JP2003289311A - 双方向リングネットワーク、ノード装置、および双方向リングネットワークのルーティング情報構成方法 - Google Patents

双方向リングネットワーク、ノード装置、および双方向リングネットワークのルーティング情報構成方法

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JP2003289311A JP2002089572A JP2002089572A JP2003289311A JP 2003289311 A JP2003289311 A JP 2003289311A JP 2002089572 A JP2002089572 A JP 2002089572A JP 2002089572 A JP2002089572 A JP 2002089572A JP 2003289311 A JP2003289311 A JP 2003289311A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 運用を継続したままノード装置を追加でき、
拡張性と保守性に優れた双方向リングネットワークを提
供する。 【解決手段】 双方向リングネットワークにおいて、ノ
ード装置がいずれかの方向に関し依存関係の切断点にな
る場合にセットされる切断点表示フラグ104(0)〜(4)を
有し、該フラグによってノード装置、例えば101(5)の追
加増設が可能かどうかを判定する。本発明によれば双方
向リングネットワークの既設のノード装置が有する運用
中のルーティング設定情報を変更することなく、ルーテ
ィング設定情報の追加だけで追加ノード装置101(5)に対
するルーティングを可能とする。追加されたノード装置
101(5)のルーティングテーブル103(5)は隣接ノード装置
101(1)のルーティングテーブル103(1)のコピーを元に設
定される。これらのルーティングテーブルの設定は、追
加されたノード装置101(5)が発行する制御用パケットに
よって実行される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンピュータ間のデ
ータ通信ネットワークに関し、さらに詳しくは複数のノ
ードをリング状に接続して双方向に通信する双方向リン
グネットワークの制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータネットワークの一つの方式
としてリングネットワークがある。一般に複数のノード
装置をリング状に接続したものをリングネットワークと
呼び、各ノード装置間の通信が一方向にのみ可能である
ものを単方向リングネットワーク、各ノード装置間が双
方向に通信可能であるものを双方向リングネットワーク
と呼ぶ。リングネットワークにはノード装置数に比して
リンク数が比較的少ないため、安価に実現できるという
メリットがある。
【0003】リングネットワークによってデータ通信を
行う場合の一つの課題に、デッドロックの回避がある。
デッドロックとはリソース獲得時の競合によって処理が
先に進めなくなる「すくみ」の状態を指す。一般にパケ
ット交換方式によって通信を行う場合には、各パケット
がノード装置内のバッファをリソースとして取り合うこ
とになる。このときリソースの依存関係がループを構成
すると、デッドロックの可能性がある。
【0004】次に、4つのノード装置をリング状に接続
した4ノードリングネットワークにおいてデッドロック
に陥るケースを説明する。図7は4ノードリングネット
ワークを示す図である。各ノード装置701(0)〜701(3)は
計算機などの処理装置703(0)〜703(3)と一対一に接続さ
れており、隣接するノード装置から入力されたパケット
を一つだけ保持するバッファ702(0)〜702(3)と、処理装
置703(0)〜703(3)から入力されたパケットを保持するバ
ッファ704(0)〜704(3)とを有している。
【0005】入力されたパケットが自ノード装置(に接
続された処理装置)宛でなかった場合には、リング接続
された次のノード装置にパケットをフォワードする。し
かし、パケットを次のノード装置に渡すためには次のノ
ード装置のバッファが空いている必要がある。バッファ
702(0)〜702(3)にはそれぞれ固有の宛先が記述されたパ
ケット705(0)〜705(3)が保持されている。図中のパケッ
ト705(0)〜705(3)に記述された数字1,2,3,0はそれぞれ
宛先のノード装置の番号を示している。例えばノード装
置701(1)内のバッファ702(1)にはノード装置701(2)に通
信すべきパケット705(2)が保持されているが、宛先のノ
ード装置701(2)内のバッファ702(2)には既に別のパケッ
ト705(3)が保持されており、ノード装置701(1)はノード
装置701(2)にパケット705(2)を渡すことができない。す
べてのノード装置において上記と同様の状態が発生する
ため、すべてのノード装置がリソースが空くのを待ち続
けるすくみ状態、すなわちデッドロックに陥る。
【0006】これは蓄積交換によるルーティングを行っ
ている場合だが、ワームホールルーティングの場合にも
リソースとしてリンクを取り合うために、同様のデッド
ロックに陥ることがある。
【0007】富田眞治著「並列コンピュータ工学」(昭
晃堂,1996)p.42〜p.47では、「相互結合網におけるデ
ッドロック」として4ノードで構成された単方向リング
ネットワークのデッドロックの例が紹介され、以下の解
決策が提示されている。
【0008】1.チャネルの共有化、すなわち仮想チャ
ネルによって依存関係のサイクルを切断する。さらにノ
ード装置内のバッファ数、仮想チャネル数を増やして任
意のノードペア間の通信において競合を回避するよう構
成した構造化バッファプールと呼ばれる方式もある。
【0009】2.チャネルが獲得できない場合に獲得し
てきたチャネルを開放する。しかし、この場合チャネル
解放のためのバッファに関してデッドロック問題が発生
するため、デッドロックの根本的な解決にはならない。
【0010】3.一度に全チャネルを獲得する。この方
式は集中制御を必要とし、各ノード装置による分散制御
では実現困難である。
【0011】4.特定のパケットが優先的にチャネルを
獲得する方式。この方式はデッドロックの可能性がない
場合にも特定のパケットが優先的にチャネルを獲得する
ことを回避できず、非効率となる。
【0012】5.リングの切断、すなわちリソースの依
存関係が構成するサイクルを断ち切る。但し単方向リン
グネットワークにおいては直接通信不可能なノード装置
ができてしまうため、通信を中継ノードにおいて一旦完
結させるか、あるいは逆方向のリングを付加するなどの
対策をとる必要がある。
【0013】デッドロックの回避方法としてもっとも一
般的なのは、1.に示した仮想チャネルを使用してリソー
スの依存関係にあるサイクルを断ち切ることである。仮
想チャネルの基本的な考え方は、物理的なリンクの本数
を増やさずに仮想的にノード装置間のチャネル本数を増
やし、チャネルの依存関係がサイクルを構成しないよう
にリソースの獲得を制御することである。これはノード
装置内に複数のバッファを用意し、パケット送信先など
によって使用バッファを決定することによって実現され
ている。これらの手法はDallyらの米国特許(U.S.paten
t 4,933,933 Torus routing chip)などに詳述されてい
る。
【0014】このような仮想チャネルによってデッドロ
ックを回避した場合には、チャネルの数分のバッファを
用意する必要があり、複数のバッファを制御するための
回路も複雑化する。また、必要となるチャネル数はノー
ド数に依存するため、ネットワークにノード装置を追加
増設しようとする場合はチャネル数を増やす必要があ
る。しかしチャネル数は物理的なリソースの量によって
制限されるため、ノード数をあらかじめ想定した数以上
に増やすことができず、拡張性に乏しいという問題があ
る。構造化バッファプールの場合にもノード装置内のバ
ッファ増加と、それに伴う制御回路の複雑化の問題は避
けられない。
【0015】次に、上記5.のリングの切断、すなわち
リソースの依存関係が構成するサイクルを断ち切る解決
策について説明する。逆方向のリング接続を付加した4
ノード双方向リングネットワークにおいて、ルーティン
グの方向を制限することによって特定チャネル間の依存
関係を解消し、デッドロックを回避する例を図8〜図1
1により説明する。
【0016】図8は4ノード双方向リングネットワーク
の構成図である。ノード装置801(0)〜801(3)は二重のリ
ング接続によって双方向に通信可能なリングネットワー
クを形成している。ノード装置間の接続には説明のため
にC1〜C8のように番号を付与している。今仮に、時計回
り方向を順方向、反時計回り方向を逆方向と呼ぶと、接
続C1〜C4は順方向のリング、接続C5〜C8は逆方向のリン
グを形成している。各ノード装置801(0)〜801(3)はそれ
ぞれ計算機などの処理装置802(0)〜802(3)と一対一に接
続されており、順方向リング上のパケットを保持するバ
ッファ803(0)〜803(3)と、逆方向リング上のパケットを
保持するバッファ804(0)〜804(3)と、直接接続された処
理装置802(0)〜802(3)から受信したパケットを保持する
バッファ805(0)〜805(3)を有している。
【0017】隣接するノード装置801(0)〜801(3)からパ
ケットを受信した場合には、その送信先のノード装置の
番号(送信先ノード装置番号)を確認して処理装置802
(0)〜802(3)に渡すか、次のノード装置801(0)〜801(3)
にフォワードするかのいずれかの処理を行う。処理装置
802(0)〜802(3)から受信してバッファ805(0)〜805(3)に
保持しているパケットに対しては、その送信先ノード装
置番号を確認して順方向もしくは逆方向のリングに沿っ
て隣接するノード装置801(0)〜801(3)にフォワードす
る。このように受信パケットの送信先ノード装置番号を
識別して出力先を判定する機能は、具体的にはテーブル
参照のような形で実現することができる。ここで用いら
れるパケットの出力先判定に用いられる情報を設定した
テーブルをルーティングテーブルと呼ぶ。ルーティング
テーブルによる出力先判定では、ネットワークを構成す
るノード装置(あるいは処理装置)に付与される番号を
自由に設定できる(例えばリングに沿って順に番号をつ
けるなどの制限がない)というメリットがある。
【0018】次にこのような双方向リングネットワーク
においてデッドロックを回避する方法について説明す
る。図9は図8の双方向リングネットワークにおける、
バッファの依存関係を有向グラフで表現したものであ
る。順方向のリングに関しては803(0)→803(1)→803(2)
→803(3)→803(0)のようなサイクルが存在し、逆方向の
リングに関しては804(0)→804(3)→804(2)→804(1)→80
4(0)のようなサイクルが存在する。このようなサイクル
が存在する場合にはデッドロックの可能性がある。
【0019】そこで、ルーティングに以下のような制限
を設ける。「ノード装置801(0)はパケットを中継しな
い、すなわち、ノード装置801(0)のバッファ803(0)とバ
ッファ804(0)には、常に送信先ノード装置番号が0を示
すパケットのみが入力される。」図10は、上記の制限
を加えた場合のバッファの依存関係のグラフを示す図で
ある。図10においては依存関係のサイクルは存在せ
ず、デッドロックは回避されている。
【0020】図11は、上記のルーティング制限によっ
てデッドロック回避を行った場合の具体的なルーティン
グ経路を示す図である。同図に示すように、送信元ノー
ド(source node)装置と送信先ノード(destination n
ode)装置とによってパケットがどの接続を通過して送
信先ノードに到達するかが固定的に決定される。ノード
装置801(0)が送信元ノード装置、もしくは送信先ノード
である場合には、パケットが選択可能な経路が複数存在
する。図11ではそのような場合に経路の短い方を選択
して記している。ノード装置801(0)からノード装置801
(2)への通信、およびノード装置801(2)からノード装置8
01(0)への通信は距離の等しい二つの選択可能な経路が
存在し、図11にはその両方を記してある。
【0021】このように受信したパケットを後段に位置
するノード装置にフォワードしないノード装置に関し、
本発明では“依存関係の切断点”と記述する。依存関係
の切断点となるノード装置とは、リソース(つまりここ
ではリング上でパケットを保持するバッファ)の依存関
係を有向グラフで示したとき、終端に位置するバッファ
を有するノード装置である。図10を参照してもわかる
ように、順方向リングおよび逆方向リングにおいてノー
ド装置801(0)内の入力バッファ部803(0)と804(0)は有向
グラフの終端点に位置している。
【0022】このように、ノード数が4以下であればデ
ッドロックフリーで且つノード間距離が最短になるよう
にパケットのルートを決定可能であることが、”A Surv
ey of Wormhole Routing Techniques in Direct Networ
ks”,L.M.Ni and P.K.McKinley,IEEE Computer,Feb 199
3,p.62-86などに示されている。NiとMcKinleyのサーベ
イではワームホールルーティングを行うネットワークに
関してノード装置間のチャネルをリソースとして説明し
ているが、同様の理論を蓄積交換網の場合に適用する場
合には上述のようにバッファをリソースとして取り扱
う。
【0023】このように依存関係のリングを切断するこ
とによってデッドロックを回避した場合には、ノード数
が増加した場合にパケット経路を最短距離で設定できな
いという問題はあるものの、ノード装置の構成は比較的
単純であり、しかもネットワークの規模が大きい場合、
つまりノード数が多い場合にも、ノード装置の構成には
影響を与えないというメリットがある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのようなリン
グネットワークにおいては、ノード装置の追加増設が容
易でないという問題がある。依存関係のリングを切断す
ることによってデッドロックを回避したリングネットワ
ークでは、ノード装置の追加の際にはルーティングテー
ブルを書き換え、依存関係のリングが切断された状態に
再設定する必要がある。このときネットワークの運用中
にルーティングテーブルを書き換えると、ネットワーク
内を通過中のパケットが誤ってルーティングされる可能
性があるため、ルーティングテーブルの書き換え前には
ネットワーク内に通過中のパケットが存在しないことを
保証するか、ネットワークの動作を停止させるなどの処
理が必要となる。また、テーブルの書き換えの際にはチ
ャネルの依存関係を考慮した上で人手で設計する必要が
あるため、ネットワークへのノード装置の追加はさらに
困難であった。
【0025】(発明の目的)本発明は上記の課題に鑑み
てなされたものであり、その主要な目的は運用を継続し
たままノード装置を追加できる双方向リングネットワー
ク、ノード装置、および双方向リングネットワークのル
ーティング情報構成方法を提供することにある。本発明
の双方向リングネットワークによって、拡張性と保守性
に優れたシステムを提供することができる。本発明の目
的を具体的に説明すると、第一の目的は上記ノード装置
の追加に際し、ネットワーク中の適切な追加位置を判定
する手段を提供することにある。
【0026】第二の目的は上記ノード装置の追加に際
し、追加されたノード装置のルーティングテーブルの設
定を容易に行う手段を提供することにある。
【0027】第三の目的は上記ノード装置の追加に際
し、既に運用中のノード装置内にある、運用時に使用さ
れているルーティングテーブルの情報を変更せずに、新
たな情報の追加だけで正しく経路を設定可能なノード装
置、および双方向リングネットワークを提供することに
ある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明では、基本的にリ
ングの切断によってデッドロックを回避するアプローチ
を取る。このためにノード装置の数が5以上の場合にパ
ケットが遠回りの経路を選択することがあるが、ノード
装置の数が増えた場合にも同一のノード装置でリングネ
ットワークを構成することが可能となる。
【0029】上記の目的を達成するために、本発明によ
る双方向リングネットワークは、ノード装置が双方向リ
ングネットワーク中のリソースの依存関係の切断点であ
るか否かを表示する切断点表示フラグを有し、依存関係
の切断点ではないノード装置と隣接する箇所にしかノー
ド装置の追加増設を許可しない構成とする。
【0030】また、本発明による双方向リングネットワ
ークは、追加されるノード装置のルーティングテーブル
を、隣接する依存関係の切断点ではないノード装置のル
ーティングテーブルのコピーを元に、このコピー元とな
るノード装置を送信先ノード装置とするエントリを追加
することによって作成することを特徴とする。
【0031】本発明による双方向リングネットワーク
は、追加されたノード装置が隣接するノード装置の切断
点表示フラグを調べ、依存関係の切断点ではないと判定
できた場合にそのルーティングテーブルのコピーを要求
する制御用パケットと、該要求に対する応答として受信
したルーティングテーブルのコピーを元に追加されたノ
ード装置のルーティングテーブルを作成する機能を有し
てもよい。
【0032】また、本発明による双方向リングネットワ
ークは、追加されたノード装置を送信先ノード装置とす
るパケットのルーティングのために、既設のノード装置
のルーティングテーブルにおいて既存のエントリを書き
換えることなく、追加されたノード装置固有の番号を持
つ新規のエントリを追加する機能を有する。該新規のエ
ントリに記述されるルーティング情報は、追加されたノ
ード装置のルーティングテーブル作成の際にコピー元と
して参照されたノード装置の番号と、自ノード装置の番
号を比較し、一致する場合には隣接する追加されたノー
ド装置に直接接続されたリンクを使用するよう設定し、
不一致であった場合にはコピー元として参照されたノー
ド装置へのルーティング方向と同一の方向となるように
設定するという特徴を持つ。
【0033】本発明による双方向リングネットワーク
は、追加されたノード装置が発行した制御用パケットが
リングネットワーク上を周回することによって、既設の
ノード装置に対し該新規エントリの追加を指示する機能
を有してもよい。
【0034】なお、本方式は仮想チャネルによるデッド
ロック回避アプローチと併用することで、チャネルによ
って規定される数以上にノード装置の数を増加させるこ
とも可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明の双方向リングネッ
トワーク、ノード装置、および双方向リングネットワー
クのルーティング情報構成方法の一実施の形態について
図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施
の形態のブロック図であり、双方向リングネットワーク
を構成するノード装置の一例を示す図である。
【0036】ここでは説明の簡略化のために蓄積交換式
のネットワークを例にとって説明する。しかし以下に示
す方式は、パケットを第一番目のフリットと読み替え、
行き先アドレスを持たない第二番目以降のフリットを第
一番目のフリットと同じ行き先にルーティングするよう
制御することで、容易にワームホールルーティングの場
合にも適用可能である。
【0037】ノード装置101は3つの入出力ポートを有
している。一つ目の入出力ポートは入力ポート113と出
力ポート114から構成され、計算機などの処理装置(図
示せず)に接続される。入力バッファ部107は処理装置
からの入力を入力ポート113を介して受け取るバッファ
部であり、出力制御部108は出力ポート114を介して処理
装置へのパケットの出力を制御する。
【0038】残る二つの入出力ポートは、リングネット
ワークを構成する別のノード装置と接続される。二つ目
の入出力ポート、すなわち入力ポート115と出力ポート1
16は別のノード装置に接続され、三つ目の入出力ポー
ト、すなわち入力ポート117と出力ポート118もまた別の
ノード装置に接続される。したがって入力ポート115お
よび出力ポート117の接続はリングネットワークにおけ
る一方向のリングを形成する接続であり、入力ポート11
8と出力ポート116は双方向リングネットワークにおいて
前記のリングと逆方向のリングを形成する接続である。
ここでは、入力ポート115および出力ポート117によって
形成されるリングを順方向のリング、入力ポート118お
よび出力ポート116によって形成されるリングを逆方向
のリングと呼ぶ。
【0039】順方向のリングを形成する入力バッファ部
109は、内部に順方向のリングを流れるパケットを保持
するバッファを有している。このバッファはファースト
イン・ファーストアウト(First In First Out)の規則
に従って制御される。入力バッファ部109は、順方向の
リングを形成する出力制御部111のほかに処理装置への
出力制御部108とルーティング制御部102に接続されてい
る。
【0040】逆方向のリングを形成する入力バッファ部
112は、内部に逆方向のリングを流れるパケットを保持
するバッファを有している。このバッファはFirst In F
irstOutの規則に従って制御される。入力バッファ部112
は、逆方向のリングを形成する出力制御部110のほかに
処理装置への出力制御部108とルーティング制御部102に
接続されている。
【0041】処理装置からの入力を受ける入力バッファ
部107は、パケットを保持するバッファを有している。
このバッファはFirst In First Outの規則に従って制御
される。入力バッファ部107はルーティング制御部102に
接続されており、順方向のリングを形成する出力制御部
111と逆方向のリングを形成する出力制御部110に対して
パケットを出力することができる。
【0042】ルーティング制御部102はルーティングテ
ーブル103と切断点表示フラグ104を有し、制御インタフ
ェース105と入出力ポート106を介して外部のネットワー
ク制御用端末(図示せず)に接続され、さらに入力バッ
ファ部107との入出力インタフェース、入力バッファ部1
09および入力バッファ部112からの入力インタフェー
ス、出力制御部110および出力制御部111への出力インタ
フェースを有する。ネットワーク制御用端末とは、ルー
ティングテーブルなどネットワークの運用に必要な情報
を設定し、新しいノード装置の追加可能箇所を特定する
等のための端末であり、パケットの動きを直接制御する
ものではない。制御インタフェース105は比較的低速の
インタフェースを使用できる。
【0043】図2は、ルーティングテーブル103の構成
例を示す図である。ルーティングテーブル103の構成と
機能については、以下の本実施の形態の動作説明の項に
おいて述べる。切断点表示フラグ104は、順方向逆方向
いずれかのリングに関し依存関係の切断点である場合に
これを示すフラグであり、1ビットのレジスタで構成で
きる。本実施の形態では順方向逆方向いずれかのリング
に関し依存関係の切断点である場合に1がセットされ、
それ以外の場合には0を表示する。
【0044】次にノード装置101の通常運用時の動作に
ついて説明する。なお、通常運用時の動作は、ルーティ
ングテーブルを使用してパケットの経路を決定する従来
の双方向リングネットワークのノード装置と大きく変わ
るところはない。
【0045】順方向のリングにおいては、入力バッファ
部109がリングを流れるパケットを受信する。入力バッ
ファ部109では受け取ったパケットの送信先ノード装置
番号を判定し、これがノード装置101固有の番号と一致
している場合にはパケットは出力制御部108、出力ポー
ト114を介して処理装置に出力される。送信先ノード装
置番号とノード装置101固有の番号が異なる場合には順
方向のリングに沿って出力制御部111、出力ポート117を
介して次のノード装置にパケットを受け渡す。
【0046】逆方向のリングにおいては、入力バッファ
部112がリングを流れるパケットを受信する。入力バッ
ファ部112では、順方向のリングの場合と同様に、受け
取ったパケットの送信先ノード装置番号とノード装置10
1固有の番号とを比較する。一致した場合にはパケット
は出力制御部108と出力ポート114を介して処理装置へと
受け渡され、不一致であった場合には、パケットは逆方
向のリングに沿って出力制御部110と出力ポート116を介
して隣接するノード装置に出力される。
【0047】処理装置から入力されたパケットは入力バ
ッファ部107に保持される。入力バッファ部107では、パ
ケットの送信先ノード装置番号を読み出してルーティン
グ制御部102に通知する。ルーティング制御部102では入
力バッファ部107から受け取った送信先ノード装置番号
を元にルーティングテーブルを参照し、受信パケットを
順方向のリング、逆方向のリングのうちどちらを使って
通信するかを決定する。
【0048】図2はルーティング制御部102内のルーテ
ィングテーブルの一例を示している。この図において左
側の列には送信先ノード装置番号、右側の列に出力先方
向が記されている。ルーティング制御部102では通知さ
れた送信先ノード装置番号と一致する行を選択し、右側
の列に記述された値を読み出す。右側の列の欄には
“順”、“逆”の区別が記述されている。読み出された
値が“順”であった場合には、パケットを順方向のリン
グを形成する出力制御部111に出力する。“逆”の場合
にはパケットを逆方向のリングを形成する出力制御部11
6に出力する。
【0049】同一ノードへのパケット転送(つまり送信
元ノード装置番号と送信先ノード装置番号が一致する場
合)を許すこともできる。この場合、送信先ノード装置
番号が自ノード装置のノード番号と一致していた場合
に、ルーティング制御部102の指示によって入力バッフ
ァ部107から出力制御部108にパケットを出力するように
構成すればよいが、以降の説明では簡略化のために省略
する。
【0050】次に、本発明に関するノード装置の追加増
設時における動作について説明する。図3は、図1のノ
ード装置101をリング状に接続した5ノード双方向リン
グネットワークの一例を示す図である。ノード装置101
(0)〜101(4)はそれぞれ処理装置に接続されているが、
図3では処理装置は省略している。ネットワーク制御用
端末301は各ノード装置101(0)〜101(4)に接続されてい
る。本実施の形態ではネットワーク制御用端末301がす
べてのノード装置101(0)〜101(4)と一対一に接続されて
いるが、ネットワーク制御用端末の接続形態は任意の形
態を取ることが可能であり、複数のネットワーク制御用
端末によって分散制御されていても良い。各ノード装置
101(0)〜101(4)において接続された処理装置から受信し
たパケットは、ルーティングテーブル103(0)〜103(4)に
従って出力方向が決定される。なお、本実施の形態の図
において時計回り方向のリングを順方向、反時計回り方
向のリングを逆方向と呼ぶ。入力バッファ部109(0)〜10
9(4)は順方向のリングを形成する入力バッファ部であ
り、入力バッファ部112(0)〜112(4)は逆方向のリングを
形成する入力バッファ部である。さらにノード装置101
(0)〜101(4)はそれぞれ切断点表示フラグ104(0)〜104
(4)を有している。ノード装置101(0)〜101(4)の上記以
外の構成要素は以下の説明において使用しないため省略
している。
【0051】本実施の形態の5ノード双方向リングネッ
トワークにおいては、ルーティング方向に制限を課すこ
とによってリソースの依存関係がサイクルを構成するこ
とを回避し、デッドロックフリーの構成を実現してい
る。図4は、図3のネットワークおいて入力バッファ部
の依存関係を有向グラフによって示したものである。
【0052】順方向のリングに関しては入力バッファ部
109(4)と入力バッファ部109(0)の間に依存関係が存在し
ない。これはつまり、ノード装置101(4)内の入力バッフ
ァ部109(4)が保持するパケットは、すべてノード装置10
1(4)(あるいはそれに接続された処理装置)を送信先ノ
ード装置として指定しており、ノード装置101(0)の入力
バッファ部109(0)へとフォワードされることがないとい
うことを示す。実際に順方向のリングを使用するパケッ
トは“送信元ノード装置番号→送信先ノード装置番号”
の書式で示すと“0→1”、“0→2”、“1→2”、“1→
3”、“1→4”、“2→3”、“2→4”、“3→4”、“4→
0”、“4→1”の10通りであり、これらはすべてノード
装置101(4)を経由せずに通信が行われている。従ってノ
ード装置101(4)は順方向のリングに関して依存関係の切
断点となるノード装置であり、図3でノード装置101(4)
の切断点表示フラグ104(4)は1にセットされている。
【0053】一方、逆方向のリングに関しては入力バッ
ファ部112(0)と入力バッファ部112(4)の間に依存関係が
存在しない。これはつまり、ノード装置101(0)内の入力
バッファ部112(0)が保持するパケットは、すべてノード
装置101(0)(あるいはそれに接続された処理装置)を送
信先ノード装置として指定しており、ノード装置101(4)
の入力バッファ部112(4)へとフォワードされることがな
いということを示す。実際に逆方向のリングを使用する
パケットは“0→3”、“0→4”、“1→0”、“2→0”、
“2→1”、“3→0”、“3→1”、“3→2”、“4→2”、
“4→3”の10通りであり、これらはすべてノード装置10
1(0)を経由せずに通信が行われている。従ってノード装
置101(0)は逆方向のリングに関して依存関係の切断点と
なるノード装置であり、図3でノード装置101(0)の切断
点表示フラグ104(0)は1にセットされている。
【0054】このネットワークに新たにノード装置を追
加して6ノード双方向リングネットワークとする。
【0055】各ノード装置101(0)〜101(4)の切断点表示
フラグ104(0)〜104(4)にセットされた値は制御インター
フェース105を介してネットワーク制御用端末301等で読
み取ることができる。この場合、ルーティング制御部10
2、制御インターフェース105等は本発明の通知手段を実
現し、ネットワーク制御用端末301は本発明の特定手段
を実現する。本発明における双方向リングネットワーク
では、切断点表示フラグ104がセットされていないノー
ド装置に隣接する場合にだけ、該当箇所に新規ノード装
置を追加可能となる。本実施の形態の図ではノード装置
101(0)〜101(4)間のリンク302(0)〜302(4)のうち、リン
ク302(1)〜302(3)はリンクを挟んだ両側のノード装置10
1とも切断点表示フラグ104は0を示しており、ここにノ
ード装置を追加できることがわかる。また、リンク302
(0)に関してはノード装置101(1)が、リンク302(3)に関
してはノード装置101(3)の切断点表示フラグが0を示し
ており、やはりノード装置の追加増設が可能であること
がわかる。しかし、リンク302(4)に関しては、両端のノ
ード装置101(0)および101(4)の切断点表示フラグ104(0)
および104(4)にいずれも1がセットされているため、こ
のリンク箇所へのノード装置の追加増設が不可であるこ
とがネットワーク制御用端末301によって確認できる。
【0056】図3のリンク302(0)の位置にノード装置を
追加増設するケースについて、主に図5を参照しながら
説明する。ノード内の動作に関しては必要に応じて図1
を参照する。リングネットワークにノード装置の追加増
設を行うためには、リングを構成するリンクを一時的に
切断する必要がある。リンクの切断時には当該リンクを
通過しようとするパケットは、出力ポート手前で動作を
停止させる、別のバッファに退避させる、迂回路を経由
させるなどの手段を用いて、消失しないように制御する
必要がある。このようにして切断された箇所に新たなノ
ード装置を追加増設する。
【0057】図5はノード装置を追加増設した双方向リ
ングネットワークの一例を示す図である。新規に追加さ
れたノード装置101(5)と既設のノード装置101(0)〜101
(4)内ルーティングテーブルの新規に追加されるエント
リは網掛けで描かれている。ノード装置101(5)は他のノ
ード装置と同様、ネットワーク制御用端末301に接続さ
れている。この状態においてノード装置101(5)の両側に
位置するリンクは論理的には切断されたままであり、通
常の通信用パケットは通過していない。
【0058】次にノード装置101(5)は自ノード装置内の
ルーティングテーブルを設定する必要がある。以下、ノ
ード装置101(5)内の動作については図1を参照しながら
説明する。ルーティング制御部102はルーティング情報
取得のための制御用の特殊なパケットである制御用パケ
ット(ルーティング情報要求パケット)を生成し、該パ
ケットを隣接するノード装置に対して出力する。出力は
順方向/逆方向のどちらでも良いが、以下では逆方向を
優先して出力した場合について説明する。ルーティング
情報要求パケットを逆方向のリングに沿って出力する場
合は、ルーティング制御部102から出力制御部110と出力
ポート116を経由して出力する。この場合図5における
ノード装置101(0)がルーティング情報要求パケットを受
信する。
【0059】ルーティング情報要求パケットを受信した
ノード装置101(0)内部の動作について図1を参照して説
明する。該パケットは入力ポート118を経由して入力バ
ッファ部112に入力される。入力バッファ部112では該パ
ケットがルーティング情報要求パケットであることを判
別し、パケットの到着をルーティング制御部102に対し
て通知してパケット自身は消去する。ルーティング制御
部102では、ルーティング情報要求パケットの到着を受
けて切断点表示フラグ104をチェックする。切断点表示
フラグ104が0に設定されていた場合、ルーティングテ
ーブル103の内容を読み出してコピーを作り、該コピー
を含む応答(リプライ)パケット(ルーティング情報通
知パケット)を作成して出力制御部111に送る。仮に切
断点表示フラグ104が1にセットされていた場合、ルー
ティング制御部102はルーティング情報の通知を拒否す
る応答(リプライ)パケット(ルーティング情報拒否パ
ケット)を生成して出力制御部111に送る。本実施の形
態では図5のノード装置101(0)は切断点表示フラグ104
(0)が1にセットされているため、ルーティング情報拒
否パケットが生成されている。出力制御部111はルーテ
ィング情報通知パケットもしくはルーティング情報拒否
パケットを受け取ると、出力ポート117を経由して隣接
ノード装置(ルーティング情報要求パケットを生成し
た、図5におけるノード装置101(5))に対して出力す
る。
【0060】ルーティング情報拒否パケットを受信した
ノード装置101(5)の動作について図1を参照して説明す
る。該パケットは入力ポート115を経由して入力バッフ
ァ部109に入力される。入力バッファ部109では該パケッ
トがルーティング情報拒否パケットであることを判別
し、パケットの到着をルーティング制御部102に対して
通知してパケット自身は消去する。
【0061】ルーティング制御部102ではもう一度ルー
ティング情報要求パケットを生成し、先に送った方向と
逆向きのリングに沿ってパケットを出力する。一度目の
ルーティング情報要求パケットは逆方向のリングに沿っ
て出力しているので、今回は順方向のリングに沿って出
力する。つまり、出力制御部111および出力ポート117を
経由して隣接するノード装置(図5におけるノード装置
101(1))に対して出力する。
【0062】ルーティング情報要求パケットを受信した
ノード装置101(1)内部の動作について図1を参照して説
明する。該パケットは入力ポート115を経由して入力バ
ッファ部109に入力される。入力バッファ部109では該パ
ケットがルーティング情報要求パケットであることを判
別し、パケットの到着をルーティング制御部102に対し
て通知してパケット自身は消去する。ルーティング制御
部102では、ルーティング情報要求パケットの到着を受
けて切断点表示フラグ104をチェックする。切断点表示
フラグ104が0に設定されていた場合、ルーティングテ
ーブル103の内容を読み出してコピーを作り、該コピー
とコピー元のノード装置の番号(コピー元ノード装置番
号、この場合ノード装置101(1)の固有の番号“1”)を
含むパケット(ルーティング情報通知パケット)を作成
して出力制御部110に送る。仮に切断点表示フラグ104が
1にセットされていた場合、ルーティング制御部102は
ルーティング情報拒否パケットを生成して出力制御部11
0に送る。本実施の形態では図4のノード装置101(1)は
切断点表示フラグ104(1)が0にセットされているため、
ルーティング情報通知パケットが生成されている。出力
制御部110はルーティング情報通知パケットもしくはル
ーティング情報拒否パケットを受け取ると、出力ポート
116を経由して隣接ノード装置(ルーティング情報要求
パケットを生成した、図5におけるノード装置101(5))
に対して出力する。
【0063】ルーティング情報通知パケットを受信した
ノード装置101(5)の動作について図1を参照して説明す
る。該パケットは入力ポート118を経由して入力バッフ
ァ部112に入力される。入力バッファ部112では該パケッ
トがルーティング情報通知パケットであることを判別
し、パケットに記述されたルーティング情報をすべてル
ーティング制御部102に出力する。ルーティング制御部1
02では受け取ったルーティング情報をルーティングテー
ブル103に書き込む。この時点で図5のノード装置101
(5)のルーティングテーブル103(5)は隣接するノード装
置101(1)のルーティングテーブル103(1)と同一の内容の
コピーを持つことになる。
【0064】このルーティングテーブル103(5)は、ノー
ド装置101(1)の内容をコピーしているため、ノード装置
101(1)を宛先とする場合のエントリが不足している。ル
ーティング制御部102はこのエントリを追加する。追加
に際してはルーティング情報通知パケットによって指定
されたコピー元ノード装置番号をルーティングテーブル
101(5)の左側の欄に追加し、右側の欄にはルーティング
情報通知パケットを受け取ったリングと逆向きにパケッ
トが流れるリングの方向を指定する。この場合ルーティ
ング情報通知パケットは逆方向のリングに沿って入力バ
ッファ部112を経由して受信されたため、ルーティング
テーブル103(5)の右側の欄に“順”の値を記す。追加増
設されたノード装置101(5)の切断点表示フラグ104(5)に
は、初期値として0が設定されていればよい。
【0065】以上で追加増設されたノード装置101(5)の
設定が完了する。この後、通常パケットの送信を停止し
ていたノード装置101(0)とノード装置101(1)が、通常パ
ケットの送信を再開できる。
【0066】次に、ノード装置101(0)〜101(4)のルーテ
ィングテーブル103(0)〜103(4)に対し、追加増設された
ノード装置101(5)を送信先ノード装置とするパケットの
ルーティング情報を設定する。このためにノード装置10
1(5)は自ノード装置の追加を通知するノード追加通知パ
ケットを生成し、リングネットワーク上を周回させて他
のノード装置101(0)〜101(4)にノード装置の追加を通知
し、ルーティングテーブルに新規エントリの追加を指示
する。
【0067】ノード追加通知パケットを生成するノード
装置101(5)の動作について、図1を参照して説明する。
ノード追加通知パケットはルーティング制御部102によ
って生成される。ノード追加通知パケットは、発行元ノ
ード装置の固有の番号(この場合ノード装置101(5)の固
有の番号である“5”)と該ノード装置がルーティング
テーブル103の設定に際して使用したコピー元ノード装
置番号(この場合ノード装置101(1)の固有の番号である
“1”)を含んでいる。パケットはまずコピー元となっ
たノード装置に出力され、そのままリング上を周回す
る。本実施の形態ではノード装置101(1)がコピー元ノー
ド装置であるため、パケットは順方向のリングを形成す
る出力制御部111および出力ポート117を介して順方向の
リングに沿って出力される。
【0068】ノード追加通知パケットを受信したノード
装置101(1)の動作について図1を参照して説明する。ノ
ード装置101(1)では入力ポート115を介して入力バッフ
ァ部109においてノード追加通知パケットを受信する。
入力バッファ部109ではノード追加通知パケットを識別
すると、パケットから発行元ノード装置の固有の番号と
コピー元ノード装置番号を読み出してルーティング制御
部102に通知する。パケット自身は出力制御部111および
出力ポート117を介して隣接するノード装置101(2)にフ
ォワードされる。ルーティング制御部102では、ルーテ
ィングテーブル103にあらたなエントリを追加する。こ
のとき追加されるエントリの左側の欄は、発行元ノード
装置の固有の番号(この場合ノード装置101(5)の固有の
番号である“5”)が記述され、右側の欄の値は以下の
規則によって決定される。すなわち、自ノード装置の番
号とコピー元ノード装置番号が一致する場合には、ノー
ド追加通知パケットが流れている方向と逆向きの方向を
記述し、不一致である場合には、コピー元ノード装置の
エントリの右側の欄の値をコピーする。ノード装置101
(1)においては、コピー元ノード装置番号が1で自ノー
ド装置番号と一致するため、ノード追加通知パケットが
流れている方向(順方向)と逆向きの方向である“逆”
の値を右側の欄に記述する。次にノード追加通知パケッ
トを受信したノード装置101(2)では、コピー元ノード装
置番号1と自ノード装置番号2が不一致であるため、コ
ピー元ノード装置のエントリの右側の欄の値(この場合
コピー元ノード装置番号1であるから、左側の欄が1の
エントリの右側の欄の値“逆”)をコピーする。ノード
装置101(3)、101(4)においてこの操作が繰り返される。
ノード追加通知パケットはリングネットワークの周回し
て発行元のノード装置101(5)に戻ってくると、このノー
ド装置の入力バッファ部109(5)において消去される。
【0069】以上の操作によって追加増設されたノード
装置101(5)を送信先ノード装置とするパケットのルーテ
ィング情報の設定が終了し、6ノード双方向リングネッ
トワークとしての運用が可能となる。この状態でのリソ
ースの依存関係を示す有向グラフは図6のようになる。
【0070】以上の実施の形態において、ノード装置の
追加増設に際するルーティング情報の設定はルーティン
グ制御部102が主体となってリング上を通信される制御
用パケットが行ったが、ルーティングテーブル103およ
び切断点表示フラグ104の設定・読み出しはすべて制御
インタフェース105を介してネットワーク制御用端末301
によって行ってもよい。この場合ルーティング情報要求
パケット、ルーティング情報拒否パケット、ルーティン
グ情報通知パケット、ノード追加通知パケットは使用さ
れず、すべてネットワーク制御用端末301を介したオペ
レータもしくは制御プログラムの操作によって等価な設
定が可能である。ネットワーク制御用端末301を介した
ルーティング情報の設定は制御用パケットを使用した設
定方法に比べて低速であるが、ノード装置101の構成を
単純化できるというメリットがある。
【0071】本発明の別の実施の形態では、処理装置が
ネットワーク制御用端末を兼ねることもできる。この場
合図1において、ルーティングテーブルと切断点表示フ
ラグの書き換えおよび参照は処理装置が入力バッファ部
107を介して実行する。
【0072】上述のようにネットワーク制御用端末ある
いは処理装置によって、ルーティングテーブルおよび切
断点表示フラグの書き換えおよび参照が行われる場合に
おいては、ルーティングテーブルのコピーをネットワー
ク制御用端末あるいは処理装置内に保持することで、参
照の高速化を図ることもできる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果を奏する。
【0074】第一の効果は、双方向リングネットワーク
への新規ノード装置の追加に際し、ネットワーク中の適
切な追加位置を判定できるということである。
【0075】第二の効果は、上記ノード装置の追加に際
し、追加されたノード装置のルーティングテーブルの設
定を容易に行うことができるということである。
【0076】第三の効果は、上記ノード装置の追加に際
し、既に運用中のノード装置内にある運用時に使用され
ているルーティングテーブルの情報を変更せずに、新た
な情報の追加だけで正しく経路を設定できるということ
である。
【0077】これらの効果によって、本発明の主目的で
ある、運用を継続したままノード装置の追加増設を可能
とし、拡張性と保守性に優れた双方向リングネットワー
クの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるノード装置101の構成例を示す
ブロック図である。
【図2】ルーティングテーブルの構成例を示す図であ
る。
【図3】5ノード双方向リングネットワークの構成例を
示すブロック図である。
【図4】図3の5ノード双方向リングネットワークのリ
ソース間の依存関係に関する有向グラフの一例を示す図
である。
【図5】図3の5ノード双方向リングネットワークに、
新規にノードを追加増設した6ノード双方向リングネッ
トワークの構成例を示すブロック図である。
【図6】図5の6ノード双方向リングネットワークのリ
ソース間の依存関係に関する有向グラフの一例を示す図
である。
【図7】単方向リングネットワークにおけるデッドロッ
クの一例を示す図である。
【図8】従来技術による4ノード双方向リングネットワ
ークの構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の4ノード双方向リングネットワークのリ
ソース間の依存関係に関する有向グラフの一例を示す図
である。
【図10】図8の4ノード双方向リングネットワークに
おいて、ルーティング方向制限によるデッドロック回避
を実現した場合のリソース間の依存関係に関する有向グ
ラフの一例を示す図である。
【図11】図8の4ノード双方向リングネットワークに
おいて、ルーティング方向制限によるデッドロック回避
を実現した場合のルーティング設定の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
101 ノード装置 102 ルーティング制御部 103 ルーティングテーブル 104 切断点表示フラグ 105 制御インタフェース 106 入出力ポート 107 処理装置からの入力を受ける入力バッファ部 108 処理装置への出力を制御する出力制御部 109 順方向リングを構成する入力バッファ部 110 逆方向リングを構成する出力制御部 111 順方向リングを構成する出力制御部 112 逆方向リングを構成する入力バッファ部 113 処理装置からの入力ポート 114 処理装置への出力ポート 115 順方向リングを構成する入力ポート 116 逆方向リングを構成する出力ポート 117 順方向リングを構成する出力ポート 118 逆方向リングを構成する入力ポート 301 ネットワーク制御用端末 302 ノード装置間のリンク 701 ノード装置 702 ループを構成するバッファ 703 処理装置 704 処理装置からの入力を受けるバッファ 705 パケット 801 ノード装置 802 処理装置 803 順方向リングを構成するバッファ 804 逆方向リングを構成するバッファ 805 処理装置からの入力を受けるバッファ C1〜C8 ノード装置間の接続

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のノード装置がリング状に双方向のリ
    ンクによって接続され、さらに前記ノード装置にそれぞ
    れ異なる処理装置が接続され、処理装置からの通信をノ
    ード装置間で送受信して目的の処理装置に到達させる双
    方向リングネットワークにおいて、該ネットワークは、
    前記各ノード装置ごとにデッドロック回避のためのリソ
    ース間の依存関係の切断点となる場合にセットされる切
    断点表示フラグと、該切断点表示フラグがセットされて
    いないノード装置に隣接する箇所をノード装置の追加可
    能箇所として特定する特定手段と、を有することを特徴
    とする双方向リングネットワーク。
  2. 【請求項2】前記切断点表示フラグは、前記各ノード装
    置内又は前記各ノード装置に直接接続される前記処理装
    置内の何れかにセットされることを特徴とする請求項1
    に記載の双方向リングネットワーク。
  3. 【請求項3】前記各ノード装置は、運用に必要な情報を
    設定するネットワーク制御用端末と接続されており、前
    記切断点表示フラグは前記ネットワーク制御用端末内に
    セットされることを特徴とする請求項1に記載の双方向
    リングネットワーク。
  4. 【請求項4】前記各ノード装置は、運用に必要な情報を
    設定するネットワーク制御用端末と接続されており、前
    記特定手段は前記ネットワーク制御用端末により実現さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の双方向リングネ
    ットワーク。
  5. 【請求項5】複数のノード装置がリング状に双方向のリ
    ンクによって接続され、さらに前記ノード装置にそれぞ
    れ異なる処理装置が接続され、処理装置からの通信要求
    に対し、ルーティングテーブルを参照することにより送
    信先のノード装置の番号から出力方向を決定し、ノード
    装置間で送受信して目的の処理装置に到達させる双方向
    リングネットワークにおいて、該ネットワークは、前記
    各ノード装置ごとにデッドロック回避のためのリソース
    間の依存関係の切断点となる場合にセットされる切断点
    表示フラグを有し、該ネットワークにノード装置を追加
    することで双方向リングネットワークを拡張する際に、
    前記追加されたノード装置のルーティングテーブルは、
    隣接するノード装置のうち切断点表示フラグがセットさ
    れていないノード装置からルーティングテーブルのコピ
    ーを取得し、前記隣接するノード装置を送信先とするエ
    ントリを追加することによって作成されることを特徴と
    する双方向リングネットワーク。
  6. 【請求項6】前記ルーティングテーブルのコピーの取得
    は、追加されたノード装置からリングネットワーク上に
    沿って発行される制御用パケットによって要求し、隣接
    するノード装置からの該制御用パケットへの応答パケッ
    トによって行うことを特徴とする請求項5に記載の双方
    向リングネットワーク。
  7. 【請求項7】新規に追加されたノード装置のルーティン
    グテーブル作成時に、既設のノード装置のルーティング
    テーブルの既存のエントリに変更を加えることなく、新
    規に追加されたノード装置を送信先とする場合のエント
    リのみを追加することによりルーティングテーブルの更
    新を行うことを特徴とする請求項5又は6記載の双方向
    リングネットワーク。
  8. 【請求項8】既設のノード装置のルーティングテーブル
    における新規に追加されたノード装置を送信先とする場
    合のエントリの出力先を示す欄に、新規に追加されたノ
    ード装置のルーティングテーブルのコピー元のノード装
    置の番号と自ノード装置の番号とを比較し、一致したノ
    ード装置は新規に追加されたノード装置を通信先とする
    場合の出力方向と逆の方向の値を記述し、一致しないノ
    ード装置は自ノード装置のルーティングテーブルの既に
    運用されているエントリのうち、該コピー元となったノ
    ード装置を通信先とする場合の出力方向と同じ方向の値
    を記述することを特徴とする請求項7記載の双方向リン
    グネットワーク。
  9. 【請求項9】新規に追加されたノード装置が発行する制
    御用パケットはネットワーク上をリングに沿って周回
    し、既設の全ノード装置のルーティングテーブルに対し
    て、新規に追加されたノード装置を送信先とする通信の
    ルーティングを決定するエントリの追加を指示すること
    を特徴とする請求項8記載の双方向リングネットワー
    ク。
  10. 【請求項10】請求項1に記載の双方向リングネットワ
    ークを構成するためのノード装置であって、双方向リン
    グネットワークの構成時に、デッドロック回避のための
    リソース間の依存関係の切断点となる場合にセットされ
    る切断点表示フラグと、該切断点表示フラグにより、ノ
    ード装置を追加可能な箇所を特定する特定手段に通知す
    る通知手段と、を有することを特徴とするノード装置。
  11. 【請求項11】請求項6に記載の双方向リングネットワ
    ークを構成するためのノード装置であって、ネットワー
    クに新規に追加されルーティングテーブルを新たに設定
    する際に、隣接するノード装置に対してルーティングテ
    ーブルのコピーを要求する制御用パケットを生成して送
    信し、該制御用パケットへの応答パケットによって隣接
    ノード装置のルーティングテーブルのコピーを取得する
    ことを特徴とするノード装置。
  12. 【請求項12】請求項6に記載の双方向リングネットワ
    ークを構成するためのノード装置であって、ネットワー
    クに新規に追加されたノード装置からルーティングテー
    ブルのコピーを要求する制御用パケットを受信すると、
    ルーティングテーブルのコピーを含む応答パケットを生
    成して隣接するノード装置に対して出力することを特徴
    とするノード装置。
  13. 【請求項13】前記制御用パケットへの応答パケットの
    生成時に、自ノード装置の切断点表示フラグを確認し、
    切断点表示フラグがセットされていた場合にはルーティ
    ングテーブルの取得不可を示す応答パケットを生成して
    ルーティングテーブルのコピーを要求したノード装置に
    応答することを特徴とする請求項12記載のノード装
    置。
  14. 【請求項14】隣接するノード装置に対して制御用パケ
    ットによってルーティングテーブルのコピーを要求し、
    その応答としてルーティングテーブルの取得不可を示す
    制御用パケットを受信したとき、応答パケットを発行し
    たノード装置とリングに沿って反対側に接続された隣接
    するノード装置に対して、再度ルーティングテーブルの
    コピーを要求する制御用パケットを発行することを特徴
    とする請求項13記載のノード装置。
  15. 【請求項15】 複数のノード装置がリング状に双方向
    のリンクによって接続され、さらに前記ノード装置にそ
    れぞれ異なる処理装置が接続され、送信先のノード装置
    の番号から出力方向を決定するルーティングテーブル
    と、前記各ノード装置ごとにデッドロック回避のための
    リソース間の依存関係の切断点となる場合にセットされ
    る切断点表示フラグと、を有する双方向リングネットワ
    ークにおいて、ノード装置を追加することにより双方向
    リングネットワークを拡張する際に、新規に追加される
    ノード装置のルーティングテーブルのルーティング情報
    を構成するルーティング情報構成方法であって、前記ル
    ーティング情報は、隣接するノード装置のうち切断点表
    示フラグがセットされていないノード装置からルーティ
    ングテーブルのコピーを取得し、前記隣接するノード装
    置を送信先とするエントリを追加することによって構成
    することを特徴とするルーティング情報構成方法。
  16. 【請求項16】前記ルーティングテーブルのコピーの取
    得は、新規に追加されたノード装置からリングネットワ
    ーク上に沿って発行される制御用パケットによって要求
    し、隣接するノード装置からの該制御用パケットへの応
    答パケットによって行うことを特徴とする請求項15記
    載のルーティング情報構成方法。
  17. 【請求項17】新規に追加されたノード装置のルーティ
    ングテーブル作成時に、既設のノード装置のルーティン
    グテーブルの既存のエントリに変更を加えることなく、
    新規に追加されたノード装置を送信先とする場合のエン
    トリのみを追加することによりルーティングテーブルの
    更新を行うことを特徴とする請求項15又は16記載の
    ルーティング情報構成方法。
  18. 【請求項18】既設のノード装置のルーティングテーブ
    ルにおける新規に追加されたノード装置を送信先とする
    場合のエントリの出力先を示す欄に、新規に追加された
    ノード装置のルーティングテーブルのコピー元のノード
    装置の番号と自ノード装置の番号とを比較し、一致した
    ノード装置は新規に追加されたノード装置を通信先とす
    る場合の出力方向と逆の方向の値を記述し、一致しない
    ノード装置は自ノード装置のルーティングテーブルの既
    に運用されているエントリのうち、該コピー元となった
    ノード装置を通信先とする場合の出力方向と同じ方向の
    値を記述することを特徴とする請求項17記載のルーテ
    ィング情報構成方法。
  19. 【請求項19】新規に追加されたノード装置が発行する
    制御用パケットはネットワーク上をリングに沿って周回
    し、既設の全ノード装置のルーティングテーブルに対し
    て、新規に追加されたノード装置を送信先とする通信の
    ルーティングを決定するエントリの追加を指示すること
    を特徴とする請求項18記載のルーティング情報構成方
    法。
  20. 【請求項20】複数のノード装置がリング状に双方向の
    リンクによって接続され、さらに前記ノード装置にそれ
    ぞれ異なる処理装置が接続され、処理装置からの通信を
    ノード装置間で送受信して目的の処理装置に到達させる
    ためのルーティングテーブルを有する双方向リングネッ
    トワークにおいて、追加増設されるノード装置のルーテ
    ィングテーブルのルーティング情報構成方法であって、
    隣接するノード装置のうち切断点表示フラグがセットさ
    れていないノード装置のルーティングテーブルを元に、
    該ノード装置を送信先のノード装置とするエントリを追
    加し、該エントリの出力方向としては該隣接するノード
    装置が直接接続されている方向を指定することを特徴と
    するルーティング情報構成方法。
  21. 【請求項21】複数のノード装置がリング状に双方向の
    リンクによって接続され、さらに前記ノード装置にそれ
    ぞれ異なる処理装置が接続され、処理装置からの通信を
    ノード装置間で送受信して目的の処理装置に到達させる
    双方向リングネットワークにおける、追加増設されたノ
    ード装置を送信先ノード装置とするエントリを追加する
    際のルーティングテーブルのルーティング情報構成方法
    であって、送信先のノード装置として追加されたノード
    装置の番号を記録し、該追加されたノード装置の番号か
    ら連想される出力方向として、該追加されたノード装置
    がルーティングテーブルの設定時にルーティングテーブ
    ルを参照したコピー元のノード装置の番号を用い、自ノ
    ード装置の番号と該コピー元のノード装置の番号が一致
    する場合においては隣接する追加されたノード装置に直
    接通信可能なリンクを通信方向として指定し、自ノード
    装置と該コピー元のノード装置の番号が不一致の場合に
    は該コピー元のノード装置の番号のエントリに記された
    出力方向と同じ方向を指定することを特徴とするルーテ
    ィング情報構成方法。
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