JP2003209266A - 誘電率変化方法、その方法を利用した光可変容量コンデンサ、紫外線センサ及び磁気センサ - Google Patents

誘電率変化方法、その方法を利用した光可変容量コンデンサ、紫外線センサ及び磁気センサ

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JP2003209266A
JP2003209266A JP2002247809A JP2002247809A JP2003209266A JP 2003209266 A JP2003209266 A JP 2003209266A JP 2002247809 A JP2002247809 A JP 2002247809A JP 2002247809 A JP2002247809 A JP 2002247809A JP 2003209266 A JP2003209266 A JP 2003209266A
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dielectric
capacitor
light
ferroelectric
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JP2002247809A
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Masaki Takesada
正樹 武貞
Shinya Koshihara
伸也 腰原
Tadahiko Ishikawa
忠彦 石川
Shunro Yagi
駿郎 八木
Mitsuru Ito
満 伊藤
Masaaki Kurita
雅章 栗田
Hiroaki Shimoda
寛明 下田
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Kanagawa Academy of Science and Technology
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Kanagawa Academy of Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体結晶の固有の誘電率を極めて高くする
方法、誘電体結晶の誘電率を所望の誘電率に制御する方
法、及びこの方法を利用した小型で信頼性の高い可変容
量コンデンサ、紫外線センサ及び磁気センサを提供す
る。 【解決手段】 量子常誘電体結晶または強誘電体結晶で
ある誘電体結晶を相転移温度近傍の温度に保ち、結晶の
バンドギャップエネルギーに相当するエネルギーの光を
照射すると共に電場または磁場を印加し、誘電体結晶の
協力的相互作用が極めて強く起こる光励起状態を誘起し
て光の強度に比例した極めて大きな誘電率を得ると共
に、光の強度、電場、磁場によって誘電率を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照射光と印加電場
により、または、照射光と磁場により誘電体結晶の誘電
率を連続的に変化させる方法と、この方法を利用した光
可変容量コンデンサ、紫外線センサ及び磁気センサに関
する。
【0002】
【従来の技術】より小さな体積でより大きな電荷を蓄え
ることは、あらゆる電子,電気機器にとって極めて重要
な技術課題である、例えば、半導体メモリーにおいて
は、誘電率が大きな物質をメモリ材料とすれば、より小
さな面積でより大きな電荷を蓄えることができるから、
集積度を上げることができる。また電源機器において、
より小さなコンデンサで同等の容量が実現できれば電源
機器をより小型化できる。このため従来より、誘電率の
高い物質の探索が続けられており、BaTiO3等の強
誘電体物質が大きな誘電率を有する材料として広く利用
されている。しかしながら、誘電率の高い物質は既に探
索し尽くされており、新たな高誘電率物質の探索は困難
であるという課題がある。ところで、従来知られた誘電
物質であっても、物質固有の誘電率を高めることができ
れば上記技術課題を解決することができる。
【0003】また、コンデンサの容量を可変にすること
は、種々の電気制御系、電気駆動系の制御手段として必
要不可欠である。しかしながら、従来の可変容量コンデ
ンサは、空気コンデンサやセラミックトリマ・コンデン
サに見られるように、コンデンサ電極や誘電体物質をメ
カニカルに動かしたり、また、自動制御用可変容量コン
デンサにおいては、制御信号に基づいて電気モーターや
歯車を駆動して、誘電体に面する電極面積を変化させて
容量を変化させている。このように従来の可変容量コン
デンサは、可動部品を必要としており、このため、小型
化が困難であると共に信頼性が低いという課題がある。
ところで、誘電体の誘電率を任意に変えることができれ
ば、メカニカルな可動部品を必要とせずに可変容量コン
デンサを実現することができる。
【0004】また、従来の紫外線を検知する紫外線光セ
ンサは半導体pn接合を利用したものが主流であるが、
半導体のバンドギャップエネルギーが可視光領域にある
ため、可視光遮断フィルターが必要不可欠である。この
ため、感度が悪い、コストが高い等の課題がある。とこ
ろで、可視光よりも大きいバンドギャップエネルギーを
有し、紫外線によって誘電率が変化する物質があれば、
可視光遮断フィルターを必要とせずに紫外線センサを実
現することができる。
【0005】また、従来の磁気センサは、例えば磁気抵
抗効果素子やホール効果素子が広く使用されているが、
磁気抵抗効果素子は、金属の磁性体を使用するため可視
光を透過することができない。また、ホール効果素子
は、導電型がnまたはpの半導体を用いるため可視光が
照射されると磁気を検知できなくなる。このように、従
来の磁気センサは可視光線上の磁場強度を検出できない
と言う課題がある。例えば、光磁気記録においては磁気
記録媒体に可視レーザー光を照射すると共に磁場を加え
て磁気記録媒体を磁化反転させて情報を記憶するが、こ
の際、可視光線上の磁場強度を検知できれば、磁化反転
と同時に可視レーザー光照射を終了することができ、従
って、書き込み速度を大幅に向上することができる。と
ころで、可視光線を透過し、磁場によって誘電率が変化
する物質があれば、可視光線上の磁場強度を検出できる
磁気センサを実現することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題に鑑
み、誘電体結晶の固有の誘電率を極めて高くする方法、
また、誘電体結晶の誘電率を所望の誘電率に制御する方
法、さらに、この方法を利用した小型かつ信頼性の高い
可変容量コンデンサ、高感度かつ低コストの紫外線セン
サ、及び、可視光線上の磁場強度を検出できる磁気セン
サを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】物質に微弱な光を照射す
ることにより、照射前とは異なる新たな秩序を物質系全
体に形成させることが可能である。微弱な光をトリガー
として物質の秩序が巨視的に変化する現象は光誘起協力
現象または光誘起相転移と呼ばれている。光誘起相転移
を示す物質としては、π電子共役ポリマー・ポリジアセ
チレン(PDA)、電荷移動(CT)型錯体テトラチア
フルバレン−クロラニル(TTF−CA)等が知られて
いる。これらの物質においては、強い電子−格子相互作
用や電子相関に起因した協力的相互作用が、光誘起相転
移に重要な役割を担うと考えられている。また、光照射
による局所的光励起状態もしくは電子−正孔対のような
電荷注入によって格子的、誘電的、または磁性的構造に
揺らぎが誘起され、これを核とした協力相互作用により
巨視的規模まで状態が変化すると考えられている。本発
明者らは、量子常誘電体結晶または強誘電体結晶を相転
移近傍の温度に保ち、光及び電場、または光及び磁場を
印加することによって、協力的相互作用が極めて強く起
こる光励起状態を誘起でき、その結果極めて大きくかつ
制御可能な誘電率を実現できることを見いだし、本発明
に到ったものである。
【0008】上記課題を解決するために、本発明の光と
電場による誘電率変化方法は、誘電体結晶を所定の温度
に保ち、誘電体結晶のバンドギャップエネルギーに相当
するエネルギーの光を照射すると共に電場を印加し、誘
電体結晶の光励起状態を誘起して誘電体結晶の誘電率を
変化させることを特徴とする。また、本発明の誘電率変
化方法は、誘電体結晶を所定の温度に保ち、誘電体結晶
に誘電体結晶のバンドギャップエネルギーに相当するエ
ネルギーの光を照射すると共に磁場を印加し、誘電体結
晶の誘電率を変化させることを特徴とする。本発明の光
と電場、または光と磁場による誘電率変化方法では、誘
電体結晶に照射する光の強度、印加する電場強度、また
は印加する磁場強度により、または、これらの組み合わ
せにより、誘電率を制御することができる。好ましく
は、誘電体結晶は量子常誘電体結晶であり、所定の温度
は量子常誘電体結晶の量子常誘電状態温度領域より高い
温度である。量子常誘電体結晶は、好ましくは、SrT
iO3 、CaTiO3 またはKTaO3 である。また、
好ましくは、誘電体結晶は強誘電体結晶であり、所定の
温度は、強誘電体の相転移温度より高いまたは強誘電体
の相転移温度より低い温度である。また、好ましくは、
強誘電体結晶は、酸素同位体O18からなるSrTiO3
である。
【0009】この構成によれば、光と電場により、また
は、光と磁場により、量子常誘電体結晶または強誘電体
結晶が、協力的相互作用が極めて強く起こる光励起状態
に励起されるので、光の強度に比例した極めて大きな誘
電率が得られると共に、電場強度によって、または磁場
強度によっても誘電率を変化させることができる。ま
た、光強度と電場強度、または、光強度と磁場強度の組
み合わせによっても誘電率を制御することができる。
【0010】また、本発明の光可変容量コンデンサは、
誘電体結晶と誘電体結晶上に設けた電極とからなるコン
デンサと、コンデンサを所定の温度に保持する保温手段
と、誘電体結晶に電極を介して電場を印加する電源と、
誘電体結晶に光照射する光照射手段と、光照射手段の光
強度を制御する制御手段と、制御手段に制御情報を入力
する入力手段とを有することを特徴とする。本発明の光
可変容量コンデンサは、光照射手段が、好ましくは、誘
電体結晶に接触または近接して配設した発光ダイオー
ド、半導体レーザ、ガスレーザ、または固体レーザであ
る。誘電体結晶は、好ましくは、量子常誘電体結晶また
は強誘電体結晶であり、保温手段の保持する所定の温度
は、量子常誘電体結晶の量子常誘電状態温度領域より高
い温度、または強誘電体の相転移温度より高い温度、ま
たは強誘電体の相転移温度より低い温度である。また、
好ましくは、誘電体結晶は量子常誘電体結晶であり、量
子常誘電体結晶は、好ましくは、SrTiO3 、CaT
iO3 またはKTaO3 である。また、好ましくは、誘
電体結晶は強誘電体結晶であり、強誘電体結晶は酸素同
位体O18からなるSrTiO3 である。
【0011】この構成による光可変容量コンデンサは、
可動部品を含まないので信頼性が高く、また、光照射手
段に発光ダイオードまたは半導体レーザ等の光源を誘電
体結晶に接触または近接して配設しているので、極めて
小型にできる。
【0012】また、本発明の紫外線センサは、誘電体結
晶と誘電体結晶上に設けた電極とからなるコンデンサ
と、コンデンサを所定の温度に保持する保温手段と、こ
の誘電体結晶に電極を介して電場を印加する電源と、コ
ンデンサの容量を検知する検知手段とを有することを特
徴とする。誘電体結晶は、好ましくは、量子常誘電体結
晶または強誘電体結晶であり、保温手段の保持する所定
の温度は、量子常誘電体結晶の量子常誘電状態温度領域
より高い温度、または強誘電体の相転移温度より高い温
度、または強誘電体の相転移温度より低い温度である。
また、好ましくは、誘電体結晶は量子常誘電体結晶であ
り、量子常誘電体結晶は、好ましくは、SrTiO3
CaTiO3 またはKTaO3 である。また、好ましく
は、誘電体結晶は強誘電体結晶であり、強誘電体結晶
は、好ましくは、酸素同位体O18からなるSrTiO3
である。
【0013】この構成による本発明の紫外線センサは、
量子常誘電体結晶または強誘電体結晶が可視光を吸収し
ないので、可視光遮断フィルターを必要としない。
【0014】また、本発明の磁気センサは、誘電体結晶
と誘電体結晶上に設けた電極とからなるコンデンサと、
コンデンサを所定の温度に保持する保温手段と、誘電体
結晶に光照射する光照射手段と、コンデンサの容量を測
定する容量測定手段とを有することを特徴とする。誘電
体結晶は量子常誘電体結晶であり、所定の温度は量子常
誘電体結晶の量子常誘電状態温度領域より高い温度であ
ることが好ましい。量子常誘電体結晶は、好ましくは、
SrTiO3 、CaTiO3 またはKTaO3 である。
誘電体結晶は強誘電体結晶であり、所定の温度は、強誘
電体の相転移温度より高い、または強誘電体の相転移温
度より低い温度であることが好ましい。強誘電体結晶
は、好ましくは、酸素同位体O18からなるSrTiO3
である。
【0015】この構成による本発明の磁気センサは、誘
電体結晶が可視光を透過するので、可視光線上の磁場強
度を測定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、実質的に同一の部材
には同一の符号を用いて説明する。始めに、本発明の光
と電場、または、光と磁場による誘電率変化方法を説明
する。SrTiO3 に代表される量子常誘電体結晶は、
低温領域で量子常誘電相を出現する。量子常誘電相と
は、低温で秩序相へイオン間の協力的相互作用を介し
て、例えば双極子相互作用を介して秩序化しようとする
際に、熱的揺らぎではなく、量子統計的揺らぎあるいは
フォノンの0点振動が双極子相互作用に対抗して長距離
秩序形成を阻害し、高誘電率を保ったまま強誘電相転移
を起こさない状態を言う。このような量子常誘電状態で
は、温度が誘電的秩序化すなわち強誘電相転移を制御す
る有効な外場ではなく、電場、磁場、応力、組成といっ
た他の外場が有効な外場である。例えばSrTiO3
相転移を示さない物質であるが、温度以外の電場、磁
場、応力、組成といった他の外場によって相転移温度T
c 〜0K付近において相転移を実現することができ、こ
の性質は量子強誘電性と呼ばれている。また、SrTi
3 やKTaO3 においては一軸性応力を印加すると電
歪効果を介して強誘電相が誘起されることが報告されて
いる。また、量子常誘電体であるKTaO3 をベースと
した混晶系KTa1-x Nbx 3 やK1-x Tax NbO
3 では組成xを制御することによって強誘電相が実現さ
れる。また、最近では、SrTiO3 において酸素O16
を同位体のO18に置換することによって強誘電性が出現
するという報告もなされており、同位体効果により量子
常誘電状態から強誘電性が出現すると言うことは、量子
常誘電状態は結晶を構成する原子の電子状態が密接に関
係している状態であることを示唆している。
【0017】本発明者らは、量子常誘電状態に電子励起
を伴う光励起を行えば、新たな量子常誘電状態が出現
し、協力的相互作用が極めて強く起こる新規な光励起効
果が得られることを予測し、印加電場と光励起、また
は、印加磁場と光励起によって、物質固有の誘電率の数
千倍にも及ぶ誘電率を実現できること、及び光強度に比
例して誘電率を制御できることを見いだし、本発明に到
った。また、本発明者らは、上記の光励起効果が量子常
誘電体結晶に限らず、強誘電体でも誘起できることを見
いだし、本発明に到った。
【0018】次に、第1の実施例を示す。本実施例で
は、誘電体結晶としてSrTiO3 を用いた。SrTi
3 は量子常誘電体結晶である。図1は、本実施例の誘
電率評価に用いた測定系を示す図である。図1(a)に
示すように、コンデンサ1は、5mm×5mm、厚さ1
mmの量子常誘電体結晶または強誘電体結晶、例えばS
rTiO3 結晶2の表面に矩形状のAu電極3,3をス
トライプ状の間隔4(間隔50μm×長さ5mm)を設
けて形成し、誘電率の評価をこのコンデンサの容量測定
で評価した。図1(b)は、本実施例の測定方法を示す
図である。図において、コンデンサ1は、4K〜300
Kまで温度を可変できる恒温槽5に配置し、恒温槽5の
外に配置した容量計6及び直流定電圧源7を電極3と接
続し、容量測定及び静電場印加を行った。光源にはHe
−Cd・CWレーザ8(波長:325nm)、またはT
iサファイヤ・パルスレーザ(波長:400nm)を用
い、円筒レンズ9を2個直交配置してレーザ光10を細
長く変形し、光透過窓11を介してコンデンサ1の間隔
4全面に照射した。容量計6の測定周波数fは100H
z、印加電場強度は400Volt/cmである。
【0019】図2は、He−Cd・CWレーザ(波長:
325nm)光の強度を10nWで照射した場合のSr
TiO3 コンデンサの容量の温度依存性を示す図であ
る。図において、縦軸は容量を示し、横軸は恒温槽5の
温度を示し、●(黒丸)は光照射と電場を共に加えた場
合、○(白丸)は光照射のみの場合、■(黒四角)は電
場のみの場合、□(白四角)は光照射も電場もない場合
である。図2から明らかなように、光照射を加えた場
合、特に光照射と電場を共に加えた場合において、低温
度になるほど著しく容量が増加することが分かる。
【0020】図3はSrTiO3 コンデンサの容量の光
照射強度依存性を示す図であり、縦軸は容量Cを光照射
及び印加電場がないときの容量C0 を基準とした比で示
している。横軸は照射レーザ光強度を示している。光源
にはTiサファイヤ・パルスレーザ(波長:400n
m)を用い、光強度を制御して半値幅100fsのレー
ザ光パルスをくり返し周波数1kHzで連続的に照射し
た。測定温度は30Kである。図3から明らかなよう
に、光照射及び電場を印加した場合には照射光強度にほ
ぼ比例して容量が増加することがわかる。ちなみにこの
例では、20mWの光照射によって、光照射がない場合
に較べ約3000倍に容量が増加していることがわか
る。
【0021】図2及び図3の結果から、本発明の方法に
よれば、印加電場と光励起によって、物質固有の誘電率
の数千倍にも及ぶ誘電率を実現できること、そして、光
強度に比例して誘電率を制御できることがわかる。
【0022】次に、第2の実施例を示す。本実施例で
は、誘電体結晶としてCaTiO3 を用い、図1に示し
た第1の実施例と同一の構成の試料及び測定系で測定し
た。CaTiO3 は量子常誘電体結晶である。図4は、
He−Cd・CWレーザ(波長:325nm)光の強度
を59μWで照射した場合のCaTiO3 コンデンサの
容量の温度依存性を示す図である。図において、縦軸は
容量Cp(F)を、横軸は恒温槽5の温度T(K)を示
し、●は光照射と電場を共に加えた場合、○は光照射の
みの場合、■は電場のみの場合、□は光照射も電場もな
い場合である。図4から明らかなように、光照射を加え
た場合、特に光照射と電場を共に加えた場合において、
低温度になるほど著しく容量が増加することがわかる。
さらに、非常に僅かな光強度で著しく容量が増加するこ
とがわかる。
【0023】図5は、CaTiO3 コンデンサの容量の
光照射強度依存性を示す図である。図において、縦軸
は、容量Cを光照射及び印加電場がないときの容量C0
を基準とした比で示している。横軸は照射レーザ光強度
INT(μW)を示している。光源にはHe−Cd・C
Wレーザ(波長:325nm)を用いた。図5から明ら
かなように、光照射及び電場を印加した場合には照射光
強度にほぼ比例して容量が増加することがわかる。すな
わち、誘電率が増加することが判る。
【0024】図4及び図5の結果から、本発明の方法に
よれば、印加電場と光励起によって、物質固有の誘電率
を大きく変化させることができること、また、光強度に
比例して誘電率を制御できることがわかる。
【0025】次に、第3の実施例を示す。本実施例で
は、誘電体結晶としてKTaO3 を用い、図1に示した
第1の実施例と同一の構成の試料及び測定系で測定し
た。KTaO3 は量子常誘電体結晶である。図6は、H
e−Cd・CWレーザ(波長:325nm)光の強度を
20nWで照射した場合のKTaO3 コンデンサの容量
の温度依存性を示す図である。図において、縦軸は容量
Cpを示し、横軸は恒温槽5の温度T(K)を示す。●
は光照射と電場を共に加えた場合、○は光照射のみの場
合、■は電場のみの場合、□は光照射も電場もない場合
である。図6から明らかなように、光照射を加えた場
合、特に光照射と電場を共に加えた場合において、低温
度になるほど著しく容量が増加することがわかる。さら
に、非常に僅かな光強度で著しく容量が増加することが
わかる。すなわち、誘電率が著しく増加することがわか
る。
【0026】次に、第4の実施例を示す。本実施例では
誘電体結晶として酸素同位体O18からなるSrTiO3
を用い、図1に示した第1の実施例と同一な構成の試料
及び測定系で測定した。酸素同位体O18からなるSrT
iO3 は強誘電体結晶である。図7は波長375nmの
LED(発光ダイオード)光を照射した場合の酸素同位
体O18からなるSrTiO3 コンデンサの容量の温度依
存性を示す図である。図において、縦軸は容量Cp
(F)を示し、横軸は恒温槽5の温度T(K)を示し、
●は光照射と電場を共に加えた場合、○は光照射のみの
場合、■は電場のみの場合、□は光照射も電場もない場
合である。図7から明らかなように、光照射を加えた場
合、特に光照射と電場を共に加えた場合において、低温
度になるほど著しく容量が増加することがわかる。すな
わち、誘電率が著しく増加することがわかる。
【0027】次に、第5の実施例を示す。本実施例では
誘電体結晶としてSrTiO3 を用いた。SrTiO3
は量子常誘電体結晶である。図1に示した構成の試料を
用いて、図8に示す測定系で誘電体表面に垂直に磁場を
印加して測定した。図8は測定系を示す図である。図1
の測定系に比べると、コンデンサ1を内包した恒温槽5
を、コイル12中に配置してコイル12に電流を流し、
コンデンサ1の表面に垂直に磁場13を印加した点が異
なる。
【0028】図9は、He−Cd・CWレーザ(波長:
325nm)光の強度を3.2mW/mm2 で照射した
場合の、SrTiO3 コンデンサの容量の磁場依存性を
示す図である。図において、縦軸は容量Cpを示し、横
軸は誘電体表面に垂直に印加した磁場強度(テスラ)を
示す。●は光照射と磁場を共に加えた場合、○は光照射
が無い場合を示す。図9から明らかなように、光照射が
ない場合には、磁場を印加しても容量が変化しないが、
光照射がある場合には、磁場強度の増加に伴って容量が
大きく減少することがわかる。すなわち、光照射がある
場合には、磁場強度に応じて誘電率が大きく変化するこ
とがわかる。
【0029】次に、上記の量子常誘電状態に電子励起を
伴う光励起と電場を印加することにより生ずる光励起効
果のメカニズムについて、SrTiO3 を例にとって説
明する。図10は、SrTiO3 の量子常誘電状態に電
子励起を伴う光励起と電場を印加することにより生ずる
光励起効果のメカニズムを説明する模式図である。図1
0(a)は、光励起及び印加電場のないSrTiO3
量子常誘電状態におけるTiイオンの波動関数ψを示す
図である。この状態におけるTiイオンが受けるポテン
シャル41は、対称な極小値2つを有する結晶場ポテン
シャルであり、波動関数ψは、基底状態の対称な固有関
数φs と励起状態の非対称な固有関数φa のα及びβを
それぞれの係数とする1次結合で与えられる。この状態
では、図10(b)に示すようにα≫βであり、Tiイ
オンの存在確率|ψ|2 は結晶場ポテンシャルの2つの
極小値に等確率で存在する。図10(c)は電場Eを印
加した状態を示しており、結晶場ポテンシャルの2つの
極小値にはエネルギー差εが生じるが、本発明で用いる
印加電場(例えば400V/cm)程度では、Tiイオ
ンの存在確率|ψ|2 がほとんど変化しない。図10
(d)は光励起した状態を示しており、光励起によって
非対称な固有関数φa が励起され、βが大きくなり、図
10(d)に示すようにTiイオンの存在確率|ψ|2
はポテンシャルの2つの極小値で非対称になる。すなわ
ち、Tiイオンは2つの極小値のどちらかに偏って存在
するようになり、双極子を形成する。しかしながら、光
励起された双極子ベクトルに相関が無く、無秩序に存在
するため、双極子相互作用によってドメインが成長され
るまでには到らず、基底状態に緩和してしまう。図10
(e)は印加電場と光励起が共に存在する状態を示して
おり、光励起によって生じた双極子は印加電場によって
エネルギー的に非等価となり、双極子が同じ方向に向く
傾向が強くなる。さらに双極子相互作用と印加電場の効
果によってドメイン成長がさらに促進され、上記実施例
に示したような異常に大きな誘電率の増大が起こると考
えられる。
【0030】次に、本発明の可変容量コンデンサを説明
する。図11は本発明の可変容量コンデンサの構成を示
す図である。図11(a)は本発明の可変容量コンデン
サのコンデンサと光照射手段の構成を示す図であり、図
11(b)は、コンデンサと、光照射手段と、直流電圧
源と、制御手段と、入力手段との接続関係を示す図であ
る。図11(a)において、コンデンサ1は図1に示し
たコンデンサの構成と同じであり、コンデンサ物質には
量子常誘電体結晶または強誘電体結晶を使用する。例え
ばSrTiO3 である量子常誘電体結晶2と量子常誘電
体結晶2の表面上にストライプ状に間隔4を開けて設け
た電極3,3とから成る。間隔4上には近接してまたは
接触して光照射手段22が設けられている。光照射手段
22は、例えば、チップ状の発光ダイオードでも良く、
また、チップ状のレーザダイオードでも良く、光照射手
段22の発光面を間隔4に向けて配設されている。コン
デンサ1と光照射手段22は恒温槽5中に配置される。
図11(b)において、電極3,3との間に配線23,
23を介して直流電圧源6が接続され、光照射手段22
は配線24を介して制御手段25に接続され、制御手段
25は配線26を介して入力手段27に接続されてい
る。配線28、28はコンデンサ1の容量を他の回路構
成部品に導くための配線であり、電極3,3に接続され
ている。例えば、同調回路が本発明の可変容量コンデン
サを容量としている場合には、配線28,28は同調回
路の他の部品、例えば抵抗に導かれている。
【0031】上記構成の本発明の可変容量コンデンサ3
0は以下のように動作する。恒温槽5を所定の温度に保
ち、所望の容量値を入力手段27に入力する。入力手段
27は、前もって求めた照射光強度と容量の関係から所
望の容量に対応する制御信号を配線26を介して制御手
段25に出力する。制御手段25は配線24を介し、制
御信号に基づいて光照射手段22の照射光強度を制御す
る。例えば、フォトダイオードやレーザダイオードの場
合には駆動電流を制御して行う。コンデンサ1は、所定
の温度に制御され、所望の容量値に対応する照射光強度
で照射され、かつ静電場が印加されているので所望の容
量値を実現することができる。なお、本発明の可変容量
コンデンサを自動制御する場合には、他の機器からの制
御信号を直接入力手段27へ入力する。
【0032】本発明の可変容量コンデンサ30は、上記
のように、可動部品を含まないので信頼性が高く、ま
た、量子常誘電体結晶、または強誘電体結晶を用いるの
で微小な光強度で誘電率を変化させることができ、その
結果、光照射手段に発光ダイオードや半導体ダイオード
のような微小な光源が使用でき、従って、極めて小型に
構成することができる。
【0033】次に、本発明の紫外線センサを説明する。
図12は、本発明の紫外線センサの構成を示す図であ
る。図12(a)は、本発明の紫外線センサのコンデン
サ1の構成を示す図であり、図12(b)はコンデンサ
1と、直流電圧源6と、検知手段51との接続関係を示
す図である。図12(a)において、コンデンサ1は図
1に示したコンデンサの構成と同じであり、コンデンサ
物質には量子常誘電体結晶または強誘電体結晶を使用す
る。例えばSrTiO3 である量子常誘電体結晶2と量
子常誘電体結晶2の表面上にストライプ状に間隔4を開
けて設けた電極3,3とから成る。図12(b)におい
て、電極3,3との間に配線23,23を介して直流電
圧源6が接続され、電極3,3との間に配線52,52
を介して検知手段51が接続される。検知手段51は、
コンデンサ1の容量を測定できるものであればどのよう
な構成のものでも良く、例えば、交流ブリッジ回路から
なる検出手段であっても良い。コンデンサ1は所定の温
度にコンデンサ1を保持する恒温槽5に配設される。被
検出光53は恒温槽5の図示しない透光性の窓を介して
コンデンサ1の間隔4に照射される。検知手段51は、
所定の容量を超えたときに出力端子51aから外部に信
号を出力するようにしても良い。
【0034】上記構成の本発明の紫外線センサ50はつ
ぎのように動作する。被検出光53がコンデンサ1の間
隔4に照射されるとコンデンサ1の量子常誘電体結晶2
の誘電率が変化し容量が変化する。コンデンサ1の容量
を検知手段51が測定し、この容量から、紫外線量を測
定、または、検知する。所定の容量を超えたときに外部
に信号を出力端子51aから出力することもできる。
【0035】量子常誘電体結晶または強誘電体結晶は、
紫外線領域に相当するバンドギャップエネルギーを有す
るものが多い。従って、コンデンサ物質として、紫外線
領域に相当するバンドギャップエネルギーを有する量子
常誘電体結晶または強誘電体結晶を用いれば、紫外線セ
ンサとして利用できる。従来の紫外線センサには半導体
pn接合を利用したものがあるが、これらのセンサはバ
ンドギャップエネルギーが小さく、紫外線のみを検知す
ることは不可能であり、可視光にも反応してしまう。本
発明の紫外線センサによれば、紫外線のみに反応するの
で、高感度な紫外線センサになる。
【0036】次に、本発明の磁気センサを説明する。図
13は本発明の磁気センサの構成を示す図である。図1
3(a)は本発明の磁気センサ60のコンデンサ1の構
成を示す図であり、図13(b)はコンデンサ1と検知
手段61との接続関係を示す図である。図13(a)に
おいて、コンデンサ1は図1に示したコンデンサの構成
と同じであり、コンデンサ物質には量子常誘電体結晶ま
たは強誘電体結晶を使用する。例えばSrTiO3 であ
る量子常誘電体結晶2と量子常誘電体結晶2の表面上に
ストライプ状に間隔4を開けて設けた電極3,3とから
成る。図13(b)において、電極3,3との間に配線
62,62を介して検知手段61が接続される。検知手
段61は、コンデンサ1の容量を測定できるものであれ
ばどのような構成のものでも良く、例えば、交流ブリッ
ジ回路からなる検出手段であっても良い。コンデンサ1
は所定の温度にコンデンサ1を保持する恒温槽5に配設
される。励起光63は恒温槽5の図示しない透光性の窓
を介してコンデンサ1の間隔4に照射される。励起光6
3は量子常誘電体結晶2または強誘電体結晶2のバンド
ギャップエネルギーに相当するエネルギーを有する紫外
線領域の光である。この図の場合、被検知磁場64は、
励起光63と同一方向の場合を図示しているが、この方
向に限らず、量子常誘電体結晶2の表面上のストライプ
間隔4に磁場が存在すれば磁場方向によらずに検知でき
る。
【0037】上記構成の本発明の磁気センサ60は以下
のように動作する。励起光63がコンデンサ1の間隔4
に照射され、かつ、被検知磁場64が存在すると、磁場
強度に応じてコンデンサ1の量子常誘電体結晶2または
強誘電体結晶2の誘電率が変化し、コンデンサ1の容量
が変化する。検知手段61がコンデンサ1の容量を測定
し、この容量から被検知磁場64を測定する。
【0038】量子常誘電体結晶または強誘電体結晶は、
紫外線領域に相当するバンドギャップエネルギーを有す
るものが多い。従って、コンデンサ物質として、紫外線
領域に相当するバンドギャップエネルギーを有する量子
常誘電体結晶または強誘電体結晶を用いれば、可視光線
を透過するので、可視光線の影響を受けないで磁場強度
を測定でき、また、可視光線に何ら影響を与えることな
く磁場強度を測定できる。例えば、光磁気記録において
は、磁気記録媒体に可視光レーザビームを照射すると共
に光照射部分の磁気記録媒体に磁場を加えて磁化反転さ
せて情報を記憶するが、この際、磁化反転が生じると磁
場強度が変化する。従って本発明の磁気センサを用いれ
ば、可視光線上の磁場強度を検知できるので、磁化反転
が生じたかどうかが判定でき、磁化反転完了と同時に可
視レーザー光照射を終了することがでる。従って、情報
書き込み速度を大幅に向上することができる。
【0039】なお、上記実施の形態で示した例は、発明
を理解しやすくするために記載したものであり、この形
態に限定されるものではない。
【0040】
【発明の効果】上記説明から理解されるように、本発明
によれば、誘電体結晶に固有な誘電率を数千倍以上に大
きくでき、また、所望の誘電率に制御することができ
る。また、本発明の可変容量コンデンサは、信頼性が高
く、かつコンパクトに構成することができる。また、本
発明の紫外線センサは、低コスト、高感度である。さら
に、本発明の磁気センサは、可視光線上の磁場強度を検
知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の誘電率測定に用いた測定系を示す図
である。
【図2】He−Cd・CWレーザ(波長:325nm)
光の強度を10nWで照射した場合のSrTiO3 コン
デンサの容量の温度依存性を示すグラフである。
【図3】SrTiO3 コンデンサの容量の光照射強度依
存性を示すグラフである。
【図4】He−Cd・CWレーザ(波長:325nm)
光の強度を59μWで照射した場合のCaTiO3 コン
デンサの容量の温度依存性を示すグラフである。
【図5】CaTiO3 コンデンサの容量の光照射強度依
存性を示すグラフである。
【図6】He−Cd・CWレーザ(波長:325nm)
光の強度を20nWで照射した場合のKTaO3 コンデ
ンサの容量の温度依存性を示すグラフである。
【図7】波長375nmのLED(発光ダイオード)光
を照射した場合の酸素同位体O 18からなるSrTiO3
コンデンサの容量の温度依存性を示すグラフである。
【図8】磁場印加の場合の測定系を示す図である。
【図9】波長:325nmのHe−Cd・CWレーザを
照射した場合の、SrTiO3コンデンサの容量の磁場
依存性を示す図である。
【図10】SrTiO3 の量子常誘電状態に電子励起を
伴う光励起と電場を印加することにより生ずる光励起効
果のメカニズムを説明する模式図である。
【図11】本発明の可変容量コンデンサの構成を示す図
である。
【図12】本発明の紫外線センサの構成を示す図であ
る。
【図13】本発明の磁気センサの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ 2 量子常誘電体結晶(強誘電体結晶) 3 電極 4 間隔 5 恒温槽 6 容量計 7 直流定電圧源 8 レーザ 9 円筒レンズ 10 レーザ光 11 光透過窓 12 コイル 13 磁場 22 光照射手段 23,24,26,28 配線 25 制御手段 27 入力手段 30 可変容量コンデンサ 41 結晶場ポテンシャル 50 磁気センサ 51 検知手段 51a 出力端子 52 配線 53 被検出光 60 磁気センサ 61 容量検知手段 62 配線 63 励起光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/04 (72)発明者 石川 忠彦 東京都世田谷区尾山台3−19−7 コーラ ルハイツ204 (72)発明者 八木 駿郎 北海道札幌市北区新琴似9条12丁目2−14 (72)発明者 伊藤 満 神奈川県横浜市青葉区桜台33−7 桜台ユ ートビレジ1−11 (72)発明者 栗田 雅章 東京都品川区旗の台1−10−10 小出荘2 D (72)発明者 下田 寛明 神奈川県川崎市中原区丸子通1−416 ス トーク新丸子弐番館505号 Fターム(参考) 2G017 AA01 AD69 5F038 AC04 AC15 AV01 AV03 AZ07 EZ20 5F058 BA11 BC03 BD05 5F088 AA20 AB01 BA15 BB10 LA05

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体結晶を所定の温度に保ち、この誘
    電体結晶に誘電体結晶のバンドギャップエネルギーに相
    当するエネルギーの光を照射すると共に電場を印加し、
    上記誘電体結晶の誘電率を変化させることを特徴とす
    る、誘電率変化方法。
  2. 【請求項2】 誘電体結晶を所定の温度に保ち、この誘
    電体結晶に誘電体結晶のバンドギャップエネルギーに相
    当するエネルギーの光を照射すると共に磁場を印加し、
    上記誘電体結晶の誘電率を変化させることを特徴とす
    る、誘電率変化方法。
  3. 【請求項3】 前記誘電体結晶に照射する光の強度、印
    加する電場強度、または印加する磁場強度により、また
    は、これらの組み合わせにより、誘電率を制御すること
    を特徴とする、請求項1または2に記載の誘電率変化方
    法。
  4. 【請求項4】 前記誘電体結晶は量子常誘電体結晶であ
    り、前記所定の温度は上記量子常誘電体結晶の量子常誘
    電状態温度領域より高い温度であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の誘電率変化方法。
  5. 【請求項5】 前記量子常誘電体結晶は、SrTi
    3 、CaTiO3 またはKTaO3 であることを特徴
    とする、請求項4に記載の誘電率変化方法。
  6. 【請求項6】 前記誘電体結晶は強誘電体結晶であり、
    前記所定の温度は、上記強誘電体の相転移温度より高い
    または上記強誘電体の相転移温度より低い温度であるこ
    とを特徴とする、請求項1または2に記載の誘電率変化
    方法。
  7. 【請求項7】 前記強誘電体結晶は、酸素同位体O18
    らなるSrTiO3であることを特徴とする、請求項6
    に記載の誘電率変化方法。
  8. 【請求項8】 誘電体結晶とこの誘電体結晶上に設けた
    電極とからなるコンデンサと、このコンデンサを所定の
    温度に保持する保温手段と、この誘電体結晶に上記電極
    を介して電場を印加する電源と、上記誘電体結晶に光照
    射する光照射手段と、この光照射手段の光強度を制御す
    る制御手段と、この制御手段に制御情報を入力する入力
    手段とを有することを特徴とする、光可変容量コンデン
    サ。
  9. 【請求項9】 前記光照射手段が、前記誘電体結晶に接
    触または近接して配設した発光ダイオード、半導体レー
    ザ、ガスレーザまたは固体レーザであることを特徴とす
    る、請求項8に記載の光可変容量コンデンサ。
  10. 【請求項10】 前記誘電体結晶は量子常誘電体結晶で
    あり、前記所定の温度は上記量子常誘電体結晶の量子常
    誘電状態温度領域より高い温度であることを特徴とす
    る、請求項8に記載の光可変容量コンデンサ。
  11. 【請求項11】 前記量子常誘電体結晶は、SrTiO
    3 、CaTiO3 またはKTaO3 であることを特徴と
    する、請求項10に記載の光可変容量コンデンサ。
  12. 【請求項12】 前記誘電体結晶は強誘電体結晶であ
    り、前記所定の温度は、上記強誘電体の相転移温度より
    高いまたは上記強誘電体の相転移温度より低い温度であ
    ることを特徴とする、請求項8に記載の光可変容量コン
    デンサ。
  13. 【請求項13】 前記強誘電体結晶は酸素同位体O18
    らなるSrTiO3であることを特徴とする、請求項1
    2に記載の光可変容量コンデンサ。
  14. 【請求項14】 誘電体結晶とこの誘電体結晶上に設け
    た電極とからなるコンデンサと、このコンデンサを所定
    の温度に保持する保温手段と、この誘電体結晶に上記電
    極を介して電場を印加する電源と、上記コンデンサの容
    量を検知する検知手段とを有することを特徴とする、紫
    外線センサ。
  15. 【請求項15】 前記誘電体結晶は量子常誘電体結晶で
    あり、前記所定の温度は上記量子常誘電体結晶の量子常
    誘電状態温度領域より高い温度であることを特徴とす
    る、請求項14に記載の紫外線センサ。
  16. 【請求項16】 前記量子常誘電体結晶は、SrTiO
    3 、CaTiO3 またはKTaO3 であることを特徴と
    する、請求項15に記載の紫外線センサ。
  17. 【請求項17】 前記誘電体結晶は強誘電体結晶であ
    り、前記所定の温度は、上記強誘電体の相転移温度より
    高いまたは上記強誘電体の相転移温度より低い温度であ
    ることを特徴とする、請求項14に記載の紫外線セン
    サ。
  18. 【請求項18】 前記強誘電体結晶は酸素同位体O18
    らなるSrTiO3であることを特徴とする、請求項1
    7に記載の紫外線センサ。
  19. 【請求項19】 誘電体結晶とこの誘電体結晶上に設け
    た電極とからなるコンデンサと、このコンデンサを所定
    の温度に保持する保温手段と、上記誘電体結晶に光照射
    する光照射手段と、上記コンデンサの容量を測定する容
    量測定手段とを有することを特徴とする、磁気センサ。
  20. 【請求項20】 前記誘電体結晶は量子常誘電体結晶で
    あり、前記所定の温度は上記量子常誘電体結晶の量子常
    誘電状態温度領域より高い温度であることを特徴とす
    る、請求項19に記載の磁気センサ。
  21. 【請求項21】 前記量子常誘電体結晶は、SrTiO
    3 、CaTiO3 またはKTaO3 であることを特徴と
    する、請求項20に記載の磁気センサ。
  22. 【請求項22】 前記誘電体結晶は強誘電体結晶であ
    り、前記所定の温度は、上記強誘電体の相転移温度より
    高いまたは上記強誘電体の相転移温度より低い温度であ
    ることを特徴とする、請求項19に記載の磁気センサ。
  23. 【請求項23】 前記強誘電体結晶は酸素同位体O18
    らなるSrTiO3であることを特徴とする、請求項2
    2に記載の磁気センサ。
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