JP2003261925A - 暗渠用炭素系透水管および休耕田等の排水不良地の畑圃場化方法 - Google Patents

暗渠用炭素系透水管および休耕田等の排水不良地の畑圃場化方法

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JP2003261925A
JP2003261925A JP2002067139A JP2002067139A JP2003261925A JP 2003261925 A JP2003261925 A JP 2003261925A JP 2002067139 A JP2002067139 A JP 2002067139A JP 2002067139 A JP2002067139 A JP 2002067139A JP 2003261925 A JP2003261925 A JP 2003261925A
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昭宏 藤木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 休耕田等の排水不良地の畑圃場化を低コスト
で実現する方法について提案する。 【解決手段】 休耕田等の排水不良地の土壌の排水性を
改良して畑圃場とするに当り、作土層下まで穴を堀り、
該穴内に、ごみの破砕、乾燥および成形を経て所定の形
状に加工された、ごみ固形燃料を乾留して製造した炭化
物を分級して得られる、径が2mm以上の多孔質体の複数
を、バインダーにて相互に連結して管状に成形して成る
暗渠用炭素系透水管を装入したのち、覆土する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、休耕田等の排水
不良地の畑圃場化方法、さらに詳しくは、排水性の悪い
土壌を改良して、いわゆる透排水良好な土壌へ転換して
休耕田等の排水不良地を畑圃場として活用することので
きる休耕田等の排水不良地の畑圃場化方法と、この方法
に用いる透水管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、水田の断面構造は、最も表面に
水稲などの作物を栽培する作土層があり、その下層に耕
盤層があって、さらにその下層に水分をまったく通さな
い心土層を有する、三層で構成されている。作物の生育
には、作土層が常に適度の水分を含んでいて、しかも十
分な深さがあることが理想的な水田とされている。
【0003】ところで、近年になって、米の生産調整に
伴って、水田を休耕地にすることが多くなってきてい
る。この休耕地化した水田は、畑圃場に転換することに
よって、土地の有効活用が図られているが、畑作物は水
稲と異なり浸水によって大きな打撃を受けるため、転換
された畑は作土層の表面付近に滞留する水を確実に排出
する、圃場構造とする必要がある。なぜなら、水田で
は、大型トラクタの使用によって耕盤層、さらには心土
層が踏み固められ、さらにロータリー耕が施されて作土
層が浅くなり、かつその底部に透水し難い耕盤層が形成
される結果、大雨時などの多量の水が流入した場合に作
土層に多量の水が停滞し、作物が浸水する事態をまねい
ていたからである。
【0004】この休耕田の排水性を改善する技術として
は、主に作土層の底部付近に、いわゆる暗渠を設け、こ
の暗渠を介して排水を強化するのが一般的である。すな
わち、図1(a)に示すように、休耕田の土壌1に素掘
りによる管路、いわゆる弾丸暗渠2を設けたり、図1
(b)に示すように、土壌1に形成した例えば断面矩形
状の管路3a内に籾殻3bを装入してから覆土したり
(特開平10−117501号公報参照)、さらには図1(c)
に示すように、土壌1に土管やプラスチック管などの管
4を埋設する、等の手法によって暗渠を施工し、この暗
渠を介して排水性能の向上が図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
弾丸暗渠は、素掘りであるために風化し易く、数年毎に
再施工を行う必要があり、同様に、籾殻による暗渠は、
籾殻が有機物であるために数年で腐敗し、やはり再施工
が必要になり、いずれの場合も機能の維持のために高い
コストを要する。また、管の埋設による暗渠は、圃場に
農業機械を導入した際に、該機械との接触によって破損
されたり、逆に機械を破損する、おそれがあり、管が破
損した場合は、排水機能が損なわれる上に、管の破片が
畑地を害するために、その撤去ならびに管の交換が必要
になり、暗渠の維持管理は高コストとなる。
【0006】そこで、この発明は、休耕田等の排水不良
地を畑圃場化するのに必須である、排水不良地の排水性
の改善を低コストで実現する方法について、従来の暗渠
と比べて優れた性能を有する暗渠用透水管とともに、提
案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、休耕田の畑
圃場化を低コストで行う手法について種々の検討を行っ
たところ、ごみ固形燃料を乾留して得られる多孔質体の
粗粒を一体化して暗渠用管として活用することを見出
し、この発明を完成するに到った。
【0008】すなわち、近年、 廃棄物、いわゆるごみか
ら可燃ごみを選別して回収したのち、このゴミを破砕、
乾燥および成形して固形燃料とする、ごみの処理および
利用技術が、種々開発されている。例えば、このような
技術として、特許第2865541号、同第2981399 号および
特開平8−86569 号公報などを挙げることができる。こ
の技術は、都市ごみ、家庭ごみ、産業廃棄物および一般
廃棄物などのごみを、破砕した後、ごみ中の水分を減少
するために乾燥を行い、金属、ガラスおよび陶器類等を
除去する選別を経て、所定の形状、例えばクレヨン形状
などに成形し、固形燃料とするものである。
【0009】このごみ固形燃料は、各種施設の冷暖房用
の熱源として、また発電用の燃料として、利用されてい
るが、その利用に当っては、ごみ固形燃料に適した設備
の新設や、既存設備の改修などの、設備投資が必要とな
る。一方で、日々発生するごみの量は増加の一途を辿っ
ており、これに比例して、ごみ固形燃料を増産すること
が、環境保全の観点から望まれている。
【0010】しかしながら、上記のように、ごみ固形燃
料を活用するための設備が十分に用意されているとはい
えない現状にあって、ごみ固形燃料を単に増産しても無
意味であるため、ごみ固形燃料の活用の場を新たに開拓
して、その消費を促進することが希求されていた。
【0011】かような背景の下、ごみ固形燃料と、上記
の休耕田等の排水不良地の畑圃場化に必要とされる排水
性の改善に不可欠の暗渠との接点を模索したところ、ご
み固形燃料を乾留することによって透水性を持つ多孔質
体が得られることを見出し、ここにごみ固形燃料を原料
とする多孔質体を休耕田等の排水不良地の畑圃場化に不
可欠の暗渠用管に活用する方途が開けたのである。
【0012】すなわち、この発明の要旨構成は、次のと
おりである。 (1) ごみの破砕、乾燥および成形を経て所定の形状に加
工された、ごみ固形燃料を乾留して製造した炭化物を分
級して得られる、径が2mm以上の多孔質体の複数を、バ
インダーにて相互に連結して管状に成形して成る暗渠用
炭素系透水管。
【0013】(2) 上記(1) において、多孔質体の炭素含
有量が30〜70mass%であることを特徴とする暗渠用炭素
系透水管。
【0014】(3) 上記(1) または(2) において、多孔質
体は脱塩処理したものであることを特徴とする暗渠用炭
素系透水管。
【0015】(4) 休耕田等の排水不良地の土壌の排水性
を改良して畑圃場とするに当り、作土層下に、請求項
1、2または3に記載の暗渠用炭素系透水管を設置する
ことを特徴とする休耕田等の排水不良地の畑圃場化方
法。
【0016】(5) 上記(4) において、休耕田等の排水不
良地の作土層下に設置した、暗渠用炭素系透水管の少な
くとも一端面を大気に露出することを特徴とする休耕田
等の排水不良地の畑圃場化方法。
【0017】
【発明の実施の形態】さて、都市ごみ、家庭ごみ、企業
ごみ等の一般廃棄物、並びに産業廃棄物中の動植物残
潰、廃棄プラスチック、紙屑、木屑、繊維屑や、汚泥お
よび廃油などのごみ、またはごみの混合物から成るごみ
固形燃料を乾留すると、例えば表1に典型的な成分組成
を示す、比表面積が25〜500m2 /g 程度の多孔質の粉体
が得られる。すなわち、この多孔質体は、肥料三要素で
ある窒素、燐酸およびカリウムを含み、さらに植物栄養
元素となるカルシウムおよび亜鉛も含むため、土壌にと
っては極めて相性の良い成分組成を有する。
【0018】
【表1】
【0019】この多孔質体を、暗渠として供するために
は、透水性に優れることが必須条件であり、そのために
は、乾留後の多孔質体を分級して、径が2mm以上の多孔
質体を選別し、この2mm径以上の多孔質体を、バインダ
ーにて相互に連結して管状に成形することが肝要であ
る。
【0020】ここに、ごみ固形燃料を乾留して得た多孔
質体の粒度分布について調査した結果を、図2に示す。
図2に示すように、径が0.05mm未満の細粒および径が5
mmをこえる粗粒が、それぞれ5〜7%程度で含まれ、大
半が0.05〜5mmの径を有する、粉体であることがわか
る。
【0021】これらの中から選ばれる径が2mm以上の粗
粒の多孔質体を、例えば図3に示すように、多孔質体10
相互をバインダーにて連結し、管状に成形する。なお、
図3では、中空円柱状に成形した例を示したが、中空多
角柱状や中空楕円柱状などの形状でもよく、要は両側が
開口した中空体であれば特に形状は問わない。
【0022】かくして得られる暗渠用炭素系透水管(以
下、炭素系透水管と示す)12は、2mm以上の多孔質体10
が隙間をもって塊状化したものであるために、大小の隙
間を介しての透水性に優れたものとなる。なお、バイン
ダー11としては、セメントまたは軽焼マグネシウムと溶
性りん酸肥料とを混合した土壌硬化剤(農業工業研究所
製、商品名マグホワイト)が利用できる。セメントまた
は土壌硬化剤を用いる場合、好ましくは多孔質体に、5
〜15mass%程度を混合し、さらに適宜の水を混合して、
所定形状の型枠内で硬化させることによって成形を行う
ことができる。
【0023】次に、上記炭素系透水管12を暗渠とする場
合を、休耕田を例にとって説明する。すなわち、図4
(a)に示すように、休耕田の土壌1を適宜の深さ、例
えば耕盤層または心土層まで掘削して溝5を形成し、次
いで図4(b)に示すように、この溝5内に炭素系透水
管12を配置し、最後に図4(c)に示すように、この炭
素系透水管12の上から覆土6を施し、作土層下に炭素系
透水管12を設置する、簡単な施工を行えばよい。かくし
て、炭素系透水管12が暗渠として作用する結果、土壌1
の排水性が改善される。
【0024】また、図5は炭素系透水管12の施工範囲を
示すものであり、同図(a)は耕盤層14まで掘削して溝
5を形成した例、同図(b)および(c)は心土層15ま
で掘削して溝5を形成した例である。この発明の炭素系
透水管12は、図5(a)に示すように、心土層15上の耕
盤層14部分、つまり作土層13下部の領域に設置してもよ
いが、土壌1の排水性を考慮したとき、図5(b)に示
すように、耕盤層14より深く心土層15にまで達する溝5
を掘削して、耕盤層14と心土層15と間に跨がるように炭
素系透水管12を設置し、心土層15により妨げられる排水
の改善を行うことが好ましい。あるいは、図5(c)に
示すように、炭素系透水管12を耕盤層14下部に位置さ
せ、排水性に問題のある心土層15内に炭素系透水管12を
設置することにより、排水性の改善を行うことが有利で
ある。
【0025】なお、図5は、休耕田の例であり、耕盤層
14および心土層15の区分があるが、休耕田以外の排水不
良地では、この耕盤層14および心土層15の区分は明らか
でない。その場合は、作土する作土層13の下層に至るま
で掘削して溝5を形成し、炭素系透水管12を施工すれ
ば、同様の排水性の改善を行うことができる。
【0026】図5に示したいずれの形態においても、炭
素系透水管12は、例えばセメントをバインダーとして一
体化しているために、比較的に高強度であり、土中にお
いて多孔質体相互の隙間および管中空部によって空間が
維持されるから、この空間を介して排水路(暗渠)とし
ての機能を十分に果たすことができる。
【0027】ここで、炭素系透水管12を構成する多孔質
体として、径が2mm以上の粗粒のうち、ほぼ同径のもの
を用いた場合は、均等な透水性を持つ炭素系透水管が得
られるが、炭素系透水管12の使途、特に炭素系透水管を
埋設する土壌の特性などに応じて、多孔質体の粒径を部
分または全体に変化することによって、炭素系透水管の
透水性を部分または全体に変更することが可能である。
すなわち、透水性は、炭素系透水管12を構成する多孔質
体の粒径によって変化するから、畑圃場化の対象となる
休耕田の排水性に応じた透水性となるように、炭素系透
水管12を構成する多孔質体の粒径を適宜に選択すること
が好ましい。特に、炭素系透水管12を埋設した際に、そ
の上半分の透水性を高めて、土壌からの水分の透過を積
極的に行う一方、炭素系透水管12の中空部に導いた水を
該透水管の軸方向に導いて排水するために、下半分の透
水性を低くするように、多孔質体の粒径分布を定めるこ
とが有利である。
【0028】さらに、炭素系透水管12を排水不良地の土
壌1中に埋設する際、炭素系透水管12の少なくとも一端
面を大気に露出することによって、炭素系透水管12つま
り多孔質体を介して、地中深くにまで空気が供給される
結果、地中のバクテリアの活動が活発となり、作物の収
量を大幅に増加することができる。
【0029】ここで、炭素系透水管12の少なくとも一端
面を大気に露出するには、例えば図6に示す形態にて実
施することができる。すなわち、畑圃場は、一般的に畝
造りを行うため、図6(a)に示すように、畝16と畝16
との間の畝間17に炭素系透水管12の端面を臨ませること
により、作物を植えつける畝16内に、空気を流通する空
間となる、暗渠の設置が実現する。また、同図(b)に
示すように、畝16内に設置した炭素系透水管12を、畝間
17からさらに畦18を介して用水路19まで延長し、通気を
兼ねた排水路とすることが可能である。
【0030】一方、畝16の高さが低い場合や畝間17がな
い場合などは、同図(c)に示すように、炭素系透水管
12の一端を曲管とすれば、炭素系透水管12の端面を大気
に晒すことができる。その際、畝間17側に配置した炭素
系透水管12の他端に、送気(送風)装置20を接続して送
風を行うことによって、地中への空気の供給を促進する
ことができる。
【0031】さらに、同図(d)は、炭素系透水管12の
一端を畝間17において大気に露出し、他端は畝16内に止
めて、炭素系透水管12の一端側から送気装置20による送
風を行う例であり、この場合は、同様に設置した多数本
の炭素系透水管12に送気装置20から一括して送風を行え
ばよい。
【0032】また、農業機械を導入した際に、該機械に
よって炭素系透水管12が破壊された場合にあっても、多
孔質体自体が透水性をもつため、排水路としての機能を
ある程度は維持することが可能である。さらに、破損さ
れた場合に、従来の土管のように畑の異物となることは
なく、上記したように土壌改良効果もあるため、そのま
ま放置することが可能である。
【0033】ここで、多孔質体は、そのC含有量が30〜
70mass%であることが好ましい。すなわち、C含有量が
30mass%未満では、過度の乾留により得られる多孔質体
の表面積が不足し、透水性の改良効果が不足することに
なる。一方、C含有量が70mass%をこえると、乾留不足
による表面積の低下により、30mass%未満の場合と同様
の問題を生じるため、70mass%以下、好ましくは60mass
%以下とする。
【0034】また、ごみ固形燃料を乾留して得られる多
孔質体は、そのごみに由来した塩分を有すために、水洗
処理などの脱塩処理を施してから、炭素系透水管の原料
とすることが好ましい。
【0035】さらに、多孔質体の比表面積が25〜500m2
/g であることが有利である。なぜなら、比表面積が25
m2/g 未満では、保水性、保肥性および透水性の改善効
果が弱くなり、一方500m2 /g をこえると、前記効果が
飽和するのに反して、ごみ固形燃料を乾留して得られる
多孔質体の製造コストの上昇をまねいて高価になってし
まうからである。なお、この多孔質体の比表面積を増大
するには、乾留中または乾留後に賦活処理を施せばよ
い。この賦活処理により、Cを主体とする、この発明の
多孔質体中のCを、より多孔質に変化させることができ
る。
【0036】ここに、多孔質体は畑となる土壌に使用す
るものであるから、環境を汚染する成分が含まれていな
いことが必須である。 そこで、ごみ固形燃料を乾留して
得た多孔質体について、下記の有害物質の含有を平成3
年環境庁告示第46号(環告46号)に従って調査したとこ
ろ、いずれも検出されずに土壌改良材としての安全性は
確保されていることを確認した。 記 アルキル水銀、総水銀、カドミウム、鉛、有機燐、六価
クロム、砒素、全シアン、PCB 、トリクロロエチレン、
テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、四塩化炭素、
1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、
シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリク
ロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,3−
ジクロロプロペン、チウラム、チオベンカルブ、ベンゼ
ン、セレン
【0037】次に、この発明の多孔質体の製造手順につ
いて、詳しく説明する。まず、都市ごみ、家庭ごみなど
の一般ごみ、産業廃棄物、一般廃棄物、および家電製
品、自動車部品などを破砕して得られたシュレッダーダ
ストなどのごみから、金属類、ガラスおよび陶磁器類を
除去する。その後、得られた可燃物を主体とするごみを
破砕し、例えば蒸気を熱源として乾燥する。そして、乾
燥後のごみを再度破砕した後、必要に応じて金属類を除
去してから、所定形状に成形してごみ固形燃料を製造す
る。
【0038】次いで、ごみ固形燃料に乾留処理を施す。
ここに、この発明で用いる炭素含有量が30〜70mass%の
多孔質体は、乾留炉内の酸素濃度を1 vol%以下に維持
して乾留することによって得ることができる。この乾留
処理を経ると、ごみ固形燃料中の揮発分が散逸して多孔
質体となる。この乾留処理は、例えば乾留炉内への供給
空気量を調整して炉内の酸素濃度を1vol %以下に制御
するとともに、乾留温度を600 ℃以上、好ましくはダイ
オキシンの発生を抑制するために800 ℃以上に制御して
行う。
【0039】かくして得られる炭素質の粉体は、分級後
2mm以上の炭化物のみ取り出して、5〜15mass%のセメ
ントもしくは上記したマグホワイトをバインダーとして
適量の水と混合し、中子付きの型枠の中に装入して成形
を行うことによって、炭素系透水管となる。
【0040】なお、乾留処理時に発生する乾留ガスは、
乾留炉出側に設置した燃焼装置において完全燃焼させる
際、800 ℃以上の温度領域における燃焼ガスの滞留時間
を2秒以上とし、燃焼ガスを急冷することによって、ダ
イオキシン類の生成を確実に防止することができる。
【0041】
【実施例】乾留炉内の酸素濃度:1vol %以下および雰
囲気温度:600 ℃の条件に従ってごみ固形燃料から多孔
質体を製造した。ここに、ごみ固形燃料を乾留して得た
多孔質体の粒度分布について調査した結果は、図1に示
したとおりである。次いで、径:2mmを境とする分級を
行って、径が2mm以上の粗粒100 に対して、5〜15mass
%のセメントおよび5〜10mass%の水を混合し、所定形
状の形枠内でセメントを硬化させて、図3に示した形状
の炭素系透水管とした。
【0042】かくして得られた炭素系透水管は、外径:
100 mm、内径:50mmおよび軸長:500 mmであり、この炭
素系透水管を、図4に示したところに従って、幅300mm
および深さ600mm の大きさに掘削した溝内に装入し、そ
の後溝上部の空間を覆土した。
【0043】その後、作土層の水分を調査したところ、
従来の水田の場合には80〜85%の含水率であったのに対
して、含水率は30〜40%にまで低下し、畑地として適し
た土地になっていることが判った。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば、ごみ固形燃料を乾留
して得られる多孔質体を活用して、この多孔質体をバイ
ンダーで連結して管状に成形した炭素系透水管を、暗渠
として適用することによって、休耕田等の排水不良地の
畑圃場化に必須である排水性の改善を安価に達成でき
る。また、利用するごみ固形燃料の消費を促進して環境
保全型のごみ処理を推進し、併せて環境の改善をはかる
ことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の暗渠の設置手法を説明する図である。
【図2】 この発明で用いる多孔質体の粒度分布を示す
図である。
【図3】 この発明の炭素系透水管を示す図である。
【図4】 この発明による暗渠の設置手順を示す図であ
る。
【図5】 炭素系透水管の施工範囲を示す図である。
【図6】 炭素系透水管の施工形態を示す図である。
【符号の説明】
1 土壌 5 溝 6 覆土 10 多孔質体 11 バインダー 12 炭素系透水管
フロントページの続き (71)出願人 502089693 岡山県産業振興財団 岡山県岡山市大内田675番地 テレポート 岡山3階 (74)上記3名の代理人 100072051 弁理士 杉村 興作 (72)発明者 坪田 卓也 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 山口 安幸 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 藤木 昭宏 岡山県真庭郡落合町大字開田630番地1 ランデス株式会社内 (72)発明者 阪田 祐作 岡山県岡山市津島中3丁目1番1号 岡山 大学工学部内 (72)発明者 小椋 健二 岡山県岡山市大内田675番地 テレポート 岡山3階 岡山県産業振興財団 新技術振 興事業本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみの破砕、乾燥および成形を経て所定
    の形状に加工された、ごみ固形燃料を乾留して製造した
    炭化物を分級して得られる、径が2mm以上の多孔質体の
    複数を、バインダーにて相互に連結して管状に成形して
    成る暗渠用炭素系透水管。
  2. 【請求項2】 請求項1において、多孔質体の炭素含有
    量が30〜70mass%であることを特徴とする暗渠用炭素系
    透水管。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、多孔質体は
    脱塩処理したものであることを特徴とする暗渠用炭素系
    透水管。
  4. 【請求項4】 休耕田等の排水不良地の土壌の排水性を
    改良して畑圃場とするに当り、作土層下に、請求項1、
    2または3に記載の暗渠用炭素系透水管を設置すること
    を特徴とする休耕田等の排水不良地の畑圃場化方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、休耕田の耕盤層また
    は作土層下に設置した、暗渠用炭素系透水管の少なくと
    も一端面を大気に露出することを特徴とする休耕田等の
    排水不良地の畑圃場化方法。
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