JP2003247922A - 材料解析システム及び材料試験システム - Google Patents

材料解析システム及び材料試験システム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 他の材料に埋め込まれた、材質が不均一であ
り、形状が複雑な被試験体の各部(内部を含めた)の変
形を3次元で評価し、各部における応力及びひずみを定
量的に測定することが可能な材料解析システムを提供す
る。 【解決手段】 本発明の材料解析システムは、3次元透
視画像を用い、所定の演算式を用いて非荷重透視画像の
各ピクセルを3次元的(空間的)に移動させ、移動後の
非荷重透視画像と上記荷重透視画像との形状が一致する
まで、演算式の係数を変化させながらシミュレーション
を行い、移動後の非荷重透視画像と上記荷重透視画像と
において、同様な階調度を有するピクセルの分布形状が
略一致したとき、各ピクセルを移動させるのに用いた式
の係数を各々抽出して、この係数に基づき荷重透視画像
における各ピクセルの変位量を求め、この変位量に基づ
いて、所定の式から被試験体の各部にかかる応力及びひ
ずみの定量的な解析を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷重が加わる前後
の材料の3次元画像に基づき、この材料の各部にかかる
応力及びひずみを解析する材料解析システム及び材料試
験システムに係わるものである。
【0002】
【従来の技術】材料試験機には目的に対応して複数の種
類が存在するが、一般的には、材料の試験片(被試験
体)に対して、引張/圧縮/曲げなどの荷重を印加し、
圧縮試験,引張試験,曲げ試験等を行えるようにした試
験機が広く用いられている。すなわち、材料試験機は、
上記試験片に対して、圧縮試験,引張試験,曲げ試験等
の結果に基づき、強度/延性/靱性などの力学的特性の
評価を行う。
【0003】また、上記材料試験機は、荷重を印加する
場合に、被試験体の温度を変化させたり、繰り返し試験
を行うなどして、被試験体の周囲の環境を変化させて、
各種の環境に対応した圧縮試験,引張試験,曲げ試験等
を行う。上述したように、材料試験機を用いて各種試験
を行うことにより、人工臓器(人工骨,人工関節,人工
靱帯,人工歯根,義歯など)材料,建築材料,機械材料
などの各種材料の使用用途に応じた試験を行うことが可
能である(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】高堂積,姫井志乃夫,有田宏志,他、
Prceeding of 6th Symposium on"Microjoining and Ass
embly Technology in Electronics",85-90
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の材料試
験機は、被試験体に対して印加されている荷重を測定す
る荷重センサと、被試験体の変位を測定する変位センサ
とにより、応力及びひずみの定量的な測定を行ってい
る。すなわち、従来の材料試験は、荷重センサと変位セ
ンサとの測定値から材料の変形状態を求め、この変形状
態と被試験体の形状/材質とに基づきコンピュータによ
る所定の演算等により、各部に発生する応力及びひずみ
の評価を行う。
【0006】しかしながら、上記材料試験機を用いた材
料試験は、被試験体の材質が均一であり、かつ単純な形
状なものに限られ、材質が不均一(材質の異なる材料が
混在している)な場合や、被試験体が複雑な形状の場合
に、印加した荷重に対応した変位−ひずみ及びひずみ−
応力の関係を、この被試験体の各部(被試験体内部を含
めて)においてコンピュータ等による演算から求めるこ
とができない。また、上記材料試験機は、人体に埋め込
まれる(インプラントされる)人工臓器のように、別の
材料のなかに封止状態で用いられる材料について、封止
された後に、封止された被試験体(例えば、人工臓器)
に、周囲の別の材料から加えられる荷重を測定すること
ができない。
【0007】本発明はこのような背景の下になされたも
ので、他の材料に埋め込まれた、材質が不均質であり、
形状が複雑な被試験体の各部(内部を含めた)の荷重に
よる変形を、周囲の構造部材の力学的特性を含めて3次
元で評価し、各部におけるひずみ及び応力を定量的に測
定することが可能な材料解析システムを提供する事にあ
る。また、本発明は、材質が不均質であり、形状が複雑
な被試験体の各部(内部を含めた)において、荷重によ
る変形を3次元で評価し、各部における応力及びひずみ
を定量的に測定することが可能な材料試験システムを提
供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の材料解析システ
ムは、X線源と複数のX線検出器とを有し、被試験体の
断面に関するX線データを収集するX線CT装置(X線
CT装置1)と、前記X線データに基づき被試験体の3
次元透視画像を生成する画像処理部(画像処理部2)
と、荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1
の3次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の
前記被試験体の第2の3次元透視画像を記憶する画像記
憶部(画像記憶部3)と、この第1の3次元透視画像の
各ピクセルを所定の演算により移動させ、第1の3次元
透視画像と第2の3次元透視画像との形状を一致させる
ことで、各ピクセルの荷重による変位量を求める変位量
演算部(変位量演算部4)と、前記変位量から、荷重に
よる前記被試験体の各部におけるひずみ及び応力を演算
する力学演算部(力学演算部5)とを有することを特徴
とする。
【0009】本発明の材料解析システムは、前記変位量
演算部が、前記所定の演算式の係数及び定数を逐次変更
しつつ、各ピクセルの移動を行うことで、第1の3次元
透視画像と第2の3次元透視画像との形状を一致させる
ことを特徴とする。
【0010】本発明の材料解析システムは、前記変位量
演算部が、第2の3次元透視画像と移動後の第1の3次
元透視画像とにおける各ピクセルを各々の階調度に基づ
き対応させて、第1の3次元透視画像と第2の3次元透
視画像との形状の一致を判定することを特徴とする。
【0011】本発明の材料解析システムは、前記力学演
算部が、前記変位量に基づき、材料の変形が微小な場
合、微小変形のひずみに対応した演算式((7)式:変
位−ひずみ関係式)を用い、材料の変形が大きい場合、
大変形のひずみに対応した演算式((5)式:変位−ひ
ずみ関係式)を用い、前記変位量に基づいて、ひずみを
演算することを特徴とする。本発明の材料解析システム
は、前記力学演算部が、前記変位量に基づき、材料が線
形材料(変形に線形性を示す材料)の場合、線形構成則
による第1の演算式((8)式)を用い、第1の構成マ
トリクス(応力とひずみとを関係付けるマトリクス、
[D])を求め、この第1の構成マトリクスに基づ
き、前記第1の演算式により応力を演算し、演算材料が
非線形材料(変形に非線形性を示す材料)の場合、非線
形・増分形の構成則による第2の演算式((6)式)を
用いて、第2の構成マトリクス([D])を求め、こ
の第2の構成マトリクスに基づき前記第2の演算式によ
り応力を演算することを特徴とする。
【0012】本発明の材料試験方法は、X線源と複数の
X線検出器とを有したX線CT装置から、被試験体の断
面に関するX線データを収集するデータ収集過程と、前
記X線データに基づいて、被試験体の3次元透視画像が
生成される画像処理過程と、荷重が印加されていない状
態の前記被試験体の第1の3次元透視画像,及び所定の
荷重が印加された状態の前記被試験体の第2の3次元透
視画像が画像記憶部に記憶される画像記憶過程と、この
第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演算により
移動させ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透視画
像との形状を一致させることで、各ピクセルの荷重によ
る変位量を求める変位量演算過程と、前記変位量から、
荷重による前記被試験体の各部におけるひずみ及び応力
を演算する力学演算過程とを有することを特徴とする。
【0013】本発明の材料試験方法は、前記変位量演算
過程において、前記所定の演算式の係数及び定数を逐次
変更しつつ、各ピクセルの移動を行うことで、第1の3
次元透視画像と第2の3次元透視画像との形状を一致さ
せることを特徴とする。
【0014】本発明の材料試験方法は、前記変位量演算
過程において、第2の3次元透視画像と移動後の第1の
3次元透視画像とにおける各ピクセルを各々の階調度に
基づき対応させて、第1の3次元透視画像と第2の3次
元透視画像との形状の一致を判定することを特徴とす
る。
【0015】本発明の材料試験方法は、前記力学演算過
程において、前記変位量に基づき、材料の変形が微小な
場合、微小変形のひずみに対応した演算式(変位−ひず
み関係式)を用い、材料の変形が大きい場合、大変形の
ひずみに対応した演算式(変位−ひずみ関係式)を用
い、前記変位量に基づいて、ひずみを演算することを特
徴とする。本発明の材料試験方法は、前記力学演算過程
において、前記変位量に基づき、材料が線形材料の場
合、線形構成則による第1の演算式を用い、第1の構成
マトリクスを求め、この第1の構成マトリクスに基づ
き、前記第1の演算式により応力を演算し、演算材料が
非線形材料の場合、非線形・増分形の構成則による第2
の演算式を用いて、第2の構成マトリクスを求め、この
第2の構成マトリクスに基づき前記第2の演算式により
応力を演算することを特徴とする。
【0016】本発明の材料解析プログラムは、上記材料
解析システムを動作させる材料解析プログラムであっ
て、X線源と複数のX線検出器とを有したX線CT装置
から、被試験体の断面に関するX線データを収集するデ
ータ収集処理と、前記X線データに基づいて、被試験体
の3次元透視画像が生成される画像処理と、荷重が印加
されていない状態の前記被試験体の第1の3次元透視画
像,及び所定の荷重が印加された状態の前記被試験体の
第2の3次元透視画像が画像記憶部に記憶される画像記
憶処理と、この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所
定の演算により移動させ、第1の3次元透視画像と第2
の3次元透視画像との形状を一致させることで、各ピク
セルの荷重による変位量を求める変位量演算処理、前記
変位量から、荷重による前記被試験体の各部におけるひ
ずみ及び応力を演算する力学演算処理とをコンピュータ
に実行させることを特徴とする。
【0017】本発明のコンピュータ読み取り可能な記録
媒体は、上記材料解析システムを動作させる材料解析プ
ログラムを記録した記録媒体であって、X線源と複数の
X線検出器とを有したX線CT装置から、被試験体の断
面に関するX線データを収集するデータ収集処理と、前
記X線データに基づいて、被試験体の3次元透視画像が
生成される画像処理と、荷重が印加されていない状態の
前記被試験体の第1の3次元透視画像,及び所定の荷重
が印加された状態の前記被試験体の第2の3次元透視画
像が画像記憶部に記憶される画像記憶処理と、この第1
の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演算により移動
させ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透視画像と
の形状を一致させることで、各ピクセルの荷重による変
位量を求める変位量演算処理、前記変位量から、荷重に
よる前記被試験体の各部におけるひずみ及び応力を演算
する力学演算処理とをコンピュータに実行させる材料解
析プログラムを記録している。
【0018】本発明の材料試験システムは、被試験体の
上部及び下部を対向する掴み具(掴み具21,22)に
より各々把持し、この掴み具間に荷重を発生させ、この
被試験体(被試験体14)に荷重を印加する試料固定部
(固定装置20)と、X線源と複数のX線検出器とを有
し、前記被試験体の断面に関するX線データを収集する
X線CT装置(X線CT装置1)と、前記X線データに
基づき被試験体の3次元透視画像を生成する画像処理部
(画像処理部2)と、荷重が印加されていない状態の前
記被試験体の第1の3次元透視画像,及び所定の荷重が
印加された状態の前記試験体の第2の3次元透視画像を
記憶する画像記憶部(画像記憶部3)と、この第1の3
次元透視画像の各ピクセルを所定の演算により移動さ
せ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透視画像との
形状を一致させることで、各ピクセルの荷重による変位
量を求める変位量演算部(変位量演算部4)と、前記係
数から、荷重により前記試験体の各部における応力及び
ひずみを演算する力学演算部(力学演算部5)とを有す
ることを特徴とする。本発明の材料試験システムは、前
記試料固定部が、駆動部と、この駆動部によって回転が
与えられるスプライン軸と、このスプライン軸の回転を
前記各掴み具に伝える回転伝達機構とから構成され、前
記上部掴み具の回転伝達機構の駆動側要素が前記スプラ
イン軸に対してスプライン結合されていることを特徴と
する。本発明の材料試験システムは、前記変位量演算部
が、前記所定の演算式の係数及び定数を逐次変更しつ
つ、各ピクセルの移動を行うことで、第1の3次元透視
画像と第2の3次元透視画像との形状を一致させること
を特徴とする。本発明の材料試験システムは、前記変位
量演算部が、第2の3次元透視画像と移動後の第1の3
次元透視画像とにおける各ピクセルを各々の階調度に基
づき対応させて、第1の3次元透視画像と第2の3次元
透視画像との形状の一致を判定することを特徴とする。
本発明の材料試験方法は、被試験体の上部及び下部を対
向する掴み具により各々把持し、この掴み具間に荷重を
発生させ、この被試験体に荷重を印加させる試料固定過
程と、X線源と複数のX線検出器とを有したX線CT装
置から、被試験体の断面に関するX線データを収集する
データ収集過程と、前記X線データに基づいて、被試験
体の3次元透視画像が生成される画像処理過程と、荷重
が印加されていない状態の前記被試験体の第1の3次元
透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の前記試験
体の第2の3次元透視画像が画像憶部に記憶される画像
記憶過程と、この第1の3次元透視画像の各ピクセルを
所定の演算により移動させ、第1の3次元透視画像と第
2の3次元透視画像との形状を一致させることで、各ピ
クセルの荷重による変位量を求める変位量演算過程と、
前記変位量から、荷重により前記試験体の各部における
応力及びひずみが演算される力学演算過程とを有するこ
とを特徴とする。本発明の材料試験方法は、前記変位量
演算過程において、前記所定の演算式の係数及び定数を
逐次変更しつつ、各ピクセルの移動を行うことで、第1
の3次元透視画像と第2の3次元透視画像との形状を一
致させることを特徴とする。本発明の材料試験方法は、
前記変位量演算部が、第2の3次元透視画像と移動後の
第1の3次元透視画像とにおける各ピクセルを各々の階
調度に基づき対応させて、第1の3次元透視画像と第2
の3次元透視画像との形状の一致を判定することを特徴
とする請求項17または請求項18に記載の材料試験方
法。本発明の材料試験プログラムは、上記記載の材料試
験システムを動作させる材料試験プログラムであって、
被試験体の上部及び下部を対向する掴み具により各々把
持し、この掴み具間に荷重を発生させ、この被試験体に
荷重を印加する試料固定処理と、X線源と複数のX線検
出器とを有し、前記被試験体の断面に関するX線データ
を収集するX線データ収集処理と、前記X線データに基
づき被試験体の3次元透視画像を生成する画像処理と、
荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1の3
次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の前記
試験体の第2の3次元透視画像を記憶する画像記憶処理
と、この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演
算により移動させ、第1の3次元透視画像と第2の3次
元透視画像との形状を一致させることで、各ピクセルの
荷重による変位量を求める変位量演算処理と、前記変位
量から、荷重により前記試験体の各部における応力及び
ひずみを演算する力学演算処理とをコンピュータに実行
させることを特徴とする。本発明のコンピュータ読み取
り可能な記録媒体は、上記記載の材料試験システムを動
作させる材料試験プログラムを記録する記録媒体であっ
て、被試験体の上部及び下部を対向する掴み具により各
々把持し、この掴み具間に荷重を発生させ、この被試験
体に荷重を印加する試料固定処理と、X線源と複数のX
線検出器とを有し、前記被試験体の断面に関するX線デ
ータを収集するX線データ収集処理と、前記X線データ
に基づき被試験体の3次元透視画像を生成する画像処理
と、荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1
の3次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の
前記試験体の第2の3次元透視画像を記憶する画像記憶
処理と、この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定
の演算により移動させ、第1の3次元透視画像と第2の
3次元透視画像との形状を一致させることで、各ピクセ
ルの荷重による変位量を求める変位量演算処理と、前記
変位量から、荷重により前記試験体の各部における応力
及びひずみを演算する力学演算処理とをコンピュータに
実行させる材料試験プログラムを記録する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、荷重が印加されていな
い状態での被試験体の3次元透視画像(以下、非荷重透
視画像)と、所定の荷重が印加された状態での被試験体
の3次元透視画像(以下、荷重透視画像)とを、X線C
T装置からのX線の透過強度に基づくX線データから生
成する。以降、X線CT装置を用いることで得られる3
次元画像により、本発明の材料解析システムの説明を行
う。しかしながら、本発明はX線CT装置に限らず、M
RI(磁気共鳴画像)や超音波装置による3次元透視画
像を用いることも可能である。そして、後に述べる変位
量演算部4が所定の演算式を用いて非荷重透視画像の各
ピクセルを3次元的(空間的)に移動させる。
【0020】このとき、この移動後の非荷重透視画像と
上記荷重透視画像との形状が一致するまで、演算式の係
数及び定数の数値を逐次変更させながらシミュレーショ
ンを行う。すなわち、上記変位量演算部4は、移動後の
非荷重透視画像と上記荷重透視画像とにおいて、同様な
階調度を有するピクセルの分布形状が略一致したとき
に、上記荷重透視画像と各ピクセルを移動させた非荷重
透視画像との形状が一致したとする。
【0021】そして、このとき、変位量演算部4が、各
ピクセルを移動させるために用いた演算式の係数を各々
抽出して、この係数に基づいて荷重透視画像における各
ピクセルの変位量を求め、後に説明する力学演算部5
が、この変位量に基づいて、所定の演算式から被試験体
の各部にかかる応力及びひずみの定量的な数値を演算す
る。この結果、人間の体内などに埋め込まれる人工骨な
ど、他の材料に埋め込まれた被試験体(内部の構造が力
学的に不均質な構造体)の各部にかかるひずみ及び応力
の定量的な解析を行うことが可能となる。
【0022】以下、図面を参照して本発明の実施形態に
ついて説明する。 <第1の実施形態:材料試験システム>図1は本発明の
第1の実施形態による材料解析システムの構成例を示す
ブロック図である。この図において、本発明の材料解析
システムは、少なくとも、X線CT装置1,画像処理部
2,画像記憶部3,変位量演算部4及び力学演算部5を
有している。X線CT装置1は、被試験体に対してX線
を照射し、被試験体を透過するX線の強度、すなわち透
過強度に基づいたX線データを出力する。
【0023】次に、図2を参照して、上記X線CT装置
1の構成を簡単に説明する。図2はX線CT装置の構成
例を示す概念図である。X線CT装置1は、X線を放射
するX線管11と、このX線の強度を検出するX線検出
器13とを対向する位置に有し、被試験体14がX線管
11とX線検出器13との間に、図示しない固定装置に
より固定されている。上記固定装置は、つかみ具などに
より、図における被試験体14の上部及び下部を固定し
て、引張/圧縮/ねじり等の荷重を被試験体14に印加
する。
【0024】この固定装置は、上記荷重を印加した状態
で、被試験体14の体軸に沿って、この被試験体をR方
向に、360°の角度範囲において回転させることがで
きる。ここで、X線管11が扇状に広がるX線12を放
射するため、固定装置は、この扇状に広がったX線12
が被試験体14の横幅となるように、X線管11及びX
線検出器13の位置を調整する。そして、X線検出器1
3は、例えば、被試験体14の断面14nの部分におい
て、被試験体14を透過した後のX線12のX線強度を
測定する。
【0025】また、上記固定装置は、上記体軸に沿っ
て、Z1方向またはZ2方向に移動可能となっている。そ
して、X線CT装置1は、固定装置の回転及び上下の移
動を制御し、被試験体14を回転及び移動させつつ、こ
の被試験体14を透過するX線12のX線強度の測定を
行う。このとき、X線CT装置1は、被試験体14に対
し、上記荷重を印加した状態,及び印加しない状態の双
方の状態において、被試験体14を透過するX線12の
X線強度の測定を行う。X線CT装置は、3次元透視画
像が得られるものであれば、どのような構成のものでも
かまわない。
【0026】図1に戻り、上述した構成により、X線C
T装置1は、被試験体(図2における被試験体14)の
断面のX線データを出力する。そして、画像処理部2
は、X線CT装置1から出力される、被試験体が360
°回転する間のX線データ(X線透視画像)を集積し、
この集積されたX線データを再構成演算を行うことによ
り、被試験体の断面、すなわち体軸に垂直な被試験体の
断層像を生成する。
【0027】また、画像処理部2は、体軸に沿って、同
期してZ1方向またはZ2方向に、微小間隔に移動させて
得られた上記断層像を、体軸方向に重ねて、被試験体の
3次元透視画像(すなわち非荷重透視画像及び荷重透視
画像)を生成する。このとき、X線CT装置において、
上述の処理により、荷重を印加していない非荷重透視画
像と、所定の荷重を印加した状態の荷重透視画像とを、
画像処理部2に生成させる。さらに、画像処理部2は、
得られたこれらの非荷重透視画像,荷重透視画像を画像
記憶部3に記憶させるとともに、これら非荷重透視画
像,荷重透視画像を、図示しない画像表示装置の表示画
面に表示する。
【0028】以下、変位量演算部4と力学演算部5とで
行われる演算の演算式及びアルゴリズムの説明を、図3
を用いて行う。図3は、変位量演算部4の変位量算出の
動作例を示すフローチャートである。ステップS1にお
いて、画像処理部2は、画像記憶部3から上記非荷重透
視画像及び上記荷重透視画像を読み出し、以降の演算に
対応するように、各3次元透視画像を所定の画像サイズ
(例えば、「ピクセル数/単位体積」で表される分解
能)で各ピクセルの階調度を抽出し、この各ピクセルの
階調度を示すピクセル値の分布で構成される3次元画像
(3次元ボクセルモデル)を生成する。ここで、非荷重
透視画像から生成した3次元ボクセルモデル(以下、非
荷重ボクセルモデル)において、x,y,及びzの座標
で示す位置にある各ピクセルの階調度をピクセル値p
(x,y,z)で表し、荷重透視画像から生成した3次
元ボクセルモデル(以下、荷重ボクセルモデル)におい
て、x,y,及びzの座標で示す位置にある各ピクセル
の階調度をピクセル値P(x,y,z)で表す。
【0029】次に、ステップS2において、変位量演算
部4は、以下に示す(1)式,(2)式,(3)式を用
いることにより、各ピクセルのx,y及びz方向それぞ
れにおける変位量u(x,y,z),v(x,y,
z),w(x,y,z)を求める。このとき、(1),
(2),(3)式で各々用いる係数aun〜jwm,定
数p〜rは、仮の値とする。ここで、上記仮の値と
は、すでに解析が終了した被試験体において、材質が近
いと思われる材料の係数aun〜jwm,定数p〜r
を代用した値である。
【数1】
【数2】
【数3】
【0030】この各々の式において、各大括弧のなかの
第1項(中括弧の項)は変位の周期性を示すフーリエ級
数であり、第2項はべき乗的な変位の量を示しており、
第3項は上記定数である。上述した各係数及び定数の仮
の値とは、実験的に求められた値や、以前に同様な材料
の解析によって求められた値などの、ある程度実際に近
いと考えられる値が用いられる。
【0031】次に、ステップS3において、変位量演算
部4は、(1),(2),(3)式から求められた変位
量u(x,y,z),v(x,y,z),w(x,y,
z)に基づき、各々のピクセルを移動させる。すなわ
ち、上記変位量u,v,wに基づき、p(x,y,z)
を移動させることにより、(x,y,z)の位置にあっ
たピクセルは、(x+u,y+v,z+w)の位置に移
動し、すなわち、p(x,y,z)がp(x+u,y+
v,z+w)となる。
【0032】このピクセル値p(x+u,y+v,z+
w)を、ピクセル値p(X,Y,Z)とする。ここ
で、X=x+u,Y=y+v,Z=z+wである。そし
て、変位量演算部4は、上述したピクセルの3次元座標
における移動の処理を、非荷重ボクセルモデルを構成す
る各ピクセルに対して行う。ここで、ピクセル値p
(X,Y,Z)は、変位量演算部4により求められた
仮想の荷重状態にある試料の荷重ボクセルモデル、すな
わち、シミュレーション結果としての荷重ボクセルモデ
ル(シミュレーションボクセルモデル)である。
【0033】次に、ステップS4において、変位量演算
部4は、荷重ボクセルモデルにおける座標値(X,Y,
Z)におけるピクセル値P(X,Y,Z)と、上記ピク
セル値p(X,Y,Z)との数値の比較を、荷重ボク
セルモデルにおける各座標値において行う。すなわち、
変位量演算部4は、荷重ボクセルモデルの各座標値にお
けるピクセル値P(X,Y,Z)の数値と、移動後の非
荷重ボクセルモデルの各座標値におけるピクセル値p
(X,Y,Z)の数値とが一致(または所定の範囲を有
していて、略一致する場合も含む)するか否かの判定を
行う。
【0034】ここで、変位量演算部4は、荷重ボクセル
モデルの各座標値におけるピクセル値P(X,Y,Z)
の数値と、移動後の非荷重ボクセルモデルの各座標値に
おけるピクセル値p(X,Y,Z)の数値とが一致し
た場合、各係数aun〜j 及び定数p〜rを出
力して処理を終了するが、一致しない場合、処理をステ
ップS5へ進める。このとき、変位量演算部4は、下記
に示す(4)式により、ボクセルモデル全体のピクセル
値に対して、ピクセル値P(x,y,z)が移動された
ピクセル値P(X,Y,Z)と、p(X,Y,Z)と
の差分を合計して、255(階調度)×Mにより正規化
して、fとして出力する。
【数4】 ここで、Mは総ボクセル数であり、Σは画像内の全ボク
セルに対して総和を取ることを表している。そして、変
位量演算部4は、誤差関数fの誤差関数値が求められる
毎に、順次前回のfの数値と比較して、上記誤差関数値
の谷(最も誤差関数値の小さい点、すなわち極小値)を
検出し、この点をボクセルモデル全体の各ピクセル値の
階調度の一致した点とする。
【0035】次に、ステップS5において、変位量演算
部4は、各係数aun〜jwm及び定数p〜rの変
更量を、非線形計画法などの最適化手法によって、この
アルゴリズに従った演算により、上記係数及び定数の数
値を逐次変更する。そして、変位量演算部4は、変更さ
れた各係数aun〜jwm及び定数p〜rにより、
新たな変位量u(x,y,z),v(x,y,z),w
(x,y,z)を求めるため、処理をステップS2へ戻
す。
【0036】上述したように、変位量演算部4は、荷重
ボクセルモデルの各座標値におけるピクセル値P(X,
Y,Z)の数値と、移動後の非荷重ボクセルモデルの各
座標値におけるピクセル値p(X,Y,Z)の数値と
が一致するまで、ステップS2からステップS5の処理
を繰り返して行う。そして、変位量演算部4は、最終的
に、荷重ボクセルモデルの各座標値におけるピクセル値
P(X,Y,Z)の数値と、移動後の非荷重ボクセルモ
デルの各座標値におけるピクセル値p(X,Y,Z)
の数値とが一致(階調度が一致)すると、このときの各
係数aun〜jwm及び定数p〜rを出力する。
【0037】次に、力学演算部5は、上記各係数aun
〜jwm及び定数p〜rを入力し、これらに基づ
き、(1),(2),(3)式により、変位量u(x,
y,z),v(x,y,z),w(x,y,z)を求め
る。そして力学演算部5は、上記変位量u,v,wに基
づき、変位ひずみの式から、ひずみεijを求める演算
を行う。
【0038】このとき、力学演算部5は、幾何学的非線
形を伴う大変形理論で対応しなければならない材料であ
ると、以下に示す変位−ひずみの関係式である(5)式
を用いてひずみεijを求める。
【数5】 そして、力学演算部5は、以下に示す応力−ひずみ関係
を示す演算式である(6)式において、ひずみと応力と
の間の構成則(構成マトリクス)を与えて、単位面積当
たりの力である応力σijを求める演算を、荷重増分解
析により行う。
【0039】すなわち、材料に非線形性がある場合に
は、応力状態に依存して変化する行列、すなわち、構成
マトリクス[D]を用いて増分形により(6)式で与え
られ、応力「0」の状態から計算を開始して、順次、応
力の変化量を算出し、得られた応力を加算することによ
り全体の応力を求める。
【数6】 ここで、(5)式は大変形理論に対応した変位−ひずみ
関係式として用い、また、(6)式は非線形・増分形の
演算式であり、非線形材料の応力を求めるときに用い
る。
【0040】一方、力学演算部5は、幾何学的に線形な
微小変形理論で対応する材料であると、以下に示す変位
−ひずみの演算式である(7)式を用いてひずみεij
を求める。
【数7】 そして、力学演算部5は、以下に示す応力−ひずみ関係
式である(8)式において、ひずみと応力との間の構成
則を与え、単位面積当たりの力である応力σ を求め
る演算を行う。例えば、線形材料の場合には、応力状態
によらず、一定の行列、すなわち構成マトリクス[D]
を用いた(8)式により求めることができる。
【数8】 ここで(7)式は微小変形理論に対応した変位−ひずみ
関係式として用い、また、(8)式は線形材料の応力を
求めるときに用いる。
【0041】すなわち、力学演算部5は、材料(被試験
体14)の変形が微小な場合、微小変形理論に基づく、
変位−ひずみ関係式に対応した(7)式を用い、材料の
変形が大きい場合、大変形理論に基づく変位−ひずみ関
係式に対応した(5)式を用いて、ひずみを演算する。
そして、力学演算部5は、材料(被試験体14)が線形
材料の場合、線形構成則による(8)式を用い、印加し
た荷重に基づく被試験体14各部の応力を演算し、ま
た、材料が非線形材料の場合、非線形・増分形の構成則
の(6)式を用いて、印加した荷重に基づく被試験体1
4各部の応力を演算する。
【0042】ここで、通常の材料試験では、応力あるい
はひずみを簡単に算出できる単純な形状の試験片を用
い、単純負荷により、荷重と変位との関係を計測し、そ
の後に荷重から応力を換算し、変位からひずみを換算し
て、構成マトリクス[D]や[D]を求めている。
上述の説明では、構成マトリクスを求める流れにおい
て、微小変形理論と線形材料の線形構成則とを対応さ
せ、また大変形理論と非線形材料とを対応させて説明し
たが、当然、荷重の状態及び材料の材質により、微小変
形理論と非線形材料との組み合わせ、または大変形理論
と線形材料との組み合わせで演算する場合もある。
【0043】しかしながら、(6)式及び(8)式にお
ける構成マトリクス[D]および[D]は、内部が
不均一な材料に対応した関係であるため、上述したよう
に、荷重と変位とから単純に、応力−ひずみの関係を算
出することはできない。このため、以下に、材質が不均
一でかつ形状が単純でない被試験体に対応する応力−ひ
ずみ関係を求める方法の説明を、図1及び図4を用いて
行う。図4は、力学演算部5の応力−ひずみの関係を算
出する動作例を説明するフローチャートである。ステッ
プS11において、力学演算部5は、変位量演算部4か
ら、所定の荷重に対応した被試験体14各部の変位量u
(x,y,z),v(x,y,z),w(x,y,z)
を入力する。
【0044】次に、ステップS12において、力学演算
部5に対して、過去の実験例から近いと思われる材料を
例として、この材料のモデルを仮に設定する。被試験体
14が微小変形理論で扱い得る線形材料であれば、演算
に用いるモデルとして、応力−ひずみ関係式を(8)式
と仮定する。一方、被試験体14が非線形材料であれ
ば、演算に用いるモデルとして、応力−ひずみ関係式を
増分形の(6)式と仮定する。この設定は、図示しない
入力装置から、被試験体14が線形材料または非線形材
料のいずれかであるかのデータの入力を行うことにより
設定する。
【0045】また、被試験体14が非線形材料のとき、
応力状態等による構成マトリクス[D]の変化を適時
モデル化して、算出方法を設定する。例えば、弾塑性材
料の場合には、結合流れ則に基づき設定する。次に、ス
テップS13において、解析対象の被試験体14に対応
する構成マトリクス[D]または[D]に含まれる
各材料パラメータ(各材料のヤング率、ポアソン比等)
を、未知の変数として仮に設定する。
【0046】次に、ステップS14において、力学演算
部5は、仮のパラメータが設定された構成マトリクス
[D]または[D]に基づき、有限要素解析を行
う。このとき、試験対象の被試験体14が線形材料であ
れば、以下に示す(9)式による演算から要素剛性マト
リクス[K]を算出する。そして、力学演算部5は、
仮に設定された構成マトリクス[D]により求めた上
記要素剛性マトリクス[K]に基づき、印加された荷
重と被試験体14の各部の変位量(以下、演算変位量)
との関係を求める。
【0047】この印加される荷重は、ステップS11に
おいて入力された所定の荷重と同等の数値が用いられ
る。
【数9】 この(9)式において、マトリクス[B]は、変位−ひ
ずみマトリクスであり、∫vedvは有限要素法における
解析の1要素に関する体積分を表している。次に、力学
演算部5は、試験対象の被試験体14に対して、以下に
示す(10)式による演算から、応力状態等に依存する
要素剛性マトリクス[K]を算出する。
【0048】すなわち、力学演算部5は、仮に設定され
た構成マトリクス[D]により求めた上記要素剛性マ
トリクス[K]に基づき、印加された荷重と被試験体
14の各部の変位量(以下、演算変位量)との関係を、
増分解析により求める。
【数10】 さらに、大変形(幾何学的非線形性)に対する考慮が必
要な場合には、ひずみの定義を、以下に示す式(11)
として、接線剛性マトリクスを算出して、増分解析を行
う。
【数11】
【0049】次に、ステップS15において、力学演算
部5は、有限要素法により求められた被試験体14各部
の演算変位量と、ステップS11で入力された被試験体
14各部の変位量とが一致するか否かの判定を行う。こ
のとき、力学演算部5は、有限要素法から求めた演算変
位量と、入力された変位量とが一致しない場合、処理を
ステップS16へ進める。
【0050】次に、ステップS16において、力学演算
部5は、所定の最適化法により材料に対する構成マトリ
クス[D]または[D]の各パラメータの変更量を
求め、新たな各パラメータを設定し、処理をステップS
14へ進め、再度、有限要素法により演算変位量を求め
る。また、ステップS15において、力学演算部5は、
有限要素法から求めた演算変位量と、入力された変位量
とが一致した場合、このときの構成マトリクス[D
または[D]を求める構成関係として、図示しない出
力装置へ出力し、構成関係を求める処理を終了する。
【0051】そして、力学演算部5は、得られた構成マ
トリクス[D]または[D]を用いて(8)式また
は(6)式により、被試験体14の各部にかかる応力の
計算を行う。すなわち、力学演算部5は、変位量演算部
4の求めた変位量から、材料(被試験体14)が線形材
料の場合、線形構成則による(8)式を用い、構成関係
を求め、この線形材料の構成関係に基づき、上記(8)
式により被試験体14各部の応力を演算し、材料が非線
形材料の場合、非線形・増分形の構成則の(6)式を用
いて、非線形材料の構成関係を求め、この非線形材料の
構成関係に基づき(6)式により、被試験体14各部の
応力を演算する。
【0052】上記ステップS3において、変位量演算部
4の行う各ピクセル値P(X,Y,Z)の値の求め方
について、以下に説明する。まず、変位量演算部4は、
図7(a)に示すボクセルモデルにおいて、各画素に対
応して空間格子を作成し、図7(b)に示すように、各
ピクセル値を対応する格子の重心に各々割り付ける。そ
して、変位量演算部4は、演算した「u,v,w」によ
り上記重心を、図7(c)に移動させる(重心を変形写
像により移動させる、(Mapping,x=D(X)))。移動後
の重心(以下、移動点(Mapped Points):黒丸)と、
変形画像を構成する空間固定格子の重心(以下、対応点
(Fixed Points):白丸)とは、図7(c)で分かるよ
うに一般的には一致しない。次に、変位量演算部4は、
最終的に、各空間固定格子毎に、移動点(:変形写像)
のピクセル値を、対応点に割り付けることにより、図7
(d)に示すように、シミュレーションボクセルモデル
を生成する。
【0053】このため、以下の条件により、各移動点の
ピクセル値から、各空間固定格子の対応点のピクセル値
を決定する。基本的に、本実施形態においては、各対応
点に対して最も近傍に存在する移動点のピクセル値を、
この対応点のピクセル値とする、最近隣内挿法を基礎と
した8近傍最近隣近似法を用いている。すなわち、変位
量演算部4は、移動点が、対応点を含む空間固定格子内
へ移動したとき、移動点がこの空間固定格子内に1つの
場合、移動点のピクセル値を対応点のピクセル値とし、
移動点が空間固定格子内に複数ある場合、これら移動点
のピクセル値の平均値を演算し、この平均値を対応点の
ピクセル値とする。
【0054】また、対応点の空間固定格子内に移動点が
存在しない場合、その周囲3×3格子内の8近傍格子内
の探索を行う。このとき、周囲3×3格子内に移動点が
存在しない場合、ピクセル値を「0」とし、移動点が存
在する場合、その移動点のなかから対応点の位置に最も
近傍にある移動点のピクセル値を、この対応点のピクセ
ル値とする。上述の説明は説明を簡略化するために2次
元で行ったが、三次元の場合には、その空間固定格子内
に移動点が無い場合、近接格子周囲3×3×3格子内の
26格子として移動点の探索を行い、8近傍格子の場合
と同様の手法により対応点の格子点を決定する。
【0055】次に、ステップS5における各係数及び定
数各々の数値の求め方について説明する。すでに述べた
ように、ステップS5において、変位量演算部4は、上
述したように、各係数aun〜jwm及び定数p〜r
の変更量を、非線形計画法などの最適化手法によっ
て、このアルゴリズに従った演算により、上記係数及び
定数の数値を逐次変更する。ここで、ボクセル値は離散
値であるため、また最近隣近似に基づいて離散的な画像
処理を行うため、目的関数の感度情報(各係数及び定数
の変化量に対応する数値fの変化の度合い)を得ること
ができない。
【0056】このため、本実施形態において、変位量演
算部4は、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)
等(以下説明するa)及びb)のアルゴリズム)の離散的最
適化方法により誤差最小化処理を行う。 a)遺伝的アルゴリズムを用いる場合 変位量演算部4は、例えば、変数及び定数のデータ容量
として、各々8ビットバイナリを割り当て、各変数及び
定数毎に256段階の数値を有しているとする。この2
56段階の数値は、予め変形の範囲(探索範囲として)
として想定される所定の範囲(ボクセルモデルのピクセ
ル数や寸法など)を、255分割したものである。そし
て、遺伝的アルゴリズムのシミュレーションの条件とし
て、各個体は、変位量演算部4において、上記各変数及
び定数の数値から選択されて、1000個の組み合わせ
として構成される。各個体の組み合わせを変更する遺伝
子操作としては、一様交叉(交叉率75%),線形ラン
キング選択,エリート戦略及び突然変異(突然変異率
1.0%)などを用いた。
【0057】b)SCE-UA(Shuffled Complex Evolution Me
thod developed at the UniversityArizona)法 このSCE-UA方法は、遺伝的アルゴリズム類似の進化手法
を取り入れ、物理的な意味を持つ解の探索領域を設定で
きることと、計算の途中で、複数の個体群で独立に進化
させるため、最終的に解を得る場合、計算不能や発散な
どが発生せず、必ず解が求まることを特徴としている。
【0058】すなわち、SCE-UA法は、競争進化及び集団
混合の概念を組み合わせた帯域探索による最適化手法で
ある。以下に計算手順を簡単に示す。 決定変数((1)〜(3)式における係数aun
wm及び定数p〜r、または(1')〜(3')式
における変数au13(k,k,k)等)の個数n,
集団数p,各集団内の個体数m(=2n+1)を設定し、
各個体を決定変数を座標値とするn次元空間上の点とみ
なす。例えば、係数および定数の数が合計n個ある場
合、p個の集団に、各々「2n+1」個の個体群を振り
分ける。 初期世代として、各決定変数値をランダムに与え、
例えば、(4)式の誤差関数の誤差関数値が低い順に個
体を並べる。
【0059】 において並べた順に、先頭の個体か
ら、1番目の個体を第1集団に含め、2番目の個体を第
2集団へ、…、p番目の個体を第p集団へ、p+1番目
の個体を第1番目の集団へ、2p(すなわち、p+p)番
目の個体を第p集団へ、…と、全ての集団へ順次個体を
振り分ける。すなわち、この振り分け方法は、p(X,
Y,Z)と、このピクセル値に対応する各係数および定
数を選択して組み合わせて演算されたp(X,Y,
Z)とにより、誤差関数fを求めて、誤差関数値が小さ
い順にp個の各集団に順次振り分けていく。例えば、係
数および定数の数が合計n個ある場合、p個の集団に、
各々「2n+1」個の個体群を振り分ける。
【0060】 各集団毎に独立させて、CCE(Conditio
nal Class Entropy)アルゴリズムにより、個体群の進
化を行わせる。上記CCEアルゴリズムにおいては、誤差
関数fの誤差関数値が高い個体を、より誤差関数値の低
い個体とするよう、係数および定数を変化させて、各個
体を進化させてゆく。 最終的に、p個の集団を、すなわち全集団を1つに
まとめて、全集団に含まれていた全個体を、再度、誤差
関数値の低い順番に並べ替えて、この全個体の内の最も
優れた個体の誤差関数値が、予め設定された収束判定値
の範囲内になるか、または、係数および定数の最適化処
理の繰り返し回数が予め設定された繰り返し設定値とな
るか、のいずれかに対応するまで、〜を繰り返し
て、係数および定数の最適化処理を行う。
【0061】上述してきたように、本発明の材料解析シ
ステムは、3次元透視画像を取ることが可能であり、ピ
クセルのピクセル値が異なった値で分布している材料
(構造が不均一)であれば、非荷重透視画像と荷重透視
画像とを得ることにより、各不均一なひずみ及び応力を
3次元的に解析することが可能である。
【0062】次に、図5及び図6を用いて、実際の非荷
重透視画像と荷重透視画像との応力及びひずみの評価の
例として、被試験体にテキスタイル材料である八つ打ち
ロープ(材料の形状が複雑であり、かつ材質が均一でな
い材料)を例にとり、3次元透視画像を用いた、荷重印
加状態における被試験体内の応力及びひずみに対する評
価の流れを以下に説明する。例えば、ロープの直径は1
0mmものを使用し、X線の照射条件は電圧85kV,電
流50μAとし、ロープ自重分の1N(ニュートン)を
印加した状態(以下、非荷重状態とする)と、50Nを
印加した状態(以下、荷重状態)とで、X線CT装置に
よる撮像を評価を行った。
【0063】図5(b)は荷重を印加しない状態(上記
非荷重状態)の断層像であり、図5(a)は非荷重状態
の3次元ボクセルモデル、すなわち非荷重透視画像であ
る。図6(b)は荷重を印加した状態(上記荷重状態)
の断層像であり、図6(a)は荷重状態の3次元ボクセ
ルモデル、すなわち荷重透視画像である。図5,6の双
方ともに、X線の透過量が少ないほど白く表示されてお
り、これらの図からのみでも、八つ打ちロープが荷重を
上下方向に印加したことにより、対軸方向に引っ張られ
ることで伸びてロープの繊維が詰まっていることが確認
できる。
【0064】この例においては、図5(b),図6
(b)の断層像を1024×1024ピクセル(ピクセ
ルの階調度を256としている)とし、この断層像を
0.2mm間隔(体軸方向に対して)で上下の評点間隔約
17mmの範囲で撮像を行っている。図5(a),図6
(a)は、上述した評点間隔の範囲で撮像した、図5
(b),図6(b)の複数の断層像を、上記軸方向の解
像度(軸方向の撮像枚数)に対応させるため、複数のピ
クセルの階調度のデータの平均化処理を行い、1024
×1024ピクセルから100×100ピクセルに、画
像の解像度を低下させて変換した3次元ボクセルモデル
である。ここで、図5(a)が非荷重ボクセルモデルで
あり、図6(a)が荷重ボクセルモデルである。すなわ
ち、画像処理部2は、画像記憶部3から上記非荷重透視
画像及び上記荷重透視画像を読み出し、各3次元透視画
像を所定の画像サイズの100×100ピクセルの解像
度に変更し、各ピクセルの階調度を抽出し、この各ピク
セルの階調度を示すピクセル値の分布で構成される、各
々の3次元ボクセルモデルを生成する。
【0065】そして、変位量演算部4は、図5(a)の
非荷重ボクセルモデルにおける各ピクセルにおいて、す
でにのべた(1)〜(3)式を用いたシミュレーション
(図3のフローチャートの各ステップに基づいて行われ
る)から、変位量u,v,wを求める。次に、力学演算
部5は、八つ打ちロープが大きく変形するため、大変形
理論のに基づく(5)式により、上記変位量u,v,w
から、非荷重ボクセルモデルに対応した荷重ボクセルモ
デルにおけるひずみを求める。そして、力学演算部5
は、八つ打ちロープが非線形材料のため、(6)式によ
り、変位量u,v,wに基づき、非荷重ボクセルモデル
に対応した荷重ボクセルモデルにおける構成関係(応力
とひずみとの関係を、すでに説明した図4のフローチャ
ートの各ステップに従い求める。
【0066】次に、変位量演算部4が変位量u,v,wの算
出に用いている(1),(2)及び(3)式を、下記に
示す各々(1'),(2')及び(3')に換えて、変位
量u,v,wを算出する場合について説明する。
【数12】
【数13】
【数14】
【0067】これら(1'),(2')及び(3')式
は、(1),(2),(3)式各々に対して、フーリエ
級数の項に、複数の座標軸における変位の影響を含ませ
たものである。(1'),(2')及び(3')式各々に
おいて、Mu,Mv,Mw及びNu,Nv,Nwは各々整数値
で問題により適宜設定する定数であり、ωは基本周波数
であり、同様に問題により適宜設定する定数である。ま
た、αijk,βijk,γijkは、i,j,kが異なれ
ば、異なる変数として定義され、GA等の最適化アルゴ
リズムにより、誤差関数から求められる誤差関数値が最
小となるように決定される変数である。そして、a
u13(k1,k2,k3),av13(k1,k2,k3),a
w13(k1,k2,k3)等も、k1,k2,k3が異なれば、異
なる変数として定義され、GA等の最適化アルゴリズム
により、誤差関数から求められる誤差関数値が最小とな
るように決定される変数である。
【0068】このため、(1'),(2')及び(3')
式を用いることにより、各々の座標軸方向の変位に対し
て、他座標軸方向からの影響、すなわち補正量を含ませ
ることとなり、(1),(2),(3)式を用いた場合
に比較して、変位量u,v,wを算出する際に、より精度の
高いシミュレーションが行える。例えば、材料解析の試
料をプチトマトとし、荷重をかけない非荷重状態におい
て、X線CT装置1により、1ボクセルの1辺の長さを
0.4mmとして、透視画像を撮像することで、非荷重
透視画像が得られる。そして、画像処理部2は、非荷重
状態の試料(プチトマト)に対して、X線CT装置1に
より得られた非荷重透視画像から、図8(図8(a):全
体の1/2の部分、図8(b):全体の1/8の部分)に示す初
期画像の3次元ボクセルモデル(非荷重ボクセルモデ
ル:1ボクセルの1辺の長さを0.4mm)を生成す
る。
【0069】次に、試料のプチトマトの上下を平行な板
で挟み、この板に対して垂直に400mNの荷重を印加
して圧縮し、X線CT装置1により、1ボクセルの1辺
の長さを0.4mmとして、透視画像を撮像すること
で、荷重透視画像が得られる。そして、画像処理部2
は、荷重状態の試料に対して、X線CT装置1により得
られた荷重透視画像から、図9(図9(a):全体の1/2の
部分、図9(b):全体の1/8の部分)に示す3次元ボクセ
ルモデル(荷重ボクセルモデル,ボクセルサイズ:1ボ
クセルの1辺の長さを0.4mm)を生成する。そし
て、変位量演算部4は、図3のフローチャートに従い、
非荷重ボクセルモデルのピクセルを変位させて求めたp
(X,Y,Z)と、荷重ボクセルモデル(図9)から
得られるp(X,Y,Z)との比較を行い、(4)式の
誤差関数が極小となる点を探索し、探索された極小点に
おける各係数及び定数を最適値として出力する。
【0070】このとき得られるシミュレーション結果の
シミュレーションボクセルモデル(ボクセルサイズ:1
ボクセルの1辺の長さを0.4mm)を図10(図10
(a):全体の1/2の部分、図10(b):全体の1/8の部分)
に示す。また、図9の荷重ボクセルモデルと、図10の
シミュレーションボクセルモデルとにおける、各位置に
おけるピクセル値の差分を示す差分ボクセルモデルを図
11(全体の1/2の部分)に示す。図11において、差
分の多い部分の階調度を高くしてあり、結果として階調
度の高い部分がほぼないことから、図11の差分値のグ
ラフから(1'),(2')及び(3')式及び図3のフ
ローチャートに基づいて、各演算により求められたシミ
ュレーションボクセルモデルが、実際の荷重ボクセルモ
デルに良く一致していることが分かる。特に、図9及び
図10とにおいて、楕円で囲んで示しているプチトマト
の「へた」と「芯」の部分が非常に一致したボクセルモ
デルとなっていることが確認できる。
【0071】次に、力学演算部5は、最適値として得ら
れたαijk,βijk,γijkと、au13(k1,
k2,k3),av13(k1,k2,k3),aw13(k1,k2,
k3)等を入力して、変位量u,v,wを各々求める。そ
して、力学演算部5は、求めた変位量u,v,wによ
り、(5)あるいは(7)式を用いて、ひずみεij
算出する。以降は、すでに述べた(1)〜(3)式を用
いて行った、変位−ひずみマトリクス,要素剛性マトリ
クス[K],構成マトリクス[D],接線剛性マト
リクス算出の演算と同様であるため、説明を省略する。
【0072】上述したように、本発明の材料解析システ
ムを用いることにより、従来、材質が均質でなく、形状
が複雑であり、材料試験において全体としての挙動が判
るのみで、局所的な状態が不明である被試験体に対し
て、荷重を印加することにより被試験体内部の各部位に
発生する応力及びひずみの分布を定量的に求めることが
できるため、被試験体を構造部材とする構造体の構造設
計を、使用する用途に応じて精度良く行うことが可能と
なる。
【0073】また、被試験体に荷重をかける装置を具備
する構成のX線CT装置1を用いて、本発明の構成を説
明してきたが、本発明によれば、例えば、人体に埋め込
む人工臓器(人工骨など)により、周囲の人体組織(構
造部材と考えられる)にかかる荷重の評価を行うことが
可能である。この場合、まず、画像処理部2は、通常の
医療用等に用いられるX線CT装置の撮像する断層像か
ら、変形させない状態において、人工臓器を埋め込む部
位の筋肉組織等の非荷重ボクセルモデル、すなわち非荷
重透視画像をすでに説明した方法により作成し、画像記
憶部3に格納する。
【0074】次に、画像処理部2は、医療用のX線CT
装置の撮像する断層像から、所定の荷重を印加して変形
させた状態において、人工臓器を埋め込む部位の筋肉組
織等の荷重ボクセルモデル、すなわち荷重透視画像を、
すでに説明した方法により作成し、画像記憶部3へ格納
する。このとき、被試験体である筋肉組織等の上記非荷
重ボクセルモデルと上記荷重ボクセルモデルとは、同様
な解像度で撮像した断層像を用い、同一の縮尺であり、
かつ、ピクセル構成が同一の数、例えば双方とも100
×100ピクセルとする。
【0075】そして、荷重透視画像については、所定の
荷重を印加される筋肉組織等の部位を、体形を変化させ
ながら異なった荷重がこの筋肉組織等にかかる各々の状
態毎に荷重透視画像を作成する。そして、画像処理部2
は、非荷重ボクセルモデルと上記複数の荷重ボクセルモ
デルとの画像データを画像記憶部3へ記憶させる。次
に、変位量演算部4は、すでに述べた(1),(2),
(3)式、あるいは(1'),(2'),(3')式によ
り、変位量u,v,wを、各々の体形の荷重ボクセルモ
デル毎に求める。
【0076】次に、力学演算部5は、荷重を印加された
筋肉組織等を被試験体とする場合、変形としては大変形
であるため、(5)式により変位量u,v,wに基づ
き、非荷重ボクセルモデルに対応した荷重ボクセルモデ
ルにおけるひずみを、図3のフローチャートの各ステッ
プに従い求める。そして、力学演算部5は、筋肉組織等
が非線形材料のため、(6)式により、変位量u,v,
wに基づき、非荷重ボクセルモデルに対応した荷重ボク
セルモデルにおける構成関係を、すでに説明した図4の
フローチャートの各ステップに従い求める。
【0077】ここで、力学演算部5は、有限要素法によ
り、被試験者の体形毎に筋肉組織等にかかるひずみ及び
応力を求める。すなわち、力学演算部5は、被試験者の
複数の体形各々において、人体に埋め込まれる人工臓器
により、周囲の筋肉組織等にかかる荷重を想定し、この
筋肉組織等(血管や神経等も含め)に発生する応力及び
ひずみを演算する。上述した演算により、各患者毎にお
ける生体組織の力学的な構造の特性、すなわち応力及び
ひずみの関係を得て、埋め込む人工臓器と、被試験体
(上述の場合には筋肉組織等)とを構造部材とする構造
体(ここでは人体)の構造設計を精度良く行うことがで
きる。
【0078】そして、埋め込み周囲の筋肉組織等の応力
及びひずみの関係に基づき、埋め込む人工臓器の構造設
計を行い、この筋肉組織に対応する大きさや応力及びひ
ずみ関係を有する人工臓器を作成する。そして、この作
成された人工臓器を人体に埋め込む場合に、筋肉組織に
した上述の試験と同様な試験をこの人工臓器に対して行
う。
【0079】すなわち、画像処理部2は、通常の医療用
等に用いられるX線CT装置の撮像する断層像から、埋
め込む前の人工骨の非荷重ボクセルモデル、すなわち非
荷重透視画像をすでに説明した方法により作成し、画像
記憶部3に格納する。次に、画像処理部2は、医療用の
X線CT装置の撮像する断層像から、人体に埋め込んだ
後の人工骨の荷重ボクセルモデル、すなわち荷重透視画
像を、すでに説明した方法により作成し、画像記憶部3
へ格納する。
【0080】このとき、被試験体である人工骨の上記非
荷重ボクセルモデルと上記荷重ボクセルモデルとは、同
様な解像度で撮像した断層像を用い、同一の縮尺であ
り、かつ、ピクセル構成が同一の数、例えば双方とも1
00×100ピクセルとする。そして、荷重透視画像に
ついては、人工骨を埋め込んだ人体の部位を、体形を変
化させながら異なった荷重がこの人工骨にかかる各々の
状態毎に荷重透視画像を作成する。
【0081】そして、画像処理部2は、非荷重ボクセル
モデルと上記複数の荷重ボクセルモデルとの画像データ
を画像記憶部3へ記憶させる。次に、変位量演算部4
は、すでに述べた(1),(2),(3)式により、変
位量u,v,wを、各々の体形の荷重ボクセルモデル毎
に求める。次に、力学演算部5は、人体に埋め込まれた
人工骨を被試験体とする場合、変形としては微小な変形
であるため、(6)式により変位量u,v,wに基づ
き、非荷重ボクセルモデルに対応した荷重ボクセルモデ
ルにおけるひずみを、図3のフローチャートの各ステッ
プに従い求める。そして、力学演算部5は、人工骨が線
形材料のため、(7)式により、変位量u,v,wに基
づき、非荷重ボクセルモデルに対応した荷重ボクセルモ
デルにおける応力を、すでに説明した図4のフローチャ
ートの各ステップに従い求める。
【0082】ここで、力学演算部5は、非荷重ボクセル
モデルの各ピクセルに対する、荷重ボクセルモデル毎の
各ピクセルの変位量に基づき、被試験者の体形毎に人工
骨にかかるひずみ及び応力を求める。すなわち、力学演
算部5は、被試験者の複数の体形各々において、人体の
他の生体組織から人工骨にかかる荷重により、この人工
骨各部(内部も含め)に発生する応力及びひずみを演算
する。そして、すでに演算されている筋肉組織等の応力
及びひずみの関係に対応しているか否かの判定、すなわ
ち、この筋肉組織等に不都合な荷重がかかっているか否
かの判定を行い、人工臓器の構造設計の妥当性を検討す
る。これにより、発明の材料解析システムを用いること
により、各患者の人体の個体差に合わせた人工臓器の構
造設計を、他の構造部材(例えば、筋肉組織等)に対す
る適合性を向上させ、高い精度で設計することが可能と
なる。
【0083】上述した本発明の材料解析システムを用い
ることにより、従来評価できなかった人体に埋め込んだ
人工臓器の評価において、人工臓器を埋め込む前に、人
工臓器を埋め込むことにより周囲の生体組織にかかる応
力およびひずみと、周囲の生体組織から印加される荷重
によりこの人工臓器の各部にかかる応力およびひずみと
を、3次元において定量的に求めることにより、構造部
材としての生体組織や人工臓器の強度などに対する構造
設計及び材料設計を、人体の個体差及び使用環境に対応
して行うことができ、埋め込む人体の各個体差に対して
適合性の高い人工臓器の製造を可能とすることができ
る。
【0084】また本発明の材料解析システムを用いるこ
とにより、健常人の臓器、例えば骨などに、外部から荷
重を印加したり、体型を変えて荷重のかかり具合を調整
して、3次元ボクセルモデルで、各状態の荷重に基づい
てこの骨の各部に発生する応力及びひずみを、3次元に
おいて定量的に求め、この評価結果を人工骨の構造設計
及び材料設計にフィードバックすることにより、より実
際の骨に近い人工骨の開発・製造を行うことが可能であ
る。
【0085】<第2の実施形態:材料試験システム>本
発明の第2の実施形態の材料試験システムは、第1の実
施形態の材料解析システムの構成が用いられており、異
なる部分は固定装置20が第1の実施形態に含まれてい
ない点である。本発明は、荷重が印加されていない状態
での被試験体の3次元透視画像(以下、被荷重透視画
像)と、所定の荷重が印加された状態での被試験体の3
次元透視画像(以下、荷重透視画像)とを、X線CT装
置からのX線の透過強度に基づくX線データから生成す
る。しかしながら、本発明はX線CT装置に限らず、M
RI(磁気共鳴画像)や超音波装置による3次元透視画
像を用いることも可能である。そして、後に述べる変位
量演算部4が所定の演算式を用いて非荷重透視画像の各
ピクセルを3次元的(空間的)に移動させる。
【0086】このとき、第2の実施形態の材料試験シス
テムは、第1の実施形態の材料解析システムと同様に、
上記移動後の非荷重透視画像と上記荷重透視画像との形
状が一致するまで、演算式の係数及び定数を逐次変化さ
せながらシミュレーションを行い、他の材料に埋め込ま
れた被試験体(内部の構造が力学的に不均質な構造体)
の各部にかかる応力及びひずみの定量的な解析を行うこ
とが可能となる。
【0087】以下、図面を参照して、第2の実施形態に
ついて説明する。図12は本発明の第2の実施形態によ
る材料試験システムの構成例を示すブロック図である。
この図において、本発明の材料試験システムは、少なく
とも、X線CT装置1,画像処理部2,画像記憶部3,
変位量演算部4,力学演算部5及び固定装置20を有し
ている。上記X線CT装置1,画像処理部2,画像記憶
部3,変位量演算部4,力学演算部5各々は、第1の実
施形態の図1における各構成と同様のため(同様の処理
を行うため)、同一符号を付して説明を省略する。
【0088】次に、図2を参照して、上記X線CT装置
1の構成を簡単に説明する。図2はX線CT装置の構成
例を示す概念図である。X線CT装置1は、X線を放射
するX線管11と、このX線の強度を検出するX線検出
器13とを対向する位置に有し、被試験体14がX線管
11とX線検出器13との間に、図示しない固定装置2
0により固定されている。上記固定装置20は、つかみ
具などにより、図における被試験体14の上部及び下部
を固定して、引張/圧縮/ねじり等の荷重を被試験体1
4に印加する。
【0089】この固定装置20は、上記荷重を印加した
状態で、被試験体14の体軸に沿って、この被試験体を
R方向に、360°の角度範囲において回転させること
ができる。ここで、X線管11が扇状に広がるX線12
を放射するため、固定装置20は、この扇状に広がった
X線12が被試験体14の横幅となるように、X線管1
1及びX線検出器13の位置を調整する。そして、X線
検出器13は、例えば、被試験体14の断面14nの部
分において、被試験体14を透過した後のX線12のX
線強度を測定する。
【0090】また、上記固定装置20は、上記体軸に沿
って、同期してZ1方向またはZ2方向に移動可能となっ
ている。そして、X線CT装置1は、この固定装置20
を、回転及び移動させつつ、被試験体14を透過するX
線12のX線強度の測定を行 う。このとき、X線CT
装置1は、被試験体14に対して、上記荷重を印加した
状態,及び印加しない状態の双方の状態において、被試
験体14を透過するX線12のX線強度の測定を行う。
【0091】上述した固定装置20を図13を用いて説
明する。図13は固定装置20の構成例を示す概念図で
ある。被試験体14は、掴み具21により上部が把持さ
れ、掴み具22により下部が把持されている。アーム2
3は掴み具21を有し、またアーム24は掴み具22を
有しており、固定装置20は、掴み具21及び掴み具2
2を、これら掴み具の対向方向に沿う荷重軸に対して平
行に、上下に駆動させる負荷機構を内部に有している。
また、掴み具21及び22は、固定装置20内の駆動部
により、同期して駆動され、掴んでいる試料を図2のR
方向へ、被試験体14の上記荷重軸に平行な中心軸を中
心として回転させられる。
【0092】また、固定装置20には、上記他の駆動部
により回転が与えられるスプライン軸25が設けられて
いる。そして、アーム23及びアーム24の掴み具2
1,掴み具22には、上記スプライン軸25の回転を伝
達される回転伝達機構が設けられている。これにより、
掴み具21,掴み具22は、試料を掴んだ状態におい
て、同期してR方向への回転を行うこととなる。ここ
で、上部にある掴み具21の回転伝達機構の駆動側要素
がスプライン軸25に対してスプライン結合されてい
る。こうすることで、掴み具21及び22は、固定装置
20内に設けられた負荷機構により試料に荷重をかけつ
つ、同期した状態において、R方向へ回転させることが
できる。
【0093】したがって、掴み具21が上記負荷機構に
より上部方向に所定の力で引っ張られるとき、掴み具2
2が同様に負荷機構により下部方向に同一の力で引っ張
られ、被試験体14に対して引張荷重が印加されること
となる。また、掴み具21が負荷機構により下部方向に
所定の力で押し出されるとき、掴み具22が同様に負荷
機構により上部方向に押し出され、被試験体14に対し
て圧縮荷重が印加されることとなる。
【0094】この被試験体14に印加される荷重は、掴
み具21に埋め込まれたロードセルにより測定される。
固定装置20の駆動制御部は、この上記ロードセルによ
り測定された荷重検出結果を用いて、被試験体14に印
加される荷重が予め設定された数値となるように、上記
負荷機能を制御する。
【0095】加えて、掴み具21及び22は、被試験体
14に荷重をかけた状態で、固定装置20内の駆動部が
同期させつつ、微小角度毎に角度を変化させ、この被試
験体14を360°回転することができる。これによ
り、X線管11から放射されるX線12が、荷重をかけ
られた状態の被試験体14を透過して、X線検出装置1
3で検出され、X線検出装置13から、図12の画像処
理部2において層画像を生成するために用いられるX線
データとして出力される。
【0096】図12に戻り、上述した構成により、X線
CT装置1は、被試験体(図2における被試験体14)
の断面のX線データを出力する。そして、画像処理部2
は、X線CT装置1から出力される、被試験体が360
°回転する間のX線データ(X線透視画像)を集積し、
この集積されたX線データを再構成演算を行うことによ
り、被試験体の断面、すなわち体軸に垂直な被試験体の
断層像を生成する。
【0097】また、画像処理部2は、体軸に沿って、同
期してZ1方向またはZ2方向に、微小間隔に移動させて
得られた上記断層像を、体軸方向に重ねて、被試験体の
3次元透視画像(3次元ボクセルモデル)を生成する。
このとき、X線CT装置において、上述の処理により、
荷重を印加していない非荷重透視画像の非荷重ボクセル
モデルと、所定の荷重を印加した状態における荷重透視
画像の荷重ボクセルモデルとを、画像処理部2に生成さ
せる。
【0098】さらに、画像記憶部2は、得られたこれら
の非荷重ボクセルモデル,荷重ボクセルモデルを画像記
憶部3に記憶させるとともに、これら非荷重ボクセルモ
デル,荷重ボクセルモデルを、図示しない画像表示装置
の表示画面に表示する。以下、変位量演算部4と力学演
算部5とで行われる変位量,応力及びひずみの算出を行
う演算の演算式及びアルゴリズム(図3及び図4のフロ
ーチャートの処理)については、第1の実施形態と同様
のため(同一符号の構成が同様の処理を行うため)省略
する。
【0099】上述したように、本発明の材料試験システ
ムを用いることにより、従来、評価が行えなかった、荷
重をかけた状態における被試験体に対して、荷重をかけ
た状態で被試験体14を360°回転させることが可能
な固定装置20により、荷重をかけた状態での被試験体
14の3次元ボクセルモデル、すなわち荷重透視画像を
生成することが可能となるため、内部の構造が力学的に
不均質であり、複雑な形状の被試験体14の、荷重によ
る3次元変形の形状を検出することが可能である。
【0100】また、本発明の材料試験システムを用いる
ことにより、材質が均一でなく、形状が複雑であり、従
来、破壊試験を用いることでしか強度/延性/靱性の評
価が行えない被試験体の試験を行う場合にも、被試験体
の破壊を行うことなく、荷重を印加することにより被試
験体内部の各部位に発生する応力及びひずみの分布を定
量的に、3次元において求めることができるため、被試
験体の構造設計及び材料設計を使用する用途に応じて精
度良く行うことが可能となる。
【0101】このように、本発明の材料試験システムを
用いることにより、従来、材質が均質でなく、形状が複
雑であり、材料試験において全体としての挙動が判るの
みで、局所的な状態が不明である被試験体に対して、荷
重を印加することにより被試験体内部の各部位に発生す
る応力及びひずみの分布を定量的に求めることができる
ため、被試験体を構造部材とする構造体の構造設計を、
使用する用途に応じて精度良く行うことが可能となる。
【0102】なお、上記した本発明の実施形態において
は、材料解析システム及び材料試験システムにおいて実
行される手順をコンピュータ読取り可能な記録媒体に記
録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュ
ータシステムに読み込ませ、実行することにより本発明
の材料解析システムが実現されるものとする。ここでい
うコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハー
ドウアを含むものである。
【0103】更に、「コンピュータシステム」は、WW
Wシステムを利用している場合であれば、ホームページ
提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。ま
た、「コンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、フレ
キシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−R
OM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵される
ハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コ
ンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、インターネッ
ト等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプ
ログラムが送信された場合のシステムやクライアントと
なるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RA
M)のように、一定時間プログラムを保持しているもの
も含むものとする。
【0104】また、上記プログラムは、このプログラム
を記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝
送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により
他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここ
で、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネ
ット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回
線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体
のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能
の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、
前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録され
ているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、い
わゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良
い。
【0105】以上、本発明の第1及び第2の実施形態を
図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実
施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0106】
【発明の効果】本発明の材料解析システムによれば、他
の材料に埋め込まれた(例えば、人体に埋め込まれた人
工臓器)のように、材質が不均一であり、形状が複雑な
被試験体の各部(内部を含めた)の変形を3次元ボクセ
ルモデルによりで評価することができ、各部における応
力及びひずみを定量的に測定することが可能となり、使
用する環境、すなわち荷重のかかり具合に対応した構造
設計及び材料設計を行うことができる。
【0107】本発明の材料試験システムによれば、材質
が不均一であり、形状が複雑な被試験体の各部(内部を
含めた)の変形を3次元ボクセルモデルによりで評価す
ることができ、各部における応力及びひずみを定量的に
測定することが可能となり、使用する環境、すなわち荷
重のかかり具合に対応した構造設計及び材料設計を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による材料解析シス
テムの構成例を示すブロック図である。
【図2】 図1のX線CT装置1の構成を示す概念図で
ある。
【図3】 図1における変位量演算部4の変位量算出の
動作例を示すフローチャートである。
【図4】 図1における力学演算部5の応力算出の動作
例を示すフローチャートである。
【図5】 本発明におけるX線CT装置1により撮像さ
れた層画像から生成された非荷重状態の八つ打ちロープ
の透視画像である。
【図6】 本発明におけるX線CT装置1により撮像さ
れた層画像から生成された荷重状態の八つ打ちロープの
透視画像である。
【図7】 変位量演算部4における各ピクセル値P
(X,Y,Z)の値の算出方法の説明を行う概念図で
ある。
【図8】 X線CT装置1により撮像された断層画像か
ら生成された試料(プチトマト)の非荷重状態での3次
元ボクセルモデル(非荷重ボクセルモデル)の図であ
る。
【図9】 X線CT装置1により撮像された断層画像か
ら生成された試料(プチトマト)の荷重状態での3次元
ボクセルモデル(荷重ボクセルモデル)の図である。
【図10】 非荷重ボクセルモデルから、シミュレーシ
ョンによって得られた荷重ボクセルモデル(1ボクセル
の1辺の長さ0.4mm)の図である。
【図11】 図9の荷重ボクセルモデルと、図10のシ
ミュレーションボクセルモデルとにおける、各位置にお
けるピクセル値の差分を示す差分ボクセルモデルの図で
ある。
【図12】 本発明の第2の実施形態による材料試験シ
ステムの構成例を示すブロック図である。
【図13】 図12における被試験試料14を固定する
固定装置20の構成例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 X線CT装置 2 画像処理装置 3 画像記憶部 4 変位量演算部 5 力学演算部 11 X線管 12 X線 13 X線検出装置 14 被試験体 20 固定装置 21,22 掴み具 23,24 アーム 25 スプライン軸
フロントページの続き Fターム(参考) 2F067 AA65 EE04 GG09 HH04 JJ03 KK06 LL16 RR24 RR30 2G001 AA01 BA11 CA01 FA01 FA06 GA05 GA08 KA07 LA01 LA20 RA01 RA20 2G061 AA01 AA02 AA08 CB00 DA11 DA12 EA02 EA03 EA04 EB10

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線源と複数のX線検出器とを有し、被
    試験体の断面に関するX線データを収集するX線CT装
    置と、 前記X線データに基づき被試験体の3次元透視画像を生
    成する画像処理部と、 荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1の3
    次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の前記
    被試験体の第2の3次元透視画像を記憶する画像記憶部
    と、 この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演算に
    より移動させ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透
    視画像との形状を一致させることで、各ピクセルの荷重
    による変位量を求める変位量演算部と、 前記変位量から、荷重による前記被試験体の各部におけ
    るひずみ及び応力を演算する力学演算部とを有すること
    を特徴とする材料解析システム。
  2. 【請求項2】 前記変位量演算部が、前記所定の演算式
    の係数及び定数を逐次変更しつつ、各ピクセルの移動を
    行うことで、第1の3次元透視画像と第2の3次元透視
    画像との形状を一致させることを特徴とする請求項1記
    載の材料解析システム。
  3. 【請求項3】 前記変位量演算部が、第2の3次元透視
    画像と移動後の第1の3次元透視画像とにおける各ピク
    セルを各々の階調度に基づき対応させて、第1の3次元
    透視画像と第2の3次元透視画像との形状の一致を判定
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    材料解析システム。
  4. 【請求項4】 前記力学演算部が、材料の変形が微小な
    場合、微小変形のひずみに対応した演算式を用い、材料
    の変形が大きい場合、大変形のひずみに対応した演算式
    を用い、前記変位量に基づいて、ひずみを演算すること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    材料解析システム。
  5. 【請求項5】 前記力学演算部が、前記変位量に基づ
    き、材料が線形材料の場合、線形構成則による第1の演
    算式を用い、第1の構成マトリクスを求め、この第1の
    構成マトリクスに基づき、前記第1の演算式により応力
    を演算し、演算材料が非線形材料の場合、非線形・増分
    形の構成則による第2の演算式を用いて、第2の構成マ
    トリクスを求め、この第2の構成マトリクスに基づき前
    記第2の演算式により応力を演算することを特徴とする
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の材料解析シス
    テム。
  6. 【請求項6】 X線源と複数のX線検出器とを有したX
    線CT装置から、被試験体の断面に関するX線データを
    収集するデータ収集過程と、 前記X線データに基づいて、被試験体の3次元透視画像
    が生成される画像処理過程と、 荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1の3
    次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の前記
    被試験体の第2の3次元透視画像が画像記憶部に記憶さ
    れる画像記憶過程と、 この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演算に
    より移動させ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透
    視画像との形状を一致させることで、各ピクセルの荷重
    による変位量を求める変位量演算過程と、 前記変位量から、荷重による前記被試験体の各部におけ
    るひずみ及び応力を演算する力学演算過程とを有するこ
    とを特徴とする材料試験方法。
  7. 【請求項7】 前記変位量演算過程において、前記所定
    の演算式の係数及び定数を逐次変更しつつ、各ピクセル
    の移動を行うことで、第1の3次元透視画像と第2の3
    次元透視画像との形状を一致させることを特徴とする請
    求項6に記載の材料試験方法。
  8. 【請求項8】 前記変位量演算過程において、第2の3
    次元透視画像と移動後の第1の3次元透視画像とにおけ
    る各ピクセルを各々の階調度に基づき対応させて、第1
    の3次元透視画像と第2の3次元透視画像との形状の一
    致を判定することを特徴とする請求項6または請求項7
    に記載の材料試験方法。
  9. 【請求項9】 前記力学演算過程において、材料の変形
    が微小な場合、微小変形のひずみに対応した演算式を用
    い、材料の変形が大きい場合、大変形のひずみに対応し
    た演算式を用い、前記変位量に基づいて、ひずみを演算
    することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか
    に記載の材料試験方法。
  10. 【請求項10】 前記力学演算過程において、前記変位
    量に基づき、材料が線形材料の場合、線形構成則による
    第1の演算式を用い、第1の構成マトリクスを求め、こ
    の第1の構成マトリクスに基づき、前記第1の演算式に
    より応力を演算し、演算材料が非線形材料の場合、非線
    形・増分形の構成則による第2の演算式を用いて、第2
    の構成マトリクスを求め、この第2の構成マトリクスに
    基づき前記第2の演算式により応力を演算することを特
    徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載の材料
    試験方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項5のいずれかに記
    載の材料解析システムを動作させる材料解析プログラム
    であって、 X線源と複数のX線検出器とを有したX線CT装置か
    ら、被試験体の断面に関するX線データを収集するデー
    タ収集処理と、 前記X線データに基づいて、被試験体の3次元透視画像
    が生成される画像処理と、 荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1の3
    次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の前記
    被試験体の第2の3次元透視画像が画像記憶部に記憶さ
    れる画像記憶処理と、 この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演算に
    より移動させ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透
    視画像との形状を一致させることで、各ピクセルの荷重
    による変位量を求める変位量演算処理と、 前記変位量から、荷重による前記被試験体の各部におけ
    るひずみ及び応力を演算する力学演算処理とをコンピュ
    ータに実行させることを特徴とする材料解析プログラ
    ム。
  12. 【請求項12】 請求項1から請求項5のいずれかに記
    載の材料解析システムを動作させる材料解析プログラム
    を記録した記録媒体であって、 X線源と複数のX線検出器とを有したX線CT装置か
    ら、被試験体の断面に関するX線データを収集するデー
    タ収集処理と、 前記X線データに基づいて、被試験体の3次元透視画像
    が生成される画像処理と、 荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1の3
    次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の前記
    被試験体の第2の3次元透視画像が画像記憶部に記憶さ
    れる画像記憶処理と、 この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演算に
    より移動させ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透
    視画像との形状を一致させることで、各ピクセルの荷重
    による変位量を求める変位量演算処理と、 前記変位量から、荷重による前記被試験体の各部におけ
    るひずみ及び応力を演算する力学演算部と をコンピュータに実行させる材料解析プログラムを記録
    したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. 【請求項13】 被試験体の上部及び下部を対向する掴
    み具により各々把持し、この掴み具間に荷重を発生さ
    せ、この被試験体に荷重を印加する試料固定部と、 X線源と複数のX線検出器とを有し、前記被試験体の断
    面に関するX線データを収集するX線CT装置と、 前記X線データに基づき被試験体の3次元透視画像を生
    成する画像処理部と、 荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1の3
    次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の前記
    試験体の第2の3次元透視画像を記憶する画像記憶部
    と、 この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演算に
    より移動させ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透
    視画像との形状を一致させることで、各ピクセルの荷重
    による変位量を求める変位量演算部と、 前記変位量から、荷重により前記試験体の各部における
    応力及びひずみを演算する力学演算部とを有することを
    特徴とする材料試験システム。
  14. 【請求項14】 前記試料固定部が、 駆動部と、 この駆動部によって回転が与えられるスプライン軸と、 このスプライン軸の回転を前記各掴み具に伝える回転伝
    達機構とから構成され、 前記上部掴み具の回転伝達機構の駆動側要素が前記スプ
    ライン軸に対してスプライン結合されていることを特徴
    とする請求項13に記載の材料試験システム。
  15. 【請求項15】 前記変位量演算部が、前記所定の演算
    式の係数及び定数を逐次変更しつつ、各ピクセルの移動
    を行うことで、第1の3次元透視画像と第2の3次元透
    視画像との形状を一致させることを特徴とする請求項1
    3または請求項14に記載の材料試験システム。
  16. 【請求項16】 前記変位量演算部が、第2の3次元透
    視画像と移動後の第1の3次元透視画像とにおける各ピ
    クセルを各々の階調度に基づき対応させて、第1の3次
    元透視画像と第2の3次元透視画像との形状の一致を判
    定することを特徴とする請求項13〜請求項15のいず
    れかに記載の材料試験システム。
  17. 【請求項17】 被試験体の上部及び下部を対向する掴
    み具により各々把持し、この掴み具間に荷重を発生さ
    せ、この被試験体に荷重を印加させる試料固定過程と、 X線源と複数のX線検出器とを有したX線CT装置か
    ら、被試験体の断面に関するX線データを収集するデー
    タ収集過程と、 前記X線データに基づいて、被試験体の3次元透視画像
    が生成される画像処理過程と、 荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1の3
    次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の前記
    試験体の第2の3次元透視画像が画像憶部に記憶される
    画像記憶過程と、 この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演算に
    より移動させ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透
    視画像との形状を一致させることで、各ピクセルの荷重
    による変位量を求める変位量演算過程と、 前記変位量から、荷重により前記試験体の各部における
    応力及びひずみが演算される力学演算過程とを有するこ
    とを特徴とする材料試験方法。
  18. 【請求項18】 前記変位量演算過程が、前記所定の演
    算式の係数及び定数を逐次変更しつつ、各ピクセルの移
    動を行うことで、第1の3次元透視画像と第2の3次元
    透視画像との形状を一致させることを特徴とする請求項
    17に記載の材料試験方法。
  19. 【請求項19】 前記変位量演算過程が、第2の3次元
    透視画像と移動後の第1の3次元透視画像とにおける各
    ピクセルを各々の階調度に基づき対応させて、第1の3
    次元透視画像と第2の3次元透視画像との形状の一致を
    判定することを特徴とする請求項17または請求項18
    に記載の材料試験方法。
  20. 【請求項20】 請求項13から請求項16のいずれか
    に記載の材料試験システムを動作させる材料試験プログ
    ラムであって、 被試験体の上部及び下部を対向する掴み具により各々把
    持し、この掴み具間に荷重を発生させ、この被試験体に
    荷重を印加する試料固定処理と、 X線源と複数のX線検出器とを有し、前記被試験体の断
    面に関するX線データを収集するX線データ収集処理
    と、 前記X線データに基づき被試験体の3次元透視画像を生
    成する画像処理と、 荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1の3
    次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の前記
    試験体の第2の3次元透視画像を記憶する画像記憶処理
    と、 この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演算に
    より移動させ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透
    視画像との形状を一致させることで、各ピクセルの荷重
    による変位量を求める変位量演算部と、 前記変位量から、荷重により前記試験体の各部における
    応力及びひずみを演算する力学演算処理とをコンピュー
    タに実行させることを特徴とする材料試験プログラム。
  21. 【請求項21】 請求項13から請求項16のいずれか
    に記載の材料試験システムを動作させる材料試験プログ
    ラムを記録する記録媒体であって、 被試験体の上部及び下部を対向する掴み具により各々把
    持し、この掴み具間に荷重を発生させ、この被試験体に
    荷重を印加する試料固定処理と、 X線源と複数のX線検出器とを有し、前記被試験体の断
    面に関するX線データを収集するX線データ収集処理
    と、 前記X線データに基づき被試験体の3次元透視画像を生
    成する画像処理と、 荷重が印加されていない状態の前記被試験体の第1の3
    次元透視画像,及び所定の荷重が印加された状態の前記
    試験体の第2の3次元透視画像を記憶する画像記憶処理
    と、 この第1の3次元透視画像の各ピクセルを所定の演算に
    より移動させ、第1の3次元透視画像と第2の3次元透
    視画像との形状を一致させることで、各ピクセルの荷重
    による変位量を求める変位量演算部と、 前記変位量から、荷重により前記試験体の各部における
    応力及びひずみを演算する力学演算処理とをコンピュー
    タに実行させる材料試験プログラムを記録したコンピュ
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