JP2003251239A - 超音波噴霧装置 - Google Patents

超音波噴霧装置

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JP2003251239A
JP2003251239A JP2002056000A JP2002056000A JP2003251239A JP 2003251239 A JP2003251239 A JP 2003251239A JP 2002056000 A JP2002056000 A JP 2002056000A JP 2002056000 A JP2002056000 A JP 2002056000A JP 2003251239 A JP2003251239 A JP 2003251239A
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ultrasonic
liquid
tip surface
metal horn
spraying device
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JP2002056000A
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English (en)
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Noriyuki Kitaori
典之 北折
Takeshi Miyamura
猛史 宮村
Kazuyuki Uehara
一之 上原
Kiyoteru Osawa
清輝 大沢
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波噴霧装置において、液体の噴霧状況を
視覚的に確認できるようにし、かつ装置の周辺への液滴
の付着を防止する。また、装置の携帯を可能とする。 【解決手段】 圧電体21と金属ホーン22からなる超
音波振動子20、液体Aを収容する液容器40及び送風
ファン3を備え、金属ホーン22の先端面23で液体A
を霧化し、霧粒子を送風ファン3で揮散させる超音波噴
霧装置1であって、超音波振動子20が駆動電力0.1〜5
W、金属ホーン22の先端面23の振幅5〜50μm(peak
to peak)で駆動される。特に、金属ホーン22の先端
面23は、短尺方向と長尺方向の長さの比が、1:20〜
2:3で面積が5〜100mm2の扁平形状とすることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水又は薬剤液等を
霧化して噴霧する超音波噴霧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香剤等を含有させた液体の揮散あるい
は噴霧装置としては、液体をカートリッジに収容し、そ
れを自然蒸発により徐々に揮散させるもの、液体をエア
スプレーで噴霧するもの、電動ノズルで噴霧するもの、
超音波を利用して噴霧するもの等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自然蒸
発により徐々に揮散させる装置では、揮散粒子を視覚で
確認できないため満足な使用感を得られず、また、揮散
速度も低い。
【0004】エアスプレーのタイプでは、噴霧粒子のほ
とんどが50μm以上と大きいので、液体消費量が過度に
増大し、また、噴霧粒子の全てが気化するわけではない
ため、噴露した周辺に液滴が付着し、例えば、衣類、パ
ソコン、床等を汚す恐れがあり、また、顔に向けて用い
た場合には化粧崩れを起こしやすくする。同様の問題
は、電動ノズルで噴霧する装置にもある。したがって、
これらの噴霧装置では使用者に満足感を与えることがで
きない。
【0005】超音波を利用する装置の場合、周波数の増
大に伴い噴霧粒子のサイズを小さくすることができる
が、高周波にするにつれて噴霧効率が低下し、大電力が
必要になる。そのため、装置を小型化できず、携帯用と
することができない。一方、周波数を低下させた場合
は、噴霧粒子のサイズが大きくなり、エアスプレーのタ
イプと同様の問題が生じる。
【0006】これに対し、本発明は、液体の噴霧状況を
視覚的に確認できるようにして使用者が十分な使用感を
得られるようにし、かつ、周辺への液滴の付着を防止
し、また、省電力化、小型化を可能とし、コードレスで
携帯に適した噴霧装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、超音波を
利用した噴霧装置において、超音波振動子として圧電体
に金属ホーンを接合したものを使用し、その駆動電力と
先端面の振幅を特定の範囲とすることにより噴霧効率が
向上すること、さらに金属ホーンを特定形状とすること
により噴霧効率が一層向上すること、また、超音波振動
子により霧化した噴霧粒子を送風ファンを用いて揮散さ
せることにより、装置周辺における液滴の付着を防止で
きることを見出した。
【0008】即ち、本発明は、圧電体と金属ホーンから
なる超音波振動子、液体を収容する液容器及び送風ファ
ンを備え、金属ホーンの先端面で液体を霧化し、霧粒子
を送風ファンで揮散させる超音波噴霧装置であって、超
音波振動子を駆動電力0.1〜5W、金属ホーンの先端面の
振幅5〜50μmで駆動することができる超音波噴霧装置
を提供し、特に、この金属ホーンの先端面が扁平形状で
あり、その面の短尺方向と長尺方向の長さの比が、1:2
0〜2:3であり、面積が5〜100mm2 である超音波噴霧
装置を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は、同一又
は同等の構成要素を表している。
【0010】図1は、本発明の一実施例の超音波噴霧装
置の前方斜視図(a)、後方斜視図(b)、x−x断面
図(c)である。
【0011】この超音波噴霧装置1は、ハウジング2内
に超音波振動子20、液体Aを収容する液容器40及び
送風ファン3を備えている。ハウジング内2には、超音
波振動子20の駆動回路4、超音波振動子20の作動を
ON−OFFするスイッチ5、スイッチ5をオンとした
場合に点灯する発光ダイオード6が設けられている。ま
た、超音波噴霧装置1の駆動電源となる電池7が電池ボ
ックス8内に設けられており、ハウジング2の底面には
電池蓋9が設けられている。ハウジング2の背面と前面
にはそれぞれ送風ファン3の吸入口10、送風口11が
開口している。
【0012】超音波振動子20としては、例えば、図2
に示すように、圧電体21からなるランジュバン型振動
子の一端に金属ホーン22を接着剤で接合したものを使
用することができ、この超音波振動子20Aの金属ホー
ン22の先端面23で液体Aを霧化し、霧粒子を送風フ
ァン3で揮散させる。
【0013】ここで圧電体21としては、チタン酸ジル
コン鉛、ニオブ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウムな
どのセラミックスからなるものが好ましい。
【0014】圧電体21の形状は、振動を効果的に伝達
するために円盤状とすることが好ましく、さらに、省電
力化するために直径dを6〜20mmとすることが好まし
い。直径dが6mm未満であると霧化量が足りず、20m
mを超えると大きな電力が必要となり、携帯式にするこ
とが困難となる。
【0015】圧電体21の使用個数は一つに限らず、複
数個を重ねて使用してもよいが、効率の点から1〜4個程
度が好ましい。また、圧電体の使用個数に関わらず、圧
電体のトータルとしての厚みtを3〜10mmとすること
が好ましい。厚さtが3mm未満であると、パワー不足
で霧化量が足りず、また振動周波数が高くなり、霧化を
目視で確認することが困難となる。一方、厚さtが10m
mを超えると大きな電力が必要となり、携帯式にするこ
とが困難となる。
【0016】金属ホーン22は、圧電体21による振動
を増幅するために設けられている。金属ホーン22の材
質としては、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金
属やSiC、Si34、Al23等のセラミックスが好
ましく、特に、軽量であり、超音波の伝達時の振幅の増
幅性能の点からアルミニウムを主成分とするものが好ま
しい。
【0017】金属ホーン22の形状は、先端面23に近
づくにしたがって細いものが、先端面23における単位
面積あたりのエネルギーが増大し、大きな振幅を得られ
るので好ましい。更に、先端面23の形状は円形や正方
形等よりも扁平形状とし、その短尺方向L1 と長尺方向
2 の長さの比を1:20〜2:3とすることが好ましい。
この比L1/L2 が1/20よりも小さいと噴霧幅を規定す
る先端面23の幅が長くなり、その幅全域において送風
ファン3から有効に空気を送るために大きな電力が必要
となる。反対に、比L1/L2 が2:3よりも大きいと霧
化量が減少してしまう。また、先端面23の面積は5〜1
00mm2 とすることが好ましい。この面積が5mm2
満であると霧化効率が低く、100mm2 より大きいと単
位面積あたりのエネルギーが小さくなり、霧化効率が低
くなるので、いずれの場合も、霧化を目視することが困
難となる。
【0018】本発明においては、圧電体21と金属ホー
ン22からなる超音波振動子20を駆動電力0.1〜5W、
金属ホーン22の先端面23の振幅5〜50μm(peak to
peak)で駆動できるようにすることを特徴としている。
【0019】ここで、駆動電力は、圧電体21の端子間
にかかる電流と電圧の実効値を求め、その積として得ら
れる値であり、振幅はドップラー振動速度計を用い、超
音波振動子の節の部分を固定し、先端面にレーザーが垂
直に当たるようにして測定される値である。
【0020】駆動電力が0.1W未満だと電力が小さすぎ
るために充分な霧化量を得ることができず、反対に5W
より大きいと小型携帯式にすることができない。
【0021】また、先端面23の振幅を5μm以上とす
ることにより、先端面23で霧化した霧粒子を目視する
ことが可能となり、超音波噴霧装置1の使用感を充実さ
せることができる。なお、このように霧粒子を目視でき
るように霧粒子を大きくする場合でも、この超音波噴霧
装置1においては送風ファン3が霧粒子を揮散させるの
で、装置の周辺に液滴が付着することを防止できる。一
方、先端面の振幅を50μmより大きくすると、大きな駆
動電力が必要となり、装置を小型携帯式にすることがで
きない。
【0022】なお、超音波振動子20を駆動電力0.1〜5
W、先端面23の振幅5〜50μmで駆動できるようにす
ることは、圧電体21の形状と厚さ、金属ホーン22の
材質と形状を、前述の範囲で調整することにより可能と
なる。
【0023】さらに、超音波振動子20の振動周波数の
好ましい大きさは、金属ホーン22の先端面23への液
体Aの供給方法、噴霧する量、液体Aの特性等による
が、10KHz〜2 MHzとすることが好ましく、特に、
液容器40内の液体Aを紙、不織布等に浸透させて先端
面23に供給する場合には、25〜200KHzとすること
が好ましい。
【0024】送風ファン3は、金属ホーン22の先端面
23で霧化させた霧粒子を揮散させ、霧粒子が装置周辺
に落下して液滴となり、床等を汚さないようにするため
に設けられている。ここで、送風ファン3の風速は、超
音波噴霧装置1から10cmの距離において0.2〜3m/秒
となるように調整することが好ましい。0.2m/秒より
小さいと装置周辺に液滴が付着する場合があり、3m/
秒より大きいと霧粒子を目視することが困難となり、ま
た、大きな電力が必要になるので好ましくない。
【0025】また、送風ファン3の特性としては、負荷
が無い状態での静圧値が30〜150Paのものが好ま
しい。静圧値が30Pa未満であると霧粒子を押し出す
力が弱いため床等が汚れやすく、150Paを超えると
大電力が必要となるので小型携帯式に適さない。
【0026】液容器40は、着脱自在に超音波噴霧装置
1に取り付けられる、使い捨てのカートリッジタイプの
ものであり、図3に示すように、幅広縁部41を有する
容器本体42と、容器本体42の口部43から幅広縁部
41上に伸びた吸水シート44と、容器本体42の口部
43を覆い、容器本体42の幅広縁部41に重なる板状
部材45から形成されている。
【0027】容器本体42の小突起42a、42bと吸
水シート44の小孔44a、44bと板状部材45の小
突起45a、45bとが位置合わせされて重なり、容器
本体42と板状部材45の周縁部(図3(b)において
斜線を付した部分)が溶着又は接着によりシールされ、
容器本体42と板状部材45とで囲まれた空間内に液体
Aが収容されている。また、容器本体42の幅広縁部4
1と板状部材45のそれぞれには、互いに重なり合う開
口部46、47が形成されており、この開口部46、4
7から吸水シート44が露出している。そして、この液
容器40を超音波噴霧装置1に取り付けた状態におい
て、幅広縁部41に開けられた開口部46から露出する
吸水シート44が金属ホーン22の先端面23に接触す
る。
【0028】吸水シート44は、綿又は木材パルプを原
料とした不織布等のように、液体Aを毛細管現象で吸い
上げる濡れ性のよい材料から形成されている。
【0029】液体Aとしては、水、生理食塩水、目薬、
芳香剤、消臭剤、化粧剤その他各種薬剤を添加した液体
を使用することができる。
【0030】なお、液容器40は、超音波噴霧装置1に
取り付ける前の保管時においては、開口部46、47上
にテープ状のシール材が貼付されることにより、液体A
を液容器40内に密封したものとなっている。
【0031】この超音波噴霧装置1の使用方法として
は、まず、液体Aが収容された液容器40を、上述のシ
ール材を剥離した状態でハウジング2に装着する。スイ
ッチ5をONとすると発光ダイオード6が点灯し、超音
波振動子20が所定の駆動電力と振幅で駆動し、液容器
40の吸水シート44によって金属ホーン22の先端面
23に供給された液体Aが霧化すると共に、送風ファン
3からの送風により先端面23で霧化した霧粒子が揮散
される。ここで、使用者は液体Aの霧化を目視すること
ができるので、超音波噴霧器1に対して十分な使用感を
抱くことができる。また、霧粒子は、送風ファン3によ
り揮散されるので、装置の周辺に液滴が付着することに
よる床の汚れや化粧崩れ等の問題も生じない。さらにこ
の超音波噴霧装置1は小型軽量化が可能である。したが
って、この超音波噴霧装置1は、プライベート空間を加
湿するため、又は芳香剤等を揮散させるための噴霧装
置、及び、各人が自分の目もと周りに霧を噴霧して目の
疲れ等を癒すため、あるいは顔や肌に潤いを与えるため
の噴霧装置として有用となる。
【0032】本発明の超音波噴霧装置は、上述した他に
種々の態様をとることができる。例えば、図4に示した
超音波振動子20Bのように、金属ホーン22の先端面
23の形状が扁平な楕円のものや、図5に示した超音波
振動子20Cのように、先端面23の形状が扁平な台形
のものも使用することができる。これらの場合において
も、短尺方向L1 と長尺方向L2 の長さの比は1:20〜
2:3とすることが好ましい。また、図6に示したよう
に、金属ホーン22の先端面23を円形とした超音波振
動子20Dを用いてもよい。
【0033】また、超音波振動子20としては、金属ホ
ーンを圧電体の上下両面に設けたものを用いてもよい。
例えば、図7に示す超音波振動子20Eのように、2つ
の圧電体21a、21bからなるランジュバン型振動子
の両端に前部金属ホーン22aと後部金属ホーン22b
を設け、この前部金属ホーン22aと後部金属ホーン2
2bとでランジュバン型振動子を挟み、ボルト25で締
めたものを使用することができる。この超音波振動子2
0Eも図2の超音波振動子20Aと同様に、図1の超音
波噴霧装置1の超音波振動子20として使用することが
できる。
【0034】また、本発明において、金属ホーン22の
先端面23への液体Aの供給方法としては、吸水シート
44を使用する他、先端面23に液体Aを任意の方法に
より滴下してもよい。
【0035】
【実施例】実施例1〜3、比較例1〜3 (1)超音波噴霧装置の作製 図1に示した構成の超音波噴霧装置を構成した。この場
合、超音波振動子20としては、ジルコン酸鉛系材料か
らなり、厚さ3mm、直径15mmの円盤状の圧電体21
a、21bを図7に示すように2個重ね、その両端をア
ルミ製の前部金属ホーン22a、後部金属ホーン22b
で挟み、ボルト25で締めたランジュバン型振動子とし
た。この金属ホーンの先端面の形状は円形(短尺方向と
長尺方向の長さの比は1:1)、先端面の表面積は33mm
2であり、超音波振動子の共振周波数は50.2KHzであ
った。
【0036】電源としては、携帯できるように単三乾電
池4本を組み込み、超音波振動子20に所定の電力を投
入した。
【0037】送風ファン3としては、日本電産株式会社
製、D03P-05TM(製品仕様風量:0.155m3 /分)をセッ
テングした。この送風ファン3による風速をKANOMAX
社、ANEMOMASTER mode1 6151 を使用して測定したとこ
ろ、装置から10cmの距離において2m/秒であった。
なお、比較例3においては、送風ファンを設けなかっ
た。
【0038】また、液容器40の吸水シート44として
は、坪量30g/m2 の不織布を用い、液体Aとしては、
純水を充填した。
【0039】(2)評価 次のように各項目を評価した。
【0040】超音波振動子の駆動電力:圧電体の両端
にかかる電流と電圧の実効値を求め、その積を算出し
た。
【0041】金属ホーンの先端面の振幅:小野測器
社、ドップラー振動速度計 LV-1300を用い、超音波振動
子の節の部分を固定し、先端面にレーザーが垂直に当た
るようにして測定した。
【0042】噴霧状態の目視性:目視観察による霧粒
子の確認の容易性について次の4段階に評価した。 ◎ 先端面から霧化する霧粒子をはっきりと確認できる ○ 先端面から霧化する霧粒子を確認できる △ 先端面から霧化する霧粒子が確認しにくい × 先端面から霧化する霧粒子を確認できない
【0043】超音波噴霧装置の周辺の濡れ:超音波噴
霧装置の周囲に和紙を置き、その濡れ具合から次の段階
に評価した。 ◎ 和紙が全く濡れない ○ 和紙の濡れが軽微である △ 和紙の濡れが確認できる × 和紙の濡れがはっきりと確認できる
【0044】省電力性:単三アルカリ電池4本で連続
運転できる時間を測定し、次の基準で4段階に評価し
た。 ◎ 120分以上 ○ 75分以上120分未満 △ 45分以上75分未満 × 45分未満
【0045】総合評価:〜の項目の評価結果に基
づき、本発明の目的の達成度を次の4段階に総合評価し
た。 ◎ 目的が完全に達成 ○ ほぼ達成 △ 問題あり × 未達成 以上の結果を表1に示す。
【0046】
【表1】 実施例 比較例1 金属ホーンの形状の先端面 短尺:長尺 1:1 ← ← ← ← ← 面積(mm2) 33 ← ← ← ← ← 駆動電力(W) 3.0 0.2 5.0 0.05 8.0 0.2 振幅(μm) 22 7 45 2 56 7 送風ファンの有無 有り 有り 有り 有り 有り 無し 噴霧状態の目視性 ○ △ ○ × △ △ 周辺の濡れ ○ ○ ○ ○ ◎ × 省電力性 ○ ◎ ○ ◎ × ◎ 総合評価 ○ ○ ○ × × ×
【0047】表1から、駆動電力が0.1〜5Wの範囲にあ
り、金属ホーンの先端面の振幅が5〜50μmの範囲にあ
る各実施例の超音波噴霧装置では各評価項目において良
好な結果が達成されているのに対し、駆動電力0.1Wよ
りも低く、振幅も5μmよりも小さい比較例1において
は、噴霧状態を目視することができず、反対に駆動電力
が5Wよりも大きく、振幅も50μmより大きい比較例2
においては省電力性が劣ることがわかる。また、比較例
3から、送風ファンを設けない場合には、装置の周囲に
液滴が付着し、床等を汚す原因になることがわかる。
【0048】実施例4〜6、比較例4、5 金属ホーンの先端面の形状を表2に示す大きさの長方形
とする以外は実施例1と同様に超音波噴霧装置を作製
し、超音波振動子の駆動電力、金属ホーンの先端面の振
幅、周辺の濡れを評価し、さらに、霧化量を次のように
評価した。
【0049】霧化量:超音波噴霧装置を5分間作動させ
た前後の重さの差を求め、1分当たりの水の霧化量を求
めた。
【0050】また、各項目の評価結果に基づき、本発明
の目的の達成度を前述と同様の基準で総合評価した。
【0051】結果を表2に示す。なお、参考のため実施
例1の結果も合わせて示した。
【0052】
【表2】 実施例 比較例1 金属ホーンの形状の先端面 短尺:長尺 1:1 1:3 1:20 1:30 1:20 1:1 面積(mm2) 33 36 20 30 120 168 駆動電力(W) 3.0 ← ← ← ← ← 振幅(μm) 22 24 25 22 4 3 周辺の濡れ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 霧化量(g/分) 0.8 1.2 1.3 0.8 0.1 0.1 総合評価 ○ ◎ ◎ ○ × ×
【0053】表2から、金属ホーンの先端面を扁平形状
とし、その短尺と長尺の長さの比を1:20〜2:3とする
ことにより、単位駆動電力当たりの霧化量(霧化効率)
を向上させられることがわかる。
【0054】実施例7 実施例1において、アルミニウム製の金属ホーンをステ
ンレス製のものとする以外は実施例1と同様に超音波噴
霧装置を作製し、評価した。この結果を表3に示す。
【0055】実施例8 実施例1において、後部金属ホーンを無くし、圧電体と
して厚さ6mmのものを1個使用し、圧電体と金属ホー
ンをエポキシ系の接着剤で接合させた超音波振動子を使
用する以外は、実施例1と同様に超音波噴霧装置を作製
し、評価した。この結果を表3に示す。
【0056】実施例9 実施例4において、後部金属ホーンを無くし、圧電体と
して厚さ6mmのものを1個使用し、圧電体と金属ホー
ンをエポキシ系の接着剤で接合させた超音波振動子を使
用する以外は、実施例1と同様に超音波噴霧装置を作製
し、評価した。この結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】表3から、超音波振動子として、圧電体の
一端に金属ホーンを接合したものを使用することにより
(実施例8、9)、圧電体の両端を金属ホーンで挟み、
ボルト締めしたものを使用する場合よりも霧化量を多く
し、噴霧状態の目視性も向上させられることがわかる。
【0059】実施例10〜13 実施例8において、圧電体の厚さと直径を表4に示すよ
うにする以外は実施例8と同様に超音波噴霧装置を作製
し、評価した。この結果を表4に示す。参考のため、表
4には実施例8の結果も合わせて示す。
【0060】圧電体の厚みを1mmとした実施例10に
おいては、例えば、先端面の振幅22μmを得るためには
1.5W以上の駆動電力で十分であったが、噴霧状態の目
視性が低下した。これに対し、圧電体の厚みを15mmと
した実施例11においては同様の駆動電力が6W以上必
要となった。
【0061】また、圧電体の直径を4mmとした実施例
12においては、10Wの駆動電力では22μmの振幅を得
られず、噴霧状態の目視性も特に良好とは言えなかっ
た。一方、圧電体の直径を25mmとした実施例13にお
いては、先端面の振幅22μmを得るために10W以上の駆
動電力が必要であった。
【0062】これらの結果から、駆動電力5W以下で噴
霧状態の目視性を高めるため、圧電体は、直径6〜20m
mで、トータルの厚み3〜10mmとすることが好ましい
ことがわかる。
【0063】
【表4】 実施例 10 11 12 13 圧電体の厚み(mm) 6 1 15 6 6 圧電体の直径(mm) 15 15 15 4 25 駆動電力(W) 3.0 1.5 6 10 10 噴霧状態の目視性 ◎ △ ◎ △ ◎
【0064】実施例14、15 実施例1で、ファンに供給する電力を調整することによ
り、超音波噴霧装置から10cmの距離における風速を0.
1m/秒又は5m/秒とする以外は実施例1と同様にし
て、超音波噴霧装置を作製し、評価した。その結果、風
速を0.1m/秒にした場合には、周辺の濡れの評価が△
程度であったが、他の評価は全く問題なかった。また、
風速を5m/秒にした場合には、噴霧状態を目視で見づ
らくなったが、他の評価は全く問題なかった。
【0065】この結果から、超音波噴霧装置から10cm
の距離における風速は、送風ファンにより0.2〜3m/秒
に調整するのが好ましいことがわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明の超音波噴霧装置によれば、液体
の噴霧状況を視覚的に確認できるので使用者は十分な使
用感を得ることができ、かつ装置の周辺への液滴の付着
を防止することができる。また、省電力化、小型化によ
り、超音波噴霧装置をコードレスで携帯することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の超音波噴霧装置の前方斜視図
(a)、後方斜視図(b)及びx−x断面図(c)であ
る。
【図2】 超音波振動子の分解斜視図(a)及び先端面
側の正面図(b)である。
【図3】 液容器の斜視図(a)及び分解斜視図(b)
である。
【図4】 超音波振動子の斜視図(a)及び先端面側の
正面図(b)である。
【図5】 超音波振動子の斜視図(a)及び先端面側の
正面図(b)である。
【図6】 超音波振動子の斜視図(a)及び先端面側の
正面図(b)である。
【図7】 超音波振動子の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 超音波噴霧装置 3 送風ファン 20 超音波振動子 21 圧電体 22 金属ホーン 22a 前部金属ホーン 22b 後部金属ホーン 23 先端面 40 液容器 44 吸水シート A 液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 一之 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 大沢 清輝 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4D074 AA02 AA05 BB03 BB06 DD02 DD12 DD22 DD37 DD48 DD55 4D075 AA01 BB13Y EA05 5D107 AA12 AA13 BB02 CC04 CC12 FF03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体と金属ホーンからなる超音波振動
    子、液体を収容する液容器及び送風ファンを備え、金属
    ホーンの先端面で液体を霧化し、霧粒子を送風ファンで
    揮散させる超音波噴霧装置であって、超音波振動子を駆
    動電力0.1〜5W、金属ホーンの先端面の振幅5〜50μm
    (peak to peak)で駆動することができる超音波噴霧装
    置。
  2. 【請求項2】 金属ホーンの先端面が扁平形状であり、
    その短尺方向と長尺方向の長さの比が、1:20〜2:3で
    あり、面積が5〜100mm2である請求項1記載の超音波
    噴霧装置。
  3. 【請求項3】 超音波振動子が、ランジュバン型振動子
    の一端に金属ホーンを接合したものからなる請求項1又
    は2記載の超音波噴霧装置。
  4. 【請求項4】 送風ファンが、金属ホーンの先端部から
    10cmの距離において風速を0.2〜3m/秒にすることが
    できる請求項1〜3のいずれかに記載の超音波噴霧装
    置。
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