JP2003214996A - 栄養塩濃度測定用の参照物質の製造方法及び前記参照物質の使用方法 - Google Patents

栄養塩濃度測定用の参照物質の製造方法及び前記参照物質の使用方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海水試料中の栄養塩濃度を測定する際に用い
る参照物質であって、室温下で長期に渡って保存可能な
ものを提供すること。 【解決手段】 前記参照物質は、所定海域で相違する水
深から採水した栄養塩濃度の異なる複数種類の原料海水
の濾過処理工程S110と、前記複数種類の原料海水を所定
の割合で混合する混合処理工程S120と、前記複数種類の
原料海水中の微生物を死滅させる滅菌処理工程S130とを
経て製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋調査の基礎的
測定項目である海水中の栄養塩濃度を測定する際に用い
る参照物質の製造方法及び前記参照物質の使用方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の環境問題について多種多様
な分野で調査が行なわれており、その一つに海洋調査が
ある。海洋調査では、海水に含まれる栄養塩の濃度が基
礎的測定項目として挙げられる。ここでいう栄養塩と
は、生物生産に必要な塩類、例えば、リン(リン酸塩H
PO4 2-)、ケイ素(ケイ酸SiO2)、窒素(硝酸イオ
ンNO3 -,亜硝酸イオンNO2 -,アンモニウムイオンN
4 +)などの塩類である。
【0003】栄養塩濃度の測定は、海水試料の採水直後
に調査海域の船上にて標準液との比較により行なわれて
いる。標準液は、測定対象と同種の塩類、例えば亜硝酸
ナトリウム、硝酸カリウム、ヘキサフルオロケイ酸ナト
リウム、硫酸アンモニウム又はリン酸二水素ナトリウム
などの標準物質の水溶液を所定の割合で混合したのち、
濾過海水で希釈したものであり、塩類の濃度が異なる複
数種類のものを1系列として使用される。
【0004】そして、所定の測定装置として比色光度計
を用いる場合、海水試料及び標準液に所定の試薬を混入
し、それらの発色の程度を比色光度計で測定する。例え
ば、1系列の標準液Aを比色光度計で測定すると、標準
液の塩類の濃度と比色光度計の出力との関係が図3
(A)のように直線(検量線)で表わされるから、比色
光度計で海水試料を測定した時の出力は、この検量線で
もって栄養塩濃度に換算できる。
【0005】なお、調査海域の船上で測定するのは、海
水試料を陸上の実験室系まで持ち帰ると、海水試料中に
存在する微生物の活動により、主として窒素系やリン系
の栄養塩が消費され、海水試料の栄養塩濃度が変化する
からである。標準液もまた、その原料である濾過海水中
に微生物が存在しているので、濃度測定前の数時間以内
に最終調整が行なわれる。
【0006】すなわち、外洋の観測では、陸上から数時
間以内に測点まで到着できないから、標準液の最終調整
が船上で行なわれることになる。しかし、船上では波浪
による揺れが生じ、電子天秤による標準物質の秤量が困
難なため、標準物質を予め陸上の実験室系で秤量してお
く必要がある。すなわち、標準液の作成作業には、予め
陸上の実験室系にて行なう作業及び調査海域の船上にて
行なう作業がある。実験室系では、標準液の原料となる
標準原液及び濾過海水を作成し、船上では、標準原液を
純水で希釈した希釈原液の調整及び標準液の最終調整が
行なわれる。
【0007】標準原液は、各標準物質の高濃度水溶液で
あって、夫々調整後6ヶ月程度の保存が可能である。濾
過海水は、低栄養塩濃度の自然海水を孔径10〜20μ
mのフィルタでろ過し、栄養塩の吸収・放出が安定する
まで3〜4ヶ月以上暗所で静置していたものである。な
お、濾過海水の栄養塩濃度は、ゼロである必要はなく各
栄養塩のフルスケール濃度の約5%以下、ケイ酸塩及び
硝酸塩の濃度は5μmol/l以下の低濃度であればよ
い。
【0008】希釈原液は、標準液を調整するために用い
られる短期保存用の水溶液であって、第1希釈原液及び
第2希釈原液の2種類がある。第1希釈原液は、リン酸
塩、ケイ酸塩、硝酸塩、硫酸塩の各標準原液を所定量ず
つ混合して純水で調整したものである。第2希釈原液
は、亜硝酸塩の標準原液の所定量を純水で調整したもの
である。なお、希釈原液は、調整後1週間程度の保存が
可能である。また、希釈原液の調整に使用する純水は、
船上に設けた蒸留機で製造した蒸留水を、純水製造装置
に通して得られるものであって、比抵抗18.0MΩ・
cm以上の高純度の非イオン水である。そして、標準液
は、第1希釈原液及び第2希釈原液を所定の割合で混合
し、さらに濾過海水で希釈したものである。
【0009】上記の如く、標準液は人の手作業で作成さ
れているので、その精度が人の熟練度や標準物質の純度
に依存する。そのため、図3(B)の如く、少なくとも
2系列の標準液A,B又はA,Cを作成し、夫々の検量
線を比較して精度の確認を行なっている。したがって、
標準液A,Cのように、これらの検量線が略同一のもの
にならなければ、再度、標準液を作り直さなければなら
ず余分な手間がかかるおそれがある。
【0010】また、標準液を作成する際に濾過海水を加
えるのは、標準液の成分をより海水試料の成分に近付け
るためであり、比色光度計のように光を利用した測定装
置では、海水ベースの標準液と純水ベースの標準液(濾
過海水を加えないもの)とで含有成分が異なるために測
定誤差が大きくなってしまうからである。しかし、標準
液中の対象外イオンの含有率は、希釈原液中の対象外イ
オンの分だけ海水試料より高くなっており、この対象外
イオンの含有率の相違により測定誤差が生ずると考えら
れる。
【0011】そこで、近年では、栄養塩濃度の測定の高
精度化・簡易化を図るべく、標準液に替わる物質、所
謂、参照物質の開発が要請されている。ここでいう参照
物質とは、密封状態であれば室温下でも濃度が長期に渡
って安定な物質であって、天然海水と略同一の成分で構
成されるものである。従来の参照物質としては、予め陸
上で作成した標準液に水銀等の毒物を混入して微生物を
死滅させたものがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
参照物質は、標準液に水銀を加えただけであるから、上
記の如く、対象外イオン過多で天然海水と略同一の成分
とは言えず、また管理や廃棄に手間がかかることから、
あまり好ましいものとは言えない。
【0013】本発明はかかる課題に鑑み創案するに至っ
たものであって、その目的は、海水から参照物質を製造
する方法及び前記参照物質の使用方法を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る海水中の栄
養塩濃度測定用の参照物質の製造方法は、所定海域の海
水中の栄養塩濃度を測定する際に用いられる海水ベース
の参照物質の製造方法であって、所定海域で複数種類の
水深から採水した栄養塩濃度の異なる複数種類の海水の
濾過処理工程と、前記複数種類の海水を所定の割合で混
合する混合処理工程と、前記複数種類の海水中の微生物
を死滅させる滅菌処理工程とを有することを特徴とす
る。
【0015】また本発明に係る海水中の栄養塩濃度測定
用の参照物質の製造方法は、前記滅菌処理工程が加熱処
理工程であることを特徴とする。
【0016】また本発明に係る参照物質の使用方法は、
測定者が作成した標準液の濃度と所定の測定装置の出力
との関係を表す第1検量線に基づいて、前記測定装置に
よる海水試料測定時の出力を栄養塩濃度に変換して海水
中の栄養塩濃度を測定する海水中の栄養塩濃度測定にお
いて、参照物質の栄養塩濃度と所定の測定装置の出力と
の関係を表す第2検量線に基づいて、前記第1検量線の
作成精度を確認することを特徴とする。
【0017】また本発明に係る参照物質の使用方法は、
参照物質の栄養塩濃度と所定の測定装置の出力との関係
を表す第2検量線に基づいて、前記測定装置による海水
試料測定時の出力を栄養塩濃度に変換して海水中の栄養
塩濃度を測定するようにしたことを特徴とする。
【0018】本発明によれば、品質保持期限の長い参照
物質を提供することができるから、海水中の栄養塩濃度
を測定する際の標準液を作成する手間を最小限に留める
ことができ、さらに従来と比較して測定誤差を小さくす
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明に
係る海水中の栄養塩濃度測定用の参照物質の製造方法及
び海水中の栄養塩濃度の測定方法の実施形態について説
明する。
【0020】図1は本発明の実施形態を例示するフロー
チャート図であり、同図の如く、本発明に係る栄養塩濃
度測定用の参照物質の製造方法は、採水工程S100、濾過
処理工程S110、混合処理工程S120、滅菌処理工程S130、
ボトリング工程S140、シーリング工程S150及び品質検査
工程S160を有する。
【0021】採水工程S100は、参照物質の原料となる天
然海水(以下、原料海水と称する。)を採水する工程で
ある。原料海水は、所定海域で少なくとも2つの水深か
ら採水した海水(例えば、深層水及び表層水など)で且
つ採水から所定期間が経過していないものである。天然
海水の栄養塩濃度は、水深に応じて変化するものであ
り、例えば、同一海域であっても表層水と深層水とでは
栄養塩濃度が相違している。すなわち、表層では、微生
物の活動が活発なために栄養塩が消費されて濃度が低く
なり、深層では、低温で活動の抑制される微生物が多
く、しかも生物体の死骸が分解されて沈降していくので
栄養塩濃度が高くなる。したがって、所定海域で複数の
水深から採水すると、栄養塩濃度の異なる複数種類の原
料海水が得られる。なお、ここでいう所定海域は、調査
海域と同一の海域であることが望ましいが、特に限定す
る必要はない。
【0022】また、原料海水の採水方法は、採水用容器
を所定の水深まで沈めたのち引き上げたり、或いは採水
用のホースを所定の水深まで沈めたのちポンプで吸い上
げたりする方法などが考えられる。
【0023】濾過処理工程S110は、原料海水を濾過する
工程であって、孔径が概ね0.45〜1.0μmのフィ
ルタを用いて不純物を取り除く工程である。
【0024】混合処理工程S120は、栄養塩濃度の異なる
複数種類の原料海水を所定の割合で混合する工程であっ
て、複数種類の栄養塩濃度のものを1系列とする参照物
質を作成すべく、栄養塩濃度を調整する工程である。す
なわち、栄養塩濃度の異なる少なくとも2種類の海水が
あれば、それらの混合割合を変化させることにより、そ
の濃度間で栄養塩濃度の調整を自在に行なうことができ
る。したがって、原料採水工程で、海底面近傍の深層水
又は極大濃度付近の中層水と、海面又はその近傍の表層
水とを採水すれば、当該海域におけるあらゆる水深の海
水を再現することができる。
【0025】滅菌処理工程S130は、原料海水中の微生物
を死滅させる工程であって、これによって、参照物質中
の栄養塩濃度が消費されるのを防止する。滅菌処理とし
ては、例えば、加熱処理、濾過処理、放射線の照射、水
銀等の毒物混入などが考えられるが、安全面及び効果面
を考慮すれば加熱処理が妥当である。例えば、加熱処理
の場合、原料海水を所定の処理容器に入れ、高温高圧下
で大型オートクレーブにより加熱する。滅菌条件として
は、120℃、2時間、2回とする。ここで、加熱処理
を2回としたのは、休眠中の微生物の耐力が活動中の微
生物より強いからであり、1度目の処理で死滅せずに休
眠状態から活動状態になった微生物を2度目の処理で死
滅させることを意図している。したがって、加熱による
滅菌処理の場合は、確実に微生物を死滅させるために滅
菌処理を複数回行なうことが望ましい。また、滅菌処理
工程S130は、通常環境下から投入された処理海水を滅菌
処理したのち、クリーン環境下に排出して行なうことが
望ましい。
【0026】ボトリング工程S140は、加熱滅菌処理後の
参照物質を濾過処理を行ないながら、クリーン環境下で
樹脂製容器(例えば、ポリプレピレン製容器など)に密
封すると共に、ロット番号、製造年月日などを同一のロ
ットで製造された参照物質の樹脂製容器にラベリングす
る工程である。なお、ボトリング工程S140は、滅菌処理
後のクリーン環境下よりもさらにクリーン度の高い(粒
子数<4feet-3(作業前、作業中、作業後の測定値))
クリーンベンチ内にて行なうのが望ましい。
【0027】シーリング工程S150は、減圧吸引シールに
より前記樹脂製容器を外気と遮断する工程である。
【0028】品質検査工程S160は、上記の如く製造され
た参照物質の中から所定数の参照物質を任意に抜き取
り、それらの栄養塩濃度を測定してロット内の偏差が小
さいことを確認すると共に、参照物質に関する情報を減
圧吸引シールの表面に貼付する工程である。
【0029】上記の如く製造された参照物質の作成精度
及び品質保持能について、夫々表1及び表2に示す。な
お、表1は同一ロットで製造した参照物質の中から任意
に所定数のものを取り出して、その濃度測定を行なった
結果を示しており、表2は参照物質の作成当時の濃度
と、室温にて約4年間保存した後の濃度とを比較した結
果を示している。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】上記の表1及び表2によれば、本発明の製
造方法により製造された参照物質は、長期に渡って栄養
塩濃度が安定しており、しかもロット内での偏差が小さ
いことが分かる。したがって、栄養塩濃度の測定に関し
て時空間を隔てたスケールを提供することができ、デー
タの精度を向上させることができる。
【0033】次に、上記参照物質の使用例について説明
する。
【0034】
【第1使用例】第1使用例は、従前の栄養塩濃度測定に
おいて、標準液に替えて上記参照物質を使用し、栄養塩
濃度の測定を行なうことである。すなわち、参照物質の
栄養塩濃度と所定の測定装置の出力との関係から前記測
定装置による海水試料測定時の出力を栄養塩濃度に変換
して海水試料の栄養塩濃度を測定する。この場合、図2
(A)のように、参照物質の栄養塩濃度と所定の測定装
置の出力との関係を表す検量線を作成し、この検量線に
基づいて海水試料測定時の出力を海水試料の栄養塩濃度
に変換することなどが考えられる。なお、所定の測定装
置にマイクロコンピュータなどで構成された自動変換手
段を搭載しておいてもよい。
【0035】また、参照物質の検量線の精度確認は、他
の1系列の参照物質の栄養塩濃度と所定の測定装置の出
力との関係を表す検量線を作成し、この検量線との比較
により行なう。なお、この2系列の参照物質は、異なる
ロットで製造されたものであることが望ましい。すなわ
ち、2系列の参照物質が同一ロットで製造されたもので
あれば、製造後の濃度変化が同様の変化となる可能性が
あり、参照物質が変質したことを確認できないおそれが
ある。これに対し、異なるロットで製造されたものであ
れば、製造後の濃度変化が同様の変化となり難く、2ロ
ットの濃度の相対的関係を継続して確認することによ
り、濃度変化が起こったか否かの確認を容易に行なえ
る。相対的な関係が変化しないということは、濃度が継
続的に安定しているという証左である。
【0036】上記第1使用例によれば、本来標準液を作
成して濃度測定を行なっていたのを、標準液を作成する
ことなく栄養塩濃度の測定を行なえるので、標準液の作
成にかかっていた手間をなくすことができる。すなわ
ち、上記参照物質は、予め収納容器に密封されており、
濃度測定時に開封するだけでよいから、濃度測定の準備
に要する時間を大幅に短縮することができる。また、上
記の如く品質保持期限が従来の標準液と比較して長いの
で、地球環境における時空間的に広範囲なモニタリング
観測を略同一精度の参照物質にて実施できる。
【0037】
【第2使用例】第2使用例は、標準液との比較により栄
養塩濃度を測定する場合において、上記参照物質を標準
液の精度確認のために使用する。すなわち、標準液の長
所は、その濃度を自在に調整できることであり、この点
に関しては上記参照物質よりも優れている。例えば、図
2(B)のように、測定者が作成した1系列の標準液A
又はBの検量線を作成し、この検量線と参照物質の検量
線とを比較することにより標準液の作成精度を確認す
る。そして、標準液Bの検量線のように、参照物質の検
量線との格差が大きければ標準液を作り直す。
【0038】第2使用例によれば、本来2系列の標準液
を作成して濃度測定を行なっていたのを、1系列の標準
液を作成するだけで済み、標準液の作成にかかる手間を
半減させることができる。また、栄養塩濃度の測定に際
して、参照物質が正確さと精度の基準となり得るから、
所定の測定装置の調整度合(好調か不調か)や人材の教
育・分析担当者の技量確認など測定システム全体の評価
が可能となる。
【0039】以上、本発明の実施形態につき説明した
が、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の
変形が可能であって、例えば、参照物質を大量生産する
場合、混合処理工程S120やボトリング工程S140等におい
て、参照物質の均質化を図るべく攪拌するようにしても
よい。また、加熱処理工程における加熱温度は、120
℃に限定する必要はなく、微生物を死滅させることがで
き、かつ、原料海水中の栄養塩を熱分解させない程度の
温度であれば何℃でもよい。さらに、本発明は、濾過処
理工程S110、混合処理工程S120及び滅菌処理工程S130の
順序を適宜変更してもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る製造方法を適用すれば、室
温下でも長期に渡って栄養塩濃度が安定し、かつ、ロッ
ト内での偏差が小さい参照物質を提供できる。
【0041】また、本発明に係る使用方法によれば、従
来の栄養塩濃度の測定に要していた時間を大幅に短縮す
ることができると共に、地球環境における時空間的に広
範囲なモニタリング観測を略同一のスケールにて実施で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る参照物質の製造方法を示すブロッ
ク図である。
【図2】(A)は本発明に係る参照物質の検量線を例示
するグラフであり、(B)は本発明に係る参照物質の検
量線と標準液の検量線とを比較するグラフである。
【図3】(A)従前の栄養塩濃度の測定における標準液
の検量線を例示するグラフであり、(B)は標準液の検
量線の精度確認を例示するグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調査海域で採水した海水試料の栄養塩濃
    度を測定する際に用いられる海水を原料とする参照物質
    の製造方法であって、 所定海域で相違する水深から採水した栄養塩濃度の異な
    る複数種類の原料海水の濾過処理工程と、前記複数種類
    の原料海水を所定の割合で混合する混合処理工程と、前
    記複数種類の原料海水中の微生物を死滅させる滅菌処理
    工程とを有することを特徴とする栄養塩濃度測定用の参
    照物質の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記滅菌処理工程が、加熱処理工程であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の栄養塩濃度測定用
    の参照物質の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の参照物質の栄養
    塩濃度と所定の測定装置の出力との関係から前記測定装
    置の海水試料測定時の出力を栄養塩濃度に変換して海水
    試料の栄養塩濃度を測定するようにしたことを特徴とす
    る参照物質の使用方法。
  4. 【請求項4】 測定者が作成した標準液の濃度と所定の
    測定装置の出力との関係から前記測定装置により海水試
    料を測定した時の出力を栄養塩濃度に変換して栄養塩濃
    度を測定するに際し、 請求項1又は2に記載の参照物質の栄養塩濃度及び前記
    測定装置の出力の関係と、前記標準液の栄養塩濃度及び
    前記測定装置の出力の関係とを比較して前記標準液の作
    成精度を確認するようにしたことを特徴とする参照物質
    の使用方法。
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