JP2003246734A - インジゴイド含有グルクロノシルトランスフェラーゼ誘導剤 - Google Patents
インジゴイド含有グルクロノシルトランスフェラーゼ誘導剤Info
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Abstract
発現を誘導することにより、生体内グルクロノシルトラ
ンスフェラーゼ量を高めて、その欠乏に起因する各種疾
病を予防あるいは治療する医薬またはそれを含む食品の
提供を課題とする。 【解決手段】天然由来あるいは合成のインジルビン、イ
ンジゴ、イソインジゴなどのインジゴイドを含有する医
薬品あるいは食品が、生体内のグルクロノシルトランス
フェラーゼの発現を誘導し、その量を増加させ、異物代
謝などの生体内の機能調節能を円滑にし、前期課題を解
決した。
Description
成のインジゴイドを含有してなるグルクロノシルトラン
スフェラーゼ誘導剤、それを含有する医薬品あるいは食
品に関する。
第1相および第2相解毒酵素により行われ、化学物質を
最終的に水溶性の高い物質に変換し体外へ排出されやす
くする。第1相解毒酵素に分類されるのは、主にチトク
ロムP450系の酵素で、水酸化や酸化、還元反応によ
り化学物質を不活性化する。第2相解毒酵素に分類され
るのは、グルクロン酸抱合化、硫酸抱合化、アセチル
化、メチル化、グルタチオン抱合化、グルタミン酸抱合
化などのアミノ酸抱合化などの各種抱合化反応を行う酵
素であり、これらの酵素群は基質の化合物を水溶性のよ
り高い化合物へ変換する。またチトクロム系であるが、
2電子還元を行うキノンレダクターゼも第2相に分類さ
れる。
や代謝産物をより水溶性の高い化合物に変換する反応
で、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼにより
触媒され、抱合化の対象となる化合物(アグリコン)の
酸素(水酸基やカルボキシル基などに含まれている酸素
原子)、窒素(アミノ基などに含まれている窒素原
子)、硫黄(チオール基などに含まれている硫黄原
子)、炭素などを含む親電子官能基に対して糖塩基であ
るUDP-グルクロン酸からのグルクロン酸を付加する
反応である。反応生成物はグルクロニド(β-D-glucopy
ranosiduronic acid conjugate)とUDP(uridine
5’-diphosphate)である。
体内に摂取された後、生体異物として認識され解毒酵素
により代謝される。その多くは、第1相薬物代謝酵素と
第2相薬物代謝酵素の連携により代謝された後体外に排
出される。第1相酵素と第2相酵素はあるバランスを持
って機能している。このとき第1相酵素により生じた化
合物の多くは反応性に富む構造を有しているので、第2
相酵素による処理が追いつかなくなると、これらの反応
性に富む化合物は、生体構成成分の核酸、糖、たんぱく
質などと結合して生体にとって悪影響を及ぼすことがあ
る。したがって第2相酵素が充分に機能しうる状態にあ
るのが生体異物の代謝において重要である。
いったインジゴイドは、いずれも公知の化合物で、染料
として古くから使用されてきた。インジルビンやイソイ
ンジゴは、量は少ないがインジゴを調製する際の副生成
物として得られる。
のがあり、主要成分としてインジゴを含み、インジルビ
ンやイソインジゴも少量含まている。しかしながら、イ
ンジゴイドがグルクロノシルトランスフェラーゼの発現
を誘導する作用を有していることは未だ知られていなか
った。
な状況において、体外異物や代謝産物の解毒や活性化、
排出機構などに関与しているグルクロノシルトランスフ
ェラーゼ誘導剤を提供すること、さらにはこのグルクロ
ノシルトランスフェラーゼ誘導剤を含む、グルクロノシ
ルトランスフェラーゼの欠乏またはグルクロノシルトラ
ンスフェラーゼ産生能の低下に起因する疾病の予防なら
びに治療、再発防止、合併症予防や健康維持増進に貢献
する医薬品や食品を提供することを課題としている。
ビンやインジゴ、イソインジゴなどのインジゴイドの生
理活性について広範な実験と研究を行ってきたところ、
これらの化合物に顕著なグルクロノシルトランスフェラ
ーゼ発現誘導作用があることを突き止めた。すなわち、
天然物から単離、精製、あるいは化学合成により調製し
たインジゴイドをヒト又は動物に投与することにより、
生体のグルクロノシルトランスフェラーゼ活性が増大す
ることを見出した。しかも、インジゴイドが比較的安全
性の高い物質であることはすでに確かめられているの
で、ヒトあるいは動物を対象とする安全でかつ優れた医
薬品や食品として提供することができる。また、この強
い酵素誘導能を利用することで、医薬や食品素材からの
代謝産物の毒性試験の際に使用する代謝酵素誘導剤など
としても使用することができる。
含有してなるグルクロノシルトランスフェラーゼ誘導
剤、(2)インジゴイドがインジルビン、インジゴまた
はイソインジゴである(1)記載のグルクロノシルトラ
ンスフェラーゼ誘導剤、(3)インジゴイドがインジル
ビン、インジゴおよびイソインジゴからなる群から選ば
れた少なくとも2種の組み合わせからなる(1)記載の
グルクロノシルトランスフェラーゼ誘導剤、(4)肝疾
患の予防または治療剤である(1)記載のグルクロノシ
ルトランスフェラーゼ誘導剤、(5)肝疾患による合併
症の予防または治療剤である(1)記載のグルクロノシ
ルトランスフェラーゼ誘導剤、(6)解毒剤である
(1)記載のグルクロノシルトランスフェラーゼ誘導
剤、(7)肝機能亢進剤である(1)記載のグルクロノ
シルトランスフェラーゼ誘導剤、(8)発癌予防剤であ
る(1)記載のグルクロノシルトランスフェラーゼ誘導
剤、(9)発癌性化学物質不活性化剤である(1)記載
のグルクロノシルトランスフェラーゼ誘導剤、および
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載のグルクロノ
シルトランスフェラーゼ誘導剤を含有してなる食品、で
ある。
は、化学構造からいえば、2つのインドリンがそれぞれ
の2位または3位で二重結合手により結合した骨格を有
する化合物である。2位と3位が結合したインジルビン
は、3−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−イン
ドインドール−2−イリデン)−1,3−ジヒドロ−2
H−インドール−2−オンと表記される化合物(CAS-N
o. 479-41-4)、2位と2位が結合したインジゴは、2
−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドール
−2−イリデン)−1,2−ジヒドロ−3−H−インド
ール−3−オン(CAS-No.482-89-3)、3位と3いが結
合したイソインジゴは、3−(1,2−ジヒドロ−2−
オキソ−3H−インドール−3−イリデン)−1,3−
ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(CAS No. 476-
34-6)で、これらは互いに構造異性体である。本発明に
用いられるインジゴイドには、これらの化合物の一部が
他の基、たとえば、水酸基、アミノ基、ハロゲン、アル
キル基などにより置換されたものが含まれる。
加工物から抽出して単離、精製したり、化学合成した
り、あるいは微生物に産生させたりして、公知の技術に
より行うことができる。
名Polygonum tinctorium)やキツネノマゴ科のリュウキ
ュウアイ(学名Storobilanthes tlaccidifolium)、マ
メ科のタイワンコマツナギ(別名インドアイ、学名Indi
gofera tinctoria)、ラン科のエビネ(学名Calanthe d
iscolor)、などの植物や、学名Schizophyllum commune
などの真菌類などから、各種の溶剤抽出および各種のク
ロマト技術、結晶化などを組み合わせて調製することが
できる。
例えば、前述の生薬の「青黛(せいたい)」(少なくと
も5種類のインジゴ植物から選択された少なくとも1種
の植物を加工した生薬)や「すくも」(アイを加工した
染料の原料)などのインジゴイドを含有する加工物から
調製することもできる。
ドール−2,3−ジオン(慣用名:イサチン、CAS No.
91-56-5)と酢酸インドキシル(CAS No. 608-08-2)を
炭酸ナトリウムなどで弱アルカリ性としたメタノールな
どの溶媒中で反応させてインジルビンを合成することが
でき、生じたインジルビンは、洗浄と再結晶により純度
の高いものを得ることができる。イソインジゴは、イサ
チンとオキシインドールから化学合成することができ、
純度の高いものを得ることができる。インジゴも容易に
化学合成が可能で、この化合物に関しては色素分野で現
在も多量に製造されている。
菌類の培養、植物カルスの培養等により、インジゴイド
を得ることもできる。
その使用目的や剤形、使用方法により、純度の高いもの
から低いものまで種々の純度のものを使用することがで
きる。また天然物から調製すると、通常複数のインジゴ
イドが含まれてくるので、あえてそれぞれのインジゴイ
ドを分離せず、混合物としてそのまま使用することもで
きる。
薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィ
ー、赤外吸収スペクトル、可視紫外線吸収スペクトル、
質量スペクトル、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C
−核磁気共鳴スペクトルなどにより分析して、同定およ
び定量することができる。また、これらインジゴイドを
含有する各種医薬品や食品のインジゴイド含有量も、薄
層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーな
どの分析法で測定することができる。
ゼは、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼと同
義であり、UDP−グルクロン酸からグルクロン酸基を
反応の対象とする化合物(アグリコン)に対して付加す
る酵素である。グルクロノシルトランスフェラーゼが反
応の対象とする化合物は、多種多様のものがあり、それ
らの化合物の親電子性の官能基に対し、SN2反応でU
DP−グルクロン酸のC1位で転移反応が行われ、グル
クロン酸抱合体とUDPを生成する。
と第2相に分類され、グルクロノシルトランスフェラー
ゼは第2相に分類されるが、第2相酵素による抱合化反
応はひとつの化合物に対しひとつの反応だけが存在する
わけではなく、一つの化合物に対して例えばグルタチオ
ン抱合やグルクロン酸抱合など複数の抱合化が行われる
こともあるし、抱合化反応が可能な官能基が複数存在し
うる化合物では複数箇所で抱合化される場合もある。
トアミノフェンでは、その代謝物としてアセトアミノフ
ェンのグルクロン酸抱合体とN-アセチル-p-キノミネン
のグルタチオン抱合体が生じ、量的には後者の代謝の方
が多い。後者は、アセトアミノフェンが第1相酵素のチ
トクロムP450により水酸化反応された後生じたキノミネ
ン体がグルタチオン-S-トランスフェラーゼにより抱合
化されて生じる。
薬であるが、時に重篤な中毒症を引き起こすことがあ
る。すなわち、グルタチオン抱合化により代謝される場
合は、アセトアミノフェンがまず第1相解毒酵素により
水酸化され、生じたキノミネン体がグルタチオン抱合さ
れるのであるが、体内のグルタチオン量が少ない時や消
費されて枯渇している時にはキノミネン体を解毒するこ
とができず、反応性の高いキノミネン体はDNAやたんぱ
く質と結合してその結果細胞を死に至らしめ、重篤な中
毒症を発症せしめることがある。
酸抱合化反応も存在し、直接アセトアミノフェンの水酸
基にグルクロン酸を結合させてグルクロン酸抱合体と
し、尿や胆汁から体外に排出される。グルクロン酸抱合
化されたアセトアミノフェンは炎症部位においては脱抱
合されてアセトアミノフェンを再生することがあり、体
内に残存していれば薬理効果を再発揮することも可能で
ある。また、アセトアミノフェンの代謝において、グル
クロン酸抱合化が亢進したならば、グルタチオン抱合化
の割合を減少させるので、結果としてグルクロン酸抱合
化のときのような反応性の高い代謝中間産物の生成量を
抑え、生体内抗酸化分子としても機能しているグルタチ
オンの減少を抑えることができる。したがって、アセト
アミノフェンの代謝においてはグルタチオン抱合化より
むしろグルクロン酸抱合化で代謝されるほうが生体にと
って有利であると考えられる。
ンスフェラーゼは、アセトアミノフェンなどの薬物によ
る中毒症の予防や治療に使用することができ、またグル
クロノシルトランスフェラーゼの亢進作用によりグルタ
チオンの減少を防ぐことで生体抗酸化作用の減衰を防止
することが可能である。
e)は、アミノ酸合成の際にアミノ基の転移反応を触媒す
る酵素で、ほとんど全ての細胞に含有され、細胞が障害
を受けることにより漏出してくる逸脱酵素で、心筋、肝
臓、骨格筋、腎臓などに多く含まれる。そのため、AS
Tは肝疾患、心疾患、骨格筋疾患の程度、臨床経過の指
標として用いられる。ALT(Alanin aminotransferas
e)は、ASTと同様にアミノ酸合成に必要なアミノ基転
移酵素であり、細胞が損傷を受けたときに漏出してくる
逸脱酵素で、ASTに比較して特異性が高く特に肝臓で
の含有量が圧倒的に多く次いで腎臓に多く含有されてい
る。このため、ALTは肝疾患の指標として用いられ
る。LDH(Lactate dehydrogenase)は、細胞が損傷し
たときに漏出する逸脱酵素であるが、あらゆる臓器に含
まれることから、LDHが血中に増加していることでど
この組織が損傷を受けているかを特定することは難し
い。LDHによる損傷部位の予測にはLDHのアイソザ
イムの解析が必要となるが、LDHはASTやALTな
どと組み合わせて使用することにより生体内疾患の指標
として広く使用されている。
投与によるALTの逸脱を顕著に抑制しており、肝障害
を抑制することが明らかとなった。また、ASTおよび
LDHの逸脱も顕著に抑制しているので、インジルビン
が生体内グルクロノシルトランスフェラーゼを誘導し
て、肝障害のみならず他の臓器の損傷をも抑制している
と考えられる。
食事と喫煙が占めているといわれている。つまり発癌に
は食事がもっとも重要なリスクファクターのひとつであ
るということである。一方、生体の方には、これら発癌
性物質にたいする抵抗性が備わっており、その抵抗性を
担う生体機構のひとつが解毒酵素である。特にグルクロ
ノシルトランスフェラーゼを含む一群の第2相解毒酵素
は、活性化された究極発癌物質を不活性化する発癌予防
酵素である。したがって、本発明のグルクロノシルトラ
ンスフェラーゼ誘導剤を食品などにより摂取して体内の
グルクロノシルトランスフェラーゼ量を高く維持するこ
とは抗癌予防効果に繋がると期待される。
性試験などを行うとき、薬物代謝酵素発現作用のある化
合物を動物に投与してその肝臓から薬物代謝活性のある
画分(S9画分という)を調製することがあるが、この
ような目的で本発明のグルクロノシルトランスフェラー
ゼ誘導剤を使用することもできる。
ゼ誘導剤の具体的な用途としては、グルクロノシルトラ
ンスフェラーゼの欠乏に起因する各種疾病の治療剤、治
療後の再発予防剤、治療中の合併症予防剤、治療に使用
している他の医薬品の効果増強剤、解毒剤、疾病予防
剤、健康増進剤などが挙げられる。より具体的には、肝
炎などの肝疾患や薬物中毒症の予防、治療剤、肝疾患に
起因する合併症の予防、治療剤、解毒剤、肝機能亢進
剤、第2相薬物代謝機能亢進剤、生体の抗酸化機能亢進
剤、発癌予防剤、発癌性化学物質不活性化剤、それらを
含有する飲食品などである。
ゼの投与形態としては、その摂取または投与を容易なら
しめる、例えば医薬形態であれば、エキス剤、エリキシ
ル剤、顆粒剤、丸剤、軟膏剤、懸濁剤、乳剤、硬膏剤、
坐剤、散剤、チンキ剤、錠剤、シロップ剤、浸剤、煎
剤、注射剤、点鼻剤、鼻噴霧剤、外気道用吸入剤などの
形態で使用できる。食品形態では、通常の食品から加工
食品、調理食品、半調理食品、さらには、カプセルや錠
剤の形態が認められた保健機能食品の形態まで使用でき
る。
ゼ誘導剤を先に述べたような医薬品や食品の形態で用い
るにあたり、その加工や摂取を容易ならしめる、例え
ば、油性基剤、水性基剤、着香料、着色剤、湿潤剤、乳
化剤、ゲル化剤、増粘剤、酸化防止剤、防腐剤、賦形剤
などの添加物や食品素材、食品においては、野菜類、穀
類、畜肉類、魚介類などの食品素材を含有する形態であ
っても使用できる。また、本発明のグルクロノシルトラ
ンスフェラーゼ誘導剤およびそれを含有する食品は、ヒ
トが摂取する医薬品や食品のみならず、家畜、家禽、魚
介など飼育動物の飼料および飼料添加物に配合すること
ができる。
ゼ誘導剤を医薬として経口投与する場合、その投与量は
成人1日当たり0.01〜1000mg、好ましくは
1.0〜200mg程度であり、1日に1回または2〜
4回に分けて投与することができる。また食品に添加す
る場合は、1日摂取量が医薬としての1日投与量の1/
10から2倍量となるような量において使用することが
できる。
ラーゼ誘導剤の機能について、合成例、実施例などをあ
げて説明するが、それらに限定されるものではない。実
験例にて使用したインジゴイドは、インジルビンとイソ
インジゴは以下に示した化学合成により調製し、インジ
ゴは和光純薬製の試薬を使用した。
解し、これにイサチン425mgと炭酸ナトリウム63
6mgを加えて、室温下にて30分間攪拌した。これを
室温下にて一晩放置した後、吸引濾過して得られた沈殿
物をメタノール洗浄、次いで水洗浄した。吸引濾過した
際の濾液は酢酸エチルと水で液液分配した。酢酸エチル
層を濃縮乾固したものと先に得られた沈殿物を合わせ
て、少量のジメチルホルムアミドに加熱溶解した。これ
を冷却した後、少量の水を添加していくことで、結晶が
析出した。得られた結晶は、再度ジメチルホルムアミド
に溶解して再結晶し、その結果、インジルビンの結晶6
68mgを得た。
酸60mlに溶解し、濃塩酸を数ml滴下してから室温
下にて反応した。反応の経過は、逆相薄層クロマトグラ
フィーにて確認してイサチンとオキシインドールの減少
と褐色スポットの生成を確認することにより観察した。
24時間後、反応液に水を加えてから濾紙でろ過し、得
られた残渣を水と次いでメタノールで洗浄し、洗浄後の
残渣を減圧乾燥してイソインジゴの茶色の結晶283.
6mgを得た。
誘導(in vitro) マウス肝由来細胞株Hepa-1c1c7を用いて、インジルビ
ン、インジゴ、イソインジゴ処理により誘導されるグル
クロノシルトランスフェラーゼを測定した。以下にその
操作方法を示す。活性炭処理した牛胎児血清(PBS)を5
%含有するα改変イーグル培地(αMEM)に分散した
Hepa-1c1c7細胞を1X105個/ウェル となるよう4
8ウェル培養プレートにまき、37℃、5%CO2下で
24時間培養した。培養後、プレートから培地を除去
し、あらかじめジメチルスルホキシド(DMSO)に溶
解しておいた試験サンプルをDMSO濃度1%となるよ
う添加したαMEMに交換し、さらに24時間培養し
た。培養後、培地を除去してPBSで2回洗浄してから
プレートごと凍結保存した。後日、凍結保存したプレー
トに200μlの0.5% Triton X-100, 2mM EDTA-2Na, 50mM
Tris-HCl (pH 7.4)を加えて撹拌して細胞を溶解した。
次に、100μlの0.2mM 4-nitrophenol(4NP), 10mM MgCl
2, 50mM Tris-HCl (pH 7.4)を加え、さらに100μlの0.2
mM UDP-glucuronic acid, 10mM MgCl2, 50mM Tris-HCl
(pH 7.4)を加えて反応を開始した。反応は37℃で2時間
行い、50μlの60% HClO4を加えて反応を停止した。反応
液を遠心分離して、その上清を4.5μmでろ過後、生成し
た4-nitrophenyl-β-D-glucuronide(4NPG)を高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)にて分析した。HPLC分析は、
カラム:TSK-gel ODS80Ts(4.6X150mm);移動相:A=25
mM エチルアミン[pH 2.1 60% HClO4中]、B=アセトニトリル(A:B=8:2,
v/v);流速:1.0ml/min;検出:UV 305nm;カラム温度4
0℃で行った。
は、生成した4NPGのピーク面積値から、(比活性)=
(処理群)/(対照群)で示す。
o) アセトアミノフェンの多量投与により誘発される障害に
対するインジルビンによる保護作用についてマウスを用
いた実験で証明した。実験の詳細について以下に説明す
る。
群(対照群;N−アセチル−L−システイン(NACと
略す)200mg/kg投与群;インジルビン50mg
/kg投与群;同200mg/kg投与群;同800m
g/kg投与群、1群あたり4〜6匹))に分けて、2
4時間絶食させた後、対照群には0.5%メチルセルロ
ースを、正対照群(NAC投与群)にはNACを0.5
%メチルセルロースに溶解した水溶液を、試験群(イン
ジルビン投与群)にはインジルビンを0.5%メチルセ
ルロースに溶解した水溶液をそれぞれ経口投与した。そ
の1時間後に生理食塩水に溶解したアセトアミノフェン
を150mg/kgの投与量となるよう経口投与して、
肝障害を誘発させた。アセトアミノフェン投与の24時
間後に採血を行い、遠心分離して血漿を調製し、血漿中
のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AS
T)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)お
よび乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の活性を、それぞ
れ和光純薬製の「GOT−UVテストワコー」、「GP
T−UVテストワコー」および「Lタイプワコー LD
H」を用いて日立自動分析装置7070で測定した。結
果を表1に示す。
与群は、対照群に比較して血漿中のAST、ALT、L
DH活性の上昇を顕著に抑制し、その作用は用量依存的
であった。
生体のグルクロノシルトランスフェラーゼの発現を誘導
して、多彩な生理作用を発揮するという新知見によるも
のであり、インジゴイドを含有するグルクロノシルトラ
ンスフェラーゼ誘導剤は、その優れたグルクロノシルト
ランスフェラーゼ誘導作用により、医薬品分野、化粧品
分野、食品分野において、ヒトのみならず家畜、家禽、
魚介類などまでをも対象にした多種多様の用途に使用で
きる。
によるグルクロノシルトランスフェラーゼ誘導活性
ゴおよびシロ抜き三角はイソインジゴを示す。
Claims (10)
- 【請求項1】インジゴイドを含有してなるグルクロノシ
ルトランスフェラーゼ誘導剤。 - 【請求項2】インジゴイドがインジルビン、インジゴま
たはイソインジゴである請求項1記載のグルクロノシル
トランスフェラーゼ誘導剤。 - 【請求項3】インジゴイドがインジルビン、インジゴお
よびイソインジゴからなる群から選ばれた少なくとも2
種の組み合わせからなる請求項1記載のグルクロノシル
トランスフェラーゼ誘導剤。 - 【請求項4】肝疾患の予防または治療剤である請求項1
記載のグルクロノシルトランスフェラーゼ誘導剤。 - 【請求項5】肝疾患による合併症の予防または治療剤で
ある請求項1記載のグルクロノシルトランスフェラーゼ
誘導剤。 - 【請求項6】解毒剤である請求項1記載のグルクロノシ
ルトランスフェラーゼ誘導剤。 - 【請求項7】肝機能亢進剤である請求項1記載のグルク
ロノシルトランスフェラーゼ誘導剤。 - 【請求項8】発癌予防剤である請求項1記載のグルクロ
ノシルトランスフェラーゼ誘導剤。 - 【請求項9】発癌性化学物質不活性化剤である請求項1
記載のグルクロノシルトランスフェラーゼ誘導剤。 - 【請求項10】請求項1〜9記載のグルクロノシルトラ
ンスフェラーゼ誘導剤を含有してなる食品。
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JP2002046269A JP4233796B2 (ja) | 2002-02-22 | 2002-02-22 | インジゴイド含有グルクロノシルトランスフェラーゼ誘導剤 |
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FR2952819A1 (fr) * | 2009-11-23 | 2011-05-27 | Oreal | Composition contenant au moins un precurseur de coloration derive d'oxindole et au moins un colorant indoline dione |
FR2952818A1 (fr) * | 2009-11-23 | 2011-05-27 | Oreal | Composition contenant au moins un precurseur de coloration derive d'indole, au moins un colorant indoline dione et au moins un compose organique liquide |
JP2011107130A (ja) * | 2009-10-19 | 2011-06-02 | Kumamoto Univ | インドキシル硫酸の産生の阻害剤のスクリーニング方法、インドキシル硫酸代謝産生阻害剤、及び腎障害軽減剤 |
JP2011190267A (ja) * | 2005-01-05 | 2011-09-29 | National Defense Education & Research Foundation | ウリジン2リン酸(udp)−グルクロン酸転移酵素2b(ugt2b)の抑制剤及び促進剤 |
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