JP2003259661A - 溶接制御装置及び溶接制御方法 - Google Patents

溶接制御装置及び溶接制御方法

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JP2003259661A
JP2003259661A JP2002057869A JP2002057869A JP2003259661A JP 2003259661 A JP2003259661 A JP 2003259661A JP 2002057869 A JP2002057869 A JP 2002057869A JP 2002057869 A JP2002057869 A JP 2002057869A JP 2003259661 A JP2003259661 A JP 2003259661A
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transformer
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JP2002057869A
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Inventor
Yukio Nishiwaki
由紀男 西脇
Yoshikatsu Endo
芳克 遠藤
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Nadex Co Ltd
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Nadex Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に適切な溶接電流を容供給すること
ができる溶接制御装置を提供する。 【解決手段】 正方向の溶接電流供給時には、時点(s
0)でトランジスタ21、24を両方オンする。正方向
の溶接電流値が最大設定電流値((Ia)max)にな
ったら、溶接電流値が最大設定電流値((Ia)ma
x)と最小設定電流値((Ia)min)の間になるよ
うに、トランジスタ21、24をオン/オフ制御する。
この際、トランジスタ21、24は、交互にオフする。
時点(s0)からの経過時間が{(T/2)−α}(時
間)になったら、トランジスタ21、24を両方オフす
る。溶接電流値が“0”になったら、負方向の溶接電流
を供給する。途中、磁気飽和の兆候を検出したら、供給
する電流の方向を反転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接制御装置及び
溶接制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抵抗溶接機、例えば、スポット溶接機
は、複数の被溶接部材を重ねあわせ、両側を先端の尖っ
た1対の電極で挟み、被溶接部材を加圧しながら、1対
の電極間に溶接電流を流して被溶接部材を溶接してい
る。抵抗溶接機に溶接電流を供給する溶接制御装置に
は、例えば、インバータが設けられている。そして、溶
接制御装置は、例えば、商用周波数の交流電流を整流
し、インバータを構成する複数のスイッチング素子をオ
ン/オフ制御し、抵抗溶接機に所定の周波数(図4に示
す、周期T)の溶接電流を供給している。一般的には、
溶接制御装置は、図4に示すように、抵抗溶接機に正の
方向の電流を供給するスイッチング素子(例えば、図1
のトランジスタ21、24)と、負の方向の電流を供給
するスイッチング素子(例えば、図1のトランジスタ2
2、23)を、T/2(時間)ずつ選択する。そして、
正の方向の電流供給時には、トランジスタ21、及びト
ランジスタ24を周期(t0)でオン/オフ制御(PW
M制御)している。この間、トランジスタ22、及びト
ランジスタ23は、すべてオフしている。一方、負の方
向の電流供給時には、トランジスタ22、及びトランジ
スタ23を周期(t0)でオン/オフ制御(PWM制
御)している。この間、トランジスタ21、及びトラン
ジスタ24は、すべてオフしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、図4に示すよ
うに、溶接制御装置が抵抗溶接機に供給する溶接電流の
周期は、固定値もしくは予め設定された所定の周期
(T)となっている。また、周期(T)の溶接電流を供
給するために、溶接制御装置に設けられたインバータを
構成するスイッチング素子(例えば、トランジスタ21
〜24)のオン/オフ周期は、固定値もしくは予め設定
された所定の周期(t0)となっている。一方、溶接制
御装置には様々な溶接機の溶接トランスが接続される。
そして、溶接トランスの種類によって供給する電流の周
波数の最適値は違う。また、溶接トランスの2次側の負
荷の状態(被溶接物の種類、枚数、溶接部位等)によっ
て供給する電流の周波数の最適値は違う。ところが、前
記したように、溶接制御装置が抵抗溶接機に供給する溶
接電流の周期が固定値もしくは予め設定された所定の周
期(T)であるので、溶接トランスの種類や溶接トラン
スの2次側の負荷の状態によって異なる最適の周波数と
実際に供給される溶接電流の周波数にズレが生じてい
た。そこで、例えば、抵抗溶接機に供給する溶接電流の
精度の低下という問題点、抵抗溶接機の能力を充分に発
揮できないとう問題点、溶接トランスが磁気飽和し易い
という問題点があり、これにより、溶接品質が低下する
場合があった。そこで、本発明は、溶接機の溶接トラン
スの2次側の負荷の状態や、溶接トランスの種類等に関
わらず、容易に適切な溶接電流を供給し、溶接品質を確
保することができる溶接制御装置を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、2次側が溶接機の電極に
接続された溶接トランスの1次側に正方向の電流と負方
向の電流を交互に所定時間毎に供給する電流供給手段
と、電流供給手段を制御する制御手段とを備える溶接制
御装置であって、制御手段は、電流供給手段から溶接ト
ランスの1次側に正方向あるいは負方向のいずれか一方
向の電流を供給している時に、溶接トランスの磁気飽和
を検出した場合には、電流供給手段から溶接トランスの
1次側に他方向の電流を供給する溶接制御装置である。
請求項1に記載の溶接制御装置によれば、溶接トランス
の磁気飽和を検出した場合には、自動的に、溶接トラン
スの1次側に供給する電流の方向を反転する。これによ
り、溶接トランスの種類等に関わらず、溶接機に容易に
適切な電流を供給し、溶接品質を確保することができ
る。
【0005】また、請求項2に記載の発明は、2次側が
溶接機の電極に接続された溶接トランスの1次側に正方
向の電流と負方向の電流を交互に所定時間毎に供給する
電流供給手段と、電流供給手段を制御する制御手段とを
備える溶接制御装置であって、制御手段は、電流供給手
段から溶接トランスの1次側に正方向あるいは負方向の
いずれか一方向の電流を供給する時、電流値が上限値以
上になると電流の供給を停止し、電流値が下限値以下に
なると電流の供給を開始する。請求項2に記載の溶接制
御装置によれば、溶接トランスの1次側に供給する電流
を上限値と下限値の間に調整することができる。これに
より、溶接トランスの2次側の負荷の状態等に関わら
ず、溶接機に容易に適切な電流を供給することができ
る。
【0006】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の溶接制御装置であって、電流供給手段は、溶接
トランスの1次側に正方向の電流を供給する正方向電流
供給手段と負方向の電流を供給する負方向電流供給手段
とを有し、正方向電流供給手段及び負方向電流供給手段
は、直列接続された少なくとも2つのスイッチング素子
を有し、制御手段は、電流の供給を停止する毎に、正方
向電流供給手段あるいは負方向電流供給手段の少なくと
も2つのスイッチング素子を交互にオフする。請求項3
に記載の溶接制御装置によれば、溶接機に精度のよい電
流を供給することができる。
【0007】また、請求項4に記載の発明は、請求項2
または3に記載の溶接制御装置であって制御手段は、溶
接トランスの磁気飽和を検出した場合には、電流供給手
段から溶接トランスの1次側に他方向の電流を供給す
る。請求項4に記載の溶接制御装置によれば、溶接トラ
ンスの1次側に供給する電流を上限値と下限値の間に調
整することができるとともに、溶接トランスの磁気飽和
を検出した場合には、自動的に、溶接トランスの1次側
に供給する電流の方向を反転する。これにより、溶接ト
ランスの種類、溶接トランスの2次側の負荷の状態に関
わらず、溶接機に容易に適切な電流を供給することがで
きる。
【0008】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
または4に記載の溶接制御装置であって、制御手段は、
溶接トランスの1次側の電流値に基づいて溶接トランス
の磁気飽和を検出する溶接制御装置である。請求項5に
記載の溶接制御装置によれば、溶接トランスの磁気飽和
を検出することが容易である。
【0009】また、請求項6に記載の発明は、2次側が
溶接機の電極に接続された溶接トランスの1次側に正方
向の電流と負方向の電流を交互に所定時間毎に供給する
溶接制御方法であって、溶接トランスの1次側に正方向
あるいは負方向のいずれか一方向の電流を供給している
時に、溶接トランスの磁気飽和を検出した場合には、電
流供給手段から溶接トランスの1次側に他方向の電流を
供給する溶接制御方法である。請求項6に記載の溶接制
御方法によれば、溶接トランスの磁気飽和を検出した場
合には、自動的に、溶接トランスの1次側に供給する電
流の方向を反転する。これにより、溶接トランスの種類
等に関わらず、溶接機に容易に適切な電流を供給するこ
とができる。
【0010】また、請求項7に記載の発明は、2次側が
溶接機の電極に接続された溶接トランスの1次側に正方
向の電流と負方向の電流を交互に所定時間毎に供給する
溶接制御方法であって、溶接トランスの1次側に正方向
あるいは負方向のいずれか一方向の電流を供給する時、
電流値が上限値以上になると電流の供給を停止し、電流
値が下限値以下になると電流の供給を開始する溶接制御
方法である。請求項7に記載の溶接制御方法によれば、
溶接トランスの1次側に供給する電流を上限値と下限値
の間に調整することができる。これにより、溶接トラン
スの2次側の負荷の状態等に関わらず、溶接機に容易に
適切な電流を供給することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、図1を用いて、本発明の
第1の実施の形態の構成について説明する。溶接制御装
置10は、商用周波数の交流電源14から交流電流を供
給される。また、溶接制御装置10は、溶接機80に、
所定時間の正の方向の電流と所定時間の負の方向の電流
を繰り返し供給する。溶接制御装置10には、交流電源
14から供給された電流を整流する整流・平滑回路12
が設けられている。また、整流・平滑回路12で整流・
平滑された電流を所定の方向の電流に変換するインバー
タ20が設けられている。インバータ20は、例えば、
トランジスタ21〜24で構成されている。トランジス
タ21〜24のベースは、それぞれ、制御部40に接続
されていて、トランジスタ21〜24は、制御部40に
よりオン/オフ制御されている。また、トランジスタ2
1、23のコレクタは、共通に整流・平滑回路12の一
方の出力端子12aに接続されている。トランジスタ2
2、24のエミッタは、共通に整流・平滑回路12の他
方の出力端子12bに接続されている。トランジスタ2
1のエミッタはトランジスタ22のコレクタに接続され
るとともに、溶接制御装置の出力端子10aに接続され
ている。また、トランジスタ23のエミッタはトランジ
スタ24のコレクタにそれぞれ接続されるとともに、溶
接制御装置の出力端子10bに接続されている。また、
トランジスタ21〜24のコレクタ・エミッタ間には、
それぞれ、通電方向が逆方向のダイオードが接続されて
いる。そして、出力端子10a、10bは、溶接機80
の溶接トランス90の1次側91に接続される。これに
より、溶接制御装置10のインバータ20は溶接トラン
ス90の1次側91に、所定の方向で所定の大きさの溶
接電流を供給する。
【0012】また、制御部40には、電流検出回路42
が接続されていて、溶接トランス90の1次側91に供
給される電流値を測定している。また、制御部40に
は、溶接電流設定部41が接続されていて、溶接機80
に適切な溶接電流値{正の方向の設定電流値(Ia)、
負の方向の設定電流値(−Ia)}、及び溶接電流値の
上限値、下限値{正の方向の最大設定電流値((Ia)
max)、正の方向の最小設定電流値((Ia)mi
n)、負の方向の最大設定電流値((−Ia)ma
x)、負の方向の最小設定電流値((−Ia)mi
n)}等が設定可能な構成となっている。この構成によ
り、溶接機80には、溶接制御装置10から所定の周波
数の交流電流が溶接トランス90の1次側91に供給さ
れ、溶接トランス90で所定の大きさのワーク溶接電流
(溶接トランスの2次側電流、すなわち、電極間電流)
に変換され、電極81、82に供給される。そして、例
えば、電極81、82の間に挟持されている被溶接部材
である2枚のワークWが、ワーク溶接電流により互いに
溶接される。
【0013】次に、図2を用いて、第1の実施の形態の
動作について説明する。まず、電流検出回路42で検出
する溶接電流値(溶接トランス90の1次側電流値)
が、予め、溶接電流設定部41で設定された正の方向の
設定電流値(Ia)になるまでトランジスタ21及びト
ランジスタ24をオンする(制御部40により、トラン
ジスタ21と24のベースに、トランジスタ21と24
をオンするために必要なベース電流を供給する。)。こ
の時を、時点(s0)とする。トランジスタ21及びト
ランジスタ24をオンすると、整流・平滑回路12の出
力端子12a→トランジスタ21→溶接制御装置の出力
端子10a→溶接トランス90の1次側91→溶接制御
装置の出力端子10b→トランジスタ24→整流・平滑
回路12の出力端子12bの経路(図1に示すa方向
(正の方向))で溶接電流が流れ始める。そして、図2
における時点(s01)で、溶接電流値は設定された正
の方向の設定電流値(Ia)となる。
【0014】制御部40は、電流検出回路42で検出す
る溶接電流値が設定電流値(Ia)になったことを検出
したら、トランジスタ21、及びトランジスタ24を所
定の周期(t0)でオン/オフさせる。ここで、トラン
ジスタ21、24のオン期間を(ton)、オフ期間を
(toff)とする(t0=ton+toff)。トラ
ンジスタ21、及びトランジスタ24がオフしている期
間(toff)では、溶接電流値は、溶接トランス90
及び溶接トランス90の2次側のインピーダンスに応じ
た時定数で減少していく。そして、所定時間(tof
f)経過後再びトランジスタ21、24をオンする。こ
のように、トランジスタ21、24を所定の周期(t
0)でオン/オフさせ、これを繰り返し、溶接電流値を
設定された設定電流値(Ia)付近の値に維持する。こ
のように、トランス90の1次側91に溶接電流を供給
することで、トランス90の2次側92に、図1に示す
a′方向(正の方向)にワーク溶接電流が流れる。な
お、オン期間(ton)とオフ期間(toff)の値は
(t0=ton+toffであれば)、固定値であって
もよいし、予め設定された値であってもよい。また、電
流検出回路42で検出する溶接電流値の基づいて、オン
期間(ton)を変更し、自動的に溶接電流を調整する
ようにしてもよい(PWM制御)。
【0015】そして、時点(s0)から、所定時間
{(T/2)−α}(時間)経過したら、トランジスタ
21及びトランジスタ24をオフする。そして、溶接電
流値が“0”になったことを検出したら、次に、溶接電
流値が、予め、溶接電流設定部41で設定された負の方
向の設定電流値(−Ia)になるまでトランジスタ22
及びトランジスタ23をオンする。(制御部40によ
り、トランジスタ22と23のベースに、トランジスタ
22と23をオンするために必要なベース電流を供給す
る。)。この時を、時点(s1)とする。トランジスタ
22及びトランジスタ23をオンすると、整流・平滑回
路12の出力端子12a→トランジスタ23→溶接制御
装置の出力端子10b→溶接トランス90の1次側91
→溶接制御装置の出力端子10a→トランジスタ22→
整流・平滑回路12の出力端子12bの経路(図1に示
すb方向(負の方向))で電流が流れ始める。そして、
図2における時点(s11)で、溶接電流値は設定され
た負の方向の設定電流値(−Ia)となる。
【0016】制御部40は、電流検出回路42で検出す
る溶接電流値が設定電流値(−Ia)になったことを検
出したら、トランジスタ22、及びトランジスタ23を
所定の周期(t0)でオン/オフさせる。ここで、トラ
ンジスタ22、23のオン期間を(ton)、オフ期間
を(toff)とする(t0=ton+toff)。ト
ランジスタ22、23がオフしている期間(toff)
では、溶接電流値は、溶接トランス90及び溶接トラン
ス90の2次側のインピーダンスに応じた時定数で増加
していく。そして、所定時間(toff)経過後再びト
ランジスタ22、23をオンする。このように、トラン
ジスタ22、23を所定の周期(t0)でオン/オフさ
せ、これを繰り返し、溶接電流値を設定された設定電流
値(−Ia)付近の値に維持する。このように、トラン
ス90の1次側91に溶接電流を供給することで、トラ
ンス90の2次側92に、図1に示すb′方向(負の方
向)にワーク溶接電流が流れる。なお、負の方向におい
ても、オン期間(ton)とオフ期間(toff)の値
は(t0=ton+toffであれば)、固定値であっ
てもよいし、予め設定された値であってもよい。また、
電流検出回路42で検出する溶接電流値の基づいて、オ
ン期間(ton)を変更し、自動的に溶接電流を調整す
るようにしてもよい(PWM制御)。
【0017】そして、時点(s1)から、所定時間
{(T/2)−α}(時間)経過したら、トランジスタ
22及びトランジスタ23をオフする。そして、溶接電
流値が“0”になったことを検出したら、次に、溶接電
流値が、再び、溶接電流設定部41で設定された正の方
向の設定電流値(Ia)になるまでトランジスタ21、
及びトランジスタ24をオンする。このように、トラン
ジスタ21及びトランジスタ24をオン/オフ制御し
て、所定の正の方向の電流を供給することと、トランジ
スタ22及びトランジスタ23をオン/オフ制御して、
所定の負の方向の電流を供給することを繰り返すことに
より、図2に示すように、周期Tの交流電流(溶接電
流)が溶接機80に供給される。ここで、図2に示す、
{(s1)−(s0)}(時間)は、ほぼ、(T/2)
(時間)となるように、制御されることが望ましい。
【0018】ここで、例えば、溶接トランス90に正の
方向もしくは負の方向に電流を流す時間のバランスが悪
いと(一方向に流す時間が長いと)、溶接トランス90
は、磁気飽和を起こして溶接トランス90の溶接電流値
が、図2の破線で示すように、急激に増加し始める。こ
のような磁気飽和の兆候を検出した時には、制御部40
は、その時点までオン/オフ制御しているトランジスタ
を全てオフにする。例えば、図2に示す状態の際には、
磁気飽和の兆候を検出した時にオン/オフ制御している
トランジスタはトランジスタ21、24(溶接電流は、
正方向)なので、これらを全てオフする。そして、溶接
電流値が“0”に戻ったことを検出したら、負方向の電
流を供給する。このように、磁気飽和の兆候を検出した
ら、直ちに当該方向への溶接電流の供給を停止して、そ
の後、他方向への溶接電流の供給を開始する。すなわ
ち、通常、周期(T)の場合では正方向への電流の供給
時間は{(T/2)−α}(時間)であるが、この場
合、{(T/2)−α}(時間)よりも短くなる。これ
により、図2に示すように、溶接トランス90に正の方
向の溶接電流の供給を開始してから次に溶接電流値が
“0”になるまでの時間が(T/2)(時間)よりも短
くなる(周期が短くなる。すなわち、周波数が高くな
る。)また、負方向の場合も同様である。このように、
第1の実施の形態の溶接制御装置によれば、溶接トラン
ス90が磁気飽和し難い。
【0019】第1の実施の形態の周期(T)は、設定で
きるようになっていてもよいし、溶接電流値(Ia)を
設定することで、自動的に計算されるようになっていて
もよい。また、“α”の値は、設定できるようになって
いてもよいし、制御部40で自動的に計算されるように
なっていてもよい。また、第1の実施の形態では、時点
(s01)から、トランジスタ21、及びトランジスタ
24を所定の周期(t0)でオン/オフさせたが、電流
検出回路42で検出した溶接電流値に基づいてオン/オ
フ制御してもよい。例えば、正の方向の最大設定電流値
((Ia)max)であることを検出した時に、トラン
ジスタ21及びトランジスタ24をオフさせ、また、正
の方向の最小設定電流値((Ia)min)であること
を検出した時に、トランジスタ21及びトランジスタ2
4をオンさせてもよい。負の方向に関しても同様であ
る。
【0020】次に、図3を用いて、第2の実施の形態の
動作について説明する。なお、第2の実施の形態の構成
は、図1に示す第1の実施の形態と同様である。第2の
実施の形態では、図1に示す溶接電流設定部41で、正
の方向の最大設定電流値((Ia)max)と、正の方
向の最小設定電流値((Ia)min)、負の方向の最
大設定電流値((−Ia)max)と、負の方向の最小
設定電流値((−Ia)min)を設定する。まず、電
流検出回路42で検出する溶接電流値(溶接トランス9
0の1次側電流値)が、正の方向の最大設定電流値
((Ia)max)になるまで、トランジスタ21及び
トランジスタ24をオンする(図3に示す状態(1);
制御部40により、トランジスタ21と24のベース
に、トランジスタ21と24をオンするために必要なベ
ース電流を供給する。また、図3中の表記は、以下同
様。)。この時を、時点(s0)とする。トランジスタ
21及びトランジスタ24をオンすると、整流・平滑回
路12の出力端子12a→トランジスタ21→溶接制御
装置の出力端子10a→溶接トランス90の1次側91
→溶接制御装置の出力端子10b→トランジスタ24→
整流・平滑回路12の出力端子12bの経路(図1に示
すa方向(正の方向))で溶接電流が始める。そして、
図2における、時点(s01)で、溶接電流値は設定さ
れた正の方向の最大設定電流値((Ia)max)とな
る。
【0021】溶接電流値が正の方向の最大設定電流値
((Ia)max)であることを検出したら、トランジ
スタ24のみをオフする(図3に示す状態(2);制御
部40により、トランジスタ21のベースにのみ、トラ
ンジスタ21をオンするために必要なベース電流を供給
する。)。この時、溶接トランス90の2次側92のリ
アクタンス分により、2次側92では、それまでと同じ
方向(a′方向)に引き続き電流が流れようとする。こ
れにより誘導された電流が、第2ダイオード32→溶接
トランス90の1次側91→トランジスタ24→第2ダ
イオード32の経路(a方向)で還流する。このため、
図3に示すように、溶接電流値はトランジスタ21、2
4の両方をオフする場合よりも緩やかな勾配で減少す
る。
【0022】そして、溶接電流値が最小設定電流値
((Ia)min)であることを検出したら、再び、ト
ランジスタ21、24両方をオンする(図3に示す状態
(1))。そして、次に溶接電流値が最大設定電流値
((Ia)max)であることを検出したら、トランジ
スタ21のみをオフする(図3に示す状態(3);制御
部40により、トランジスタ24のベースにのみ、トラ
ンジスタ24をオンするために必要なベース電流を供給
する。)。この時、溶接トランス90の2次側92のリ
アクタンス分により、2次側92では、それまでと同じ
方向(b′方向)に引き続き電流が流れようとする。こ
れにより誘導された電流が、第3ダイオード33→溶接
トランス90の1次側91→トランジスタ21→第3ダ
イオード33の経路(b方向)で還流する。このため、
図3に示すように、溶接電流値はトランジスタ21、2
4の両方をオフする場合よりも緩やかな勾配で減少す
る。
【0023】このように、溶接電流値が、正の方向の最
大設定電流値((Ia)max)と負の方向の最小設定
電流値((Ia)min)の間の値になるように、状態
(1)→状態(2)→状態(1)→状態(3)→状態
(1)を繰り返す。そして、時点(s0)から、所定時
間{(T/2)−α}(時間)経過したら、トランジス
タ21及びトランジスタ24をオフする。そして、溶接
電流値が“0”になったことを検出したら、トランジス
タ22、及びトランジスタ23をオンする。(制御部4
0により、トランジスタ22と23のベースに、トラン
ジスタ22と23をオンするために必要なベース電流を
供給する。)。そして、この場合(負の方向)も、トラ
ンジスタ21、24の場合(正の方向)と同様に、トラ
ンジスタ22と23をオン/オフ制御する。ここで、負
の方向におけるトランジスタ22は正の方向のトランジ
スタ21と、負の方向におけるトランジスタ23は正の
方向のトランジスタ24と同様にオン/オフ制御され
る。また、図3の状態(11)、(12)、(13)
は、正の方向の状態(1)、(2)、(3)に相当す
る。このように、溶接電流値が、負の方向の最大設定電
流値((−Ia)max)と負の方向の最小設定電流値
((−Ia)min)の間の値になるように、状態(1
1)→状態(12)→状態(11)→状態(13)→状
態(11)を繰り返す。
【0024】第2の実施の形態では、トランジスタ21
及びトランジスタ24を、所定の周期(t0)でオン/
オフ制御するのではなく、溶接電流値が正の方向の最大
設定電流値((Ia)max)もしくは正の方向の最小
設定電流値((Ia)min)になったことを検出して
オン/オフ制御する。また、トランジスタ22及びトラ
ンジスタ23を、所定の周期(t0)でオン/オフ制御
するのではなく、溶接電流値が負の方向の最大設定電流
値((−Ia)max)もしくは負の方向の最小設定電
流値((−Ia)min)になったことを検出してオン
/オフ制御する。一方、溶接トランスの2次側負荷の抵
抗分が大きくリアクタンス分が小さい場合には、例え
ば、正の方向の電流供給時に、トランジスタ21、24
を両方オフすると急峻に溶接電流値が小さくなる傾向が
ある。しかし、第2の実施の形態によれば、溶接電流値
は、正の方向では、設定電流値((Ia)max)と設
定電流値((Ia)min)の間の値となるので安定し
た溶接電流を溶接機80に供給することができる。負の
方向においても同様である。
【0025】また、例えば、正の方向に電流を供給して
いる時に、トランジスタ21及びトランジスタ24の両
方を同時にオン/オフさせるのではなく、交互にオフす
る。また、負の方向に電流を供給している時に、トラン
ジスタ22及びトランジスタ23の両方を同時にオン/
オフさせるのではなく、交互にオフする。これにより、
各トランジスタをオン/オフさせる回数を低減できるの
で、トランジスタの耐久性が向上する。一方、溶接トラ
ンス90の2次側負荷の抵抗分が大きくリアクタンス分
が小さい場合には、例えば、正の方向の溶接電流供給時
に、トランジスタ21、24を両方オフすると急峻に溶
接電流値が小さくなる傾向がある。しかし、第2の実施
の形態によれば、トランジスタ21もしくはトランジス
タ24を交互にオフすることによって、溶接電流は緩や
かな勾配で減少するので、電流のリップルが少なく効率
がよい。
【0026】すなわち、第2の実施の形態の溶接制御装
置10によれば、溶接トランス90の2次側の負荷の状
態に応じて、トランジスタ21〜24を、オン/オフす
る周期(t0)が自動的に決定される。例えば、応答が
速い負荷の状態(負荷インピーダンス、例えば、リアク
タンス分が小さい)では、周期(t0)は小さくなり
(周波数が高くなる。)、応答が遅い負荷の状態(例え
ば、リアクタンス分が大きい)では、周期(t0)は大
きくなる(周波数が低くなる。)。また、周期(t0)
は、負荷の状態が変化した場合も追随して変化する。こ
のため、溶接機80に、安定した溶接電流を効率良く供
給することができる。
【0027】本発明の溶接制御装置及び溶接制御方法
は、第1、第2の実施の形態の構成及び動作に限定され
るものではない。第2の実施の形態では、例えば、正の
方向の最大設定電流値((Ia)max)と、正の方向
の最小設定電流値((Ia)min)を設定したが、設
定電流値(Ia)とその許容誤差絶対値を設定してもよ
い。負の方向に関しても同様である。また、第2の実施
の形態において、一方向に溶接電流を供給している際
に、磁気飽和の兆候を検出した時(第1の実施の形態参
照)には、供給する溶接電流の方向を反転させてもよ
い。また、第1及び第2の実施の形態では、例えば、時
点(s0)から所定時間{(T/2)−α}(時間)経
過した時に、トランジスタ21及びトランジスタ24の
両方をオフし、時点(s1)から所定時間{(T/2)
−α}(時間)経過した時に、トランジスタ22及びト
ランジスタ23の両方をオフしたが、このタイミングは
実施の形態に限定されるものではない。例えば、各トラ
ンジスタの出力パルス数をカウントしたカウント値に基
づいてオフしてもよい。また、溶接電流値の検出は、溶
接トランスの1次側、2次側のどちらでもよい。また、
磁気飽和の兆候を検出する方法は、実施の形態に限定さ
れるものではない。また、また、インバータ20のスイ
ッチング素子は、トランジスタではなくてもよい。溶接
制御装置10には、直流電源を供給してもよい。直流電
源であれば、整流・平滑回路12は、不要な場合もあ
る。実施の形態の溶接制御装置では、一方向の溶接電流
値が“0”になったことを検出してから、他方向の溶接
電流を供給したが、一方向の溶接電流値が“0”になっ
たことを検出せずに他方向の溶接電流を供給してもよ
い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1、2、4
に記載の溶接制御装置によれば、溶接機に容易に適切な
電流を供給することができる。また、請求項3に記載の
溶接制御装置によれば、溶接機に精度のよい電流を供給
することができる。また、請求項5に記載の溶接制御装
置によれば、溶接トランスの磁気飽和を検出することが
容易である。また、請求項6,7に記載の溶接制御方法
によれば、溶接機に容易に適切な電流を供給することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接制御装置10の第1及び第2の実
施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の動作を示すタイミ
ングチャート図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の動作を示すタイミ
ングチャート図である。
【図4】従来技術の動作を示すタイミングチャート図で
ある。
【符号の説明】
10 溶接制御装置 12 整流・平滑回路 14 交流電源 20 インバータ 21〜24 トランジスタ(スイッチング素子) 31〜34 ダイオード 40 制御部 41 溶接電流設定部 42 電流検出回路 80 溶接機 90 溶接トランス W ワーク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次側が溶接機の電極に接続された溶接
    トランスの1次側に正方向の電流と負方向の電流を交互
    に所定時間毎に供給する電流供給手段と、電流供給手段
    を制御する制御手段とを備える溶接制御装置であって、 制御手段は、電流供給手段から溶接トランスの1次側に
    正方向あるいは負方向のいずれか一方向の電流を供給し
    ている時に、溶接トランスの磁気飽和を検出した場合に
    は、電流供給手段から溶接トランスの1次側に他方向の
    電流を供給する、溶接制御装置。
  2. 【請求項2】 2次側が溶接機の電極に接続された溶接
    トランスの1次側に正方向の電流と負方向の電流を交互
    に所定時間毎に供給する電流供給手段と、電流供給手段
    を制御する制御手段とを備える溶接制御装置であって、 制御手段は、電流供給手段から溶接トランスの1次側に
    正方向あるいは負方向のいずれか一方向の電流を供給す
    る時、電流値が上限値以上になると電流の供給を停止
    し、電流値が下限値以下になると電流の供給を開始す
    る、溶接制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の溶接制御装置であっ
    て、 電流供給手段は、溶接トランスの1次側に正方向の電流
    を供給する正方向電流供給手段と負方向の電流を供給す
    る負方向電流供給手段とを有し、正方向電流供給手段及
    び負方向電流供給手段は、直列接続された少なくとも2
    つのスイッチング素子を有し、 制御手段は、電流の供給を停止する毎に、正方向電流供
    給手段あるいは負方向電流供給手段の少なくとも2つの
    スイッチング素子を交互にオフする、溶接制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の溶接制御装置
    であって、 制御手段は、溶接トランスの磁気飽和を検出した場合に
    は、電流供給手段から溶接トランスの1次側に他方向の
    電流を供給する、 溶接制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または4に記載の溶接制御装置
    であって、制御手段は、溶接トランスの1次側の電流値
    に基づいて溶接トランスの磁気飽和を検出する溶接制御
    装置。
  6. 【請求項6】 2次側が溶接機の電極に接続された溶接
    トランスの1次側に正方向の電流と負方向の電流を交互
    に所定時間毎に供給する溶接制御方法であって、 溶接トランスの1次側に正方向あるいは負方向のいずれ
    か一方向の電流を供給している時に、溶接トランスの磁
    気飽和を検出した場合には、電流供給手段から溶接トラ
    ンスの1次側に他方向の電流を供給する、溶接制御方
    法。
  7. 【請求項7】 2次側が溶接機の電極に接続された溶接
    トランスの1次側に正方向の電流と負方向の電流を交互
    に所定時間毎に供給する溶接制御方法であって、 溶接トランスの1次側に正方向あるいは負方向のいずれ
    か一方向の電流を供給する時、電流値が上限値以上にな
    ると電流の供給を停止し、電流値が下限値以下になると
    電流の供給を開始する、溶接制御方法。
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