JP2003214826A - 形状計測方法 - Google Patents

形状計測方法

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JP2003214826A
JP2003214826A JP2002016703A JP2002016703A JP2003214826A JP 2003214826 A JP2003214826 A JP 2003214826A JP 2002016703 A JP2002016703 A JP 2002016703A JP 2002016703 A JP2002016703 A JP 2002016703A JP 2003214826 A JP2003214826 A JP 2003214826A
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JP2002016703A
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Masahiko Uno
真彦 宇野
Hiroyuki Sasai
浩之 笹井
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物体の反射光の拡散反射成分を利用し
て、照明の数を増やすことなく、精度の良い形状計測す
る形状計測方法を得る。 【解決手段】 第1のタイミングで第1の照射方向から
対象物体に光を照射する第1の照射手段と、第2のタイ
ミングで第2の照射方向から対象物体に光を照射する第
2の照射手段と、第3のタイミングで第3の照射方向か
ら対象物体に光を照射する第3の照射手段と、対象物体
を撮像して第1、第2および第3の撮像画像を取得する
撮像手段と、第1、第2および第3の照射手段を制御す
る照明制御手段とを備え、第1、第2および第3の撮像
画像を処理して対象物体の表面勾配を算出する形状計測
方法であって、第1、第2および第3の撮像画像上にお
ける同一の所定座標点での各輝度を計測する第1のステ
ップと、各輝度の誤差を補正する第2のステップと、対
象物体の表面の所定座標点での勾配を算出する第3のス
テップとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工業用製品の形
状測定、検査に利用する形状計測方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図8は、例えば、特開2000−304
520号公報に記載された従来の形状計測方法を示す構
成図である。
【0003】図8において、天頂角が異なる照明21〜
26を順次点灯させて、対象物体であるチップ部品5に
光を照射させながら、CCDカメラ1で対象物体を撮像
する。
【0004】図9において、撮像画像71〜76におけ
る同一座標点の輝度データを並べ、ガウス関数を当ては
めて、輝度がピークになる角度を推定し、対象物体表面
の角度(表面勾配θ)を計算する。
【0005】図10において、対象物体表面の角度算出
では、対象物体の形状が2次曲線であることを仮定する
と表面の角度の分布は直線状となることを考慮して、直
線から離れたデータm1,m2をはずれ値として除去し
ながら対象物体の形状を計測する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の形状計測方法は
以上のように、対象物体の反射光の輝度のピーク、すな
わち反射光の正反射成分を利用して対象物体の形状を計
測しており、その正反射成分を検出するためには、天頂
角の異なる照明の数を多数用意してガウス関数に当ては
めるためのデータを増やさなければならないが、照明の
数を増やす事は計測時間の増大を招くという問題点があ
った。
【0007】また、計測値のはずれ値を除去する処理で
は、対象物体の形状が2次曲線であることを仮定しなけ
ればならないという問題点があった。
【0008】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、対象物体の反射光の拡散反射成
分を利用して、照明の数を増やすことなく、精度の良い
形状計測する形状計測方法を得ることを目的とするもの
である.
【0009】また、対象物体の形状を2次曲線に仮定す
ることなく、計測値のはずれ値を除去する形状計測方法
を得ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る形状計測
方法は、第1のタイミングで、第1の照射方向から対象
物体に光を照射する第1の照射手段と、第2のタイミン
グで、第2の照射方向から対象物体に光を照射する第2
の照射手段と、第3のタイミングで、第3の照射方向か
ら対象物体に光を照射する第3の照射手段と、第1、第
2および第3のタイミングで対象物体を撮像して、第
1、第2および第3の撮像画像を取得する撮像手段と、
第1、第2および第3の照射手段を制御する照明制御手
段とを備え、第1、第2および第3の撮像画像を処理し
て対象物体の表面勾配を算出する形状計測方法であっ
て、第1、第2および第3の撮像画像上における同一の
所定座標点での各輝度を計測する第1のステップと、各
輝度の誤差を補正する第2のステップと、対象物体の表
面の所定座標点での勾配を算出する第3のステップとを
備えたものである。
【0011】また、この発明に係る形状計測方法の第1
のステップは、第1、第2および第3の撮像画像上にお
ける所定座標点での各輝度をベクトル表示した第1の輝
度ベクトルを算出する輝度ベクトル算出ステップを含
み、第2のステップは、第1の輝度ベクトルの分布を3
次元楕円体で回帰し、各輝度の誤差を補正するための回
帰曲面を算出する回帰ステップと、3次元楕円体の表面
に第1の輝度ベクトルを射影して第2の輝度ベクトルを
算出し、各輝度の誤差を補正する射影ステップとを含
み、第3のステップは、第2の輝度ベクトルと、第1、
第2および第3の照射方向の各単位ベクトルを成分とす
る照射方向行列と、第1、第2および第3の照射手段か
らの各光の明度を対角成分とする照明明度行列とに基づ
いて、対象物体の表面の所定座標点での勾配を算出する
表面勾配算出ステップを備えたものである。
【0012】また、この発明に係る形状計測方法の回帰
ステップは、第1の輝度ベクトルの偏差の2乗の中央値
が最小になるように3次元楕円体の表面で回帰するもの
である。
【0013】また、この発明に係る形状計測方法の表面
勾配算出ステップは、第2の輝度ベクトルd’、照射方
向行列Lおよび照明明度行列Cに基づいて、対象物体の
表面の所定座標点での勾配nを、次式
【数2】 によって算出するものである。
【0014】さらに、この発明に係る形状計測方法の表
面勾配算出ステップは、回帰手段の回帰結果に基づい
て、照射方向行列または照明明度行列のいずれか一方か
ら他方を算出し、照射方向行列、照明明度行列および第
2の輝度ベクトルに基づいて、対象物体の表面の所定座
標点での勾配を算出するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、図面を参照
しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明
する。図1はこの発明の実施の形態1を示す説明図であ
る。
【0016】図1において、形状計測方法は、対象物体
10を撮像するCCDカメラなどの撮像手段1と、天頂
角ψの照明を複数有し(照明21、22、23)、対象
物体10に光を照射する照射手段と、照射手段の動作を
制御する照明制御手段3と、撮像手段1による撮像画像
を解析する画像処理手段4とを備えている。
【0017】また、画像処理手段4は、輝度ベクトル測
定手段41と、回帰手段42と、射影手段43と、表面
勾配算出手段44とを有している。
【0018】なお、照明の数は、3つ以上でもよい。ま
た、それぞれの照明の天頂角ψは、異なっていてもよ
い。また、照射手段は、必ずしも3つの照明を用いなく
ても構わない。1つの照明の位置を変えることで照明手
段を実現してもよい。
【0019】次に、図2を参照しながら、天頂角ψと方
位角θとの説明をする。
【0020】図2において、ベクトルrに関する天頂角
ψは、ベクトルrとz軸との角度を示し、ベクトルrに
関する方位角θは、ベクトルrのz方向のxy平面に対
する射影ベクトルとx軸との角度を示す。
【0021】続いて、この発明の実施の形態1による動
作について説明する。
【0022】まず、対象物体10を原点に設定し、CC
Dカメラ1の撮像面がz軸方向に垂直になる様に座標系
を設定する(図3参照)。
【0023】また、例えば、図3において、3つの照明
21〜23の天頂角ψは同一にして、方位角をそれぞれ
変えて設置している。
【0024】続いて、照明制御手段3の制御により、照
明21〜23を順次点灯させながら対象物体10に光を
照射させ、その度にCCDカメラ1で対象物体10の画
像を撮像する。
【0025】すべての照明21〜23での撮像が終了す
ると、画像処理手段4は、対象物体10の撮像によって
取得した撮像画像に基づいて、照明21〜23の光の照
射によって得られた反射光の拡散反射成分の輝度d
(i=1〜3)を算出し、さらに、回帰計算によって
輝度dの誤差を補正する。
【0026】誤差が補正された輝度dに基づいて、対
象物体10の表面勾配を算出し、撮像した座標における
対象物体10の形状を求める。
【0027】次に、図1とともに、図4を参照しなが
ら、画像処理手段4の動作の概要について説明する。
【0028】まず、照明21〜23によって対象物体1
0への光の照射を切り換え、CCDカメラ1でそれぞれ
撮像して画像を得る。
【0029】画像処理手段4の輝度ベクトル測定手段4
1は、各撮像画像において、同一の画像座標点(CCD
カメラ1での撮像画像の座標点)での各輝度を成分とし
た輝度ベクトルdを算出する(ステップS401)。
【0030】回帰手段42は、各画像座標点での輝度ベ
クトルdの分布を3次元楕円体で回帰する(ステップS
402)。
【0031】射影手段43は、各輝度ベクトルdを回帰
した3次元楕円体表面(回帰曲線上)に射影して、誤差
が補正された新たな各輝度ベクトルd’を算出する(ス
テップS403)。
【0032】表面勾配算出手段44は、輝度ベクトル
d’に基づいて、対象物体10の画像座標点における表
面勾配(単位法線ベクトル)を算出する(ステップS4
04)。
【0033】以上のようにして、各画像座標点(各所定
座標点)における表面勾配が算出されるので、対象物体
10の形状を判断することができる。
【0034】続いて、画像処理手段4の動作について詳
細に説明する。
【0035】図3において、対象物体10の画像座標点
の表面勾配を、(1)式のような表面の単位法線ベクト
ルnで示す。
【0036】
【数3】
【0037】なお、単位法線ベクトルnは単位ベクトル
なので、(2)式の関係となる。
【0038】
【数4】
【0039】照射手段を構成する照明21〜23につい
て、画像処理手段4に設定されたそれぞれの照射方向の
単位ベクトルl(i=1〜3)の方向は、光が照射さ
れる向きと逆方向、つまり、原点からそれぞれの照明2
1〜23に向かう方向とする。
【0040】ここで、照明21〜23の照射方向の単位
ベクトルl、l、lの各成分を、それぞれ(3)
〜(5)式のように定義する。
【0041】
【数5】
【0042】さらに、(3)〜(5)式で示した成分を
用いて、3×3行列の照射方向行列Lを(6)式で定義
する。
【0043】
【数6】
【0044】次に、画像処理手段4に設定された照明2
1〜23での光の明るさ(明度)C 、C、Cを用
い、3×3行列の照明明度行列Cを(7)式で定義す
る。
【0045】
【数7】
【0046】照明21〜23によって光を照射された対
象物体10の反射光は、特定方向のみの正反射成分と、
さまざまな方向の拡散反射成分とに分解される。そのう
ち拡散反射成分に関しては、ランベルト反射を行うと仮
定することができる。
【0047】対象物体10の表面の単位法線ベクトル
n、対象物体10の表面の反射率(スカラー値)などを
含む係数sを用いると、照明21〜23によって光を照
射された対象物体10の反射光の拡散成分の輝度d
は、(8)式の関係で示される。
【0048】
【数8】
【0049】ここで(n・li)は、ベクトルn,li
内積を示す。(8)式において、物体の表面の反射率
(スカラー値)などを含む係数sは、本来、対象物体1
0の表面状態の違いによって対象物体10の各座標点で
値が異なるが、ここでは、対象物体10の色や、その表
面の組成が単一である場合を想定する。
【0050】対象物体10の色や表面の組成は単一であ
ると想定すると、表面の各座標点では、同一の反射率を
もつと仮定することができるので、(8)式の関係は、
対象物体10を撮像した撮像画像の各座標点(画像座標
点)においても成立する。
【0051】図4において、例えば、3つの照明で対象
物体10を照射する場合、各照明21〜23による光の
照射で得られた同一画像座標点上の輝度d、d、d
を各成分とした輝度ベクトルdを(9)式のように示
す。
【0052】
【数9】
【0053】また、(8)式および(9)式に基づい
て、(10)式の関係を示すことができる。
【0054】
【数10】
【0055】照射方向行列Lが正則行列となるように、
照射方向の単位ベクトルlをとると、単位法線ベクト
ルnは、(11)式の関係となる。
【0056】
【数11】
【0057】しかし、単位法線ベクトルnは単位行列な
ので、反射率を含む係数sはスカラー値であり、且つ、
一定の係数であることを考慮すると、実際には、係数s
は単位法線ベクトルnの大きさを「1」にする単なるス
ケールファクタに過ぎない。
【0058】したがって、(3)式は、(12)式のよ
うに書き直せる。
【0059】
【数12】
【0060】(12)式において、「‖・‖」は、ベク
トルのノルムを示す。
【0061】単位法線ベクトルnは、単位ベクトルであ
ることから(13)式を(11)式を用いて書き直せ
ば、次の(14)式になる。
【0062】
【数13】
【0063】(14)式において、「T」は転置行列、
「−T」は逆行列の転置を示す。
【0064】(14)式の関係と、(8)式のランベル
ト反射が行われるという仮定とに基づくと、対象物体1
0の画像座標点における輝度ベクトルdの分布は、本
来、3次元楕円体表面上に分布する(図5参照)。
【0065】しかし、実際には、計測上の誤差などによ
り輝度ベクトルdが正確に3次元楕円体表面上に位置し
ないため、画像座標点と実際の座標点とは、ずれが生じ
る。
【0066】したがって、回帰計算を行って回帰曲面上
に輝度ベクトルdを再配置して誤差を補正する。
【0067】ここで、一般の3次元楕円体の関係式は、
(15)式で示される。
【0068】
【数14】
【0069】(15)式において、「x」は、3次元
楕円体の中心位置、「S」は、正定値の対称行列を示
す。
【0070】画像座標点の輝度ベクトルdの分布から3
次元楕円体で回帰計算を行うことにより、3次元楕円体
の中心位置xと、正定値の対称行列Sとを算出するこ
とができ、回帰曲線を得ることができる。
【0071】回帰計算には、最小2乗法を用いてもよ
い。最小2乗法は、どの値を最小にするかによって計算
方法が異なるが、ここでは、線形化して回帰計算を行う
例を挙げる。以上の方法においても、輝度の偏差の2乗
和を最小化するという趣旨は損なわれない。
【0072】例えば、(15)式を展開すると、(1
6)式の関係となる。
【0073】
【数15】
【0074】(16)式において、「A」〜「J」は係
数である。なお、係数Aの値が「0」であると3次元楕
円体にならないので、係数Aは「1」としてよい。
【0075】すなわち、3次元楕円体Q(x,y,z)
は、(17)式の関係となる。
【0076】
【数16】
【0077】ここで、入力データzを(18)式とす
ると、(17)式との関係によって、(19)式の関係
を満たすような係数「B」〜「J」を算出する。
【0078】
【数17】
【0079】このように、(17)式は、算出する係数
「B」〜「J」に関して線形な1次式と見なすことがで
きるので、最小2乗法の手法を用いてこれらの係数を計
算することができる。
【0080】また、係数「B」〜「J」が算出されれ
ば、3次元楕円体の中心位置xと、正定値の対称行列
Sの値も算出することができる。
【0081】なお、ここでは、一般性を考慮して、3次
元楕円体の中心位置xの値を算出することが可能な方
法を説明したが、物理的には3次元楕円体の中心位置x
の値は、輝度ベクトルdの暗電流ノイズ成分である。
【0082】したがって、最初からこの値が十分小さい
と見込めるならば、回帰計算する関係式(モデル)は、
(15)式ではなく、(20)式を用いてもよい。
【0083】
【数18】
【0084】(20)式を用いて回帰計算をすれば、計
算コストも減少し、精度が向上する。
【0085】同様に、照明21〜23の光の明るさC
(i=1〜3)や照射方向l(i=1〜3)に限定を
加えれば、さらに3次元楕円体のパラメータの計算コス
トを減らすことも可能である。
【0086】例えば、照明21〜23の光のそれぞれの
明るさCをすべて一定とし、照射方向lが各々直交
するように構成して、さらに、照明21〜23の暗電流
ノイズも無いとすると、照明明度行列Cと照射方向行列
Lとは、それぞれ(21)式、(22)式で示すことが
できる。
【0087】
【数19】
【0088】(21)式において、「k」はスカラー定
数、「I」は単位行列を示す。また、(22)式におい
て、「R」は回転行列を示す。
【0089】(21)式、(22)式より、(14)式
は、(23)式の関係となる。
【0090】
【数20】
【0091】すなわち、3次元楕円体は球となり、半径
を推定するだけになるので、計算が非常に簡略化され
る。
【0092】照明21〜23の光の明るさCを一定に
する手段については、例えば、1つの照明を回転ステー
ジ上に設置し、照明を回転させて照射方向を変えるよう
にすれば容易に構成することができる。
【0093】このように3次元楕円体の表面で回帰(パ
ラメータ推定)した後、計測した輝度ベクトルdを3次
元楕円体表面に再配置する。
【0094】以上のように輝度ベクトルdを再配置する
ことにより、輝度の誤差を補正することができる。
【0095】この際には、例えば、図6において、3次
元楕円体表面に一番近い点(表面と直交する点)に射影
することによって、輝度ベクトルd’を再配置してもよ
い。
【0096】また、図7において、輝度ベクトルdの位
置ベクトルと3次元楕円体の中心とを結ぶ直線と、3次
元楕円体の表面との交点に輝度ベクトルd’を再配置し
てもよい。
【0097】再配置にあたっては、3次元楕円体表面と
計測した輝度ベクトルdとの距離が所定の値を超えた場
合に、その輝度ベクトルdをはずれ値と見なして計測に
採用しないようにしてもよい。
【0098】はずれ値と見なされた輝度ベクトルdの画
像座標点については、もし照明が複数あれば、別の照明
の組み合わせで輝度ベクトルdを算出して、はずれ値と
ならない輝度ベクトルdを採用してもよい。
【0099】以上のようにして、輝度ベクトルdを3次
元楕円体表面に再配置した後、(12)式を変換した
(24)式を用いて、対象物体10の画像座標点におけ
る表面勾配(単位法線ベクトル)nを算出する。
【0100】
【数21】
【0101】画像座標点における表面勾配が算出される
と、対象物体10の形状を知ることができる。
【0102】このように、対象物体10の反射光の拡散
反射成分を利用して対象物体10の形状を計測するの
で、少ない照明の数で精度良く形状を計測することがで
きる。
【0103】また、対象物体10の形状に仮定をおくこ
となく、計測値のはずれ値を除去することができる。
【0104】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、輝度ベクトルの偏差の2乗和が最小となる基準を用
いる最小2乗法を用いて、輝度ベクトルdの分布を3次
元楕円体で回帰したが、偏差の2乗の中央値が最小とな
る基準を用いてもよい。
【0105】回帰手段42では、(19)式を満たす
(17)式の係数「B」〜「J」を算出したが、(2
5)式を満たす(17)式の係数「B」〜「J」を算出
してもよい。
【0106】
【数22】
【0107】(25)式において、「Med(・)」
は、メディアン(中央値)をとる関数である。
【0108】この中央値は、データにはずれ値が含まれ
ていても値があまり変動しないという特徴があるため、
(25)式を用いると、はずれ値に影響されにくい回帰
計算を実現することができる。
【0109】また、輝度ベクトルの偏差の2乗の中央値
が最小になるという基準だけで、自動的にはずれ値の影
響が除去されるので、しきい値を設定してはずれ値であ
ることを判定する必要が無い。
【0110】実施の形態3.なお、上記実施の形態1で
は、照明明度行列Cと、照射方向行列Lとがいずれも既
知であったが、照明明度行列Cまたは照射方向行列Lの
いずれか一方だけが既知であってもよい。
【0111】照明明度行列Cまたは照射方向行列Lのい
ずれか一方が既知であり、他方が未知であるとする。
【0112】この場合、回帰手段42において、3次元
楕円体の回帰計算で(15)式の正定値の対象行列Sを
算出した後、既知の照明明度行列Cまたは照射方向行列
Lに基づいて、(26)式から未知の他方を算出(推
定)することができる。
【0113】
【数23】
【0114】このように、照明明度行列Cまたは照射方
向行列Lのいずれか一方が未知の場合でも他方から算出
することができ、(12)式により、対象物体10の表
面の単位法線ベクトルnを算出することができる。
【0115】例えば、照射方向行列Lが既知で、照明明
度行列Cが未知の場合、照明明度行列Cを推定して単位
法線ベクトルnを算出する。
【0116】(26)式を行列の各成分毎に書き直す
と、独立な式は6つ存在する。
【0117】照明明度行列Cの変数は、対角成分である
照明21〜23の明るさ「C」,「C」,「C
の3つと、対象物体10の表面の反射率(スカラー値)
などを含む係数「s」だけで、「sC」,「s
」,「sC」でまとめると3つの変数になり、変
数3つに対して独立な式が6つあるので、変数「sC」
の算出(推定)が可能になる。
【0118】なお、変数「sC」の「s」は、最後に
(12)式のように正規化されるので、「s」と「C」
とをそれぞれ算出することができなくても、変数「s
C」を「C」に置き換えて(24)式に代入すれば、単
位法線ベクトルnが計算することができる。
【0119】一方、照明明度行列Cが既知の場合は、
(26)式から(27)式に変形する。
【0120】
【数24】
【0121】照射方向行列Lの各行が単位ベクトルなの
で、(27)式の左辺は、(28)式のようになる。
【0122】
【数25】
【0123】ここで、(3)〜(5)式から(28)式
の成分「(l・l)」、「(l ・l)」、
「(l・l)」は算出可能となる。
【0124】しかし、照射方向の相互関係は推定できる
が、実際の照射方向は決定することができない。
【0125】したがって、例えば、1つの照射方向を既
知情報(補足情報)として考慮して照射方向行列Lを推
定すれば、既知の照明明度行列Cとに基づいて単位法線
ベクトルnを算出することができる。
【0126】このように、照明明度行列Cまたは照射方
向行列Lのいずれか一方が未知の場合でも、他方を推定
して対象物体10の単位法線ベクトルnを算出すること
ができる。
【0127】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、第1
のタイミングで、第1の照射方向から対象物体に光を照
射する第1の照射手段と、第2のタイミングで、第2の
照射方向から対象物体に光を照射する第2の照射手段
と、第3のタイミングで、第3の照射方向から対象物体
に光を照射する第3の照射手段と、第1、第2および第
3のタイミングで対象物体を撮像して、第1、第2およ
び第3の撮像画像を取得する撮像手段と、第1、第2お
よび第3の照射手段を制御する照明制御手段とを備え、
第1、第2および第3の撮像画像を処理して対象物体の
表面勾配を算出する形状計測方法であって、第1、第2
および第3の撮像画像上における同一の所定座標点での
各輝度を計測する第1のステップと、各輝度の誤差を補
正する第2のステップと、対象物体の表面の所定座標点
での勾配を算出する第3のステップとを備えたので、少
ない照明の数で対象物体を照射して、その反射光の拡散
反射成分を利用して精度よく対象物体の形状を計測する
ことができ、その形状の計測の際に仮定をおくことなく
計測値のはずれ値を除去して、正確な形状を計測するこ
とのできる形状計測方法が得られる効果がある。
【0128】また、この発明によれば、第1のステップ
は、第1、第2および第3の撮像画像上における所定座
標点での各輝度をベクトル表示した第1の輝度ベクトル
を算出する輝度ベクトル算出ステップを含み、第2のス
テップは、第1の輝度ベクトルの分布を3次元楕円体で
回帰し、各輝度の誤差を補正するための回帰曲面を算出
する回帰ステップと、3次元楕円体の表面に第1の輝度
ベクトルを射影して第2の輝度ベクトルを算出し、各輝
度の誤差を補正する射影ステップとを含み、第3のステ
ップは、第2の輝度ベクトルと、第1、第2および第3
の照射方向の各単位ベクトルを成分とする照射方向行列
と、第1、第2および第3の照射手段からの各光の明度
を対角成分とする照明明度行列とに基づいて、対象物体
の表面の所定座標点での勾配を算出する表面勾配算出ス
テップを含むので、照明の数を多くすることなく、対象
物体の反射光の拡散反射成分を利用して、対象物体の形
状を計測でき、その形状計測の際に仮定をおくことなく
計測値のはずれ値を除去することのできる形状計測方法
が得られる効果がある。
【0129】また、この発明によれば、回帰ステップ
は、第1の輝度ベクトルの偏差の2乗の中央値が最小に
なるように3次元楕円体の表面で回帰するので、はずれ
値を除去するためのしきい値を設ける必要がなく、自動
的にはずれ値を除去することのできる形状計測方法が得
られる効果がある。
【0130】また、この発明によれば、表面勾配算出ス
テップは、第2の輝度ベクトルd’、照射方向行列Lお
よび照明明度行列Cに基づいて、対象物体の表面の所定
座標点での勾配nを、次式
【数26】 によって算出するので、少ない照明の数で対象物体を照
射し、その反射光の拡散反射成分を利用して精度よく対
象物体の形状を計測することのできる形状計測方法が得
られる効果がある。
【0131】さらに、この発明によれば、表面勾配算出
ステップは、回帰手段の回帰結果に基づいて、照射方向
行列または照明明度行列のいずれか一方から他方を算出
し、照射方向行列、照明明度行列および第2の輝度ベク
トルに基づいて、対象物体の表面の所定座標点での勾配
を算出するので、照明明度行列または照射方向行列が未
知であっても、既知の行列から未知の行列を推定して対
象物体の表面勾配を算出することのできる形状計測方法
が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す構成図であ
る。
【図2】 この発明の実施の形態1を説明する説明図で
ある。
【図3】 この発明の実施の形態1による動作を示す説
明図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による動作を示すフ
ローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1の動作を説明する説
明図である。
【図6】 この発明の実施の形態1の動作を説明する説
明図である。
【図7】 この発明の実施の形態1の動作を説明する説
明図である。
【図8】 従来の形状計測方法を示す構成図である。
【図9】 従来の形状計測方法を説明する説明図であ
る。
【図10】 従来の形状計測方法を説明する説明図であ
る。
【符号の説明】
1 撮像手段、3 照明制御手段、4 画像処理手段、
10 対象物体、21照明、22 照明、23 照明、
41 輝度ベクトル測定手段、42 回帰手段、43
射影手段、44 表面勾配算出手段。
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA35 AA53 BB05 FF04 GG00 HH12 JJ03 JJ09 JJ26 QQ31 UU01 5B057 BA02 BA15 DA11 DB03 DB09 DC08 DC09 DC19 DC22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のタイミングで、第1の照射方向か
    ら対象物体に光を照射する第1の照射手段と、 第2のタイミングで、第2の照射方向から前記対象物体
    に光を照射する第2の照射手段と、 第3のタイミングで、第3の照射方向から前記対象物体
    に光を照射する第3の照射手段と、 前記第1、第2および第3のタイミングで前記対象物体
    を撮像して、第1、第2および第3の撮像画像を取得す
    る撮像手段と、 前記第1、第2および第3の照射手段を制御する照明制
    御手段とを備え、 前記第1、第2および第3の撮像画像を処理して前記対
    象物体の表面勾配を算出する形状計測方法であって、 前記第1、第2および第3の撮像画像上における同一の
    所定座標点での各輝度を計測する第1のステップと、 前記各輝度の誤差を補正する第2のステップと、 前記対象物体の表面の前記所定座標点での勾配を算出す
    る第3のステップとを備えたことを特徴とする形状計測
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のステップは、 前記第1、第2および第3の撮像画像上における前記所
    定座標点での各輝度をベクトル表示した第1の輝度ベク
    トルを算出する輝度ベクトル算出ステップを含み、 前記第2のステップは、 前記第1の輝度ベクトルの分布を3次元楕円体で回帰
    し、前記各輝度の誤差を補正するための回帰曲面を算出
    する回帰ステップと、 前記3次元楕円体の表面に前記第1の輝度ベクトルを射
    影して第2の輝度ベクトルを算出し、前記各輝度の誤差
    を補正する射影ステップとを含み、 前記第3のステップは、 前記第2の輝度ベクトルと、前記第1、第2および第3
    の照射方向の各単位ベクトルを成分とする照射方向行列
    と、前記第1、第2および第3の照射手段からの各光の
    明度を対角成分とする照明明度行列とに基づいて、前記
    対象物体の表面の前記所定座標点での勾配を算出する表
    面勾配算出ステップを含むことを特徴とする請求項1に
    記載の形状計測方法。
  3. 【請求項3】 前記回帰ステップは、 前記第1の輝度ベクトルの偏差の2乗の中央値が最小に
    なるように前記3次元楕円体の表面で回帰することを特
    徴とする請求項2に記載の形状計測方法。
  4. 【請求項4】 前記表面勾配算出ステップは、 前記第2の輝度ベクトルd’、前記照射方向行列Lおよ
    び前記照明明度行列Cに基づいて、前記対象物体の表面
    の前記所定座標点での勾配nを、次式 【数1】 によって算出することを特徴とする請求項2または請求
    項3に記載の形状計測方法。
  5. 【請求項5】 前記表面勾配算出ステップは、前記回帰
    手段の回帰結果に基づいて、前記照射方向行列または前
    記照明明度行列のいずれか一方から他方を算出し、前記
    照射方向行列、前記照明明度行列および前記第2の輝度
    ベクトルに基づいて、前記対象物体の表面の前記所定座
    標点での勾配を算出することを特徴とする請求項2から
    請求項4までのいずれか1項に記載の形状計測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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