JP2003262867A - 前方照明装置およびこれを備えた反射型液晶表示装置 - Google Patents

前方照明装置およびこれを備えた反射型液晶表示装置

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JP2003262867A JP2003018035A JP2003018035A JP2003262867A JP 2003262867 A JP2003262867 A JP 2003262867A JP 2003018035 A JP2003018035 A JP 2003018035A JP 2003018035 A JP2003018035 A JP 2003018035A JP 2003262867 A JP2003262867 A JP 2003262867A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射型LCD等の被照明物の前面に配置して
使用する前方照明装置において、光源光の利用効率を向
上させる。 【解決手段】 フロントライト20aの導光体24は、
入射面25、界面28と、界面23とを備えており、こ
の界面23には傾斜部22が形成されている一方、界面
28には、反射防止手段として、例えば反射防止フィル
ム13が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被照明物と観察者
との間に配置されて使用され、被照明物に光を照射する
と共に、被照明物からの反射光を観察者が視認できるよ
うに該反射光を透過させるべく構成された前方照明装置
と、この前方照明装置を補助光源として備えた反射型液
晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、CRT(Cathode Ray T
ube)、PDP(Plasma Display Panel)、あるいはEL(E
lectro Luminescence)といった他のディスプレイとは異
なり、液晶そのものは発光せずに、特定の光源からの光
の透過光量を調節することによって文字や画像を表示す
る。
【0003】従来の液晶表示装置(以下、LCD:Liqu
id Crystal Displayと称する)は、透過型LCDと、反
射型LCDとに大別することが可能である。透過型LC
Dは、液晶セルの背面に、光源(バックライト)として
の、蛍光管やEL等の面発光光源が配置される。
【0004】一方、反射型LCDは、周囲光を利用して
表示を行うため、バックライトを必要とせず、消費電力
が少ないという利点がある。さらに、直射日光の当たる
ような非常に明るい場所では、発光型ディスプレイや透
過型LCDは表示がほとんど見えなくなるのに対し、反
射型LCDではより鮮明に見える。このため、反射型L
CDは、近年益々需要が高まっている携帯情報端末やモ
バイルコンピュータに適用されている。
【0005】ただし、反射型LCDは、以下のような問
題点を有している。つまり、反射型LCDは周囲光を利
用するので、表示輝度が周辺環境へ依存する度合いが非
常に高く、特に、夜間などの暗闇では、表示が全く認識
できないこともある。特に、カラー化のためにカラーフ
ィルタを用いた反射型LCDや、偏光板を用いた反射型
LCDにおいて、上述の問題は大きく、十分な周囲光が
得られない場合に備えて補助照明が必要となる。
【0006】しかし、反射型LCDは液晶セルの背面に
反射板が設置されており、透過型LCDのようなバック
ライトを用いることはできない。反射板としてハーフミ
ラーを用いた半透過型LCDと呼ばれる装置も提案され
ているが、その表示特性は透過型とも反射型ともいえな
い中途半端なものとなり、実用化は難しいと考えられ
る。
【0007】そこで、周囲が暗い場合の反射型LCDの
補助照明として、液晶セルの前面に配置するためのフロ
ントライトシステムが、従来から提案されている。この
フロントライトシステムは、一般的に、導光体と、導光
体の側面に配置された光源とを備える。導光体側面から
入射した光源光は導光体内部を進行し、導光体表面につ
くられた形状で反射して液晶セル側へ出射する。出射し
た光は、液晶セルを透過しながら表示情報に応じて調光
され、液晶セルの背面側に配置された反射板で反射され
ることによって、再び導光体を透過して観察者側へ出射
される。これにより、観察者は、周囲光量が不十分なと
きでも、表示の認識が可能となる。
【0008】なお、このようなフロントライトは、例え
ば特開平5−158034号公報、SID DIGEST P.375(1
995)等に開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここで、SID DIGEST
P.375(1995)に開示されたフロントライトシステムの動
作原理について、図51を参照しながら簡単に説明す
る。上記フロントライトシステムにおいて、平坦部10
1aおよび傾斜部101bから形成される界面101を
有する導光体104の一方の側面を、光源106からの
光が入射する入射面105とする。すなわち、光源10
6は、導光体104の入射面105に対向する位置に配
置されている。
【0010】光源106から入射面105を通って導光
体104に入射した光のうち、あるものは直進し、ある
ものは導光体104とその周辺媒質との界面101・1
08に入射する。このとき、導光体104の周辺媒質が
空気であるものとし、導光体104の屈折率が1.5程
度であるとすると、スネルの法則(式1)から、界面1
01・108に対する入射角が約41.8°以上の光
は、界面101・108で全反射することが分かる。
【0011】 n1 ・sinθ1 =n2 ・sinθ2 θc =arcsin(n2 /n1 ) ・・・(式1) ただし、n1 は第1の媒質(ここでは導光体104)の
屈折率、n2 は第2の媒質(ここでは空気)の屈折率、
θ1 は導光体104から界面101への入射角、θ2
界面101から第2の媒質への出射角、θc は臨界角、
である。
【0012】界面101・108に入射した光の中で、
反射面である傾斜部101bで全反射した光と、界面1
08で全反射した後、界面101の傾斜部101bで反
射した光は、液晶セル110に入射する。液晶セル11
0に入射した光は、図示しない液晶層により調光された
後、液晶セル110の背面に設けられた反射板111に
より反射され、導光体104に再び入射して平坦部10
1aを透過し、観察者109側へ出射される。
【0013】また、光源106から入射面105を通
り、傾斜部101bではなく平坦部101aに入射した
光は、界面101と界面108との間で、傾斜部101
bに到達するまで全反射を繰り返しつつ伝搬する。な
お、観察者109側から見た傾斜部101bの面積は、
平坦部101aの面積に比べて、十分に小さく形成され
ている。
【0014】上記従来のフロントライトシステムは、以
下の問題を有する。 (1)図52に示すように、全反射を繰り返しても傾斜
部101bに到達できない光や、入射面105に対して
略垂直に入射した光は、入射面105に対向する面10
7から導光体104の外へ出射する光114となり、表
示に利用され得ない。すなわち、光の利用効率が悪い。 (2)傾斜部101bと平坦部101aとから構成され
る界面101の形状は、ちょうどプリズムシートの頂点
を平らにした形状に似ており、図52に示すように、周
囲光115が観察者109側へ反射され易く、表示品位
の低下につながる。
【0015】これらの問題は、従来のフロントライトシ
ステムの大半に共通しており、光源光の利用効率の向上
が望まれている。
【0016】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、光源光の利用効率を向上させ
るとともに、被照明物に対して均一且つより明るい照明
を可能とする前方照明装置と、この前方照明装置を用い
た反射型の液晶表示装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる前方照明
装置は、上記の課題を解決するために、光源、および被
照明物の前方に配置される導光体を有しており、上記導
光体は、上記光源からの光を入射する入射面と、上記被
照明物へ向けて光を出射する第1の出射面と、上記第1
の出射面に対向し、上記被照明物からの反射光を出射す
る第2の出射面とを備えているとともに、上記第2の出
射面に、主として上記光源からの光を上記第1の出射面
へ向けて反射する傾斜部が形成され、上記導光体の上記
第1の出射面に、反射防止手段が配置されていることを
特徴としている。
【0018】通常、上記導光体における第1の出射面で
は、第2の出射面に形成されている傾斜部からの光が反
射されて反射光となる。この反射光の発生により、上記
導光体における第1の出射面から第2の出射面へ反射像
が形成される。その結果、この反射像と、上記傾斜部に
おける像とが互いに干渉または回折し、観察者から見
て、被照明物の表面に輝度分布のムラや虹色の分光が生
じることになる。
【0019】しかしながら、上記の構成によれば、前方
照明装置が上記反射防止手段を備えているため、傾斜部
からの入射光が第1の出射面で反射されて生ずる反射光
の発生を抑制することができる。それゆえ、微小光源部
として作用する傾斜部における像と、反射光による反射
像との干渉または回折を防止することができる。そのた
め、観察者側(第2の出射面)にて観察される表示上の
輝度分布のムラや虹色の分光の発生を防止することがで
きる。
【0020】また、上記反射防止手段として、市販され
ている反射防止膜(反射防止フィルム)をそのまま用い
ることが可能であるため、前方照明装置の製造コストの
上昇を抑制することができる。そのため、安価な前方照
明装置を提供することができる。
【0021】本発明にかかる他の前方照明装置は、上記
の課題を解決するために、光源、および被照明物の前方
に配置される導光体を有しており、上記導光体は、上記
光源からの光を入射する入射面と、上記被照明物へ向け
て光を出射する第1の出射面と、上記第1の出射面に対
向し、上記被照明物からの反射光を出射する第2の出射
面とを備えているとともに、上記第2の出射面に、主と
して上記光源からの光を上記第1の出射面へ向けて反射
する傾斜部が形成され、上記第1の出射面と第2の出射
面の傾斜部のそれぞれとの距離が、ほぼ均一であり、上
記導光体の上記第1の出射面に、反射防止手段が配置さ
れていることを特徴としている。
【0022】上記構成によっても、上記反射防止手段に
より、傾斜部からの入射光が第1の出射面で反射されて
生ずる反射光の発生を抑制することができる。それゆ
え、微小光源部として作用する傾斜部における像と、反
射光による反射像との干渉または回折を防止することが
できる。そのため、観察者側(第2の出射面)にて観察
される表示上の輝度分布のムラや虹色の分光の発生を防
止することができる。
【0023】本発明にかかる前方照明装置は、上記構成
に加えて、上記反射防止手段は、上記導光体が有する屈
折率とほぼ等しい屈折率を有する接着剤により上記導光
体と接着されていることを特徴としている。
【0024】上記の構成によれば、反射防止手段は、第
2の導光体の屈折率とほぼ等しい屈折率の接着剤にて接
着されているため、第2の導光体内の光の入出力条件を
ほぼ変えることなく反射防止効果を向上することができ
る。
【0025】本発明にかかる前方照明装置は、上記構成
に加えて、上記入射面が、導光体の側面に存在すること
を特徴としている。
【0026】上記の構成によれば、導光体の側面から光
が入射することにより、観察者からは光源が直接見えな
いという利点がある。これにより、光源からの直接光が
被照明物の像に影響を及ぼさず、鮮明な被照明物像が得
られる前方照明装置が実現される。
【0027】本発明にかかる前方照明装置は、上記構成
に加えて、光源からの光を上記入射面のみに入射させる
集光手段をさらに備えたことを特徴としている。
【0028】上記の構成によれば、光源光の損失をさら
に少なくできるので、光源光の利用効率がさらに向上
し、より明るい面光源としての前方照明装置が実現され
る。
【0029】本発明にかかる反射型液晶表示装置は、上
記の課題を解決するために、上記構成の前方照明装置を
全面に配置してなることを特徴としている。
【0030】これにより、例えば日中の屋外等のように
十分な周囲光量がある場合には、前方照明装置を消灯し
た状態で使用する一方、十分な周囲光量が得られないと
きには、前方照明装置を点灯して使用することができ
る。この結果、周囲環境に関わらず、常に明るい高品位
な表示を実現し得る反射型液晶表示装置を提供すること
が可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図7に基づいて説明すれば、
以下のとおりである。
【0032】本実施の形態に係る反射型LCDは、図1
に示すように、反射型液晶セル10(反射型液晶素子)
の前面に、フロントライト20(前方照明装置)を備え
た構成である。
【0033】フロントライト20は、主として光源26
および導光体24によって構成されている。光源26
は、例えば蛍光管等の線状光源であり、導光体24の側
面(入射面25)に沿って配置される。導光体24は、
液晶セル10側の界面28(第1の出射面)が平坦に形
成されている。一方、導光体24において上記界面28
と対向する界面23(第2の出射面)は、界面28と平
行あるいは略平行に形成された平坦部21と、平坦部2
1に対して同方向に一定の角度で傾斜した傾斜部22と
が、交互に配置されて形成されている。すなわち、導光
体24は、図1から明らかなように、光源26の長手方
向を法線とする断面において、光源26から遠ざかるほ
ど下がってゆく階段状に形成されている。
【0034】傾斜部22は、主として、光源26からの
光を界面28へ向けて反射する面として作用する。一
方、平坦部22は、主として、フロントライト20から
の照明光が、液晶セル10から反射光として戻ってきた
ときに、この反射光を観察者側へ透過させる面として作
用する。
【0035】ここで、図2(a)ないし(c)を参照し
ながら、導光体24の形状について、さらに詳細に説明
する。図2(a)は、導光体24を平坦部21の法線方
向上方から見た平面図、図2(b)は、導光体24を入
射面25の法線方向から見た側面図、図2(c)は、導
光体24を、入射面25および界面28の双方に対して
垂直な面で切断した断面図である。
【0036】導光体24は、例えばPMMA(polymethy
lmetacrylate) 等を用い、射出成形により形成すること
ができる。この実施形態に係る導光体24は、幅W=1
10.0mm、長さL=80.0mm、入射面25部分
の厚みh1 =2.0mm、平坦部21の幅w1 =1.9
mmとする。また、傾斜部22の段差h2 =50μm、
平坦部21に対する傾斜部22の傾斜角α=30°とす
ることにより、傾斜部22の幅w2 は約87μmであ
る。
【0037】導光体24が階段状に形成されていること
により、フロントライト20は下記の利点を有する。ま
ず、図2(b)に示すように、入射面25の法線方向か
ら見た場合、平坦部21が界面28に対して完全に平行
に形成されていれば、この平坦部21は視認されず、傾
斜部22のみが視認される。すなわち、傾斜部22の入
射面25への射影の総和が、入射面25に等しい。
【0038】このような場合、入射面25から入射した
光源光のうち、入射面25に垂直な成分は、すべて、傾
斜部22に直接入射して界面28へ向けて反射する。こ
れにより、前述した従来のフロントライトシステムで見
られるような、入射面に対向する面から多量の光が導光
体外部へ出射してしまうという問題は発生しない。すな
わち、フロントライト20は、階段状の導光体24を備
えたことにより、光の利用効率が従来の構成よりも大幅
に向上する。
【0039】次に、液晶セル10の構成およびその製造
方法について説明する。液晶セル10は、図1に示すよ
うに、基本的に、一対の電極基板11a・11bが液晶
層12を挟持した構成である。電極基板11aは、光透
過性を有するガラス基板14a上に、透明電極15a
(走査線)が設けられ、この透明電極15aを覆うよう
に液晶配向膜16aが形成されてなる。
【0040】上記ガラス基板14aは、例えばコーニン
グ社製のガラス基板(商品名:7059)で実現され
る。透明電極15aは、例えばITO(Indium Tin Oxid
e)を材料とする。液晶配向膜16aは、例えば、日本合
成ゴム社製の配向膜材料(商品名:AL−4552)
を、透明電極15aが形成されたガラス基板14aの上
にスピンコータで塗布し、配向処理としてラビング処理
を施すことにより作成される。
【0041】電極基板11bも、上記電極基板11aと
同様に、ガラス基板14b、透明電極15b、および液
晶配向膜16bを順次積層することにより作成される。
なお、電極基板11a・11bに対し、必要に応じて絶
縁膜等を形成しても良い。
【0042】電極基板11a・11bは、液晶配向膜1
6a・16bが対向するように、且つ、ラビング処理の
方向が平行且つ逆向き(いわゆる反平行)になるように
配置され、接着剤を用いて貼り合わされる。このとき、
電極基板11a・11bの間には、粒径4.5μmのガ
ラスビーズスペーサ(図示せず)が予め散布されたこと
により、均一な間隔で空隙が形成されている。
【0043】この空隙に、真空脱気により液晶を導入す
ることにより、液晶層12が形成される。なお、液晶層
12の材料としては、例えばメルク社製の液晶材料(商
品名:ZLI−3926)を用いることができる。な
お、この液晶材料のΔnは0.2030である。ただ
し、液晶材料はこれに限られるものではなく、種々の液
晶を用いることができる。
【0044】さらに、ガラス基板14bの外面に、反射
板17として、ヘアーライン加工を施したアルミ板を、
例えばエポキシ系の接着剤により接着すると共に、ガラ
ス基板14aの外面に、液晶層12の液晶の配向方向と
45°をなすように偏光軸が設定された偏光板18を設
置する。
【0045】以上の工程により、反射型の液晶セル10
が製造される。この液晶セル10に、下記のとおりにフ
ロントライト20を組み合わせることにより、前方照明
装置付の反射型LCDが製造される。まず、液晶セル1
0の偏光板18上に、導光体24を積層する。なお、液
晶セル10の偏光板18と導光体24との間には、粒径
50μmのスペーサ(図示せず)が予め散布されること
により、このスペーサの粒径にほぼ等しい均一な厚みで
空隙29が形成されている。つまり、導光体24の界面
28は、光学的には、PMMAと空気層との界面に相当
する。なお、この空隙29は、光の波長の約100倍程
度の厚みを持つため、空隙29による干渉等の発生は抑
えられている。
【0046】次に、導光体24の入射面25に対向する
ように、光源26として蛍光管を設置し、光源26と入
射面25とを反射鏡27(集光手段)で囲む。反射鏡2
7は、光源26からの光を入射面25のみに集光させ
る。なお、反射鏡27としては、例えばアルミテープ等
を用いることができる。以上の工程により、補助照明と
してのフロントライト20を備えた反射型LCDが完成
する。
【0047】この反射型LCDは、周囲光が不十分なと
きは、フロントライト20を点灯した照明モードで使用
し、十分な周囲光が得られるときは、フロントライト2
0を消灯した反射モードで使用することができる。
【0048】ここで、フロントライト20の動作原理に
ついて、図3(a)ないし(c)を参照しながら説明す
る。前述したように、導光体24は、入射面25への傾
斜部22の射影の総和が、入射面25と等しい。このた
め、光源26からの入射光のうち、入射面25に垂直な
成分は、図3(a)に示すように、傾斜部22により反
射され、界面28から、図3(a)中には図示しない液
晶セル10へ向けて出力される。
【0049】また、図3(b)に示すように、光源26
からの入射光のうち、まず界面23に入射する成分は、
導光体24内での挙動により、二通りに分類される。一
つは、図3(b)に示す光31aのように、傾斜部22
へ直接入射して反射され、液晶セル10への出力光31
bとなる光である。二つめは、図3(b)に示す光32
aのように、平坦部21と界面28との間で全反射しつ
つ導光体24内を伝搬し、最終的に傾斜部22へ到達し
て反射され、出力光32bとなる光である。
【0050】また、図3(c)に示すように、光源26
からの入射光のうち、まず界面28に入射する成分は、
界面28と界面23の平坦部21との間で全反射しつつ
導光体24内を伝搬し、最終的に傾斜部22へ到達して
反射され、界面28から液晶セル10へ向けて出力す
る。
【0051】以上の説明から分かるように、光源26か
ら導光体24への入射光のほとんどすべての成分は、傾
斜部22で反射され、界面28を通って液晶セル10へ
出射する。すなわち、本実施形態のフロントライト20
は、階段状の界面23を持つ導光体24を備えたことに
より、光源26からの光の損失が極めて少なく、光源光
の利用効率が向上されている。
【0052】次に、光源光の利用効率をさらに向上させ
るための傾斜部22または平坦部21の条件1.〜3.
について説明する。
【0053】1.傾斜部22について 導光体24において、界面23の傾斜部22は、主とし
て、光源26からの入射光を反射する反射面として機能
する。一方、界面23の平坦部21は、主として、液晶
セル10の背面に設けられた反射板17にて反射した
光、および周囲光を透過する透過面として機能する。
【0054】傾斜部22にて光源26からの入射光が全
反射するためには、次のような条件が満たされる必要が
ある。つまり、異なる屈折率を有する物質が接する面
(界面)に入射した光は、入射角が臨界角以上のときに
界面で全反射する。このため、傾斜部22に入射する光
が傾斜部22で全反射するためには、 θ1 ≧θc =arcsin(n2 /n1 ) ・・・(式2) で表される入射角θ1 で傾斜部22へ入射すればよい。
【0055】ただし、上記式2において、 θ1 :傾斜部22への入射角、 n1 :導光体24の屈折率 n2 :傾斜部22において導光体24と接する物質の屈
折率 θc :傾斜部22の臨界角、である。
【0056】以上のように、傾斜部22への光の入射角
θ1 が式2を満たすように傾斜部22を形成すれば、傾
斜部22から導光体24の外部への光の漏れが抑制さ
れ、光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0057】2.平坦部21について 平坦部21が主として光を透過させる領域であることは
先に述べたが、平坦部21を透過する光としては、
(イ)液晶セル10からの反射光、(ロ)反射モードで
使用する場合の周囲光、が存在する。
【0058】上記(イ)の出力光は、液晶セル10の液
晶層12で調光され、反射板17で反射されて再度導光
体24へ入射した後に界面23から観察者側へ出射する
が、このとき、主として平坦部21から出力される。な
お、反射板17で反射される光は拡散光となる。この拡
散光は、平坦部21において反射することが極めて少な
く透過するためには、平坦部21に臨界角以下で入射す
ることが好ましい。臨界角は、導光体24の屈折率によ
り変化するが、導光体24の材料としてPMMAを用い
た場合はおよそ42°前後である。つまり、液晶セル1
0からの出力光は、導光体24の平坦部21に約40°
以下で入射することが好ましい。
【0059】また、平坦部21は、必ずしも界面28と
平行でなくても良い。平坦部21への入射角は、反射板
17における光の散乱範囲にも依存する。このため、反
射板17の特性についても考慮すれば、図4に示すよう
に、例えば、反射板17において光が散乱する主な範囲
が、反射板17の法線に対して±30°程度であるとす
ると、平坦部21の反射板17に対する傾斜角度δをお
よそ±10°以内とすれば、平坦部21で反射される光
の成分33を極めて少なくできる。なお、図4では、平
坦部21が界面28に対して傾斜していることを分かり
やすくするため、傾斜角度δを上記の好ましい範囲より
も大きく示した。
【0060】このように、平坦部21が界面28に対し
て平行または±10°以内の傾きで形成されていれば、
光源26からの入射光は、傾斜部22への入射角よりも
大きな入射角で平坦部21に入射するので、光源26か
ら平坦部21へ入射する光が外部へ漏れにくく、平坦部
21で反射する光の量が多くなる。これにより、光源光
のロスが抑えられる。
【0061】さらに、上記(ロ)の反射モードで使用す
る場合の周囲光を考慮すれば、本反射型LCDをフロン
トライト20を消灯した反射モードで使用する場合に、
十分な周囲光を液晶セル10へ取り込むためには、平坦
部21の面積は大きければ大きいほど好ましい。
【0062】3.界面23における傾斜部22と平坦部
21との配置 界面23の傾斜部22と平坦部21との配置について
は、(a)使用者が界面23側から反射型LCDを見た
ときに、傾斜部22の面積が小さく、平坦部21の面積
が大きいこと、(b)入射面25に対する傾斜部22の
射影の総和が大きく、平坦部21の射影の総和が小さい
こと、の二つの条件が重要である。
【0063】上記(a)の条件は、すなわち、界面28
への平坦部21の射影の総和が、傾斜部22の射影の総
和よりも大きいことを意味する。界面28への傾斜部2
2の射影の大きさは、図2(c)に示す傾斜部22の界
面28に対する傾斜角αによって決まる。従って、傾斜
角αの大きさを調整することにより、使用者から見た傾
斜部22の面積を、平坦部21の面積に比べて非常に小
さくすることが可能である。
【0064】さらに、傾斜部22および平坦部21のピ
ッチを液晶セル10の走査線の抜きまたはバスラインに
合わせることによって、液晶セル10で実際に表示が行
われる領域上全体に平坦部21を配置することができ、
光の利用効率がさらに向上する。
【0065】上記(b)の条件は、前述のように、光源
26からの入射光を有効利用するためには、入射面25
を法線方向から見た場合に界面23の傾斜部22のみが
視認されることが好ましい、ということを意味する。
【0066】次に、フロントライト20の照明光強度の
測定結果について説明する。フロントライト20の照明
光強度を測定するために、図5に示すような測定系を用
いた。つまり、フロントライト20の界面28の法線方
向を0°とし、0°から±90°の範囲における光強度
を、検出器34にて測定した。
【0067】この結果を図6に示す。図6から明らかな
ように、フロントライト20において、光源26から入
射面25を通って導光体24へ入射した光は、導光体2
4の作用により、界面28の略法線方向へ出射されてい
ることが分かる。すなわち、フロントライト20は、導
光体24の側面に配置された光源26からの光を液晶セ
ル10に対して略垂直に入射させることができ、明るい
補助照明として機能する。
【0068】さらに、本実施形態の反射型LCDは、透
過型LCDやCRT、PDP等の自発光型のディスプレ
イと比較して、より明るい表示が可能であるという利点
がある。すなわち、図7(a)に示すように、自発光型
のディスプレイ35からの光36aは、周囲光37に対
して進行方向が逆向きとなる。このため、光36aから
周囲光37を差し引いた成分36bが、観察者に認識さ
れる。
【0069】これに対して、本実施形態の反射型LCD
では、照明モードで使用する場合、図7(b)に示すよ
うに、フロントライト20からの補助光39aと、周囲
光37とが、液晶セル10の反射板(図示せず)にて反
射され、補助光39aと周囲光37との和に相当する成
分39bが、観察者に認識される。これにより、暗い場
所だけでなく例えば日中の屋外のような明るい場所で
も、より明るい表示が実現される。
【0070】以上のように、本実施の形態に係る構成
は、フロントライト20が階段状の導光体24を備えた
ことによって、光源26から出射される光の利用効率が
向上されている。これにより、周囲光が十分でない場合
に、液晶セル10に十分な照明光を与えることができ、
周囲環境によらず常に明るい表示が可能な反射型LCD
を提供することが可能となる。
【0071】〔実施の形態2〕本発明の他の実施形態に
ついて、図8ないし図11に基づいて説明すれば以下の
とおりである。なお、前述の実施の形態1にて説明した
構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0072】本実施の形態に係る反射型LCDは、図8
に示すように、液晶セル10の前面に、実施の形態1で
説明したフロントライト20(第1の導光体)と楔型の
第2の導光体40とによって構成されるフロントライト
システム51を備えたことを特徴とする。
【0073】上記第2の導光体40は、フロントライト
20の導光体24と液晶セル10との間に配置され、導
光体24の界面28に対して平行な斜面41と、液晶セ
ル10の表面に対して平行な底面42とを有する。底面
42に対する斜面41の傾斜角は、図9(a)に示すよ
うに、導光体24の界面23において傾斜部22と平坦
部21とが尾根状に接する部分を互いに結ぶ線49が、
底面42と平行になるように設計することが好ましい。
【0074】また、第2の導光体40は、第1の導光体
である導光体24と少なくとも屈折率が等しい材質で形
成することが好ましい。言うまでもなく、第2の導光体
40を導光体24と全く同じ材質で形成しても良い。ま
た、導光体24と第2の導光体40とを、例えば射出成
形等によって一体的に形成するように構成すれば、製造
工程を簡略化することができる。
【0075】導光体24と第2の導光体40との間隙に
は、粒径50μmのスペーサ(図示せず)が予め散布さ
れる。これにより、導光体24と第2の導光体40との
間隙には、上記スペーサの粒径にほぼ等しい空隙43が
形成される。
【0076】第2の導光体40の底面42と、液晶セル
10の偏光板18との間は、両者の屈折率を一致させる
充填剤(図示せず)で満たされている。これにより、第
2の導光体40と偏光板18との界面での反射による光
の減衰が防止され、光源光の損失がさらに抑制される。
なお、上記充填剤としては、例えばUV硬化性樹脂また
はサリチル酸メチル等を用いることができる。
【0077】ここで、導光体24と液晶セル10との間
に第2の導光体40を設けたことによる効果について説
明する。図9(b)に示すように、第2の導光体40が
設けられていない構成(実施の形態1)では、傾斜部2
2から、液晶セル10への出射面としての界面28まで
の距離ln (図中l1 、l2 )は、光源26からの距離
n (図中x1 、x2 )が大きくなるほど小さくなる。
これに対して、本実施形態のフロントライトシステム5
1では、図9(a)に示すように、第2の導光体40を
備えたことにより、傾斜部22から、液晶セル10への
出射面である第2の導光体40の底面42までの距離l
n は、光源26からの距離xn に関わらず、ほぼ等し
い。
【0078】すなわち、第2の導光体40が、フロント
ライト20の傾斜部22から液晶セル10までの距離を
一定にする役割を果たすことにより、フロントライトシ
ステム51は、光源26からの距離によらず一定の輝度
で光を出射する面光源として作用する。
【0079】ここで、第2の導光体40による効果を確
かめるために、図10(a)に示すように、検出器44
を、第2の導光体40の底面42に対して平行に移動さ
せながら、フロントライトシステム51の出力光の輝度
分布を測定した。なお、入射面25の近傍を測定開始位
置PS とし、底面42において光源26から最も遠い位
置を測定終了位置PE とした。測定の結果は、図11
(a)に示すとおりである。
【0080】同様に、比較のために、第2の導光体40
が設けられていない構成(実施の形態1)の出力光の輝
度分布を測定するために、図10(b)に示すように、
検出器44を、フロントライト20の界面28に対して
平行に移動させながら、測定を行った。なお、入射面2
6の近傍を測定開始位置PS とし、界面28において光
源26から最も遠い位置を測定終了位置PE とした。測
定結果は、図11(b)に示すとおりである。
【0081】図11(a)および(b)を比較すること
から明らかなように、第2の導光体40が設けられてい
ない場合、図11(b)に示すように、輝度のピークの
ピッチpが、光源26に近いほど大きく、光源26から
遠ざかるほど小さくなるのに対し、本実施形態のフロン
トライトシステム51は、図11(a)に示すように、
輝度のピークのピッチpが第2の導光体40の底面42
全体にわたってほぼ等しく、輝度のピークも一様であ
る。
【0082】以上のように、本実施形態の反射型LCD
は、液晶セル10の前面にフロントライトシステム51
を備え、このフロントライトシステム51が、第1の導
光体としての導光体24と、液晶セル10との間に、導
光体24の傾斜部22から液晶セル10までの距離を一
定にするための第2の導光体40を備えたことにより、
フロントライトシステム51が液晶セル10をむらなく
照明し、十分な周囲光が得られない場合でも、明るく且
つむらのない高品位な表示が実現されるという効果を奏
する。
【0083】〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施
形態について、図5、図12ないし図14に基づいて説
明すれば以下のとおりである。なお、前記した各実施の
形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同
一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0084】本実施形態の反射型LCDは、図12に示
すように、液晶セル10の前面に、フロントライト20
と第2の導光体45とによって構成されるフロントライ
トシステム52が配置された構成である。
【0085】上記第2の導光体45は、図13に示すよ
うに、導光体24からの入射光を、その進行方向側への
み散乱させる機能を有する前方散乱板であると共に、所
定の角度範囲から入射した光のみを散乱させ、上記所定
の角度範囲以外からの入射光を透過する性質を有する異
方性散乱板である。このような条件を満たす第2の導光
体45としては、例えば住友化学株式会社製の視角制御
板(商品名:ルミスティー)等が、市販品として入手可
能である。
【0086】なお、第2の導光体45が入射光を散乱さ
せる角度範囲は、導光体24からの出射光が入射する角
度範囲を完全に含むことが好ましい。これにより、導光
体24からの出射光をむだなく散乱させることができ、
光源光の利用効率を向上させることができる。また、第
2の導光体45が、所定の角度範囲から入射した光のみ
を散乱させ、上記所定の角度範囲以外からの入射光を透
過する性質を有する異方性散乱であることにより、上記
所定の角度範囲以外からの入射光には、第2の導光体4
5が作用しないので、不要な散乱光によって表示品位が
劣化することが防止される。
【0087】導光体24と第2の導光体45との間隙に
は、粒径50μmのスペーサ(図示せず)が予め散布さ
れる。これにより、図12に示すように、導光体24と
第2の導光体45との間隙には、上記スペーサの粒径に
ほぼ等しい空隙46が形成される。
【0088】第2の導光体45と液晶セル10の偏光板
(図示せず)との間は、両者の屈折率を一致させる充填
剤(図示せず)で満たされている。これにより、第2の
導光体45と液晶セル10との界面での反射による光の
減衰が防止され、光源光の損失がさらに抑制される。
【0089】ここで、フロントライトシステム52の照
明光強度の測定結果について説明する。フロントライト
システム52の照明光強度を測定するために、前記した
実施の形態1で用いた測定系(図5参照)と同様の測定
系を使用した。ここでは、フロントライトシステム52
の第2の導光体45の法線方向を0°とし、0°から±
90°の範囲において、第2の導光体45の液晶セル1
0側に位置する面からの光強度を、検出器34にて測定
した。測定の結果を図14に示す。
【0090】図14から明らかなように、本実施形態の
フロントライトシステム52は、第2の導光体45によ
って第1の導光体としての導光体24からの出射光が散
乱することにより、実施の形態1に比較して、フラット
な角度特性を有していることが分かる。
【0091】以上のように、本実施形態で説明した構成
は、導光体24からの出射光を散乱させる第2の導光体
45を備えたことにより、液晶セル10へ出射する光の
輝度分布が平均化され、液晶セル10をむらなく照射す
ることが可能となる。
【0092】なお、上記第2の導光体45として、異方
性散乱板の他に、ホログラム等を使用することも可能で
ある。
【0093】〔実施の形態4〕本発明のさらに他の実施
形態について、図15ないし図19に基づいて説明すれ
ば以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態で
説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0094】前述の実施の形態1で説明したように、導
光体24の観察者側の界面23が、傾斜部22および平
坦部21によって形成されている場合、液晶セル10に
て反射されて再び導光体24へ入射した光が界面23を
透過する際に、像のにじみやボケが生じることがある。
【0095】つまり、図15に示すように、液晶セル1
0からの出力光48aは、必ずしも平坦部21のみから
でなく、傾斜部22からも観察者側へ透過する。このと
き、傾斜部22からの出射光48bと、平坦部21から
の出射光48cとが、互いに異なる方向へ出射して交差
することにより、表示すべき像ににじみやボケが表れる
ことがある。
【0096】このような問題を解決するために、本実施
形態の反射型LCDは、図16に示すように、導光体2
4の界面23において、傾斜部22の表面に、光を反射
する金属反射膜47(反射部材)が付加された構成であ
る。上記金属反射膜47は、図16に示すように、傾斜
部22へ入射する光のすべてを、その入射角に関わらず
反射する。これにより、界面23から観察者側へ出射す
る光は、平坦部21を透過した光のみとなる。この結
果、にじみやボケのない鮮明な表示像を得ることができ
る。
【0097】以下に、上記金属反射膜47を製造する方
法の一例について、アルミニウムを材料とする場合を例
に挙げて説明する。なお、金属反射膜47の材料は、ア
ルミニウムに限らず、例えば銀等の金属を用いても良
い。
【0098】まず、図17(a)に示すように、導光体
24の界面23の表面全体に、スパッタリングによって
アルミニウム膜61を成膜する。さらに、図17(b)
に示すように、アルミニウム膜61の表面にフォトレジ
スト62を塗布する。次に、露光工程を経て、図17
(c)に示すように、フォトレジスト62をパターニン
グする。そして、図17(d)に示すように、パターニ
ングされたフォトレジスト62をマスクとして、アルミ
ニウム膜61のエッチングを行う。その後、フォトレジ
スト62を剥離することにより、図17(e)に示すよ
うに、界面23の傾斜部22の表面に、アルミニウムか
らなる金属反射膜47が形成される。
【0099】以上のように、傾斜部22の表面に金属反
射膜47が設けられたことにより、図16に示すよう
に、平坦部21に対する傾斜部22の傾斜角度αを大き
くとることが可能である。例えば、図18に示すよう
に、傾斜部22に金属反射膜47を設けない構成では、
傾斜角度αを60°と大きくとった場合、臨界角θc
りも小さい入射角で傾斜部22へ入射した光49aが、
傾斜部22を通って観察者側へ透過する光49bとな
る。このような光49bは、表示品位を劣化させるので
好ましくない。
【0100】これに対して、本実施形態の構成では、傾
斜部22に金属反射膜47が形成されたことにより、傾
斜角度αを大きくとったとしても、上記の光49bのよ
うに傾斜部22を透過する光は存在せず、傾斜部22に
おいてすべての光が反射される。
【0101】このように、傾斜部22の傾斜角度αを大
きくとることができることにより、平坦部21の法線方
向から見た場合に、傾斜部22が視認されにくくなり、
表示品位の向上が図れるという利点がある。
【0102】なお、図19に示すように、上記金属反射
膜47の表面に、周囲光の反射を防止するブラックマト
リクス47b(遮光部材)を積層すれば、周囲光が観察
者側へ反射されることを防止できる。これにより、周囲
光が観察者側へ反射することによる表示品位の劣化が防
止されるので、さらに好ましい。
【0103】以上のように、本実施形態に係るフロント
ライト20は、傾斜部22から観察者側への透過光を無
くすための金属反射膜47が、傾斜部22に形成されて
いることを特徴としている。これにより、界面23から
観察者側へ出射する光は、平坦部21からの出射光のみ
となるので、このフロントライト20を液晶セル10の
前面に備えた反射型LCDにおいて、にじみやボケのな
い鮮明な表示像を得ることが可能となる。
【0104】〔実施の形態5〕本発明のさらに他の実施
形態について、図15、および図20ないし図22に基
づいて説明すれば以下のとおりである。なお、前記した
各実施の形態で説明した構成と同様の機能を有する構成
には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0105】本実施の形態に係る反射型LCDは、図2
0に示すように、液晶セル10の前面に、実施の形態1
で説明したフロントライト20と、このフロントライト
20の界面23上に設けられた光学補償板64(補償手
段)とによって構成されるフロントライトシステム53
を備えたことを特徴とする。
【0106】上記光学補償板64において、フロントラ
イト20の導光体24に対向する面である底面64a
は、図20に示すように、導光体24の界面23と相補
する階段形状をなす。すなわち、底面64aは、導光体
24の傾斜部22に対向する位置に、傾斜部22に平行
な傾斜部65が形成され、導光体24の平坦部21に対
向する位置に、平坦部21に平行な平坦部66が形成さ
れている。一方、光学補償板64において、観察者側に
位置する面である表面64bは、導光体24の界面28
に平行な平面として形成されている。
【0107】光学補償板64は、導光体24と同様に、
例えば、PMMAを用いて射出成形にて作成できる。光
学補償板64と導光体24とは、上述のように、それぞ
れの傾斜部および平坦部が対向するように配置され、粒
径約20μmのスペーサ(図示せず)を介して接着され
る。これにより、光学補償板64の底面64aと、導光
体24の界面23との間には、略均一な厚みの空気層6
7が介在することとなる。
【0108】このように、導光体24の前面に光学補償
板64を設け、導光体24と光学補償板64との間に空
気層67が存在することにより、下記のような効果が得
られる。
【0109】すなわち、前記実施の形態4において図1
5を参照しながら説明したように、液晶セル10から導
光体24へ再び入射した光48a・48aは、導光体2
4内部で同じ方向に進んだとしても、界面23の傾斜部
22または平坦部21をそれぞれ透過することにより、
導光体の界面23から互いに異なる方向へ出射し、像の
にじみやボケを招来する。
【0110】これに対して、本実施形態のフロントライ
トシステム53では、図21に示すように、液晶セル1
0から導光体24へ同じ方向へ入射した光68a・69
aは、導光体24から出射した後に、空気層67と光学
補償板64との界面としての底面64aで屈折すること
で、再び同じ方向へ進む光となり、光68b・69bと
して示すように、光学補償板64の表面64bから同じ
方向へ出射する。これにより、観察者側から見たとき
に、にじみやボケのない鮮明な像が得られる。
【0111】なお、上述の光学補償板64の他に、図2
2(a)に示すように、平板状に形成された光学補償板
71を導光体24の前面に配置しても良い。この場合、
上記光学補償板71は、図22(b)に示すように、導
光体24の傾斜部22から出射した光が入射する領域7
1aと、導光体24の平坦部21から出射した光が入射
する領域71bとが、互いに異なる屈折率を有すること
により、領域71a・71bのそれぞれの表面から観察
者側への光の出射角θa ・θb がほぼ等しくなる。また
は、領域71aを、この領域71aを透過する光を、領
域71bを透過する光と同じ方向へ回折するために、回
折機能を有する部材(例えば回折素子)で形成しても良
い。
【0112】あるいは、図22(c)に示すように、光
学補償板71において、導光体24の傾斜部22から出
射した光が入射する領域を、光を遮るブラックマスク7
1cで形成することにより、傾斜部22から出射した光
が観察者側へ届かないようにしても良い。
【0113】以上のように、本実施形態の構成によれ
ば、光学補償板64(または光学補償板71)によっ
て、導光体24の界面23の傾斜部22および平坦部2
1のそれぞれからの光の出射方向をそろえることによ
り、にじみやボケのない鮮明な表示が可能な反射型LC
Dが実現される。
【0114】〔実施の形態6〕本発明のさらに他の実施
形態について、図20、図23ないし図26に基づいて
説明すれば以下のとおりである。なお、前記した各実施
の形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、
同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0115】本実施の形態に係る反射型LCDは、前記
した実施の形態5で説明した反射型LCDのフロントラ
イトシステム53(図20参照)に、タッチパネル機能
を付加したものである。
【0116】上記のタッチパネル機能を実現するため
に、本実施形態の反射型LCDは、図23に示すよう
に、光学補償板64の底面64aに、例えばITOから
なる透明電極72を備えると共に、導光体24の傾斜部
22に、例えばアルミニウムのように、光を反射し且つ
導電性を有する材料からなる反射電極73が設けられて
いる。上記透明電極72および反射電極73が、位置検
出手段を構成する。
【0117】図24の下部に示す図は、導光体24の平
坦部21の法線方向から見た場合の上記反射電極73の
形状を示す平面図である。図24に示すように、反射電
極73は、導光体23の傾斜部22の全面に設けられて
いるので、導光体24の平坦部21の法線方向から見る
とストライプ状である。また、光学補償板64に形成さ
れた透明電極72も、図25に示すように、ストライプ
状に形成され、反射電極73および透明電極72は、互
いに直交してマトリクスをなす。
【0118】なお、導光体24の反射電極73と、光学
補償板64の透明電極72との間には、粒径10μm程
度のプラスチックビーズスペーサ(図示せず)が散布さ
れており、この粒径にほぼ等しい空隙が形成されてい
る。
【0119】この光学補償板64は可撓性を有し、図2
6に示すように、ペン74で押圧されることにより、透
明電極72と反射電極73とが接触する。ペン74で押
された座標の認識は、下記のとおりに行われる。図25
に示すように、透明電極72および反射電極73のそれ
ぞれに、線順次で信号を走査することにより、接触点7
5のX座標およびY座標が検出され、タッチパネルの平
面内において、ペン74で押された位置の座標を特定す
ることができる。
【0120】なお、ここでは、光学補償板64にストラ
イプ状の透明電極72を形成した構成を例に挙げて説明
したが、光学補償板64の底面64aの全面に透明電極
を形成しても良い。しかしながら、上述のように、透明
電極72をストライプ状に形成した方が、光の利用効率
が高いという利点がある。
【0121】以上のように、本実施形態の構成によれ
ば、光学補償板64がタッチパネルとして機能するの
で、液晶セル10に表示された内容に対してペン入力が
可能な反射型LCDを提供することが可能となる。
【0122】〔実施の形態7〕本発明のさらに他の実施
形態について、図27ないし図30に基づいて説明すれ
ば以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態で
説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0123】本実施の形態に係る反射型LCDが備える
フロントライトは、図27に示すように、前記した実施
の形態1で説明した構成にさらに加えて、光源26と導
光体24の入射面25との間に、光源26から入射面2
5へ入射する光の広がり角を制御するための光制御手段
として、プリズムシート81および拡散板82を備えた
ことを特徴とする。なお、ここでは、プリズムシート8
1のプリズムの頂角は100°とする。また、導光体2
4と液晶セル10の偏光板18との間には、屈折率差を
緩和するための充填剤84が導入されている。
【0124】光源26は、例えば蛍光管にて実現される
が、蛍光管からの出力光は、特に指向性を持つわけでな
く、ランダムに発生する。このため、導光体24の傾斜
部22へ臨界角よりも大きい角度で入射する光が存在
し、傾斜部22からの漏れ光となって表示品位の低下を
招く恐れがある。
【0125】導光体24の材料として好適に用いられる
PMMAの屈折率が約1.5であることを考慮すると、
傾斜部22への入射角が臨界角(約42°)以下の光
は、漏れ光となる。このような漏れ光をなくすために
は、漏れ光成分となる入射光が導光体24へ入射しない
ように、光源26からの出力光の広がり角を予め制御す
れば良い。
【0126】ここで、図28に示すように、界面28に
対する傾斜部22の傾斜角をαとする。なお、図28
は、説明の便宜上、導光体24における傾斜部22、界
面28、および入射面25の位置関係を抽出して示した
ものであり、導光体24が実際にこのような形状をなし
ているわけではない。
【0127】また、導光体24の入射面25から入射す
る光の広がり角を±βとし、傾斜部22の臨界角をθc
とすると、上記の光の傾斜部22への入射角θは、θ=
90°−α−βで表される。
【0128】従って、入射面25から傾斜部22へ入射
した光が傾斜部22を透過しないための条件は、 θc <θ=90°−α−β すなわち、 β<90°−(θc +α) ・・・(式3) で表される。
【0129】なお、この実施形態では、傾斜部22の傾
斜角αを10°とする。これと、臨界角θc が42°で
あることから、上記の式3に基づいて、β<38°が導
かれる。
【0130】光源26からの出力光は、拡散板82で一
旦拡散されてプリズムシート81へ入射する。プリズム
シート81は、拡散光を特定の角度範囲に集光する機能
を有し、プリズムの頂角が100°の場合、図29に示
すように、約±40°の角度範囲内に拡散光を集光させ
る。約±40°の角度範囲に集光された光は、導光体2
4へ入射するときに、入射面25での屈折によってさら
に集光されることにより、約±25.4°の範囲の広が
り光となる。すなわち、入射面25から入射する光の広
がり角は、上記のβ<38°の範囲に十分に収まり、傾
斜部22からの漏れ光が生じないことが分かる。
【0131】以上のように、本実施形態に係る反射型L
CDは、光源光の広がりを抑制するために、光源26と
導光体24の入射面25との間にプリズムシート81を
設置したことにより、傾斜部22からの漏れ光がなくな
り、表示品位がさらに向上される。
【0132】なお、本実施形態では、プリズムシート8
1の頂角を100°としたが、必ずしもこの角度に限定
されるものではない。また、光源光の広がりを制限する
光制御手段として、プリズムシート81を用いたが、同
様の効果が得られるのであればこれに限定されず、例え
ばコリメータ等を用いても良い。また、図30(a)に
示すように、光源26の周囲を楕円体ミラー98で覆
い、この楕円体ミラー98の焦点に光源26を設置した
構成によっても同様の効果が得られる。さらに、SID DI
GEST P.375(1995)に記載されているように、図30
(b)に示すライトパイプ99を用いて、光源26から
の入射光の広がりを制御しても良い。
【0133】〔実施の形態8〕本発明のさらに他の実施
形態について、図1、図3、および、図31ないし図3
3に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、前
記した各実施の形態で説明した構成と同様の機能を有す
る構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略す
る。
【0134】本実施の形態に係る反射型LCDは、前記
した各実施の形態で説明した反射型LCDにおいて、フ
ロントライト(またはフロントライトシステム)と液晶
セル10との間が、屈折率の差による光の減衰を防ぐ充
填剤(マッチング剤)で満たされている。
【0135】ここで、実施の形態1で説明した反射型L
CDに上記の充填剤を適用した構成を例に挙げて説明す
る。実施の形態1では、図1を参照しながら説明したよ
うに、フロントライト20の導光体24は、液晶セル1
0の偏光板18上に、粒径約50μmのスペーサを介し
て積層されている。これにより、液晶セル10と導光体
24との間には、上記スペーサの粒径にほぼ等しい均一
な厚みで空隙29が形成されている。
【0136】本実施の形態の反射型LCDは、上記の空
隙29に、図32に示すように、充填剤84を満たした
ものである。なお、充填剤84としては、例えばUV硬
化性樹脂や、サリチル酸メチル等を用いることができ
る。これにより、導光体24の界面28は、空気ではな
く、空気よりも高い屈折率を有する充填剤84に接する
こととなる。上記の充填剤84は、導光体24の屈折率
とほぼ等しい屈折率を有することが好ましい。
【0137】このように、導光体24の界面28が充填
剤84に接している場合と、前記した各実施の形態のよ
うに導光体24の界面28が空気に接している場合と
は、界面28における光の挙動が異なる。
【0138】光源26からの入射光のうち、図31
(a)に示すように、入射面25へ略垂直入射する成分
は、入射面25から傾斜部22へ直接入射して反射した
後、界面28および充填剤84を通って、液晶セル10
へ入射する。このときの界面28における光の挙動は、
界面28が空気に接している場合(図3(a)参照)と
同様である。
【0139】一方、光源26からの入射光のうち、図3
1(b)に示すように、入射面25からまず界面23へ
入射する成分の中には、光85aのように、平坦部21
で反射した後に界面28へ入射するものもある。このよ
うな光85aや、光源26からの入射光のうち、図31
(c)に示すように、入射面25からまず界面28へ入
射する成分は、界面28が導光体24とほぼ等しい屈折
率を有する充填剤84に接しているので、界面28にお
いて何の作用も受けずに透過する。
【0140】これらの光は、液晶セル10の液晶層12
に対して非常に大きな入射角で入射することとなるが、
反射板17で反射され、導光体24の界面28に対して
上記の大きな入射角で再び入射するので、観察者へ届く
ことはない。
【0141】しかしながら、光源光の利用効率を向上さ
せるためには、光源26から界面28へ直接入射する成
分をなくすことが好ましい。このため、図32に示すよ
うに、入射面25を、この入射面25と界面28とが鈍
角をなすように傾けることにより、入射面25から界面
28へ直接入射する成分をなくすことができる。
【0142】なお、入射面25と界面28とがなす角γ
の大きさは、図33に示すように、光源26からの光が
入射面25へ入射した後の広がり角βを考慮すれば、 γ≧90°+β であることがより好ましい。これにより、入射面25か
ら入射した光源光のほとんどすべてが界面23方向へ入
射することとなり、光源光の利用効率をさらに向上させ
ることができる。
【0143】〔実施の形態9〕本発明のさらに他の実施
形態について、図34に基づいて説明すれば以下のとお
りである。なお、前記した各実施の形態で説明した構成
と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、
その説明を省略する。
【0144】本実施の形態に係る反射型LCDは、フロ
ントライト20が、液晶セル10に対して開閉自在な蓋
状に形成されていることを特徴とする。
【0145】前記した各実施の形態において、前方照明
装置としてのフロントライトまたはフロントライトシス
テムの種々の形態を説明したが、特に実施の形態4に記
載した構成のように、導光体24の傾斜部22に金属反
射膜47を設けたような場合、金属反射膜47が導光体
24への周囲光の入射を妨げる。このため、周囲環境
が、反射型LCDを照明モードで使用する必要がある程
暗くはないが、反射モードで使用するに十分な周囲光量
が得られないような状況において特に、反射モードでの
表示が暗くなってしまう場合がある。
【0146】このため、図34に示すように、本実施の
形態の反射型LCD91は、フロントライト20が、そ
の一辺が例えば蝶番(図示せず)等で固定されたことに
より、液晶セル10に対して開閉自在に設けられてい
る。このフロントライト20は、液晶セル10およびフ
ロントライト20を覆う蓋92とは独立に開閉できる内
蓋として形成されている。
【0147】従って、反射型LCD91を照明モードで
用いる場合は、液晶セル10の表面にフロントライト2
0を被せた状態、すなわち蓋92のみを開けた状態で使
用し、反射型LCD91を反射モードで用いる場合は、
液晶セル10に対してフロントライト20を開いた状態
で使用することができる。
【0148】これにより、反射モードで使用する場合
に、フロントライト20によって光のロスが生じること
がなく、常に明るい表示を実現し得る反射型LCDが実
現される。
【0149】なお、上記では、フロントライト20の少
なくとも一部が液晶表示装置に対して固定された構成を
説明したが、フロントライト20を完全にユニット化
し、液晶セル10に対して脱着自在な構成としても良
い。ただし、この場合には、液晶セル10から取り外し
たときのフロントライト20の保管方法について考慮す
る必要は生じる。
【0150】なお、ここでは、フロントライト20を内
蓋状に備えた反射型LCDについて説明したが、前記し
た各実施の形態で説明したフロントライトシステムが内
蓋状に設けられた構成としても良い。
【0151】〔実施の形態10〕本発明のさらに他の実
施形態について、図35および図36に基づいて説明す
れば以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態
で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の
符号を付記し、その説明を省略する。
【0152】前記した各実施の形態では、前方照明装置
としてのフロントライトまたはフロントライトシステム
と、被照明物としての反射型液晶セルを組み合わせた構
成としての反射型LCDについて説明した。しかし、本
発明の前方照明装置としてのフロントライトまたはフロ
ントライトシステムは、反射型液晶セルとの組合せのみ
で使用されるものではない。例えば、図35に示すよう
に、本実施形態に係る照明装置95は、前記した各実施
形態で説明したフロントライトまたはフロントライトシ
ステムが、独立したユニットとして形成されたものであ
り、種々の対象物を照明することが可能である。
【0153】例えば、上記の照明装置95は、図35に
示すように、本96の上に配置して使用することができ
る。これにより、図36に示すように、照明装置95の
略直下の領域のみを照明することができるので、例えば
寝室などでの読書の際に、周囲の人に迷惑をかけること
がないという効果がある。
【0154】なお、上記した各実施の形態は本発明を限
定するものではなく、発明の範囲で種々の変更が可能で
ある。例えば、導光体の材料として、具体的にPMMA
を例示したが、均一に減衰無く導光でき、屈折率が適当
な値であれば、例えばガラス、ポリカーボネイト、ポリ
塩化ビニル、またはポリエステル等の材料を用いても構
わない。また、上記した導光体の傾斜部および平坦部の
寸法等は、あくまでも一例であり、同等の効果が得られ
る範囲で自由に設計することができる。
【0155】さらに、液晶セルとしては、単純マトリク
ス型LCD、アクティブマトリクス型LCD等の種々の
LCDを用いることができる。また、上記では、偏光子
と検光子とを兼ねた偏光板を一枚使用したECBモード
(単偏光板モード)の液晶セルを使用したが、その他
に、偏光板を使用しないPDLCやPC−GH等を適用
しても良い。
【0156】〔実施の形態11〕本発明のさらに他の実
施形態について、図37ないし図48に基づいて説明す
れば以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態
で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の
符号を付記し、その説明を省略する。
【0157】本実施の形態の反射型LCDは、図37に
示すように、反射型液晶セル10aの前面にフロントラ
イト20aを備えている構成については、前記実施の形
態1と同様であるが、反射型液晶セル10aとフロント
ライト20aとの間に第2の導光体(光学手段)である
反射防止フィルム(反射防止膜)13を配置している
点、導光体24aに形成されている平坦部21および傾
斜部22の幅(ピッチ)が異なっている点、および、反
射型液晶セル10a内部に反射電極(反射板)17aを
形成している点が前記実施の形態1とは異なっている。
【0158】まず、フロントライト20aについて具体
的に説明すると、このフロントライト20aは、前記実
施の形態1と同様に主として光源26および導光体24
aによって構成されており、導光体24aの入射面25
に接するように反射鏡27で覆われた線状光源としての
光源26が設けられている。
【0159】導光体24aの液晶セル10a側の界面
(第1の出射面)28は平坦に形成されており、この界
面に対向する界面(第2の出射面)23は、界面28と
平行あるいは略平行に形成された平坦部21と、平坦部
21に対して同方向に一定の角度で傾斜した傾斜部22
とが、交互に配置されて形成されている。
【0160】このように、導光体24aは、前記実施の
形態1における導光体24と同様に、図37に示すよう
に、光源26の長手方向を法線とする断面において、光
源26から遠ざかるほど下がってゆく階段状に形成され
ている。
【0161】ここで、図38(a)ないし(c)を参照
しながら、導光体24aの形状について、さらに詳細に
説明する。図38(a)は、導光体を平坦部の法線方向
上方から見た平面図であり、図38(b)は、導光体を
入射面の法線方向から見た側面図であり、図38(c)
は、導光体を入射面および界面の双方に対して垂直な面
で切断した断面図である。
【0162】導光体24aの材質としては、本実施の形
態ではアクリル板を用いており、このアクリル板を金型
成形することで導光体24aを階段状に加工することが
できる。この導光体24aは、本実施の形態では、幅W
=75mm、長さL=170mm、入射面25部分の厚
みh1 =2.0mm、平坦部21の幅w1 =0.2mm
とする。また、傾斜部22の段差h2 =10μm、平坦
部21に対する傾斜各α=45°とすることにより、傾
斜部の幅w2 は約10μmである。
【0163】さらに、本実施の形態では、導光体24a
は、入射面25、すなわち光源26から遠ざかる方向に
おいて、平坦部21の幅w1 と傾斜部22の幅w2 との
和w 3 =0.21mmが徐々に小さくなるような構成を
有している。この平坦部21および傾斜部22の構成に
ついて、図38(a)ないし(c)に加えて、図39に
基づいてさらに具体的に説明する。なお、導光体24a
において、光源26から遠ざかる側の方向である光源2
6の長手方向を法線とする方向を、以下、第1方向と
し、図38・図39中に矢印Aで示す。
【0164】図39に示すように、平坦部21と傾斜部
22とを1本ずつ組み合わせて1組とし、光源26に最
も近い側からの平坦部21と傾斜部22の100組を第
1ブロックB1 とする。そして、この第1ブロックB1
における第1方向に沿った方向の間隔w4 を21mmと
なるように形成する。
【0165】次の100組のブロックである第2ブロッ
クB2 における上記間隔w4 は20mmとなるように形
成する。さらに、次の第3ブロックB3 における間隔w
4 は19mmとなるように形成し、第4ブロックB4
おける間隔w4 を18mmとなるように形成し、第5ブ
ロックB5 における間隔w4 を17mmとなるように形
成する。
【0166】従って、本実施の形態では、導光体24a
において、光源26側の端面から第1方向に沿って光源
26が配置されていない側の端面まで1ブロック毎に、
各ブロックの間隔w4 が1mmずつ減少するようになっ
ている。すなわち、光源26から遠ざかるに伴って、平
坦部21および傾斜部22の100組毎に、平坦部21
のピッチおよび傾斜部22のピッチの和(平坦部21の
幅w1 と傾斜部22の幅w2 との和w3 )が、10μm
(1/100mm)ずつ減少していくように形成されて
いる。なお、図38(a)ないし(c)では、説明の便
宜上、平坦部21および傾斜部22のピッチの減少につ
いては図示していない。
【0167】上記導光体24aにおいては、上記傾斜部
22は、主として、光源26からの光を界面28へ向け
て反射する面である微小光源部として作用する。一方、
平坦部21は、主として、フロントライト20aからの
照明光が、液晶セル10aから反射光として戻ってきた
ときに、この反射光を観察者側へ透過させる面として作
用する。これら各部の作用については、前記実施の形態
1と同様である。
【0168】さらに、上記フロントライト20aにおけ
る導光体24aは、この階段状の構成に加えて、平坦部
21および傾斜部22の100組毎に、1組のピッチを
たとえば10μmずつ小さくする、すなわち、階段のピ
ッチを光源26から遠ざかるに伴って小さくする構成を
備えている。そのため、図40(a)に示すように、傾
斜部22の単位面積当たりの数が光源26から遠ざかる
に伴い増加することになる。
【0169】光源26から入射面25した入射光は、微
小光源部として作用する傾斜部22によって反射される
が、傾斜部22の単位面積当たりの数は光源26から遠
ざかるに伴い増加しているため、フロントライト20a
で照明される被照明物である反射型液晶セル10aは、
光源26から遠ざかる位置ほど輝度が向上することにな
る。通常、光源26から遠い位置であるほど輝度は低下
する傾向にあるので、本実施の形態の導光体24aの構
成であれば、界面28(第1の出射面)において、光源
26からの遠ざかることによる輝度の低下を相殺し、光
源26からの光を高角度で効率よく被照明物全体に導く
ことができる。その結果、被照明物側の界面(第1の出
射面)である界面28側におけるの輝度分布を平均化す
ることができる。
【0170】これに対して、図40(b)に示すよう
な、導光体124が楔型平板状に形成されている従来の
フロントライト120では、光源26から入射面125
に入射した入射光は、そのまま界面123によって反射
されることになる。それゆえ、第1の出射面(フロント
ライト120では界面128)における輝度は、光源2
6から遠ざかるほど低下する。
【0171】さらに、第1の出射面における輝度の分布
状態は、図41に示すように、従来のフロントライト1
20の輝度分布を示すグラフFに比べて、本実施の形態
のフロントライト20aの輝度分布を示すグラフEの方
が、光源26からの距離が大きい位置でも略一定となっ
ている。そのため、本実施の形態のフロントライト20
aの方が、第1の出射面(界面28)における輝度分布
の均一性において優れていることがわかる。
【0172】また、上記構成の導光体24aでは、階段
のピッチが0.21mmであるために、導光体24aに
対応する反射型液晶セル10aの画素の周囲に形成され
ているブラックマトリクスのピッチと上記傾斜部22の
溝のピッチがずれることになる。その結果、ブラックマ
トリクスと傾斜部22との干渉によるモアレ縞の発生を
抑制することができるため、得られる反射型LCDの表
示品位を向上させることができる。なお、この点につい
ては後述する。
【0173】上記導光体24aの出射角度特性について
の結果を示すと、図42に示すように、被照明物である
反射型LCD側(界面28側)のグラフGでは、受光角
が−10°から−5°の間をピークとして2,000c
d/m2 に達する程度までに輝度が上昇している。これ
に対して、観察者側(界面23側)のグラフHでは、受
光角が−60°のときに最高500cd/m2 の輝度と
なる程度で、反射型LCDを観察する角度である0°近
傍では輝度は100cd/m2 以下となっている。
【0174】このように、導光体24aの端面に配置さ
れた光源26からの光は、界面28から被照明物(反射
型LCD)に対して略垂直な角度で出射できる。同時
に、界面23側である観察者側には光の漏れがほとんど
なく、光源26からの光を高角度で効率よく被照明物に
導くことができる。
【0175】なお、本実施の形態では、光源26として
蛍光管を用いているが、光源26としてはこれに限定さ
れるものではなく、たとえば、LED(発光ダイオー
ド)、EL素子、またはタングステンランプを用いるこ
とができる。
【0176】次に、液晶セル10aについて説明する
と、この液晶セル10aは、図37に示すように、基本
的な構成としては前記実施の形態1の液晶セル10と同
様であるが、反射板17aを液晶セル10a内に形成し
ている点が異なっている。
【0177】この液晶セル10aは、図43にも示すよ
うに、一対の電極基板11a・11cにより液晶層12
を挟持し、さらに、表示面側である電極基板11a側に
位相差板49と偏光板18とを備えている構成である。
なお、位相差板49(図37には図示せず)は図43で
は1枚のみ備えられているが、2枚以上であってもよ
く、また、備えられていなくてもよい。
【0178】上記電極基板11aは、光透過性を有する
ガラス基板14a上に、カラーフィルタ38が設けら
れ、その上に透明電極15a(走査線)が設けられ、こ
の透明電極15aを覆うように液晶配向膜16aが形成
されてなっている。なお、電極基板11aに対し、必要
に応じて絶縁膜等を形成しても良い。なお、カラーフィ
ルタ38は、図37には図示していない。
【0179】一方、電極基板11cは、ガラス基板14
b上に絶縁膜19が形成され、さらにその上に反射電極
(反射板)17aが形成され、この反射電極17aを覆
うように液晶配向膜16bが形成されてなっている。上
記絶縁膜19の表面には複数の凹凸部が形成されてお
り、この絶縁膜19を覆っている反射電極17aの表面
にも複数の凹凸部が形成されている。
【0180】上記反射電極17aは、液晶層12を駆動
する液晶駆動電極と反射板とを兼ねている。この反射電
極17aとしては、反射特性の優れたアルミニウム(A
l)反射電極が用いられている。また、上記絶縁膜19
は有機レジストにて形成されており、この絶縁膜19に
おけるコンタクトホールや凹凸部は後述するフォトリソ
グラフィーにより形成される。上記ガラス基板14a・
14b、透明電極15a・15b、および液晶配向膜1
6a・16bの材質や形成方法などは、前記実施の形態
1と同様である。
【0181】上記電極基板11cの形成方法について、
図44(a)〜(e)に基づいて、さらに詳しく説明す
る。まず、図44(a)に示すように、ガラス基板14
b上に有機レジストを全面に塗布し、焼成することに絶
縁膜19を形成する。この後、図44(b)に示すよう
に、マスク30を介して絶縁膜19に紫外線30aを照
射する。これによって、絶縁膜19における紫外線30
aの照射部を除去し、図44(c)に示すように、紫外
線30aの被照射部を所定のパターンに形成する。
【0182】次に、図44(d)に示すように、所定の
パターンに形成された絶縁膜19に対して、180°で
加熱処理を施して焼成することにより、有機レジストに
熱だれを生じさせる。この熱だれにより、凹凸部19a
を形成する。
【0183】最後に、図44(e)に示すように、この
凹凸部19aを覆うように、アルミニウム(Al)を真
空蒸着させる。これによって、凹凸部19aに沿ってそ
の表面に凹凸部が形成された反射電極17aが形成され
る。なお、図44(a)〜図44(e)では、絶縁膜1
9は所定のパターンとなる凹凸部19aとして形成され
ているが、図37や図43に示すように、絶縁膜19の
表面のみに凹凸部が形成されているような構成であって
もよい。
【0184】このようにして得られる電極基板11cと
上記電極基板11aとは、互いの液晶配向膜16a・1
6bが対向するように、且つ、ラビング処理の方向が反
平行になるように配置され、接着剤を用いて貼り合わさ
れる。また、電極基板11a・11cの間には、この電
極基板11a・11cにより形成される空隙の間隔を均
一にするために、粒径4.5μmのガラスビーズスペー
サ(図示せず)が予め散布されている。そして、この空
隙に、真空脱気により液晶を導入することによって、液
晶層12が形成される。なお、液晶層12の材料も前記
実施の形態1と同様である。
【0185】上記のようにして本実施の形態の反射型液
晶セル10aが製造されるが、上記の説明以外の製造工
程や製造条件などは、前記実施の形態1における反射型
液晶セル10と同様であるため省略する。
【0186】上記電極基板11cにおける反射電極17
a上に形成されている凹凸部のパターン(すなわち、絶
縁膜19の凹凸部19aのパターン)は、不規則に形成
することによって、反射型液晶セル10aに入射する入
射光を特定方向に拡散反射するように形成している。
【0187】上記絶縁膜19における凹凸部は、凸部の
頂点と凹部の底面との差が0.1μmないし2μmの範
囲内であることが好ましい。凹凸部における凸部の頂点
と凹部の底面との差がこの範囲内であれば、液晶分子の
配向および液晶セルのセル厚とに影響を及ぼすことなく
入射光を拡散することができる。
【0188】このように形成された上記反射電極17a
の反射特性をほぼ紙と同様の拡散反射特性を示す標準白
色板(MGO)の反射特性と比較した場合について図4
5に基づいて説明する。上記MGO(および紙など)
は、図中破線のグラフMで示すように等方性を示す反射
特性を示している。これに対して、上記反射電極17a
(MRS)は、図中実線のグラフNで示すように±30
°の角度に指向性を示す拡散反射特性を有している。
【0189】このような反射電極17aを備えている反
射型液晶セル10aに対して、正反射方向以外から光が
入射しても、画像の観察が可能となる。なお、上記反射
電極17aの反射特性は、図45に示すような特性に限
定されるものではなく、反射電極17aの設計を適宜変
更することによって、反射型LCDの使用される機器の
種類に応じた特性に対応させることが可能である。
【0190】また、上記反射電極17aは、反射型液晶
セル10a内の液晶層12に隣接するように形成されて
いるため、反射板が反射型液晶セル10aの背面側(導
光体24aと接する側の面に対向する側の面)に形成さ
れている場合と比較して、ガラス基板14bによる視差
の発生を解消できる。そのため、得られる反射型LCD
において、画像の2重写りを抑制することができる。ま
た、反射型液晶セル10aの構成を簡素化することもで
きる。
【0191】なお、本実施の形態における反射電極17
aは、図37および図43に示すように、反射型液晶セ
ル10aの表示モードが偏光板18を備えている偏光モ
ードであってもよく、また、図46に示すように、ゲス
トホストモード(偏光板なし)の反射型液晶セルであっ
てもよい。なお、この反射型液晶セルについては、基本
的な構成が反射型液晶セル10aとほとんど同一である
ため、詳しい説明については省略する。
【0192】次に、上記液晶セル10aに配置されてい
る画素構造について説明すると、図47に示すように、
上記反射型液晶セル10aは、該反射型液晶セル10a
の長手方向に沿って複数の走査線54…が形成されてお
り、この走査線54…が形成されている方向に直交する
方向に複数の信号線55…が形成されている。そして、
この走査線54…と信号線55…とによって形成される
格子状のパターンに対応するように、複数の画素56…
が形成されている。
【0193】1つの画素56は、赤(R)・緑(G)・
青(B)の3つのカラーフィルタに対応した画素電極5
6aからなっている。これら画素電極56aは、走査線
54…が形成されている方向に沿って、R・G・Bの順
に配置されている。
【0194】上記反射型液晶セル10aの形状として
は、本実施の形態では、対角6.5型サイズ(縦WL
58mm、横LL =154.5mm)、走査線54数X
m=240本、信号線55数Yn=640本となってい
る。また、反射型液晶セル10aに配置されている画素
56のピッチPL =0.24mm(R、G、B)であ
る。上記画素56…の周辺には図示しないブラックマト
リクス(以下、BMと略す)が幅8μmとなるように形
成されている。
【0195】本実施の形態にかかる反射型LCDでは、
上述した反射型液晶セル10aとフロントライト20a
とを組み合わせてなっている。ここで、フロントライト
20aにおいて、導光体24aの平坦部21および傾斜
部22のピッチが、上述したように0.21mmで、走
査線54…、すなわちBMのピッチよりも小さくなって
いる。そのため、上記反射型液晶セル10aにおけるB
Mのピッチと上記傾斜部22の溝のピッチとをずらすこ
とができる。これら各ピッチがずれると、BMと傾斜部
22との干渉によるモアレ縞の発生を抑制することがで
きる。そのため、得られる反射型LCDの表示品位を向
上させることができる。
【0196】上述した導光体24aの構成では、平坦部
21および傾斜部22のピッチが走査線54…のピッチ
よりも小さくなっているが、上記ピッチを走査線54…
のピッチよりも大きくしてもよい。すなわち、モアレ縞
の発生を抑制するためには、傾斜部22の溝のピッチと
BMのピッチとがずれておればよい。
【0197】ここで、平坦部21の幅w1 と傾斜部22
の幅w2 との和w3 を傾斜部22の溝のピッチとする。
また、上記BMは、走査線54…および信号線55…を
遮蔽するように形成されているが、傾斜部22の溝と平
行となるのは走査線54…であるため、走査線54…の
ピッチP1 をBMのピッチとする。
【0198】上記傾斜部22の溝のピッチとBMのピッ
チとがずれるためには、上記w3 とP1 とが一致しない
(w3 ≠P1 )状態であればよいが、このw3 とP1
の関係としては、w3 がP1 の2倍よりも大きい幅であ
るか(w3 >2P1 )、あるいは、w3 がP1 の半分よ
りも小さい幅である(w3 <1/2P1 )ことが特に好
ましい。
【0199】上記w3 とP1 との関係が上記の範囲より
外れる場合は、傾斜部22の溝のピッチとBMのピッチ
とがずれるといっても、光学的に判断した場合、概ね一
致すると見なすことが可能である。そのため、モアレ縞
の発生を効果的に抑制することができなくなるため好ま
しくない。
【0200】なお、本実施の形態における平坦部21の
幅w1 と傾斜部22の幅w2 や、これらw1 とw2 との
和w3 、傾斜部22の角度などは、上記の数値に限定さ
れるものではなく、使用される反射型液晶セル10aの
画素構造に合わせて形成すればよい。
【0201】また、本実施の形態では、輝度分布を平均
化するために、光源26から遠ざかる方向(第1方向)
に平坦部21のピッチを減少させることで対応している
が、ピッチの代わりに傾斜部22の角度を変化させるこ
とで、平坦部21と傾斜部22とのピッチの和を減少さ
せてもよい。たとえば、平坦部21を小さくするととも
に、平坦部21と傾斜部22とのなす角度αを光源26
から遠ざかる方向(第1方向)に小さくすることで平坦
部21と傾斜部22とのピッチの和を小さくできる。こ
の場合でも、傾斜部22に対して進入光を光源26から
遠ざかる方向(第1方向)に効率良く出射できるため輝
度分布を平均化できる。
【0202】さらに、本実施の形態にかかる反射型LC
Dは、上記構成のフロントライト20aおよび上記構成
の反射型液晶セル10aに加えて、該フロントライト2
0aと反射型液晶セル10aとの間に、第2の導光体と
しての反射防止膜が配置されている構成である。
【0203】この反射防止膜について説明すると、上記
反射型LCDでは、図37に示すように、反射型液晶セ
ル10aに配置された偏光板18と導光体24aの界面
(第1の出射面)に、上記反射防止膜としての反射防止
フィルム13が接着される。
【0204】この反射防止フィルム13は、本実施の形
態では、日東電工株式会社製の反射防止フィルム(商品
名:TAC−HC/AR)を用いている。この反射防止
フィルム13は4層の構成を有する多層構造膜となって
いる。具体的には、基材層としてトリアセチルセルロー
ス(TAC)フィルムを用い、その上に、第1層として
MgF2 層、第2層としてCeF3 層、第3層としての
TiO2 層、第4層としてMgF2 層をそれぞれ形成し
た反射防止フィルム13となっている。
【0205】上記TACフィルムは、屈折率nt =1.
51で厚さ100μmとなっている。また、第1層のM
gF2 層は、屈折率nm =1.38で厚さ約100n
m、第2層のCeF3 層は、屈折率nC =2.30で厚
さ約120nm、第3層のTiO2 層は、屈折率nti
1.63で厚さ約120nm、第4層のMgF2 層は、
屈折率n=1.38で厚さ約100nmとなっている。
これら第1層ないし第4層は、基材層のTACフィルム
上に順次、真空蒸着法によって形成される。
【0206】さらに、フロントライト20aとの接着の
際には、導光体24aに用いられているアクリル材の屈
折率n2 と略同一の屈折率n1 を有するアクリル系の接
着剤の層を形成している。そのため、導光体24a内の
光の入出力条件をほぼ変えることなしに反射防止効果を
向上することができるとともに、輝度分布のムラや虹色
の分光の発生も防止することができる。
【0207】なお、上記第1層のTACフィルムは、反
射防止フィルム13の構成としては必須の構成ではな
く、たとえば、第1層を除いて、第2層ないし第4層を
導光体24aに直接積層してもよい。ただし、この場合
には、製造コストが若干上昇するおそれがある。
【0208】上記多層構造膜の反射防止フィルム13
は、波長λ=550nmの入射光に対して、λ/4−λ
/2−λ/4−λ/4波長板となる構成となっている。
そのため、該反射防止フィルム13は、広波長帯域で反
射防止フィルム13として作用することができる。
【0209】上述した導光体24aでは、該導光体24
aの表面(界面23)に形成されている傾斜部22は、
反射型液晶セル10aに対する微小光源部として機能す
ることになる。そのため、傾斜部22から反射型液晶セ
ル10aに対して光が照射されることになるが、導光体
24aと反射型液晶セル10aとの界面、すなわち、界
面23に対向する面である界面28において、傾斜部2
2からの光のうちの約4%程度が反射されて反射光とな
る。
【0210】この反射光の発生により、界面28から界
面23側へ反射像が形成されることになる。そのため、
この反射像と、上記傾斜部22における像とが互いに干
渉または回折し、観察者から見て、反射型LCDの表面
に輝度分布のムラや虹色の分光が生じることになる。
【0211】しかしながら、本実施の形態にかかる反射
型LCDでは、反射型液晶セル10aとフロントライト
20aとの間、すなわち、導光体24aの界面28側
に、上記反射防止膜(反射防止フィルム13)を配置し
ているため、傾斜部22からの入射光が界面28で反射
されて生ずる反射光の発生を抑制することができる。
【0212】それゆえ、微小光源部として作用する傾斜
部22における像と、界面28側で反射された反射像と
の干渉または回折を防止することができる。そのため、
観察者側(界面23側)にて観察される表示上の輝度分
布のムラや虹色の分光の発生を防止することができる。
【0213】この反射防止フィルム13を配置している
場合と配置していない場合とについて、本実施の形態の
反射型LCDにおける表示の輝度分布を比較すると、図
48に示すように、反射防止フィルム13を配置してい
ない場合のグラフDよりも反射防止フィルム13を配置
している場合のグラフCの方が、輝度分布にムラがなく
一定であり、且つ、輝度そのものも向上していることが
わかる。
【0214】また、上記構成の反射防止フィルム13
は、市販されているものをそのまま用いることができる
ため、フロントライト20aの製造コストの上昇を抑制
することができる。そのため、安価なフロントライト2
0aおよびこれを備えた反射型LCDを得ることができ
る。
【0215】さらに、第1の導光体である導光体24a
の屈折率n2 とほぼ等しい屈折率n 1 を有する接着剤に
て上記反射防止フィルム13を接着しているため、導光
体24a内の光の入出力条件をほぼ変えることなく反射
防止効果を向上することができる。
【0216】なお、上記反射防止フィルム13の構成お
よび材質に関しては、上記の構成および材質に限定され
るものではない。たとえば、波長板の構成として、λ/
4−λ/2−λ/2−λ/2−λ/4の構成となっても
よい。このような波長板の構成とすることで、さらに広
い波長帯域で反射防止効果が得られる。また、λ/4波
長板の単層構成の反射防止フィルムであってもよい。た
だし、この場合は、反射防止効果の得られる波長帯域が
狭くなるおそれがある。
【0217】以上のように、導光体24aの表面(界面
23)に形成されている平坦部21と傾斜部22とのピ
ッチを、光源26から遠ざかる方向(第1方向)に向か
うに伴って小さくなるように形成することによって、上
記傾斜部22で反射される反射光量を、従来よりも光源
から遠ざかる方向へ増加させることができる。そのた
め、導光体24aの界面23(第1の出射面)における
輝度分布を平均化することができる。
【0218】また、フロントライト20aにおける導光
体24aの界面23に形成された平坦部21と傾斜部2
2とのピッチを反射型液晶セル10aのピッチよりも小
さく形成することにより、画素56…の周囲に形成され
ているBMと上記傾斜部22の溝とによる光の干渉のた
めに生ずるモアレ縞の発生を抑制できる。そのため、反
射型LCDの表示品位の劣化を防止することができる。
【0219】さらに、反射型液晶セル10aとフロント
ライト20aとの間に、反射防止膜(反射防止フィルム
13)を設けることによって、導光体24aの界面23
における輝度分布のムラや虹色の分光の発生を防止する
ことができる。そのため、より明るく、且つより表示品
位の高い反射型液晶LCDを得ることができる。
【0220】加えて、反射型液晶セル10aにおける反
射電極17aに凹凸部を形成することにより、液晶分子
の配向およびセル厚に影響を及ぼすことなく入射光を拡
散する。そのため、正反射方向以外から反射型液晶セル
10aに光が入射しても画像の観察が可能となる。
【0221】〔実施の形態12〕本発明のさらに他の実
施形態について、図49および図50に基づいて説明す
れば以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態
で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の
符号を付記し、その説明を省略する。
【0222】本実施の形態の反射型LCDは、図49に
示すように、基本的な構成は前記実施の形態2と同様で
あるが、反射型液晶セル10とフロントライトシステム
51との間に第3の導光体(光学手段)である反射防止
フィルム(反射防止膜)13を配置している点が異なっ
ている。
【0223】上記反射防止フィルム13は、前記実施の
形態1で用いたものと同一である。なお、反射防止フィ
ルム13、反射型液晶セル10、およびフロントライト
システム51の説明については、前記実施の形態2およ
び11において行っているため省略する。
【0224】本実施の形態では、上記反射防止フィルム
13は、第1の導光体である導光体24および第2の導
光体である導光体40に加えて、第3の導光体として機
能している。
【0225】この反射防止フィルム13が形成されてい
ない場合、第1の導光体24の界面23(第1の出射
面)に形成されている傾斜部22からの光が第2の導光
体40の底面(第2の表面)42で4%程度反射されて
反射光となる。この反射光により形成される傾斜部22
の像と上記導光体24における傾斜部22とは互いに干
渉することになり、その結果、導光体24の界面28
(第2の出射面)で輝度分布のムラが生じることにな
る。
【0226】そこで、本実施の形態にかかる反射型LC
Dでは、第2の導光体40の底面42と反射型液晶セル
10の表示面側の面との間に、前記実施の形態11にお
けるものと同一の反射防止フィルム13を配置してい
る。この反射防止フィルム13の配置によって、上記反
射光の発生を効果的に抑制することができる。それゆ
え、界面28における輝度分布のムラを抑制し、高品位
の表示を実現可能とする反射型LCDを実現することが
できる。
【0227】上記反射防止フィルム13を反射型LCD
に配置した場合と、配置しなかった場合とを比較する
と、図50(a)・(b)に示すように、配置しなかっ
た場合における輝度分布を示す図50(b)に比べて、
上記反射防止フィルム13を配置した場合における輝度
分布を示す図50(a)の方が、輝度のピークのピッチ
pが第2の導光体40の底面42全体にわたってほぼ等
しい上に、輝度のピークがなだらかで輝度分布のムラが
少なくなっている。それゆえ、輝度分布の状態が向上し
ていることがわかる。なお、このときの測定条件は、前
記実施の形態2において、図10に基づいて説明してい
るので省略する。
【0228】また、上記反射防止フィルム13は、第2
の導光体40の屈折率n3 とほぼ等しい屈折率n4 の接
着剤にて上記反射防止フィルム13を接着している。そ
のため、第2の導光体40内の光の入出力条件をほぼ変
えることなく反射防止効果を向上することができる。
【0229】さらに、上記構成の反射防止フィルム13
としては、市販されているものをそのまま用いることが
できるため、フロントライトシステム51の製造コスト
の上昇を抑制することができる。そのため、安価なフロ
ントライトシステム51およびこれを備えた反射型LC
Dを得ることができる。
【0230】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる前方照明
装置は、導光体の第1の出射面に、反射防止手段が配置
されている構成である。
【0231】上記の構成によれば、傾斜部からの入射光
が第1の出射面で反射されて生ずる反射光の発生を抑制
することができる。それゆえ、微小光源部として作用す
る傾斜部における像と、反射光による反射像との干渉ま
たは回折を防止することができる。そのため、観察者側
(第2の出射面)にて観察される表示上の輝度分布のム
ラや虹色の分光の発生を防止することができるという効
果を奏する。
【0232】また、以上のように、本発明にかかる反射
型液晶表示装置は、上記構成の前方照明装置を全面に配
置してなる構成である。
【0233】これにより、例えば日中の屋外等のように
十分な周囲光量がある場合には、前方照明装置を消灯し
た状態で使用する一方、十分な周囲光量が得られないと
きには、前方照明装置を点灯して使用することができ
る。この結果、周囲環境に関わらず、常に明るい高品位
な表示を実現し得る反射型液晶表示装置を提供すること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る反射型LCDの構
成を示す断面図である。
【図2】上記反射型LCDが備えるフロントライトの導
光体の形状を示すものであり、同図(a)は、導光体を
平坦部の法線方向上方から見た平面図、同図(b)は、
導光体を入射面の法線方向から見た側面図、同図(c)
は、導光体を、光源の長手方向を法線とする断面で切断
した断面図である。
【図3】同図(a)ないし(c)は、光源からの光の導
光体内での挙動を示す説明図である。
【図4】反射型LCDの反射板で反射した光の挙動を示
す説明図である。
【図5】上記フロントライトの光強度を測定するための
測定系の説明図である。
【図6】上記フロントライトの光強度の測定結果を示す
グラフである。
【図7】同図(a)は、発光型ディスプレイからの出射
光と周囲光との関係を示す説明図であり、同図(b)
は、上記反射型LCDからの出射光と周囲光との関係を
示す説明図である。
【図8】本発明の実施の他の形態に係る反射型LCDの
構成を示す断面図である。
【図9】同図(a)は、図8に示す反射型LCDが備え
るフロントライトシステムにおいて、導光体の傾斜部か
ら、上記フロントライトシステムの出射面となる面まで
の距離が均一であることを示す断面図、同図(b)は、
比較のために、前記した実施形態の反射型LCDが備え
るフロントライトにおいて、傾斜部からフロントライト
の出射面となる面までの距離が均一でないことを示す断
面図である。
【図10】同図(a)および(b)は、図9(a)およ
び(b)にそれぞれ示した構成による照明光の輝度分布
を測定するための測定系をそれぞれ示す説明図である。
【図11】同図(a)および(b)は、図9(a)およ
び(b)にそれぞれ示した構成による照明光の輝度分布
の測定結果をそれぞれ示すグラフである。
【図12】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
反射型LCDの構成を示す断面図である。
【図13】図12に示す反射型LCDが備えるフロント
ライトシステムにおける光の挙動を示す模式図である。
【図14】図12に示す反射型LCDが備えるフロント
ライトシステムの照明光の輝度分布の測定結果を示すグ
ラフである。
【図15】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
反射型LCDにおいて、像のにじみやボケが生じる原理
を示す説明図である。
【図16】上記反射型LCDの導光体の傾斜部の一部を
拡大して示す断面図であり、上記傾斜部に金属反射膜が
設けられた構成を示す。
【図17】同図(a)ないし(e)は、上記金属反射膜
を形成する工程を示す断面図である。
【図18】上記金属反射膜がない場合の光の挙動を示す
模式図である。
【図19】図16に示した構成の変形例を示す断面図で
ある。
【図20】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
反射型LCDの構成を示す断面図である。
【図21】上記反射型LCDにおける導光体と光学補償
板との間の光の挙動を示す模式図である。
【図22】図20に示した構成の変形例としての反射型
LCDの構成を示すものであり、同図(a)は、この反
射型LCDの断面図、同図(b)および(c)は、この
反射型LCDの光学補償板の構成例をそれぞれ示す断面
図である。
【図23】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
反射型LCDが備えるタッチパネルの構成を示す断面図
である。
【図24】上記タッチパネルの断面図、およびこのタッ
チパネルに設けられた反射電極の平面図である。
【図25】上記タッチパネルにおいて、ペンで押圧され
た位置の座標を検出するための構成を示す平面図であ
る。
【図26】上記タッチパネルの一部が、ペンで押圧され
ているときの状態を示す断面図である。
【図27】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
反射型LCDの構成を示す断面図である。
【図28】図27に示す反射型LCDの導光体におい
て、入射面から入射した光が傾斜部で全反射されるため
の条件を説明するための説明図である。
【図29】図27に示す反射型LCDが備えるプリズム
シートの集光特性を示すグラフである。
【図30】同図(a)および(b)は、図27に示す反
射型LCDに対して、入射光の広がりを制限するために
適用できる他の構成例を示す説明図である。
【図31】同図(a)ないし(c)は、本発明の実施に
係るさらに他の形態としての反射型LCDが備える導光
体の構成と共に、この導光体内の光の挙動を示す断面図
である。
【図32】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
反射型LCDの構成を示す断面図である。
【図33】図32に示す反射型LCDのフロントライト
の入射面の傾き角の条件を説明するための説明図であ
る。
【図34】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
反射型LCDの構成を示す斜視図である。
【図35】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
照明装置の使用例を示す斜視図である。
【図36】図35に示す照明装置の使用例を示す平面図
である。
【図37】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
反射型LCDの構成を示す断面図である。
【図38】図37に示す反射型LCDが備えるフロント
ライトの導光体の形状を示すものであり、同図(a)
は、導光体を平坦部の法線方向上方から見た平面図、同
図(b)は、導光体を入射面の法線方向から見た断面
図、同図(c)は、導光体を、光源の長手方向を法線と
する断面で切断した断面図である。
【図39】図38に示す導光体における平坦部および傾
斜部の構成を説明する説明図である。
【図40】同図(a)および(b)は、光源からの光の
導光体内での挙動を示す説明図である。
【図41】図37に示す反射型LCDが備えるフロント
ライトにおける光源からの距離と輝度との関係を示すグ
ラフである。
【図42】図37に示す反射型LCDが備えるフロント
ライトにおける出射光の角度の特性を示すグラフであ
る。
【図43】図37に示す反射型LCDが備える反射型液
晶セルの構成を示す断面図である。
【図44】同図(a)ないし(e)は、図43に示す反
射型液晶セルにおける反射電極の形成方法を示す工程図
である。
【図45】図43に示す反射型液晶セルにおける反射電
極の反射率角度依存性を示すグラフである。
【図46】図43に示す反射型液晶セルの他の例を示す
断面図である。
【図47】図43に示す反射型液晶セルにおける画素、
走査線および信号線の構成を示す平面図である。
【図48】図37に示す反射型LCDが備えるフロント
ライトにおける出射光の輝度および輝度分布特性を示す
グラフである。
【図49】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
反射型LCDの構成を示す断面図である。
【図50】同図(a)および(b)は、図49に示す反
射型LCDが備えるフロントライトおよび従来のフロン
トライトにおける照明光の輝度分布を測定結果をそれぞ
れ示すグラフである。
【図51】従来の補助照明付き反射型LCDの概略構成
と共に、この反射型LCDにおける光の挙動を示す断面
図である。
【図52】上記従来の反射型LCDにおける光の挙動を
示す断面図である。
【符号の説明】
10 液晶セル(反射型液晶素子) 12 液晶層 13 反射防止フィルム(反射防止膜、光学手段) 17 反射板 18 偏光板 19 絶縁膜 20 フロントライト(前方照明装置) 21 平坦部 22 傾斜部 23 界面(第2の出射面) 24 導光体(第1の導光体) 25 入射面 26 光源 27 反射鏡(集光手段) 28 界面(第1の出射面) 45 第2の導光体 64 光学補償板(補償手段) 72 透明電極(位置検出手段) 73 反射電極(位置検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 岳志 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 海老 毅 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H038 AA55 BA06 2H091 FA14X FA14Z FA23X FA37X FA41X FD04 FD06 FD23 LA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源、および被照明物の前方に配置される
    導光体を有しており、 上記導光体は、上記光源からの光を入射する入射面と、
    上記被照明物へ向けて光を出射する第1の出射面と、上
    記第1の出射面に対向し、上記被照明物からの反射光を
    出射する第2の出射面とを備えているとともに、 上記第2の出射面に、主として上記光源からの光を上記
    第1の出射面へ向けて反射する傾斜部が形成され、 上記導光体の上記第1の出射面に、反射防止手段が配置
    されていることを特徴とする前方照明装置。
  2. 【請求項2】光源、および被照明物の前方に配置される
    導光体を有しており、 上記導光体は、上記光源からの光を入射する入射面と、
    上記被照明物へ向けて光を出射する第1の出射面と、上
    記第1の出射面に対向し、上記被照明物からの反射光を
    出射する第2の出射面とを備えているとともに、 上記第2の出射面に、主として上記光源からの光を上記
    第1の出射面へ向けて反射する傾斜部が形成され、 上記第1の出射面と第2の出射面の傾斜部のそれぞれと
    の距離が、ほぼ均一であり、 上記導光体の上記第1の出射面に、反射防止手段が配置
    されていることを特徴とする前方照明装置。
  3. 【請求項3】上記反射防止手段は、上記導光体が有する
    屈折率とほぼ等しい屈折率を有する接着剤により上記導
    光体と接着されていることを特徴とする請求項1または
    2記載の前方照明装置。
  4. 【請求項4】上記入射面が、導光体の側面に存在するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の前方照明装置。
  5. 【請求項5】光源からの光を上記入射面のみに入射させ
    る集光手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の前方照明装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5の何れか1項に記載の前
    方照明装置を全面に配置してなることを特徴とする反射
    型液晶表示装置。
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