JP2003255822A - 救急措置訓練装置 - Google Patents

救急措置訓練装置

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JP2003255822A
JP2003255822A JP2002052203A JP2002052203A JP2003255822A JP 2003255822 A JP2003255822 A JP 2003255822A JP 2002052203 A JP2002052203 A JP 2002052203A JP 2002052203 A JP2002052203 A JP 2002052203A JP 2003255822 A JP2003255822 A JP 2003255822A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】直流通電法により施す救急措置の訓練に用いる
模擬装置において、患者とみなす施術人形に訓練生が施
した処置の良否を自動的に判断して、訓練生が、実際に
人体に行ったと同様な体験を実体験できるような多くの
疾患シナリオが多く用意されているような救急措置訓練
装置を提供すること。 【解決手段】人体の複数の心電波形を選択的に表示する
模擬心電計Bと、表示された前記心電波形に対応した処
置を設定できる処置設定手段56と、模擬心電計Bに表
示された心電波形の症状と該処置設定手段56の設定と
を比較する処置比較手段71、76、81と、該処置比
較手段の比較結果を表示する表示手段32と、を具備し
てなる救急措置訓練装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、救急措置訓練装置
に関し、特に直流通電法により施す救命処理の訓練に用
いる救急措置訓練装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、事故現場等の救急現場から患者
を病院まで搬送する際、救急救命士や医師が患者に対し
て二次救命措置を施す場合がある。二次救命措置には、
心臓の細動に対する除細動、気道確保等の措置が含まれ
ている。心臓の細動は、心筋細胞が統一性を失して、心
臓全体として各部分が細かく振動する状態を言うが、こ
の状態を放置すると、数分以内に患者の命を落とすよう
な重大な局面を迎えることもある。したがって、二次救
命措置、特に、心臓の細動に対する除細動の操作は、緊
急性とスキル(skill)を要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】二次救命措置を患者に
施すことができるスペシャリストを育てるため、或いは
救急救命士等二次救命措置を患者に施すことができる者
達の技術を向上させるため、心臓の細動に対する除細動
の緊急操作及び正確な判断と操作収得のための模擬装置
が開発されている。従来のこの種の模擬装置は、予め模
擬装置の中に設けたメモリの中に種々の心電図波形を記
憶させておき、指導する教官が、メモリの中の任意の波
形を選択してディスプレイに表示させ、訓練を受ける者
達に波形を示してその波形が何を意味するか判断させる
ような訓練方法のみであった。
【0004】上述の如き従来の方法では、実際にパドル
を人体に当てたりスイッチや設定つまみの操作などの訓
練にはなっていない。このため訓練生には、除細動とい
う施術者に恐怖を与えるような手技を覚えさせることが
できず、臨床で除細動を躊躇うあまり、その実施するタ
イミングを逸することになり、医療事故にもつながる危
険がある。本発明は上述の如き従来の不都合を解消しよ
うとするものであり、その目的は、直流通電法により施
す二次救命処理の訓練に用いる二次訓練模擬装置におい
て、患者とみなす施術人形に訓練生が施した処置の良否
を自動的に判断して、訓練生をエキスパートに導くこと
ができるような救急措置訓練装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る救急措置訓
練装置の説明に当たり、まず、直流通電法について説明
する。心室細動、心房細動を始め、多くの頻脈性不整脈
を停止させ、心臓を洞調律に復させる最も有効で最終的
な手段は直流通電法である。除細動(defibrillation)
は、心室細動の停止を目的とし、心室波に同期させずに
通電する方法である。カルディオーバージョン(cardio
version )は、心室細動以外の不整脈の停止を目的と
し、心室細動を起こさせないように心室波に同期させて
通電させる方法である。これらを合わせてカウンターシ
ョック(countershock)という。
【0006】心臓の不整脈の中に次のようなものがあ
り、これら不整脈の中に、直流通電法が有効なものがあ
る。 1、心室細動 2、心室頻拍 3、心房細動 4、心房粗動 5、心房性頻拍
【0007】心臓が心室細動を発作しているときの典型
的な心電図波形を図1の(ア)に示す。心臓にこの発作
があるとき、患者は数秒で意識を失い、致死的な状態に
陥る。また、時間経過と共に、除細動成功率が低下する
ため、場合によっては、訓練生が除細動するまでの時間
を計測して、訓練効果判断に用いることもできる。
【0008】心臓が心室頻拍に陥っているときの典型的
な心電図波形を図1の(イ)に示す。血行動態が保たれ
た症状、特に非虚血性の心室頻拍では、薬物やペーシン
グ治療で停止しないときに除細動法が適用となる。心筋
梗塞に合併する心室頻拍では、血圧低下に引き続きショ
ック、心室細動に陥りやすく、緊急に直流通電を必要と
することが多く、R波が無いか或いは小さい場合には、
非同期による除細動を行い、R波が見えるときには、R
波に同期させて除細動を行う。心拍が早いときには、R
波同期が困難で、T波に同期し、心室細動を誘発するこ
とがあるので、注意を要する。
【0009】心臓が心房細動を発作しているときの典型
的な心電図波形を図1の(ウ)に示す。患者が、 a、心房細動発生後1年以内で、自覚症状を有するもの
であるとき、 b、塞栓症の既往があり、心エコーで左房内血栓の存在
が否定できるもの、 c、甲状腺機能亢進症の治療後人も関わらず心房細動が
持続するとき、 d、心室レートが早く薬物ではコントロール不良のも
の、あるいはCa拮抗薬、β遮断薬など陰性変力作用を
持つ抗不整脈薬使用できない症例、 e、WPW症候群に伴う心房細動(偽性心室頻拍)、 の症状があるとき、まれに除細動を施術する場合が有る
が、通常では除細動を施術することはない。訓練生に対
してこれらのことを納得させた上、特別な場合としてR
波に同期させて直流通電法による除細動法を患者に適用
する旨を訓練生に納得させた上で、実行する。
【0010】心臓が心房粗動を発作しているときの典型
的な心電図波形を図1の(エ)に示す。この症状では、
患者に対して緊急性がないため、除細動を施術する例は
殆ど見られないが、薬物治療では、心房粗動の停止、及
び心室レートのコントロールが困難な例も多く、直流通
電が第一選択となる症例もある。訓練生に対してこれら
のことを納得させた上、特別な場合としてR波に同期さ
せて直流通電法による除細動法を患者に適用する旨を訓
練生に納得させた上で、実行する。
【0011】心臓が心房性頻拍に陥っているときの典型
的な心電図波形を図1の(オ)に示す。はじめに迷走神
経刺激、薬物治療、ペーシングなどを試み、これらが患
者に対して無効であるときに、直流通電法による除細動
法を患者に適用する旨を訓練生に納得させた上で、実行
する。
【0012】直流通電法は、上記5つの症状に適応する
が、本発明では、症状の少ない心房粗動と心房性頻拍を
除き、特に適用時に緊急を要する1、心室細動、2、心
室頻拍、3、心房細動の3症状に対する除細動訓練に用
いて好適な救急措置訓練装置の発明であり、さらに心臓
停止の症状時に、心臓マッサージに対する簡単な施術訓
練をも含む発明である。
【0013】上記のような直流通電法による除細動法の
シミュレートを行う本願発明は次のような救急措置訓練
装置を提供する。すなわち、本願の請求項1に記載の発
明は、心臓疾患に対して施す二次救命処理の訓練に用い
る救急措置訓練装置において、人体の複数の心電波形を
選択的に表示する模擬心電計と、表示された前記心電波
形に対応した処置を設定できる処置設定手段と、模擬心
電計に表示された心電波形の症状と該処置設定手段の設
定とを比較する処置比較手段と、該処置比較手段の比較
結果を表示する表示手段と、を具備してなる救急措置訓
練装置を提供する。本願の請求項2に記載の発明は、請
求項1に記載の発明に加えて、前記処置設定手段に設定
できる手段は、除細動処置であることを特徴とする救急
措置訓練装置を提供する。本願の請求項3に記載の発明
は、直流通電法により施す二次救命処理の訓練に用いる
救急措置訓練装置において、人体の複数の心電波形を選
択的に表示する模擬心電計と、除細動パッドをあてがっ
て放電を実施する手段を備え、前記模擬心電計に表示さ
れた心電波形の患者となる施術人形と、表示された前記
心電波形に対応した処置を設定できる処置設定手段と、
模擬心電計に表示された心電波形の症状と該処置設定手
段の設定とを比較する処置比較手段と、該処置比較手段
の比較結果を出力する手段と、前記模擬心電計に表示さ
れた心電波形の症状と該処置設定手段の設定とが合致し
たとき、模擬除細動の実行を認知する手段を備えた模擬
除細動器と、を具備してなる救急措置訓練装置を提供す
る。本願の請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求
項3に記載の発明に加えて、前記救急措置訓練装置は、
除細動施術後に実施する心臓マッサージ訓練器を具備す
ることを特徴とするに記載の救急措置訓練装置。本願の
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載
の発明に加えて、前記救急措置訓練装置は、除細動パッ
ドから施術人形に給電したとき、施術人形をショック動
させる人工筋肉を具備することを特徴とする救急措置訓
練装置を提供する。本願の請求項6に記載の発明は、請
求項5に記載の発明に加えて、前記人工筋肉は、除細動
の印加電荷量に比例してショックの大きさを規定するこ
とを特徴とする救急措置訓練装置を提供する。本願の請
求項7に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の
発明に加えて、前記救急措置訓練装置は、心電計電極を
規定位置に接続したとき、少なくとも模擬心電計が自動
的に動作状態となる自動電源投入手段を具備することを
特徴とする救急措置訓練装置を提供する。本願の請求項
8に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の発明
に加えて、前記救急措置訓練装置は、人体の複数の心電
波形を無作為に選択表示する表示手段を具備することを
特徴とする救急措置訓練装置を提供する。本願の請求項
9に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の発明
に加えて、前記救急措置訓練装置は、人体の複数の心電
波形を指定して表示する表示手段を具備してなる救急措
置訓練装置を提供する。本願の請求項10に記載の発明
は、請求項1又は請求項3に記載の発明に加えて、前記
救急措置訓練装置は、表示する心電波形からR波を検知
する手段を具備することを特徴とする救急措置訓練装置
を提供する。本願の請求項11に記載の発明は、請求項
1又は請求項3に記載の発明に加えて、前記救急措置訓
練装置は、除細動パッドの施術人形への当接の良否判断
手段を具備することを特徴とする救急措置訓練装置を提
供する。本願の請求項12に記載の発明は、請求項1又
は請求項3に記載の発明に加えて、前記救急措置訓練装
置は、心電波形のR波に同期して除細動放電させる手段
を具備することを特徴とする救急措置訓練装置を提供す
る。本願の請求項13に記載の発明は、請求項1又は請
求項3に記載の発明に加えて、前記救急措置訓練装置
は、除細動パッドに付設するスイッチの投入で除細動放
電させる手段を具備することを特徴とする救急措置訓練
装置を提供する。本願の請求項14に記載の発明は、請
求項1又は請求項3に記載の発明に加えて、前記救急措
置訓練装置は、心臓マッサージ実施の良否を判断する判
断手段を具備することを特徴とする救急措置訓練装置を
提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本願発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。図2は、本発明にかかる救急
措置訓練装置を示す構成図である。本発明に係る救急措
置訓練装置は、施術訓練を施す施術人形Aと、模擬心電
計Bと、模擬除細動器Cとからなる。施術人形Aには、
模擬除細動器Cから延びるパッドをあてがう一方の電極
エリア1が右鎖骨下に設けられ、他方の電極エリア2が
左胸脇に設けられる。これら電極エリア1,2は抵抗シ
ートからなり、訓練生のパッドの当て方の評価を行うた
め、図3に示すように、周辺に配置された抵抗エリアの
単位面積当たりの抵抗値は高く、中央に行くほど単位面
積当たりの抵抗値が小さくなるように構成されている。
電極エリア1,2間は、施術人形A内において、導線9
により接続されている。なお、これらの詳細な作用は後
に述べる。
【0015】胸部中央には、心臓マッサージ訓練用の空
気室3が形成されている。この空気室3は、図4に示す
ように、圧力センサ4に連結している。圧力センサ4で
検知した検知信号は、微分回路5で微分され、波形成形
回路6で波形成形された後、正方向のみのパルスを出力
する。このパルス信号は、訓練生が胸部を1回押圧する
毎に1個出力する。7は、このパルス信号が、規定のペ
ースで所定数押圧されたか否かの判別をする判別回路で
ある。
【0016】除細動を受けた後、患者の心臓が心停した
場合、或いは症状が改善されない場合、直ちに心臓マッ
サージと人工呼吸に移る。心臓マッサージと人工呼吸を
行う場合、標準で、100回/分の割合で胸部を15回
押圧し、次いで、2回の人工呼吸を施す。この一連の動
作を1セットとして、心臓の鼓動が回復するまで、継続
実行する。判別回路7内には、入力されたパルスをカウ
ントするカウンタ7−1、心臓を連続押圧する期間を設
定するタイマ7−2、その所定期間を設定する継続時間
設定回路7−3、その押圧回数が正しいか否かを判別す
る回数判定回路7−4を有する。この判別回路7では、
所定時間例えば、100回/分〜120/分の割合で1
4回乃至16回押圧したかを判別し、所定数に達した場
合には、合格信号を発生し、所定数未満の時或いは所定
回数以上の時は、フェール信号を発して訓練生に注意を
促す。なお、これらの結果を、周知の表示方法を用いて
後述の表示部32に表示させることができる。
【0017】図2において、10は人工筋肉である。該
人工筋肉10は、訓練生が施術人形Aに対して除細動を
施した時、施術人形Aに一瞬震えを起こさせるためのも
のである。人工筋肉10は、施術人形Aの例えば腹部の
スペース部分に強固に固定されている電磁マグネット1
1を有する。図5に示すように、電磁マグネット11内
には、電磁コイル12と、該電磁コイル12近傍で回転
自在なアーマチュア13を有する。アーマチュア13に
は、鋼索14が結合されている。施術人形Aに設けた人
工筋肉15は、例えば、棒状で弾力性のあるポリプロピ
レンのような合成樹脂からなり、施術人形Aの脊柱16
内側に埋め込まれている。そして、人工筋肉15の両端
は、鋼索14の延長部に接続している。17は滑車であ
る。鋼索14は途中施術人形Aの人工筋肉10と電磁マ
グネット11間に埋め込まれたフレキシブルシーズ1
4’の中を貫通しており、アーマチュア13が電磁コイ
ル12により吸引されると、鋼索14は、施術人形Aに
回転自在に設けられた滑車17を介して人工筋肉15の
両端を牽引し、一瞬人工筋肉15を湾曲させ、これに追
従する施術人形Aの背部は湾曲し、施術人形Aは一瞬震
えを起こし、訓練生に、除細動を施したときの施術人形
Aの震えを体験させる。
【0018】電磁コイル12の駆動は、主にコンデンサ
18に蓄電された電気エネルギにより行う。すなわち、
コンデンサ18は数ファラッド〜数十 ファラッド程度
の大容量を有し、あらかじめ、充電器となる直流電源1
9からコンデンサ18に電荷を蓄えておき、訓練生が除
細動を行ったとき、人工筋肉駆動回路20が動作して、
コンデンサ18に蓄えられていた大きな電荷を一気に電
磁コイル12に印加アーマチュア13に対して大きな吸
引力を発生させるように構成されている。なお21は、
電磁コイル12により吸引されたアーマチュア13を元
の位置に復帰させるための引っ張りばねである。
【0019】図2及び図6において、22、23は、除
細動時、患者に電流を供給する除細動パッドで、後述す
る模擬除細動器Cに付属するものである。除細動パッド
22,23は、図2に示すように、下面に電極24,2
5が設けられている。電極24,25は抵抗シートから
なり、訓練生のパッドの当て方の評価を行うため、図3
に示すように、周辺に配置された抵抗エリアの単位面積
当たりの抵抗値は高く、中央に行くほど単位面積当たり
の抵抗値が小さくなるように構成されている。除細動パ
ッド22、23のハンドル26、27には除細動操作用
のプッシュボタンスイッチ28、29が設けられてい
る。30、31はコネクタである。コネクタ30のF、
G端子はプッシュボタンスイッチ28の固定接点と接続
し、H端子は電極24に接続している。また、コネクタ
31のI、J端子はプッシュボタンスイッチ29の固定
接点と接続し、K端子は電極25に接続している。
【0020】模擬心電計Bは、図2に示すように、表面
に心電図を表示する表示部32を有する。模擬心電計B
は、このほか、N心電計電極33、+心電計電極34、
−心電計電極35が引き出されている。訓練生が、これ
らN心電計電極33、+心電計電極34、−心電計電極
35を施術人形Aの正しい位置に接続したとき、模擬心
電計Bは動作を開始し、表示部32に所定の心電波形を
表示することになるが、その詳細を次に示す。
【0021】図2及び図6において、36、37、38
は受け電極であり、模擬心電計Bから延びる前記3つの
電極を接続するための受け電極36,補極37−1と3
7−2を有する受け電極37,受け電極38である。受
け電極36と受け電極37の補極37−1間及び、補極
37−2と受け電極38間には、抵抗r1と電圧E1を
持つ電源39の直列回路がそれぞれ接続されている。
【0022】上記模擬心電計Bの詳細な回路ブロック図
を図7に示す。図7において、40はオペアンプからな
る比較回路である。比較回路40のプラス端子には、+
心電計電極34が接続され、そのマイナス端子と接地回
路との間には電圧E2を持つ電源41が接続されてい
る。また、−心電計電極35は、模擬心電計Bの接地回
路と接続している。N心電計電極33は、模擬心電計B
から、引き出された紐体の先端に取り付けられている。
42はスイッチ回路であり、比較回路40の出力が”
1”となったとき、スイッチ回路42が動作してオン信
号を発し、この信号で模擬心電計Bの表示部32に所定
の波形が表示されるように構成されている。そして、施
術人形Aに設けられた電源39の電圧と模擬心電計Bに
設けられた電源41の電圧との関係は、2E1>E2>
E1である。このため、+心電計電極34と受け電極3
8、−心電計電極35と受け電極36、N心電計電極3
3と受け電極37の補極37−1、37−2とがそれぞ
れ接触した時のみ、すなわち、N心電計電極33、+心
電計電極34、−心電計電極35が施術人形Aの所定の
位置に張り付けられたときのみ、模擬心電計Bが動作す
るように構成されている。
【0023】図7において、43は、波形データ記憶メ
モリであり、内部には、図1に示す 1、心室細動を示す典型的な波形、 2、心室頻拍を示す典型的な波形、 3、心房細動を示す典型的な波形(R波を含む波形と含
まない波形)、 を始め、心停止時の波形、施術が成功した時の正常な心
電波形、さらには、訓練生に注意を促す単文(文字デー
タ)等が記憶されており、表示波形指定回路44からの
指定信号により、所望のデータを読み出す。なお、心房
粗動及び心房性頻拍については、除細動を行うケースが
少ないので、訓練プログラムから除外した。
【0024】表示波形指定回路44から読み出されたデ
ータはR波検知回路45を通過する。そして、例えば、
心房細動を示す心電波形で、R波が顕著で、所定の閾値
を越えているようなときには、当該回路45からR波検
知信号が出力される。Rは検知回路45を通過した信号
は、駆動回路46で増幅された後、表示部32に表示さ
れる。
【0025】本発明に係る模擬心電計Bは、教官が所望
する波形を人為的に表示部32に表示させることができ
るほか、症状をランダムに表示することもできる。次に
その動作を行わせるための構成を説明する。図7におい
て、47はその動作を選択するためのファンクションス
イッチである。ファンクションスイッチ47は6段の切
り替えスイッチであり、 1、ランダムな症状表示 2、心室細動症状表示 3、心室頻拍症状表示1(R波が認められないとき) 4、心室頻拍症状表示2(R波が認められるとき) 5、心房細動症状表示 6、心臓停止症状表示 の表示を選択することができる。1は、症状をランダム
に出現させ、そのランダムに出現した症状に対して適切
に訓練生が対処できるように教育する場合に使用する。
上記2乃至6は、選択された症状に対して訓練生を教育
する時に使用する。
【0026】処置設定手段としてのファンクションスイ
ッチ47が”ランダム症状出現”に切り替えられている
とき、電源50から症状出現割合指定回路48とランダ
ム症状出現回路49にイネーブル信号eb信号が与えら
れ、これらが動作を開始する。症状出現割合指定回路4
8は、心室細動症状、心室頻拍症状(R波なし)、心室
頻拍症状(R波あり)、心房細動症状、心臓停止症状の
それぞれの出現率を教官が任意にセットすることがで
き、セットされた症状出現率データはランダム症状出現
回路49に送られる。
【0027】ランダム症状出現回路49では、例えば、
10msの期間を1周期として、前記5つの症状が均等
に現れるようにセットされているとするならば、5つの
各出力端子に、各2msごとに”1”信号が現れる。そ
して、訓練生が模擬心電計Bから引き出されている3つ
の心電計電極33乃至35を施術人形Aの受け電極36
乃至38に正確に接触させると、スイッチ回路42から
オン信号が発せられ、これがランダム症状出現回路49
に印加されると、これの出力信号の順送りは停止し、オ
ン信号が印加されたときに”1”が出力されている端子
の状態を保持する。この信号は、表示波形指定回路44
に加えられ、該表示波形指定回路44はこの信号が意味
する症状を踏まえて、波形データ記憶メモリ43に対し
て当該症状に該当する波形の読み出しを命令する。読み
出し命令を受けた波形データ記憶メモリ43は、この波
形データを読み出し、表示部32にこの波形を表示させ
る。
【0028】一方、ファンクションスイッチ47がラン
ダム症状出現位置以外の位置に切り替えられたとき、症
状出現割合指定回路48とランダム症状出現回路49へ
のイネーブル信号はネガチーブになるので、これらの回
路は休止し、かわって、選択された症状のみが”1”と
なり、この信号は表示波形指定回路44に印加され、こ
の症状の波形が表示部32に表示されることになる。
【0029】図8は、模擬除細動器Cを示すブロック図
である。図において、51、52は除細動パッド22、
23を模擬除細動器Cに接続するためのコネクタであ
り、コネクタ51の端子f、g、hはそれぞれコネクタ
30の端子F、G、Hと接続し、コネクタ52の端子
i、j、kはそれぞれコネクタ31の端子I、J、Kと
接続する。
【0030】図面上部右に位置する53は可変電圧電源
でり、隣接するコンデンサ54を充電するためのもので
ある。この可変電圧電源53は、後に述べる充電量切り
替え器55と連動する充放電量設定ノブ56により、電
圧を段階的に変化させることができる。また、可変電圧
電源53は、抵抗80を通じて、人工筋肉15の直流電
源19に接続されている。57はコンデンサ54に電荷
を充電するための充電スイッチであり、この充電スイッ
チ57をオンにすると、可変電圧電源53から抵抗58
を通して所定量の電荷が充電される。
【0031】充電量切り替え器55は、5段階の切り替
えスイッチである。しかしながら、充放電量設定ノブ5
6の目盛りは、10ジュールから500ジュールまで1
0ジュールごとに50段階に目盛られている50ステッ
プ切換器である。そして、充放電量設定ノブ56が34
0ジュールから380ジュール間にあるとき、充電量切
り替え器55の切り替えスイッチは、a接点にあり、こ
れがハイレベルとなる。充放電量設定ノブ56が280
ジュールから320ジュール間にあるとき、充電量切り
替え器55の切り替えスイッチは、b接点にあり、これ
がハイレベルとなる。充放電量設定ノブ56が180ジ
ュールから220ジュール間にあるとき、充電量切り替
え器55の切り替えスイッチは、c接点にあり、これが
ハイレベルとなる。充放電量設定ノブ56が80ジュー
ルから170ジュール間にあるとき、充電量切り替え器
55の切り替えスイッチは、d接点にあり、これがハイ
レベルとなる。充放電量設定ノブ56が40ジュールか
ら60ジュール間にあるとき、充電量切り替え器55の
切り替えスイッチは、e接点にあり、これがハイレベル
となる。なお、充放電量設定ノブ56がそれ以外のレン
ジにあるときは、切り換えスイッチのショートリング5
5−1はa〜d接点に接触していて、これら接点にハイ
レベル信号は出ない。なお、可変電圧電源53の出力電
圧は、充放電量設定ノブ56の設定値が多ければ多いほ
ど出力電圧は高くなるが、ジュール量と比例させる必要
はない。
【0032】60は放電抵抗である。61は放電リレー
であり、リレー駆動回路62が動作すると、放電リレー
61はオンとなり、コンデンサ54に蓄えられていた電
荷が放電抵抗60を介して放電される。63はコンデン
サ54の放電の際、放電抵抗60の両端に生じる電圧を
検知する放電検知回路である。
【0033】コネクタ51、52に除細動パッド22、
23を接続し、コンデンサ54に電荷が蓄えられている
状態で、除細動パッド22、23に設けられているプッ
シュボタンスイッチ28、29を同時に押圧すると、コ
ンデンサ54の電荷の一部は実行抵抗64、コネクタ5
1、30、プッシュボタンスイッチ28、コネクタ3
1、プッシュボタンスイッチ29、コネクタ31、52
の回路が作られ、実行抵抗64の両端に電圧が生じる。
この電圧波形は波形成形回路65でパルス波に波形成形
される。このパルスは実行検知回路66で検知され、そ
の立ち上がりのタイミングで、実行検知回路66から実
行検知信号が発せられ、この信号は放電検知回路63か
ら放電検知信号が発せられるまで保持される。
【0034】一方、リレー駆動回路62の入力側には、
同期・非同期スイッチ67が設けられており、該スイッ
チ67が非同期側にあるとき、実行検知回路66から実
行検知信号が発せられると、この信号でリレー駆動回路
62が動作し、放電リレー61がオンし、コンデンサ5
4の電荷は、小さな抵抗値の放電抵抗で一気に放電され
る。
【0035】もし、除細動パッド22,23に設けられ
ている電極24、25が施術人形Aの正確な位置に接触
していないとき、この放電動作は、有効とならない。こ
の様な電極の接続状態を検知するために、本発明では、
前述のように、電極24,25は抵抗シートからなり、
訓練生のパッドの当て方の評価を行うため、図3に示す
ように、周辺に配置された抵抗エリアの単位面積当たり
の抵抗値は高く、中央に行くほど単位面積当たりの抵抗
値が小さくなるように構成されている。従って、これら
電極が正確な位置に接触しているときは、接触抵抗が小
さくなるため、比較回路68のプラス端子の電圧が、マ
イナス端子に接続された電源E4よりも高くなるので、
比較回路68の出力はハイレベルとなり、電極の扱いは
成功となる。もし、これら電極が正確な位置に接触して
いないときは、接触抵抗が大きくなり、それらの接触の
仕方によって、比較回路68のプラス端子の電圧が、マ
イナス端子に接続された電源E4よりも低くなると、比
較回路68の出力はハイレベルとならず、電極の扱いは
失敗となる。
【0036】除細動動作において、施術人形Aに印加す
る電荷量は、症状及び施術回数によりそれぞれ異なる。
また、症状により心電波形中に顕著なR波が現れている
ときには、施術人形AからR波を受信した直後あるいは
所定のタイミング後に除細動を行う。そのため、同期除
細動操作を実行するときは、同期・非同期スイッチ67
を同期側に切り替える。そして、実行検知信号とR波検
知信号が論理積回路69で論理積がとれたとき、除細動
を行う。
【0037】訓練生が訓練実施に当たり、模擬心電計B
から延びるN心電計電極33、+心電計電極34、−心
電計電極35をそれぞれ施術人形Aに正確に張り付ける
と、模擬心電計Bの表示部32に心電波形が現れる。訓
練生は、表示された心電波形を見て患者の症状を判断
し、その症状に合致した適切な放電電荷量を決定し、充
電量切り替え器55をセットする。
【0038】例えば、表示部32に現れた心電波形が心
室細動の波形であったならば、訓練生は、図9に示す表
に従い、第1回目には、充放電量設定ノブ56を操作し
て、放電量を200Jに設定し、同期・非同期スイッチ
67を非同期側に切り替える。
【0039】表示部32に表示された心電波形が心室細
動波形であるので、模擬心電計Bのア端子のみが”1”
となっており、この信号は、模擬除細動器Cの処置比較
手段としての論理回路71を構成する論理積ゲート71
ー1の一方の端子に印加される。また論理積ゲート71
ー1の他方の端子には、充電量切り替え器55のcか
ら”1”信号が印加されている。そのため、論理回路7
1を構成する論理積ゲート71−1の出力端は”1”と
なり、訓練生の設定は正しいことになる。
【0040】この状態で訓練生が充電スイッチ57のボ
タンを押圧する。この動作で、可変電圧電源53から、
抵抗58を介してコンデンサ54に電荷が充電されると
共に、人工筋肉15の直流電源19を介してコンデンサ
18に電荷が充電される。この充電される電荷は、可変
電圧電源53の電圧に依存する。充電スイッチ57の押
圧で、コンデンサ54に所定の電荷量が充電された後、
施術人形Aの所定位置に除細動パッド22,23を宛
い、プッシュボタンスイッチ28、29のボタンを押圧
すると、コンデンサ54の電荷の一部は実行抵抗64、
コネクタ51、30、プッシュボタンスイッチ28、コ
ネクタ31、プッシュボタンスイッチ29、コネクタ3
1、52の回路が作られ、実行抵抗64の両端に電圧が
生じる。この電圧波形は波形成形回路65でパルス波に
波形成形される。このパルスは実行検知回路66で検知
され、その立ち上がりのタイミングで、実行検知回路6
6から実行検知信号が発せられ、この信号は放電検知回
路63から放電検知信号が発せられるまで保持される。
【0041】実行検知信号はリレー駆動回路62を駆動
し、放電リレー61をオンしてコンデンサ54に蓄えら
れていた電荷は一気に放電し、この放電を放電検知回路
63により検知し、これから放電検知信号が発せられ
る。この信号は直ちに施術人形A内に設けられている人
工筋肉に印加され、人工筋肉が動作して、施術人形A
は、一瞬振動し、訓練生に放電ショックが施術人形A内
で発生したことを体得させる。この振動の大きさは、人
工筋肉15に設けられたコンデンサ18に蓄えられた電
荷量に依存する。
【0042】この放電動作は、カウンタ100で計数さ
れる。この放電は第1回目であるから、カウンタ100
からは1回目の信号が出力される。このカウント信号は
切換回路101に印加され、第1回目動作に関係する論
理回路71からの信号を出力する。このとき、論理積ゲ
ート71−1の出力は”1”であるので、この信号は切
換回路101から出力され、論理積回路102に入力さ
れる。論理積回路102には、このほか放電検知信号
と、除細動パッド22、23の電極が正確に施術人形A
に接触しているか否かの判定信号(電極扱い成功信号)
が比較回路68から入力されており、今回はこれらが正
常で、全て”1”である。従って、論理積回路102か
ら”1”が出力され、失敗・合格判定回路103に入力
される。
【0043】失敗・合格判定回路103への入力が”
1”であるので、この回路からは一応除細動合格信号が
出力される。もしこのとき、失敗・合格判定回路103
への入力が”0”であれば、この回路から除細動失敗信
号が出力され、この信号はビープ信号発生回路104に
印加され、除細動失敗を告げるビープ音が発せられると
共に、全回路りセット信号発生回路105からリセット
信号が出力されて、この信号により、全回路がリセット
されて、一連の動作は終了する。
【0044】失敗・合格判定回路103からの出力が”
1”であり、一応除細動合格信号が出力されると、この
信号は、成否決定回路106に入力される。この回路で
は、施術の成功・不成功を判定する。すなわち、除細動
の施術が手順通り正確に行われたとしても、患者の体調
により、必ずしも除細動が成功するとは限らず、何パー
セントかの除細動失敗がある。成否決定回路106で
は、除細動の成否を症状別に判定する。このために、当
該回路には、模擬心電計Bから、症状指定信号であるア
〜オの内のいずれかが入力される。たとえば、心房細動
(ウ)の場合は、ほぼ100%の成功率とし、心臓停止
(オ)の時は約20%とするが、この症状別の成功率
は、教官が、成功率設定回路107により任意に設定す
ることができる。
【0045】成否決定回路106は、例えば、症状ごと
に100ビットのメモリを持ち、例えば、成功率90%
に設定するときは、100ビットの内90個に”1”を
書き込み、残りの10個に”0”書き込んでおく。この
書き込み動作は、成功率設定回路107により行う。予
め症状信号”ア”〜”オ”により該当する所定のメモリ
を選択し、メモリの00番地から99番地までを順次高
速で読み出し、失敗・合格判定回路103から除細動操
作合格信号が成否決定回路106に入力されたタイミン
グでメモリの走査を停止させ、そのときの読み出し信号
が”1”の時、施術成功とし、”0”の時、施術不成功
とする。なお、成否決定回路106は、必ずしも上記の
ような構成を有する必要はなく、失敗・合格判定回路1
03から発せられた除細動操作合格信号に対して成功率
を演算できるものなら、どのような回路を使用してもよ
いことは言うまでもないことである。
【0046】除細動の施術が成功し、成否決定回路10
6から成功信号が発せられると成功信号発生回路108
から連続して除細動操作成功信号が発生し、この信号
は、模擬心電計Bの表示波形指定回路44に正常波形表
示信号として入力され、表示部32に正常心電波形が所
定時間表示される。成功信号は同時に全回路リセット信
号発生回路105に入力され、全回路りセット信号発生
回路105からリセット信号が出力されて、この信号に
より、全回路がリセットされて、一連の動作は終了す
る。
【0047】成否決定回路106から除細動操作不成功
信号が発せられた場合、この信号は充電操作リセット信
号発生回路110に入力される。そして、この回路から
は、部分リセット信号が発生し、所定の回路、すなわ
ち、表示されている心電波形を記憶保持する回路等を除
き、次の充放電操作に備える回路がイニシアライズされ
る。
【0048】また、この信号は、除細動施術カウンタ1
11に入力される。この回路には、症状信号ア〜オが入
力されており、症状別にキャリーオーバ信号発生までの
カウント回数が異なる。この回数は、図9に示すよう
に、心室細動症状の場合は、3回目でキャリーオーバ信
号を発し、心室頻拍(脈なし)症状の場合は、3回目で
キャリーオーバ信号を発し、心室頻拍(脈あり)症状の
場合は、1回目でキャリーオーバ信号を発して患者の経
過観察となり、心房細動症状の場合は、1回目でキャリ
ーオーバ信号を発して経過観察の状態となり論理積ゲー
ト71−3の出力を”1”にしてこの信号で、表示部3
2に経過観察を表示させ、心臓停止症状の場合は、1回
目でキャリーオーバ信号を発して心臓マッサージの実行
を促す。
【0049】このように、本発明では、各症状により決
められた施術回数除細動を行っても、患者が回復しない
場合(キャリーオーバ信号が発せられた場合)、表示部
32に表示される心電波形はそのまま表示し続けられ、
キャリーオーバ信号は心臓マッサージ器電源回路112
に入力され、心臓マッサージの動作に入る。また、前記
キャリーオーバ信号は、そのまま心臓マッサージプロン
プト信号となり、模擬心電計Bの表示波形指定回路44
に入力され、表示部に心臓マッサージ動作に移るように
促す表示が成される。
【0050】心臓マッサージの圧迫する位置について
は、大人では、片方の手の人指し指と中指を肋骨下縁に
沿わせて、少しずつ上にずらせて行き、胸骨下部で止
め、その人指し指のすぐ上にもう一方の手の母指球を接
するように置く(2つの乳頭を結んだ線上中央位置)。
心臓マッサージでは、剣状突起や肋骨の骨折を避けるよ
うにしなければならない。本発明では、空気室3を、上
記趣旨に添った位置に配設してある。なお、本発明は、
心臓マッサージ及び人工呼吸の訓練のために開発された
ものではないので、除細動の施術後、心臓マッサージを
所定回数だけ行ったか否かの判定を行うのみにとどめ
る。なお、周知の人工呼吸訓練器を、施術人形Bに組み
込んでおき、本発明の装置と組み合わせた訓練器とすれ
ば、訓練効果がさらにます。
【0051】図9の記載から分かるように、各症状別
に、施術回数が異なり、かつ、施術人形A印加する電荷
量や印加方法が異なる。本発明では、自動的にしろ、意
識的にしろ、指示された症状の波形から、訓練生が的確
な処置を選び出したときのみ、合格点が与えられる。こ
のような判断作用が成されるために、本発明では、図8
に示す処置比較手段としての論理回路71、76、81
を有する。各論理解路は、5個の論理積ゲートからな
り、これらの論理積ゲートには、論理回路の図番の後
に、「−x」(xは論理積ゲートの図番)が付されてい
る。各論理積ゲートの2つの入力端の一方には、図10
に示すように、症状信号”ア”〜”オ”の内の所定のも
のが接続されている。また、他方端には、充放電量設定
信号となる”a”〜”e”の内の所定のものが接続され
ている。そして、設定された症状に対して適切な充放電
量が設定されているとき、当該論理積ゲートが選択され
たとき、有効な放電が行われるように構成されている。
【0052】以上、本発明を上述の実施の形態により説
明したが、例えば、図8に示すブロック図に加えて、模
擬心電計Bの表示部32に波形が表示されたときから除
細動パッド22,23のプッシュボタンスイッチ28,
29が押圧されるまでの時間を計測するタイマーを設け
ておき、処置を行うまでの時間の計測により、訓練生の
迅速性を鍛える実施の形態、また、模擬除細動器Cにお
いて、教官が設定するスイッチやノブを訓練生が見るこ
とができないように、図2で点線で示すようなリモート
コントローラを設けた実施の形態など、本発明の主旨の
範囲内で種々の変形や応用が可能であり、これらの変形
や応用を本発明の範囲から排除するものではない。
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
直流通電法により施す二次救命処理の訓練に用いる二次
訓練模擬装置において、人体の心室細動状態の複数の心
電波形を選択的に表示する模擬心電計と、表示された前
記心電波形に対応した処置を設定できる処置設定手段
と、模擬心電計に表示された心電波形の症状と該処置設
定手段の設定とを比較する処置比較手段と、該処置比較
手段の比較結果を表示する表示手段と、を具備してなる
救急措置訓練装置を提供しているので、患者とみなす施
術人形に予め訓練生が施した処置の良否を自動的に判断
して、その結果を表示できるので、訓練生に対して実際
の施術に近いシミュレーションを体験させることがで
き、訓練生をエキスパートに導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、除細動の適用となる心電図を示す。
【図2】図2は、本発明に係る救急措置訓練装置の構成
図を示す。
【図3】図3は、パッドの電極構造を示す平面図であ
る。
【図4】図4は、心臓マッサージ器のブロック図であ
る。
【図5】図5は、人工筋肉のブロック図である。
【図6】図6は、施術人形と除細動パッドのブロック図
である。
【図7】図7は、模擬心電計のブロック図である。
【図8】図8は、模擬除細動器のブロック図である。
【図9】図9は、症状に対する処置の関係を示す図表図
である。
【図10】図10は、症状に対する処置と論理積ゲート
の入力信号との関係を示す図表図である。
【符号の説明】
A・・・・・施術人形 B・・・・・模擬心電計 C・・・・・模擬除細動器 +・・・・・受け電極 −・・・・・受け電極 N・・・・・受け電極 1・・・・・電極エリア 2・・・・・電極エリア 3・・・・・空気室 4・・・・・圧力センサ 5・・・・・微分回路 6・・・・・波形成形回路 7・・・・・判別回路 7−1・・・カウンタ 7−2・・・タイマ 7−3・・・継続時間設定回路 7−4・・・回数判定回路 8・・・・・心臓マッサージ訓練器 9・・・・・導線 10・・・・・人工筋肉 11・・・・・電磁マグネット 12・・・・・電磁コイル 13・・・・・アーマチュア 14・・・・・鋼索 14’・・・・フレキシブルシーズ 15・・・・・人工筋肉 16・・・・・脊柱 17・・・・・滑車 18・・・・・コンデンサ 19・・・・・直流電源 20・・・・・人工筋肉駆動回路 21・・・・・引っ張りばね 22・・・・・除細動パッド 23・・・・・除細動パッド 24・・・・・電極 25・・・・・電極 26・・・・・ハンドル 27・・・・・ハンドル 28・・・・・プッシュボタンスイッチ 29・・・・・プッシュボタンスイッチ 30・・・・・コネクタ 31・・・・・コネクタ 32・・・・・表示部 33・・・・・N心電計電極 34・・・・・+心電計電極 35・・・・・−心電計電極 36・・・・・受け電極 37・・・・・受け電極 37−1・・・補極 37−2・・・補極 38・・・・・受け電極 39・・・・・電源 40・・・・・比較回路 41・・・・・電源 42・・・・・スイッチ回路 43・・・・・波形データ記憶メモリ 44・・・・・表示波形指定回路 45・・・・・R波検知回路 46・・・・・駆動回路 47・・・・・ファンクションスイッチ 48・・・・・症状出現割合指定回路 49・・・・・ランダム症状出現回路 50・・・・・電源 51・・・・・コネクタ 52・・・・・コネクタ 53・・・・・可変電圧電源 54・・・・・コンデンサ 55・・・・・充電量切り替え器 55−1・・・ショートリング 56・・・・・充放電量設定ノブ 57・・・・・充電スイッチ 58・・・・・抵抗 59・・・・・電源 60・・・・・放電抵抗 61・・・・・放電リレー 62・・・・・リレー駆動回路 63・・・・・放電検知回路 64・・・・・実行抵抗 65・・・・・波形成形回路 66・・・・・実行検知回路 67・・・・・同期・非同期スイッチ 68・・・・・比較回路 69・・・・・論理積回路 71・・・・・論理回路 71−1・・・論理積ゲート 80・・・・・抵抗 100・・・・・カウンタ 101・・・・・切換回路 102・・・・・論理積回路 103・・・・・失敗・合格判定回路 104・・・・・ビープ信号発生回路 105・・・・・全回路りセット信号発生回路 106・・・・・成否決定回路 107・・・・・成功率設定回路 108・・・・・成功信号発生回路 109・・・・・リセット信号発生回路 110・・・・・充電操作リセット信号発生回路 111・・・・・除細動施術回数カウンタ 112・・・・・心臓マッサージ器電源回路

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流通電法により施す救急措置の訓練に用
    いる救急措置訓練装置において、 人体の複数の心電波形を選択的に表示する模擬心電計
    と、 表示された前記心電波形に対応した処置を設定できる処
    置設定手段と、 模擬心電計に表示された心電波形の症状と該処置設定手
    段の設定とを比較する処置比較手段と、 該処置比較手段の比較結果を表示する表示手段と、を具
    備してなる救急措置訓練装置。
  2. 【請求項2】前記処置設定手段に設定できる手段は、除
    細動処置であることを特徴とする請求項1に記載の救急
    措置訓練装置。
  3. 【請求項3】直流通電法により施す救急措置の訓練に用
    いる救急措置訓練装置において、 人体の複数の心電波形を選択的に表示する模擬心電計
    と、 除細動パッドをあてがって放電を実施する手段を備え、
    前記模擬心電計に表示された心電波形の患者となる施術
    人形、 表示された前記心電波形に対応した処置を設定できる処
    置設定手段と、模擬心電計に表示された心電波形の症状
    と該処置設定手段の設定とを比較する処置比較手段と、
    該処置比較手段の比較結果を出力する手段と、前記模擬
    心電計に表示された心電波形の症状と該処置設定手段の
    設定とが合致したとき、模擬除細動の実行を認知する手
    段を備えた模擬除細動器と、を具備してなる救急措置訓
    練装置。
  4. 【請求項4】前記救急措置訓練装置は、除細動施術後に
    実施する心臓マッサージ訓練器を具備することを特徴と
    する請求項1又は請求項3に記載の救急措置訓練装置。
  5. 【請求項5】前記救急措置訓練装置は、除細動パッドか
    ら施術人形に給電したとき、施術人形をショック動させ
    る人工筋肉を具備することを特徴とする請求項1又は請
    求項3に記載の救急措置訓練装置。
  6. 【請求項6】前記人工筋肉は、除細動の印加電荷量に比
    例してショックの大きさを規定することを特徴とする請
    求項5に記載の救急措置訓練装置。
  7. 【請求項7】前記救急措置訓練装置は、心電計電極を規
    定位置に接続したとき、少なくとも模擬心電計が自動的
    に動作状態となる自動電源投入手段を具備することを特
    徴とする請求項1又は請求項3に記載の救急措置訓練装
    置。
  8. 【請求項8】前記救急措置訓練装置は、人体の複数の心
    電波形を無作為に選択表示する表示手段を具備すること
    を特徴とする請求項1又は請求項3に記載の救急措置訓
    練装置。
  9. 【請求項9】前記救急措置訓練装置は、人体の複数の心
    電波形を指定して表示する表示手段を具備してなる請求
    項1又は請求項3に記載の救急措置訓練装置。
  10. 【請求項10】前記救急措置訓練装置は、表示する心電
    波形からR波を検知する手段を具備することを特徴とす
    る請求項1又は3に記載の救急措置訓練装置。
  11. 【請求項11】前記救急措置訓練装置は、除細動パッド
    の施術人形への当接の良否判断手段を具備することを特
    徴とする請求項1又は3に記載の救急措置訓練装置。
  12. 【請求項12】前記救急措置訓練装置は、心電波形のR
    波に同期して除細動放電させる手段を具備することを特
    徴とする請求項1又は3に記載の救急措置訓練装置。
  13. 【請求項13】前記救急措置訓練装置は、除細動パッド
    に付設するスイッチの投入で除細動放電させる手段を具
    備することを特徴とする請求項1又は3に記載の救急措
    置訓練装置。
  14. 【請求項14】前記救急措置訓練装置は、心臓マッサー
    ジ実施の良否を判断する判断手段を具備することを特徴
    とする請求項1又は3に記載の救急措置訓練装置。
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