JP2003294553A - 三軸荷重計測センサ及びこれを用いた荷重計測方法 - Google Patents

三軸荷重計測センサ及びこれを用いた荷重計測方法

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JP2003294553A JP2002096055A JP2002096055A JP2003294553A JP 2003294553 A JP2003294553 A JP 2003294553A JP 2002096055 A JP2002096055 A JP 2002096055A JP 2002096055 A JP2002096055 A JP 2002096055A JP 2003294553 A JP2003294553 A JP 2003294553A
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axis
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JP2002096055A
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Masaki Tamaki
昌己 田巻
Tadashi Ogura
忠 小倉
Hideyuki Nakashin
英之 中新
Makoto Takahashi
誠 高橋
Nobuhiro Kobayashi
信弘 小林
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Cape Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作用する荷重を作用面に直な向きの圧力と、
作用面に平行な向きのずれ力とに分解して計測すること
ができる三軸荷重計測センサと、このセンサを用いた荷
重計測方法を提供する。 【解決手段】 プリント配線基板1上に位置して、X軸
方向に沿ってホール素子3,3を2個配置する
と共に、Y軸方向に沿ってホール素子3,3
2個配置し、これら4個のホール素子全体を覆う面積か
らなる永久磁石7を、所定厚さからなるゲル製パッド6
を介して4個のホール素子と対向配置し、永久磁石7の
上面を荷重の作用面とした。そして、X軸方向に配置さ
れた2個のホール素子の出力同士の減算を行ってその差
分値ΔXを求めるとともに、Y軸方向に配置された2個
のホール素子の出力同士の減算を行ってその差分値ΔY
を求め、これらX軸、Y軸方向の差分値を用いて、ずれ
力とその方向及び圧力を求めるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばベッドに横
たわった患者等の体に作用する荷重を計測するための三
軸荷重計測センサとこれを用いた荷重の計測方法に関す
るもので、特に、作用する荷重を作用面に垂直なZ軸方
向の圧力成分と、作用面に平行なX,Y軸方向のずれ力
に分解して計測することのできる三軸荷重計測センサと
計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】寝たきりの病人や介護老人等では、ベッ
ドと長時間接触している部分を中心に褥創、いわゆる床
ずれが発生することが知られている。この褥創を防ぐに
は、できるだけ体を動かして血行障害をなくし、同じ部
分が長時間にわたって圧迫されることのないようにする
必要がある。このため、一定時間毎に寝ている患者の体
の向きを変えてやったり、ベッドの傾斜角度を変える等
の介護策を講じていた。
【0003】また、近時においては、褥創の発生を防止
するために、ベッド並びにベッド上に敷かれるエアマッ
トの形状や構造の研究が進み、作用する荷重をできるだ
け分散し、人体にかかる圧力を可能な限り小さくする工
夫がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に褥創
の発生は、人体に作用する圧力と作用する時間の積に比
例すると言われており、褥創を予防するには、ベッドに
寝たときに実際にどれ位の圧力が作用するかを知ること
が重要である。従来、このような圧力を測定するため、
種々の接触圧センサが開発され、使用されてきたが、い
ずれも人体に作用する荷重を人体表面に垂直な向きの圧
力とみなして検出するものであった。
【0005】しかしながら、近時の研究によれば、褥創
の発生には、人体表面に対して垂直の向きに作用するい
わゆる接触圧の大小だけでなく、人体表面と平行な向き
に作用するいわゆるずれ力も重要なファクターであると
いうことが指摘されるようになってきた。そのため、従
来の接触圧センサのように作用する荷重を人体表面に垂
直な向きの圧力のみとみなして検出するだけでは十分で
なく、作用する荷重を人体表面に垂直な向きの圧力と人
体表面に平行な向きのずれ力とに分解して正確に計測す
る必要が生じてきた。
【0006】本発明は、上記要望に基づいてなされたも
のであって、作用する荷重を作用面に垂直な向きの圧力
と、作用面に平行な向きのずれ力とに分解して計測する
ことができる三軸荷重計測センサと、このセンサを用い
た荷重計測方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような手段を採用した。すなわち、請
求項1記載の三軸荷重計測センサは、同一平面上に位置
して、X軸方向に沿ってホール素子を2個配置すると共
に、Y軸方向に沿ってホール素子を2個配置し、これら
4個のホール素子全体を覆う面積からなる永久磁石を、
所定厚さからなる弾性体を介して4個のホール素子と対
向配置し、前記4個のホール素子または永久磁石のいず
れか一方の側を荷重の作用面としたものである。
【0008】また、請求項2載の三軸荷重計測センサ
は、同一平面上に位置して、X軸方向に沿って小電極を
2個配置すると共に、Y軸方向に沿って小電極を2個配
置し、これら4個の小電極全体を覆う面積からなるグラ
ンド電極を、所定厚さからなる弾性体を介して4個の小
電極と対向配置し、前記4個の小電極またはグランド電
極のいずれか一方の側を荷重の作用面としたものであ
る。
【0009】なお、前記弾性体としては、請求項3に記
載するように、ゲルを用いることが好ましい。
【0010】請求項4記載の荷重計測方法は、前記請求
項1〜3のいずれかに記載の三軸荷重計測センサを用い
た荷重の計測方法であって、X軸方向に配置された2個
のホール素子(または小電極)の出力同士の減算を行って
その差分値を求めるとともに、Y軸方向に配置された2
個のホール素子(または小電極)の出力同士の減算を行っ
てその差分値を求め、これらX軸、Y軸方向のホール素
子(または小電極)同士の差分値を用いて、作用面に作用
する荷重の作用面と平行なX−Y平面方向のずれ力とそ
の方向及び作用面と垂直なZ軸方向の圧力を求めるよう
にしたものである。
【0011】なお、具体的には、請求項5に記載するよ
うに、X軸方向に配置された2個のホール素子(または
小電極)の出力同士の差分値をΔX、Y軸方向に配置さ
れた2個のホール素子(または小電極)の出力同士の差分
値をΔYとするとき、X方向のずれ力XS、Y方向のず
れ力YS、ずれ力S、ずれ力Sの方向θ、及びZ軸方向
の圧力Pを下式に従って求めることが好ましい。
【0012】
【数2】
【0013】上記構成の三軸荷重計測センサ及び荷重計
測方法によれば、4個のホール素子または4個の小電極
を用い、X軸、Y軸に沿って設けた一対のホール素子同
士または一対の小電極同士の出力の減算を行い、得られ
た差分値に基づいてずれ量と圧力を求めるようにしてい
るので、作用する荷重のZ方向成分である圧力Pによる
X軸、Y軸方向のずれ力XS、YSへの誤差が自動的に
補正され、常に正確なずれ力Sと圧力Pを得ることがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1〜図4に本発明に係る
三軸荷重計測センサの第1の実施の形態を示す。この第
1の実施の形態は、磁気検知方式によって構成した場合
の例を示すもので、図1は三軸荷重計測センサの全体形
状を示す図、図2はプリント配線基板の形状を示す図、
図3はパッドベースの形状を示す図、図4はパッドとマ
グネットの形状を示す図である。
【0015】図において、1は基台となるプリント配線
基板であって、その平面形状をいわゆる前方後円墳状と
されており、方形(四角形)部分の端縁には、プリント配
線用の複数の電極2が形成されているとともに、円形部
分には、磁気検知素子である4個のホール素子3
が、X軸上、Y軸上に位置して、それぞれ原点O
から等距離の位置に2個ずつ固設されている。
【0016】前記4個のホール素子3〜3の上
側には、プリント配線基板1と略同形状になる硬質プラ
スチック製のパッドベース4が、ホール素子3〜3
の全体を覆うように固定配置されている。そして、こ
のパッドベース天面の凹状皿部5には、弾性変形自在な
ゲルから作られた円錐台形状のパッド6が嵌合固定され
ており、このゲル製パッド6の天面位置に、前記4個の
ホール素子3〜3の全体を覆う大きさからなる
円板状の永久磁石7がホール素子3〜3 と対向
して固着配置されている。永久磁石7は板面に対して垂
直の向きに磁化されており、円板状をした永久磁石7の
上下面がN、Sの磁極面となるように構成されている。
【0017】なお、前記パッドベース4の裏面側には、
4個のホール素子格納室8が十文字状に形成されてお
り、この4個のホール素子格納室8に4個のホール素子
〜3のそれぞれを収納することにより、ホール
素子3〜3と永久磁石7の距離を近づけるとと
もに、ホール素子3〜3を外力から保護してい
る。
【0018】また、前記4個のホール素子格納室8の前
後位置には、2つの小さな突起9が形成されており、こ
の2つの突起9をプリント配線基板1の対応する位置に
形成された位置合わせ用穴10に嵌め合わせることによ
り、パッドベース4とプリント配線基板1の位置合わせ
を行っている。
【0019】一方、上記プリント配線基板1の電極2に
は、フラットケーブル11等の電線が接続されており、
このフラットケーブル11を介して、プリント配線基板
1へ電源を供給すると共に、各ホール素子3〜3
の出力を取り出すように構成されている。
【0020】上記ホール素子3〜3、パッドベ
ース4、ゲル製パッド6、永久磁石7及びフラットケー
ブル11を一体に組み付けられたプリント配線基板1
は、その全体を、例えば透明なビニルシート等からなる
パッケージシート12で包まれ、プリント配線基板1の
裏面部と永久磁石7の上面部を熱融着もしくは接着剤等
でパッケージシート12に接着すると共に、パッケージ
シート12の側縁13を熱溶着等によってシールするこ
とにより、人体皮膚等へのセンサの直接接触によるけが
等を防止すると共に、防水・防湿を図っている。
【0021】次に、上記三軸荷重計測センサを用いた本
発明の荷重計測方法について説明する。
【0022】前記したホール素子3〜3は、素
子に作用する磁気の強さ、すなわち磁束密度に比例し
て、その出力電圧が変化する磁気検知素子であって、一
般にその入出力特性は、 V=K・I・B V:出力電圧 K:感度係数 I:制御電流(一定) B :磁束密度 で表される。
【0023】このようなホール素子3〜3を、
図示するようにX軸上とY軸上にそれぞれ2個ずつ直交
配置した場合、永久磁石7の上面に荷重Wが作用する
と、その荷重Wの向きと大きさに応じて各ホール素子3
〜3の出力電圧Vが変化する。この変化の状
態は次のようになる。
【0024】(1)荷重WがZ方向(永久磁石面に垂直
下向き)に作用した場合 作用する荷重Wによってゲル製パッド6が上下方向に圧
縮され、永久磁石7とホール素子3〜3の距離
が近づくため、その分だけ作用する磁束密度Bが大きく
なる。この結果、すべてのホール素子3〜3
出力電圧Vがその圧縮された距離に比例して大きくな
る(図5参照)。
【0025】(2)荷重がX軸の+方向に作用した場合 作用する荷重によってゲル製パッド6がX軸の+方向に
押されて変形する。この結果、X軸上に配置された2個
のホール素子3,3のうち、+側に配置された
ホール素子3は、永久磁石7の中心に近づくので、
その分だけ磁束密度Bが大きくなり、出力電圧V
が大きくなる。一方、−側に配置されたホール素子3
は、永久磁石7の中心から離れるので、磁束密度B
がその分だけ小さくなり、出力電圧V が小さくな
る(図6参照)。
【0026】(3)荷重がX軸の−方向に作用した場合 荷重がX軸の−方向に作用した場合には上記(2)と逆
になり、+側のホール素子3の出力電圧V が小
さくなり、−側のホール素子3の出力電圧V
大きくなる。
【0027】(4)荷重がY軸の+方向に作用した場合 作用する荷重によってゲル製パッド6がY軸の+方向に
押されて変形する。この結果、Y軸上に配置された2個
のホール素子3,3のうち、+側に配置された
ホール素子3は、永久磁石7の中心に近づくので、
その分だけ磁束密度Bが大きくなり、出力電圧V
大きくなる。一方、−側に配置されたホール素子3
は、永久磁石7の中心から離れるので、その分だけ磁
束密度Bが小さくなり、出力電圧V が小さくな
る。
【0028】(5)荷重がY軸の−方向に作用した場合 荷重がY軸の−方向に作用した場合には上記(4)と逆
になり、+側のホール素子3の出力電圧V が小
さくなり、−側のホール素子3の出力電圧V
大きくなる。
【0029】上記の入出力特性を利用すれば、4個のホ
ール素子3〜3の出力電圧Vを用いて、
永久磁石7の上面に作用する荷重をX,Y方向のずれ力
、Z方向の圧力Pに分解して測定すること
ができる。
【0030】一般に、本発明のような三軸荷重計測セン
サにおいては、雑多な要素が複雑に絡み合うため、最終
目的とするずれ力Sや圧力Pを、作用する荷重の関数と
して単純な理論式で記述することは極めて困難である。
また、たとえ精緻な理論式を演繹的に導き出すことがで
きたとしても、一般的に複雑な式となり、実際の計測に
そのまま用いることは難しい。
【0031】そこで、本発明者等は、入出力特性の実測
データ、すなわち図1の構造になる三軸荷重計測センサ
の入出力特性を実測し、この実際に測定した実測データ
に基づいて、作用する荷重Wと、最終目的とするずれ力
Sや圧力Pとの関係を与えるいわゆる近似式を導き出
し、この近似式に基づいて、センサに作用する加重Wを
ずれ力Sと圧力Pに分解して計測するようにしたもので
ある。
【0032】ところで、本発明者等の実験によれば、実
測データから上記近似式を導き出す場合、次のような問
題が生じることが分かった。すなわち、ホール素子は、
磁束密度Bに変化が生じさえすれば、変化の生じた原因
に関係なくその出力が変化する。従って、図1のような
構造の三軸荷重計測センサにおいて、荷重Wが永久磁石
7の上面に対して垂直方向及び平行方向に同時に作用し
た場合、荷重の垂直方向成分たる圧力Pによってゲル製
パッド6が圧縮されて縮み、その圧縮分だけホール素子
の出力電圧が変化し、X−Y方向に作用するずれ力Sを
正確に計測することができなくなる。
【0033】本発明者等は、この問題を解決すべく鋭意
研究の結果、作用する荷重Wの垂直方向成分たる圧力P
による影響を受けることなしにX−Y方向のずれ力Sを
正確に計測するには、図示するように、4個のホール素
子をX軸上とY軸上にそれぞれ2個ずつ直交配置し、そ
れぞれの軸上に配置した一対のホール素子同士の出力の
差分値ΔX,ΔYを用いて近似式を記述すればよいとい
う結論に達した。
【0034】すなわち、図示するように、4個のホール
素子3〜3をX軸上とY軸上にそれぞれ2個ず
つ直交配置すると、斜め方向に作用する荷重Wの垂直方
向成分たる圧力Pによってホール素子3〜3
出力電圧が変化したとしても、この圧力Pによる各ホー
ル素子3〜3の出力電圧の変化は、前述したよ
うに、すべてその出力値が大きくなる方向になるため、
同じ軸上で対応する2つのホール素子同士の出力値の減
算を行えば、荷重Wの垂直方向成分たる圧力Pによる影
響をうち消すことができる。
【0035】そこで、本発明においては、4個のホール
素子の出力値を用いて近似式を記述することをせず、ま
ず対応するホール素子同士の差分値ΔX,ΔYを求め、
この差分値ΔX,ΔYを用いて、ずれ力Sと圧力Pを与
える近似式を記述し、これに基づいてずれ力Sと圧力P
を計測するようにしたものである。
【0036】以下、図7を参照して、本発明の計測方法
をより詳細に説明する。図7(a)はホール素子3
〜3と永久磁石7の配置関係を示す図、図7(b)
はずれ力のベクトル図である。なお、図7中の各記号の
意味は次の通りである。
【0037】 XP:X軸上の+側に配置したホール素子3の出力
値 XN:X軸上の−側に配置したホール素子3の出力
値 YP:Y軸上の+側に配置したホール素子3の出力
値 YN:Y軸上の−側に配置したホール素子3の出力
値 S :ずれ力 θ :ずれ力Sの方向 XS:ずれ力SのX方向成分 YS:ずれ力SのY方向成分 P :Z方向(垂直下向き)の圧力
【0038】先ず、近似式を求めるための手順を示す。
同軸上で対応する一対のホール素子31 ,
3 ,の出力値XP,XN、YP,YN同士の
減算を行い、その差分値ΔX,ΔYを求める。
【0039】
【数3】
【0040】上記ΔX,ΔYを用いてX,Y方向のずれ
力XS,YSの近似式を2次多項式で記述するものとす
ると、次式となる。
【0041】
【数4】
【0042】よって、式から、X,Y方向のずれ力X
S,YSは、下式で与えられる。
【0043】
【数5】
【0044】ずれ力Sとその方向θは、式のSX,S
Yを用いて、
【0045】
【数6】
【0046】さらに、Z方向の圧力P、すなわち永久磁
石7に対して垂直下向きに作用する圧力は、
【0047】
【数7】
【0048】以上のようにして得られた式〜を用い
て、差分値ΔX,ΔYからX,Y方向のずれ力XS,Y
S、ずれ力S、その方向θ、圧力Pを求めることが可能
となる。
【0049】実際の計測に際しては、上記近似式中の係
数A〜Fの値を具体的に決定しておく必要がある。そこ
で、図示した三軸荷重計測センサについてその入出力関
係の実測データを収集した。その実測データを図8に示
す(ただし、図示はY軸方向のデータのみ)。この図8
のような実測データを用いて上記近似式中の係数A〜F
を具体的に決定した。これによって得られた具体的な式
’〜’を以下に示す。
【0050】
【数8】
【0051】
【数9】
【0052】
【数10】
【0053】
【数11】
【0054】実施の形態に係る三軸荷重計測センサを用
い、上記近似式’〜’に基づいて実際に三軸荷重の
測定を行ったところ、極めて正確な三次元荷重の測定を
行うことができた。実際の測定に際しては、三軸荷重計
測センサは測定対象とする部位、例えばベッドに寝た患
者の腰、背中、仙骨部などに、両面接着テープ等を用い
て張り付けて使用する。
【0055】なお、上記実施の形態では、パッド6の素
材としてゲルを用いたが、ゲルに限られるものではな
く、例えばゴムなど、変形自在な弾性体であれば使用可
能である。
【0056】また、上記実施の形態では、ゲル製のパッ
ド6を中に挟んで、4個のホール素子3〜3
下側に、永久磁石7を上側にして対向配置した場合の例
を示したが、これとは逆に、4個のホール素子3
を上側に、永久磁石7を下側にして対向配置して
もよいものである。要は、ホール素子3〜3と永
久磁石7の相対的な位置関係が荷重に応じて変化すれば
よい。
【0057】図9に本発明に係る三軸荷重計測センサの
第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態は、静
電容量方式によって構成した場合の例を示すものであ
る。なお、前記第1の実施の形態と同一もしくは同等の
部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0058】この第2の実施の形態は、図示するよう
に、前記第1の実施の形態におけるホール素子3
と永久磁石7に代えて、4個の小電極13
13 と1個のグランド電極17を用いたものである。
【0059】このようにグランド電極17に対して小電
極13〜13を対向配置した場合、各小電極と
グランド電極間にそれぞれ静電容量が生じる。この静電
容量Cは、次の式で表される。 C=ε・ε・S/d ただし、ε:真空誘電率 ε:比誘電率 S :グランド電極と小電極との重なり面積 d :グランド電極と小電極間の距離
【0060】上式から明らかなように、グランド電極1
7と小電極13〜13間の距離dが小さくなれ
ば、それに反比例して静電容量Cが大きくなり、また、
グランド電極17と小電極13〜13との重な
り面積Sが大きくなれば、それに比例して静電容量Cが
大きくなる。従って、この場合も、前記第1の実施の形
態と同様にして、X軸、Y軸上で対応する小電極同士の
静電容量の差分値ΔX,ΔYを求め、この差分値ΔX,
ΔYを用いてずれ力Sと圧力Pを与える近似式を記述
し、これに基づいてずれ力S、ずれの方向θ、圧力Pを
計測することができる。
【0061】なお、この第2の実施の形態の場合におい
ても、図示の配置とは逆に、4個の小電極13〜1
を上側に、グランド電極17を下側にして対向配
置してもよいものである。
【0062】以上説明した実施の形態は、差分値ΔX,
ΔYと、X,Y方向のずれ力XS,YSとの関係を2次多
項式で近似したが、一般に純数学的には、ある曲線を近
似するための近似式は、任意次数の高次多項式で近似す
ることが可能である。次数の高い高次多項式で表現すれ
ばするほど真値との誤差が小さくなり、より正確な荷重
計測が可能となる。
【0063】しかしながら、高次の多項式になればなる
ほどその係数を求めるための手間は幾何級数的に膨大な
ものとなる。従って、これらの手間と、要求されている
許容誤差とを比較検討し、採用する近似式の次数を決定
すればよい。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、作用する荷重を作用面
に垂直な圧力成分と、作用面に平行なずれ力成分に分解
して計測することができる。従って、入院患者や介護老
人等に利用すれば、ベッドに寝たきりの患者に作用する
荷重を人体表面に垂直な向きの圧力と人体表面に平行な
向きのずれ力とに分解して計測することが可能となり、
この計測結果を利用することによって、寝たきり患者の
状況に応じた最適な介護を行うことができると共に、ベ
ッドやエアマットの最適な形状と配置等を選定すること
ができ、従来大きな問題となっていた褥創等の発生を可
能な限り防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る三軸荷重計測センサを
示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)中のI−
I線断面図である。
【図2】プリント配線基板の形状を示すもので、(a)
は平面図、(b)は側面図である。
【図3】パッドベースの形状を示すもので、(a)は平
面図、(b)は背面図、(c)は中央縦断面図ある。
【図4】パッドとマグネットの形状を示すもので、
(a)は平面図、(b)は(a)中のIII−II線断面図
である。
【図5】荷重がZ軸方向に作用したときのホール素子の
出力図である。
【図6】荷重がX−Y面にと平行に作用したときのホー
ル素子の出力図である。
【図7】本発明の計測方法の(a)はホール素子と永久
磁石の配置関係図、(b)はずれ力のベクトル図であ
る。
【図8】Y軸方向の実測データを示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係る三軸荷重計測センサを
示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)中のIII
−III線断面図である。
【符号の説明】
1 プリント配線基板 2 電極 3〜3 ホール素子 4 パッドベース 5 凹状皿部 6 ゲル製パッド 7 永久磁石 8 ホール素子格納室 9 突起 10 位置合わせ用穴 11 フラットケーブル 12 パッケージシート 13〜13小電極 17 グランド電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中新 英之 神奈川県横須賀市平成町2−7 株式会社 ケープ内 (72)発明者 高橋 誠 北海道札幌市北区北十三条西8丁目(番地 なし) 北海道大学内 (72)発明者 小林 信弘 東京都文京区本郷2−16−13 日本パルス モータ株式会社内 Fターム(参考) 2F051 AA17 AB05 AB06 AC01 BA07 BA08 DA03 4C040 AA01 AA17 GG15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一平面上に位置して、X軸方向に沿っ
    てホール素子を2個配置すると共に、Y軸方向に沿って
    ホール素子を2個配置し、これら4個のホール素子全体
    を覆う面積からなる永久磁石を、所定厚さからなる弾性
    体を介して4個のホール素子と対向配置し、前記4個の
    ホール素子または永久磁石のいずれか一方の側を荷重の
    作用面としたことを特徴とする三軸荷重計測センサ。
  2. 【請求項2】 同一平面上に位置して、X軸方向に沿っ
    て小電極を2個配置すると共に、Y軸方向に沿って小電
    極を2個配置し、これら4個の小電極全体を覆う面積か
    らなるグランド電極を、所定厚さからなる弾性体を介し
    て4個の小電極と対向配置し、前記4個の小電極または
    グランド電極のいずれか一方の側を荷重の作用面とした
    ことを特徴とする三軸荷重計測センサ。
  3. 【請求項3】 前記弾性体としてゲルを用いたことを特
    徴とする請求項1または2記載の三軸荷重計測センサ。
  4. 【請求項4】 前記請求項1〜3のいずれかに記載の三
    軸荷重計測センサを用いた荷重の計測方法であって、X
    軸方向に配置された2個のホール素子(または小電極)の
    出力同士の減算を行ってその差分値を求めるとともに、
    Y軸方向に配置された2個のホール素子(または小電極)
    の出力同士の減算を行ってその差分値を求め、これらX
    軸、Y軸方向のホール素子(または小電極)同士の差分値
    を用いて、作用面に作用する荷重を作用面と平行なX−
    Y平面方向のずれ力とその方向及び作用面と垂直なZ軸
    方向の圧力を求めることを特徴とする荷重計測方法。
  5. 【請求項5】 X軸方向に配置された2個のホール素子
    (または小電極)の出力同士の差分値をΔX、Y軸方向に
    配置された2個のホール素子(または小電極)の出力同士
    の差分値をΔYとするとき、X方向のずれ力XS 、Y
    方向のずれ力YS 、ずれ力S、ずれ力Sの方向θ、及
    びZ軸方向の圧力Pを下式に従って求めることを特徴と
    する請求項4記載の荷重計測方法。 【数1】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010519528A (ja) * 2007-02-23 2010-06-03 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 衣料用繊維製品内での剪断力及び圧力の測定
JP2017144009A (ja) * 2016-02-17 2017-08-24 静岡県 伸縮セルモジュールおよび緩衝デバイス

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