JP2003242344A - コピュラ関数を用いた金融商品もしくは保険商品の価格計算方法およびそのプログラム - Google Patents
コピュラ関数を用いた金融商品もしくは保険商品の価格計算方法およびそのプログラムInfo
- Publication number
- JP2003242344A JP2003242344A JP2002172820A JP2002172820A JP2003242344A JP 2003242344 A JP2003242344 A JP 2003242344A JP 2002172820 A JP2002172820 A JP 2002172820A JP 2002172820 A JP2002172820 A JP 2002172820A JP 2003242344 A JP2003242344 A JP 2003242344A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- occurrence
- risk
- risk reference
- correlation
- reference unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 241000039077 Copula Species 0.000 title claims description 34
- 238000000034 method Methods 0.000 title abstract description 48
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 claims abstract description 181
- 238000009827 uniform distribution Methods 0.000 claims description 32
- 230000007423 decrease Effects 0.000 claims description 31
- 230000008859 change Effects 0.000 claims description 16
- 238000012545 processing Methods 0.000 claims description 8
- 230000008685 targeting Effects 0.000 claims description 8
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 claims description 7
- 230000006870 function Effects 0.000 description 31
- 230000014509 gene expression Effects 0.000 description 29
- 238000011084 recovery Methods 0.000 description 26
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 13
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 11
- 230000006378 damage Effects 0.000 description 10
- 238000013178 mathematical model Methods 0.000 description 6
- 230000008569 process Effects 0.000 description 5
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 4
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 4
- 238000005309 stochastic process Methods 0.000 description 4
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 3
- 238000013461 design Methods 0.000 description 3
- 230000005653 Brownian motion process Effects 0.000 description 2
- 238000000342 Monte Carlo simulation Methods 0.000 description 2
- 238000005537 brownian motion Methods 0.000 description 2
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 2
- 238000004590 computer program Methods 0.000 description 2
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 2
- 238000005315 distribution function Methods 0.000 description 2
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 description 2
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 2
- 239000008186 active pharmaceutical agent Substances 0.000 description 1
- 230000001174 ascending effect Effects 0.000 description 1
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 1
- 230000002146 bilateral effect Effects 0.000 description 1
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 230000009977 dual effect Effects 0.000 description 1
- 238000013210 evaluation model Methods 0.000 description 1
- 238000007620 mathematical function Methods 0.000 description 1
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 238000012502 risk assessment Methods 0.000 description 1
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 230000001131 transforming effect Effects 0.000 description 1
- 230000001960 triggered effect Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
- Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)
- Complex Calculations (AREA)
Abstract
の発生強度の相関を考慮する複数リスクを対象とした金
融商品もしくは保険商品の価格計算方法を提供する。 【解決手段】 リスク参照単位ごとのコンティンジェン
シーの発生強度を演算手段が計算する発生強度(デフォ
ルト強度)計算ステップ10と、異なるリスク参照単位
についての発生強度の間の相関を示す発生(信用力)相
関パラメータを演算手段が計算する発生相関パラメータ
計算ステップ20と、該リスク参照単位間の発生強度の
相関を表わす発生相関強度を演算手段が計算する発生相
関強度(信用力相関デフォルト強度)計算ステップ30
と、複数リスクを対象とした商品(バスケットタイプク
レジットデリバティブ)の価格を演算手段が計算する価
格計算ステップとを含む複数リスクを対象とした商品の
価格計算方法40。
Description
した金融商品もしくは保険商品に対する相関を反映させ
た価格計算方法に関するものである。さらに詳細には、
本発明は、バスケットタイプ金融商品の価格計算や、損
害保険の純保険料の計算において、異なるリスクの間の
相関関係を反映させることができる価格計算方法に関す
るものである。
る様々なリスクに対して、そのリスクを回避するための
金融商品並びに保険商品が普及してきている。例えばク
レジットデリバティブと呼ばれる金融派生商品が、信用
リスクを回避する手段として、金融機関と事業法人の間
もしくは金融機関同士の間で取引されている。具体的に
は、銀行が保有する貸出債権や、機関投資家が保有する
社債の信用リスク管理において、リスクヘッジ手段とし
て有用なバスケットタイプ金融商品がある。そのバスケ
ットタイプ金融商品の一例として、バスケットタイプク
レジットデリバティブがある。これは、バスケットと呼
ばれる複数の参照資産(担保資産)の集合体から、最初
のデフォルトによる毀損を保障する金融派生商品であ
る。バスケットタイプクレジットデリバティブの代表と
して、バスケット・デフォルト・スワップ(以下、BDS
と略す)が知られている。
スケットと呼ぶ)の保有者(=BDSの買い手)が、B
DSの売り手に対して定期的にプレミアムを支払う代り
に、BDSの満期までの間に、バスケット内からデフォ
ルトが起きた場合、最初にデフォルトした債券からBD
Sの買い手が回収できなかった額だけBDSの売り手か
ら保障されるというものである。最初のデフォルトが起
きた時点でこのBDS契約はクローズされる。例外的
に、参照資産の保有者とBDSの買い手が必ずしも一致
しない場合も有り得る。
バティブには、最初のデフォルト以外にも、対象として
いる集合体における2番目のデフォルトなど、あらかじ
め決めておいた順番のデフォルトがトリガーとなるよう
な金融派生商品も含まれる。何番目のデフォルト生起を
トリガーとする金融派生商品なのかを明確に表現するた
め、同じ商品を指すにもかかわらず、バスケット・デフ
ォルト・スワップとは異なる呼び方もある。すなわち、
バスケット内の最初のデフォルトによる損失を保障する
商品をファースト・トゥ・デフォルト、2番目のデフォ
ルトによる損失を保障する商品をセカンド・トゥ・デフ
ォルト、3番目のデフォルトによる損失を保障する商品
をサード・トゥ・デフォルト等と呼んでいる。
貸出債権の債務不履行(デフォルト)や、機関投資家が
保有する債券の債務不履行(デフォルト)等(以下総称
してコンティンジェンシーと呼ぶ)の発生の不確実性を
指す。
融商品に関し、従来から行われている価格計算技術につ
いて述べる。BDSに代表される様な複数の信用リスク
を対象とした商品の価格を計算する場合において、市場
で観測できる情報などについての履歴データを用いる合
理的な計算手法は現在まで確立されていない。その理由
は、それぞれのコンティンジェンシーの発生頻度のみで
なく、それら異なるコンティンジェンシーの発生頻度の
相互依存関係(相関)を求める(計測する)必要がある
にもかかわらず、この計測のために上記履歴データを複
数用いた相関の推定作業が相当に困難なためである。例
えば、BDSのプレミアム(価格)を計算する場合に
は、バスケットを構成する複数の債権単体での信用リス
ク評価では不十分であり、それらの債権の発行者である
債務者間の信用リスクの相関を計測する必要があるが、
これは困難である。一方、この相関を求めること自体の
必要性は、不況時に関連ある業種などに連鎖破綻が起こ
りやすいこと等から明らかである。このように、BDS
のプレミアムを適切に計算する上からも、債務者間の信
用リスクの相関を適切に計測することが重要であるにも
かかわらず、困難であるという問題がある。
評価方法として従来から行われている二つのアプローチ
について述べる。従来から行われている信用リスクを内
包する金融派生商品の評価方法の一つとして、企業に固
有の情報(財務情報)を排除し、金融市場で観測できる
情報のみがデフォルト生起あるいは信用格付変化の不確
実性に影響を与えるとする外生的なアプローチがある。
この手法は、金利デリバティブ等の金融派生商品の価格
付け理論と類似のものであり、市場で親しまれていた金
利モデルとの整合性を重視し、特に欧米では広く採用さ
れている。
て、企業価値をその企業に固有の財務情報に基づいて表
現し、デフォルト生起あるいは信用格付変化の不確実性
(リスク)を企業固有の財務情報にのみ依存させる、内
生的なアプローチもある。この手法は、オプション価格
の評価モデルとして有名なブラック=ショールズモデル
と類似の手法であり、米国KMV社によって開発されたソ
フトウェアがその手法を採用している代表例である。
価格計算方法の中で、特に発生頻度の相関をモデル化す
る手法に注目すると、多次元正規分布を用いる方法を挙
げることができる。。多次元正規分布を用いる方法は、
バスケットデフォルトスワップのバスケットを構成する
債権の発行体同士の信用力相関を考慮した価格付け手法
として従来から知られており、金利デリバティブ等の価
格付けにおいて使われていた方法を転用するものであ
る。この方法において信用リスクを対象とする場合に
は、上記外生的アプローチ、または、内生的アプローチ
の何れをも採用することが出来る。
正規分布を用いる場合について述べる。この場合は、デ
フォルト生起あるいは信用格付変化の不確実性を強度関
数モデルにより表現し、発生頻度を表す強度(発生強
度)が互いに影響を及ぼし合いながら変化していく様子
を、相関のある多次元正規分布に従う確率変数(多次元
ブラウン運動)で表現する。すなわち、発生強度の変化
の相関は対応するブラウン運動が体現する相関関係によ
って表現するというものである。
特に、BDSのバスケットを構成する債権の発行体同士
の信用リスクの相関を考慮した価格付け手法として従来
から知られており、金利デリバティブ等の価格付けにお
いて使われていた方法を転用するものである。ただし、
解析的な解が構成できない場合が多く、その場合にはモ
ンテカルロシミュレーションによる評価が行われてい
る。
と、個別のコンティンジェンシーの発生強度のパラメー
タ推定と、発生強度の変化の相関の推定とを同時に、整
合的に行う必要がある。しかしこの方法では、3以上の
コンティンジェンシーを対象としようとすると、それら
がたとえ同種のコンティンジェンシーであったとして
も、多変量のパラメータになるため計算が複雑であり技
術的に難しい。
よび理論上ともに不自然であるため、負の値を取り得な
い様なモデル化を採用する方法も知られているが、その
場合は相関を考慮することが非常に困難となるため解析
的な評価手法が困難となるだけではなく、相関に関する
パラメーター推定も困難となる。
正規分布を用いる場合について述べる。内生的アプロー
チを採用する場合における特有の問題として、企業価値
そのものを市場で観測することが不可能であるため、信
用力変化の相関を市場データから計測することが根本的
に難しい。そこで実務上は、企業価値を代替するものと
して株価を用いることがあるが、株価の相関係数から信
用力変化の相関を求めるためには煩雑な計算を経なけれ
ばならないという問題が挙げられる。そのため、複雑な
クレジットデリバティブの価格計算には、内生的アプロ
ーチを実際に採用することは少ない。
チの両方に用いることが出来る新しい手法として、ガウ
シアン・コピュラ(Gaussian Copula. Normal Copulaと
も呼ぶ)を用いた評価手法が近年開発されている。しか
し、この方法は解析的な解を構成するのに適していな
い。そのため、セカンド・トゥ・デフォルト、サード・ト
ゥ・デフォルトなどの様な複雑な請求条件を有する商品
の評価が技術的に非常に困難となる。
ヘッジ(回避)する手段として用いられてきた保険商品
に関して、従来から行われている価格計算技術について
述べる。なお、保険リスクとは、保険によってカバーさ
れる事業法人あるいは個人が直面している自然災害や火
災の発生に関する不確実性のことを称して言う。保険の
自由化に伴い、通常は別々の保険種目でカバーされる複
数の災害による毀損の重複部分を保障するようにされた
形の保険商品に見られるように、事業法人あるいは個人
の個別ニーズに応じて様々な保険種目を組み合わせた保
険を保険会社が設計、販売できるようになっている。そ
れ以前の既存の保険商品においても、複数リスクを対象
とする商品として、例えば、火災保険に水災危険担保特
約、地震危険担保特約、賠償責任担保特約等の特約を付
ける形で複数保険種目の災害による損失を保障する商品
が以前から存在している。従来は、それらの特約付保険
に対しては、特約ごとの保険母集団を用意して純保険料
率を算定している。
リスクと、株価や債券の下落リスクといった金融リスク
とを同時にサポートする統合リスクマネジメントプログ
ラムと呼ばれる商品も販売され始めている。この商品
は、バランスシート・プロテクションやホリスティック
・カバーとも呼ばれ、テーラーメイドで顧客のバランス
シートの性質に合わせて設計される。このように被保険
者自身固有のリスク特性に見合った個別的な保険商品の
場合には、保険母集団の設定が困難になるために、大数
の法則を生かせず、合理的な純保険料を計算するために
複数のリスクを各々具体的にモデル化する必要があっ
た。しかしながら、これまでは、複数のリスクの相互依
存関係をモデル化した上で評価することが困難であった
ことから、各々のリスクに属するコンティンジェンシー
(不測の事態または事故)間の発生強度の相関ができる
だけ小さくなるように、商品のコンティンジェンシーの
分類を再構成し、相関ゼロと仮定した上でポアソン分布
の再生性を利用することにより純保険料を計算する方法
が一般的であった。しかしながら、実質的に無相関とな
るようなコンティンジェンシーの分類には、その分類可
能な数に限界があるため、商品設計上、非常に大きな制
約となっていた。
対象とする保険商品の評価手法としては、二つのリスク
それぞれの発生頻度を表す二つのポアソン確率変数につ
いて、相関のある二つのポアソン確率変数を、線形相関
係数を用いて各々二つの独立した確率変数に分解すると
いう方法がある。そのため、対象となる保険リスクにつ
いての履歴データをもとに二つのリスクの線形相関係数
を推定できれば、その二つのリスクを対象とする保険商
品の純保険料を計算することは可能である。しかしなが
ら、この手法をリスクの数が三つ以上に用いる場合に
は、三つのポアソン確率変数と線形相関係数の行列の対
応付けが複雑になり、計算が困難になってしまうという
問題がある。
・デフォルト・スワップに代表される様な複数リスクを対
象とした金融商品もしくは保険商品の価格計算方法にお
いて、各々のリスクに属する複数のリスク参照単位の発
生強度の相関を考慮する場合の計算上の問題を鑑みてな
されたのものである。新たなコピュラ(Copula)関数を
導入することにより、3以上のコンティンジェンシーが
ある場合における発生強度の相関を考慮した上で、複数
リスクを対象とした商品の解析的な価格計算方法を提供
することを目的とする。さらに、この価格計算で必要と
なる(順位)相関係数などの各種パラメータを、この価
格計算方法と整合的な方法で、市場データから比較的容
易に推定する技術を提供することを目的とする。加え
て、以上の計算を可能とするコンピュータプログラムを
提供することを目的とする。
め、本発明においては、被保障参照体とコンティンジェ
ンシーとの組からなるリスク参照単位に関するあらかじ
め記憶手段に保存されている履歴データと、該リスク参
照単位を参照する商品のあらかじめ記憶手段に保存され
ている請求条件とに基づいて、該リスク参照単位ごとの
コンティンジェンシーの起こりやすさを示す発生強度を
演算手段が計算する発生強度計算ステップと、該履歴デ
ータに基づいて、異なるリスク参照単位についての発生
強度の間の相関を示す発生相関パラメータを演算手段が
計算する発生相関パラメータ計算ステップと、該リスク
参照単位ごとのコンティンジェンシー発生の判定の基準
となる閾値を表し一次元一様分布に従う確率変数である
発生閾値確率変数を、複数のリスク参照単位について併
せて計算する場合における、対応するコンティンジェン
シー発生の基準となる閾値をそれぞれが表す多次元一様
分布に従う確率変数である発生閾値多次元確率変数へと
変換するコピュラ関数モデルを用いて、該発生相関パラ
メータおよび該リスク参照単位ごとの発生強度から、該
リスク参照単位間の発生強度の相関を表わす発生相関強
度を演算手段が計算する発生相関強度計算ステップと、
該発生相関強度と、予め記憶手段に保存されている該リ
スク参照単位ごとの損失率と、該商品の請求条件とに基
づいて、複数リスクを対象とした商品の価格を演算手段
が計算する価格計算ステップとを含む、複数リスクを対
象とした金融商品または保険商品の価格計算方法が提供
される。
様として、被保障参照体とコンティンジェンシーとの組
からなるリスク参照単位に関するあらかじめ記憶手段に
保存されている履歴データと、該リスク参照単位を参照
する商品のあらかじめ記憶手段に保存されている請求条
件とに基づいて、該リスク参照単位ごとのコンティンジ
ェンシーの起こりやすさを示す発生強度を演算手段が計
算する発生強度計算ステップと、該履歴データに基づい
て、異なるリスク参照単位についての発生強度の間の相
関を示す発生相関パラメータを演算手段が計算する発生
相関パラメータ計算ステップと、該リスク参照単位ごと
のコンティンジェンシー発生の判定の基準となる閾値を
表し一次元一様分布に従う確率変数である発生閾値確率
変数を、複数のリスク参照単位について併せて計算する
場合における、対応するコンティンジェンシー発生の基
準となる閾値をそれぞれが表す多次元一様分布に従う確
率変数である発生閾値多次元確率変数へと変換するコピ
ュラ関数モデルを用いて、該発生相関パラメータおよび
該リスク参照単位ごとの発生強度から、発生閾値多次元
確率変数の実現値を多数生成する発生閾値多次元確率変
数生成ステップと、該発生閾値多次元確率変数の実現値
と、予め記憶手段に保存されている該リスク参照単位ご
との損失率と、該商品の請求条件とに基づいて、複数リ
スクを対象とした商品の価格を演算手段が計算する価格
計算ステップとを含む、複数リスクを対象とした金融商
品または保険商品の価格計算方法が提供される。
様として、被保障参照体とコンティンジェンシーとの組
からなるリスク参照単位をコンピュータが受け付けるリ
スク参照単位受付ステップと、該リスク参照単位ごと
に、該リスク参照単位を参照する商品の請求条件をコン
ピュータが受け付ける商品受付ステップと、該リスク参
照単位ごとの該コンティンジェンシーの起こりやすさを
示す発生強度を、予め記憶手段に保存されている該リス
ク参照単位についての履歴データに基づいて、演算手段
が計算する発生強度計算ステップと、該履歴データに基
づいて、異なるリスク参照単位についての発生強度の間
の相関を示す発生相関パラメータを演算手段が計算する
発生相関パラメータ計算ステップと、該リスク参照単位
ごとのコンティンジェンシー発生の判定の基準となる閾
値を表し一次元一様分布に従う確率変数である発生閾値
確率変数を、複数のリスク参照単位について併せて計算
する場合における、対応するコンティンジェンシー発生
の基準となる閾値をそれぞれが表す多次元一様分布に従
う確率変数である発生閾値多次元確率変数へと変換する
コピュラ関数モデルを用いて、該発生相関パラメータお
よび該リスク参照単位ごとの発生強度から、該リスク参
照単位間の発生強度の相関を表わす発生相関強度を演算
手段が計算する発生相関強度計算ステップと、該発生相
関強度と、予め記憶手段に保存されている該リスク参照
単位ごとの損失率と、該商品の請求条件とに基づいて、
複数リスクを対象とした商品の価格を演算手段が計算す
る価格計算ステップとを含む、複数リスクを対象とした
金融商品または保険商品の価格計算方法が提供される。
態様として、該履歴データに基づく統計的あるいは定性
的処理により、該発生強度をリスク格付によって置換し
てリスク格付履歴データを計算するリスク格付履歴デー
タ計算ステップをさらに備え、前記発生相関パラメータ
計算ステップは、該リスク格付履歴データに基づいて、
異なるリスク参照単位についての発生強度の間の相関を
示す発生相関パラメータを演算手段が計算するステップ
である、複数リスクを対象とした金融商品または保険商
品の価格計算方法が提供される。
履歴データに対して適当な期間の移動平均の算出や、他
の補助的なデータによる関数処理(例えば、履歴データ
が社債価格の市場データであるときに社債発行総額と発
行会社の売上と比率を求める処理など)、これらの結果
に基づく有限階級への階級分け等である。
態様として、被保障参照体とコンティンジェンシーとの
組からなるリスク参照単位をコンピュータが受け付ける
リスク参照単位受付ステップと、該リスク参照単位を参
照する商品の請求条件を該リスク参照単位ごとにコンピ
ュータが受け付ける商品受付ステップと、該リスク参照
単位ごとのコンティンジェンシーの起こりやすさを示す
発生強度をコンピュータが受け付ける発生強度受付ステ
ップと、該リスク参照単位ごとの損失率をコンピュータ
が受け付ける損失率受付ステップと、該リスク参照単位
同士の発生強度の相関を示す発生相関パラメータをコン
ピュータが受け付ける発生相関パラメータ受付ステップ
と、該リスク参照単位ごとのコンティンジェンシー発生
の判定の基準となる閾値を表し一次元一様分布に従う確
率変数である発生閾値確率変数を、複数のリスク参照単
位についてあわせて計算する場合における、対応するコ
ンティンジェンシー発生の基準となる閾値をそれぞれが
表す多次元一様分布に従う確率変数である発生閾値多次
元確率変数へと変換するコピュラ関数モデルを用いて、
該発生相関パラメータおよび該リスク参照単位ごとの発
生強度から、該リスク参照単位間の発生強度の相関を表
わす発生相関強度を演算手段が計算する発生相関強度計
算ステップと、該発生相関強度と、該損失率と、該商品
の請求条件とに基づいて、複数リスクを対象とした商品
の価格を演算手段が計算する価格計算ステップとを含
む、複数リスクを対象とした金融商品または保険商品の
価格計算方法が提供される。
における具体的な態様として、前記コピュラ関数モデル
は、対象となる前記複数リスクに含まれる複数の前記リ
スク参照単位についての前記発生閾値確率変数の全ての
積を演算手段が計算する第1ステップと、複数ある前記
リスク参照単位の中から第1リスク参照単位および第2
リスク参照単位を演算手段が選択する第2ステップと、
選択された第1リスク参照単位および第2リスク参照単
位のそれぞれの前記発生閾値確率変数の積を演算手段が
計算する第3ステップと、該第1リスク参照単位および
該第2リスク参照単位のそれぞれの前記発生閾値確率変
数の該積と、該第1リスク参照単位および該第2リスク
参照単位の発生相関パラメータとの積を演算手段が計算
する第4ステップと、該第3ステップおよび該第4ステ
ップを、前記リスク参照単位の全ての組合わせについて
演算手段が計算し、その全てのリスク参照単位の組合わ
せで計算された値の総和を演算手段が計算する第5ステ
ップと、該第1ステップによって計算された値と、該第
5ステップによって計算された値との積を演算手段が計
算して、複数のリスク参照単位の前記発生閾値多次元確
率変数を演算手段が計算する第6ステップとを用いて実
施することができる。
法におけるさらに具体的な態様として、前記発生相関パ
ラメータ計算ステップは、対象となる前記複数リスクに
含まれる複数の前記リスク参照単位の中から、第1リス
ク参照単位と第2リスク参照単位の二つを選択するステ
ップと、前記履歴データまたは前記リスク格付履歴デー
タに基づいて、該第1リスク参照単位のコンティンジェ
ンシーの起こりやすさが増加し、かつ該第2リスク参照
単位のコンティンジェンシーの起こりやすさが増加する
第1確率を演算手段が計算するステップと、前記履歴デ
ータまたは前記リスク格付履歴データに基づいて、該第
1リスク参照単位のコンティンジェンシーの起こりやす
さが減少し、かつ該第2リスク参照単位のコンティンジ
ェンシーの起こりやすさが減少する第2確率を演算手段
が計算するステップと、前記履歴データまたは前記リス
ク格付履歴データに基づいて、該第1リスク参照単位の
コンティンジェンシーの起こりやすさが増加し、かつ該
第2リスク参照単位のコンティンジェンシーの起こりや
すさが減少する第3確率を演算手段が計算するステップ
と、前記履歴データまたは前記リスク格付履歴データに
基づいて、該第1リスク参照単位のコンティンジェンシ
ーの起こりやすさが減少し、かつ該第2リスク参照単位
のコンティンジェンシーの起こりやすさが増加する第4
確率を演算手段が計算するステップと、前記履歴データ
または前記リスク格付履歴データに基づいて、該第1リ
スク参照単位のコンティンジェンシーの起こりやすさが
増加または減少し、かつ該第2リスク参照単位のコンテ
ィンジェンシーの起こりやすさが変わらない第5確率を
演算手段が計算するステップと、前記履歴データまたは
前記リスク格付履歴データに基づいて、該第1リスク参
照単位のコンティンジェンシーの起こりやすさが変わら
ず、かつ該第2リスク参照単位のコンティンジェンシー
の起こりやすさが増加または減少する第6確率を演算手
段が計算するステップと、該第1確率から第6確率まで
の値に基づき発生順位相関係数を演算手段が計算するス
テップと、該発生順位相関係数に対して定数を掛け、前
記発生相関パラメータを演算手段が計算するステップに
より実施することが可能である。
法は別の態様として、前記価格計算ステップが、前記発
生相関強度に基づいて、前記商品の請求条件に対応した
確率を演算手段が計算するステップと、該確率と、前記
損失率の値とに基づいて、期待値と分散とを含む基本統
計量を計算し、複数リスクを対象とした商品の価格を演
算手段が計算するステップとを含むことを特徴とする、
複数リスクを対象とした金融商品または保険商品の価格
計算方法が提供される。
ーとして、上記したいずれかに記載のステップをコンピ
ュータに実行させるためのプログラムが提供される。
履歴データが、前記債務者の発行する債券の債券価格デ
ータと、前記債務者の発行する債券のクーポンレートデ
ータと、前記債務者の発行する債券の満期期間に関する
満期期間データと、前記債務者の発行する債券の利回り
を示す利回りデータと、前記債務者の発行する債券の利
回りと、国債の利回りもしくはスワップレートとの差を
示すイールド・スプレッドデータと、前記債務者の信用
格付示す債務者信用格付データと、前記債務者の発行す
る債券の信用格付を示す債券信用格付データと、前記債
務者の発行する株式価格を時系列によって表す株式価格
時系列データと、株式市場に関する指標を時系列によっ
て表す株式市場指標時系列データと、該債券価格、該ク
ーポンレート、該満期期間データ、該利回りデータ、該
イールド・スプレッドデータ、該債務者信用格付デー
タ、該債券信用格付データ、該株式価格時系列データお
よび該株式市場指標時系列データからなる一群から選択
されるデータの組み合せから数理モデルによって演算手
段が計算する数理モデルデータとからなるグループから
選択される一以上のデータを含むものとすることが出来
る。ただし、債務者の信用力を表すものならば他の市場
データでもよく限定されるものではない。
タと、前記イールド・スプレッドデータと、前記債務者
信用格付データと、前記債券信用格付データとからなる
一群から選択される一以上のデータである場合、前記信
用力が増加するときとは、前記利回りデータ中の利回り
が減少するときと、前記イールド・スプレッドデータ中
の前記差が減少するときと、前記債務者信用格付データ
中の信用格付が上昇するときと、前記債券信用格付デー
タ中の信用格付が上昇するときとからなるグループから
選択される一以上のときであり、前記信用力が減少する
ときとは、前記利回りデータ中の利回りが増加するとき
と、前記イールド・スプレッドデータ中の前記差が増加
するときと、前記債務者信用格付データ中の信用格付が
下降するときと、前記債券信用格付データ中の信用格付
が下降するときとからなるグループから選択される一以
上のとき、とすることもできる。
明における定義を述べる。コンティンジェンシーとは、
企業が事業を継続するのに支障が生じる原因となる不測
の事態または事故のことである。例えば、地震、風災、
水災、火災、債務不履行(デフォルト)、格付低下等を
指す。また、リスクとは、コンティンジェンシー発生の
不確実性のことを言う。
損害を生じさせる事態または事故である、債務不履行
(デフォルト)、格付け低下等の信用リスクに係わるコ
ンティンジェンシーや、固定資産の損害を生じさせる事
態または事故である、地震、悪天候等の自然災害や火災
等の保険リスクに係わるコンティンジェンシーなどに分
類することができる。
ンシーの一つであり、債務者が発行した金融商品に対す
る債務が債務不履行になる状態をいう。例としては、債
務者が発行した債券の満期前に、債務者が倒産するなど
して、債券発行時に契約したクーポンや満期日に償還さ
れる金額を、債券の購入者に対して支払うことが出来な
くなる状態をいう。
の発生し得る対象として金融商品もしくは保険商品で参
照される経済的価値を有する資源もしくは経済主体のこ
とである。例えば、コンティンジェンシーとして火災を
選択した場合には、火災が発生し得る建物や工場などを
指す。コンティンジェンシーとして地震、風災、水災を
選択した場合には、それら自然災害が発生し得る地域
(必要であれば更に分割することもある)に含まれる建
物や工場等の集合体などを指す。コンティンジェンシー
として債務不履行(デフォルト)、格付け低下等を選択
した場合には、それら信用リスクのある債務者またはそ
の債務者が発行する債券、株式、転換社債、仕組み債な
どの有価証券を指す。
であり、保障対象として参照される資産を言う。この被
保障参照体のうち、金融商品または保険商品の価格が定
められる基本的な変数となりうる資産のことである。バ
スケットデフォルトスワップ(BDS)で言えば、参照
資産は担保資産である債権のことである。
険商品で参照される対象として、一つの被保障参照体
と、発生原因となる一つのコンティンジェンシーとを一
つの組として捉えた概念である。(被保障参照体,コン
ティンジェンシー)の様な形式的な組のことを指す。こ
れを示す概念図を図7に示す。例えば、企業Aの第一工
場と第二工場をそれぞれ被保障参照体201、211と
し、これらの工場に起こり得る火災202、212をコ
ンティンジェンシーとして考える場合のリスク参照単位
は、形式的に表すと、(企業Aの第一工場,火災)20
4と(企業Aの第二工場,火災)214の2組であり、
さらに地震をコンティンジェンシーとして加えると、
(企業Aの第一工場,地震)205と(企業Aの第二工
場,地震)215が加わる。
発生頻度についての相互依存関係(相関)を考慮する場
合、どの被保障参照体に発生し得る、どのコンティンジ
ェンシーに注目しているのかを明確に指定する必要があ
るためである。すなわち、コンティンジェンシーのみ、
被保障参照体のみの指定では特定が不十分であり、両者
の組み合わせを用いて、想定しているコンティンジェン
シーを特定する必要がある。
険商品の購入者および供給者が授受する金額に関する契
約上の条件のことであり、商品としての仕様を決定する
主要要素である。同じコンティンジェンシーであって
も、例えば、債務不履行(デフォルト)をコンティンジ
ェンシーとして選択した場合、商品の請求条件には以下
の様に複数有り得る。すなわち、バスケットと呼ばれる
複数の参照資産(担保資産)集合体からの1次損失分の
みを保障する条件や、2次損失分のみを保障する条件
や、あるいは証券化によって当初の信用リスクの特質と
は全く異なる特質を持つ新たな金融商品を複数組成した
場合の、それらの間のクーポン支払いや償還についての
優先順位に関する条件などである。また、同じコンティ
ンジェンシーであっても、例えば、火災をコンティンジ
ェンシーとして選択した場合、商品の請求条件には複数
有り得る。すなわち、火災による建物消失などの物損害
のみを保障する条件や、火災が発生することにより工場
の操業が停止してしまうことなどによる火災利益損害ま
でを保障する条件や、火災が発生した建物の中にいた人
や物の傷害に対する火災賠償損害までを保障する条件
や、地震の発生に起因する火災による損害を保障する条
件などである。
(社債、デフォルト)をリスク参照単位とし、該社債を
複数集めてプールした社債プールを補償対象としたバス
ケットデフォルトスワップが商品であるとすると、該社
債プールにおいて「最初のデフォルトによって生じた損
失を補償する」という請求条件に対し、「最初のデフォ
ルトが起きる」という事象の確率のことである。つま
り、請求条件が指定する事象の発生確率のことである。
ある現時点を含む過去の数量データおよびその数量デー
タから数理モデルによって演算手段が計算するパラメー
タやインデックス等の数理モデルデータをいう。例え
ば、被保障参照体のコンティンジェンシーとしてデフォ
ルトまたは格付低下を選択した場合には、上記履歴デー
タの内には、市場価格データのみならず、外部信用評価
機関(外部格付機関)によって付与された格付(以下で
説明するリスク格付のうちの一つ)等が含まれる。
ティンジェンシーの発生のしやすさを示す。発生強度
は、定数でもよいし、時間の確定的な関数でもよいし、
確率過程でもよい。当該コンティンジェンシーについて
のデータに基づくものであれば望ましい。
強度の一つであって、コンティンジェンシーがデフォル
ト(債務不履行)であるものである。担保資産(参照資
産)となる金融商品を発行する債務者のデフォルトにな
る「なりやすさ」を示す。デフォルト強度は、市場デー
タから計算することが望ましい。例えば、担保資産が債
券であるとき、債務者の発行する債券と国債の利回りと
の差を示すイールド・スプレッドの大きさに基づいて、
デフォルト強度を計算してもよい。
質のものであったり、リスク参照単位の発生強度の時間
経過に伴う推移の直接的な観測が困難な場合に、これら
被保障参照体のコンティンジェンシーの起こりやすさを
統合あるいは代替する指標のことである。通常、10前
後の順序を持つ記号(A,B,Cなど)か整数の形で用
いる。発生強度と同様に、リスク格付は発生確率を説明
する指標であり、例えば整数によるリスク格付が小さい
ほど発生確率が小さいなど、発生強度との間に相対的な
対応付けが可能である。
集合であり、時間経過に伴う該被保障参照体の発生強度
の推移を発生強度そのものの値とは異なる値(リスク格
付)として時系列データの形式で表したものである。例
えば、被保障参照体のコンティンジェンシーとして火災
を選択した場合、火災発生に関する履歴データに基づ
き、火災の起こりやすさを表す指標を数値化し時系列デ
ータの形式で表したものであり、具体的には、定期的に
リスクサーベイを行った結果を用いても良い。例えば、
被保障参照体のコンティンジェンシーとして債務不履行
(デフォルト)を選択した場合、債務者またはその債務
者が発行する債券、株式、転換社債、仕組み債などの有
価証券の履歴データに基づき、債務不履行(デフォル
ト)の起こりやすさを表す指標(クレジットスプレッド
等や格付)を数値化し時系列データの形式で表したもの
である。
バスケットタイプのクレジットデリバティブや資産担保
証券(Asset Backed Security)のように、バスケット
と呼ばれる複数の参照資産の集合体に生じる一つまたは
複数のデフォルトまたは格付推移(より一般には、リス
ク参照体における発生強度の推移やリスク格付けの推
移)がトリガーとなることによって、支払いが決まる金
融商品をいう。本発明において、損害保険分野にも本発
明のバスケットタイプ金融商品の価格計算方法は応用で
きるので、バスケットタイプ金融商品には、損害保険商
品も広く含むものとする。
に、バスケットタイプ金融商品の例のバスケットタイプ
クレジットデリバティブとは、バスケットと呼ばれる複
数の貸出債権や社債等である参照資産(担保資産)の集
合体において、最初のデフォルトによる毀損を保障する
金融派生商品である。本発明における被保障参照体に相
当する参照資産が集合体として取り扱われ、そこ発生す
る損失を回避するための金融商品であり、金融派生商品
取引の形態のみならず証券化を経た仕組債の発行という
形態でも普及してきている商品である。なお、参照資産
(担保資産)としては通常、貸出債権や社債が該当する
場合が多いが、これらに限られた事では無く、将来の定
期的なキャッシュフローをある程度確実に見積もること
ができる債権であれば、それらを参照資産(担保資産)
とする商品設計も可能となる。例えば、住宅ローン、オ
ートローン、不動産賃貸収入、特許使用料、などの証券
化を経た債権の発行なども考案されている。
とは、バスケットデフォルトスワップの参照資産(担保
資産)となる複数の債券(以下、「バスケット」とも呼
ぶ)の保有者(以下、「BDSの買い手」とも呼ぶ)
が、BDSの売り手に対して定期的にプレミアムを支払
う代りに、BDSの契約終了時である満期までの間に、
バスケット内からデフォルトが起きた場合、最初にデフ
ォルトした債券からBDSの買い手が回収できなかった
額だけBDSの売り手から保障されるというものであ
る。バスケット内からデフォルトが発生した後は、BD
S契約はクローズ(終了)する。例外的に、参照資産の
保有者とBDSの買い手が必ずしも一致しない場合も有
り得る。
したように最初のデフォルトを保障対象とするが、集合
体の中の2番目に発生したデフォルトなど、あらかじめ
決めておいた順番のデフォルトによる損失を保障する様
な、セカンド・トゥ・デフォルト、サード・トゥ・デフ
ォルトと呼ばれる。なお、最初のデフォルトを対象とす
るBDSをこれらと明示して区別するために、特にファ
ースト・トゥ・デフォルトと呼ぶこともある。
P:Integrated Risk Management Program)とは、企業
が抱える、株価や為替の変動リスクといった金融リスク
と、自然災害や賠償責任等の保険リスクとを包括的にカ
バーする保険商品である。このIRMPの代表的な商品とし
てシングルトリガー、ダブルトリガーが挙げられる。シ
ングルトリガーは、保険リスクによる損失額と金融リス
クによる損失額の合計が、設定額以上になると支払われ
る商品であり、支払額にキャップがついたものもあり、
ストップロス再保険契約とも呼ばれている。ダブルトリ
ガーは保険リスクと金融リスクそれぞれの損失額に対し
て条件を設定し、両方の条件が満たされた場合にのみ、
支払われる商品であり、デュアルトリガーとも呼ばれ
る。また、同様の商品で、対象リスクが3つ以上のもの
はマルチトリガーと呼ばれる。
品の価格とは、当該商品を購入する者が、1回または定
期的に複数回支払うプレミアムまたはそれらの総価値の
ことである。バスケットタイプ金融商品についていえ
ば、このような金融商品のプレミアムが価格と呼ばれる
ことになる。
ンティンジェンシーの起こりやすさを表す強度(インテ
ンシティ)を定義し、この強度を持つポアソン過程の最
初の飛躍時刻をコンティンジェンシー発生時刻とみなす
数理モデルのことである。一般に、事象発生回数がポア
ソン分布に従う確率過程のことをポアソン過程と呼ぶ
が、ポアソン過程の特徴として、ごく短い時間間隔のう
ちには高々1度しか飛躍しないという性質があり、地
震、風災、水災、火災、債務不履行(デフォルト)、格
付け低下等、低頻度のコンティンジェンシー発生のモデ
ル化に適している。債務者とは、債務の本旨にしたがっ
て給付をなすべき義務を負う自然人もしくは法人、ある
いはそれらの集団等の経済主体のことである。
債券価格データと、債務者の発行する債券のクーポンレ
ートデータと、債務者の発行する債券の満期期間に関す
る満期期間データと、債務者の発行する債券の利回りを
示す利回りデータと、債務者の発行する債券の利回り
と、国債の利回りもしくはスワップレートとの差を示す
イールド・スプレッドデータと、債務者の信用格付示す
債務者信用格付データと、債務者の発行する債券の信用
格付を示す債券信用格付データと債務者の発行する株式
価格を時系列によって表す株式価格時系列データと、株
式市場に関する指標を時系列によって表す株式市場指標
時系列データと、債券価格、クーポンレート、満期期間
データ、利回りデータ、イールド・スプレッドデータ、
債務者信用格付データ、債券信用格付データ、株式価格
時系列データおよび株式市場指標時系列データからなる
一群から選択されるデータの組み合せから数理モデルに
よって演算手段が計算する数理モデルデータとからなる
グループから選択される一以上のデータでもよいし、他
の債務者の信用力を表すようなデータであってもよい。
ここで、スワップレートとは、一定期間にわたって、
予め定められた条件のもとで、同一通貨のキャッシュフ
ローを交換する相対取引の契約である金利スワップにお
いて、固定金利側のレートをいう。
ける株式の終値、前場の引け値、一日、週間、月間、半
期、年間の平均値であるような価格を時系列にとったデ
ータである。
の全体もしくは、一部(業種ごと)の株式の価格の動き
を表すような指標のことである。例えば、各種日経平均
(日経平均225など)や、TOPIXのような指標の
ことである。
リスク参照単位において、異なるリスク参照単位の間で
の発生強度の相関を示すパラメータである。発生相関パ
ラメータを計算するために、異なる二つのリスク参照単
位者を選び出し、その二つの発生強度の依存度合いを表
現するケンダールの順位相関を求めることにより、信用
力相関パラメータを計算する
が企業等の債権であり、コンティンジェンシーが該債権
のデフォルトや格付け変化である場合における発生相関
パラメータに対する呼称である。つまり、バスケットタ
イプ金融商品において、バスケットを構成する債務者i
と債務者jとの信用力の相関を示すパラメータである。
信用力相関パラメータ(θij)はバスケットを構成する
債務者と債務者の信用力変化の依存度合いから推定され
るものである。信用力相関パラメーターを計算するため
に、バスケットを構成するすべての債務者の中から異な
る2者を選び出し、その2者の間の信用力の依存度合い
を表現するケンダールの順位相関(本発明では、信用順
位相関とも呼ぶ)を計測することにより、信用力相関パ
ラメータを計算する。
率変数の周辺分布関数から、多変数の確率変数の多変量
同時分布関数への汎関数(数式1)である。もしくは、
コピュラ関数とは、デフォルトの判定の基準となる閾値
を表す一次元一様分布に従う確率変数であるデフォルト
閾値確率変数から、複数の債務者を同時に計算(考慮)
する場合のデフォルトの判定の基準となる閾値を表す多
次元一様分布に従う確率変数であるデフォルト閾値多次
元確率変数に変換する関数(数式4参照)ともいえる。
布を1変量の周辺分布と多変量の相互依存構造とに分解
して考えることが出来るようになる点が優れている。こ
こで言う相互依存関係は、通常良く使われる相関係数で
はなく、本発明では、ケンダールの順位相関(発生順位
相関や信用順位相関)と呼ばれるもので表現する。本発
明では、コピュラ関数は、該被保障参照体ごとにコンテ
ィンジェンシー発生の判定の基準となる閾値を表す一次
元一様分布に従う確率変数である発生閾値確率変数か
ら、複数の被保障参照体を同時に計算する場合の、それ
ぞれ対応するコンティンジェンシー発生の基準となる閾
値を表す多次元一様分布に従う確率変数である発生閾値
多次元確率変数に変換する。特に信用リスク保障の場合
には、債務者ごとにデフォルトの判定の基準となる閾値
を表す一次元一様分布に従う確率変数であるデフォルト
閾値確率変数から、複数の債務者を同時に計算(考慮)
する場合のデフォルトの判定の基準となる閾値を表す多
次元一様分布に従う確率変数であるデフォルト閾値多次
元確率変数に変換する。この結果、本発明では、まとめ
て取り扱われるすべてのリスク参照単位の相互依存関係
や、バスケットを構成するすべての債務者の信用力の相
互依存関係を表現することができ、3つ以上のリスク参
照単位の相関関係を考慮した金融保険商品や、3者以上
の債務者の信用力の相関関係を考慮したバスケットタイ
プ金融商品の価格計算を簡便に計算できるようになる。
が発生した時に金融商品もしくは保険商品の購入者に売
却者から支払われる金額を、商品ごとに契約時に設定さ
れる想定元本もしくは保険金額(または支払限度額)で
割った値である。例えばコンティンジェンシーとして保
険リスクを考える場合の損失率とは、1事故当たりの損
害率であり、例えばコンティンジェンシーとして信用リ
スクを考える場合の損失率とは、貸出債権や社債などが
債務不履行に陥った後、元本のうち回収できなかった割
合のことである。特に信用リスクを考える場合、(1−
損失率)を回収率と言う。特に金融商品の回収率とは、
金融商品を発行した債務者がデフォルトになったときに
金融商品の購入者に支払われる金額を、金融商品の発行
時に履行すると契約した債務額によって割った値であ
る。
等の順位に関する相関を表す統計量である。代表的な順
位相関として、ケンダールの順位相関とスピアマンの順
位相関が挙げられる。
単位間の、コンティンジェンシーの起こりやすさの相互
依存度合いを順位相関という相関係数の形で表した数値
である。本発明では、順位相関の一態様として、ケンダ
ールの順位相関を利用している。しかし、二つの発生強
度の相関を表す順位相関であれば、ケンダールの順位相
関に限定しなくてもよい。例えば、スピアマンの順位相
関なども考えられる。本発明で用いられるケンダールの
順位相関は、二つのリスク参照単位の発生強度の依存関
係を示したものである。二つのリスク参照単位に対する
二つの発生強度の確率変数があり、一方が大きな値をと
るとき他方も大きな値をとる場合、互いの依存関係は強
いと言える。逆に、発生強度の確率変数の一方が大きい
値をとるとき他方が小さい値をとる場合、互いの依存関
係は弱いと言える。本発明の発生順位相関係数は、リス
ク参照単位間の発生強度の依存関係の強弱を数値で表し
たものである。発生強度に関する二つの時系列データX
tとYtを考え、時間が経つにつれてXtが増加し、かつ
Ytも増加する確率Pup up、Xtが減少し、かつYtも減
少する確率Pdown down、逆に、Xtが増加し、かつYtが
減少する確率Pup down、Xtが減少し、かつYtが増加す
る確率Pdown up、Xtが増加または減少し、かつYtが増
加も減少もしない確率Ptie、Ytが増加または減少し、
かつXtが増加も減少もしない確率Ptieを使い、本発明
で用いられる信用力順位相関として、ケンダールの順位
相関およびスピアマンの順位相関は数式2のように定義
される。
数)とは、発生順位相関係数を、信用リスクを保障する
金融商品の場合の呼称である。つまり、2者の債務者間
の信用力を順位相関係数という形で表したものである。
この場合も、2者の債務者間の信用力の相関を表す順位
相関であれば、ケンダールの順位相関に限定されず、例
えば、スピアマンの順位相関なども考えられる。
られる定数とは、発生順位相関(あるいは信用力順位相
関;ケンダールの順位相関)と、発生相関パラメータ
(あるいは、信用力相関パラメータ;θij)との関係を
示す定数である。数学的な証明により、数式3のような
発生順位相関(あるいは信用力順位相関;ケンダールの
順位相関)と、(あるいは、信用力相関パラメータ;θ
ij)との定数(2/9)を介する関係が知られている。
この関係の証明は、「An Introduction to Copulas(199
9), Roger B.Nelsen, Lecture Notes in Statistics 13
9, Springer.」の文献の129ページの例5.2において
説明されている。
る金融商品や保険商品の価格計算方法や、バスケットタ
イプ金融商品の価格計算方法によると、従来のリスク参
照単位間の発生強度の相関や債務者間の信用力の相関を
考慮していないときと比べて、対象となるリスク参照単
位やバスケットに組み込まれる債務(債権)を負う債務
者が3以上となる場合であっても、これらの間の発生強
度や信用力の変化の相関を考慮しているため、これら金
融商品や、保険商品、バスケットデフォルトスワップな
どのバスケットタイプ金融商品の価格(プレミアム)の
計算を合理的にできるようになる。
それぞれの特徴をバスケットタイプ金融商品の分野にお
けるより具体的な概念に適用して考えることが出来る。
具体的には、「被保障参照体とコンティンジェンシーと
の組からなるリスク参照単位」を「担保資産(または参
照資産)」と、「発生強度」を「デフォルト強度」と、
「発生相関パラメータ」を「信用力相関パラメータ」
と、「発生相関強度」を「信用力相関デフォルト強度」
と、「発生閾値確率変数」を「デフォルト閾値確率変
数」と、「発生閾値多次元確率変数」を「デフォルト閾
値多次元確率変数」と、「複数リスクを対象とした商
品」を「バスケットタイプ金融商品」と、「履歴デー
タ」を「市場データ」と限定することにより、本発明の
方法を用いてバスケットタイプ金融商品における価格の
計算を行なうことが可能となる。
イプ金融商品の担保資産となる金融商品を発行する債務
者に関する、予め記憶手段に保存されている市場データ
に基づいて、該債務者のデフォルトの起こりやすさを示
すデフォルト強度を演算手段が計算するデフォルト強度
計算ステップと、該市場データに基づいて、該債務者間
の信用力の相関を示す信用力相関パラメータを演算手段
が計算する信用力相関パラメータ計算ステップと、該債
務者ごとにデフォルトの判定の基準となる閾値を表す一
次元一様分布に従う確率変数であるデフォルト閾値確率
変数から、複数の債務者を同時に計算する場合のデフォ
ルトの判定の基準となる閾値を表す多次元一様分布に従
う確率変数であるデフォルト閾値多次元確率変数に変換
するコピュラ関数モデルを用いて、該信用力相関パラメ
ータおよび該債務者ごとのデフォルト強度に基づいて、
該債務者間の信用力の相関を用いる信用力相関デフォル
ト強度を演算手段が計算する信用力相関デフォルト強度
計算ステップと、該信用力相関デフォルト強度と、予め
記憶手段に保存されている債務者のデフォルト時におけ
る該金融商品の回収率とに基づいて、バスケットタイプ
金融商品の価格を演算手段が計算する価格計算ステップ
とを含むバスケットタイプ金融商品の価格計算方法も実
現可能である。
金融商品の担保資産となる金融商品を発行する債務者に
関する市場データをコンピュータが受け付ける市場デー
タ受付ステップと、該債務者のデフォルト時における該
金融商品の回収率をコンピュータが受け付ける回収率受
付ステップと、該市場データに基づいて、該債務者のデ
フォルトの起こりやすさを示すデフォルト強度を演算手
段が計算するデフォルト強度計算ステップと、該市場デ
ータに基づいて、該債務者間の信用力の相関を示す信用
力相関パラメータを演算手段が計算する信用力相関パラ
メータ計算ステップと、該債務者ごとにデフォルトの判
定の基準となる閾値を表す一次元一様分布に従う確率変
数であるデフォルト閾値確率変数から、複数の債務者を
同時に計算する場合のデフォルトの判定の基準となる閾
値を表す多次元一様分布に従う確率変数であるデフォル
ト閾値多次元確率変数に変換するコピュラ関数モデルを
用いて、該信用力相関パラメータおよび該債務者ごとの
デフォルト強度に基づいて、該債務者間の信用力の相関
を用いる信用力相関デフォルト強度を演算手段が計算す
る信用力相関デフォルト強度計算ステップと、該信用力
相関デフォルト強度と、該回収率とに基づいて、バスケ
ットタイプ金融商品の価格を演算手段が計算する価格計
算ステップとを含むバスケットタイプ金融商品の価格計
算方法が実現可能である。
数モデルが、前記債務者ごとに前記デフォルト閾値確率
変数の全ての積を演算手段が計算する第1ステップと、
前記債務者中から第1債務者および第2債務者を演算手
段が選択する第2ステップと、選択された第1債務者お
よび第2債務者のそれぞれの前記デフォルト閾値確率変
数の積を演算手段が計算する第3ステップと、第1債務
者および第2債務者のそれぞれの前記デフォルト閾値確
率変数の該積と、第1債務者および第2債務者の信用力
相関パラメータとの積を演算手段が計算する第4ステッ
プと、該第3ステップおよび該第4ステップを、前記債
務者中の全ての債務者の組み合せについて演算手段が計
算し、その全ての債務者の組み合せの積と信用力相関パ
ラメータとの積の和を演算手段が計算する第5ステップ
と、該第1ステップによって計算された値と、該第5ス
テップによって計算された値との積を演算手段が計算し
て、複数の債務者の前記デフォルト閾値多次元確率変数
を演算手段が計算する第6ステップとを含むことを特徴
とするバスケットタイプ金融商品の価格計算方法が実現
可能である。
パラメータ計算ステップが、前記債務者中から、第1債
務者と第2債務者の2者を選択するステップと、前記市
場データに基づいて、該第1債務者の信用力が増加し、
かつ該第2債務者の信用力が増加する第1確率を演算手
段が計算するステップと、前記市場データに基づいて、
該第1債務者の信用力が減少し、かつ該第2債務者の信
用力が減少する第2確率を演算手段が計算するステップ
と、前記市場データに基づいて、該第1債務者の信用力
が増加し、かつ該第2債務者の信用力が減少する第3確
率を演算手段が計算するステップと、前記市場データに
基づいて、該第1債務者の信用力が減少し、かつ該第2
債務者の信用力が増加する第4確率を演算手段が計算す
るステップと、前記市場データに基づいて、該第1確率
および該第2確率の和から、該第3確率および該第4確
率の和を引いて信用力順位相関を演算手段が計算するス
テップと、該信用力順位相関に対して定数を掛け、前記
信用力相関パラメータを演算手段が計算するステップと
を含むバスケットタイプ金融商品の価格計算方法が実現
可能である。
計算ステップが、前記信用力相関デフォルト強度に基づ
いて、バスケットタイプ金融商品の担保資産となる金融
商品のうち、該バスケットタイプ金融商品の満期日まで
に最初のデフォルトが起こる確率を演算手段が計算する
ステップと、前記回収率から最初のデフォルトによって
回収できない非回収率を演算手段が計算するステップ
と、該最初のデフォルトが起こる確率と、非回収率との
積の現在価値を計算し、バスケットタイプ金融商品の価
格を演算手段が計算するステップとを含むバスケットタ
イプ金融商品の価格計算方法が実現可能である。
計算量が膨大になる手法を用いることがなく、解析的な
計算のみを行なうので、計算時間を短縮することができ
る。これは、価格の再計算値を頻繁に行なう必要がある
バスケットタイプ金融商品のような金融商品には大変重
要である。
計算方法は、損害保険分野にも適用することができる。
上述のバスケットタイプ金融商品の価格に相当するのが
純保険料である。個別債務者のデフォルト強度に当たる
のが、事故(コンティンジェンシー)の起こる頻度を表
すパラメータである。また、例えば、複数の工場を所有
する企業に対する火災保険を考える場合、各債務者間の
信用力の相関を示す信用力相関パラメータに該当するの
が、それらの工場で火災が起こるかどうかの相互依存関
係となる。そして、債権の回収率に対応するのが、(1
−損害率)となる。また、債務者に対応するのは、損害
保険の分野では、建物、自動車といった保険契約によっ
て保障される対象である被保険対象となる。従って、バ
スケットデフォルトスワップの価格付けの論理的枠組み
は被保険対象(リスク参照単位)が複数存在し、かつ、
それらの対象についての事故が起こる頻度が独立とはい
えない場合に適応することが可能となる。そして、この
ような損害保険の純保険料の計算を同じ論理的枠組みの
中で行なうことができる。本発明は、発明者のこのよう
な金融商品と保険商品の関係についての知見に基づき、
具体性を有する範囲においてこれらを包含する概念を提
供するものである。
オペレータの操作による入力手段のほか、フレキシブル
ディスクなどの記録媒体による入力、あるいはインター
ネットを含む電気通信回線やLAN(ローカルエリアネ
ットワーク)などの電気信号による入力を受け付ける手
段を含む。
や、プログラムなどを記憶するための手段である。例え
ば、コンピュータ内のランダムアクセスメモリ、ハード
ディスクなどである。
の任意の計算手段のことである。例えば、一般に中央処
理装置すなわちCPUといわれているものや、特定の計
算に専用設計等さえれたDSP(デジタル信号処理)手
段等であるがこれらに限定されるものではない。
と、記憶手段と、演算手段とを含む電子計算機をいう。
コンピュータは、本発明の目的に合わせて適当な手段と
して自身を作用させる為の命令を実行し、入力手段から
データを受け付け、記憶手段からデータを呼び出し、演
算処理を行う。さらにコンピュータは、その結果に応じ
て、計算結果を表示したり、記憶手段に記録したり、他
のコンピュータに自ら送信したり、他のコンピュータの
求めに応じて送信したり、他の装置を制御したりする。
必要に応じて適当なネットワークや通信手段によって他
の装置と通信を行なうものであっても良い。例えば、上
記の命令の実行に当たり、コンピュータの演算手段が本
発明の発生強度を計算する場合には、本発明の発生強度
計算ステップをコンピュータの演算装置が実行すること
によって、コンピュータが発生強度計算手段として動作
する。つまり、コンピュータが発生強度計算手段を含む
ものとなる。この例のように、コンピュータのいずれか
の手段の動作として記載されている本発明の任意のステ
ップは、コンピュータを構成する適当な手段が当該動作
を実行することによって、コンピュータがその動作の手
段を含むものとして動作可能なことを意味する。つま
り、コンピュータが当該動作手段を含んで構成されてい
るものとする。
は、プログラムやデータを記録し、コンピュータが読み
取り可能な媒体のことである。例えば、フレキシブルデ
ィスク、CD−ROM、MO、ROMチップなどのこと
である。
商品の価格計算方法の実施の形態を図を用いながら詳細
に説明する。以後の本実施形態の説明に当たり、被保障
参照体として債務者を想定し、コンティンジェンシーと
して債務不履行(デフォルト)を想定する具体例(即
ち、リスク参照体として、バスケットタイプ金融商品で
あるクレジットデリバティブ)の債務発生順位相関係数
を信用リスクを保障する金融商品を用いて、より具体的
な例によって説明し、必要に応じて一般の場合の特徴や
要素の名称を記載する。本発明をこの例のみに限定する
ものでない。
スキームを示す概念図である。本実施の形態では、バス
ケットタイプ金融商品(クレジットデリバティブ)の一
例として、バスケットデフォルトスワップ(BDS)を
利用し、説明する。バスケットデフォルトスワップと
は、図1に示したバスケットデフォルトスワップのスキ
ーム1中の「BDSの買い手2」と「BDSの売り手
3」の2者間で取り交わされる契約のことをいう。
スワップの参照資産(担保資産、被保障参照体)となる
複数の債券(以下、「バスケット」とも呼ぶ)の保有者
(以下、「BDSの買い手2」とも呼ぶ)が、BDSの
売り手3に対して定期的にスワップ取引の対価であるプ
レミアムを支払う代りに、BDSの契約終了時である満
期までの間に、バスケット内からデフォルト(コンティ
ンジェンシー)が起きた場合、デフォルトした債券(リ
スク参照単位)からBDSの買い手2が回収できなかっ
た額だけBDSの売り手3から保障されるというもので
ある。さらに、一般的なBDSは、バスケット内の最初
のデフォルト発生時点において、BDSの契約は終了
し、BDSの買い手2から売り手3へ支払われるプレミ
アムの支払も停止することが多い。例外的に、参照資産
の保有者とBDSの買い手が一致しない場合も有り得
る。
内の最初のデフォルト発生以前のキャッシュフローであ
り、点線矢印は、バスケット内の最初のデフォルト発生
後のキャッシュフローである。最初のデフォルト発生前
では、参照資産(担保資産)となる複数の債券のバスケ
ットを発行する債務者からクーポンの総額を、債権の保
有者(BDSの買い手2)が受け取る。BDSの買い手
2から、BDSの売り手3に対して、プレミアムを支払
う。最初のデフォルト後、デフォルトした債券を発行す
る債務者からデフォルトした債券の回収可能額を受け取
る。なお、回収可能額は額面と回収率との積で表され
る。次に、BDSの売り手3からBDSの買い手2は、
デフォルトした債券の回収不能額を受け取る。なお、デ
フォルトした債券の回収不能額は額面と(1−回収率)
との積で表される。本発明では、(1−回収率)を非回
収率と呼ぶものとする。
計算方法では、バスケットの参照資産(担保資産)とな
る金融商品を発行する債務者のデフォルト事象の生起
(コンティンジェンシーの生起)はポアソン分布に従う
確率変数によって代替する。すなわち、複合ポアソン過
程の最初の飛躍時刻がデフォルト時刻を表す確率変数と
する。デフォルトを表すポアソン過程の飛躍の起こる頻
度を示すパラメーターをデフォルト強度(λt i 、発生
強度)と呼び、デフォルト強度自身が確率変動すること
によって、各債務者の信用力の変化の将来の不確実性
(リスク)を表現することになる。本発明のデフォルト
強度(λt i )が大きいと、デフォルトが起こりやすい
(信用力が低い、コンティンジェンシーの発生強度が大
きい)ことを示し、デフォルト強度(λt i )が小さい
と、デフォルトが起こりにくい(信用力が高い)ことを
示す。
として、一様分布に従う確率変数とデフォルト強度(λ
t i )の関数との大小関係により示し、数式4として表
す。数式4中のUiは[0,1]区間の一様分布に従う確
率変数であり、これを債務者iのデフォルト閾値確率変
数と呼ぶ。(U1,U2,・・・,Ui,・・・,UN)をベクト
ルで定めたものをデフォルト閾値多次元確率変数と呼
ぶ。
なるデフォルト時刻を考えるので、債務者ごとにデフォ
ルト強度(λt i )を考え、債務者ごとに一様分布に従
う確率変数を考える。債務者ごとに考えた、一様分布に
従う確率変数の間に信用力順位相関(ケンダールの順位
相関)を持たせることにより、債務者間の信用力変化の
依存構造を表現する。
元の確率変数と多次元の一様分布に従うコピュラ関数を
定めることにより、債務者が複数の場合の信用力変化の
相互依存関係を具体的に表現する。
成するすべての債務者の信用力変化の相互依存関係を考
慮しない場合は、すべての債務者の信用力変化は互いに
独立であり、この場合の個別債務者(個別のリスク参照
単位)のデフォルト強度(λ t i )は、バスケットを構
成するすべての債務者の信用力変化の相互依存関係を考
慮する場合の信用力相関デフォルト強度(Λ)とは異な
る。
率的表現と同等の表現として次の様なものがある。現在
までデフォルトしていないという条件のもとで、ある未
来の時刻までデフォルトが起こらない確率は、強度に関
する期待値を計算することによって数式5のように表現
することができる。
場合、すなわち債務者の信用力は互いに独立であると仮
定して良い場合には、債務者iの強度をλt iとすると、
時刻tまで、バスケットの中の一つの債務者もデフォル
トしない確率(一つのリスク参照単位もコンティンジェ
ンシーに遭遇しない確率)は、数式6のように示され
る。
複数の債務者の信用力は互いに独立と仮定できない場合
が一般的であり、その場合には数式6は成り立たない。
そこで、コピュラ関数を利用することにより、本発明で
は数式6に相当する関係式を導く。本発明では、コピュ
ラ関数を変形することにより、バスケットを構成するす
べての債務者の信用力変化の相互依存関係を考慮する場
合の各債務者のデフォルト強度(λt i )を表現する。
本発明者は、N者のバスケットを構成するすべての債務
者の信用力の相互依存関係を表現するコピュラ(Copul
a)関数Cとして、数式7を提案する。
メーターは信用力相関パラメータθ ijであり、これはバ
スケットを構成する債務者iと債務者jの信用力変化の
依存度合い(信用力の相関)から推定されるものであ
る。そこで信用力相関パラメーターθijを演算手段によ
って計算するために、バスケットを構成するすべての債
務者の中から異なる2者を選び出し、その2者の間の信
用力の依存度合いを表現する信用力順位相関(ケンダー
ルの順位相関)を市場データに基づいて計測することに
より、該当する信用力相関パラメーターθijを決定す
る。
(ケンダールの順位相関)とは、債務者iの信用力が上
昇したときに、債務者jの信用力が上昇したのか下降し
たのかを調べ、その関連性を数値化したものであり、パ
ラメーターθijとは数式9のような関係にある。数学的
な証明は、「An Introduction to Copulas(1999), Roge
r B.Nelsen, Lecture Notes in Statistics 139, Sprin
ger.」の文献の129ページの例5.2において説明され
ている。ここで、数式9における信用力順位相関(ケン
ダールの順位相関)と、信用力相関パラメータ(θij)
との関係を示す定数(2/9)を、本発明では信用力順
位相関の定数と呼ぶこととする。
相関は、債務者間の信用力の依存関係の強弱を数値で表
したものである。市場データから得られる信用力に関す
る二つの時系列データXtとYtを考え、時間が経つにつ
れてXtが増加し、かつYtも増加する確率Pup up、Xt
が減少し、かつYtも減少する確率Pdown down、逆に、
Xtが増加し、かつYtが減少する確率Pup down、Xtが
減少し、かつYtが増加する確率Pdown up、Xtが増加ま
たは減少し、かつYtが増加も減少もしない確率P tie、
Ytが増加または減少し、かつXtが増加も減少もしない
確率Ptieを使い、本発明で用いられる信用力順位相関
(ケンダールの順位相関)は数式8のように定義する。
市場データから得られる信用力に関する二つの時系列デ
ータXtとYtとしては、債務者の発行する債券の利回り
を示す利回りデータや、債務者の発行する債券の利回り
と、国債の利回りとの差を示すイールド・スプレッドデ
ータ、債務者の信用格付示す債務者信用格付データ、債
務者の発行する債券の信用格付を示す債券信用格付デー
タなどを含ませることが考えられるが、その他の市場か
ら得られる信用力に関するデータでもよく、限定される
ものではない。これらの信用力に関するデータの例で、
信用力の増減を示すために次のようなことが考えられ
る。信用力が増加するときとは、利回りデータ中の利回
りが減少するときや、イールド・スプレッドデータ中の
差が減少するとき、債務者信用格付データ中の信用格付
が上昇するとき、債券信用格付データ中の信用格付が上
昇するときなどであり、この中の一つを用いてもよい
し、複数を用いてよいし、その他のときと組み合せても
よい。
中の利回りが増加するときや、イールド・スプレッドデ
ータ中の差が増加するとき、債務者信用格付データ中の
信用格付が下降するとき、債券信用格付データ中の信用
格付が下降するときなどであり、この中の一つを用いて
もよいし、複数を用いてよいし、その他のときと組み合
せてもよい。
用力変化の相互依存関係を考慮した後の個別債務者の信
用力デフォルト強度(Λ)は、数式7によって示される
コピュラ関数Cを変形して求めることができる。この様
に求めた順位相関考慮後の信用力相関デフォルト強度
(Λ)を使い、バスケット内で最初に起こるデフォルト
時刻の分布が分かり、バスケットデフォルトスワップの
価格計算を解析的に計算できるようになる。
度(Λ)は、数式10のように示される。
別債務者の信用力相関デフォルト強度を表す数式に、本
発明において提案された数式7に示されるコピュラ関数
を組み合わせても、解析的な計算を行うことができ、か
つ、必要なパラメーターを容易に演算手段によって計算
することが出来ることが本発明が優れている点である。
イプ金融商品の価格計算方法を、バスケットデフォルト
スワップ(BDS)の価格計算に利用した例では次の様
に行う。
ルトが発生するまで定期的(または1回のみ)に払いつ
づけるプレミアムすべての現在価値と、(ii)バスケ
ット内の最初のデフォルトが発生した後に支払う保障額
の現在価値が等しくなるように、プレミアム(価格)を
計算する。ただし、デフォルト発生後の、その債務者の
額面に対する回収率(L)を外生的に与える。(なお、
この回収率は統計上得てもよい。また回収率は、すべて
の債務者に対して一定としてもよいし、債務者ごとに異
なる値を設定してもよい。)
いと仮定し、プレミアムをcとする。(なお、プレミア
ムの支払は定期的に支払うこととしてもよい。)(i)プ
レミアム支払い側の現在価値は、cである。(ii)デフ
ォルト生起後の保障側の現在価値は、保障額の支払は満
期Tに行われると仮定し、BDSの満期をTとすると、
数式11のように表される。
債務者iの信用力相関デフォルト強度を表す時間の確定
的な関数であり、rは信用リスクフリーの金利を表す定
数である。
ムcは、どの債券も額面価格は同一であり、かつ、どの
債券の回収率もLと仮定すると、数式12のように示さ
れ、演算手段により計算できるようになる。
uによらず一定値をとると仮定することにより導かれ
る。
は、数式15に示すとおりである。
発明に係るバスケットタイプ金融商品(クレジットデリ
バティブ)の価格計算方法の一実施の形態を図2を用い
て説明する。図2は、本発明に係るバスケットタイプ金
融商品(クレジットデリバティブ)の価格計算方法の一
実施の形態である。
ットタイプ金融商品(クレジットデリバティブ)の担保
資産となる金融商品を発行する債務者に関する、予め記
憶手段に保存されている市場データに基づいて、債務者
のデフォルトの起こりやすさを示すデフォルト強度(λ
t i)を演算手段が計算する(ステップ10)。デフォル
ト強度(λt i)は、担保資産(参照資産)となる金融商
品を発行する債務者のデフォルトになりやすさを示すの
で、デフォルト強度は、定数でもよいし、時間の確定的
な関数であっても良いし、確率過程であっても良い。デ
フォルト強度(λt i )は、市場データから計算するこ
とが望ましい。例えば、担保資産が債券であるとき、債
務者の発行する債券と国債の利回りとの差を示すイール
ド・スプレッドの大きさに基づいて、デフォルト強度を
計算してもよい。ここで、 市場データとは、債務者の
発行する債券の利回りを示す利回りデータと、債務者の
発行する債券の利回りと、国債の利回りとの差を示すイ
ールド・スプレッドデータと、債務者の信用格付示す債
務者信用格付データと、債務者の発行する債券の信用格
付を示す債券信用格付データとからなるグループから選
択される一以上のデータでよいし、株価など、その他の
債務者の信用に係るデータでもよい。
め記憶手段に保存されている市場データに基づいて、数
式9と数式8に示される信用力順位相関(ケンダールの
順位相関)を用いて、債務者間の信用力の相関を示す信
用力相関パラメータ(θij)を演算手段が計算する(ス
テップ20)。なお、信用力相関パラメータ(θij)の
演算手段による計算をさらに具体的に示すと、図4のよ
うになる。図4は、数式8に示される計算を具体化した
フローチャートである。
jの2者を演算手段が選択し2者の債務者の組み合せを
作成し(ステップ21)、第1債務者iの信用力が増加
し、かつ第2債務者jの信用力が増加する第1確率(P
up up)を演算手段が計算する(ステップ22)。次に、
第1債務者iの信用力が減少し、かつ第2債務者jの信
用力が減少する第2確率(Pdown down)を演算手段が計
算する(ステップ23)。第1債務者iの信用力が増加
し、かつ第2債務者jの信用力が減少する第3確率(P
up down)を演算手段が計算する(ステップ24)。第1
債務者iの信用力が減少し、かつ第2債務者jの信用力
が増加する第4確率(Pdown up)を演算手段が計算する
(ステップ25)。第1債務者の信用力が増加したり減
少し、かつ第2債務者の信用力が変化しない第5確率
(Ptie)を計算する(ステップ26)。第2債務者の
信用力が増加したり減少し、かつ第1債務者の信用力が
変化しない第6確率(Ptie)を計算する(ステップ2
7)。そして、このように求めた第1確率〜第6確率を
用いて、数8の信用力順位相関を計算する(ステップ2
8)。なお、第5確率(Ptie)、第6確率(Ptie)が
ともに0である場合には、より簡易に計算が可能とな
る。つまり、この場合に数式2の分母が1となることに
あわせて、ステップ26〜ステップ28を、第1確率お
よび該第2確率の和(Pup up+Pdown down)から、第3
確率および該第4確率の和(Pup down+Pdo wn up)を引
いて信用力順位相関{(Pup up+Pdown down)−(Pup
down+Pdown up)}を演算手段が計算するものとしても
よい。何れの場合であっても、さらに、信用力順位相関
(数式8)に対して、数式9に基づく定数(9/2)を
掛け、信用力相関パラメータ(θij)を演算手段が計算
する(ステップ29)。ステップ21からステップ29
を、演算手段はすべての債務者の組み合せについて計算
し、すべての債務者間の組み合せの信用相関パラメータ
θijが計算される。
は、利回りデータ中の利回りが減少するときと、イール
ド・スプレッドデータ中の差が減少するときと、債務者
信用格付データ中の信用格付が上昇するときと、債券信
用格付データ中の信用格付が上昇するときとからなるグ
ループから選択される一以上のときであってもよいし、
他の場合のときを組み合せてもよい。信用力が減少する
ときとは、利回りデータ中の利回りが増加するときと、
イールド・スプレッドデータ中の差が増加するときと、
債務者信用格付データ中の信用格付が下降するときと、
債券信用格付データ中の信用格付が下降するときとから
なるグループから選択される一以上のときであってもよ
いし、他の場合のときを組み合せてもよい。
関数モデル(数式10および数式14)を用いて、信用
力相関パラメータおよび債務者ごとのデフォルト強度
(λt i )に基づいて、債務者間の信用力の相関を用い
る信用力相関デフォルト強度(Λt i)を演算手段が計算
する(ステップ30)。
手段が計算する方法を図5に示されるフローチャートを
用いて、数式12〜数式14に基づき、より具体的に説
明する。デフォルト閾値確率変数Uに対応する債務者ご
とのuの積(u1u2u3…uN)を演算手段が計算する
(ステップ31)。債務者中から第1債務者(i)およ
び第2債務者(j)を演算手段が選択する(ステップ3
2)。選択された第1債務者および第2債務者に対応す
る積((1−ui)(1−uj))を演算手段が計算する
(ステップ32)。第1債務者iおよび第2債務者jに
対応する積((1−ui)(1−uj))と、第1債務者
iおよび第2債務者jの信用力相関パラメータ(θij)
との積(θij(1−ui)(1−uj))を演算手段が計
算する(ステップ34)。バスケット中の全ての債務者
の組み合せ(θij(1−ui)(1−uj))について演
算手段が計算する(ステップ35)。全ての債務者の組
み合せについて和(Σθij(1−ui)(1−uj))を
演算手段が計算する(ステップ36)。コピュラ関数
(数式14)Cを演算手段が計算する(ステップ3
7)。なお、デフォルト閾値多次元確率変数に対応する
のが、数式14の左辺部分(u1,u2,……,ui,…
…,uN)である。コピュラ関数Cから、数式15を介
して、数式13を用いて、信用力相関デフォルト強度
(Λt i)を演算手段が計算する。
デリバティブ)の価格cの計算]信用力相関デフォルト
強度(Λt i)と、予め記憶手段に保存されている債務者
のデフォルト時における金融商品の回収率(L)とに基
づいて、数式12を用いて、バスケットタイプ金融商品
(クレジットデリバティブ)の価格(プレミアム)cを
演算手段が計算する(ステップ40)。
リバティブ)の価格(プレミアム)cを演算手段が計算
する方法を図6を用いて、より詳細に説明する。信用力
相関デフォルト強度(Λt i)に基づいて、バスケットタ
イプ金融商品(クレジットデリバティブ)の担保資産と
なる金融商品のうち、最初のデフォルトが起こる確率を
演算手段が計算する(ステップ41)。回収率(L)か
ら最初のデフォルトによって、回収できない非回収率
(1−L)を演算手段が計算する(ステップ42)。数
式12に基づいて、最初のデフォルトが起こる確率と、
非回収率との積の現在価値を計算し、バスケットタイプ
金融商品(クレジットデリバティブ)の価格(c)を演
算手段が計算する(ステップ43)。
ケットタイプ金融商品(クレジットデリバティブ)の価
格計算方法の他の実施の形態を示すフローチャートであ
る。図3によって示されるフローチャートは、市場デー
タと回収率Lを予め記憶手段に保存しておくのではな
く、コンピュータの入力手段によって入力される点が、
図2によって示されるフローチャートと異なる。その他
の点は図2に示される形態と同じである。
市場データを入力手段が受付け、記憶手段に保存し(ス
テップ100)、回収率Lを入力手段が受付け記憶手段
に保存する(ステップ110)。市場データに基づく、
デフォルト強度(λt i )の計算ステップ120は、図
2のステップ10に相当する。市場データに基づく、信
用力相関パラメータ(θij)の計算ステップ130は図
2のステップ20に相当する。コピュラ関数モデル
(C)を用いて、デフォルト強度(λt i )および信用
力相関パラメータ(θij)に基づく、信用力相関デフォ
ルト強度(Λt i)の計算ステップ140は図2のステッ
プ30に相当する。信用力相関デフォルト強度(Λt i)
および回収率(L)に基づく、バスケットタイプ金融商
品(クレジットデリバティブ)の価格計算ステップ15
0は、図2のステップ40に相当する。
オペレータの操作による入力手段のほか、フレキシブル
ディスクなどの記録媒体による入力、あるいはインター
ネットを含む電気通信回線やLAN(ローカルエリアネ
ットワーク)などの電気信号による入力を受け付ける手
段を広く含む。そして、市場データは、インターネット
を含む電気通信回線を媒介して、任意のウェブサイトか
ら入力手段によって入力し、記憶手段に保存してもよ
い。
品(クレジットデリバティブ)の価格計算方法の効用を
説明するために実施例を挙げる。本実施例では、債務者
数3のバスケットのバスケットデフォルトスワップの価
格計算方法を挙げ、従来の債務者間の信用力の相関を考
慮しない場合と、本発明の債務者間の信用力の相関(依
存度合い)を考慮した場合との差を説明することによっ
て、本発明のバスケットタイプ金融商品(クレジットデ
リバティブ)の価格計算の効用を認識できるようにす
る。
考慮しない場合]債務者3者のデフォルト強度(λ)は
市場データに基づいて表1に示すものとする。デフォル
ト生起後の回収率は、どの債務者についても同様にL=
0.2(20%)とする。信用リスクフリー金利rは、期間構造
を考慮せず、5年間一定でr=0.01(1.0%)とする。デフ
ォルトスワップ契約の満期はT=5年とする。
のデフォルトスワップのプレミアム(価格)cは、数式
12の信用力相関デフォルト強度Λの代わりに、信用力
相関を考慮しないλを用いる数式16を用いて計算され
る。数式16を用いた参照資産が一つの場合(バスケッ
トではない場合)のデフォルトスワップのプレミアム
(価格)の計算結果は表2のようになる。
スクを別々にヘッジするのであれば、そのコストは全部
で、 0.01879+0.02249+0.02617=0.06745(6.745%) とな
る。
ないとき、これらの3社からなるバスケットを参照資産
とするバスケットデフォルトスワップのプレミアムは、
数式16を変形した数式17によって計算される。
入すると、数式18のようになり、バスケットデフォル
トスワップのプレミアムが計算される。
0.06549(6.549%)となり、バスケットにしない債務者3
社の債券を別々にヘッジしたとき(表2のプレミアムの
和を計算した0.06745(6.745%)のとき)と比べ、バス
ケット内の最初のデフォルトのみの保障となっている分
だけ割安であることが分かる。想定元本を100億円とす
ると、バスケットにしないときのプレミアムに対して、
バスケットにしたが債務者間の信用相間を考慮しないと
きのプレミアムは1960万円安くなる。
する場合]次に、本発明の実施例として、債務者間の信
用相関を考慮する場合のバスケットタイプ金融商品(ク
レジットデリバティブ)の価格計算をおこなう。仮定条
件は、比較例と同様なものとする。つまり、債務者3者
のデフォルト強度(λ)は市場データに基づいて表1に
示すものとする。デフォルト生起後の回収率は、どの債
務者についても同様にL=0.2 (20%)とする。信用リスク
フリー金利rは、期間構造を考慮せず、5年間一定でr
=0.01(1.0%)とする。デフォルトスワップ契約の満期は
T=5年とする。
変化の相関を表3のように仮定する。
は、相関考慮後の個別債務者の強度Λは、数式13に数
式14を代入することによって得られる数式19によっ
て計算される。
ことにより、債務者間の信用相関を考慮したプレミアム
が計算される。
7%)と算出され、相関を考慮しない場合に比べて割安に
なる。想定元本を100億円とすると、比較例のバスケッ
トにしたが債務者間の信用相間を考慮しないときのプレ
ミアムに比べ、本発明の債務者間の信用力相関を考慮す
るバスケットタイプ金融商品(クレジットデリバティ
ブ)の価格計算方法によるプレミアムの額は1020万円安
くなる。
の場合、バスケットデフォルトスワップのプレミアム
は、0.06601(6.601%)となり、相関を考慮しない場合に
比べて割高になる。想定元本を100億円とすると、比較
例のバスケットにしたが債務者間の信用相間を考慮しな
いときのプレミアムに比べ、本発明の債務者間の信用力
相関を考慮するバスケットタイプ金融商品(クレジット
デリバティブ)の価格計算方法によるプレミアムの額は
520万円高くなる。
イプ金融商品(クレジットデリバティブ)の価格計算方
法によると、バスケットに組み込まれる債券を発行する
債務者間の信用力の相関を考慮するため、バスケットタ
イプ金融商品(クレジットデリバティブ)の価格の計算
がより合理的に計算されることが分かる。つまり、債務
者間の信用力の相関パラメータが正の場合はプレミアム
(価格)が高く計算されるのを防ぎ、逆に、債務者間の
信用力の相関パラメータが負の場合はプレミアム(価
格)が低く計算されるのを防ぐ。
数モデルを用いて発生相関パラメータおよび該リスク参
照単位ごとの発生強度から発生閾値多次元確率変数を生
成する形態として、コンピュータプログラムによって生
成される乱数(または疑似乱数)から多次元一様分布に
従う乱数(または疑似乱数)を生成し、それを使ってモ
ンテカルロシミュレーションにより直接計算を行う手法
もある。
ケットタイプ金融商品(クレジットデリバティブ)の価
格計算方法は損害保険分野にも適用することができる。
上述のバスケットデフォルトスワップの価格に相当する
のが純保険料である。個別債務者のデフォルト強度に当
たるのが、事故の起こる頻度を表すパラメータである。
また、例えば、複数の工場を所有する企業に対する火災
保険を考える場合、各債務者間の信用力の相関を示す信
用力相関パラメータに該当するのが、それらの工場で火
災が起こるかどうかの相互依存関係となる。そして、債
権の回収率に対応するのが、(1−損害率)となる。ま
た、債務者に対応するのは、損害保険の分野では、建
物、自動車といった保険契約によって保障される対象で
ある被保険対象となる。従って、バスケットデフォルト
スワップの価格付けの論理的枠組みは被保険対象が複数
存在し、かつ、それらの対象についての事故が起こる頻
度が独立とはいえない場合に適応することとなる。そし
て、このような損害保険の純保険料の計算を同じ論理的
枠組みの中で行なうことができる。
発明によれば、複数リスクを対象とした金融商品もしく
は保険商品の価格計算方法と、この方法をコンピュータ
を用いて実行するためのプログラムが提供される。本発
明の複数リスクを対象とした商品の価格計算方法による
と、従来の発生強度の相関を考慮していないときと比
べ、3以上のコンティンジェンシーがある場合でも、コ
ンティンジェンシー発生の相関を考慮しているため、バ
スケット・デフォルト・スワップなどの複数リスクを対象
とした商品の価格計算を合理的にできる様になる。ま
た、他の相関を考慮する方法と比べ、パラメータ推定の
計算も含め、計算が容易になる。本発明をバスケットタ
イプ金融商品に具体的に適用すれば、バスケットタイプ
金融商品(クレジットデリバティブ)の価格計算方法
と、この方法をコンピュータを用いて、実行するための
プログラムが提供される。本発明のバスケットタイプ金
融商品(クレジットデリバティブ)の価格計算方法によ
ると、従来の債務者間の信用力の相関を考慮していない
ときと比べ、バスケットに組み込まれる債務(債券)を
負う3者以上の債務者がある場合でも、債務者間の信用
力変化の相関を考慮しているため、バスケットデフォル
トスワップなどのバスケットタイプ金融商品(クレジッ
トデリバティブ)の価格(プレミアム)の計算を合理的
にできるようになる。
ティブ)の一例として挙げるバスケットデフォルトスワ
ップ(BDS)のスキームを表した概念図である。
ジットデリバティブ)の価格計算方法の一実施の形態を
表したフローチャートである。
ジットデリバティブ)の価格計算方法の他の実施の形態
を表したフローチャートである。
ジットデリバティブ)の価格計算方法の信用力相関パラ
メータを計算するステップの一実施の形態を表したフロ
ーチャートである。
ジットデリバティブ)の価格計算方法のコピュラ関数モ
デルの一実施の形態を表したフローチャートである。
ジットデリバティブ)の価格計算方法の価格(プレミア
ム)の計算方法の一実施の形態を表したフローチャート
である。
概念図である。
ム 2 BDSの買い手 3 BDSの売り手 4 バスケット 10 デフォルト強度計算ステップ 20 信用力相関パラメータ計算ステップ 30 信用力相関デフォルト強度計算ステップ 40 価格計算ステップ 100 市場データ受付ステップ 110 回収率受付ステップ 120 デフォルト強度計算ステップ 130 信用力相関パラメータ計算ステップ 140 信用力相関デフォルト強度計算ステップ 150 価格計算ステップ 201、211 被保障参照体 202、212 コンティンジェンシー(火災) 203、213 コンティンジェンシー(地震) 204、205、214、215 リスク参照単位
Claims (9)
- 【請求項1】 被保障参照体とコンティンジェンシーと
の組からなるリスク参照単位に関するあらかじめ記憶手
段に保存されている履歴データと、該リスク参照単位を
参照する商品のあらかじめ記憶手段に保存されている請
求条件とに基づいて、該リスク参照単位ごとのコンティ
ンジェンシーの起こりやすさを示す発生強度を演算手段
が計算する発生強度計算ステップと、 該履歴データに基づいて、異なるリスク参照単位につい
ての発生強度の間の相関を示す発生相関パラメータを演
算手段が計算する発生相関パラメータ計算ステップと、 該リスク参照単位ごとのコンティンジェンシー発生の判
定の基準となる閾値を表し一次元一様分布に従う確率変
数である発生閾値確率変数を、複数のリスク参照単位に
ついて併せて計算する場合における、対応するコンティ
ンジェンシー発生の基準となる閾値をそれぞれが表す多
次元一様分布に従う確率変数である発生閾値多次元確率
変数へと変換するコピュラ関数モデルを用いて、該発生
相関パラメータおよび該リスク参照単位ごとの発生強度
から、該リスク参照単位間の発生強度の相関を表わす発
生相関強度を演算手段が計算する発生相関強度計算ステ
ップと、 該発生相関強度と、予め記憶手段に保存されている該リ
スク参照単位ごとの損失率と、該商品の請求条件とに基
づいて、複数リスクを対象とした商品の価格を演算手段
が計算する価格計算ステップとを含む、複数リスクを対
象とした金融商品または保険商品の価格計算方法。 - 【請求項2】 被保障参照体とコンティンジェンシーと
の組からなるリスク参照単位に関するあらかじめ記憶手
段に保存されている履歴データと、該リスク参照単位を
参照する商品のあらかじめ記憶手段に保存されている請
求条件とに基づいて、該リスク参照単位ごとのコンティ
ンジェンシーの起こりやすさを示す発生強度を演算手段
が計算する発生強度計算ステップと、 該履歴データに基づいて、異なるリスク参照単位につい
ての発生強度の間の相関を示す発生相関パラメータを演
算手段が計算する発生相関パラメータ計算ステップと、 該リスク参照単位ごとのコンティンジェンシー発生の判
定の基準となる閾値を表し一次元一様分布に従う確率変
数である発生閾値確率変数を、複数のリスク参照単位に
ついて併せて計算する場合における、対応するコンティ
ンジェンシー発生の基準となる閾値をそれぞれが表す多
次元一様分布に従う確率変数である発生閾値多次元確率
変数へと変換するコピュラ関数モデルを用いて、該発生
相関パラメータおよび該リスク参照単位ごとの発生強度
から、発生閾値多次元確率変数の実現値を多数生成する
発生閾値多次元確率変数生成ステップと、 該発生閾値多次元確率変数の実現値と、予め記憶手段に
保存されている該リスク参照単位ごとの損失率と、該商
品の請求条件とに基づいて、複数リスクを対象とした商
品の価格を演算手段が計算する価格計算ステップとを含
む、複数リスクを対象とした金融商品または保険商品の
価格計算方法。 - 【請求項3】 被保障参照体とコンティンジェンシーと
の組からなるリスク参照単位をコンピュータが受け付け
るリスク参照単位受付ステップと、 該リスク参照単位ごとに、該リスク参照単位を参照する
商品の請求条件をコンピュータが受け付ける商品受付ス
テップと、 該リスク参照単位ごとの該コンティンジェンシーの起こ
りやすさを示す発生強度を、予め記憶手段に保存されて
いる該リスク参照単位についての履歴データに基づい
て、演算手段が計算する発生強度計算ステップと、 該履歴データに基づいて、異なるリスク参照単位につい
ての発生強度の間の相関を示す発生相関パラメータを演
算手段が計算する発生相関パラメータ計算ステップと、 該リスク参照単位ごとのコンティンジェンシー発生の判
定の基準となる閾値を表し一次元一様分布に従う確率変
数である発生閾値確率変数を、複数のリスク参照単位に
ついて併せて計算する場合における、対応するコンティ
ンジェンシー発生の基準となる閾値をそれぞれが表す多
次元一様分布に従う確率変数である発生閾値多次元確率
変数へと変換するコピュラ関数モデルを用いて、該発生
相関パラメータおよび該リスク参照単位ごとの発生強度
から、該リスク参照単位間の発生強度の相関を表わす発
生相関強度を演算手段が計算する発生相関強度計算ステ
ップと、 該発生相関強度と、予め記憶手段に保存されている該リ
スク参照単位ごとの損失率と、該商品の請求条件とに基
づいて、複数リスクを対象とした商品の価格を演算手段
が計算する価格計算ステップとを含む、複数リスクを対
象とした金融商品または保険商品の価格計算方法。 - 【請求項4】 該履歴データに基づく統計的あるいは定
性的処理により、該発生強度をリスク格付によって置換
してリスク格付履歴データを計算するリスク格付履歴デ
ータ計算ステップをさらに備え、 前記発生相関パラメータ計算ステップは、該リスク格付
履歴データに基づいて、異なるリスク参照単位について
の発生強度の間の相関を示す発生相関パラメータを演算
手段が計算するステップである、 請求項1から3のいずれかに記載の複数リスクを対象と
した金融商品または保険商品の価格計算方法。 - 【請求項5】 被保障参照体とコンティンジェンシーと
の組からなるリスク参照単位をコンピュータが受け付け
るリスク参照単位受付ステップと、 該リスク参照単位を参照する商品の請求条件を該リスク
参照単位ごとにコンピュータが受け付ける商品受付ステ
ップと、 該リスク参照単位ごとのコンティンジェンシーの起こり
やすさを示す発生強度をコンピュータが受け付ける発生
強度受付ステップと、 該リスク参照単位ごとの損失率をコンピュータが受け付
ける損失率受付ステップと、 該リスク参照単位同士の発生強度の相関を示す発生相関
パラメータをコンピュータが受け付ける発生相関パラメ
ータ受付ステップと、 該リスク参照単位ごとのコンティンジェンシー発生の判
定の基準となる閾値を表し一次元一様分布に従う確率変
数である発生閾値確率変数を、複数のリスク参照単位に
ついてあわせて計算する場合における、対応するコンテ
ィンジェンシー発生の基準となる閾値をそれぞれが表す
多次元一様分布に従う確率変数である発生閾値多次元確
率変数へと変換するコピュラ関数モデルを用いて、該発
生相関パラメータおよび該リスク参照単位ごとの発生強
度から、該リスク参照単位間の発生強度の相関を表わす
発生相関強度を演算手段が計算する発生相関強度計算ス
テップと、 該発生相関強度と、該損失率と、該商品の請求条件とに
基づいて、複数リスクを対象とした商品の価格を演算手
段が計算する価格計算ステップとを含む、複数リスクを
対象とした金融商品または保険商品の価格計算方法。 - 【請求項6】 前記コピュラ関数モデルが、 対象となる前記複数リスクに含まれる複数の前記リスク
参照単位についての前記発生閾値確率変数の全ての積を
演算手段が計算する第1ステップと、 複数ある前記リスク参照単位の中から第1リスク参照単
位および第2リスク参照単位を演算手段が選択する第2
ステップと、 選択された第1リスク参照単位および第2リスク参照単
位のそれぞれの前記発生閾値確率変数の積を演算手段が
計算する第3ステップと、 該第1リスク参照単位および該第2リスク参照単位のそ
れぞれの前記発生閾値確率変数の該積と、該第1リスク
参照単位および該第2リスク参照単位の発生相関パラメ
ータとの積を演算手段が計算する第4ステップと、 該第3ステップおよび該第4ステップを、前記リスク参
照単位の全ての組合わせについて演算手段が計算し、そ
の全てのリスク参照単位の組合わせで計算された値の総
和を演算手段が計算する第5ステップと、 該第1ステップによって計算された値と、該第5ステッ
プによって計算された値との積を演算手段が計算して、
複数のリスク参照単位の前記発生閾値多次元確率変数を
演算手段が計算する第6ステップとを含むことを特徴と
する、請求項1から5のいずれかに記載の複数リスクを
対象とした金融商品または保険商品の価格計算方法。 - 【請求項7】 前記発生相関パラメータ計算ステップ
が、 対象となる前記複数リスクに含まれる複数の前記リスク
参照単位の中から、第1リスク参照単位と第2リスク参
照単位の二つを選択するステップと、 前記履歴データまたは前記リスク格付履歴データに基づ
いて、該第1リスク参照単位のコンティンジェンシーの
起こりやすさが増加し、かつ該第2リスク参照単位のコ
ンティンジェンシーの起こりやすさが増加する第1確率
を演算手段が計算するステップと、 前記履歴データまたは前記リスク格付履歴データに基づ
いて、該第1リスク参照単位のコンティンジェンシーの
起こりやすさが減少し、かつ該第2リスク参照単位のコ
ンティンジェンシーの起こりやすさが減少する第2確率
を演算手段が計算するステップと、 前記履歴データまたは前記リスク格付履歴データに基づ
いて、該第1リスク参照単位のコンティンジェンシーの
起こりやすさが増加し、かつ該第2リスク参照単位のコ
ンティンジェンシーの起こりやすさが減少する第3確率
を演算手段が計算するステップと、 前記履歴データまたは前記リスク格付履歴データに基づ
いて、該第1リスク参照単位のコンティンジェンシーの
起こりやすさが減少し、かつ該第2リスク参照単位のコ
ンティンジェンシーの起こりやすさが増加する第4確率
を演算手段が計算するステップと、 前記履歴データまたは前記リスク格付履歴データに基づ
いて、該第1リスク参照単位のコンティンジェンシーの
起こりやすさが増加または減少し、かつ該第2リスク参
照単位のコンティンジェンシーの起こりやすさが変わら
ない第5確率を演算手段が計算するステップと、 前記履歴データまたは前記リスク格付履歴データに基づ
いて、該第1リスク参照単位のコンティンジェンシーの
起こりやすさが変わらず、かつ該第2リスク参照単位の
コンティンジェンシーの起こりやすさが増加または減少
する第6確率を演算手段が計算するステップと、 該第1確率から第6確率までの値に基づき発生順位相関
係数を演算手段が計算するステップと、 該発生順位相関係数に対して定数を掛け、前記発生相関
パラメータを演算手段が計算するステップとを含むこと
を特徴とする、請求項1から4および請求項6のいずれ
かに記載の複数リスクを対象とした金融商品または保険
商品の価格計算方法。 - 【請求項8】 前記価格計算ステップが、 前記発生相関強度に基づいて、前記商品の請求条件に対
応した確率を演算手段が計算するステップと、 該確率と、前記損失率の値とに基づいて、期待値と分散
とを含む基本統計量を計算し、複数リスクを対象とした
商品の価格を演算手段が計算するステップとを含むこと
を特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の複数
リスクを対象とした金融商品または保険商品の価格計算
方法。 - 【請求項9】 請求項1から7のいずれかに記載の各ス
テップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002172820A JP4430854B2 (ja) | 2001-12-13 | 2002-06-13 | コピュラ関数を用いた金融商品もしくは保険商品の価格計算装置およびそのプログラム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-380201 | 2001-12-13 | ||
JP2001380201 | 2001-12-13 | ||
JP2002172820A JP4430854B2 (ja) | 2001-12-13 | 2002-06-13 | コピュラ関数を用いた金融商品もしくは保険商品の価格計算装置およびそのプログラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003242344A true JP2003242344A (ja) | 2003-08-29 |
JP4430854B2 JP4430854B2 (ja) | 2010-03-10 |
Family
ID=27790800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002172820A Expired - Fee Related JP4430854B2 (ja) | 2001-12-13 | 2002-06-13 | コピュラ関数を用いた金融商品もしくは保険商品の価格計算装置およびそのプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4430854B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006202129A (ja) * | 2005-01-21 | 2006-08-03 | Kiyapitaru Asetsuto Planning:Kk | 変額年金保険評価システム |
JP2007517296A (ja) * | 2003-12-24 | 2007-06-28 | ガスパッリ,ドゥッチーオ,マルコ | 金銭の預託に対する利息の計算をするコンピュータシステム |
JP2018163699A (ja) * | 2011-05-19 | 2018-10-18 | エリス イノベーションズ、エルエルシー | フレキシブルレート金融オプションの取引方法 |
JP2020166588A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 日本電信電話株式会社 | シミュレーション値算出方法及びシミュレーション値算出装置 |
US11250509B2 (en) | 2010-08-23 | 2022-02-15 | Eris Innovations, Llc | Non-biased, centrally-cleared financial instrument and method of clearing and settling |
-
2002
- 2002-06-13 JP JP2002172820A patent/JP4430854B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007517296A (ja) * | 2003-12-24 | 2007-06-28 | ガスパッリ,ドゥッチーオ,マルコ | 金銭の預託に対する利息の計算をするコンピュータシステム |
JP2006202129A (ja) * | 2005-01-21 | 2006-08-03 | Kiyapitaru Asetsuto Planning:Kk | 変額年金保険評価システム |
US11250509B2 (en) | 2010-08-23 | 2022-02-15 | Eris Innovations, Llc | Non-biased, centrally-cleared financial instrument and method of clearing and settling |
US11556990B2 (en) | 2010-08-23 | 2023-01-17 | Eris Innovations, Llc | Non-biased, centrally-cleared financial instrument and method of clearing and settling |
JP2018163699A (ja) * | 2011-05-19 | 2018-10-18 | エリス イノベーションズ、エルエルシー | フレキシブルレート金融オプションの取引方法 |
JP2020074209A (ja) * | 2011-05-19 | 2020-05-14 | エリス イノベーションズ、エルエルシー | フレキシブルレート金融オプションの取引方法 |
JP6991258B2 (ja) | 2011-05-19 | 2022-01-12 | エリス イノベーションズ、エルエルシー | フレキシブルレート金融オプションの取引方法 |
JP2020166588A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 日本電信電話株式会社 | シミュレーション値算出方法及びシミュレーション値算出装置 |
JP7260766B2 (ja) | 2019-03-29 | 2023-04-19 | 日本電信電話株式会社 | シミュレーション値算出方法及びシミュレーション値算出装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4430854B2 (ja) | 2010-03-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Dowd et al. | After VaR: the theory, estimation, and insurance applications of quantile‐based risk measures | |
Etula | Broker-dealer risk appetite and commodity returns | |
Nyce et al. | Predictive analytics white paper | |
US7840464B2 (en) | Creating and trading building block mortality derivatives to transfer and receive mortality risk in a liquid market | |
Berndt et al. | Restructuring risk in credit default swaps: An empirical analysis | |
Eklund et al. | Model for analysing credit risk in the enterprise sector | |
US7783565B1 (en) | Method and system for assessing repurchase risk | |
Glancy et al. | Intermediary segmentation in the commercial real estate market | |
Du et al. | Credit default swaps on corporate debt and the pricing of audit services | |
Spuchľakova et al. | Credit risk and LGD modelling | |
Narayanan et al. | How do firms respond to empty creditor holdout in distressed exchanges? | |
Bichuch et al. | Robust XVA | |
JP4430854B2 (ja) | コピュラ関数を用いた金融商品もしくは保険商品の価格計算装置およびそのプログラム | |
Hu et al. | The bullwhip effect and credit default swap market: A study based on firm-specific bullwhip effect measure | |
Guest et al. | Credit default swaps, financial distress and corporate acquisitions | |
Pinder | Decision analysis using multinomial logit models: Mortgage portfolio valuation | |
Park | Alternatives to traditional mortgage financing in residential real estate: Rent to own and contract for deed sales | |
Bundy | Binary Bright-Line Decision Models for Going Concern Assessment: Analysis of Analytical Tools for Bankruptcy Prediction Considering Sensitivity to Materiality Thresholds | |
Casabona et al. | Investment pricing methods: a guide for accounting and financial professionals | |
Rösch et al. | Credit Securitisations and Derivatives: Challenges for the Global Markets | |
Lin | SMEs credit risk modelling for internal rating based approach in banking implementation of Basel II requirement | |
Giambona et al. | Risk Management and Policy Sales in Life Insurance Companies | |
Alqaralleh | From volatility to stability: understanding the role of macroeconomic factors in sovereign CDS spreads | |
Tong | A Review of The Expected Credit Loss Model of IFRS 9 (2014) Financial Instruments | |
Le | Determination of Corporate Credit Ratings: Vietnamese Evidence |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040831 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041101 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050118 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050318 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20050325 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20050415 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20080918 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091028 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091218 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151225 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |