JP2003245899A - 生体機能分子の光駆動方法およびマイクロ−ナノマシン - Google Patents

生体機能分子の光駆動方法およびマイクロ−ナノマシン

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JP2003245899A
JP2003245899A JP2002046072A JP2002046072A JP2003245899A JP 2003245899 A JP2003245899 A JP 2003245899A JP 2002046072 A JP2002046072 A JP 2002046072A JP 2002046072 A JP2002046072 A JP 2002046072A JP 2003245899 A JP2003245899 A JP 2003245899A
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biofunctional
abdm
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biofunctional molecule
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English (en)
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Shinsaku Maruta
晋策 丸田
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Tama TLO Co Ltd
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Tama TLO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光を利用して生体機能分子に可逆的な構造変化
を起こす生体機能分子の光駆動方法とマイクロ−ナノマ
シンを提供する。 【解決手段】式(8)で表される架橋性フォトクロミッ
ク分子を、生体機能分子中の2つのチオール基と結合さ
せて架橋し、紫外線照射により架橋性フォトクロミック
分子をシス型とし、架橋部分の距離を縮小して、生体機
能分子を第1の構造とする工程と、可視光線照射により
架橋性フォトクロミック分子をトランス型とし、架橋部
分の距離を拡大して、生体機能分子を第2の構造とする
工程とを有する生体機能分子の光駆動方法と、これによ
り制御されるマイクロ−ナノマシン。 【化8】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体機能分子の光
駆動方法およびマイクロ−ナノマシンに関し、特に、フ
ォトクロミック分子を用いる生体機能分子の光駆動方法
と、生体機能分子の光駆動を利用したマイクロ−ナノマ
シンに関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミック分子は特定の波長の光
を吸収して可逆的に分子の形が変化する化合物であり、
例えばアゾベンゼン誘導体、メタシクロファン誘導体、
フルギド誘導体、ジチエニルエテン、スピロピラン誘導
体、アントラセンダイマー、スチルベン誘導体等が知ら
れている。これらのフォトクロミック分子は光記憶材
料、調光材料、表示材料、光スイッチ素子等に利用され
ている。
【0003】アゾベンゼン誘導体は代表的なフォトクロ
ミック分子であり、光照射によりシス型−トランス型の
構造変化を起こす。アゾベンゼン誘導体に紫外線を照射
するとシス型(5a)となり、可視光線を照射するとト
ランス型(5b)となる。
【0004】
【化5】 アゾベンゼン誘導体のこのような性質は、例えば分子シ
ャトルの駆動制御に利用できる。図8(a)に示すよう
に、ダンベル状の分子1に輪状の分子2をはめ込んだ形
の分子はロタキサンと呼ばれる。図8(b)に示すよう
に、軸部分の2箇所に輪状の分子2との相互作用が比較
的強い部分(ステーション)3a、3bを設けておく
と、輪状の分子2はステーション3a、3bの間を往復
する(分子シャトル)。
【0005】分子を部品として、分子間相互作用を利用
してマイクロ−ナノマシンあるいは分子デバイス等の分
子集合体を構築するナノテクノロジーは、近年、注目を
集めている。マイクロ−ナノマシン等の分子集合体で
は、駆動や制御にも分子間相互作用が利用される。
【0006】式(6)はロタキサンの一例を示す。式
(6)のロタキサンは軸部分にアゾベンゼン誘導体が導
入され、輪状の分子としてシクロデキストリンが用いら
れている。
【0007】
【化6】
【0008】式(6)のロタキサンは、アゾベンゼンの
シス型−トランス型の構造変化に応じて、図9に模式的
に示すように軸部分4が屈伸する。軸部分4が折れ曲が
ると、シクロデキストリン5は移動できず、分子シャト
ルが停止する。アゾベンゼンの構造変化は光照射により
制御されるため、分子シャトルも光照射により制御可能
である。
【0009】また、メタシクロファン−エンは可視光線
の照射により開環構造(7a)となり、紫外線の照射に
より閉環構造(7b)となる。この構造変化を利用し
て、分子認識や金属認識のオン・オフを光照射により切
替えることができる(光スイッチング)。メタシクロフ
ァン−エンには、カリックスアレーン等の分子認識部位
Sを導入しておく。あるいは、リガンド等の金属認識部
位を導入してもよい。
【0010】
【化7】
【0011】閉環構造(7b)では分子認識部位Sが互
いに離れた位置で固定されているため、認識の対象とな
る分子(ゲスト分子)を捕捉できない(オフ状態)。一
方、開環構造(7a)をとると、分子認識部位Sの可動
範囲が拡がり(オン状態)、一対の分子認識部位Sを近
接させることが可能となる(7c)。したがって、分子
認識部位Sにゲスト分子を取り込むことが可能となる
(7d)。このように、メタシクロファン−エン誘導体
は、分子や金属の認識あるいは捕捉を光照射により制御
できる。
【0012】また、フルギド誘導体は光照射による構造
変化に伴い、可逆的に色変化する。フルギド誘導体は紫
外線照射により閉環構造となり、赤色に変化する。ま
た、可視光線を照射すると開環構造となり、無色にな
る。フルギド誘導体を高分子液晶に分散あるいは共重合
させた材料では、フォトクロミック分子の構造変化を利
用して、液晶の配向状態や複屈折率を可逆的に変化させ
ることができる。以上のように、アゾベンゼン等のフォ
トクロミック分子は多様な用途があり、マイクロ−ナノ
マシンや機能材料等への応用が活発に研究されている。
【0013】一方、骨格筋ミオシンは筋収縮において主
要な役割を果たす分子量48万、長さ140nm程度の
タンパク質である。筋原線維は太いフィラメントと細い
フィラメントから構成され、太いフィラメントはミオシ
ンが重合して形成される。細いフィラメントはアクチン
等のタンパク質が重合して形成される。
【0014】図10(a)に模式的に示すように、ミオ
シンは尾部11と2個の頭部12をもつ。ミオシン頭部
は長さ20nm、幅9nm程度であり、アクチンに結合
し、アデノシン 5'-三リン酸(ATP)の加水分解も行
う。ミオシン尾部はフィラメントの形成に関与する。ミ
オシンが重合して太いフィラメントを形成するとき、ミ
オシン頭部は周囲に枝状に突出する。骨格筋ミオシンは
ATPを加水分解して得られるエネルギーを利用して、
アクチン上を滑走し、筋収縮を起こす。すなわち、ミオ
シンは化学的エネルギーを機械的エネルギーに変換し、
分子モーターとして作用する。
【0015】図10(a)および(b)に模式的に示す
ように、ミオシン頭部は球状のモータードメイン13と
棒状のレバーアーム14にさらに分けられる。モーター
ドメイン13はアクチン結合部位とATP結合部位を含
む。エネルギー変換中間体の結晶構造解析と遺伝子操作
による部位特異的変異の実験から、ATP結合部位にA
TPが結合すると、モータードメインのスイッチI、ス
イッチIIと呼ばれる領域の構造が変化して、この変化
がアクチン結合部位に情報として伝達され、アクチンと
ミオシンが解離することがわかっている。
【0016】スイッチIおよびスイッチII領域の構造
変化の情報は、モータードメインのリレー領域、コンバ
ーター領域に伝達され、ミオシン頭部が大きく折れ曲が
った構造となる。X線溶液散乱法や急速凍結ディープエ
ッチレプリカ電子顕微鏡法によっても、このような構造
変化が捉えられたことが報告されている。
【0017】この折れ曲がりの中心には、2つのシステ
イン残基SH1(Cys707)とSH2(Cys69
7)が存在し、これらのシステイン残基はチオール基修
飾試薬に対する反応性が高いことが知られている。折れ
曲がりの中心領域は、ATPが加水分解される間に大き
く構造変化し、この構造変化に伴いSH1とSH2の距
離は数Å〜17Åの範囲で変化する。また、生化学的な
実験の結果から、SH1とSH2の間は、5〜17Åの
長さをもつ数種類のSH基架橋性試薬によって架橋され
ることも示されている。
【0018】骨格筋ミオシン頭部には12個のシステイ
ン残基が存在するが、これらのうちSH1(Cys70
7)は他のシステイン残基に比較して、チオール基修飾
試薬に対する反応性が著しく高い。したがって、所定の
条件でチオール基修飾試薬を反応させると、SH1のみ
が選択的に化学修飾される。
【0019】Mg2+とアデノシン 5'-二リン酸(AD
P)の存在下では、SH2(Cys697)もチオール
基修飾試薬に対する反応性が高くなる。したがって、M
2+とADPの存在下でチオール基修飾試薬を反応させ
た場合には、SH1とSH2が化学修飾される。
【0020】チオール基に結合し、結合後に所定の条件
で外すことができるブロック試薬を用いれば、SH2の
みに化学修飾を行うこともできる。この場合、ブロック
試薬によりSH1を保護した状態で、Mg2+とADPを
加えてチオール基修飾試薬とSH2を反応させる。その
後、ブロック試薬を除去する。
【0021】過剰の試薬を用いて長時間反応させた場合
には、他のシステイン残基(特にCys133)もチオ
ール基修飾試薬と反応するが、所定の条件で反応を行う
ことにより、以上のようにSH1のみ、SH1とSH2
の両方、またはSH2のみを選択的に化学修飾すること
ができる。ミオシン頭部において、SH1やSH2の化
学修飾とATPase活性との関係はよく調べられてお
り、ATPase活性に基づいて化学修飾をモニターす
る方法が確立されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来のフォトク
ロミック分子は、光照射による分子自体の色の変化が利
用されたり、単なるスイッチングに利用されたりしてい
るに過ぎず、分子モーター等のマイクロ−ナノマシンを
駆動できるように設計されていない。一方、高分子の生
体機能分子であるタンパク質は、化学反応を行う酵素と
して利用されることがほとんどであった。タンパク質の
高次構造の変化を機械的エネルギーとして利用する人工
的なマイクロ−ナノマシン等は実用化されていない。
【0023】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、したがって、本発明は、光を利用して生体機
能分子に可逆的な構造変化を起こし、機械的エネルギー
を産生できる生体機能分子の光駆動方法を提供すること
を目的とする。また、本発明は、光照射により駆動およ
び制御されるマイクロ−ナノマシンを提供することを目
的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の生体機能分子の光駆動方法は、式(1)ま
たは(2)で表される架橋性フォトクロミック分子を、
生体機能分子中の2つのチオール基と結合させて、前記
チオール基の間を架橋する工程と、紫外線照射により前
記架橋性フォトクロミック分子をシス型とし、架橋部分
の距離を縮小して、前記生体機能分子を第1の構造とす
る工程と、可視光線照射により前記架橋性フォトクロミ
ック分子をトランス型とし、前記距離を拡大して、前記
生体機能分子を第2の構造とする工程とを有することを
特徴とする。好適には、紫外線と可視光線を交互に照射
して、前記生体機能分子を前記第1の構造と第2の構造
の間で交互に変化させる。
【0025】あるいは、本発明の生体機能分子の光駆動
方法は、式(3)または(4)で表される架橋性フォト
クロミック分子を用いるものであってもよい。式(3)
または(4)でXおよびYに導入できる基としては、ス
クシンイミジルエステル、イソチオシアネート、スルホ
ニルクロライド、アルデヒド、マレイミド、ベンゾフラ
ザン、ヨードアセトアミド、アジリジン、ジスルフィド
化合物等が挙げられる。また、例えばビオチン等、特定
の生体機能分子に対する親和性が著しく高い化合物をX
および/またはYに導入してもよい。
【0026】あるいは、Xおよび/またはYにアジドや
ジアゾアセチル等を導入してもよい。光照射によりアジ
ドからニトレンが生成し、ジアゾアセチルからカルベン
が生成する。ニトレンやカルベンは反応性が高く、タン
パク質のアミノ酸残基に対する選択性は特にないが、光
アフィニティーラベリングによれば、アジドやジアゾア
セチル等の反応基が導入された化合物を、タンパク質の
特定の部位に結合させることが可能である。
【0027】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明のマイクロ−ナノマシンは、請求項1記載の式(1)
または(2)で表される架橋性フォトクロミック分子
と、前記架橋性フォトクロミック分子により2つのチオ
ール基が架橋された生体機能分子であって、前記架橋性
フォトクロミック分子がシス型のとき、架橋部分の距離
が縮小した第1の構造をとり、前記架橋性フォトクロミ
ック分子がトランス型のとき、前記距離が拡大した第2
の構造をとる前記生体機能分子とを有することを特徴と
する。これにより、光照射により駆動・制御可能なナノ
スケールの機械が得られ、例えば医療等の分野に応用で
きる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の生体機能分子の
光駆動方法およびマイクロ−ナノマシンの実施の形態に
ついて、図面を参照して説明する。本実施形態の生体機
能分子の光駆動方法およびマイクロ−ナノマシンにおい
ては、次式(8a)または(8b)で表される架橋性フ
ォトクロミック分子 4,4'-アゾベンゼンジマレイミド
(4,4'-azo-benzene-di-maleimide(ABDM))を用いて、骨
格筋ミオシンのSH1とSH2を架橋する。
【0029】
【化8】
【0030】ABDMはタンパク質に結合する2つのマ
レイミド基と、光駆動するアゾベンゼンから構成され
る。2つのベンゼン環は照射される光の波長に応じてシ
ス型とトランス型をとる。紫外線照射によりシス型(8
a)となり、可視光線照射によりトランス型(8b)と
なる。
【0031】マレイミド基(9a)はタンパク質中のシ
ステイン残基(9b)に特異的に結合し、チオエーテル
(9c)を形成する。一般に、N−置換マレイミドとチ
オールは穏和な条件(室温、pH5〜9程度)で数分以
内に反応する。また、N−置換マレイミドとチオールは
より低温でも反応するため、例えば0℃に冷却して反応
を行えば、熱によるタンパク質の変性や失活を十分に防
止することが可能である。
【0032】
【化9】
【0033】ABDMによれば、タンパク質の2つのシ
ステイン残基が架橋される。架橋スパン(クロスリンク
スパン)は、ABDMのシス型−トランス型の構造変化
に応じて変化する。クロスリンクスパンはシス型のAB
DMで5〜6Å、トランス型のABDMで15〜16Å
となる。
【0034】シス型のABDMとトランス型のABDM
では吸収スペクトルにおける吸収極大波長が異なり、こ
れに基づいてシス型とトランス型を識別できる。ABD
Mに紫外線を照射してシス型にすると、吸収極大波長は
325nmとなる。また、ABDMに可視光線を照射し
てトランス型にすると、吸収極大波長は345nmとな
る。
【0035】図1は、トランス型のABDMに紫外線を
照射して、シス型に変化させたときの吸収スペクトルの
変化を示す。ABDMには水銀ランプ(115V、0.
16A)を光源とする波長366nmの紫外線を照射し
た。溶媒は70%エタノールを用い、紫外線の照射は室
温で行った。図1に示すように、トランス型のABDM
(0min)での吸収極大波長は345nmであるが、
紫外線照射の開始後、時間の経過に伴って吸収極大波長
は短波長側の325nmにシフトする。
【0036】図2は、シス型のABDMに可視光線を照
射して、トランス型に変化させたときの吸収スペクトル
の変化を示す。ABDMには蛍光灯(27W)を照射し
た。溶媒は70%エタノールを用い、可視光線の照射は
室温で行った。図2に示すように、シス型のABDM
(0min)での吸収極大波長は325nmであるが、
可視光線照射の開始後、時間の経過に伴って吸収極大波
長は長波長側の345nmにシフトする。ABDMがト
ランス型からシス型、あるいはシス型からトランス型に
変化する速度は、試料濃度と光源の出力に依存して変化
する。
【0037】タンパク質分子内の2つのシステイン残基
をABDMによって架橋しておき、光照射によりABD
Mをシス型−トランス型の間で構造変化させた場合、タ
ンパク質分子に構造変化を起こすことができる。すなわ
ち、光照射によるABDMの構造変化は、タンパク質の
構造変化の駆動力として利用可能である。また、レーザ
ーパルス光を用いれば、ABDMのシス型−トランス型
の変化を高速で起こすことも可能である。
【0038】一方、骨格筋ミオシン頭部のSH1はチオ
ール基修飾試薬に対する反応性が著しく高く、SH1の
みが化学修飾された場合、ミオシン頭部のCa2+存在下
でのATPase活性(以下、Ca2+−ATPase活
性とする。)が上昇し、K+存在下でのATPase活
性(以下、K+ −ATPase活性とする。)が低下す
る。
【0039】Mg2+とADPの存在下ではSH2の反応
性も高くなるが、SH1とSH2が化学修飾された場合
は、Ca2+−ATPase活性も低下する。SH1およ
びSH2の化学修飾とATPase活性との関係は、ラ
ジオアイソトープ標識されたSH基架橋性試薬p−フェ
ニレンジマレイミドでSH1とSH2を直接架橋し、詳
細に調べられている。
【0040】ミオシン頭部のSH1およびSH2がAB
DMによって飽和していない場合は、Mg2+とADPの
存在下で蛍光性チオール基修飾試薬を添加すると、未反
応のSH1および/またはSH2が蛍光性チオール基修
飾試薬と反応する。したがって、蛍光性チオール基修飾
試薬によりミオシン頭部が蛍光標識されなければ、SH
1とSH2が完全にABDMと結合したとみなすことが
できる。また、ミオシン頭部とABDMを反応させた
後、ミオシンに結合したABDMを吸光度に基づいて定
量すれば、1個のミオシン頭部に何個のABDMが結合
したかを見積もることができる。
【0041】
【実施例】以下に、具体的な実施例を説明する。 (1)ミオシン頭部のSH1とSH2のABDMによる
架橋 骨格筋ミオシン頭部(サブフラグメント−1,S−1)
30μMとABDM90μMを0℃、pH7.0の緩衝
液中で10分間、反応させた。緩衝液の組成は10mM
KCl、1mM MgCl2 、0.1mM ADP、
10mM 塩酸イミダゾールとした。
【0042】その後、還元剤ジチオスレイトールを2m
Mとなるように緩衝液に加え、反応を停止させた。反応
停止後、セファデックスG−50(ファルマシア社の商
品名)が充填された遠心器用ディスポーザブルカラムを
用いて、未反応のABDMの除去と、ジチオスレイトー
ルを含まない緩衝液への交換を行った。
【0043】SH1とSH2の架橋反応は、ミオシン頭
部のATPase活性の変化に基づいてモニターした。
図3(a)は紫外線照射下でABDMをS−1と反応さ
せたとき、すなわちシス型のABDMをS−1と反応さ
せたときのATPase活性の変化を示す。Ca2+−A
TPase活性とK+ −ATPase活性は、それぞれ
反応開始時の活性を100として相対的に表した。
【0044】これらのATPase活性の測定は、0.
5M KCl、30mM Tris−HClを含むpH
7.5の緩衝液中で行った。Ca2+−ATPase活性
の測定は、緩衝液中にCaCl2 を5mMとなるように
添加して行った。K+ −ATPase活性の測定は、緩
衝液中にエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を5mM
となるように添加して行った。
【0045】ATPがミオシンで加水分解されるとき、
リン酸に金属が配位したATPが、基質として認識され
る。生体内での基質はMg2+が配位したATPである
が、Ca2+が配位したATPや、K+ が配位したATP
もミオシンの基質となる。但し、Ca2+やK+ が配位し
たATPは、Mg2+が配位したATPよりも速く加水分
解される。また、Mg2+が配位したATPは筋収縮を誘
導するのに対し、Ca2+やK+ が配位したATPでは筋
収縮が誘導されない。
【0046】K+ の配位は極めて弱いため、他の金属イ
オンが混在すると、混在している金属イオンがATPに
配位する。K+ −ATPase活性の測定では、K+
外の金属イオンがATPに配位するのを防止する目的
で、キレート剤であるEDTA(Na塩)を加えた。図
3(a)に示すように、Ca2+−ATPase活性とK
+ −ATPase活性は、いずれも時間の経過に伴って
低下し、反応開始後、約5分でCa2+−ATPase活
性が消失した。
【0047】図3(b)は可視光線照射下でABDMを
S−1と反応させたとき、すなわち、トランス型のAB
DMをS−1と反応させたときのATPase活性の変
化を示す。Ca2+−ATPase活性とK+ −ATPa
se活性は、それぞれ反応開始時の活性を100として
相対的に表した。図3(b)に示すように、Ca2+−A
TPase活性とK+ −ATPase活性は、いずれも
時間の経過に伴って低下し、反応開始後、約10分でC
2+−ATPase活性がほぼ消失した。
【0048】また、ABDMと反応したS−1に、AD
Pの存在下で蛍光性チオール基修飾試薬を添加したが、
蛍光性チオール基修飾試薬はS−1に結合しなかった。
したがって、SH1とSH2はABDMにより飽和した
とみなせた。さらに、ABDMとS−1の複合体につい
て、ABDMの定量とタンパク質の定量を行った結果、
ABDMとS−1が1:1で結合したことが確認され
た。
【0049】S−1に結合したABDMの定量は、トラ
ンス型ABDMの吸収極大波長(342nm、pH7.
5のTris緩衝液中)での吸光度に基づいて行った。
十分乾燥したABDMを正確に秤量し、濃度の異なる溶
液を調製して、吸収スペクトルに変化がなくなるまで可
視光線を照射してトランス型に変化させ、波長342n
mでの吸光度からABDMのモル吸光係数εを2290
0と決定した。S−1は波長342nmに吸収をもたな
いため、波長342nmでのABDMとS−1の複合体
の吸収は、S−1に結合したABDMの吸収とみなせ
る。また、タンパク質の定量はミクロビウレット法およ
びブラッドフォード法で行った。
【0050】(2)ABDMとS−1の複合体の吸収ス
ペクトル 図4は、トランス型ABDMとS−1の複合体に紫外線
を照射して、シス型ABDMの複合体に変化させたとき
の吸収スペクトルの変化を示す。ABDMとS−1の複
合体には水銀ランプ(115V、0.16A)を光源と
する波長366nmの紫外線を照射した。測定はpH
7.5のTris緩衝液(30mM Tris−HC
l、120mM NaCl)中で行い、紫外線の照射は
室温で行った。
【0051】図4に示すように、トランス型ABDMと
S−1の複合体(0min)での吸収極大波長は約34
0nmであり、図1に示すフリーのトランス型ABDM
に比較すると、約5nm短波長側にシフトしているが、
フリーのトランス型ABDMとほぼ同じ位置に特性吸収
を示した。また、フリーのトランス型ABDMと同様
に、紫外線照射の開始後、時間の経過に伴って吸収極大
波長が短波長側にシフトした。
【0052】図5は、シス型ABDMとS−1の複合体
に可視光線を照射して、トランス型に変化させたときの
吸収スペクトルの変化を示す。ABDMとS−1の複合
体には蛍光灯(27W)を照射した。測定はpH7.5
のTris緩衝液(30mMTris−HCl、120
mM NaCl)中で行い、可視光線の照射は室温で行
った。図5に示すように、可視光線照射の開始後、時間
の経過に伴って吸収極大波長が長波長側にシフトし、ト
ランス型ABDMとS−1の複合体に移行した。すなわ
ち、図2に示すフリーのシス型ABDMと同様の挙動を
示した。
【0053】(3)ABDMとS−1の複合体のX線溶
液散乱 X線溶液散乱によれば、原子座標をX線結晶構造解析の
ように高分解能で決定することはできないが、タンパク
質の全体的な構造変化を溶液中で調べることが可能であ
る。タンパク質の溶液にX線を照射して小角の散乱を観
測すると、散乱角と散乱強度の関係から分子の大きさ
(体積)や形状がわかる。X線溶液散乱はタンパク質分
子の大きさの変化を検出するのに適している。また、タ
ンパク質に熱や変性剤を加えずに、生体内に近い状態で
測定を行うことができる。
【0054】図6は、SH1とSH2を架橋したABD
Mの光照射による構造変化を模式的に示す。図6(a)
は紫外線照射によりABDMがシス型となった状態を示
し、SH1とSH2は近接している。図6(b)は可視
光線照射によりABDMがトランス型となった状態を示
し、SH1とSH2の間隔が拡がっている。ABDMの
シス型−トランス型の変化によりクロスリンクスパンは
5〜17Åの範囲で変化する。したがって、光照射によ
りS−1の可逆的な構造変化を連続的に起こし、S−1
を分子モーターとして機能させることができる。
【0055】図7は、X線溶液散乱によるS−1および
その複合体の慣性半径Rgの測定結果を示す。慣性半径
Rgは分子の重心のまわりの電子密度の広がり方を示
す。分子間の干渉のため、一般にタンパク質濃度が高く
なると慣性半径Rgは小さくなる。真の慣性半径Rg
は、タンパク質濃度の異なる複数の測定値をプロット
し、タンパク質濃度0に外挿して求められる。
【0056】図7に示すように、S−1のみの場合
(a)とシス型ABDMとS−1の複合体(b)では、
慣性半径Rgがほぼ一致する。それに対し、トランス型
ABDMとS−1の複合体(c)では、S−1のみ
(a)またはシス型ABDMとS−1の複合体(b)に
比較して慣性半径Rgが1Å程度小さくなる。
【0057】これは、S−1部分が全体的に約1Å小さ
くなることに相当する。S−1にATPが結合するとS
−1が大きく折れ曲がることにより、S−1の慣性半径
Rgが約3Å小さくなることが知られている。SH1と
SH2は、この折れ曲がりの中心に位置している。ここ
に結合したABDMのシス型−トランス型の構造変化に
より、S−1でATPの場合の約1/3の折れ曲がりが
誘導されることが示唆される。
【0058】上記の本発明の実施形態の生体機能分子の
光駆動方法によれば、ABDMでS−1のSH1とSH
2を架橋することにより、ATPの化学的エネルギーを
用いずに、光照射によりS−1を駆動・制御して機械的
エネルギーを産生できる。また、ABDMとS−1を用
いて光照射により駆動・制御される分子モーター等のマ
イクロ−ナノマシンを構築することができる。
【0059】本発明の生体機能分子の光駆動方法および
マイクロ−ナノマシンの実施形態は、上記の説明に限定
されない。本発明はミオシン頭部以外のタンパク質等の
光駆動および光制御にも適用できる。真核細胞内には細
胞移動、細胞質分裂、貪食作用、染色体分離等、「動
き」に関わる多様なタンパク質が存在する。
【0060】例えば、繊毛や鞭毛に含まれるダイニン
や、微小管上を動いて小胞等を輸送するキネシンや、プ
ロトンポンプであるF1−ATPaseは、ミオシン頭
部同様にATPase活性を有し、ATPの化学的エネ
ルギーを利用するタンパク質である。これらのタンパク
質に本発明を適用すれば、ATPの加水分解による化学
的エネルギーを用いずに、光照射によって駆動するマイ
クロ−ナノマシン等を構築できる。
【0061】また、プロテアーゼ等の工業用酵素や、生
体内での医療用・治療用酵素の活性の調節に、本発明に
よる生体機能分子の人為的な構造変化を利用することも
できる。例えば、ガラスファイバーのカテーテルと光駆
動分子輸送用カテーテルを用い、光照射の間のみ治療用
酵素を活性化させ、かつ患部組織の光照射領域において
のみ選択的に治療用酵素を活性化させる場合等に、本発
明を適用できる。
【0062】上記の実施形態においては、アゾベンゼン
をマレイミド基を介してチオール基に結合させている
が、例えばスクシンイミジルエステル、イソチオシアネ
ート、スルホニルクロライド、アルデヒド、フタルアル
デヒド、マレイミド、ベンゾフラザン、ヨードアセトア
ミド、アジリジン、ジスルフィド化合物等、タンパク質
中の特定のアミノ酸残基に選択的に結合することが知ら
れている基をマレイミド基のかわりに導入してもよい。
【0063】また、ビオチン等、特定のタンパク質に対
する親和性が著しく高い化合物をマレイミド基のかわり
に導入してもよい。あるいは、光アフィニティーラベリ
ングにおいて反応基として用いられるアジドやジアゾア
セチル等を、マレイミド基のかわりに導入し、光照射に
よってタンパク質にフォトクロミック分子を結合させて
もよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種
々の変更が可能である。
【0064】
【発明の効果】本発明の生体機能分子の光駆動方法によ
れば、光を利用して生体機能分子に可逆的な構造変化を
起こし、機械的エネルギーを産生できる。本発明のマイ
クロ−ナノマシンによれば、機械的な微小な動きを光照
射により駆動および制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の生体機能分子の光駆動方法およ
びマイクロ−ナノマシンに用いられる架橋性フォトクロ
ミック分子に紫外線を照射して、トランス型からシス型
に変化させたときの吸収スペクトルを示す。
【図2】図2は本発明の生体機能分子の光駆動方法およ
びマイクロ−ナノマシンに用いられる架橋性フォトクロ
ミック分子に可視光線を照射して、シス型からトランス
型に変化させたときの吸収スペクトルを示す。
【図3】図3(a)および(b)は本発明の生体機能分
子の光駆動方法およびマイクロ−ナノマシンにおいて、
架橋性フォトクロミック分子(ABDM)が生体機能分
子(ミオシン頭部)を架橋したことを示す図であり、A
TPase活性の変化を示す。
【図4】図4は本発明の生体機能分子の光駆動方法およ
びマイクロ−ナノマシンにおいて、架橋性フォトクロミ
ック分子と生体機能分子の複合体に紫外線を照射したと
きの吸収スペクトルの変化を示す。
【図5】図5は本発明の生体機能分子の光駆動方法およ
びマイクロ−ナノマシンにおいて、架橋性フォトクロミ
ック分子と生体機能分子の複合体に可視光線を照射した
ときの吸収スペクトルの変化を示す。
【図6】図6は本発明の生体機能分子の光駆動方法およ
びマイクロ−ナノマシンにおいて、2つのチオール基を
架橋したABDMのシス型−トランス型の変化を示す模
式図である。
【図7】図7はX線溶液散乱による慣性半径の測定結果
を示す図である。
【図8】図8(a)および(b)は分子シャトルの模式
図である。
【図9】図9は従来の架橋性フォトクロミック分子を用
いた分子シャトルの制御を表す模式図である。
【図10】図10(a)はミオシンの模式図であり、
(b)はミオシン頭部の模式図である。
【符号の説明】
1…ダンベル状の分子、2…輪状の分子、3a、3b…
ステーション、4…軸部分、5…シクロデキストリン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 9/02 C09K 9/02 B G03C 1/73 503 G03C 1/73 503

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)または(2) 【化1】 【化2】 で表される架橋性フォトクロミック分子を、生体機能分
    子中の2つのチオール基と結合させて、前記チオール基
    の間を架橋する工程と、 紫外線照射により前記架橋性フォトクロミック分子をシ
    ス型とし、架橋部分の距離を縮小して、前記生体機能分
    子を第1の構造とする工程と、 可視光線照射により前記架橋性フォトクロミック分子を
    トランス型とし、前記距離を拡大して、前記生体機能分
    子を第2の構造とする工程とを有する生体機能分子の光
    駆動方法。
  2. 【請求項2】紫外線と可視光線を交互に照射して、前記
    生体機能分子を前記第1の構造と第2の構造の間で交互
    に変化させる請求項1記載の生体機能分子の光駆動方
    法。
  3. 【請求項3】下記式(3)または(4) 【化3】 【化4】 (各式中、XおよびYは同一または異なる基を表す。)
    で表される架橋性フォトクロミック分子を、生体機能分
    子中の特定の基と結合させて、前記基の間を架橋する工
    程と、 紫外線照射により前記架橋性フォトクロミック分子をシ
    ス型とし、架橋部分の距離を縮小して、前記生体機能分
    子を第1の構造とする工程と、 可視光線照射により前記架橋性フォトクロミック分子を
    トランス型とし、前記距離を拡大して、前記生体機能分
    子を第2の構造とする工程とを有する生体機能分子の光
    駆動方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の式(1)または(2)で表
    される架橋性フォトクロミック分子と、 前記架橋性フォトクロミック分子により2つのチオール
    基が架橋された生体機能分子であって、前記架橋性フォ
    トクロミック分子がシス型のとき、架橋部分の距離が縮
    小した第1の構造をとり、前記架橋性フォトクロミック
    分子がトランス型のとき、前記距離が拡大した第2の構
    造をとる前記生体機能分子とを有するマイクロ−ナノマ
    シン。
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