JP2003209816A - 電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込み方法、電子透かし抽出装置、電子透かし抽出方法、及びデータ記録媒体 - Google Patents

電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込み方法、電子透かし抽出装置、電子透かし抽出方法、及びデータ記録媒体

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JP2003209816A
JP2003209816A JP2002007631A JP2002007631A JP2003209816A JP 2003209816 A JP2003209816 A JP 2003209816A JP 2002007631 A JP2002007631 A JP 2002007631A JP 2002007631 A JP2002007631 A JP 2002007631A JP 2003209816 A JP2003209816 A JP 2003209816A
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JP2002007631A
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English (en)
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Hisataka Taki
久貴 瀧
Takanori Senoo
孝憲 妹尾
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MPEG−4ビジュアル符号化標準(ISO/IE
C 14496-2)のようなオブジェクト符号化方式を用いて
符号化された画像データに、著作権情報等の独自情報を
電子透かしとして埋め込む際に、再生時の画質の劣化が
著しく少ないか、または劣化がみられないように埋め込
む。 【解決手段】 埋め込み・符号化制御手段1で、前記独
自情報s103等を生成し、埋め込み領域検出手段23
で、少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報を用
いて電子透かしを埋め込む埋め込み領域を検出し、埋め
込み位置決定手段24で、前記埋め込み領域内の埋め込
み位置を決定し、空間領域電子透かし埋め込み手段9
で、暗号鍵を用いて暗号化された独自情報を、前記埋め
込み領域内の前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝
度値または色値に電子透かしとして埋め込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データに人の
視覚に知覚できない形式で著作権情報等の独自情報を埋
め込む電子透かしに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、動画像符号化の国際的な標準化団
体MPEG(Moving Picture Experts Group)により規定さ
れた、MPEG−2ビデオ符号化標準(ISO/IEC 13818-
2)やMEPG−4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC 144
96-2)等に見られるような画像圧縮技術の進歩に伴い、
デジタル画像データを元の1/5倍から1/10倍のデータ量
に圧縮符号化できるようになるとともに、ISDNやインタ
ーネット等のデジタルネットワークインフラが整備され
て通信路が高速・広帯域化するにつれて、個人がデジタ
ルネットワークに接続した情報端末を介して、容易に圧
縮符号化された高画質の画像データを送受信できるよう
になった。そして、放送局や映画会社などが、このよう
な画像圧縮技術やデジタルネットワークを用いた個人向
けの番組や映画コンテンツの配信ビジネスを行うことを
検討している。しかし、前述のような配信ビジネスを始
めるにあたっての大きな問題として、個人によりダウン
ロードされた番組や映画コンテンツの違法コピー対策が
議論されている。
【0003】番組や映画コンテンツの違法コピーを防止
するための対策としては、従来より、暗号技術を用い
て、前記番組や映画コンテンツをスクランブル化して映
画会社から認証された者以外の視聴を不可能にする技術
や、番組や映画コンテンツの違法コピーが発覚した際
に、放送局や映画会社のみが検出可能な方式でその番組
や映画コンテンツに埋め込まれた著作権情報等の独自情
報を抽出して違法コピーの事実を証明する技術等の開発
が盛んに行われている。そして、前述した違法コピーを
証明可能な技術の一つとして、番組や映画コンテンツ等
のデジタル画像データに人の視覚に知覚できない形式で
著作権情報等の独自情報を埋め込む技術(以下、「電子
透かし」と称す。)がある。
【0004】以下、図21を用いて、従来の電子透かし
の埋め込み方式について説明する。まず、電子透かしと
して埋め込む著作権情報等の独自情報70に、利得係数
kを乗算器69で乗算し、埋め込み演算器67によっ
て、前記乗算器69からの出力と、原画像66のある所
定の画素の輝度値または色値のビット値を置換するなど
の方法により、前記独自情報70を電子透かしとして埋
め込んだ画像68を生成する。ここで、原画像66の画
素の輝度値または色値への、前記独自情報70の埋め込
み方式は、前述のような特定のビットプレーンのビット
値を置換するビットプレーン埋め込み方式、その他、画
像フレーム内の輝度ブロックまたは色ブロックを時間周
波数変換した後の周波数係数の特定帯域に前記独自情報
を埋め込む周波数係数埋め込み方式や、画像フレームの
動き予測後に検出された動きベクトルを前記独自情報で
制御する動きベクトル埋め込み方式等が検討されてい
る。
【0005】また、以上のようにして電子透かしが埋め
込まれた画像から、前記独自情報70を抽出するには、
例えば、前記独自情報70を、ビットプレーン埋め込み
方式により電子透かしとして埋め込んだ場合、画素の輝
度値または色値から、電子透かしを埋め込んだビットプ
レーン値のビット値を抽出した後、抽出したデータを利
得係数kで除算することにより、前記独自情報70を抽
出できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ビ
ットプレーン埋め込み方式には、前記独自情報70を電
子透かしとして埋め込むビットプレーン値を、画素の輝
度値または色値のMSB側に近づけると画質が劣化して
しまい、画素の輝度値または色値のLSB側に近づけれ
ば画質への影響度が小さくなるが、LSB付近のビット
データを標的としたデータ改竄に弱くなる、という欠点
がある。また、前記周波数係数埋め込み方式には、前記
独自情報70を電子透かしとして埋め込む周波数係数を
低域または高域に近づけると、画質劣化またはフィルタ
による除去の可能性が高くなってしまうため、前記独自
情報70を電子透かしとして埋め込む埋め込む領域が、
中域の周波数係数に限定される、という欠点がある。さ
らに、前記動きベクトル埋め込み方式には、処理が複雑
になるという欠点がある。
【0007】そして、従来の電子透かしの埋め込み方式
においては、MPEG−4ビジュアル符号化標準(ISO/
IEC 14496-2)のようなオブジェクト符号化方式にふさ
わしい、効率的な電子透かしの埋め込み方式は検討され
ておらず、原画像66の画像状態に拘らず、ある所定の
位置に電子透かしが埋め込まれるため、電子透かしが埋
め込まれた画像データを再生した場合、画質の劣化が大
きい、という問題があった。
【0008】本発明は、前記課題に鑑みてなされたもの
であり、MPEG−4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC
14496-2)のようなオブジェクト符号化方式を用いて符
号化された画像データに、著作権情報等の独自情報を電
子透かしとして埋め込む際に、前記独自情報が埋め込ま
れた画像データを再生する時に、画質の劣化が著しく少
ないか、劣化が全くみられないように、電子透かしを埋
め込むことができる電子透かし埋め込み装置、または電
子透かし埋め込み方法、及び前述のようにして埋め込ま
れた前記独自情報を画像データから効率良く抽出するこ
とができる電子透かし抽出装置、または電子透かし抽出
方法、さらに、前述のような電子透かしの埋め込み処理
及び電子透かしの抽出処理をコンピュータで実行させる
ためのデータ記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明(請求項1)にかかる電子透かし埋め込み装
置は、画像データを符号化し、かつ前記画像データを構
成する、少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景
オブジェクトの、画素の輝度値または色値に、著作権情
報等の独自情報を電子透かしとして埋め込む電子透かし
埋め込み装置において、前記独自情報、前記独自情報を
電子透かしとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定
する埋め込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の前記電
子透かしを埋め込むために必要な埋め込み制御情報、前
記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトの表示位置や前後関係を指定する表示制御情報、及
び前記埋め込み制御情報等を基にして電子透かしを抽出
するために必要な抽出制御情報を生成し、符号化制御信
号及び前記埋め込み制御情報を基にして作成した埋め込
み制御信号により、前記画像データの符号化、及び電子
透かしの埋め込みを制御する埋め込み・符号化制御手段
と、前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始
時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少な
くとも1つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの
前景オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子
透かしとして埋め込む埋め込み領域を検出する埋め込み
領域検出手段と、前記埋め込み制御信号に応じて、前記
埋め込み領域内の、電子透かしを埋め込む埋め込み位置
を決定する埋め込み位置決定手段と、前記埋め込み制御
信号に応じて、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
または背景オブジェクトにおける前記埋め込み領域内
の、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値また
は色値に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む空
間領域電子透かし埋め込み手段と、前記表示制御情報及
び前記抽出制御情報を符号化する制御情報符号化手段と
を備えるものである。
【0010】また、本発明(請求項2)にかかる電子透
かし埋め込み装置は、画像データを符号化し、かつ前記
画像データを構成する、少なくとも1つの前景オブジェ
クトまたは背景オブジェクトの、画素の輝度値または色
値の時間周波数変換後の周波数係数に、著作権情報等の
独自情報を電子透かしとして埋め込む電子透かし埋め込
み装置において、前記独自情報、前記独自情報を電子透
かしとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定する埋
め込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の前記電子透か
しを埋め込むために必要な埋め込み制御情報、前記少な
くとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの
表示位置や前後関係を指定する表示制御情報、及び前記
埋め込み制御情報等を基にして電子透かしを抽出するた
めに必要な抽出制御情報を生成し、符号化制御信号及び
前記埋め込み制御情報を基にして作成した埋め込み制御
信号により、前記画像データの符号化、及び電子透かし
の埋め込みを制御する埋め込み・符号化制御手段と、前
記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始時刻と
前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくとも
1つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子透かし
として埋め込む埋め込み領域を検出する埋め込み領域検
出手段と、前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込
み領域内の、電子透かしを埋め込む埋め込み位置を決定
する埋め込み位置決定手段と、前記埋め込み制御信号に
応じて、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは
背景オブジェクトにおける前記埋め込み領域内の、前記
埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値の
前記周波数係数に、前記独自情報を電子透かしとして埋
め込む周波数領域電子透かし埋め込み手段と、前記表示
制御情報及び前記抽出制御情報を符号化する制御情報符
号化手段とを備えるものである。
【0011】また、本発明(請求項3)にかかる電子透
かし埋め込み装置は、請求項1記載の電子透かし埋め込
み装置において、前記空間領域電子透かし埋め込み手段
により、前記独自情報が電子透かしとして埋め込まれた
前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景オブ
ジェクトの画素の輝度値または色値から、前記独自情報
を削除して、元の画像データの画素の輝度値または色値
に戻す、電子透かし削除手段を備え、電子透かしの埋め
込まれた前記各前景オブジェクトまたは背景オブジェク
トを圧縮符号化する際には、前記電子透かし削除手段か
ら出力される前記各前景オブジェクトまたは背景オブジ
ェクトを参照画像データとして用いて、予測符号化を行
うものである。
【0012】また、本発明(請求項4)にかかる電子透
かし埋め込み装置は、請求項1記載の電子透かし埋め込
み装置において、前記埋め込み領域検出手段は、前記埋
め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示さ
れる少なくとも1つの画像フレーム内にある、前記少な
くとも1つの前景オブジェクトの形状情報が全て重なり
合う領域を、前記埋め込み領域として検出し、前記埋め
込み位置決定手段は、前記埋め込み領域に対応する前記
背景オブジェクトにおける領域内の、輝度ブロックまた
は色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び上下左右方
向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み方
向を、前記領域内の画素の輝度値または色値の分布状態
より設定するとともに、前記領域内の埋め込みデータサ
イズを、前記独自情報を基にして設定することで、前記
埋め込み位置を決定し、前記空間領域電子透かし埋め込
み手段は、前記背景オブジェクトにおける前記領域内
の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位置から
前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲内
にある、画素の輝度値または色値に、前記独自情報を電
子透かしとして埋め込むものである。
【0013】また、本発明(請求項5)にかかる電子透
かし埋め込み装置は、請求項2記載の電子透かし埋め込
み装置において、前記埋め込み領域検出手段は、前記埋
め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示さ
れる少なくとも1つの画像フレーム内にある、少なくと
も1つの前景オブジェクトの形状情報が全て重なり合う
重なり領域を検出して、前記重なり領域内の輝度ブロッ
クまたは色ブロック内の、画素の輝度値または色値の前
記周波数係数の直流成分を中心とした前記周波数係数単
位の四分円の半径である最低周波数境界と最高周波数境
界との間にある前記周波数係数を、前記埋め込み領域と
して検出し、前記埋め込み位置決定手段は、前記埋め込
み領域に対応する前記背景オブジェクトにおける領域内
の、前記周波数係数単位の埋め込み開始位置、及び上下
左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め
込み方向を、前記領域内の画素の輝度値または色値の分
布状態より設定するとともに、前記領域内の埋め込みデ
ータサイズを、前記独自情報を基にして設定すること
で、前記埋め込み位置を決定し、前記周波数領域電子透
かし埋め込み手段は、前記背景オブジェクトにおける前
記領域内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始
位置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズ
の範囲内にある、画素の輝度値または色値の前記周波数
係数に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込むもの
である。
【0014】また、本発明(請求項6)にかかる電子透
かし埋め込み装置は、請求項1記載の電子透かし埋め込
み装置において、前記埋め込み領域検出手段は、前記少
なくとも1つの前景オブジェクトの形状の輪郭線である
エッジから、前記各前景オブジェクトの形状領域の内部
方向またはパディング領域方向に、画素の輝度値または
色値単位で埋め込み領域幅を設定することにより、前記
埋め込み領域を検出し、前記埋め込み位置決定手段は、
前記埋め込み領域内の、輝度ブロックまたは色ブロック
単位の埋め込み開始位置、及び上下左右方向を組み合わ
せた8方向のうちの1つである埋め込み方向を、前記各
前景オブジェクトの動き状態より設定するとともに、前
記埋め込み領域内の埋め込みデータサイズを、前記独自
情報を基にして設定することで、前記埋め込み位置を決
定し、前記空間領域電子透かし埋め込み手段は、前記少
なくとも1つの前景オブジェクトにおける前記埋め込み
領域内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位
置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの
範囲内にある、画素の輝度値または色値に、前記独自情
報を電子透かしとして埋め込むものである。
【0015】また、本発明(請求項7)にかかる電子透
かし埋め込み装置は、請求項2記載の電子透かし埋め込
み装置において、前記埋め込み領域検出手段は、前記埋
め込み領域内の、前記少なくとも1つの前景オブジェク
トの形状の輪郭線であるエッジを含む輝度ブロックまた
は色ブロックの境界ブロック内の、前記各前景オブジェ
クトの形状情報に応じて配置される画素の輝度値または
色値の前記周波数係数の外側で、かつ前記境界ブロック
内の前記周波数係数の直流成分を中心とした前記周波数
係数単位の四分円の半径である最低周波数境界と最高周
波数境界との間に、前記周波数係数単位で埋め込み領域
幅を設定することにより、前記埋め込み領域を検出し、
前記埋め込み位置決定手段は、前記埋め込み領域内の、
前記周波数係数単位の埋め込み開始位置、及び上下左右
方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み
方向を、前記各前景オブジェクトの動き状態より設定す
るとともに、前記埋め込み領域内の埋め込みデータサイ
ズを、前記独自情報を基にして設定することで、前記埋
め込み位置を決定し、前記周波数領域電子透かし埋め込
み手段は、前記少なくとも1つの前景オブジェクトにお
ける前記埋め込み領域内の、前記埋め込み位置である前
記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋め込
みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値または色
値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子透かしとし
て埋め込むものである。
【0016】また、本発明(請求項8)にかかる電子透
かし埋め込み装置は、請求項5または請求項7記載の電
子透かし埋め込み装置において、前記埋め込み領域検出
手段は、画素の輝度値または色値の前記周波数係数の最
低周波数境界及び最高周波数境界を、画質への影響が最
小になる帯域、または前記埋め込み領域検出手段より後
段で使用されるフィルタの帯域を基にして決定するもの
である。
【0017】また、本発明(請求項9)にかかる電子透
かし埋め込み装置は、請求項6記載の電子透かし埋め込
み装置において、前記埋め込み領域検出手段は、前記少
なくとも1つの前景オブジェクトの形状のエッジから、
前記各前景オブジェクトの形状領域の内部方向に設定す
る前記埋め込み領域幅を、前記各前景オブジェクトのエ
ッジ付近にある画素の輝度値または色値と、前記各前景
オブジェクトのエッジ付近にある背景オブジェクトの画
素の輝度値または色値との平均値の差、または前記各前
景オブジェクトのエッジ付近にある前記各前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または色値の
分散値に比例するよう設定するものである。
【0018】また、本発明(請求項10)にかかる電子
透かし埋め込み装置は、請求項6または請求項7記載の
電子透かし埋め込み装置において、前記埋め込み位置決
定手段は、前記少なくとも1つの前景オブジェクトが静
止物体であるとき、前記各前景オブジェクトのエッジ付
近にある埋め込み領域内の画素の輝度値または色値の分
散値が大きい部分に、前記埋め込み開始位置及び前記埋
め込み方向を設定し、前記各前景オブジェクトが移動物
体であるとき、前記埋め込み領域内の前記各前景オブジ
ェクトの移動方向と反対側のエッジ付近にある埋め込み
領域内の画素の輝度値または色値に、前記埋め込み開始
位置及び前記埋め込み方向を設定するものである。
【0019】また、本発明(請求項11)にかかる電子
透かし埋め込み装置は、請求項1記載の電子透かし埋め
込み装置において、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込
み終了時刻との間に表示される少なくとも1つの画像フ
レーム内の、前記少なくとも1つの前景オブジェクトに
おける、完全に透明な状態及び完全に不透明な状態の間
の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情報を有
するとき、前記埋め込み領域検出手段は、前記埋め込み
開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される少
なくとも1つの画像フレーム内にある、前記各前景オブ
ジェクトの形状情報が重なり合う領域を、前記埋め込み
領域として検出し、前記埋め込み位置決定手段は、前記
埋め込み領域に対応する、前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトにおける領域内の、輝度ブロックまた
は色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び上下左右方
向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み方
向を、前記領域内の画素の輝度値または色値の分布状態
より設定するとともに、前記領域内の埋め込みデータサ
イズを、前記独自情報を基にして設定することで、前記
埋め込み位置を決定し、前記空間領域電子透かし埋め込
み手段は、前記各前景オブジェクトの形状情報の透過度
より算出した割合で、前記独自情報を前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトに分配するとともに、前記
各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの前記領域内
の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位置から
前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲内
にある、画素の輝度値または色値に、前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトに分配された前記独自情報
を電子透かしとして埋め込むものである。
【0020】また、本発明(請求項12)にかかる電子
透かし埋め込み装置は、請求項2記載の電子透かし埋め
込み装置において、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込
み終了時刻との間に表示される少なくとも1つの画像フ
レーム内の、前記少なくとも1つの前景オブジェクトに
おける、完全に透明な状態及び完全に不透明な状態の間
の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情報を有
するとき、前記埋め込み領域検出手段は、前記埋め込み
開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される少
なくとも1つの画像フレーム内にある、前記各前景オブ
ジェクトの形状情報が重なり合う領域を、前記埋め込み
領域として検出し、前記埋め込み位置決定手段は、前記
埋め込み領域に対応する、前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトにおける領域内の、輝度ブロックまた
は色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び上下左右方
向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み方
向を、前記領域内の画素の輝度値または色値の分布状態
より設定するとともに、前記領域内の埋め込みデータサ
イズを、前記独自情報を基にして設定することで、前記
埋め込み位置を決定し、前記周波数領域電子透かし埋め
込み手段は、前記各前景オブジェクトの形状情報の透過
度より算出した割合で、前記独自情報を前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトに分配するとともに、前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの前記領域
内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位置か
ら前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲
内にある、画素の輝度値または色値の前記周波数係数
に、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに分
配された前記独自情報を電子透かしとして埋め込むもの
である。
【0021】また、本発明(請求項13)にかかる電子
透かし埋め込み装置は、請求項1または請求項2記載の
電子透かし埋め込み装置において、前記制御情報符号化
手段は、前記抽出制御情報と、前記表示制御情報とを、
メタデータまたはバイナリデータとして符号化するもの
である。
【0022】また、本発明(請求項14)にかかる電子
透かし埋め込み装置は、請求項1または請求項2記載の
電子透かし埋め込み装置において、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクト及び背景オブジェクトからなる符号
化された画像データと、前記少なくとも1つの前景オブ
ジェクトの符号化された形状情報と、メタデータ及びバ
イナリデータに符号化された前記抽出制御情報及び前記
表示制御情報とを多重化して、ストリームとして出力す
るか、前記少なくとも1つの符号化された前景オブジェ
クトと、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの符号
化された形状情報とを1つのデータ単位とし、符号化さ
れた前記背景オブジェクトを1つのデータ単位とし、前
記メタデータ及びバイナリデータに符号化された前記抽
出制御情報及び前記表示制御情報を1つのデータ単位と
し、前記各データ単位毎に、少なくとも識別情報及びデ
ータサイズを設定したヘッダ情報を付加した後に多重化
してファイルに記録して出力するものである。
【0023】また、本発明(請求項15)にかかる電子
透かし埋め込み装置は、請求項1または請求項2記載の
電子透かし埋め込み装置において、前記空間領域電子透
かし埋め込み手段、もしくは前記周波数領域電子透かし
埋め込み手段は、前記独自情報を前記埋め込み制御信号
で指定する暗号鍵を用いて暗号化した後、前記少なくと
も1つの前景オブジェクトまたは前記背景オブジェクト
の画素の輝度値または色値、もしくは画素の輝度値また
は色値の前記周波数係数に、暗号化された前記独自情報
を電子透かしとして埋め込むものである。
【0024】また、本発明(請求項16)にかかる電子
透かし抽出装置は、符号化された画像データを構成す
る、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクトま
たは符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値また
は色値から、電子透かしとして埋め込まれた著作権情報
等の独自情報を抽出し、かつ前記符号化された画像デー
タを復号する電子透かし抽出装置において、前記符号化
された画像データに前記独自情報を電子透かしとして埋
め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時
刻及び埋め込み終了時刻等の、前記電子透かしを抽出す
るために必要な符号化された抽出制御情報、及び前記少
なくとも1つの前景オブジェクト及び前記背景オブジェ
クトの表示位置や前後関係を指定する符号化された表示
制御情報を復号する制御情報復号手段と、前記符号化さ
れた画像データの復号、及び電子透かしの抽出を制御
し、前記抽出制御情報及び表示制御情報から、抽出制御
信号及び表示制御信号を生成する抽出・復号制御手段
と、前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時
刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なく
とも1つの画像フレーム内にある前記少なくとも1つの
前景オブジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子
透かしとして埋め込まれている領域を、抽出領域として
検出する抽出領域検出手段と、前記抽出制御信号に応じ
て、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景
オブジェクトにおける前記抽出領域内の前記抽出制御信
号で指定される、前記電子透かしが埋め込まれている前
記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値
から、前記独自情報を抽出する空間領域電子透かし抽出
手段と、前記表示制御信号に応じて、前記少なくとも1
つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画
面に合成して、モニターに表示する画像合成手段とを備
えるものである。
【0025】また、本発明(請求項17)にかかる電子
透かし抽出装置は、符号化された画像データを構成す
る、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクトま
たは符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値また
は色値の時間周波数変換後の周波数係数から、電子透か
しとして埋め込まれた著作権情報等の独自情報を抽出
し、かつ前記符号化された画像データを復号する電子透
かし抽出装置において、前記符号化された画像データに
前記独自情報を電子透かしとして埋め込む開始時点及び
終了時点を指定する埋め込み開始時刻及び埋め込み終了
時刻等の、前記電子透かしを抽出するために必要な符号
化された抽出制御情報、及び前記少なくとも1つの前景
オブジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関
係を指定する符号化された表示制御情報を復号する制御
情報復号手段と、前記符号化された画像データの復号、
及び電子透かしの抽出を制御し、前記抽出制御情報及び
表示制御情報から、抽出制御信号及び表示制御信号を生
成する抽出・復号制御手段と、前記抽出制御信号で指定
される前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻と
の間に表示される、少なくとも1つの画像フレーム内に
ある前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報
から、前記独自情報が電子透かしとして埋め込まれてい
る領域を抽出領域として検出する抽出領域検出手段と、
前記抽出制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記抽出
領域内の前記抽出制御信号で指定される、前記電子透か
しが埋め込まれている埋め込み位置の範囲内にある、画
素の輝度値または色値の前記周波数係数から、前記独自
情報を抽出する周波数領域電子透かし抽出手段と、前記
表示制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合成し
て、モニターに表示する画像合成手段とを備えるもので
ある。
【0026】また、本発明(請求項18)にかかる電子
透かし抽出装置は、請求項16記載の電子透かし抽出装
置において、前記独自情報が、前記背景オブジェクトの
画素の輝度値または色値に、電子透かしとして埋め込ま
れているとき、前記抽出領域検出手段は、前記埋め込み
開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、
前記抽出制御信号により指定される画像フレーム内にあ
る、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報
が重なり合う領域を抽出領域として検出し、前記空間領
域電子透かし抽出手段は、前記抽出領域に対応する前記
背景オブジェクトにおける領域内の、前記抽出制御信号
で指定する輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込
み開始位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向の
うちの1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデー
タ量である埋め込みデータサイズで指定される前記埋め
込み位置の、画素の輝度値または色値から、電子透かし
として埋め込まれた前記独自情報を抽出するものであ
る。
【0027】また、本発明(請求項19)にかかる電子
透かし抽出装置によれば、請求項17記載の電子透かし
抽出装置において、前記独自情報が、前記背景オブジェ
クトの画素の輝度値または色値の前記周波数係数に、電
子透かしとして埋め込まれているとき、前記抽出領域検
出手段は、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時
刻との間に表示される、前記抽出制御信号により指定さ
れる画像フレーム内にある、前記少なくとも1つの前景
オブジェクトの形状情報が重なり合う重なり領域を検出
し、前記重なり領域内の輝度ブロックまたは色ブロック
内の画素の輝度値または色値の前記周波数係数の直流成
分を中心とした前記周波数係数単位の四分円の半径であ
る最低周波数境界と最高周波数境界との間にある前記周
波数係数を、抽出領域として検出し、前記周波数領域電
子透かし抽出手段は、前記抽出領域に対応する前記背景
オブジェクトにおける領域内の、前記抽出制御信号で指
定する前記周波数係数単位の埋め込み開始位置から、上
下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋
め込み方向に、前記独自情報のデータ量である埋め込み
データサイズで指定される、前記埋め込み位置の範囲内
にある画素の輝度値または色値の前記周波数係数から、
電子透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出する
ものである。
【0028】また、本発明(請求項20)にかかる電子
透かし抽出装置は、請求項16記載の電子透かし抽出装
置において、前記独自情報が、前記少なくとも1つの前
景オブジェクトの輝度値または色値に、電子透かしとし
て埋め込まれているとき、前記抽出領域検出手段は、前
記抽出制御信号により指定される画像フレーム内にあ
る、前記抽出制御信号により指定される、前記各前景オ
ブジェクトの形状の輪郭であるエッジから、前記各前景
オブジェクトの形状領域の内部方向またはパディング領
域方向への、画素の輝度値または色値単位の埋め込み領
域幅を、抽出領域として検出し、前記空間領域電子透か
し抽出手段は、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
における前記抽出領域内の前記抽出制御信号で指定す
る、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始
位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの
1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量で
ある埋め込みデータサイズで指定される、前記埋め込み
位置の範囲内にある画素の輝度値または色値から、電子
透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出するもの
である。
【0029】また、本発明(請求項21)にかかる電子
透かし抽出装置は、請求項17記載の電子透かし抽出装
置において、前記独自情報が、前記少なくとも1つの前
景オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記周波数
係数に、電子透かしとして埋め込まれているとき、前記
抽出領域検出手段は、前記抽出制御信号により指定され
る画像フレーム内にある、前記抽出制御信号により指定
される、前記各前景オブジェクトの形状の輪郭であるエ
ッジを含む画素の輝度ブロックまたは色ブロックの境界
ブロック内の、前記各前景オブジェクトの形状情報に応
じて配置される画素の輝度値または色値の前記周波数係
数の外側で、かつ前記境界ブロック内の前記周波数係数
の直流成分を中心とした前記周波数係数単位の四分円の
半径である最低周波数境界と最高周波数境界との間にあ
る前記周波数係数単位の埋め込み領域幅を、抽出領域と
して検出し、前記周波数領域電子透かし抽出手段は、前
記少なくとも1つの前景オブジェクトにおける前記抽出
領域内の前記抽出制御信号で指定する、前記周波数係数
単位の埋め込み開始位置から、上下左右方向を組み合わ
せた8方向のうちの1つである埋め込み方向に、前記独
自情報のデータ量である埋め込みデータサイズで指定さ
れる、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値ま
たは色値の前記周波数係数から、電子透かしとして埋め
込まれた前記独自情報を抽出するものである。
【0030】また、本発明(請求項22)にかかる電子
透かし抽出装置は、請求項16記載の電子透かし抽出装
置において、前記独自情報が、前記埋め込み開始時刻と
前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1
つの画像フレーム内の、完全に透明な状態及び完全に不
透明な状態の間の状態が任意の値をもつ透過度で表され
る形状情報を有する、前記少なくとも1つの前景オブジ
ェクトまたは背景オブジェクトの画素の輝度値または色
値に、電子透かしとして埋め込まれているとき、前記抽
出領域検出手段は、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込
み終了時刻との間に表示される、前記抽出制御信号によ
り指定される画像フレーム内にある、前記各前景オブジ
ェクトの形状情報が重なり合う領域を抽出領域として検
出し、前記空間領域電子透かし抽出手段は、前記抽出領
域に対応する前記各前景オブジェクトまたは背景オブジ
ェクトにおける領域内の、前記抽出制御信号で指定す
る、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始
位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの
1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量で
ある埋め込みデータサイズで指定される前記埋め込み位
置の範囲内にある画素の輝度値または色値から、電子透
かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出するもので
ある。
【0031】また、本発明(請求項23)にかかる電子
透かし抽出装置は、請求項17記載の電子透かし抽出装
置において、前記独自情報が、前記埋め込み開始時刻と
前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1
つの画像フレーム内の、完全に透明な状態及び完全に不
透明な状態の間の状態が任意の値をもつ透過度で表され
る形状情報を有する、前記少なくとも1つの前景オブジ
ェクトまたは背景オブジェクトの画素の輝度値または色
値の前記周波数係数に、電子透かしとして埋め込まれて
いるとき、前記抽出領域検出手段は、前記埋め込み開始
時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、前記
抽出制御信号により指定される画像フレーム内にある、
前記各前景オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を
検出し、前記重なり合う領域内の輝度ブロックまたは色
ブロック内の前記周波数係数の直流成分を中心とした前
記周波数係数単位の四分円の半径である最低周波数境界
と最高周波数境界との間にある前記周波数係数を、抽出
領域として検出し、前記周波数領域電子透かし抽出手段
は、前記抽出領域検出手段により検出された前記抽出領
域に対応する前記各前景オブジェクトまたは背景オブジ
ェクトにおける領域内の、前記抽出制御信号で指定す
る、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始
位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの
1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量で
ある埋め込みデータサイズで指定される、前記埋め込み
位置の範囲内にある画素の輝度値または色値の前記周波
数係数から、前記電子透かしとして埋め込まれた前記独
自情報を抽出するものである。
【0032】また、本発明(請求項24)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、画像データを符号化し、かつ前
記画像データを構成する、少なくとも1つの前景オブジ
ェクトまたは背景オブジェクトの、画素の輝度値または
色値に、著作権情報等の独自情報を電子透かしとして埋
め込む電子透かし埋め込み方法において、前記独自情
報、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む開始時点
及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及び埋め込み
終了時刻等の電子透かしを埋め込むために必要な埋め込
み制御情報、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及
び背景オブジェクトの表示位置や前後関係を指定する表
示制御情報、及び前記埋め込み制御情報等を基にして電
子透かしを抽出するために必要な抽出制御情報を生成
し、符号化制御信号、及び前記埋め込み制御情報を基に
して生成した埋め込み制御信号により、前記画像データ
の符号化及び電子透かしの埋め込みを制御する埋め込み
・符号化制御ステップと、前記埋め込み制御信号に応じ
て、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との
間に表示される、少なくとも1つの画像フレーム内にあ
る、少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報か
ら、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む、埋め込
み領域を検出する埋め込み領域検出ステップと、前記埋
め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内の、電子
透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め込み位置
決定ステップと、前記埋め込み制御信号に応じて、前記
少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景オブジェ
クトにおける前記埋め込み領域内の、前記埋め込み位置
の範囲内にある画素の輝度値または色値に、前記独自情
報を電子透かしとして埋め込む空間領域電子透かし埋め
込みステップと、前記表示制御情報及び前記抽出制御情
報を符号化する制御情報符号化ステップとを有するもの
である。
【0033】また、本発明(請求項25)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、画像データを符号化し、かつ前
記画像データを構成する、少なくとも1つの前景オブジ
ェクトまたは背景オブジェクトの、画素の輝度値または
色値の時間周波数変換後の周波数係数に、著作権情報等
の独自情報を電子透かしとして埋め込む電子透かし埋め
込み方法において、前記独自情報、前記独自情報を電子
透かしとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定する
埋め込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の電子透かし
を埋め込むために必要な埋め込み制御情報、前記少なく
とも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの表
示位置や前後関係を指定する表示制御情報、及び前記埋
め込み制御情報等を基にして電子透かしを抽出するため
に必要な抽出制御情報を生成し、符号化制御信号、及び
前記埋め込み制御情報を基にして生成した埋め込み制御
信号により前記画像データの符号化及び電子透かしの埋
め込みを制御する埋め込み・符号化制御ステップと、前
記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始時刻と
前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくとも
1つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子透かし
として埋め込む、埋め込み領域を検出する埋め込み領域
検出ステップと、前記埋め込み制御信号に応じて、前記
埋め込み領域内の、電子透かしを埋め込む埋め込み位置
を決定する埋め込み位置決定ステップと、前記埋め込み
制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景オブジェ
クトまたは背景オブジェクトにおける前記埋め込み領域
内の、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値ま
たは色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子透か
しとして埋め込む周波数領域電子透かし埋め込みステッ
プと、前記表示制御情報及び前記抽出制御情報を符号化
する制御情報符号化ステップとを有するものである。
【0034】また、本発明(請求項26)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、請求項24記載の電子透かし埋
め込み方法において、前記空間領域電子透かし埋め込み
ステップより前記独自情報が電子透かしとして埋め込ま
れた、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背
景オブジェクトの画素の輝度値または色値から前記独自
情報を削除し、元の画素の輝度値または色値に戻す電子
透かし削除ステップを有し、電子透かしの埋め込まれた
前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景オブ
ジェクトを圧縮符号化する際には、前記電子透かし削除
ステップから出力される前記少なくとも1つの前景オブ
ジェクトまたは背景オブジェクトを参照画像データとし
て用いて、予測符号化を行うものである。
【0035】また、本発明(請求項27)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、請求項24記載の電子透かし埋
め込み方法において、前記埋め込み領域検出ステップ
は、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との
間に表示される少なくとも1つの画像フレーム内にあ
る、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報
が全て重なり合う領域を、前記埋め込み領域として検出
し、前記埋め込み位置決定ステップは、前記埋め込み領
域に対応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、
輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位
置、及び上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1
つである埋め込み方向を、前記領域内の画素の輝度値ま
たは色値の分布状態より設定するとともに、前記領域内
の埋め込みデータサイズを、前記独自情報を基にして設
定することで、前記埋め込み位置を決定し、前記空間領
域電子透かし埋め込みステップは、前記背景オブジェク
トにおける前記領域内の、前記埋め込み位置である前記
埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋め込み
データサイズの範囲内にある、画素の輝度値または色値
に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込むものであ
る。
【0036】また、本発明(請求項28)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、請求項25記載の電子透かし埋
め込み方法において、前記埋め込み領域検出ステップ
は、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との
間に表示される少なくとも1つの画像フレーム内にあ
る、少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報が全
て重なり合う重なり領域を検出して、前記重なり領域内
の輝度ブロックまたは色ブロック内の画素の輝度値また
は色値の前記周波数係数の直流成分を中心とした前記周
波数係数単位の四分円の半径である最低周波数境界と最
高周波数境界との間にある前記周波数係数を、前記埋め
込み領域として検出し、前記埋め込み位置決定ステップ
は、前記埋め込み領域に対応する前記背景オブジェクト
における領域内の、輝度ブロックまたは色ブロック単位
の埋め込み開始位置、及び上下左右方向を組み合わせた
8方向のうちの1つである埋め込み方向を、前記領域内
の画素の輝度値または色値の分布状態より設定し、前記
領域内の埋め込みデータサイズを、前記独自情報を基に
して設定することで、前記埋め込み位置を決定し、前記
周波数領域電子透かし埋め込みステップは、前記背景オ
ブジェクトにおける前記領域内の、前記埋め込み位置で
ある前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記
埋め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値ま
たは色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子透か
しとして埋め込むものである。
【0037】また、本発明(請求項29)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、請求項24記載の電子透かし埋
め込み方法において、前記埋め込み領域検出ステップ
は、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状の輪
郭線であるエッジから、前記各前景オブジェクトの形状
領域の内部方向またはパディング領域方向に、画素の輝
度値または色値単位で埋め込み領域幅を設定することに
より、前記埋め込み領域を検出し、前記埋め込み位置決
定ステップは、前記埋め込み領域内の、輝度ブロックま
たは色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び上下左右
方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み
方向を、前記各前景オブジェクトの動き状態より設定す
るとともに、前記埋め込み領域内の埋め込みデータサイ
ズを、前記独自情報を基にして設定することで、前記埋
め込み位置を決定し、前記空間領域電子透かし埋め込み
ステップは、前記少なくとも1つの前景オブジェクトに
おける前記埋め込み領域内の、前記埋め込み位置である
前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋め
込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値または
色値に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込むもの
である。
【0038】また、本発明(請求項30)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、請求項25記載の電子透かし埋
め込み方法において、前記埋め込み領域検出ステップ
は、前記埋め込み領域内の、前記少なくとも1つの前景
オブジェクトの形状の輪郭線であるエッジを含む輝度ブ
ロックまたは色ブロックの境界ブロック内の、前記各前
景オブジェクトの形状情報に応じて配置される画素の輝
度値または色値の前記周波数係数の外側で、かつ前記境
界ブロック内の前記周波数係数の直流成分を中心とした
前記周波数係数単位の四分円の半径である最低周波数境
界と最高周波数境界との間に、前記周波数係数単位で埋
め込み領域幅を設定することにより、前記埋め込み領域
を検出し、前記埋め込み位置決定ステップは、前記埋め
込み領域内の、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋
め込み開始位置、及び上下左右方向を組み合わせた8方
向のうちの1つである埋め込み方向を、前記各前景オブ
ジェクトの動き状態より設定するとともに、前記埋め込
み領域内の埋め込みデータサイズを、前記独自情報を基
にして設定することで、前記埋め込み位置を決定し、前
記周波数領域電子透かし埋め込みステップは、前記少な
くとも1つの前景オブジェクトにおける前記埋め込み領
域内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位置
から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範
囲内にある、画素の輝度値または色値の前記周波数係数
に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込むものであ
る。
【0039】また、本発明(請求項31)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、請求項28または請求項30記
載の電子透かし埋め込み方法において、前記埋め込み領
域検出ステップは、画素の輝度値または色値の前記周波
数係数の最低周波数境界及び最高周波数境界を、画質へ
の影響が最小となる帯域、または前記埋め込み領域検出
ステップより後で使用されるフィルタの帯域を基にして
決定するものである。
【0040】また、本発明(請求項32)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、請求項31記載の電子透かし埋
め込み方法において、前記埋め込み領域検出ステップ
は、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状のエ
ッジから、前記各前景オブジェクトの形状領域の内部方
向に設定する前記埋め込み領域幅を、前記各前景オブジ
ェクトのエッジ付近にある画素の輝度値または色値と、
前記各前景オブジェクトのエッジ付近にある背景オブジ
ェクトの画素の輝度値または色値との、平均値の差、ま
たは前記各前景オブジェクトのエッジ付近にある前記各
前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値
または色値の分散値に比例するよう設定するものであ
る。
【0041】また、本発明(請求項33)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、請求項29または請求項30記
載の電子透かし埋め込み方法において、前記埋め込み位
置決定ステップは、前記少なくとも1つの前景オブジェ
クトが静止物体であるとき、前記各前景オブジェクトの
エッジ付近にある埋め込み領域内の画素の輝度値の分散
値が大きい部分に、前記埋め込み開始位置及び前記埋め
込み方向を設定し、前記各前景オブジェクトが移動物体
であるとき、前記埋め込み領域内の前記各前景オブジェ
クトの移動方向と反対側のエッジ付近にある埋め込み領
域内の画素の輝度値または色値に、前記埋め込み開始位
置及び埋め込み方向を設定するものである。
【0042】また、本発明(請求項34)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、請求項24記載の電子透かし埋
め込み方法において、前記埋め込み開始時刻と前記埋め
込み終了時刻との間に表示される少なくとも1つの画像
フレーム内の、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
における、完全に透明な状態及び完全に不透明な状態の
間の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情報を
有するとき、前記埋め込み領域検出ステップは、前記埋
め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示さ
れる少なくとも1つの画像フレーム内にある、前記各前
景オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を、前記埋
め込み領域として検出し、前記埋め込み位置決定ステッ
プは、前記埋め込み領域に対応する、前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトにおける領域内の、輝度ブ
ロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び
上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである
埋め込み方向を、前記領域内の画素の輝度値または色値
の分布状態より設定するとともに、前記領域内の埋め込
みデータサイズを、前記独自情報を基にして設定するこ
とで、前記埋め込み位置を決定し、前記空間領域電子透
かし埋め込みステップは、前記各前景オブジェクトの形
状情報の透過度より算出した割合で、前記独自情報を前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに分配する
とともに、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
トにおける前記領域内の、前記埋め込み位置である前記
埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋め込み
データサイズの範囲内にある、画素の輝度値または色値
に、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに分
配された前記独自情報を電子透かしとして埋め込むもの
である。
【0043】また、本発明(請求項35)にかかる電子
透かし埋め込み方法は、請求項25記載の電子透かし埋
め込み方法において、前記埋め込み開始時刻と前記埋め
込み終了時刻との間に表示される少なくとも1つの画像
フレーム内の、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
における、完全に透明な状態及び完全に不透明な状態の
間の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情報を
有するとき、前記埋め込み領域検出ステップは、前記埋
め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示さ
れる少なくとも1つの画像フレーム内にある、前記各前
景オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を、前記埋
め込み領域として検出し、前記埋め込み位置決定ステッ
プは、前記埋め込み領域に対応する、前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトにおける領域内の、輝度ブ
ロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び
上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである
埋め込み方向を、前記領域内の画素の輝度値または色値
の分布状態より設定するとともに、前記領域内の埋め込
みデータサイズを、前記独自情報を基にして設定するこ
とで、前記埋め込み位置を決定し、前記周波数領域電子
透かし埋め込みステップは、前記各前景オブジェクトの
形状情報の透過度より算出した割合で、前記独自情報を
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに分配す
るとともに、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトにおける前記領域内の、前記埋め込み位置である前
記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋め込
みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値または色
値の前記周波数係数に、前記各前景オブジェクト及び背
景オブジェクトに分配された前記独自情報を電子透かし
として埋め込むものである。
【0044】また、本発明(請求項36)にかかる電子
透かし抽出方法は、符号化された画像データを構成す
る、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクトま
たは符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値また
は色値から、電子透かしとして埋め込まれた著作権情報
等の独自情報を抽出し、かつ前記符号化された画像デー
タを復号する電子透かし抽出方法において、前記符号化
された画像データに前記独自情報を電子透かしとして埋
め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時
刻及び埋め込み終了時刻等の前記電子透かしを抽出する
ために必要な符号化された抽出制御情報、及び前記少な
くとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの
表示位置や前後関係を指定する符号化された表示制御情
報を復号する制御情報復号ステップと、前記抽出制御情
報及び表示制御情報から、抽出制御信号及び表示制御信
号を生成し、前記符号化された画像データの復号及び電
子透かしの抽出を制御する抽出・復号制御ステップと、
前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時刻と
前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくとも
1つの画像フレーム内にある少なくとも1つの前景オブ
ジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子透かしと
して埋め込まれている領域を、抽出領域として検出する
抽出領域検出ステップと、前記抽出制御信号に応じて、
前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景オブ
ジェクトにおける前記抽出領域内の、前記抽出制御信号
で指定される、前記電子透かしが埋め込まれている埋め
込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値から、
前記独自情報を抽出する空間領域電子透かし抽出ステッ
プと、前記表示制御信号に応じて、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面
に合成してモニターに表示する画像合成ステップとを有
するものである。
【0045】また、本発明(請求項37)にかかる電子
透かし抽出方法は、符号化された画像データを構成す
る、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクトま
たは符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値また
は色値の時間周波数変換後の周波数係数から、電子透か
しとして埋め込まれた著作権情報等の独自情報を抽出
し、かつ前記符号化された画像データを復号する電子透
かし抽出方法において、前記符号化された画像データに
前記独自情報を電子透かしとして埋め込む開始時点及び
終了時点を指定する埋め込み開始時刻及び埋め込み終了
時刻等の前記電子透かしを抽出するために必要な符号化
された抽出制御情報、及び前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関係
を指定する符号化された表示制御情報を復号する制御情
報復号ステップと、前記抽出制御情報及び表示制御情報
から、抽出制御信号及び表示制御信号を生成し、前記符
号化された画像データの復号及び電子透かしの抽出を制
御する抽出・復号制御ステップと、前記抽出制御信号で
指定される前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時
刻との間に表示される、少なくとも1つの画像フレーム
内にある前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状
情報から、前記独自情報が電子透かしとして埋め込まれ
ている領域を抽出領域として検出する抽出領域検出ステ
ップと、前記抽出制御信号に応じて、前記抽出領域内
の、前記抽出制御信号で指定される、前記電子透かしが
埋め込まれている埋め込み位置の画素の輝度値または色
値の前記周波数係数から、前記独自情報を抽出する周波
数領域電子透かし抽出ステップと、前記表示制御信号に
応じて、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背
景オブジェクトを1つの画面に合成してモニターに表示
する画像合成ステップとを有するものである。
【0046】また、本発明(請求項38)にかかる電子
透かし抽出方法は、請求項36記載の電子透かし抽出方
法において、前記独自情報が、前記背景オブジェクトの
画素の輝度値または色値に、電子透かしとして埋め込ま
れているとき、前記抽出領域検出ステップは、前記埋め
込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示され
る、前記抽出制御信号により指定される画像フレーム内
にある、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状
情報が重なり合う領域を抽出領域として検出し、前記空
間領域電子透かし抽出ステップは、前記抽出領域に対応
する前記背景オブジェクトにおける領域内の、前記抽出
制御信号で指定する、輝度ブロックまたは色ブロック単
位の埋め込み開始位置から、上下左右方向を組み合わせ
た8方向のうちの1つである埋め込み方向に、前記独自
情報のデータ量である埋め込みデータサイズで指定され
る前記埋め込み位置の範囲内にある、画素の輝度値また
は色値から、電子透かしとして埋め込まれた前記独自情
報を抽出するものである。
【0047】また、本発明(請求項39)にかかる電子
透かし抽出方法は、請求項37記載の電子透かし抽出方
法において、前記独自情報が、前記背景オブジェクトの
画素の輝度値または色値の時間周波数変換後の周波数係
数に、電子透かしとして埋め込まれているとき、前記抽
出領域検出ステップは、前記埋め込み開始時刻と前記埋
め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制御信号
により指定される画像フレーム内にある、前記少なくと
も1つの前景オブジェクトの形状情報が重なり合う重な
り領域を検出し、前記重なり領域内の輝度ブロックまた
は色ブロック内の画素の輝度値または色値の前記周波数
係数の直流成分を中心とした前記周波数係数単位の四分
円の半径である最低周波数境界と最高周波数境界との間
にある前記周波数係数を、抽出領域として検出し、前記
周波数領域電子透かし抽出ステップは、前記抽出領域に
対応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、前記
抽出制御信号で指定する、輝度ブロックまたは色ブロッ
ク単位の埋め込み開始位置から、上下左右方向を組み合
わせた8方向のうちの1つである埋め込み方向に、前記
独自情報のデータ量である埋め込みデータサイズで指定
される、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値
または色値の前記周波数係数から、電子透かしとして埋
め込まれた前記独自情報を抽出するものである。
【0048】また、本発明(請求項40)にかかる電子
透かし抽出方法は、請求項36記載の電子透かし抽出方
法において、前記独自情報が、前記少なくとも1つの前
景オブジェクトの輝度値または色値に、電子透かしとし
て埋め込まれているとき、前記抽出領域検出ステップ
は、前記抽出制御信号により指定される画像フレーム内
にある、前記抽出制御信号により指定される、前記各前
景オブジェクトの形状の輪郭であるエッジから、前記各
前景オブジェクトの形状領域の内部方向またはパディン
グ領域方向への、画素の輝度値または色値単位の埋め込
み領域幅を、抽出領域として検出し、前記空間領域電子
透かし抽出ステップは、前記各前景オブジェクトにおけ
る前記抽出領域内の、前記抽出制御信号で指定する、輝
度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置か
ら、上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つで
ある埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量である埋
め込みデータサイズで指定される、前記埋め込み位置の
範囲内にある画素の輝度値または色値から、電子透かし
として埋め込まれた前記独自情報を抽出するものであ
る。
【0049】また、本発明(請求項41)にかかる電子
透かし抽出方法は、請求項37記載の電子透かし抽出方
法において、前記独自情報が、前記少なくとも1つの前
景オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記周波数
係数に、電子透かしとして埋め込まれているとき、前記
抽出領域検出ステップは、前記抽出制御信号により指定
される画像フレーム内にある、前記抽出制御信号により
指定される、前景オブジェクトの形状の輪郭であるエッ
ジを含む画素の輝度ブロックまたは色ブロックの境界ブ
ロック内の、前記各前景オブジェクトの形状情報に応じ
て配置される画素の輝度値または色値の前記周波数係数
の外側で、かつ前記周波数係数の直流成分を中心として
前記周波数係数単位の四分円の半径である最低周波数境
界と最高周波数境界との間にある、前記周波数係数単位
の領域幅を、抽出領域として検出し、前記周波数領域電
子透かし抽出ステップは、前記各前景オブジェクトにお
ける前記抽出領域内の、前記抽出制御信号で指定する、
輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置
から、上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つ
である埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量である
埋め込みデータサイズで指定される、前記埋め込み位置
の範囲内にある画素の輝度値または色値の前記周波数係
数から、電子透かしとして埋め込まれた前記独自情報を
抽出するものである。
【0050】また、本発明(請求項42)にかかる電子
透かし抽出方法は、請求項36記載の電子透かし抽出方
法において、前記独自情報が、前記埋め込み開始時刻と
前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1
つの画像フレーム内の、完全に透明な状態及び完全に不
透明な状態の間の状態が任意の値をもつ透過度で表され
る形状情報を有する、前記少なくとも1つの前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または色値
に、電子透かしとして埋め込まれているとき、前記抽出
領域検出ステップは、前記埋め込み開始時刻と前記埋め
込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制御信号に
より指定される画像フレーム内にある、前記各前景オブ
ジェクトの形状情報が重なり合う領域を抽出領域として
検出し、前記空間領域電子透かし抽出ステップにおい
て、前記抽出領域に対応する前記各前景オブジェクト及
び背景オブジェクトにおける領域内の、前記抽出制御信
号で指定する、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋
め込み開始位置から、上下左右方向を組み合わせた8方
向のうちの1つである埋め込み方向に、前記独自情報の
データ量である埋め込みデータサイズで指定される、前
記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値
から、電子透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽
出するものである。
【0051】また、本発明(請求項43)にかかる電子
透かし抽出方法は、請求項37記載の電子透かし抽出方
法において、前記独自情報が、前記埋め込み開始時刻と
前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1
つの画像フレーム内の、完全に透明な状態及び完全に不
透明な状態の間の状態が任意の値をもつ透過度で表され
る形状情報を有する、前記少なくとも1つの前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または色値
の前記周波数係数に、電子透かしとして埋め込まれてい
るとき、前記抽出領域検出ステップは、前記埋め込み開
始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、前
記抽出制御信号により指定される画像フレーム内にあ
る、前記各前景オブジェクトの形状情報が重なり合う領
域を検出し、前記重なり合う領域内の輝度ブロックまた
は色ブロック内の前記画素の輝度値または色値の前記周
波数係数の直流成分を中心として前記周波数係数単位の
四分円の半径である最低周波数境界と最高周波数境界と
の間にある前記周波数係数を、抽出領域として検出し、
前記周波数領域電子透かし抽出ステップは、前記抽出領
域に対応する前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトにおける領域内の、前記抽出制御信号で指定する、
前記周波数係数単位の埋め込み開始位置から、上下左右
方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み
方向に、前記独自情報のデータ量である埋め込みデータ
サイズで指定される、前記埋め込み位置の範囲内にある
画素の輝度値または色値の前記周波数係数から、前記電
子透かしとして埋め込まれた独自情報を抽出するもので
ある。
【0052】また、本発明(請求項44)にかかるデー
タ記録媒体は、コンピュータに、画像データを符号化
し、かつ前記画像データを構成する、少なくとも1つの
前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの、画素の輝
度値または色値に、著作権情報等の独自情報を電子透か
しとして埋め込む処理を実行させるための電子透かし埋
め込みプログラムが記録されたデータ記録媒体であっ
て、前記電子透かし埋め込みプログラムは、前記独自情
報、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む開始時点
及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及び埋め込み
終了時刻等の電子透かしを埋め込むために必要な埋め込
み制御情報、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及
び背景オブジェクトの表示位置や前後関係を指定する表
示制御情報、及び前記埋め込み制御情報等を基にして電
子透かしを抽出するために必要な抽出制御情報を生成
し、符号化制御信号、及び前記埋め込み制御情報を基に
して生成した埋め込み制御信号により、前記画像データ
の符号化及び電子透かしの埋め込みを制御する埋め込み
・符号化制御ステップと、前記埋め込み制御信号に応じ
て、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との
間に表示される、少なくとも1つの画像フレーム内にあ
る、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報
から、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む、埋め
込み領域を検出する埋め込み領域検出ステップと、前記
埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内の、電
子透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め込み位
置決定ステップと、前記埋め込み制御信号に応じて、前
記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景オブジ
ェクトにおける前記埋め込み領域内の、前記埋め込み位
置の範囲内にある画素の輝度値または色値に、前記独自
情報を電子透かしとして埋め込む空間領域電子透かし埋
め込みステップと、前記表示制御情報及び前記抽出制御
情報を符号化する制御情報符号化ステップとを含むもの
である。
【0053】また、本発明(請求項45)にかかるデー
タ記録媒体は、コンピュータに、画像データを符号化
し、かつ前記画像データを構成する、少なくとも1つの
前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの、画素の輝
度値または色値の時間周波数変換後の周波数係数に、著
作権情報等の独自情報を電子透かしとして埋め込む処理
を実行させるための電子透かし埋め込みプログラムが記
録されたデータ記録媒体であって、前記電子透かし埋め
込みプログラムは、前記独自情報、前記独自情報を電子
透かしとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定する
埋め込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の電子透かし
を埋め込むために必要な埋め込み制御情報、前記少なく
とも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの表
示位置や前後関係を指定する表示制御情報、及び前記埋
め込み制御情報等を基にして電子透かしを抽出するため
に必要な抽出制御情報を生成し、符号化制御信号、及び
前記埋め込み制御情報を基にして生成した埋め込み制御
信号により、前記画像データの符号化及び電子透かしの
埋め込みを制御する埋め込み・符号化制御ステップと、
前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始時刻
と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくと
も1つの画像フレーム内にある、前記少なくとも1つの
前景オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子
透かしとして埋め込む、埋め込み領域を検出する埋め込
み領域検出ステップと、前記埋め込み制御信号に応じ
て、前記埋め込み領域内の、電子透かしを埋め込む埋め
込み位置を決定する埋め込み位置決定ステップと、前記
埋め込み制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記埋め
込み領域内の、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の
輝度値または色値の前記周波数係数に、前記独自情報を
電子透かしとして埋め込む周波数領域電子透かし埋め込
みステップと、前記表示制御情報及び前記抽出制御情報
を符号化する制御情報符号化ステップとを含むものであ
る。
【0054】また、本発明(請求項46)にかかるデー
タ記録媒体は、コンピュータに、符号化された画像デー
タを復号し、かつ前記符号化された画像データを構成す
る、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクトま
たは符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値また
は色値から、電子透かしとして埋め込まれた著作権情報
等の独自情報を抽出する処理を実行させるための電子透
かし抽出プログラムが記録されたデータ記録媒体であっ
て、前記電子透かし抽出プログラムは、前記符号化され
た画像データに前記独自情報を電子透かしとして埋め込
む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及
び埋め込み終了時刻等の、前記電子透かしを抽出するた
めに必要な符号化された抽出制御情報、及び前記少なく
とも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの表
示位置や前後関係を指定する符号化された表示制御情報
を復号する制御情報復号ステップと、前記抽出制御情報
及び表示制御情報から、抽出制御信号及び表示制御信号
を生成し、前記符号化された画像データの復号及び電子
透かしの抽出を制御する抽出・復号制御ステップと、前
記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時刻と前
記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくとも1
つの画像フレーム内にある前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子透かし
として埋め込まれている領域を、抽出領域として検出す
る抽出領域検出ステップと、前記抽出制御信号に応じ
て、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景
オブジェクトにおける前記抽出領域内の、前記抽出制御
信号で指定される、前記電子透かしが埋め込まれている
前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色
値から、前記独自情報を抽出する空間領域電子透かし抽
出ステップと、前記表示制御信号に応じて、前記少なく
とも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトを1
つの画面に合成してモニターに表示する画像合成ステッ
プとを含むものである。
【0055】また、本発明(請求項47)にかかるデー
タ記録媒体は、コンピュータに、符号化された画像デー
タを復号し、かつ前記符号化された画像データを構成す
る、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクトま
たは符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値また
は色値の時間周波数係数変換後の周波数係数から、電子
透かしとして埋め込まれた著作権情報等の独自情報を抽
出する処理を実行させるための電子透かし抽出プログラ
ムが記録されたデータ記録媒体であって、前記電子透か
し抽出プログラムは、前記符号化された画像データに前
記独自情報を電子透かしとして埋め込む開始時点及び終
了時点を指定する埋め込み開始時刻及び埋め込み終了時
刻等の、前記電子透かしを抽出するために必要な符号化
された抽出制御情報、及び前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関係
を指定する符号化された表示制御情報を復号する制御情
報復号ステップと、前記抽出制御情報及び表示制御情報
から、抽出制御信号及び表示制御信号を生成し、前記符
号化された画像データの復号及び電子透かしの抽出を制
御する抽出・復号制御ステップと、前記抽出制御信号で
指定される前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時
刻との間に表示される、少なくとも1つの画像フレーム
内にある前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状
情報から、前記独自情報が電子透かしとして埋め込まれ
ている領域を抽出領域として検出する抽出領域検出ステ
ップと、前記抽出制御信号に応じて、前記少なくとも1
つの前景オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける
前記抽出領域内の、前記抽出制御信号で指定される、前
記電子透かしが埋め込まれている前記埋め込み位置の範
囲内にある画素の輝度値または色値の前記周波数係数か
ら、前記独自情報を抽出する周波数領域電子透かし抽出
ステップと、前記表示制御信号に応じて、前記少なくと
も1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトを1つ
の画面に合成してモニターに表示する画像合成ステップ
とを含むものである。
【0056】
【発明の実施の形態】図1は、電子透かし埋め込み装置
及び電子透かし抽出装置を用いたシステムの構成図であ
る。図1に示すように、画像データ及び著作権情報等の
独自情報が、電子透かし埋め込み装置100に入力され
ると、前記独自情報を電子透かしとして画像データに埋
め込むとともに、前記画像データを圧縮符号化し、ビッ
トストリームまたはファイルとして、ネットワークまた
はCD、DVD等の媒体に出力される。そして、前記ネ
ットワークを介して伝送されるビットストリーム、また
は前記媒体等に記録されたファイルが、電子透かし抽出
装置200に入力されると、前記電子透かし抽出装置2
00は、前記ビットストリームまたはファイルに記録さ
れた前記符号化された画像データを伸長復号するととも
に、前記画像データから電子透かしとして埋め込まれた
前記独自情報を抽出して、画像データとともに、モニタ
ーに表示するか、前記媒体に記録する。
【0057】また、前記電子透かし埋め込み装置100
に入力される画像データは、図2に示すように、複数の
画像フレーム35からなり、各画像フレーム38は、少
なくとも1つの前景オブジェクト36(ここでは、2つ
の前景オブジェクト)及び、背景オブジェクト37で構
成され、前記各前景オブジェクト36及び背景オブジェ
クト37は、輝度値及び色値からなる画素で構成されて
いるものである。前述のように、前記少なくとも1つの
前景オブジェクト及び背景オブジェクトからなる画像デ
ータに、著作権情報等の独自情報を電子透かしとして埋
め込む前記電子透かし埋め込み装置100、また、前記
符号化された画像データから電子透かしとして埋め込ま
れた前記独自情報を抽出する前記電子透かし抽出装置2
00について、以下に説明する。
【0058】(実施の形態1)実施の形態1における、
電子透かし埋め込み方法、及び電子透かし埋め込み装置
について説明する。本実施の形態1では、電子透かし埋
め込み装置100に入力される、少なくとも1つの前景
オブジェクト及び背景オブジェクトで構成される、画像
データの背景オブジェクトに、著作権情報等の独自情報
を電子透かしとして埋め込む場合について説明する。
【0059】まず、図3を用いて、本実施の形態1にお
ける電子透かし埋め込み装置100の構成について説明
する。図3は、本発明の実施の形態における、電子透か
し埋め込み装置の構成を示す図である。図3において、
電子透かし埋め込み装置100は、画像データの符号化
を制御する符号化制御情報、前記独自情報の電子透かし
としての埋め込みを制御する埋め込み制御情報、前記少
なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の表示位置や前後関係を指定する表示制御情報s10
6、前記埋め込み制御情報を基にして電子透かしを抽出
するために必要な抽出制御情報s101、及び電子透か
しとして埋め込む前記独自情報s103を生成し、前記
埋め込み制御情報から埋め込み制御信号s104を、ま
た前記符号化制御情報から符号化制御信号s102を生
成するとともに、前述した各種制御信号を用いて当該装
置の制御を行う埋め込み・符号化制御手段1と、入力さ
れた画像データを構成する前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの画素の輝度値及び色値s210を用いて、
前記各前景オブジェクトの形状情報s220で示す形状
領域の外部にある画素の輝度値及び色値にパディングを
行うパディング手段11と、前記各前景オブジェクトの
形状情報を記録する形状情報メモリ22と、前記各前景
オブジェクトの形状情報s220と形状情報メモリ22
に記録されている時間的に前または後ろの画像フレーム
内の対応する前記各前景オブジェクトの形状情報とを用
いて、形状動きベクトルs261を検出する形状動き検
出手段21と、前記各前景オブジェクトの形状動きベク
トルs261と前記形状情報メモリ22に記録されてい
る時間的に前または後ろの画像フレーム内の対応する前
記各前景オブジェクトの形状情報とを用いて、形状動き
補償を行う形状動き補償手段20と、前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または色
値、前記各前景オブジェクトの形状情報s220、及び
前記形状情報メモリ22に記録されている時間的に前ま
たは後ろの画像フレーム内の対応する前記各前景オブジ
ェクトの形状情報を用いて、著作権情報等の独自情報s
103を画像データに埋め込むための埋め込み領域を検
出する埋め込み領域検出手段23と、前記埋め込み領域
内の、電子透かしを埋め込む開始点である埋め込み開始
位置、電子透かしを埋め込む方向である埋め込み方向、
及び電子透かしとして埋め込む前記独自情報のデータ量
である埋め込みデータサイズを決定する埋め込み位置決
定手段24と、前記独自情報s103を暗号化して、前
記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に、前記埋め
込みデータサイズの範囲内にある減算手段4A,4Bか
ら出力する前記各前景オブジェクトまたは背景オブジェ
クトの予測誤差である画素の誤差輝度値または誤差色値
に電子透かしとして埋め込むと共に、前記独自情報s1
03が埋め込まれる前の画素の誤差輝度値または誤差色
値を出力する空間領域電子透かし埋め込み手段9と、前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の誤
差輝度値及び誤差色値をブロック化し、2次元DCT変
換または形状適応DCT変換して、DCT係数を出力す
るDCT変換手段(DCT)6と、前記各前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトのDCT係数を量子化して量子
化DCT係数を出力する量子化手段(Q)7と、前記独
自情報s103を暗号化して、前記各前景オブジェクト
または背景オブジェクトの前記埋め込み開始位置から前
記埋め込み方向に、前記埋め込みデータサイズの範囲内
にある画素の誤差輝度値または誤差色値の前記量子化D
CT係数に、電子透かしとして埋め込む周波数領域電子
透かし埋め込み手段10と、前記各前景オブジェクト及
び背景オブジェクトの量子化DCT係数を逆量子化して
DCT係数を出力する逆量子化手段(Q-1)12と、前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトのDCT係
数を逆2次元DCT変換または逆形状適応DCT変換し
て、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画
素の誤差輝度値及び誤差色値を出力する逆DCT変換手
段(IDCT)13と、前記暗号化された独自情報が埋め込
まれた、前記各前景オブジェクトまたは背景オブジェク
トの画素の誤差輝度値または誤差色値を前記空間領域電
子透かし埋め込み手段9から出力する対応する画素の誤
差輝度値または誤差色値で置換することにより、前記暗
号化された独自情報を削除して元の画素の誤差輝度値ま
たは誤差色値に戻す電子透かし削除手段14と、加算手
段15A,15Bから出力する前記各前景オブジェクト
及び背景オブジェクトの画素の輝度値及び色値を記録す
るフレームメモリ17と、前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトの画素の輝度値及び色値と、前記フレ
ームメモリ17から読み出した時間的に前または後ろの
画像フレーム内の対応する前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトの画素の輝度値及び色値とを用いて、
動きベクトルs251を検出する動き検出手段18と、
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの動きベ
クトル、及び前記フレームメモリ17から出力される時
間的に前または後ろの画像フレーム内の対応する前記各
前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値
及び色値を用いて、前記各前景オブジェクト及び背景オ
ブジェクトの動き補償を行う動き補償手段16と、前記
各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの動きベクト
ルs251と、前記各前景オブジェクトの形状動きベク
トルs261と、前記各前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトの画素の誤差輝度値または誤差色値の量子化D
CT係数とを可変長符号化する可変長符号化手段(VL
C)8と、前記抽出制御情報s101及び前記表示制御
情報s106を符号化する制御情報符号化手段2と、前
記各前景オブジェクトの形状情報s220の予測誤差で
ある誤差形状情報s221を算術符号化する形状符号化
手段19と、前記制御情報符号化手段2から出力される
符号化された抽出制御情報及び符号化された表示制御情
報と、前記可変長符号化手段8から出力される前記各種
可変長符号化データと、前記形状符号化手段19から出
力される符号化形状情報とを多重化して、ビットストリ
ームまたはファイルs300として出力する多重化手段
3と、複数の減算手段4A〜4Cと、複数の加算手段15A〜1
5Cと、入力または出力を切り替える複数のスイッチ5A〜
5Hとから構成されるものである。
【0060】また、前記埋め込み・符号化制御手段1か
ら出力され、あるいは当該手段1に入力される、前記各
種制御信号及び情報について説明すると、前記独自情報
s103は、画像データに電子透かしとして埋め込まれ
る著作権情報等であり、前記抽出制御情報s101は、
前記埋め込み制御情報を基にして画像データに埋め込ま
れた前記独自情報s103を抽出する際に必要な情報
で、具体的には、前記独自情報s103を埋め込む位置
や、前記独自情報s103のデータ種別等を示すもので
ある。また、前記符号化制御信号s102は、画像デー
タの符号化を制御する信号であり、前記埋め込み制御信
号s104は、前記埋め込み制御情報を基にして画像デ
ータへの電子透かしの埋め込みを制御する信号である。
そして、埋め込み位置情報s105は、前記埋め込み位
置決定手段24から出力される、画像データに前記独自
情報s103が電子透かしとして埋め込まれる位置を指
定する情報であり、例えば、前記埋め込み開始位置、前
記埋め込み方向、及び前記埋め込みデータサイズ等であ
る。そして、前記表示制御情報s106は、前記少なく
とも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクト表示
位置や前後関係を指定する情報である。
【0061】なお、前記DCT変換手段6において、2
次元DCT変換、または形状適応DCT変換が時間周波
数変換として用いられるが、前記2次元DCT変換は、
前記各前景オブジェクトの形状情報のエッジを含まない
形状内部、または背景オブジェクトの輝度ブロックまた
は色ブロック内の画素の誤差輝度値または誤差色値を、
周波数係数であるDCT係数に変換するために用い、前
記形状適応DCT変換は、前記各前景オブジェクトの形
状情報のエッジを含む輝度ブロックまたは色ブロックの
境界ブロック内にある、画素の誤差輝度値または誤差色
値を、周波数係数であるDCT係数に変換するために用
いるものとし、前記逆DCT変換手段13における、前
記逆2次元DCT変換は、前記各前景オブジェクトの形
状情報のエッジを含まない形状内部または背景オブジェ
クトの輝度ブロックまたは色ブロック内のDCT係数
を、画素の誤差輝度値または誤差色値に変換するために
用い、前記逆形状適応DCT変換は、前景オブジェクト
の形状情報のエッジを含む輝度ブロックまたは色ブロッ
クの境界ブロック内にあるDCT係数を、画素の誤差輝
度値または誤差色値に変換するために用いるものとす
る。また、前記2次元DCT変換、形状適応DCT変
換、逆2次元DCT変換、逆形状適応DCT変換は、M
PEG−4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC 14496-2)
に準拠するものとする。
【0062】以上のように構成される、本実施の形態1
における電子透かし埋め込み装置100は、MPEG−
4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC 14496-2)に準拠した
基本構造を備えており、前記埋め込み・符号化制御手段
1から出力される、前記埋め込み制御信号s104によ
って、スイッチ5Aをa側、スイッチ5Bをb側、スイ
ッチ5Cをa側、スイッチ5Dをb側、スイッチ5Eをa
側、スイッチ5Fをb側、スイッチ5Gをa側、スイッ
チ5Hをa側に切り替えるとともに、前記埋め込み領域
検出手段23及び前記埋め込み位置決定手段24を停止
することにより、MPEG−4ビジュアル符号化標準(I
SO/IEC 14496-2)に準拠した符号化装置が実現される。
【0063】次に、本実施の形態1における電子透かし
埋め込み装置100で、一定期間内に表示される複数の
画像フレーム内の、少なくとも1つの前景オブジェクト
の形状情報が前記複数の画像フレーム間で重なる重なり
領域に対応する、背景オブジェクトの領域にある画素の
輝度値または色値に、著作権情報等の独自情報を電子透
かしとして埋め込む場合(以下、「背景オブジェクトの
画素に埋め込む場合」と称す。)の動作について説明す
る。なお、本実施の形態1においては、背景オブジェク
トの画素の誤差輝度値に、前記独自情報を埋め込む場合
を例に挙げて、図5〜図8を参照しながら、図16に示
すフローチャートに従って説明する。
【0064】図5は、一定期間内に表示される、複数の
画像フレーム内にある前景オブジェクトの形状情報の画
像フレーム間での重なり領域を示す図であり、図6は、
図5に示される重なり領域内の埋め込み領域を示す図で
あり、図7は、図6に示される埋め込み領域に、前記独
自情報である図形データ(図(a))または文字データ
(図(b))を、電子透かしとして埋め込む流れを示した
図であり、図16は、本実施の形態1において、前記独
自情報を前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値に埋
め込む場合の一連の動作を示すフローチャート図であ
る。
【0065】まず、埋め込み・符号化制御手段1におい
て、電子透かしを埋め込む方法を指定する埋め込みモー
ドと、電子透かしの埋め込み期間である、埋め込み開始
時刻及び埋め込み終了時刻と、前記電子透かしの埋め込
み期間に表示される複数の画像フレームのうち、電子透
かしが埋め込まれる少なくとも1つの画像フレームを指
定する埋め込み画像フレーム識別子と、前記埋め込み画
像フレーム識別子で指定する少なくとも1つの画像フレ
ーム内の、少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景
オブジェクトのうち、電子透かしを埋め込むオブジェク
トを指定する埋め込みオブジェクト識別子とを設定する
(ステップS1400)。
【0066】ここで、図5を用いて具体的に説明する
と、本実施の形態1における、前記埋め込みモードは、
背景オブジェクトの画素の誤差輝度値への埋め込みであ
り、前記埋め込み画像フレーム識別子は、前記埋め込み
制御信号s104により指定される前記埋め込み開始時
刻Tsと前記埋め込み終了時刻Teとの間に表示される
全ての画像フレーム39a〜39eであり、前記埋め込
みオブジェクト識別子は、前記埋め込み期間内の全ての
画像フレーム内に存在する背景オブジェクトが指定され
る。
【0067】次に、前記埋め込み領域検出手段23にお
いて、電子透かしを埋め込む、埋め込み領域を検出する
(ステップS1401)。ここで、図5及び図6を用い
て、前記埋め込み領域の検出方法について説明する。ま
ず、図5に示すように、前記埋め込み領域検出手段23
において、前記埋め込み開始時刻Tsと前記埋め込み終
了時刻Teとの間の前記埋め込み画像フレーム識別子で
指定される、全ての画像フレーム39a〜39e内にあ
る、前景オブジェクト(ここでは、人物)の形状情報
を、1つの画像フレーム40内で重ね合わせ、前記前景
オブジェクトの形状情報が共通して背景オブジェクトを
隠す領域、つまり前記前景オブジェクトが重なっている
重なり領域41を検出し、前記埋め込み領域検出手段2
3は、図6に示すように、前記重なり領域41の内部に
完全に含まれる輝度マクロブロックを、埋め込み領域4
2として検出する。なお、前記埋め込み開始時刻Ts及
び埋め込み終了時刻Teは、MPEG−4ビジュアル符
号化標準(ISO/IEC 14496-2)で規定する時間指定方法
を基にして、前記埋め込み制御信号s104により指定
されるものとする。
【0068】次に、埋め込み位置決定手段24におい
て、前記埋め込み制御信号s104に応じて、前記埋め
込み領域42内における、前記独自情報s103を電子
透かしとして埋め込む埋め込み開始位置、埋め込み方
向、埋め込みデータサイズ、及び電子透かしを埋め込む
画素の輝度値のビットプレーン値を決定するとともに、
前述の各種データを埋め込み位置情報s105として、
前記埋め込み・符号化制御手段1に出力する(ステップ
S1402)。
【0069】ここで、前記埋め込み開始位置、埋め込み
方向、埋め込みデータサイズ、及びビットプレーン値
は、任意に設定されるものとする。なお、前記埋め込み
開始位置は、輝度マクロブロック、または輝度ブロック
単位で指定され、前記埋め込み方向は、上下左右方向を
組み合わせた8方向から選択可能であり、前記埋め込み
データサイズは前記独自情報のデータ量を基にして設定
され、前記ビットプレーン値は、画素の前記輝度値のL
SBとMSBの間の電子透かしを埋め込むビット位置を
数値で指定するものとする。
【0070】次に、前記埋め込み制御信号s104によ
り、スイッチ5Aをb側、スイッチ5Bをb側に切り替
え、前記動き補償手段16において、符号化制御信号s
102に応じて、前記動き検出手段18から出力された
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの動きベ
クトルs251と、前記フレームメモリ17から読み出
された時間的に前または後ろの画像フレーム内の対応す
る前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素
の輝度値及び色値とを用いて、動き補償を行い、減算手
段4A,4Bにより、前記符号化制御信号s102に応
じて、パディング後の前記少なくとも1つの前景オブジ
ェクトs211、及び本電子透かし埋め込み装置100
に入力された背景オブジェクトの画素の輝度値及び色値
s110から、前記動き補償後の前記各前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトの画素の輝度値及び色値を減算
して、前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤
差色値s111と、前記各前景オブジェクトの画素の誤
差輝度値及び誤差色値s212とを出力し(ステップS
1403)、前記空間領域電子透かし埋め込み手段9に
おいて、前記埋め込み制御信号s104によって指定さ
れた暗号鍵を用いて、前記独自情報s103を暗号化
し、前記埋め込み制御信号s104に応じて、前記埋め
込み領域42に対応する前記背景オブジェクトの領域内
の、前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記
埋め込みデータサイズの範囲内にある画素の誤差輝度値
s111の、前記ビットプレーン値で指定するビット値
に、前述の暗号化した独自情報を電子透かしとして埋め
込む(ステップS1404)。
【0071】ここで、図7を用いて、前記空間領域電子
透かし埋め込み手段9が、前記独自情報s103を暗号
化する方法、及び前述の暗号化した独自情報を画素の誤
差輝度値に電子透かしとして埋め込む方法について説明
する。まず、図7(a)に示すように、前記独自情報s1
03が字形「S」のような図形データである場合、図形
データである字形「S」を完全に含む平面43を、輝度
マクロブロックのサイズのブロック44に分割し、前記
各ブロック44内の字形「S」内部に属する画素値を
1、字形「S」外部に属する画素値を0として2値化し
た後、前記埋め込み制御信号s104で指定する暗号鍵
45と、前記各ブロック44内の2値データとの排他的
論理和演算等を行うことにより、字形「S」である前記
独自情報s103を暗号化したブロック46を生成す
る。
【0072】また、図7(b)に示すように、前記独自情
報s103が著作権情報のような文字データである場
合、前記文字データの先頭から、輝度マクロブロックの
サイズ50毎に分割し、前述の分割された文字データを
2次元平面内の左上端から右下端へ横方向に配列してブ
ロック51を生成した後、前記埋め込み制御信号s10
4で指定する暗号鍵45と、前記各ブロック51内の2
値データとの排他的論理和演算等を行うことにより、文
字データである前記独自情報s103を暗号化したブロ
ック52を生成する。
【0073】そして、図7(a)及び(b)に示すよう
に、前記埋め込み領域42内の前記埋め込み開始位置4
7から前記埋め込み方向48(ここでは、左上端から右
下端へ横方向)に前記埋め込みデータサイズ49の範囲
内にある輝度マクロブロックを順番に抽出するととも
に、前記独自情報s103が図形データである場合は、
前記図形データを完全に含む平面43を輝度マクロブロ
ックサイズに分割して得た各ブロック44を暗号化した
ブロック46を左上端から右下端へ横方向に、また、前
記独自情報s103が文字データの場合は、前記文字デ
ータを先頭から末尾方向に輝度マクロブロックサイズに
分割して得た各ブロック51を暗号化したブロック52
を順番に抽出し、前記抽出した輝度マクロブロック内の
画素の誤差輝度値の、ビットプレーン値で指定するビッ
ト値を、前記独自情報s103が図形データである場合
は、前記抽出した暗号化した図形データのブロック46
内の、また、前記独自情報s103が文字データである
場合は、前記抽出した暗号化した文字データのブロック
52内の、前記抽出した輝度マクロブロック内の画素の
誤差輝度値と同位置にあるビット値で置換することによ
り、前記暗号化した独自情報を画像データ内に電子透か
しとして埋め込むものである。
【0074】次に、前記DCT変換手段6において、前
記符号化制御信号s102に応じて、前記各前景オブジ
ェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値s231と、前
記独自情報s103が埋め込まれた背景オブジェクトの
誤差輝度値及び誤差色値とを、2次元DCT変換または
形状適応DCT変換した後(ステップS1405)、前
記量子化手段7において、前記符号化制御信号s102
に応じて、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び
電子透かしを埋め込んだ背景オブジェクトのDCT係数
を量子化する(ステップS1406)。そして、電子透
かしを埋め込んだ前記背景オブジェクトの量子化DCT
係数s232は可変長符号化手段8及びスイッチ5E,
5Fに送られる一方、前記各前景オブジェクトの量子化
DCT係数は、スイッチ5D及びスイッチ5Fに送られ
る。
【0075】次に、前記スイッチ5C,5Dは、前記埋
め込み制御信号s104により、スイッチ5Cがa側、
スイッチ5Dがb側に切り替えられ、前記可変長符号化
手段8において、前記符号化制御信号s102に応じ
て、前記各前景オブジェクトの量子化DCT係数及び電
子透かしを埋め込んだ前記背景オブジェクトの量子化D
CT係数s232、前記動き検出手段18から出力され
る前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの動き
ベクトルs251、及び前記形状動き検出手段21から
出力される前記各前景オブジェクトの形状情報の形状動
きベクトルs261が、可変長符号化される(ステップ
S1407)。
【0076】次に、前記制御情報符号化手段2におい
て、前記埋め込み開始時刻、前記埋め込み終了時刻、前
記独自情報s103、前記独自情報s103のデータ種
別、前記暗号鍵45に対応する解読鍵、及び前記埋め込
み領域42の前記埋め込み開始位置、前記埋め込み方
向、及び前記埋め込みデータサイズ等を含む電子透かし
を抽出する際に必要な抽出制御情報s101、及び前記
各前景オブジェクト及び背景オジェクトを1つの画面に
合成して表示する際に必要な表示制御情報s106が符
号化され(ステップS1408)、前記形状符号化手段1
9において、前記前景オブジェクトの形状情報s220
の予測誤差である誤差形状情報s221が算術符号化さ
れる(ステップS1409)。
【0077】なお、ステップS1408において、前記
抽出制御情報s101及び表示制御情報s106を、制
御情報符号化手段2で、メタデータまたはバイナリデー
タに符号化するようにしてもよく、前記抽出制御情報及
び表示制御情報がメタデータに符号化される場合は、デ
ータの種類毎にタグ及びパラメータを定義し、バイナリ
データに符号化される場合は、データの種類毎にコード
表を定義して符号化するものとする。例えば、図8に、
前記抽出制御情報s101をメタデータ化したものを示
す。
【0078】次に、前記多重化手段3により、前記符号
化制御信号s102に応じて、前記可変長符号化手段8
から出力された各種可変長符号化データ、前記制御情報
符号化手段2から出力される前記符号化された抽出制御
情報及び符号化された表示制御情報、及び前記形状符号
化手段19から出力される前記符号化形状情報が多重化
されて、ビットストリームまたはファイルs300とし
て出力される(ステップS1410)。
【0079】なお、前記多重化手段3において多重化さ
れたデータを、ファイルに記録して出力する場合には、
前記各前景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色
値の符号化された量子化DCT係数、符号化された動き
ベクトル、符号化された形状動きベクトル、及び符号化
された形状情報をまとめて、前記各前景オブジェクトの
データ単位とし、前記背景オブジェクトの画素の誤差輝
度値及び誤差色値の符号化された量子化DCT係数、及
び符号化された動きベクトルをまとめて、前記背景オブ
ジェクトのデータ単位とし、前記符号化された抽出制御
情報、及び前記符号化された表示制御情報を、各々1つ
のデータ単位とした後、前述した各データ単位に、少な
くとも識別情報及びデータサイズを設定したヘッダ情報
を付加した後、多重化してファイルに記録するものとす
る。
【0080】そして、前記ステップS1410において
出力された前記画像フレームが、前記画像データ内の最
終画像フレームであれば、画像データの符号化及び電子
透かしの埋め込みを終了し、前記画像フレームが途中の
画像フレームであれば、ステップS1403に戻って、
新たな前記画像フレームに対して以上に示した方法で、
画像データの符号化及び電子透かしの埋め込みを繰り返
す(ステップS1415)。
【0081】一方、前記スイッチ5E,5Fは、前記埋
め込み制御信号s104に応じて、前記スイッチ5Eが
b側、スイッチ5Fがb側に切り替えられ、前記逆量子
化手段12において、前記符号化制御信号s102に応
じて、前記量子化手段8より出力された前記少なくとも
1つの前景オブジェクト及び電子透かしを埋め込んだ前
記背景オブジェクトの量子化DCT係数s232が逆量
子化され(ステップS1411)、前記逆DCT変換手
段13において、前記符号化制御信号s102に応じ
て、前記逆量子化手段12から出力される、前記少なく
とも1つの前景オブジェクト及び電子透かしを埋め込ん
だ前記背景オブジェクトのDCT係数が、逆2次元DC
T変換または逆形状適応DCT変換されて、前記各前景
オブジェクト及び電子透かしを埋め込んだ前記背景オブ
ジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値となる(ステ
ップS1412)。
【0082】次に、前記スイッチ5G,5Hは、前記埋
め込み制御信号s104に応じて、前記スイッチ5Gが
b側、前記スイッチ5Hがa側に切り替えられ、前記電
子透かし削除手段14において、前記埋め込み制御信号
s104に応じて、電子透かしが埋め込まれた前記背景
オブジェクトの前記埋め込み領域内の、前記埋め込み開
始位置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイ
ズの範囲内にある画素の誤差輝度値または誤差色値か
ら、前記暗号化された独自情報を削除して、元の画素の
誤差輝度値または誤差色値に変換し(ステップS141
3)、前記加算手段15A,15Bで、前記符号化制御
信号s102に応じて、前記各前景オブジェクト及び背
景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値に、前
記動き補償手段16から出力される時間的に前または後
ろの画像フレーム内にある前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトの動き補償後の同位置にある画素の輝
度値及び色値を加算して、前記フレームメモリ17に記
録する(ステップS1414)。
【0083】なお、本実施の形態1において、前記埋め
込み制御信号s104は、埋め込みモード(ここでは、
背景オブジェクトの画素の輝度値への埋め込み)、埋め
込み開始時刻Ts、埋め込み終了時刻Te、埋め込み画
像フレーム識別子(ここでは、埋め込み期間内の全ての
画像フレーム)、埋め込みオブジェクト識別子(ここで
は、埋め込み期間内の全画像フレーム内にある背景オブ
ジェクト)、埋め込み方法(ここでは、ビットプレーン
埋め込み方式)、埋め込み方法パラメータ(ここでは、
ビットプレーン値)、暗号鍵45及び各スイッチ5A〜5H
の切り替え方向の情報を含み、前記埋め込み位置情報s
105は、埋め込み開始位置47、埋め込み方向48
(ここでは、左上端から右下端へ横方向)、及び埋め込
みデータサイズ49の情報を含み、前記抽出制御情報s
101は、前記埋め込みモード、前記埋め込み画像フレ
ーム識別子、前記埋め込みオブジェクト識別子、前記独
自情報の種別(ここでは、文字データまたは図形データ
のどちらか一方)、独自情報パラメータ(ここでは、図
形データの場合は図形の幅や高さ)、前記暗号鍵45に
対応する解読鍵、前記埋め込み開始時刻Ts、前記埋め
込み終了時刻Te、前記埋め込み開始位置47、前記埋
め込み方向48、前記埋め込みデータサイズ49、前記
埋め込み方法、及び前記埋め込み方法パラメータの情報
を含むものとし、前記符号化制御信号s102は、MP
EG−4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC 14496-2)に
準拠した符号化を行うための制御信号であるものとす
る。
【0084】以上の説明では、一定期間内に表示される
複数の画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景オ
ブジェクトが有する形状情報の画像フレーム間での重な
り領域41に対応する背景オブジェクトの領域を埋め込
み領域42とし、前記埋め込み領域42の画素の誤差輝
度値に前記暗号化された独自情報を電子透かしとして埋
め込む場合について説明したが、前記埋め込み領域42
に前記暗号化された独自情報を埋め込む際に、前記埋め
込み領域42内の画素の誤差輝度値の量子化DCT係数
に、前記暗号化された独自情報を電子透かしとして埋め
込むものであってもよい。この実施例を、実施の形態1
の変形例として説明する。
【0085】(実施の形態1の変形例)一定期間内に表示
される複数の画像フレーム内にある、少なくとも1つの
前景オブジェクトが有する形状情報の画像フレーム間で
の重なり領域41に対応する背景オブジェクト領域を埋
め込み領域42として検出し、前記埋め込み領域42の
画素の輝度値または色値の時間周波数変換後の周波数係
数に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む場合
(以下、「背景オブジェクトの画素の周波数係数に埋め
込む場合」と称す。)における、本電子透かし埋め込み
装置100の動作について説明する。なお、ここでは、
前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値の量子化DC
T係数に、前記独自情報を埋め込む場合を例に挙げて、
図9を参照しながら、図17に示すフローチャートに従
って説明する。
【0086】図9は、輝度ブロック内の画素の誤差輝度
値の量子化DCT係数に前記独自情報を埋め込む場合の
埋め込み領域を示す図であり、図17は、前記独自情報
を背景オブジェクトの画素の誤差輝度値の量子化DCT
係数に埋め込む場合の一連の動作を示すフローチャート
図である。まず、前記埋め込み・符号化制御手段1にお
いて、前記実施の形態1と同様にして、前記埋め込みモ
ードと、前記埋め込み開始時刻Ts及び前記埋め込み終
了時刻Teと、前記埋め込み画像フレーム識別子と、前
記埋め込みオブジェクト識別子とを設定する(ステップ
S1500)。具体的には、前記埋め込みモードは、前
記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値の量子化DCT
係数への埋め込みであり、前記埋め込み開始時刻Ts、
埋め込み終了時刻Te、埋め込み画像フレーム識別子、
及び埋め込みオブジェクト識別子は、前記実施の形態1
と同様である。
【0087】次に、埋め込み領域検出手段23におい
て、前記埋め込み領域を検出する(ステップS150
1)。
【0088】ここで、図9を用いて、前記埋め込み領域
の検出方法について以下に説明する。前記埋め込み領域
の検出方法は、まず、前記実施の形態1と同様にして図
5に示す重なり領域41を検出し、前記重なり領域41
における輝度ブロック内の量子化DCT係数が最低周波
数境界と最高周波数境界とで囲まれる領域を、埋め込み
領域として検出するものである。また、前記最低周波数
境界、及び最高周波数境界はそれぞれ、図9に示すよう
に、輝度ブロックの水平周波数及び垂直周波数がともに
0の位置を中心として、半径がRlの四分円、及び半径
がRhの四分円を表し、前記半径Rl及びRhが、前記
埋め込み制御信号s104で指定される再生時の画質へ
の影響が最小となる帯域、及び前記周波数領域電子透か
し埋め込み手段10より後に設置されるフィルタによ
り、電子透かしを埋め込んだ量子化DCT係数が削除さ
れない帯域を基にして、設定されるものとする。
【0089】次に、前記埋め込み位置決定手段24で、
前記埋め込み制御信号s104に応じて、前記埋め込み
領域42内の、前記埋め込み開始位置、前記埋め込み方
向、前記埋め込みデータサイズ、及び電子透かしを埋め
込む画素の誤差輝度値の前記量子化DCT係数のビット
プレーン値を決定するとともに、前記各種データを埋め
込み位置情報s105として、前記埋め込み・符号化制
御手段1に出力する(ステップS1502)。ここで、前
記埋め込み開始位置、前記埋め込み方向、前記埋め込み
データサイズ、及び前記ビットプレーン値は、前記実施
の形態1と同様の方法で指定される。
【0090】次に、前記符号化制御信号s102に応じ
て、前記実施の形態1と同様にして、減算手段4A,4
B及び動き補償手段16を用いて前記少なくとも1つの
前景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値s2
12と、前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び
誤差色値s111とを出力した後(ステップS150
3)、前記埋め込み制御信号s104により、スイッチ
5Aをa側、スイッチ5Bをb側に切り替え、前記DC
T変換手段6及び前記量子化手段7において、前記符号
化制御信号s102に応じて、前記減算手段4A,4B
から出力される前記各前景オブジェクトの画素の誤差輝
度値及び誤差色値s212、及び前記背景オブジェクト
の画素の誤差輝度値及び誤差色値s111を、2次元D
CT変換または形状適応DCT変換し(ステップS15
04)、量子化する(ステップS1505)。そして、
前記量子化手段7より出力された前記各前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトの量子化DCT係数は、前記ス
イッチ5C,5Dに送られる一方、前記スイッチ5E,
5Fに送られる。
【0091】前記スイッチ5C,5Dでは、前記埋め込
み制御信号s104により、前記スイッチ5Cがb側、
スイッチ5Dがb側に切り替えられ、前記周波数領域電
子透かし埋め込み手段10において、前記埋め込み制御
信号s104により指定される暗号鍵を用いて、前記埋
め込み・符号化制御手段1から出力される前記独自情報
s103を暗号化し、前記埋め込み領域に対応した前記
背景オブジェクトの領域内の、前記埋め込み開始位置か
ら前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲
内にある輝度ブロック内の、前記最低周波数境界と前記
最高周波数境界との間にある量子化DCT係数の、前記
ビットプレーン値で指定されるビット値に、前記暗号化
された独自情報を電子透かしとして埋め込む(ステップ
S1506)。
【0092】ここで、前記周波数領域電子透かし埋め込
み手段10が、前記独自情報s103を暗号化する方
法、及び前記暗号化した独自情報を電子透かしとして埋
め込む方法は、前記実施の形態1と基本的に同じであ
る。また、図7に示すように、図形データまたは文字デ
ータからなる前記独自情報を暗号化して、輝度マクロブ
ロックのサイズでブロック化した後、前記暗号化された
独自情報のブロック内の2値データを、前記背景オブジ
ェクトの前記埋め込み領域に対応する前記領域内にある
輝度マクロブロック内の画素の誤差輝度値の量子化DC
T係数に電子透かしとして埋め込む際に、前記埋め込み
領域に対応する前記背景オブジェクトの前記領域内の輝
度マクロブロックを前記埋め込み開始位置から前記埋め
込み方向に前記埋め込みデータサイズだけ順番に抽出
し、抽出した前記輝度マクロブロックを構成する各輝度
ブロックを左上端から右下端へ横方向に順番に抽出しな
がら、前記各輝度ブロック内の水平周波数及び垂直周波
数がともに0の直流成分の位置を中心として、半径がR
lの四分円で示される最低周波数境界と、半径がRhの
四分円で示される最高周波数境界との間にある量子化D
CT係数71を左上端から右下端へ横方向に順番に抽出
するとともに、前記暗号化された独自情報のブロック内
の2値データを左上端から右下端へ横方向に順番に抽出
しながら、抽出された前記量子化DCT係数の前記ビッ
トプレーン値で指定されるビット値を、前記抽出された
暗号化された独自情報の2値データで置換することによ
り、前記暗号化された独自情報を電子透かしとして埋め
込むものである。
【0093】次に、前記可変長符号化手段8において、
前記符号化制御信号s102に応じて、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの量子化DCT係数、前
記動き検出手段18から出力される前記各前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトの動きベクトルs251、及
び前記形状動き検出手段21から出力される前記各前景
オブジェクトの形状情報の形状動きベクトルs261を
可変長符号化する(ステップS1507)。
【0094】次に、前記制御情報符号化手段2におい
て、前記実施の形態1と同様、前記独自情報s103に
関する情報、前記暗号鍵45に対応する解読鍵、及び前
記埋め込み領域に関する情報等を含む前記抽出制御情報
s101、及び前記各前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトを1つの画面に合成して表示する際に必要な前記
表示制御情報s106を符号化し(ステップS150
8)、前記形状符号化手段19において、前記各前景オ
ブジェクトの形状情報s220の予測誤差である誤差形
状情報s221を、算術符号化する(ステップS150
9)。なお、前記ステップS1508において、前記抽
出制御情報s101及び前記表示制御情報s106をメ
タデータまたはバイナリデータに符号化するようにして
もよい。
【0095】次に、前記多重化手段3で、前記符号化制
御信号s102に応じて、前記可変長符号化手段8から
出力された各種可変長符号化データ、前記制御情報符号
化手段2から出力される符号化された前記抽出制御情報
と符号化された前記表示制御情報、及び前記形状符号化
手段19から出力される符号化された前記形状情報を多
重化して、ビットストリームまたはファイルs300と
して出力する(ステップS1510)。なお、前記多重
化手段3において、前記多重化されたデータをファイル
に記録する場合は、前記実施の形態1と同様にして行わ
れる。
【0096】そして、前記ステップS1510において
出力された前記画像フレームが、前記画像データ内の最
終画像フレームであれば、画像データの符号化及び電子
透かしの埋め込みを終了するが、前記画像フレームが途
中の画像フレームであれば、ステップS1503に戻っ
て、新たな画像フレームに対して、以上に示した方法で
画像データの符号化及び電子透かしの埋め込みを繰り返
す(ステップS1514)。一方、前記スイッチ5E,
5Fは、前記埋め込み制御信号s104により、スイッ
チ5Eがa側、スイッチ5Fがb側に切り替えられ、前
記逆量子化手段12において、前記符号化制御信号s1
02に応じて、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
及び背景オブジェクトの量子化DCT係数が逆量子化さ
れ(ステップS1511)、前記逆DCT変換手段13
において、前記符号化制御信号s102に応じて、前記
各前景オブジェクト及び背景オブジェクトのDCT係数
が、逆2次元DCT変換または逆形状適応DCT変換さ
れて、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの
画素の誤差輝度値及び誤差色値に戻される(ステップS
1512)。
【0097】この後、本実施の形態1の変形例において
は、前記実施の形態1(背景オブジェクトの画素に埋め
込む場合)と異なり、前記量子化手段7より出力される
前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトには、前記独自情報s103が電子透かしとして
埋め込まれていないため、前記電子透かし削除手段14
により、電子透かしの削除を行う必要がない。従って、
前記埋め込み制御信号s104により、前記スイッチ5
Gがa側、スイッチ5Hがa側に切り替えられ、前記加
算手段15A,15Bで、前記符号化制御信号s102
に応じて、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
トの画素の誤差輝度値及び誤差色値に、前記動き補償手
段16から出力される、時間的に前または後ろの画像フ
レーム内にある前記各前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトの動き補償後の同位置にある画素の輝度値及び色
値を加算して、前記フレームメモリ17に記録する(ス
テップS1513)。
【0098】なお、本実施の形態1の変形例において、
前記埋め込み制御信号s104は、埋め込みモード(こ
こでは、背景オブジェクトの画素の輝度値の周波数係数
への埋め込み)、埋め込み開始時刻Ts、埋め込み終了
時刻Te、埋め込み画像フレーム識別子(ここでは、埋
め込み期間内の全ての画像フレーム)、埋め込みオブジ
ェクト識別子(ここでは、埋め込み期間内にあるすべて
の画像フレーム内にある背景オブジェクト)、埋め込み
方法(ここでは、ビットプレーン埋め込み方式)、埋め
込み方法パラメータ(ここでは、ビットプレーン値)、
暗号鍵45及び各スイッチ5A〜5Hの切り替え方向の情報
を含み、前記埋め込み位置情報s105は、埋め込み開
始位置47、埋め込み方向48(ここでは、左上端から
右下端へ横方向)、最低周波数境界Rl、最高周波数境
界Rh、及び埋め込みデータサイズ49の情報を含み、
前記抽出制御情報s101は、前記埋め込みモード、前
記埋め込み画像フレーム識別子、前記埋め込みオブジェ
クト識別子、前記独自情報の種別(ここでは、文字デー
タまたは図形データのどちらか一方)、独自情報パラメ
ータ(図形データの場合は図形の幅や高さ)、前記暗号
鍵45に対応する解読鍵、前記埋め込み開始時刻Ts、
前記埋め込み終了時刻Te、前記埋め込み開始位置4
7、前記埋め込み方向48、前記最低周波数境界Rl、
前記最高周波数境界Rh、前記埋め込みデータサイズ4
9、前記埋め込み方法、及び前記埋め込み方法パラメー
タの情報を含むものとし、また、前記符号化制御信号s
102は、MPEG−4ビジュアル符号化標準(ISO/IE
C 14496-2)に準拠した符号化を行うための制御信号で
あるものとする。
【0099】そして、前記実施の形態1及びその変形例
においては、前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値
または、画素の誤差輝度値の量子化DCT係数に、前記
独自情報s103を埋め込む場合を例として説明した
が、前記背景オブジェクトの画素の誤差色値、または画
素の誤差色値の量子化DCT係数に埋め込むものであっ
てもよく、その場合、輝度マクロブロックまたは輝度ブ
ロック毎に電子透かしの埋め込みを行っていたものを、
色マクロブロックまたは色ブロック毎に行えば、同様の
方法で実施可能である。
【0100】以上のように、本実施の形態1及びその変
形例によれば、前記独自情報s103を前記背景オブジ
ェクトに埋め込む場合、電子透かし埋め込み装置100
に入力する画像データ内の前記埋め込み制御信号s10
4により指定される、一定期間内に表示される複数の画
像フレームの中の前記埋め込み画像フレーム識別子で指
定される少なくとも1つの画像フレームから、前記埋め
込み領域検出手段23により、前記少なくとも1つの前
景オブジェクトの形状情報s220が重なる重なり領域
41を検出し、前記重なり領域41に対応する前記背景
オブジェクトの領域を電子透かしの埋め込み領域42と
して検出した後、前記埋め込み位置決定手段24によ
り、前記埋め込み領域42内の前記埋め込み開始位置4
7、前記埋め込み方向48、前記埋め込みデータサイズ
49、及び前記ビットプレーン値を設定し、前記埋め込
み領域42内の画素の誤差輝度値または誤差色値、また
は画素の誤差輝度値または誤差色値の量子化DCT係数
に、前記暗号化した独自情報を埋め込むようにしたの
で、本電子透かし埋め込み装置100に入力される、画
像データをMPEG−4ビジュアル符号化標準のような
オブジェクト符号化方式を用いて符号化する場合に、画
像を劣化させることなく、前記独自情報s103を電子
透かしとして効率良く埋め込むことができる。
【0101】なお、実施の形態1及びその変形例におい
ては、前記埋め込み位置決定手段24により、前記背景
オブジェクトの前記埋め込み領域内に、前記埋め込み開
始位置、前記埋め込み方向、前記埋め込みデータサイズ
を決定することで、前記暗号化された独自情報を電子透
かしとして埋め込む前記埋め込み位置を設定するものと
したが、前記埋め込み位置の設定方法はこれに限るもの
ではなく、例えば、前記埋め込み領域内に、埋め込み開
始位置と埋め込み終了位置とを決定することで、前記埋
め込み位置を設定するようにしてもよい。
【0102】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2における、電子透かし埋め込み方法、及び電子透か
し埋め込み装置について説明する。前記実施の形態1で
は、電子透かし埋め込み装置100に入力される、少な
くとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトで
構成される画像データの前記背景オブジェクトに、著作
権情報等の独自情報を電子透かしとして埋め込む場合に
ついて説明したが、本実施の形態2においては、画像デ
ータの前記少なくとも1つの前景オブジェクトに、前記
独自情報を電子透かしとして埋め込む場合について説明
する。なお、本実施の形態2における電子透かし埋め込
み装置100の構成については、実施の形態1と同様で
あるため、ここでは説明を省略する。
【0103】本実施の形態2では、一定期間内に表示さ
れる複数の画像フレーム内にある少なくとも1つの前景
オブジェクトの形状領域またはパディング領域内の画素
の輝度または色値に、著作権情報等の独自情報を電子透
かしとして埋め込む場合(以下、「前景オブジェクトの
画素に埋め込む場合」と称す。)における、電子透かし
埋め込み装置100の動作について説明する。なお、本
実施の形態2においては、前記各前景オブジェクトの画
素の誤差輝度値に、前記独自情報を埋め込む場合を例に
挙げて、図10〜図11を参照しながら、図16に示す
フローチャートに従って説明する。
【0104】図10は、前記少なくとも1つの前景オブ
ジェクトのエッジから形状領域方向にある埋め込み領域
を示す図であり、図11は、前記少なくとも1つの前景
オブジェクトのエッジからパディング領域方向にある埋
め込み領域を示す図である。まず、前記埋め込み・符号
化制御手段1において、前記埋め込みモードと、電子透
かしの埋め込み期間である、前記埋め込み開始時刻Ts
及び前記埋め込み終了時刻Teと、前記埋め込み期間内
に表示される複数の画像フレームのうち、電子透かしが
埋め込まれる少なくとも1つの画像フレームを指定する
埋め込み画像フレーム識別子と、前記埋め込み画像フレ
ーム識別子で指定する画像フレーム内の、少なくとも1
つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトのうち、電
子透かしを埋め込むオブジェクトを指定する埋め込みオ
ブジェクト識別子とを設定する(ステップS1400)。
【0105】ここで、図5を用いて具体的に説明する
と、本実施の形態2においては、前記埋め込みモード
は、前景オブジェクトの画素の輝度値への埋め込みであ
り、前記埋め込み画像フレーム識別子は、前記埋め込み
制御信号s104により指定される前記埋め込み開始時
刻Tsと前記埋め込み終了時刻Teとの間に表示される
全ての画像フレーム39a〜39eのうちの、少なくと
も1つの画像フレームであり、前記埋め込みオブジェク
ト識別子は、前記埋め込み画像フレーム識別子で指定す
る画像フレームに存在する前景オブジェクトが指定され
る。
【0106】次に、前記埋め込み領域検出手段23にお
いて、電子透かしを埋め込む埋め込み領域を検出する
(ステップS1401)。ここで、図10及び図11を用
いて、前記埋め込み領域を検出する方法について説明す
ると、前記埋め込み領域検出手段23により、前記埋め
込み領域として、図10に示すように、ステップS14
00において指定した前記埋め込み画像フレーム識別子
で指定する画像フレーム内の、前記埋め込みオブジェク
ト識別子で指定する、前景オブジェクト53が有する形
状情報のエッジ54から形状領域方向に水平画素単位で
の埋め込み領域幅Leの部分、または図11に示すよう
に、前記前景オブジェクト53が有する形状情報のエッ
ジ54からパディング領域方向に水平画素単位での埋め
込み領域幅Lpの部分が検出される。
【0107】この時、前記埋め込み領域幅Leは、前記
前景オブジェクト53のエッジ54の形状の複雑度や、
前記エッジ54付近にある前景オブジェクト53の画素
の輝度値の平均値と前記エッジ54付近にある背景オブ
ジェクトの画素の輝度値の平均値との差や、前記エッジ
54付近にある前記前景オブジェクト53の画素の輝度
値及び前記エッジ54付近にある背景オブジェクトの画
素の輝度値の分散値等が大きいほど大きく、また、前記
複雑度、前記平均値の差、あるいは前記各種分散値等が
小さいほど小さく設定されるものである。また、前記埋
め込み領域幅Lpの最大値については、輝度マクロブロ
ックのサイズ内に収まるように設定するものとする。
【0108】また、前記埋め込み領域幅Le及びLp
は、前述のように水平画素方向に設定するだけでなく、
垂直画素方向や前記エッジ54の法線方向等に設定して
も良いものとする。また、前記埋め込み領域幅の変更、
及び前記埋め込み領域幅の設定方向に関する情報は、前
記埋め込み領域や埋め込み領域幅に関する情報ととも
に、前記埋め込み領域検出手段23から出力するものと
する。次に、前記埋め込み位置決定手段24において、
前記埋め込み制御信号s104に応じて、前記埋め込み
領域内における、前記埋め込み開始位置、前記埋め込み
方向、前記埋め込みデータサイズ、及び電子透かしを埋
め込む画素の輝度値の前記ビットプレーン値を決定する
とともに、前記各種データを埋め込み位置情報s105
として、前記埋め込み・符号化制御手段1に出力する
(ステップS1402)。
【0109】ここで、前記埋め込み開始位置、及び前記
埋め込み方向は、前記前景オブジェクトの動き状態に応
じて設定する。つまり、図10または図11における、
前記前景オブジェクト53が静止している場合は、視覚
感度と、画素の明度、色相、及び彩度の変化量とが反比
例する特性を利用して、前記前景オブジェクト53のエ
ッジ54付近にある画素の輝度値の分散値が大きい部分
に、前記埋め込み開始位置及び前記埋め込み方向を設定
し、また、前記前景オブジェクト53が移動している場
合は、視線が物体の進行方向先に移動する特性を利用し
て、前記前景オブジェクト53の動き方向と反対側の前
記埋め込み領域内の部分に、前記埋め込み開始位置及び
前記埋め込み方向を設定する。また、前記埋め込みデー
タサイズは、前記独自情報s103のデータ量、さら
に、前記ビットプレーン値は、前記エッジ54付近で生
ずるマッハ効果などの視覚特性を利用して、図10また
は図11における前記前景オブジェクト53のエッジ5
4付近にある画素の輝度値の平均値及び分散値が、前記
エッジ54付近にある前記背景オブジェクトの画素の輝
度値の平均値及び分散値より大きいほど、前記ビットプ
レーン値を高く、前記エッジ54付近にある画素の輝度
値の平均値及び分散値が前景オブジェクト53のエッジ
54付近にある背景オブジェクトの画素の輝度値の平均
値及び分散値より小さいほどビットプレーン値を低く設
定するものとする。
【0110】次に、前記埋め込み制御信号s104によ
り、スイッチ5Aをa側、スイッチ5Bをa側に切り替
え、前記動き補償手段16において、前記符号化制御信
号s102に応じて、前記動き検出手段18から出力さ
れた前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オ
ブジェクトの動きベクトルs251と、前記フレームメ
モリ17から読み出された時間的に前または後ろの画像
フレーム内にある対応する前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトの画素の輝度値及び色値とを用いて動
き補償を行い、減算手段4A,4Bにより、前記符号化
制御信号s102に応じて、パディング後の前記少なく
とも1つの前景オブジェクトs211の画素の輝度値及
び色値、及び前記背景オブジェクトの画素の輝度値及び
色値s110から、前記動き補償後の前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値及び色値を
減算して、前記各前景オブジェクトの画素の誤差輝度値
及び誤差色値s212と、前記背景オブジェクトの画素
の誤差輝度値及び誤差色値s111とを出力し(ステッ
プS1403)、前記空間領域電子透かし埋め込み手段
9において、前記埋め込み制御信号s104によって指
定された暗号鍵を用いて、前記埋め込み・符号化制御手
段1から出力される前記独自情報s103を暗号化し、
前記埋め込み制御信号s104に応じて、前記各前景オ
ブジェクトの前記埋め込み領域内の、前記埋め込み開始
位置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズ
の範囲内にある、画素の誤差輝度値s111の、前記ビ
ットプレーン値で指定するビット値に、前記暗号化した
独自情報を電子透かしとして埋め込む(ステップS14
04)。
【0111】ここで、前記空間領域電子透かし埋め込み
手段9が、前記独自情報s103を暗号化する方法は、
前記実施の形態1と同様であり、また、前記暗号化した
独自情報を電子透かしとして埋め込む方法は、図10に
示すように、前記各前景オブジェクト53のエッジ54
から形状領域方向へ前記埋め込み領域幅Leの埋め込み
領域内、または図11に示すように、前記各前景オブジ
ェクト53のエッジ54からパディング領域方向へ前記
埋め込み領域幅Lpの埋め込み領域内の、前記埋め込み
開始位置から前記埋め込み方向(ここでは、左上端から
右下端へ横方向)に、前記埋め込みデータサイズの範囲
内にある画素の誤差輝度値を順番に抽出するとともに、
図7に示すように暗号化された前記独自情報の2値デー
タを、ブロック46,52単位で左上端から右下端へ横
方向に順番に抽出し、前記抽出した画素の誤差輝度値
の、前記ビットプレーン値で指定されるビット値を、前
記抽出した2値データで置換することにより、前記暗号
化された独自情報を電子透かしとして埋め込む。
【0112】次に、前記DCT変換手段6において、前
記符号化制御信号s102に応じて、前記少なくとも1
つの前景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値
s231と、前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値
及び誤差色値s111とをブロック化して、2次元DC
T変換または形状適応DCT変換した後(ステップS1
405)、前記量子化手段7において、前記符号化制御
信号s102に応じて、前記各前景オブジェクト、及び
背景オブジェクトのDCT係数を量子化する(ステップ
S1406)。そして、前記各前景オブジェクトの量子
化DCT係数s232は、可変符号化手段8及びスイッ
チ5E,5Fに送られる一方、前記背景オブジェクトの
量子化DCT係数は、スイッチ5C及びスイッチ5Eに
送られる。
【0113】次に、前記スイッチ5C,5Dは、前記埋
め込み制御信号s104により、前記スイッチ5Cがa
側、スイッチ5Dがb側に切り替えられ、前記可変長符
号化手段8において、前記符号化制御信号s102に応
じて、前記電子透かしを埋め込んだ前記各前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトの量子化DCT係数、前記動
き検出手段18から出力される前記各前景オブジェクト
及び背景オブジェクトの動きベクトルs251、及び前
記形状動き検出手段21から出力される前記各前景オブ
ジェクトの形状情報の形状動きベクトルs261を可変
長符号化する(ステップS1407)。
【0114】次に、前記制御情報符号化手段2におい
て、前記符号化制御信号s102に応じて、前記独自情
報s103に関する情報、前記暗号鍵に対応する解読
鍵、及び前記埋め込み領域に関する情報等を含む、前記
独自情報s103を抽出する際に必要な抽出制御情報s
101と、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
トを1つの画面に合成して表示する際に必要な表示制御
情報s106とが符号化され(ステップS1408)、前
記形状符号化手段19において、前記符号化制御信号s
102に応じて、前記各前景オブジェクトの形状情報s
220の予測誤差である誤差形状情報s221が算術符
号化される(ステップS1409)。
【0115】なお、ステップS1408において、前記
制御情報符号化手段2で、前記抽出制御情報s101及
び前記表示制御情報s106を、メタデータまたはバイ
ナリデータに符号化するようにしてもよく、前記抽出制
御情報及び前記表示制御情報がメタデータに符号化され
る場合は、データの種類毎にタグ及びパラメータを定義
し、バイナリデータに符号化される場合は、データの種
類毎にコード表を定義して符号化するものとする。例え
ば、図8に、前記抽出制御情報s101をメタデータ化
したものを示す。
【0116】次に、前記多重化手段3により、前記符号
化制御信号s102に応じて、前記可変長符号化手段8
から出力された各種可変長符号化データ、前記制御情報
符号化手段2から出力される前記符号化された抽出制御
情報及び符号化された表示制御情報、及び前記形状符号
化手段19から出力される前記符号化形状情報が多重化
されて、ビットストリームまたはファイルs300とし
て出力される(ステップS1410)。
【0117】なお、前記多重化手段3において多重化さ
れたデータを、ファイルに記録して出力する場合につい
ては、前記実施の形態1と同様である。そして、前記ス
テップS1410において出力される画像フレームが、
画像データ内の最終画像フレームであれば、画像データ
の符号化及び電子透かしの埋め込みを終了し、前記画像
フレームが途中の画像フレームであれば、ステップS1
403に戻って、新たな前記画像フレームに対して以上
に示した方法で、画像データの符号化及び電子透かしの
埋め込みを繰り返す(ステップS1415)。
【0118】一方、前記スイッチ5E,5Fは、前記埋
め込み制御信号s104に応じて、前記スイッチ5Eが
a側、スイッチ5Fがa側に切り替えられ、前記逆量子
化手段12において、符号化制御信号s102に応じ
て、前記量子化手段8より出力された前記少なくとも1
つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの量子化D
CT係数が逆量子化され(ステップS1411)、前記
逆DCT変換手段13において、前記符号化制御信号s
102に応じて、前記逆量子化手段12から出力される
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトのDCT
係数は、逆2次元DCT変換または逆形状適応DCT変
換されて、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
トの画素の誤差輝度値及び誤差色値となる(ステップS
1412)。
【0119】次に、前記スイッチ5G,5Hは、前記埋
め込み制御信号s104により、前記スイッチ5Gがa
側、スイッチ5Hがb側に切り替えられ、電子透かし削
除手段14において、前記埋め込み制御信号s104に
応じて、前記電子透かしの埋め込まれた前記前景オブジ
ェクトの、前記埋め込み領域内の前記埋め込み開始位置
から前記埋め込み方向に、前記埋め込みデータサイズの
範囲内にある画素の誤差輝度値または誤差色値から、前
記暗号化された独自情報を削除して、元の画素の誤差輝
度値または誤差色値に変換し(ステップS1413)、
前記加算手段15A,15Bで、前記符号化制御信号s
102に応じて、前記各前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値に、前記動き
補償手段16から出力される、時間的に前または後ろの
画像フレーム内にある前記各前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの動き補償後の同位置にある画素の輝度値
及び色値を加算して、前記フレームメモリ17に記録す
る(ステップS1414)。
【0120】なお、本実施の形態2において、前記埋め
込み制御信号s104は、埋め込みモード(ここでは、
前景オブジェクトの画素の輝度値への埋め込み)、埋め
込み開始時刻Ts、埋め込み終了時刻Te、埋め込み画
像フレーム識別子(ここでは、埋め込み期間内の少なく
とも1つ画像フレームを識別する値)、埋め込みオブジ
ェクト識別子(ここでは、人物を示す前景オブジェクト
を識別する値)、埋め込み方法(ここでは、ビットプレ
ーン埋め込み方式)、埋め込み方法パラメータ(ここで
は、ビットプレーン値)、暗号鍵及び各スイッチ5A〜5H
の切り替え方向の情報を含み、前記埋め込み位置情報s
105は、埋め込み開始位置、埋め込み方向(ここで
は、左上端から右下端へ横方向)、及び埋め込みデータ
サイズの情報を含み、前記抽出制御情報s101は、前
記埋め込みモード、前記埋め込み画像フレーム識別子、
前記埋め込みオブジェクト識別子、独自情報種別(ここ
では、文字データまたは図形データのどちらか一方)、
独自情報パラメータ(図形データの場合は図形の幅や高
さ)、前記暗号鍵45に対応する解読鍵、前記埋め込み
開始時刻Ts、前記埋め込み終了時刻Te、前記埋め込
み開始位置、前記埋め込み方向、前記埋め込みデータサ
イズ、前記埋め込み方法、及び前記埋め込み方法パラメ
ータの情報を含むものとし、前記符号化制御信号s10
2は、MPEG−4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC 14
496-2)に準拠した符号化を行うための制御信号である
ものとする。
【0121】以上の説明では、一定期間内に表示され
る、少なくとも1つの画像フレーム内にある前記少なく
とも1つの前景オブジェクト53のエッジ54から形状
領域方向またはパディング領域方向の埋め込み領域幅L
eまたはLp内の画素の誤差輝度値に、著作権情報等の
独自情報s103を電子透かしとして埋め込む場合につ
いて説明したが、前記各前景オブジェクトに暗号化され
た独自情報を埋め込む際に、前記各前景オブジェクトの
前記埋め込み領域内の画素の誤差輝度値の量子化DCT
係数に、前記暗号化された独自情報を電子透かしとして
埋め込むものであってもよい。この実施例を、実施の形
態2の変形例として説明する。
【0122】(実施の形態2の変形例)一定期間内に表示
される複数の画像フレーム内の、少なくとも1つの前景
オブジェクトの画素の輝度値または色値の時間周波数変
換後の周波数係数に、著作権情報等の独自情報を電子透
かしとして埋め込む場合(以下、「前景オブジェクトの
画素の周波数係数に埋め込む場合」と称す。)におけ
る、電子透かし埋め込み装置100の動作について説明
する。なお、本実施の形態2の変形例においては、前記
少なくとも1つの前景オブジェクトの画素の誤差輝度値
の量子化DCT係数に、前記独自情報を埋め込む場合を
例に挙げて、図12を参照しながら、図17に示すフロ
ーチャートに従って説明する。
【0123】図12は、前景オブジェクトのエッジ部分
にある画素の誤差輝度値の量子化DCT係数への埋め込
み領域を示す図である。まず、前記埋め込み・符号化制
御手段1において、前記実施の形態1と同様にして、前
記埋め込みモードと、前記埋め込み開始時刻Ts及び前
記埋め込み終了時刻Teと、前記埋め込み画像フレーム
識別子と、前記埋め込みオブジェクト識別子とを設定す
る(ステップS1500)。具体的には、前記埋め込みモ
ードは、前記前景オブジェクトの画素の輝度値の量子化
DCT係数への埋め込みであり、前記埋め込み開始時刻
Ts、前記埋め込み終了時刻Te、前記埋め込み画像フ
レーム識別子、及び前記埋め込みオブジェクト識別子
は、前記実施の形態1と同様である。
【0124】次に、埋め込み領域検出手段23におい
て、前記埋め込み領域を検出する(ステップS150
1)。ここで、図12を用いて、前記埋め込み領域の検
出方法について説明すると、前記ステップS1500に
おいて設定した前記埋め込み画像フレーム識別子で指定
する画像フレーム内の、前記埋め込みオブジェクト識別
子で指定する前景オブジェクト53のエッジ54を含む
輝度ブロックの、境界ブロック内の形状情報に応じて配
置される形状適応DCT変換後の量子化DCT係数が存
在する領域の境界55より外側で、且つ、最低周波数境
界Rlと最高周波数境界Rhとの間の、埋め込み領域幅
Lc内に存在する量子化DCT係数を、前記埋め込み領
域として検出する。また、前記最低周波数境界Rl、及
び前記最高周波数境界Rhの設定方法は、前記実施の形
態1の変形例と同様であり、前記埋め込み領域幅Lc
は、前記独自情報s103のデータ量に応じて決定する
ものとする。
【0125】次に、前記埋め込み位置決定手段24で、
前記埋め込み制御信号s104に応じて、前記埋め込み
領域内の前記埋め込み開始位置、前記埋め込み方向、前
記埋め込みデータサイズ、及び電子透かしを埋め込む量
子化DCT係数のビットプレーン値を決定するととも
に、前記各種データを埋め込み位置情報s105とし
て、前記埋め込み・符号化制御手段1に出力する(ステ
ップS1502)。ここで、前記埋め込み開始位置、前
記埋め込み方向、前記埋め込みデータサイズ、及び前記
ビットプレーン値は、前記実施の形態2と同様の方法で
指定される。
【0126】次に、前記動き補償手段16において、前
記符号化制御信号s102に応じて、前記実施の形態1
と同様の動き補償を行い、前記減算手段4A,4Bよ
り、前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差
色値s111と、パディング後の前記前景オブジェクト
の画素の誤差輝度値及び誤差色値s212とを出力した
後(ステップS1503)、前記埋め込み制御信号s10
4により、スイッチ5Aをa側、スイッチ5Bをb側に
切り替え、前記DCT変換手段6及び前記量子化手段7
において、前記符号化制御信号s102に応じて、前記
減算手段4A,4Bから出力される前記各前景オブジェ
クトの画素の誤差輝度値及び誤差色値s212、及び前
記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値s
111を、2次元DCT変換または形状適応DCT変換
し(ステップS1504)、量子化する(ステップS1
505)。そして、前記量子化手段7より出力された前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの量子化D
CT係数は、前記スイッチ5C,5Dに送られる一方、
前記スイッチ5E,5Fに送られる。
【0127】前記スイッチ5C,5Dは、前記埋め込み
制御信号s104により、前記スイッチ5Cがa側、ス
イッチ5Dがa側に切り替えられ、前記周波数領域電子
透かし埋め込み手段10において、前記埋め込み制御信
号s104により指定される暗号鍵を用いて、前記独自
情報s103を暗号化し、前記埋め込み領域内の、前記
埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋め込み
データサイズの範囲内にある量子化DCT係数の、前記
ビットプレーン値で指定されるビット値を、暗号化され
た前記独自情報で置換することにより、電子透かしとし
て埋め込む(ステップS1506)。
【0128】ここで、前記周波数領域電子透かし埋め込
み手段10が、前記独自情報s103を暗号化する方法
は、前記実施の形態1と同じであり、前記暗号化した独
自情報を電子透かしとして埋め込む方法は、図12に示
すように、輝度ブロックの量子化DCT係数が存在する
領域の境界55から、前記埋め込み領域幅Lc内の埋め
込み領域内の、前記埋め込み開始位置から前記埋め込み
方向(ここでは、左上端から右下端へ横方向)に、前記
埋め込みデータサイズの範囲内にある画素の誤差輝度値
の量子化DCT係数を順番に抽出し、図7に示すよう
に、前記暗号化された独自情報の各ブロック46,52
内の2値データを左上端から右下端へ横方向に順番に抽
出しながら、前記抽出された量子化DCT係数の前記ビ
ットプレーン値で指定するビット値を、前記抽出された
2値データで置換することにより、前記暗号化された独
自情報を電子透かしとして埋め込むものである。
【0129】次に、前記可変長符号化手段8において、
前記符号化制御信号s102に応じて、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの量子化DCT係数、前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの動きベク
トルs251、及び前記各前景オブジェクトの形状情報
の形状動きベクトルs261を可変長符号化する(ステ
ップS1507)。次に、前記制御情報符号化手段2に
おいて、前記独自情報s103に関する情報、暗号鍵4
5に対応する解読鍵、及び埋め込み領域に関する情報等
を含む、前記独自情報を抽出する際に必要な抽出制御情
報s101と、前記各前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトを1つの画面に合成して表示する際に必要な表示
制御情報s106とを符号化し(ステップS1508)、
前記形状符号化手段19において、前記各前景オブジェ
クトの形状情報s220の予測誤差である誤差形状情報
s221を算術符号化する(ステップS1509)。な
お、前記ステップS1508において、前記抽出制御情
報s101及び前記表示制御情報s106をメタデータ
またはバイナリデータに符号化するようにしてもよい。
【0130】次に、前記多重化手段3で、前記符号化制
御信号s102に応じて、各種可変長符号化データ、前
記制御情報符号化手段2から出力される前記符号化され
た抽出制御情報と符号化された表示制御情報、及び前記
形状符号化手段19から出力される前記符号化形状情報
を多重化して、ビットストリームまたはファイルs30
0として出力する(ステップS1510)。
【0131】なお、前記多重化手段3において多重化さ
れたデータを、ファイルに記録して出力する場合につい
ては、前記実施の形態1と同様である。そして、ステッ
プS1510において出力された画像フレームが、前記
画像データ内の最終画像フレームであれば、画像データ
の符号化及び電子透かしの埋め込みを終了するが、前記
画像フレームが途中の画像フレームであれば、ステップ
S1503に戻って、新たな画像フレームに対して、以
上に示した方法で画像データの符号化及び電子透かしの
埋め込みを繰り返す(ステップS1514)。
【0132】一方、前記スイッチ5E,5Fでは、前記
埋め込み制御信号s104に応じて、前記スイッチ5E
がa側、スイッチ5Fがb側に切り替えられ、前記逆量
子化手段12において、前記符号化制御信号s102に
応じて、前記量子化手段8より出力された前記各前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトの量子化DCT係数が
逆量子化され(ステップS1511)、前記逆DCT変
換手段13において、前記符号化制御信号s102に応
じて、前記逆量子化手段12から出力される前記各前景
オブジェクト及び背景オブジェクトのDCT係数が、逆
2次元DCT変換または逆形状適応DCT変換されて、
元の前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画
素の誤差輝度値及び誤差色値に戻される(ステップS1
512)。
【0133】この後、本実施の形態2の変形例において
は、前記実施の形態2(前景オブジェクトの画素に埋め
込む場合)と異なり、前記各前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの画素の誤差輝度値または誤差色値には前
記独自情報s103が埋め込まれていないため、前記電
子透かし削除手段14により電子透かしの削除を行う必
要がない。従って、前記埋め込み制御信号s104によ
り、前記スイッチ5Gをa側、前記スイッチ5Hをa側
に切り替え、前記加算手段15A,15Bで、前記符号
化制御信号s102に応じて、前記各前景オブジェクト
及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値
に、前記動き補償手段16から出力される、時間的に前
または後ろの画像フレーム内にある前記各前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトの動き補償後の同位置にある
画素の輝度値及び色値を加算して、前記フレームメモリ
17に記録する(ステップS1513)。
【0134】なお、本実施の形態2の変形例において、
前記埋め込み制御信号s104は、埋め込みモード(こ
こでは、前景オブジェクトの画素の輝度値の周波数係数
への埋め込み)、埋め込み開始時刻Ts、埋め込み終了
時刻Te、埋め込み画像フレーム識別子(ここでは、埋
め込み期間内の少なくとも1つの画像フレームを識別す
る値)、埋め込みオブジェクト識別子(ここでは、人物
を示す前景オブジェクトを識別する値)、埋め込み方法
(ここでは、ビットプレーン埋め込み方式)、埋め込み
方法パラメータ(ここでは、ビットプレーン値)、暗号
鍵及び各スイッチ5A〜5Hの切り替え方向の情報を含み、
前記埋め込み位置情報s105は、埋め込み開始位置、
埋め込み方向(ここでは、左上端から右下端へ横方
向)、最低周波数境界Rl、最高周波数境界Rh、及び
埋め込みデータサイズの情報を含み、前記抽出制御情報
s101は、前記埋め込みモード、前記埋め込み画像フ
レーム識別子、前記埋め込みオブジェクト識別子、独自
情報種別(ここでは、文字データまたは図形データのど
ちらか一方)、独自情報パラメータ(図形データの場合
は図形の幅や高さ)、前記暗号鍵に対応する解読鍵、前
記埋め込み開始時刻Ts、前記埋め込み終了時刻Te、
前記埋め込み開始位置、前記埋め込み方向、前記最低周
波数境界Rl、前記最高周波数境界Rh、前記埋め込み
データサイズ、前記埋め込み方法、及び前記埋め込み方
法パラメータからなるものとし、また、前記符号化制御
信号s102は、MPEG−4ビジュアル符号化標準
(ISO/IEC 14496-2)に準拠した符号化を行うための制
御信号であるものとする。
【0135】そして、前記実施の形態2及びその変形例
においては、前記各前景オブジェクトのエッジから形状
領域方向またはパディング領域方向の前記埋め込み領域
内にある画素の誤差輝度値、または画素の誤差輝度値の
量子化DCT係数に前記独自情報s103を埋め込む場
合を例として説明したが、前記各前景オブジェクトの画
素の誤差色値または、画素の誤差色値の量子化DCT係
数に埋め込むものであってもよく、その場合、輝度マク
ロブロックまたは輝度ブロック毎に電子透かしの埋め込
みを行っていたものを、色マクロブロックまたは色ブロ
ック毎に行えば、同様の方法で実施可能である。
【0136】以上のように、本実施の形態2及びその変
形例によれば、前記独自情報s103を前記各前景オブ
ジェクトの画素に埋め込む場合、前記埋め込み制御信号
s104により指定される一定期間内に表示される複数
の画像フレームの中の、前記埋め込み画像フレーム識別
子で指定される少なくとも1つの画像フレームから、前
記埋め込み領域検出手段23により、前記画像フレーム
内の前記埋め込みオブジェクト識別子で指定する少なく
とも1つの前景オブジェクトの形状情報53のエッジ5
4から形状情報内部へ埋め込み領域幅Le内、また、前
記形状情報53のエッジ54からパディング領域方向へ
埋め込み領域幅Lp内の部分を前記埋め込み領域として
検出し、前記各前景オブジェクトの画素の誤差輝度値ま
たは誤差色値の周波数係数に埋め込む場合、前記埋め込
み領域検出手段23により、前記埋め込み画像フレーム
識別子で指定する少なくとも1つの画像フレーム内の前
記埋め込みオブジェクト識別子で指定する前景オブジェ
クト53のエッジを含む境界ブロック内にある画素の誤
差輝度値または誤差色値の量子化DCT係数が存在する
領域の境界55から、埋め込み領域幅Lcと、最高周波
数境界Rhと、最低周波数境界Rlとで囲まれる埋め込
み領域を検出し、前記埋め込み位置決定手段24で設定
した、前記埋め込み領域内の前記埋め込み開始位置から
前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲内
にある量子化DCT係数の前記ビットプレーン値で指定
するビット値を前記暗号化した独自情報で置換すること
により、電子透かしとして埋め込むようにしたので、本
電子透かし埋め込み装置100に入力される画像データ
を、MPEG−4ビジュアル符号化標準のようなオブジ
ェクト符号化方式を用いて符号化する場合に、画質劣化
を少なくして前記独自情報s103を電子透かしとして
効率良く埋め込むことができる。
【0137】また、本実施の形態2においては、前記埋
め込み位置決定手段24により、前記暗号化された独自
情報を埋め込む、埋め込み領域内の前記埋め込み開始位
置、及び前記埋め込み方向を、前記少なくとも1つの前
景オブジェクトの動き状態に応じて指定するようにした
ので、前記暗号化された独自情報が電子透かしとして埋
め込まれた画像データをモニターで表示する際、画像の
劣化をより少なくすることができる。なお、実施の形態
2及びその変形例においては、前記埋め込み位置決定手
段24により、前記埋め込みオブジェクト識別子で指定
した前記各前景オブジェクトの前記埋め込み領域内に、
前記埋め込み開始位置、前記埋め込み方向、前記埋め込
みデータサイズを決定することで、前記暗号化された独
自情報を電子透かしとして埋め込む前記埋め込み位置を
設定するものとしたが、前記埋め込み位置の設定方法は
これに限るものではなく、例えば、前記埋め込み領域内
に、埋め込み開始位置と埋め込み終了位置とを決定する
ことで、前記埋め込み位置を設定するようにしてもよ
い。
【0138】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3の電子透かし埋め込み方法、及び電子透かし埋め込
み装置について説明する。前記実施の形態1及び実施の
形態2では、本電子透かし埋め込み装置100に入力さ
れる、画像データを構成する少なくとも1つの前景オブ
ジェクトの形状情報が2値の場合について説明したが、
本実施の形態3においては、前記形状情報が透過度を有
する場合について説明する。なお、本実施の形態3にお
ける電子透かし埋め込み装置100の構成については、
前記実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省
略する。
【0139】本実施の形態3では、画面を構成する少な
くとも1つの前景オブジェクトの形状情報が0を完全に
透明な状態、1を完全に不透明な状態とする、0以上1
以下の任意の値をとる透過度で表される画像データの画
素の輝度値または色値に著作権情報等の独自情報を埋め
込む場合(以下、「透過度を有する画像データの画素に
埋め込む場合」と称す。)における、本電子透かし埋め
込み装置100の動作について説明する。なお、本実施
の形態3においては、前記各前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの画素の誤差輝度値に、前記暗号化された
独自情報を埋め込む場合を例に挙げて、図13〜図15
を参照しながら、図16のフローチャートに従って説明
する。
【0140】図13は、画面を構成する少なくとも1つ
の前景オブジェクトの形状情報が0以上1以下の任意の
値を持つ画像データを示す図であり、図14は、前記各
前景オブジェクト及び背景オブジェクトの埋め込み領域
に、暗号化された独自情報を電子透かしとして埋め込む
流れを示す図である。
【0141】まず、埋め込み・符号化制御手段1におい
て、埋め込みモードと、電子透かしの埋め込み期間であ
る、埋め込み開始時刻Ts及び埋め込み終了時刻Te
と、前記埋め込み期間内に表示される複数の画像フレー
ムのうち、電子透かしが埋め込まれる少なくとも1つの
画像フレームを指定する埋め込み画像フレーム識別子
と、前記埋め込み画像フレーム識別子で指定される画像
フレーム内にある少なくとも1つの前景オブジェクトま
たは背景オブジェクトのうち、電子透かしを埋め込むオ
ブジェクトを指定する埋め込みオブジェクト識別子とを
設定する(ステップS1400)。具体的には、前記埋め
込みモードは、透過度を有する前景オブジェクト及び背
景オブジェクトの画素の輝度値への埋め込みであり、前
記埋め込み画像フレーム識別子は、前記埋め込み制御信
号s104により指定される前記埋め込み開始時刻Ts
と前記埋め込み終了時刻Teとの間に表示される複数の
画像フレームの中の少なくとも1つの画像フレームであ
り、前記埋め込みオブジェクト識別子は、前記埋め込み
画像フレーム識別子で指定する画像フレームに存在する
全ての前景オブジェクト及び背景オブジェクトが指定さ
れる。
【0142】次に、埋め込み領域検出手段23におい
て、電子透かしを埋め込む埋め込み領域を検出する(ス
テップS1401)。ここで、図13を用いて、前記埋
め込み領域を検出する方法について説明すると、前記埋
め込み領域検出手段23により、前記埋め込み・符号化
制御手段1から出力する埋め込み制御信号s104で指
定される、前記埋め込み開始時刻Tsと前記埋め込み終
了時刻Teとの間に表示される前記埋め込み画像フレー
ム識別子で指定される画像フレーム内にある、全ての前
景オブジェクトA56〜C58の形状情報が共通して背
景オブジェクトBg60を隠す領域を、埋め込み領域5
9として検出する。
【0143】次に、前記埋め込み位置決定手段24にお
いて、前記埋め込み制御信号s104に応じて、前記埋
め込み領域59内における、埋め込み開始位置、埋め込
み方向、埋め込みデータサイズ、及び前記電子透かしを
埋め込む画素の輝度値のビットプレーン値を決定すると
ともに、前記各種データを埋め込み位置情報s105と
して、前記埋め込み・符号化制御手段1に出力する(ス
テップS1402)。ここで、前記埋め込み開始位置、
埋め込み方向、埋め込みデータサイズ、及びビットプレ
ーン値の指定方法は、前記実施の形態1で示した方法と
同じである。
【0144】次に、前記埋め込み制御信号s104によ
り、スイッチ5Aをb側、スイッチ5Bをa側に切り替
え、前記動き補償手段16において、前記埋め込み制御
信号s102に応じて、前記動き検出手段18から出力
された前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの
動きベクトルs251と、前記フレームメモリ17から
読み出された時間的に前または後ろの画像フレームにあ
る、対応する前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトの画素の輝度値及び色値とを用いて動き補償を行
い、減算手段4A,4Bにより、前記符号化制御信号s
102に応じて、パディング後の前記少なくとも1つの
前景オブジェクトs211、及び本電子透かし埋め込み
装置100に入力された前記背景オブジェクトの画素の
輝度値及び色値s110から、前記動き補償手段16の
出力を減算して、前記各前景オブジェクトの画素の誤差
輝度値及び誤差色値s212と、前記背景オブジェクト
の画素の誤差輝度値及び誤差色値s111とを出力し
(ステップS1403)、前記空間領域電子透かし埋め
込み手段9において、前記埋め込み制御信号s104に
よって指定された暗号鍵を用いて、前記独自情報s10
3を暗号化し、図14に示すように、前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトの透過度を基にして、前記
各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに埋め込む前
記暗号化した独自情報を分配した後、前記埋め込み制御
信号s104に応じて、前記各前景オブジェクト及び背
景オブジェクト58A〜60Bgの、前記埋め込み領域
59内の前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に
前記埋め込みデータサイズの範囲内にある、画素の誤差
輝度値s111の前記ビットプレーン値で指定されるビ
ット値に、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
トへの分配後の前記暗号化された独自情報を電子透かし
として埋め込む(ステップS1404)。なお、前記空間
領域電子透かし埋め込み手段9が、前記独自情報s10
3を暗号化する方法、及び前記暗号化された独自情報を
電子透かしとして埋め込む方法は、前記実施の形態1と
同様である。
【0145】ここで、図14を用いて、前記暗号化され
た独自情報を、前記各前景オブジェクトの形状情報の透
過度を基にして、前記各前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトに分配する方法について説明する。例えば、透
過度を0が完全に透明な画素、1が完全に不透明な画素
とし、図14に示すように、画面が前景オブジェクトA
56、前景オブジェクトB57、前景オブジェクトC5
8、及び背景オブジェクトBg60で構成され、前記前
景オブジェトA56の形状情報の透過度が0.2、前記
前景オブジェクトB57の透過度が0.3、及び前記前
景オブジェクトC58の透過度が0.4であるとする。
【0146】この時、前記背景オブジェクトBg60
は、形状情報を持たないため、透過度0であるが、前記
各前景オブジェクトA56〜C58が各々の透過度で背
景オブジェクトBg60上に表示されるため、この場合
の前記背景オブジェクトBg60の画像合成時の透過度
は、(式1)のようになる。
【0147】 そして、電子透かしとして埋め込む前記暗号化された独
自情報の、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
トA56〜Bg60に割り当てるデータ量は、前記各前
景オブジェクト及び背景オブジェクトの形状情報の透過
度が大きくなるほど少なくなるように分配する。すなわ
ち、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトA5
6〜Bg60の形状情報の各透過度TをTa,Tb,T
c,Tbg、前記暗号化した独自情報の全データ量をN
s、そして、[]をガウス関数とすると、透過度はTc>
Tb>Ta>Tbgであるため、前記各前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトA56〜Bg60に割り当てる
前記暗号化した独自情報のデータ量は、前記前景オブジ
ェクトA56が[Ns*Tb]個、前記前景オブジェク
トB57が[Ns*Ta]個、前記前景オブジェクトC
58が[Ns*Tbg]個、及び前記背景オブジェクト
Bg60が[Ns*Tc]個となる。また、前記暗号化
した独自情報の埋め込みデータ周期をNp、前記各前景
オブジェクト及び背景オブジェクトの形状情報の透過度
をT(0≦T≦1)、及び前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトに割り当てる前記暗号化した独自情報
のデータ量を計算する際に用いた前記各前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトの透過度をT’とすると、透過
度Tの小さいオブジェクトから、優先的にNp個の埋め
込み周期データの先頭から [1/T’]個の埋め込みデ
ータ間隔で最初に現れる未設定の埋め込みデータ位置
を、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの前
記埋め込みデータ位置として割り当て、前記埋め込みデ
ータ周期の末尾で前記各前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトに分配された全ての前記独自情報s103が割
り当てられていない場合、前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトに全ての前記独自情報s103の前記
埋め込みデータ位置が割り当てられるまで、前記埋め込
みデータ周期の先頭から[1/T’]個の前記埋め込みデ
ータ間隔で、最初に現れる未設定の前記埋め込みデータ
位置を割り当てる動作を繰り返す。
【0148】例えば、前記埋め込みデータ周期Np=1
0とすると、前記前景オブジェクトA56には、[1/
0.3]=3個のデータ毎に[10*0.3]=3個のデ
ータ、前記前景オブジェクトB57には、[1/0.
2]=5個のデータ毎に[10*0.2]=2個のデー
タ、前記前景オブジェクトC59には、[1/0.1]=
10個のデータ毎に[10*0.1]=1個のデータ、及
び前記背景オブジェクトBg60には、[1/0.4]=
2個のデータ毎に[10*0.4]=4個のデータが割り
当てられる。
【0149】そして、以上に示した前記各前景オブジェ
クト及び背景オブジェクト対する前記埋め込みデータ位
置の割り当てを、図15を用いて具体的に説明する。こ
こで、図15は、前記各前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトに分配された前記暗号化された独自情報が割り
当てられる状態を示す図であり、図15において、上段
は、前記埋め込みデータ周期Np内の先頭からの前記埋
め込みデータ位置番号が示され、下段は、前記各前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトに割り当てられる前記
埋め込みデータ位置が示されている。
【0150】まず、透過度が最小である前記背景オブジ
ェクトBg60に、図15(a)に示されるように、2
個の前記埋め込みデータ間隔で4個の前記埋め込みデー
タ位置が割り当てられる。つまり、前記背景オブジェク
トBg60には、10個の埋め込みデータ周期内の1、
4、7、10番目の前記埋め込みデータ位置が割り当て
られる。
【0151】次に、透過度が2番目に小さい前記前景オ
ブジェクトA56に、同様にして、図15(b)に示さ
れるように、3個の前記埋め込みデータ間隔で3個の前
記埋め込みデータ位置が割り当てられる。この時、一周
期目では前記前景オブジェクトA56に3番目に割り当
てられる10番目の前記埋め込みデータ位置が、既に前
記背景オブジェクトBg60の前記埋め込みデータ位置
となっているため、二周期目の先頭から3個の前記埋め
込みデータ間隔で最初に現れる未設定の前記埋め込みデ
ータ位置である5番目の埋め込みデータ位置を、前記前
景オブジェクトA56に割り当てる。さらに、透過度が
3番目に小さい前記前景オブジェクB57に、図15
(c)に示されるように、5個の前記埋め込みデータ間
隔で2個の前記埋め込みデータ位置が割り当てられ、最
後に、透過度が一番大きい前記前景オブジェクトC59
には、10個の前記埋め込みデータ間隔で1個の前記埋
め込みデータ位置が割り当てられる。
【0152】次に、以上のようにして割り当てられた、
前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトA56〜Bg60の前記埋め込みデータ位置に、
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに分配さ
れた前記暗号化された独自情報を、電子透かしとして埋
め込む。例えば、図14に示すように、図7に示す前記
暗号化された独自情報のブロック46,52に相当する
ブロック61内の2値データを、左上端から右下端へ横
方向に、以上に示した分配方法を用いて、前記前景オブ
ジェクトA56、前記前景オブジェクトB57、前記前
景オブジェクトC59、及び前記背景オブジェクトBg
60に分配することにより、それぞれブロック62、ブ
ロック63、ブロック64、ブロック65が生成され、
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの前記埋
め込み領域59内の前記埋め込み開始位置47から前記
埋め込み方向48に前記埋め込みデータサイズ49の範
囲内にある各輝度ブロック内の、画素の誤差輝度値の前
記ビットプレーン値で指定されるビット値を、前記各前
景オブジェクト及び背景オブジェクトA56〜Bg60
のブロック62〜65内の同位置にある2値データで置
換することにより、前記暗号化された独自情報を電子透
かしとして埋め込むものである。
【0153】次に、前記DCT変換手段6において、前
記符号化制御信号s102に応じて、前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤
差色値s231をブロック化して、2次元DCT変換ま
たは形状適応DCT変換した後(ステップS140
5)、前記量子化手段7において、前記符号化制御信号
s102に応じて、前記各前景オブジェクト、及び背景
オブジェクトのDCT係数を量子化する(ステップS1
406)。そして、前記量子化手段7より出力された前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの量子化D
CT係数は、スイッチ5C,5Dに送られる一方、スイ
ッチ5E,5Fに送られる。前記スイッチ5C,5D
は、前記埋め込み制御信号s104により、前記スイッ
チ5Cがa側、スイッチ5Dがb側に切り替えられ、前
記可変長符号化手段8において、前記符号化制御信号s
102に応じて、前記各前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトの量子化DCT係数、前記動き検出手段18か
ら出力される前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトの動きベクトルs251、及び前記形状動き検出手
段21から出力される前記各前景オブジェクトの形状情
報の形状動きベクトルs261が可変長符号化される
(ステップS1407)。
【0154】次に、前記制御情報符号化手段2におい
て、前記符号化制御信号s102に応じて、前記独自情
報s103に関する情報、前記暗号鍵に対応する解読
鍵、及び前記埋め込み領域に関する情報等を含む、前記
独自情報s103を抽出する際に必要な抽出制御情報s
101、及び前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトを1つの画面に合成して表示する際に必要な表示制
御情報s106が符号化され(ステップS1408)、前
記形状符号化手段19において、前記各前景オブジェク
トの形状情報s220の予測誤差である誤差形状情報s
221が算術符号化される(ステップS1409)。な
お、ステップS1408において、前記制御情報符号化
手段2で、前記抽出制御情報s101及び前記表示制御
情報s106を、メタデータまたはバイナリデータに符
号化するようにしてもよく、前記抽出制御情報及び前記
表示制御情報がメタデータに符号化される場合は、デー
タの種類毎にタグ及びパラメータを定義し、バイナリデ
ータに符号化される場合は、データの種類毎にコード表
を定義して符号化するものとする。例えば、図8に、前
記抽出制御情報s101をメタデータ化したものを示
す。
【0155】そして、前記多重化手段3により、前記符
号化制御信号s102に応じて、前記可変長符号化手段
8から出力された各種可変長符号化データ、前記制御情
報符号化手段2から出力される前記符号化した抽出制御
情報及び符号化された表示制御情報、及び前記形状符号
化手段19から出力される前記符号化形状情報を多重化
し、ビットストリームまたはファイルs300として出
力する(ステップS1410)。なお、前記多重化手段
3において多重化されたデータを、ファイルに記録して
出力する場合については、前記実施の形態1と同様であ
る。そして、前記ステップS1410において出力され
る画像フレームが、画像データ内の最終画像フレームで
あれば、画像データの符号化及び電子透かしの埋め込み
を終了し、前記画像フレームが途中の画像フレームであ
れば、ステップS1403に戻って、新たな前記画像フ
レームに対して以上に示した方法で、画像データの符号
化及び電子透かしの埋め込みを繰り返す(ステップS1
415)。
【0156】一方、前記スイッチ5E,5Fでは、前記
埋め込み制御信号s104により、前記スイッチ5Eが
b側、スイッチ5Fがa側に切り替えられ、前記各前景
オブジェクト及び背景オブジェクトの量子化DCT係数
は、前記逆量子化手段12において、前記符号化制御信
号s102に応じて逆量子化され(ステップS141
1)、前記逆DCT変換手段13で、前記符号化制御信
号s102に応じて、前記逆量子化手段12から出力さ
れる電子透かしを埋め込んだ前記各前景オブジェクト及
び背景オブジェクトのDCT係数が、逆2次元DCT変
換または逆形状適応DCT変換されて、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び
誤差色値となる(ステップS1412)。
【0157】次に、前記埋め込み制御信号s104によ
り、前記スイッチ5Gをb側、前記スイッチ5Hをb側
に切り替えることにより、前記電子透かし削除手段14
において、前記埋め込み制御信号s104に応じて、前
記空間領域電子埋め込み手段9により、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの前記埋め込み領域59
内の、前記埋め込み開始位置47から前記埋め込み方向
48に前記埋め込みデータサイズ49の範囲内にある、
画素の誤差輝度値から、前記暗号化された独自情報を削
除し、元の画素の誤差輝度値に変換し(ステップS14
13)、前記加算手段15A,15Bで、前記符号化制
御信号s102に応じて、前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値に、
前記動き補償手段16から出力される、時間的に前また
は後ろの画像フレーム内にある前記各前景オブジェクト
及び背景オブジェクトの動き補償後の同位置にある画素
の輝度値及び色値を加算して、前記フレームメモリ17
に記録する(ステップS1414)。
【0158】なお、本実施の形態3において、前記埋め
込み制御信号s104は、埋め込みモード(ここでは、
前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値
への埋め込み)、埋め込み開始時刻Ts、埋め込み終了
時刻Te、埋め込み画像フレーム識別子(ここでは、埋
め込み期間内の全ての画像フレーム)、埋め込みオブジ
ェクト識別子(ここでは、画像フレーム内の全ての前景
オブジェクト及び背景オブジェクト)、埋め込み方法
(ここでは、ビットプレーン埋め込み方式)、埋め込み
方法パラメータ(ここでは、ビットプレーン値)、暗号
鍵、及び各スイッチ5A〜5Hの切り替え方向の情報を含
み、前記埋め込み位置情報s105は、埋め込み開始位
置47、埋め込み方向48(ここでは、左上端から右下
端へ横方向)、及び埋め込みデータサイズ49の情報を
含み、前記抽出制御情報s101は、前記埋め込みモー
ド、前記埋め込み画像フレーム識別子、前記埋め込みオ
ブジェクト識別子、独自情報種別(ここでは、文字デー
タまたは図形データのどちらか一方)、独自情報パラメ
ータ(図形データの場合は図形の幅や高さ)、前記暗号
鍵に対応する解読鍵、前記埋め込み開始時刻Ts、前記
埋め込み終了時刻Te、前記埋め込み開始位置47、前
記埋め込み方向48、前記埋め込みデータサイズ49、
前記埋め込み方法、及び前記埋め込み方法パラメータの
情報を含むものとし、前記符号化制御信号s102は、
MPEG−4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC 14496-
2)に準拠した符号化を行うための制御信号であるもの
とする。
【0159】さらに、以上の説明では、画面を構成する
前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報が0
を完全に透明な状態、1を完全に不透明な状態とする、
0以上1以下の任意の値を有する透過度で表される画像
データの画素の誤差輝度値に、前記暗号化された著作権
情報等の独自情報を埋め込む場合について説明したが、
前記暗号化された独自情報を埋め込む際に、画素の誤差
輝度値の量子化DCT係数に、前記暗号化された独自情
報を電子透かしとして埋め込むものであってもよい。こ
の実施例を、実施の形態3の変形例として説明する。
【0160】(実施の形態3の変形例)画面を構成する前
景オブジェクトの形状情報が0を完全に透明な状態、1
を完全に不透明な状態とする、0以上より1以下の任意
の値を有する透過度で表される画像データの画素の輝度
値または色値の時間周波数変換後の周波数係数に、前記
独自情報を電子透かしとして埋め込む場合(以下、「透
過度を有する画像データの画素の周波数係数に埋め込む
場合」と称す。)における、本電子透かし埋め込み装置
100の動作について説明する。なお、ここでは、画素
の誤差輝度値の量子化DCT係数に、前記独自情報s1
03を埋め込む場合を例に挙げて、図17に示すフロー
チャートに従って説明する。
【0161】まず、埋め込み・符号化制御手段1におい
て、埋め込みモードと、電子透かしの埋め込み期間であ
る、埋め込み開始時刻Ts及び埋め込み終了時刻Te
と、前記埋め込み期間に表示される複数の画像フレーム
のうち、電子透かしが埋め込まれる少なくとも1つの画
像フレームを指定する埋め込み画像フレーム識別子と、
前記埋め込み画像フレーム識別子で指定する画像フレー
ムの、電子透かしを埋め込むオブジェクトを指定する埋
め込みオブジェクト識別子とを設定する(ステップS1
500)。具体的には、本実施の形態3において、前記
埋め込みモードは、前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトの画素の輝度値の周波数係数への埋め込みであり、
前記埋め込み画像フレーム識別子、及び前記埋め込みオ
ブジェクト識別子は、前記実施の形態3と同様に指定さ
れる。
【0162】次に、埋め込み領域検出手段23におい
て、電子透かしを埋め込む埋め込み領域を検出する(ス
テップS1501)。前記埋め込み領域を検出する方法
は、前記実施の形態1の変形例で説明した方法と基本的
に同じであり、前記埋め込み制御信号s104で指定さ
れる、前記埋め込み開始時刻Tsと前記埋め込み終了時
刻Teとの間に表示される、前記埋め込み画像フレーム
識別子で指定する少なくとも1つの画像フレーム内にあ
る全ての前景オブジェクトの形状情報が共通して背景オ
ブジェクトを隠す領域内の、前記少なくとも1つの前景
オブジェクト及び背景オブジェクトの輝度ブロック内の
量子化DCT係数が、最低周波数境界Rlと最高周波数
境界Rhとで囲まれる範囲を、前記埋め込み領域とする
ものである。
【0163】次に、埋め込み位置決定手段24におい
て、前記埋め込み制御信号s104に応じて、前記埋め
込み領域内における、埋め込み開始位置、埋め込み方
向、埋め込みデータサイズ、及び電子透かしを埋め込む
量子化DCT係数のビットプレーン値を設定するととも
に、前記各種データを埋め込み位置情報s105とし
て、前記埋め込み・符号化制御手段1に出力する(ステ
ップS1502)。ここで、前記埋め込み開始位置、埋
め込み方向、埋め込みデータサイズ、及びビットプレー
ン値の指定方法は、前記実施の形態1で示した方法と同
じである。
【0164】次に、前記動き補償手段16において、前
記実施の形態1と同様にして、前記符号化制御信号s1
02に応じて動き補償を行い、減算手段4A,4Bよ
り、前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差
色値s111と、パディング後の前記少なくとも1つの
前景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値s2
12とを出力した後(ステップS1503)、前記埋め込
み制御信号s104により、スイッチ5Aがa側、スイ
ッチ5Bがb側に切り替えられ、前記DCT変換手段6
及び量子化手段7において、前記符号化制御信号s10
2に応じて、減算手段4A,4Bから出力される前記各
前景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値s2
12、及び前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及
び誤差色値s111を、2次元DCT変換または形状適
応DCT変換し(ステップS1504)、量子化する
(ステップS1505)。そして、前記量子化手段7よ
り出力された前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトの量子化DCT係数は、スイッチ5C,5Dに送ら
れる一方、スイッチ5E,5Fに送られる。
【0165】前記スイッチ5C,5Dでは、前記埋め込
み制御信号s104により、スイッチ5Cがb側、スイ
ッチ5Dがa側に切り替えられ、前記周波数領域電子透
かし埋め込み手段10において、前記埋め込み制御信号
s104により指定される暗号鍵を用いて、前記独自情
報s103を暗号化し、前記各前景オブジェクト及び背
景オブジェクトの透過度を基にして、前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトに前記暗号化した独自情報
を分配した後、前記埋め込み制御信号s104に応じ
て、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの前
記埋め込み領域内の、前記埋め込み開始位置から前記埋
め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲内にあ
る、輝度ブロックの前記最低周波数境界Rlと前記最高
周波数境界Rhとの間にある量子化DCT係数の、前記
ビットプレーン値で指定されるビット値に、前記分配後
の暗号化された独自情報を、電子透かしとして埋め込む
(ステップS1506)。ここで、前記周波数領域電子
透かし埋め込み手段10が、前記独自情報s103を暗
号化する方法は、前記実施の形態1で説明した方法と同
じである。
【0166】また、画像フレーム内にある前記少なくと
も1つの前景オブジェクトの形状情報の透過度を用い
て、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに前
記暗号化された独自情報を分配する方法は、図14に示
すように、図7に示す前記独自情報をブロック化して暗
号化した後の各ブロック46,52に相当するマクロブ
ロック61内の2値データを、前記各前景オブジェクト
の形状情報の透過度に応じて分配した前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトのブロック62〜65を生
成するまでは、前記実施の形態3と同様であり、その
後、前記暗号化された独自情報が分配された前記各前景
オブジェクト及び背景オブジェクト内のブロック62〜
65内の2値データを、前記埋め込み領域59内の前記
埋め込み開始位置47から前記埋め込み方向48に前記
埋め込みデータサイズ49の範囲内にある輝度ブロック
に埋め込む際には、前記各前景オブジェクト及び背景オ
ブジェクトの前記埋め込み領域内の、輝度マクロブロッ
ク内の輝度ブロックを左上端から右下端へ順番に抽出
し、図9に示すように各輝度ブロック内の前記最低周波
数境界と前記最高周波数境界との間にある量子化DCT
係数を左上端から右下端へ順番に抽出するとともに、前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに分配され
た前記暗号化された独自情報のブロック62〜65内の
2値データを左上端から右下端へ順番に抽出しながら、
前記抽出された量子化DCT係数のビットプレーン値で
指定されるビット値を、前記各ブロック62〜65内か
ら抽出された2値データで置換することにより、前記暗
号化された独自情報を画像データ内に電子透かしとして
埋め込むものである。
【0167】次に、前記可変長符号化手段8において、
前記符号化制御信号s102に応じて、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの量子化DCT係数、前
記動き検出手段18から出力される前記各前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトの動きベクトルs251、及
び前記形状動き検出手段21から出力される前記各前景
オブジェクトの形状情報の形状動きベクトルs261を
可変長符号化する(ステップS1507)。
【0168】次に、前記制御情報符号化手段2におい
て、前記符号化制御信号s102に応じて、前記独自情
報s103に関する情報、暗号鍵に対応する解読鍵、及
び前記埋め込み領域に関する情報等を含む、前記独自情
報を抽出する際に必要な抽出制御情報s101、及び前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトを表示する
際に必要な表示制御情報s106が符号化され(ステッ
プS1508)、前記形状符号化手段19において、前
記符号化制御信号s102に応じて、前記各前景オブジ
ェクトの形状情報s220の予測誤差である誤差形状情
報s221を、算術符号化する(ステップS1509)。
なお、前記ステップS1508において、前記抽出制御
情報s101及び前記表示制御情報s106をメタデー
タまたはバイナリデータに符号化するようにしてもよ
い。
【0169】次に、前記多重化手段3で、前記符号化制
御信号s102に応じて、前記可変長符号化手段8から
出力された各種可変長符号化データ、前記制御情報符号
化手段2から出力される前記符号化された抽出制御情報
と符号化された表示制御情報、及び前記形状符号化手段
19から出力される前記符号化形状情報をともに多重化
して、ビットストリームまたはファイルs300として
出力する(ステップS1510)。なお、前記多重化手
段3において多重化されたデータを、ファイルに記録し
て出力する場合については、前記実施の形態1と同様で
ある。そして、ステップS1510において出力された
画像フレームが、画像データ内の最終画像フレームであ
れば、画像データの符号化及び電子透かしの埋め込みを
終了するが、前記画像フレームが途中の画像フレームで
あれば、ステップS1503に戻って、新たな画像フレ
ームに対して、以上に示した方法で画像データの符号化
及び電子透かしの埋め込みを繰り返す(ステップS15
14)。
【0170】一方、前記スイッチ5E,5Fでは、前記
埋め込み制御信号s104により、スイッチ5Eがa
側、スイッチ5Fがb側に切り替えられ、前記量子化手
段8より出力された量子化DCT係数は、前記逆量子化
手段12において、前記符号化制御信号s102に応じ
て逆量子化され(ステップS1511)、前記逆量子化
手段12から出力される前記各前景オブジェクト及び背
景オブジェクトのDCT係数は、前記逆DCT変換手段
13で、前記符号化制御信号s102に応じて、逆2次
元DCT変換または逆形状適応DCT変換されて、元の
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の
誤差輝度値及び誤差色値に戻される(ステップS151
2)。
【0171】この後、本実施の形態3の変形例において
は、前記実施の形態3(透過度を有する画像データの画
素に埋め込む場合)と異なり、前記量子化手段7より出
力される前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
には、前記独自情報s103が埋め込まれていないた
め、前記電子透かし削除手段14により電子透かしの削
除を行う必要がない。従って、前記埋め込み制御信号s
104により、前記スイッチ5Gがa側、スイッチ5H
がa側に切り替えられ、前記加算手段15A,15B
で、前記符号化制御信号s102に応じて、前記各前景
オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値
及び誤差色値に、前記動き補償手段16から出力され
る、時間的に前または後ろの画像フレーム内にある、前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの動き補償
後の同位置にある画素の輝度値及び色値を加算して、前
記フレームメモリ17に記録する(ステップS151
3)。
【0172】なお、本実施の形態3の変形例において、
前記埋め込み制御信号s104は、埋め込みモード(こ
こでは、前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素
の輝度値の周波数係数への埋め込み)、埋め込み開始時
刻Ts、埋め込み終了時刻Te、埋め込み画像フレーム
識別子(ここでは、埋め込み期間内の全ての画像フレー
ム)、埋め込みオブジェクト識別子(ここでは、画像フ
レーム内の全ての前景オブジェクト及び背景オブジェク
ト)、埋め込み方法(ここでは、ビットプレーン埋め込
み方式)、埋め込み方法パラメータ(ここでは、ビット
プレーン値)、暗号鍵、及び各スイッチ5A〜5Hの切り替
え方向の情報を含み、前記埋め込み位置情報s105
は、埋め込み開始位置47、埋め込み方向(ここでは、
左上端から右下端へ横方向)48、最低周波数境界R
l、最高周波数境界Rh、及び埋め込みデータサイズ4
9の情報を含み、前記抽出制御情報s101は、前記埋
め込みモード、前記埋め込み画像フレーム識別子、前記
埋め込みオブジェクト識別子、独自情報種別(ここで
は、文字データまたは図形データのどちらか一方)、独
自情報パラメータ(図形データの場合は図形の幅や高
さ)、前記暗号鍵に対応する解読鍵、前記埋め込み開始
時刻Ts、前記埋め込み終了時刻Te、前記埋め込み開
始位置47、前記埋め込み方向48、前記最低周波数境
界Rl、前記最高周波数境界Rh、前記埋め込みデータ
サイズ49、前記埋め込み方法、及び前記埋め込み方法
パラメータの情報を含むものとし、また、前記符号化制
御信号s102は、MPEG−4ビジュアル符号化標準
(ISO/IEC 14496-2)に準拠した符号化を行うための制
御信号であるものとする。
【0173】さらに、前記実施の形態3及びその変形例
においては、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトの画素の誤差輝度値または、画素の誤差輝度値の量
子化DCT係数に、前記独自情報s103を埋め込む場
合を例として説明したが、前記各前記オブジェクト及び
背景オブジェクトの画素の誤差色値、または画素の誤差
色値の量子化DCT係数に埋め込むものであってもよ
く、その場合、輝度マクロブロックまたは輝度ブロック
毎に電子透かしの埋め込みを行っていたものを、色マク
ロブロックまたは色ブロック毎に行えば、同様の方法で
実施可能である。
【0174】以上のように、本実施の形態3及びその変
形例によれば、前記独自情報s103を透過度を有する
画像データに電子透かしとして埋め込む場合、前記埋め
込み制御信号s104により指定される前記埋め込み期
間内に表示される、複数の画像フレーム内の前記埋め込
み画像フレーム識別子で指定する少なくとも1つの画像
フレームから、前記埋め込み領域検出手段23により、
前記画像フレーム内の全ての前景オブジェクトA56〜
C58が重なる領域を埋め込み領域59として検出し、
前記埋め込み位置決定手段24により、前記埋め込み領
域59内の前記埋め込み開始位置47、埋め込み方向4
8、埋め込みデータサイズ49、及びビットプレーン値
を設定して、前記暗号化された独自情報を前記各前景オ
ブジェクトの透過度に応じて前記各前景オブジェクト及
び背景オブジェクトに分配した後、前記各前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトの、前記埋め込み領域59内
の画素の輝度値または色値、またはそれらの量子化DC
T係数に埋め込むようにしたので、本電子透かし埋め込
み装置100に入力される、MPEG−4ビジュアル符
号化標準のようなオブジェクト符号化方式を用いて符号
化された画像データに対して、画像の劣化を少なくし
て、前記独自情報s103を電子透かしとして効率良く
埋め込むことができる。
【0175】なお、実施の形態3及びその変形例におい
ては、前記埋め込み位置決定手段24により、前記少な
くとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの
前記埋め込み領域内に、前記埋め込み開始位置、前記埋
め込み方向、前記埋め込みデータサイズを決定すること
で、前記暗号化された独自情報を電子透かしとして埋め
込む前記埋め込み位置を設定するものとしたが、前記埋
め込み位置の設定方法はこれに限るものではなく、例え
ば、前記埋め込み領域内に、埋め込み開始位置と埋め込
み終了位置とを決定することで、前記埋め込み位置を設
定するようにしてもよい。
【0176】(実施の形態4)実施の形態4における、
電子透かし抽出方法及び電子透かし抽出装置について説
明する。本実施の形態4においては、少なくとも1つの
前景オブジェクト及び背景オブジェクトで構成される符
号化された画像データの背景オブジェクトから、電子透
かしとして埋め込まれた、著作権情報等の独自情報を抽
出する場合について説明する。まず、図4を用いて、本
実施の形態4における電子透かし抽出装置200の構成
について説明する。図4は、本発明の実施の形態4にお
ける、電子透かし抽出装置の構成を示す図である。
【0177】図4において、電子透かし抽出装置200
は、前記画像データの復号を制御する復号制御情報を生
成し、前記復号制御情報から復号制御信号s107、及
び制御情報復号手段27より入力する抽出制御情報s1
01から抽出制御信号s108を生成するとともに、前
記符号化された画像データの復号及び電子透かしの抽出
を制御し、電子透かしとして抽出された前記独自情報s
103をモニターに表示する抽出・復号制御手段25
と、当該装置200に入力されるビットストリームまた
はファイルs300から抽出された符号化された画像デ
ータを、符号化された抽出制御情報s302及び符号化
された表示制御情報s301、少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの符号化された量子化DCT係数s304及
び背景オブジェクトの符号化された量子化DCT係数s
303、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の符号化された動きベクトルs305、前記各前景オブ
ジェクトの符号化された形状動きベクトルs306、及
び前記各前景オブジェクトの符号化形状情報s307に
多重分離する多重分離手段26と、前記符号化された抽
出制御情報s302及び符号化された表示制御情報s3
01を復号する制御情報復号手段27と、前記各前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトの誤差輝度値及び誤差
色値の量子化DCT係数s304,s303、前記各前
景オブジェクト及び背景オブジェクトの符号化された動
きベクトルs305、及び前記各前景オブジェクトの符
号化された形状動きベクトルs306を可変長復号する
可変長復号手段(VLD)28と、前記各前景オブジェクト
の符号化形状情報s307を復号する形状復号手段32
と、前記各前景オブジェクトの形状情報を記録する形状
情報メモリ22と、前記可変長復号手段28から出力す
る前記各前景オブジェクトの形状動きベクトルs261
と前記形状情報メモリ22に記録されている時間的に前
または後ろの画像フレーム内にある対応する前記各前景
オブジェクトの形状情報を用いて形状動き補償を行う形
状動き補償手段20と、前記各前景オブジェクトの形状
情報s220から著作権情報等の独自情報s103が電
子透かしとして埋め込まれている領域を検出する抽出領
域検出手段33と、前記各前景オブジェクトまたは背景
オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値の量子化
DCT係数から、前記独自情報s103を抽出する周波
数領域電子透かし抽出手段29と、前記各前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差
色値の量子化DCT係数を逆量子化する逆量子化手段(Q
-1)12と、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトの画素の誤差輝度値及び誤差色値のDCT係数を逆
2次元DCT変換または逆形状適応DCT変換する逆D
CT変換手段13と、前記各前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの誤差輝度値及び誤差色値から、前記独自
情報s103を抽出する空間領域電子透かし抽出手段3
0と、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの
画素の輝度値及び色値を記録するフレームメモリ17
と、前記可変長復号手段28から出力する前記各前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトの動きベクトルs25
1と前記フレームメモリ17に記録されている時間的に
前または後ろの画像フレーム内にある対応する前記各前
景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値及
び色値を用いて動き補償を行う動き補償手段16と、前
記表示制御信号s109を基にして、前記各前景オブジ
ェクトの画素の輝度値及び色値s210、及び前記背景
オブジェクトの画素の輝度値及び色値s110、前記各
前景オブジェクトの形状情報s220を用いて、前記各
前景オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に
合成してモニターに表示する画像合成手段31と、複数
の加算手段15D〜15F、そして、入力を切り替える複数の
スイッチ5I〜5Pとから構成されるものである。
【0178】さらに、前記抽出・復号制御手段25から
出力され、あるいは当該手段25に入力される、各種制
御情報及び信号について説明すると、前記復号制御信号
s107は、前記符号化された画像データの復号を制御
する信号であり、前記抽出制御信号s108は、符号化
された画像データを構成する前記少なくとも1つの前景
オブジェクトまたは背景オブジェクトに電子透かしとし
て埋め込まれた前記独自情報s103の抽出を制御する
信号であり、前記表示制御信号s109は、前記少なく
とも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの合
成及びモニターへの表示を制御する信号である。なお、
前記抽出・復号制御手段25に入力される前記抽出制御
情報s101、及び前記表示制御情報s106は、前記
制御情報復号手段27から出力され、前記独自情報s1
03は、前記周波数領域電子透かし抽出手段29もしく
は前記空間領域電子透かし抽出手段30から出力され
る。
【0179】以上のように構成された、本実施の形態4
における電子透かし抽出装置200は、前記実施の形態
1で説明したMPEG−4ビジュアル符号化標準(ISO/I
EC 14496-2)に準拠した基本構造を有する電子透かし埋
め込み装置100から出力されたビットストリームまた
はファイルs300を復号する機能を備えており、前記
抽出・復号制御手段25から出力される、前記抽出制御
信号s108によって、スイッチ5Iをa側、スイッチ
5Jをb側、スイッチ5Kをa側、スイッチ5Lをb
側、スイッチ5Mをa側、スイッチ5Nをb側、スイッ
チ5Oをa側、スイッチ5Pをb側に切り替えるととも
に、前記抽出領域検出手段33を停止することにより実
現される。
【0180】次に、本実施の形態4における電子透かし
抽出装置200で、一定期間内に表示する少なくとも1
つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景オブ
ジェクトが有する形状情報が前記画像フレーム間で重な
る重なり領域に対応する背景オブジェクトの領域にある
画素の輝度値または色値から、電子透かしとして埋め込
まれた前記独自情報を抽出する場合(以下、「背景オブ
ジェクトの画素から抽出する場合」と称す。)の動作に
ついて、図18に示すフローチャート図に従って説明す
る。
【0181】なお、本実施の形態4においては、背景オ
ブジェクトの画素の誤差輝度値から、前記独自情報を抽
出する場合を例に挙げて説明する。まず、多重分離手段
26において、抽出・復号制御手段25から出力する復
号制御信号s107に応じて、電子透かし抽出装置20
0に入力するビットストリームまたはファイルs300
から抽出した符号化された画像データを多重分離し(ス
テップS1600)、制御情報復号手段27により、前
記多重分離手段26から出力する符号化された抽出制御
情報s101及び符号化された表示制御情報s106を
復号し(ステップS1601)、抽出・復号制御手段2
5において、前記抽出制御情報s101及び前記表示制
御情報s106から、抽出制御信号s108及び表示制
御信号s109を生成して出力する(ステップS160
2)。
【0182】次に、可変長復号手段(VLD)28におい
て、前記復号制御信号s107に応じて、前記多重分離
手段26より抽出された、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの符号化された量子化DCT係数s304及
び背景オブジェクトの符号化された量子化DCT係数s
303、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の符号化された動きベクトルs305、及び前記各前景
オブジェクトの符号化形状動きベクトルs306を可変
長復号する(ステップS1603)。
【0183】次に、抽出領域検出手段33において、前
記抽出制御信号s108に応じて、前記抽出制御信号s
108により指定される、埋め込み開始時刻Tsと埋め
込み終了時刻Teとの間に表示される複数の画像フレー
ム内の、全ての前景オブジェクトの形状情報が共通して
背景オブジェクトを隠す重なり領域を、抽出領域として
検出する(ステップS1604)。
【0184】ここで、前記抽出領域検出手段33におい
て、前記抽出領域を検出する方法は、前記実施の形態1
の「背景オブジェクトの画素に埋め込む場合」におい
て、図5及び図6を用いて説明した埋め込み領域を検出
する方法と同じである。
【0185】次に、前記抽出制御信号s108により、
スイッチ5Iをa側、スイッチ5Jをb側に切り替え、
逆量子化手段12において、前記復号制御信号s107
に応じて、前記可変長復号手段28より出力される、前
記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェ
クトの量子化DCT係数を逆量子化し(ステップS16
05)、逆DCT変換手段13において、前記復号制御
信号s107に応じて、前記各前景オブジェクト及び背
景オブジェクトのDCT係数を、逆2次元DCT変換ま
たは逆形状適応DCT変換して、前記各前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色
値を出力する(ステップS1606)。
【0186】次に、前記抽出制御信号s108により、
スイッチ5Kをa側、スイッチ5Lをb側、スイッチ5
Mをb側、スイッチ5Nをb側に切り替え、空間領域電
子透かし抽出手段30で、前記抽出制御信号s108に
応じて、前記抽出領域内の前記抽出制御信号s108で
指定する、埋め込み開始位置から埋め込み方向に埋め込
みデータサイズの範囲内にある、前記背景オブジェクト
の輝度ブロック内の画素の誤差輝度値の、前記抽出制御
信号s108で指定するビットプレーン値のビット値か
ら、暗号化された前記独自情報を抽出した後、前記抽出
制御信号s108で指定する解読鍵で解読して、前記独
自情報s103を抽出する(ステップS1607)。
【0187】ここで、前記空間領域電子透かし抽出手段
30において、前記独自情報を抽出する方法は、前記実
施の形態1において図7を用いて説明した、前記背景オ
ブジェクトの画素の誤差輝度値に埋め込み方法を逆に行
うことにより実現できる。
【0188】次に、前記抽出制御信号s108に応じ
て、スイッチ5Oをb側、スイッチ5Pをb側に切り替
えることにより、加算手段15D,15Eで、前記復号
制御信号s107に応じて、少なくとも1つの前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び
誤差色値に、前記動き補償手段16から出力する時間的
に前または後の画像フレーム内にある、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの動き補償後の同位置に
ある画素の輝度値及び色値を加算し、前記各前景オブジ
ェクトの画素の輝度値及び色値s210、及び背景オブ
ジェクトの画素の輝度値及び色値s110を画像合成手
段31に出力すると同時に(ステップS1608)、フレ
ームメモリ17に格納する(ステップS1609)。
【0189】次に、前記画像合成手段31で、前記抽出
・復号制御手段25から出力される表示制御信号s10
9に応じて、前記加算手段15D,15Eから出力され
る、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オ
ブジェクトの画素の輝度値及び色値s210,s11
0、及び前記加算手段15Fから出力される、前記各前
景オブジェクトの形状情報s220を用いて、前記各前
景オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合
成し(ステップS1610)、モニターに出力する(ステ
ップS1611)。
【0190】ここで、前記抽出・復号制御手段25によ
り抽出した前記独自情報s103が図形データである場
合は、前記抽出制御情報s101の独自情報パラメータ
で指定する、高さ及び幅の図形として、必要に応じてモ
ニターに表示し、前記独自情報s103が文字データで
ある場合は、そのまま文字列として、必要に応じてモニ
ターに表示するものとする。
【0191】なお、前記復号制御信号s107は、MPEG
-4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC14496-2)に準拠した
復号を行うための制御信号であるものとする。
【0192】また、以上の説明では、前記背景オブジェ
クトの画素の誤差輝度値から電子透かしとして埋め込ま
れた前記独自情報を抽出する場合について説明したが、
一定期間内に表示する少なくとも1つの画像フレーム内
にある、少なくとも1つの前景オブジェクトが有する形
状情報が前記画像フレーム間で重なる重なり領域に対応
する背景オブジェクトの領域内にある画素の誤差輝度値
の量子化DCT係数から、電子透かしとして埋め込まれ
た前記独自情報を抽出する場合(以下、「背景オブジェ
クトの画素の周波数係数から抽出する場合」と称す。)
の実施例を、実施の形態4の変形例として説明する。
【0193】(実施の形態4の変形例)本実施の形態4
の変形例における、背景オブジェクトの画素の輝度値ま
たは色値の時間周波数変換後の周波数係数から抽出する
場合の、本電子透かし抽出装置200の動作について、
図19に示すフローチャートに従って説明する。なお、
ここでは、背景オブジェクトの画素の誤差輝度値の量子
化DCT係数から、前記独自情報s103を抽出する場
合を例に挙げて説明する。
【0194】まず、多重分離手段26において、抽出・
復号制御手段25から出力する復号制御信号s107に
応じて、電子透かし抽出装置200に入力するビットス
トリームまたはファイルから抽出された符号化された画
像データs300を多重分離し(ステップS1700)、
制御情報復号手段27により、前記多重分離手段26か
ら出力する符号化された抽出制御情報s302及び符号
化された表示制御情報s301を復号し(ステップS1
701)、抽出・復号制御手段25において、前記抽出
制御情報s101及び前記表示制御情報s106から、
抽出制御信号s108及び表示制御信号s109を生成
して出力する(ステップS1702)。
【0195】次に、可変長復号手段(VLD)28におい
て、前記復号制御信号s107に応じて、前記多重分離
手段26より抽出された、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの符号化された量子化DCT係数s304及
び背景オブジェクトの符号化された量子化DCT係数s
303、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の符号化された動きベクトルs305、及び前記各前景
オブジェクトの符号化形状動きベクトルs306が可変
長復号される(ステップS1703)。
【0196】次に、抽出領域検出手段33において、前
記抽出制御信号s108に応じて、前記抽出制御信号s
108により指定される、埋め込み開始時刻Tsと埋め
込み終了時刻Teとの間に表示される少なくとも1つの
画像フレーム内の、全ての前景オブジェクトの形状情報
が共通して背景オブジェクトを隠す重なり領域を、抽出
領域として検出する(ステップS1704)。
【0197】ここで、前記抽出領域検出手段33におい
て、前記抽出領域を検出する方法は、前記実施の形態1
の「背景オブジェクトの画素に埋め込む場合」におい
て、図5及び図6を用いて説明した、埋め込み領域を検
出する方法と同じである。
【0198】次に、前記抽出制御信号s108により、
前記スイッチ5Iがb側、スイッチ5Jがb側に切り替
えられ、前記周波数領域電子透かし抽出手段29で、前
記抽出制御信号s108に応じて、前記抽出領域内の前
記抽出制御信号s108で指定する、前記埋め込み開始
位置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズ
の範囲内にある背景オブジェクトの輝度ブロック内の前
記抽出制御信号s108で指定する、前記最低周波数境
界と前記最高周波数境界との間にある画素の誤差輝度値
の量子化DCT係数の前記抽出制御信号s108で指定
するビットプレーン値のビット値から、暗号化された独
自情報を抽出した後、前記抽出制御信号s108で指定
する解読鍵で解読して前記独自情報s103を抽出する
(ステップS1705)。
【0199】ここで、周波数領域電子透かし抽出手段2
9において、前記独自情報を抽出する方法は、前記実施
の形態1の変形例において、図7及び図9を用いて説明
した背景オブジェクトの画素の誤差輝度値の量子化DC
T係数に埋め込む方法を逆方向に行うことで実現でき
る。
【0200】次に、逆量子化手段12において、前記復
号制御信号s107に応じて、前記少なくとも1つの前
景オブジェクト及び背景オブジェクトの量子化DCT係
数を逆量子化し(ステップS1706)、逆DCT変換手
段13において、前記復号制御信号s107に応じて、
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトのDCT
係数を、逆2次元DCT変換または逆形状適応DCT変
換して、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の画素の誤差輝度値及び誤差色値を出力する(ステップ
S1707)。
【0201】次に、前記抽出制御信号s108に応じ
て、スイッチ5Kをb側、スイッチ5Lをb側、スイッ
チ5Mをa側、スイッチ5Nをb側、スイッチ5Oをa
側、スイッチ5Pをb側に切り替えることにより、加算
手段15D,15Eで、前記復号制御信号s107に応
じて、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値に、動き
補償手段16から出力する時間的に前または後の画像フ
レーム内にある、前記少なくとも1つの前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトの動き補償後の同位置にある画
素の輝度値及び色値を加算して、前記各前景オブジェク
トの画素の輝度値及び色値s210、及び背景オブジェ
クトの画素の輝度値及び色値s110を、画像合成手段
31に出力し(ステップS1708)、フレームメモリ1
7に格納する(ステップS1709)。
【0202】次に、前記画像合成手段31で、前記抽出
・復号制御手段25から出力される表示制御信号s10
9に応じて、前記加算手段15D,15Eから出力され
る、前記各前景オブジェクトの画素の輝度値及び色値s
210と、前記背景オブジェクトの画素の輝度値及び色
値s110、及び前記加算手段15Fから出力される、
前記各前景オブジェクトの形状情報s220とを用い
て、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オ
ブジェクトを1つの画面に合成して(ステップS171
0)、モニターに出力する(ステップS1711)。
【0203】ここで、前記抽出・復号制御手段25によ
り抽出される前記独自情報s103が図形データである
場合は、前記抽出制御情報s101の独自情報パラメー
タで指定する、高さ及び幅の図形として、必要に応じて
モニターに表示し、前記独自情報s103が文字データ
である場合は、そのまま文字列として、必要に応じてモ
ニターに表示するものとする。
【0204】なお、前記復号制御信号s107は、MPEG
-4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC14496-2)に準拠した
復号を行うための制御信号であるものとする。
【0205】さらに、前記実施の形態4及びその変形例
においては、前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度値
または、画素の誤差輝度値の量子化DCT係数に、前記
独自情報s103が埋め込まれている場合を例として説
明したが、前記独自情報s103が前記背景オブジェク
トの画素の誤差色値、または画素の誤差色値の量子化D
CT係数に埋め込まれている場合は、輝度マクロブロッ
クまたは輝度ブロック毎に電子透かしの抽出を行ってい
たものを、色マクロブロックまたは色ブロック毎に行う
ようにすれば、同様の方法で実施可能である。
【0206】以上のように、本実施の形態4及びその変
形例によれば、前記背景オブジェクトの画素の誤差輝度
値または誤差色値に電子透かしとして埋め込まれた前記
独自情報s103を抽出する場合、入力されたビットス
トリームまたはファイルs300に記録された符号化さ
れた画像データを復号して抽出した、前記抽出制御情報
s101及び前記表示制御情報s106から、前記抽出
制御信号s108及び前記表示制御信号s109を生成
し、前記抽出制御信号s108に応じて、前記少なくと
も1つの前景オブジェクトの形状情報を用いて、前記背
景オブジェクトの抽出領域を検出した後、前記抽出領域
から前記独自情報s103を抽出し、前記表示制御信号
s109に応じて、前記独自情報s103を、必要に応
じてモニターに表示するようにしたので、本電子透かし
抽出装置200に入力される、ビットストリームまたは
ファイルに記録された符号化された画像データから、前
記独自情報s103を効率良く抽出することができ、前
記符号化された画像データを復号して得られた画像デー
タを、モニターで表示する際には、前記各前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトを合成した画像の画質が全く
劣化しない、という効果がある。
【0207】なお、実施の形態4及びその変形例におい
ては、前記暗号化された独自情報を電子透かしとして埋
め込む前記埋め込み位置が、前記符号化抽出制御情報s
302において、前記背景オブジェクトの前記埋め込み
領域内の、前記埋め込み開始位置、前記埋め込み方向、
前記埋め込みデータサイズとして指定されている場合を
例として説明したが、前記符号化抽出制御情報s302
による前記埋め込み位置の指定方法は、これに限られる
ものではなく、例えば、前記電子透かし埋め込み装置に
おいて、前記暗号化された独自情報を、前記埋め込み領
域内に設定した、埋め込み開始位置と埋め込み終了位置
の範囲内に埋め込んだ場合には、前記符号化抽出制御情
報s302により指定される前記埋め込み位置は、前記
埋め込み開始位置及び埋め込み終了位置となる。
【0208】(実施の形態5)実施の形態5における、
電子透かし抽出方法、及び電子透かし抽出装置について
説明する。
【0209】前記実施の形態4においては、前記独自情
報が本電子透かし抽出装置200に入力される、ビット
ストリームまたはファイルに記録された少なくとも1つ
の前景オブジェクト及び背景オブジェクトで構成される
符号化された画像データ内の、背景オブジェクトの画素
から、電子透かしとして埋め込まれた著作権情報等の独
自情報を抽出する場合について説明したが、本実施の形
態5においては、前記独自情報が前記符号化された画像
データ内の少なくとも1つの前景オブジェクトから、電
子透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出する場
合について説明する。
【0210】なお、本実施の形態5における電子透かし
抽出装置200は、前記実施の形態4と同様であるた
め、ここでは説明を省略する。
【0211】本実施の形態5における電子透かし抽出装
置200で、一定期間内に表示する少なくとも1つの画
像フレーム内にある、少なくとも1つの前景オブジェク
トの画素の輝度値または色値から、電子透かしとして埋
め込まれた前記独自情報を抽出する場合(以下、「前景
オブジェクトの画素から抽出する場合」と称す。)の動
作について説明する。なお、本実施の形態5において
は、前記各前景オブジェクトの画素の誤差輝度値から、
前記独自情報を抽出する場合を例に挙げて、図18に示
すフローチャートに従って説明する。
【0212】まず、多重分離手段26において、抽出・
復号制御手段25から出力する復号制御信号s107に
応じて、電子透かし抽出装置200に入力するビットス
トリームまたはファイルから抽出した符号化された画像
データs300を多重分離し(ステップS1600)、制
御情報復号手段27により、前記多重分離手段26から
出力する符号化された抽出制御情報s101及び符号化
された表示制御情報s106を復号し(ステップS16
01)、抽出・復号制御手段25において、前記抽出制
御情報s101及び前記表示制御情報s106から、抽
出制御信号s108及び表示制御信号s109を生成し
て出力する(ステップS1602)。
【0213】次に、可変長復号手段(VLD)28におい
て、前記復号制御信号s107に応じて、前記多重分離
手段26より抽出された、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの符号化された量子化DCT係数s304及
び背景オブジェクトの符号化された量子化DCT係数s
303、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の符号化された動きベクトルs305、及び前記各前景
オブジェクトの符号化形状動きベクトルs306を可変
長復号する(ステップS1603)。
【0214】次に、抽出領域検出手段33において、前
記抽出制御信号s108に応じて、前記抽出制御信号s
108により指定される埋め込み開始時刻Tsと埋め込
み終了時刻Teとの間に表示される埋め込み画像フレー
ム識別子で指定する少なくとも1つの画像フレーム内
の、埋め込みオブジェクト識別子で指定する前記少なく
とも1つの前景オブジェクトのエッジから形状領域方向
への埋め込み領域幅内の画素の誤差輝度値、または前記
前景オブジェクトのエッジからパディング領域方向へ埋
め込み領域幅内の画素の誤差輝度値を、抽出領域として
検出する。
【0215】ここで、前記抽出領域検出手段33におい
て、前記抽出領域を検出する方法は、前記実施の形態2
の「前景オブジェクトの画素に埋め込む場合」におい
て、図10及び図11を用いて説明した、埋め込み領域
を検出する方法と同じである。
【0216】次に、前記抽出制御信号s108により、
前記スイッチ5Iがa側、スイッチ5Jがb側に切り替
えられ、逆量子化手段12において、前記復号制御信号
s107に応じて、前記可変長復号手段28より出力さ
れる、少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトの量子化DCT係数を逆量子化し(ステップS
1605)、逆DCT変換手段13において、前記復号
制御信号s107に応じて、前記各前景オブジェクト及
び背景オブジェクトのDCT係数を、逆2次元DCT変
換または逆形状適応DCT変換して、前記各前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤
差色値を出力する(ステップS1606)。
【0217】次に、前記抽出制御信号s108により、
スイッチ5Kをa側、5Lをb側、5Mをa側、5Nを
a側に切り替え、前記空間領域電子透かし抽出手段30
で、前記抽出制御信号s108に応じて、前記各前景オ
ブジェクトの前記抽出領域内にある、前記抽出制御信号
s108で指定する、前記埋め込み開始位置から前記埋
め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲内にあ
る、画素の誤差輝度値のビットプレーン値で指定するビ
ット値から、電子透かしとして埋め込まれた暗号化され
た独自情報を抽出した後、前記抽出制御信号s108に
より指定する解読鍵で、前記暗号化された独自情報を解
読して、前記独自情報s103を抽出する(ステップS
1607)。
【0218】ここで、前記空間領域電子透かし抽出手段
30において、前記独自情報を抽出する方法は、前記実
施の形態2において図10及び図11を用いて示した、
前景オブジェクトの画素の誤差輝度値に埋め込み方法を
逆に行うことにより実現できる。
【0219】次に、前記抽出制御信号s108に応じ
て、前記スイッチ5Oをa側、前記スイッチ5Pをa側
に切り替えることにより、前記加算手段15D,15E
で、前記復号制御信号s107に応じて、前記少なくと
も1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素
の誤差輝度値及び誤差色値に、前記動き補償手段16か
ら出力する時間的に前または後の画像フレーム内にあ
る、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの動
き補償後の同位置にある画素の輝度値及び色値を加算
し、前記各前景オブジェクトの画素の輝度値及び色値s
210、及び前記背景オブジェクトの画素の輝度値及び
色値s110を画像合成手段31に出力するとともに
(ステップS1608)、前記フレームメモリ17に格納
する(ステップS1609)。
【0220】次に、前記画像合成手段31で、前記抽出
・復号制御手段25から出力される前記表示制御信号s
109に応じて、前記加算手段15D,15Eから出力
される、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの画素
の輝度値及び色値s210及び背景オブジェクトの画素
の輝度値及び色値s110、前記加算手段15Fから出
力される、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形
状情報s220を用いて、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合成し
(ステップS1610)、モニターに表示する(ステップ
S1611)。
【0221】ここで、前記抽出・復号制御手段25によ
り、抽出した前記独自情報s103が図形データである
場合は、前記抽出制御情報s101の独自情報パラメー
タで指定する、高さ及び幅の図形として、必要に応じて
モニターに表示し、前記独自情報s103が文字データ
である場合は、そのまま文字列として、必要に応じてモ
ニターに表示するものとする。
【0222】以上の説明では、前記少なくとも1つの前
景オブジェクトの画素の誤差輝度値から電子透かしとし
て埋め込まれた前記独自情報s103を抽出する場合に
ついて説明したが、一定期間内に表示する少なくとも1
つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景オブ
ジェクトの埋め込み領域内にある画素の誤差輝度値また
は誤差色値の量子化DCT係数から、電子透かしとして
埋め込まれた前記独自情報を抽出する場合(以下、「前
景オブジェクトの画素の周波数係数から抽出する場合」
と称す。)の実施例を、実施の形態5の変形例として説
明する。
【0223】(実施の形態5の変形例)本実施の形態5
の変形例における、前景オブジェクトの画素の時間周波
数変換後の周波数係数から抽出する場合の、本電子透か
し抽出装置200の動作について説明する。なお、ここ
では、前景オブジェクトの画素の誤差輝度値の量子化D
CT係数から、前記独自情報を抽出する場合を例に挙げ
て、図19に示すフローチャートに従って説明する。
【0224】まず、多重分離手段26において、抽出・
復号制御手段25から出力する復号制御信号s107に
応じて、電子透かし抽出装置200に入力するビットス
トリームまたはファイルから抽出された符号化された画
像データs300を多重分離し(ステップS1700)、
制御情報復号手段27により、前記多重分離手段26か
ら出力する符号化された抽出制御情報s302及び符号
化された表示制御情報s301を復号し(ステップS1
701)、前記抽出・復号制御手段25において、前記
抽出制御情報s101及び前記表示制御情報s106か
ら、抽出制御信号s108及び表示制御信号s109を
生成して出力する(ステップS1702)。
【0225】次に、可変長復号手段(VLD)28におい
て、前記復号制御信号s107に応じて、前記多重分離
手段26より抽出された、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの符号化された量子化DCT係数s304及
び背景オブジェクトの符号化された量子化DCT係数s
303、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の符号化された動きベクトルs305、及び前記各前景
オブジェクトの符号化形状動きベクトルs306が可変
長復号される(ステップS1703)。
【0226】次に、抽出領域検出手段33において、前
記抽出制御信号s108に応じて、前記抽出制御信号s
108により指定される、埋め込み開始時刻Tsと埋め
込み終了時刻Teとの間に表示される少なくとも1つの
画像フレーム中の、前記埋め込み画像フレーム識別子で
指定される画像フレーム内にある、前記埋め込みオブジ
ェクト識別子で指定される少なくとも1つの前景オブジ
ェクトのエッジを含む輝度ブロックの境界ブロックを、
前記抽出領域として検出する(ステップS1704)。
【0227】ここで、前記抽出領域検出手段33におい
て、前記抽出領域を検出する方法は、前記少なくとも1
つの前景オブジェクトのエッジを含む輝度ブロックの境
界ブロックを検出した後、前記実施の形態2の変形例に
示した埋め込み領域の検出方法と同様、前記境界ブロッ
ク内の前景オブジェクトの形状情報に応じて配置される
形状適応DCT変換後の量子化DCT係数が存在する領
域の境界外で、且つ前記抽出制御信号s108で指定す
る最低周波数境界、最高周波数境界及び埋め込み領域幅
で囲まれる領域を、前記抽出領域として検出するもので
ある。
【0228】次に、前記抽出制御信号s108により、
前記スイッチ5Iがa側、前記スイッチ5Jがa側に切
り替えられ、前記周波数領域電子透かし抽出手段29に
おいて、前記抽出制御信号s108に応じて、前記抽出
領域内の前記抽出制御信号s108で指定する、前記埋
め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデ
ータサイズの範囲内にある、画素の誤差輝度値の量子化
DCT係数の前記ビットプレーン値で指定するビット値
から、電子透かしとして埋め込まれた前記暗号化された
独自情報を抽出した後、前記抽出制御信号s108によ
り指定される解読鍵で前記暗号化された独自情報を解読
して、前記独自情報s103を抽出する(ステップS1
705)。
【0229】ここで、前記周波数領域電子透かし抽出手
段29において、前記独自情報を抽出する方法は、前記
実施の形態2の変形例において、図12を用いて説明し
た前記少なくとも1つの前景オブジェクトの画素の誤差
輝度値の量子化DCT係数に埋め込む方法を逆方向に行
うことで実現できる。
【0230】次に、前記逆量子化手段12において、前
記復号制御信号s107に応じて、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクト及び背景オブジェクトの量子化DC
T係数を逆量子化し(ステップS1706)、前記逆DC
T変換手段13において、前記復号制御信号s107に
応じて、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
のDCT係数を、逆2次元DCT変換または逆形状適応
DCT変換して、前記各前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトの画素の誤差輝度値及び誤差色値を出力する
(ステップS1707)。
【0231】次に、前記抽出制御信号s108に応じ
て、前記スイッチ5Kをa側、前記スイッチ5Lをa
側、前記スイッチ5Mをa側、前記スイッチ5Nをb
側、前記スイッチ5Oをa側、前記スイッチ5Pをb側
に切り替えることにより、前記加算手段15D,15E
で、前記復号制御信号s107に応じて、前記少なくと
も1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素
の誤差輝度値及び誤差色値に、前記動き補償手段16か
ら出力する時間的に前または後の画像フレーム内にあ
る、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オ
ブジェクトの動き補償後の同位置にある画素の輝度値及
び色値を加算して、前記少なくとも1つの前景オブジェ
クトの画素の輝度値及び色値S210、及び背景オブジ
ェクトの画素の輝度値及び色値s110を画像合成手段
31に出力するとともに(ステップS1708)、前記フ
レームメモリ17に格納する(ステップS1709)。
【0232】次に、前記画像合成手段31で、前記抽出
・復号制御手段25から出力される前記表示制御信号s
109に応じて、前記加算手段15D,15Eから出力
される、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの画素
の輝度値及び色値s210、及び背景オブジェクトの画
素の輝度値及び色値s110と、前記加算手段15Fか
ら出力される、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
の形状情報s220とを用いて、前記少なくとも1つの
前景オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に
合成し(ステップS1710)、モニターに表示する(ス
テップS1711)。
【0233】ここで、前記抽出・復号制御手段25によ
り抽出した前記独自情報s103が図形データである場
合は、前記抽出制御情報s101の独自情報パラメータ
で指定する、高さ及び幅の図形として、必要に応じてモ
ニターに表示し、前記独自情報s103が文字データで
ある場合は、そのまま文字列として、必要に応じてモニ
ターに表示するものとする。
【0234】なお、前記復号制御信号s107は、MPEG
-4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC14496-2)に準拠した
復号を行うための制御信号であるものとする。
【0235】さらに、前記実施の形態5またはその変形
例においては、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
の画素の誤差輝度値、または画素の誤差輝度値の量子化
DCT係数に、前記独自情報s103が埋め込まれてい
た場合を例に挙げて説明したが、前記各前景オブジェク
トの画素の誤差色値、または画素の誤差色値の量子化D
CT係数に埋め込まれている場合は、輝度マクロブロッ
クまたは輝度ブロック毎に電子透かしの抽出を行ってい
たものを、色マクロブロックまたは色ブロック毎に行う
ようにすれば、同様の方法で実施可能である。
【0236】以上のように、本実施の形態5及びその変
形例によれば、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
の画素の誤差輝度値または誤差色値、またはそれらのD
CT係数に埋め込まれた前記独自情報s103を抽出す
る場合、入力されたビットストリームまたはファイルs
300に記録された符号化された画像データを復号して
抽出した、前記抽出制御情報s101及び前記表示制御
情報s106から、前記抽出制御信号s108及び前記
表示制御信号s109を生成し、前記抽出制御信号s1
08に応じて、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
の形状情報s220を用いて、前記抽出領域を検出した
後、前記抽出領域から前記独自情報s103を抽出し、
前記表示制御信号s109に応じて、前記独自情報s1
03を、必要に応じてモニターに表示するようにしたの
で、本電子透かし抽出装置200に入力されるビットス
トリームまたはファイルに記録された符号化された画像
データから、前記独自情報s103を効率良く抽出する
ことができ、前記符号化された画像データを復号して得
られた画像データをモニターで表示する際には、前記各
前景オブジェクト及び背景オブジェクトを合成した画像
の画質の劣化が少ない、という効果がある。
【0237】なお、実施の形態5及びその変形例におい
ては、前記暗号化された独自情報を電子透かしとして埋
め込む前記埋め込み位置が、前記符号化抽出制御情報s
302において、前記少なくとも1つの前景オブジェク
トの前記埋め込み領域内の、前記埋め込み開始位置、前
記埋め込み方向、前記埋め込みデータサイズとして指定
されている場合を例として説明したが、前記符号化抽出
制御情報s302による前記埋め込み位置の指定方法
は、これに限られるものではなく、例えば、前記電子透
かし埋め込み装置において、前記暗号化された独自情報
を、前記埋め込み領域内に設定された、埋め込み開始位
置と埋め込み終了位置の範囲内に埋め込んだ場合には、
前記符号化抽出制御情報s302により指定される前記
埋め込み位置は、前記埋め込み開始位置及び埋め込み終
了位置となる。
【0238】(実施の形態6)本実施の形態6におけ
る、電子透かし抽出方法、及び電子透かし抽出装置につ
いて説明する。前記実施の形態4及び実施の形態5で
は、本電子透かし抽出装置200に入力される、ビット
ストリームまたはファイルに記録された符号化された画
像データ内の、少なくとも1つの前景オブジェクト、ま
たは背景オブジェクトの画素の輝度値または色値、もし
くはそれらの時間周波数変換後の周波数係数に、著作権
情報等の独自情報が埋め込まれている場合について説明
したが、本実施の形態6においては、透過度を有する前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトで構成され
る前記符号化された画像データの前記各前景オブジェク
トまたは背景オブジェクトに、前記独自情報が電子透か
しとして埋め込まれている場合について説明する。
【0239】なお、本実施の形態6における電子透かし
抽出装置200は、前記実施の形態4と同様であるた
め、ここでは説明を省略する。
【0240】本実施の形態6における電子透かし抽出装
置200で、0を完全に透明な状態、1を完全に不透明
な状態とする0以上1以下の任意の値を有する透過度で
表される形状情報を有する、前記少なくとも1つの前景
オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値また
は色値から、電子透かしとして埋め込まれた前記独自情
報を抽出する場合(以下、「透過度を有する前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトの画素から抽出する場合」
と称す。)の動作について、図18に示すフローチャー
トに従って説明する。なお、本実施の形態6において
は、透過度を有する前記少なくとも1つの前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値から、前
記独自情報を抽出する場合を例に挙げて説明する。
【0241】まず、多重分離手段26において、抽出・
復号制御手段25から出力する復号制御信号s107に
応じて、電子透かし抽出装置200に入力するビットス
トリームまたはファイルs300から抽出した符号化さ
れた画像データを多重分離し(ステップS1600)、制
御情報復号手段27により、前記多重分離手段26から
出力する符号化された抽出制御情報s101及び符号化
された表示制御情報s106を復号し(ステップS16
01)、抽出・復号制御手段25において、前記抽出制
御情報s101及び前記表示制御情報s106から、抽
出制御信号s108及び表示制御信号s109を生成し
て出力する(ステップS1602)。
【0242】次に、可変長復号手段(VLD)28におい
て、前記復号制御信号s107に応じて、前記多重分離
手段26より抽出された、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの符号化された量子化DCT係数s304及
び背景オブジェクトの符号化された量子化DCT係数s
303、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の符号化された動きベクトルs305、及び前記各前景
オブジェクトの符号化形状動きベクトルs306を可変
長復号する(ステップS1603)。
【0243】次に、前記抽出領域検出手段33におい
て、前記抽出制御信号s106で指定される、前記埋め
込み開始時刻Tsと前記埋め込み終了時刻Teとの間に
表示される、前記埋め込み画像フレーム識別子で指定さ
れる少なくとも1つの画像フレーム内の、前記埋め込み
オブジェクト識別子で指定する、少なくとも1つの前景
オブジェクトの形状情報が共通して背景オブジェクトを
隠す領域を、前記抽出領域として検出する(ステップS
1604)。
【0244】ここで、前記抽出領域検出手段33におい
て、前記抽出領域を検出する方法は、前記実施の形態3
の「透過度を有する画像データの画素に埋め込む場合」
において図13を用いて説明した、埋め込み領域を検出
する方法と同じである。
【0245】次に、前記抽出制御信号s108により、
前記スイッチ5Iがa側、スイッチ5Jがb側に切り替
えられ、逆量子化手段12において、前記復号制御信号
s107に応じて、前記可変長復号手段28より出力さ
れる前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オ
ブジェクトの量子化DCT係数を逆量子化し(ステップ
S1605)、逆DCT変換手段13において、前記復
号制御信号s107に応じて、前記各前景オブジェクト
及び背景オブジェクトのDCT係数を、逆2次元DCT
変換または逆形状適応DCT変換して、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び
誤差色値を出力する(ステップS1606)。
【0246】次に、前記抽出制御信号s108に応じ
て、前記スイッチ5Kがa側、前記スイッチ5Lがb
側、前記スイッチ5Mがb側、前記スイッチ5Nがa側
に切り替えられ、前記空間領域電子透かし抽出手段30
において、前記抽出制御信号s108に応じて、前記少
なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の前記抽出領域内にある、前記埋め込み開始位置から前
記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲内に
ある、画素の誤差輝度値の、ビットプレーン値で指定さ
れるビット値から、前記少なくとも1つの前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトに分配された、前記暗号化さ
れた独自情報を抽出して合成した後、前記抽出制御信号
s108により指定される解読鍵で解読して、前記独自
情報s103を抽出する(ステップS1607)。
【0247】ここで、前記空間領域電子透かし抽出手段
30において、前記独自情報を抽出する方法は、前記実
施の形態3の「透明度を有する画像データの画素に埋め
込む場合」において、図14を用いて説明した埋め込み
方法を逆に行うことにより実現できる。
【0248】次に、前記抽出制御信号s108に応じ
て、前記スイッチ5Oをb側、前記スイッチ5Pをa側
に切り替え、前記加算手段15D,15Eで、前記復号
制御信号s107に応じて、前記少なくとも1つの前景
オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値
及び誤差色値に、前記動き補償手段16から出力する時
間的に前または後の画像フレーム内にある、前記各前景
オブジェクト及び背景オブジェクトの動き補償後の同位
置にある画素の輝度値及び色値を加算して、前記各前景
オブジェクトの画素の輝度値及び色値s210、及び前
記背景オブジェクトの画素の輝度値及び色値s110を
画像合成手段31に出力するとともに(ステップS16
08)、前記フレームメモリ17に格納する(ステップS
1609)。
【0249】次に、前記画像合成手段31で、前記抽出
・復号制御手段25から出力される前記表示制御信号s
109に応じて、前記加算手段15D,15Eから出力
される、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの画素
の輝度値及び色値s210と、前記背景オブジェクトの
画素の輝度値及び色値s110と、加算手段15Fから
出力される、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの
形状情報s220とを用いて、前記少なくとも1つの前
景オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合
成し(ステップS1610)、モニターに表示する(ステ
ップS1611)。
【0250】ここで、前記抽出・復号制御手段25によ
り抽出した前記独自情報s103が図形データである場
合は、前記抽出制御信号s101の独自情報パラメータ
で指定する、高さ及び幅の図形として、必要に応じてモ
ニターに表示し、前記独自情報s103が文字データで
ある場合は、そのまま文字列として、必要に応じてモニ
ターに表示するものとする。
【0251】以上の説明では、前記少なくとも1つの前
景オブジェクトの画素の誤差輝度値から電子透かしとし
て埋め込まれた前記独自情報s103を抽出する場合に
ついて説明したが、0を完全に透明な状態、1を完全に
不透明な状態とする0以上1以下の任意の値を有する透
過度で表される形状情報を有する、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクト及び背景オブジェクトで構成される
前記符号化された画像データ内の前記各前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または色値の時
間周波数変換後の周波数係数から、電子透かしとして埋
め込まれた著作権情報等の独自情報を抽出する場合(以
下、「透過度を有する前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトの画素の周波数係数から抽出する場合」と称
す。)について示す。
【0252】(実施の形態6の変形例)本実施の形態6
の変形例における、透過度を有する少なくとも1つの前
景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の周波数係
数から抽出する場合の、本電子透かし抽出装置200の
処理動作について、図19に示すフローチャートに従っ
て説明する。なお、ここでは、前記各前景オブジェクト
及び背景オブジェクトを構成する、画素の誤差輝度値の
量子化DCT係数から、前記独自情報を抽出する場合を
例に挙げて説明する。
【0253】まず、多重分離手段26において、抽出・
復号制御手段25から出力する復号制御信号s107に
応じて、電子透かし抽出装置200に入力するビットス
トリームまたはファイルから抽出された符号化された画
像データs300を多重分離し(ステップS1700)、
制御情報復号手段27により、前記多重分離手段26か
ら出力する符号化された抽出制御情報s302及び符号
化された表示制御情報s301を復号し(ステップS1
701)、前記抽出・復号制御手段25において、前記
抽出制御情報s101及び前記表示制御情報s106か
ら、抽出制御信号s108及び表示制御信号s109を
生成して出力する(ステップS1702)。
【0254】次に、可変長復号手段(VLD)28におい
て、前記復号制御信号s107に応じて、前記多重分離
手段26より抽出された、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの符号化された量子化DCT係数s304及
び背景オブジェクトの符号化された量子化DCT係数s
303、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の符号化された動きベクトルs305、及び前記各前景
オブジェクトの符号化形状動きベクトルs306が可変
長復号される(ステップS1703)。
【0255】次に、抽出領域検出手段33において、前
記抽出制御信号s108に応じて、前記抽出制御信号s
108により指定される、埋め込み開始時刻Tsと埋め
込み終了時刻Teとの間に表示される複数の画像フレー
ム中の、前記埋め込み画像フレーム識別子で指定する画
像フレーム内にある、前記埋め込みオブジェクト識別子
で指定される、前景オブジェクトの形状情報が共通して
背景オブジェクトを隠す領域を、抽出領域として検出す
る(ステップS1704)。
【0256】ここで、前記抽出領域検出手段33におい
て、前記抽出領域を検出する方法は、前記実施の形態3
の変形例の「透過度を有する画像データの画素の周波数
係数に埋め込む場合」における、埋め込み領域を検出す
る方法と同じである。
【0257】次に、前記抽出制御信号s108により、
前記スイッチ5Iがb側、前記スイッチ5Jがa側に切
り替えられ、前記周波数領域電子透かし抽出手段29
で、前記抽出制御信号s108に応じて、前記少なくと
も1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの前記
抽出領域内にある、前記埋め込み開始位置から前記埋め
込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲内にある、
輝度ブロック内の前記最低周波数境界と前記最高周波数
境界との間にある、画素の誤差輝度値の量子化DCT係
数の前記ビットプレーン値で指定されるビット値から、
前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトに分配された前記暗号化された独自情報を抽出し
て合成した後、前記抽出制御信号s108により指定さ
れる解読鍵で解読し、前記独自情報を抽出する(ステッ
プS1705)。
【0258】ここで、前記周波数領域電子透かし抽出手
段29において、前記独自情報を抽出する方法は、前記
実施の形態3の変形例の「透過度を有する画像データの
画素の周波数係数に埋め込み場合」において、図14を
用いて説明した埋め込み方法を逆方向に行うことで実現
できる。
【0259】次に、前記逆量子化手段12において、前
記復号制御信号s107に応じて、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクト及び背景オブジェクトの量子化DC
T係数を逆量子化し(ステップS1706)、逆DCT変
換手段13において、前記復号制御信号s107に応じ
て、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトを、
逆2次元DCT変換または逆形状適応DCT変換して、
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の
誤差輝度値及び誤差色値を出力する(ステップS170
7)。
【0260】次に、前記抽出制御信号s108により、
前記スイッチ5Kがb側、前記スイッチ5Lがa側、前
記スイッチ5Mがa側、前記スイッチ5Nがb側、前記
スイッチ5Oがa側、前記スイッチ5Pがb側に切り替
えられ、前記加算手段15D,15Eで、前記復号制御
信号s107に応じて、前記少なくとも1つの前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び
誤差色値に、前記動き補償手段16から出力する時間的
に前または後ろの画像フレーム内にある、前記少なくと
も1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの動き
補償後の同位置にある画素の輝度値及び色値を加算し
て、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの画素の輝
度値及び色値s210、及び前記背景オブジェクトの画
素の輝度値及び色値s110を、画像合成手段31に出
力するとともに(ステップS1708)、前記フレームメ
モリ17に格納する(ステップS1709)。
【0261】次に、前記画像合成手段31において、前
記抽出・復号制御手段25から出力される前記表示制御
信号s109に応じて、前記加算手段15D,15Eか
ら出力される前記少なくとも1つの前景オブジェクトの
画素の輝度値または色値s210と、前記背景オブジェ
クトの画素の輝度値及び色値S210と、前記形状加算
手段15Fから出力される前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの形状情報s220とを用いて、前記少なく
とも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトを1
つの画面に合成し(ステップS1710)、モニターに表
示する(ステップS1711)。
【0262】ここで、前記抽出・復号制御手段25によ
り抽出した前記独自情報s103が図形データである場
合は、前記抽出制御情報s101の独自情報パラメータ
で指定する、高さ及び幅の図形として、必要に応じてモ
ニターに表示し、前記独自情報s103が文字データで
ある場合は、そのまま文字列として、必要に応じてモニ
ターに表示するものとする。
【0263】なお、前記復号制御信号s107は、MPEG
-4ビジュアル符号化標準(ISO/IEC14496-2)に準拠した
復号を行うための制御信号であるものとする。
【0264】さらに、前記実施の形態6またはその変形
例においては、透過度を有する前記少なくとも1つの前
景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の誤差輝度
値、または画素の誤差輝度値の量子化DCT係数に、前
記独自情報s103が埋め込まれていた場合を例に挙げ
て説明したが、前記各前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトの画素の誤差色値、または画素の誤差色値の量子
化DCT係数に埋め込まれている場合は、輝度マクロブ
ロックまたは輝度ブロック毎に電子透かしの抽出を行っ
ていたものを、色マクロブロックまたは色ブロック毎に
行うようにすれば、同様の方法で実施可能である。
【0265】以上のように、本実施の形態6及びその変
形例によれば、透過度を有する前記少なくとも1つの前
景オブジェクト及び背景オブジェクトに分配されて埋め
込まれた著作権情報等の独自情報s103を抽出する場
合、入力されたビットストリームまたはファイルs30
0に記録された符号化された画像データを復号して抽出
した前記抽出制御情報s101及び前記表示制御情報s
106から、前記抽出制御信号s108及び前記表示制
御信号s109を生成し、前記抽出制御信号s108に
応じて、前記各前景オブジェクトが共通して背景オブジ
ェクトを隠す領域を抽出領域として検出した後、前記抽
出領域から前記独自情報s103を抽出し、前記表示制
御信号s109に応じて、必要に応じてモニターに表示
するようにしたので、本電子透かし抽出装置200に入
力されるビットストリームまたはファイルに記録された
符号化された画像データから、前記独自情報s103を
効率良く抽出することができ、前記各前景オブジェクト
及び背景オブジェクトを合成した画像データの画質の劣
化が少ない、という効果がある。
【0266】なお、実施の形態5及びその変形例におい
ては、前記暗号化された独自情報を電子透かしとして埋
め込む前記埋め込み位置が、前記符号化抽出制御情報s
302において、前記少なくとも1つの前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトの前記埋め込み領域内の、前記
埋め込み開始位置、前記埋め込み方向、前記埋め込みデ
ータサイズとして指定されている場合を例として説明し
たが、前記符号化抽出制御情報s302による前記埋め
込み位置の指定方法は、これに限られるものではなく、
例えば、前記電子透かし埋め込み装置において、前記暗
号化された独自情報を、前記埋め込み領域内に設定され
る、埋め込み開始位置と埋め込み終了位置の範囲内に埋
め込んだ場合には、前記符号化抽出制御情報s302に
より指定される前記埋め込み位置は、前記埋め込み開始
位置及び前記埋め込み終了位置となる。
【0267】さらに、前記各実施の形態及びその変形例
で示した、前記画像データへの著作権情報等の独自情報
s103の電子透かしとしての埋め込み、または符号化
された画像データからの電子透かしとして埋め込まれた
前記独自情報s103の抽出を、ソフトウエアにより行
うための電子透かし埋め込みプログラム、または電子透
かし抽出プログラムを、磁気ディスク、光ディスク、固
体メモリ等の記録媒体に記録することにより、前記各実
施の形態で示した電子透かしの埋め込み、または電子透
かしの抽出を、独立したコンピュータシステムにおいて
簡単に実行することが可能となる。
【0268】図20は、前記各実施の形態及びその変形
例における、電子透かしの埋め込み、または電子透かし
の抽出を、前記電子透かし埋め込みプログラム、または
前記電子透かし抽出プログラムを格納したフレキシブル
ディスクを用いて、コンピュータシステムにより実施す
る場合を説明する図である。
【0269】図20(a)は、フレキシブルディスクを
正面からみた外観、断面構造、及びフレキシブルディス
ク本体を示し、図20(b)は、前記フレキシブルディ
スクの本体の物理フォーマットの例を示している。
【0270】前記フレキシブルディスクFDは、前記フ
レキシブルディスク本体Dをフレキシブルディスクケー
スFC内に収容した構造となっており、前記フレキシブ
ルディスク本体Dの表面には、同心円状に外周から内周
に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラック
Trは角度方向に16セクタSeに分割されている。従
って、前記プログラムを格納したフレキシブルディスク
FDは、前記フレキシブルディスク本体D上に割り当て
られた領域(セクタ)Seに、前記プロブラムとしての
データが記録されてものとなっている。
【0271】また、図20(c)は、フレキシブルディ
スクFDに対する前記プログラムの記録、及びフレキシ
ブルディスクFDに格納したプログラムを用いたソフト
ウエアによる、電子透かしの埋め込み、または電子透か
しの抽出を行うための構成を示している。
【0272】前記プログラムをフレキシブルディスクF
Dに記録する場合は、コンピュータシステムCsから、
前記プログラムとしてのデータを、フレキシブルディス
クドライブFDDを介してフレキシブルディスクFDに書
き込む。また、フレキシブルディスクFDに記録された
プログラムにより、前記電子透かし埋め込み装置、また
は前記電子透かし抽出装置を構築する場合は、フレキシ
ブルディスクドライブFDDにより、プログラムをフレキ
シブルディスクから読み出し、コンピュータシステムC
sにロードする。
【0273】なお、前記説明では、データ記録媒体とし
て、フレキシブルディスクを用いて説明したが、光ディ
スクを用いても、前記フレキシブルディスクと同様に、
ソフトウエアによる電子透かしの埋め込み、または電子
透かしの抽出を行うことができる。また、記録媒体は前
記光ディスクやフレキシブルディスクに限るものではな
く、ICカード、ROMカセット等、プログラムを記録
できるものであればどのようなものでもよく、さらに、
ネットワーク、衛星などの通信媒体も利用することがで
きる。そして、これらの記録媒体または通信媒体を用い
る場合でも、前記同様に、ソフトウエアによる電子透か
しの埋め込み、または電子透かしの抽出を実施すること
ができる。
【0274】
【発明の効果】以上のことにより、本発明の請求項1に
記載の電子透かし埋め込み装置によれば、画像データを
符号化し、かつ前記画像データを構成する、少なくとも
1つの前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの、画
素の輝度値または色値に、著作権情報等の独自情報を電
子透かしとして埋め込む電子透かし埋め込み装置におい
て、前記独自情報、前記独自情報を電子透かしとして埋
め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時
刻及び埋め込み終了時刻等の前記電子透かしを埋め込む
ために必要な埋め込み制御情報、前記少なくとも1つの
前景オブジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前
後関係を指定する表示制御情報、及び前記埋め込み制御
情報等を基にして電子透かしを抽出するために必要な抽
出制御情報を生成し、符号化制御信号及び前記埋め込み
制御情報を基にして作成した埋め込み制御信号により、
前記画像データの符号化、及び電子透かしの埋め込みを
制御する埋め込み・符号化制御手段と、前記埋め込み制
御信号に応じて、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み
終了時刻との間に表示される、少なくとも1つの画像フ
レーム内にある、少なくとも1つの前景オブジェクトの
形状情報から、前記独自情報を電子透かしとして埋め込
む埋め込み領域を検出する埋め込み領域検出手段と、前
記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内の、
電子透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め込み
位置決定手段と、前記埋め込み制御信号に応じて、前記
少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景オブジェ
クトにおける前記埋め込み領域内の、前記埋め込み位置
の範囲内にある画素の輝度値または色値に、前記独自情
報を電子透かしとして埋め込む空間領域電子透かし埋め
込み手段と、前記表示制御情報及び前記抽出制御情報を
符号化する制御情報符号化手段とを備えるようにしたの
で、本電子透かし埋め込み装置に入力される、前記少な
くとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトを
有する画像データの画素の輝度値または色値に対して、
前記独自情報を電子透かしとして効率良く埋め込むこと
ができる。
【0275】また、本発明の請求項2に記載の電子透か
し埋め込み装置によれば、画像データを符号化し、かつ
前記画像データを構成する、少なくとも1つの前景オブ
ジェクトまたは背景オブジェクトの、画素の輝度値また
は色値の時間周波数変換後の周波数係数に、著作権情報
等の独自情報を電子透かしとして埋め込む電子透かし埋
め込み装置において、前記独自情報、前記独自情報を電
子透かしとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定す
る埋め込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の前記電子
透かしを埋め込むために必要な埋め込み制御情報、前記
少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェク
トの表示位置や前後関係を指定する表示制御情報、及び
前記埋め込み制御情報等を基にして電子透かしを抽出す
るために必要な抽出制御情報を生成し、符号化制御信号
及び前記埋め込み制御情報を基にして作成した埋め込み
制御信号により、前記画像データの符号化、及び電子透
かしの埋め込みを制御する埋め込み・符号化制御手段
と、前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始
時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少な
くとも1つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの
前景オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子
透かしとして埋め込む埋め込み領域を検出する埋め込み
領域検出手段と、前記埋め込み制御信号に応じて、前記
埋め込み領域内の、電子透かしを埋め込む埋め込み位置
を決定する埋め込み位置決定手段と、前記埋め込み制御
信号に応じて、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
または背景オブジェクトにおける前記埋め込み領域内
の、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値また
は色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子透かし
として埋め込む周波数領域電子透かし埋め込み手段と、
前記表示制御情報及び前記抽出制御情報を符号化する制
御情報符号化手段とを備えるようにしたので、本電子透
かし埋め込み装置に入力される、前記少なくとも1つの
前景オブジェクト及び背景オブジェクトを有する画像デ
ータの、画素の輝度値または色値の時間周波数変換後の
周波数係数に対して、前記独自情報を電子透かしとして
効率良く埋め込むことができる。
【0276】また、本発明の請求項3に記載の電子透か
し埋め込み装置によれば、請求項1記載の電子透かし埋
め込み装置において、前記空間領域電子透かし埋め込み
手段により、前記独自情報が電子透かしとして埋め込ま
れた前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景
オブジェクトの画素の輝度値または色値から、前記独自
情報を削除して、元の画像データの画素の輝度値または
色値に戻す、電子透かし削除手段を備え、電子透かしの
埋め込まれた前記各前景オブジェクトまたは背景オブジ
ェクトを圧縮符号化する際には、前記電子透かし削除手
段から出力される前記各前景オブジェクトまたは背景オ
ブジェクトを参照画像データとして用いて、予測符号化
を行うようにしたので、前記少なくとも1つの前景オブ
ジェクトまたは背景オブジェクトの画素の輝度値または
色値に、前記独自情報を埋め込み、圧縮符号化する際
に、画質の劣化を少なくすることができる。
【0277】また、本発明の請求項4に記載の電子透か
し埋め込み装置によれば、請求項1記載の電子透かし埋
め込み装置において、前記埋め込み領域検出手段は、前
記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表
示される少なくとも1つの画像フレーム内にある、前記
少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報が全て重
なり合う領域を、前記埋め込み領域として検出し、前記
埋め込み位置決定手段は、前記埋め込み領域に対応する
前記背景オブジェクトにおける領域内の、輝度ブロック
または色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び上下左
右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込
み方向を、前記領域内の画素の輝度値または色値の分布
状態より設定するとともに、前記領域内の埋め込みデー
タサイズを、前記独自情報を基にして設定することで、
前記埋め込み位置を決定し、前記空間領域電子透かし埋
め込み手段は、前記背景オブジェクトにおける前記領域
内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位置か
ら前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲
内にある、画素の輝度値または色値に、前記独自情報を
電子透かしとして埋め込むようにしたので、本電子透か
し埋め込み装置に入力される、前記少なくとも1つの前
景オブジェクト及び背景オブジェクトを有する画像デー
タの、前記背景オブジェクトの画素の輝度値または色値
に、前記独自情報を電子透かしとして効率良く埋め込む
ことができる。
【0278】また、本発明の請求項5に記載の電子透か
し埋め込み装置よれば、請求項2記載の電子透かし埋め
込み装置において、前記埋め込み領域検出手段は、前記
埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示
される少なくとも1つの画像フレーム内にある、少なく
とも1つの前景オブジェクトの形状情報が全て重なり合
う重なり領域を検出して、前記重なり領域内の輝度ブロ
ックまたは色ブロック内の、画素の輝度値または色値の
前記周波数係数の直流成分を中心とした前記周波数係数
単位の四分円の半径である最低周波数境界と最高周波数
境界との間にある前記周波数係数を、前記埋め込み領域
として検出し、前記埋め込み位置決定手段は、前記埋め
込み領域に対応する前記背景オブジェクトにおける領域
内の、前記周波数係数単位の埋め込み開始位置、及び上
下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋
め込み方向を、前記領域内の画素の輝度値または色値の
分布状態より設定するとともに、前記領域内の埋め込み
データサイズを、前記独自情報を基にして設定すること
で、前記埋め込み位置を決定し、前記周波数領域電子透
かし埋め込み手段は、前記背景オブジェクトにおける前
記領域内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始
位置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズ
の範囲内にある、画素の輝度値または色値の前記周波数
係数に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込むよう
にしたので、本電子透かし埋め込み装置に入力される、
前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトを有する画像データの、前記背景オブジェクトの
画素の輝度値または色値の前記周波数係数に、前記独自
情報を電子透かしとして効率良く埋め込むことができ
る。
【0279】また、本発明の請求項6に記載の電子透か
し埋め込み装置によれば、請求項1記載の電子透かし埋
め込み装置において、前記埋め込み領域検出手段は、前
記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状の輪郭線で
あるエッジから、前記各前景オブジェクトの形状領域の
内部方向またはパディング領域方向に、画素の輝度値ま
たは色値単位で埋め込み領域幅を設定することにより、
前記埋め込み領域を検出し、前記埋め込み位置決定手段
は、前記埋め込み領域内の、輝度ブロックまたは色ブロ
ック単位の埋め込み開始位置、及び上下左右方向を組み
合わせた8方向のうちの1つである埋め込み方向を、前
記各前景オブジェクトの動き状態より設定するととも
に、前記埋め込み領域内の埋め込みデータサイズを、前
記独自情報を基にして設定することで、前記埋め込み位
置を決定し、前記空間領域電子透かし埋め込み手段は、
前記少なくとも1つの前景オブジェクトにおける前記埋
め込み領域内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み
開始位置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサ
イズの範囲内にある、画素の輝度値または色値に、前記
独自情報を電子透かしとして埋め込むようにしたので、
本電子透かし埋め込み装置に入力される、前記少なくと
も1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトを有す
る画像データの、前記少なくとも1つの前景オブジェク
トの画素の輝度値または色値に、前記独自情報を電子透
かしとして効率良く埋め込むことができる。
【0280】また、本発明の請求項7に記載の電子透か
し埋め込み装置によれば、請求項2記載の電子透かし埋
め込み装置において、前記埋め込み領域検出手段は、前
記埋め込み領域内の、前記少なくとも1つの前景オブジ
ェクトの形状の輪郭線であるエッジを含む輝度ブロック
または色ブロックの境界ブロック内の、前記各前景オブ
ジェクトの形状情報に応じて配置される画素の輝度値ま
たは色値の前記周波数係数の外側で、かつ前記境界ブロ
ック内の前記周波数係数の直流成分を中心とした前記周
波数係数単位の四分円の半径である最低周波数境界と最
高周波数境界との間に、前記周波数係数単位で埋め込み
領域幅を設定することにより、前記埋め込み領域を検出
し、前記埋め込み位置決定手段は、前記埋め込み領域内
の、前記周波数係数単位の埋め込み開始位置、及び上下
左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め
込み方向を、前記各前景オブジェクトの動き状態より設
定するとともに、前記埋め込み領域内の埋め込みデータ
サイズを、前記独自情報を基にして設定することで、前
記埋め込み位置を決定し、前記周波数領域電子透かし埋
め込み手段は、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
における前記埋め込み領域内の、前記埋め込み位置であ
る前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋
め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値また
は色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子透かし
として埋め込むようにしたので、本電子透かし埋め込み
装置に入力される、前記少なくとも1つの前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトを有する画像データの、前記
少なくとも1つの前景オブジェクトの画素の輝度値また
は色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子透かし
として効率良く埋め込むことができる。
【0281】また、本発明の請求項8に記載の電子透か
し埋め込み装置によれば、請求項5または請求項7記載
の電子透かし埋め込み装置において、前記埋め込み領域
検出手段は、画素の輝度値または色値の前記周波数係数
の最低周波数境界及び最高周波数境界を、画質への影響
が最小になる帯域、または前記埋め込み領域検出手段よ
り後段で使用されるフィルタの帯域を基にして決定する
ようにしたので、本電子透かし埋め込み装置に入力され
る前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトを有する画像データの、前記少なくとも1つの
前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値
または色値の前記周波数係数に、前記独自情報を埋め込
む際に、画質の劣化を少なくすることができる。
【0282】また、本発明の請求項9に記載の電子透か
し埋め込み装置によれば、請求項6記載の電子透かし埋
め込み装置において、前記埋め込み領域検出手段は、前
記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状のエッジか
ら、前記各前景オブジェクトの形状領域の内部方向に設
定する前記埋め込み領域幅を、前記各前景オブジェクト
のエッジ付近にある画素の輝度値または色値と、前記各
前景オブジェクトのエッジ付近にある背景オブジェクト
の画素の輝度値または色値との平均値の差、または前記
各前景オブジェクトのエッジ付近にある前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または色
値の分散値に比例するよう設定したので、前記独自情報
が埋め込まれた画像データを表示する際に、前記少なく
とも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの合
成画像の画質の劣化が少なくなるように、本電子透かし
埋め込み装置に入力される画像データの、前記少なくと
も1つの前景オブジェクトの画素の輝度値または色値
に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込むことがで
きる。
【0283】また、本発明の請求項10に記載の電子透
かし埋め込み装置によれば、請求項6または請求項7記
載の電子透かし埋め込み装置において、前記埋め込み位
置決定手段は、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
が静止物体であるとき、前記各前景オブジェクトのエッ
ジ付近にある埋め込み領域内の画素の輝度値または色値
の分散値が大きい部分に、前記埋め込み開始位置及び前
記埋め込み方向を設定し、前記各前景オブジェクトが移
動物体であるとき、前記埋め込み領域内の前記各前景オ
ブジェクトの移動方向と反対側のエッジ付近にある埋め
込み領域内の画素の輝度値または色値に、前記埋め込み
開始位置及び前記埋め込み方向を設定するようにしたの
で、前記独自情報が埋め込まれた画像データを表示する
際に、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの合成画像の画質の劣化が少なくなるよう
に、本電子透かし埋め込み装置に入力される画像データ
の、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの画素の輝
度値または色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電
子透かしとして埋め込むことができる。
【0284】また、本発明の請求項11に記載の電子透
かし埋め込み装置によれば、請求項1記載の電子透かし
埋め込み装置において、前記埋め込み開始時刻と前記埋
め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1つの画
像フレーム内の、前記少なくとも1つの前景オブジェク
トにおける、完全に透明な状態及び完全に不透明な状態
の間の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情報
を有するとき、前記埋め込み領域検出手段は、前記埋め
込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示され
る少なくとも1つの画像フレーム内にある、前記各前景
オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を、前記埋め
込み領域として検出し、前記埋め込み位置決定手段は、
前記埋め込み領域に対応する、前記各前景オブジェクト
及び背景オブジェクトにおける領域内の、輝度ブロック
または色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び上下左
右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込
み方向を、前記領域内の画素の輝度値または色値の分布
状態より設定するとともに、前記領域内の埋め込みデー
タサイズを、前記独自情報を基にして設定することで、
前記埋め込み位置を決定し、前記空間領域電子透かし埋
め込み手段は、前記各前景オブジェクトの形状情報の透
過度より算出した割合で、前記独自情報を前記各前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトに分配するとともに、
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの前記領
域内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位置
から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範
囲内にある、画素の輝度値または色値に、前記各前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトに分配された前記独自
情報を電子透かしとして埋め込むようにしたので、本電
子透かし埋め込み装置に入力される、前記少なくとも1
つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトを有する画
像データが透過度を有する場合において、前記画像デー
タの前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オ
ブジェクトの、画素の輝度値または色値に、前記独自情
報を電子透かしとして効率良く埋め込むことができ、前
記独自情報が埋め込まれた前記透過度を有する画像デー
タを表示する際に、前記少なくとも1つの前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトの合成画像の画質の劣化が少
ない。
【0285】また、本発明の請求項12に記載の電子透
かし埋め込み装置によれば、請求項2記載の電子透かし
埋め込み装置において、前記埋め込み開始時刻と前記埋
め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1つの画
像フレーム内の、前記少なくとも1つの前景オブジェク
トにおける、完全に透明な状態及び完全に不透明な状態
の間の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情報
を有するとき、前記埋め込み領域検出手段は、前記埋め
込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示され
る少なくとも1つの画像フレーム内にある、前記各前景
オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を、前記埋め
込み領域として検出し、前記埋め込み位置決定手段は、
前記埋め込み領域に対応する、前記各前景オブジェクト
及び背景オブジェクトにおける領域内の、輝度ブロック
または色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び上下左
右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込
み方向を、前記領域内の画素の輝度値または色値の分布
状態より設定するとともに、前記領域内の埋め込みデー
タサイズを、前記独自情報を基にして設定することで、
前記埋め込み位置を決定し、前記周波数領域電子透かし
埋め込み手段は、前記各前景オブジェクトの形状情報の
透過度より算出した割合で、前記独自情報を前記各前景
オブジェクト及び背景オブジェクトに分配するととも
に、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの前
記領域内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始
位置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズ
の範囲内にある、画素の輝度値または色値の前記周波数
係数に、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
に分配された前記独自情報を電子透かしとして埋め込む
ようにしたので、本電子透かし埋め込み装置に入力され
る、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オ
ブジェクトで構成される画像データが透過度を有する場
合において、前記画像データの前記少なくとも1つの前
景オブジェクト及び背景オブジェクトの、画素の輝度値
または色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子透
かしとして効率良く埋め込むことができ、前記独自情報
が埋め込まれた前記透過度を有する画像データを表示す
る際に、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背
景オブジェクトの合成画像の画質の劣化が少ない。
【0286】また、本発明の請求項13に記載の電子透
かし埋め込み装置によれば、請求項1または請求項2記
載の電子透かし埋め込み装置において、前記制御情報符
号化手段は、前記抽出制御情報と、前記表示制御情報と
を、メタデータまたはバイナリデータとして符号化する
ようにしたので、前記独自情報が電子透かしとして埋め
込まれた画像データをデータベースに記録して検索する
ことができる。
【0287】また、本発明の請求項14に記載の電子透
かし埋め込み装置によれば、請求項1または請求項2記
載の電子透かし埋め込み装置において、前記少なくとも
1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトからなる
符号化された画像データと、前記少なくとも1つの前景
オブジェクトの符号化された形状情報と、メタデータ及
びバイナリデータに符号化された前記抽出制御情報及び
前記表示制御情報とを多重化して、ストリームとして出
力するか、前記少なくとも1つの符号化された前景オブ
ジェクトと、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの
符号化された形状情報とを1つのデータ単位とし、符号
化された前記背景オブジェクトを1つのデータ単位と
し、前記メタデータ及びバイナリデータに符号化された
前記抽出制御情報及び前記表示制御情報を1つのデータ
単位とし、前記各データ単位毎に、少なくとも識別情報
及びデータサイズを設定したヘッダ情報を付加した後に
多重化してファイルに記録して出力するようにしたの
で、本電子透かし埋め込み装置に入力される画像データ
に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込んで符号化
した後、オブジェクト指向のフォーマットを用いたファ
イルに記録することができ、前記画像データの利便性が
向上する。
【0288】また、請求項15に記載の電子透かし埋め
込み装置によれば、請求項1または請求項2記載の電子
透かし埋め込み装置において、前記空間領域電子透かし
埋め込み手段、もしくは前記周波数領域電子透かし埋め
込み手段は、前記独自情報を前記埋め込み制御信号で指
定する暗号鍵を用いて暗号化した後、前記少なくとも1
つの前景オブジェクトまたは前記背景オブジェクトの画
素の輝度値または色値、もしくは画素の輝度値または色
値の前記周波数係数に、暗号化された前記独自情報を電
子透かしとして埋め込むようにしたので、前記独自情報
を秘匿して、画像データに埋め込むことができる。
【0289】また、本発明の請求項16に記載の電子透
かし抽出装置によれば、符号化された画像データを構成
する、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクト
または符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値ま
たは色値から、電子透かしとして埋め込まれた著作権情
報等の独自情報を抽出し、かつ前記符号化された画像デ
ータを復号する電子透かし抽出装置において、前記符号
化された画像データに前記独自情報を電子透かしとして
埋め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始
時刻及び埋め込み終了時刻等の、前記電子透かしを抽出
するために必要な符号化された抽出制御情報、及び前記
少なくとも1つの前景オブジェクト及び前記背景オブジ
ェクトの表示位置や前後関係を指定する符号化された表
示制御情報を復号する制御情報復号手段と、前記符号化
された画像データの復号、及び電子透かしの抽出を制御
し、前記抽出制御情報及び表示制御情報から、抽出制御
信号及び表示制御信号を生成する抽出・復号制御手段
と、前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時
刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なく
とも1つの画像フレーム内にある前記少なくとも1つの
前景オブジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子
透かしとして埋め込まれている領域を、抽出領域として
検出する抽出領域検出手段と、前記抽出制御信号に応じ
て、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景
オブジェクトにおける前記抽出領域内の前記抽出制御信
号で指定される、前記電子透かしが埋め込まれている前
記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値
から、前記独自情報を抽出する空間領域電子透かし抽出
手段と、前記表示制御信号に応じて、前記少なくとも1
つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画
面に合成して、モニターに表示する画像合成手段とを備
えるようにしたので、本電子透かし抽出装置に入力され
る、前記独自情報が、前記少なくとも1つの前景オブジ
ェクトまたは背景オブジェクトの画素の輝度値または色
値に埋め込まれた画像データから、前記独自情報を効率
良く抽出することができ、前記独自情報が埋め込まれた
画像データをモニターで表示する際に、前記独自情報に
よる、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの合成画像の画質の劣化が少ない。
【0290】また、本発明の請求項17に記載の電子透
かし抽出装置によれば、符号化された画像データを構成
する、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクト
または符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値ま
たは色値の時間周波数変換後の周波数係数から、電子透
かしとして埋め込まれた著作権情報等の独自情報を抽出
し、かつ前記符号化された画像データを復号する電子透
かし抽出装置において、前記符号化された画像データに
前記独自情報を電子透かしとして埋め込む開始時点及び
終了時点を指定する埋め込み開始時刻及び埋め込み終了
時刻等の、前記電子透かしを抽出するために必要な符号
化された抽出制御情報、及び前記少なくとも1つの前景
オブジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関
係を指定する符号化された表示制御情報を復号する制御
情報復号手段と、前記符号化された画像データの復号、
及び電子透かしの抽出を制御し、前記抽出制御情報及び
表示制御情報から、抽出制御信号及び表示制御信号を生
成する抽出・復号制御手段と、前記抽出制御信号で指定
される前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻と
の間に表示される、少なくとも1つの画像フレーム内に
ある前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報
から、前記独自情報が電子透かしとして埋め込まれてい
る領域を抽出領域として検出する抽出領域検出手段と、
前記抽出制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記抽出
領域内の前記抽出制御信号で指定される、前記電子透か
しが埋め込まれている埋め込み位置の範囲内にある、画
素の輝度値または色値の前記周波数係数から、前記独自
情報を抽出する周波数領域電子透かし抽出手段と、前記
表示制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合成し
て、モニターに表示する画像合成手段とを備えるように
したので、本電子透かし抽出装置に入力される、前記独
自情報が、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまた
は背景オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記周
波数に電子透かしとして埋め込まれた符号化された画像
データから、前記独自情報を効率良く抽出することがで
き、前記独自情報が埋め込まれた画像データをモニター
で表示する際に、前記独自情報による、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの合成画像の画質の劣化
が少ない。
【0291】また、本発明の請求項18に記載の電位透
かし抽出装置によれば、請求項16記載の電子透かし抽
出装置において、前記独自情報が、前記背景オブジェク
トの画素の輝度値または色値に、電子透かしとして埋め
込まれているとき、前記抽出領域検出手段は、前記埋め
込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示され
る、前記抽出制御信号により指定される画像フレーム内
にある、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状
情報が重なり合う領域を抽出領域として検出し、前記空
間領域電子透かし抽出手段は、前記抽出領域に対応する
前記背景オブジェクトにおける領域内の、前記抽出制御
信号で指定する輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋
め込み開始位置から、上下左右方向を組み合わせた8方
向のうちの1つである埋め込み方向に、前記独自情報の
データ量である埋め込みデータサイズで指定される前記
埋め込み位置の、画素の輝度値または色値から、電子透
かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出するように
したので、本電子透かし抽出装置に入力される、前記独
自情報が、前記背景オブジェクトの画素の輝度値または
色値に電子透かしとして埋め込まれた画像データから、
前記独自情報を効率良く抽出することができ、前記独自
情報が埋め込まれた画像データをモニターで表示する際
に、前記独自情報による、前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトの合成画像の画質の劣化がない。
【0292】また、本発明の請求項19に記載の電子透
かし抽出装置によれば、請求項17記載の電子透かし抽
出装置において、前記独自情報が、前記背景オブジェク
トの画素の輝度値または色値の前記周波数係数に、電子
透かしとして埋め込まれているとき、前記抽出領域検出
手段は、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻
との間に表示される、前記抽出制御信号により指定され
る画像フレーム内にある、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトの形状情報が重なり合う重なり領域を検出
し、前記重なり領域内の輝度ブロックまたは色ブロック
内の画素の輝度値または色値の前記周波数係数の直流成
分を中心とした前記周波数係数単位の四分円の半径であ
る最低周波数境界と最高周波数境界との間にある前記周
波数係数を、抽出領域として検出し、前記周波数領域電
子透かし抽出手段は、前記抽出領域に対応する前記背景
オブジェクトにおける領域内の、前記抽出制御信号で指
定する前記周波数係数単位の埋め込み開始位置から、上
下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋
め込み方向に、前記独自情報のデータ量である埋め込み
データサイズで指定される、前記埋め込み位置の範囲内
にある画素の輝度値または色値の前記周波数係数から、
電子透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出する
ようにしたので、本電子透かし抽出装置に入力される、
前記独自情報が、前記背景オブジェクトの画素の輝度値
または色値の前記周波数係数に電子透かしとして埋め込
まれた画像データから、前記独自情報を効率良く抽出す
ることができ、前記独自情報が埋め込まれた画像データ
をモニターで表示する際に、該独自情報による、前記各
前景オブジェクト及び背景オブジェクトの合成画像の画
質の劣化がない。
【0293】また、本発明の請求項20に記載の電子透
かし抽出装置によれば、請求項16記載の電子透かし抽
出装置において、前記独自情報が、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクトの輝度値または色値に、電子透かし
として埋め込まれているとき、前記抽出領域検出手段
は、前記抽出制御信号により指定される画像フレーム内
にある、前記抽出制御信号により指定される、前記各前
景オブジェクトの形状の輪郭であるエッジから、前記各
前景オブジェクトの形状領域の内部方向またはパディン
グ領域方向への、画素の輝度値または色値単位の埋め込
み領域幅を、抽出領域として検出し、前記空間領域電子
透かし抽出手段は、前記少なくとも1つの前景オブジェ
クトにおける前記抽出領域内の前記抽出制御信号で指定
する、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開
始位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向のうち
の1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量
である埋め込みデータサイズで指定される、前記埋め込
み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値から、電
子透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出するよ
うにしたので、本電子透かし抽出装置に入力される、前
記独自情報が、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
の画素の輝度値または色値に電子透かしとして埋め込ま
れた画像データから、前記独自情報を効率良く抽出する
ことができ、前記独自情報が埋め込まれた画像データを
モニターで表示する際に、前記独自情報による、前記各
前景オブジェクト及び背景オブジェクトの合成画像の画
質の劣化が少ない。
【0294】また、本発明の請求項21に記載の電子透
かし抽出装置によれば、請求項17記載の電子透かし抽
出装置において、前記独自情報が、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記周
波数係数に、電子透かしとして埋め込まれているとき、
前記抽出領域検出手段は、前記抽出制御信号により指定
される画像フレーム内にある、前記抽出制御信号により
指定される、前記各前景オブジェクトの形状の輪郭であ
るエッジを含む画素の輝度ブロックまたは色ブロックの
境界ブロック内の、前記各前景オブジェクトの形状情報
に応じて配置される画素の輝度値または色値の前記周波
数係数の外側で、かつ前記境界ブロック内の前記周波数
係数の直流成分を中心とした前記周波数係数単位の四分
円の半径である最低周波数境界と最高周波数境界との間
にある前記周波数係数単位の埋め込み領域幅を、抽出領
域として検出し、前記周波数領域電子透かし抽出手段
は、前記少なくとも1つの前景オブジェクトにおける前
記抽出領域内の前記抽出制御信号で指定する、前記周波
数係数単位の埋め込み開始位置から、上下左右方向を組
み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み方向に、
前記独自情報のデータ量である埋め込みデータサイズで
指定される、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝
度値または色値の前記周波数係数から、電子透かしとし
て埋め込まれた前記独自情報を抽出するようにしたの
で、本電子透かし抽出装置に入力される、前記独自情報
が、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの画素の輝
度値または色値の前記周波数係数に埋め込まれた画像デ
ータから、前記独自情報を効率良く抽出することがで
き、前記独自情報が埋め込まれた画像データをモニター
で表示する際に、前記独自情報による、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの合成画像の画質の劣化
が少ない。
【0295】また、本発明の請求項22に記載の電子透
かし抽出装置によれば、請求項16記載の電子透かし抽
出装置において、前記独自情報が、前記埋め込み開始時
刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくと
も1つの画像フレーム内の、完全に透明な状態及び完全
に不透明な状態の間の状態が任意の値をもつ透過度で表
される形状情報を有する、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトまたは背景オブジェクトの画素の輝度値また
は色値に、電子透かしとして埋め込まれているとき、前
記抽出領域検出手段は、前記埋め込み開始時刻と前記埋
め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制御信号
により指定される画像フレーム内にある、前記各前景オ
ブジェクトの形状情報が重なり合う領域を抽出領域とし
て検出し、前記空間領域電子透かし抽出手段は、前記抽
出領域に対応する前記各前景オブジェクトまたは背景オ
ブジェクトにおける領域内の、前記抽出制御信号で指定
する、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開
始位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向のうち
の1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量
である埋め込みデータサイズで指定される前記埋め込み
位置の範囲内にある画素の輝度値または色値から、電子
透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出するよう
にしたので、本電子透かし抽出装置に入力される、前記
独自情報が、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及
び背景オブジェクトの画素の輝度値または色値に分配さ
れた後、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
に電子透かしとして埋め込まれた画像データから、前記
独自情報を効率良く抽出することができ、前記独自情報
が埋め込まれた画像データをモニターで表示する際に、
前記独自情報による、前記各前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの合成画像の画質の劣化が少ない。
【0296】また、本発明の請求項23に記載の電子透
かし抽出装置によれば、請求項17記載の電子透かし抽
出装置において、前記独自情報が、前記埋め込み開始時
刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくと
も1つの画像フレーム内の、完全に透明な状態及び完全
に不透明な状態の間の状態が任意の値をもつ透過度で表
される形状情報を有する、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクトまたは背景オブジェクトの画素の輝度値また
は色値の前記周波数係数に、電子透かしとして埋め込ま
れているとき、前記抽出領域検出手段は、前記埋め込み
開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、
前記抽出制御信号により指定される画像フレーム内にあ
る、前記各前景オブジェクトの形状情報が重なり合う領
域を検出し、前記重なり合う領域内の輝度ブロックまた
は色ブロック内の前記周波数係数の直流成分を中心とし
た前記周波数係数単位の四分円の半径である最低周波数
境界と最高周波数境界との間にある前記周波数係数を、
抽出領域として検出し、前記周波数領域電子透かし抽出
手段は、前記抽出領域検出手段により検出された前記抽
出領域に対応する前記各前景オブジェクトまたは背景オ
ブジェクトにおける領域内の、前記抽出制御信号で指定
する、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開
始位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向のうち
の1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量
である埋め込みデータサイズで指定される、前記埋め込
み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値の前記周
波数係数から、前記電子透かしとして埋め込まれた前記
独自情報を抽出するようにしたので、本電子透かし抽出
装置に入力される、前記独自情報が、前記少なくとも1
つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの、画素の
輝度値または色値の前記周波数係数に分配された後、前
記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに電子透か
しとして埋め込まれた画像データから、前記独自情報を
効率良く抽出することができ、前記独自情報が埋め込ま
れた透過度を有する画像データをモニターで表示する際
に、該独自情報による、前記各前景オブジェクト及び背
景オブジェクトの合成画像の画質の劣化が少ない。
【0297】また、本発明の請求項24に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、画像データを符号化し、か
つ前記画像データを構成する、少なくとも1つの前景オ
ブジェクトまたは背景オブジェクトの、画素の輝度値ま
たは色値に、著作権情報等の独自情報を電子透かしとし
て埋め込む電子透かし埋め込み方法において、前記独自
情報、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む開始時
点及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及び埋め込
み終了時刻等の電子透かしを埋め込むために必要な埋め
込み制御情報、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
及び背景オブジェクトの表示位置や前後関係を指定する
表示制御情報、及び前記埋め込み制御情報等を基にして
電子透かしを抽出するために必要な抽出制御情報を生成
し、符号化制御信号、及び前記埋め込み制御情報を基に
して生成した埋め込み制御信号により、前記画像データ
の符号化及び電子透かしの埋め込みを制御する埋め込み
・符号化制御ステップと、前記埋め込み制御信号に応じ
て、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との
間に表示される、少なくとも1つの画像フレーム内にあ
る、少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報か
ら、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む、埋め込
み領域を検出する埋め込み領域検出ステップと、前記埋
め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内の、電子
透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め込み位置
決定ステップと、前記埋め込み制御信号に応じて、前記
少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景オブジェ
クトにおける前記埋め込み領域内の、前記埋め込み位置
の範囲内にある画素の輝度値または色値に、前記独自情
報を電子透かしとして埋め込む空間領域電子透かし埋め
込みステップと、前記表示制御情報及び前記抽出制御情
報を符号化する制御情報符号化ステップとを有するよう
にしたので、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及
び背景オブジェクトから構成される画像データの画素の
輝度値または色値に対して、前記独自情報を電子透かし
として効率良く埋め込むことができる。
【0298】また、本発明の請求項25に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、画像データを符号化し、か
つ前記画像データを構成する、少なくとも1つの前景オ
ブジェクトまたは背景オブジェクトの、画素の輝度値ま
たは色値の時間周波数変換後の周波数係数に、著作権情
報等の独自情報を電子透かしとして埋め込む電子透かし
埋め込み方法において、前記独自情報、前記独自情報を
電子透かしとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定
する埋め込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の電子透
かしを埋め込むために必要な埋め込み制御情報、前記少
なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の表示位置や前後関係を指定する表示制御情報、及び前
記埋め込み制御情報等を基にして電子透かしを抽出する
ために必要な抽出制御情報を生成し、符号化制御信号、
及び前記埋め込み制御情報を基にして生成した埋め込み
制御信号により前記画像データの符号化及び電子透かし
の埋め込みを制御する埋め込み・符号化制御ステップ
と、前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始
時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少な
くとも1つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの
前景オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子
透かしとして埋め込む、埋め込み領域を検出する埋め込
み領域検出ステップと、前記埋め込み制御信号に応じ
て、前記埋め込み領域内の、電子透かしを埋め込む埋め
込み位置を決定する埋め込み位置決定ステップと、前記
埋め込み制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記埋め
込み領域内の、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の
輝度値または色値の前記周波数係数に、前記独自情報を
電子透かしとして埋め込む周波数領域電子透かし埋め込
みステップと、前記表示制御情報及び前記抽出制御情報
を符号化する制御情報符号化ステップとを有するように
したので、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び
背景オブジェクトから構成される画像データの画素の輝
度値または色値の前記周波数係数に対して、前記独自情
報を電子透かしとして効率良く埋め込むことができる。
【0299】また、本発明の請求項26に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、請求項24記載の電子透か
し埋め込み方法において、前記空間領域電子透かし埋め
込みステップより前記独自情報が電子透かしとして埋め
込まれた、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまた
は背景オブジェクトの画素の輝度値または色値から前記
独自情報を削除し、元の画素の輝度値または色値に戻す
電子透かし削除ステップを有し、電子透かしの埋め込ま
れた前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景
オブジェクトを圧縮符号化する際には、前記電子透かし
削除ステップから出力される前記少なくとも1つの前景
オブジェクトまたは背景オブジェクトを参照画像データ
として用いて、予測符号化を行うようにしたので、前記
少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景オブジェ
クトの画素の輝度値または色値に前記独自情報を埋め込
んだ後、予測符号化する際に、画質の劣化を少なくする
ことができる。
【0300】また、本発明の請求項27に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、請求項24記載の電子透か
し埋め込み方法において、前記埋め込み領域検出ステッ
プは、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻と
の間に表示される少なくとも1つの画像フレーム内にあ
る、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報
が全て重なり合う領域を、前記埋め込み領域として検出
し、前記埋め込み位置決定ステップは、前記埋め込み領
域に対応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、
輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位
置、及び上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1
つである埋め込み方向を、前記領域内の画素の輝度値ま
たは色値の分布状態より設定するとともに、前記領域内
の埋め込みデータサイズを、前記独自情報を基にして設
定することで、前記埋め込み位置を決定し、前記空間領
域電子透かし埋め込みステップは、前記背景オブジェク
トにおける前記領域内の、前記埋め込み位置である前記
埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋め込み
データサイズの範囲内にある、画素の輝度値または色値
に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込むようにし
たので、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背
景オブジェクトを有する画像データの前記背景オブジェ
クトの画素の輝度値または色値に、前記独自情報を電子
透かしとして効率良く埋め込むことができる。
【0301】また、本発明の請求項28に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、請求項25記載の電子透か
し埋め込み方法において、前記埋め込み領域検出ステッ
プは、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻と
の間に表示される少なくとも1つの画像フレーム内にあ
る、少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報が全
て重なり合う重なり領域を検出して、前記重なり領域内
の輝度ブロックまたは色ブロック内の画素の輝度値また
は色値の前記周波数係数の直流成分を中心とした前記周
波数係数単位の四分円の半径である最低周波数境界と最
高周波数境界との間にある前記周波数係数を、前記埋め
込み領域として検出し、前記埋め込み位置決定ステップ
は、前記埋め込み領域に対応する前記背景オブジェクト
における領域内の、輝度ブロックまたは色ブロック単位
の埋め込み開始位置、及び上下左右方向を組み合わせた
8方向のうちの1つである埋め込み方向を、前記領域内
の画素の輝度値または色値の分布状態より設定し、前記
領域内の埋め込みデータサイズを、前記独自情報を基に
して設定することで、前記埋め込み位置を決定し、前記
周波数領域電子透かし埋め込みステップは、前記背景オ
ブジェクトにおける前記領域内の、前記埋め込み位置で
ある前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記
埋め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値ま
たは色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子透か
しとして埋め込むようにしたので、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクト及び背景オブジェクトを有する画像
データの、前記背景オブジェクトの画素の輝度値または
色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子透かしと
して効率良く埋め込むことができる。
【0302】また、本発明の請求項29に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、請求項24記載の電子透か
し埋め込み方法において、前記埋め込み領域検出ステッ
プは、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状の
輪郭線であるエッジから、前記各前景オブジェクトの形
状領域の内部方向またはパディング領域方向に、画素の
輝度値または色値単位で埋め込み領域幅を設定すること
により、前記埋め込み領域を検出し、前記埋め込み位置
決定ステップは、前記埋め込み領域内の、輝度ブロック
または色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び上下左
右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込
み方向を、前記各前景オブジェクトの動き状態より設定
するとともに、前記埋め込み領域内の埋め込みデータサ
イズを、前記独自情報を基にして設定することで、前記
埋め込み位置を決定し、前記空間領域電子透かし埋め込
みステップは、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
における前記埋め込み領域内の、前記埋め込み位置であ
る前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋
め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値また
は色値に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込むよ
うにしたので、前記少なくとも1つの前景オブジェクト
及び背景オブジェクトを有する画像データの、前記少な
くとも1つの前景オブジェクトの画素の輝度値または色
値に、前記独自情報を電子透かしとして効率良く埋め込
むことができる。
【0303】また、本発明の請求項30に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、請求項25記載の電子透か
し埋め込み方法において、前記埋め込み領域検出ステッ
プは、前記埋め込み領域内の、前記少なくとも1つの前
景オブジェクトの形状の輪郭線であるエッジを含む輝度
ブロックまたは色ブロックの境界ブロック内の、前記各
前景オブジェクトの形状情報に応じて配置される画素の
輝度値または色値の前記周波数係数の外側で、かつ前記
境界ブロック内の前記周波数係数の直流成分を中心とし
た前記周波数係数単位の四分円の半径である最低周波数
境界と最高周波数境界との間に、前記周波数係数単位で
埋め込み領域幅を設定することにより、前記埋め込み領
域を検出し、前記埋め込み位置決定ステップは、前記埋
め込み領域内の、輝度ブロックまたは色ブロック単位の
埋め込み開始位置、及び上下左右方向を組み合わせた8
方向のうちの1つである埋め込み方向を、前記各前景オ
ブジェクトの動き状態より設定するとともに、前記埋め
込み領域内の埋め込みデータサイズを、前記独自情報を
基にして設定することで、前記埋め込み位置を決定し、
前記周波数領域電子透かし埋め込みステップは、前記少
なくとも1つの前景オブジェクトにおける前記埋め込み
領域内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位
置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの
範囲内にある、画素の輝度値または色値の前記周波数係
数に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込むように
したので、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び
背景オブジェクトから構成される画像データの、前記各
前景オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記周波
数係数に、前記独自情報を電子透かしとして効率良く埋
め込むことができる。
【0304】また、本発明の請求項31に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、請求項28または請求項3
0記載の電子透かし埋め込み方法において、前記埋め込
み領域検出ステップは、画素の輝度値または色値の前記
周波数係数の最低周波数境界及び最高周波数境界を、画
質への影響が最小となる帯域、または前記埋め込み領域
検出ステップより後で使用されるフィルタの帯域を基に
して決定するようにしたので、前記少なくとも1つの前
景オブジェクト及び背景オブジェクトを有する画像デー
タの、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記周波数係
数に、前記独自情報を埋め込む際に、前記独自情報の欠
落を防止することができる。
【0305】また、本発明の請求項32に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、請求項31記載の電子透か
し埋め込み方法において、前記埋め込み領域検出ステッ
プは、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状の
エッジから、前記各前景オブジェクトの形状領域の内部
方向に設定する前記埋め込み領域幅を、前記各前景オブ
ジェクトのエッジ付近にある画素の輝度値または色値
と、前記各前景オブジェクトのエッジ付近にある背景オ
ブジェクトの画素の輝度値または色値との、平均値の
差、または前記各前景オブジェクトのエッジ付近にある
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの画素の
輝度値または色値の分散値に比例するよう設定するよう
にしたので、前記独自情報が埋め込まれた画像データを
モニターで表示する際に、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトの合成画像の画質の劣
化が少なくなるように、前記画像データの前記各前景オ
ブジェクトの画素に、前記独自情報を電子透かしとして
埋め込むことができる。
【0306】また、本発明の請求項33に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、請求項29または請求項3
0記載の電子透かし埋め込み方法において、前記埋め込
み位置決定ステップは、前記少なくとも1つの前景オブ
ジェクトが静止物体であるとき、前記各前景オブジェク
トのエッジ付近にある埋め込み領域内の画素の輝度値の
分散値が大きい部分に、前記埋め込み開始位置及び前記
埋め込み方向を設定し、前記各前景オブジェクトが移動
物体であるとき、前記埋め込み領域内の前記各前景オブ
ジェクトの移動方向と反対側のエッジ付近にある埋め込
み領域内の画素の輝度値または色値に、前記埋め込み開
始位置及び埋め込み方向を設定するようにしたので、前
記独自情報が埋め込まれた画像データをモニターで表示
する際に、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
トの合成画像の画質の劣化が少なくなるように、前記各
前景オブジェクト及び背景オブジェクトを有する画像デ
ータの、前記各前景オブジェクトの画素の輝度値または
色値の前記周波数係数に、前記独自情報を埋め込むこと
ができる。
【0307】また、本発明の請求項34に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、請求項24記載の電子透か
し埋め込み方法において、前記埋め込み開始時刻と前記
埋め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1つの
画像フレーム内の、前記少なくとも1つの前景オブジェ
クトにおける、完全に透明な状態及び完全に不透明な状
態の間の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情
報を有するとき、前記埋め込み領域検出ステップは、前
記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表
示される少なくとも1つの画像フレーム内にある、前記
各前景オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を、前
記埋め込み領域として検出し、前記埋め込み位置決定ス
テップは、前記埋め込み領域に対応する、前記各前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトにおける領域内の、輝
度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置、
及び上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つで
ある埋め込み方向を、前記領域内の画素の輝度値または
色値の分布状態より設定するとともに、前記領域内の埋
め込みデータサイズを、前記独自情報を基にして設定す
ることで、前記埋め込み位置を決定し、前記空間領域電
子透かし埋め込みステップは、前記各前景オブジェクト
の形状情報の透過度より算出した割合で、前記独自情報
を前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに分配
するとともに、前記各前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトにおける前記領域内の、前記埋め込み位置である
前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋め
込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値または
色値に、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクト
に分配された前記独自情報を電子透かしとして埋め込む
ようにしたので、前記少なくとも1つの前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトで構成される画像データが透過
度を有する場合において、前記画像データの前記各前景
オブジェクト及び背景オブジェクトの、画素の輝度値ま
たは色値に、前記独自情報を電子透かしとして効率良く
埋め込むことができ、前記独自情報が埋め込まれた画像
データをモニターに表示する際に、前記各前景オブジェ
クト及び背景オブジェクトの合成画像の画質の劣化が少
ない。
【0308】また、本発明の請求項35に記載の電子透
かし埋め込み方法によれば、請求項25記載の電子透か
し埋め込み方法において、前記埋め込み開始時刻と前記
埋め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1つの
画像フレーム内の、前記少なくとも1つの前景オブジェ
クトにおける、完全に透明な状態及び完全に不透明な状
態の間の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情
報を有するとき、前記埋め込み領域検出ステップは、前
記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表
示される少なくとも1つの画像フレーム内にある、前記
各前景オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を、前
記埋め込み領域として検出し、前記埋め込み位置決定ス
テップは、前記埋め込み領域に対応する、前記各前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトにおける領域内の、輝
度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置、
及び上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つで
ある埋め込み方向を、前記領域内の画素の輝度値または
色値の分布状態より設定するとともに、前記領域内の埋
め込みデータサイズを、前記独自情報を基にして設定す
ることで、前記埋め込み位置を決定し、前記周波数領域
電子透かし埋め込みステップは、前記各前景オブジェク
トの形状情報の透過度より算出した割合で、前記独自情
報を前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに分
配するとともに、前記各前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトにおける前記領域内の、前記埋め込み位置であ
る前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋
め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値また
は色値の前記周波数係数に、前記各前景オブジェクト及
び背景オブジェクトに分配された前記独自情報を電子透
かしとして埋め込むようにしたので、前記少なくとも1
つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトから構成さ
れる画像データが透過度を有する場合において、前記画
像データの前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
トの、画素の輝度値または色値の前記周波数係数に、前
記独自情報を電子透かしとして効率良く埋め込むことが
でき、前記独自情報が埋め込まれた画像データをモニタ
ーに表示する際に、前記各前景オブジェクト及び背景オ
ブジェクトの合成画像の画質の劣化が少ない。
【0309】また、本発明の請求項36に記載の電子透
かし抽出方法によれば、符号化された画像データを構成
する、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクト
または符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値ま
たは色値から、電子透かしとして埋め込まれた著作権情
報等の独自情報を抽出し、かつ前記符号化された画像デ
ータを復号する電子透かし抽出方法において、前記符号
化された画像データに前記独自情報を電子透かしとして
埋め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始
時刻及び埋め込み終了時刻等の前記電子透かしを抽出す
るために必要な符号化された抽出制御情報、及び前記少
なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の表示位置や前後関係を指定する符号化された表示制御
情報を復号する制御情報復号ステップと、前記抽出制御
情報及び表示制御情報から、抽出制御信号及び表示制御
信号を生成し、前記符号化された画像データの復号及び
電子透かしの抽出を制御する抽出・復号制御ステップ
と、前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時
刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なく
とも1つの画像フレーム内にある少なくとも1つの前景
オブジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子透か
しとして埋め込まれている領域を、抽出領域として検出
する抽出領域検出ステップと、前記抽出制御信号に応じ
て、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景
オブジェクトにおける前記抽出領域内の、前記抽出制御
信号で指定される、前記電子透かしが埋め込まれている
埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値か
ら、前記独自情報を抽出する空間領域電子透かし抽出ス
テップと、前記表示制御信号に応じて、前記少なくとも
1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの
画面に合成してモニターに表示する画像合成ステップと
を有するようにしたので、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトから構成される画像デ
ータから、前記独自情報を効率良く抽出することがで
き、前記独自情報が埋め込まれた画像データをモニター
で表示する際に、前記独自情報による、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの合成画像の画質の劣化
がないか、少ない。
【0310】また、本発明の請求項37に記載の電子透
かし抽出方法によれば、符号化された画像データを構成
する、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクト
または符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値ま
たは色値の時間周波数変換後の周波数係数から、電子透
かしとして埋め込まれた著作権情報等の独自情報を抽出
し、かつ前記符号化された画像データを復号する電子透
かし抽出方法において、前記符号化された画像データに
前記独自情報を電子透かしとして埋め込む開始時点及び
終了時点を指定する埋め込み開始時刻及び埋め込み終了
時刻等の前記電子透かしを抽出するために必要な符号化
された抽出制御情報、及び前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関係
を指定する符号化された表示制御情報を復号する制御情
報復号ステップと、前記抽出制御情報及び表示制御情報
から、抽出制御信号及び表示制御信号を生成し、前記符
号化された画像データの復号及び電子透かしの抽出を制
御する抽出・復号制御ステップと、前記抽出制御信号で
指定される前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時
刻との間に表示される、少なくとも1つの画像フレーム
内にある前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状
情報から、前記独自情報が電子透かしとして埋め込まれ
ている領域を抽出領域として検出する抽出領域検出ステ
ップと、前記抽出制御信号に応じて、前記抽出領域内
の、前記抽出制御信号で指定される、前記電子透かしが
埋め込まれている埋め込み位置の画素の輝度値または色
値の前記周波数係数から、前記独自情報を抽出する周波
数領域電子透かし抽出ステップと、前記表示制御信号に
応じて、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背
景オブジェクトを1つの画面に合成してモニターに表示
する画像合成ステップとを有するようにしたので、前記
独自情報が、前記少なくとも1つの前景オブジェクトま
たは背景オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記
周波数係数に電子透かしとして埋め込まれた画像データ
から、前記独自情報を効率良く抽出することができ、前
記独自情報が埋め込まれた画像データをモニターで表示
する際に、前記独自情報による、前記各前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトの合成画像の画質の劣化がない
か、少ない。
【0311】また、本発明の請求項38に記載の電子透
かし抽出方法によれば、請求項36記載の電子透かし抽
出方法において、前記独自情報が、前記背景オブジェク
トの画素の輝度値または色値に、電子透かしとして埋め
込まれているとき、前記抽出領域検出ステップは、前記
埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示
される、前記抽出制御信号により指定される画像フレー
ム内にある、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの
形状情報が重なり合う領域を抽出領域として検出し、前
記空間領域電子透かし抽出ステップは、前記抽出領域に
対応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、前記
抽出制御信号で指定する、輝度ブロックまたは色ブロッ
ク単位の埋め込み開始位置から、上下左右方向を組み合
わせた8方向のうちの1つである埋め込み方向に、前記
独自情報のデータ量である埋め込みデータサイズで指定
される前記埋め込み位置の範囲内にある、画素の輝度値
または色値から、電子透かしとして埋め込まれた前記独
自情報を抽出するようにしたので、前記独自情報が前記
背景オブジェクトの画素の輝度値または色値に電子透か
しとして埋め込まれた画像データから、前記独自情報を
効率良く抽出することができ、前記独自情報が埋め込ま
れた画像データをモニターで表示する際に、前記独自情
報による、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
トの合成画像の画質の劣化がない。
【0312】また、本発明の請求項39に記載の電子透
かし抽出方法によれば、請求項37記載の電子透かし抽
出方法において、前記独自情報が、前記背景オブジェク
トの画素の輝度値または色値の時間周波数変換後の周波
数係数に、電子透かしとして埋め込まれているとき、前
記抽出領域検出ステップは、前記埋め込み開始時刻と前
記埋め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制御
信号により指定される画像フレーム内にある、前記少な
くとも1つの前景オブジェクトの形状情報が重なり合う
重なり領域を検出し、前記重なり領域内の輝度ブロック
または色ブロック内の画素の輝度値または色値の前記周
波数係数の直流成分を中心とした前記周波数係数単位の
四分円の半径である最低周波数境界と最高周波数境界と
の間にある前記周波数係数を、抽出領域として検出し、
前記周波数領域電子透かし抽出ステップは、前記抽出領
域に対応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、
前記抽出制御信号で指定する、輝度ブロックまたは色ブ
ロック単位の埋め込み開始位置から、上下左右方向を組
み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み方向に、
前記独自情報のデータ量である埋め込みデータサイズで
指定される、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝
度値または色値の前記周波数係数から、電子透かしとし
て埋め込まれた前記独自情報を抽出するようにしたの
で、前記独自情報が前記背景オブジェクトの、画素の輝
度値または色値の前記周波数係数に電子透かしとして埋
め込まれた画像データから、前記独自情報を効率良く抽
出することができ、前記独自情報が埋め込まれた画像デ
ータをモニターで表示する際に、前記独自情報による、
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの合成画
像の画質の劣化がない。
【0313】また、本発明の請求項40に記載の電子透
かし抽出方法によれば、請求項36記載の電子透かし抽
出方法において、前記独自情報が、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクトの輝度値または色値に、電子透かし
として埋め込まれているとき、前記抽出領域検出ステッ
プは、前記抽出制御信号により指定される画像フレーム
内にある、前記抽出制御信号により指定される、前記各
前景オブジェクトの形状の輪郭であるエッジから、前記
各前景オブジェクトの形状領域の内部方向またはパディ
ング領域方向への、画素の輝度値または色値単位の埋め
込み領域幅を、抽出領域として検出し、前記空間領域電
子透かし抽出ステップは、前記各前景オブジェクトにお
ける前記抽出領域内の、前記抽出制御信号で指定する、
輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置
から、上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つ
である埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量である
埋め込みデータサイズで指定される、前記埋め込み位置
の範囲内にある画素の輝度値または色値から、電子透か
しとして埋め込まれた前記独自情報を抽出するようにし
たので、前記独自情報が前記少なくとも1つの前景オブ
ジェクトの画素の輝度値または色値に埋め込まれた画像
データから、前記独自情報を効率良く抽出することがで
き、前記独自情報が埋め込まれた画像データをモニター
で表示する際に、前記独自情報による、前記各前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの合成画像の画質の劣化
が少ない。
【0314】また、本発明の請求項41に記載の電子透
かし抽出方法によれば、請求項37記載の電子透かし抽
出方法において、前記独自情報が、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記周
波数係数に、電子透かしとして埋め込まれているとき、
前記抽出領域検出ステップは、前記抽出制御信号により
指定される画像フレーム内にある、前記抽出制御信号に
より指定される、前景オブジェクトの形状の輪郭である
エッジを含む画素の輝度ブロックまたは色ブロックの境
界ブロック内の、前記各前景オブジェクトの形状情報に
応じて配置される画素の輝度値または色値の前記周波数
係数の外側で、かつ前記周波数係数の直流成分を中心と
して前記周波数係数単位の四分円の半径である最低周波
数境界と最高周波数境界との間にある、前記周波数係数
単位の領域幅を、抽出領域として検出し、前記周波数領
域電子透かし抽出ステップは、前記各前景オブジェクト
における前記抽出領域内の、前記抽出制御信号で指定す
る、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始
位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの
1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量で
ある埋め込みデータサイズで指定される、前記埋め込み
位置の範囲内にある画素の輝度値または色値の前記周波
数係数から、電子透かしとして埋め込まれた前記独自情
報を抽出するようにしたので、前記独自情報が前記少な
くとも1つの前景オブジェクトの、画素の輝度値または
色値の前記周波数係数に埋め込まれた画像データから、
前記独自情報を効率良く抽出することができ、前記独自
情報が埋め込まれた画像データをモニターで表示する際
に、前記独自情報による、前記各前景オブジェクト及び
背景オブジェクトの合成画像の画質の劣化が少ない。
【0315】また、本発明の請求項42に記載の電子透
かし抽出方法によれば、請求項36記載の電子透かし抽
出方法において、前記独自情報が、前記埋め込み開始時
刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくと
も1つの画像フレーム内の、完全に透明な状態及び完全
に不透明な状態の間の状態が任意の値をもつ透過度で表
される形状情報を有する、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または
色値に、電子透かしとして埋め込まれているとき、前記
抽出領域検出ステップは、前記埋め込み開始時刻と前記
埋め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制御信
号により指定される画像フレーム内にある、前記各前景
オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を抽出領域と
して検出し、前記空間領域電子透かし抽出ステップにお
いて、前記抽出領域に対応する前記各前景オブジェクト
及び背景オブジェクトにおける領域内の、前記抽出制御
信号で指定する、輝度ブロックまたは色ブロック単位の
埋め込み開始位置から、上下左右方向を組み合わせた8
方向のうちの1つである埋め込み方向に、前記独自情報
のデータ量である埋め込みデータサイズで指定される、
前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色
値から、電子透かしとして埋め込まれた前記独自情報を
抽出するようにしたので、前記独自情報が前記少なくと
も1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの、画
素の輝度値または色値に分配されて電子透かしとして埋
め込まれた画像データから、前記独自情報を効率良く抽
出することができ、前記独自情報が埋め込まれた画像デ
ータをモニターで表示する際に、前記独自情報による、
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの合成画
像の画質の劣化が少ない。
【0316】また、本発明の請求項43に記載の電子透
かし抽出方法によれば、請求項37記載の電子透かし抽
出方法において、前記独自情報が、前記埋め込み開始時
刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくと
も1つの画像フレーム内の、完全に透明な状態及び完全
に不透明な状態の間の状態が任意の値をもつ透過度で表
される形状情報を有する、前記少なくとも1つの前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または
色値の前記周波数係数に、電子透かしとして埋め込まれ
ているとき、前記抽出領域検出ステップは、前記埋め込
み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示され
る、前記抽出制御信号により指定される画像フレーム内
にある、前記各前景オブジェクトの形状情報が重なり合
う領域を検出し、前記重なり合う領域内の輝度ブロック
または色ブロック内の前記画素の輝度値または色値の前
記周波数係数の直流成分を中心として前記周波数係数単
位の四分円の半径である最低周波数境界と最高周波数境
界との間にある前記周波数係数を、抽出領域として検出
し、前記周波数領域電子透かし抽出ステップは、前記抽
出領域に対応する前記各前景オブジェクト及び背景オブ
ジェクトにおける領域内の、前記抽出制御信号で指定す
る、前記周波数係数単位の埋め込み開始位置から、上下
左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め
込み方向に、前記独自情報のデータ量である埋め込みデ
ータサイズで指定される、前記埋め込み位置の範囲内に
ある画素の輝度値または色値の前記周波数係数から、前
記電子透かしとして埋め込まれた独自情報を抽出するよ
うにしたので、前記独自情報が前記少なくとも1つの前
景オブジェクト及び背景オブジェクトの、画素の輝度値
または色値の前記周波数係数に分配された後、前記各前
景オブジェクト及び背景オブジェクトに電子透かしとし
て埋め込まれた画像データから、前記独自情報を効率良
く抽出することができ、前記独自情報が埋め込まれた画
像データをモニターで表示する際に、前記独自情報によ
る、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの合
成画像の画質の劣化が少ない。
【0317】また、本発明の請求項44に記載のデータ
記録媒体によれば、コンピュータに、画像データを符号
化し、かつ前記画像データを構成する、少なくとも1つ
の前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの、画素の
輝度値または色値に、著作権情報等の独自情報を電子透
かしとして埋め込む処理を実行させるための電子透かし
埋め込みプログラムが記録されたデータ記録媒体であっ
て、前記電子透かし埋め込みプログラムは、前記独自情
報、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む開始時点
及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及び埋め込み
終了時刻等の電子透かしを埋め込むために必要な埋め込
み制御情報、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及
び背景オブジェクトの表示位置や前後関係を指定する表
示制御情報、及び前記埋め込み制御情報等を基にして電
子透かしを抽出するために必要な抽出制御情報を生成
し、符号化制御信号、及び前記埋め込み制御情報を基に
して生成した埋め込み制御信号により、前記画像データ
の符号化及び電子透かしの埋め込みを制御する埋め込み
・符号化制御ステップと、前記埋め込み制御信号に応じ
て、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との
間に表示される、少なくとも1つの画像フレーム内にあ
る、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報
から、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む、埋め
込み領域を検出する埋め込み領域検出ステップと、前記
埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内の、電
子透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め込み位
置決定ステップと、前記埋め込み制御信号に応じて、前
記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景オブジ
ェクトにおける前記埋め込み領域内の、前記埋め込み位
置の範囲内にある画素の輝度値または色値に、前記独自
情報を電子透かしとして埋め込む空間領域電子透かし埋
め込みステップと、前記表示制御情報及び前記抽出制御
情報を符号化する制御情報符号化ステップとを含むよう
にしたので、コンピュータによって、前記少なくとも1
つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトから構成さ
れる画像データの画素の輝度値または色値に対して、前
記独自情報を電子透かしとして効率良く埋め込むことが
できる。
【0318】また、本発明の請求項45に記載のデータ
記録媒体によれば、コンピュータに、画像データを符号
化し、かつ前記画像データを構成する、少なくとも1つ
の前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの、画素の
輝度値または色値の時間周波数変換後の周波数係数に、
著作権情報等の独自情報を電子透かしとして埋め込む処
理を実行させるための電子透かし埋め込みプログラムが
記録されたデータ記録媒体であって、前記電子透かし埋
め込みプログラムは、前記独自情報、前記独自情報を電
子透かしとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定す
る埋め込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の電子透か
しを埋め込むために必要な埋め込み制御情報、前記少な
くとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクトの
表示位置や前後関係を指定する表示制御情報、及び前記
埋め込み制御情報等を基にして電子透かしを抽出するた
めに必要な抽出制御情報を生成し、符号化制御信号、及
び前記埋め込み制御情報を基にして生成した埋め込み制
御信号により、前記画像データの符号化及び電子透かし
の埋め込みを制御する埋め込み・符号化制御ステップ
と、前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始
時刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少な
くとも1つの画像フレーム内にある、前記少なくとも1
つの前景オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を
電子透かしとして埋め込む、埋め込み領域を検出する埋
め込み領域検出ステップと、前記埋め込み制御信号に応
じて、前記埋め込み領域内の、電子透かしを埋め込む埋
め込み位置を決定する埋め込み位置決定ステップと、前
記埋め込み制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前
景オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記埋
め込み領域内の、前記埋め込み位置の範囲内にある画素
の輝度値または色値の前記周波数係数に、前記独自情報
を電子透かしとして埋め込む周波数領域電子透かし埋め
込みステップと、前記表示制御情報及び前記抽出制御情
報を符号化する制御情報符号化ステップとを含むように
したので、コンピュータによって、前記少なくとも1つ
の前景オブジェクト及び背景オブジェクトから構成され
る画像データの画素の輝度値または色値の前記周波数係
数に対して前記独自情報を電子透かしとして効率良く埋
め込むことができる。
【0319】また、本発明の請求項46に記載のデータ
記録媒体によれば、コンピュータに、符号化された画像
データを復号し、かつ前記符号化された画像データを構
成する、少なくとも1つの符号化された前景オブジェク
トまたは符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値
または色値から、電子透かしとして埋め込まれた著作権
情報等の独自情報を抽出する処理を実行させるための電
子透かし抽出プログラムが記録されたデータ記録媒体で
あって、前記電子透かし抽出プログラムは、前記符号化
された画像データに前記独自情報を電子透かしとして埋
め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時
刻及び埋め込み終了時刻等の、前記電子透かしを抽出す
るために必要な符号化された抽出制御情報、及び前記少
なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクト
の表示位置や前後関係を指定する符号化された表示制御
情報を復号する制御情報復号ステップと、前記抽出制御
情報及び表示制御情報から、抽出制御信号及び表示制御
信号を生成し、前記符号化された画像データの復号及び
電子透かしの抽出を制御する抽出・復号制御ステップ
と、前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時
刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なく
とも1つの画像フレーム内にある前記少なくとも1つの
前景オブジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子
透かしとして埋め込まれている領域を、抽出領域として
検出する抽出領域検出ステップと、前記抽出制御信号に
応じて、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは
背景オブジェクトにおける前記抽出領域内の、前記抽出
制御信号で指定される、前記電子透かしが埋め込まれて
いる前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値また
は色値から、前記独自情報を抽出する空間領域電子透か
し抽出ステップと、前記表示制御信号に応じて、前記少
なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクト
を1つの画面に合成してモニターに表示する画像合成ス
テップとを含むようにしたので、コンピュータにより、
前記独自情報が前記少なくとも1つの前景オブジェクト
または背景オブジェクトの画素の輝度値または色値に埋
め込まれた画像データから、前記独自情報を効率良く抽
出することができ、前記独自情報が埋め込まれた画像デ
ータをモニターで表示する際に、前記独自情報による、
前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトの合成画
像の画質の劣化がないか、少ない。
【0320】また、本発明の請求項47に記載のデータ
記録媒体によれば、コンピュータに、符号化された画像
データを復号し、かつ前記符号化された画像データを構
成する、少なくとも1つの符号化された前景オブジェク
トまたは符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値
または色値の時間周波数係数変換後の周波数係数から、
電子透かしとして埋め込まれた著作権情報等の独自情報
を抽出する処理を実行させるための電子透かし抽出プロ
グラムが記録されたデータ記録媒体であって、前記電子
透かし抽出プログラムは、前記符号化された画像データ
に前記独自情報を電子透かしとして埋め込む開始時点及
び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及び埋め込み終
了時刻等の、前記電子透かしを抽出するために必要な符
号化された抽出制御情報、及び前記少なくとも1つの前
景オブジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後
関係を指定する符号化された表示制御情報を復号する制
御情報復号ステップと、前記抽出制御情報及び表示制御
情報から、抽出制御信号及び表示制御信号を生成し、前
記符号化された画像データの復号及び電子透かしの抽出
を制御する抽出・復号制御ステップと、前記抽出制御信
号で指定される前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終
了時刻との間に表示される、少なくとも1つの画像フレ
ーム内にある前記少なくとも1つの前景オブジェクトの
形状情報から、前記独自情報が電子透かしとして埋め込
まれている領域を抽出領域として検出する抽出領域検出
ステップと、前記抽出制御信号に応じて、前記少なくと
も1つの前景オブジェクトまたは背景オブジェクトにお
ける前記抽出領域内の、前記抽出制御信号で指定され
る、前記電子透かしが埋め込まれている前記埋め込み位
置の範囲内にある画素の輝度値または色値の前記周波数
係数から、前記独自情報を抽出する周波数領域電子透か
し抽出ステップと、前記表示制御信号に応じて、前記少
なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジェクト
を1つの画面に合成してモニターに表示する画像合成ス
テップとを含むようにしたので、コンピュータにより、
前記独自情報が前記少なくとも1つの前景オブジェクト
及び背景オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記
周波数係数に埋め込まれた画像データから、前記独自情
報を効率良く抽出することができ、前記独自情報が埋め
込まれた画像データをモニターで表示する際に、前記独
自情報による、前記各前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトの合成画像の画質の劣化がないか、少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、電子透かし埋め込み装置及び
電子透かし抽出装置を用いたシステムの構成図である。
【図2】本発明における、少なくとも1つの前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトからなる画像データの構成
を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における、電子透かし埋め
込み装置の構成を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態における、電子透かし抽出
装置の構成を示した図である。
【図5】本発明の実施の形態1における、一定期間内に
表示される前景オブジェクトの形状情報の画像フレーム
間での重なり領域を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1における、前景オブジェ
クトの形状情報の画像フレーム間での重なり領域から電
子透かしの埋め込み領域を検出する説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1における、前景オブジェ
クトの形状情報の画像フレーム間での重なり領域内から
検出した電子透かしの埋め込み領域に、暗号化された独
自情報を電子透かしとして埋め込む方法を示す図であ
る。
【図8】本発明の実施の形態1における、メタデータ化
した符号化された抽出制御情報の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1の変形例における、輝度
ブロック内の画素の輝度値の周波数係数に独自情報を埋
め込む場合の埋め込み領域を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2における、前景オブジ
ェクトのエッジ部分にある埋め込み領域を示す図であ
る。
【図11】本発明の実施の形態2における、前景オブジ
ェクトのパディング領域にある埋め込み領域を示す図で
ある。
【図12】本発明の実施の形態2の変形例における、前
景オブジェクトのエッジ部分にある画素の輝度値の周波
数係数への埋め込み領域を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態3における、画面を構成
する少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報が任
意の値の透過度を持つ画像データを示す図である。
【図14】本発明の実施の形態3における、画面を構成
する少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報が任
意の値の透過度を持つ画像データの、前景オブジェクト
及び背景オブジェクトの埋め込み領域に暗号化された独
自情報を電子透かしとして埋め込む方法を示す図であ
る。
【図15】本発明の実施の形態3における、形状情報が
任意の値の透過度を持つ、少なくとも1つの前景オブジ
ェクト及び背景オブジェクトの埋め込み領域に暗号化さ
れた独自情報を前記各前景オブジェクト及び背景オブジ
ェクトに分配する方法を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態における、独自情報を画
像データを構成する少なくとも1つの前景オブジェクト
及び背景オブジェクトの画素の輝度値または色値に埋め
込む場合の一連の動作を示すフローチャート図である。
【図17】本発明の実施の形態の変形例における、独自
情報を画像データを構成する少なくとも1つの前景オブ
ジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または色
値の周波数係数に埋め込む場合の一連の動作を示すフロ
ーチャート図である。
【図18】本発明の実施の形態における、符号化された
画像データを構成する少なくとも1つの前景オブジェク
ト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または色値から
電子透かしとして埋め込まれた独自情報を抽出する場合
の一連の動作を示すフローチャート図である。
【図19】本発明の実施の形態の変形例における、符号
化された画像データを構成する少なくとも1つの前景オ
ブジェクト及び背景オブジェクトの画素の輝度値または
色値の周波数係数から電子透かしとして埋め込まれた独
自情報を抽出する場合の一連の動作を示すフローチャー
ト図である。
【図20】本発明の実施の形態及びその変形例におけ
る、電子透かしの埋め込み、または電子透かしの抽出
を、電子透かし埋め込みプログラム、または電子透かし
抽出プログラムを格納したフレキシブルディスクを用い
て、コンピュータシステムにより実施する方法を説明す
る図である。
【図21】従来の電子透かしの埋め込み方式を説明する
図である。
【符号の説明】
1 埋め込み・符号化制御手段 2 制御情報符号化手段 3 多重化手段 4A〜4C 減算手段 5A〜5P スイッチ 6 DCT変換手段 7 量子化手段 8 可変長符号化手段 9 空間領域電子透かし埋め込み手段 10 周波数領域電子透かし埋め込み手段 11 パディング手段 12 逆量子化手段 13 逆DCT変換手段 14 電子透かし削除手段 15A〜15F 加算手段 16 動き補償手段 17 フレームメモリ 18 動き検出手段 19 形状符号化手段 20 形状動き補償手段 21 形状動き検出手段 22 形状情報メモリ 23 埋め込み領域検出手段 24 埋め込み位置決定手段 25 抽出・復号制御手段 26 多重分離手段 27 制御情報復号手段 28 可変長復号手段 29 周波数領域電子透かし抽出手段 30 空間領域電子透かし抽出手段 31 画像合成手段 32 形状復号手段 33 抽出領域検出手段 35 複数の画像フレーム 36,53 前景オブジェクト 37 背景オブジェクト 38 画像フレーム 39a〜39e 画像フレーム 40 前景オブジェクトを重ね合わせた画像フレーム 41 重なり領域 42,59 埋め込み領域 43 字形「S」を完全に含む平面 44 字形「S」を完全に含む平面内の輝度マクロブロ
ックサイズのブロック 45 暗号鍵 46,52 暗号化された独自情報のブロック 47 埋め込み開始位置 48 埋め込み方向 49 埋め込みデータサイズ 50 輝度ブロックサイズで分割した文字データ 51 輝度ブロックサイズで分割した文字データを2次
元平面に配列したブロック 54 前景オブジェクトが有する形状情報のエッジ 55 形状適応DCT変換後の量子化DCT係数が存在
する領域の境界 56〜58 前景オブジェクトA〜C 60 背景オブジェクトBg 61 暗号化された独自情報のブロック 62〜65 少なくとも1つの前景オブジェクトおよび
背景オブジェクトに分配された暗号化された独自情報の
ブロック 66 原画像 67 埋め込み演算器 68 独自情報が埋め込まれた画像 69 乗算器 70 独自情報 71 輝度マクロブロックを構成する各輝度ブロック内
の周波数係数への電子透かしの埋め込み領域 100 電子透かし埋め込み装置 200 電子透かし抽出装置 s101 抽出制御情報 s102 符号化制御信号 s103 独自情報 s104 埋め込み制御信号 s105 埋め込み位置情報 s106 表示制御情報 s107 復号制御信号 s108 抽出制御信号 s109 表示制御信号 s110 背景オブジェクトの画素の輝度値及び色値 s111 背景オブジェクトの画素の誤差輝度値及び誤
差色値 s210 少なくとも1つの前景オブジェクトの画素の
輝度値及び色値 s211 パディング後の少なくとも1つの前景オブジ
ェクト s212 少なくとも1つの前景オブジェクトの画素の
誤差輝度値及び誤差色値 s220 少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情
報 s221 前景オブジェクトの形状情報s220の予測
誤差である誤差形状情報 s231 電子透かしが埋め込まれた少なくとも1つの
前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの画素の誤差
輝度値及び誤差色値 s232 電子透かしが埋め込まれた少なくとも1つの
前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの量子化DC
T係数 s251 少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの動きベクトル s261 少なくとも1つの前景オブジェクトの形状情
報の形状動きベクトル s300 ビットストリームまたはファイル s301 符号化された表示制御情報 s302 符号化された抽出制御情報 s303 背景オブジェクトの符号化された量子化DC
T係数 s304 少なくとも1つの前景オブジェクトの符号化
された量子化DCT係数 s305 少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景
オブジェクトの符号化された動きベクトル s306 少なくとも1つの前景オブジェクトの符号化
された形状動きベクトル s307 少なくとも1つの前景オブジェクトの符号化
形状情報
フロントページの続き Fターム(参考) 5C053 FA13 FA24 GB06 GB21 GB40 JA21 5C059 KK43 MA00 MA35 PP16 PP28 PP29 RB09 RB18 RC28 RC35 SS20 5C063 AB03 AC01 AC10 CA11 CA29 CA36 DA01 DA07 DA13 DA20 5J104 AA14 PA14

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データを符号化し、かつ前記画像デ
    ータを構成する、少なくとも1つの前景オブジェクトま
    たは背景オブジェクトの、画素の輝度値または色値に、
    著作権情報等の独自情報を電子透かしとして埋め込む電
    子透かし埋め込み装置において、 前記独自情報、前記独自情報を電子透かしとして埋め込
    む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及
    び埋め込み終了時刻等の前記電子透かしを埋め込むため
    に必要な埋め込み制御情報、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関
    係を指定する表示制御情報、及び前記埋め込み制御情報
    等を基にして電子透かしを抽出するために必要な抽出制
    御情報を生成し、符号化制御信号及び前記埋め込み制御
    情報を基にして作成した埋め込み制御信号により、前記
    画像データの符号化、及び電子透かしの埋め込みを制御
    する埋め込み・符号化制御手段と、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始時刻
    と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくと
    も1つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む埋め込み領域を検出する埋め込み領域
    検出手段と、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内
    の、電子透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め
    込み位置決定手段と、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記少なくとも1つの
    前景オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記
    埋め込み領域内の、前記埋め込み位置の範囲内にある画
    素の輝度値または色値に、前記独自情報を電子透かしと
    して埋め込む空間領域電子透かし埋め込み手段と、 前記表示制御情報及び前記抽出制御情報を符号化する制
    御情報符号化手段と、を備える、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  2. 【請求項2】 画像データを符号化し、かつ前記画像デ
    ータを構成する、少なくとも1つの前景オブジェクトま
    たは背景オブジェクトの、画素の輝度値または色値の時
    間周波数変換後の周波数係数に、著作権情報等の独自情
    報を電子透かしとして埋め込む電子透かし埋め込み装置
    において、 前記独自情報、前記独自情報を電子透かしとして埋め込
    む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及
    び埋め込み終了時刻等の前記電子透かしを埋め込むため
    に必要な埋め込み制御情報、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関
    係を指定する表示制御情報、及び前記埋め込み制御情報
    等を基にして電子透かしを抽出するために必要な抽出制
    御情報を生成し、符号化制御信号及び前記埋め込み制御
    情報を基にして作成した埋め込み制御信号により、前記
    画像データの符号化、及び電子透かしの埋め込みを制御
    する埋め込み・符号化制御手段と、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始時刻
    と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくと
    も1つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む埋め込み領域を検出する埋め込み領域
    検出手段と、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内
    の、電子透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め
    込み位置決定手段と、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記少なくとも1つの
    前景オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記
    埋め込み領域内の、前記埋め込み位置の範囲内にある画
    素の輝度値または色値の前記周波数係数に、前記独自情
    報を電子透かしとして埋め込む周波数領域電子透かし埋
    め込み手段と、 前記表示制御情報及び前記抽出制御情報を符号化する制
    御情報符号化手段と、を備える、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電子透かし埋め込み装置
    において、 前記空間領域電子透かし埋め込み手段により、前記独自
    情報が電子透かしとして埋め込まれた前記少なくとも1
    つの前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの画素の
    輝度値または色値から、前記独自情報を削除して、元の
    画像データの画素の輝度値または色値に戻す、電子透か
    し削除手段を備え、 電子透かしの埋め込まれた前記各前景オブジェクトまた
    は背景オブジェクトを圧縮符号化する際には、前記電子
    透かし削除手段から出力される前記各前景オブジェクト
    または背景オブジェクトを参照画像データとして用い
    て、予測符号化を行う、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電子透かし埋め込み装置
    において、 前記埋め込み領域検出手段は、前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1
    つの画像フレーム内にある、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報が全て重なり合う領域を、前記
    埋め込み領域として検出し、 前記埋め込み位置決定手段は、前記埋め込み領域に対応
    する前記背景オブジェクトにおける領域内の、輝度ブロ
    ックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置、及び上
    下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋
    め込み方向を、前記領域内の画素の輝度値または色値の
    分布状態より設定するとともに、前記領域内の埋め込み
    データサイズを、前記独自情報を基にして設定すること
    で、前記埋め込み位置を決定し、 前記空間領域電子透かし埋め込み手段は、前記背景オブ
    ジェクトにおける前記領域内の、前記埋め込み位置であ
    る前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記埋
    め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値また
    は色値に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の電子透かし埋め込み装置
    において、 前記埋め込み領域検出手段は、前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1
    つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景オブ
    ジェクトの形状情報が全て重なり合う重なり領域を検出
    して、前記重なり領域内の輝度ブロックまたは色ブロッ
    ク内の、画素の輝度値または色値の前記周波数係数の直
    流成分を中心とした前記周波数係数単位の四分円の半径
    である最低周波数境界と最高周波数境界との間にある前
    記周波数係数を、前記埋め込み領域として検出し、 前記埋め込み位置決定手段は、前記埋め込み領域に対応
    する前記背景オブジェクトにおける領域内の、前記周波
    数係数単位の埋め込み開始位置、及び上下左右方向を組
    み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み方向を、
    前記領域内の画素の輝度値または色値の分布状態より設
    定するとともに、前記領域内の埋め込みデータサイズ
    を、前記独自情報を基にして設定することで、前記埋め
    込み位置を決定し、 前記周波数領域電子透かし埋め込み手段は、前記背景オ
    ブジェクトにおける前記領域内の、前記埋め込み位置で
    ある前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記
    埋め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値ま
    たは色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電子透かし埋め込み装置
    において、 前記埋め込み領域検出手段は、前記少なくとも1つの前
    景オブジェクトの形状の輪郭線であるエッジから、前記
    各前景オブジェクトの形状領域の内部方向またはパディ
    ング領域方向に、画素の輝度値または色値単位で埋め込
    み領域幅を設定することにより、前記埋め込み領域を検
    出し、 前記埋め込み位置決定手段は、前記埋め込み領域内の、
    輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位
    置、及び上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1
    つである埋め込み方向を、前記各前景オブジェクトの動
    き状態より設定するとともに、前記埋め込み領域内の埋
    め込みデータサイズを、前記独自情報を基にして設定す
    ることで、前記埋め込み位置を決定し、 前記空間領域電子透かし埋め込み手段は、前記少なくと
    も1つの前景オブジェクトにおける前記埋め込み領域内
    の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位置から
    前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲内
    にある、画素の輝度値または色値に、前記独自情報を電
    子透かしとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の電子透かし埋め込み装置
    において、 前記埋め込み領域検出手段は、前記埋め込み領域内の、
    前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状の輪郭線
    であるエッジを含む輝度ブロックまたは色ブロックの境
    界ブロック内の、前記各前景オブジェクトの形状情報に
    応じて配置される画素の輝度値または色値の前記周波数
    係数の外側で、かつ前記境界ブロック内の前記周波数係
    数の直流成分を中心とした前記周波数係数単位の四分円
    の半径である最低周波数境界と最高周波数境界との間
    に、前記周波数係数単位で埋め込み領域幅を設定するこ
    とにより、前記埋め込み領域を検出し、 前記埋め込み位置決定手段は、前記埋め込み領域内の、
    前記周波数係数単位の埋め込み開始位置、及び上下左右
    方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み
    方向を、前記各前景オブジェクトの動き状態より設定す
    るとともに、前記埋め込み領域内の埋め込みデータサイ
    ズを、前記独自情報を基にして設定することで、前記埋
    め込み位置を決定し、 前記周波数領域電子透かし埋め込み手段は、前記少なく
    とも1つの前景オブジェクトにおける前記埋め込み領域
    内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位置か
    ら前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲
    内にある、画素の輝度値または色値の前記周波数係数
    に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  8. 【請求項8】 請求項5または請求項7記載の電子透か
    し埋め込み装置において、 前記埋め込み領域検出手段は、画素の輝度値または色値
    の前記周波数係数の最低周波数境界及び最高周波数境界
    を、画質への影響が最小になる帯域、または前記埋め込
    み領域検出手段より後段で使用されるフィルタの帯域を
    基にして決定する、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の電子透かし埋め込み装置
    において、 前記埋め込み領域検出手段は、前記少なくとも1つの前
    景オブジェクトの形状のエッジから、前記各前景オブジ
    ェクトの形状領域の内部方向に設定する前記埋め込み領
    域幅を、前記各前景オブジェクトのエッジ付近にある画
    素の輝度値または色値と、前記各前景オブジェクトのエ
    ッジ付近にある背景オブジェクトの画素の輝度値または
    色値との平均値の差、または前記各前景オブジェクトの
    エッジ付近にある前記各前景オブジェクト及び背景オブ
    ジェクトの画素の輝度値または色値の分散値に比例する
    よう設定する、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  10. 【請求項10】 請求項6または請求項7記載の電子透
    かし埋め込み装置において、 前記埋め込み位置決定手段は、前記少なくとも1つの前
    景オブジェクトが静止物体であるとき、前記各前景オブ
    ジェクトのエッジ付近にある埋め込み領域内の画素の輝
    度値または色値の分散値が大きい部分に、前記埋め込み
    開始位置及び前記埋め込み方向を設定し、 前記各前景オブジェクトが移動物体であるとき、前記埋
    め込み領域内の前記各前景オブジェクトの移動方向と反
    対側のエッジ付近にある埋め込み領域内の画素の輝度値
    または色値に、前記埋め込み開始位置及び前記埋め込み
    方向を設定する、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の電子透かし埋め込み装
    置において、 前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に
    表示される少なくとも1つの画像フレーム内の、前記少
    なくとも1つの前景オブジェクトにおける、完全に透明
    な状態及び完全に不透明な状態の間の状態が任意の値を
    もつ透過度で表される形状情報を有するとき、 前記埋め込み領域検出手段は、前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1
    つの画像フレーム内にある、前記各前景オブジェクトの
    形状情報が重なり合う領域を、前記埋め込み領域として
    検出し、 前記埋め込み位置決定手段は、前記埋め込み領域に対応
    する、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに
    おける領域内の、輝度ブロックまたは色ブロック単位の
    埋め込み開始位置、及び上下左右方向を組み合わせた8
    方向のうちの1つである埋め込み方向を、前記領域内の
    画素の輝度値または色値の分布状態より設定するととも
    に、前記領域内の埋め込みデータサイズを、前記独自情
    報を基にして設定することで、前記埋め込み位置を決定
    し、 前記空間領域電子透かし埋め込み手段は、前記各前景オ
    ブジェクトの形状情報の透過度より算出した割合で、前
    記独自情報を前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
    クトに分配するとともに、前記各前景オブジェクト及び
    背景オブジェクトの前記領域内の、前記埋め込み位置で
    ある前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前記
    埋め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値ま
    たは色値に、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
    クトに分配された前記独自情報を電子透かしとして埋め
    込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  12. 【請求項12】 請求項2記載の電子透かし埋め込み装
    置において、 前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に
    表示される少なくとも1つの画像フレーム内の、前記少
    なくとも1つの前景オブジェクトにおける、完全に透明
    な状態及び完全に不透明な状態の間の状態が任意の値を
    もつ透過度で表される形状情報を有するとき、 前記埋め込み領域検出手段は、前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくとも1
    つの画像フレーム内にある、前記各前景オブジェクトの
    形状情報が重なり合う領域を、前記埋め込み領域として
    検出し、 前記埋め込み位置決定手段は、前記埋め込み領域に対応
    する、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェクトに
    おける領域内の、輝度ブロックまたは色ブロック単位の
    埋め込み開始位置、及び上下左右方向を組み合わせた8
    方向のうちの1つである埋め込み方向を、前記領域内の
    画素の輝度値または色値の分布状態より設定するととも
    に、前記領域内の埋め込みデータサイズを、前記独自情
    報を基にして設定することで、前記埋め込み位置を決定
    し、 前記周波数領域電子透かし埋め込み手段は、前記各前景
    オブジェクトの形状情報の透過度より算出した割合で、
    前記独自情報を前記各前景オブジェクト及び背景オブジ
    ェクトに分配するとともに、前記各前景オブジェクト及
    び背景オブジェクトの前記領域内の、前記埋め込み位置
    である前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前
    記埋め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値
    または色値の前記周波数係数に、前記各前景オブジェク
    ト及び背景オブジェクトに分配された前記独自情報を電
    子透かしとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  13. 【請求項13】 請求項1または請求項2記載の電子透
    かし埋め込み装置において、 前記制御情報符号化手段は、前記抽出制御情報と、前記
    表示制御情報とを、メタデータまたはバイナリデータと
    して符号化する、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  14. 【請求項14】 請求項1または請求項2記載の電子透
    かし埋め込み装置において、 前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブジ
    ェクトからなる符号化された画像データと、前記少なく
    とも1つの前景オブジェクトの符号化された形状情報
    と、メタデータ及びバイナリデータに符号化された前記
    抽出制御情報及び前記表示制御情報とを多重化して、ス
    トリームとして出力するか、 前記少なくとも1つの符号化された前景オブジェクト
    と、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの符号化さ
    れた形状情報とを1つのデータ単位とし、符号化された
    前記背景オブジェクトを1つのデータ単位とし、前記メ
    タデータ及びバイナリデータに符号化された前記抽出制
    御情報及び前記表示制御情報を1つのデータ単位とし、
    前記各データ単位毎に、少なくとも識別情報及びデータ
    サイズを設定したヘッダ情報を付加した後に多重化して
    ファイルに記録して出力する、ことを特徴とする電子透
    かし埋め込み装置。
  15. 【請求項15】 請求項1または請求項2記載の電子透
    かし埋め込み装置において、 前記空間領域電子透かし埋め込み手段、もしくは前記周
    波数領域電子透かし埋め込み手段は、前記独自情報を前
    記埋め込み制御信号で指定する暗号鍵を用いて暗号化し
    た後、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは前
    記背景オブジェクトの画素の輝度値または色値、もしく
    は画素の輝度値または色値の前記周波数係数に、暗号化
    された前記独自情報を電子透かしとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  16. 【請求項16】 符号化された画像データを構成する、
    少なくとも1つの符号化された前景オブジェクトまたは
    符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値または色
    値から、電子透かしとして埋め込まれた著作権情報等の
    独自情報を抽出し、かつ前記符号化された画像データを
    復号する電子透かし抽出装置において、 前記符号化された画像データに前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め
    込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の、前記電子透か
    しを抽出するために必要な符号化された抽出制御情報、
    及び前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び前記背
    景オブジェクトの表示位置や前後関係を指定する符号化
    された表示制御情報を復号する制御情報復号手段と、 前記符号化された画像データの復号、及び電子透かしの
    抽出を制御し、前記抽出制御情報及び表示制御情報か
    ら、抽出制御信号及び表示制御信号を生成する抽出・復
    号制御手段と、 前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくとも
    1つの画像フレーム内にある前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子透か
    しとして埋め込まれている領域を、抽出領域として検出
    する抽出領域検出手段と、 前記抽出制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記抽出
    領域内の前記抽出制御信号で指定される、前記電子透か
    しが埋め込まれている前記埋め込み位置の範囲内にある
    画素の輝度値または色値から、前記独自情報を抽出する
    空間領域電子透かし抽出手段と、 前記表示制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合成
    して、モニターに表示する画像合成手段と、を備える、 ことを特徴とする電子透かし抽出装置。
  17. 【請求項17】 符号化された画像データを構成する、
    少なくとも1つの符号化された前景オブジェクトまたは
    符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値または色
    値の時間周波数変換後の周波数係数から、電子透かしと
    して埋め込まれた著作権情報等の独自情報を抽出し、か
    つ前記符号化された画像データを復号する電子透かし抽
    出装置において、 前記符号化された画像データに前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め
    込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の、前記電子透か
    しを抽出するために必要な符号化された抽出制御情報、
    及び前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オ
    ブジェクトの表示位置や前後関係を指定する符号化され
    た表示制御情報を復号する制御情報復号手段と、 前記符号化された画像データの復号、及び電子透かしの
    抽出を制御し、前記抽出制御情報及び表示制御情報か
    ら、抽出制御信号及び表示制御信号を生成する抽出・復
    号制御手段と、 前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくとも
    1つの画像フレーム内にある前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子透か
    しとして埋め込まれている領域を抽出領域として検出す
    る抽出領域検出手段と、 前記抽出制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記抽出
    領域内の前記抽出制御信号で指定される、前記電子透か
    しが埋め込まれている埋め込み位置の範囲内にある、画
    素の輝度値または色値の前記周波数係数から、前記独自
    情報を抽出する周波数領域電子透かし抽出手段と、 前記表示制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合成
    して、モニターに表示する画像合成手段と、を備える、 ことを特徴とする電子透かし抽出装置。
  18. 【請求項18】 請求項16記載の電子透かし抽出装置
    において、 前記独自情報が、前記背景オブジェクトの画素の輝度値
    または色値に、電子透かしとして埋め込まれていると
    き、 前記抽出領域検出手段は、前記埋め込み開始時刻と前記
    埋め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制御信
    号により指定される画像フレーム内にある、前記少なく
    とも1つの前景オブジェクトの形状情報が重なり合う領
    域を抽出領域として検出し、 前記空間領域電子透かし抽出手段は、前記抽出領域に対
    応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、前記抽
    出制御信号で指定する輝度ブロックまたは色ブロック単
    位の埋め込み開始位置から、上下左右方向を組み合わせ
    た8方向のうちの1つである埋め込み方向に、前記独自
    情報のデータ量である埋め込みデータサイズで指定され
    る前記埋め込み位置の、画素の輝度値または色値から、
    電子透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出す
    る、 ことを特徴とする電子透かし抽出装置。
  19. 【請求項19】 請求項17記載の電子透かし抽出装置
    において、 前記独自情報が、前記背景オブジェクトの画素の輝度値
    または色値の前記周波数係数に、電子透かしとして埋め
    込まれているとき、 前記抽出領域検出手段は、前記埋め込み開始時刻と前記
    埋め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制御信
    号により指定される画像フレーム内にある、前記少なく
    とも1つの前景オブジェクトの形状情報が重なり合う重
    なり領域を検出し、前記重なり領域内の輝度ブロックま
    たは色ブロック内の画素の輝度値または色値の前記周波
    数係数の直流成分を中心とした前記周波数係数単位の四
    分円の半径である最低周波数境界と最高周波数境界との
    間にある前記周波数係数を、抽出領域として検出し、 前記周波数領域電子透かし抽出手段は、前記抽出領域に
    対応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、前記
    抽出制御信号で指定する前記周波数係数単位の埋め込み
    開始位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向のう
    ちの1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデータ
    量である埋め込みデータサイズで指定される、前記埋め
    込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値の前記
    周波数係数から、電子透かしとして埋め込まれた前記独
    自情報を抽出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出装置。
  20. 【請求項20】 請求項16記載の電子透かし抽出装置
    において、 前記独自情報が、前記少なくとも1つの前景オブジェク
    トの輝度値または色値に、電子透かしとして埋め込まれ
    ているとき、 前記抽出領域検出手段は、前記抽出制御信号により指定
    される画像フレーム内にある、前記抽出制御信号により
    指定される、前記各前景オブジェクトの形状の輪郭であ
    るエッジから、前記各前景オブジェクトの形状領域の内
    部方向またはパディング領域方向への、画素の輝度値ま
    たは色値単位の埋め込み領域幅を、抽出領域として検出
    し、 前記空間領域電子透かし抽出手段は、前記少なくとも1
    つの前景オブジェクトにおける前記抽出領域内の前記抽
    出制御信号で指定する、輝度ブロックまたは色ブロック
    単位の埋め込み開始位置から、上下左右方向を組み合わ
    せた8方向のうちの1つである埋め込み方向に、前記独
    自情報のデータ量である埋め込みデータサイズで指定さ
    れる、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値ま
    たは色値から、電子透かしとして埋め込まれた前記独自
    情報を抽出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出装置。
  21. 【請求項21】 請求項17記載の電子透かし抽出装置
    において、 前記独自情報が、前記少なくとも1つの前景オブジェク
    トの画素の輝度値または色値の前記周波数係数に、電子
    透かしとして埋め込まれているとき、 前記抽出領域検出手段は、前記抽出制御信号により指定
    される画像フレーム内にある、前記抽出制御信号により
    指定される、前記各前景オブジェクトの形状の輪郭であ
    るエッジを含む画素の輝度ブロックまたは色ブロックの
    境界ブロック内の、前記各前景オブジェクトの形状情報
    に応じて配置される画素の輝度値または色値の前記周波
    数係数の外側で、かつ前記境界ブロック内の前記周波数
    係数の直流成分を中心とした前記周波数係数単位の四分
    円の半径である最低周波数境界と最高周波数境界との間
    にある前記周波数係数単位の埋め込み領域幅を、抽出領
    域として検出し、 前記周波数領域電子透かし抽出手段は、前記少なくとも
    1つの前景オブジェクトにおける前記抽出領域内の前記
    抽出制御信号で指定する、前記周波数係数単位の埋め込
    み開始位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向の
    うちの1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデー
    タ量である埋め込みデータサイズで指定される、前記埋
    め込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値の前
    記周波数係数から、電子透かしとして埋め込まれた前記
    独自情報を抽出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出装置。
  22. 【請求項22】 請求項16記載の電子透かし抽出装置
    において、 前記独自情報が、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み
    終了時刻との間に表示される少なくとも1つの画像フレ
    ーム内の、完全に透明な状態及び完全に不透明な状態の
    間の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情報を
    有する、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは
    背景オブジェクトの画素の輝度値または色値に、電子透
    かしとして埋め込まれているとき、 前記抽出領域検出手段は、前記埋め込み開始時刻と前記
    埋め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制御信
    号により指定される画像フレーム内にある、前記各前景
    オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を抽出領域と
    して検出し、 前記空間領域電子透かし抽出手段は、前記抽出領域に対
    応する前記各前景オブジェクトまたは背景オブジェクト
    における領域内の、前記抽出制御信号で指定する、輝度
    ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置か
    ら、上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つで
    ある埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量である埋
    め込みデータサイズで指定される前記埋め込み位置の範
    囲内にある画素の輝度値または色値から、電子透かしと
    して埋め込まれた前記独自情報を抽出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出装置。
  23. 【請求項23】 請求項17記載の電子透かし抽出装置
    において、 前記独自情報が、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み
    終了時刻との間に表示される少なくとも1つの画像フレ
    ーム内の、完全に透明な状態及び完全に不透明な状態の
    間の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情報を
    有する、前記少なくとも1つの前景オブジェクトまたは
    背景オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記周波
    数係数に、電子透かしとして埋め込まれているとき、 前記抽出領域検出手段は、前記埋め込み開始時刻と前記
    埋め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制御信
    号により指定される画像フレーム内にある、前記各前景
    オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を検出し、前
    記重なり合う領域内の輝度ブロックまたは色ブロック内
    の前記周波数係数の直流成分を中心とした前記周波数係
    数単位の四分円の半径である最低周波数境界と最高周波
    数境界との間にある前記周波数係数を、抽出領域として
    検出し、 前記周波数領域電子透かし抽出手段は、前記抽出領域検
    出手段により検出された前記抽出領域に対応する前記各
    前景オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける領域
    内の、前記抽出制御信号で指定する、輝度ブロックまた
    は色ブロック単位の埋め込み開始位置から、上下左右方
    向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み方
    向に、前記独自情報のデータ量である埋め込みデータサ
    イズで指定される、前記埋め込み位置の範囲内にある画
    素の輝度値または色値の前記周波数係数から、前記電子
    透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出装置。
  24. 【請求項24】 画像データを符号化し、かつ前記画像
    データを構成する、少なくとも1つの前景オブジェクト
    または背景オブジェクトの、画素の輝度値または色値
    に、著作権情報等の独自情報を電子透かしとして埋め込
    む電子透かし埋め込み方法において、 前記独自情報、前記独自情報を電子透かしとして埋め込
    む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及
    び埋め込み終了時刻等の電子透かしを埋め込むために必
    要な埋め込み制御情報、前記少なくとも1つの前景オブ
    ジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関係を
    指定する表示制御情報、及び前記埋め込み制御情報等を
    基にして電子透かしを抽出するために必要な抽出制御情
    報を生成し、符号化制御信号、及び前記埋め込み制御情
    報を基にして生成した埋め込み制御信号により、前記画
    像データの符号化及び電子透かしの埋め込みを制御する
    埋め込み・符号化制御ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始時刻
    と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくと
    も1つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む、埋め込み領域を検出する埋め込み領
    域検出ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内
    の、電子透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め
    込み位置決定ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記少なくとも1つの
    前景オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記
    埋め込み領域内の、前記埋め込み位置の範囲内にある画
    素の輝度値または色値に、前記独自情報を電子透かしと
    して埋め込む空間領域電子透かし埋め込みステップと、 前記表示制御情報及び前記抽出制御情報を符号化する制
    御情報符号化ステップと、を有する、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  25. 【請求項25】 画像データを符号化し、かつ前記画像
    データを構成する、少なくとも1つの前景オブジェクト
    または背景オブジェクトの、画素の輝度値または色値の
    時間周波数変換後の周波数係数に、著作権情報等の独自
    情報を電子透かしとして埋め込む電子透かし埋め込み方
    法において、 前記独自情報、前記独自情報を電子透かしとして埋め込
    む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及
    び埋め込み終了時刻等の電子透かしを埋め込むために必
    要な埋め込み制御情報、前記少なくとも1つの前景オブ
    ジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関係を
    指定する表示制御情報、及び前記埋め込み制御情報等を
    基にして電子透かしを抽出するために必要な抽出制御情
    報を生成し、符号化制御信号、及び前記埋め込み制御情
    報を基にして生成した埋め込み制御信号により前記画像
    データの符号化及び電子透かしの埋め込みを制御する埋
    め込み・符号化制御ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始時刻
    と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくと
    も1つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む、埋め込み領域を検出する埋め込み領
    域検出ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内
    の、電子透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め
    込み位置決定ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記少なくとも1つの
    前景オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記
    埋め込み領域内の、前記埋め込み位置の範囲内にある画
    素の輝度値または色値の前記周波数係数に、前記独自情
    報を電子透かしとして埋め込む周波数領域電子透かし埋
    め込みステップと、 前記表示制御情報及び前記抽出制御情報を符号化する制
    御情報符号化ステップと、を有する、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  26. 【請求項26】 請求項24記載の電子透かし埋め込み
    方法において、 前記空間領域電子透かし埋め込みステップより前記独自
    情報が電子透かしとして埋め込まれた、前記少なくとも
    1つの前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの画素
    の輝度値または色値から前記独自情報を削除し、元の画
    素の輝度値または色値に戻す電子透かし削除ステップを
    有し、 電子透かしの埋め込まれた前記少なくとも1つの前景オ
    ブジェクトまたは背景オブジェクトを圧縮符号化する際
    には、前記電子透かし削除ステップから出力される前記
    少なくとも1つの前景オブジェクトまたは背景オブジェ
    クトを参照画像データとして用いて、予測符号化を行
    う、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  27. 【請求項27】 請求項24記載の電子透かし埋め込み
    方法において、 前記埋め込み領域検出ステップは、前記埋め込み開始時
    刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくと
    も1つの画像フレーム内にある、前記少なくとも1つの
    前景オブジェクトの形状情報が全て重なり合う領域を、
    前記埋め込み領域として検出し、 前記埋め込み位置決定ステップは、前記埋め込み領域に
    対応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、輝度
    ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置、及
    び上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つであ
    る埋め込み方向を、前記領域内の画素の輝度値または色
    値の分布状態より設定するとともに、前記領域内の埋め
    込みデータサイズを、前記独自情報を基にして設定する
    ことで、前記埋め込み位置を決定し、 前記空間領域電子透かし埋め込みステップは、前記背景
    オブジェクトにおける前記領域内の、前記埋め込み位置
    である前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に前
    記埋め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度値
    または色値に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込
    む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  28. 【請求項28】 請求項25記載の電子透かし埋め込み
    方法において、 前記埋め込み領域検出ステップは、前記埋め込み開始時
    刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくと
    も1つの画像フレーム内にある、少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報が全て重なり合う重なり領域を
    検出して、前記重なり領域内の輝度ブロックまたは色ブ
    ロック内の画素の輝度値または色値の前記周波数係数の
    直流成分を中心とした前記周波数係数単位の四分円の半
    径である最低周波数境界と最高周波数境界との間にある
    前記周波数係数を、前記埋め込み領域として検出し、 前記埋め込み位置決定ステップは、前記埋め込み領域に
    対応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、輝度
    ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始位置、及
    び上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの1つであ
    る埋め込み方向を、前記領域内の画素の輝度値または色
    値の分布状態より設定し、前記領域内の埋め込みデータ
    サイズを、前記独自情報を基にして設定することで、前
    記埋め込み位置を決定し、 前記周波数領域電子透かし埋め込みステップは、前記背
    景オブジェクトにおける前記領域内の、前記埋め込み位
    置である前記埋め込み開始位置から前記埋め込み方向に
    前記埋め込みデータサイズの範囲内にある、画素の輝度
    値または色値の前記周波数係数に、前記独自情報を電子
    透かしとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  29. 【請求項29】 請求項24記載の電子透かし埋め込み
    方法において、 前記埋め込み領域検出ステップは、前記少なくとも1つ
    の前景オブジェクトの形状の輪郭線であるエッジから、
    前記各前景オブジェクトの形状領域の内部方向またはパ
    ディング領域方向に、画素の輝度値または色値単位で埋
    め込み領域幅を設定することにより、前記埋め込み領域
    を検出し、 前記埋め込み位置決定ステップは、前記埋め込み領域内
    の、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始
    位置、及び上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの
    1つである埋め込み方向を、前記各前景オブジェクトの
    動き状態より設定するとともに、前記埋め込み領域内の
    埋め込みデータサイズを、前記独自情報を基にして設定
    することで、前記埋め込み位置を決定し、 前記空間領域電子透かし埋め込みステップは、前記少な
    くとも1つの前景オブジェクトにおける前記埋め込み領
    域内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位置
    から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの範
    囲内にある、画素の輝度値または色値に、前記独自情報
    を電子透かしとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  30. 【請求項30】 請求項25記載の電子透かし埋め込み
    方法において、 前記埋め込み領域検出ステップは、前記埋め込み領域内
    の、前記少なくとも1つの前景オブジェクトの形状の輪
    郭線であるエッジを含む輝度ブロックまたは色ブロック
    の境界ブロック内の、前記各前景オブジェクトの形状情
    報に応じて配置される画素の輝度値または色値の前記周
    波数係数の外側で、かつ前記境界ブロック内の前記周波
    数係数の直流成分を中心とした前記周波数係数単位の四
    分円の半径である最低周波数境界と最高周波数境界との
    間に、前記周波数係数単位で埋め込み領域幅を設定する
    ことにより、前記埋め込み領域を検出し、 前記埋め込み位置決定ステップは、前記埋め込み領域内
    の、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始
    位置、及び上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの
    1つである埋め込み方向を、前記各前景オブジェクトの
    動き状態より設定するとともに、前記埋め込み領域内の
    埋め込みデータサイズを、前記独自情報を基にして設定
    することで、前記埋め込み位置を決定し、 前記周波数領域電子透かし埋め込みステップは、前記少
    なくとも1つの前景オブジェクトにおける前記埋め込み
    領域内の、前記埋め込み位置である前記埋め込み開始位
    置から前記埋め込み方向に前記埋め込みデータサイズの
    範囲内にある、画素の輝度値または色値の前記周波数係
    数に、前記独自情報を電子透かしとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  31. 【請求項31】 請求項28または請求項30記載の電
    子透かし埋め込み方法において、 前記埋め込み領域検出ステップは、画素の輝度値または
    色値の前記周波数係数の最低周波数境界及び最高周波数
    境界を、画質への影響が最小となる帯域、または前記埋
    め込み領域検出ステップより後で使用されるフィルタの
    帯域を基にして決定する、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  32. 【請求項32】 請求項31記載の電子透かし埋め込み
    方法において、 前記埋め込み領域検出ステップは、前記少なくとも1つ
    の前景オブジェクトの形状のエッジから、前記各前景オ
    ブジェクトの形状領域の内部方向に設定する前記埋め込
    み領域幅を、前記各前景オブジェクトのエッジ付近にあ
    る画素の輝度値または色値と、前記各前景オブジェクト
    のエッジ付近にある背景オブジェクトの画素の輝度値ま
    たは色値との、平均値の差、または前記各前景オブジェ
    クトのエッジ付近にある前記各前景オブジェクト及び背
    景オブジェクトの画素の輝度値または色値の分散値に比
    例するよう設定する、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  33. 【請求項33】 請求項29または請求項30記載の電
    子透かし埋め込み方法において、 前記埋め込み位置決定ステップは、前記少なくとも1つ
    の前景オブジェクトが静止物体であるとき、前記各前景
    オブジェクトのエッジ付近にある埋め込み領域内の画素
    の輝度値の分散値が大きい部分に、前記埋め込み開始位
    置及び前記埋め込み方向を設定し、 前記各前景オブジェクトが移動物体であるとき、前記埋
    め込み領域内の前記各前景オブジェクトの移動方向と反
    対側のエッジ付近にある埋め込み領域内の画素の輝度値
    または色値に、前記埋め込み開始位置及び埋め込み方向
    を設定する、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  34. 【請求項34】 請求項24記載の電子透かし埋め込み
    方法において、 前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に
    表示される少なくとも1つの画像フレーム内の、前記少
    なくとも1つの前景オブジェクトにおける、完全に透明
    な状態及び完全に不透明な状態の間の状態が任意の値を
    もつ透過度で表される形状情報を有するとき、 前記埋め込み領域検出ステップは、前記埋め込み開始時
    刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくと
    も1つの画像フレーム内にある、前記各前景オブジェク
    トの形状情報が重なり合う領域を、前記埋め込み領域と
    して検出し、 前記埋め込み位置決定ステップは、前記埋め込み領域に
    対応する、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
    トにおける領域内の、輝度ブロックまたは色ブロック単
    位の埋め込み開始位置、及び上下左右方向を組み合わせ
    た8方向のうちの1つである埋め込み方向を、前記領域
    内の画素の輝度値または色値の分布状態より設定すると
    ともに、前記領域内の埋め込みデータサイズを、前記独
    自情報を基にして設定することで、前記埋め込み位置を
    決定し、 前記空間領域電子透かし埋め込みステップは、前記各前
    景オブジェクトの形状情報の透過度より算出した割合
    で、前記独自情報を前記各前景オブジェクト及び背景オ
    ブジェクトに分配するとともに、前記各前景オブジェク
    ト及び背景オブジェクトにおける前記領域内の、前記埋
    め込み位置である前記埋め込み開始位置から前記埋め込
    み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲内にある、画
    素の輝度値または色値に、前記各前景オブジェクト及び
    背景オブジェクトに分配された前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  35. 【請求項35】 請求項25記載の電子透かし埋め込み
    方法において、 前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み終了時刻との間に
    表示される少なくとも1つの画像フレーム内の、前記少
    なくとも1つの前景オブジェクトにおける、完全に透明
    な状態及び完全に不透明な状態の間の状態が任意の値を
    もつ透過度で表される形状情報を有するとき、 前記埋め込み領域検出ステップは、前記埋め込み開始時
    刻と前記埋め込み終了時刻との間に表示される少なくと
    も1つの画像フレーム内にある、前記各前景オブジェク
    トの形状情報が重なり合う領域を、前記埋め込み領域と
    して検出し、 前記埋め込み位置決定ステップは、前記埋め込み領域に
    対応する、前記各前景オブジェクト及び背景オブジェク
    トにおける領域内の、輝度ブロックまたは色ブロック単
    位の埋め込み開始位置、及び上下左右方向を組み合わせ
    た8方向のうちの1つである埋め込み方向を、前記領域
    内の画素の輝度値または色値の分布状態より設定すると
    ともに、前記領域内の埋め込みデータサイズを、前記独
    自情報を基にして設定することで、前記埋め込み位置を
    決定し、 前記周波数領域電子透かし埋め込みステップは、前記各
    前景オブジェクトの形状情報の透過度より算出した割合
    で、前記独自情報を前記各前景オブジェクト及び背景オ
    ブジェクトに分配するとともに、前記各前景オブジェク
    ト及び背景オブジェクトにおける前記領域内の、前記埋
    め込み位置である前記埋め込み開始位置から前記埋め込
    み方向に前記埋め込みデータサイズの範囲内にある、画
    素の輝度値または色値の前記周波数係数に、前記各前景
    オブジェクト及び背景オブジェクトに分配された前記独
    自情報を電子透かしとして埋め込む、 ことを特徴とする電子透かし埋め込み方法。
  36. 【請求項36】 符号化された画像データを構成する、
    少なくとも1つの符号化された前景オブジェクトまたは
    符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値または色
    値から、電子透かしとして埋め込まれた著作権情報等の
    独自情報を抽出し、かつ前記符号化された画像データを
    復号する電子透かし抽出方法において、 前記符号化された画像データに前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め
    込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の前記電子透かし
    を抽出するために必要な符号化された抽出制御情報、及
    び前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブ
    ジェクトの表示位置や前後関係を指定する符号化された
    表示制御情報を復号する制御情報復号ステップと、 前記抽出制御情報及び表示制御情報から、抽出制御信号
    及び表示制御信号を生成し、前記符号化された画像デー
    タの復号及び電子透かしの抽出を制御する抽出・復号制
    御ステップと、 前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくとも
    1つの画像フレーム内にある少なくとも1つの前景オブ
    ジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子透かしと
    して埋め込まれている領域を、抽出領域として検出する
    抽出領域検出ステップと、 前記抽出制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記抽出
    領域内の、前記抽出制御信号で指定される、前記電子透
    かしが埋め込まれている埋め込み位置の範囲内にある画
    素の輝度値または色値から、前記独自情報を抽出する空
    間領域電子透かし抽出ステップと、 前記表示制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合成
    してモニターに表示する画像合成ステップと、を有す
    る、 ことを特徴とする電子透かし抽出方法。
  37. 【請求項37】 符号化された画像データを構成する、
    少なくとも1つの符号化された前景オブジェクトまたは
    符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値または色
    値の時間周波数変換後の周波数係数から、電子透かしと
    して埋め込まれた著作権情報等の独自情報を抽出し、か
    つ前記符号化された画像データを復号する電子透かし抽
    出方法において、 前記符号化された画像データに前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め
    込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の前記電子透かし
    を抽出するために必要な符号化された抽出制御情報、及
    び前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オブ
    ジェクトの表示位置や前後関係を指定する符号化された
    表示制御情報を復号する制御情報復号ステップと、 前記抽出制御情報及び表示制御情報から、抽出制御信号
    及び表示制御信号を生成し、前記符号化された画像デー
    タの復号及び電子透かしの抽出を制御する抽出・復号制
    御ステップと、 前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくとも
    1つの画像フレーム内にある前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子透か
    しとして埋め込まれている領域を抽出領域として検出す
    る抽出領域検出ステップと、 前記抽出制御信号に応じて、前記抽出領域内の、前記抽
    出制御信号で指定される、前記電子透かしが埋め込まれ
    ている埋め込み位置の画素の輝度値または色値の前記周
    波数係数から、前記独自情報を抽出する周波数領域電子
    透かし抽出ステップと、 前記表示制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合成
    してモニターに表示する画像合成ステップと、を有す
    る、 ことを特徴とする電子透かし抽出方法。
  38. 【請求項38】 請求項36記載の電子透かし抽出方法
    において、 前記独自情報が、前記背景オブジェクトの画素の輝度値
    または色値に、電子透かしとして埋め込まれていると
    き、 前記抽出領域検出ステップは、前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制
    御信号により指定される画像フレーム内にある、前記少
    なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報が重なり合
    う領域を抽出領域として検出し、 前記空間領域電子透かし抽出ステップは、前記抽出領域
    に対応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、前
    記抽出制御信号で指定する、輝度ブロックまたは色ブロ
    ック単位の埋め込み開始位置から、上下左右方向を組み
    合わせた8方向のうちの1つである埋め込み方向に、前
    記独自情報のデータ量である埋め込みデータサイズで指
    定される前記埋め込み位置の範囲内にある、画素の輝度
    値または色値から、電子透かしとして埋め込まれた前記
    独自情報を抽出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出方法。
  39. 【請求項39】 請求項37記載の電子透かし抽出方法
    において、 前記独自情報が、前記背景オブジェクトの画素の輝度値
    または色値の時間周波数変換後の周波数係数に、電子透
    かしとして埋め込まれているとき、 前記抽出領域検出ステップは、前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制
    御信号により指定される画像フレーム内にある、前記少
    なくとも1つの前景オブジェクトの形状情報が重なり合
    う重なり領域を検出し、前記重なり領域内の輝度ブロッ
    クまたは色ブロック内の画素の輝度値または色値の前記
    周波数係数の直流成分を中心とした前記周波数係数単位
    の四分円の半径である最低周波数境界と最高周波数境界
    との間にある前記周波数係数を、抽出領域として検出
    し、 前記周波数領域電子透かし抽出ステップは、前記抽出領
    域に対応する前記背景オブジェクトにおける領域内の、
    前記抽出制御信号で指定する、輝度ブロックまたは色ブ
    ロック単位の埋め込み開始位置から、上下左右方向を組
    み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み方向に、
    前記独自情報のデータ量である埋め込みデータサイズで
    指定される、前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝
    度値または色値の前記周波数係数から、電子透かしとし
    て埋め込まれた前記独自情報を抽出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出方法。
  40. 【請求項40】 請求項36記載の電子透かし抽出方法
    において、 前記独自情報が、前記少なくとも1つの前景オブジェク
    トの輝度値または色値に、電子透かしとして埋め込まれ
    ているとき、 前記抽出領域検出ステップは、前記抽出制御信号により
    指定される画像フレーム内にある、前記抽出制御信号に
    より指定される、前記各前景オブジェクトの形状の輪郭
    であるエッジから、前記各前景オブジェクトの形状領域
    の内部方向またはパディング領域方向への、画素の輝度
    値または色値単位の埋め込み領域幅を、抽出領域として
    検出し、 前記空間領域電子透かし抽出ステップは、前記各前景オ
    ブジェクトにおける前記抽出領域内の、前記抽出制御信
    号で指定する、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋
    め込み開始位置から、上下左右方向を組み合わせた8方
    向のうちの1つである埋め込み方向に、前記独自情報の
    データ量である埋め込みデータサイズで指定される、前
    記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色値
    から、電子透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽
    出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出方法。
  41. 【請求項41】 請求項37記載の電子透かし抽出方法
    において、 前記独自情報が、前記少なくとも1つの前景オブジェク
    トの画素の輝度値または色値の前記周波数係数に、電子
    透かしとして埋め込まれているとき、 前記抽出領域検出ステップは、前記抽出制御信号により
    指定される画像フレーム内にある、前記抽出制御信号に
    より指定される、前景オブジェクトの形状の輪郭である
    エッジを含む画素の輝度ブロックまたは色ブロックの境
    界ブロック内の、前記各前景オブジェクトの形状情報に
    応じて配置される画素の輝度値または色値の前記周波数
    係数の外側で、かつ前記周波数係数の直流成分を中心と
    して前記周波数係数単位の四分円の半径である最低周波
    数境界と最高周波数境界との間にある、前記周波数係数
    単位の領域幅を、抽出領域として検出し、 前記周波数領域電子透かし抽出ステップは、前記各前景
    オブジェクトにおける前記抽出領域内の、前記抽出制御
    信号で指定する、輝度ブロックまたは色ブロック単位の
    埋め込み開始位置から、上下左右方向を組み合わせた8
    方向のうちの1つである埋め込み方向に、前記独自情報
    のデータ量である埋め込みデータサイズで指定される、
    前記埋め込み位置の範囲内にある画素の輝度値または色
    値の前記周波数係数から、電子透かしとして埋め込まれ
    た前記独自情報を抽出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出方法。
  42. 【請求項42】 請求項36記載の電子透かし抽出方法
    において、 前記独自情報が、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み
    終了時刻との間に表示される少なくとも1つの画像フレ
    ーム内の、完全に透明な状態及び完全に不透明な状態の
    間の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情報を
    有する、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背
    景オブジェクトの画素の輝度値または色値に、電子透か
    しとして埋め込まれているとき、 前記抽出領域検出ステップは、前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制
    御信号により指定される画像フレーム内にある、前記各
    前景オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を抽出領
    域として検出し、 前記空間領域電子透かし抽出ステップにおいて、前記抽
    出領域に対応する前記各前景オブジェクト及び背景オブ
    ジェクトにおける領域内の、前記抽出制御信号で指定す
    る、輝度ブロックまたは色ブロック単位の埋め込み開始
    位置から、上下左右方向を組み合わせた8方向のうちの
    1つである埋め込み方向に、前記独自情報のデータ量で
    ある埋め込みデータサイズで指定される、前記埋め込み
    位置の範囲内にある画素の輝度値または色値から、電子
    透かしとして埋め込まれた前記独自情報を抽出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出方法。
  43. 【請求項43】 請求項37記載の電子透かし抽出方法
    において、 前記独自情報が、前記埋め込み開始時刻と前記埋め込み
    終了時刻との間に表示される少なくとも1つの画像フレ
    ーム内の、完全に透明な状態及び完全に不透明な状態の
    間の状態が任意の値をもつ透過度で表される形状情報を
    有する、前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背
    景オブジェクトの画素の輝度値または色値の前記周波数
    係数に、電子透かしとして埋め込まれているとき、 前記抽出領域検出ステップは、前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される、前記抽出制
    御信号により指定される画像フレーム内にある、前記各
    前景オブジェクトの形状情報が重なり合う領域を検出
    し、前記重なり合う領域内の輝度ブロックまたは色ブロ
    ック内の前記画素の輝度値または色値の前記周波数係数
    の直流成分を中心として前記周波数係数単位の四分円の
    半径である最低周波数境界と最高周波数境界との間にあ
    る前記周波数係数を、抽出領域として検出し、 前記周波数領域電子透かし抽出ステップは、前記抽出領
    域に対応する前記各前景オブジェクト及び背景オブジェ
    クトにおける領域内の、前記抽出制御信号で指定する、
    前記周波数係数単位の埋め込み開始位置から、上下左右
    方向を組み合わせた8方向のうちの1つである埋め込み
    方向に、前記独自情報のデータ量である埋め込みデータ
    サイズで指定される、前記埋め込み位置の範囲内にある
    画素の輝度値または色値の前記周波数係数から、前記電
    子透かしとして埋め込まれた独自情報を抽出する、 ことを特徴とする電子透かし抽出方法。
  44. 【請求項44】 コンピュータに、画像データを符号化
    し、かつ前記画像データを構成する、少なくとも1つの
    前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの、画素の輝
    度値または色値に、著作権情報等の独自情報を電子透か
    しとして埋め込む処理を実行させるための電子透かし埋
    め込みプログラムが記録されたデータ記録媒体であっ
    て、 前記電子透かし埋め込みプログラムは、 前記独自情報、前記独自情報を電子透かしとして埋め込
    む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及
    び埋め込み終了時刻等の電子透かしを埋め込むために必
    要な埋め込み制御情報、前記少なくとも1つの前景オブ
    ジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関係を
    指定する表示制御情報、及び前記埋め込み制御情報等を
    基にして電子透かしを抽出するために必要な抽出制御情
    報を生成し、符号化制御信号、及び前記埋め込み制御情
    報を基にして生成した埋め込み制御信号により、前記画
    像データの符号化及び電子透かしの埋め込みを制御する
    埋め込み・符号化制御ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始時刻
    と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくと
    も1つの画像フレーム内にある、前記少なくとも1つの
    前景オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子
    透かしとして埋め込む、埋め込み領域を検出する埋め込
    み領域検出ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内
    の、電子透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め
    込み位置決定ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記少なくとも1つの
    前景オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記
    埋め込み領域内の、前記埋め込み位置の範囲内にある画
    素の輝度値または色値に、前記独自情報を電子透かしと
    して埋め込む空間領域電子透かし埋め込みステップと、 前記表示制御情報及び前記抽出制御情報を符号化する制
    御情報符号化ステップと、を含む、 ことを特徴とするデータ記録媒体。
  45. 【請求項45】 コンピュータに、画像データを符号化
    し、かつ前記画像データを構成する、少なくとも1つの
    前景オブジェクトまたは背景オブジェクトの、画素の輝
    度値または色値の時間周波数変換後の周波数係数に、著
    作権情報等の独自情報を電子透かしとして埋め込む処理
    を実行させるための電子透かし埋め込みプログラムが記
    録されたデータ記録媒体であって、 前記電子透かし埋め込みプログラムは、 前記独自情報、前記独自情報を電子透かしとして埋め込
    む開始時点及び終了時点を指定する埋め込み開始時刻及
    び埋め込み終了時刻等の電子透かしを埋め込むために必
    要な埋め込み制御情報、前記少なくとも1つの前景オブ
    ジェクト及び背景オブジェクトの表示位置や前後関係を
    指定する表示制御情報、及び前記埋め込み制御情報等を
    基にして電子透かしを抽出するために必要な抽出制御情
    報を生成し、符号化制御信号、及び前記埋め込み制御情
    報を基にして生成した埋め込み制御信号により、前記画
    像データの符号化及び電子透かしの埋め込みを制御する
    埋め込み・符号化制御ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み開始時刻
    と前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくと
    も1つの画像フレーム内にある、前記少なくとも1つの
    前景オブジェクトの形状情報から、前記独自情報を電子
    透かしとして埋め込む、埋め込み領域を検出する埋め込
    み領域検出ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記埋め込み領域内
    の、電子透かしを埋め込む埋め込み位置を決定する埋め
    込み位置決定ステップと、 前記埋め込み制御信号に応じて、前記少なくとも1つの
    前景オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記
    埋め込み領域内の、前記埋め込み位置の範囲内にある画
    素の輝度値または色値の前記周波数係数に、前記独自情
    報を電子透かしとして埋め込む周波数領域電子透かし埋
    め込みステップと、 前記表示制御情報及び前記抽出制御情報を符号化する制
    御情報符号化ステップと、を含む、 ことを特徴とするデータ記録媒体。
  46. 【請求項46】 コンピュータに、符号化された画像デ
    ータを復号し、かつ前記符号化された画像データを構成
    する、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクト
    または符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値ま
    たは色値から、電子透かしとして埋め込まれた著作権情
    報等の独自情報を抽出する処理を実行させるための電子
    透かし抽出プログラムが記録されたデータ記録媒体であ
    って、 前記電子透かし抽出プログラムは、 前記符号化された画像データに前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め
    込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の、前記電子透か
    しを抽出するために必要な符号化された抽出制御情報、
    及び前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オ
    ブジェクトの表示位置や前後関係を指定する符号化され
    た表示制御情報を復号する制御情報復号ステップと、 前記抽出制御情報及び表示制御情報から、抽出制御信号
    及び表示制御信号を生成し、前記符号化された画像デー
    タの復号及び電子透かしの抽出を制御する抽出・復号制
    御ステップと、 前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくとも
    1つの画像フレーム内にある前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子透か
    しとして埋め込まれている領域を、抽出領域として検出
    する抽出領域検出ステップと、 前記抽出制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記抽出
    領域内の、前記抽出制御信号で指定される、前記電子透
    かしが埋め込まれている前記埋め込み位置の範囲内にあ
    る画素の輝度値または色値から、前記独自情報を抽出す
    る空間領域電子透かし抽出ステップと、 前記表示制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合成
    してモニターに表示する画像合成ステップと、 を含む、 ことを特徴とするデータ記録媒体。
  47. 【請求項47】 コンピュータに、符号化された画像デ
    ータを復号し、かつ前記符号化された画像データを構成
    する、少なくとも1つの符号化された前景オブジェクト
    または符号化された背景オブジェクトの画素の輝度値ま
    たは色値の時間周波数係数変換後の周波数係数から、電
    子透かしとして埋め込まれた著作権情報等の独自情報を
    抽出する処理を実行させるための電子透かし抽出プログ
    ラムが記録されたデータ記録媒体であって、 前記電子透かし抽出プログラムは、 前記符号化された画像データに前記独自情報を電子透か
    しとして埋め込む開始時点及び終了時点を指定する埋め
    込み開始時刻及び埋め込み終了時刻等の、前記電子透か
    しを抽出するために必要な符号化された抽出制御情報、
    及び前記少なくとも1つの前景オブジェクト及び背景オ
    ブジェクトの表示位置や前後関係を指定する符号化され
    た表示制御情報を復号する制御情報復号ステップと、 前記抽出制御情報及び表示制御情報から、抽出制御信号
    及び表示制御信号を生成し、前記符号化された画像デー
    タの復号及び電子透かしの抽出を制御する抽出・復号制
    御ステップと、 前記抽出制御信号で指定される前記埋め込み開始時刻と
    前記埋め込み終了時刻との間に表示される、少なくとも
    1つの画像フレーム内にある前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトの形状情報から、前記独自情報が電子透か
    しとして埋め込まれている領域を抽出領域として検出す
    る抽出領域検出ステップと、 前記抽出制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクトまたは背景オブジェクトにおける前記抽出
    領域内の、前記抽出制御信号で指定される、前記電子透
    かしが埋め込まれている前記埋め込み位置の範囲内にあ
    る画素の輝度値または色値の前記周波数係数から、前記
    独自情報を抽出する周波数領域電子透かし抽出ステップ
    と、 前記表示制御信号に応じて、前記少なくとも1つの前景
    オブジェクト及び背景オブジェクトを1つの画面に合成
    してモニターに表示する画像合成ステップと、を含む、 ことを特徴とするデータ記録媒体。
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