JP2003231233A - 複合積層体および防護服 - Google Patents

複合積層体および防護服

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JP2003231233A
JP2003231233A JP2002028107A JP2002028107A JP2003231233A JP 2003231233 A JP2003231233 A JP 2003231233A JP 2002028107 A JP2002028107 A JP 2002028107A JP 2002028107 A JP2002028107 A JP 2002028107A JP 2003231233 A JP2003231233 A JP 2003231233A
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phenol resin
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laminated
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JP2002028107A
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Giichi Kawashima
義一 川島
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、耐弾性と操用性に優れた複
合積層体および防護服を提供することである。 【解決手段】 本発明の複合積層体は、熱分解温度30
0℃以上を有する樹脂で構成される織布1と、フェノー
ル樹脂で構成される層2を積層して得られる複合積層体
12であって、前記フェノール樹脂で構成される層2が
前記織布1の一部に積層されていることを特徴とするも
のである。また、本発明の防護服13は、上記複合積層
体12を成形してなることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合積層体および
防護服に関する。
【0002】
【従来の技術】防弾用チョッキに代表される防護服に
は、耐弾性に加えて、身に付けた際の運動機能(以下、
操用性という)に優れたものでなくてはならない。従っ
て、防護服は、軽量性と柔軟性が要求される。一般的
に、織布で造られたベスト形態の防護服のみでは、弾丸
の衝撃により防護服の後部への変形が極めて大きく、身
体の損傷が大きくなるものであった。そのため、防護服
内部に金属板、無機製の板、FRPなど剛直な補強体を
挿入することで、衝撃を受けた際後部への変形を少なく
していた。しかし、かかる防護服は、耐弾性には優れる
ものの、操用性という点では劣っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐弾
性と操用性に優れた複合積層体および防護服を提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(4)記載の本発明により達成される。 (1)熱分解温度300℃以上を有する樹脂で構成され
る織布と、フェノール樹脂で構成される層を積層して得
られる複合積層体であって、前記フェノール樹脂で構成
される層が前記織布の一部に積層されていることを特徴
とする複合積層体。 (2)前記フェノール樹脂で構成される層の積層量は、
該フェノール樹脂が積層されている部分の織布に対して
5〜13重量%である上記(1)に記載の複合積層体。 (3)前記フェノール樹脂で構成される層は、フェノー
ル樹脂フィルムである上記(1)または(2)に記載の
複合積層体。 (4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の複合
積層体を成形してなることを特徴とする防護服。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複合積層体および
防護服を詳細に説明する本発明の複合積層体は、熱分解
温度300℃以上を有する樹脂で構成される織布と、フ
ェノール樹脂で構成される層を積層して得られる複合積
層体であって、前記フェノール樹脂で構成される層が前
記織布の一部に積層されていることを特徴とするもので
ある。また、本発明の防護服は、上記複合積層体を成形
してなることを特徴とするものである。
【0006】以下、複合積層体について説明する。本発
明の複合積層体には、熱分解温度300℃以上を有する
樹脂で構成される織布を用いる。これにより、耐弾性に
優れた積層体を得ることができる。前記熱分解温度は、
350℃以上が好ましく、特に450℃以上が好まし
い。前記樹脂として、例えばアラミド繊維、ポリベンゾ
オキサゾール繊維等を挙げることができる。前記樹脂か
ら織布を得る場合、織布の織り構成は、特に限定されな
いが、平織りすることが好ましい。これにより、積層体
としての強度を特に均一にすることができる。また、前
記樹脂の糸の形態としては、例えばモノフィラメントを
引き揃えたロービング状のもの、撚りの掛かった通常の
糸等が挙げられる。これらのなかでも、ロービング状の
糸が好ましい。これにより、耐弾性を更に向上すること
ができる。
【0007】本発明の複合積層体では、フェノール樹脂
で構成される層を前記織布に積層する。これにより、防
刃防弾性能を向上することができる。前記フェノール樹
脂で構成される層は、前記織布の一部に積層する。これ
により、複合積層体の操用性を向上することができる。
前述した通りに従来の複合積層体は耐弾性を向上するた
めに、防護服内部に金属板等を設けているものであっ
た。そのため、耐弾性には優れても操用性に劣ってい
た。それに対して、本発明の複合積層体は、織布とフェ
ノール樹脂で構成される層との複合積層体とすることで
耐弾性を向上し、かつフェノール樹脂で構成される層を
織布の一部とすることで、複合積層体の柔軟性、たわみ
性を向上させることができ、防護服としたときに操用性
を向上することができるものである。織布の面積に対す
るフェノール樹脂で構成される層の面積の割合は、柔軟
性、たわみ性等を考慮すれば、用途にもよるが、30〜
70%であることが好ましい。
【0008】前記フェノール樹脂で構成される層が前記
織布の一部に積層するとは、例えば防刃チョッキの場合
では、心臓部分のような致命的な部分に積層して防刃、
防塵効果を向上させる場合が挙げられる。
【0009】前記フェノール樹脂で構成される層は、例
えば、フェノール樹脂液を織布にコーティングして得ら
れる層、フェノール樹脂フィルムからなる層等が挙げら
れる。これらの中でもフェノール樹脂フィルムからなる
層が好ましい。これにより、複合積層体を製造するとき
の作業性を向上することができる。フェノール樹脂フィ
ルムを製造する方法としては、例えば離型紙上にロール
コータでフェノール樹脂液を塗布する方法などが挙げら
れる。前記フェノール樹脂フィルムとしては、特に限定
されないが、防弾用途としての積層体にはブチラール変
性フェノール樹脂フィルムが良好な耐弾性を得ることが
でき好ましい。
【0010】フェノール樹脂フィルムの積層量は、特に
限定されないが、該フェノール樹脂が積層されている部
分の織布に対して5〜13重量%が好ましく、特に8〜
12重量%が好ましい。積層量が前記下限値未満では層
間の密着力が弱くプレス成形機からの取り出しなどの取
り扱い時、切断等の二次加工の際にもはく離が生じる場
合がある。一方、前記上限値を越えると成形時の圧力で
織布内部にまで樹脂が入り込み、織布の柔軟性が損なわ
れ、弾体の運動エネルギーの吸収力を減少させてしまう
場合がある。
【0011】前記フェノール樹脂フィルムを繊維織布に
重ね一体化させるには加熱条件として160℃〜200
℃の熱ロールが好ましく、積層成形時の成形温度条件は
140℃〜185℃が好ましいが限定するものではな
い。圧力条件の面では30kg/cm2 未満では密着性
に劣り、60kg/cm2 を越えると僅かに樹脂が糸中
に浸透し耐弾性を低下させるので、30kg/cm2
60kg/cm2が望ましい。
【0012】以下、本発明の複合積層体および防護服に
ついて、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明
の複合積層体の一例を示す側面図である。図1で示すよ
うに、この複合積層体11は、織布1の一部にフェノー
ル樹脂で構成される層2が積層されている。図2は、本
発明の複合積層体の他の例を示す側面図である。図2で
示すように、この複合積層体12は、織布1の一部にフ
ェノール樹脂で構成される層2が積層された積層体が複
数枚積層されている。これにより、本発明の複合積層体
12が得られる。図3は、本発明の防護服の一例を示す
模式図であり、本発明の複合積層体を成形して得られ
る。図3に示すように、防護服13は、織布のみを積層
して構成される部分3と、織布とフェノール樹脂で構成
される層とを積層した積層体4で構成される部分を有し
ている。
【0013】
【実施例】以下、本発明の複合積層体について、実施例
を用いて詳細に説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0014】(実施例1)図3に示す防護チョッキ形状
を有し下記記載の特性を有するアラミド繊維で構成され
る織布の片面中央部に、50%ブチラール変性フェノー
ル樹脂フィルムを樹脂の量が、該フェノール樹脂が積層
されている部分の織布に対して5重量%に相当するよう
重ね180℃の熱ロールで一体化し、得られたシート材
料を織布とフェノール樹脂層とが交互になるように20
層に積層し、成形温度160℃、成形圧力50kg/c
2で積層体を作成した。なお、織布の面積に対するフ
ェノール樹脂で構成される層の面積の割合は、30%と
した。 (アラミド繊維織布の特性) ・糸 モノフィラメント径 12 μm 繊度 1600 dtex ・織布 糸密度 25 本/25.4mm 面密度 415 g/m2 構成 平織り
【0015】(実施例2)フェノール樹脂フィルムの積
層量を、8重量%にした以外は、実施例1と同様にし
た。
【0016】(実施例3)フェノール樹脂フィルムの積
層量を、12重量%にした以外は、実施例1と同様にし
た。
【0017】(実施例4)フェノール樹脂フィルムの積
層量を、13重量%にした以外は、実施例1と同様にし
た。
【0018】(実施例5)フェノール樹脂フィルムの積
層量を、15重量%にした以外は、実施例1と同様にし
た。
【0019】(比較例1〜5)フェノール樹脂フィルム
をアラミド繊維織布の全面に重ね合わせた以外は、それ
ぞれ実施例1〜5と同様にした。
【0020】得られた複合積層体について、密着強度、
たわみ性、耐弾性、剥離の程度の評価を行った。各評価
は、以下のように実施した。得られた結果を表1に示
す。
【0021】密着強度 密着強度は、JIS K 6328に準じて測定した。
【0022】たわみ性 たわみ性は、チョッキとして身体に着用した場合の装着
感で評価した。符号は、下記の通りである。 ◎:たわみほとんど無し。 ○:たわみが若干有るが、実用可能レベル。 △:たわみが若干有り、実用不可。 ×:たわみ有り。
【0023】耐弾性 耐弾性は、模擬破片弾を使用した小口径発射装置による
V50で評価した。符号は、下記の通りである。 ◎:耐弾性に優れる(所定の弾速で余裕を持って停弾し
ている) ○:良(十分耐弾性能を維持している) △:実用上若干劣る(停弾に余裕がない) ×:劣る
【0024】剥離の程度 剥離の程度は、人手による剥離の容易さで評価した。符
号は、下記の通りである。 ○:良(容易に人手では剥離しない) ×:劣る(容易に剥離する)
【0025】
【表1】
【0026】表から明らかなように、実施例1〜5は、
耐弾性とたわみ性(操用性)に優れていた。また、実施
例2〜4は、特に剥離の程度が小さかった。
【0027】
【発明の効果】本発明によると、織布の弾性を維持しな
がら良好な耐弾性能を得ることが可能となった。さらに
は、得られた成形体は柔軟な織布部分と剛直な樹脂と織
布のむ積層部分が連続してほぼ同じ厚みを持つ複合積層
体が得られ、特に防護服に使用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合積層体の一例を示す側面図であ
る。
【図2】 本発明の複合積層体の他の例を示す側面図で
ある。
【図3】 本発明の防護服の一例を示す模式的な平面図
である。
【符号の説明】
1 織布 2 フェノール樹脂で構成される層 3 織布のみの積層部分 4 織布とフェノール樹脂で構成される層との積層部分 11,12 複合積層体 13 防護服

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱分解温度300℃以上を有する樹脂で
    構成される織布と、フェノール樹脂で構成される層を積
    層して得られる複合積層体であって、 前記フェノール樹脂で構成される層が前記織布の一部に
    積層されていることを特徴とする複合積層体。
  2. 【請求項2】 前記フェノール樹脂で構成される層の積
    層量は、該フェノール樹脂が積層されている部分の織布
    に対して5〜13重量%である請求項1に記載の複合積
    層体。
  3. 【請求項3】 前記フェノール樹脂で構成される層は、
    フェノール樹脂フィルムである請求項1または2に記載
    の複合積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の複
    合積層体を成形してなることを特徴とする防護服。
JP2002028107A 2002-02-05 2002-02-05 複合積層体および防護服 Pending JP2003231233A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015514952A (ja) * 2012-02-20 2015-05-21 クラレイ ユーロップ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングKuraray Europe GmbH 防弾物品を製造するための複合材
JP2018131578A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 東レ株式会社 プリプレグ材料、繊維強化樹脂複合材料、多層構造体、プリプレグ材料の製造方法および繊維強化樹脂複合材料の製造方法

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