JP2003220564A - 研磨用具 - Google Patents

研磨用具

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JP2003220564A
JP2003220564A JP2002257093A JP2002257093A JP2003220564A JP 2003220564 A JP2003220564 A JP 2003220564A JP 2002257093 A JP2002257093 A JP 2002257093A JP 2002257093 A JP2002257093 A JP 2002257093A JP 2003220564 A JP2003220564 A JP 2003220564A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者自身が任意の形状に加工することがで
き、また粗削りと仕上げで持ち替える必要のない錆落と
し具を提供することを課題とした。 【解決手段】 有機高分子化合物を基材として研磨剤を
含有し、固形状に成形され、切断強度が2〜15kgf
であることを特徴とする錆落とし具は、良好な錆び落と
し能力を示し、且つカッターやナイフなどにより任意の
形状にカットすることができることを見いだした。ま
た、研磨剤の粒度が異なる上記錆落とし具を2種類以上
貼り合わせることによって持ち替えることなく粗削りと
仕上げが可能な錆落とし具とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研磨用具に関する
ものである。本発明の研磨用具は、自動車、家庭用電化
製品などに付着した錆や汚れを落とす用途に適するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車、家庭用電化製品などの金属部品
は長年の使用において錆を生じることがある。また、塗
装面であっても、傷などによって金属が露出してそこか
ら錆びることがある。これらの錆を除去するためには、
やすりやサンドペーパーなどでこれらを削り取る方法が
一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし錆を除去しよう
とする部分が細かったり複雑な形状である場合は、やす
りやサンドペーパで錆を除去するのに熟練を有するもの
であった。すなわちやすりを使用して細かい部分の錆を
落とす場合は、やすりの角の部分を使用して作業を行う
こととなるが、やすりの角の部分を細かい部分の表面に
あてがうのは困難である。
【0004】またサンドペーパーを使用する場合は、適
当な形状の当て木などを用いて細かい部分の錆びを落と
すが、錆びの取れ加減は当て木の形状に左右され、あら
ゆる形状の対象物に対応するのが困難であった。すなわ
ちサンドペーパを使用して細かい部分の錆の除去や複雑
な形状の物の錆取りを行う場合は、錆取りをする物の形
状に応じた当て木を作らなければならず、手間であっ
た。
【0005】また錆を効率よく除去するには目の粗いや
すりなどを用いるのが有効であるが、目の粗いやすりを
使用すると自動車等の素地を傷つける。そのため錆取り
といえいども仕上げ作業として目の細かいやすりを使用
する必要がある。そのため作業者は、複数のやすりを用
意して持ち替えなければならず手間であった。
【0006】樹脂などに研磨剤を配合させた研磨用具を
用いて錆の除去を行う方法があるが、錆の除去を行う際
の摩擦力は大きく、かかる場合には研磨用具が中途部な
どで破損するおそれが高くなる。また、研磨剤の配合量
を少なくするなどして、研磨の際の摩擦力を低減させる
と、錆の除去が出来なってしまう。
【0007】そこで本発明は、使用者自身が任意の形状
に加工することができ、二種又は二種以上の研磨用具を
用意することなくひとつの道具で粗削りと仕上げができ
る研磨用具を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして上記した課題を解
決するための請求項1に記載の発明は、有機高分子化合
物を基材として研磨剤を含有し、固形状に成形され、雰
囲気温度が23°Cにおける引張り強さが0.6〜1.
3MPa、引裂き強さが6〜10N/mmであることを
特徴とする研磨用具である。
【0009】請求項2に記載の発明は、刃渡り22mm
以上の刃を7mm/分の速度で幅20mmの試料の表面
に垂直に下ろして切断したときの最大荷重が19.6〜
147N(2〜15kgf)であることを特徴とする請
求項1に記載の研磨用具である。
【0010】請求項3に記載の発明は、有機高分子化合
物を基材として研磨剤を含有し、固形状に成形され、刃
渡り22mm以上の刃を7mm/分の速度で幅20mm
の試料の表面に垂直に下ろして切断したときの最大荷重
が19.6〜147Nであることを特徴とする研磨用具
である。
【0011】請求項4に記載の発明は、硬度が60以上
であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
載の研磨用具である。
【0012】請求項5に記載の発明は、磨耗容積が2〜
4.5cm3 /1000回であることを特徴とする請求
項1乃至4のいずれかに記載の研磨用具である。
【0013】請求項6に記載の発明は、2以上の部分に
区分され、各区分に含有する研磨剤は、その粒度及び/
又は素材が異なるものであることを特徴とする請求項1
乃至5のいずれかに記載の研磨用具である。
【0014】請求項7に記載の発明は、基材となる有機
高分子化合物がゴムを含むことを特徴とする請求項1乃
至6のいずれかに記載の研磨用具である。
【0015】請求項8に記載の発明は、研磨剤の含有率
が30重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至
7のいずれかに記載の研磨用具である。
【0016】請求項9に記載の発明は、研磨剤の含有率
が50重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至
8のいずれかに記載の研磨用具である。
【0017】請求項10に記載の発明は、2以上の部分
に区分され、且つ区分の少なくとも一つの部位が請求項
1乃至9のいずれかに記載の研磨用具であることを特徴
とする研磨用具である。
【0018】請求項11に記載の発明は、各区分に含有
する研磨剤は、その粒度及び/又は素材が異なるもので
あることを特徴とする請求項10に記載の研磨用具であ
る。
【0019】請求項12に記載の発明は、有機高分子化
合物を基材として研磨剤を含有し、固形状に成形され、
2以上の部分に区分され、各区分に含有する研磨剤は、
その粒度及び/又は素材が異なるものである研磨用具で
ある。
【0020】請求項13に記載の発明は、特定の区分に
含まれる研磨剤は、特定のメッシュ数のふるいを通過し
たものであり、他の特定の区分に含まれる研磨剤は、前
記ふるいに比べてメッシュ数が30%以上多いふるいを
通過したものである請求項11乃至12のいずれかに記
載の研磨用具である。
【0021】請求項14に記載の発明は、有機高分子化
合物を基材として研磨剤を含有し、固形状に成形され、
雰囲気温度が23°Cにおける引張り強さが0,6〜
1.3MPa、引裂き強さが6〜10N/mmであり、
刃渡り22mm以上の刃を7mm/分の速度で幅20m
mの試料の表面に垂直に下ろして切断したときの最大荷
重が2〜15kgf(19.6〜147N)であり、硬
度が60以上であり、磨耗容積が2〜4.5cm3 /1
000回であり、2以上の部分に区分され、各区分に含
有する研磨剤は、その粒度及び/又は素材が異なり、特
定の区分に含まれる研磨剤の粒度に対して他の特定の区
分に含まれる研磨剤の粒度は30%以上大きい研磨用具
である。
【0022】ここで、「引張り強さ」は、JIS K6
251に規定される試験方法に準拠して行われ、試験片
の形状はダンベル状2号形を用い、23℃で測定し、引
っ張り速度は500mm/minで行い、試験片が破断
に至るまでの最大張力から算出される。「引裂き強さ」
は、JIS K6252に規定される試験方法に準拠し
て行われ、試験片の形状は切込み無しアングル形を用
い、23℃で測定し、試験片つかみ具の移動速度を50
0mm/minで行い、試験片が破断に至るまでの最大
引裂力から算出される。特に注記が無い限り、本明細書
においては、刃渡り22mm以上の刃を7mm/分の速
度で幅20mmの試料の表面に垂直に下ろして切断した
ときの最大荷重を「切断強度」と表現して説明する。ま
た、最大荷重は、切断開始から切断終了までにおける最
大の荷重である。「硬度」は、へこみに対する抵抗のこ
とであり、硬さとよばれるものである。また、本明細書
における硬度は、特に注記がない限り、JIS K62
53に規定されるタイプAデューロメータを用いた測定
される。「磨耗容積」とは、磨耗試験によって、試験片
の体積が減少する量のことである。測定方法は、JIS
K6264に規定される試験方法に準拠して行われ、
定荷重ウイリアムス磨耗試験のB法であり、試験時間は
6分であり、測定値は1000回当たりの摩耗量を換算
した値であり、試験温度は23℃である。本明細書にお
いて特定される物性値は、本発明の研磨用具に用いられ
る材料を、各物性値の測定方法に規定される所定の形状
として測定されるものである。従って、一旦、研磨用具
を製作した後で所定の形状としたものを用いてもよく、
また、研磨用具に用いられる材料と同一の材料を所定の
形状としたものを用いても良い。
【0023】本発明の研磨用具は、有機高分子化合物を
基材として研磨剤を含有し、固形状に成形され、雰囲気
温度が23°Cにおける引張り強さが0.6〜1.3M
Pa、引裂き強さが6〜10N/mmである。
【0024】引張り強さ及び引裂き強さが上記した範囲
にある研磨用具は、研磨の際の摩擦力が大きくなっても
使用の際に研磨用具が中途部で破損しにくく、また、カ
ッターやナイフなどにより任意の形状にカットすること
ができる。本願出願人が鋭意検討した結果、研磨用具が
使用の際に中途部で破損するのは引裂き強さの影響が大
きく、引張り強さ及び引裂き強さが上記した範囲にある
研磨用具では、格段に中途部で破損しにくいことを見い
だした。
【0025】また本発明の研磨用具は、刃渡り22mm
以上の刃を7mm/分の速度で幅20mmの試料の表面
に垂直に下ろして切断したときの最大荷重が2〜15k
gf(19.6〜147N)である。
【0026】切断の際の最大荷重が上記した範囲にある
研磨用具は、カッターやナイフなどの手工具により任意
の形状にカットすることができる。
【0027】また本発明の研磨用具は、有機高分子化合
物を基材として研磨剤を含有し、固形状に成形され、2
以上の部分に区分され、各区分に含有する研磨剤は、そ
の粒度及び/又は素材が異なる。
【0028】この様に2以上の部分に区分して各区分に
含有する研磨剤を異なるものとすることにより、複数の
錆落とし具を用意することなくひとつの錆落とし具で粗
削りと仕上げができる。
【0029】また研磨用具の硬度は、60以上であるこ
とが望ましい。すなわち本発明者らの実験によると、上
記した硬度以上とすることで良好な錆落とし能力を示し
た。
【0030】さらに研磨用具は、磨耗容積が2〜4.5
cm3 /1000回であることが望ましい。
【0031】また研磨用具は、粒度及び/又は素材が異
なる研磨剤を含有して固形状に成形された研磨用具が二
以上接合されていることが望ましい。
【0032】この様に粒度及び/又は素材が異なる研磨
剤を含有して固形状に成形された研磨用具が二以上接合
されていることにより、複数の錆落とし具を用意するこ
となくひとつの錆落とし具で粗削りと仕上げができる。
【0033】基材となる有機高分子化合物はゴムを含む
ことが望ましい。ゴムは天然ゴムであっても合成ゴムで
あってもよい。基材の有機高分子化合物としてゴムを用
いると、錆に対する研磨効果の優れた研磨用具を提供す
ることができる。
【0034】また研磨剤の含有率が30重量%以上であ
ることが望ましく、より好ましい研磨剤の含有率は50
重量%以上である。
【0035】研磨剤の含有率を30重量%以上とするこ
とで、錆び落とし能力の優れた研磨用具を提供すること
ができる。
【0036】また、基材有機高分子化合物として天然ゴ
ム及び/又は合成ゴムを用い、研磨剤の含有率を30重
量%以上とすることで、錆び落とし能力のより優れた研
磨用具を提供することができる。
【0037】また特定の区分に含まれる研磨剤は、特定
のメッシュ数のふるいを通過したものであり、他の特定
の区分に含まれる研磨剤は、前記ふるいに比べてメッシ
ュ数が30%以上多いふるいを通過したものであること
が望ましい。
【0038】このように、区分内に含有される研磨剤の
粒度の区分間の差が大きい場合、粗削りと仕上げを単一
の研磨用具で行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下さらに本発明の実施形態につ
いて説明する。図1は、本発明の第1実施例の錆落とし
具の斜視図である。図2は、本発明の第2実施例の錆落
とし具の斜視図である。図3は、本発明の第3実施例の
錆落とし具の斜視図である。図4は、本発明の第4実施
例の錆落とし具の斜視図である。図5は、本発明の第5
実施例の錆落とし具の斜視図である。図6は、本発明の
第6実施例の錆落とし具の斜視図である。図7は、本発
明の第7実施例の錆落とし具の斜視図である。図8は、
研磨用具の製造方法を説明する成形型と未加硫ゴム板の
斜視図である。図9は、研磨用具の切断強度と、切断性
及び破損状態の関係を示したグラフである。図10は、
研磨用具の引裂き強度と、切断性及び破損状態の関係を
示したグラフである。図11は、切断強度に用いられる
刃の形状を示した正面図及び側面図である。
【0040】本発明の実施例の研磨用具1は、錆び落と
しに使用されるものであり、有機高分子化合物を基材と
して研磨剤2,3を含有するものである。また研磨用具
1は、2つの部分5,6に区分されている。すなわち研
磨用具1の形状は、直方体状であり、短辺の中心線を境
にして二つの区分5,6に分かれている。したがって本
実施例の研磨用具1では、二つの区分5,6は、いずれ
も四角柱状である。各区分5,6に含有する研磨剤2,
3は、その粒度及び素材が異なる。
【0041】本実施例の研磨用具1は、それぞれの区分
5,6の雰囲気温度が23°Cにおける引張り強さが
0.6〜1.3MPa、引裂き強さが6〜10N/mm
である。
【0042】また本実施例の研磨用具1は、それぞれの
区分5,6の切断強度が19.6〜147N(2〜15
kgf)である。ここで切断強度は、試料の幅を20m
mとし、刃渡り22mm以上の刃を7mm/分の速度で
試料の表面に垂直に下ろして切断したときの最大荷重を
読むことによって測定する。
【0043】引張り強さが1.3MPaを越えるとカッ
ターやナイフ等で任意の形状に加工することが困難とな
る。引裂き強さが10N/mmを越える場合も同様であ
る。
【0044】また切断強度が147Nを超える場合も同
様であり、カッターやナイフ等で任意の形状に加工する
ことが困難となる。逆に引張り強さが0.6MPa未満
である場合は研磨用具1の摩耗が激しく、錆を落とす能
力が低下する。引裂き強さが6N/mm未満である場合
も同様である。
【0045】さらに切断強度が19.6N未満である場
合も同様であり、研磨用具1の摩耗が激しく、錆を落と
す能力が低下する。
【0046】また本実施形態の研磨用具1は、それぞれ
の区分5,6の硬度が60以上であることが望ましく、
70以上であれば更に望ましい。硬度が60未満の場合
は、研磨用具1自体が柔らかすぎ、錆を落とす能力が低
下する。硬度の上限は特に制限されないが切断強度が1
9.6〜147Nの範囲となる硬度にする必要がある。
【0047】さらに本実施形態の研磨用具1は、それぞ
れの区分5,6の雰囲気温度が23°Cにおける磨耗容
積が2〜4,5cm3 /1000回である。本実施例の
磨耗用具1は、自己が適度に磨耗するので、錆び等を抱
き込んで剥離する能力が高い。すなわち磨耗容積が4.
5cm3 /1000回を越えると磨耗しすぎ、錆びを削
り取る能力が低い。一方、磨耗容積が2cm3 /100
0回未満である場合は、錆びを内部に抱き込んで被研磨
物から剥離する能力が低い。従って磨耗容積は2〜4.
5cm3 /1000回が適当である。
【0048】本発明において、基材たる有機高分子化合
物は、樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーが含まれる。
樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂等が使用可能である。ゴムとしては天
然ゴム、合成ゴムのいずれも好ましく採用可能である。
さらに、ポリ塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ルや塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体などが採用可能で
ある。熱可塑性エラストマーとしてはスチレン系熱可塑
性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、
塩化ビニル系熱可塑性エラストマー等が採用可能であ
る。熱硬化性樹脂としてはポリウレタン、ポリフェノー
ル、ポリアミド等が採用可能である。
【0049】研磨剤としては、金属、金属間化合物、無
機化合物等の粒子又は繊維が使用できる。また研磨剤に
は天然の物や人造の物があるがいずれについても採用可
能である。
【0050】天然産の研磨剤としては、ザクロ石、剛
玉、エメリー、ダイヤモンド、セン晶石、石英、トリボ
リ、ケイ石、ケイソウ土、浮石、浮石粉、長石、黄玉、
酸化金属鉱物、との粉、滑石、ベントナイトその他があ
る。
【0051】また人造の研磨剤の例として、アルミナ系
のもの、炭化物系のもの、窒化物系のもの、ホウ化物系
のもの等がある。
【0052】本発明の研磨用具に採用する研磨剤の条件
は、基材たる有機高分子化合物よりも硬度が高いもので
あれば足り、硬質プラスチックの粗粒子や粉砕物を活用
することもできる。さらに硬化後の熱硬化性樹脂を研磨
剤として活用することもできる。研磨剤として熱可塑性
樹脂を採用する場合は、基材たる有機高分子化合物の加
工温度よりも融点が高いことが必要である。
【0053】研磨剤の粒度は、ISO規格に適合した1
0メッシュ〜200メッシュのふるいを通過させたもの
が好ましく、より好ましくは20メッシュ〜150メッ
シュである。
【0054】10メッシュ〜200メッシュのふるい
は、ふるい目の開きが1.7mm〜75μmである。ま
た18メッシュ〜150メッシュのふるいは、ふるい目
の開きが1.0mm〜100μm程度である。
【0055】本発明に採用することが好ましい研磨剤の
具体例としてカーボランダム、溶融アルミナ、ガラス
粉、珪砂、石英砂、シラス、金剛砂、鉄粉、銅粉等の粒
子、ガラス繊維、各種金属繊維などがある。またガラス
粉、金剛砂を使用することが好ましい。
【0056】研磨剤の配合量は研磨効果の点で組成物全
体の30重量%以上、より好ましくは50重量%以上で
ある。研磨剤の配合量が組成物全体の30重量%未満の
場合は、錆を落とす能力が低い。ただし汚れを落とす程
度の研磨効果はある。
【0057】本実施例の研磨用具1は、前記した様に2
つの部分5,6に区分され、各区分5,6に含有する研
磨剤2,3は、その粒度及び素材が異なるものである
が、一つの研磨用具1を使用して粗削りから仕上げまで
をおこなうことができる様、各区分5,6に含まれる研
磨剤2,3の粒度は相当に異なることが望ましい。
【0058】具体的には、区分5に含まれる研磨剤は、
特定のメッシュ数のふるいを通過したものであり、もう
一方の区分6に含まれる研磨剤は、前記ふるいに比べて
メッシュ数が30%以上多いふるいを通過したものであ
ることが望ましい。
【0059】さらに区分5に含まれる研磨剤は、特定の
メッシュ数のふるいを通過したものであり、もう一方の
区分6に含まれる研磨剤は、前記ふるいに比べてメッシ
ュ数が50%以上多いふるいを通過したものであること
が望ましい。
【0060】研磨用具1には充填剤を配合しても良く、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シリカ、
アルミナシリケート、ファクチスなどが例示される。さ
らに必要に応じて軟化剤や可塑剤を添加することも可能
である。軟化剤としては鉱物油、植物油、動物油、シリ
コンオイルなどが挙げられる。可塑剤としてはフタル酸
ジブチル(DBP)、フタル酸ジヘプチル(DHP)、
フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル
(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、ア
ジピン酸ジイソオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソ
ノニル(DINA)、アジピン酸ジイソデシル(DID
A)、アゼライン酸ジオクチル(DOZ)、セバシン酸
ジオクチル(DOS)などが採用可能である。基材にゴ
ムを用いる場合には、硫黄や加硫促進剤などを配合する
ことが好ましい。
【0061】また公知の着色料や香料も適宜添加可能で
ある。特に研磨剤の粒度の異なるものを貼り合わせる場
合、両者を区別するために別々の色を着けることは有用
である。
【0062】本実施例の研磨用具1は、前記した様に2
つの部分5,6に区分されているが、このように2つの
部分5,6に区分するための方策として、個別にそれぞ
れの区画部分を中間成形した後に両者を接合する方策
と、二つの区分を同時に成形する方策が考えられる。
【0063】まず前者の個別にそれぞれの区画部分を中
間成形した後に両者を接合する方策について説明する。
本製造方法による場合は、基材たるゴム、ポリ塩化ビニ
ル系基材等の有機高分子化合物と研磨剤との配合物を混
練(必要に応じて加熱)し、その後、公知の各種プレ
ス、押出し、インジェクション等の方法により板状やシ
ート状、あるいは短冊状に中間成形する。
【0064】たとえば基材にゴムを使用する場合であれ
ば、ゴムと研磨剤をオープンロールやニーダー、加圧ニ
ーダー、バンバリーミキサー等で混練し、さらにカレン
ダーロール等で圧延する等の公知の方法によって板状や
シート状に中間成形する。また場合によっては短冊状に
切断する。上記の手順によって研磨剤が配合された未加
硫ゴムの板やシートが中間成形される。
【0065】また同様の手順によって先とは異なる研磨
剤(粒度や素材)が配合された板状等の中間成形物(未
加硫ゴム)を成形する。そしてその後に上記した二種類
の中間成形物を重ねてプレスし、ゴムを加硫すると共に
両者を接合する。中間成型物を重ねてプレスする場合
は、平板状のプレスに未加硫ゴムを直接的に挟み込んで
もよいが、所定の形状の成形型10を使用することが望
ましい。すなわち図8に示すような下型11と上型12
からなる成形型10を使用することが推奨される。
【0066】下型11は、中央に成形凹部13が設けら
れている。また成形凹部13の内部には温度センサ15
が設けられている。上型12についても中央に成形凹部
16が設けられている。そして本実施例では、下型11
の成形凹部13に二枚の未加硫ゴム板17,18を重ね
て挿入する。ここで未加硫ゴム板17には50%以上の
研磨剤が配合されている。また未加硫ゴム板18は、未
加硫ゴム板17とは粒度や素材が異なる研磨剤が50%
以上配合されている。なお未加硫ゴム板17と未加硫ゴ
ム板18の厚さの合計は、下型11及び上型12の成形
凹部13,16の深さの合計よりも厚い。
【0067】そして上記した様に下型11の成形凹部1
3に二枚の未加硫ゴム板17,18を重ねて挿入した
後、下型11に上型12を被せ、図示しないプレス装置
によって両者を押圧すると共に成形型10を加熱する。
加熱方法は、通常の蒸気加熱による他、高周波加熱を活
用することもできる。
【0068】プレスによる押圧によって未加硫ゴム板1
7,18は接合される。また成形凹部13,16の容積
を越える量の未加硫ゴムは、下型11と上型12の間か
らはみ出す。そして下型11に設けられた温度センサ1
5によって内部の温度を検知し、加硫条件を監視する。
所定の時間が経過して加硫が完了すると成形型10を開
き、内部のゴムを取り出す。
【0069】取り出されたゴムは、異なる組成を持つ部
分が接合されたものとなっている。そして取り出された
ゴムを切断し、図1の様な研磨用具を得る。なお、成形
型10から取り出されたゴムの成形型10と接していた
面は、研磨剤の露出が少ないので、当該面を薄く削る等
によって研磨剤を露出させておくことが望ましい。また
他の製造方法として、カレンダーロール等によって薄い
シートや板状物を作り、これを数枚重ねてロールでプレ
スする方法も考えられる。上記した薄いシートを重ねる
方法によると、シート化する際に有機高分子化合物内の
組成が均一化する効果があり、品質の向上が期待でき
る。
【0070】また前記したカレンダーロール等による圧
延に代わり、押し出し成形や射出成形によって所定の形
状に中間成形することも可能である。成型後に張り合わ
せるための方策としては、前記した様なプレスによるも
のの他、接着剤による方法や、溶剤によって基材たる有
機高分子化合物の一部を溶かして接合する方法が考えら
れる。
【0071】また二つの有機高分子化合物成型物同士に
嵌合構造を設け、両者を嵌め合わせることによって結合
することも可能である。また後者の二つの区分を同時に
成形する方策としては、二組のロールで二種類の配合の
ゴムをシート状に圧延し、二組のロールから出た直後に
両者を重ねてプレスする方策が考えられる。さらに多色
押し出し成形機によって二種類の配合のゴム等を同時に
押し出し成型してもよい。
【0072】前述した本実施例では、2つの部分5,6
のいずれもが特定の引張り強さや引裂き強さ、硬度、磨
耗容積その他を持つものとして説明したが、二つの区分
のうちのいずれかが特定の引張り強さ等をもつものであ
っても相当の効果が期待できる。
【0073】前述した図1の研磨用具は、2つの部分
5,6に区分されているが、図2に示す様により多くの
部分に区分されたものであってもよい。図2に示す研磨
用具20は、6の部分に区分されている。図2に示す研
磨用具20は、全体形状が板状であり、四角柱状の区分
20a〜20fが平行に並べて接合された形状をしてい
る。
【0074】図2に示す研磨用具20は、6枚の未加硫
シートを重ねてプレスし、重ね方向に切断することによ
り製造することができる。また図1,2に示す研磨用具
1,20は、いずれも四角柱状の部位が平行に並べて接
合された形状をしているが、図3に示す研磨用具21の
様に面状に区分されたものであってもよい。研磨用具2
1は、全体形状が正方形の板状であり、平面部分が十文
字に区分されている。従って研磨用具21では、各区分
は正方形である。なお板状の研磨用具を平面的に区分す
る場合は、角同士を結ぶ対角線によって区画してもよい
が(この場合、各区画は三角形になる)角の部分に二種
類の区画の境界線が存在することになり、角の部分を使
いにくい。そのため板状の研磨用具を面状に区切る場合
は、辺と平行な線をもって区画することが望ましい。ま
た図4に示す様な三角形を採用して3の区画に区分する
研磨用具22の場合は、各辺の中間点に区画の境界があ
る様に設計することが望ましい。
【0075】図5,6,7は、他の形状の研磨用具を示
すものである。図5に示す研磨用具23は、外形形状が
円柱状であって縦割り状に3の区分に区画した例であ
る。また図6に示す研磨用具25は、外形形状が直方体
であり、厚さ方向に3の区分に区画したものである。さ
らに図7に示す研磨用具26は、外形形状が長方形の板
状であり、面状に2の区画に区分したものであるが、両
区画26a,26bの接合部分がアリ溝状の嵌合形状と
なっている。
【0076】次に本実施例の研磨用具1,20,21,
22,23,25,26の使用方法について説明する。
研磨用具1,20,21,22,23,25,26を使
用するのに際しては、ナイフやカッター等の手工具によ
って所望の形状に研磨用具1,20,21,22,2
3,25,26を削る。すなわち錆びを落とそうとする
部位に合致し易い様に研磨用具1,20,21,22,
23,25,26を削って外形形状を加工する。
【0077】ここで本実施例の研磨用具1,20,2
1,22,23,25,26は、いずれも雰囲気温度が
23°Cにおける引張り強さが0.6〜1.3MPa、
引裂き強さが6〜10N/mmであり、切断強度が1
9.6〜147N(2〜15kgf)である。そのため
ナイフ等の手工具によって容易に形状を変えることがで
きる。
【0078】また本実施例の研磨用具1,20,21,
22,23,25,26は、いずれも複数の区画に分か
れており、それぞれの区画に異なる研磨剤が配合されて
いるので、一つの研磨用具をもって粗削りから仕上げま
でを行うことができる。次に本発明の効果を確認するた
めに行った実験について説明する。以下に示す配合例は
一例であり、上記した基材や充填材などの種類や配合量
などを変更して、引張り強さ、引裂き強さ、切断強度、
硬度及び磨耗容積を所定の値に変更することができ、か
かる方法は、従来より実施されている方法により行うこ
とができる。例えば、引張り強さを大きくするには、硬
度が大きい基材を採用したり、軟化剤や可塑剤の添加量
を少なくする。引裂き強さを大きくするには、硬度が大
きい基材を採用する。切断強度を大きくするには、軟化
剤や可塑剤の添加量を少なくし、硬度が大きい基材を採
用する。硬度を大きくする場合には、軟化剤や可塑剤を
添加を添加し又は添加量を少なくしたり、研磨剤の量を
多くしたり、硬度が大きい基材を採用する。さらに、加
工条件を変更することにより、上記物性を変えることも
可能である。例えば、ゴムの場合には、加硫温度を大き
くしたり、加硫剤の量を多くするなどして、硬度が大き
く、引っ張り強さが大きく、引裂き強さを大きくするこ
とができる。
【0079】(本発明の第1配合例)本発明の第1の配
合例として下記のAとBの配合を採用し、それぞれ2本
ロールで混練した後シート状とし、両者を重ねて140
℃で30分プレスした。そしてカッターによって図1に
示す形状に切断した。
【0080】
【表1】
【0081】ここでガラス粉(150メッシュ通過)
は、ガラスを素材とする研磨剤であり、ISO規格に適
合した150メッシュのふるいを通過したものである。
150メッシュのふるいの、ふるい目の開きは、およそ
100μm程度である。またガラス粉(70メッシュ通
過)は、ガラスを素材とする研磨剤であり、ISO規格
に適合した70メッシュのふるいを通過したものであ
る。70メッシュのふるいの、ふるい目の開きは、およ
そ212μm程度である。
【0082】従って両者のふるいのメッシュ数の差は、
約114%である。またふるい目の開きの差は112%
である。上記した第1の配合例によって作られた研磨用
具の内、A側の部位における引張り強さは1.08MP
aであり、引裂き強さは7.9N/mmであった。
【0083】また磨耗試験を行ったところ、A側の部位
における磨耗容積は3.17cm3/1000回であっ
た。
【0084】同じくB側の部位の引張り強さは0.83
MPaであり、引裂き強さは7.8N/mmであった。
また磨耗試験を行ったところ、B側の部位における磨耗
容積は3.72cm3/1000回であった。
【0085】さらに研磨用具の切断強度は、58.8N
であった。また硬度は84であった。
【0086】なお切断強度は、AIKOH ENGINEERING 社製
のTEST STAND MODEL 1307 装置とAIKOH ENGINEERING 社
製のCPU GAUGE 9550装置を使用した。また、切断強度に
用いる「刃」は、炭素工具鋼材(SK材)が用いられて
いる。形状は、図11に示されており、具体的には、
「刃」の幅Aは0.82mm程度であり、刃先の長さB
が3.7mm程度であり、刃先の研磨部分の長さCが
0.23mm程度である。「オルファ株式会社社製 品
番 大型刃LB10K」のカッタ刃を用いて、同様に切
断性を評価したが、同様な切断性を示した。以下の実施
例及び比較例についても同様である。
【0087】(本発明の第2配合例)本発明の第2の配
合例として下記のAとBの配合を採用し、それぞれ2本
ロールで混練した後シート状とし、両者を重ねて140
℃で30分プレスした。そしてカッターによって図1に
示す形状に切断した。
【0088】
【表2】
【0089】ここでガラス粉(150メッシュ通過)
は、ガラスを素材とする研磨剤であり、ISO規格に適
合した150メッシュのふるいを通過したものである。
150メッシュのふるいの、ふるい目の開きは、およそ
100μm程度である。
【0090】またガラス粉(80メッシュ通過)は、ガ
ラスを素材とする研磨剤であり、ISO規格に適合した
80メッシュのふるいを通過したものである。80メッ
シュのふるいの、ふるい目の開きは、およそ180μm
程度である。
【0091】従って両者のふるいのメッシュ数の差は、
約88%である。またふるい目の開きの差は80%であ
る。上記した第2の配合例によって作られた研磨用具の
内、A側の部位における引張り強さは1.27MPaで
あり、引裂き強さは9.4N/mmであった。
【0092】また磨耗試験を行ったところ、A側の部位
における磨耗容積は2.07cm3/1000回であっ
た。
【0093】同じくB側の部位の引張り強さは1.15
MPaであり、引裂き強さは9.2N/mmであった。
また磨耗試験を行ったところ、B側の部位における磨耗
容積は2.51cm3/1000回であった。
【0094】さらに研磨用具の切断強度は、50.1N
であった。また硬度は80であった。
【0095】(本発明の第3配合例)本発明の第1の配
合例として下記のAとBの配合を採用し、それぞれニー
ダーで混練した後ペレット状とし、2色押出成形機にて
100℃でストライプ状に成形した。そしてカッターに
よって図1に示す形状に切断した。
【0096】
【表3】
【0097】ここでガラス粉(150メッシュ通過)
は、ガラスを素材とする研磨剤であり、ISO規格に適
合した150メッシュのふるいを通過したものである。
150メッシュのふるいの、ふるい目の開きは、およそ
100μm程度である。またガラス粉(100メッシュ
通過)は、ガラスを素材とする研磨剤であり、ISO規
格に適合した100メッシュのふるいを通過したもので
ある。100メッシュのふるいの、ふるい目の開きは、
およそ150μm程度である。従って両者のふるいのメ
ッシュ数の差は、約50%である。またふるい目の開き
の差は50%である。
【0098】上記した第3の配合例によって作られた研
磨用具の内、A側の部位における引張り強さは0.66
MPaであり、引裂き強さは6.7N/mmであった。
また磨耗試験を行ったところ、A側の部位における磨耗
容積は4.01cm3/1000回であった。
【0099】同じくB側の部位の引張り強さは0.62
MPaであり、引裂き強さは6.4N/mmであった。
また磨耗試験を行ったところ、B側の部位における磨耗
容積は4.43cm3/1000回であった。さらに研
磨用具の切断強度は、42.1Nであった。また硬度は
80であった。
【0100】(比較例の第1配合例)比較例の第1の配
合例として下記のAとBの配合を採用し、それぞれ2本
ロールで混練した後シート状とし、両者を重ねて140
℃で30分プレスした。そしてカッターによって図1に
示す形状に切断した。
【0101】
【表4】
【0102】上記した比較例の第1配合例によって作ら
れた研磨用具の内、A側の部位における引張り強さは
1.39MPaであり、引裂き強さは10.8N/mm
であった。また磨耗試験を行ったところ、A側の部位に
おける磨耗容積は1.71cm3/1000回であっ
た。
【0103】同じくB側の部位の引張り強さは1.35
MPaであり、引裂き強さは10.3N/mmであっ
た。また磨耗試験を行ったところ、B側の部位における
磨耗容積は1.92cm3/1000回であった。
【0104】さらに研磨用具の切断強度は、172.5
Nであった。また硬度は60であった。
【0105】(比較例の第2配合例)比較例の第2の配
合例として下記のAとBの配合を採用し、それぞれニー
ダーで混練した後ペレット状とし、2色押出成形機にて
100℃でストライプ状に成形した。そしてカッターに
よって図1に示す形状に切断した。
【0106】
【表5】
【0107】上記した比較例の第2配合例によって作ら
れた研磨用具の内、A側の部位における引張り強さは
0.56MPaであり、引裂き強さは5.7N/mmで
あった。また磨耗試験を行ったところ、A側の部位にお
ける磨耗容積は4.87cm3/1000回であった。
【0108】同じくB側の部位の引張り強さは0.52
MPaであり、引裂き強さは5.4N/mmであった。
また磨耗試験を行ったところ、B側の部位における磨耗
容積は5.31cm3/1000回であった。
【0109】さらに研磨用具の切断強度は、13.7N
であった。また硬度は55であった。
【0110】実施例及び比較例の切断性に関する評価結
果は、次の表の通りであった。
【0111】
【表6】
【0112】上記した結果より、雰囲気温度が23°C
における引張り強さが0.6〜1.3MPa、引裂き強
さが6〜10N/mmであれば、切断性が良好であるこ
とが分かった。また刃渡り22mm以上の刃を7mm/
分の速度で幅20mmの試料の表面に垂直に下ろして切
断したときの最大荷重が2〜15kgf(19.6〜1
47N)であれば、切断性が良好であることが分かっ
た。
【0113】実施例及び比較例の錆び落とし能力に関す
る評価結果は、次の表の通りであった。なお錆落とし能
力は、錆びた鉄パイプを手作業でこすって赤錆が取れる
回数を数え、その回数が1〜3回の場合○、3〜6回の
場合△、7回以上の場合×として評価した。
【0114】
【表7】
【0115】上記した結果より、硬度が60以上であれ
ば錆び落としの効果が高いことが分かった。さらに磨耗
容積が2〜4.5cm3 /1000回であれば錆び落と
しの効果が高いことが分かった。
【0116】実施例及び比較例の研磨用具について、研
磨用具を使用する際に中途部が亀裂の発生や破損しない
かどうかの破損状態の確認をした。そして、その評価結
果は、次の表の通りであった。具体的な評価方法は、錆
びた鉄パイプを数回手作業でこすって赤錆を取り、その
後の研磨用具の中途部の状況を確認し、異常が無い場合
には○、小さな亀裂が発生した場合には△、大きな亀裂
が発生又は破断した場合には×として評価した。
【0117】
【表8】
【0118】上記結果より、引き裂き強さが6〜10N
/mmであれば研磨用具の中途部がに亀裂などが発生せ
ず、破断することがないことが分かった。
【0119】さらに、実施例及び比較例の種類を増やし
て、詳しく切断性と破損状態の評価し、引っ張り強度と
引き裂き強度との関係を調べた。追加した実施例と比較
例については、上記したように、配合や加工条件を変更
したものを用いた。そして、その評価結果は、図9、図
10の通りであった。切断性の評価は、上記の評価より
もより詳細に5段階評価で行い、5が一番良く、1が一
番悪い評価である。破損状態の評価も同様に5段階評価
で評価した。具体的な試験方法などは、上記の方法と同
様である。
【0120】その結果、引裂き強度が6〜10N/mの
範囲が、切断性及び破損状態の評価結果が良い。また、
切断強度が19.6〜147Nの範囲が、切断性及び破
損状態の評価結果が良く、特に、39.2〜117.6
Nの範囲が特によい。さらに具体的説明すると、引裂き
強度が6N/m以下の場合や切断強度が19.6N以下
の場合には破損状態の評価が悪く、また、引裂き強度が
10N/m以上の場合や切断強度が147N以上の場合
には、切断性が悪い。
【0121】
【発明の効果】以上の様に本発明の錆落とし具は、有機
高分子化合物を基材として研磨剤を含有し、固形状に成
形され、切断強度が19.6〜147Nであることによ
り、良好な錆び落とし能力を示し、使用の際に研磨用具
の中途部に亀裂などが発生せず、且つカッターやナイフ
などにより任意の形状にカットすることができるため、
対象物の形状に適合でき、細部の錆も落とすことが可能
となった。また、研磨剤の粒度が異なる錆落とし具を2
種類以上貼り合わせることにより、二種又は二種以上の
錆落とし具を用意することなくひとつの錆落とし具で粗
削りと仕上げが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の錆落とし具の斜視図であ
る。
【図2】本発明の第2実施例の錆落とし具の斜視図であ
る。
【図3】本発明の第3実施例の錆落とし具の斜視図であ
る。
【図4】本発明の第4実施例の錆落とし具の斜視図であ
る。
【図5】本発明の第5実施例の錆落とし具の斜視図であ
る。
【図6】本発明の第6実施例の錆落とし具の斜視図であ
る。
【図7】本発明の第7実施例の錆落とし具の斜視図であ
る。
【図8】研磨用具の製造方法を説明する成形型と未加硫
ゴム板の斜視図である。
【図9】研磨用具の切断強度と、切断性及び破損状態の
関係を示したグラフである。
【図10】研磨用具の引裂き強度と、切断性及び破損状
態の関係を示したグラフである。
【図11】切断強度に用いられる刃の形状を示した正面
図及び側面図である。
【符号の説明】
1,20,21,22 研磨用具 2,3 研磨剤 5,6 区分 23,25,26 研磨用具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 嘉数 奈良県大和郡山市池沢町321番 ラビット 株式会社内 (72)発明者 山本 隆造 奈良県大和郡山市池沢町321番 ラビット 株式会社内 Fターム(参考) 3C063 AB07 BA02 BA31 BC03 BD01 CC19 EE28 FF23 FF30

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機高分子化合物を基材として研磨剤を
    含有し、固形状に成形され、雰囲気温度が23°Cにお
    ける引張り強さが0.6〜1.3MPa、引裂き強さが
    6〜10N/mmであることを特徴とする研磨用具。
  2. 【請求項2】 刃渡り22mm以上の刃を7mm/分の
    速度で幅20mmの試料の表面に垂直に下ろして切断し
    たときの最大荷重が19.6〜147Nであることを特
    徴とする請求項1に記載の研磨用具。
  3. 【請求項3】 有機高分子化合物を基材として研磨剤を
    含有し、固形状に成形され、刃渡り22mm以上の刃を
    7mm/分の速度で幅20mmの試料の表面に垂直に下
    ろして切断したときの最大荷重が19.6〜147Nで
    あることを特徴とする研磨用具。
  4. 【請求項4】 硬度が60以上であることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の研磨用具。
  5. 【請求項5】 磨耗容積が2〜4.5cm3 /1000
    回であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の研磨用具。
  6. 【請求項6】 2以上の部分に区分され、各区分に含有
    する研磨剤は、その粒度及び/又は素材が異なるもので
    あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の研磨用具。
  7. 【請求項7】 基材となる有機高分子化合物がゴムを含
    むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
    研磨用具。
  8. 【請求項8】 研磨剤の含有率が30重量%以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の研
    磨用具。
  9. 【請求項9】 研磨剤の含有率が50重量%以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の研
    磨用具。
  10. 【請求項10】 2以上の部分に区分され、且つ区分の
    少なくとも一つの部位が請求項1乃至9のいずれかに記
    載の研磨用具であることを特徴とする研磨用具。
  11. 【請求項11】 各区分に含有する研磨剤は、その粒度
    又は素材が異なるものであることを特徴とする請求項1
    0に記載の研磨用具。
  12. 【請求項12】 有機高分子化合物を基材として研磨剤
    を含有し、固形状に成形され、2以上の部分に区分さ
    れ、各区分に含有する研磨剤は、その粒度又は素材が異
    なるものである研磨用具。
  13. 【請求項13】 特定の区分に含まれる研磨剤は、特定
    のメッシュ数のふるいを通過したものであり、他の特定
    の区分に含まれる研磨剤は、前記ふるいに比べてメッシ
    ュ数が30%以上多いふるいを通過したものである請求
    項10乃至12のいずれかに記載の研磨用具。
  14. 【請求項14】 有機高分子化合物を基材として研磨剤
    を含有し、固形状に成形され、雰囲気温度が23°Cに
    おける引張り強さが0,6〜1.3MPa、引裂き強さ
    が6〜10N/mmであり、刃渡り22mm以上の刃を
    7mm/分の速度で幅20mmの試料の表面に垂直に下
    ろして切断したときの最大荷重が19.6〜147Nで
    あり、硬度が60以上であり、磨耗容積が2〜4.5c
    3 /1000回であり、2以上の部分に区分され、各
    区分に含有する研磨剤は、その粒度又は素材が異なり、
    特定の区分に含まれる研磨剤の粒度に対して他の特定の
    区分に含まれる研磨剤の粒度は30%以上大きい研磨用
    具。
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