JP2003279264A - 温間等方圧加圧装置の温度制御方法及び温度制御装置 - Google Patents
温間等方圧加圧装置の温度制御方法及び温度制御装置Info
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- JP2003279264A JP2003279264A JP2002084305A JP2002084305A JP2003279264A JP 2003279264 A JP2003279264 A JP 2003279264A JP 2002084305 A JP2002084305 A JP 2002084305A JP 2002084305 A JP2002084305 A JP 2002084305A JP 2003279264 A JP2003279264 A JP 2003279264A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 温間等方圧加圧装置において、圧力容器内に
被処理物と共に液体より成る圧媒を充填してこの圧力容
器内で加圧処理を行わせる場合にあって、圧媒が液体で
あるために圧力容器内へヒータを設けることができず、
そのため圧媒の温度制御が困難であった。 【解決手段】 圧力容器3内の圧媒温度を測定し、この
測定温度を所定の設定温度と比較して得られた温度差に
基づいて、圧力容器3内に対する昇減圧速度を制御す
る。
被処理物と共に液体より成る圧媒を充填してこの圧力容
器内で加圧処理を行わせる場合にあって、圧媒が液体で
あるために圧力容器内へヒータを設けることができず、
そのため圧媒の温度制御が困難であった。 【解決手段】 圧力容器3内の圧媒温度を測定し、この
測定温度を所定の設定温度と比較して得られた温度差に
基づいて、圧力容器3内に対する昇減圧速度を制御す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温間等方圧加圧装
置の温度制御方法及び温度制御装置に関するものであ
る。
置の温度制御方法及び温度制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】温間等方圧加圧装置(一般に「WIP」
等と略称されている)は、圧力容器内に被処理物を装填
してこの圧力容器内を昇圧又は減圧させることで、被処
理品に対する加圧処理を行わせるものである。この温間
等方圧加圧装置では、圧力容器内を昇圧又は減圧させる
ための圧媒として、水単独、又は水と水溶性油との混合
物、又はシリコン油等、液体を使用している。
等と略称されている)は、圧力容器内に被処理物を装填
してこの圧力容器内を昇圧又は減圧させることで、被処
理品に対する加圧処理を行わせるものである。この温間
等方圧加圧装置では、圧力容器内を昇圧又は減圧させる
ための圧媒として、水単独、又は水と水溶性油との混合
物、又はシリコン油等、液体を使用している。
【0003】この点で、アルゴンガス等の気体を圧媒と
して使用する熱間等方圧加圧装置(一般に「HIP」等
と略称されている)とは異なっている。すなわち、熱間
等方圧加圧装置では、圧媒が気体であるために圧力容器
内にヒータを設けることが可能であり、従ってこのヒー
タの制御によって加圧中の温度制御をすることが比較的
簡単に行えるが、これに対して温間等方圧加圧装置で
は、圧媒が液体であることから圧力容器内にヒータを設
けることは絶縁の問題等から実現できず、従って昇圧中
又は減圧中の温度制御は、難しいという一面を有してい
る。
して使用する熱間等方圧加圧装置(一般に「HIP」等
と略称されている)とは異なっている。すなわち、熱間
等方圧加圧装置では、圧媒が気体であるために圧力容器
内にヒータを設けることが可能であり、従ってこのヒー
タの制御によって加圧中の温度制御をすることが比較的
簡単に行えるが、これに対して温間等方圧加圧装置で
は、圧媒が液体であることから圧力容器内にヒータを設
けることは絶縁の問題等から実現できず、従って昇圧中
又は減圧中の温度制御は、難しいという一面を有してい
る。
【0004】従来、温間等方圧加圧装置での一般的な温
度制御は、圧力容器を取り囲むように設けたジャケット
部に熱媒又は冷媒を流通させて、これにより圧力容器を
加熱又は冷却させることをもって、間接的に、圧力容器
内の圧媒を加熱又は冷却させるようにしていた。
度制御は、圧力容器を取り囲むように設けたジャケット
部に熱媒又は冷媒を流通させて、これにより圧力容器を
加熱又は冷却させることをもって、間接的に、圧力容器
内の圧媒を加熱又は冷却させるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】温間等方圧加圧装置に
おいて、圧力容器はその周壁が分厚く形成されている。
そのため、ジャケット部内を流通させる冷媒又は熱媒に
よって圧力容器自体を冷却又は加熱しようとしても、そ
の温度変化は応答性の悪いものであり、従って当然に、
圧力容器内の圧媒を冷却又は加熱させにくい(応答性に
劣る)ものとなっている。そのため、昇圧中に起こる圧
媒の温度上昇や減圧中に起こる温度降下は、それらを防
止しようとする冷却や加熱が遅れる分だけ、過度のもの
となってしまう。また、圧媒が液体の温間等方圧加圧装
置では、圧媒が気体の熱間等方圧加圧装置に比して、断
熱膨張や断熱圧縮に伴う温度変化が起こりやすいという
事情もあった。
おいて、圧力容器はその周壁が分厚く形成されている。
そのため、ジャケット部内を流通させる冷媒又は熱媒に
よって圧力容器自体を冷却又は加熱しようとしても、そ
の温度変化は応答性の悪いものであり、従って当然に、
圧力容器内の圧媒を冷却又は加熱させにくい(応答性に
劣る)ものとなっている。そのため、昇圧中に起こる圧
媒の温度上昇や減圧中に起こる温度降下は、それらを防
止しようとする冷却や加熱が遅れる分だけ、過度のもの
となってしまう。また、圧媒が液体の温間等方圧加圧装
置では、圧媒が気体の熱間等方圧加圧装置に比して、断
熱膨張や断熱圧縮に伴う温度変化が起こりやすいという
事情もあった。
【0006】例えば図5は、温間等方圧加圧装置の圧力
容器内を、最高圧690MPaとして昇圧し、その後、
減圧させた場合における、圧力容器内の圧媒の温度変化
を示したものである。この図5から明らかなように、6
90MPaから短い時間のうちに減圧を行うことは可能
であるが、このようにした場合には、圧媒の温度降下量
[S]はじつに9℃にも及んでいることが判る。このよ
うに、圧媒が断熱膨張や断熱圧縮することに伴って生じ
る温度変化に対して、この圧媒の温度を制御する(例え
ば温度の一定化或いは均一変化を図る)ことは困難とな
っている。
容器内を、最高圧690MPaとして昇圧し、その後、
減圧させた場合における、圧力容器内の圧媒の温度変化
を示したものである。この図5から明らかなように、6
90MPaから短い時間のうちに減圧を行うことは可能
であるが、このようにした場合には、圧媒の温度降下量
[S]はじつに9℃にも及んでいることが判る。このよ
うに、圧媒が断熱膨張や断熱圧縮することに伴って生じ
る温度変化に対して、この圧媒の温度を制御する(例え
ば温度の一定化或いは均一変化を図る)ことは困難とな
っている。
【0007】なお、殊にこの温間等方圧加圧装置が研究
機として用いられる場合に関して言えば、圧媒の断熱膨
張や断熱圧縮に伴う温度制御(殊に断熱圧縮時の昇温の
影響)が十分にできないということは、得られる実験結
果に無視できない誤差(温度変化を原因とした外乱)が
生じることになり、研究機としては信頼性にかけると言
わざるをえない場合もあった。また上記図5からは、上
記した9℃もの温度降下量[S]を元に回復させるため
に約3分もの時間[M]を要しており、この間、次の昇
圧を行えないロスタイムに繋がっていることも判る。
機として用いられる場合に関して言えば、圧媒の断熱膨
張や断熱圧縮に伴う温度制御(殊に断熱圧縮時の昇温の
影響)が十分にできないということは、得られる実験結
果に無視できない誤差(温度変化を原因とした外乱)が
生じることになり、研究機としては信頼性にかけると言
わざるをえない場合もあった。また上記図5からは、上
記した9℃もの温度降下量[S]を元に回復させるため
に約3分もの時間[M]を要しており、この間、次の昇
圧を行えないロスタイムに繋がっていることも判る。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、圧力容器内の圧媒温度を所望に応じて制御可
能なものとし、その結果、温度的外乱の排除が可能であ
り、また場合によってはロスタイムの短縮乃至解消にも
つなげることができる温間等方圧加圧装置の温度制御方
法及び温度制御装置を提供することを目的とする。
であって、圧力容器内の圧媒温度を所望に応じて制御可
能なものとし、その結果、温度的外乱の排除が可能であ
り、また場合によってはロスタイムの短縮乃至解消にも
つなげることができる温間等方圧加圧装置の温度制御方
法及び温度制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明に係る温
間等方圧加圧装置の温度制御方法は、圧力容器内に被処
理物と共に充填された液体より成る圧媒の温度を測定
し、この測定温度を所定の設定温度と比較し、これによ
って得られた温度差に基づいて、圧力容器内に対する昇
減圧速度(昇圧速度又は減圧速度)を制御するものであ
る。このような方法であれば、圧媒の温度を直接的に制
御することになり、制御の応答性を速くすることができ
る。
に、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明に係る温
間等方圧加圧装置の温度制御方法は、圧力容器内に被処
理物と共に充填された液体より成る圧媒の温度を測定
し、この測定温度を所定の設定温度と比較し、これによ
って得られた温度差に基づいて、圧力容器内に対する昇
減圧速度(昇圧速度又は減圧速度)を制御するものであ
る。このような方法であれば、圧媒の温度を直接的に制
御することになり、制御の応答性を速くすることができ
る。
【0010】すなわち、圧媒が断熱圧縮や断熱膨張する
ことに伴ってその温度が変化することを逆に利用して、
断熱圧縮や断熱膨張を急変させない範囲で圧力容器内に
対する昇圧速度や減圧速度を変化させることで、温度操
作(温度の一定化等)をしようというものである。例え
ば、圧力容器内の昇圧時にあって、測定温度と設定温度
との比較により、測定温度の方が高くなっていることが
検出及び判断された場合には、このときの温度差を元
に、昇圧速度を遅くするか又は停止させる。反対に、測
定温度の方が低くなっていることが検出及び判断された
場合には、この温度差を元に、昇圧速度を速くする。
ことに伴ってその温度が変化することを逆に利用して、
断熱圧縮や断熱膨張を急変させない範囲で圧力容器内に
対する昇圧速度や減圧速度を変化させることで、温度操
作(温度の一定化等)をしようというものである。例え
ば、圧力容器内の昇圧時にあって、測定温度と設定温度
との比較により、測定温度の方が高くなっていることが
検出及び判断された場合には、このときの温度差を元
に、昇圧速度を遅くするか又は停止させる。反対に、測
定温度の方が低くなっていることが検出及び判断された
場合には、この温度差を元に、昇圧速度を速くする。
【0011】上記設定温度にはある程度の幅を与えてお
き、そのうちの高温上限範囲を圧媒温度が超えたときを
基準として、上記のような昇圧速度の制御を行ってもよ
い。一方、圧力容器内の減圧時にあって、測定温度と設
定温度との比較との比較により、測定温度の方が高くな
っていることが検出及び判断された場合には、このとき
の温度差を元に、減圧速度を速くさせる。反対に、測定
温度の方が低くなっていることが検出及び判断された場
合には、この温度差を元に、減圧速度を遅くするか又は
停止させる。
き、そのうちの高温上限範囲を圧媒温度が超えたときを
基準として、上記のような昇圧速度の制御を行ってもよ
い。一方、圧力容器内の減圧時にあって、測定温度と設
定温度との比較との比較により、測定温度の方が高くな
っていることが検出及び判断された場合には、このとき
の温度差を元に、減圧速度を速くさせる。反対に、測定
温度の方が低くなっていることが検出及び判断された場
合には、この温度差を元に、減圧速度を遅くするか又は
停止させる。
【0012】この場合も、上記設定温度にはある程度の
幅を与えておき、そのうちの低温下限範囲を圧媒温度が
下回ったときを基準として、上記のような減圧速度の制
御を行ってもよい。なお、このように測定温度と設定温
度との比較に基づいて圧力容器内に対する昇減圧速度を
制御するときには、これに並行させつつ圧力容器自体を
加熱又は冷却する(例えば従来と同様なジャケット部を
使った加熱又は冷却等をする)ようにしてもよい。
幅を与えておき、そのうちの低温下限範囲を圧媒温度が
下回ったときを基準として、上記のような減圧速度の制
御を行ってもよい。なお、このように測定温度と設定温
度との比較に基づいて圧力容器内に対する昇減圧速度を
制御するときには、これに並行させつつ圧力容器自体を
加熱又は冷却する(例えば従来と同様なジャケット部を
使った加熱又は冷却等をする)ようにしてもよい。
【0013】上記した圧力容器内の昇圧時にあっては、
圧媒温度が設定温度の高温上限範囲を超えた場合に昇圧
を停止させて内圧保持状態に切り替えると、圧媒は設定
温度との間で相対的に温度降下をはじめることになる。
そこで、この温度降下に伴って圧媒の温度が元の設定温
度に回復したときに、再び昇圧に切り替えるといったこ
とを、サイクル的に繰り返すようにすればよい。また、
上記した圧力容器内の減圧時にあっては、圧媒温度が設
定温度の低温下限範囲を下回った場合に減圧を停止させ
て内圧保持状態に切り替えると、圧媒は設定温度との間
で相対的に温度上昇をはじめることになる。
圧媒温度が設定温度の高温上限範囲を超えた場合に昇圧
を停止させて内圧保持状態に切り替えると、圧媒は設定
温度との間で相対的に温度降下をはじめることになる。
そこで、この温度降下に伴って圧媒の温度が元の設定温
度に回復したときに、再び昇圧に切り替えるといったこ
とを、サイクル的に繰り返すようにすればよい。また、
上記した圧力容器内の減圧時にあっては、圧媒温度が設
定温度の低温下限範囲を下回った場合に減圧を停止させ
て内圧保持状態に切り替えると、圧媒は設定温度との間
で相対的に温度上昇をはじめることになる。
【0014】そこで、この温度上昇に伴って圧媒の温度
が元の設定温度に回復したときに、再び減圧に切り替え
るといったことを、サイクル的に繰り返すようにすれば
よい。一方、本発明に係る温間等方圧加圧装置の温度制
御装置は、圧力容器内に被処理物と共に液体より成る圧
媒を充填してこの圧力容器内で加圧処理を行わせる温間
等方圧加圧装置に対し処理温度を制御する装置であっ
て、上記圧力容器内に対して昇減圧を行う昇減圧手段に
対し昇圧速度又は減圧速度を可変にさせる速度制御手段
と、上記圧力容器内の圧媒温度を測定する温度測定手段
と、この温度測定手段で得られた測定温度を所定の設定
温度と比較して温度差を求めその結果に基づいて上記速
度制御手段を制御する制御部とを有している。
が元の設定温度に回復したときに、再び減圧に切り替え
るといったことを、サイクル的に繰り返すようにすれば
よい。一方、本発明に係る温間等方圧加圧装置の温度制
御装置は、圧力容器内に被処理物と共に液体より成る圧
媒を充填してこの圧力容器内で加圧処理を行わせる温間
等方圧加圧装置に対し処理温度を制御する装置であっ
て、上記圧力容器内に対して昇減圧を行う昇減圧手段に
対し昇圧速度又は減圧速度を可変にさせる速度制御手段
と、上記圧力容器内の圧媒温度を測定する温度測定手段
と、この温度測定手段で得られた測定温度を所定の設定
温度と比較して温度差を求めその結果に基づいて上記速
度制御手段を制御する制御部とを有している。
【0015】そして、圧力容器には、これを加熱又は冷
却する補助温度制御手段(例えば、圧力容器を取り囲ん
で熱媒又は冷媒を流通させるジャケット部を具備したも
の)を設けておくことも可能である。
却する補助温度制御手段(例えば、圧力容器を取り囲ん
で熱媒又は冷媒を流通させるジャケット部を具備したも
の)を設けておくことも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づき説明する。図1は、温間等方圧加圧装置1に
対して本発明に係る温度制御装置2を組み込んだ一実施
形態を示している。本実施形態で採用した温間等方圧加
圧装置1は、圧力容器3の容器内を昇減圧させるための
昇減圧手段4として、圧力容器3の容器内へピストン5
の一端部を挿入させた油圧シリンダ6と、この油圧シリ
ンダ6を駆動させる(ピストン5を圧力容器3に対して
進退させる)油圧ユニット7とを有したものとしてあ
る。
面に基づき説明する。図1は、温間等方圧加圧装置1に
対して本発明に係る温度制御装置2を組み込んだ一実施
形態を示している。本実施形態で採用した温間等方圧加
圧装置1は、圧力容器3の容器内を昇減圧させるための
昇減圧手段4として、圧力容器3の容器内へピストン5
の一端部を挿入させた油圧シリンダ6と、この油圧シリ
ンダ6を駆動させる(ピストン5を圧力容器3に対して
進退させる)油圧ユニット7とを有したものとしてあ
る。
【0017】油圧シリンダ6は進出動作側ポート10及
び後退動作側ポート11を備えた復動型とされており、
油圧ユニット7に設けられた電磁弁12が、ポンプ13
によって加圧供給される作動油を各ポート10,11へ
と適宜切り替えるようになっている。従って、圧力容器
3内に被処理物(図示略)と共に液体より成る圧媒(例
えば水単独、又は水と水溶性油との混合物、又はシリコ
ン油等)を充填した状態としたうえで、油圧シリンダ6
を作動させることによって、この圧力容器3内で被処理
物に対する加圧処理が行われる(言うまでもなく、ピス
トン5を進出動させることで昇圧させ、反対にピストン
5を後退させることで減圧させる)ものである。
び後退動作側ポート11を備えた復動型とされており、
油圧ユニット7に設けられた電磁弁12が、ポンプ13
によって加圧供給される作動油を各ポート10,11へ
と適宜切り替えるようになっている。従って、圧力容器
3内に被処理物(図示略)と共に液体より成る圧媒(例
えば水単独、又は水と水溶性油との混合物、又はシリコ
ン油等)を充填した状態としたうえで、油圧シリンダ6
を作動させることによって、この圧力容器3内で被処理
物に対する加圧処理が行われる(言うまでもなく、ピス
トン5を進出動させることで昇圧させ、反対にピストン
5を後退させることで減圧させる)ものである。
【0018】このような温間等方圧加圧装置1に対し、
温度制御装置2は、圧力容器3内の圧媒温度を測定する
熱電対等より成る温度測定手段15を有している。また
この温度制御装置2は、上記油圧ユニット7が油圧シリ
ンダ6を作動させるときにピストン5の進退速度を制御
可能にし、もって圧力容器3内の昇圧速度又は減圧速度
を可変にさせる速度制御手段16を有している。本実施
形態においてこの速度制御手段16は、油圧ユニット7
のポンプ13を駆動させるためのモータ17に対して、
その回転数を制御することを通じて油圧シリンダ6の進
退速度を制御するものとしている。
温度制御装置2は、圧力容器3内の圧媒温度を測定する
熱電対等より成る温度測定手段15を有している。また
この温度制御装置2は、上記油圧ユニット7が油圧シリ
ンダ6を作動させるときにピストン5の進退速度を制御
可能にし、もって圧力容器3内の昇圧速度又は減圧速度
を可変にさせる速度制御手段16を有している。本実施
形態においてこの速度制御手段16は、油圧ユニット7
のポンプ13を駆動させるためのモータ17に対して、
その回転数を制御することを通じて油圧シリンダ6の進
退速度を制御するものとしている。
【0019】更にこの温度制御装置2は、上記した温度
測定手段15によって得られた測定温度を、所定の設定
温度と比較して温度差を求め、その結果に基づいて上記
した速度制御手段16を制御する制御部18を有してい
る。この制御部18は、設定温度を入力するための温度
指示設定器20を有したものとした。またこの制御部1
8は、油圧シリンダ6の進出動作側ポート10等での作
用圧を検出して、これから圧力容器3内の内圧を換算
し、これを常時監視できるようにした圧力変換器21を
有したものとした。
測定手段15によって得られた測定温度を、所定の設定
温度と比較して温度差を求め、その結果に基づいて上記
した速度制御手段16を制御する制御部18を有してい
る。この制御部18は、設定温度を入力するための温度
指示設定器20を有したものとした。またこの制御部1
8は、油圧シリンダ6の進出動作側ポート10等での作
用圧を検出して、これから圧力容器3内の内圧を換算
し、これを常時監視できるようにした圧力変換器21を
有したものとした。
【0020】一方、本実施形態において、上記圧力容器
3には、その容器内の圧媒を加熱又は冷却することがで
きる補助温度制御手段23が設けられたものとしてあ
る。この補助温度制御手段23は、圧力容器3の周壁を
取り囲むようにして、熱媒又は冷媒を流通させるジャケ
ット部を設けたものとしてある。次に、このような構成
の本発明に係る温度制御装置2を具備させた温間等方圧
加圧装置1を用いて被処理物の加圧処理を行う手順に基
づいて、本発明に係る温度制御方法を説明する。
3には、その容器内の圧媒を加熱又は冷却することがで
きる補助温度制御手段23が設けられたものとしてあ
る。この補助温度制御手段23は、圧力容器3の周壁を
取り囲むようにして、熱媒又は冷媒を流通させるジャケ
ット部を設けたものとしてある。次に、このような構成
の本発明に係る温度制御装置2を具備させた温間等方圧
加圧装置1を用いて被処理物の加圧処理を行う手順に基
づいて、本発明に係る温度制御方法を説明する。
【0021】図2は、本発明に係る温度制御方法によ
り、圧力容器3内を最高圧690MPaとして昇圧し、
その後、減圧させた場合における、圧力容器3内の圧媒
の温度変化を示したものである。ここにおいて、減圧の
過程を図3のフローチャートで示す。この図3から明ら
かなように、ステップ100で油圧シリンダ6(図1参
照)のピストン5を後退させることにより減圧を開始さ
せた後、ステップ101では、温度測定手段15(図1
参照)によって測定した圧力容器3内の圧媒温度[t]
を、予め温度指示設定器20に入力させておいた所定の
設定温度[T]と比較し、このとき設定温度[T]より
も圧媒温度[t]の方が低温で、且つ低くなりすぎてい
ないか否かを監視する。
り、圧力容器3内を最高圧690MPaとして昇圧し、
その後、減圧させた場合における、圧力容器3内の圧媒
の温度変化を示したものである。ここにおいて、減圧の
過程を図3のフローチャートで示す。この図3から明ら
かなように、ステップ100で油圧シリンダ6(図1参
照)のピストン5を後退させることにより減圧を開始さ
せた後、ステップ101では、温度測定手段15(図1
参照)によって測定した圧力容器3内の圧媒温度[t]
を、予め温度指示設定器20に入力させておいた所定の
設定温度[T]と比較し、このとき設定温度[T]より
も圧媒温度[t]の方が低温で、且つ低くなりすぎてい
ないか否かを監視する。
【0022】本実施形態では、このときの温度差[T−
t]として得られる値に低温下限範囲(+0.5℃より
温度差が小さいこと)を持たせるものとした。このとき
の温度差[T−t]が上記低温下限範囲に入っていれば
ステップ105へ進むが、もしこのときの温度差が上記
低温下限範囲を逸脱していれば(即ち、圧媒温度[t]
が冷却されすぎていると判断された場合には)ステップ
102へ進み、減圧速度を遅くさせる。例えば、いま設
定温度[T]を60℃とおくとき、圧媒温度[t]が5
9.1℃であれば温度差[T−t]は+0.1℃とな
り、従ってこの値は設定温度[T]よりも圧媒温度
[t]の方が低温であることを示してはいるものの、上
記低温下限範囲内に入っている(+0.5℃より温度差
が小さい)のでステップ105へと進む。
t]として得られる値に低温下限範囲(+0.5℃より
温度差が小さいこと)を持たせるものとした。このとき
の温度差[T−t]が上記低温下限範囲に入っていれば
ステップ105へ進むが、もしこのときの温度差が上記
低温下限範囲を逸脱していれば(即ち、圧媒温度[t]
が冷却されすぎていると判断された場合には)ステップ
102へ進み、減圧速度を遅くさせる。例えば、いま設
定温度[T]を60℃とおくとき、圧媒温度[t]が5
9.1℃であれば温度差[T−t]は+0.1℃とな
り、従ってこの値は設定温度[T]よりも圧媒温度
[t]の方が低温であることを示してはいるものの、上
記低温下限範囲内に入っている(+0.5℃より温度差
が小さい)のでステップ105へと進む。
【0023】しかし、圧媒温度[t]が59.4℃であ
れば温度差[T−t]は+0.6℃となり、従ってこの
値は上記低温下限範囲を逸脱しているのでステップ10
2へと進むことになる。ステップ102において圧力容
器3内の減圧速度を遅くさせると、圧媒が温度降下を起
こすときの温度勾配が緩やかになるか、場合によっては
温度降下が停止することになるので、この様子(即ち、
圧媒の冷却が鈍化されて温度差[T−t]が+0.5℃
側から0℃側へ傾く様子)をステップ103で監視す
る。
れば温度差[T−t]は+0.6℃となり、従ってこの
値は上記低温下限範囲を逸脱しているのでステップ10
2へと進むことになる。ステップ102において圧力容
器3内の減圧速度を遅くさせると、圧媒が温度降下を起
こすときの温度勾配が緩やかになるか、場合によっては
温度降下が停止することになるので、この様子(即ち、
圧媒の冷却が鈍化されて温度差[T−t]が+0.5℃
側から0℃側へ傾く様子)をステップ103で監視す
る。
【0024】このとき、温度差[T−t]が+0.5℃
側から0℃側へ傾く傾向が見られない場合には、ステッ
プ104で減圧を一旦停止して内圧保持状態とさせるよ
うなことを行ってもよい。また図3中では省略したが、
場合によっては補助温度制御手段23(図1参照)にお
いてジャケット部内へ熱媒を通し、積極的に圧力容器3
を加熱させ、圧媒温度を設定温度[T]よりも若干高く
させるようにしてもよい。このようにして温度差[T−
t]が上記低温下限範囲に入った時点でステップ103
からステップ108へと移行する。
側から0℃側へ傾く傾向が見られない場合には、ステッ
プ104で減圧を一旦停止して内圧保持状態とさせるよ
うなことを行ってもよい。また図3中では省略したが、
場合によっては補助温度制御手段23(図1参照)にお
いてジャケット部内へ熱媒を通し、積極的に圧力容器3
を加熱させ、圧媒温度を設定温度[T]よりも若干高く
させるようにしてもよい。このようにして温度差[T−
t]が上記低温下限範囲に入った時点でステップ103
からステップ108へと移行する。
【0025】一方、上記したステップ101において温
度差[T−t]が上記低温下限範囲内に入っておりその
ままステップ105へ進んだ場合には、次に、このステ
ップ105において設定温度[T]よりも圧媒温度
[t]の方が高温で、且つ高くなりすぎていないか否か
を監視する。本実施形態では、このときの温度差[T−
t]として得られる値に高温上限範囲(−0.5℃より
温度差が小さいこと)を持たせるものとした。このとき
の温度差[T−t]が上記高温上限範囲に入っていれば
ステップ108へ進むが、もしこのときの温度差が上記
高温上限範囲を逸脱していれば(即ち、圧媒温度[t]
が冷却不足のために高温すぎると判断された場合には)
ステップ106へ進み、減圧速度を速くさせる。
度差[T−t]が上記低温下限範囲内に入っておりその
ままステップ105へ進んだ場合には、次に、このステ
ップ105において設定温度[T]よりも圧媒温度
[t]の方が高温で、且つ高くなりすぎていないか否か
を監視する。本実施形態では、このときの温度差[T−
t]として得られる値に高温上限範囲(−0.5℃より
温度差が小さいこと)を持たせるものとした。このとき
の温度差[T−t]が上記高温上限範囲に入っていれば
ステップ108へ進むが、もしこのときの温度差が上記
高温上限範囲を逸脱していれば(即ち、圧媒温度[t]
が冷却不足のために高温すぎると判断された場合には)
ステップ106へ進み、減圧速度を速くさせる。
【0026】例えば、上記のように設定温度[T]を6
0℃とおくとき、圧媒温度[t]が60.1℃であれば
温度差[T−t]は−0.1℃となり、従ってこの値は
設定温度[T]よりも圧媒温度[t]の方が高温である
ことを示してはいるものの、上記高温上限範囲内に入っ
ている(−0.5℃より温度差が小さい)のでステップ
108へと進む。しかし、圧媒温度[t]が60.6℃
であれば温度差[T−t]は−0.6℃となり、従って
この値は上記高温上限範囲を逸脱しているのでステップ
106へと進むことになる。
0℃とおくとき、圧媒温度[t]が60.1℃であれば
温度差[T−t]は−0.1℃となり、従ってこの値は
設定温度[T]よりも圧媒温度[t]の方が高温である
ことを示してはいるものの、上記高温上限範囲内に入っ
ている(−0.5℃より温度差が小さい)のでステップ
108へと進む。しかし、圧媒温度[t]が60.6℃
であれば温度差[T−t]は−0.6℃となり、従って
この値は上記高温上限範囲を逸脱しているのでステップ
106へと進むことになる。
【0027】ステップ106において圧力容器3内の減
圧速度を速くさせると、圧媒が温度降下を起こすときの
温度勾配が急になるので、この様子(即ち、圧媒の冷却
が促進されて温度差[T−t]が−0.5℃側から0℃
側へ傾く様子)をステップ107で監視する。また図3
中では省略したが、場合によっては補助温度制御手段2
3においてジャケット部内へ冷媒を通し、積極的に圧力
容器3を冷却させ、圧媒温度を設定温度[T]よりも若
干低くさせるようにしてもよい。
圧速度を速くさせると、圧媒が温度降下を起こすときの
温度勾配が急になるので、この様子(即ち、圧媒の冷却
が促進されて温度差[T−t]が−0.5℃側から0℃
側へ傾く様子)をステップ107で監視する。また図3
中では省略したが、場合によっては補助温度制御手段2
3においてジャケット部内へ冷媒を通し、積極的に圧力
容器3を冷却させ、圧媒温度を設定温度[T]よりも若
干低くさせるようにしてもよい。
【0028】このようにして温度差[T−t]が上記高
温上限範囲に入った時点でステップ107からステップ
108へと移行する。ステップ108では、圧力変換器
21(図1参照)で検出された圧力値が目標とする減圧
状態まで達成されたか否かの判定を行う。達成されてい
ればここでの減圧は終了(ステップ109)であるが、
未だ圧力容器3内が所定の内圧に達していなければ、再
びステップ100に戻って減圧を開始させるという一連
のサイクルを繰り返す。
温上限範囲に入った時点でステップ107からステップ
108へと移行する。ステップ108では、圧力変換器
21(図1参照)で検出された圧力値が目標とする減圧
状態まで達成されたか否かの判定を行う。達成されてい
ればここでの減圧は終了(ステップ109)であるが、
未だ圧力容器3内が所定の内圧に達していなければ、再
びステップ100に戻って減圧を開始させるという一連
のサイクルを繰り返す。
【0029】このような減圧を行わせることで、図2に
示したように圧媒温度を略一定(横軸の一目盛りは4分
としているが、この間の温度変化量Qは僅かに1℃であ
った)に保持させることができる。なお、上記したステ
ップ101やステップ105等において、設定温度
[T]と圧媒温度[t]との温度差[T−t]に±0.
5℃の低温下限範囲及び高温上限範囲を設けているが、
これらの範囲の程度をどの程度に設定するかや、或いは
これら低温下限範囲及び高温上限範囲を設けるか否かに
ついては、特に限定されるものではない。
示したように圧媒温度を略一定(横軸の一目盛りは4分
としているが、この間の温度変化量Qは僅かに1℃であ
った)に保持させることができる。なお、上記したステ
ップ101やステップ105等において、設定温度
[T]と圧媒温度[t]との温度差[T−t]に±0.
5℃の低温下限範囲及び高温上限範囲を設けているが、
これらの範囲の程度をどの程度に設定するかや、或いは
これら低温下限範囲及び高温上限範囲を設けるか否かに
ついては、特に限定されるものではない。
【0030】次に、図2に示した圧力容器3内の昇圧、
減圧時のうちの昇圧の過程を図4のフローチャートで示
す。この図4から明らかなように、ステップ200で油
圧シリンダ6(図1参照)のピストン5を後退させるこ
とにより昇圧を開始させた後、ステップ201では、温
度測定手段15(図1参照)によって測定した圧力容器
3内の圧媒温度[t]を、予め温度指示設定器20に入
力させておいた所定の設定温度[T]と比較し、このと
き設定温度[T]よりも圧媒温度[t]の方が低温で、
且つ低くなりすぎていないか否かを監視する。
減圧時のうちの昇圧の過程を図4のフローチャートで示
す。この図4から明らかなように、ステップ200で油
圧シリンダ6(図1参照)のピストン5を後退させるこ
とにより昇圧を開始させた後、ステップ201では、温
度測定手段15(図1参照)によって測定した圧力容器
3内の圧媒温度[t]を、予め温度指示設定器20に入
力させておいた所定の設定温度[T]と比較し、このと
き設定温度[T]よりも圧媒温度[t]の方が低温で、
且つ低くなりすぎていないか否かを監視する。
【0031】本実施形態では、このときの温度差[T−
t]として得られる値に低温下限範囲(+0.5℃より
温度差が小さいこと)を持たせるものとした。このとき
の温度差[T−t]が上記低温下限範囲に入っていれば
ステップ204へ進むが、もしこのときの温度差が上記
低温下限範囲を逸脱していれば(即ち、圧媒温度[t]
が加熱不足であると判断された場合には)ステップ20
2へ進み、昇圧速度を速くさせる。例えば、いま設定温
度[T]を60℃とおくとき、圧媒温度[t]が59.
1℃であれば温度差[T−t]は+0.1℃となり、従
ってこの値は設定温度[T]よりも圧媒温度[t]の方
が低温であることを示してはいるものの、上記低温下限
範囲内に入っている(+0.5℃より温度差が小さい)
のでステップ204へと進む。
t]として得られる値に低温下限範囲(+0.5℃より
温度差が小さいこと)を持たせるものとした。このとき
の温度差[T−t]が上記低温下限範囲に入っていれば
ステップ204へ進むが、もしこのときの温度差が上記
低温下限範囲を逸脱していれば(即ち、圧媒温度[t]
が加熱不足であると判断された場合には)ステップ20
2へ進み、昇圧速度を速くさせる。例えば、いま設定温
度[T]を60℃とおくとき、圧媒温度[t]が59.
1℃であれば温度差[T−t]は+0.1℃となり、従
ってこの値は設定温度[T]よりも圧媒温度[t]の方
が低温であることを示してはいるものの、上記低温下限
範囲内に入っている(+0.5℃より温度差が小さい)
のでステップ204へと進む。
【0032】しかし、圧媒温度[t]が59.4℃であ
れば温度差[T−t]は+0.6℃となり、従ってこの
値は上記低温下限範囲を逸脱しているのでステップ20
2へと進むことになる。ステップ202において圧力容
器3内の昇圧速度を速くさせると、圧媒が温度上昇を起
こすときの温度勾配が急になるので、この様子(即ち、
圧媒の加熱が促進されて温度差[T−t]が+0.5℃
側から0℃側へ傾く様子)をステップ203で監視す
る。
れば温度差[T−t]は+0.6℃となり、従ってこの
値は上記低温下限範囲を逸脱しているのでステップ20
2へと進むことになる。ステップ202において圧力容
器3内の昇圧速度を速くさせると、圧媒が温度上昇を起
こすときの温度勾配が急になるので、この様子(即ち、
圧媒の加熱が促進されて温度差[T−t]が+0.5℃
側から0℃側へ傾く様子)をステップ203で監視す
る。
【0033】また図3中では省略したが、場合によって
は補助温度制御手段23(図1参照)においてジャケッ
ト部内へ熱媒を通し、積極的に圧力容器3を加熱させ、
圧媒温度を設定温度[T]よりも若干高くさせるように
してもよい。このようにして温度差[T−t]が上記低
温下限範囲に入った時点でステップ203からステップ
208へと移行する。一方、上記したステップ201に
おいて温度差[T−t]が上記低温下限範囲内に入って
おりそのままステップ204へ進んだ場合には、次に、
このステップ204において設定温度[T]よりも圧媒
温度[t]の方が高温で、且つ高くなりすぎていないか
否かを監視する。
は補助温度制御手段23(図1参照)においてジャケッ
ト部内へ熱媒を通し、積極的に圧力容器3を加熱させ、
圧媒温度を設定温度[T]よりも若干高くさせるように
してもよい。このようにして温度差[T−t]が上記低
温下限範囲に入った時点でステップ203からステップ
208へと移行する。一方、上記したステップ201に
おいて温度差[T−t]が上記低温下限範囲内に入って
おりそのままステップ204へ進んだ場合には、次に、
このステップ204において設定温度[T]よりも圧媒
温度[t]の方が高温で、且つ高くなりすぎていないか
否かを監視する。
【0034】本実施形態では、このときの温度差[T−
t]として得られる値に高温上限範囲(−0.5℃より
温度差が小さいこと)を持たせるものとした。このとき
の温度差[T−t]が上記高温上限範囲に入っていれば
ステップ208へ進むが、もしこのときの温度差が上記
高温上限範囲を逸脱していれば(即ち、圧媒温度[t]
が加熱されすぎていると判断された場合には)ステップ
205へ進み、昇圧速度を遅くさせる。例えば、上記の
ように設定温度[T]を60℃とおくとき、圧媒温度
[t]が60.1℃であれば温度差[T−t]は−0.
1℃となり、従ってこの値は設定温度[T]よりも圧媒
温度[t]の方が高温であることを示してはいるもの
の、上記高温上限範囲内に入っている(−0.5℃より
温度差が小さい)のでステップ208へと進む。
t]として得られる値に高温上限範囲(−0.5℃より
温度差が小さいこと)を持たせるものとした。このとき
の温度差[T−t]が上記高温上限範囲に入っていれば
ステップ208へ進むが、もしこのときの温度差が上記
高温上限範囲を逸脱していれば(即ち、圧媒温度[t]
が加熱されすぎていると判断された場合には)ステップ
205へ進み、昇圧速度を遅くさせる。例えば、上記の
ように設定温度[T]を60℃とおくとき、圧媒温度
[t]が60.1℃であれば温度差[T−t]は−0.
1℃となり、従ってこの値は設定温度[T]よりも圧媒
温度[t]の方が高温であることを示してはいるもの
の、上記高温上限範囲内に入っている(−0.5℃より
温度差が小さい)のでステップ208へと進む。
【0035】しかし、圧媒温度[t]が60.6℃であ
れば温度差[T−t]は−0.6℃となり、従ってこの
値は上記高温上限範囲を逸脱しているのでステップ20
5へと進むことになる。ステップ205において圧力容
器3内の昇圧速度を遅くさせると、圧媒が温度上昇を起
こすときの温度勾配が緩やかになるか、場合によっては
温度上昇が停止することになので、この様子(即ち、圧
媒の加熱が鈍化されて温度差[T−t]が−0.5℃側
から0℃側へ傾く様子)をステップ206で監視する。
れば温度差[T−t]は−0.6℃となり、従ってこの
値は上記高温上限範囲を逸脱しているのでステップ20
5へと進むことになる。ステップ205において圧力容
器3内の昇圧速度を遅くさせると、圧媒が温度上昇を起
こすときの温度勾配が緩やかになるか、場合によっては
温度上昇が停止することになので、この様子(即ち、圧
媒の加熱が鈍化されて温度差[T−t]が−0.5℃側
から0℃側へ傾く様子)をステップ206で監視する。
【0036】このとき、温度差[T−t]が−0.5℃
側から0℃側へ傾く傾向が見られない場合には、ステッ
プ207で昇圧を一旦停止して内圧保持状態とさせるよ
うなことを行ってもよい。また図4中では省略したが、
場合によっては補助温度制御手段23においてジャケッ
ト部内へ冷媒を通し、積極的に圧力容器3を冷却させ、
圧媒温度を設定温度[T]よりも若干低くさせるように
してもよい。このようにして温度差[T−t]が上記高
温上限範囲に入った時点でステップ206からステップ
208へと移行する。
側から0℃側へ傾く傾向が見られない場合には、ステッ
プ207で昇圧を一旦停止して内圧保持状態とさせるよ
うなことを行ってもよい。また図4中では省略したが、
場合によっては補助温度制御手段23においてジャケッ
ト部内へ冷媒を通し、積極的に圧力容器3を冷却させ、
圧媒温度を設定温度[T]よりも若干低くさせるように
してもよい。このようにして温度差[T−t]が上記高
温上限範囲に入った時点でステップ206からステップ
208へと移行する。
【0037】ステップ208では、圧力変換器10(図
1参照)で検出された圧力値が目標とする昇圧状態まで
達成されたか否かの判定を行う。達成されていればここ
での昇圧は終了(ステップ209)であるが、未だ圧力
容器3内が所定の内圧に達していなければ、再びステッ
プ200に戻って昇圧を開始させるという一連のサイク
ルを繰り返す。このような昇圧を行わせることで、図2
に示したように圧媒温度を略一定(上記したように4分
間の温度変化量Qは僅かに1℃であった)に保持させる
ことができる。
1参照)で検出された圧力値が目標とする昇圧状態まで
達成されたか否かの判定を行う。達成されていればここ
での昇圧は終了(ステップ209)であるが、未だ圧力
容器3内が所定の内圧に達していなければ、再びステッ
プ200に戻って昇圧を開始させるという一連のサイク
ルを繰り返す。このような昇圧を行わせることで、図2
に示したように圧媒温度を略一定(上記したように4分
間の温度変化量Qは僅かに1℃であった)に保持させる
ことができる。
【0038】なお、上記したステップ201やステップ
204等において、設定温度[T]と圧媒温度[t]と
の温度差[T−t]に±0.5℃の低温下限範囲及び高
温上限範囲を設けているが、これらの範囲の程度をどの
程度に設定するかや、或いはこれら低温下限範囲及び高
温上限範囲を設けるか否かについては、特に限定される
ものではない。ところで、本発明は、上記した実施形態
に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変
更可能である。
204等において、設定温度[T]と圧媒温度[t]と
の温度差[T−t]に±0.5℃の低温下限範囲及び高
温上限範囲を設けているが、これらの範囲の程度をどの
程度に設定するかや、或いはこれら低温下限範囲及び高
温上限範囲を設けるか否かについては、特に限定される
ものではない。ところで、本発明は、上記した実施形態
に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変
更可能である。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る温間等方圧加圧装置の温度制御方法及び温度制御
装置では、圧力容器内の圧媒温度を所望に応じて制御で
きるものであり、従ってこの加圧処理によって得られる
結果として温度的外乱の排除が可能であり、また場合に
よってはロスタイムの短縮乃至解消にもつなげることが
できる。
に係る温間等方圧加圧装置の温度制御方法及び温度制御
装置では、圧力容器内の圧媒温度を所望に応じて制御で
きるものであり、従ってこの加圧処理によって得られる
結果として温度的外乱の排除が可能であり、また場合に
よってはロスタイムの短縮乃至解消にもつなげることが
できる。
【図1】本発明に係る温度制御装置を温間等方圧加圧装
置に対して組み込んだ一実施形態を示した構成図であ
る。
置に対して組み込んだ一実施形態を示した構成図であ
る。
【図2】本発明に係る温度制御方法によって圧力容器内
を昇圧し、その後、減圧させた場合における圧力容器内
の圧媒の温度変化を示した折れ線グラフである。
を昇圧し、その後、減圧させた場合における圧力容器内
の圧媒の温度変化を示した折れ線グラフである。
【図3】本発明に係る温度制御方法による減圧の過程を
示したフローチャートである。
示したフローチャートである。
【図4】本発明に係る温度制御方法による昇圧の過程を
示したフローチャートである。
示したフローチャートである。
【図5】従来の温度制御方法によって圧力容器内を昇圧
し、その後、減圧させた場合における圧力容器内の圧媒
の温度変化を示した折れ線グラフである。
し、その後、減圧させた場合における圧力容器内の圧媒
の温度変化を示した折れ線グラフである。
1 温間等方圧加圧装置
2 温度制御装置
3 圧力容器
15 温度測定手段
16 速度制御手段
18 制御部
23 補助温度制御手段
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
// B22F 3/04 B22F 3/04 A
3/14 3/14 N
Claims (9)
- 【請求項1】 圧力容器(3)内に被処理物と共に液体
より成る圧媒を充填してこの圧力容器(3)内で加圧処
理を行わせる温間等方圧加圧装置(1)に対し処理温度
を制御する方法であって、 上記圧力容器(3)内の圧媒温度を測定し、この測定温
度を所定の設定温度と比較して得られた温度差に基づい
て、圧力容器(3)内に対する昇減圧速度を制御するこ
とを特徴とする温間等方圧加圧装置の温度制御方法。 - 【請求項2】 圧力容器(3)内の昇圧時にあって、測
定温度と設定温度との比較で測定温度の方が高いと判断
されたときには昇圧速度を遅くするか又は停止させ、測
定温度の方が低いと判断されたときには昇圧速度を速く
することを特徴とする請求項1記載の温間等方圧加圧装
置の温度制御方法。 - 【請求項3】 圧力容器(3)内の減圧時にあって、測
定温度と設定温度との比較で測定温度の方が高いと判断
されたときには減圧速度を速くさせ、測定温度の方が低
いと判断されたときには減圧速度を遅くするか又は停止
させることを特徴とする請求項1記載の温間等方圧加圧
装置の温度制御方法。 - 【請求項4】 測定温度と設定温度との比較に基づいて
圧力容器(3)内に対する昇減圧速度を制御するとき
に、これに並行させつつ圧力容器(3)を加熱又は冷却
することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
に記載の温間等方圧加圧装置の温度制御方法。 - 【請求項5】 圧媒温度が設定温度に設けた高温上限範
囲を超えたときには昇圧を停止させて内圧保持状態に切
り替えると共にこれにより圧媒温度が上記高温上限範囲
に入ったときに昇圧に切り替えるといったサイクルを繰
り返すことを特徴とする請求項2又は請求項4記載の温
間等方圧加圧装置の温度制御方法。 - 【請求項6】 圧媒温度が設定温度に設けた低温下限範
囲を下回ったときには減圧を停止させて内圧保持状態に
切り替えると共にこれにより圧媒温度が上記低温下限範
囲に入ったときに減圧に切り替えるといったサイクルを
繰り返すことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の
温間等方圧加圧装置の温度制御方法。 - 【請求項7】 圧力容器(3)内に被処理物と共に液体
より成る圧媒を充填してこの圧力容器(3)内で加圧処
理を行わせる温間等方圧加圧装置(1)に対し処理温度
を制御する装置であって、 上記圧力容器(3)内に対して昇減圧を行う昇減圧手段
に対し昇圧速度又は減圧速度を可変にさせる速度制御手
段(16)と、上記圧力容器(3)内の圧媒温度を測定
する温度測定手段(15)と、この温度測定手段(1
5)で得られた測定温度を所定の設定温度と比較して温
度差を求めその結果に基づいて上記速度制御手段(1
6)を制御する制御部(18)とを有していることを特
徴とする温間等方圧加圧装置の温度制御装置。 - 【請求項8】 前記圧力容器(3)には、これを加熱又
は冷却する補助温度制御手段(23)が設けられている
ことを特徴とする請求項7記載の温間等方圧加圧装置の
温度制御装置。 - 【請求項9】 前記補助温度制御手段(23)は、圧力
容器(3)を取り囲んで熱媒又は冷媒を流通させるジャ
ケット部を具備したものであることを特徴とする請求項
8記載の温間等方圧加圧装置の温度制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002084305A JP2003279264A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 温間等方圧加圧装置の温度制御方法及び温度制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002084305A JP2003279264A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 温間等方圧加圧装置の温度制御方法及び温度制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003279264A true JP2003279264A (ja) | 2003-10-02 |
Family
ID=29231720
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002084305A Pending JP2003279264A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 温間等方圧加圧装置の温度制御方法及び温度制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003279264A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103170629A (zh) * | 2011-12-20 | 2013-06-26 | 索尼公司 | 烧结机及制造烧结体的方法 |
JP2021162264A (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-11 | 株式会社神戸製鋼所 | 等方圧加圧装置および等方圧加圧方法 |
-
2002
- 2002-03-25 JP JP2002084305A patent/JP2003279264A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103170629A (zh) * | 2011-12-20 | 2013-06-26 | 索尼公司 | 烧结机及制造烧结体的方法 |
JP2021162264A (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-11 | 株式会社神戸製鋼所 | 等方圧加圧装置および等方圧加圧方法 |
JP7439356B2 (ja) | 2020-04-01 | 2024-02-28 | 株式会社神戸製鋼所 | 等方圧加圧装置および等方圧加圧方法 |
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