JP2003251720A - 両面段ボールシート - Google Patents
両面段ボールシートInfo
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Abstract
に手間を掛けることなく、より圧縮強度に優れた両面段
ボールシートを得る。 【解決手段】両面段ボールシートにおいて、段ボールシ
ートの流れ方向断面のライナ貼合面のいずれかをX軸、
段高方向をY軸、段高をhとした場合、Y=h/2にお
ける中芯の接線とX軸のなす角度θが、下記の(1)を
満たす両面段ボールシート。(1)65°≦θ≦90°
また、段高をh、ピッチをp、シートの流れ方向断面
における1ピッチにおける中芯の段頂部とライナーとの
接触部の長さをtとした場合、下記の(2)、(3)の
少なくともいずれかの式が成立する前項記載の両面段ボ
ールシート。(2)h/3≦t≦h (3)p/6≦t
≦p/2
Description
加工食品、家電製品等各種製品を包装する段ボール箱等
の素材として用いられる両面段ボールシートに関する。
建築内装用壁資材、車両内装用壁資材等に広く用いられ
ているが、特に包装資材分野での消費が多く、特に両面
段ボールシートから製造したいわゆる段ボール箱は幅広
く普及している。段ボール箱は、野菜、果物などの生鮮
食品、缶詰、菓子、調味料などの加工食品、缶や瓶など
にパッケージされた飲料品、家電品、精密機械、生活雑
貨、印刷物、出版物など多種多様の製品を運搬する際に
用いられる。これら製品を物流する際には、製品を詰め
た段ボール箱を何段にも重ねることが多いため、段ボー
ル箱には荷重に耐え得る圧縮強度が要求される。段ボー
ル箱が要求される圧縮強度に満たない場合は、段ボール
箱が座屈し、内容物が変形、もしくは破損してしまう恐
れがある。従って段ボール箱において圧縮強度は最も重
要視される品質の一つである。
めには、段ボール箱に使用される段ボールシートの圧縮
強度が大きくなくてはならない。シートの圧縮強度を向
上させる方法としては、シートに用いられる中芯やライ
ナーの原紙の坪量を上げる方法が特開平9−15600
2号公報に開示され、原紙の古紙の配合率を下げ、出来
るだけバージンパルプの使用率を上げる方法などが公知
である。また、中芯を強化して圧縮強度を上げる方法が
特公昭47−17354号公報、特開昭51−1317
91号公報に開示されている。さらには段ボールシート
を複数重ねた構造の複両面段ボールや複々両面段ボール
を用いる方法が特開平10−128888号公報に開示
されている。
圧縮強度向上方法では、単位面積当たりの段ボールシー
トに使用する原紙の量が増加するため、コストアップや
重量増加につながることや、製造に手間がかかることな
どにより、段ボールシートの安価で軽量という長所が失
われる。本発明は、使用する原紙の坪量や材質を変え
ず、また、製造に手間を掛けることなく、より圧縮強度
に優れた両面段ボールシートを得ることを課題とする。
に鋭意研究を行った結果、下記の手段によって、圧縮強
度が向上し、かつ使用する原紙の坪量や材質、及び得ら
れた段ボールシートの重量は、従来品とほとんど変わら
ない両面段ボールシートを得られることが明らかとなっ
た。
トにおいて、段ボールシートの流れ方向断面のライナ貼
合面のいずれかをX軸、段高方向をY軸、段高をhとし
た場合、Y=h/2における中芯の接線とX軸のなす角
度θが、下記の(1)を満たす両面段ボールシートであ
る。 (1)65°≦θ≦90°
チをp、シートの流れ方向断面において、1ピッチにお
ける中芯の段頂部とライナーとの接触部の長さをtとし
た場合、下記の(2)、(3)の少なくともいずれかの
式が成立する本発明の第1に記載の両面段ボールシート
である。 (2)h/3≦t≦h (3)p/6≦t≦p/2
4.8mm、段数が32〜36/30cmである、本発
明の第1〜2のいずれかに記載の両面段ボールシートで
ある。
明する。本発明は、任意の段高及び段数の両面段ボール
シートに適用可能である。例えばJISのZ1516に
おいては、A段、B段、C段と呼ばれる段ボールシート
が規定されているが、このいずれにも適用可能であり、
これ以外の段高及び段数を有する任意の両面段ボールシ
ートにおいても効果を発揮するものである。
ライナが厚く、断裁時に力がかかるA段以上、即ち段高
4.5mm以上の場合である。A段の場合、段高4.5
〜4.8mm、段数32〜36/30cmの範囲であ
る。また、この場合、段繰率は1.45〜1.65の範
囲である。
ートについて、段ボールシートのピッチpの値、即ち段
数について、同一の段数を有する従来品の段ボールシー
トと圧縮強度を比較すると、強度が向上しているという
ものである。また、hの値、即ち段高においても、同一
の段高を有する従来品の段ボールシートと圧縮強度を比
較すると、強度が向上しているというものである。
ライナー原紙及び中芯原紙は、特に制限されるものでは
なく、その米坪、厚さ、耐水性その他の特性によって、
用途に応じて適切な原紙を用いることが出来る。
厚さ方向の圧縮強度である平面圧縮強度、シートの流れ
方向と垂直方向、即ちシートの幅方向への圧縮強度であ
る垂直圧縮強度が存在する。通常、段ボール箱を製造し
た場合には、積載等の荷重によって段ボール箱が上下方
向に圧縮を受けた場合、箱の側面の圧縮方向は、段ボー
ルシートの垂直圧縮と方向が一致するため、垂直圧縮強
度が影響する。また、箱の天面及び底面は、内容物や積
載等の荷重によって平面方向の圧縮を受けるため、平面
圧縮強度が影響する。
形状について、図面に基づき具体的に説明する。図1
は、両面段ボールシートの流れ方向の断面図を示したも
のである。流れ方向の断面において、両面段ボールシー
トの片側の貼合面をX軸、直交する高さ方向をY軸とす
る。段高をhとしたとき、高さ方向の中間位置はY=h
/2である。中芯の形状をY=F(X)と表現したと
き、Y=F(X)の、Y=h/2における1次の微係数
を傾きとする直線(これを中芯の接線と称する)とX軸
(Y=0)とがなす角度θが、65°≦θ≦90°の範
囲にあるものが、本発明中の両面段ボールシートであ
る。上記角度θが65゜以上である場合、従来の両面段
ボールシートと比較して、平面圧縮強度、及び垂直圧縮
強度が向上する。上記角度θが65°未満である場合に
は、段ボールシートの平面圧縮強度、および垂直圧縮強
度が、従来の段ボールシートとほぼ同等のものになって
しまう。
両面段ボールシートの段高をh、ピッチをp、段ボール
シートの流れ方向断面において、1ピッチにおける中芯
の段頂部とライナの接触部の長さを2tとした場合、h
/3≦t≦h、もしくはp/6≦t≦p/2の、少なく
ともいずれかの式が成立することが更に好ましい。t
が、h/3未満かつp/6未満の場合には、段ボールの
平面圧縮強度、及び垂直圧縮強度が、従来の両面段ボー
ルシートとほぼ同等のものとなってしまう可能性があ
る。特に垂直圧縮の場合、中芯段頂部とライナーの接触
部分が他の部分より荷重を大きく負担するため、垂直圧
縮強度が従来の両面段ボールシートと同等なものになっ
てしまう。また、tをhより大きくした場合には、平面
圧縮強度および垂直圧縮強度の向上効果が従来の中芯形
状を有する段ボールシートと比較して頭打ちとなる傾向
があるため好ましくない。
以上であると、より平面圧縮強度、および垂直圧縮強度
が向上し好ましい。
中芯原紙の両面にシングルフェーサ及びダブルフェーサ
によってライナー原紙を貼り合わせたものであるが、h
/3≦t≦h、もしくはp/6≦t≦p/2の条件を満
たすのは、シングルフェーサ側、ダブルフェーサ側の少
なくともいずれかの貼合面であればよく、両面段ボール
シートの平面圧縮強度、及び垂直圧縮強度を向上させる
ことが可能である。シングルフェーサ側、及びダブルフ
ェーサ側両面で上記条件を満たすことがさらに好まし
い。
層することによって、複両面段ボールシートや複々両面
段ボールシート等とすることも可能である。
に説明する。 <実施例1>ライナー原紙としてNRK220(220
g/m2:王子製紙(株)製)、及び中芯原紙としてS
115(115g/m2:高崎三興(株)製)を使用、
段ボール接着剤で貼合して両面段ボールシートを製造し
た。この際、h=4.76mm、t=2.60mm、p
=8.55mm、θ=73.3゜とした。
20mm、p=8.55mm、θ=68.3゜とした以
外は、実施例1と同様にして両面段ボールシートを製造
した。
77mm、p=8.55mm、θ=65.0゜とした以
外は、実施例1と同様にして両面段ボールシートを製造
した。
55mm、p=8.55mm、θ=63.5゜とした以
外は、実施例1と同様にして両面段ボールシートを製造
した。
30mm、p=8.55mm、θ=60.0゜とした以
外は、実施例1と同様にして両面段ボールシートを製造
した。
97mm、p=8.55mm、θ=61.5゜とした以
外は、実施例1と同様にして両面段ボールシートを製造
した。
貼合には、以下の方法で得た段ボール用接着剤を使用し
た。 [段ボール用接着剤の製造方法]60℃の水1500g
に200gのキャリア澱粉(OHP−C153:王子コ
ーンスターチ製)を加え、3000rpm、5分間撹拌
しキャリア澱粉分散液とした。このキャリア澱粉分散液
に31gの苛性ソーダを添加し、5000rpm、20
分間溶解し、キャリア部とした。一方、35℃の水26
60gに32gの硼砂を溶解し、1400gのコーンス
ターチ(王子コーンスターチ製)を加え、4700rp
m、5分間撹拌しメイン部とした。更に5000rpm
で撹拌しながら、メイン部にキャリア部を10分間かけ
て滴下した。キャリア部添加終了後更に10分間撹拌
し、段ボール用接着剤を得た。
ートの単位面積当たり原紙使用重量、及び平面圧縮強
度、垂直圧縮強度を以下のように測定、評価した結果を
表1に示す。
B法に準拠して測定した。サンプルエッジ部にはワッ
クスを塗布してエッジ部の影響を防いだ。
に準拠して測定した。
つ使用する原紙の坪量や材質、及び選られた段ボールシ
ートの重量が、従来品とほとんど変わらない両面段ボー
ルシートを得ることが可能となった。
Claims (3)
- 【請求項1】両面段ボールシートにおいて、段ボールシ
ートの流れ方向断面のライナ貼合面のいずれかをX軸、
段高方向をY軸、段高をhとした場合、Y=h/2にお
ける中芯の接線とX軸のなす角度θが、下記の(1)を
満たすことを特徴とする両面段ボールシート。 (1)65°≦θ≦90° - 【請求項2】段高をh、ピッチをp、シートの流れ方向
断面における1ピッチにおける中芯の段頂部とライナー
との接触部の長さをtとした場合、下記の(2)、
(3)の少なくともいずれかの式が成立することを特徴
とする、請求項1記載の両面段ボールシート。 (2)h/3≦t≦h (3)p/6≦t≦p/2 - 【請求項3】段高が4.5〜4.8mm、段数が32〜
36/30cmであることを特徴とする、請求項1〜2
のいずれかに記載の両面段ボールシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002055348A JP2003251720A (ja) | 2002-03-01 | 2002-03-01 | 両面段ボールシート |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002055348A JP2003251720A (ja) | 2002-03-01 | 2002-03-01 | 両面段ボールシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003251720A true JP2003251720A (ja) | 2003-09-09 |
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ID=28666208
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002055348A Pending JP2003251720A (ja) | 2002-03-01 | 2002-03-01 | 両面段ボールシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003251720A (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009172942A (ja) * | 2008-01-28 | 2009-08-06 | Nippon Shikogyo Kk | 波形中芯及び段ボールシート |
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-
2002
- 2002-03-01 JP JP2002055348A patent/JP2003251720A/ja active Pending
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