JP2003253677A - 法面施工構造及び法面保護用受圧板 - Google Patents

法面施工構造及び法面保護用受圧板

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JP2003253677A
JP2003253677A JP2002057345A JP2002057345A JP2003253677A JP 2003253677 A JP2003253677 A JP 2003253677A JP 2002057345 A JP2002057345 A JP 2002057345A JP 2002057345 A JP2002057345 A JP 2002057345A JP 2003253677 A JP2003253677 A JP 2003253677A
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soil
slope
plant
floor material
planting
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JP2002057345A
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Koichi Kubo
幸一 久保
Kenji Kobiki
謙治 木挽
Akira Nakano
明 中野
Osamu Eito
修 栄藤
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】土等の植栽用の床材の流出を防止しながらも、
種子の発芽効率を向上させることができるようにする。 【解決手段】前記植物栽培床材として、植物の種子を備
える袋本体の中に、土を入れてある植栽土嚢Dを、前記
収容部に収容し、その植栽土嚢Dの上に土dを積載し、
その積載してある土dの上側を、植物の通過可能な土流
出防止材Cで覆ってある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法面施工構造およ
び法面保護用受圧板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、法面に設置される法面保護用受圧
板にて植物を生育させて、法面すなわち地山の緑化を図
ることが検討されている。例えば、法面保護用受圧板
に、植物栽培床材を収容可能な上方に開口を有する収容
部を形成し、前記収容部に植物栽培床材として、袋本体
の中に土を入れてある植栽土嚢を収容することが提案さ
れており、この場合には、降雨や風等が前記収容部に吹
き付けたとしても、袋本体が障壁となり土が収容部から
流出するのを防止することができるという利点があり、
注目されている(例えば、特願平2001−21436
号等)。尚、前記植栽土嚢としては、一般的に、土の中
に植物の種子を備えさせておくよりも、少ない種子の量
で高い発芽率を期待できることから、袋本体自体に種子
を備えさせておき、その袋本体の中に土を入れてあるも
のが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように植栽土嚢
を収容部に収容すると、確かに、植物生育用の土が収容
部から流出してしまうことは防止できるものの、次のよ
うな不具合の生じるおそれある。つまり、図22に示す
ように、植栽土嚢Dは、袋本体13の中に土14を入れ
てあるが、袋の中には必ず空隙が存在するため、袋本体
13には、その中に入れられる土14と接触しない箇所
が生じる。すると、そのような土14と接触しない箇所
では、袋本体13の裏面や内部に備えられる種子tは土
14と接触せず発芽することがなく、種子tの発芽効率
が低下してしまう不具合の生じるおそれがあり、殊に降
雨等により植栽土嚢D内の土14がしまり圧密される
と、袋の中の空隙がより多くなるため、このような不具
合の発生するおそれがより高まる。
【0004】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、土等の植栽用の床材の流出を防
止しながらも、種子の発芽効率を向上させることができ
るようにするところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明に係る第1の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の
請求項1に記載したとおり、法面に載置自在な載置底板
部を備えると共に、植物栽培床材を収容可能な上方に開
口を有する収容部を形成してある法面保護用受圧板を、
地中に係止したアンカー部材を用いて法面に圧接し、前
記収容部に植物栽培床材を収容してある法面施工構造で
あって、前記植物栽培床材として、植物の種子を備える
袋本体の中に、土を入れてある植栽土嚢を、前記収容部
に収容し、その植栽土嚢の上に土を積載し、その積載し
てある土の上側を、植物の通過可能な土流出防止材で覆
ってあるところにある。
【0006】上記第1の特徴構成から次のような作用及
び効果を期待することができる。つまり、単に、植物の
種子を備える袋本体の中に土を入れてある植栽土嚢を、
収容部に収容するだけでなく、その植栽土嚢の上に土を
積載してあるので、その積載された土の荷重を受け、植
栽土嚢の上部は下方に押さえつけられる。すると、袋本
体の上部も、前記積載された土の荷重により下方に押さ
えつけられるため、その袋本体の中に入れてある土の方
に押さえつけられるようになり、その結果、袋本体に備
えられる植物の種子と、その袋本体の中に入れてある土
との接触性が向上され、かかる植物の種子の発芽率を向
上させることが可能となる。しかも、その植栽土嚢の上
に積載してある土の上側を、土流出防止材で覆ってある
ので、土流出防止材が障壁となり、かかる植栽土嚢の上
に積載してある土の収容部からの流出は防止され、ま
た、植栽土嚢の中の土は袋本体及び土流出防止材が障壁
となり、その収容部からの流出も防止される。従って、
土等の植栽用の床材の流出を防止しながらも、種子の発
芽効率を向上させることができるようになる。
【0007】尚、前記土流出防止材は、植物の貫通可能
なものであるから、植栽土嚢には植物の発芽生育に必要
となる水分や酸素等は適度に供給され、植物を良好に発
芽生育させ易く、そして、十分に生育した植物は、土流
出防止材を貫通することができ、地山の緑化が図られ
る。
【0008】因みに、本第1の特徴構成を備える法面施
工構造を施工するにあたっては、例えば、植栽土嚢を収
容部に収容したり、その植栽土嚢の上に土を積載した
り、その積載してある土の上側を土流出防止材で覆う作
業は、法面保護用受圧板を法面に設置や固定した後に、
行うようにすれば、施工現場の状況に応じてより的確な
施工を行い、植栽土嚢の袋本体の浮き上がりを防止し発
芽率を向上させたり、土の流出を防止することができ、
また、法面保護用受圧板として、予め、収容部に植栽土
嚢を収容してあるものや、収容部に収容される植栽土嚢
の上に土を積載してあるものを用い、法面に設置や固定
するようにすれば、あまり手間をかけることなく、土等
の植栽用の床材の流出を防止しながらも、種子の発芽効
率を向上させることができるようになり、利便である。
【0009】さらに、特許請求の範囲の欄の請求項2に
記載したとおり、フレーム本体に、法面に載置自在な載
置底板部を設けると共に、上方に開口を有し且つ植物栽
培床材を収容可能可能な収容部を設け、地中に係止する
アンカー部材に対する係止連結部を設けてある法面保護
用受圧板であって、前記植物栽培床材として、植物の種
子を備える袋本体の中に、土を入れてある植栽土嚢が、
前記収容部に収容され、その植栽土嚢の上に、土が積載
され、植物の通過可能な土流出防止材を、前記積載して
ある土の上方に覆わせた状態で、前記フレーム本体に固
定してあるものであれば、あまり手間をかけることなく
上述の第1の特徴構成を備える法面施工構造を施工する
ことができ、その上に、法面保護用受圧板を、法面に設
置や固定する際や、その保管時や運搬時等においても、
収容部から前記積載された土や植栽土嚢が流出してしま
うのが防止されることを期待することもできる。
【0010】さらに、特許請求の範囲の欄の請求項3に
記載したとおり、植物が通過可能であると共に、植栽土
嚢の荷重がかかっても破壊されない剛性を有する土嚢落
下防止材を、前記土流出防止材の上方に覆わせた状態
で、前記フレーム本体に固定してある法面保護用受圧板
であれば、法面保護用受圧板を、法面に設置や固定する
際や、その保管時や運搬時等において、植栽土嚢が収容
部から落下しそうになったとしても、土嚢落下防止材が
障壁となり収容部からの落下を確実に防止することがで
きるようになる。また、法面に圧接された後も、仮に、
地震等により植栽土嚢が収容部から落下しそうになった
としても、土嚢落下防止材によりその落下を確実に防止
することもできる。
【0011】先の目的を達成するため本発明に係る第2
の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載し
たとおり、法面に載置自在な載置底板部を備えると共
に、植物栽培床材を収容可能な上方に開口を有する収容
部を形成してある法面保護用受圧板を、地中に係止した
アンカー部材を用いて法面に圧接し、前記収容部に植物
栽培床材を収容してある法面施工構造であって、前記植
物栽培床材として、土を前記収容部に収容し、その土に
植物の種子を播種し、その播種された土の上側を、植物
の通過可能な土流出防止材で覆ってあるところにある。
【0012】上記第2の特徴構成から次のような作用及
び効果を期待することができる。つまり、土を収容部に
収容し、その土に植物の種子を播種してあるので、土と
植物の種子の接触は良好に保たれ、その種子の発芽率を
向上させることができる。しかも、その播種された土の
上側は、土流出防止材で覆ってあるので、その土が収容
部から流出するのを防止することができると共に、その
土流出防止材が障壁となり、風雨等により、前記土と播
種された植物の種子との接触性が低下するのも防止され
る。従って、土等の植栽用の床材の流出を防止しながら
も、種子の発芽効率を向上させることができるようにな
る。
【0013】尚、前記土流出防止材は、植物の貫通可能
なものであるから、植栽土嚢には植物の発芽生育に必要
となる水分や酸素等は適度に供給され、植物を良好に発
芽生育させ易く、そして、十分に生育した植物は、土流
出防止材を貫通することができ、地山の緑化が図られ
る。
【0014】因みに、本第2の特徴構成を備える法面施
工構造を施工するにあたっては、例えば、土を収容部に
収容したり、その土の上に植物の種子を播種したり、そ
の播種された土の上側を土流出防止材で覆う作業は、法
面保護用受圧板を法面に設置や固定した後に、行うよう
にすれば、施工現場の状況に応じてより的確な施工を行
い、土と播種された植物の種子との接触性を確実に維持
したり、土の流出を確実に防止することができ、また、
法面保護用受圧板として、予め、収容部に土を収容して
あるものや、収容部に収容される土の上に植物の種子を
播種してあるものを用い、法面に設置や固定するように
すれば、あまり手間をかけることなく、土等の植栽用の
床材の流出を防止しながらも、種子の発芽効率を向上さ
せることができるようになり、利便である。
【0015】さらに、特許請求の範囲の欄の請求項6に
記載したとおり、フレーム本体に、法面に載置自在な載
置底板部を設けると共に、上方に開口を有し且つ植物栽
培床材を収容可能可能な収容部を設け、地中に係止する
アンカー部材に対する係止連結部を設けてある法面保護
用受圧板であって、前記植物栽培床材として、土を前記
収容部に収容すると共に、その土に植物の種子を播種
し、植物の通過可能な土流出防止材を、前記播種された
土の上方に覆わせた状態で、前記フレーム本体に固定し
てあるものを用いれば、あまり手間をかけることなく上
述の第2の特徴構成を備える法面施工構造を施工するこ
とができ、その上に、法面保護用受圧板を、法面に設置
や固定する際や、その保管時や運搬時等においても、収
容部から前記収容された土や播種された植物の種子が流
出してしまうのが防止されることを期待することもでき
る。
【0016】さて、上記第2の特徴構成に加えて、特許
請求の範囲の欄の請求項5に記載したとおり、前記土流
出防止材の上から法面側に押さえアンカーを貫通させて
打込み、前記押さえアンカーに設けてある押さえ板部に
より、前記土流出防止材を法面側に押さえつけてあって
もよく、この場合には、土流出防止材の上から法面側に
貫通する押せアンカーの押さえ板部により、土流出防止
材が法面側に押さえつけてあることから、土流出防止材
が収容部に収容される土や植物の種子側に押さえ付けら
れるようになり、かかる土流出防止材の押さえつけ作用
により、その土と植物の種子との接触性が一層向上さ
れ、発芽率が一層向上されることを期待できる。
【0017】さて、以上説明した第1又は第2の特徴構
成に加えて、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した
とおり、植物栽培床材が、保水材を介して収容部に収容
してあれば、保水材の保水作用により、天候等にあまり
影響をうけることなく植物栽培床材への給水が確保さ
れ、より確実に植物の種子の発芽率を向上させたり、発
芽後の生育を維持させることができるようになる。
【0018】先の目的を達成するため本発明に係る第3
の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項8に記載し
たとおり、法面に載置自在な載置底板部を備えると共
に、植物栽培床材を収容可能な上方に開口を有する収容
部を形成してある法面保護用受圧板を、地中に係止した
アンカー部材を用いて法面に圧接し、前記収容部に植物
栽培床材を収容してある法面施工構造であって、前記植
物栽培床材として、植物の種子を保持させると共に植物
を生育可能な状態に成型保持してある成型栽培床材を、
前記収容部に収容してあるところにある。
【0019】上記第3の特徴構成から次のような作用及
び効果を期待することができる。つまり、前記収容部に
収容してある成型栽培床材では、植物の種子が成型栽培
床材に保持されているので、種子と成型栽培床材とは良
好に接触されており、良好な発芽率を期待することがで
き、しかも、風雨等により植物の種子が成型栽培床材か
ら流出するのも防止される。さらに、成型栽培床材自体
は、植物を生育可能な状態に成型保持してあるので、植
物生育させることができながら収容部からの流出も防止
される。従って、土等の植栽用の床材の流出を防止しな
がらも、種子の発芽効率を向上させることができるよう
になる。因みに、本第3の特徴構成を備える法面施工構
造を施工するにあたっては、例えば、法面保護用受圧板
を法面に設置や固定した後に、成型栽培床材を収容部に
収容するようにすれば、施工現場の状況に応じた施工を
行うことができ、また、法面保護用受圧板として、予
め、収容部に成型栽培床材を収容してあるものを用い、
法面に設置や固定するようにすれば、あまり手間をかけ
ることなく、施工することができ、利便である。
【0020】先の目的を達成するため本発明に係る第4
の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項9に記載し
たとおり、法面に載置自在な載置底板部を備えると共
に、植物栽培床材を収容可能な上方に開口を有する収容
部を形成してある法面保護用受圧板を、地中に係止した
アンカー部材を用いて法面に圧接し、前記収容部に植物
栽培床材を収容してある法面施工構造であって、前記植
物栽培床材として、植物の種子を備える袋本体の中に、
土を入れてある植栽土嚢を、前記収容部に収容し、その
植栽土嚢の上から法面側に押さえアンカーを貫通させて
打込み、前記押さえアンカーに設けてある押さえ板部に
より、前記植栽土嚢の上部を法面側に押さえつけてある
ところにある。
【0021】上記第4の特徴構成から次のような作用及
び効果を期待することができる。つまり、収容部に収容
してある、植物の種子を備える袋本体の中に土を入れて
ある植栽土嚢の上部は、その植栽土嚢の上から法面側に
貫通させて打ち込んである押さえアンカーの押さえ板部
により、法面側に押さえつけてあるので、下方に押さえ
つけられ、その袋本体の中に入れてある土の方に押さえ
つけられるようになり、その結果、袋本体に備えられる
植物の種子と、その袋本体の中に入れてある土との接触
性が向上され、かかる植物の種子の発芽率を向上させる
ことが可能となる。尚、植栽土嚢の中の土は袋本体が障
壁となり、その収容部からの流出が防止される。従っ
て、土等の植栽用の床材の流出を防止しながらも、種子
の発芽効率を向上させることができるようになる。
【0022】さて、上記第4の特徴構成に加えて、特許
請求の範囲の欄の請求項10に記載したとおり、前記押
さえアンカーを設けるに、筒状のアンカー本体部を設
け、前記アンカー本体部の外周面に、内周側に貫通する
貫通孔を、前記アンカー本体部の長手方向に複数形成し
てあってもよい。この場合には、アンカー本体部のう
ち、法面側つまり地山内に貫通する部分に形成された貫
通孔と、収容部に収容された植栽土嚢に貫通する部分に
形成された貫通孔とを介して、かかる地山と植栽土嚢間
で給排水が行われ、植栽土嚢の水分量が適度に維持さ
れ、より種子の発芽率が向上されることを期待すること
もできる。
【0023】さらに、特許請求の範囲の欄の請求項11
に記載したとおり、前記アンカー本体部の内部で、その
長手方向にわたって、吸水性部材を入れてあってもよ
く、このときには、さらにアンカー本体部の内部で、そ
の長手方向にわたって、入れてある吸水性部材を介する
毛細管現象により地山から植栽土嚢側への給水の確実性
が高まり、植栽土嚢の乾燥により種子の発芽率が低下す
るおそれを確実に低減することが可能ともなる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の
符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示してい
る。
【0025】〔第一実施形態〕本発明の第一実施形態に
ついての平面説明図を図1(イ)に、その断面説明図を
図1(ロ)に示すように、地中Bに係止したアンカー部
材8を用いて法面保護用受圧板(以下、単に受圧板と略
称する)Aを、法面に圧接して地滑りや法面崩壊を防止
するとともに、その受圧板Aを利用して植物を生育可能
に構成してある。図1,6,7,8に示すように、法面
Fに載置自在な載置底板部3を備えると共に、植物栽培
床材を収容可能な上方に開口を有する収容部Sを形成し
てある受圧板Aを、地中に係止したアンカー部材8を用
いて法面Fに圧接し、前記収容部Sに植物栽培床材とし
て、植物の種子を備える袋本体の中に、土を入れてある
植栽土嚢Dを、前記収容部Sに収容し、その植栽土嚢D
の上に土dを積載し、その積載してある土dの上側を、
植物の通過可能な土流出防止材Cで覆ってある。
【0026】本実施形態では、受圧板Aの一例として、
図2,3,4に示すように、金属材料の一種である例え
ばダクタイル鋳鉄製のもので、すべての部材を一体に鋳
造してあり、全体形状が平面視でほぼ菱形の4つの頂部
が外方に向けて突出する形状に構成してあるものを用い
るが、この受圧板Aは、ほぼ十字形の突出梁部1と、そ
の突出梁部1の十字状部分の隣り合うもの間にわたる板
状の鍔状板部2とから、フレーム本体10を構成してな
る。
【0027】前記突出梁部1は、図2,3に示すよう
に、四方に突出する十字形に形成され、そのほぼ中央
に、アンカー部材8挿通用として形成されたアンカー挿
通部5と、アンカー部材8を係止するために前記アンカ
ー挿通部5に形成された係止連結部6とを設けるととも
に、載置底板部3に補強リブ7を立設して構成してあ
る。
【0028】前記係止連結部6は、前記十字形の突出梁
部1の法面Fに載置自在となる載置底板部3のほぼ中央
の位置に設けられるアンカー部材8挿通用としてのアン
カー挿通部5に、地中に係止するアンカー部材8を係止
するように構成してある。そして、前記載置底板部3に
は、この係止連結部6を囲繞するように、補強リブ7と
して、四方の囲み補強リブ7Dが立設されるとともに、
その囲み補強リブ7Dと係止連結部6に接続される十字
状の補強板部11が、設けてある。
【0029】また、前記補強リブ7として、十字形の突
出梁部1における載置底板部3の周縁に沿って周縁補強
リブ7Aを一体に立設してある。因みに、前記補強リブ
7を構成する載置底板部3及び周縁補強リブ7Aは、平
面視及び側面視の何れの方向視においても端部側ほど幅
狭となるよう先細のテーパー状に構成してある。また、
前記周縁補強リブ7Aの板厚も、端部側ほど薄く構成し
てもよい。
【0030】また、本実施形態では、図2,3,4に示
すように、より強度を高める等の目的で、補強リブ7と
して、突出梁部1における載置底板部3に縦貫補強リブ
7B及び横方向補強リブ7Cを一体に立設してある。前
記縦貫補強リブ7Bは、突出梁部1の十字形部分の長手
方向に沿ってその幅方向中央位置に設けたものであり、
前記横方向補強リブ7Cは、突出梁部1の十字形部分の
長手方向に対してほぼ直交する方向に沿って設けたもの
である。
【0031】そして、このように構成される受圧板Aで
は、各補強リブ7(周縁補強リブ7A・縦貫補強リブ7
B・横方向補強リブ7C・囲み補強リブ7D)及び載置
底板部3にて囲まれ、上方に開口を有する空間が、植物
を生育するための植物栽培床材を収容可能な収容部Sに
相当する。
【0032】また、前記鍔状板部2は、突出梁部1の十
字形部分の隣合うもの間を結び、しかも、その鍔状板部
2の下面が突出梁部1の載置底板部3の下面3aと同一
平面状となるように連接してあるほば板状のものであ
る。
【0033】それでは、以上のように構成される受圧板
Aを用いて、本発明に係る法面施工構造を実施する工程
の一例について、図5,6を参照しながら説明する。図
5(イ)に示すように、地山Bに掘削したアンカー穴に
アンカー部材8を挿入して、アンカー穴にグラウト材を
注入し、アンカー部材8を地中に固定しておき、そし
て、受圧板Aを揚重機械で吊り上げ、吊り上げた受圧板
Aのアンカー挿通部5にアンカー部材8の地上露出部を
貫通させた状態で、受圧板Aを法面F上に設置する工程
を実施する。尚、本実施形態では、受圧板Aの載置底板
部3の下面3aを、法面Fに接地させるように設置させ
てあるが、前記設置底板部の下面3aと法面Fとの間
に、介在部材を介して、受圧板Aを法面Fに設置するよ
うにしてあってもよい。次に、アンカー部材8の地上露
出部に締結部として螺設した雄ねじ部にアンカー緊張固
定部材としてのナット9を螺合締結し、係止連結部6の
受け座4を介してアンカー部材8を緊張し、固定する工
程を実施する。尚、後説するように、受圧板Aの下側
(つまり下面3a側)に土流出防止材Cを巻き込んで固
定するときには、受圧板Aを仮固定し、土流出防止材C
の巻き込み作業を行ってから、固定を行う。そして、図
5(ロ)及び図6(ハ)に示すように、受圧板Aの収容
部S内に植栽土嚢Dを収容し、その上に土dを吹き付け
て積層する。植栽土嚢Dとしては、植物の種子を備える
袋本体の中に土をいれて構成される各種公知のものを用
いればよく、先の従来の技術の欄にて説明したように、
例えば、繊維等の布材からなる袋本体の裏面や内部に植
物の種子を保持し、その袋本体の中に土を入れてあるも
のを用いればよい。また、その土としては客土等の各種
天然の土壌や人工の栽培床材を用いればよい。次に、図
6(ニ)に示すように、植栽土嚢Dの上に積載してある
土dの上を、土流出防止材Cにより覆い、前記土dの流
出を防止し、植栽土嚢Dや土dにて生育される植物が土
流出防止材Cの下側から上側に貫通して成長することが
できるようにしてある。
【0034】前記土流出防止材Cとしては、植栽土嚢D
や土dにて生育される植物が貫通して上方に成長可能
で、しかも、その土dが降水や風等により流失するのを
防止できるように、所定径の孔等を多数有するものであ
れば如何なる物でも利用することができ、例えば、不織
布や織物等の布状の繊維材からなるものを利用すること
ができる。尚、土流出防止材Cは、前記積載された土d
が収容部Sから外部へ流出するのを防止できるもの、す
なわち、前記積載された土dの収容部Sから外部への流
出のおそれを低減できるものであればよい。因みに、前
記土流出防止材Cは、土中等の微生物により分解される
生分解性を備える材質のものから形成してあるものがよ
り望ましい。尚、土流出防止材Cが分解されなくなる頃
には、すでに植物が十分に成長しているため、土流出の
おそれはなく、土流出防止材Cが必要となることはな
い。
【0035】そして、図1に示すように、本実施形態で
は、法面Fに固定される受圧板Aの外面のうちほぼ全部
がかくれるように土流出防止材Cを覆設してある。この
固定にあたっては、例えば、その土流出防止材Cの下部
がその周方向にわたって、法面F側に固定してあれば、
より確実に土dの外部への流出を防ぐことができ、図7
(イ),(ロ)に示すように、例えば、土流出防止材C
をその周縁下部を受圧板Aの下面3a側に巻き込み、ほ
ぼ断面L字状の止め金具21を介して、受圧板Aが法面
Fに固定されるようにしておけばよい。
【0036】以上の工程を実施することで施工を完了す
る。因みに、図8に例示するように、受圧板Aを設置す
る法面F自体に、不織布や織物等の布状の繊維材からな
り、その内部に土及び植物の種子を備える或いはその裏
面に植物の種子を備える植栽マット20を敷設して、植
物を生育させるようにしてもよく、この場合には、一層
の緑化を図ることが可能となる。尚、図示しないが、例
えば、法面Fに固定される各受圧板Aのまわりや、各受
圧板Aの上にも客土等の種植物栽培床材を設けるなどし
て、それらの部分にて植物を生育させるようにしても勿
論よい。
【0037】そして、図1,2,3に示すように、鍔状
板部2にその表面から下面にかけて貫通する底孔16を
設けておけば、上述のように、鍔状板部2の上側にも客
土等の土dを盛り込んだ場合でも、底孔16が給排水用
の孔として作用し、その客土等を適度な水分状態に保
ち、草木を十分に成長させて植栽することができ、一
層、地山の緑化を図ることが可能となる。しかも、この
場合には、その盛り込んだ客土等の土dの上に前記土流
出防止材Cを覆設し、かかる底孔16を利用して、アン
カー部材を法面側に埋め込み、その土流出防止材Cを確
実に固定し、土の流出を確実に防止しながら植物を生育
させることもでき、好適である。
【0038】また、図2,3,4に示すように、収容部
Sでも給排水用の孔として貫通孔を設けておけば、一層
好ましく、その一構成例を説明すると、図に示すよう
に、載置底板部3・周縁補強リブ7A・縦貫補強リブ7
B・横方向補強リブ7C・囲み補強リブ7Dで形成され
る隅部に、夫々、第一貫通孔22、第二貫通孔23を設
けておけば、前記第一貫通孔22や第二貫通孔23を介
して、載置底板部3に溜まろうとする水分を確実に地山
に排出し、水分が過剰になることなく適当に維持され
て、これら植栽を適切な条件で育成させることができ、
また、受圧板そのものが水分により腐食される虞も低減
することができる。さらに、この場合には、載置底板部
3の下面に巻き込んだ土流出防止材Cを、その土流出防
止材Cの上から、第一貫通孔22や第二貫通孔23を利
用して、アンカー部材を受圧板Aの内部側に向けて打ち
付け、その内部に収容される植栽土嚢Dに係止させるこ
とで、確実に固定することもできる。
【0039】以上説明したような構成を備える本発明に
よれば、図8に例示するように、受圧板Aにて、良好に
植物を生育させ、確実に緑化を図ることが可能となる。
【0040】次に、上述した実施形態の変形例について
説明する (1)土流出防止材Cを固定するにあたっては、図9に
例示するように、その下部が受圧板Aのまわりの法面ま
で及ぶようにして、アンカー具26をその上から法面F
側(地山B内)に打ち込んで固定するようにしてもよ
い。
【0041】(2)先の実施形態では、受圧板Aを法面
Fに固定してから収容部Sに植栽土嚢Dを収容する例に
ついて説明したが、施工現場の平場又は工場等にて、予
め受圧板Aの収容部Sに植栽土嚢Dを収容しておいてか
ら、受圧板Aを法面Fに設置や固定するようにしても勿
論よく、この場合には、植栽土嚢Dの収容における作業
性を向上させることができる。
【0042】(3)また、施工現場の平場又は工場等に
て、予め、受圧板Aの収容部Sに収容される植栽土嚢D
の上に、土dを積載しておいてから、受圧板Aを法面F
に固定するようにしても勿論よいが、図10〜12に示
すように、施工現場の平場又は工場等にて、予め、収容
部S内の植栽土嚢Dの上に積載される土dの上方に、土
流出防止材Cを覆わせた状態でそのフレーム本体10に
固定してある受圧板Aを、法面Fに固定するようにすれ
ば、受圧板Aを法面Fに固定する作業においても、土d
の流出を防止することが可能となり、より効率的且つ経
済的である。このように構成される受圧板Aの構成例に
ついて、図10〜12を参照しながら説明する。図10
〜12に示すものでは、受圧板Aの収容部S内の植栽土
嚢Dの上に積載される土dの上を、土流出防止材Cによ
り覆設して、土流出防止材Cが、周縁補強リブ7Aの外
周の全部或いはほぼ全部をも覆うようにして、周縁補強
リブ7A(フレーム本体10)に固定してある。図10
に示す例では、周縁補強リブ7Aに内外に貫通する横貫
通孔27を設け、前記横貫通孔27を介し、土流出防止
材Cの上からアンカー具28を収容部Sに収容される植
栽土嚢D内に打ち込むことで、土流出防止材Cを受圧板
Aに固定してある。図11に示す例では、周縁補強リブ
7Aの外周の下部に、その周方向にわたって、外方に向
けて突出する突出部31を設けるとともに、土流出防止
材Cにリング材等を取り付け前記突出部31に係合自在
な係合部32を設けて、前記突出部31に係合部32を
係止させて固定してある。図12に示す例では、周縁補
強リブ7Aの外周側からその内部にわたる雌ネジ部34
を設け、前記雌ネジ部34に螺合する雄ネジを有する締
結部材35を、土流出防止材Cの上から雄ネジ部34に
螺合して、固定してある。尚、このような図10〜12
に示す土流出防止材Cの固定方法は、先の実施形態で示
した受圧板Aを法面Fにて、土流出防止材Cを土dの上
から覆設させる場合にも勿論用いることができる。
【0043】(4)また、これまでの実施形態では、受
圧板Aの外面のほぼすべて又はすべてが土流出防止材C
により覆ってあるものを示したが、土dが外部に流出し
ないように受圧板Aの上部外面を覆ってあればよく、例
えば、図13に示すように、周縁補強リブ7Aの上部に
土流出防止材Cの下部を固定してあってもよい。尚、そ
の固定方法については、これまで説明した各種方法を用
いればよく、図13に示す例では、周縁補強リブ7Aに
内外に貫通する横貫通孔27を設け、前記横貫通孔27
を介し、土流出防止材Cの上からアンカー具28を収容
部Sに収容される植栽土嚢D内に打ち込んで、固定して
ある。
【0044】(5)さらに、図14(イ),(ロ)に例
示するように、予め、受圧板Aに覆設される土流出防止
材Cの上方を、土嚢落下防止材Eにより覆設してあれ
ば、殊に、受圧板Aの移動時や受圧板Aを法面に固定す
る際やその固定後に、植栽土嚢Dが収容部S外に出てし
まうのを防止することができ、好適である。尚、植栽土
嚢Dが収容部S外に出てしまうのを防止することができ
ればよく、土嚢落下防止材Eは、土流出防止材Cの上方
の全面或いはほぼ全面に覆わせてあってもよいし、土流
出防止材Cの上方の一部に覆わせてあってもよい。前記
土嚢落下防止材Eとしては、金属製やナイロン等の樹脂
製から、植栽土嚢Dの荷重がかかっても破壊されない剛
性を有するのもので、植物の通過可能となるものであれ
ばよく、例えば、所定の貫通孔を有する網目状に形成さ
れたものを用いればよい。因みに、土嚢落下防止材E及
び土流出防止材Cは何れも、それらの下側から上側に貫
通して植物が成長することができるものであるが、土d
の流出は土流出防止材Cにより防止されるため、土嚢落
下防止材Eの貫通孔の孔径は比較的大きくし、所望の剛
性を備えさせることができるので、土流出防止材Cと土
嚢落下防止材Eとを設けることで、土dの流失防止及び
植栽土嚢Eの落下防止の確実性がより向上される。土嚢
落下防止材Eの固定方法については、これまで説明した
土流出防止材Cの固定方法と同様のものを用いればよ
く、図14に示す例では、周縁補強リブ7Aに内外に貫
通する横貫通孔27を設け、前記横貫通孔27を介し、
土流出防止材C及び土嚢落下防止材Eの上からアンカー
具28を収容部Sに収容される土dや植栽土嚢D内に打
ち込んで、固定してある。尚、土嚢落下防止材Eは、所
定の貫通孔を有する網目状に一体形成されるものに限ら
ず、例えば、複数の紐状体からなり夫々で土流出防止材
Cの上を所定間隔毎に覆い、植栽土嚢Dの落下を防止し
てあってもよい。尚、受圧板Aを法面に固定してから、
土嚢落下防止材Eを受圧板に覆設するようにしてもよ
く、この場合には、受圧板の法面への固定後、植栽土嚢
Dが収容部S外に出てしまうのを防止することができ
る。
【0045】(6)また、予め、収容部Sに収容される
植栽土嚢Dをアンカー本体10に固定しておくことで、
その植栽土嚢の落下や移動を防止するようにしてもよ
く、例えば、図15に示すように、周縁補強リブ7Aに
対して、その十字形部分において、その長手方向に交差
する方向に沿って、植栽土嚢Dを介して貫通する貫通ア
ンカー29を打ち込んで、植栽土嚢Dをアンカー本体1
0に固定しておけばよい。
【0046】(7)そして、図16に例示するように、
植栽土嚢Dが保水材Hを介して収容部Sに収容してあれ
ば、植栽土嚢Dへの給水が保水材Hにより一層確保さ
れ、より地山の緑化を図ることが可能ともなる。
【0047】(8)尚、植栽土嚢Dは、収容部Sすべて
に収容する形態に限らず、少なくとも収容部Sの一部に
収容してあればよい。
【0048】(9)尚、受圧板Aは、法面に設置自在な
載置底板部を備えると共に、植物栽培床材を収容可能な
上方に開口を有する収容部を形成してあるものであれ
ば、各種変形が可能である。例えば、その形状について
は、平面視で、十字状又は正方形や菱形等各種多角形状
でもよい。また、ポリカーボネート、ナイロン、FR
P、BMC等の高強度の樹脂材料(繊維強化樹脂も含
む)から構成してもよい。また、パイプ等の金属材を樹
脂材で被覆した複合材料で構成してもよい。そして、フ
レーム本体は、受圧板自体の枠体を意味し、そのフレー
ム本体に、載置底板部と収容部とを設けてあればよく、
先の実施例で説明した補強リブは、設けてあっても、設
けてなくてもよく、また、各種パイプ材や柱材等を設け
補強してあってもよい。また、一体型に形成してあるも
のに限らず、複数の分割体を組み合わせて形成するもの
でもよい。
【0049】〔第二実施形態〕図17に示すように、前
記植物栽培床材として、土d’を前記収容部Sに収容
し、その土d’に植物の種子tを播種し、その播種され
た土d’の上側を、植物の通過可能な土流出防止材Cで
覆ってある。尚、土d’の収容部Sへの収容や、植物の
種子tの播種や、土d’の上側を土流出防止材Cで覆う
作業は夫々、受圧板Aの法面Fへの固定後やその固定の
際やその固定前の何れに行ってもよいし、施工現場の平
場又は工場等にて、土d’を収容部Sへ収容してある受
圧板Aや、土d’に植物の種子tを播種してある受圧板
Aや、播種された土d’の上側を土流出防止材Cで覆っ
てある受圧板Aを、予め準備しておいても勿論よい。
【0050】以下、第二実施形態の変形例について説明
する。
【0051】(1)図18に示すように、土流出防止材
Cの上から法面F側に、押さえアンカー40を貫通させ
て打ち込み、前記押さえアンカー40に設けてある押さ
え板部41により土流出防止材Cを法面F側に押さえつ
けてあってもよい。この場合、押さえ板部41による土
流出防止材Cの法面側Fへの押さえつけにより、図18
に示すように、土流出防止材Cが植物の種子tを播種さ
れた土d’に密着され、その種子tと土d’の密着性が
より良好に維持されるようになり、種子tの発芽率がよ
り向上されることを期待することができる。尚、前記押
さえ板部41は、土流出防止材Cを押さえつけ可能な板
状であれば、その平面視形状は円形でも多角形でもよ
い。また、押さえアンカー40のアンカー本体部42
は、土流出防止材Cの上から法面F側に貫通可能となる
形状であれば、角柱状でも円柱状でもよいが、図18に
示すように、筒状に設け、その外周面に内周側に貫通す
る貫通孔43を、アンカー本体部42の長手方向に複数
形成してあってもよい。この場合、アンカー本体部42
のうち、法面側つまり地山B内に貫通する部分に形成さ
れた貫通孔43と、受圧板Aの収容部Sに収容された土
d’に貫通する部分に形成された貫通孔43とを介し
て、かかる地山Bと土d’間で給排水が行われ、土d’
の水分量が適度に維持され、より種子tの発芽率が向上
されることを期待することもできる。因みに、図18に
示すように、さらにアンカー本体部42の内部で、その
長手方向にわたって、吸水性部材44を入れてあれば、
吸水性部材44を介する毛細管現象により地山Bから土
d’側への給水の確実性が高まり、土d’の乾燥により
種子tの発芽率が低下するおそれを確実に低減すること
が可能ともなる。
【0052】(2)また、図19に例示するように、土
d’が保水材Hを介して収容部Sに収容してあれば、土
d’への給水が保水材Hにより一層確保され、より地山
の緑化を図ることが可能ともなる。 (3)その他は、第1実施形態及びその変形例と同様で
ある。
【0053】〔第三実施形態〕図20に示すように、植
物栽培床材として、植物の種子tを保持させると共に植
物を生育可能な状態に成型保持してある成形栽培床材
D’を収容部Sに収容してある。前記成型栽培床材D’
の本体部46は、角柱状や円柱状や角錐状や円錐状等い
かなる形状に成型保持してあってもよい。そして、この
本体部46は、植物を生育可能な状態に成型保持してあ
ればよく、例えば、各種土材をバインダーを用いて所定
の空隙率を備えるように成型したり、各種繊維材や発泡
樹脂等を用いて所定の空隙率を備えるように成型して、
植物を生育させるに足る十分な通気性や通水性を備える
状態に成型保持させてあるものを用いればよい。また、
この本体部46に植物の種子tを保持させるにあたって
は、例えば、本体部46に切れ目や孔等を形成し、その
切れ目や孔等を利用して植物の種子tを保持させてもよ
いし、本体部46の成型の際に植物の種子tを保持させ
てあってもよい。尚、成形栽培床材D’は収容部S内に
単数収容してあってもよいし、複数収容してあってよ
い。また、尚、成形栽培床材D’の収容部Sへの収容作
業は、受圧板Aの法面Fへの固定後やその固定の際やそ
の固定前の何れに行ってもよく、そして、施工現場の平
場又は工場等にて、成形栽培床材D’を収容部Sへ収容
してある受圧板Aを、予め準備しておいても勿論よい。
尚、その他は、第1実施形態及びその変形例と同様であ
る。
【0054】〔第四実施形態〕図21に示すように、植
物栽培床材として、植物の種子を備える袋本体の中に、
土を入れてある植栽土嚢Dを、前記収容部Sに収容し、
その植栽土嚢Dの上から法面F側に押さえアンカー40
を貫通させて打込み、前記押さえアンカー40に設けて
ある押さえ板部41により、前記植栽土嚢Dの上部を法
面F側に押さえつけてある。この場合、押さえ板部41
により植栽土嚢Dの上部が法面側Fへ押さえつけてある
ので、図21に示すように、植栽土嚢Dの上部におい
て、袋本体とその中に入れてある土との密着性が良好に
維持され、その結果、袋本体に備えられる植物の種子と
の密着性がより良好に維持されるようになり、種子の発
芽率が向上されることを期待することができる。尚、前
記押さえ板部41は、植栽土嚢Dを押さえつけ可能な板
状であれば、その平面視形状は円形でも多角形でもよ
い。また、押さえアンカー40のアンカー本体部42
は、植栽土嚢Dの上から法面F側に貫通可能となる形状
であれば、角柱状でも円柱状でもよいが、図21に示す
ように、筒状に設け、その外周面に内周側に貫通する貫
通孔43を、アンカー本体部42の長手方向に複数形成
してあってもよい。この場合、アンカー本体部42のう
ち、法面側つまり地山B内に貫通する部分に形成された
貫通孔43と、受圧板Aの収容部Sに収容された植栽土
嚢Dに貫通する部分に形成された貫通孔43とを介し
て、かかる地山Bと植栽土嚢D間で給排水が行われ、植
栽土嚢Dの水分量が適度に維持され、より種子の発芽率
が向上されることを期待することもできる。因みに、図
21に示すように、さらにアンカー本体部42の内部
で、その長手方向にわたって、吸水性部材44を入れて
あれば、吸水性部材44を介する毛細管現象により地山
Bから植栽土嚢D側への給水の確実性が高まり、植栽土
嚢Dの乾燥により種子の発芽率が低下するおそれを確実
に低減することが可能ともなる。尚、その他は、第1実
施形態及びその変形例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)第一実施形態における法面保護用受圧板
の状況を示す概略平面図 (ロ)第一実施形態における法面施工構造を示す概略断
面図
【図2】法面保護用受圧板の一構成例を示す斜視図
【図3】図2に示す法面保護用受圧板の平面図
【図4】図2に示す法面保護用受圧板の断面図
【図5】施工状況の一例を示す断面説明図
【図6】施工状況の一例を示す断面説明図
【図7】土流出防止材の固定状況を示す要部の(イ)斜
視図,(ロ)断面図
【図8】本発明に係る法面施工構造における植物の生育
状況の一例を示す断面図
【図9】土流出防止材の固定状況の別実施形態を示す要
部断面図
【図10】土流出防止材の固定状況及び法面保護用受圧
板の別実施形態を示す要部断面図
【図11】土流出防止材の固定状況及び法面保護用受圧
板の別実施形態を示す要部斜視図
【図12】土流出防止材の固定状況及び法面保護用受圧
板の別実施形態を示す要部断面図
【図13】土流出防止材の固定状況及び法面保護用受圧
板の別実施形態を示す要部断面図
【図14】土嚢落下防止材の法面保護用受圧板への固定
状況を示す(イ)要部斜視図,(ロ)要部断面図
【図15】貫通アンカーによる植栽土嚢の法面保護用受
圧板への固定状況を示す(イ)要部斜視図,(ロ)要部
断面図
【図16】保水材を収容部に収容してある法面施工構造
及び法面保護用受圧板の別実施形態を示す要部断面図
【図17】第二実施形態を示す要部断面図
【図18】押さえアンカーを設けてある別実施形態を示
す要部の一部切り欠き断面説明図
【図19】保水材を収容部に収容してある法面施工構造
及び法面保護用受圧板の別実施形態を示す要部断面図
【図20】第三実施形態を示す要部断面図
【図21】第四実施形態を示す要部の一部切り欠き断面
【図22】従来の植栽土嚢の収容状況を示す要部の一部
切り欠き断面図
【符号の説明】
A 受圧板 B 地山 d 土 d’ 土 C 土流出防止材 D 植裁土嚢 E 土嚢落下防止材 F 法面 H 保水材 S 収容部 t 植物の種子 3 載置底板部 6 係止連結部 8 アンカー部材 10 フレーム本体 13 袋本体 14 土
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 9/02 A01G 9/02 103R 103W (72)発明者 中野 明 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 株式会社クボタ内 (72)発明者 栄藤 修 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 株式会社クボタ内 Fターム(参考) 2B022 AB02 2B027 NB01 ND01 ND02 NE02 NE06 NE09 QA03 QB03 VA05 2B054 BA01 BB05 2D044 DA17 DB52

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面に載置自在な載置底板部を備えると
    共に、植物栽培床材を収容可能な上方に開口を有する収
    容部を形成してある法面保護用受圧板を、地中に係止し
    たアンカー部材を用いて法面に圧接し、前記収容部に植
    物栽培床材を収容してある法面施工構造であって、 前記植物栽培床材として、植物の種子を備える袋本体の
    中に、土を入れてある植栽土嚢を、前記収容部に収容
    し、その植栽土嚢の上に土を積載し、その積載してある
    土の上側を、植物の通過可能な土流出防止材で覆ってあ
    る法面施工構造。
  2. 【請求項2】 フレーム本体に、法面に載置自在な載置
    底板部を設けると共に、上方に開口を有し且つ植物栽培
    床材を収容可能可能な収容部を設け、地中に係止するア
    ンカー部材に対する係止連結部を設けてある法面保護用
    受圧板であって、 前記植物栽培床材として、植物の種子を備える袋本体の
    中に、土を入れてある植栽土嚢が、前記収容部に収容さ
    れ、その植栽土嚢の上に、土が積載され、 植物の通過可能な土流出防止材を、前記積載してある土
    の上方に覆わせた状態で、前記フレーム本体に固定して
    ある法面保護用受圧板。
  3. 【請求項3】 植物が通過可能であると共に、植栽土嚢
    の荷重がかかっても破壊されない剛性を有する土嚢落下
    防止材を、前記土流出防止材の上方に覆わせた状態で、
    前記フレーム本体に固定してある請求項2記載の法面保
    護用受圧板。
  4. 【請求項4】 法面に載置自在な載置底板部を備えると
    共に、植物栽培床材を収容可能な上方に開口を有する収
    容部を形成してある法面保護用受圧板を、地中に係止し
    たアンカー部材を用いて法面に圧接し、前記収容部に植
    物栽培床材を収容してある法面施工構造であって、 前記植物栽培床材として、土を前記収容部に収容し、そ
    の土に植物の種子を播種し、その播種された土の上側
    を、植物の通過可能な土流出防止材で覆ってある法面施
    工構造。
  5. 【請求項5】 前記土流出防止材の上から法面側に押さ
    えアンカーを貫通させて打込み、前記押さえアンカーに
    設けてある押さえ板部により、前記土流出防止材を法面
    側に押さえつけてある請求項4記載の法面施工構造。
  6. 【請求項6】 フレーム本体に、法面に載置自在な載置
    底板部を設けると共に、上方に開口を有し且つ植物栽培
    床材を収容可能可能な収容部を設け、地中に係止するア
    ンカー部材に対する係止連結部を設けてある法面保護用
    受圧板であって、 前記植物栽培床材として、土を前記収容部に収容すると
    共に、その土に植物の種子を播種し、 植物の通過可能な土流出防止材を、前記播種された土の
    上方に覆わせた状態で、前記フレーム本体に固定してあ
    る法面保護用受圧板。
  7. 【請求項7】 前記植物栽培床材が、保水材を介して前
    記収容部に収容してある請求項1又は請求項4記載の法
    面施工構造。
  8. 【請求項8】 法面に載置自在な載置底板部を備えると
    共に、植物栽培床材を収容可能な上方に開口を有する収
    容部を形成してある法面保護用受圧板を、地中に係止し
    たアンカー部材を用いて法面に圧接し、前記収容部に植
    物栽培床材を収容してある法面施工構造であって、 前記植物栽培床材として、植物の種子を保持させると共
    に植物を生育可能な状態に成型保持してある成型栽培床
    材を、前記収容部に収容してある法面施工構造。
  9. 【請求項9】 法面に載置自在な載置底板部を備えると
    共に、植物栽培床材を収容可能な上方に開口を有する収
    容部を形成してある法面保護用受圧板を、地中に係止し
    たアンカー部材を用いて法面に圧接し、前記収容部に植
    物栽培床材を収容してある法面施工構造であって、 前記植物栽培床材として、植物の種子を備える袋本体の
    中に、土を入れてある植栽土嚢を、前記収容部に収容
    し、その植栽土嚢の上から法面側に押さえアンカーを貫
    通させて打込み、前記押さえアンカーに設けてある押さ
    え板部により、前記植栽土嚢の上部を法面側に押さえつ
    けてある法面施工構造。
  10. 【請求項10】 前記押さえアンカーを設けるに、筒状
    のアンカー本体部を設け、前記アンカー本体部の外周面
    に、内周側に貫通する貫通孔を、前記アンカー本体部の
    長手方向に複数形成してある請求項9記載の法面施工構
    造。
  11. 【請求項11】 前記アンカー本体部の内部で、その長
    手方向にわたって、吸水性部材を入れてある請求項10
    記載の法面施工構造。
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