JP2003226700A - 抗腫瘍抗体及びその生産方法並びにil−12による抗原表出増強方法 - Google Patents

抗腫瘍抗体及びその生産方法並びにil−12による抗原表出増強方法

Info

Publication number
JP2003226700A
JP2003226700A JP2002023329A JP2002023329A JP2003226700A JP 2003226700 A JP2003226700 A JP 2003226700A JP 2002023329 A JP2002023329 A JP 2002023329A JP 2002023329 A JP2002023329 A JP 2002023329A JP 2003226700 A JP2003226700 A JP 2003226700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
antibody
tumor
cells
antigen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002023329A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiro Iinuma
敏朗 飯沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2002023329A priority Critical patent/JP2003226700A/ja
Publication of JP2003226700A publication Critical patent/JP2003226700A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、腫瘍細胞に対してTH2 経路
を優勢とした体液性免疫に基づく抗腫瘍効果を発現させ
る抗腫瘍抗体を提供することである。この抗腫瘍抗体に
より、腫瘍細胞の増殖を防止するだけでなく、腫瘍細胞
を減少させ、さらに癌発病の予防を可能とすることであ
る。 【解決手段】 本発明に係る抗腫瘍抗体は、哺乳動物
の体液性免疫に傾く腫瘍細胞と樹状細胞とを細胞融合し
て得た融合細胞を哺乳動物に接種して該哺乳動物の体液
性免疫応答によって産生したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腫瘍細胞に対して
体液性免疫となる抗腫瘍抗体及びその生産方法に関す
る。さらに本発明は、腫瘍細胞に作用して抗原の表出を
促す方法、さらには抗体と癌細胞の細胞表面に表出した
抗体との反応を高める方法に関する。
【0002】
【従来の技術】免疫療法とは、免疫担当細胞、サイトカ
イン、抗体などを活性化する物質を用いて免疫機能を目
的の方向に導く治療法である。癌の治療においては、現
在広く行われている外科療法、化学療法、放射線療法に
続き、免疫療法が第4の治療法として期待されている。
【0003】免疫担当細胞を用いた癌の治療は、T細胞
を増殖・活性化させる因子であるインターロイキン2
(interleukin-2;IL-2)と呼ばれるリンフォカイン
(サイトカインの中で特にリンパ球が産生するもの)の
発見により、発展してきた。患者自身のリンパ球を体外
でIL-2と培養して、癌細胞を殺傷する作用の強いリンパ
球を大量に増やして、この活性化したリンパ球を患者に
戻す治療法はリンフォカイン活性化キラー細胞(lympho
kine activated killer cells;LAK)療法と呼ばれてい
る。
【0004】また、癌細胞に特異的な抗原が存在するこ
とが明らかとなり、癌特異的抗原が同定された。そして
癌細胞も病原体と同様にホストの免疫によって排除され
ることが明らかとなってきた。この知見を基にして、癌
のワクチン療法や樹状細胞療法が試みられるようになっ
た。
【0005】さらに、免疫担当細胞を活性化し、あるい
はそれ自身で癌細胞を殺す作用のあるサイトカインを用
いたサイトカイン療法やB細胞が産生する抗体を用いた
抗体療法、免疫力を賦活するような薬物を用いたBRM療
法が行われている。また、最近の遺伝子工学技術の発達
に伴い、抗腫瘍活性を増強するような遺伝子を癌細胞に
導入したり、サイトカイン遺伝子を免疫担当細胞に導入
したりする免疫遺伝子療法も試みられている。
【0006】前記免疫療法が行われる背景には、脊椎動
物が二つの広範な免疫応答のクラスを持つ理由による。
すなわち、抗体反応すなわち体液性免疫と、細胞介在性
免疫応答すなわち細胞性免疫とである。
【0007】体液性免疫はB型リンパ球によって与えら
れる。すなわち、B細胞は、増殖・分化後、抗体(別名
免疫グロブリンとも呼ばれる)を産生し、この抗体が血
液やリンパ液中を循環する。この抗体はそれを誘発した
抗原に特異的に結合する。抗体による結合によって、ウ
ィルスのような外来物質の標的細胞上の受容体に結合す
る能力を阻止することによって、不活性化される。体液
性反応は、主に細菌やウィルス感染の内の細胞外相に対
して防衛する。体液性免疫においては血清のみでも反応
を伝播することができる。抗体は可溶性蛋白分子であ
る。
【0008】一方、細胞性免疫は、特殊な細胞、例えば
T型リンパ球の産生を含む。T細胞は、他のホスト細胞
の表面における外来抗原と反応する。細胞性免疫応答
は、特に、糸状菌、寄生生物、細胞内ウィルス感染、癌
細胞及びその他の外来物質に対して有効である。事実、
T細胞の大部分が、免疫において調節的な役割を演じて
いる。すなわち、その他の白血球細胞の反応を強化した
り、抑制したりしている。これらの細胞は、それぞれヘ
ルパーT細胞及びサプレッサーT細胞と呼ばれるもので
あるが、まとめて調節性細胞と呼ばれる。細胞傷害性T
細胞と呼ばれる他のTリンパ球はウィルス感染細胞を殺
す。細胞傷害性T細胞とBリンパ球とは共に、感染に対
する防衛に直接関わり、まとめてエフェクター細胞と呼
ばれる。
【0009】免疫系は、抗原チャレンジに対する反応を
主に細胞性反応にするか(TH1 経路)、主に体液性反応
にするか (TH2 経路) 、を決定する二つのサイトカイン
介在性調節経路を持つ。細胞性経路は、Tヘルパー細胞
によるインターロイキン2(IL-2)ないしインターフェ
ロンγ産生によって特徴づけられる。この経路は、遅延
型過敏反応(DTH) 、細胞傷害性T細胞の生産及びマクロ
ファージの活性化を仲介する。TH2 反応は、T細胞によ
る各種サイトカイン、例えば、インターロイキン4(IL
-4)やインターロイキン10(IL-10) の産生を促進する。
この反応は、高い抗体価の特異的抗体の産生によって特
定される。
【0010】この細胞介在性免疫応答、又は体液性免疫
応答のいずれが優勢を占めるかは、交差調節の結果によ
ると考えられている。すなわち、TH1 細胞は、TH2 反応
の誘発を、例えば、インターフェロンγの分泌によって
抑制するが、逆に、TH2細胞は、IL-2やIL-10 のような
サイトカインを生成して、TH1 反応の発生を抑制する。
【0011】通常は、免疫応答は、Bリンパ球、Tリン
パ球のいずれにも特徴的なエフェクター機構に向けて進
行する。しかしながら、大抵の免疫応答においては、そ
の経過中に、BないしTリンパ球のいずれかが優勢な役
割を占め、その場合、もう一方のリンパ球の実質的参加
はより少なくなる。そのエフェクター機構が主にB細胞
と抗体によって仲介される免疫応答は、体液性免疫応答
である。T細胞がより重要なエフェクター機能を仲介す
る、そのような反応は、細胞介在性、すなわち細胞性免
疫応答である。
【0012】癌の免疫療法では、従来から細胞性免疫を
機能させる療法を中心に検討され、ある程度の効果を収
めてきた。それに対して体液性免疫を機能させて癌腫瘍
細胞を殺傷して腫瘍を低減し、或いはワクチンを接種し
て体液性免疫により発癌を予防する成功例はないのが現
状であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、TH2 経路
を優勢とした体液性免疫に基づく抗腫瘍効果を発現させ
ることが可能であるかを検討し、強い抗原提示細胞であ
る樹状細胞と腫瘍細胞との融合細胞を利用することによ
り、体液性免疫に傾く腫瘍細胞があることを発見し、さ
らにインターロイキン12(interleukin-12;IL-1
2)が腫瘍細胞に作用して抗原の表出を促し、さらには
抗体と癌細胞の細胞表面に表出した抗体との反応を高め
る作用を有することを発見して本発明を完成するに至っ
た。
【0014】すなわち本発明の目的は、腫瘍細胞に対し
てTH2 経路を優勢とした体液性免疫に基づく抗腫瘍効果
を発現させる抗腫瘍抗体を提供することである。この抗
腫瘍抗体により、腫瘍細胞の増殖を防止するだけでな
く、腫瘍細胞を減少させ、さらに癌発病の予防を可能と
することを目的とする。
【0015】また本発明の目的は、APC遺伝子異常によ
る家族性大腸腺腫症の消化管癌の癌細胞に対してTH2 経
路を優勢とした体液性免疫に基づく抗腫瘍効果を発現さ
せる抗腫瘍抗体を提供することである。この抗腫瘍抗体
により、家族性大腸腺腫症の消化管癌細胞の増殖を防止
するだけでなく、癌細胞を減少させ、さらに大腸癌患者
の手術後の再発予防、また家族性大腸腺腫症の患者の癌
及び腫瘍の発症予防を可能とすることを目的とする。
【0016】さらに本発明の目的は、上記抗腫瘍抗体の
生産方法を提供することである。このとき、IL-12
の併用により、抗腫瘍抗体の効率の良い生産方法を併せ
て提供する。
【0017】また本発明の目的は、APC遺伝子異常によ
る家族性大腸腺腫症の消化管癌の癌細胞に対する抗腫瘍
抗体の生産方法を提供することである。
【0018】さらに本発明の目的は、腫瘍細胞表面の抗
原の表出を増強させて、抗原と本発明の抗腫瘍抗体との
抗原抗体反応を促進するためにIL-12による抗原表
出増強方法を提供することである。また、腫瘍細胞表面
の抗原の表出を増強させて、体液性免疫又は/及び細胞
性免疫に対する免疫誘導能力を増強することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の抗腫瘍抗体は、
哺乳動物の体液性免疫に傾く腫瘍細胞と樹状細胞とを細
胞融合して得た融合細胞を哺乳動物に接種して該哺乳動
物の体液性免疫応答によって産生したことを特徴とす
る。
【0020】また本発明の抗腫瘍抗体は、哺乳動物の体
液性免疫に傾く腫瘍細胞と樹状細胞とを細胞融合して得
た融合細胞を哺乳動物に接種し、且つ該融合細胞を接種
した哺乳動物にIL-12を投与して該哺乳動物の体液
性免疫応答によって産生したことを特徴とする。
【0021】本発明の抗腫瘍抗体では、前記腫瘍細胞
は、APC遺伝子異常による家族性大腸腺腫症の消化管癌
の癌細胞であることが好ましい。
【0022】請求項3記載の抗腫瘍抗体は、前記腫瘍細
胞の抗原と反応させたときのウエスタンブロット法によ
る分子量が4〜6万である該抗原を少なくとも認識する
抗体であることを特徴とする。
【0023】請求項3又は4記載の抗腫瘍抗体は、Ig
G1クラスに属することを特徴とする。
【0024】本発明の抗腫瘍抗体の生産方法は、哺乳動
物の体液性免疫に傾く腫瘍細胞と樹状細胞とを細胞融合
して融合細胞を得、該融合細胞を哺乳動物に接種して該
哺乳動物の体液性免疫応答によって前記腫瘍細胞の抗原
と特異的に反応する抗腫瘍抗体を産生させることを特徴
とする。
【0025】本発明の抗腫瘍抗体の生産方法は、哺乳動
物の体液性免疫に傾く腫瘍細胞と樹状細胞とを細胞融合
して融合細胞を得、哺乳動物に対して該融合細胞をIL
-12と併存するように接種して該哺乳動物の体液性免
疫応答によって前記腫瘍細胞の抗原と特異的に反応する
抗腫瘍抗体を産生させることを特徴とする。
【0026】本発明の抗腫瘍抗体の生産方法では、前記
腫瘍細胞は、APC遺伝子異常による家族性大腸腺腫症の
消化管癌の癌細胞であることが好ましい。
【0027】本発明の抗腫瘍抗体の生産方法では、請求
項8記載の抗腫瘍抗体は、前記腫瘍細胞の抗原と反応さ
せたときのウエスタンブロット法による分子量が4〜6
万である該抗原を少なくとも認識する抗体であることを
特徴とする。
【0028】本発明に係る抗腫瘍抗体の生産方法では、
請求項8又は9記載の抗腫瘍抗体は、IgG1クラスに
属することが好ましい。
【0029】本発明のIL-12による抗原表出増強方
法は、請求項1、2、3、4又は5記載の抗腫瘍抗体を
ホスト内でIL-12と併存するように接種した後、I
L-12が腫瘍細胞表面の抗原の表出を増強させて、該
抗原と請求項1、2、3、4又は5記載の抗腫瘍抗体と
の抗原抗体反応を促進させることを特徴とする。
【0030】本発明のIL-12による抗原表出増強方
法は、ホストへのIL-12の投与により、腫瘍細胞表
面の抗原の表出を増強させて、体液性免疫又は/及び細
胞性免疫に対する免疫誘導能力を増強することを特徴と
する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、実施形態
及び実施例を示しながら詳細に説明するが本発明はこれ
らの実施形態及び実施例に限定して解釈されない。
【0032】本発明の抗腫瘍抗体は、哺乳動物の体液性
免疫に傾く腫瘍細胞と樹状細胞とを細胞融合して得た融
合細胞を哺乳動物に接種して該哺乳動物の体液性免疫応
答によって産生される。
【0033】本来、免疫系はTH1経路とTH2経路の協調作
業によるが、腫瘍細胞に対して体液性免疫に傾くか或い
は細胞性免疫に傾くかについては、TH1経路とTH2経路の
どちらが優勢に傾くかによって決まる。TH1経路とTH2経
路のどちらを優勢にするか、人為的な方法があればそれ
に従うこととなるが、通常、癌細胞に対してはTH1経路
に傾きやすい。本発明者は、APC遺伝子異常による家族
性大腸腺腫症の消化管癌の癌細胞がTH2経路に傾く、す
なわち体液性免疫に傾くことを見出した。今後の成果に
より、APC遺伝子異常による家族性大腸腺腫症の消化管
癌の癌細胞以外にも体液性免疫に傾く腫瘍細胞が見出さ
れることとなるが、本発明によって開示される技術は、
体液性免疫に傾く腫瘍細胞であれば適用可能である。体
液性免疫に傾く腫瘍細胞として、脳腫瘍、咽頭癌、喉頭
癌、甲状腺癌、肺癌、白血病などの血液疾患、腎癌、膀
胱癌、皮膚癌が例示できる。さらに大腸癌、胃癌、肝
癌、膵臓癌などを含む消化器癌も例示できる。
【0034】樹状細胞は、マクロファージ、B細胞と比
較しても最も強い抗原提示機能を有する。樹状細胞は、
哺乳動物から採取する。この樹状細胞と体液性免疫に傾
く腫瘍細胞とを細胞融合する。細胞融合の方法は、公知
の技術、例えばJianlin Gonget.al. Induction of anti
tumor activity by immunization with fusions ofdend
ritic and carcinoma cells, NATURE MEDICINE,Vol.3,N
um.5,p558-p561(1997)の報文で開示された方法が
使用できる。
【0035】上記融合細胞を体液性免疫に傾く腫瘍細胞
に作用させれば、融合細胞はホストの体内でB型リンパ
球を活性化させ、活性化したB細胞は、増殖・分化後、
抗腫瘍抗体を産生する。この抗腫瘍抗体が血液やリンパ
液中を循環する。抗腫瘍抗体はそれを誘発した腫瘍細胞
表面に表出した抗原に特異的に結合する。抗腫瘍抗体に
よる結合によって、腫瘍細胞上の受容体に結合する能力
を阻止して腫瘍細胞を不活性化させる。腫瘍細胞を攻撃
するリンパ球を誘導し、腫瘍細胞を排除する免疫力を高
めることが可能である。この抗腫瘍抗体は、哺乳動物の
血清として取り出され、ワクチンとして使用するか、さ
らに血清より抗腫瘍抗体のみを精製することが好まし
い。
【0036】また、上記したように体液性免疫に傾く腫
瘍細胞を有する哺乳動物に融合細胞を作用させるもみな
らず、体液性免疫に傾く腫瘍細胞を有さない健全体の哺
乳動物に融合細胞を接種した場合でも抗腫瘍抗体は産生
される。したがって、将来発癌がおこるであろう患者に
予防投与することもできる。したがって、本発明では融
合細胞を接種する対象は腫瘍のある哺乳動物に限定され
ない。
【0037】なお、上記融合細胞を細胞性免疫に傾く腫
瘍細胞に作用させれば、融合細胞はホストの体内で抗原
提示機能を発揮してその腫瘍細胞を攻撃するリンパ球を
誘導し、腫瘍細胞を排除する免疫力を高めることが可能
である。
【0038】本発明においては、融合細胞をホストに接
種する場合、IL-12を投与することが好ましい。投
与するタイミングは、融合細胞をホストに接種する前、
或いは接種すると同時或いは戻した後に接種するが、同
時若しくは融合細胞をホストに接種した後が好ましい。
いずれにしても融合細胞とIL-12が同時に併存して
ホストの体内にあることが必須である。融合細胞とIL
-12の協働作用があるからである。従来、活性化した
単球や樹状細胞からつくられるIL-12は、癌細胞を
殺傷するような免疫反応を誘導するのに重要であること
が報告され、注目されている。IL-12はNK細胞やキ
ラーT細胞の増殖を促し、癌細胞を殺傷する能力を高め
るといわれる。マウスにおいては、腫瘍の転移抑制や移
植腫瘍の縮小など、劇的な効果が認められている。本発
明では、従来から指摘されているIL-12の「NK細胞
やキラーT細胞の増殖を促し、癌細胞を殺傷する能力を
高める」という機能を利用するものではなく、腫瘍細胞
に作用して抗原の表出を促し、さらには抗体と癌細胞の
細胞表面に表出した抗原との反応を高める作用、すなわ
ち抗原表出増強効果を利用するものである。本発明者が
発見したIL-12の抗原表出増強効果により、融合細
胞と腫瘍細胞表面上の抗原との反応がより激しく為さ
れ、B型リンパ球の活性化を図り、活性化したB細胞
は、増殖・分化後、抗腫瘍抗体をより高効率に産生す
る。したがって、融合細胞とIL-12の協働により抗
腫瘍抗体が産生されることとなる。この抗腫瘍抗体は、
哺乳動物の血清として取り出され、ワクチンとして使用
するか、さらに血清より抗腫瘍抗体のみを精製すること
が好ましい。
【0039】本発明では、腫瘍を有する患者から腫瘍細
胞を取り出し、その腫瘍細胞と樹状細胞を細胞融合させ
て融合細胞を作り、その融合細胞をその患者に接種する
ことで、患者体内から抗腫瘍抗体を産生させることが考
えられるが、患者に対して時間的負担、身体的負担が大
きいことから、他のワクチンを生産する方法に倣い、マ
ウス、牛、ブタ等の哺乳動物をホストとして抗腫瘍抗体
を産生させることが好ましい。
【0040】すなわち、腫瘍細胞を哺乳動物に接種し、
哺乳動物を発病させ腫瘍を持たせる。樹状細胞は、哺乳
動物骨髄細胞を培養採取する。ヒトから樹状細胞を採取
する場合には、骨髄細胞から採取する他、末梢血からも
採取することができる。培養時において、ヒトの場合は
TNF-αを併用し、マウスの場合はGM-CSFとIL-4の2剤の
存在下で培養する。樹状細胞と哺乳動物の腫瘍細胞とを
細胞融合して、融合細胞を作製する。融合細胞を上記哺
乳動物に接種する。好ましくは、IL-12を併用して
投与する。哺乳動物の体内において融合細胞の腫瘍細胞
への作用、より好ましくは融合細胞とIL-12の協働
による腫瘍細胞への作用により抗腫瘍抗体が産生され
る。抗腫瘍抗体は、哺乳動物の血清として取り出され
る。血清より抗腫瘍抗体のみを精製することが好まし
い。
【0041】前記腫瘍細胞が、APC遺伝子異常による家
族性大腸腺腫症の消化管癌の癌細胞である場合、抗腫瘍
抗体は腫瘍細胞の抗原と反応させたときのウエスタンブ
ロット法による分子量が4〜6万である抗原を少なくと
も認識する抗体である。
【0042】
【実施例】以下、さらに具体的に実施例を示して本発明
を説明する。強力な抗原提示細胞である樹状細胞(以下D
C)と癌細胞の融合細胞(以下FC)を作製し、APC遺伝子異
常により自然発症する家族性大腸腺腫症の消化管癌に対
する抗腫瘍効果とその機序につき検討を行った。
【0043】マウスはAPC遺伝子領域であるコドン1309
遺伝子をノックアウトしたAPC1309を用いた。なお、健
全体であるマウスはC57BL/6である。このマウスは3週齢
より消化管に癌を発症し、10週齢にて約100個の消化管
腫瘍が胃から大腸にかけて認められる。
【0044】DCはマウス骨髄細胞をGM-CSF、IL-4存在下
に培養採取した。DCとAPC1309の小腸癌細胞より樹立さ
れた腫瘍細胞を2:1の割合でポリエチレングリコールを
用いて融合し、融合細胞を作製、翌日2.0x105/mouseを
6週及び8週の2回マウス尾静脈より接種した。また、サ
イトカインであるIL-12を併用するものでは6から8
週の間に2回及び9週に1回の計3回、0.5ug/mouseを腹腔
内へ投与した。融合細胞の接種とIL-12の投与スケ
ジュールを図1に示した。
【0045】10週齢にて全消化管を摘出し、メチレンブ
ルーにて染色、実体顕微鏡にて腫瘍数をカウント、抗腫
瘍効果の比較検討を行った。結果を図2に示した。
【0046】また、消化管嫡出時に豚細胞を培養し、腫
瘍細胞に対する細胞障害活性の出現の有無を検討した。
結果を図3に示した。そして同時に採血を行い、血清中
の腫瘍細胞に対する抗体価を蛍光抗体強度により比較検
討した。結果を図4に示した。
【0047】図2を参照するとわかるように、FC接種に
より無処置群では100個近い腫瘍数が約半数まで減少し
た。またIL-12の併用により腫瘍数は30以下に減少
した。さらに、一般的に腫瘍免疫では腫瘍抑制効果(pre
vension)は認められても腫瘍縮小効果(regression)を示
すのは困難であるところ、図2から治療開始の6週よ
り、FCとIL-12の併用で腫瘍数が減少し、腫瘍縮小
効果があったことが示された。なお、Pは、スチューデ
ントT検定(Student-T test) による検定結果を示し
たものである。
【0048】図3を参照すればわかるように、FC接種マ
ウスの脾細砲には、腫瘍細胞に対する細胞障害活性は認
められなかった。ここで、E/T比はエフェクターとなる
脾細胞のTリンパ球と腫瘍細胞の比率を示す。また、一
般的に、Tリンパ球によるCTLは、腫瘍細胞に表出してい
るMHC classIを認識していると考えられている。本腫
瘍細胞もclassIの表出はあるものの、培養液中にIFN-
γを併用するとclassIの表出が著しく増強することがp
re実験で確認されている。そこで、そのclassIの増強
によりCTLが出現するようになるか検討したものであ
る。しかし、A)とB)ともにCTLは出現せず、実施例にお
ける抗腫瘍効果にCTLが関与していないことが示され
た。
【0049】図4を参照するとわかるように、血清中に
腫瘍細胞に対する抗体を認め、腸管腫瘍数と血清中の抗
体価に逆相関が認められた。この抗体は他のC57BL/6由
来の腫瘍細胞に対しては反応を示さず、しかもこの抗体
は、IgG1であった。
【0050】その効果のあったマウス血清は、腫瘍細胞
に対し希釈濃度に従い逆相関を示した。また、マウス血
清は腫瘍細胞に吸着される事が示された。しかし、この
反応は効果のなかったコントロール群では認められなか
った。これらの結果を図5に示した。従って、実際に効
果を示した抗体の関与が示された。
【0051】実施例において得られた血清を用いてマウ
スから摘出した消化管腫瘍細胞に対しウエスタンブロッ
トを施行したところ、図6に示すごとく、このマウスに
は4〜6万程の分子量に新たなバンドの出現を認め、こ
の血清中の抗体がこの分子量の抗原を認識する抗体であ
ると考えられた。
【0052】図7は、融合細胞に使うのと同じ腫瘍細胞
(T-tumor)を、3種類の異なる培養液にて培養し、同一
のFC+IL-12の血清で反応させるとどうなるか検討
したものである。図中のコントロール(Control)の欄
は、培養液(例えばDMEM)にて腫瘍細胞を培養して血清
と反応させたもので、コントロールの上段は血清の希釈
倍率10倍を示し、中段は希釈倍率100倍、下段は希釈
倍率1000倍を示している。図中のIL-12の欄は、培養
液中にIL-12を併用し培養したもので、上段の10
倍希釈のピークのみが右にシフトしていることからIL
-12の併用により腫瘍側の抗原が表出し、抗体との反
応性が他より増強したことが示された。この「IL-1
2による腫瘍細胞にも作用し抗原の表出を促す作用」
は、本発明において新たな発見である。従来、IL-1
2はリンパ球やNK細胞に対してのみしか作用しないよう
に考えられていたが、腫瘍細胞にも反応を示すことがわ
かった。図中のIFN-γの欄は、培養液中にIFN-γを併用
した場合である。もともとIL-12の作用は、体内のI
FN-γの分泌を誘導することによると考えられていた
が、IFN-γの併用ではIL-12併用時ほどの効果が得
られなかった。したがって、IL-12の作用は、体内
のIFN-γの分泌を誘導するという作用ではなく、抗原側
に作用することにより抗腫瘍効果を示したと考えられ
る。
【0053】IL-12により腫瘍側の抗原が表出し
て、抗体との反応性がより増強されるため、融合細胞と
の並存により抗腫瘍抗体の産生がIL-12の存在しな
い状況下よりも高効率で行われる。図2のFC処理の結果
とFC+IL-12処理の結果の比較から、FC+IL-12処
理の方が抗腫瘍効果が大きいことからわかる。しかしI
L-12の並存により単に高効率となるだけではなく、
IL-12自身による抗腫瘍効果、すなわち直接に腫瘍
細胞に作用する効果も存在する。例えばIFNを介するも
のや膜表面レセプターに対する作用などによる抗腫瘍効
果である。
【0054】「IL-12による腫瘍細胞にも作用し抗
原の表出を促す作用」を利用することで、次のような分
析用キットへの応用が考えられる。IL-12により
抗原発現を増強させ、既存の市販されている抗体によく
反応する腫瘍を選択し、治療効果を予測するキット、
IL-12により抗原の発現が増強するため、免疫染色
が容易になるキット、患者から腫瘍細胞を摘出し、I
L-12処理して表出される抗原を特定し、抗体療法や
化学療法などの様々な治療法から適切なものを選択でき
るキット、等が例示できる。
【0055】本発明の抗腫瘍抗体は、ホストのどの部位
で生産されるかによって限定されるものではないが、抗
腫瘍抗体は、所属リンパ節にてB- cellにより産生され
ると考えられる。さらに、融合細胞にて免疫した群にお
いて、多くのB-cellが腫瘍局所に認められ、免疫グロブ
リン(immunoblobulin)の存在も同部位に確認されてい
るので、腫瘍局所においても産生されていると考えられ
る。
【0056】融合細胞の抗腫瘍効果はAPC遺伝子異常に
よる自然発症消化管癌に対しても認められ、この抗腫瘍
効果には抗体の関与が示唆された。さらにこの抗腫瘍効
果はIL-12併用により増強されることが判明した。
この抗体に対する癌関連抗原を同定することにより、家
族性大腸腺腫症のみならず多くのAPC遺伝子異常を持つ
大腸癌患者に対し、抗原分子を標的としたワクチン療法
など新たな治療法が期待できる。今後は発癌の予防が癌
免疫療法において大きなポイントとなると考えられる。
従って、本発明は、今後の利用方法として大腸癌患者の
手術後の再発予防、また、家族性大腸腺腫症の患者の癌
及び腫瘍の発症予防などにこのワクチンを利用すること
が考えられる。
【0057】本実施例では、融合細胞或いは融合細胞と
IL-12の併用により血清から抗腫瘍抗体を産生する
方法を示したが、抗腫瘍抗体を直接に合成してもよい。
【0058】本発明の抗腫瘍抗体のハイブリドーマ株を
得ることにより、モノクローナル抗体を得ることができ
る。
【0059】
【発明の効果】本発明により、腫瘍細胞に対してTH2 経
路を優勢とした体液性免疫に基づく抗腫瘍効果を発現さ
せる抗腫瘍抗体を提供することができた。この抗腫瘍抗
体は、腫瘍細胞の増殖を防止するだけでなく、腫瘍細胞
を減少させ、さらに癌発病の予防を可能とする。
【0060】また本発明により、APC遺伝子異常による
家族性大腸腺腫症の消化管癌の癌細胞に対してTH2 経路
を優勢とした体液性免疫に基づく抗腫瘍効果を発現させ
る抗腫瘍抗体を提供することができた。この抗腫瘍抗体
は、家族性大腸腺腫症の消化管癌細胞の増殖を防止する
だけでなく、癌細胞を減少させ、さらに大腸癌患者の手
術後の再発予防、また家族性大腸腺腫症の患者の癌及び
腫瘍の発症予防を可能とする。
【0061】さらに本発明により、上記抗腫瘍抗体を生
産することが可能となった。このとき、IL-12の併
用により、抗腫瘍抗体の効率の良い生産方法を提供でき
た。
【0062】また本発明により、APC遺伝子異常による
家族性大腸腺腫症の消化管癌の癌細胞に対する抗腫瘍抗
体の生産方法を提供することができた。
【0063】さらに本発明では、IL-12による抗原
表出増強により、腫瘍細胞表面の抗原の表出を増強させ
て、抗原と本発明の抗腫瘍抗体との抗原抗体反応を促進
することが可能となった。また、腫瘍細胞表面の抗原の
表出を増強させて、体液性免疫は勿論のこと、細胞性免
疫に対する免疫誘導能力を増強することが可能となっ
た。抗原表出の増強作用は、腫瘍に対する治療のみなら
ず、治療とはことなる分析等への利用が可能である。す
なわち、「IL-12による腫瘍細胞にも作用し抗原の
表出を促す作用」を利用することで、IL-12によ
り抗原発現を増強させ、既存の市販されている抗体によ
く反応する腫瘍を選択し、治療効果を予測するキット、
IL-12により抗原の発現が増強するため、免疫染
色が容易になるキット、患者から腫瘍細胞を摘出し、
IL-12処理して表出される抗原を特定し、抗体療法
や化学療法などの様々な治療法から適切なものを選択で
きるキット、等への応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】融合細胞の接種とIL-12の投与スケジュー
ルを示す図である。
【図2】抗腫場効果の比較を示す図である。
【図3】血清中の腫瘍細胞に対する抗体価を蛍光抗体強
度による比較を示す図である。
【図4】抗体価と腫瘍数との関係を示す図である。
【図5】希釈濃度と蛍光強度の関係及び腫瘍細胞による
抗体の吸着を表し、抗体の関与を示した図である。
【図6】得られた血清を用いてマウスから摘出した消化
管腫瘍細胞に対して施行したウエスタンブロットの結果
を示す図である。
【図7】融合細胞と同種の腫瘍細胞(T-tumor)を、3種
類の異なる培養液にて培養し、同一のFC+IL-12の
血清で反応させるとどうなるかを比較した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61K 39/395 Y A61P 35/00 A61P 35/00 C12P 21/08 C12P 21/08 A61K 37/02 Fターム(参考) 4B064 AG26 BA14 CA10 CA20 CC24 DA05 4C084 AA02 BA44 DA12 MA02 NA05 ZB051 ZB261 4C085 AA13 AA14 BB36 CC02 EE03 4C087 AA01 AA02 AA03 BB64 BB65 MA02 NA14 ZB05 ZB26 4H045 AA11 AA20 AA30 CA40 DA75 EA28 FA72 FA74 HA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】哺乳動物の体液性免疫に傾く腫瘍細胞と樹
    状細胞とを細胞融合して得た融合細胞を哺乳動物に接種
    して該哺乳動物の体液性免疫応答によって産生したこと
    を特徴とする抗腫瘍抗体。
  2. 【請求項2】哺乳動物の体液性免疫に傾く腫瘍細胞と樹
    状細胞とを細胞融合して得た融合細胞を哺乳動物に接種
    し、且つ該融合細胞を接種した哺乳動物にインターロイ
    キン12(interleukin-12;IL-12)を投与して該哺
    乳動物の体液性免疫応答によって産生したことを特徴と
    する抗腫瘍抗体。
  3. 【請求項3】前記腫瘍細胞は、APC遺伝子異常による家
    族性大腸腺腫症の消化管癌の癌細胞であることを特徴と
    する請求項1又は2記載の抗腫瘍抗体。
  4. 【請求項4】請求項3記載の抗腫瘍抗体は、前記腫瘍細
    胞の抗原と反応させたときのウエスタンブロット法によ
    る分子量が4〜6万である該抗原を少なくとも認識する
    抗体であることを特徴とする抗腫瘍抗体。
  5. 【請求項5】請求項3又は4記載の抗腫瘍抗体は、Ig
    G1クラスに属することを特徴とする抗腫瘍抗体。
  6. 【請求項6】哺乳動物の体液性免疫に傾く腫瘍細胞と樹
    状細胞とを細胞融合して融合細胞を得、該融合細胞を哺
    乳動物に接種して該哺乳動物の体液性免疫応答によって
    前記腫瘍細胞の抗原と特異的に反応する抗腫瘍抗体を産
    生させることを特徴とする抗腫瘍抗体の生産方法。
  7. 【請求項7】哺乳動物の体液性免疫に傾く腫瘍細胞と樹
    状細胞とを細胞融合して融合細胞を得、哺乳動物に対し
    て該融合細胞をIL-12と併存するように接種して該
    哺乳動物の体液性免疫応答によって前記腫瘍細胞の抗原
    と特異的に反応する抗腫瘍抗体を産生させることを特徴
    とする抗腫瘍抗体の生産方法。
  8. 【請求項8】前記腫瘍細胞は、APC遺伝子異常による家
    族性大腸腺腫症の消化管癌の癌細胞であることを特徴と
    する請求項6又は7記載の抗腫瘍抗体の生産方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載の抗腫瘍抗体は、前記腫瘍細
    胞の抗原と反応させたときのウエスタンブロット法によ
    る分子量が4〜6万である該抗原を少なくとも認識する
    抗体であることを特徴とする抗腫瘍抗体の生産方法。
  10. 【請求項10】請求項8又は9記載の抗腫瘍抗体は、I
    gG1クラスに属することを特徴とする抗腫瘍抗体の生
    産方法。
  11. 【請求項11】請求項1、2、3、4又は5記載の抗腫
    瘍抗体をホスト内でIL-12と併存するように接種し
    た後、IL-12が腫瘍細胞表面の抗原の表出を増強さ
    せて、該抗原と請求項1、2、3、4又は5記載の抗腫
    瘍抗体との抗原抗体反応を促進させることを特徴とする
    IL-12による抗原表出増強方法。
  12. 【請求項12】ホストへのIL-12の投与により、腫
    瘍細胞表面の抗原の表出を増強させて、体液性免疫又は
    /及び細胞性免疫に対する免疫誘導能力を増強すること
    を特徴とするIL-12による抗原表出増強方法。
JP2002023329A 2002-01-31 2002-01-31 抗腫瘍抗体及びその生産方法並びにil−12による抗原表出増強方法 Withdrawn JP2003226700A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002023329A JP2003226700A (ja) 2002-01-31 2002-01-31 抗腫瘍抗体及びその生産方法並びにil−12による抗原表出増強方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002023329A JP2003226700A (ja) 2002-01-31 2002-01-31 抗腫瘍抗体及びその生産方法並びにil−12による抗原表出増強方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003226700A true JP2003226700A (ja) 2003-08-12

Family

ID=27746067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002023329A Withdrawn JP2003226700A (ja) 2002-01-31 2002-01-31 抗腫瘍抗体及びその生産方法並びにil−12による抗原表出増強方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003226700A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Elpek et al. CD4+ CD25+ T regulatory cells dominate multiple immune evasion mechanisms in early but not late phases of tumor development in a B cell lymphoma model
Lu et al. Immunogene therapy of tumors with vaccine based on xenogeneic epidermal growth factor receptor
EP1923463B1 (en) Cancer-rejection antigen peptide derived from glypican-3 (gpc3) for use in hla-a2-positive patient and pharmaceutical comprising the antigen
JP2002504334A (ja) Ox−40レセプター結合因子又はそれをコードする核酸を含む組成物並びに抗原特異的免疫応答を増強するための方法
JP2021513570A (ja) サイトカインをコードするrnaを用いた治療
US20160250292A1 (en) In Vivo Individualized Systemic Immunotherapeutic Method and Device
EA015510B1 (ru) Способ увеличения количества мононуклеарных клеток у субъекта, страдающего раком, и используемая для этого фармацевтическая комбинация
JPWO2007060918A1 (ja) 新規なメモリーctl誘導増強剤
Mostböck et al. IL-2/anti-IL-2 antibody complex enhances vaccine-mediated antigen-specific CD8+ T cell responses and increases the ratio of effector/memory CD8+ T cells to regulatory T cells
US8067227B2 (en) Viral vectors and the use of the same for gene therapy
US20080019972A1 (en) Method for Amplifying Therapeutic Vaccine Activity
Mukherjee et al. Therapeutic efficacy of MUC1-specific cytotoxic T lymphocytes and CD137 co-stimulation in a spontaneous breast cancer model
JP2013047230A (ja) Hla−a2陽性者用hsp105由来癌拒絶抗原ペプチド及びこれを含む医薬
CN109311955B (zh) 一种新的肿瘤特异性多肽及其应用
Kokate A systematic overview of cancer immunotherapy: an emerging therapy
CN109803978B (zh) 多肽及其应用
CA2588573C (en) Immunotherapeutic formulations to generate autoantibodies capable to avoid the binding of interleukin-2 to its receptor their use in the treatment of cancer
CN110167956B (zh) 多肽及其应用
US20080166369A1 (en) Cancer Vaccine Preparation
JP2003226700A (ja) 抗腫瘍抗体及びその生産方法並びにil−12による抗原表出増強方法
WO2018058489A1 (zh) Cacna1h衍生的肿瘤抗原多肽及其应用
WO2020083324A1 (zh) 表达pd-1结合蛋白的溶瘤病毒及其应用
CN109568574B (zh) sPD1蛋白和/或sPD1基因作为免疫佐剂的应用
CN110191893B (zh) 多肽及其应用
JP2006096663A (ja) 癌遺伝子ワクチン

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050405