JP2003240712A - 溶液中の含有成分濃度測定方法 - Google Patents
溶液中の含有成分濃度測定方法Info
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Abstract
含有されたオゾン、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、塩
素又は過酸化水素の濃度を正確に測定することができる
溶液中の含有成分濃度測定方法を提唱する。 【解決手段】 本発明の溶液中の含有成分濃度測定方法
は、溶液中に含有されるオゾン、次亜塩素酸、次亜塩素
酸イオン、塩素又は過酸化水素の濃度を測定する方法で
あって、溶液の分光学的測定ステップと、溶液の電気化
学的測定ステップと、溶液に不活性ガスを通気し、該溶
液中に含有されるオゾン、塩素及び酸素を溶液系から除
去する脱気ステップとを含む。
Description
塩素酸、次亜塩素酸イオン、塩素、過酸化水素のうち少
なくとも一つを含有する溶液の溶存オゾン、溶存次亜塩
素酸、溶存次亜塩素酸イオン、溶存塩素、溶存過酸化水
素の濃度を測定する測定方法に関するものである。
いる活性酸素は、生理的に重要な代謝に寄与し、あると
きには生理活性物質の合成、また病原菌の殺菌・解毒作
用、更には抗ガン作用においても重要な働きをし、我々
の生命の営みに重要な役割を果たしてくれるものとして
注目されている。また、コントロールされていないラン
ダムな生体組織の酸素酸化は、老化現象、各種疾患など
生体に傷害を与えるものと考えられている。
ドイオン(O2 -)、過酸化水素(H 2O2)、ヒドロキシ
ラジカル(OH・)及び一重項酸素(1O2)がある。こ
れ以外に、広義として、活性酸素には、ヒドロペルオキ
シド(HO2・)、ペルオキシラジカル(LO2・)、オ
ゾン(O3)、一酸化窒素(NO)等も含まれている。
これら活性酸素は、一般的に反応性が高く、あらゆる化
合物と速やかに反応するため、寿命が短い。そのため、
これら活性酸素の存在量を実際に測定することは困難で
ある。
は、電気化学的手法としての電気分解などにより、水処
理時に生成されることが古くから研究されている。電気
分解によりオゾンが生成された溶液は、通常、DPD法
やインジゴ法などの比色法を用いて当該溶液中に含有さ
れるオゾンの濃度の測定が行われていた。DPD法は、
ジエチル−p−フェニレンジアミンの発色を530nm
で測定することにより、オゾンの濃度測定を行うもので
あり、インジコ法は、インジゴカルミンの脱色を600
nmで測定することにより、オゾンの濃度測定を行うも
のである。尚、係るオゾンの濃度測定については、日本
オゾン協会発行のオゾン濃度測定法の32頁乃至35頁
において詳述されている。
オゾンの濃度測定では、測定対象となる溶液中にオゾン
の他に、次亜塩素酸や塩素等が含有されていると、DP
D法などの比色法では一方が他方を妨害してしまい、単
独では、正確な濃度を測定することができないと云う問
題があった。また、分光光度計を用いた分光学的測定方
法では、オゾンと次亜塩素酸及び塩素のそれぞれの吸収
ピークが近接するため、オゾン単独の正確な濃度を測定
することは困難であった。
するために成されたものであり、他の溶存種に影響され
ることなく、溶液中に含有されたオゾン、次亜塩素酸、
次亜塩素酸イオン、塩素又は過酸化水素の濃度を正確に
測定することができる溶液中の含有成分濃度測定方法を
提唱するものである。
されるオゾン、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、塩素又
は過酸化水素の濃度を測定する方法であって、溶液の分
光学的測定ステップと、溶液の電気化学的測定ステップ
と、溶液に不活性ガスを通気し、該溶液中に含有される
オゾン、塩素及び酸素を溶液系から除去する脱気ステッ
プとを含むことを特徴とする。
度を測定する方法であって、溶液のpHを測定するpH
測定ステップと、溶液の吸光度を測定する第1の分光学
的測定ステップと、溶液中に不活性ガスを通気し、該溶
液中に含有されるオゾン、塩素及び酸素を溶液系から除
去する脱気ステップと、該脱気ステップにおいて処理さ
れた後の溶液の吸光度を測定する第2の分光学的測定ス
テップと、第1の分光学的測定ステップにおいて得られ
た吸光度と、第2の分光学的測定ステップにおいて得ら
れた吸光度の差に基づいて含有成分の濃度を算出する濃
度算出ステップと、脱気ステップにおいて処理された後
の溶液を電気化学的測定により次亜塩素酸又は次亜塩素
酸イオンの還元電流値を測定する電気化学的測定ステッ
プと、該電気化学的測定ステップにおいて得られた還元
電流値に基づいて溶液中の次亜塩素酸又は次亜塩素酸イ
オンの濃度を算出する次亜塩素酸濃度算出ステップを含
むことを特徴とする。
定方法は、上記発明に加えて、電気化学的測定ステップ
は、第1の分光学的測定ステップの後に実行することを
特徴とする。
定方法は、請求項2又は請求項3に加えて、pH測定ス
テップにおいて測定されたpHが4より小さい場合は、
当該pH測定ステップにおいて測定された溶液のpH及
び次亜塩素酸濃度算出ステップにおいて算出された次亜
塩素酸濃度に基づいて溶液中に溶存する塩素の濃度を算
出する塩素濃度算出ステップを含むことを特徴とする。
定方法は、請求項4の発明に加えて、濃度算出ステップ
は、第1の分光学的測定ステップにおいて得られた吸光
度と、第2の分光学的測定ステップにおいて得られた吸
光度の差及び塩素濃度算出ステップにおいて算出された
塩素濃度に基づいてオゾン濃度を算出することを特徴と
する。
定方法は、請求項3の発明に加えて、pH測定ステップ
において測定されたpHが5.5乃至8.9である場合
は、溶液をpH調整剤によりpH5.5以下又は8.9
以上に調整するpH調整ステップを実行した後、電気化
学的測定ステップを実行することを特徴とする。
定方法は、上記各発明に加えて、溶液を電気化学的測定
により過酸化水素の還元電流値を測定する過酸化水素の
電気化学的測定ステップを行うことを特徴とする。
定方法は、請求項7の発明に加えて、過酸化水素の電気
化学的測定ステップは、すべての測定ステップを実行し
た後に行うことを特徴とする。
ン、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、塩素又は過酸化水
素の濃度を測定する方法において、溶液の分光学的測定
ステップと、溶液の電気化学的測定ステップと、溶液に
不活性ガスを通気し、該溶液中に含有されるオゾン、塩
素及び酸素を溶液系から除去する脱気ステップとを含む
ので、他の溶存種に影響されることなく、溶存オゾン、
溶存次亜塩素酸、溶存次亜塩素酸イオン、溶存塩素及び
溶存過酸化水素の濃度を正確に測定することができるよ
うになる。
分の濃度を測定する方法において、溶液のpHを測定す
るpH測定ステップを含むので、例えば、溶液のpHが
4より小さい場合には、次亜塩素酸イオンは含有されな
いことを検出することができ、溶液のpHが4以上で
は、溶液中に溶存塩素が含有されないことを検出するこ
とができ、また、溶液のpHが10より大きい場合で
は、溶液中に、溶存塩素に加えて溶存次亜塩素酸も含有
されていないことを検出することができるようになる。
光度を測定する第1の分光学的測定ステップと、溶液中
に不活性ガスを通気し、該溶液中に含有されるオゾン、
塩素及び酸素を溶液系から除去する脱気ステップと、該
脱気ステップにおいて処理された後の溶液の吸光度を測
定する第2の分光学的測定ステップと、第1の分光学的
測定ステップにおいて得られた吸光度と、第2の分光学
的測定ステップにおいて得られた吸光度の差に基づいて
含有成分の濃度を算出する濃度算出ステップを含むの
で、測定対象となる溶液中に塩素が含有されていない場
合、例えば溶液のpHが4以上である場合には、第1の
分光学的測定ステップにおいて得られた吸光度と、第2
の分光学的測定ステップにおいて得られた吸光度の差に
基づいて、濃度算出ステップにおいて、溶液中に溶存さ
れたオゾンの濃度を算出することができるようになる。
ップにおいて処理された後の溶液を電気化学的測定によ
り次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンの還元電流値を測定
する電気化学的測定ステップと、該電気化学的測定ステ
ップにおいて得られた還元電流値に基づいて溶液中の次
亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンの濃度を算出する次亜塩
素酸濃度算出ステップを含むので、不活性ガスを通気す
ることによって、他の溶存種、特に、溶存オゾン及び溶
存塩素に影響されることなく、次亜塩素酸又は次亜塩素
酸イオンの濃度を測定することができるようになる。
的測定ステップは、第1の分光学的測定ステップの後に
実行するので、比較的存在時間の短い(数分)オゾンが
溶存されている段階で第1の分光学的測定ステップを実
行することができ、より一層正確な測定データを得るこ
とができるようになる。
プにおいて測定された溶液のpHが4以下である場合に
は、塩素が含有されていると考えられることから、塩素
濃度算出ステップにおいて、当該溶液のpH及び次亜塩
素酸濃度算出ステップにおいて算出された次亜塩素酸濃
度に基づいて溶液中に溶存する塩素の濃度を算出するこ
とができるようになる。
溶液のpHが4より小さい場合には、濃度算出ステップ
において、第1の分光学的測定ステップにおいて得られ
た吸光度と、第2の分光学的測定ステップにおいて得ら
れた吸光度の差及び塩素濃度算出ステップにおいて算出
された塩素濃度に基づいてオゾン濃度を算出することが
できるようになる。
プにおいて測定されたpHが5.5乃至8.9である場
合は、電気化学的測定ステップにおいて、正確に次亜塩
素酸又は次亜塩素酸イオンの還元電流値を求めることが
できないため、pH調整ステップにおいて、溶液をpH
調整剤によりpH5.5以下又は8.9以上に調整する
ことにより、電気化学的測定ステップにおいて、正確に
次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンの還元電流値を求める
ことができるようになる。
亜塩素酸イオンの還元電流値から求められた各次亜塩素
酸又は次亜塩素酸イオンの濃度及びpH測定ステップに
おいて測定されたpHにおける各濃度比に基づいて、そ
れぞれの次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンの濃度を算出
することができるようになる。
り、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンが分光学的測定に
よって正しく濃度測定できない場合であっても、それぞ
れ単独で求めることができるようになり、次亜塩素酸及
び次亜塩素酸イオンを含有する溶液の分析において優位
となる。
えて、不活性ガスを通気した後の溶液を電気化学的測定
により過酸化水素の還元電流値を測定する過酸化水素の
電気化学的測定ステップを行うので、溶液中に過酸化水
素以外にオゾンや塩素が含有されている場合であって
も、当該過酸化水素の濃度を測定することができるよう
になる。
において、他の溶存種に較べてより安定した過酸化水素
の電気化学的測定ステップは、すべての測定ステップを
実行した後に行うので、存在時間の比較的短いオゾン
や、比較的安定した次亜塩素酸などに関する測定を先に
行うことができ、溶液中の各溶存種の濃度測定をより一
層精度高く行うことができるようになる。
象となる溶液中の含有成分は、オゾン、次亜塩素酸、次
亜塩素酸イオン、塩素及び過酸化水素である。また、こ
こで濃度測定の対象となる溶液は、上記各成分、即ち、
オゾン、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、塩素、及び過
酸化水素のすべてを含んでいる溶液であっても、いずれ
かの成分を一つ以上含んでいる溶液であっても、いずれ
の成分も含んでいない溶液であっても良いものとする。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。図
1は本発明の溶液中の含有成分濃度測定方法のフローチ
ャート図である。先ずはじめに、ステップS1としてp
H測定ステップを実行する。pH測定ステップでは、対
象となる溶液のpHを測定する。本実施例では、例えば
堀場製作所製カスタニーAct pHメーターD−25
を用いて溶液のpHを測定する。
した場合、アノード上で、塩化物イオンは以下の反応式
A乃至Cに示される如く酸化される。電極上で直接酸化
される反応(反応式A、B)と、塩化物イオンが酸化さ
れ生成した塩素と水の反応(反応式C)によって次亜塩
素酸は生成される。次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンとの
間には、反応式Dの平衡が成り立っている。 反応式A Cl-+H2O=HClO+H++2e- 反応式B 2Cl-=Cl2+2e- 反応式C Cl2+H2O=HClO+Cl-+H+ 反応式D HClO=ClO-+H+ pKa=7.53
イオンは、溶液が酸性(pH<4)では、反応式Cで示
される平衡は左に傾き、次亜塩素酸が減少し、塩素が多
く存在する。また、アルカリ溶液中(pH>10)で
は、反応式Dは、ほぼ右側に移行し、次亜塩素酸はほぼ
存在していないと考えられる。
O]、[ClO-]、[HClO+ClO-]のpHに対
する濃度依存性により示される。これによると、pH=
4辺りまでは、総濃度[HClO+ClO-]はほぼ一
定であるが、それ以下になると塩素が生成され、次亜塩
素酸が減少するため、総濃度が小さくなっていることが
分かる。これにより、総濃度から減少した分は、塩素濃
度であると考えることができる。尚、係る関係について
は、技報堂出版株式会社発行、松尾昌樹著作、電解水の
基礎と利用技術の73頁においても既に公知とされてい
る。
溶液中に次亜塩素酸イオンが存在していない、また、p
Hが4以上では、溶液中に塩素が溶存していない、ま
た、pHが10より大きい場合では、溶液中に塩素に加
えて次亜塩素酸が溶存していないと考えることができ
る。そのため、pH測定ステップにおいて測定されたp
Hにより、pH<4、4≦pH≦10及び10>pHの
3パターンに分けることができる。
について図1を参照して説明する。先ず、ステップS2
において、ステップS1で測定されたpHが4より小さ
いか否かを判断し、本実施例では、pHは、4より小さ
いので、ステップS3に進む。尚、溶液のpHが4より
小さい場合は、少なくとも次亜塩素酸イオンが存在して
いないと考えることができるため、ここでは、溶液中に
次亜塩素酸、塩素、オゾン及び過酸化水素が溶存してい
る場合の各成分の濃度の測定を行う。
テップとして、吸光度測定を行う。第1の分光学的測定
ステップは、上記の如く次亜塩素酸、塩素、オゾン、過
酸化水素及び酸素が溶存していると仮定された溶液を紫
外可視分光光度計にて260nm付近の吸光度を測定す
る。本実施例では、紫外可視分光光度計として日本分光
社製V560を用いて測定する。尚、ここで測定された
吸光度は、例えば、図3の(a)に示される如きピーク
を示している。
不活性ガスとしてアルゴンガスを通気し、該溶液中に含
有されるオゾン、塩素及び酸素を溶液系から除去する脱
気ステップを行う。尚、アルゴンガスの他に不活性ガス
として窒素ガスを用いても良いものとする。そして、こ
の脱気ステップにおいて処理された後の溶液は、ステッ
プS5として第2の分光学的測定ステップとしての吸光
度測定が行われ、同じく紫外可視分光光度計にて260
nm付近の吸光度を測定する。尚、係る場合において
も、上記と同様の機器を用いて測定するものとする。こ
こで、測定された吸光度は、例えば図3の(b)に示さ
れる如きピークを示している。
学的測定ステップを実行し、上記溶液中に溶存する次亜
塩素酸の還元電流値を微小電極(Au)を用いて測定す
る。尚、脱気ステップにおけるアルゴンガスの通気によ
り、溶液中の次亜塩素酸の濃度に影響が及ぼされること
はないため、ここで測定対象とされる溶液は、前記脱気
ステップにおいて処理された後の溶液である。また、本
実施例において還元電流値を測定する装置は、Cypr
ess System製のModel CS−1090
三電極方式コンピュータ制御電解装置を用いるものと
する。ここで測定されたサイクリックボルタンメトリー
(CV)により、当該溶液中に含有される次亜塩素酸の
還元電流値(限界電流値Ilim)が求められる。尚、当
該溶液に関するCVは、図示しない。
度算出ステップを実行する。ステップS7では、上述の
如く得られた限界電流値Ilim及び次亜塩素酸の拡散係
数DH ClOを計算式Eに導入し、次亜塩素酸の濃度を算出
する。これにより、溶液のpHが4以下である場合の次
亜塩素酸の濃度を求めることができる。計算式E I
lim=4nFD0C0r上記式においてnは電荷移動数
(本実施例では、2)、Fはファラデー定数、D0は拡
散係数、C0は濃度、rは微小電極の半径(本実施例で
は12.5μm)であるものとする。
学的測定方法により求められた限界電流値に基づいて算
出されるため、不活性ガスの通気によって、他の溶存
種、例えばオゾンや塩素などの影響を受けることなく、
正確な濃度を求めることができるようになる。
亜塩素酸の濃度が求められると、ステップS8として、
前記図2を参照して、溶液のpH及び上記算出された次
亜塩素酸の濃度から濃度比で溶液中に溶存される塩素濃
度を算出する。これにより、溶液のpHが4より小さい
場合の塩素の濃度を求めることができる。
ップ、係る場合ではオゾン濃度算出ステップにおいて、
上記ステップS3の第1の分光学的測定ステップで得ら
れた吸光度とステップS5の第2の分光学的測定ステッ
プにおいて得られた吸光度との差を算出することによ
り、図3の(c)に示す如く塩素及びオゾンのみを含有
する溶液の吸光度を算出することができる。これに対
し、上述の如く算出された塩素濃度を、吸光度に換算す
ることにより、当該溶液に含有されていた塩素のみの吸
光度を得る。
オゾンのみを含有する溶液の吸光度と、前述の如く算出
された塩素のみの吸光度との差を算出し、オゾンのみの
吸光度を得る。このオゾンのみの吸光度より、溶液中の
オゾン濃度を算出する。これにより、オゾンの極大吸収
ピークである258nm付近の吸光度に影響を与える塩
素のピークを的確に除外することができ、溶液中に含有
されるオゾン濃度をより一層的確に求めることができる
ようになる。
及びオゾンのみを含有する溶液の吸光度と、前述の如く
算出された塩素のみの吸光度との差がない場合には、溶
液中には、オゾンが存在していないことが分かる。
化学的測定ステップを実行する。ステップS10では、
上記溶液中に溶存する過酸化水素の還元電流値を微小電
極を用いて測定する。尚、係る場合においても脱気ステ
ップにおけるアルゴンガスの通気により、溶液中の過酸
化水素の濃度に影響が及ぼされることはないため、ここ
で、測定対象とされる溶液は、前記脱気ステップにおい
て処理された後の溶液である。また、本実施例において
還元電流値を測定する装置は、ステップS6と同様のも
のを用いるものとする。ここで測定されたサイクリック
ボルタンメトリー(CV)により、当該溶液中に含有さ
れる過酸化水素の還元電流値(限界電流値Ilim)が求
められる。そして、ステップS11において上記と同様
に過酸化水素の濃度を算出する。これにより、過酸化水
素の濃度を求めることができるようになる。
く、溶液中の次亜塩素酸、オゾン、塩素、過酸化水素の
それぞれの濃度を正確に測定することができるようにな
る。尚、分光学的測定を行うステップS5は、次亜塩素
酸の濃度を測定するための第1の電気化学的測定ステッ
プ(S6)よりも前に行っているが、ステップS6をス
テップS5の前に行った場合であっても良いものとす
る。
テップS5をステップS6の前に行った方がより好まし
い。
第2の電気化学的測定ステップ(S11)は、測定の最
後に行っているが、不活性ガス通気後、即ち、脱気ステ
ップの後であれば、どの過程で行っても良いものとす
る。但し、溶液中の他の溶存種に較べて比較的安定であ
るため、最後に測定を行った方が、他の測定の精度を高
めることができる。
プS5にて行われる分光学的測定に代わって、ステップ
S4の脱気ステップを実行する前に、DPD法やインジ
ゴ法などの比色法を用いて当該溶液中に含有される酸化
剤の濃度を測定し、これにより、溶液中のオゾンの濃度
の算出を行っても良いものとする。
より、上述の如く算出された次亜塩素酸濃度、塩素濃度
及び過酸化水素濃度を除外することにより、溶液中に含
有されるオゾン濃度を求めることもできる。
測定手順について図4を参照して説明する。先ず、ステ
ップS1で測定されたpHが4以下であるか否かをステ
ップS2において判断し、この場合、pHは、4以上1
0以下であるので、ステップS12に進み、pHが4以
上10以下であるか否かを判断する。ここで、pHが、
4以上10以下であるので、ステップS13に進む。
尚、溶液のpHが4以上10以下である場合は、少なく
とも塩素が存在していないと考えることができるため、
ここでは、溶液中に次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、オ
ゾン及び過酸化水素が溶存している場合の各成分の濃度
の測定を行う。
同様に第1の分光学的測定ステップとして吸光度の測定
を行う。第1の分光学的測定ステップは、上記の如く次
亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、オゾン及び過酸化水素が
溶存していると仮定された溶液を紫外可視分光光度計に
て260nm付近の吸光度を測定する。尚、ここで測定
された吸光度は、例えば図3の(a)に示される如きピ
ークを示している。
に不活性ガスとしてアルゴンガスを通気し、該溶液中に
含有されるオゾン及び酸素を溶液系から除去する脱気ス
テップを行う。尚、係る場合においても、アルゴンガス
の他に不活性ガスとして窒素ガスを用いても良いものと
する。そして、この脱気ステップにおいて処理された後
の溶液は、ステップS15として第2の分光学的測定ス
テップが実行され、紫外可視分光光度計にて260nm
付近の吸光度を測定する。ここで、測定された吸光度
は、例えば図3の(b)に示される如きピークを示して
いる。
塩素が含有されていないと考えることができる。そのた
め、ステップS16として、濃度算出ステップ、この場
合ではオゾン濃度算出ステップにおいて、上記ステップ
S13の第1の分光学的測定ステップで得られた吸光度
とステップS15の第2の分光学的測定ステップにおい
て得られた吸光度との差を算出することにより、例えば
図3の(c)に示す如きピークよりオゾンのみを含有す
る溶液の258nm付近の吸光度を得ることができる。
係る吸光度からオゾンの濃度を的確に求めることができ
るようになる。
ンのみを含有する溶液の258nm付近の吸光度に極大
吸収ピークが見られない場合は、当該溶液中にオゾンが
存在していないことが分かる。
S22に従って、上記ステップS6と同様に第1の電気
化学的測定ステップを実行し、上記溶液中に溶存する次
亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンの還元電流値を微小電極
を用いて測定し、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンの濃
度を算出する。ここで、図5を参照して各pHにおける
CVについて説明する。
と、pH7.4の溶液のCV(e)と、pH5.5の溶
液のCV(f)を示している。図2に示す如く溶液中に
存在する次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンは、溶液のp
Hにより濃度が大きく影響を受ける。そのため、pHが
5.5以下の場合には、図2よりほぼ次亜塩素酸の状態
で存在しているが、pHが8.9以上場合には、図2よ
りほぼ次亜塩素酸イオンの状態で存在している。また、
pHが5.5より大きく8.9より小さい場合には、次
亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンがそれぞれの割合で混在
している。
次亜塩素酸イオンが存在してるため、次亜塩素酸イオン
の還元電流値Ilimが求められる。また、図5における
(f)では、ほぼ次亜塩素酸が存在しているため、次亜
塩素酸の還元電流値Ilimが求められる。しかし、図5
における(e)は、pHが5.5より大きく8.9より
小さい場合に該当し、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオン
が混在しているため、NaOHやHCl等により、pH
をアルカリ性又は酸性に移動させた後、溶液の還元電流
値Ilimを測定する必要がある。
のpHが5.5乃至8.9であるか否かを判断する。こ
こで、溶液のpHが5.5乃至8.9でない場合には、
ステップS18に進み、上記ステップS6と同様に第1
の電気化学的測定ステップを実行する。そして、ここで
測定されたサイクリックボルタンメトリー(CV)によ
り、当該溶液中に含有される次亜塩素酸又は次亜塩素酸
イオンの還元電流値(限界電流値Ilim)を求める。
尚、係る電気化学的測定ステップにおいて、脱気ステッ
プにおけるアルゴンガスの通気により、溶液中の次亜塩
素酸の濃度に影響が及ぼされることはないため、ここ
で、測定対象とされる溶液は、前記脱気ステップにおい
て処理された後の溶液である。
酸又は次亜塩素酸イオン濃度算出ステップを実行する。
ステップS19では、上述の如く得られた限界電流値I
lim及び次亜塩素酸の拡散係数DHClO又は次亜塩素酸イ
オンの拡散係数DClOを上記計算式Eに導入し、次亜塩
素酸又は次亜塩素酸イオンの濃度を算出する。これによ
り、次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンの濃度を求めるこ
とができる。
Hが5.5乃至8.9である場合には、上述の如く溶液
中には、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンが混在してい
るため、ステップS20において、NaOHやHCl等
によりpHをよりアルカリ性又はより酸性に移動させる
pH調整ステップを実行する。その後、ステップS21
において、第1の電気化学的測定ステップを実行し、溶
液の還元電流値Ilimを測定する。
される濃度は、次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンの濃度
であるため、ステップS22において、pH調整前の溶
液のpHにおける各濃度比に置き換え、それぞれの次亜
塩素酸の濃度及び次亜塩素酸イオンの濃度を算出する。
及び次亜塩素酸イオンは、それぞれ236nm、292
nmに極大吸収ピークをもつことから検出及び濃度測定
が可能であるが、他の溶存種がある場合、濃度測定が困
難となる。しかしながら、係る微小電極を用いた電気化
学的測定により、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンの濃
度をそれぞれ単独で測定することが可能となり、次亜塩
素酸及び次亜塩素酸イオンを含有する溶液の分析におい
て優位となる。
化学的測定ステップを実行する。ステップS23では、
上記ステップS10と同様に、溶液中に溶存する過酸化
水素の還元電流値を微小電極を用いて測定する。尚、係
る場合においても脱気ステップにおけるアルゴンガスの
通気により、溶液中の過酸化水素の濃度に影響が及ぼさ
れることはないため、ここで、測定対象とされる溶液
は、前記脱気ステップにおいて処理された後の溶液であ
る。ここで測定されたサイクリックボルタンメトリー
(CV)により、当該溶液中に含有される過酸化水素の
還元電流値(限界電流値Ilim)が求められる。そし
て、ステップS24において上記と同様に過酸化水素の
濃度を算出する。これにより、過酸化水素の濃度を求め
ることができるようになる。
あって、他の溶存種に影響されることなく、溶液中の次
亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、オゾン、過酸化水素のそ
れぞれの濃度を正確に測定することができるようにな
る。尚、分光学的測定を行うステップS15は、次亜塩
素酸及び次亜塩素酸イオンの濃度を測定するための第1
の電気化学的測定ステップ(S17乃至S22)よりも
前に行っているが、ステップS17乃至ステップS22
をステップS15の前に行った場合であっても良いもの
とする。
テップS15をステップS17乃至ステップS22の前
に行った方が好ましい。
第2の電気化学的測定ステップ(S23)は、測定の最
後に行っているが、不活性ガス通気後、即ち、脱気ステ
ップの後であれば、どの過程で行っても良いものとす
る。但し、溶液中の他の溶存種に較べて比較的安定であ
るため、最後に測定を行った方が、他の測定の精度を高
めることができる。
ステップS15にて行われる分光学的測定に代わって、
ステップS14の脱気ステップを実行する前に、DPD
法やインジゴ法などの比色法を用いて当該溶液中に含有
される酸化剤の濃度の測定し、これにより、溶液中のオ
ゾンの濃度の算出を行っても良いものとする。係る場合
には、上述の如く測定された酸化剤の濃度から次亜塩素
酸濃度、次亜塩素酸イオン濃度及び過酸化水素濃度を除
外することにより、溶液中に含有されるオゾン濃度を求
めることもできる。
順について図6を参照して説明する。先ず、ステップS
1で測定されたpHが4以下であるか否かをステップS
2において判断し、この場合、pHは、10より大きい
ので、ステップS20に進み、pHが4以上10以下で
あるか否かを判断する。ここで、pHが、10より大き
いので、ステップS31に進む。尚、溶液のpHが10
より大きい場合は、少なくとも塩素及び次亜塩素酸が存
在していないと考えることができるため、ここでは、溶
液中に次亜塩素酸イオン、オゾン及び過酸化水素が溶存
している場合の各成分の濃度の測定を行う。
同様に第1の分光学的測定ステップとして吸光度測定を
行う。第1の分光学的測定ステップは、上記の如く次亜
塩素酸イオン、オゾン及び過酸化水素が溶存していると
仮定された溶液を紫外可視分光光度計にて260nm付
近の吸光度を測定する。尚、ここで測定された吸光度
は、例えば図3の(a)に示される如きピークを示して
いる。
に不活性ガスとしてアルゴンガスを通気し、該溶液中に
含有されるオゾン及び酸素を溶液系から除去する脱気ス
テップを行う。尚、係る場合においてもアルゴンガスの
他に不活性ガスとして窒素ガスを用いても良いものとす
る。そして、この脱気ステップにおいて処理された後の
溶液は、ステップS33として第2の分光学的測定ステ
ップが実行され、紫外可視分光光度計にて260nm付
近の吸光度を測定する。ここで、測定された吸光度は、
例えば図3の(b)に示される如きピークを示してい
る。
め、塩素が含有されていないと考えることができる。そ
のため、ステップS34として、濃度算出ステップ、こ
の場合ではオゾン濃度算出ステップにおいて、上記ステ
ップS31の第1の吸光度測定ステップで得られた吸光
度とステップS33の、第2の分光学的測定ステップに
おいて得られた吸光度との差を算出することにより、例
えば図3の(c)に示す如きピークよりオゾンのみを含
有する溶液の258nm付近の吸光度を得ることができ
る。係る吸光度からオゾンの濃度を的確に求めることが
できるようになる。
ンのみを含有する溶液の258nm付近の吸光度に極大
吸収ピークが見られない場合は、当該溶液中にオゾンが
存在していないことが分かる。
プS6と同様に第1の電気化学的測定ステップを実行
し、上記溶液中に溶存する次亜塩素酸イオンの還元電流
値を微小電極を用いて測定する。尚、脱気ステップにお
けるアルゴンガスの通気により、溶液中の次亜塩素酸の
濃度に影響が及ぼされることはないため、ここで、測定
対象とされる溶液は、前記脱気ステップにおいて処理さ
れた後の溶液である。そして、ここで測定されたサイク
リックボルタンメトリー(CV)により、当該溶液中に
含有される次亜塩素酸イオンの還元電流値(限界電流値
Ilim)が求められる。尚、係る場合において溶液のp
Hは、10以上であるため、溶液中には次亜塩素酸は存
在していないと考えることができる。
酸イオン濃度算出ステップを実行する。ステップS36
では、上述の如く得られた限界電流値Ilim及び次亜塩
素酸イオンの拡散係数DClOを上記計算式Eに導入し、
次亜塩素酸イオンの濃度を算出する。これにより、溶液
のpHが10以上である場合の次亜塩素酸イオンの濃度
を求めることができる。
化学的測定ステップを実行する。ステップS37では、
上記ステップS10と同様に、溶液中に溶存する過酸化
水素の還元電流値を微小電極を用いて測定する。尚、係
る場合においても脱気ステップにおけるアルゴンガスの
通気により、溶液中の過酸化水素の濃度に影響が及ぼさ
れることはないため、ここで、測定対象とされる溶液
は、前記脱気ステップにおいて処理された後の溶液であ
る。ここで測定されたサイクリックボルタンメトリー
(CV)により、当該溶液中に含有される過酸化水素の
還元電流値(限界電流値Ilim)が求められる。そし
て、ステップS38において上記と同様に過酸化水素の
濃度を算出する。これにより、過酸化水素の濃度を求め
ることができるようになる。
も、他の溶存種に影響されることなく、溶液中の次亜塩
素酸イオン、オゾン、過酸化水素のそれぞれの濃度を正
確に測定することができるようになる。尚、分光学的測
定を行うステップS33は、次亜塩素酸イオンの濃度を
測定するための第1の電気化学的測定ステップ(S3
5)よりも前に行っているが、ステップS35をステッ
プS33の前に行った場合であっても良いものとする。
テップS33をステップS35の前に行った方が好まし
い。
第2の電気化学的測定ステップ(S37)は、測定の最
後に行っているが、不活性ガス通気後、即ち脱気ステッ
プ後であれば、どの過程で行っても良いものとする。但
し、溶液中の他の溶存種に較べて比較的安定であるた
め、最後に測定を行った方が、他の測定の精度を高める
ことができる。
びステップS33にて行われる分光学的測定に代わっ
て、ステップS32の脱気ステップを実行する前に、D
PD法やインジゴ法などの比色法を用いて当該溶液中に
含有される酸化剤の濃度を測定し、これにより、溶液中
のオゾンの濃度の算出を行っても良いものとする。係る
場合には、上述の如く測定された酸化剤の濃度から次亜
塩素酸イオン濃度及び過酸化水素濃度を除外することに
より、溶液中に含有されるオゾン濃度を求めることもで
きる。
中に含有されるオゾン、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオ
ン、塩素又は過酸化水素の濃度を測定する方法におい
て、溶液の分光学的測定ステップと、溶液の電気化学的
測定ステップと、溶液に不活性ガスを通気し、該溶液中
に含有されるオゾン、塩素及び酸素を溶液系から除去す
る脱気ステップとを含むので、他の溶存種に影響される
ことなく、溶存オゾン、溶存次亜塩素酸、溶存次亜塩素
酸イオン、溶存塩素及び溶存過酸化水素の濃度を正確に
測定することができるようになる。
分の濃度を測定する方法において、溶液のpHを測定す
るpH測定ステップを含むので、例えば、溶液のpHが
4より小さい場合には、次亜塩素酸イオンは含有されな
いことを検出することができ、溶液のpHが4以上で
は、溶液中に溶存塩素が含有されないことを検出するこ
とができ、また、溶液のpHが10より大きい場合で
は、溶液中に溶存塩素に加えて溶存次亜塩素酸も含有さ
れていないことを検出することができるようになる。
光度を測定する第1の分光学的測定ステップと、溶液中
に不活性ガスを通気し、該溶液中に含有されるオゾン、
塩素及び酸素を溶液系から除去する脱気ステップと、該
脱気ステップにおいて処理された後の溶液の吸光度を測
定する第2の分光学的測定ステップと、第1の分光学的
測定ステップにおいて得られた吸光度と、第2の分光学
的測定ステップにおいて得られた吸光度の差に基づいて
含有成分の濃度を算出する濃度算出ステップを含むの
で、測定対象となる溶液中に塩素が含有されていない場
合、例えば溶液のpHが4以上である場合には、第1の
分光学的測定ステップにおいて得られた吸光度と、第2
の分光学的測定ステップにおいて得られた吸光度の差に
基づいて、濃度算出ステップにおいて、溶液中に溶存さ
れたオゾンの濃度を算出することができるようになる。
ップにおいて処理された後の溶液を電気化学的測定によ
り次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンの還元電流値を測定
する電気化学的測定ステップと、該電気化学的測定ステ
ップにおいて得られた還元電流値に基づいて溶液中の次
亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンの濃度を算出する次亜塩
素酸濃度算出ステップを含むので、不活性ガスを通気す
ることによって、他の溶存種、特に、溶存オゾン及び溶
存塩素に影響されることなく、次亜塩素酸又は次亜塩素
酸イオンの濃度を測定することができるようになる。
的測定ステップは、第1の分光学的測定ステップの後に
実行するので、比較的存在時間の短い(数分)オゾンが
溶存されている段階で第1の分光学的測定ステップを実
行することができ、より一層正確な測定データを得るこ
とができるようになる。
プにおいて測定された溶液のpHが4以下である場合に
は、塩素が含有されていると考えられることから、塩素
濃度算出ステップにおいて、当該溶液のpH及び次亜塩
素酸濃度算出ステップにおいて算出された次亜塩素酸濃
度に基づいて溶液中に溶存する塩素の濃度を算出するこ
とができるようになる。
溶液のpHが4より小さい場合には、濃度算出ステップ
において、第1の分光学的測定ステップにおいて得られ
た吸光度と、第2の分光学的測定ステップにおいて得ら
れた吸光度の差及び塩素濃度算出ステップにおいて算出
された塩素濃度に基づいてオゾン濃度を算出することが
できるようになる。
プにおいて測定されたpHが5.5乃至8.9である場
合は、電気化学的測定ステップにおいて、正確に次亜塩
素酸又は次亜塩素酸イオンの還元電流値を求めることが
できないため、pH調整ステップにおいて、溶液をpH
調整剤によりpH5.5以下又は8.9以上に調整する
ことにより、電気化学的測定ステップにおいて、正確に
次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンの還元電流値を求める
ことができるようになる。
亜塩素酸イオンの還元電流値から求められた各次亜塩素
酸又は次亜塩素酸イオンの濃度及び及びpH測定ステッ
プにおいて測定されたpHにおける各濃度比に基づい
て、それぞれの次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンの濃度
を算出することができるようになる。
り、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンが分光学的測定に
よって正しく濃度測定できない場合であっても、それぞ
れ単独で求めることができるようになり、次亜塩素酸及
び次亜塩素酸イオンを含有する溶液の分析において優位
となる。
えて、不活性ガスを通気した後の溶液を電気化学的測定
により過酸化水素の還元電流値を測定する過酸化水素の
電気化学的測定ステップを行うので、溶液中に過酸化水
素以外にオゾンや塩素が含有されている場合であって
も、当該過酸化水素の濃度を測定することができるよう
になる。
において、他の溶存種に較べてより安定した過酸化水素
の電気化学的測定ステップは、すべての測定ステップを
実行した後に行うので、存在時間の比較的短いオゾン
や、比較的安定した次亜塩素酸などに関する測定を先に
行うことができ、溶液中の各溶存種の濃度測定をより一
層精度高く行うことができるようになる。
ーチャート図である。
lO-]のpHに対する濃度依存性を示す図である。
ーチャート図である。
る。
ーチャート図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 溶液中に含有されるオゾン、次亜塩素
酸、次亜塩素酸イオン、塩素又は過酸化水素の濃度を測
定する方法であって、 前記溶液の分光学的測定ステップと、 前記溶液の電気化学的測定ステップと、 前記溶液に不活性ガスを通気し、該溶液中に含有される
前記オゾン、前記塩素及び酸素を溶液系から除去する脱
気ステップとを含むことを特徴とする溶液中の含有成分
濃度測定方法。 - 【請求項2】 溶液中の含有成分の濃度を測定する方法
であって、 前記溶液のpHを測定するpH測定ステップと、 前記溶液の吸光度を測定する第1の分光学的測定ステッ
プと、 前記溶液中に不活性ガスを通気し、該溶液中に含有され
るオゾン、塩素及び酸素を溶液系から除去する脱気ステ
ップと、 該脱気ステップにおいて処理された後の溶液の吸光度を
測定する第2の分光学的測定ステップと、 前記第1の分光学的測定ステップにおいて得られた吸光
度と、前記第2の分光学的測定ステップにおいて得られ
た吸光度の差に基づいて前記含有成分の濃度を算出する
濃度算出ステップと、 前記脱気ステップにおいて処理された後の溶液を電気化
学的測定により前記次亜塩素酸又は前記次亜塩素酸イオ
ンの還元電流値を測定する電気化学的測定ステップと、 該電気化学的測定ステップにおいて得られた還元電流値
に基づいて溶液中の次亜塩素酸又は次亜塩素酸イオンの
濃度を算出する次亜塩素酸濃度算出ステップを含むこと
を特徴とする溶液中の含有成分濃度測定方法。 - 【請求項3】 前記電気化学的測定ステップは、前記第
1の分光学的測定ステップの後に実行することを特徴と
する請求項2の溶液中の含有成分濃度測定方法。 - 【請求項4】 前記pH測定ステップにおいて測定され
たpHが4より小さい場合は、当該pH測定ステップに
おいて測定された前記溶液のpH及び前記次亜塩素酸濃
度算出ステップにおいて算出された次亜塩素酸濃度に基
づいて前記溶液中に溶存する塩素の濃度を算出する塩素
濃度算出ステップを含むことを特徴とする請求項2又は
請求項3の溶液中の含有成分濃度測定方法。 - 【請求項5】 前記濃度算出ステップは、第1の分光学
的測定ステップにおいて得られた吸光度と、前記第2の
分光学的測定ステップにおいて得られた吸光度の差及び
前記塩素濃度算出ステップにおいて算出された塩素濃度
に基づいてオゾン濃度を算出することを特徴とする請求
項4の溶液中の含有成分濃度測定方法。 - 【請求項6】 前記pH測定ステップにおいて測定され
たpHが5.5乃至8.9である場合は、前記溶液をp
H調整剤によりpH5.5以下又は8.9以上に調整す
るpH調整ステップを実行した後、前記電気化学的測定
ステップを実行することを特徴とする請求項2の溶液中
の含有成分濃度測定方法。 - 【請求項7】 前記溶液を電気化学的測定により過酸化
水素の還元電流値を測定する過酸化水素の電気化学的測
定ステップを行うことを特徴とする請求項2、請求項
3、請求項4、請求項5又は請求項6の溶液中の含有成
分濃度測定方法。 - 【請求項8】 前記過酸化水素の電気化学的測定ステッ
プは、すべての測定ステップを実行した後に行うことを
特徴とする請求項7の溶液中の含有成分濃度測定方法。
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JP2002044967A JP3932447B2 (ja) | 2002-02-21 | 2002-02-21 | 溶液中の含有成分濃度測定方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018230660A1 (ja) | 2017-06-16 | 2018-12-20 | 学校法人慶應義塾 | 残留塩素測定方法及び残留塩素測定装置 |
US11199493B2 (en) | 2017-08-28 | 2021-12-14 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Functional water concentration sensor, and calculation method |
-
2002
- 2002-02-21 JP JP2002044967A patent/JP3932447B2/ja not_active Expired - Fee Related
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