JP2003290946A - レーザ溶接品質評価装置、レーザ溶接装置及び方法 - Google Patents

レーザ溶接品質評価装置、レーザ溶接装置及び方法

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JP2003290946A
JP2003290946A JP2002104353A JP2002104353A JP2003290946A JP 2003290946 A JP2003290946 A JP 2003290946A JP 2002104353 A JP2002104353 A JP 2002104353A JP 2002104353 A JP2002104353 A JP 2002104353A JP 2003290946 A JP2003290946 A JP 2003290946A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ溶接の品質をAEセンサの検出信号に
基づき評価する装置において、評価の精度を向上させ
る。 【解決手段】 加圧ローラ20は、被溶接物30の溶接
部32近傍を押圧することで、被溶接物30同士を密着
させ、溶接効率を向上させる。この加圧ローラ20の回
転軸を支持する軸支持部18にAEセンサ22を設け
る。溶接部32で発生したAE波は、加圧ローラ20及
び軸支持部18を伝搬して、AEセンサ22で検出され
る。途中に空気層を介さないので、AE波の減衰が少な
くなり、AEセンサ22の検出信号のS/N比が向上す
る。また、AEセンサ22は、常に溶接部32に対して
一定の位置関係にあるので、常に一定の条件で検出が行
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ溶接装置に
関し、特にレーザ溶接状態をAEセンサにより検出し、
評価や制御に用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザ溶接装置での溶接時に
生じるAE(アコースティックエミッション)波を検出
し、この検出信号から溶接状態を評価し、溶接の制御を
行う技術が提案されている。
【0003】例えば特開平1−210185号公報に
は、被溶接物を保持する治具にAEセンサを取り付け、
溶接時に被溶接物に生じるAE波を治具を介して検出
し、製品の良否を判別する装置が提案されている。
【0004】また、特開平6−155056号公報に
は、レーザ溶接ヘッド(トーチ)にAEセンサを取り付
け、溶接部で生じたAE波を溶接ヘッドを介して検出
し、最適溶接制御を行う装置が提案されている。
【0005】また、溶接に関するものではないがそれに
類するものとして、特開昭64−40192号公報に
は、被加工物に固着した1個もしくは複数個のAEセン
サを介して被加工物のレーザ加工に伴うAE信号を検知
し、このAE信号を演算処理してレーザ加工状態を監視
しつつリアルタイムに制御する加工制御法が提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−15505
6号公報の装置では、被溶接物で発生したAE波は、空
気層を介して溶接ヘッドに伝搬し、AEセンサで検出さ
れることになる。AE波は空気層により大幅に減衰する
ため、AEセンサでの検出においてS/N比が劣化する
などの問題がある。
【0007】特開平1−210185号公報及び特開昭
64−40192号公報に記載の技術では、AE波の発
生源からAEセンサまでのAE波伝搬経路に空気層が介
在しないので、上述の問題は基本的にない。しかしなが
ら、AEセンサの位置が被溶接物に対して固定的なの
で、比較的大型の被溶接物を溶接する場合、溶接部の位
置が変わると、AEセンサまでの距離やAE波伝搬経路
が変わってくる。このため、溶接状態をどの場所につい
ても正しく評価しようとすると、AEセンサまでの距離
やAE波伝搬経路の違いを補償する処理や機構が必要に
なるという問題がある。
【0008】本発明は、このような従来装置の問題を解
決するためになされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ溶接
品質評価装置は、レーザ溶接装置による溶接時に被溶接
物の溶接部から発生するAE波をAEセンサによって検
出し、このAEセンサの検出信号に基づき溶接品質を評
価する装置であって、被溶接物の溶接部近傍を押圧する
加圧ローラであって、前記レーザ溶接装置の構造部材に
対して取り付けられた加圧ローラを備え、前記AEセン
サをこの加圧ローラ又は前記構造部材に設け、前記溶接
部近傍から前記加圧ローラに伝搬したAE波を前記AE
センサで検出することを特徴とする。
【0010】本発明の好適な態様では、前記AEセンサ
はその加圧ローラの回転軸部材に取り付けられる。
【0011】本発明の別の好適な態様では、レーザ溶接
品質評価装置は、前記被溶接物の溶接部に向けて音波を
照射し、該音波の音圧により前記溶接部の溶接池の波立
ちを抑制する音波照射手段を備える。
【0012】本発明の別の好適な態様では、前記AEセ
ンサとして、実質的に500kHzを感度中心とする検
出能力を持つものを用いる。
【0013】本発明に係るレーザ溶接装置は、 レーザ
トーチから発したレーザ光により被溶接物の溶接部を溶
接するレーザ溶接装置であって、溶接時に被溶接物の溶
接部から発生する音をAEセンサによって検出し、この
AEセンサの検出信号に基づきレーザ溶接処理の処理パ
ラメータを制御するレーザ溶接装置であって、被溶接物
の溶接部近傍を押圧する加圧ローラであって、前記レー
ザ溶接装置の構造部材に対して取り付けられる加圧ロー
ラを備え、前記AEセンサをこの加圧ローラ又は前記構
造部材に設け、前記溶接部近傍から前記加圧ローラに伝
搬したAE波を前記AEセンサで検出することを特徴と
する。
【0014】本発明の好適な態様では、前記AEセンサ
はその加圧ローラの回転軸部材に取り付けられる。
【0015】本発明の別の好適な態様では、レーザ溶接
装置は、前記被溶接物の溶接部に向けて音波を照射し、
該音波の音圧により前記溶接部の溶接池の波立ちを抑制
する音波照射手段を備える。
【0016】本発明の別の好適な態様では、前記AEセ
ンサとして、実質的に500kHzを感度中心とする検
出能力を持つものを用いる。
【0017】また本発明の別の好適な態様では、レーザ
溶接装置は、被溶接物の形状データに基づき前記加圧ロ
ーラの高さ制御を行うローラ制御手段を含む。
【0018】また本発明に係る方法は、レーザトーチか
ら発したレーザ光により被溶接物の溶接部を溶接するレ
ーザ溶接装置による溶接方法であって、被溶接物の溶接
部近傍を押圧するために前記レーザ溶接装置に設けられ
た加圧ローラの回転軸部材に対して取り付けられたAE
センサにより、前記溶接部近傍から前記加圧ローラに伝
搬したAE波を検出し、このAEセンサの検出信号に基
づき前記レーザ溶接装置による溶接処理の処理パラメー
タを制御するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0020】図1は、本発明に係るレーザ溶接装置の全
体構成を示す模式図である。この図では、図の紙面に垂
直な方向をx軸方向、図の左右方向をy軸方向、上下方
向をz軸方向とする。また、図2はこのレーザ溶接装置
のレーザトーチ10の正面方向断面(a)、側面方向断
面(b)、及びそのレーザ出力口側を下側から見た様子
(c)、を模式的に示す図である。以下、これらの図を
参照して、この実施形態のレーザ溶接装置の構成を説明
する。
【0021】これらの図において、レーザトーチ10
は、溶接用のレーザビームを出力する装置である。レー
ザ102から発せられたレーザビームはレンズ104
a、104bにより集束される。その集束の焦点では、
重ね合わせた2枚の板などの被溶接物30がレーザビー
ムにより熱せられて溶融する。このようにして溶接され
る部分のことを溶接部32と呼ぶことにする。なお、レ
ンズ104bの下側には、溶融部32からの飛沫からレ
ンズ等を保護するために、レーザビームを透過させる保
護板106が設けられる。
【0022】レーザトーチ10は、油圧駆動部12にて
上下(すなわちz軸方向)に駆動される支持構造体14
に固定されている。油圧駆動部12は、油圧装置16か
らの油供給により支持構造体14を上下させることがで
きる。油圧駆動部12は、溶接ロボット(図示省略)に
対して取り付けられている。溶接ロボットは、レーザト
ーチ10をx方向及びy方向に移動させるのに用いられ
る。これに対し、油圧駆動部12は、レーザトーチ10
をz方向に移動させるのに用いられる。これら両者の組
合せにより、凹凸等を含んだある程度複雑な形状の被溶
接物を溶接することができる。なお、溶接ロボットに対
するレーザトーチ10の相対的な高さ(z軸方向位置)
は、油圧駆動部12のシリンダの高さを検出する高さセ
ンサ13によって検出することができる。
【0023】支持構造体14の下端には軸支持部18が
設けられ、この軸支持部18により加圧ローラ20の回
転軸が支持されている。加圧ローラ20は、被溶接物3
0を押圧するための部材である。加圧ローラ20は、溶
接部32の近傍部を押圧することにより、溶接部32の
位置での、被溶接物30である複数枚の板の密着性を高
める。加圧ローラ20及び軸支持部18は、共に金属等
の音波を伝搬しやすい材料で形成されている。また、加
圧ローラ20と軸支持部18との界面での音波の反射を
極力少なくするため、両者はできるだけ音響インピーダ
ンスの近い材料を用いて製作する。
【0024】駆動制御部26は、溶接ロボットによる
x、y方向の動きや油圧駆動部12によるz方向の動き
を制御する制御プロセッサである。この駆動制御部26
は、トーチ10の現在のxy座標の情報を含んだロボッ
トデータを溶接ロボットから、トーチ10の現在の高さ
(z座標)の情報を含んだ高さデータを高さセンサ13
から、被溶接物の3次元形状を示す設計データを記憶装
置(図示省略)から、それぞれ受け取る。そして、前二
者が示す現在のトーチ10の3次元位置と、設計データ
が示す3次元形状とに基づき、溶接ロボットに対する駆
動指示データと油圧駆動部12に対する駆動指示データ
を計算し、それらに対して各指示データを供給する。
【0025】この駆動指示に基づいた油圧駆動部12の
油圧駆動により、支持構造体14が(被溶接物30の形
状に対して)相対的に下方向に付勢されることで、加圧
ローラ20により被溶接物30が押圧されることにな
る。
【0026】本実施形態では、加圧ローラ20の回転軸
を支持する軸支持部18に対してAEセンサ22を取り
付けている。このAEセンサ22は、その検出面が軸支
持部18に密着するように取り付けられる。したがっ
て、被溶接物30の溶接部32で発生したAE波は、加
圧ローラ20及び軸支持部18を介してAEセンサ22
に到達する。
【0027】金属である被溶接物30と空気とでは、音
響インピーダンスが大きく異なるため、被溶接物30で
発生したAE波は空気層に伝搬しにくいが、加圧ローラ
20は被溶接物30に音響インピーダンスが近いので、
AE波は効率よく加圧ローラ20に伝搬する。また、加
圧ローラ20内では空気層よりもAE波の減衰が少な
い。また、軸支持部18も加圧ローラ20に近い音響イ
ンピーダンスを持つので、この両者間でもAE波は効率
よく伝搬する。したがって、AE波は、空気層を介する
場合よりも遙かに少ない減衰で、AEセンサ22まで到
達する。この結果、AEセンサ22の検出信号のS/N
比を向上させることができる。
【0028】また、軸支持部18にAEセンサ22を取
り付けた場合、溶接ロボットや油圧駆動部12により溶
接部の位置がどう変わっても、その溶接部に対するAE
センサ22の相対的な位置関係は一定であるので、常に
一定の条件で検出を行うことができるという利点があ
る。
【0029】なお、AEセンサ22を軸支持部18に取
り付ける代わりに、支持構造体14やレーザトーチ10
などに取り付けることとしても、空気層を介してAE波
を検出するよりは大幅にS/N比を向上させることがで
きる、しかし、軸支持部18は、溶接部32に対する相
対的な位置関係が変化しない場所としては、溶接部32
に最も近い位置なので、ここにAEセンサ22を設ける
ことは最も好適であるといえる。
【0030】AEセンサ22としては、約500kHz
を感度中心とする検出能力のものを用いることが好適で
ある。これは本発明の発明者らによる実験に基づくもの
である。
【0031】この実験では、良好な溶接ができた場合や
割れ等の不良が発生した場合など、さまざまなケースに
ついてのAEセンサの検出信号を集めた。その結果、A
Eセンサの検出信号のうち約200kHz以下の部分
は、溶接の状態・品質にあまり関係なく類似した信号が
得られ、この部分は、機械の振動や溶接用のシールドガ
スによる雑音などに対応するノイズ部分であることが分
かった。逆に200kHzを超える周波数成分が、溶接
の状態・品質を示す信号である。
【0032】図3は、この実験において、溶接部から発
せられるAE波を、150kHzを感度中心とするAE
センサで検出したときの検出信号を周波数分析したもの
である。この図に示すように、200kHz以上の範囲
では、600kHz近くまで信号が存在している。ここ
で、約500kHzを感度中心とするAEセンサを用い
ると、200kHz近傍から感度がよくなり、500k
Hz近傍で最高感度となり、1MHz程度まで感度のあ
る感度分布が得られる。これは、溶接品質を表す信号の
検出に好適な感度分布である。なお、この例では、15
0kHzのセンサを用いたため、高い周波数についての
感度が低くなっているが、実際の溶接の様々なケースを
考えると、1MHz程度までの信号を検出できることが
好適である。
【0033】このようなAEセンサ22の検出信号は、
溶接評価処理部24に入力される。溶接評価処理部24
は、この検出信号に基づき、溶接部32の品質・状態を
評価する。
【0034】溶接評価処理部24の評価処理としては、
例えば、検出信号のレベルが所定の良品レベル範囲にあ
る場合は溶接結果が良品、その範囲から外れた場合は不
良品と評価する処理が考えられる。良品レベル範囲とし
ては、溶接品質が良好な場合の検出信号のレベル範囲を
予め実験等により定め、これを評価処理部24に登録し
ておけばよい。
【0035】図4は、この良品レベル範囲を求めるため
の実験結果の一例であり、同じ材質、厚さ(3.00m
m)の被溶接物に対しレーザ出力を何段階かに変えて溶
接を行った場合の、検出信号(AE信号)のレベルの実
効値の変化を、各場合の溶接結果の溶込み深さと合わせ
て表したものである。この例では、レーザ出力が0.5
kWの時は溶込み深さ0.35mmで溶込み不足であ
り、2.0kWの時は溶込み深さ2.65mmで比較的
良好な溶込み状態であり、4.0kWの時は溶込み深さ
3.00mmで被溶接物の裏面まで完全に溶けている
が、若干溶かしすぎとなっている。そして、この間のA
Eセンサの検出信号は、良好な溶込み状態を示している
レーザ出力2.0kWの近傍をピークとする山なりの変
化を示していることが分かる。この実験結果から、例え
ば検出信号の実効値レベルが25以上28以下を良品レ
ベル範囲とするなどの判断ができる。
【0036】図4の例はもちろん一例に過ぎない。溶接
における被溶接物の溶込み方は、被溶接物である複数の
部材の材質の組合せと、その被溶接物に対する単位時間
当たりの入熱量に依存する。また、単位時間当たりの入
熱量は、レーザ出力と被溶接物の送り速度に依存する。
したがって、これらの条件(材質及び入熱量)を様々に
変えて実験を行い、各条件での良品レベル範囲を予め求
めて登録しておけばよい。入熱量については、代表的な
レーザ出力と送り速度の組合せでいくつか実験すれば、
他の部分については補間が可能である。
【0037】本実施形態では、この評価処理の他にも、
例えば前述の特開平6−155056号公報に開示され
た評価処理など、従来の様々なAE信号評価手法を利用
することができる。
【0038】溶接評価処理部24による上述のような溶
接品質評価の結果に基づき溶接不良品を自動的に選り分
けたり、あるいはその評価結果を後工程に提供したりす
ることができる。後者の場合、後工程では、各被溶接物
の評価結果に基づき、必要に応じて手直しを行うなどの
処置が可能となる。
【0039】以上は1つの被溶接物(ワーク)単位での
評価とその利用法であったが、1つの被溶接物を溶接す
る場合でも、AEセンサ22のリアルタイムの検出信号
からその時点の溶接状態を判定し、その判定に応じてレ
ーザ溶接装置の各種処理パラメータを制御することで、
良好な溶接がなされるように溶接装置をフィードバック
制御することもできる。制御対象の処理パラメータとし
ては、レーザ出力、送り速度(溶接速度)、シールドガ
スの流量、アシストガスの流量等が挙げられる。これら
のうちの1つ又は複数をAEセンサ22の検出信号に基
づき制御することで、溶接処理の最適制御を行う。
【0040】以上、本実施形態の基本的な装置構成とそ
の作用効果を説明したが、更に本実施形態では、付加的
な構成として、図2に示すように、レーザトーチ10に
3つの発振器110a,110b,110cを設けるこ
とも好適である。これら発振器110a〜110cは、
被溶接物の30の溶接部32の溶融池(溶接の熱により
金属が溶融した部分)表面の波立ちを抑制するためのも
のである。
【0041】すなわち、レーザ溶接において、溶融池の
表面が1〜2kHz程度の周波数で波立っていることが
従来の研究で分かっている(レーザ溶接の現状と将来技
術」レーザ熱加工研究会(現 レーザ加工学会)、E.Be
yer,A.Gasser,W.Gatzweilerand W.Sokolowski,"Plasma
fluctuation in laser welding with CW-CO2 lasers,"I
CALEO,1987,pp.17-23.)。
【0042】ここに示す発振器110a〜110cは、
この波立ちを音波による音圧で低減しようとするもので
ある。溶融池表面の波立ちを抑えることで、溶接の効率
や品質を向上させることができると共に、AEセンサ2
2の検出信号のS/N比の更なる向上も見込める。
【0043】各発振器110a〜110cは、同一周波
数の音波を発するものである。例えば、前述の1〜2k
Hzの溶融池表面波動に対し、各発振器110a〜11
0cからは約10kHz程度の正弦波の音波を照射す
る。それら発振器110a〜110cは、すべて被溶接
物30の溶接部32に向けて配設する。そして、各発振
器110a,110b,110cは、図5に示す駆動信
号200a、200b、200cのように、相互に1/
3周期ずつ位相の異なる駆動信号で駆動する。このよう
な各発振器の発振により、溶接部32には常にほぼ一定
に近い音圧が加わることになる。この音圧の作用によ
り、溶融池表面の波動が抑圧される。
【0044】なお、厳密には、発振器110a〜110
cは、溶接部32の表面で図5に例示したような等位相
間隔となるように音波を出力すればよい。したがって、
この要件を満足するよう、各発振器110a〜110c
の配設位置と溶接部32の距離の関係に基づき、各発振
器に与える駆動信号の位相差を決めればよい。
【0045】なお、発振器110a〜110cの発振周
波数は、例示した10kHz程度に限るものではない。
ただし、AEセンサ22へのノイズの混入を極力避ける
ために、AEセンサ22の感度分布(上述の例では約5
00kHzを中心とする分布)において、十分に低感度
となる低い周波数を用いることが好適である。好適な周
波数は、予め実験等により求めておけばよい。
【0046】また、上述の例では3個の発振器を用いた
が、それ以上の数(n個とする)の発振器を設け、それ
らにより溶融池表面に1/n周期ずつ位相がずれた音波
を照射するようにすれば、溶融地表面に作用する音圧を
より一定に近づけることができる。
【0047】以上説明したように、本実施形態の装置に
よれば、加圧ローラ20を介してAE波を検出すること
ができるので、被溶接物の部材同士を密着させて好適な
溶接を行いつつ、高いS/N比でかつ常にほぼ一定の検
出条件でAE波を検出することができ、溶接品質・状態
の判定の精度を向上させることができる。また、本実施
形態では、加圧ローラ20の3次元位置を被溶接物の設
計形状データに従って制御することができるので、凹凸
等がある比較的複雑な設計形状でも、その形状に従って
溶接することができる。また、本実施形態では、レーザ
トーチ10と加圧ローラ20とが共に共通の支持構造体
14に固定されているので、トーチ10と被溶接物30
の溶接部32との距離は常に一定とすることができる。
また、本実施形態では、約500kHzを中心感度とし
たAEセンサを用いることで、約200kHz以下のノ
イズ成分の検出を大幅に低減し、溶接品質に関わるAE
信号を効率よく検出することができる。また本実施形態
では、溶接部32に向けて音波を照射する発振器110
a〜110bを設けたことにより、溶接部32の表面の
波立ちを抑制することができ、ひいては溶接効率の向上
やAE信号検出の更なるS/N比向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るレーザ溶接装置の全体構成を模
式的に示す図である。
【図2】 本発明に係るレーザ溶接装置の構成の細部を
説明するための図である。
【図3】 溶接時に発生したAE波のAEセンサによる
検出信号の周波数分析結果の一例を示す図である。
【図4】 実験で求めたレーザ出力とAE信号の実効値
レベルとの関係の一例を示す図である。
【図5】 3つの発振器に対して与える駆動信号の例を
示す図である。
【符号の説明】
10 レーザトーチ、12 油圧駆動部、13 高さセ
ンサ、14 支持構造体、16 油圧装置、18 軸支
持部、20 加圧ローラ、22 AEセンサ、24 溶
接評価処理部、26 駆動制御部、30 被溶接物、3
2 溶接部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ溶接装置による溶接時に被溶接物
    の溶接部から発生するAE波をAEセンサによって検出
    し、このAEセンサの検出信号に基づき溶接品質を評価
    する装置であって、 被溶接物の溶接部近傍を押圧する加圧ローラであって、
    前記レーザ溶接装置の構造部材に対して取り付けられた
    加圧ローラを備え、 前記AEセンサをこの加圧ローラ又は前記構造部材に設
    け、前記溶接部近傍から前記加圧ローラに伝搬したAE
    波を前記AEセンサで検出することを特徴とするレーザ
    溶接品質評価装置。
  2. 【請求項2】 前記AEセンサはその加圧ローラの回転
    軸部材に取り付けられることを特徴とする請求項1記載
    のレーザ溶接品質評価装置。
  3. 【請求項3】 前記被溶接物の溶接部に向けて音波を照
    射し、該音波の音圧により前記溶接部の溶接池の波立ち
    を抑制する音波照射手段を備えることを特徴とする請求
    項1記載のレーザ溶接品質評価装置。
  4. 【請求項4】 前記AEセンサとして、実質的に500
    kHzを感度中心とする検出能力を持つものを用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載のレーザ溶接品質評価装
    置。
  5. 【請求項5】 レーザトーチから発したレーザ光により
    被溶接物の溶接部を溶接するレーザ溶接装置であって、
    溶接時に被溶接物の溶接部から発生する音をAEセンサ
    によって検出し、このAEセンサの検出信号に基づきレ
    ーザ溶接処理の処理パラメータを制御するレーザ溶接装
    置であって、 被溶接物の溶接部近傍を押圧する加圧ローラであって、
    前記レーザ溶接装置の構造部材に対して取り付けられる
    加圧ローラを備え、 前記AEセンサをこの加圧ローラ又は前記構造部材に設
    け、前記溶接部近傍から前記加圧ローラに伝搬したAE
    波を前記AEセンサで検出することを特徴とするレーザ
    溶接装置。
  6. 【請求項6】 前記AEセンサはその加圧ローラの回転
    軸部材に取り付けられることを特徴とする請求項5記載
    のレーザ溶接装置。
  7. 【請求項7】 前記被溶接物の溶接部に向けて音波を照
    射し、該音波の音圧により前記溶接部の溶接池の波立ち
    を抑制する音波照射手段を備えることを特徴とする請求
    項5記載のレーザ溶接装置。
  8. 【請求項8】 前記AEセンサとして、実質的に500
    kHzを感度中心とする検出能力を持つものを用いるこ
    とを特徴とする請求項5記載のレーザ溶接装置。
  9. 【請求項9】 被溶接物の形状データに基づき前記加圧
    ローラの高さ制御を行うローラ制御手段を含む請求項5
    記載のレーザ溶接装置。
  10. 【請求項10】 レーザトーチから発したレーザ光によ
    り被溶接物の溶接部を溶接するレーザ溶接装置による溶
    接方法であって、 被溶接物の溶接部近傍を押圧するために前記レーザ溶接
    装置に設けられた加圧ローラの回転軸部材に対して取り
    付けられたAEセンサにより、前記溶接部近傍から前記
    加圧ローラに伝搬したAE波を検出し、 このAEセンサの検出信号に基づき前記レーザ溶接装置
    による溶接処理の処理パラメータを制御する、レーザ溶
    接方法。
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