JP2003222435A - 再生器およびこれを用いた吸収ヒートポンプ並びに再生器の解結晶運転方法 - Google Patents

再生器およびこれを用いた吸収ヒートポンプ並びに再生器の解結晶運転方法

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JP2003222435A
JP2003222435A JP2002026031A JP2002026031A JP2003222435A JP 2003222435 A JP2003222435 A JP 2003222435A JP 2002026031 A JP2002026031 A JP 2002026031A JP 2002026031 A JP2002026031 A JP 2002026031A JP 2003222435 A JP2003222435 A JP 2003222435A
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heat transfer
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liquid
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Hikari Yamashiro
光 山城
Nobuo Takada
信夫 高田
Kiyoto Shimabukuro
清人 島袋
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Kyushu TLO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷変動に対するフレキシブルな運転制御を
可能とするとともに、拡大蒸気泡の崩壊に伴う圧力変動
の抑制、溶質の析出・結晶化の防止、および結晶化を生
じた場合のメンテナンスの低減を図ることが可能な再生
器およびこれを用いた吸収ヒートポンプ並びに再生器の
解結晶運転方法の提供。 【解決手段】 再生器2は、排熱を再生器2内に導いて
溶液6bを加熱するための伝熱管21と、底面に再生器
2内の溶液6bに超音波を照射するための超音波照射装
置7とを備えることにより、伝熱管21を介した熱交換
によって溶液6b中に発生する沸騰蒸気泡が、超音波照
射装置7から溶液6b中に照射された超音波によって微
細気泡化されるため、発生蒸気泡が拡大成長して崩壊す
ることがなく、蒸気泡の崩壊に伴う騒音と急激な圧力変
動を防止することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体に熱源からの
熱を伝達する再生器、特に吸収ヒートポンプに好適な再
生器並びに再生器の解結晶運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】次世代の分散型エネルギー供給電源とし
て、出力28〜300kWのマイクロガスタービンや燃
料電池が注目されている。しかし、分散型電源では、規
模が小さくなるほど大型の発電設備と比較してエネルギ
ー効率が大幅に低くなるため、排熱を有効に活用できる
排熱回収装置や管理・制御装置を組み合わせた複合化シ
ステムを構築することで、汎用性のある理想的な分散型
エネルギーシステムが実現できる。分散型電源の廃熱回
収装置として、例えば、図9に示す吸収ヒートポンプが
用いられる。
【0003】図9に示す吸収ヒートポンプは、吸収器
1、再生器2、蒸発器3、凝縮器4の四つの構成要素か
らなり、各構成要素における熱交換量とポンプ動力によ
り一連のサイクルが構成されている。吸収器1内で冷却
されて冷媒(気体)5aを吸収した希溶液6aは、吸収
器1からポンプによって再生器2へ送られる。そして、
再生器2で排熱を用いて加熱することにより、溶液6b
から冷媒蒸気が分離されて濃度調整が行われる。分離さ
れた冷媒(気体)5bは、凝縮器4で冷却水等により凝
縮され、冷媒(液体)5cの状態で蒸発器3へ送られ
る。蒸発器3では、冷媒5cが冷媒(気体)5aに気化
するときの吸熱作用で冷熱を得る。
【0004】このような吸収ヒートポンプは、電気入力
を必要としない熱駆動型のシステムであることが最大の
魅力とされている。一方で、このことは、各要素機器の
熱と圧力のバランスにより作動条件が決まるため、熱投
入量に対して敏感に反応し、フレキシブルな制御が難し
いことを意味している。したがって、電源の負荷に応じ
て温度と流量が変動する廃熱を利用してシステムを所望
の状態で運転制御することは非常に困難であることが予
想される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば、再生器2で
は、図10に示すように、排熱が送り込まれる伝熱管2
1の周りから蒸気泡Bが発生する。吸収ヒートポンプで
は再生器2が低圧で運転されるため、発生した蒸気泡B
は徐々に拡大していく。そして、拡大した蒸気泡B’は
その後崩壊するが、このときに大きな沸騰音を伴い再生
器2内で急激な圧力変動が生じる。すなわち、従来の再
生器2では、拡大した蒸気泡B’の崩壊によって熱と圧
力のバランスが崩れ、系内に圧力変動が生じ、システム
を定常状態に保ったまま運転することが困難となる。こ
のことが高温の排熱を積極的に利用できない一因ともな
っている。
【0006】吸収ヒートポンプで排熱を利用する場合、
系圧力が大気圧よりも低い1.2〜97kPaの領域で
利用されるのが一般的である。図11は図9の再生器2
の沸騰伝熱特性に及ぼす圧力の影響をシミュレーション
予測した結果を示している。図11に示すように、大気
圧(101kPa)よりも低い領域では、系内の圧力が
低くなるほど熱伝達特性が低下している。したがって、
排熱を高効率に利用し、システムをフレキシブルに運転
制御するためには、何らかの伝熱促進制御技術を適用す
ることが望まれる。
【0007】また、従来の再生器2では、伝熱管21に
送り込まれた高温の排熱によって溶液6bが加熱された
際、図12に示すように、この溶液6bに含まれる溶質
6dが析出し、結晶化してしまうことが問題となる。特
に、伝熱管21の周りや濃度調整された溶液6bを吸収
器1へ導く溶液出口22の周りには、この析出した溶質
6dが付着してしまい、伝熱管21の性能低下や溶液出
口22付近での流動抵抗の増加および吸収液としての溶
液6bの劣化を引き起こし、所望の運転条件(性能)が
得られなくなる。したがって、蒸発器3での需要負荷と
再生器2への熱供給量のバランスが崩れるような過度の
熱投入には十分な配慮が必要となり、このことが上記と
同様、排熱を積極的に利用できない一因となっている。
【0008】このような結晶化を防止するため、従来機
器においては、蒸発器3の液位を一定に保ち、モニタリ
ングするためのドレインや配管構造を設ける等の工夫が
なされているが、結晶化はどうしても起こり得る。もし
も結晶化が生じた場合には、溶液を希釈しながら結晶化
した溶質を再溶解させる希釈解晶運転を長時間行う必要
がある。また、場合によっては伝熱管21の交換、溶液
6bの交換・注入といった対処法がとられるが、その間
システムを長時間停止させることになる。
【0009】そこで、本発明では、再生器内に投入され
る排熱を積極的かつ高効率に利用できる伝熱促進制御法
を適用し、負荷変動に対するフレキシブルな運転制御を
可能とするとともに、拡大蒸気泡の崩壊に伴う再生器内
の圧力変動の抑制、溶質の析出・結晶化の防止、および
結晶化を生じた場合のメンテナンスの低減を図ることが
可能な再生器およびこれを用いた吸収ヒートポンプ並び
に再生器の解結晶運転方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の再生器は、液体
に熱源からの熱を伝達する熱伝達手段と、液体に超音波
を照射する超音波照射手段とを備えたものである。本発
明によれば、熱源と溶液の熱交換によって液体中に発生
する沸騰蒸気泡が、液中に照射された超音波によって微
細気泡(マイクロバブル)化されるため、従来のように
発生蒸気泡が拡大成長して崩壊することがなく、蒸気泡
の崩壊に伴う騒音と急激な圧力変動を防止することが可
能となる。
【0011】また、伝熱管の熱抵抗として作用する蒸気
泡が超音波によって微細化されることで、伝熱管と溶液
との接触(固液接触)が促進され、伝熱管から溶液へ伝
わる熱量が大きくなるため、投入される排熱を限定され
た空間(再生器)内で低温レベルまで高効率に利用する
ことが可能となる。
【0012】また、照射された超音波によって液中に形
成される音圧分布や、音響流および微細気泡の崩壊に伴
う圧力波(衝撃波)が、液体の攪拌効果を促進させ、液
中の温度分布と濃度分布が一様化されるため、溶質が析
出して結晶化するのを防止することができる。
【0013】さらに、溶質が析出して結晶化した場合で
あっても、この溶質を含む溶液に対して超音波を照射す
ることで、析出物の除去および溶質を溶液中に再溶解さ
せる、いわゆる解結晶運転を行うことができ、解結晶運
転作業の短縮や、再生器の運転を停止することなく溶質
を溶液中に再溶解させることができる。
【0014】ここで、超音波の効果を有効に利用するた
めには、伝熱管を超音波の照射面に対して平行にして、
超音波照射面に投影される伝熱管の面積が広くなる配置
にするのが望ましい。また、下段から発生する蒸気泡が
上段の伝熱管の熱伝達を阻害することなく、発生した蒸
気泡が速やかに液面に到達できるように配列することが
重要である。なお、寸法が長い伝熱管に対しては管の長
手方向に振動子の数を増やすことも有効である。
【0015】また、この伝熱管は、超音波の照射により
生じる定在波音圧分布の腹部に配置したものとするのが
望ましい。定在波音圧分布の腹部すなわち音圧振動の振
幅が最も大きくなる個所で発生蒸気泡は最も微細化され
るため、伝熱管の加熱面と液体の接触(固液接触)が促
進されて、高い熱伝達量が得られるようになるからであ
る。
【0016】本発明の再生器では、液体の液面にメッシ
ュ板を配置したものとするのが望ましい。液中の定在波
は振動面からの照射波と液面からの反射波が干渉し合っ
て形成される。したがって、反射面となる液面にメッシ
ュ板を配置して“液面の揺れ”を防ぐことで、液面が安
定した反射面として作用するようになり、超音波の減衰
が少なく安定した定在波を再生器内に形成させることが
できる。
【0017】また、このようなメッシュ板は、超音波の
照射により生じる音圧分布の節部に配置してもよい。超
音波の照射により生じる音圧分布の節部の位置を固定
し、液体の揺れをメッシュ板により抑えることで、再生
器内に安定した定在波を形成させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態におけ
る吸収ヒートポンプの概略構成図、図2は図1の再生器
の詳細図である。
【0019】本発明の実施の形態における吸収ヒートポ
ンプは、図1に示すように、吸収器1、再生器2、蒸発
器3および凝縮器4を備える。吸収器1は、蒸発器3に
よって気化した冷媒5aを濃溶液6cを用いて吸収させ
るものである。濃溶液6cは、例えば、溶質としてのL
iBr(リチウムブロマイド)を液体としての水に溶解
した水溶液を用いる。
【0020】再生器2は、吸収器1によって冷媒5aを
吸収した希溶液6aを熱源としての排ガス、過熱蒸気や
温水等の排熱からの熱を使って加熱し、希溶液6aに含
まれる冷媒5bを蒸発分離させて、濃度調整(溶液再
生)するものである。
【0021】凝縮器4は、外部から供給される冷却水を
使って再生器2で分離された冷媒5bから熱を奪い、液
化(凝縮)させるものである。蒸発器3は、凝縮器4に
よって凝縮された冷媒5cが冷媒5aに気化するときの
吸熱作用により冷熱を得るものである。
【0022】また、本実施形態における再生器2は、排
熱を再生器2内に導いて溶液6bを加熱するための伝熱
管21と、溶液6bの液面に配置したメッシュ板23と
を備えるとともに、底面に再生器2内の溶液6bに超音
波を照射するための超音波照射装置7を備えている。メ
ッシュ板23は、厚さ1mm程度のステンレス綱製であ
って、口径2〜3mmの孔が数ミリ間隔で穿孔されたも
の、あるいはそれに相当する金網などを用いる。
【0023】超音波照射装置7は、図2に示すように、
周波数10〜100kHzの超音波を発振する発振機1
1、発振機11により発振した高周波電力出力によって
振動する振動子12、振動子12の超音波振動を再生器
2内に照射する振動板13、および、振動子12を振動
板13とともに再生器2の底面に固定するための振動子
ケース14を備える。
【0024】図3は伝熱管21周りの詳細を示す説明図
であって、同図(a)は音圧分布を示す図、同図(b)
は同図(a)の音圧分布に対する伝熱管21の配置を示
す図、同図(c)は同図(b)の右側面図である。
【0025】超音波照射装置7によって再生器2の底面
から溶液6b中に超音波を照射すると、伝熱管21周り
から発生する蒸気泡Mがこの超音波の作用によって微細
化されるとともに、再生器2内の溶液6bには図3
(a)に示すような定在波音圧分布が形成される。そし
て、音圧の高い所から低い所への流れが発生し、図3
(b)に示すような音響流Sが引き起こされる。さら
に、微細化された蒸気泡Mが崩壊する際に発生する圧力
波が、液中を伝播(キャビテーション効果)して伝熱管
21周りの蒸気泡Mに衝突すると、この蒸気泡Mがさら
に微細化され、攪拌効果がさらに助長される。
【0026】そこで、本実施形態における再生器2で
は、図3(b)および(c)に示すように、すべての伝
熱管21を、振動板13によって超音波が照射される再
生器2の内底面(超音波振動面)24に対して平行とな
るように配置するとともに、定在波音圧分布の腹部とな
る位置に設置し、下段の伝熱管21の間に上段の伝熱管
21がくるような配列、例えば千鳥配列とする。これに
より、下段から発生する蒸気泡Mが上段の伝熱管21の
熱伝達を妨げることなく、発生・微細化された蒸気泡M
が速やかに液面に到達できるようになる。
【0027】上記構成の吸収ヒートポンプでは、吸収器
1において冷媒5aを吸収し、吸収器1から再生器2へ
送られた希溶液6a(溶液6b)が、伝熱管21内に導
入された排熱によって加熱されることにより、溶液6b
に含まれる冷媒5bが蒸気化して分離される。このと
き、伝熱管21の表面から発生する沸騰蒸気泡Mは、溶
液6b中に照射される超音波の効果により微細化され
る。
【0028】すなわち、伝熱管21の表面から発生する
沸騰蒸気泡Mは、拡大成長する前に微細化されるため、
高温の熱を大量に伝熱管21を通して再生器2内に投入
しても拡大気泡の崩壊による急激な圧力変動が生じな
い。したがって、負荷変動に対する再生器2の圧力変動
が小さくなり、定常な状態に保ったまま吸収ヒートポン
プの運転を継続できる。
【0029】また、再生器2では、溶液6bから冷媒5
bが分離されることによって溶質の濃度が高い溶液6c
となるが、再生器2内に照射された超音波によって溶液
6b中に形成される音圧分布や、音響流および微細気泡
の崩壊に伴う圧力波(衝撃波)が、溶液6bの攪拌効果
を促進させ、溶液6b中の温度分布および濃度分布を一
様化するため、溶液6b中に含まれる溶質が析出して結
晶化するのを未然に防止する。仮に、この伝熱管21周
りや溶液出口22付近に溶質が付着しても、再生器2内
は常に洗浄されているのと同じであるため、溶質の付着
は一時的なものでしかなく、吸収ヒートポンプを停止さ
せずに付着物の除去および解結晶を行うことが可能であ
る。
【0030】さらに、本実施形態における再生器2で
は、超音波照射装置7により照射された超音波の伝播に
よる溶液6bの液面の揺れが、溶液6bの液面に配置し
たメッシュ板23により抑止される。溶液6b中の定在
波は超音波振動面24からの照射波と液面からの反射波
が干渉し合って形成されるが、この液面にメッシュ板2
3を配置することにより液面の揺れを防ぐものである。
これにより、液面が安定した反射面として作用し、超音
波の減衰が少なく安定した定在波を再生器2内に発生さ
せることができる。つまり、メッシュ板を配置するだけ
の簡単な方法で、超音波の作用を効率よく引き出すこと
が可能となる。
【0031】なお、メッシュ板23は、超音波の照射に
より生じる音圧分布の節部に配置することも可能であ
る。この場合、最上段の伝熱管21よりも上方に配置す
るのが望ましい。このような配置であっても、超音波の
照射により生じる音圧分布の節部の溶液6bの揺れをメ
ッシュ板23により抑え、固定した反射面を設けること
で、再生器2内に安定した定在波を形成させることがで
きる。
【0032】
【実施例】上記本発明の実施の形態における再生器2を
モデル化して実験を行った。図4は再生器2の模擬実験
装置の概略構成図である。
【0033】図4に示す模擬実験装置では、伝熱管21
を模擬した加熱体(白金線)32を液槽31内に水平に
配置している。加熱体32の両端の鉛直部はセラミック
ス製の管39a,39bで断熱するとともに、電極33
a,33bを介して定電圧電源34および抵抗器37と
直列に接続している。加熱体32は、定電圧電源34か
らの供給電力Q(単位:W)によって直接通電加熱す
る。加熱体32の中央部に設けた電圧タップ35a,3
5b間の電圧降下量および抵抗器37を流れる電流は、
電圧計36を用いて測定する。
【0034】液槽31には、内部の様子を観察できるよ
うに覗き窓38を設けている。また、液槽31の底面に
は、本実施形態における超音波照射装置7を備え、液槽
31内には、液面に接するようにメッシュ板23を設置
している。なお、液層31内の溶液として、LiBr
(リチウムブロマイド)水溶液を用いている。
【0035】上記構成の模擬実験装置において、定電圧
電源34から加熱体32に電力Qを供給し、そのときの
電圧タップ35a,35b間の電圧降下量Eおよび印加
電流Iを電圧計36および抵抗器37を用いて測定し
た。なお、加熱体32の抵抗値RはR=E/Iで表され
る。加熱体32の温度Tは、抵抗値Rと予め検定で求
めておいた加熱体32の温度Tとの関係T=f
(R)を用いて求める。
【0036】図5は、加熱体32から液層31内の溶液
に伝わる単位面積当たりの熱量(熱流束)qと加熱面
温度Tとの関係を、超音波入力Pをパラメータにして
示した図であり、超音波入力が沸騰熱伝達に及ぼす影響
を示している。横軸は、過熱度ΔTであり、加熱体3
2の温度Tと溶液の温度Tの差で表している。ま
た、縦軸の熱流束qは、定電圧電源34からの供給電
力Qを加熱体32の表面積Aで除して求めた値である。
【0037】図5に示すように、熱流束qは加熱面温
度Tが大きくなるにつれて高くなっている。また、熱
流束qは超音波入力Pが大きいほど高い。例えば、Δ
=40℃の場合、超音波を入力していないP=0W
での熱流束qが約25W/cmであるのに対して、
P=16Wではq=75W/cm程度、P=40W
ではq=160W/cm程度である。すなわち、超
音波の照射によって加熱体32周りの蒸気泡Mが微細化
されて熱伝達が促進されるため、同一温度の加熱面から
高い熱量を液体に伝えることが可能となることが確認で
きた。また、伝熱量は超音波入力Pを変えることによっ
て任意に制御可能であることが確認できた。
【0038】また、図5は熱流束qを一定として解釈
することもできる。例えば、q=150W/cm
熱量が再生器内で必要な場合を想定すると、超音波を入
力しないP=0Wの場合には過熱度ΔT=67℃程度
の温度差(図2の再生器では、伝熱管21と溶液6bの
温度差)が必要であるのに対して、P=16WではΔT
=50℃程度、P=40WではΔT=32℃程度の
温度差しか必要としない。
【0039】つまり、再生器内である一定の熱量を必要
とする状況が生じた場合、伝熱管21を通る加熱媒体の
熱源の温度が低くても、超音波の入力によって必要な熱
量を取り出すことが可能であることが確認できた。した
がって、排熱と超音波を併用することで、伝熱量を任意
に制御できるとともに排熱の高効率利用が可能になると
考えられる。
【0040】図6は、超音波振動子の単位面積当たりの
入力電力pと伝熱促進率q/q との関係を、加熱
面温度Tをパラメータとして示した図である。ここ
で、q は超音波を照射した場合の熱流束を、qw0
超音波を照射しない場合の熱流束をそれぞれ示してい
る。
【0041】図6に示すように、入力電力pの増加に伴
って伝熱促進率q/qw0は増加している。また、伝
熱促進率q/qw0は、本実験範囲では加熱面温度T
が高いほど大きい。したがって、超音波の効果は、加
熱面温度Tが高く,沸騰蒸気泡の発生量が多い場合に
顕著であり、蒸気泡の微細化に寄与していると考えられ
る。
【0042】図7は、液槽31内の音圧分布の測定結果
であり、液面にメッシュ板23を設置した場合と設置し
ない場合について比較した図である。図7に示すよう
に、液槽31内には、音圧の腹と節が交互に現れる定在
波が形成されている。
【0043】メッシュ板23を設けていない場合、振動
面(L=0)および液面(L=150)近くの音圧振幅
が、液槽31中央部のそれよりも小さくなっている。そ
の原因として、超音波照射により液中に発生する音響流
が、反射面として作用する液面を揺らし、十分な反射が
得られずに減衰したと考えられる。一方、液面にメッシ
ュ板23を設置した場合、液面および照射面近くでも液
槽31中央部とほぼ同じ音圧振幅を示しており、液槽3
1内に安定した一様な定在波が形成されている。すなわ
ち、メッシュ板23を設けることによって液槽31内に
安定な定在波音圧を形成させ、超音波の効果を有効に引
き出すことができた。
【0044】図8は、定在波音圧の腹部および節部にお
ける熱伝達特性を比較した図である。なお、腹部の音圧
は約80kPa、節部の音圧は約30kPaであった。
図8に示すように、加熱体32を定在波音圧波形の腹部
に設置した場合、節部に設置した場合よりも高い熱伝達
量が得られている。すなわち、音圧は蒸気泡の微細化お
よび熱伝達の促進効果に寄与する重要なパラメータの一
つであり、液中に形成される定在波波形の腹部に加熱体
32を設置することによって、超音波の効果を最も効率
良く利用することができることが確認できた。
【0045】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏すること
ができる。
【0046】(1)液体に熱源からの熱を伝達する熱伝
達手段と、液体に超音波を照射する超音波照射手段とを
備えたことにより、熱伝達手段周りから発生する冷媒の
気泡が攪拌され、微細気泡化し、さらに微細気泡の状態
を保ったまま溶液から分離されるため、気泡の崩壊によ
る急激な圧力変動が防止され、熱源の変化に応じて再生
器ひいてはこれを用いた吸収ヒートポンプ等の熱交換サ
イクルを運転制御することが容易となる。また、再生器
内に投入される排熱を積極的かつ高効率に利用できるよ
うになるため、機器の小型化にも貢献できる。
【0047】(2)また、照射された超音波によって液
中に形成される音圧分布や、音響流および微細気泡の崩
壊に伴う圧力波が、液中の攪拌効果を助長させるため、
再生器内の温度分布および濃度分布が一様化され、溶質
の局所的な析出を防止することができる。
【0048】(3)さらに、再生器内で結晶化が生じた
場合に行われる溶質の解結晶運転時に超音波を併用する
ことで、解結晶解作業の短縮および簡略化を図ることが
できる。
【0049】(4)液体の液面にメッシュ板を配置した
ことにより、液面の揺れによる超音波の伝播の妨げを防
止して、照射された超音波を無駄なく利用することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における吸収ヒートポン
プの概略構成図である。
【図2】 図1の再生器の詳細図である。
【図3】 図1の伝熱管周りの詳細を示す説明図であっ
て、(a)は音圧分布を示す図、(b)は(a)の音圧
分布に対する伝熱管の配置を示す図、(c)は(b)の
右側面図である。
【図4】 再生器の模擬実験装置の概略構成図である。
【図5】 白金線から液層内の溶液に伝わる熱流束と加
熱面温度との関係を示す図である。
【図6】 超音波振動子の単位面積当たりの入力電力と
伝熱促進率との関係を示す図である。
【図7】 液槽内の音圧分布の測定結果を示す図であ
る。
【図8】 定在波音圧の腹部および節部における熱伝達
特性を比較した図である
【図9】 従来の吸収ヒートポンプの概略構成図であ
る。
【図10】 図9の再生器の伝熱管周りの蒸気泡発生の
様子を示す説明図である。
【図11】 図9の再生器の沸騰伝熱特性に及ぼす圧力
の影響をシミュレーション予測した結果を示す図であ
る。
【図12】 図9の再生器内に発生する溶質の析出の様
子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 吸収器 2 再生器 3 蒸発器 4 凝縮器 5a 冷媒(気体) 5b 冷媒(気体) 5c 冷媒(液体) 6a 希溶液 6b 溶液 6c 濃溶液 7 超音波照射装置 11 発振機 12 振動子 13 振動板 14 振動子ケース 21 伝熱管 22 溶液出口 23 メッシュ板 24 超音波振動面 31 液槽 32 加熱体 33a,33b 電極 34 定電圧電源 35a,35b 電圧タップ 36 電圧計 37 抵抗器 38 覗き窓 39a,39b 管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島袋 清人 沖縄県浦添市牧港5−2−1 沖縄電力株 式会社内 Fターム(参考) 3L093 BB00 BB26 CC00 CC01 DD08 HH00 HH04 JJ00 KK01 MM00 MM08 4G075 AA05 AA35 AA45 AA52 BB02 BB03 BB08 BD13 BD16 CA23 EB31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体に熱源からの熱を伝達する熱伝達手
    段と、前記液体に超音波を照射する超音波照射手段とを
    備えた再生器。
  2. 【請求項2】 前記熱伝達手段は、前記超音波の照射面
    に対して平行に配置した伝熱管である請求項1記載の再
    生器。
  3. 【請求項3】 前記伝熱管は、前記超音波の照射により
    生じる定在波音圧分布の腹部に配置したものである請求
    項2記載の再生器。
  4. 【請求項4】 前記液体の液面にメッシュ板を配置した
    請求項1から3のいずれかに記載の再生器。
  5. 【請求項5】 前記超音波の照射により生じる音圧分布
    の節部にメッシュ板を配置した請求項1から4のいずれ
    かに記載の再生器。
  6. 【請求項6】 吸収器、蒸発器、凝縮器および請求項1
    から5のいずれかに記載の再生器を備えた吸収ヒートポ
    ンプ。
  7. 【請求項7】 液体に熱源からの熱を伝達する再生器の
    解結晶運転方法であって、 析出、結晶化した溶質を含む溶液に対して超音波を照射
    することを特徴とする再生器の解結晶運転方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20090260783A1 (en) * 2006-03-06 2009-10-22 Tokyo University Of Science Educational Foundation Boil Cooling Method, Boil Cooling Apparatus, Flow Channel Structure and Applied Product Thereof
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