JP2003212197A - 人工衛星の相対6自由度制御方式 - Google Patents
人工衛星の相対6自由度制御方式Info
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Abstract
対位置を制御するために、推薬の搭載可能量がミッショ
ン寿命を決め、また推薬の爆発などの危険性が生じ、更
にスラスタの向きや搭載位置が問題となる。 【解決手段】 人工衛星Aは、姿勢検出センサ11aと
ホイール12aを用いて、慣性空間に対して指示された
向きを保つように姿勢制御すると共に、交流磁場発生装
置13aで基準となる交流磁場を発生させる。人工衛星
Bは、相対位置相対姿勢検出センサ15を用いて計測さ
れる衛星A上の識別板14との距離と角度に応じて、指
定された距離と角度になるように、交流磁場発生装置1
3bの交流磁場の位相及び強度を同期又はずらすことに
より、衛星Aに対する衛星Bの並進力と回転力とを発生
させ、フィードバック制御を行う。衛星Bは、相対姿勢
の制御のために、姿勢検出センサ11bとホイール12
bを用いた姿勢制御を併用する。
Description
由度制御方式に係り、特に二つの人工衛星の相対位置と
相対姿勢を制御する人工衛星の相対6自由度制御方式に
関する。
姿勢を制御する制御方式として、ランデブドッキングな
どが知られているが、これらの従来の制御方式では、推
薬を使用して推力を得るスラスタを用いた推力系アクチ
ュエータにより、上記の相対位置や相対姿勢を制御して
いる。ランデブドッキングの場合は、二つの軌道運動を
する人工衛星は最終的に同じ軌道にすればよく、推力も
断続的に発生させることで制御が可能である。
メーションフライトの一つの実現構想案として、二つの
人工衛星の一方をミッション観測機器のレンズ部とし、
他方をミッション観測機器の検出器部とし、それら二つ
の人工衛星を結ぶ方向を慣性空間に対して任意に固定さ
せることで観測を行うアプリケーションを考える場合、
片方の人工衛星は常に推力を発生させなければ相対位置
を維持することができない。
系アクチュエータで相対姿勢や相対位置を制御するため
に、推薬を消費しきってしまうと制御できなくなるた
め、推薬の搭載可能量がミッション寿命を決めることに
なる。概算では数トンクラスの大きさの人工衛星でミッ
ション寿命2年〜3年を実現するためには、衛星重量に
匹敵する数トン以上の推薬を搭載する必要がある。従っ
て、上記のようなアプリケーションでは推薬を常時使用
することになるため、ある程度のミッション寿命を得る
ためには、衛星規模を非常に大きなものにしなければな
らないという問題がある。また、推薬を搭載しているた
めに、何らかの異常によって推薬の爆発などの危険性が
生じることも考えられる。更に、推薬の重量や充填され
るタンクの大きさなどにより、人工衛星に搭載できる機
器が制限される。
スラスタでは任意の方向に推力を発生することができな
いため、完全に6自由度分の推進力と回転力を人工衛星
に与えるようにするためには、最低12個のスラスタを
搭載する必要があり、冗長が必要であれば更に多くのス
ラスタを搭載しなければならない。更に、推力系アクチ
ュエータは、噴射推薬が人工衛星の他の部分にあたるこ
とによって、余分な外乱トルクを生じてしまったり、推
薬が付着することによりセンサなどの能力を落としてし
まう汚染を生じる可能性がある。従って、このような外
乱トルクや汚染を防ぐためには、噴射スラスタが上記の
ように多数必要とすることから、スラスタの向きや搭載
位置が問題となる。
推力系アクチュエータを用いることなく二つの人工衛星
の相対姿勢及び相対位置を制御し得る人工衛星の相対6
自由度制御方式を提供することを目的とする。
クチュエータと相対位置制御のアクチュエータの搭載位
置を簡単に決定し得る人工衛星の相対6自由度制御方式
を提供することにある。
め、第1の発明の相対6自由度制御方式は、第1の人工
衛星及び第2の人工衛星の間の3自由度の相対位置と3
自由度の相対姿勢を制御する相対6自由度制御方式にお
いて、第1の人工衛星は、第1の人工衛星を慣性空間に
対して指定された向きを保つように姿勢制御する第1の
姿勢制御手段と、第2の人工衛星との相対距離姿勢を制
御するために一定周期で交流変動する磁場を発生する第
1の交流磁場発生装置と、第2の人工衛星との相対距離
と相対姿勢を知るための識別板とを備え、第2の人工衛
星は、第1の人工衛星に搭載された識別板との相対距離
及び相対姿勢を知るための相対位置相対姿勢検出センサ
と、相対位置相対姿勢検出センサが検出した相対距離及
び角度に応じて、第1の交流磁場発生装置が発生する磁
場に対して位相を制御した交流磁場を発生させることに
より磁場干渉力として並進力と回転力を発生させる第2
の交流磁場発生装置と、第2の交流磁場発生装置が発生
する磁場干渉力との組み合わせにより相対姿勢制御する
第2の姿勢制御手段とを備える構成としたものである。
勢制御手段により慣性空間に対して指定された向きで姿
勢を保持しながら軌道運動を行い、第2の人工衛星が第
1の交流磁場発生装置が発生する交流磁場に対して第2
の交流磁場発生装置が発生する交流磁場を磁場干渉力と
して作用させることにより、推力系アクチュエータを用
いることなく第1の人工衛星に対して指定された距離を
保持しつつ、第2の姿勢制御手段との組み合わせにより
第1の人工衛星と正対する向きを保つように姿勢制御す
ることを特徴とする。
め、第2の発明の相対6自由度制御方式は、第1の発明
における第1の交流磁場発生装置を、第1及び第2の人
工衛星の軌道運動による衛星位置での地球磁場の変動よ
りも速い周波数で変動する磁場を交流的に発生する装置
とし、第2の交流磁場発生装置を、第1の交流磁場発生
装置が発生した磁場に対して干渉する磁場を交流的に発
生する装置としたものである。この発明では、第1及び
第2の交流磁場発生装置で発生する交流磁場に対する地
球磁場の干渉の影響を小さくすることができる。
発明の相対6自由度制御方式は、第1及び第2の発明に
おける第1の交流磁場発生装置を、第1の人工衛星が向
くべき方向に軸を持つ一軸分の磁気モーメントを発生す
る第1の電磁石コイルと、第1の電磁石コイルに交流電
流を流すことで交流磁場を発生させる第1の駆動装置と
からなる構成とし、第2の交流磁場発生装置を、第1の
交流磁場発生装置が発生した磁場に対して干渉する磁場
を交流的に発生させるために直交3軸方向に配置された
第2の電磁石コイルと、第2の電磁石コイルに互いに独
立して交流電流を流すことで交流磁場を発生させる第2
の駆動装置とからなる構成としたものである。
発明の相対6自由度制御方式は、第1及び第2の交流磁
場発生装置は、超伝導磁石を利用した磁気モーメントを
発生する装置であることを特徴とする。この発明では、
数十m程度の距離離れた第1及び第2の人工衛星間で適
度な強さの交流磁場を作用させることができる。
発明の相対6自由度制御方式は、上記の第1及び第2の
姿勢制御手段を、姿勢検出センサと、姿勢制御アクチュ
エータであるホイールとから構成されていることを特徴
とする。この発明では、第1及び第2の人工衛星の構成
を推力系アクチュエータを全く使用しない構成とするこ
とができる。
は、第1及び第2の姿勢制御手段を、姿勢検出センサ
と、推力系アクチュエータとから構成したことを特徴と
する。この発明では、第1及び第2の姿勢制御手段は推
力系アクチュエータを使用するが、相対位置を制御する
ための制御手段は第1及び第2の交流磁場発生装置を使
用しており、推力系アクチュエータを使用しないように
できる。
て図面と共に説明する。図1は本発明になる人工衛星の
相対6自由度制御方式の一実施の形態における衛星正面
図と相対位置・相対姿勢制御の概略説明図を示す。本実
施の形態において、相対位置と相対姿勢が制御される二
つの人工衛星の各々は、図1(A)の概略正面図に示す
ように、衛星本体1の外部に、後述する交流磁場発生装
置の一部を構成する超伝導磁石2、3、4、5が配置さ
れた構成である。超伝導磁石2、3、4、5は円柱状で
ある。なお、超伝導磁石の個数及び形状は図1(A)の
ものに限定されるものではない。
は、図1(B)にAとBで示すように、慣性空間の指示
された方向に向かって、要求された精度で距離と向きを
保つように制御される。すなわち、後述するように、本
実施の形態では、磁場干渉による二つの人工衛星AとB
の間の位置制御と、ホイールによる姿勢制御を組み合わ
せて、人工衛星AとBの間の相対位置と相対姿勢を制御
する相対6自由度制御を行う。
変動する磁場を発生させ、もう一方の人工衛星Bではそ
の交流磁場に対して位相をずらした交流磁場を発生させ
ることによって生じた磁場干渉力を利用する。姿勢制御
は、人工衛星A及びBにそれぞれ搭載されたホイールに
よる宇宙慣性空間に対する制御と、磁場干渉力による相
対姿勢の制御の組み合わせで行う。以下、このことにつ
いて更に詳細に説明する。
度制御方式の一実施の形態における二つの人工衛星の構
成図を示す。本実施の形態では、慣性空間に対して位置
及び姿勢の基準となる人工衛星Aと、人工衛星Aに対し
て相対的に位置及び姿勢を制御する人工衛星Bとに別れ
て搭載される機器により構成されている。
慣性指向タイプの人工衛星に姿勢制御用としてよく搭載
される姿勢検出センサ11aと、姿勢制御アクチュエー
タであるホイール12aとが搭載され、これに加えて更
に、交流磁場発生装置13aと識別板14が搭載されて
いる。姿勢検出センサ11aは、慣性基準装置と呼ばれ
るジャイロを用いたセンサや恒星センサなどで構成され
ている。交流磁場発生装置13aは、相対距離姿勢を制
御するための装置で、人工衛星Aの軌道運動による地球
磁場の変動よりも速い周波数で磁場を変動させる。識別
板14は、人工衛星Bに搭載する相対距離と相対姿勢を
知るためのセンサ用のマーカあるいはミラーである。
人工衛星Aと同様に、通常の慣性指向タイプの人工衛星
に姿勢制御用としてよく搭載される姿勢検出センサ11
bと、姿勢制御アクチュエータであるホイール12bと
が搭載され、これに加えて更に、交流磁場発生装置13
bと相対位置相対姿勢検出センサ15とが搭載されてい
る。交流磁場発生装置13bは、位置や姿勢を制御する
ために、人工衛星Aが発生する磁場に干渉させる磁場を
発生させる装置である。相対位置相対姿勢検出センサ1
5は、人工衛星Aとの相対距離及び相対姿勢を知るため
のセンサである。
と、アクチュエータであるホイール12a及び12bに
ついては、本発明とは直接関係せず、衛星姿勢制御の設
計を行う当業者では一般的な機器であるため、それらの
具体的な内部構成や機能についての説明は省略する。人
工衛星Aはこれらの姿勢検出センサ11aとホイール1
2aを用いて、要求仕様内で慣性空間に対して適正に姿
勢制御されているものとする。
は、レーザなどを利用して対象物との相対距離と相対角
度(方向)を知るためのセンサである。使用可能な相対
距離域によって、ランデブレーダや近接センサなどと呼
ばれるものが存在する。この相対位置相対姿勢検出セン
サ15として、より精度の高いものを搭載することは高
精度の相対6自由度制御を実現するために不可欠なこと
であるが、そのセンサそのものについては当業者によっ
てよく知られており(例えば、特開昭58−79179
号公報など)、またその内部構成は本発明とは直接関係
しないので、内部の詳細な構成についての説明は省略す
る。
実施の形態の制御を実現させるために提案する装置であ
る。交流磁場発生装置13a及び13bは、人工衛星A
及びBにそれぞれ搭載されて互いに独立に駆動され、駆
動時には、電磁石に交流電流を流して交流磁場を発生す
る。二つの人工衛星A及びBは、これらの交流磁場発生
装置13a及び13bの電磁石から生じる磁気モーメン
ト同士が干渉することで並進力と回転力を発生でき、相
対位置と相対姿勢を制御することができる。
との干渉の影響を小さくするためであり、衛星の軌道運
動による衛星位置での地球磁場の変化よりも十分に速い
周波数で振動させることにより、地球磁場との干渉をキ
ャンセルさせることができる。
星Aが向くべき方向(観測対象に対して人工衛星Aを向
ける面の垂直方向)に軸を持つ一軸分の磁気モーメント
を発生できる電磁石コイルと、そのコイルに流す電流を
交流的に変動することで交流磁場を発生する駆動装置か
ら構成される。これに対して、交流磁場発生装置13b
は、交流磁場発生装置13aが生成する磁場に干渉させ
ることで任意の方向に力を発生できるように、直交三軸
方向に配置した電磁石コイルと、これら電磁石にそれぞ
れ独立に交流電流を流す駆動装置から構成される。
性空間に対する絶対姿勢制御と、人工衛星Bの人工衛星
Aに対する相対姿勢制御はホイール12a、12bを用
いて実施するため、環境から受ける外乱トルクにより、
衛星A、Bの角運動量はホイール回転数を変化させる形
で蓄積する。ホイールの回転数域は有限であるため、こ
の蓄積した衛星角運動量をアンロード制御により除去す
る必要があるが、これに対しても、この交流磁場発生装
置13a、13bの磁気を利用することができる。
半分の周期で変化する地球磁場に応じて、交流磁場発生
装置13a、13bの磁気を変化させる。交流の周期に
比べれば非常に長い周期で磁気を変動させることになる
ため、短い時間で見れば、略直流的な磁気モーメントの
バイアスを交流駆動に加えることで、アンロード制御に
必要な磁気トルクを発生させることができる。
発生する磁場を、数十m程度の距離を離れた二つの人工
衛星A、B間で作用させるためには、従来衛星の姿勢制
御で用いられてきた磁気トルカでは磁気モーメントが弱
い。そこで、本実施の形態では、電磁コイルのコア材を
低温にすることで超伝導状態にした電磁石(超伝導磁
石)を利用した強力な磁気モーメントを発生できる装置
を交流磁場発生装置13a及び13bとして用いる。
て、図1、図2を参照して詳細に説明する。本実施の形
態の目的は、二つの人工衛星A及びBが、慣性空間の指
示された方向に向かって、要求された精度で距離と向き
を保つことである。
に示す人工衛星Aは、図2に示した絶対姿勢制御用の姿
勢検出センサ11aとホイール12aを用いて、慣性空
間に対して指示された向きを保つように姿勢制御する。
ここで、この姿勢制御の制御則などは、本願発明には直
接関係しないので具体的な内部の説明は省略するが、姿
勢制御設計に携わる当業者であれば、このような系を具
体的に実現することは一般的に行われていることであ
り、この部分の実現性に問題となるところはない。
対位置・相対姿勢制御を実現させるために、人工衛星A
に搭載されている交流磁場発生装置13aで基準となる
交流磁場を発生させる。人工衛星Bは、相対位置相対姿
勢検出センサ15を用いて計測される人工衛星A上の識
別板14との距離と角度に応じて、指定された距離と角
度になるように、交流磁場発生装置13bの交流磁場の
位相及び強度を同期あるいは、ずらすことにより、人工
衛星Aに対する人工衛星Bの並進力と回転力とを発生さ
せ、フィードバック制御を行う。
発生させる磁束ベクトル(地球磁場を含む)をHm、磁
束密度ベクトルをBm、人工衛星Bが制御のために発生
する磁気モーメントベクトルをPmとすると、発生する
並進力ベクトルFは次式 F=(Pm・grad)Hm (1) で表され、また、回転ベクトルNは次式で表される。
相対姿勢検出センサ15を用いて計測される人工衛星A
上の識別板14との距離と角度に応じて、交流磁場発生
装置13bにより発生する上記の磁気モーメントベクト
ルPmをフィードバック制御することにより、人工衛星
Bが人工衛星Aに対して指定された距離と角度になるよ
うに上記の並進力Fと回転力Nを可変することができ
る。
より、交流磁場発生装置13bによるだけでは、二つの
人工衛星A及びBの間の3自由度の相対位置と、3自由
度の相対姿勢のすべてを制御することはできないことが
分かる。しかし、少なくとも相対位置だけは3自由度と
もこの交流磁場発生装置13bだけによって制御可能で
ある。そこで、本実施の形態では、相対姿勢の制御のた
めに、人工衛星Bに搭載されている姿勢検出センサ11
bとホイール12bとを用いた姿勢制御を併用する。
人工衛星Aが慣性空間に対して指定された向きで姿勢を
保持しながら軌道運動を行い、人工衛星Bは人工衛星A
に対して指定された相対距離(10m〜50m程度)を
保持しながら人工衛星Aと正対する向きを保つように、
相対位置・相対姿勢制御されるので、人工衛星Aと人工
衛星Bは互いの距離を指定距離に保持された状態で、慣
性空間に対して指定された方向に揃って並ぶ望遠鏡のよ
うな形を形成することができる。
AとBとの相対位置・相対姿勢制御のために、推力系ア
クチュエータを使用しないので、推薬を使用する必要が
無く、このことから従来に比べてより長寿命にでき、ま
た、より重いミッション観測機器の搭載が可能となり、
更に、爆発などが無く安全性に優れた構成とすることが
できる。更に、多数のスラスタが不要であり、人工衛星
への汚染や外乱トルクを考えることなく、交流磁場発生
装置13a及び13bや識別板14及び相対位置相対姿
勢検出センサ15などの搭載位置を簡単に決定すること
ができる。
明する。他の実施の形態は、図2に示した構成のうち、
姿勢制御のためのアクチュエータ部であるホイール12
a及び12bを、高速回転するコマの回転剛性を利用し
て制御トルクを発生するコントロールド・バイアス・モ
ーメンタム(Controlled Bias Momentum:以下、CM
G)に置き換えるようにしたものである。CMGはホイ
ールよりも大きなトルクを発生することができるものも
あるため、より外乱が大きな大型の人工衛星に対しても
適用できる。
示した構成のうち姿勢制御のためのホイール12a及び
12bを推力系アクチュエータに置き換えた構成でもよ
い。この構成では、前記の各実施の形態のような推力系
アクチュエータを全く使用しない構成に比べると、推薬
を必要とすることによる問題はあるが、この実施の形態
では推力系アクチュエータは姿勢制御のみに使用し、位
置制御には用いないので、従来に比べて必要な推薬量を
少なくすることができる。
置制御のアクチュエータである交流磁場発生装置は本発
明の根幹となる部分であるので、変更すると意味が無く
なるが、これと組み合わせる姿勢制御のアクチュエータ
は限定することなく選択することができ、それぞれのア
クチュエータの性能を有効に活用することができる。
第1の人工衛星が第1の姿勢制御手段により慣性空間に
対して指定された向きで姿勢を保持しながら軌道運動を
行い、第2の人工衛星が第1の交流磁場発生装置が発生
する交流磁場に対して第2の交流磁場発生装置が発生す
る交流磁場を磁場干渉力として作用させることにより、
推力系アクチュエータを用いることなく第1の人工衛星
に対して指定された距離を保持しつつ、第2の姿勢制御
手段との組み合わせにより第1の人工衛星と正対する向
きを保つように姿勢制御するようにしたため、推力系ア
クチュエータで用いる推薬のような消費するものを搭載
する必要がなく、このことから従来に比べてより多くの
あるいはより重いミッション観測機器などを搭載するこ
とができ、また、より長寿命化を図ることができ、更
に、爆発などの危険性を排除でき安全性を向上できる。
勢の制御のために第1及び第2の交流磁場発生装置を用
いるようにしたため、搭載機器に与える電磁干渉につい
ては、磁場の遮蔽を含めて別途検討を要するものの、推
力系アクチュエータを使用することにより発生すること
のある人工衛星への汚染や外乱を考える必要がなく、相
対位置制御系や相対姿勢制御系を構成する装置の搭載位
置を簡単に決定することができる。
勢制御手段は推力系アクチュエータを使用するが、相対
位置を制御するための制御手段は第1及び第2の交流磁
場発生装置を使用し、推力系アクチュエータを使用しな
いようにしたときには、相対姿勢制御手段と相対位置制
御の両方に推力系アクチュエータを使用した従来方式に
比べて推薬使用量を少なくできるため、従来方式に比べ
て人工衛星が同じ重量であれば長寿命化を、同じ寿命で
あれば軽量化を実現でき、更に姿勢制御のアクチュエー
タは限定することなく選択することができ、それぞれの
アクチュエータの性能を有効に活用することができる。
の一実施の形態における衛星正面図と相対位置・相対姿
勢制御の概略説明図である。
の一実施の形態における二つの人工衛星の構成図であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 第1の人工衛星及び第2の人工衛星の間
の3自由度の相対位置と3自由度の相対姿勢を制御する
相対6自由度制御方式において、 前記第1の人工衛星は、該第1の人工衛星を慣性空間に
対して指定された向きを保つように姿勢制御する第1の
姿勢制御手段と、前記第2の人工衛星との相対距離姿勢
を制御するために一定周期で交流変動する磁場を発生す
る第1の交流磁場発生装置と、前記第2の人工衛星との
相対距離と相対姿勢を知るための識別板とを備え、 前記第2の人工衛星は、前記第1の人工衛星に搭載され
た前記識別板との相対距離及び相対姿勢を知るための相
対位置相対姿勢検出センサと、該相対位置相対姿勢検出
センサが検出した相対距離及び角度に応じて、前記第1
の交流磁場発生装置が発生する磁場に対して位相を制御
した交流磁場を発生させることにより磁場干渉力として
並進力と回転力を発生させる第2の交流磁場発生装置
と、該第2の交流磁場発生装置が発生する磁場干渉力と
の組み合わせにより相対姿勢制御する第2の姿勢制御手
段とを備え、 前記第1の人工衛星が慣性空間に対して指定された向き
で姿勢を保持しながら軌道運動を行い、前記第2の人工
衛星が前記第1の人工衛星に対して指定された距離を保
持しながら該第1の人工衛星と正対する向きを保つよう
に姿勢制御することを特徴とする人工衛星の相対6自由
度制御方式。 - 【請求項2】 前記第1の交流磁場発生装置は、前記第
1及び第2の人工衛星の軌道運動による衛星位置での地
球磁場の変動よりも速い周波数で変動する磁場を交流的
に発生する装置であり、前記第2の交流磁場発生装置
は、前記第1の交流磁場発生装置が発生した磁場に対し
て干渉する磁場を交流的に発生する装置であることを特
徴とする請求項1記載の人工衛星の相対6自由度制御方
式。 - 【請求項3】 前記第1の交流磁場発生装置は、前記第
1の人工衛星が向くべき方向に軸を持つ一軸分の磁気モ
ーメントを発生する第1の電磁石コイルと、該第1の電
磁石コイルに交流電流を流すことで交流磁場を発生させ
る第1の駆動装置とからなり、前記第2の交流磁場発生
装置は、前記第1の交流磁場発生装置が発生した磁場に
対して干渉する磁場を交流的に発生させるために直交3
軸方向に配置された第2の電磁石コイルと、該第2の電
磁石コイルに互いに独立して交流電流を流すことで交流
磁場を発生させる第2の駆動装置とからなることを特徴
とする請求項1又は2記載の人工衛星の相対6自由度制
御方式。 - 【請求項4】 前記第1及び第2の交流磁場発生装置
は、超伝導磁石を利用した磁気モーメントを発生する装
置であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれ
か一項記載の人工衛星の相対6自由度制御方式。 - 【請求項5】 前記第1及び第2の姿勢制御手段は、姿
勢検出センサと、姿勢制御アクチュエータであるホイー
ルとから構成されていることを特徴とする請求項1乃至
4のうちいずれか一項記載の人工衛星の相対6自由度制
御方式。 - 【請求項6】 前記第1及び第2の姿勢制御手段は、姿
勢検出センサと、推力系アクチュエータとから構成され
ていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか
一項記載の人工衛星の相対6自由度制御方式。
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