JP2003256235A - 分散オブジェクトシステムの試験支援システム - Google Patents

分散オブジェクトシステムの試験支援システム

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JP2003256235A
JP2003256235A JP2002051437A JP2002051437A JP2003256235A JP 2003256235 A JP2003256235 A JP 2003256235A JP 2002051437 A JP2002051437 A JP 2002051437A JP 2002051437 A JP2002051437 A JP 2002051437A JP 2003256235 A JP2003256235 A JP 2003256235A
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JP2002051437A
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Yoshiaki Terajima
美昭 寺島
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 システムの試験時に、問題となる動作を起こ
したオブジェクトを追跡する場合において、システムに
実装されたオブジェクトのソースコードおよびシステム
のハード、OS等に依存せずに、問題となる動作および
問題となる動作の原因となるオブジェクトの迅速かつ柔
軟な絞り込みを可能とすること。 【解決手段】 オブジェクト間のメソッド呼び出しをI
DL(Interface Definition Language)仕様を利用し
て実現した分散オブジェクトシステムの機能・性能を確
認するためのシステムにおいて、オブジェクトと試験ポ
リシィの情報を送受する試験ポリシィ制御手段と、オブ
ジェクト3の試験ポリシィを管理する試験ポリシィ管理
手段と、オブジェクトと該オブジェクトの試験ポリシィ
との対応関係を管理する試験ポリシィグループ管理手段
を有する試験ポリシィ管理制御手段6を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ORB(Object
Request Broker)と呼ばれる分散オブジェクト管理技
術を用いた分散オブジェクトシステムにおいて、クライ
アント動作とサーバ動作をブラックボックスとしてメッ
セージトレースを観測することにより、システムの機能
・性能を評価する分散オブジェクトシステムの試験支援
システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】クライアントとサーバにより構成される
システムの試験をおこなう技術としては、特開平9−1
20366号公報(従来技術)がある。この従来技術
は、CORBA仕様の分散オブジェクトシステムにおい
て、システムを構成する各オブジェクトのデバックを目
的に、試験用のGUIから試験に必要なデバックやステ
ップ実行を実現する試験構成と方法に関するものであ
る。ここで、CORBA(Common Object Request Brok
er Architecture:コルバ)とは、1989年に設立さ
れた500社以上の団体であるオブジェクト管理グルー
プ(OMG:Object Management Group)によって規定
された、分散オブジェクトシステム間の相互運用性を図
るための仕様またはプロトコルである。特に、CORB
Aのプロトコルは、アプリケーションのインターフェー
スを通じ、実装言語とは独立したIDL(Interface De
finition Language)と呼ばれる単一の仕様で定義され
ているため、クライアントがネットワーク上に存在する
オブジェクト(すなわち分散オブジェクト)を透過的に
呼び出すための仕組みを提供することができる。
【0003】図21は、従来技術の試験構成を示す説明
図である。同図において、500はウインドウ・ベース
のツールであるデバッカ・グラフィカル・ユーザ・イン
ターフェースを、510はオブジェクト群に対して実際
のステップ実行やブレイクの設定などをおこなうdbx
基盤を、520は各オブジェクトに共通に実装される共
有ライブラリを、それぞれ示している。試験実行者は、
デバッカ・グラフィカル・ユーザ・インターフェース
(GUI)500を用いて、分散オブジェクトシステム
を構成する各オブジェクトをデバックするためのオペレ
ーションの指示を出す。dbxエンジン511はこの指
示を受け取り、各オブジェクトに対し必要な要求を出力
する。要求を受けた各オブジェクトにおいて、各オブジ
ェクトに共通に実装される共有ライブラリ520が、実
際のステップ実行やブレークポイント設定等の必要な機
能を提供する。例えば、DSTEP522はステップ実
行を、REMOTE TEST523は特定の試験の実
行を、REMOTE BREAKPOINT524はブ
レークポイントの設定をおこなう。この従来技術の試験
構成は、CORBAベースの分散オブジェクトシステム
の試験を目的としているため、各オブジェクトに配置す
る共用ライブラリの構成は、各オブジェクトへの共通性
を実現するために、デバック機能をCORBAオブジェ
クトの一部として提供している。また、デバック機能の
実装方法を隠蔽するラッパーオブジェクトを用意するこ
とにより、CORBAのオブジェクト管理機能であるオ
ブジェクトアダプタとの親和性を持つ試験方法を提供し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術は、上述し
たように、オブジェクトコードの追跡をリモートに実現
するための機能として、共有ライブラリ520が用意す
るデバック機能を試験実行者からリモートに操作する手
段を備えている。しかしながら、CORBAの仕様は実
装要領を規定しておらず、また試験の動作結果を記録す
る手段である試験プローブはアプリケーションのライブ
ラリを利用しているので、試験の動作結果の記録は、各
オブジェクトの実装要領であるソースコードに依存した
ものとなり、例えば、マルチベンダによって開発された
オブジェクト群を試験するためには、個々のオブジェク
トの評価要領に対応したデバック機能を個々に用意しな
ければならなかった。また、dbxはもともと手続型言
語で作られたツールであるため、Java(R)RMI(R
emote Method Invocation)など他の分散オブジェクト
技術に基づくクライアントとサーバ間の接続を実現する
場合の親和性がないという欠点があった。
【0005】また、システムの動作中で問題となる動作
を起こしたオブジェクトを追跡するためには、すべての
オブジェクト個々に評価要領を設定する必要が生じる
が、その評価要領の設定が、各オブジェクトを記述した
ソースコードに依存して設定しなければならないため、
システムが大規模になるほど、評価要領の設定が複雑に
なり、試験のスケーラビリティがないという欠点があっ
た。さらに、マルチベンダにより開発されたオブジェク
ト群により構成されたシステムの試験において、問題と
なる動作および問題となる動作の原因となるオブジェク
トの絞り込みを迅速かつ柔軟に実施できないという問題
点があった。
【0006】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
システムの試験時に、問題となる動作を起こしたオブジ
ェクトを追跡する場合において、アプリケーションの実
装言語あるいはOS等に依存せず、オブジェクトの性質
に着目した必要かつ十分なメッセージトレースを記録す
ることにより、大規模なシステムであっても迅速かつ柔
軟な絞り込みを可能とする分散オブジェクトシステムの
試験支援システムを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる分散オブジェクトシステムの試験
支援システムは、アプリケーションロジックを有するオ
ブジェクト間のメソッド呼び出しをIDL仕様を利用し
て実現し、前記アプリケーションロジックのサーバ動
作、クライアント動作のメッセージトレースを記録する
記録手段を含んだ試験プローブを有する分散オブジェク
トシステムと、この前記オブジェクトの配置情報を管理
するオブジェクト管理手段とを備える分散オブジェクト
システムの試験支援システムであって、前記メッセージ
トレースを記録する条件を定義した試験ポリシィを管理
する試験ポリシィ管理手段と、前記オブジェクトとオブ
ジェクトの試験ポリシィとの対応関係を管理する試験ポ
リシィグループ管理手段と、前記オブジェクトと試験ポ
リシィの情報を送受する試験ポリシィ制御手段と、を有
する試験ポリシィ管理制御手段を備えることを特徴とす
る。
【0008】この発明によれば、上記の発明において、
試験ポリシィ管理手段がメッセージトレースを記録する
条件を定義した試験ポリシィを管理し、試験ポリシィグ
ループ管理手段がオブジェクトとオブジェクトの試験ポ
リシィとの対応関係を管理し、試験ポリシィ制御手段が
オブジェクトと試験ポリシィの情報を送受することがで
きる。
【0009】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムは、上記の発明において、前記
記録手段を含む試験プローブを前記分散オブジェクトシ
ステムの内部であってかつオブジェクトのアプリケーシ
ョンロジックの外部に備えることを特徴とする。
【0010】この発明によれば、分散オブジェクトシス
テムの内部であってかつオブジェクトのアプリケーショ
ンロジックの外部に備えられた試験プローブ内の記録手
段によって、メッセージトレースを記録することができ
る。
【0011】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムは、上記の発明において、前記
試験ポリシィ管理手段は、複数の異なる試験ポリシィを
設定管理することを特徴とする。
【0012】この発明によれば、試験ポリシィ管理手段
が、複数の異なる試験ポリシィを設定管理することがで
きる。
【0013】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムは、上記の発明において、前記
試験ポリシィグループ管理手段は、複数の異なる試験ポ
リシィに対応してオブジェクトをグループ管理すること
を特徴とする。
【0014】この発明によれば、試験ポリシィグループ
管理手段が、複数の異なる試験ポリシィに対応してオブ
ジェクトをグループ管理することができる。
【0015】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムは、上記の発明において、アプ
リケーションロジックを有するオブジェクト間のメソッ
ド呼び出しをIDL仕様を利用して実現し、前記アプリ
ケーションロジックのサーバ動作、クライアント動作の
メッセージトレースを記録する記録手段を含んだ試験プ
ローブを有する分散オブジェクトシステムと、この前記
オブジェクトの配置情報を管理するオブジェクト管理手
段とを備える分散オブジェクトシステムの試験支援シス
テムであって、前記記録手段を含む試験プローブを前記
分散オブジェクトシステムの内部であってかつオブジェ
クトのアプリケーションロジックの外部に備えることを
特徴とする。
【0016】この発明によれば、分散オブジェクトシス
テムの内部であってかつオブジェクトのアプリケーショ
ンロジックの外部に備えられた試験プローブ内の記録手
段によって、メッセージトレースを記録することができ
る。
【0017】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムは、上記の発明において、前記
試験プローブは、前記分散オブジェクトシステムのサー
バ動作、クライアント動作のメッセージトレース情報に
オブジェクトの伝播・分岐情報を付加する伝播情報付加
手段を備えることを特徴とする。
【0018】この発明によれば、試験プローブ内の伝播
情報付加手段が、分散オブジェクトシステムのサーバ動
作、クライアント動作のメッセージトレース情報にオブ
ジェクトの伝播・分岐情報を付加することができる。
【0019】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムは、上記の発明において、前記
試験プローブは、前記分散オブジェクトシステムのオブ
ジェクトの伝播・分岐情報から指定した任意の正の整数
値の範囲で影響を受けたオブジェクトを特定する伝播情
報追跡手段を備えることを特徴とする。
【0020】この発明によれば、伝播情報追跡手段が、
分散オブジェクトシステムのオブジェクトの伝播・分岐
情報から指定した任意の正の整数値の範囲で影響を受け
たオブジェクトを特定することができる。
【0021】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムは、上記の発明において、前記
試験プローブは、前記分散オブジェクトシステムのオブ
ジェクトの着目するメソッド呼び出し情報を保持し、試
験後の動作結果と前記着目するメソッド呼び出し情報と
を比較し、前記着目するメソッド呼び出し情報と一致す
る動作結果を、前記伝播情報追跡手段に通知する特定動
作定義手段を備えることを特徴とする。
【0022】この発明によれば、試験プローブ内の特定
動作定義手段が、分散オブジェクトシステムのオブジェ
クトの着目するメソッド呼び出し情報を保持し、試験後
の動作結果と前記着目するメソッド呼び出し情報とを比
較し、着目するメソッド呼び出し情報と一致する動作結
果を、伝播情報追跡手段に通知することができる。
【0023】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムは、上記の発明において、前記
試験ポリシィ制御手段は、前記分散オブジェクトシステ
ムのオブジェクトから通知された識別子に基づき、前記
オブジェクトと該オブジェクトの試験ポリシィとの対応
関係の再構成を前記試験ポリシィグループ管理手段に指
示し、前記試験ポリシィグループ管理手段は、前記試験
ポリシィ管理手段に設定されている前記試験ポリシィに
したがって、前記オブジェクトと該オブジェクトの試験
ポリシィとの対応関係の再構成を自動的におこなうこと
を特徴とする。
【0024】この発明によれば、試験ポリシィ制御手段
が、分散オブジェクトシステムのオブジェクトから通知
された識別子に基づき、オブジェクトと該オブジェクト
の試験ポリシィとの対応関係の再構成を試験ポリシィグ
ループ管理手段に指示し、試験ポリシィグループ管理手
段が、試験ポリシィ管理手段に設定されている試験ポリ
シィにしたがって、オブジェクトと該オブジェクトの試
験ポリシィとの対応関係の再構成を自動的におこなうこ
とができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかる分散オブジェクトシステムの試験支援シス
テムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0026】実施の形態1.まず、実施の形態1を特徴
づけるポイントについて説明する。実施の形態1の特徴
はつぎの2点にある。
【0027】まず、第1の特徴は、試験ポリシィを有す
るとともに、試験ポリシィを管理および制御する手段を
有していることである。具体的には、試験実行管理手段
1からの指示により試験プローブがメッセージトレース
を記録する条件を定義した試験ポリシィを有しており、
また試験ポリシィを管理する試験ポリシィ管理手段62
と、オブジェクトと該オブジェクトの試験ポリシィとの
対応関係を管理する試験ポリシィグループ管理手段63
と、試験ポリシィの情報を送受する試験ポリシィ制御手
段61とを含む試験ポリシィ管理制御手段6を備えてい
るので、 処理のタイミングが問題となるオブジェクト、リア
ルタイム性が要求されるオブジェクト、オブジェクトの
動作が重要なオブジェクト等、オブジェクトの性質に着
目したメッセージトレースを記録することができる。 試験後の動作記録を分析または絞り込みする上で、
必要かつ十分なメッセージトレース記録を取得できる。 大規模なシステムであっても、一貫性のある評価要
領の設定が可能となる。 といった特徴を有している。
【0028】つぎに、第2の特徴は、メッセージトレー
スを記録する手段を含んだ試験プローブ32をアプリケ
ーションロジック31の外部に備えていることである。
このため、 上述したように、CORBA仕様の分散オブジェク
トシステムは、オブジェクトの実装要領が規定されてい
ないため、動作結果のトレース記録は実装しているアプ
リケーションに依存していたが、第2の特徴を備えるこ
とで、アプリケーションの実装言語あるいはOS等に依
存しない試験の動作記録を得ることができる。 異なるIDLを用いた分散オブジェクト技術に基づ
いて開発されたシステムに共通に適用できるため、異な
る技術が混在した、あるいは、マルチベンダによって開
発されたシステムであっても個々のオブジェクト技術に
対応したデバック機能を準備する必要がない。 最近よく活用されている、Java(R)との親和性
のある接続を実現できる。 といった特徴を有している。
【0029】(1)分散オブジェクトシステムの概略構
成と試験時の動作 図1は、実施の形態1における概略構成を示す説明図で
ある。分散オブジェクトシステムの試験は、分散システ
ムを構成する複数のオブジェクトの個々の機能・性能を
評価するために実施するものであり、同図に示すシステ
ムは、この試験全体を管理し、試験評価を支援すること
ができる。同図において、1は試験全体の実行を管理す
る試験実行管理手段を、2は試験の対象である分散オブ
ジェクトシステムを、3a〜3nは分散オブジェクトシ
ステム2を構成するオブジェクトを、4は個々のオブジ
ェクトの配置情報を管理するオブジェクト管理手段を、
5は1〜5の各構成要素間でメッセージを交換する手段
であるメッセージ通信路を、6は試験ポリシィを保持お
よび管理する試験ポリシィ管理制御手段を、それぞれ示
している。なお、以後の説明では、各オブジェクト(オ
ブジェクト3a、オブジェクト3b、・・・オブジェク
ト3n)については、オブジェクト個々の動作に着目し
て個別的に説明する場合はアルファベットの添字付きで
示すが、個々の動作が共通であり総括的に説明する場合
には添字のない形で示す。
【0030】つぎに、実施の形態1の基本動作につい
て、図1を用いて説明する。まず、試験実行管理手段1
からトリガとなるメソッド呼び出しを発生させる。この
とき、各オブジェクト間(オブジェクト3a、オブジェ
クト3b、・・・オブジェクト3n)、あるいは試験実
行管理手段1とオブジェクト3、オブジェクト管理手段
4、試験ポリシィ管理制御手段6との間でメソッド呼び
出し動作がおこなわれる。このメソッド呼び出しは、メ
ッセージ通信路5によって各構成要素間で伝達されると
ともに、メソッド呼び出しを実現するために交換される
メッセージが、オブジェクト3、オブジェクト管理手段
4に具備される試験プローブ32によって記録される。
このとき、試験ポリシィ管理制御手段6は、各試験プロ
ーブ32へのメッセージトレースの記録を試験ポリシィ
グループと呼ぶオブジェクトグループ単位で管理するた
めに必要な情報を保持するとともに、その記録を制御す
る手段を提供する。
【0031】(2)試験実行管理手段1とオブジェクト
3の構成および動作 図2は、試験実行管理手段1とオブジェクト3aの構成
要素およびこれらとメッセージ通信路5との接続図を示
したものである。図1に示した構成要素と同一符号のも
のは、基本的に同一のものを示している。まず、試験実
行管理手段1の構成要素について説明する。同図におい
て、11は試験スイート実行環境を、111は複数の試
験スイートプログラムを、112は試験スイートランタ
イムを示している。試験スイートプログラム111は、
試験項目に対応した試験動作の発生と試験結果の評価手
順が定義されたプログラムの集まりである。また、試験
スイートランタイム112は、試験スイートプログラム
111の実行基盤を提供するものである。
【0032】つぎに、オブジェクト3aの構成要素につ
いて説明する。図2において、31はアプリケーション
ロジックを、32は試験プローブを、33はスケルトン
を、34はスタブを、35はアンマーシャリング手段
を、36はマーシャリング手段を、それぞれ示してい
る。アプリケーションロジック31においては、311
はサーバロジックを、312はクライアントロジックを
示している。試験プローブ32においては、321はメ
ッセージ記録手段を、323はデータベースを示してい
る。
【0033】つぎに、オブジェクト3aが他のオブジェ
クト(3b〜3n)から呼び出される動作について説明
する。オブジェクト3aが他のオブジェクト(3b〜3
n)からメッセージ通信路5を介して、メッセージ呼び
出し要求を受けると、アンマーシャリング手段35はこ
のメッセージ呼び出し要求を通信路伝送形式からメッセ
ージ形式に変換し、スケルトン33はこれをメソッド呼
び出し形式に変換するとともに、サーバロジック311
内に用意されている該当するメソッドを呼び出す動作が
おこなわれる。
【0034】一方、オブジェクト3aが他のオブジェク
ト(3b〜3n)を呼び出す場合には、クライアントロ
ジック312がおこなうメソッド呼び出しを、スタブ3
4がメッセージ形式に変換し、マーシャリング手段36
がこのメッセージを通信路伝送形式に変換し、メッセー
ジ通信路5に流すことでオブジェクト(3b〜3n)を
呼び出す動作がおこなわれる。
【0035】オブジェクト3においては、上述した2つ
の一連の動作をメッセージトレースとして記録する手段
を有する。この記録はつぎのようにおこなわれる。図2
において、試験プローブ32内のメッセージ記録手段3
21は、メソッド呼び出しを受ける場合のアンマーシャ
リング手段35とスケルトン33の間に位置し、この間
で伝送されるメッセージを記録ポイント321pにおい
て、また、メソッド呼び出しをおこなう場合のスタブ3
4とマーシャリング手段36の間に位置し、この間で伝
送されるメッセージを記録ポイント321pにおいて、
それぞれメッセージを観測する。観測されたこれらのメ
ッセージは、特定の型によるメソッド呼び出しに依存し
ないメッセージ情報として、データベース323に記録
するとともに、メッセージトレース記録により、あらか
じめメッセージ記録手段321に設定されている試験ポ
リシィに定義された情報に基づく記録をおこなう。
【0036】(3)オブジェクト管理手段4の構成およ
び動作 図3は、オブジェクト管理手段4の構成要素およびこれ
ら構成要素とメッセージ通信路5との接続図を示したも
のである。図1および図2に示した構成要素と同一符号
のものは、基本的に同一のものを示している。41はオ
ブジェクトリポジトリを、43はスケルトンを、35は
アンマーシャリング手段を、45はオブジェクトリポジ
トリデータベースを、32は試験プローブを、それぞれ
示している。オブジェクトリポジトリデータベース45
には、ネットワーク分散環境上での個々のオブジェクト
の位置情報と動作情報が格納されており、オブジェクト
リポジトリ41が、これらの位置情報と動作情報を管理
する。
【0037】オブジェクト管理手段4は、試験実行管理
手段1からおこなわれるメソッド呼び出しの初期化処理
時に、接続先の分析をおこなうためにアクセスされ、試
験プローブ32内のメッセージ記録手段321が試験ポ
リシィに基づいてメッセージトレースの記録をおこな
う。オブジェクト管理手段4と、図2におけるオブジェ
クト3と比較すると、オブジェクト3が、マーシャリン
グ手段36、アプリケーションロジック31内のクライ
アントロジック312、およびスタブ34を有している
のに対し、オブジェクト管理手段4は、クライアントロ
ジック312とスタブ34を有さず、また、サーバロジ
ック311に代わるオブジェクトリポジトリ41とオブ
ジェクトリポジトリデータベース45を有している。試
験プローブ32とアプリケーションロジックとの間をス
ケルトン43がインターフェースする構成は変わらない
ため、オブジェクト管理手段4がメッセージ通信路5を
介して、メッセージ呼び出し要求を受けた場合に、オブ
ジェクトリポジトリデータベース45に格納されている
情報を呼び出す動作は、オブジェクト3の場合の動作と
全く同様である。また、オブジェクト管理手段4からメ
ソッド呼び出しをおこなう場合はない。
【0038】(4)試験ポリシィ管理制御手段6の構成
および動作 図4は、試験ポリシィ管理制御手段6の構成要素を示し
たものである。61は試験ポリシィ制御手段を、62は
試験ポリシィ管理手段を、63は試験ポリシィグループ
管理手段を、それぞれ示している。試験ポリシィ管理手
段62は、記録ポイントにおける観測条件を示したテー
ブルである複数の試験ポリシィ(試験ポリシィ62a、
試験ポリシィ62b等)を有している。また、試験ポリ
シィグループ管理手段63は、どのオブジェクトがどの
試験ポリシィに属するかを管理するテーブルであるオブ
ジェクトグループ(オブジェクトグループ63a、オブ
ジェクトグループ63b等)を有している。
【0039】ここで、図4に示した試験ポリシィ62a
および試験ポリシィ62bには、メッセージをトレース
する条件が設定されている。例えば、試験ポリシィ62
aには、implementation_Timeout>10msec、idl_Timeou
t<20msecの条件が設定されている。この条件は、メッ
セージトレースを記録する場合の条件を示しているもの
であるが、以下、順を追って、この条件の意味とそのと
きの記録動作について説明する。
【0040】まず、implementation_Timeout、idl_Time
outについて、図5を用いて説明する。図5(a)は、
クライアントから呼び出しを受けた場合のメッセージト
レース記録ポイントにおけるサーバ応答時間測定の概念
図である。同図に示す構成および符号は図2と同一であ
る。ここでimplementation_Timeoutとは、サーバロジッ
ク311が、クライアントから呼び出しを受けた場合に
メッセージ記録手段321の記録ポイント321pを呼
出メッセージが通過した時点から、サーバロジック31
1の応答メッセージが記録ポイント321pを通過した
ときまでの時間である。図4の試験ポリシィ62aの条
件では、観測されたimplementation_Timeoutが10msecを
超えた場合に、メッセージトレースを記録することが要
求されている。
【0041】一方、図5(b)は、クライアントがサー
バを呼び出してからサーバが応答を返すまでの記録ポイ
ントにおけるサーバ応答時間測定の概念図である。同図
に示す構成要素および符号も図2と同一である。ここで
idl_Timeoutとは、クライアントロジック312がサー
バを呼び出したときの呼出メッセージが、メッセージ記
録手段321の記録ポイント321pを通過したときか
ら、サーバロジック311が返答したときの応答メッセ
ージが、クライアントロジック312に到達する直前に
記録ポイント321pを通過したときまでの時間であ
る。図4の試験ポリシィ62aの条件では、観測された
idl_Timeoutが20msecを超えない場合に、メッセージト
レースを記録することが要求されている。図4には、他
の具体例として、試験ポリシィ62bが示されている
が、これは、すべての場合について、メッセージトレー
スを記録することを要求している。
【0042】ここまでは、試験ポリシィとして、クライ
アントまたはサーバの処理時間とメッセージトレースの
記録についての具体例を示したが、記録ポイント321
pではメッセージトレースの内部データを参照できるた
め、例えば、特定のメソッド呼び出しがおこなわれた場
合に、そのメソッド呼び出しの処理時間やそのときのメ
ッセージトレースの観測を記録することも可能である。
【0043】一方、図4に示す試験ポリシィグループ管
理手段63は、どのオブジェクトがどの試験ポリシィを
適用すべきかを定義したテーブルを保持し、このテーブ
ルを管理する手段を有している。同図において、試験ポ
リシィグループ管理手段63内のオブジェクトグループ
63aは、オブジェクトの列(オブジェクト3a、オブ
ジェクト3c、....)を、オブジェクトグループ63b
は、オブジェクトの列(オブジェクト3b、オブジェク
ト3d、....)を、それぞれ定義している。このテーブ
ルは、上述した試験ポリシィ62aおよび試験ポリシィ
62bと関連があり、試験ポリシィ62aはオブジェ
クトグループ63aに対して、試験ポリシィ62bは
オブジェクトグループ63bに対して、それぞれ適用さ
れることを示している。
【0044】ところで、システムの動作すべてを記録す
るとすれば、動作記録データは膨大なものとなり、試験
後の動作記録を分析または絞り込みする上で得策ではな
い。この例では、オブジェクトそのものの動作には問題
ないが、処理のタイミングが問題となるオブジェクトに
ついては、オブジェクトグループ63aとして一つのグ
ループとし、また、動作そのものについても着目しなけ
ればならないオブジェクトについては、オブジェクトグ
ループ63bとして一つのグループを作り、それぞれの
グループに異なる試験ポリシィを設定し、必要かつ十分
なメッセージトレースを記録するようにしている。ま
た、リアルタイム性が要求されるオブジェクトに対して
はimplementation_Timeoutやidl_Timeoutの条件を厳し
く設定することで、リアルタイム性が要求されないオブ
ジェクトと異なる試験ポリシィグループとすることもで
きる。
【0045】(5)観測するメッセージトレースの種類 図6は、クライアントがサーバに対するメソッド呼び出
しをおこなう場合に、双方の間で交換されるメッセージ
を示した概念図である。同図に示すように、クライアン
ト/サーバ間でおこなわれるメソッド呼び出しには、以
下の3種類がある。 One-Way型メソッド呼び出し リクエストのみをおこない、応答を受けないタイプの呼
び出しである。 Request/Response型メソッド呼び出し リクエストに対して、同期して応答を受けるタイプの呼
び出しである。 非同期型メソッド呼び出し リクエストに対して、非同期に応答を受けるタイプの呼
び出しである。
【0046】また、同図に示すように、これらの呼び出
しは、それぞれ、以下のプリミティブメッセージ(基本
メッセージ)により実現される。 (a) Initial_RequestとInitial_Request_succeed メソッド呼び出しをおこなう初期処理であり、呼び出す
先のオブジェクトの配置情報を管理するオブジェクト管
理手段4をサーバとして呼び出す場合の要求(Initial_
RequestとInitial)と応答(Initial_Request_succee
d)を実現する。 (b) RequestとRequest_succeed メソッド呼び出しの実態であるメソッド名やinパラメ
ータの通知(Request)と、それがサーバ側で対応可能
であることの応答(Request_succeed)を実現する。 (c) Reply Request/Response型メソッド呼び出しの場合に、クライ
アントからの要求に同期して、outパラメータとリタ
ーン値をクライアントへ返す処理を実現する。 (d) Recv_RequestとRecv_Request_succeed 非同期型メソッド呼び出しの場合に、クライアントから
の応答要求(Recv_Request)に対応して、Replyと同様
に応答であるoutパラメータとリターン値をクライア
ントへ返す処理を実現する。
【0047】ここで、Request/Response型メソッド呼び
出しの場合のメッセージの流れについて、図6を用い
て説明する。なお、この呼び出し手順においては、クラ
イアントは各オブジェクト(呼び出す側)であり、サー
バはオブジェクト管理手段4またはオブジェクト3(呼
び出される側)を指している。また、各呼び出しはID
L仕様にて規定されるメソッド呼び出しによりおこなわ
れる。まず、クライアントは、メソッド呼び出しの前処
理として、該当するオブジェクトへの接続処理を要求す
るため、オブジェクト管理手段4にこの接続処理を要求
し(m11)、サーバ(オブジェクト管理手段4)は、
該当するオブジェクトの状態を検索し、この情報をクラ
イアントに通知する(m12)。つぎに、クライアント
は、メソッド呼び出しに必要な情報(メソッド名、in
パラメータ等)をサーバ(該当するオブジェクト)に要
求し(m23)、サーバは、このメソッド呼び出しに応
答できるか否かを伝達し(m24)、応答できる場合に
は、引き続き、必要な情報(outパラメータ、リター
ン値等)をクライアントに通知する(m25)。なお、
One-Way型メッセージについては、応答(Reply)メッセ
ージが存在しない点を除けば、Request/Response型メソ
ッド呼び出しと同一である。また、非同期型メソッド呼
び出しについては、m23の応答後に、すぐに情報を通
知せずに、再度、クライアントからの要求(Recv_Reque
st)があった場合に、必要な情報を応答(Recv_Request
_succeed)メッセージにてクライアントに通知するとこ
ろがRequest/Response型メソッド呼び出しと異なる点で
ある。
【0048】(6)試験ポリシィおよび試験ポリシィグ
ループの設定処理 これまでは、試験ポリシィ管理制御手段6内の試験ポリ
シィ管理手段62に試験ポリシィが、あるいは試験ポリ
シィ管理制御手段6内の試験ポリシィグループ管理手段
63にオブジェクトグループが、すでに設定されている
ことを前提に説明してきた。つぎに、試験ポリシィおよ
び試験ポリシィグループを設定する処理について説明す
る。図7は、試験ポリシィの設定処理の流れを示した説
明図である。以下この処理について、同図を用いて説明
する。
【0049】図7において、試験実行管理手段1の試験
スイート実行環境11は、試験ポリシィ管理制御手段6
の試験ポリシィ制御手段61に対して、試験ポリシィ設
定要求として、メッセージc11を送信する。このメッ
セージc11には、試験ポリシィの内容と、試験ポリシ
ィを提供する試験ポリシィグループのメンバリストが搭
載されている。つぎに、メッセージc11を受信した試
験ポリシィ制御手段61は、試験ポリシィの内容を試験
ポリシィ管理手段62へ記録するために、メッセージc
12を送信する。このメッセージc12を受信した試験
ポリシィ管理手段62は、当該試験ポリシィを記録す
る。また、この試験ポリシィが適用されるオブジェクト
のリストを、試験ポリシィグループ管理手段63へ記録
するため、試験ポリシィグループ管理手段63へメッセ
ージc13を送信する。このメッセージc13を受信し
た試験ポリシィグループ管理手段63は、試験ポリシィ
グループを登録するとともに、試験ポリシィ管理手段6
2に登録済の該当する試験ポリシィとの対応関係を特定
する。試験ポリシィ管理制御手段6への試験ポリシィと
試験ポリシィグループの登録が完了した後に、試験ポリ
シィ制御手段61は、登録した試験ポリシィを試験ポリ
シィグループのメンバへ通知するために、オブジェクト
3へメッセージを送信する。
【0050】図7の例では、オブジェクト3aへメッセ
ージ(c14−a)を、オブジェクト3bへメッセージ
(c14−b)を、オブジェクト3cへメッセージ(c
14−c)を、それぞれ通知し、オブジェクト3内の試
験プローブ36のメッセージ記録手段321はこの情報
を保持する。この、一連の処理によって、試験ポリシィ
および試験ポリシィグループが試験ポリシィ管理手段に
設定されるとともに、試験ポリシィが指定する条件でメ
ッセージトレース記録を実施するための、オブジェクト
3の準備が完了する。
【0051】(7)初期化処理時におけるメッセージト
レースの記録処理 図8は、初期化処理時におけるメッセージトレースの記
録処理を示した説明図である。また、図9は、メッセー
ジトレースに付加して記録されるラベル定義の説明図で
ある。以下、図8および図9を用いて、この初期化処理
時におけるメッセージトレースおよびラベル定義の記録
処理について説明する。
【0052】まず、図8において、試験実行管理手段1
が試験スイート実行環境11から、オブジェクト管理手
段4へInitial_Requestメッセージ(m11−a)を送
信する。この処理は、あるオブジェクトに対するメソッ
ドを呼び出すときに、接続に必要なオブジェクト識別子
の情報を取得するためにおこなわれる。つぎに、このIn
itial_Requestメッセージ(m−11a)をオブジェク
ト管理手段4のアンマーシャリング手段35が受信し、
メッセージ形式からAPI(Application Program Inte
rface)形式に変換するとともに、Initial_Requestメッ
セージ(m11−b)としてスケルトン33へ送信す
る。試験プローブ32のメッセージ記録手段321は、
Initaial_Requestメッセージ(m11−b)をメッセー
ジトレース記録ポイント321pで観測し、この観測情
報をメッセージトレース記録情報(m4)としてデータ
ベース323に伝達し、記録する。このとき、図9に示
すラベル定義Lの情報も併せて記録する。図9におい
て、添字tは現在の時間を、添字cはメッセージ通信タ
イプを、添字pはメッセージ通信プリミティブを、それ
ぞれ示している。上記のm11−bメッセージの例で
は、時間tとして「現在の時間」を、メッセージ通信タ
イプcとして「オブジェクト管理」を、メッセージ通信
プリミティブpとして、「Initial_Request」が記録さ
れる。
【0053】一方、Initial_Requestメッセージ(m1
1−b)を受信したスケルトン33は、オブジェクトリ
ポジトリ41が用意しているメソッドc1を呼び出す。
オブジェクトリポジトリ41は、オブジェクトリポジト
リデータベース45に対して、リポジトリ検索要求(m
5−a)を送信し、あらかじめ記録されているオブジェ
クト3aが接続可能状態であれば、接続のためのオブジ
ェクト3aの識別子を検索する。オブジェクト3aの識
別子を検索したオブジェクトリポジトリデータベース4
5は、オブジェクトリポジトリ41に対してリポジトリ
検索結果通知(m5−b)にて通知する。つぎに、オブ
ジェクトリポジトリ41は、メソッド応答c2にてスケ
ルトン33にオブジェクト3aの識別子をアンマーシャ
リング手段35へIninital_Request_succeedメッセージ
(m12−b)により通知する。
【0054】このとき、試験プローブ32のメッセージ
記録手段321は、Initaial_Request_succeedメッセー
ジ(m12−b)をメッセージトレース記録ポイント3
21pにおいて観測し、この観測した情報をメッセージ
トレース記録情報(m4)として、データベース323
に伝達し、図9に示すラベル定義Lとともにデータベー
ス323に記録する。上記のm12−bメッセージの例
では、時間tとして「現在の時間」を、メッセージ通信
タイプcとして「オブジェクト管理」を、メッセージ通
信プリミティブpとして、「Initial_Request_succee
d」が記録される。最後に、Initial_Request_succeedメ
ッセージ(m−12b)を受信したアンマーシャリング
手段35が、API呼び出し形式からメッセージ形式へ
の変換をおこない、このメッセージをInitial_Request_
succeeメッセージ(m12−a)にて試験実行管理手段
1へ送信する。
【0055】以上の処理により、One-Way型メソッド呼
び出しの初期化処理時において、この処理を実現するオ
ブジェクト間メッセージ通信であるInitial_Requestメ
ッセージ(m11)、Initial_Request_succeedメッセ
ージ(m12)を試験プローブ32のデータベース32
3への記録処理が終了する。
【0056】これまでに説明した内容は、One-Way型メ
ソッド呼び出しの初期化処理時におけるメッセージトレ
ースの記録処理であるが、この処理は、Request/Respon
se型メソッド呼び出し、非同期型メソッド呼び出しに共
通な初期化処理であり、これらの処理時におけるメッセ
ージトレースの記録処理についても、同様な処理がおこ
なわれる。
【0057】(8)One-Way型メソッド呼び出し時にお
けるメッセージトレースの記録処理図10は、オブジェ
クト3aの初期化処理終了後のOne-Way型メソッド呼び
出し時におけるメッセージトレースの記録処理を示した
説明図である。
【0058】(a)Requestメッセージ(m33) まず、試験実行管理手段1の試験スイート実行環境11
は、オブジェクト3aに対するOne-Way型メソッド呼び
出しをおこなうために、オブジェクト管理手段4から取
得した識別子を利用してRequestメッセージ(m13−
a)をオブジェクト送信する。Requestメッセージ(m
13−a)をオブジェクト3aのアンマーシャリング手
段35が受信し、メッセージ形式からAPI呼び出しの
形式に変換し、この結果をRequestメッセージ(m13
−b)としてスケルトン33へ送信する。試験プローブ
32のメッセージ記録手段321は、Requestメッセー
ジ(m13−b)をメッセージトレース記録ポイント3
21pで観測し、この観測情報をメッセージトレース記
録情報(m4)としてデータベース323に伝達し、図
9に示すラベル定義Lとともにデータベース323に記
録する。上記のm13−aメッセージの例では、時間t
として「現在の時間」が、メッセージ通信タイプcとし
て「One-Way型メソッド呼び出し」が、メッセージ通信
プリミティブpとして「Request」が記録される。
【0059】(b)Request_succeedメッセージ(m1
4) 一方、Requestメッセージ(m13−b)を受信したス
ケルトン33は、アプリケーションロジック31が用意
しているメソッド呼び出し(c1)を実行する。アプリ
ケーションロジック31では、サーバロジック311が
起動される。スケルトン33は、メソッド呼び出し(c
1)が正常におこなわれたか、あるいは異常であるかを
判断し、この情報をアンマーシャリング手段35へRequ
est_succeedメッセージ(m14−b)により通知す
る。
【0060】このとき、試験プローブ32のメッセージ
記録手段321は、Request_succeedメッセージ(m1
4−b)をメッセージトレース記録ポイント321pに
おいて観測し、この観測情報をメッセージトレース記録
情報(m4)としてデータベース323に伝達し、図9
に示すラベル定義Lとともにデータベース323に記録
する。上記m14−bメッセージの例では、時間tとし
て「現在の時間」が、メッセージ通信タイプcとして
「One-Way型メソッド呼び出し」が、メッセージ通信プ
リミティブpとして「Request_succeed」が記録され
る。最後に、Request_succeedメッセージ(m14−
b)を受信したアンマーシャリング手段35が、API
呼び出し形式からメッセージ形式への変換をおこない、
このメッセージをRequest_succeedメッセージ(m14
−b)にて試験実行管理手段1へ送信する。
【0061】以上の処理により、One-Way型メソッド呼
び出しを実現するオブジェクト間メッセージ通信である
Requestメッセージ(m13)、Request_succeedメッセ
ージ(m14)を試験プローブ32のデータベース32
3への記録処理が終了する。
【0062】(9)Request/Response型メソッド呼び出
し時におけるメッセージトレースの記録処理 図11は、オブジェクト3aの初期化処理終了後のRequ
est/Response型メソッド呼び出し時におけるメッセージ
トレースの記録処理を示した説明図である。
【0063】(a)Requestメッセージ(m23) まず、試験実行管理手段1の試験スイート実行環境11
は、オブジェクト3aに対するRequest/Response型メソ
ッド呼び出しをおこなうために、オブジェクト管理手段
4から取得した識別子を利用してRequestメッセージ
(m23−a)を送信する。Requestメッセージ(m2
3−a)をオブジェクト3aのアンマーシャリング手段
35が受信し、メッセージ形式からAPI呼び出しの形
式に変換し、この結果をRequestメッセージ(m23−
b)としてスケルトン33へ送信する。試験プローブ3
2のメッセージ記録手段321は、Requestメッセージ
(m23−b)をメッセージトレース記録ポイント32
1pで観測し、この観測情報をメッセージトレース記録
情報(m4)としてデータベース323に伝達し、図9
に示すラベル定義Lとともにデータベース323に記録
する。上記のm23−bメッセージの例では、時間tと
して「現在の時間」が、メッセージ通信タイプcとして
「Request/Response型メソッド呼び出し」が、メッセー
ジ通信プリミティブpとして「Request」が記録され
る。
【0064】(b)Request_succeedメッセージ(m2
4) 一方、Requestメッセージ(m23−b)を受信したス
ケルトン33は、アプリケーションロジック31が用意
しているメソッド呼び出し(c1)を実行する。アプリ
ケーションロジック31では、サーバロジック311が
起動される。スケルトン33は、メソッド呼び出し(c
1)が正常におこなわれたか、あるいは異常であるかを
判断し、この情報をアンマーシャリング手段35へRequ
est_succeedメッセージ(m24−b)により通知す
る。
【0065】このとき、試験プローブ32のメッセージ
記録手段321は、Request_succeedメッセージ(m2
3−b)をメッセージトレース記録ポイント321pに
おいて観測し、この観測情報をメッセージトレース記録
情報(m4)としてデータベース323に伝達し、図9
に示すラベル定義Lとともにデータベース323に記録
する。上記m24−bメッセージの例では、時間tとし
て「現在の時間」を、メッセージ通信タイプcとして
「Request/Response型」を、メッセージ通信プリミティ
ブpとして「Request_succeed」が記録される。Request
_succeedメッセージ(m−24b)を受信したアンマー
シャリング手段35は、API呼び出し形式からメッセ
ージ形式への変換をおこない、このメッセージをReques
t_succeedメッセージ(m24−a)にて試験実行管理
手段1へ送信する。
【0066】(c)Replyメッセージ(m25) また、サーバロジック311にて計算された結果は、結
果メソッド応答(c3)によりスケルトン33へ返され
る。この応答情報を受けたスケルトン33は、アンマー
シャリング手段35へReplyメッセージ(m25−b)
により通知する。試験プローブ32のメッセージ記録手
段321は、Replyメッセージ(m25−b)をメッセ
ージトレース記録ポイント(321p)で観測し、この
観測情報をメッセージトレース記録情報(m4)として
データベース323に伝達し、図9に示すラベル定義L
とともにデータベース323に記録する。上記m25−
bメッセージの例では、時間tとして「現在の時間」
を、メッセージ通信タイプcとして「Request/Response
型メソッド呼び出し」を、メッセージ通信プリミティブ
pとして「Reply」が記録される。最後に、Replyメッセ
ージ(m25−b)を受信したアンマーシャリング手段
35が、API呼び出し形式からメッセージ形式への変
換をおこない、このメッセージをReplyメッセージ(m
25−b)にて試験実行管理手段1へ送信する。
【0067】以上の処理により、Request/Response型メ
ソッド呼び出しを実現するオブジェクト間メッセージ通
信であるRequestメッセージ(m23)、Request_succe
edメッセージ(m24)、Replyメッセージ(m25)
を試験プローブ32のデータベース323への記録処理
が終了する。
【0068】(10)非同期型メソッド呼び出し時にお
けるメッセージトレースの記録処理図12は、オブジェ
クト3aの初期化処理終了後の非同期型メソッド呼び出
し時におけるメッセージトレースの記録処理を示した説
明図である。
【0069】(a)Requestメッセージ(m33) 図12において、試験実行管理手段1の試験スイート実
行環境11は、オブジェクト3aに対する非同期型メソ
ッド呼び出しをおこなうために、オブジェクト管理手段
4から取得した識別子を利用してRequestメッセージ
(m33−a)を送信する。Requestメッセージ(m3
3−a)は、オブジェクト3aのアンマーシャリング手
段35が受信し、メッセージ形式からAPI呼び出しの
形式に変換し、この結果をRequestメッセージ(m33
−b)としてスケルトン33へ送信する。試験プローブ
32のメッセージ記録手段321は、Requestメッセー
ジ(m33−b)をメッセージトレース記録ポイント3
21pで観測し、この観測情報をメッセージトレース記
録情報(m4)としてデータベース323に伝達し、図
9に示すラベル定義Lとともにデータベース323に記
録する。上記のm33−bメッセージの例では、時間t
として「現在の時間」が、メッセージ通信タイプcとし
て「非同期型メソッド呼び出し」であることが、メッセ
ージ通信プリミティブpとして「Request」が記録され
る。
【0070】(b)Request_succeedメッセージ(m3
4) 一方、Requestメッセージ(m33−b)を受信したス
ケルトン33は、アプリケーションロジック31が用意
しているメソッド呼び出し(c1)を実行する。アプリケ
ーションロジック31では、サーバロジック311が起
動される。スケルトン33は、メソッド呼び出し(c1)
が正常におこなわれたか、あるいは異常であるかを判断
し、この情報をアンマーシャリング手段35へRequest_
succeedメッセージ(m34−b)により通知する。
【0071】このとき、試験プローブ32のメッセージ
記録手段321は、Request_succeedメッセージ(m3
4−b)をメッセージトレース記録ポイント321pで
観測し、この観測情報をメッセージトレース記録情報
(m4)としてデータベース323に伝達し、図9に示
すラベル定義Lとともにデータベース323に記録す
る。上記m34−bメッセージの例では、時間tとして
「現在の時間」が、メッセージ通信タイプcとして「非
同期型メッセージ呼び出し」が、メッセージ通信プリミ
ティブpとして「Request_succeed」が記録される。Req
uest_succeedメッセージ(m−34b)を受信したアン
マーシャリング手段35は、API呼び出し形式からメ
ッセージ形式への変換をおこない、このメッセージをRe
quest_succeedメッセージ(m34−a)にて試験実行
管理手段1へ送信する。
【0072】(c)Recv_Replyメッセージ(m35) つぎに、サーバロジック311に蓄積されている計算結
果を、試験実行管理手段1からの要求により取得する処
理について説明する。まず、試験実行管理手段1の試験
スイート実行環境11は、オブジェクト3aに対する結
果取得のために、オブジェクト管理手段4から取得した
識別子を利用してRecv_Replyメッセージ(m35−a)
を送信する。Recv_Replyメッセージ(m35−a)はオ
ブジェクト3aのアンマーシャリング手段35が受信
し、メッセージ形式からAPI呼び出しの形式に変換
し、この結果をRecv_Replyメッセージ(m35−b)と
してスケルトン33へ送信する。試験プローブ32のメ
ッセージ記録手段321は、Recv_Replyメッセージ(m
35−b)をメッセージトレース記録ポイント(321
p)で観測し、この観測情報をメッセージトレース記録
情報(m4)としてデータベース323に伝達し、図9
に示すラベル定義Lとともにデータベース323に記録
する。上記のm35−bメッセージの例では、時間tと
して「現在の時間」が、メッセージ通信タイプcとして
「非同期型メソッド呼び出し」が、メッセージ通信プリ
ミティブpとして「Recv_Reply」が記録される。
【0073】(d)Recv_Reply_succeedメッセージ(m
36) 一方、Recv_Replyメッセージ(m35−b)を受信した
スケルトン33は、アプリケーションロジック31が用
意している結果取得メソッド呼び出し(c4)を実行す
る。アプリケーションロジック31では、サーバロジッ
ク311が蓄積している結果を結果取得メソッド応答
(c5)にてスケルトン33に返す。この応答情報を受
けたスケルトン33は、アンマーシャリング手段35へ
Recv_Reply_succeedメッセージ(m36−b)により通
知する。試験プローブ32のメッセージ記録手段321
は、Recv_Reply_succeedメッセージ(m36−b)をメ
ッセージトレース記録ポイント321pで観測し、この
観測情報をメッセージトレース記録情報(m4)として
データベース323に伝達し、図9に示すラベル定義L
とともにデータベース323に記録する。上記m36−
bメッセージの例では、時間tとして「現在の時間」
を、メッセージ通信タイプcとして「非同期型呼び出
し」を、メッセージ通信プリミティブpとして「Recv_R
eply_succeed」が記録される。Recv_Reply_succeedメッ
セージ(m−36b)を受信したアンマーシャリング手
段35は、API呼び出し形式からメッセージ形式への
変換をおこない、このメッセージをRecv_Reply_succeed
メッセージ(m36−a)にて試験実行管理手段1へ送
信する。
【0074】以上の処理により、非同期型メソッド呼び
出しを実現するオブジェクト間メッセージ通信であるRe
questメッセージ(m33)、Request_succeedメッセー
ジ(m34)、Recv_Replyメッセージ(m35)、Recv
_Reply_succeedメッセージ(m36)を試験プローブ3
2のデータベース323への記録処理が終了する。
【0075】(11)クライアントによるメソッド呼び
出し時におけるメッセージトレースの記録処理 図13は、クライアントがメソッド呼び出しをおこなう
場合のメッセージトレースの記録処理を示した説明図で
ある。この処理は、One-Way型メソッド呼び出し、Reque
st/Response型メソッド呼び出し、非同期型メソッド呼
び出しのすべての場合で同様である。この動作を同図を
用いて説明する。
【0076】クライアントであるオブジェクト3aが、
オブジェクト3bに対して、メソッド呼び出しおこなう
場合、この指示はクライアントロジック312へのメソ
ッド呼び出しによりおこなわれる。この呼び出しはスタ
ブ34によって解釈されRequestメッセージ(m13−
d)としてマーシャリング手段36に送信され、マーシ
ャリング手段36においてプロトコルへ変換され、Requ
estメッセージ(m13−c)として目的とするオブジ
ェクト3bのアンマーシャリング手段35へ通知され
る。このスタブ34とマーシャリング手段36の間に存
在する試験プローブ32のメッセージ記録手段321
は、試験ポリシィに基づき、Requestメッセージ(m1
3−c)をメッセージトレース記録ポイント321pで
観測し、この観測情報をメッセージトレース記録情報
(m4)としてデータベース323に伝達し、図9に示
すラベル定義Lとともにデータベース323に記録す
る。上記m13−dメッセージの例では、時間tとして
「現在の時間」が、メッセージ通信タイプcとして「On
e-Way型メソッド呼び出し」が、メッセージ通信プリミ
ティブpとして「Request」が記録される。
【0077】(12)試験ポリシィに基づくメッセージ
トレース記録処理の例 図14は、試験ポリシィに基づくメッセージトレース記
録処理の具体例である。この具体例は、オブジェクト3
aの動作を観測したメッセージトレース記録のある一部
分である。表頭には、左から、「メッセージ通信タイ
プ」「呼び出し先/元オブジェクト」、「メソッド」、
「メッセージ通信プリミティブ」、「inパラメー
タ」、「outパラメータ」、「RESULT」、「時
間」、「方向」および「試験ポリシィ情報」の計10項
目が示されている。「メッセージ通信タイプ」、「メッ
セージ通信プリミティブ」については、上述してきたと
おりである。「呼び出し先/元オブジェクト」は、呼び
出される側のオブジェクト、または呼び出す側のオブジ
ェクトのどちらか一方を示している。これは、表頭の右
から2番目の項目の「方向」によって決定される。「方
向」が「implementation Call」であれば、呼び出す側
のオブジェクトを意味し、「方向」が「idl_Call」であ
れば呼び出される側のオブジェクトを意味している。
「メソッド」は呼び出されるメソッド名を示している。
「inパラメータ」は、クライアントからサーバへ渡す
パラメータを、「outパラメータ」は、サーバからク
ライアントへ渡すパラメータを意味している。「RES
ULT」は、処理が成功したか否かの結果を、「時間」
は、データベースに記録した時間を、「試験ポリシィ情
報」は、試験ポリシィにしたがって観測された情報を、
それぞれ示している。
【0078】同図はまた、オブジェクト3aのmethod_A
1に対して、オブジェクト3cがRequest/Response型メ
ソッド呼び出しをおこない(オブジェクト3aがサーバ
としての動作)、つぎにオブジェクト3bのmethod_B1
に対し、One-Way型メソッド呼び出しをおこなっている
(オブジェクト3aがクライアントとしての動作)状況
を示している。
【0079】オブジェクト3aには、図4に示したよう
に、試験ポリシィ−A(621)として、implementati
on_Timeout>10msec、idl_Timeout<20msecのトレース
条件が設定されているので、このメッセージトレース
は、これらの条件に一致した場合に、メッセージトレー
ス情報をデータベースに記録している。また、試験ポリ
シィは、条件とそのときの動作を設定できるため、メッ
セージトレースを記録する動作の代わりに、試験プロー
ブ32に、条件が一致したメソッド呼び出しが発生した
場合に、他のオブジェクトに搭載される試験プローブ3
2との間で同期を取って試験を中断する処理などが、試
験ポリシィグループごとに設定することができる。
【0080】このように、この実施の形態1によれば、
分散オブジェクトシステムの試験支援システムとして、
図1〜図4に示すように、試験プローブがメッセージを
記録する条件を定義した試験ポリシィを管理する試験ポ
リシィ管理手段62と、オブジェクトとオブジェクトの
試験ポリシィとの対応関係を管理する試験ポリシィグル
ープ管理手段63と、オブジェクトと試験ポリシィの情
報を送受する試験ポリシィ制御手段61を有する試験ポ
リシィ管理制御手段6を備えるようにシステムを構成し
たので、処理のタイミングが問題となるオブジェクト、
リアルタイム性が要求されるオブジェクト、オブジェク
トの動作が重要なオブジェクト等、オブジェクトの性質
に着目したメッセージトレースを記録することが可能と
なる。また、試験後の動作記録の分析または絞り込みに
際し、必要かつ十分なメッセージトレース記録を取得で
きるとともに、問題となる動作および問題となる動作の
原因となるオブジェクトの迅速かつ柔軟な絞り込みを可
能とする実施基盤を構築できる。
【0081】また、この実施の形態1によれば、分散オ
ブジェクトシステムの試験支援システムとして、図1〜
図3および図5に示すように、記録手段を含む試験プロ
ーブを分散オブジェクトシステムの内部であってかつオ
ブジェクトのアプリケーションロジックの外部に備える
ようにシステムを構成したので、システムに実装された
オブジェクトのソースコードおよびシステムのハード、
OS等に依存しない、評価手段を提供することができ
る。そして、異なるIDLを用いた分散オブジェクト技
術に基づいて開発されたシステムに共通に適用できるた
め、異なる技術が混在した、あるいは、マルチベンダに
よって開発されたシステムであっても個々のオブジェク
ト技術に対応したデバック機能を準備する必要もない。
さらに、問題となる動作および問題となる動作の原因と
なるオブジェクトの迅速かつ柔軟な絞り込みを可能とす
る実施基盤を構築できるので、大規模なシステムに対し
ても効率的な試験を可能とするスケーラビリティを提供
することができる。
【0082】実施の形態2. (1)試験実行管理手段1、オブジェクト3およびオブ
ジェクト管理手段4の構成 図15は、実施の形態2における試験実行管理手段1と
オブジェクト3aの構成要素およびこれらとメッセージ
通信路5との接続図を示したものであり、図16は、実
施の形態2における、オブジェクト管理手段4およびこ
れらとメッセージ通信路5との接続図を示したものであ
る。図2および図3に示した構成要素と同一符号のもの
は、基本的に同一のものを示している。まず、図15に
おいて、試験実行管理手段1は、図2に示す試験実行管
理手段1に、伝搬情報リスト発生手段16を、また、オ
ブジェクト3aは、図2に示すオブジェクト3aの試験
プローブ32に、伝播情報追跡手段322、伝播情報付
加手段324、特定動作定義手段325を付加した構成
である。また、図16において、オブジェクト管理手段
4は、図3に示すオブジェクト管理手段4に伝播情報追
跡手段322、伝播情報付加手段324、特定動作定義
手段325を付加した構成である。
【0083】(2)試験実行管理手段1、オブジェクト
3およびオブジェクト管理手段4の動作 実施の形態2における試験実行管理手段1、オブジェク
ト3およびオブジェクト管理手段4の動作について、実
施の形態1の動作と異なるところを中心に説明する。な
お、初期化処理、メソッドを呼び出す処理および形式、
メッセージトレースの記録処理、メッセージ通信路5へ
の送出処理等の基本的な処理については、上述した実施
の形態1と同一の処理をおこなう。
【0084】図15において、伝播情報リスト発生手段
16は、試験スイート実行環境11がオブジェクト3に
対してメソッド呼び出しをおこなう際に、伝播情報リス
トとして記録するためのイニシャルデータを発生させ、
このイニシャルデータをメソッド呼び出しの情報に付加
する処理をおこなう。伝播情報付加手段324は、アン
マーシャリング手段35から通知されるメッセージから
メソッド呼び出しの情報を取り出し、このメソッド呼び
出しの情報を伝播情報リスト発生手段16が送出した伝
播情報リストへ付加する処理をおこなう。特定動作定義
手段325は、試験終了後に試験結果を分析する際の着
目すべき特定動作およびその追跡範囲をあらかじめ定義
した情報を保有する。伝播情報追跡手段322は、定義
された特定動作および追跡範囲に該当する動作がデータ
ベースに記録されているかを分析する処理をおこなうと
ともに、特定動作に該当する伝播情報から順方向、逆方
向へ検索して、検索結果を試験ポリシィ管理制御手段6
に通知する処理をおこなうとともに、他のオブジェクト
(3b〜3n)の伝播情報追跡手段322に伝播情報を
通知する。他の伝播情報追跡手段322も同様の処理を
おこなう。なお、図16に示したオブジェクト管理手段
4の伝播情報追跡手段322、伝播情報付加手段32
4、特定動作定義手段325も、オブジェクト管理手段
4へのアクセスが初期化処理時におこなわれることを除
き、オブジェクト3の伝播情報追跡手段322、伝播情
報付加手段324、特定動作定義手段325と同様の処
理をおこなう。
【0085】これらの試験終了後の試験結果の分析は、
試験実行管理手段1により人間が介在した形で実行され
るが、データベース323に複数記録されている特定動
作定義の中から、特定動作を1ないし複数選択し、追跡
範囲の大きさを指定するとともに、試験実行管理手段か
らトリガを与えることで処理が自動的に実行される。
【0086】(3)伝播情報リストの構成 図17は、伝播情報リストの構成を示す説明図である。
同図に示すラベル定義Lは、図9に示すラベル定義に伝
播情報リストnを追加した構成である。上述したよう
に、この伝播情報リストを追加したラベルをメッセージ
トレース記録としてデータベースに記録することで、試
験終了後の試験結果の分析が可能となる。図18および
図19は、2つの伝播情報モデルの概念を示した説明図
である。図18が分岐ホップモデル、図19が伝播ホッ
プモデルの例を示している。分岐ホップとは、図18に
示すように、オブジェクトkが複数のオブジェクト(オ
ブジェクトn,オブジェクト(n+1),・・・・・,
オブジェクト(n+m))のメソッドを呼び出す場合で
ある。これを表記上で、Ln、Ln+1・・・・Ln+mとして示
している。一方、伝播ホップとは、図19に示すよう
に、オブジェクトkがオブジェクトnのメソッドを呼び
出し、この呼び出されたオブジェクトnがさらに、オブ
ジェクトmのメソッドを呼び出す場合である。これを表
記上で、Ln,mとして示している。この分岐ホップと
伝播ホップを用いれば、すべてのメソッド呼び出しが、
この組合せで表記することができる。
【0087】このようにして、図17に示した伝播情報
リストは、時間、メッセージ通信タイプ、メッセージ通
信プリミティブと共にラベル定義情報として、実施の形
態1で説明したように、メッセージトレース記録ポイン
トで観測したメッセージトレース記録情報とともにデー
タベース323に記録される。また、この伝播情報リス
トは、つぎのオブジェクト呼び出しの際に、呼び出し先
に伝播され、伝播先のデータベースにつぎつぎと記録さ
れることになる。
【0088】(4)影響を受けたオブジェクトの分析要
領 つぎに、実際にオブジェクト間のメッセージ交換によっ
て、メッセージに付加された伝播情報リストについて、
時間軸の方向に順方向に追跡する分析要領を説明する。
ここで、試験実行管理手段1からのメソッド呼び出し
が、分析ホップの深さが4までの範囲を分析する場合を
考える。分析ホップの深さが4までの範囲とは、試験実
行管理手段1からスタートして伝播情報リストの大きさ
(=深さ)が4までの範囲のものを特定すればよいこと
になる。このようにして特定した、伝播情報リストの一
例を下記に示す。 L1→L1,8→L1,8,15 L1→L1,8→L1,8,4→L1,8,4,12 L1→L1,8→L1,8,10→L1,8,10,5 L1→L1,8→L1,8,10→L1,8,10,7 L3 したがって、この例では、大きさが4の範囲の中で影響
を受けたオブジェクトのリストは以下のようになる。 {オブジェクト1、オブジェクト3、オブジェクト4、
オブジェクト5,オブジェクト7、オブジェクト8、オ
ブジェクト10、オブジェクト12、オブジェクト1
5} なお、図19に、分析ホップの深さが4までの範囲の中
で影響を受けたオブジェクトを階層的に示した。
【0089】また、伝播情報リストを、以下のように逆
にたどる分析も可能である。 L1,8,15→L1,8→L1 L1,8,4,12→L1,8,4→L1,8→L1 L1,8,10,5→L1,8,10→L1,8→L1 L1,8,10,7→L1,8,10→L1,8→L1 L3 以上のように、伝播情報リストを分析することにより、
時間軸に対して順方向、逆方向のメソッド呼び出しを分
析することが可能であり、特定の範囲内で影響を受けた
オブジェクトの集合を得ることができる。
【0090】上記の例では、分析ホップの深さが4まで
の範囲について説明したが、この深さは4に限らず、任
意の正の整数値を指定することが可能である。
【0091】(5)試験ポリシィグループの再構成要領 図20は、試験終了後の試験ポリシィグループの再構成
要領を示す説明図である。同図を用いて、試験ポリシィ
グループが自動的に再構成される様子を、メッセージの
流れを中心に説明する。まず、試験プローブ32の特定
動作定義手段325は、あらかじめ定義しておいた試験
後に着目すべきメソッド呼び出しの動作が、データベー
スに記録されていないかを分析するため、その動作結果
であるメッセージトレースが蓄積されているデータベー
ス323にメッセージ(ma0)を送信する。この結
果、該当するメソッド呼び出し動作が発生していた場合
には、伝播情報追跡手段322へメッセージ(ma1)
により、そのメソッド呼び出し動作を発生させている伝
播情報リストと追跡範囲を通知する。メッセージ(ma
1)を受け取った伝播情報追跡手段322は、この伝播
情報リストからメソッド呼び出し動作を、追跡範囲にあ
るオブジェクトのリストを検索するために、伝播情報リ
ストにより該当するオブジェクトに対して、メソッド呼
び出しの追跡を指示するメッセージ(ma2)を送信す
る。また同時に、自オブジェクト識別子を試験ポリシィ
管理制御手段6の試験ポリシィ制御手段61へ通知する
(ma3−1)。メッセージ(ma2)を受信したオブ
ジェクト3bの試験プローブ32の伝播情報追跡手段3
22は、オブジェクト3aの試験プローブ32と同様
に、メソッド呼び出しの追跡と、該当する自オブジェク
トの識別子を試験ポリシィ管理制御手段6への通知をお
こなう。
【0092】以上の処理により、試験ポリシィ管理制御
手段6の試験ポリシィ制御手段61は、メッセージ(m
a3−1)、メッセージ(ma3−2)〜メッセージ
(ma3−n)により、各該当するオブジェクトから識
別子を通知される。試験ポリシィ制御手段61は、特定
の追跡範囲にあるオブジェクト群をメンバとする試験ポ
リシィグループの再構成を試験ポリシィグループ管理手
段63へ指示すると同時に、メッセージ(ma5)によ
り、試験実行管理手段1の試験スイート実行環境11
へ、あらかじめ定義した動作の発生と、影響範囲にある
オブジェクトを通知する。メッセージ(ma5)を受信
した試験スイート実行環境11は、該当する試験ポリシ
ィグループに対して、さらに問題となるオブジェクトを
絞り込むための試験ポリシィを試験ポリシィ管理手段6
2へメッセージ(ma6)を通知し、試験ポリシィグル
ープ管理手段63が管理する試験ポリシィグループと対
応付けることにより、試験ポリシィグループが再構成さ
れる。この再構成された試験ポリシィを用いて、さらに
問題となるオブジェクトの絞り込みを目的とした試験を
実施することが可能となる。
【0093】このように、この実施の形態2によれば、
分散オブジェクトシステムの試験支援システムとして、
図1、図4、図15および図16に示すように、試験プ
ローブが分散オブジェクトシステムのサーバ動作、クラ
イアント動作のメッセージトレース情報にオブジェクト
の伝播・分岐情報を付加する伝播情報付加手段を備える
のようにシステムを構成したので、システムの試験時
に、問題となる動作を起こしたオブジェクトを追跡する
際、自動的に再構成された試験ポリシィを用いて、さら
に問題となるオブジェクトの絞り込みが可能となり、問
題となる動作および問題となる動作の原因となるオブジ
ェクトの迅速かつ柔軟な特定が可能となり、システムが
大規模になっても効率的な試験を可能とするスケーラビ
リティを提供することができる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
分散オブジェクトシステムの試験支援システムによれ
ば、アプリケーションロジックを有するオブジェクト間
のメソッド呼び出しをIDL仕様を利用して実現し、ア
プリケーションロジックのサーバ動作、クライアント動
作のメッセージトレースを記録する記録手段を含んだ試
験プローブを有する分散オブジェクトシステムと、この
オブジェクトの配置情報を管理するオブジェクト管理手
段とを備える分散オブジェクトシステムの試験支援シス
テムであって、メッセージトレースを記録する条件を定
義した試験ポリシィを管理する試験ポリシィ管理手段
と、オブジェクトとオブジェクトの試験ポリシィとの対
応関係を管理する試験ポリシィグループ管理手段と、オ
ブジェクトと試験ポリシィの情報を送受する試験ポリシ
ィ制御手段とを有する試験ポリシィ管理制御手段を備え
ることとしたので、処理のタイミングが問題となるオブ
ジェクト、リアルタイム性が要求されるオブジェクト、
オブジェクトの動作が重要なオブジェクト等、オブジェ
クトの性質に着目したメッセージトレースを記録するこ
とが可能となる。また、試験後の動作記録の分析または
絞り込みに際し、必要かつ十分なメッセージトレース記
録を取得できるとともに、問題となる動作および問題と
なる動作の原因となるオブジェクトの迅速かつ柔軟な絞
り込みを可能とする実施基盤を構築できる。
【0095】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムによれば、記録手段を含む試験
プローブを分散オブジェクトシステムの内部であってか
つオブジェクトのアプリケーションロジックの外部に備
えることとしたので、オブジェクトの性質に着目したメ
ッセージトレースを記録することが可能となる。また、
試験後の動作記録の分析または絞り込みに際し、必要か
つ十分なメッセージトレース記録を取得できるととも
に、問題となる動作および問題となる動作の原因となる
オブジェクトの迅速かつ柔軟な絞り込みを可能とする実
施基盤を構築できる。さらに、システムに実装されたオ
ブジェクトのソースコードおよびシステムのハード、O
S等に依存しない評価手段と、大規模なシステムに対し
ても効率的な試験を可能とするスケーラビリティを提供
することができる。また、異なるIDLを用いた分散オ
ブジェクト技術に基づいて開発されたシステムに共通に
適用できるため、異なる技術が混在した、あるいは、マ
ルチベンダによって開発されたシステムであっても個々
のオブジェクト技術に対応したデバック機能を準備する
必要がない。
【0096】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムによれば、試験ポリシィ管理手
段は、複数の異なる試験ポリシィを設定管理することと
したので、処理のタイミングが問題となるオブジェク
ト、リアルタイム性が要求されるオブジェクト、オブジ
ェクトの動作が重要なオブジェクト等、オブジェクトの
性質に着目したメッセージトレースを記録することが可
能となる。また、試験後の動作記録の分析または絞り込
みに際し、必要かつ十分なメッセージトレース記録を取
得できるとともに、問題となる動作および問題となる動
作の原因となるオブジェクトの迅速かつ柔軟な絞り込み
を可能とする実施基盤を構築できる。
【0097】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムによれば、試験ポリシィグルー
プ管理手段は、複数の異なる試験ポリシィに対応してオ
ブジェクトをグループ管理することとしたので、処理の
タイミングが問題となるオブジェクト、リアルタイム性
が要求されるオブジェクト、オブジェクトの動作が重要
なオブジェクト等、オブジェクトの性質に着目したメッ
セージトレースを記録することが可能となる。また、試
験後の動作記録の分析または絞り込みに際し、必要かつ
十分なメッセージトレース記録を取得できるとともに、
問題となる動作および問題となる動作の原因となるオブ
ジェクトの迅速かつ柔軟な絞り込みを可能とする実施基
盤を構築できる。
【0098】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムによれば、アプリケーションロ
ジックを有するオブジェクト間のメソッド呼び出しをI
DL仕様を利用して実現し、アプリケーションロジック
のサーバ動作、クライアント動作のメッセージトレース
を記録する記録手段を含んだ試験プローブを有する分散
オブジェクトシステムと、このオブジェクトの配置情報
を管理するオブジェクト管理手段とを備える分散オブジ
ェクトシステムの試験支援システムであって、記録手段
を含む試験プローブを分散オブジェクトシステムの内部
であってかつオブジェクトのアプリケーションロジック
の外部に備えることとしたので、システムに実装された
オブジェクトのソースコードおよびシステムのハード、
OS等に依存しない評価手段と、大規模なシステムに対
しても効率的な試験を可能とするスケーラビリティを提
供することができる。また、異なるIDLを用いた分散
オブジェクト技術に基づいて開発されたシステムに共通
に適用できるため、異なる技術が混在した、あるいは、
マルチベンダによって開発されたシステムであっても個
々のオブジェクト技術に対応したデバック機能を準備す
る必要がない。
【0099】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムによれば、試験プローブは、前
記分散オブジェクトシステムのサーバ動作、クライアン
ト動作のメッセージトレース情報にオブジェクトの伝播
・分岐情報を付加する伝播情報付加手段を備えることと
したので、システムの試験時に、問題となる動作を起こ
したオブジェクトを追跡する際、自動的に再構成された
試験ポリシィを用いて、さらに問題となるオブジェクト
の絞り込みが可能となり、問題となる動作および問題と
なる動作の原因となるオブジェクトの迅速かつ柔軟な特
定が可能となり、システムが大規模になっても効率的な
試験を可能とするスケーラビリティを提供することがで
きる。
【0100】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムによれば、分散オブジェクトシ
ステムのオブジェクトの伝播・分岐情報から指定した任
意の正の整数値の範囲で影響を受けたオブジェクトを特
定する伝播情報追跡手段を備えることとしたので、シス
テムの試験時に、問題となる動作を起こしたオブジェク
トを追跡する際、自動的に再構成された試験ポリシィを
用いて、さらに問題となるオブジェクトの絞り込みが可
能となり、問題となる動作および問題となる動作の原因
となるオブジェクトの迅速かつ柔軟な特定が可能とな
り、システムが大規模になっても効率的な試験を可能と
するスケーラビリティを提供することができる。
【0101】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムによれば、試験プローブは、分
散オブジェクトシステムのオブジェクトの着目するメソ
ッド呼び出し情報を保持し、試験後の動作結果と着目す
るメソッド呼び出し情報とを比較し、着目するメソッド
呼び出し情報と一致する動作結果を、伝播情報追跡手段
に通知する特定動作定義手段を備えることとしたので、
システムの試験時に、問題となる動作を起こしたオブジ
ェクトを追跡する際、自動的に再構成された試験ポリシ
ィを用いて、さらに問題となるオブジェクトの絞り込み
が可能となり、問題となる動作および問題となる動作の
原因となるオブジェクトの迅速かつ柔軟な特定が可能と
なり、システムが大規模になっても効率的な試験を可能
とするスケーラビリティを提供することができる。
【0102】つぎの発明にかかる分散オブジェクトシス
テムの試験支援システムによれば、試験ポリシィ制御手
段は、分散オブジェクトシステムのオブジェクトから通
知された識別子に基づき、オブジェクトと該オブジェク
トの試験ポリシィとの対応関係の再構成を試験ポリシィ
グループ管理手段に指示し、試験ポリシィグループ管理
手段は、試験ポリシィ管理手段に設定されている試験ポ
リシィにしたがって、オブジェクトと該オブジェクトの
試験ポリシィとの対応関係の再構成を自動的におこなう
こととしたので、システムの試験時に、問題となる動作
を起こしたオブジェクトを追跡する際、自動的に再構成
された試験ポリシィを用いて、さらに問題となるオブジ
ェクトの絞り込みが可能となり、問題となる動作および
問題となる動作の原因となるオブジェクトの迅速かつ柔
軟な特定が可能となり、システムが大規模になっても効
率的な試験を可能とするスケーラビリティを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における概略構成を示す説明図
である。
【図2】 試験実行管理手段とオブジェクトの構成要素
およびこれらとメッセージ通信路との接続図を示したも
のである。
【図3】 オブジェクト管理手段の構成要素およびこれ
ら構成要素とメッセージ通信路との接続図を示したもの
である。
【図4】 試験ポリシィ管理制御手段の構成要素を示し
た図である。
【図5】 (a)はクライアントから呼び出しを受けた
場合のメッセージトレース記録ポイントにおけるサーバ
応答時間測定の概念図であり、(b)はクライアントが
サーバを呼び出してからサーバが応答を返すまでのメッ
セージトレース記録ポイントにおけるサーバ応答時間測
定の概念図である。
【図6】 はクライアントがサーバに対するメソッド
呼び出し(One-Way型メソッド呼び出し)をおこなう場
合に、双方の間で交換されるメッセージを示した概念図
であり、はクライアントがサーバに対するメソッド呼
び出し(Request/Response型メソッド呼び出し)をおこ
なう場合に、双方の間で交換されるメッセージを示した
概念図であり、はクライアントがサーバに対するメソ
ッド呼び出し(非同期型メソッド呼び出し)をおこなう
場合に、双方の間で交換されるメッセージを示した概念
図である。
【図7】 試験ポリシィの設定処理の流れを示した説明
図である。
【図8】 初期化処理時におけるメッセージトレースの
記録処理を示した説明図である。
【図9】 メッセージトレースに付加して記録されるラ
ベル定義の説明図である。
【図10】 オブジェクトの初期化処理終了後のOne-Wa
y型メソッド呼び出し時におけるメッセージトレースの
記録処理を示した説明図である。
【図11】 オブジェクトの初期化処理終了後のReques
t/Response型メソッド呼び出し時におけるメッセージト
レースの記録処理を示した説明図である。
【図12】 オブジェクトの初期化処理終了後の非同期
型メソッド呼び出し時におけるメッセージトレースの記
録処理を示した説明図である。
【図13】 クライアントがメソッド呼び出しをおこな
う場合のメッセージトレースの記録処理を示した説明図
である。
【図14】 試験ポリシィに基づくメッセージトレース
記録処理の具体例である。
【図15】 実施の形態2における試験実行管理手段と
オブジェクトの構成要素およびこれらとメッセージ通信
路との接続図を示したものである。
【図16】 実施の形態2における、オブジェクト管理
手段およびこれらとメッセージ通信路との接続図を示し
た図である。
【図17】 伝播情報リストの構成を示す説明図であ
る。
【図18】 伝播情報モデル(分岐ホップモデル)の概
念を示した説明図である。
【図19】 伝播情報モデル(伝播ホップモデル)の概
念および分岐ホップの深さが4まで範囲の中で影響を受
けたオブジェクトを階層的に示した概念図である。
【図20】 試験終了後の試験ポリシィグループの再構
成要領を示す説明図である。
【図21】 従来技術の試験構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 試験実行管理手段、2 分散オブジェクトシステ
ム、3a,3b,3nオブジェクト、4 オブジェクト
管理手段、5 メッセージ通信路、6 試験ポリシィ管
理制御手段、11 試験スイート実行環境、16 伝播
情報リスト発生手段、31 アプリケーションロジッ
ク、32 試験プローブ、33 スケルトン、34 ス
タブ、35 アンマーシャリング手段、36 マーシャ
リング手段、41 オブジェクトリポジトリ、43 ス
ケルトン、45 オブジェクトリポジトリデータベー
ス、61 試験ポリシィ制御手段、62 試験ポリシィ
管理手段、62a,62b 試験ポリシィ、63 試験
ポリシィグループ管理手段、63a,63b オブジェ
クトグループ、111 試験スイートプログラム、11
2 試験スイートランタイム、311 サーバロジッ
ク、312 クライアントロジック、321 メッセー
ジ記録手段、322 伝播情報追跡手段、323データ
ベース、324 伝播情報付加手段、325 特定動作
定義手段、500デバッカ・グラフィカル・ユーザ・イ
ンターフェース(GUI)、510 dbxエンジン基
盤、520 共有ライブラリ、522 DSTEP、5
23 REMOTE TEST、524 REMOTE
BREAKPOINT。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アプリケーションロジックを有するオブ
    ジェクト間のメソッド呼び出しをIDL仕様を利用して
    実現し、前記アプリケーションロジックのサーバ動作、
    クライアント動作のメッセージトレースを記録する記録
    手段を含んだ試験プローブを有する分散オブジェクトシ
    ステムと、この前記オブジェクトの配置情報を管理する
    オブジェクト管理手段とを備える分散オブジェクトシス
    テムの試験支援システムであって、 前記メッセージトレースを記録する条件を定義した試験
    ポリシィを管理する試験ポリシィ管理手段と、 前記オブジェクトとオブジェクトの試験ポリシィとの対
    応関係を管理する試験ポリシィグループ管理手段と、 前記オブジェクトと試験ポリシィの情報を送受する試験
    ポリシィ制御手段と、を有する試験ポリシィ管理制御手
    段と、 を備えることを特徴とする分散オブジェクトシステムの
    試験支援システム。
  2. 【請求項2】 前記記録手段を含む試験プローブを前記
    分散オブジェクトシステムの内部であってかつオブジェ
    クトのアプリケーションロジックの外部に備えることを
    特徴とする請求項1に記載の分散オブジェクトシステム
    の試験支援システム。
  3. 【請求項3】 前記試験ポリシィ管理手段は、複数の異
    なる試験ポリシィを設定管理することを特徴とする請求
    項1または2に記載の分散オブジェクトシステムの試験
    支援システム。
  4. 【請求項4】 前記試験ポリシィグループ管理手段は、
    複数の異なる試験ポリシィに対応してオブジェクトをグ
    ループ管理することを特徴とする請求項3に記載の分散
    オブジェクトシステムの試験支援システム。
  5. 【請求項5】 アプリケーションロジックを有するオブ
    ジェクト間のメソッド呼び出しをIDL仕様を利用して
    実現し、前記アプリケーションロジックのサーバ動作、
    クライアント動作のメッセージトレースを記録する記録
    手段を含んだ試験プローブを有する分散オブジェクトシ
    ステムと、この前記オブジェクトの配置情報を管理する
    オブジェクト管理手段とを備える分散オブジェクトシス
    テムの試験支援システムであって、 前記記録手段を含む試験プローブを前記分散オブジェク
    トシステムの内部であってかつオブジェクトのアプリケ
    ーションロジックの外部に備えることを特徴とする分散
    オブジェクトシステムの試験支援システム。
  6. 【請求項6】 前記試験プローブは、前記分散オブジェ
    クトシステムのサーバ動作、クライアント動作のメッセ
    ージトレース情報にオブジェクトの伝播・分岐情報を付
    加する伝播情報付加手段を備えることを特徴とする請求
    項1〜5の何れか一つに記載の分散オブジェクトシステ
    ムの試験支援システム。
  7. 【請求項7】 前記試験プローブは、前記分散オブジェ
    クトシステムのオブジェクトの伝播・分岐情報から指定
    した任意の正の整数値の範囲で影響を受けたオブジェク
    トを特定する伝播情報追跡手段を備えることを特徴とす
    る請求項1〜6の何れか一つに記載の分散オブジェクト
    システムの試験支援システム。
  8. 【請求項8】 前記試験プローブは、前記分散オブジェ
    クトシステムのオブジェクトの着目するメソッド呼び出
    し情報を保持し、試験後の動作結果と前記着目するメソ
    ッド呼び出し情報とを比較し、前記着目するメソッド呼
    び出し情報と一致する動作結果を、前記伝播情報追跡手
    段に通知する特定動作定義手段を備えることを特徴とす
    る請求項1〜7の何れか一つに記載の分散オブジェクト
    システムの試験支援システム。
  9. 【請求項9】 前記試験ポリシィ制御手段は、前記分散
    オブジェクトシステムのオブジェクトから通知された識
    別子に基づき、前記オブジェクトと該オブジェクトの試
    験ポリシィとの対応関係の再構成を前記試験ポリシィグ
    ループ管理手段に指示し、 前記試験ポリシィグループ管理手段は、前記試験ポリシ
    ィ管理手段に設定されている前記試験ポリシィにしたが
    って、前記オブジェクトと該オブジェクトの試験ポリシ
    ィとの対応関係の再構成を自動的におこなうことを特徴
    とする請求項1〜8の何れか一つに記載の分散オブジェ
    クトシステムの試験支援システム。
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