JP2003222792A - 光学ピックアップ用対物レンズ、光学ピックアップ及びディスクドライブ装置 - Google Patents

光学ピックアップ用対物レンズ、光学ピックアップ及びディスクドライブ装置

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JP2003222792A
JP2003222792A JP2002019437A JP2002019437A JP2003222792A JP 2003222792 A JP2003222792 A JP 2003222792A JP 2002019437 A JP2002019437 A JP 2002019437A JP 2002019437 A JP2002019437 A JP 2002019437A JP 2003222792 A JP2003222792 A JP 2003222792A
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lens
lens group
objective lens
optical pickup
optical
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Application number
JP2002019437A
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English (en)
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Toyokazu Takahashi
豊和 高橋
Satoru Hineno
哲 日根野
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラックピッチを狭くすることによって高記
録密度化された光記録媒体に対する情報の記録及び再生
に用いられる光学ピックアップに適する、小型で、色収
差の補正が効果的に為されて回折限界までレーザ光を集
光することができる光学ピックアップ用対物レンズ提供
する。 【解決手段】 0.8以上の開口数を有し、420nm
以下を基準とする数nm以内の波長範囲の光に対して光
軸上の像点における色収差の補正を行うようにした光学
ピックアップ用対物レンズ15において、光源側より順
に、屈折面S2rと回折面S2dとの複合面Sを有す
る第1レンズ群GR1と、正の屈折力を有する第2レン
ズ群GR2とによって構成され、第1レンズ群の複合面
を負の屈折力を有する非球面である屈折面上に正の屈折
力を有する回折面を付加することによって構成し、第2
レンズ群を構成するレンズを少なくとも1の非球面を含
む単レンズとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光記録媒体に対し
レーザ光を照射して、情報の記録、及び/又は、記録さ
れた情報の再生を行う記録再生装置及び該記録再生装置
の光学ピックアップに使用される対物レンズにおいて、
レーザ光を光記録媒体の記録面に回折限界まで集光させ
ることができる対物レンズを低コストにて提供するため
の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報の記録媒体として、レーザ光
を記録面に照射することによって情報の記録及び再生を
行うようにされた非接触型で記録密度も高い光記録媒体
が広く用いられている。そして、上記光記録媒体は、現
状では、記録された情報検索のし易さ等の点から、ディ
スク状をした光記録媒体(以下、「光ディスク」とい
う。)が多用されている。
【0003】光ディスクは、スパイラル(螺旋)状をし
た記録トラックを有し、上記記録トラックの互いに隣接
する部分間の間隔、即ち、トラックピッチは、例えば、
CD(Compact Disc)の場合では約1.6μmであった
が、近年のDVD(DigitalVideo Disc/Digital Versat
ile Disc)では0.74μmと狭くされることによっ
て、情報の記録密度が大幅に向上している。
【0004】DVD等のトラックピッチを狭くして情報
の記録密度を向上させた光ディスクに対しレーザ光を照
射して情報の記録や再生を行うためには、トラックピッ
チの大きい光ディスクに対する場合よりも更に小さいビ
ームスポットをその記録面上に形成する必要がある。
【0005】ところで、対物レンズによって集光される
レーザ光のビームスポットの径は、レーザ光の設計波長
に比例し、対物レンズの開口数(NA)に反比例する。
従って、上記ビームスポットの径を小さくするために
は、対物レンズの高開口数化とレーザ光の短波長化が必
要となる。
【0006】一方、光ディスクに相変化方式又は他の方
式で情報を記録するためには高エネルギーのレーザ光が
必要であるために、また、反射されたレーザ光によるレ
ーザノイズを低減するために、半導体レーザの駆動電流
や電圧に高周波を重ねるなどの方法によって駆動パワー
を変動させて、レーザ光の波長を短い周期で変動させる
ようにしている。従って、可干渉性(Coherent)のレー
ザ光を光ディスクに照射する光学ピックアップにおいて
は、数nm程度の波長の変動に起因する色収差が発生し
て、光ディスク上のビームスポットが大きくなってしま
うという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の光学
ピックアップにおいては、レーザ光を光ディスクの記録
面に集光してビームスポットを形成する対物レンズとし
ては、図22に示すように、安価で集光性能が高い非球
面を有するガラス製のモールド成形レンズの1枚構成の
ものaが採用されている。
【0008】しかし、上記対物レンズaにおいては、図
23の各収差図に示すように、非球面を用いても±2n
mの波長の変動に対し±0.6μm/nm程度の色収差
が発生していることが分かる。尚、図23に示す各収差
図において、実線は405nm、破線は403nm及び
一点鎖線は407nmにおける値を示すものであり、非
点収差図において、太線はサジタル像面、細線はタンジ
ェンシャル像面における値を示すものである。
【0009】上記したように、トラックピッチを狭くす
ることによって高記録密度化された光ディスクに情報を
記録するには、対物レンズによって回折限界までレーザ
光を集光して、より小さなビームスポットを形成するこ
とが望ましいが、上記従来の非球面を有するガラス製モ
ールド成形レンズの1枚構成の対物レンズaでは、上記
したような色収差の発生によって回折限界までの集光は
困難であった。
【0010】本発明は、上記した問題点に鑑み、トラッ
クピッチを狭くすることによって高記録密度化された光
記録媒体に対する情報の記録及び再生に用いられる光学
ピックアップに適する、小型で、色収差の補正が効果的
に為されて回折限界までレーザ光を集光することができ
る対物レンズを、安価に提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した課題を
解決するために、0.8以上の開口数を有し、420n
m以下を基準とする数nm以内の波長範囲の光に対して
光軸上の像点における色収差の補正を行うようにされた
光学ピックアップ用対物レンズを、光源側より順に、屈
折面と回折面との複合面を有する第1レンズ群と正の屈
折力を有する第2レンズ群とによって構成し、第1レン
ズ群の複合面を負の屈折力を有する非球面上に正の屈折
力を有する回折面を付加することによって構成し、第2
レンズ群が少なくとも1の非球面を含み、第1レンズ群
と第2レンズ群との間にアパーチャを設け、第1レンズ
群と第2レンズ群を共通のレンズ鏡筒内に配置したもの
である。
【0012】従って、光軸上の像面における色収差が効
果的に補正されるため、回折限界までレーザ光を集光さ
せることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明光学ピックアップ
用対物レンズ、光学ピックアップ及びディスクドライブ
装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明す
る。尚、以下に示す実施の形態は、本発明を初期のディ
スク状光記録媒体であるCD(Compact Disc)のトラッ
クピッチよりも狭い0.6μm程度のトラックピッチを
有するディスク状光記録媒体、例えば、DVD(Digita
l Video Disc/Digital Versatile Disc)等、トラック
ピッチを狭くすることによって情報の記録密度を高めた
規格のディスク状光記録媒体に対して、情報の記録及び
再生を行うディスクドライブ装置に適用したものであ
る。
【0014】最初に、ディスクドライブ装置の概要を説
明する。
【0015】ディスクドライブ装置1は、回転数を高く
して記録された記録信号の読み込み及び情報信号の書き
込みが高速化されたものであり、トラックピッチが非常
に細かくされて記録容量が高められた、例えば、DVD
(Digital Video/VersatileDisc)等をディスク状光記
録媒体として用いる、パーソナルコンピュータに外部記
憶装置として搭載されて使用される装置である。
【0016】ディスクドライブ装置1は、図1及び図2
に示すように、各種機構が配置されたメカフレーム2を
有し、該メカフレーム2の上方、左右及び前後が、ネジ
止め等の適宜な手段によって取り付けられるカバー体3
及び前面パネル4によって覆われている。
【0017】上記カバー体3は、天板部3aと該天板部
3aの両側縁からそれぞれ垂設された側面部3b、3b
と図示しない後面部とが一体に形成されて成る。
【0018】前面パネル4には、横長の開口4aが形成
され、該開口4aを開閉する扉体5が、その上端部を支
点として前面パネル4に回動自在に支持されている。ま
た、前面パネル4には、各種操作を行う操作ボタン6、
6、…が配設されている。
【0019】上記メカフレーム2は各種機構が配置され
る機構配置面部7aと、該機構配置面部7aの両側縁か
ら立設された側部7b、7bとを有し、上記機構配置面
部7aの前端部にカム板や各種ギアを有するローディン
グ機構8が配置されている。
【0020】メカフレーム2には、図2に示すように、
ディスクトレイ9が前後方向に移動自在に支持されてい
る。該ディスクトレイ9には、前後方向に長い挿通孔9
aとディスク状光記録媒体(以下、単に「光ディスク」
という。)100が載置されるディスク載置凹部9bと
が形成されている。ディスク載置凹部9bに光ディスク
100を載置する時には、ディスクトレイ9は上記ロー
ディング機構8によって駆動されて、前面パネル4の開
口4aから外部に突出され、光ディスク100へ情報の
記録又は再生を行う時には、ディスク載置凹部9bに光
ディスク100を載置した状態で装置内部に引き込まれ
る。
【0021】また、メカフレーム2の機構配置面部7a
には、図2に示すように、移動フレーム10がその後端
部を支点として回動自在な状態で支持されている。
【0022】上記移動フレーム10には、光ディスク1
00を回転させるためのモータユニット11が配置され
ており、該モータユニット11はディスクテーブル11
aと駆動モータ11bを含んでいる。また、移動フレー
ム10には、光学ピックアップ12が、図示しないガイ
ド軸及びリードスクリューによってディスクテーブル1
1aに装着された光ディスク100の半径方向に移動可
能な状態で支持されている。
【0023】更に、移動フレーム10には、上記リード
スクリューを回転させる送りモータ13が取着されてい
る。従って、リードスクリューが上記送りモータ13に
よって回転されると、その回転方向に応じた方向へ光学
ピックアップ12がガイド軸に案内されて移動される。
【0024】従って、ディスクドライブ装置1において
は、光ディスク100が、ディスクトレイ9のディスク
載置凹部9bに載置さた状態で装置内部に引き込まれ、
ディスクテーブル11a上に適宜な手段によって保持さ
れ、モータユニット11の駆動モータ11bによる駆動
によってディスクテーブル11aと共に回転されると、
光学ピックアップ12が光ディスク100の半径方向に
移動しながら、光ディスク100に対する情報の記録又
は再生が為される。
【0025】次に、光ディスク100に対する情報の記
録又は再生を行う光学ピックアップ12の構成について
説明する。
【0026】光学ピックアップ12は、図2に示すよう
に、図示しないガイド軸及びリードスクリューによって
シャーシ11に支持された移動ベース14上に、レーザ
発光素子や受光素子等を含む所要の光学素子と、対物レ
ンズ15を支持した図示しない2軸アクチュエータ等が
搭載されて成る。
【0027】即ち、光学ピックアップ12は、図3に概
略的に示すように、図示しない2軸アクチュエータによ
って支持された対物レンズ15、420nm以下の波長
のレーザ光を出射するレーザ発光素子16及び該レーザ
ー発光素子16から出射されたレーザ光を平行光束にす
るコリメータレンズ17を有する。レーザ発光素子(半
導体レーザ)16から出射したレーザ光は、コリメータ
レンズ17によって平行光束にされ、対物レンズ15に
よって光ディスク100の記録層に集光される。
【0028】ところで、光学ピックアップ12は、情報
の記録密度が高い光ディスク100に情報の記録及び情
報の再生を行うことができるようにされたものである。
従って、上記レーザ発光素子16は、780nmの波長
のレーザ光を発生する従来のCD規格のレーザ発光素子
よりも短い波長420nm以下(具体的には400nm
乃至410nm程度)のレーザ光を発生するものであ
り、レーザノイズを低減するために高周波電流を駆動電
流に重ねることでレーザ光の波長が短い周期で変動する
ようにされている。
【0029】そして、光ディスク100に記録を行う際
には、レーザ発光素子16から高エネルギーのレーザ光
が出射され、コリメータレンズ17によって平行光束に
され、この平行光束にされたレーザ光が対物レンズ15
に入射して光ディスク100の記録層上に集光されレー
ザスポットを形成する。このレーザ光のエネルギーによ
って記録層が、例えば、相変化し、情報を記録したピッ
トが形成される。
【0030】一方、光ディスク100に記録された情報
を再生する場合には、情報に記録を行う時よりも低エネ
ルギーのレーザ光がレーザ発光素子16から出射され、
コリメータレンズ17によって平行光束にされ、この平
行光束にされたレーザ光が対物レンズ15に入射して光
ディスク100の記録層上に集光されレーザスポットを
形成する。そして、光ディスク100の記録層で反射さ
れたレーザ光が上記とは逆の光路を経て、光学ピックア
ップ12内の受光素子等を含む図示しない受光系によっ
て検出される。
【0031】上記対物レンズ15の作動距離、即ち、対
物レンズ15を構成するレンズの最も光ディスク100
寄りの面から像点(光ディスク100のレーザ光が集光
する記録層)までの距離が0.5mm以上とされてい
る。
【0032】次に、対物レンズ15について具体的に説
明する。
【0033】対物レンズ15は、図3、図12、図1
4、図16、図18及び図20に示すように、屈折面S
2rをベース面として、これに回折面S2dを付加する
ことによって成る屈折・回折複合面(以下、単に「複合
面」という。)Sを有するハイブリッド型レンズの第
1レンズL1によって構成された第1レンズ群GR1
と、正の屈折力を有する両面非球面のメニスカス形状の
単レンズである第2レンズL2によって構成された第2
レンズ群GR2とから成る2群構成を有するものであ
る。
【0034】上記第1レンズ群GR1は、色収差を補正
する役割を果たすものであり、第2レンズ群GR2は、
レーザ光のビームスポットを所定の大きさに集光する役
割を果たすものである。
【0035】尚、以下の説明において、レンズ及び他の
構成要素の面番号は、光源(レーザ発光素子)側から、
1、2、3、…と順に数えるものとし、「S」は光源
側から数えてi番目の面、「r」は光源側から数えて
i番目の面Sの曲率半径、「d」は光源側から数え
てi番目とi+1番目の面との間の光軸上における面間
隔を示すものとする。非球面形状は、「x」を光軸から
の高さが「h」の非球面上の点の、非球面頂点の接平面
からの距離、「c」を非球面頂点の曲率(=1/R)、
「k」を円錐定数、「A」、「B」、「C」、「D」、
「E」、「F」、「G」、「H」及び「J」をそれぞれ
第4次乃至第20次の非球面係数とする時、以下の数式
1によって定義されるものとする。
【0036】
【数1】
【0037】また、一般的に、回折面に使用される回折
光学素子は、振幅型と位相型とに分けられるが、上記対
物レンズ15の回折面S2dに用いられるものは位相
型、特に、効率の点から所謂ブレーズ形状をしたブレー
ズドホログラムである。このブレーズドホログラムは、
一般のホログラムと同様に、製造時に2つの点光源を無
限遠にあるとした時の各面上での非球面的位相のずれ係
数として、基板上の曲座標を多項式を使用して指定して
成るものである。ここで、上記多項式の係数は、回折基
準波長での光路差(OPD)をmm単位で与える。即ち、
回折面上で光軸からの高さRの点における回折による光
路差は、 OPD=C1R2+C2R4+C3R6+C4R8+C5R10+C6R12+C7R14+C8R16+C9
R18+C10R20 のように定義される。実際の回折面の形状は、回折を生
じさせるために断続的に変化させることになる。つま
り、屈折率Nの媒質中の光路と空気中の光路との間に生
じる光路差はt(N-1)で与えられるので、回折面の各輪帯
(エレメント)の段差dは、設計波長をλ(nm)とする
時、 d=λ/(N-1)・10-3 または、その整数倍となる。回折面のブレーズ形状は、
上記光路差OPDを波長λで割った余りを光路差として生
じる深さを表面形状に与えることになる。
【0038】上記第1レンズL1は、ガラス又は樹脂で
形成され、その複合面Sは、屈折面S2rをベース面
(回折面が定義される基準面)として、ダイヤモンドバ
イトを使用した機械切削加工によって製作した金型を用
いて上記屈折面S2rに直接、又は、図16に破線にて
概略的に示すように、屈折面S2rに適宜な方法によっ
て積層された樹脂層18の表面に位相透過型のホログラ
ムを形成した回折面S 2dを付加して成る複合面S
有するものである。このように、回折面S2dを有する
複合面Sを使用すると、レンズの径を大きくすること
なく開口数(NA)を高めることが可能となる。尚、上
記回折面S2dは、後述するように、断面形状で微細な
階段状を為すようにされている。また、上記ベース面で
ある対物レンズ15の屈折面S2rは放物面(円錐定数
k=−1)とされている。
【0039】また、対物レンズ15は、第2レンズL2
の第3面S及び第4面Sが非球面によって構成され
ている。
【0040】そして、上記2群構成の対物レンズ15
は、図3に示すように、樹脂等の適宜な材質によって形
成されたレンズ鏡筒19内に配設されている。
【0041】上記レンズ鏡筒19は、詳しい図示は省略
するが、両端が開口した略円筒形状を為すものであり、
両端の開口からそれぞれ第1レンズL1及び第2レンズ
L2が内部に挿入され、芯出しや位置調整等を行って固
定されている。このように、2群構成の対物レンズ15
を、予め、各構成レンズの芯出し等の光学的調整を行っ
てレンズ鏡筒19内に配置しておけば、対物レンズ15
を光学ピックアップ12に組み込む際の作業性を向上さ
せることが可能になる。
【0042】また、第1レンズ群GR1は、平面である
第1面Sに加えて、複合面Sが負の屈折力を有する
屈折面S2rと正の屈折力を有する回折面S2dとによ
って構成されることによって、屈折力の総量が0(ゼ
ロ)にされている。のように、第1レンズ群GR1の屈
折力を0にすると、第1レンズ群GR1が設計波長の光
に対して完全に平行平板となり、例え、波長がシフトし
た場合でも屈折力の非常に弱いレンズとして機能するだ
けであるため、コリメータレンズ17とレーザ光を集光
させる働きを有する第2レンズ群GR2との間に挿入す
る際の偏心、チルト、面間隔等の許容範囲を広く採るこ
とが可能になる。また、第1レンズ群GR1を色収差を
補正するためだけに使用してビームスポットを形成する
働きを第2レンズ群GR2にのみ負わせることによっ
て、各レンズ群の役割分担を鮮明にし、各レンズ群の設
計が容易になる。
【0043】対物レンズ15は、作動距離、即ち、レン
ズ最終面(第4面S)から像点までの距離が0.5m
m以上とされている。開口数の大きな2群構成のレン
ズ、例えば、Solid Immersion Lens(SIL)において
は、作動距離が0.1mm程度の場合があった。このよ
うに作動距離が短いと、対物レンズと光ディスクとの衝
突が必須となる等の問題があった。従って、本発明で
は、上述のように、レンズ最終面から像点までの作動距
離を0.5mm以上に規定した。また、対物レンズ15
は、1.875mm以下の有効焦点距離を有するように
されている。
【0044】次に、対物レンズ15において、レーザ光
を回折限界まで集光するための色消し(色収差の補正)
の条件について説明する。
【0045】一般に、波長λ(nm)に対して±δ(n
m)の範囲で波長が変化する光源に対して、屈折型レン
ズと回折型レンズとを組み合わせたレンズの色消し条件
は次のように導かれる。
【0046】即ち、波長λ、λ+δ及びλ−δの時の硝
材の屈折率をそれぞれ、N、N、Nとすると、波
長λ±δの範囲における部分的なアッベ数(以下、「部
分アッベ数」という。)νは次の数式2のように表す
ことができる。
【0047】
【数2】
【0048】また、回折型レンズの部分アッベ数ν
は、次の数式3のようになる。
【0049】
【数3】
【0050】そして、屈折型レンズ及び回折型レンズの
焦点距離をそれぞれ、f、fとすると、これらの合
成による合成レンズの焦点距離fは、次の数式4の関係
を有し、光軸上における像点の色消し条件は、数式5で
表される。
【0051】
【数4】
【0052】
【数5】
【0053】従って、上記数式4及び数式5から、次の
数式6に示す、屈折型レンズの焦点距離fと回折型レ
ンズの焦点距離fがそれぞれ得られる。
【0054】
【数6】
【0055】尚、屈折型レンズの部分アッベ数νはレ
ンズ材質の屈折率によって決定され、回折型レンズの部
分アッベ数νはレーザ光の使用波長によって決定され
る。ここで、レンズ材質の屈折率が波長によって変化す
ることを考慮すると、屈折型レンズの部分アッベ数ν
は、レンズ材質とレーザ光の使用波長によって決定され
るということができ、回折型レンズの部分アッベ数ν
はレーザ光の使用波長のみによって決定されるというこ
とができる。
【0056】ところで、対物レンズ15のような屈折・
回折複合レンズにおける軸上色消し条件は、レーザ光の
使用波長λ、レーザ光の揺らぎ量(波長の変動量)δ、
レンズの材質、入射レーザ光のビーム径及び開口数N.A.
を決定することによって、一意に決定される。
【0057】従って、光学ピックアップ用の対物レンズ
の場合、レーザ光の設計波長、レーザ光のビーム径、対
物レンズの開口数は固定されたパラメータとなるため、
レンズの材質が決定されると、屈折・回折複合レンズに
おける軸上色消し条件が決定することになる。例えば、
N.A.=0.8、レーザ光のビーム径3mm、λ=410
nm、δ=±10nmとし、レンズの材質としてLAH
53(株式会社オハラの商品名)を使用した場合、屈折
型レンズの焦点距離fは2.18mm、回折型レンズ
の焦点距離fは13.31mmとなる。
【0058】対物レンズ15において、上記第1レンズ
群GR1は、色収差を補正する役割を果たすものであ
り、第2レンズ群GR2は、レーザ光のビームスポット
を所定の大きさに集光する役割を果たすものであるの
で、第1レンズ群GR1の屈折力は0で、第2レンズ群
GR2の屈折力の総和が、対物レンズ15の屈折力とな
る。これを数式で示すと、数式7及び数式8のようにな
る。
【0059】
【数7】
【0060】
【数8】
【0061】従って、対物レンズ15においては、第1
レンズ群GR1の屈折型レンズ(第1面Sと第2面屈
折面S2r)と、第2レンズ群GR2の第2レンズL2
との合成焦点距離が、全ての屈折型レンズの焦点距離f
となるため、次の数式9が成り立つ。
【0062】
【数9】
【0063】光学ピックアップ用対物レンズの設計にお
いて、焦点距離とレンズ材質とを決定すると、f、
、fは自動的に決定されるので、上記数式9の条
件を満たす第1レンズ群の屈折型レンズの焦点距離f
と、第1レンズ群と第2レンズ群との間の間隔dも一意
に決定される。
【0064】ところで、屈折型レンズの主点位置は、レ
ンズ材質の屈折率と、各レンズ面の曲率半径、面間隔等
によって決定し、必ずしも一定の位置に固定されていな
い。従って、回折型レンズと合成屈折型レンズとの主点
間隔は、設計条件によって変化することになる。このた
め、設計時には上記数式6を満たすようにベンディング
を行い、近軸解を導出することになる。
【0065】次に、位相回折型の光学素子が形成された
複合面Sの回折面S2dの階段形状の設計について説
明する。
【0066】複合面Sの回折面S2dのサグ量ASP(r)
は、光学設計用ソフトウェア“CODEV”によって数式1
0のように定義される。
【0067】
【数10】
【0068】上記数式10において、k=−1とする
と、2次の係数がc/2となり数式11に示す偶数次の
みの多項式となる。
【0069】
【数11】
【0070】一方、複合面Sの回折面S2dの位相分
布Φ(r)は数式12に示すような偶数次のみの多項式で
定義される。
【0071】
【数12】
【0072】従って、光学設計までは数式12のよう
に、位相を連続的に変化する関数として取り扱う。
【0073】そして、回折面の表面形状設計では、位相
の周期性を利用して、位相周期から整数倍の周期を差し
引いた残りの位相を新たな位相分布とするため、回折面
の形状が離散的なブレーズ形状となる。このブレーズ型
の離散的な位相を、実際の材質の厚みとして換算するた
め、回折面の表面は離散的なブレーズ形状で、その高さ
は波長の整数倍の位相差を与える厚み量となる。
【0074】図4は、非球面の断面形状と、回折面の断
面形状を説明するための図である。非球面の断面形状AS
P_Sagは、上記数式11によるものであり、回折面の断
面形状DOE_Sagは数式12によるものである。回折面の
位相を、屈折面のサグ量と同じ次元にするには、屈折率
差で位相を割り算する。
【0075】図5は、屈折・回折複合面の形状を説明す
るための図である。屈折・回折複合面のサグ量をSag(r)
とすると、次の数式13のように表記することができ
る。
【0076】
【数13】
【0077】上記数式13において、Sag(r)=0となれ
ば、位相は完全な平面となるため、入射した光に対し何
の影響も及ぼすことなく、光を出射させることになる。
この場合の回折面の形状は、波長の整数倍の位相を与え
る厚み量を1段とする垂直な階段形状になる。即ち、Sa
g(r)=0の解は、次の数式14に示すように、各次数の
係数を相殺して0にするように選べばよいことになる。
【0078】
【数14】
【0079】尚、2次の係数は、近軸領域で屈折面と回
折面のそれぞれの屈折力が相殺されて0となっているこ
とを意味する。
【0080】以下に上記した回折面の階段形状の効果に
ついて、図面を参照して説明する。
【0081】図6及び図7は、対物レンズ15の製造段
階において、第1レンズL1の屈折面S2rに直接、又
は、積層された樹脂層18の表面に回折面を転写形成す
るために用いられる金型を切削加工するためのバイト2
0の先端部分20aの幅が、金型の転写面21に形成さ
れるブレーズ形状(転写形状)22の各輪帯22a、2
2a、…の幅に対して無視できない大きさを有するとき
の加工上の問題点及びこれに対する対策を説明するため
の図である。
【0082】即ち、図6に示すように、回折面の形状が
ブレーズ形状の場合には、切削加工される金型の転写面
21は、矢印23の方向に送られ、バイト20は矢印2
4の方向に送られることによって、上記転写面21が切
削されブレーズ形状(転写形状)22が形成される。こ
こで、バイト20の先端部分20aの形状は目視上鋭利
であっても、微細なブレーズ形状22の輪帯22a、2
2a、…の大きさに比べると鋭利ではなく、しかも、ブ
レーズ形状の輪帯22a、22a、…の大きさに比べて
も鋭利にすることは不可能なので、バイト20の先端部
分20aによって金型の転写面21のブレーズ形状22
の輪帯22a、22a、…の間には加工不能部分(削り
残し部分)25、25、…が残ってしまうことになる。
【0083】また、図7に示すように、回折面の形状が
階段形状の場合でも、上記ブレーズ形状の場合と同様
に、切削加工される金型の転写面21は、矢印23の方
向に送られ、バイト20は矢印24の方向に送られるこ
とによって、上記転写面21が切削され、階段形状26
が形成される。しかしながら、回折面の形状が階段形状
の場合では、階段形状26の輪帯26a、26a、…を
構成する面にバイト20の先端部20aを構成する面に
対して斜めに位置する面が含まれないので、上記のよう
な加工不能部分が残ってしまうことがない。
【0084】図8は、図9に示す一定の周期L(ブレー
ズ幅4μm)を有するブレーズ型回折格子27におけ
る、上記転写面21の加工不能部分25、25、…の転
写による未加工部分27a、27a、…の幅bと回折効
率との関係を示すものであり、図10は、図11に示
す、転写面(切削面)21に生じる一定の周期dを有す
るバイト20の移動の軌跡である周期性のある微細な凹
凸形状である表面引き目構造28における、引き目29
の深さhと透過率との関係を示すものである。
【0085】ところで、回折型レンズの回折効率を10
0%にする回折面の形状は、ブレーズ形状の断面形状を
有するものである。ブレーズの高さ(サグ量)は、波長の
整数倍の位相差を与える厚みである。平面上に回折型レ
ンズを作成すると、断面形状はブレーズ形状になる。
【0086】一方、前述のように、上記サグ量を相殺す
るように数式13の多項式の係数を選択して回折型レン
ズの設計を行った場合、回折面の断面形状は、図7に示
す金型の転写面21Aによって転写される階段状にな
る。この階段の高さ(サグ量)は、上記した平面の場合と
同様に、波長の整数倍の位相差を与える厚みとなる。
尚、階段形状はブレーズ形状の特殊な場合と考えること
ができるので、理論的な回折効率は両者で同じである。
【0087】ただし、図6に示すように、金型の転写面
21にブレーズ形状をバイト20による切削加工で形成
する際には、回折面が斜面を含む断面でブレーズ形状で
あると、バイト20の先端部分20aの形状によって削
り残しの加工不能部分25、25、…ができてしまう。
この加工不能部分25、25、…がブレーズ形状22に
比べて無視できない大きさになってくると、図8に示す
ように、その程度に応じて回折効率が低下することにな
ってしまう。この加工不能部分25、25、…は、図9
に示すように、バイト20の先端部分20aの形状が小
さい(鋭利)程小さくなる。
【0088】また、バイト20を用いた金型の転写面2
1の切削加工を行う際に、図11に示すように、ブレー
ズ形状22の斜面に、バイト20の移動の軌跡である周
期性のある微細な凹凸形状の引き目29が発生する。該
引き目29の繰り返し形状である表面引き目構造28の
周期d、振幅(引き目の深さh)が、レンズの設計波長
に対して同程度か、それ以上の大きさを有する時には、
図10に示すように、レンズに転写された場合、その程
度に応じて透過率を減少させることになる。この引き目
29は、一般的に、バイト20の先端部分20aの形状
が小さい(鋭利)程小さくなる。
【0089】このように、金型の転写面21にブレーズ
形状22をバイト20を使用した切削加工によって形成
すると、バイト20の先端部分20aの形状によって、
転写されたレンズの回折面の回折効率と透過率との間で
律則が生じてしまう。
【0090】これに対し、図7に示すような階段形状2
6をバイト20を用いた切削加工によって金型の転写面
21Aに形成する際には、加工によって形成する面に斜
面が含まれていないため、ブレーズ形状21の場合のよ
うな加工不能部分25、25、…が残らず、理想的な断
面形状に近い形状になる。従って、回折面が階段形状2
6の転写によるものの場合には、回折効率の低下要因を
無くすことが可能になる。また、バイト20の先端形状
20aに対する制約が無くなるため、バイト20に、図
11に示す表面引き目構造28の発生を抑えやすい形状
をしたバイトを先端形状に関係なく選択することがで
き、これによって透過率の低下要因も減少させることも
可能になる。
【0091】以上に説明したように、対物レンズ15に
おいては、複合面Sの回折面S を断面形状で微細
な階段状とすることによって、回折効率の低下と透過率
の低下の問題を同時に改善することが可能になった。
【0092】最後に、対物レンズ15を具体化した数値
実施例を示す。
【0093】図12は、対物レンズ15の数値実施例1
のレンズ構成を示すものであり、対物レンズ15は、屈
折面S2rをベース面として形成された回折面S2d
ら成る複合面Sを有するガラス製の平凹レンズから成
る第1レンズL1によって構成される第1レンズ群GR
1と、パワーの大きい単玉の非球面ガラスモールドレン
ズの第2レンズL2によって構成される第2レンズ群G
R2を有する。
【0094】また、第1レンズL1及び第2レンズL2
の硝材は、前出のLAH53が用いられている。尚、第
2レンズL2と像面(光ディスク100の記録層)との
間には、ポリカーボネート製の保護カバー30が配設さ
れている。尚、図12に示すように、「S」及び「r
」は上記保護カバー30の表面(第5面)及び曲率半
径を示すものであり、「d」は第2レンズL2の第4
面Sと上記第5面との間の光軸上における面間隔、
「d」は保護カバー22の厚みである(後述する他の
数値実施例においても同様)。
【0095】ところで、上記保護カバー30の厚みは、
0.3mm以下であることが望ましい。この数値実施例
1と後述する数値実施例2は、保護カバー30の厚みを
0.1mmとしたものである。これは、保護カバー30
の厚みが0.3mm以上であると、補正が困難になるほ
どの球面収差が発生してしまうが、保護カバー30が
0.3mm以下の場合には球面収差の発生を抑えること
ができるからである。
【0096】下記の表1に数値実施例1の各構成レンズ
の数値を示す。
【0097】
【表1】
【0098】表2に第2面である複合面S(回折面S
2d及び屈折面S2r)、第3面S 及び第4面S
円錐定数k及び4次乃至10次の非球面係数A乃至Dを
示す。尚、表2中の「E」は、10を底とする指数表現
を表すものとする(後述する同種の表においても同
様)。
【0099】
【表2】
【0100】図13に上記数値実施例1による対物レン
ズ15の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す。尚、
各収差図において、実線は405nm、破線は403n
m、一点鎖線は407nmにおける値をそれぞれ示すも
のであり、非点収差図において、太線はサジタル像面、
細線はタンジェンシャル像面における値を示すものであ
る(後述する同種の図おいても同様。)。また、回折基
準波長は405nm、設計次数はN=1であり、設計波
長は405nm(403nm乃至407nm)、レーザ
光の入射ビーム径は3.0mm、開口数は0.85であ
る。
【0101】ところで、図13の各収差図において、実
線で示す波長405nmでの値、破線で示す波長403
nmでの値及び一点鎖線で示す波長407nmでの値
は、殆ど重なって判別することが困難となっている。こ
れは、上記数値実施例1における対物レンズ15におい
ては、色収差の発生が極めて少ないことを示すものであ
る。従って、上記数値実施例1においては、対物レンズ
15の色収差が効果的に補正されていることが判る。
【0102】図14は、対物レンズ15の数値実施例2
のレンズ構成を示すものであり、第1レンズL1を適宜
な樹脂材料によって形成し、第2レンズL2を前出のL
AH53によって形成したものである。
【0103】即ち、数値実施例2における対物レンズ1
5は、屈折面S2rをベース面として回折面S2d形成
して成る複合面Sを有する樹脂製の平凹レンズから成
る第1レンズL1によって構成される第1レンズ群GR
1と、パワーの大きい単玉の非球面ガラスモールドレン
ズの第2レンズL2によって構成される第2レンズ群G
R2を有する。尚、第2レンズL2と像面(光ディスク
100の記録層)との間には、ポリカーボネート製の保
護カバー30が配設されている。
【0104】下記の表3に数値実施例2の各構成レンズ
の数値を示す。
【0105】
【表3】
【0106】上記数値実施例2は、第1レンズL1が樹
脂製であるので、対物レンズ15を軽量化することが可
能になり、また、樹脂はガラスよりも材料費が安価であ
ると共に加工性が良好なので、対物レンズ15を低コス
トで量産することが可能になる。
【0107】表4に第2面である複合面S(回折面S
2d及び屈折面S2r)、第3面S 及び第4面S
円錐定数k及び4次乃至10次の非球面係数A乃至Dを
示す。
【0108】
【表4】
【0109】図15に数値実施例2における対物レンズ
15の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す。回折基
準波長は405nm、設計次数はN=1であり、設計波
長は405nm(403nm乃至407nm)、開口数
は0.85である。
【0110】ところで、図15の各収差図において、実
線で示す波長405nmでの値、破線で示す波長403
nmでの値及び一点鎖線で示す波長407nmでの値
は、殆ど重なって判別することが困難となっている。こ
れは、上記数値実施例2における対物レンズ15におい
ては、色収差の発生が極めて少ないことを示すものであ
る。従って、上記数値実施例2においては、対物レンズ
15の色収差が効果的に補正されていることが判る。
【0111】図16は、対物レンズ15の数値実施例3
のレンズ構成を示すものであり、第1レンズL1をSB
SL7(株式会社オハラの商品名)によって形成し、第2
レンズL2を前出のLAH53によって形成したもので
ある。
【0112】即ち、数値実施例3における対物レンズ1
5は、屈折面S2rをベース面として樹脂層18を積層
し、該樹脂層18の表面に回折面S2dを形成して成る
複合面Sを有するガラス製の平凹レンズから成る第1
レンズL1によって構成される第1レンズ群GR1と、
パワーの大きい単玉の非球面ガラスモールドレンズの第
2レンズL2によって構成される第2レンズ群GR2を
有する。尚、第2レンズL2と像面(光ディスク100
の記録層)との間には、ポリカーボネート製の保護カバ
ー30が配設されている。
【0113】下記の表5に数値実施例3の各構成レンズ
の数値を示す。
【0114】
【表5】
【0115】表6に第2面である複合面S(回折面S
2d及び屈折面S2r)、第3面S 及び第4面S
円錐定数k及び4次乃至10次の非球面係数A乃至Dを
示す。
【0116】
【表6】
【0117】上記数値実施例3は、屈折面S2rに積層
された樹脂層18に回折面S2dを形成するようにした
ものである。これは、第1レンズL1の材質(SBSL
7)が金型成形によって複合面を形成することができな
い材質だからである。従って、第1レンズL1に金型成
形を行うことができない材質(硝材)を使用する場合で
あっても、金型の回折面形状が転写された樹脂層18を
積層することによって屈折・回折複合面を形設けること
が可能であるため、第1レンズL1に使用する材質の選
択範囲を大幅に広げることが可能になる。
【0118】図17に数値実施例3における対物レンズ
15の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す。回折基
準波長は405nm、設計次数はN=1であり、設計波
長は405nm(403nm乃至407nm)、開口数
は0.85である。
【0119】ところで、図17の各収差図において、実
線で示す波長405nmでの値、破線で示す波長403
nmでの値及び一点鎖線で示す波長407nmでの値
は、殆ど重なって判別することが困難となっている。こ
れは、上記数値実施例3における対物レンズ15におい
ては、色収差の発生が極めて少ないことを示すものであ
る。従って、上記数値実施例3においては、対物レンズ
15の色収差が効果的に補正されていることが判る。
【0120】図18は、対物レンズ15の数値実施例4
のレンズ構成を示すものであり、第1レンズL1を、適
宜な樹脂材料によって形成し、第2レンズL2を前出の
LAH53によって形成し、高次回折光を使用するよう
にしたものである。
【0121】即ち、数値実施例4における対物レンズ1
5は、第2面屈折面S2rをベース面として回折面S
2dを形成して成る複合面Sを有する樹脂製の平凹レ
ンズから成る第1レンズL1によって構成される第1レ
ンズ群GR1と、パワーの大きい単玉の非球面ガラスモ
ールドレンズの第2レンズL2によって構成される第2
レンズ群GR2を有する。尚、第2レンズL2と像面
(光ディスク100の記録層)との間には、ポリカーボ
ネート製の保護カバー30が配設されている。
【0122】下記の表7に数値実施例4の各構成レンズ
の数値を示す。
【0123】
【表7】
【0124】上記数値実施例4においても、第1レンズ
L1が樹脂製であるので、対物レンズ15を軽量化する
ことが可能になり、また、樹脂はガラスよりも材料費が
安価であると共に加工性が良好なので、対物レンズ15
を低コストで量産することが可能になる。
【0125】表8に第2面である複合面S(回折面S
2d及び屈折面S2r)、第3面S 及び第4面S
円錐定数k及び4次乃至10次の非球面係数A乃至Dを
示す。
【0126】
【表8】
【0127】図19に数値実施例4における対物レンズ
15の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す。回折基
準波長は405nm、設計次数はN=10であり、設計
波長は405nm(403nm乃至407nm)、開口
数は0.85である。
【0128】ところで、図19の各収差図において、実
線で示す波長405nmでの値、破線で示す波長403
nmでの値及び一点鎖線で示す波長407nmでの値
は、殆ど重なって判別することが困難となっている。こ
れは、上記数値実施例4における対物レンズ15におい
ては、色収差の発生が極めて少ないことを示すものであ
る。従って、上記数値実施例4においては、対物レンズ
15の色収差が効果的に補正されていることが判る。
【0129】上記数値実施例4のように、対物レンズ1
5を高次回折光を用いた設計に変更することによって、
回折面S2dの階段形状の高さ及び幅は、1次回折光で
設計する場合の次数倍となる。従って、レンズ周辺部の
階段形状の幅が他の部分と比較して細くなってしまう場
合、このような大きな次数を用いた設計は回折面S
の階段形状の加工性の観点から有効である。
【0130】図20は、対物レンズ15の数値実施例5
のレンズ構成を示すものであり、第1レンズL1を、適
宜な樹脂材料によって形成し、第2レンズL2を前出の
LAH53によって形成し、第1レンズ群GR1と第2
レンズ群GR2との間隔を1mm以上離すようにしたも
のである。
【0131】即ち、数値実施例5における対物レンズ1
5は、第2面屈折面S2rをベース面として回折面S
2dを形成して成る複合面Sを有する樹脂製の平凹レ
ンズから成る第1レンズL1によって構成される第1レ
ンズ群GR1と、パワーの大きい単玉の非球面ガラスモ
ールドレンズの第2レンズL2によって構成される第2
レンズ群GR2を有する。尚、第2レンズL2と像面
(光ディスク100の記録層)との間には、ポリカーボ
ネート製の保護カバー30が配設されている。
【0132】下記の表9に数値実施例5の各構成レンズ
の数値を示す。
【0133】
【表9】
【0134】上記数値実施例5は、第1レンズL1が樹
脂製であるので、対物レンズ15を軽量化することが可
能になり、また、樹脂はガラスよりも材料費が安価であ
ると共に加工性が良好なので、対物レンズ15を低コス
トで量産することが可能になる。
【0135】表10に第2面である複合面S(回折面
2d及び屈折面S2r)、第3面S及び第4面S
の円錐定数k及び4次乃至10次の非球面係数A乃至D
を示す。
【0136】
【表10】
【0137】図21に数値実施例5における対物レンズ
15の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す。回折基
準波長は405nm、設計次数はN=1であり、設計波
長は405nm(403nm乃至407nm)、開口数
は0.85である。
【0138】ところで、図21の各収差図において、実
線で示す波長405nmでの値、破線で示す波長403
nmでの値及び一点鎖線で示す波長407nmでの値
は、殆ど重なって判別することが困難となっている。こ
れは、上記数値実施例5における対物レンズ15におい
ては、色収差の発生が極めて少ないことを示すものであ
る。従って、上記数値実施例5においては、対物レンズ
15の色収差が効果的に補正されていることが判る。
【0139】ところで、対物レンズ15は光学ピックア
ップ12に組み付けられて実際に使用される場合には、
フォーカシングサーボ及びトラッキングサーボをかける
必要上、2軸アクチュエータによる駆動が行われるもの
である。そして、対物レンズ15にフォーカシングサー
ボ及びトラッキングサーボをかけた際には共振が発生す
ることがある。
【0140】上記数値実施例5における対物レンズ15
は、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2との間の間
隔である面間隔dを3.0mmに設定したものであ
る。これは、上記面間隔dを調節することによって、
第1レンズL1と第2レンズL2との合成レンズである
対物レンズ15の重心位置を適宜ずらせて、上記フォー
カシングサーボ及びトラッキングサーボをかける際の共
振を相殺するように設計することを可能にしたものであ
る。
【0141】以上に記載したように、対物レンズ15
は、第1レンズL1から成る第1レンズ群GR1と、非
球面単玉レンズである第2レンズL2から成る第2レン
ズ群GR2とを組み合わせた屈折・回折ハイブリッド型
2群レンズであって、第1レンズL1を非球面である屈
折面S2r上に位相回折面S2dが形成されて成る複合
面Sを有するようにし、回折面S2dが付加されてい
る屈折面(ベース面)S 2rを非球面の凹面とする設計
によって、レーザ発光素子16からのレーザ光の波長が
変化しても軸上色収差を略ゼロにすることが可能とな
り、必要な開口数を維持したまま、作動距離を大きく取
ることも可能となると共に、上記ベース面の曲率を小さ
く抑えることができるため、複合面Sを構成する位相
回折格子形状の加工が容易となる。
【0142】また、一般的に、情報の記録密度を高めた
光ディスクに対応した光学ピックアップに用いられる対
物レンズにおいては色収差を0.05μm/nm以下に
することが要求されているが、前述した従来の1枚構成
の対物レンズa(図22及び図23)ではレーザ光の±
2nmの波長の変動に対し±0.6μm/nm程度の色
収差が発生するのに対し、本発明対物レンズ15は、従
来と同様の±2nm波長の変動に対し色収差が0.01
μm/nm程度に収めることができるため、光学ピック
アップ及びディスクドライブ装置において、情報の記録
及び再生を安定して行うことが可能になると共に、回折
限界までレーザ光のスポット径を絞り込むことができる
ので、トラックピッチを狭くすることによって情報の記
録密度を高めた規格の光ディスクに対応した十分な性能
を持つことが可能となる。
【0143】更に、今後の光ディスクの主流となる書き
込み可能な光ディスクに対応したレーザパワーの大き
な、即ち、レーザパワーを変動させてレーザノイズを低
減する手段を備えた光学ピックアップに本発明対物レン
ズ15を採用することにより、高密度記録情報の再生性
能及び記録性能を向上させることも可能になる。
【0144】更にまた、対物レンズ15を採用した光学
ピックアップ12を用いることによって、高密度記録情
報の再生性能及び記録性能が向上したディスクドライブ
装置を提供することが可能になる。
【0145】尚、前記実施の形態において示した各部の
具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際
して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、こ
れらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈される
ことがあってはならないものである。
【0146】
【発明の効果】以上に説明したように本発明光学ピック
アップ用対物レンズは、0.8以上の開口数を有し、4
20nm以下を基準とする数nm以内の波長範囲の光に
対して光軸上の像点における色収差の補正を行うように
した光学ピックアップ用対物レンズであって、光源側よ
り順に、屈折面と回折面との複合面を有する第1レンズ
群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とによって構成
し、第1レンズ群の複合面を負の屈折力を有する非球面
である屈折面上に正の屈折力を有する回折面を付加する
ことによって構成し、第2レンズ群を構成するレンズを
少なくとも1の非球面を含む単レンズとしたことを特徴
とする。
【0147】従って、本発明光学ピックアップ用対物レ
ンズは、420nm以下を基準とする数nm以内の波長
範囲に対して色収差を効果的に補正することによって、
回折限界までレーザ光のスポット径を絞り込むことが可
能になるので、トラックピッチを狭くすることによって
情報の記録密度を高めた規格の光ディスクに対応するこ
とができる。
【0148】請求項2に記載した発明にあっては、第1
レンズ群の回折面の非球面係数と回折面が付加される負
の屈折力を有する非球面の非球面係数とが同一次数で相
殺されるようにしたので、回折面を断面形状で、回折面
の成型時に加工不能部分等の回折効率の低下要因及び引
き目等の透過率の低下要因を排除することが可能にな
る、階段形状に形成することができる。
【0149】請求項3に記載した発明にあっては、第1
レンズ群の回折面の断面形状を、設計波長の整数倍の位
相差を与える段差を有する階段形状としたので、回折面
の成型時に加工不能部分等の回折効率の低下要因及び引
き目等の透過率の低下要因を排除することができる。
【0150】請求項4に記載した発明にあっては、レン
ズ最終面から像点までの作動距離を0.5mm以上とし
たので、対物レンズが光ディスクに干渉する等の問題を
回避することができると共に、光ディスクの記録層にお
いて光を回折限界近くまで集光させることができる。
【0151】請求項5に記載した発明にあっては、第1
レンズ群及び第2レンズ群を構成する各レンズを共通の
レンズ鏡筒内に配置したので、光学ピックアップを組み
立てる際の作業性を向上させることができる。
【0152】請求項6に記載した発明にあっては、第1
レンズ群は、最も光源側の面を平面とすると共に、設計
波長に対する屈折力をゼロにしたので、第1レンズ群
を、色収差を補正するためだけに使用し、第2レンズ群
を、レーザ光を集光させるだけに使用することが可能に
なって、各レンズ群の設計が容易になる。
【0153】請求項7に記載した発明にあっては、第1
レンズ群を構成するレンズを樹脂製としたので、対物レ
ンズ全体の軽量化を図ることができると共に、樹脂はガ
ラスよりも材料費が安価であると共に加工性が良好なの
で、対物レンズを低コストで製造することができる。
【0154】請求項8に記載した発明にあっては、第2
レンズ群と像面との間に0.3mm以下の厚みを有する
保護カバーを配置すると共に、保護カバーに起因する球
面収差を補正するようにしたので、保護カバーから発生
する球面収差による影響を排除することができる。
【0155】また、本発明光学ピックアップは、レーザ
光を出射するレーザ発光素子と、レーザ光を光記録媒体
の記録層に集光させる対物レンズと、レーザ光を受光す
る受光素子と、レーザ発光素子から出射されたレーザ光
を対物レンズに入射させると共に光記録媒体の記録層で
反射され対物レンズを透過したレーザ光を受光素子に入
射させる光学素子とを有し、上記対物レンズが、光源側
より順に、屈折面と回折面との複合面を有する第1レン
ズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とによって構
成し、0.8以上の開口数を有すると共に、420nm
以下を基準とする数nm以内の波長範囲の光に対して光
軸上の像点における色収差の補正を行うようにし、第1
レンズ群の複合面を負の屈折力を有する非球面である屈
折面上に正の屈折力を有する回折面を付加することによ
って構成し、第2レンズ群を構成するレンズを少なくと
も1の非球面を含む単レンズとしたことを特徴とする。
【0156】従って、本発明光学ピックアップは、42
0nm以下を基準とする数nm以内の波長範囲に対して
色収差を効果的に補正することによって、回折限界まで
レーザ光のスポット径を絞り込むことが可能になるの
で、トラックピッチを狭くすることによって情報の記録
密度を高めた規格の光ディスクに対応することができ
る。
【0157】本発明ディスクドライブ装置は、回転する
ディスク状光記録媒体に対し、該ディスク状光記録媒体
の半径方向に移動自在とされた光学ピックアップによっ
て情報の記録及び再生を行うものであって、光学ピック
アップが、420nm以下の波長のレーザ光を出射する
レーザ発光素子と、レーザ光をディスク状光記録媒体の
記録層に集光させる対物レンズと、レーザ光を受光する
受光素子と、レーザ発光素子から出射されたレーザ光を
対物レンズに入射させると共にディスク状光記録媒体の
記録層で反射され対物レンズを透過したレーザ光を受光
素子に入射させる光学素子とを有し、対物レンズを、光
源側より順に、屈折面と回折面との複合面を有する第1
レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群とによって
構成し、0.8以上の開口数を有すると共に、420n
m以下を基準とする数nm以内の波長範囲の光に対して
光軸上の像点における色収差の補正を行うようにし、第
1レンズ群の複合面を負の屈折力を有する非球面である
屈折面上に正の屈折力を有する回折面を付加することに
よって構成し、第2レンズ群を構成するレンズを少なく
とも1の非球面を含む単レンズとしたことを特徴とす
る。
【0158】従って、本発明ディスクドライブ装置は、
420nm以下を基準とする数nm以内の波長範囲に対
して色収差を効果的に補正することによって、回折限界
までレーザ光のスポット径を絞り込むことが可能になる
ので、トラックピッチを狭くすることによって情報の記
録密度を高めた規格の光ディスクに対応することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2及び図3と共に、本発明光学ピックアップ
用対物レンズ、光学ピックアップ及びディスクドライブ
装置の実施の形態を示すものであり、本図は、ディスク
ドライブ装置の外観を概略的に示す斜視図である。
【図2】ディスクドライブ装置の内部構成を概略的に示
す分解斜視図である。
【図3】光学ピックアップの構成を概略的に示す説明図
である。
【図4】図5乃至図11と共に本発明光学ピックアップ
用対物レンズの回折面の形状を説明するための図であ
り、本図は回折面及び屈折面におけるそれぞれのレンズ
の半径方向とサグ量との関係を示す図である。
【図5】回折面と屈折面とを組み合わせた複合面におけ
るレンズの半径方向とサグ量との関係を示す図である。
【図6】ダイヤモンドバイトを使用した転写金型の機械
切削加工によるブレーズ型回折面の作成を説明する概略
斜視図である。
【図7】ダイヤモンドバイトを使用した転写金型の機械
切削加工による階段型回折面の作成を説明するための概
略斜視図である。
【図8】ダイヤモンドバイトを使用した転写金型の機械
切削加工によるブレーズ型回折面の作成時における削り
残し部分の幅と回折効率との関係を示す図である。
【図9】ダイヤモンドバイトの先端部分の幅が無視でき
ない時のブレーズ型回折面の形状を示す概略縦断面図で
ある。
【図10】ダイヤモンドバイトを使用した転写金型の機
械切削加工によるブレーズ型回折面の作成時における引
き目の高さと透過率との関係を示す図である。
【図11】ダイヤモンドバイトを使用した転写金型の機
械切削加工によるブレーズ型回折面の作成時における引
き目の形状を示す概略縦断面図である。
【図12】本発明光学ピックアップ用対物レンズの数値
実施例1のレンズ構成を示す図である。
【図13】本発明光学ピックアップ用対物レンズの数値
実施例1の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図で
ある。
【図14】本発明光学ピックアップ用対物レンズの数値
実施例2のレンズ構成を示す図である。
【図15】本発明光学ピックアップ用対物レンズの数値
実施例2の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図で
ある。
【図16】本発明光学ピックアップ用対物レンズの数値
実施例3のレンズ構成を示す図である。
【図17】本発明光学ピックアップ用対物レンズの数値
実施例3の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図で
ある。
【図18】本発明光学ピックアップ用対物レンズの数値
実施例4のレンズ構成を示す図である。
【図19】本発明光学ピックアップ用対物レンズの数値
実施例4の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図で
ある。
【図20】本発明光学ピックアップ用対物レンズの数値
実施例5のレンズ構成を示す図である。
【図21】本発明光学ピックアップ用対物レンズの数値
実施例5の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図で
ある。
【図22】従来の光学ピックアップ用対物レンズの一例
のレンズ構成を示す図である。
【図23】従来の光学ピックアップ用対物レンズの一例
の球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。
【符号の説明】
1…ディスクドライブ装置、12…光学ピックアップ、
15…光学ピックアップ用対物レンズ、16…レーザ発
光素子、19…レンズ鏡筒、30…保護カバー、GR1
…第1レンズ群、GR2…第2レンズ群、S…複合
面、S2r…屈折面、S2d…回折面、100…ディス
ク状光記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA13 LA01 NA14 PA02 PA17 PB02 QA01 QA06 QA18 QA21 QA34 QA42 RA05 RA12 RA42 RA46 UA01 5D119 AA01 AA22 AA40 BA01 EC03 JA43 JB02 5D789 AA01 AA22 AA40 BA01 CA21 CA22 CA23 EC03 JA43 JB02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.8以上の開口数を有し、420nm
    以下を基準とする数nm以内の波長範囲の光に対して光
    軸上の像点における色収差の補正を行うようにされた光
    学ピックアップ用対物レンズであって、 光源側より順に、屈折面と回折面との複合面を有する第
    1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とによ
    って構成され、 上記第1レンズ群の複合面は、負の屈折力を有する非球
    面である屈折面上に正の屈折力を有する回折面を付加す
    ることによって構成され、 上記第2レンズ群を構成するレンズは、少なくとも1の
    非球面を含む単レンズとされたことを特徴とする光学ピ
    ックアップ用対物レンズ。
  2. 【請求項2】 第1レンズ群の回折面の非球面係数と回
    折面が付加される負の屈折力を有する非球面の非球面係
    数とが、同一次数で相殺されるようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載の光学ピックアップ用対物レンズ。
  3. 【請求項3】 第1レンズ群の回折面の断面形状が、設
    計波長の整数倍の位相差を与える段差を有する階段形状
    とされていることを特徴とする請求項1に記載の光学ピ
    ックアップ用対物レンズ。
  4. 【請求項4】 レンズ最終面から像点までの作動距離が
    0.5mm以上であることを特徴とする請求項1に記載
    の光学ピックアップ用対物レンズ。
  5. 【請求項5】 第1レンズ群及び第2レンズ群を構成す
    る各レンズが共通のレンズ鏡筒内に配置されていること
    を特徴とする請求項1に記載の光学ピックアップ用対物
    レンズ。
  6. 【請求項6】 第1レンズ群は、最も光源側の面が平面
    とされていると共に、設計波長に対する屈折力がゼロに
    されていることを特徴とする請求項1に記載の光学ピッ
    クアップ用対物レンズ。
  7. 【請求項7】 第1レンズ群を構成するレンズが樹脂製
    とされていることを特徴とする請求項1に記載の光学ピ
    ックアップ用対物レンズ。
  8. 【請求項8】 第2レンズ群と像面との間に0.3mm
    以下の厚みを有する保護カバーが配置されると共に、 上記保護カバーに起因する球面収差を補正するようにさ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の光学ピック
    アップ用対物レンズ。
  9. 【請求項9】 レーザ光を出射するレーザ発光素子と、
    レーザ光を光記録媒体の記録層に集光させる対物レンズ
    と、レーザ光を受光する受光素子と、上記レーザ発光素
    子から出射されたレーザ光を対物レンズに入射させると
    共に光記録媒体の記録層で反射され上記対物レンズを透
    過したレーザ光を受光素子に入射させる光学素子とを有
    する光学ピックアップであって、 上記対物レンズは、光源側より順に、屈折面と回折面と
    の複合面を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する
    第2レンズ群とによって構成され、0.8以上の開口数
    を有するようにされると共に、420nm以下を基準と
    する数nm以内の波長範囲の光に対して光軸上の像点に
    おける色収差の補正を行うようにされ、上記第1レンズ
    群の複合面は、負の屈折力を有する非球面である屈折面
    上に正の屈折力を有する回折面を付加することによって
    構成され、 上記第2レンズ群を構成するレンズは、少なくとも1の
    非球面を含む単レンズとされていることを特徴とする光
    学ピックアップ。
  10. 【請求項10】 回転するディスク状光記録媒体に対
    し、該ディスク状光記録媒体の半径方向に移動自在とさ
    れた光学ピックアップによって情報の記録及び再生を行
    うディスクドライブ装置であって、 上記光学ピックアップは、420nm以下の波長のレー
    ザ光を出射するレーザ発光素子と、レーザ光をディスク
    状光記録媒体の記録層に集光させる対物レンズと、レー
    ザ光を受光する受光素子と、上記レーザ発光素子から出
    射されたレーザ光を対物レンズに入射させると共にディ
    スク状光記録媒体の記録層で反射され上記対物レンズを
    透過したレーザ光を受光素子に入射させる光学素子とを
    有し、 上記対物レンズは、光源側より順に、屈折面と回折面と
    の複合面を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する
    第2レンズ群とによって構成され、0.8以上の開口数
    を有するようにされると共に、420nm以下を基準と
    する数nm以内の波長範囲の光に対して光軸上の像点に
    おける色収差の補正を行うようにされ、 上記第1レンズ群の複合面は、負の屈折力を有する非球
    面である屈折面上に正の屈折力を有する回折面を付加す
    ることによって構成され、 上記第2レンズ群を構成するレンズは、少なくとも1の
    非球面を含む単レンズとされていることを特徴とするデ
    ィスクドライブ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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