14を挿入するガイド部材66を
選択するとともに、反射面14aの挿入位置を調整する
ために、可変電波反射板14をガイド部材66に挿入お
よび排出するための手段である。挿入ガイド選択手段6
7は、反射板挿入手段68およびガイド選択手段69を
有する。
【0163】反射板挿入手段68は、可変電波反射板1
4をガイド部材66に挿入および排出するための手段で
あって、挟持部材70および挿入軸部材71を有する。
挟持部材70は、挿入軸部材71の一端部に設けられ、
可変電波反射板14を挟持する。挿入軸部材71は、軸
部材である。挿入軸部材71は、他端部で、図3に示す
従動平歯車23とスプライン結合される。従動歯車23
と噛合する図3に示す駆動平歯車25を、図3に示す駆
動手段24、たとえば電気モータによって回転駆動する
ことによって、挿入軸部材71を、可変電波反射板14
をガイド部材66に挿入および排出させる方向に移動さ
せる。挿入軸部材71の移動量を調整することによっ
て、ガイド部材66に挿入される可変反射板14のガイ
ド部材66への挿入状態を変えることができる。
【0164】ガイド選択手段69は、可変電波反射板1
4を挿入するガイド部材66を選択するための手段であ
って、駆動軸部材72および従動軸部材73を有する。
駆動軸部材72は、軸部材であって、その一端部に、従
動軸部材73が設けられる。駆動軸部材72は、他端部
で、図3に示す従動平歯車23とスプライン結合され
る。駆動軸部材72を、従動歯車23と噛合する図3に
示す駆動平歯車25を、図3に示す駆動手段24、たと
えば電気モータによって回転駆動することによって、複
数のガイド部材66が積層される方向に移動させる。
【0165】従動軸部材73は、その軸方向に平行な方
向に貫通する貫通孔を有する。従動軸部材73の貫通孔
は、挿入軸部材71を挿通可能であって、挿入軸部材7
1がその軸線方向に移動可能な大きさを有する。挿入軸
部材71は、上述の従動軸部材73の貫通孔に挿通され
る。駆動軸部材72が複数のガイド部材66が積層され
る方向に移動することによって、従動軸部材73が複数
のガイド部材66が積層される方向に移動し、それに伴
って挿入軸部材71が複数のガイド部材66が積層され
る方向に移動して、ガイド部材66が変更される。
【0166】上述のように構成される挿入ガイド選択手
段67を用いて、挿入するガイド部材66を選択して、
可変電波反射板14を所望のガイド部材66に挿入する
とともに、ガイド部材66から排出する。可変電波反射
板14の挿入位置を、反射板挿入手段68によって、調
整することによって、湾曲している可変電波反射板14
の面積部分を変えることができる。これによって可変電
波反射板14の配置場所を変えることができるととも
に、質問信号の一部を透過させ、一部を反射させること
ができるので、集束する質問信号の強さの度合いを変え
ることができる。また可変電波反射板14のガイド部材
66に挿入される部分は湾曲し、ガイド部材66に挿入
されない部分は、平板状である。このように可変電波反
射板14のガイド部材66への挿入位置を調整すること
によって、可変電波反射板14全体における反射面14
aの形状を変更することができる。
【0167】本実施の形態によれば、可変電波反射板1
4をガイド部材66に選択的に沿わせて、反射面14a
の形状をガイド部材66の形状に倣わせて凹となる形状
にすることができる。これによって質問信号の強い領域
を、可変電波反射板14の反射面14aに対向する領域
に形成できるとともに、所望の領域に配置することがで
きる。また可変電波反射板14をガイド部材66に倣わ
せるだけで形状を変更することができ、形状の設定が容
易であるとともに、その形状に安定して保持することが
できる。
【0168】本実施の形態では、複数のガイド部材66
が用いられる構成であったけれども、1つのガイド部材
66だけが用いられる構成であってもよい。ガイド部材
66が1つだけである場合であっても、可変電波反射板
14のガイド部材66への挿入位置を調整することによ
って、反射板14aの形状および位置を変更することが
できる。またガイド部材66は、可変電波反射板14を
挿入する挿入側と、奥行き側とで曲率半径が同一のもの
が用いられたが、挿入側と奥行き側とで曲率半径の異な
るように形成されてもよい。これによって質問信号が集
束する領域を複数形成することができ、質問器11と無
線タグ13との通信精度を向上させることができる。ま
た挿入軸部材71および駆動軸部材72は、流体圧を用
いて移動させる構成であってもよいし、操作者自身が操
作する構成であってもよい。
【0169】図15は、本発明の実施の第9の形態にお
ける可変電波反射板14および反射板変更手段77を示
す断面図である。本発明の実施の第9の形態では、反射
板変更手段77は、可変電波反射板14を予め定める回
転軸線まわりに回転させる。上述の実施の第1〜8の形
態と対応する部分には同一の参照符号を付し、この対応
する構成および効果に関する説明は重複を避けて省略す
る。
【0170】可変電波反射板14は、一定の形状の反射
面14aを有する。可変電波反射板14は、第1の形態
と同様に、固定軸21aによって、固定台12bと連結
されて固定される。反射板変更手段77は、可変電波反
射板14を予め定める回転軸線まわりに回転させる手段
であって、回転軸部材76を有する。回転軸部材76
は、固定台21bの一表面の略中央部に設けられる。本
実施の形態では、可変電波反射板14の長手方向が、固
定台21bの長手方向に対して平行であるように設けら
れる状態で、回転軸部材76は、固定台21bの長手方
向一方側の一表面の略中央部に設けられる。回転軸部材
76は、歯車および電気モータを用いて、軸線L76ま
わりに回転される。
【0171】回転軸部材76を、予め定める回転軸線で
ある軸線L75まわりに回転させることによって、可変
電波反射板14、固定軸21aおよび固定台21bが、
一体となって、回転軸部材76の軸線L76まわりに回
転する。これによって可変電波反射板14の反射面14
aの位置を変更することができる。したがって反射後の
質問信号の伝播方向を容易に変更することができ、質問
信号の強い領域を、可変電波反射板14の反射面14a
に対向する領域に形成することができるとともに、所望
の領域に配置することができる。
【0172】本実施の形態では、可変電波反射板14の
反射面14aの位置だけを変更する構成であったが、第
1の形態における押圧部材22を固定台21bに設け
て、反射面14aの位置の変更に加えて、反射面14a
の形状を変更することができる構成であってもよい。ま
た回転軸部材76を操作者自身が操作して、反射面14
aの位置を変更する構成であってもよい。
【0173】上述の各実施の形態は、本発明の例示に過
ぎず、本発明が、上述の実施の形態に限定されることは
ない。したがって本発明の範囲内において、構成を変更
することができる。
【0174】
【発明の効果】本発明によれば、質問器に接続される質
問器アンテナが送信した信号を、可変電波反射板で反射
させて、応答器によって受信することができる。可変電
波反射板を設けて、信号を反射させることによって、信
号が可変電波反射板の裏側、すなわち反射面と反対側の
面へ透過して、散乱することを防止することができる。
これによって他の無線通信システムへの電波の干渉を低
減させることができる。
【0175】また可変電波反射板の反射面の形状および
位置の少なくともいずれか一方を反射板変更手段によっ
て変更することによって、反射後の信号の伝播方向を変
更することができる。これによって信号の伝播方向を適
宜設定し、信号を有効に利用することができる。たとえ
ば、応答器は、質問器アンテナから送信される信号を、
直接受けるとともに、可変電波反射板で反射させて受
け、その両方を利用することができる。
【0176】また質問器アンテナからの信号を、可変電
波反射板の反射面で反射させて応答器に導くことによっ
て、信号の伝播方向を変えることができるので、質問器
アンテナと応答器との配置の自由度が高まる。
【0177】また本発明によれば、可変電波反射板の反
射面は、放物曲線、楕円曲線および円曲線ならびにこれ
らに近い曲線の一部を含む形状のうち、少なくともいず
れか1つの形状になるように、反射板変更手段によって
変更される。可変電波反射板の反射面は、曲面となって
いるので、反射面で反射される信号は、可変電波反射板
の反射面に対向する領域内で局所的に集束させることが
できる。したがって、質問器アンテナから送信される信
号を集めることによって、その信号の強い領域を容易に
形成することができる。さらに応答器が信号の強い領域
に配置されるように、可変電波反射板の反射面の形状お
よび位置を適宜変更することによって、質問器と応答器
との通信精度を向上させることができるとともに、質問
器アンテナと応答器との間で通信可能な距離を延ばすこ
とができる。またたとえば複数の可変電波反射板を用い
るようにすれば、信号の強い領域を1つだけでなく、複
数形成することができるので、信号をさらに有効に利用
することができる。
【0178】また本発明によれば、反射板変更手段は、
可変電波反射板の少なくとも1カ所を固定し、可変電波
反射板の固定位置とは異なる少なくとも1カ所を反射面
と反対側から押圧して、可変電波反射板の反射面を凹と
なる形状にする。これによって信号の強い領域を、可変
電波反射板の反射面に対向する領域に形成できるととも
に、所望の領域に配置することができる。また可変電波
反射板は、少なくとも可撓性を有するので、反射面と反
対側からの押圧状態を変化させるだけの簡単な構成で、
反射面を変形させることができる。また本発明において
可変電波反射板の構成をさらに限定して、たとえば可変
電波反射板を、可撓性および弾発性を有するもので形成
すれば、反射面と反対側からの押圧状態を変化させるだ
けの簡単な構成で、反射面を変形させ、かつその形状を
安定して保持することができる。
【0179】また本発明によれば、反射板変更手段は、
可変電波反射板の所定方向両端部を、相互に近接させる
方向に押圧して、可変電波反射板の反射面を凹となる形
状にする。これによって信号の強い領域を、可変電波反
射板の反射面に対向する領域に形成できるとともに、所
望の領域に配置することができる。また可変電波反射板
は、少なくとも可撓性を有するので、所定方向両端部を
近接させる押圧状態を変化させるだけの簡単な構成で、
反射面を変形させることができる。また本発明において
可変電波反射板の構成をさらに限定して、たとえば可変
電波反射板を、可撓性および弾発性を有するもので形成
すれば、所定方向両端部を近接させる押圧状態を変化さ
せるだけの簡単な構成で、反射面を変形させ、かつその
形状に安定して保持することができる。
【0180】また本発明によれば、反射板変更手段は、
可変電波反射板の相互に異なる位置を引張って、可変電
波反射板の反射面を凹となる形状にする。これによって
信号の強い領域を、可変電波反射板の反射面に対向する
領域に形成できるとともに、所望の領域に配置すること
ができる。また可変電波反射板は、少なくとも可撓性を
有するので、2つの位置の引張状態を変化させるだけの
簡単な構成で、反射面を変形させることができる。また
本発明において可変電波反射板の構成をさらに限定して
たとえば可変電波反射板を、可撓性および弾発性を有す
るもので形成すれば、2つの位置の引張状態を変化させ
るだけの簡単な構成で、反射面を変形させ、かつその形
状に安定して保持することができる。
【0181】また本発明によれば、反射板変更手段は、
可変電波反射板を、ガイド部材に選択的に沿わせて、反
射面の形状をガイド部材の形状に倣わせて凹となる形状
にする。これによって信号の強い領域を、可変電波反射
板の反射面に対向する領域に形成できるとともに、所望
の領域に配置することができる。可変電波反射板に倣わ
せるだけで形状を変更することができ、形状の設定が容
易であるとともに、その形状に安定して保持することが
できる。
【0182】また本発明によれば、反射板変更手段によ
って、可変電波反射板を予め定める回転軸線まわりに回
転させて、反射面の位置を変更することによって、反射
後の信号の伝播方向を容易に変更することができる。
【0183】また本発明によれば、質問器は、応答器に
信号を送信する質問器アンテナと、応答器から信号を受
信する質問器アンテナとを個別に備えるので、1つの質
問器アンテナで応答器との送受信を行う場合のように、
質問器から質問器アンテナに送る信号が質問器アンテナ
で反射することを考慮して、受信した応答器からの信号
を処理する必要が無いので、受信した応答器からの信号
の処理が容易となる。
【0184】また本発明によれば、送信用質問器アンテ
ナは、質問を生成する送信器に接続され、受信用アンテ
ナは、応答器からの回答を受ける受信器に接続されるの
で、送信用質問器アンテナと受信用質問器アンテナとを
離反して配置することができ、配置の自由度が高くな
る。またこの場合、各アンテナと送信器および受信器と
の間の接続線などの経路を短くすることができ、この接
続線などの経路による信号への影響を低減させることが
できる。
【0185】また本発明によれば、応答器は、質問器ア
ンテナから送信される信号をアンテナで受信すると、処
理回路が受信した質問器からの信号に基づいて、メモリ
部に蓄積される情報に関連する信号を用いて変調部でア
ンテナの反射特性を変化させて、アンテナで受信した信
号を反射させることができる。これによって、メモリ部
に蓄積される情報を応答器から読出すことができる。た
とえば応答器が装着される物体に関する情報などを、質
問器を用いて読出すことができる。
【0186】また本発明によれば、応答器は、質問器ア
ンテナから送信される信号をアンテナで受信すると、処
理回路が受信した質問器からの信号を復調部で復調し
て、メモリ部に書込むことができる。これによって、質
問器から応答器に情報を与えて、その情報をメモリ部に
蓄積することができる。たとえば応答器が装着される物
体に関する情報などを質問器から送信して書込むことが
できる。
【0187】また本発明によれば、信号を可変電波反射
板および非可変電波反射板で反射させて、質問器と応答
器との間で通信することができる。たとえば可変電波反
射板の反射面で反射した信号を、さらに非可変電波反射
板の反射面で反射させることによって、可変電波反射板
で反射された信号のうち、応答器で受信できなかった信
号を非可変電波反射板で反射させて、応答器に集めるこ
とができる。これによって信号をさらに有効に利用する
ことができる。特に可変電波反射板の反射面と非可変電
波反射板の反射面とを対向させて配置すると、複数の反
射板の反射面で挟まれた領域から信号が散乱することを
防止できる。
【0188】また本発明によれば、質問器に接続される
質問器アンテナが送信した信号を、可変電波反射板およ
び非可変電波反射板で反射させて、応答器によって受信
することができる。可変電波反射板および非可変電波反
射板を設けて、信号を反射させることによって、信号が
可変電波反射板および非可変電波反射板の裏面、すなわ
ち反射面と反対側の面へ透過して散乱することを防止で
きる。これによって、他の無線通信システムへの電波の
干渉を低減させることができる。
【0189】また可変電波反射板の反射面の形状および
位置の少なくともいずれか一方を反射板変更手段によっ
て変更することによって、反射後の信号の伝播方向を変
更することができる。これによって信号の伝播方向を適
宜設定し、信号を有効に利用することができる。たとえ
ば、応答器は、質問器アンテナから送信される信号を、
直接受けるとともに、可変電波反射板で反射させて受
け、可変電波反射板の反射面で反射した信号をさらに非
可変電波反射板の反射面で反射させて受け、それぞれの
信号を利用することができる。特に、可変電波反射板の
反射面と非可変電波反射板の反射面を対向させて配置す
ると、複数の反射板の反射面で挟まれた領域から信号が
散乱することを防止できる。
【0190】また可変電波反射板の反射面は、曲面であ
るので、反射面で反射される信号は、可変電波反射板の
反射面に対向する領域内で局所的に集めることができ
る。したがって、質問器アンテナから送信される信号を
集めることによって、その信号の強い領域を容易に形成
することができる。さらに応答器が信号の強い領域に配
置されるように、可変電波反射板の反射面の形状および
位置の少なくとも一方を変更することによって、質問器
と応答器との通信精度を向上させることができるととも
に、質問器アンテナと応答器との間で通信可能な距離を
延ばすことができる。
【0191】また質問器アンテナから送信される信号を
可変電波反射板および非可変電波反射板の反射面で反射
させて応答器に導くことができるので、信号の伝播方向
を変えることができ、質問器アンテナと応答器との配置
の自由度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態である移動体識別シ
ステム(以下、RFIDシステムと記す)10の構成を
示す断面図である。
【図2】無線タグ13を示す平面図である。
【図3】反射板変更手段15の一部を示す断面図であ
る。
【図4】反射板変更手段15の他の例を示す断面図であ
る。
【図5】反射面14aの形状の一例を示す断面図であ
る。
【図6】反射面14aの形状の他の例を示す断面図であ
る。
【図7】本発明の実施の第2の形態であるRFIDシス
テム35の構成を示す断面図である。
【図8】可変電波反射板14および反射板変更手段36
を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の第3の形態における可変電波反
射板45および反射板変更手段46を示す断面図であ
る。
【図10】本発明の実施の第4の形態における可変電波
反射板14および反射板変更手段15を示す断面図であ
る。
【図11】本発明の実施の第5の形態における可変電波
反射板14および反射板変更手段57を示す断面図であ
る。
【図12】本発明の実施の第6の形態における可変電波
反射板14および反射板変更手段57を示す断面図であ
る。
【図13】本発明の実施の第7の形態における可変電波
反射板14および反射板変更手段65を示す断面図であ
る。
【図14】本発明の実施の第8の形態における可変電波
反射板14および反射板変更手段75を示す断面図であ
る。
【図15】本発明の実施の第9の形態における可変電波
反射板14および反射板変更手段77を示す断面図であ
る。
【図16】従来の技術であるRFIDシステム1の基本
構成を示す図である。
【符号の説明】
10,35 RFIDシステム 11 質問器 12 質問器アンテナ 13 無線タグ 14 可変電波反射板 14a 反射面 14b 非反射面 15,36,46,57,65,75,77 反射板変
更手段 21 固定治具 21a 固定軸 21b 固定台 22 押圧部材 23 従動平歯車 24 駆動手段 25 駆動平歯車 37 可変治具

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質問器と、 前記質問器に接続され、信号を送信する質問器アンテナ
    と、 前記質問器アンテナが送信した信号を反射する反射面で
    形成される可変電波反射板と、 可変電波反射板の反射面の形状および位置の少なくとも
    一方を変更する反射板変更手段と、 前記質問器アンテナからの信号を受信可能であり、少な
    くとも可変電波反射板を介して質問器との間で通信可能
    な応答器とを有することを特徴とする無線通信システ
    ム。
  2. 【請求項2】 反射板変更手段は、反射面を、放物曲
    線、楕円曲線および円曲線ならびにこれらに近い曲線の
    一部を含む形状のうち、少なくともいずれか1つの形状
    にすることができることを特徴とする請求項1記載の無
    線通信システム。
  3. 【請求項3】 可変電波反射板は、少なくとも可撓性を
    有し、 反射板変更手段は、可変電波反射板の少なくとも1カ所
    を固定し、可変電波反射板の固定位置とは異なる少なく
    とも1カ所を反射面と反対側から押圧して、反射面を凹
    となる形状にすることを特徴とする請求項1または2記
    載の無線通信システム。
  4. 【請求項4】 可変電波反射板は、少なくとも可撓性を
    有し、 反射板変更手段は、可変電波反射板の所定方向両端部
    を、相互に近接させる方向に押圧して、反射面を凹とな
    る形状にすることを特徴とする請求項1または2記載の
    無線通信システム。
  5. 【請求項5】 可変電波反射板は、少なくとも可撓性を
    有し、 反射板変更手段は、可変電波反射板の相互に異なる位置
    を引張って、反射面を凹となる形状にすることを特徴と
    する請求項1または2記載の無線通信システム。
  6. 【請求項6】 反射板変更手段は、相互に異なる形状に
    それぞれ形成される1または複数のガイド部材を有し、
    可変電波反射板をガイド部材に選択的に沿わせて、反射
    面の形状をガイド部材の形状に倣わせて凹となる形状に
    することを特徴とする請求項1または2記載の無線通信
    システム。
  7. 【請求項7】 反射板変更手段は、可変電波反射板を予
    め定める回転軸線まわりに回転させることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の無線通信システム。
  8. 【請求項8】 前記質問器に接続される複数の質問器ア
    ンテナを有し、 1つの質問器アンテナから送信された信号を応答器で受
    信し、 応答器から送信される信号を他の質問器アンテナで受信
    することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    無線通信システム。
  9. 【請求項9】 質問器は、質問を生成する送信器と、送
    信器とは個別に設けられ、応答器からの回答を受ける受
    信器とを有し、 質問器アンテナは、送信用質問器アンテナと受信用質問
    器アンテナとを有し、 送信用質問器アンテナは送信器に接続され、受信用質問
    器アンテナは受信器に接続されることを特徴とする請求
    項1〜8のいずれかに記載の無線通信システム。
  10. 【請求項10】 前記応答器は、少なくとも変調部およ
    び情報を蓄積するメモリ部を有する処理回路と、信号を
    送受信するアンテナとを備え、処理回路は、アンテナで
    信号を受信したとき、その信号に基づいて、メモリ部に
    蓄積される情報に関連する信号を用いて変調部でアンテ
    ナの反射特性を変化させて、アンテナで受信した信号を
    反射させることを特徴とする請求項1記載の無線通信シ
    ステム。
  11. 【請求項11】 前記応答器は、少なくとも復調部およ
    び情報を蓄積するメモリ部を有する処理回路と、信号を
    受信するアンテナとを備え、処理回路は、アンテナで信
    号を受信したとき、その信号に基づいて情報をメモリ部
    に書込むことを特徴とする請求項1記載の無線通信シス
    テム。
  12. 【請求項12】 反射面の形状および位置が一定の非可
    変電波反射板を有し、 応答器は、少なくとも可変電波反射板および非可変電波
    反射板を介して、質問器との間で通信可能な応答器とを
    有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記
    載の無線通信システム。
  13. 【請求項13】 質問器と、 前記質問器に接続され、信号を送信する質問器アンテナ
    と、 前記質問器アンテナが送信した信号を反射する反射面で
    形成される可変電波反射板と、 可変電波反射板の反射面の形状および位置の少なくとも
    一方を変更する反射板変更手段と、 反射面の形状および位置が一定の非可変電波反射板と、 前記質問器アンテナからの信号を受信可能であり、少な
    くとも可変電波反射板および非可変電波反射板を介して
    質問器との間で通信可能な応答器とを有することを特徴
    とする無線通信システム。
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