JP2003207606A - 光学素子及び光学ピックアップ - Google Patents

光学素子及び光学ピックアップ

Info

Publication number
JP2003207606A
JP2003207606A JP2002005272A JP2002005272A JP2003207606A JP 2003207606 A JP2003207606 A JP 2003207606A JP 2002005272 A JP2002005272 A JP 2002005272A JP 2002005272 A JP2002005272 A JP 2002005272A JP 2003207606 A JP2003207606 A JP 2003207606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
substrate
optical element
optical
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002005272A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Miura
隆博 三浦
Masahiro Yamada
正裕 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2002005272A priority Critical patent/JP2003207606A/ja
Priority to US10/336,795 priority patent/US6839188B2/en
Publication of JP2003207606A publication Critical patent/JP2003207606A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1365Separate or integrated refractive elements, e.g. wave plates
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B13/00Optical objectives specially designed for the purposes specified below
    • G02B13/18Optical objectives specially designed for the purposes specified below with lenses having one or more non-spherical faces, e.g. for reducing geometrical aberration
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/0025Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for optical correction, e.g. distorsion, aberration
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/025Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses using glue
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1372Lenses
    • G11B7/1374Objective lenses
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1392Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration
    • G11B7/13922Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration passive

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optical Head (AREA)
  • Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズの径を小さくすることやレンズの曲率
を大きくすることを可能にすると共に、レンズに対して
入射光の光軸が傾いたときに発生するコマ収差も補正可
能とする構成の光学素子及びこの光学素子を用いた光学
ピックアップを提供する。 【解決手段】 入射光に対して透明な基板に高屈折率の
材料から成るレンズ12が埋め込まれて成るレンズ基板
11と、入射光に対して透明な平行平板状の基板13と
を有し、レンズ基板11及び平行平板状の基板13が互
いに平行にかつ平行平板状の基板13がレンズ12によ
る集束点側に配置されるように一体化されて成る光学素
子21を構成する。また、この光学素子21を備え、少
なくとも光源と、光源から出射された光を集束させて記
録媒体に照射するレンズ12とを有する光学ピックアッ
プを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に高屈折率の
レンズが埋め込まれたレンズ基板を有して成る光学素子
及びこの光学素子を用いた光学ピックアップに係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロレンズは、光通信や、光
記録媒体例えば光ディスクに情報信号を記録再生する光
学ピックアップのヘッド等、幅広く利用されるようにな
っており、高NA(開口数)化や非球面化が望まれてい
る。
【0003】従来、光通信や光学ピックアップ等に使用
されているマイクロレンズにおいては、安価で大量生産
が可能な製造方法として、金型を用いたプレス成形法が
採用されている。
【0004】ところで、光学ピックアップ等の用途にお
いては、レンズの径を小さくすると共に、レンズの開口
数NAを高くするためにレンズの曲率を大きくする、と
いう要望がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、径が小
さく、かつ曲率の大きいレンズを製造しようとすると、
プレス成形するための金型を作製することが困難にな
る。
【0006】そのため、マイクロレンズの製造方法とし
て、現在フォトリソグラフィ技術や、本出願人が先に提
案した製造方法(特願2000−132897号、特願
2000−189729号、特願2000−18973
0号、特願2000−305122号、特願2001−
37366号、特願2001−51736号参照)等が
提案されている。
【0007】しかしながら、これら提案されている製造
方法では、レンズの両面に非球面加工を施すことや、レ
ンズを厚くすることが技術的に難しい。その結果、これ
らの製造方法により製造されるレンズは、厚さの薄い平
凸非球面形状、即ち一方の主面が非球面で他方の主面が
平面である形状となっていた。
【0008】このような平凸非球面形状のレンズでは、
非球面である主面側で光軸上に発生する球面収差を補正
するように設計すると、レンズに対して入射光の光軸が
傾いたときに発生するコマ収差の量を同時に小さくする
ことができないという問題があった。これは、入射光の
光軸が傾いたときに発生するコマ収差は、非球面である
主面側では補正できるのに対して、平面である主面側で
は補正できないこと、また非球面を球面収差を補正する
ために最適化しているため、コマ収差を完全に補正しき
れないことによる。
【0009】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、レンズの径を小さくすることやレンズの曲率を
大きくすることを可能にすると共に、レンズに対して入
射光の光軸が傾いたときに発生するコマ収差も補正可能
とする構成の光学素子及びこの光学素子を用いた光学ピ
ックアップを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光学素子は、入
射光に対して透明な基板にこの基板よりも高屈折率の材
料から成るレンズが埋め込まれて成るレンズ基板と、入
射光に対して透明な平行平板状の基板とを有し、レンズ
基板及び平行平板状の基板が互いに平行にかつ平行平板
状の基板がレンズによる入射光の集束点側に配置される
ように一体化されて成るものである。
【0011】本発明の光学ピックアップは、少なくとも
光源と、光源から出射された光を集束させて記録媒体に
照射するレンズとを有し、光に対して透明な基板にこの
基板よりも高屈折率の材料から成るレンズが埋め込まれ
てレンズ基板が構成され、レンズ基板及び光に対して透
明な平行平板状の基板が互いに平行にかつ平行平板状の
基板がレンズによる光の集束点側に配置されるように一
体化されて成る光学素子を備えたものである。
【0012】上述の本発明の光学素子の構成によれば、
レンズ基板及び平行平板状の基板が互いに平行にかつ平
行平板状の基板がレンズによる入射光の集束点側に配置
されるように一体化されて成ることにより、入射光の光
軸がレンズに対して傾いたときにレンズにおいて発生す
るコマ収差を、平行平板状の基板において発生するコマ
収差により相殺して補正することが可能になる。これに
より、入射光の光軸がレンズに対して傾いたときに発生
するコマ収差を小さくすることができる。
【0013】上述の本発明の光学ピックアップの構成に
よれば、上述の本発明の光学素子を備えて構成されてい
ることにより、入射光の光軸がレンズに対して傾いたと
きに発生するコマ収差を小さくすることができることか
ら、入射光を集束させて記録媒体に良好な形状のスポッ
トを形成することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、入射光に対して透明な
基板にこの基板よりも高屈折率の材料から成るレンズが
埋め込まれて成るレンズ基板と、入射光に対して透明な
平行平板状の基板とを有し、レンズ基板及び平行平板状
の基板が互いに平行にかつ平行平板状の基板がレンズに
よる入射光の集束点側に配置されるように一体化されて
成る光学素子である。
【0015】また本発明は、上記光学素子において、レ
ンズ基板及び平行平板状の基板が接着剤層により貼り合
わされて一体化されている構成とする。
【0016】また本発明は、上記光学素子において、レ
ンズ基板及び平行平板状の基板が、位置保持機構により
互いに平行に配置されて一体化されている構成とする。
【0017】また本発明は、上記光学素子において、レ
ンズの入射側の面が非球面であり、レンズの出射側の面
が平面である構成とする。
【0018】また本発明は、上記光学素子において、レ
ンズ基板の屈折率をnA 、レンズの屈折率をnB 、レン
ズの実効的な屈折率NをN=(nB /nA +nB )/2
として、レンズの主点から焦点までの各層を同じ厚さの
均質な媒質に置換したときの屈折率をnC と定義したと
き、第1の条件式:N>1.62かつnB >nA 、第2
の条件式:0.35<nA +nC −nB <1.0を共に
満足するように、平行平板状の基板の屈折率及び厚さが
選定されている構成とする。
【0019】本発明は、少なくとも光源と、光源から出
射された光を集束させて記録媒体に照射するレンズとを
有し、光に対して透明な基板にこの基板よりも高屈折率
の材料から成るレンズが埋め込まれてレンズ基板が構成
され、レンズ基板及び光に対して透明な平行平板状の基
板が互いに平行にかつ平行平板状の基板がレンズによる
光の集束点側に配置されるように一体化されて成る光学
素子を備えた光学ピックアップである。
【0020】また本発明は、上記光学ピックアップにお
いて、光学素子を用いたスライダーが記録媒体に対向す
るように配置されている構成とする。
【0021】また本発明は、上記光学ピックアップにお
いて、光学素子と記録媒体との間隔が0.1μm以上1
0μm以下とされている構成とする。
【0022】本発明の一実施の形態として、光学素子の
概略構成図(断面図)を図1に示す。この光学素子21
は、平板状のレンズ基板11に、このレンズ基板11よ
りも屈折率の高い材料から成るレンズ12が埋め込まれ
て成る。これらレンズ基板11及びレンズ12は、いわ
ゆる固体含浸レンズを構成している。また、レンズ12
及びレンズ基板11は、いずれも伝播している光ビーム
Lに対して透明な材料により形成されている。
【0023】レンズ基板11は、例えば誘電体基板(ガ
ラスや光学結晶等)により構成される。レンズ12は、
光ビームLの入射側の面12Aが凸状の非球面とされ、
光ビームLの出射側の面12Bが平面とされた平凸非球
面レンズとなっている。
【0024】本実施の形態では、特にレンズ基板11に
対してレンズ12による光ビームLの集束点(像点)側
に、さらに平行平板状の収差補正基板13が配置されて
いる。そして、レンズ基板11と収差補正基板13とが
接着剤層14により貼り合わされ、これらが一体化され
て光学素子21が構成されている。即ちレンズ12の平
面12Bを基準面として、これに対向する収差補正基板
13の平面13Aが基準面12Bと互いに平行となるよ
うにして、接着剤層14により貼り合わせている。
【0025】収差補正基板13は、光ビームLに対して
透明な基板、例えば誘電体基板(ガラスや光学結晶等)
により構成される。この収差補正基板13には、レンズ
基板11と同一の材料を用いてもよく、レンズ基板11
とは異なる材料(ガラスの組成を変えたものも含む)を
用いてもよい。
【0026】レンズ12が埋め込まれたレンズ基板11
は、例えば先に提案した製造方法(特願2000−13
2897号、特願2000−189729号、特願20
00−189730号、特願2000−305122
号、特願2001−37366号、特願2001−51
736号参照)を使用して製造することが可能である。
【0027】本実施の形態の光学素子21においては、
所定の波長を有するコヒーレントな光ビームをコリメー
トし、このコリメートした光ビームLをレンズ12が埋
め込まれたレンズ基板11に透過させることにより、レ
ンズ(平凸非球面レンズ)12によって収れんする光に
して、収差補正基板13を透過して集束させる。
【0028】続いて、本実施の形態の光学素子21に斜
めに光が入射した場合における動作を図2を参照して説
明する。光ビームLの集束点(像点)で観察されるコマ
収差は、レンズ12に対して光ビームLが傾きθ0 で入
射したときに発生するコマ収差(第1のコマ収差成分)
と、レンズ12を出射した集束光が収差補正基板(厚さ
0 、屈折率n0 )13に傾きθ0 で入射したときに発
生するコマ収差(第2のコマ収差成分)との和となる。
このうち、後者のコマ収差(第2のコマ収差成分)の量
は、ザイデルのコマ収差係数から求められ、以下の式
(1)に比例する量となり、極性は入射角θ0 によって
決定される。
【0029】
【0030】一般的なガラスレンズにより形成され、第
1面を球面、第2面を平面とした平凸球面レンズに平行
光を入射する場合は、レンズで発生するコマ収差はザイ
デルの収差係数から求められ、以下の式(2)に比例す
る量となる。
【0031】 ただし、レンズの屈折率をn1 とし、平行光のレンズに
対する入射角をθ1 とする。
【0032】この式(2)から、屈折率n1 がおおよそ
1.62以上になると、このレンズで発生するコマ収差
の極性が反転することがわかる。
【0033】また、図1のレンズ12のように平凸非球
面レンズに平行光を入射する場合には、式(2)をその
まま適用することはできない。しかしながら、レンズ1
2の屈折率をある値以上にすると、レンズ12で発生す
るコマ収差(第1のコマ収差成分)の極性が反転する。
尚、この極性が反転する屈折率の値は非球面の形状によ
り異なる。
【0034】このようにレンズ12で発生するコマ収差
(第1のコマ収差成分)の極性が反転することにより、
式(1)で表される収差補正基板13で発生するコマ収
差(第2のコマ収差成分)と反対になり、収差補正基板
13の屈折率n0 と厚さt0を適当に選ぶことによっ
て、これら第1及び第2のコマ収差成分を相殺すること
が可能になる。
【0035】ここで、レンズ12の実効屈折率Nを下記
の式(3)のように定義する。 N=(nB /nA +nB )/2 (3) これは、屈折率nA のレンズ基板11から屈折率nB
レンズ12に光ビームが入射し、屈折率nB のレンズ1
2から屈折率1の空気層に光ビームが出射することか
ら、光ビームの入射及び出射における各屈折率の変化
(nB /nA 及びn B /1)を平均化したものである。
【0036】このとき、レンズ12で発生するコマ収差
(第1のコマ収差成分)と収差補正基板13で発生する
コマ収差(第2のコマ収差成分)の極性が相反するとき
のレンズ12の屈折率の条件式は、おおよそ以下の式
(4)のようになる。
【0037】第1の条件式 N>1.65 かつ nB >nA (4)
【0038】この第1の条件式を満足するとき、さらに
収差補正基板13の屈折率n0 及び厚さt0 を調整する
ことにより、レンズ12において発生するコマ収差(第
1のコマ収差成分)を収差補正基板13の発生するコマ
収差(第2のコマ収差成分)で相殺することが可能とな
る。
【0039】そして、前述の第1の条件式を満たす構成
のレンズ12において、さらに以下の第2の条件式を同
時に満たすとき、レンズ12に対して入射光の軸が傾い
たときに発生するコマ収差を少なくすることができる。 第2の条件式 0.35<nA −nB +nC <1.0 (5)
【0040】ただし、nC はレンズ12の主点から焦点
までの距離Tの間に挿入された空気層を含む全ての層
を、屈折率nC ・厚さTの均質な媒質に置き換えたとき
の屈折率とする。
【0041】nC は、例えば図1の光学素子21の構成
では、以下の式(6)(7)のように定義することがで
きる。 nC ×T=nB ×t1 +n基板×t基板+n空気×t空気 (6) となる。式(6)の右辺は、レンズ12の主点から焦点
(像点)までの間に挿入された空気層を含む全ての層を
通る光の光路長の合計であり、t1 はレンズ基板11に
埋め込まれたレンズ12の主点位置からレンズの出射面
12Bまでの厚さ、n基板とt基板は、それぞれ収差補
正基板13の屈折率とその厚さとし、n空気とt空気
は、それぞれ収差補正基板13と像点との間にある空気
層の屈折率とその厚さとする。 nC ={nB ×t1 +n基板×t基板+n空気×t空気}/T (7)
【0042】従って、図1のレンズ12のように、入射
面12Aを非球面、出射面12Bを平面とした平凸非球
面レンズを設計する場合には、まずレンズ12の開口数
NA、光ビームLの波長、レンズ12の焦点距離、レン
ズ12の厚さについて、それぞれ所望の値を設定する。
さらに、第1の条件式を満たすように、所望の波長に対
するレンズ基板11及びレンズ12の屈折率nA 及びn
B を決定する。そうすると、nC は収差補正基板13の
屈折率と厚さの積(n基板×t基板)で決まる値になる
ので、さらにnC が第2の条件式を満たすように収差補
正基板13の屈折率(n基板)及び厚さ(t基板)を決
定する。
【0043】そして、入射面12Aの非球面を使って球
面収差を補正すると、光軸上で発生する球面収差及びレ
ンズ12に対して入射光の軸が傾いたときに発生するコ
マ収差の少ないレンズを作製することができる。
【0044】尚、上述の第2の条件式を満たさないと、
収差補正基板13によって、入射光の軸が傾いたときに
レンズ12に発生するコマ収差を相殺してコマ収差を小
さくすることが困難になる。
【0045】続いて、図3に示すように、収差補正基板
13以外に図1の構成の光学素子21の出射面から焦点
(像点)の位置までの間に、収差補正基板13に対して
平行に、光ビームLを透過する誘電体基板(又は誘電体
膜)20が挿入されている場合の動作を考える。
【0046】このような誘電体基板(又は誘電体膜)2
0の具体例としては、例えば汚れの付着防止のためのカ
バーや、光ディスクの表面への反射防止膜等のコート膜
が挙げられる。
【0047】この場合、集束点(像点)で観測されるコ
マ収差は、レンズ12に対して傾きθ0 で入射したとき
に発生するコマ収差(第1のコマ収差成分)と、レンズ
12を出射した集束光が収差補正基板13及び誘電体基
板(又は誘電体膜)20に傾きθ0 で入射したときに発
生するコマ収差(第2のコマ収差成分)の和となる。従
って、これらのコマ収差即ち第1のコマ収差成分及び第
2のコマ収差成分の和が0となるように、収差補正基板
13及び誘電体基板(又は誘電体膜)20の屈折率と厚
さを決定すればよい。この場合の条件式は、条件式2記
載のnC の定義式を以下の式(8)のようにすればよ
い。即ち前述の式(6)の右辺に、誘電体基板(又は誘
電体膜)20の項を追加する。
【0048】 ここで、ni ,ti は、レンズ12の主点の位置から焦
点(像点)の位置までの間に挿入されている収差補正基
板13、空気層、誘電体基板(又は誘電体膜)20の各
屈折率とその厚さを表し、xは主点位置から焦点位置ま
での間に挿入されている媒質の層数を表す。よって、n
C は、 と表される。
【0049】この図3の構成の場合には、まず第1の条
件式を満たすように所望の波長に対するレンズ12の屈
折率nA ,nB を設定した後に、レンズ12の厚さ及び
誘電体基板(又は誘電体膜)20の材料及び厚さを決定
すると、nC は収差補正基板13の屈折率と厚さの積
(n基板×t基板)で決まる値になるので、さらにnC
が第2の条件式を満たすように収差補正基板13の屈折
率(n基板)と厚さ(t基板)を決定する。
【0050】そして、入射面12Aの非球面を使って球
面収差を補正すると、光軸上で発生する球面収差及びレ
ンズ12に対して入射光の軸が傾いたときに発生するコ
マ収差の少ないレンズを作製することができる。
【0051】次に、図1の光学素子21を用いた光学ピ
ックアップの要部の概略構成図を図4に示す。図4に示
す光学ピックアップは、所定の波長を有するレーザ光を
出射させる半導体レーザ1と、ビームスプリッター2
と、コリメータレンズ3と、絞り4と、図1に示した光
学素子21とを所定の位置関係に配置して、半導体レー
ザ1から出射されたレーザ光(光ビーム)Lを被照射部
例えば光ディスク10に照射するように構成されてい
る。また、光ディスク10の記録面により変調され反射
されたレーザ光(光ビーム)Lを検出するための構成と
して、ビームスプリッター2の後方に、調整レンズ5及
び光検出器6が配置されている。
【0052】この光学ピックアップは次のように動作す
る。半導体レーザ1から所定の波長を有するレーザ光L
を出射させ、このレーザ光Lをビームスプリッター2に
よって反射させ、コリメータレンズ3でコリメートし、
絞り4を通過させ、対物レンズ即ち光学素子21内のレ
ンズ12により集束させる。これにより、レーザ光Lが
光ディスク10の光透過誘電体基板を通って、光ディス
ク10の情報記録面10Xに集束される。また、この情
報記録面10Xで変調されて反射したレーザ光Lは、レ
ンズ(対物レンズ)12、絞り4、コリメータレンズ
3、ビームスプリッター2、調整レンズ5を介して光検
出器6に入力される。
【0053】次に、図1に示した光学素子21を用いた
他の光学ピックアップとして、図1に示した光学素子2
1をスライダーとして使用した場合の要部の概略構成図
を図5に示す。スライダーを構成する光学素子21と、
被照射部例えば光ディスク10とが、狭い間隔で対向す
るように配置されている。
【0054】この場合、光学素子21の焦点(像点)側
の出射面(収差補正基板13の出射側の面)13Bと光
ディスク10の表面に塗布された光透過層のレンズ12
側の面10Aとの間隔を0.1μm以上10μm以下の
範囲内で一定に保つ必要がある。
【0055】そのためには、前述のように第1の条件式
及び第2の条件式を満たすnC は収差補正基板13の屈
折率と厚さの積(n基板×t基板)で決まる値になるの
で、光学素子21の焦点側の出射面13Bと光ディスク
10のレンズ側の面10Aとの間隔が上述の0.1μm
以上10μm以下の範囲内で一定に保たれるように、収
差補正基板13の厚さ(t基板)の値を決定すればよ
い。そして、この厚さ(t基板)に対応して収差補正基
板13の屈折率(n基板)を決定すればよい。
【0056】また、これら図4に示した光学ピックアッ
プ及び図5に示した光学ピックアップでは、図1に示し
た光学素子21を備えていることにより、収差補正基板
13によって、レンズ12に入射するレーザ光Lの光軸
が傾いた場合にレンズ12で発生するコマ収差を補正し
て小さくすることができる。
【0057】次に、本発明の他の実施の形態として、光
学素子の概略構成図(断面図)を図6に示す。本実施の
形態の光学素子22は、図1に示した光学素子21の構
成を一部変形したものである。本実施の形態では、レン
ズ基板11と、平行平板状の収差補正基板13とを、互
いに平行になるように、保持部材等の位置保持機構15
を用いて配置している。この位置保持機構15によっ
て、レンズ基板11及びレンズ12の焦点(像点)側の
出射面(平面)12Bと、収差補正基板13のレンズ1
2側の入射面13Aとが平行に配置されている。
【0058】本実施の形態の光学素子22によれば、レ
ンズ12の平面12Bを収差補正基板13を取り付ける
ための位置基準面として使えるので、位置保持機構15
を使って比較的容易に平行かつ所望の間隔で精度良く収
差補正基板13を取り付けることが可能である。
【0059】図6では、レンズ基板11及びレンズ12
と、収差補正基板13との間は、空気層となっている
が、この空間に他の光ビームLに対して透明な材料(接
着剤層やガラス等)を均一に充填する構成としてもよ
い。
【0060】尚、この構成の光学素子22を用いてスラ
イダーを構成し、図5に示した構成と同様の光学ピック
アップを構成することも可能である。その場合には、位
置保持機構15を用いて、収差補正基板13と光ディス
クとの間隔が前述の間隔(0.1μm以上10μm以
下)になるように、収差補正基板13を配置することに
より実現することができる。
【0061】図7は、本発明の別の実施の形態として、
光学素子の概略構成図(断面図)を示す。本実施の形態
では、レンズ基板11に埋め込まれたレンズ16の形状
が図1の光学素子21のレンズ12とは異なっている。
即ちレンズ16は、光ビームLの入射側の面16Aは凸
状の非球面とされ、光ビームLの出射側の面16Bは凸
状の曲面(球面又は非球面)とされた凸レンズとなって
いる。そして、図1の光学素子21と同様に、レンズ1
6が埋め込まれたレンズ基板11と平行平板状の収差補
正基板13とが接着剤層14により貼り合わされ、これ
らが一体化されて光学素子23が構成されている。
【0062】ただし、本実施の形態では、レンズ16の
下面が凸面となっていてレンズ基板11の下面から突出
しているため、レンズ16と収差補正基板13との間に
は接着剤層14を設けていない。
【0063】この場合も、所定の波長を有するコヒーレ
ントな光ビームをコリメートし、このコリメートした光
ビームLをレンズ16が埋め込まれたレンズ基板11に
透過させることにより、レンズ(凸レンズ)16によっ
て収れんする光にして、収差補正基板13を透過して集
束させる。
【0064】本実施の形態の光学素子23では、レンズ
16の凸状の曲面とされた出射側の面16Bによって
も、レンズ16の入射側の面16Aで発生したコマ収差
を多少補正することが可能である。これにより、収差補
正基板13とレンズ16の出射側の面16Bとを合わせ
てコマ収差の補正を行うことができる。これにより、収
差補正基板13のみでコマ収差を補正する場合よりも、
収差補正基板13の設計条件の自由度が大きくなる。
【0065】図8は、本発明のさらに別の実施の形態と
して、光学素子の概略構成図(断面図)を示す。この光
学素子24は、図7に示したと同様の構成のレンズ(凸
レンズ)16がレンズ基板11中に埋め込まれ、このレ
ンズ基板11と平行平板状の収差補正基板13が保持部
材等の位置保持機構15により互いに平行となるように
固定されて一体化されたものである。この構成でも同様
に、収差補正基板13により、レンズ16により発生し
たコマ収差を補正することができる。
【0066】尚、図7に示した光学素子23及び図8に
示した光学素子24を変形して、レンズ基板11の出射
側の面をレンズ(凸レンズ)16の下面16Bに合わせ
た曲面とした構成とすることもできる。この構成では、
レンズ基板11にレンズ16を埋め込んでから出射側の
面を曲面に加工することが可能である。この場合には、
レンズ基板11の入射側の面(平面)を基準面として、
レンズ基板11及び収差補正基板13が互いに平行にな
るように配置する。
【0067】上述の各実施の形態の光学素子21,2
2,23,24によれば、レンズ12,16が埋め込ま
れたレンズ基板11と平行平板状の収差補正基板13と
を互いに平行に配置して一体化したことにより、レンズ
12,16に対して入射光の軸が傾いたとき(斜めに入
射したとき)にレンズ12,16において発生するコマ
収差(第1のコマ収差成分)を、平行平板状の収差補正
基板13において発生するコマ収差(第2のコマ収差成
分)で相殺することができる。また、光軸上で発生する
球面収差は、レンズ12,16の入射面12A,16A
の非球面で補正することができる。
【0068】これにより、簡単な構成で、光軸上で発生
する球面収差及びレンズ12,16に対して入射光の軸
が傾いたとき(斜めに入射したとき)に発生するコマ収
差を少なくすることができる。
【0069】また、図1や図6等に示すように、レンズ
12が薄い平凸非球面レンズとなっていても、光軸上で
発生する球面収差及びレンズ12に対して入射光の光軸
が傾いたときに発生するコマ収差を少なくすることがで
きる。
【0070】従って、先に提案した製造方法等によっ
て、薄い平凸非球面レンズを作製することにより、径が
小さく曲率の大きいレンズを形成して、短い波長(例え
ば400nm)の光に対応させた場合やレンズの開口数
NAを高くした場合でも、光軸上で発生する球面収差及
びレンズに対して入射光の軸が傾いたときに発生するコ
マ収差を小さくすることができる。
【0071】そして、上述の各実施の形態の光学素子2
1,22,23,24を用いて光学ピックアップを構成
することにより、薄い平凸非球面レンズでも光軸上で発
生する球面収差及びレンズに対して入射光の軸が傾いた
ときに発生するコマ収差を少なく(小さく)することが
できる。これにより、入射光を集束させて記録媒体に良
好な形状のスポットを形成することが可能になると共
に、対物レンズの径を小さく曲率を大きくして、短い波
長の光に対応させたり、対物レンズの開口数を高くする
ことが可能となる。従って、光ビームLの短波長化や対
物レンズの高開口数化により、高記録密度の光記録媒体
に対して情報の記録や再生を行うことができる光学ピッ
クアップを実現することが可能になる。
【0072】さらに、上述の各実施の形態の光学素子2
1,22,23,24をスライダーとして利用して光学
ピックアップを構成した場合には、光軸上で発生する球
面収差及びレンズに対して入射光の光軸が傾いたときに
発生するコマ収差を少なくすることができると同時に、
光学素子21,22,23,24の出射側の面と光ディ
スク等光記録媒体との間隔を一定に保つことができる。
好ましくは、光記録媒体との間隔を、前述した0.1μ
m以上10μm以下の範囲内で一定に保つように設定す
る。
【0073】(設計例1)続いて、本発明の光学素子の
具体的な設計例を示す。図9に概略構成図(断面図)を
示す光学素子25を用意する。即ち図1に示した光学素
子21と同様に、入射面12Aが非球面とされ、出射面
12Bが平面とされた平凸非球面レンズとなっているレ
ンズ12がレンズ基板11に埋め込まれ、このレンズ基
板11に収差補正基板13が貼り付けられて成る光学素
子25を用意する。この光学素子25は、収差補正基板
13がレンズ基板11と比較して厚く形成されている。
また、この光学素子25の収差補正基板13の像点側に
空気層17がある。
【0074】まず、光学素子25のレンズ12の開口数
NAをNA=0.65、光ビームLの波長を655n
m、レンズ12の焦点距離を0.38mm、レンズ12
の厚さを0.12mm、とそれぞれ設定した。さらに、
前述した第1の条件式を満たすように、レンズ基板11
及びレンズ12の屈折率nA ,nB が、それぞれnA
1.485379及びnB =2.2579となるように
材料を選定した。このとき、レンズ12の主点からレン
ズ12の出射面12Bまでの距離t1 は、t1 =0.0
2169mmとなった。また、第2の条件式を満たすよ
うに、収差補正基板13の屈折率(n基板)及び厚さ
(t基板)として、n基板=1.682604及びt基
板=0.40を選択して、nC =1.5879とした。
この場合、空気層17の厚さは0.089127mmと
なる。
【0075】このとき、第1及び第2の条件式は、以下
のようにいずれも満足される。 第1の条件式 N=1.89>1.62 第2の条件式 0.35<nA +nC −nB =0.81
5<1.0
【0076】これらの設計値、即ち光学素子25のレン
ズ基板11、レンズ12、収差補正基板13、並びに空
気層17について、厚さd(mm)及び屈折率nの設計
値の例を表1にまとめて示す。尚、表1中のレンズ基板
11の厚さは、レンズ12が埋め込まれた中央部の厚さ
であり、レンズ12が埋め込まれていない外周部の厚さ
はレンズ12の厚さとの和(0.22mm)となる。
【0077】
【表1】
【0078】また、レンズ12の入射面12Aの非球面
の形状を示す各係数を表2に示す。表2中rは曲率半
径、kは円錐係数、A〜Dは非球面係数(E以降の文字
は指数表示即ち×10n )を示し、光軸方向の座標(光
の進行方向を正とする)をZとし、光軸と垂直方向の座
標をYとしたときに、以下の式で表されるものである。
【0079】
【表2】
【0080】図9に示した光学素子25におけるレンズ
12へ入射する入射光の入射角θと波面収差及びコマ収
差の収差量との関係を図10に示す。また、比較のた
め、収差補正基板13を設けない従来の光学素子の場合
のレンズへの入射光の入射角θと収差量との関係を図1
1に示す。これら図10及び図11において、曲線I
(実線)は波面収差を示し、曲線II(破線)はコマ収差
を示す。
【0081】図10及び図11を比較することにより、
波面収差を1/10程度に、コマ収差を数十分の1程度
にすることができ、いずれも大幅に小さくすることがで
きることがわかる。
【0082】(設計例2)図12に概略構成図(断面
図)を示す光学素子26を用意する。即ち図1に示した
光学素子21と同様に、入射面12Aが非球面とされ、
出射面12Bが平面とされた平凸非球面レンズとなって
いるレンズ12がレンズ基板11に埋め込まれ、このレ
ンズ基板11に収差補正基板13が貼り付けられて成る
光学素子26を用意する。この光学素子26は、収差補
正基板13がレンズ基板11と比較してやや薄く形成さ
れている。また、この光学素子26は、図5に示した構
成と同様に、スライダーを構成していて、収差補正基板
13の像点側即ち光ディスク10の光ディスク基板8と
の間に薄い空気層17がある。図中9は、光ディスク基
板8に形成された記録層、反射層や表面保護層等の各層
をまとめて示している。
【0083】まず、光学素子26のレンズ12の開口数
NAをNA=0.90、光ビームLの波長を400n
m、レンズ12の焦点距離を0.20mm、レンズ12
の厚さを0.1mm、とそれぞれ設定した。さらに、前
述した第1の条件式を満たすように、レンズ基板11及
びレンズ12の屈折率nA ,nB が、それぞれnA
1.5308及びnB =2.4657となるように材料
を選定した。このとき、レンズ12の主点からレンズ1
2の出射面12Bまでの距離t1 は、t1 =0.016
55mmとなった。また、第2の条件式を満たすよう
に、収差補正基板13の屈折率(n基板)及び厚さ(t
基板)として、n基板=1.5308及びt基板=0.
1483を選択した。即ちこの設計例では、収差補正基
板13にレンズ基板11と同じ材料(屈折率1.530
8)を用いている。さらに、空気層17の厚さを0.0
01mm(1μm)とし、光ディスク10の光ディスク
基板8の厚さを0.1mm、屈折率を1.62441と
して、nC=1.6222と設定した。
【0084】このとき、第1及び第2の条件式は、以下
のようにいずれも満足される。 第1の条件式 N=2.01>1.62 第2の条件式 0.35<nA +nC −nB =0.73
7<1.0
【0085】これらの設計値、即ち光学素子25のレン
ズ基板11、レンズ12、収差補正基板13、空気層1
7、並びに光ディスク基板8について、厚さd(mm)
及び屈折率nの設計値の例を表3にまとめて示す。尚、
表3中のレンズ基板11の厚さは、レンズ12が埋め込
まれた中央部の厚さであり、レンズ12が埋め込まれて
いない外周部の厚さはレンズ12の厚さとの和(0.2
mm)となる。
【0086】
【表3】
【0087】また、レンズ12の入射面12Aの非球面
の形状を示す各係数を表4に示す。表4中の各係数の意
味は表2と同じである。
【0088】
【表4】
【0089】図12に示した光学素子26におけるレン
ズ12へ入射する入射光の入射角θと波面収差及びコマ
収差の収差量との関係を図13に示す。図13におい
て、曲線I(実線)は波面収差を示し、曲線II(破線)
はコマ収差を示す。
【0090】図13においても、図10の従来の光学素
子と比較して、波面収差及びコマ収差を大幅に小さくす
ることができることがわかる。
【0091】上述した各設計例から、本発明はレーザ光
の波長、レンズの開口数NAや焦点距離によらずに適用
できることがわかる。
【0092】ところで、本発明のように平行平板状の基
板を用いる代わりに、2枚のレンズを使用して、集束点
(像点)側の2枚目のレンズの非球面により1枚目のレ
ンズで生じたコマ収差を補正する構成も考えられる。し
かしながら、この2枚のレンズを使用した構成では、2
枚のレンズを精度良く位置合わせをする必要があるため
製造コストが高くなってしまう。
【0093】これに対して、前述した本発明の各実施の
形態の光学素子21,22,23,24では、1枚のレ
ンズ12又は16と収差補正基板13によりコマ収差を
補正するため、コマ収差の量を小さくするために2枚の
レンズを使用した構成のように精度良く位置合わせする
必要がなくなり、構成を簡略化することができることか
ら、製造コストを低減することができる利点を有する。
【0094】尚、本発明は、レンズを2枚以上使用した
構成にも適用することができる。そして、特にレンズを
2枚使用した構成においては、本発明を適用することに
より2枚目のレンズと収差補正用の平行平板状の基板と
を組み合わせてコマ収差を補正すればよいため、2枚目
のレンズについてコマ収差を完全に補正する構成とする
必要がなくなる。これにより、2枚目のレンズについて
設計の自由度が広がり、2枚目のレンズについても他の
特性を最適化するように設計することが可能になる。
【0095】本発明は、上述の実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他
様々な構成が取り得る。
【0096】
【発明の効果】上述の本発明の光学素子によれば、レン
ズが埋め込まれたレンズ基板と平行平板状の基板とを互
いに平行に配置して、これらを一体化させて光学素子を
構成するという比較的簡単な構成により、光軸上で発生
する球面収差及びレンズに対して入射光の軸が傾いたと
きに発生するコマ収差を少なくすることが可能になる。
【0097】特に、レンズ基板に埋め込まれたレンズが
平凸非球面レンズであっても、光軸上で発生する球面収
差及びレンズに対して入射光の光軸が傾いたときに発生
するコマ収差を少なくすることができるため、短い波長
の光に対応させたり、レンズの開口数NAを高くするこ
とができる。
【0098】従って、本発明の光学素子を用いて光学ピ
ックアップを構成することにより、入射光を集束させて
記録媒体に良好な形状のスポットを形成することが可能
になると共に、レーザ光の短波長化や対物レンズの高開
口数化により、高記録密度の記録媒体に対して情報の記
録や再生を行うことができる光学ピックアップを実現す
ることが可能になる。
【0099】また、本発明の光学素子をスライダーとし
て利用して光学ピックアップを構成した場合には、さら
に光学素子の出射面と光記録媒体との間隔を一定に保つ
ことができ、0.1μm以上10μm以下の範囲内で一
定に保つことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の光学素子の概略構成図
(断面図)である。
【図2】図1の光学素子に斜めに光が入射したときの動
作を説明する図である。
【図3】図1の光学素子に対して誘電体基板(又は誘電
体膜)を付加した構成を示す図である。
【図4】図1の光学素子を用いた光学ピックアップの要
部の概略構成図である。
【図5】図1の光学素子を用いた他の光学ピックアップ
の要部の概略構成図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の光学素子の概略構成
図(断面図)である。
【図7】本発明の別の実施の形態の光学素子の概略構成
図(断面図)である。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態の光学素子の概
略構成図(断面図)である。
【図9】本発明の光学素子の概略構成図(断面図)であ
る。
【図10】図9の光学素子における入射角と収差量の関
係を示す図である。
【図11】収差補正基板を設けない従来の光学素子にお
ける入射量と収差量の関係を示す図である。
【図12】本発明の光学素子の概略構成図(断面図)で
ある。
【図13】図12の光学素子における入射量と収差量の
関係を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ、2 ビームスプリッター、3 コリ
メータレンズ、4 絞り、6 光検出器、8 光ディス
ク基板、10 光ディスク、11 レンズ基板、12,
16 レンズ、13 収差補正基板、14 接着剤層、
15 位置保持機構、17 空気層、21,22,2
3,24,25,26 光学素子、L 光ビーム
フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA13 LA01 PA01 PA18 PB02 QA01 QA05 QA07 QA18 QA21 QA33 QA34 QA42 RA05 RA12 RA42 5D119 AA01 AA11 AA22 BA01 EB02 EC04 EC15 JA44 JA64 JB01 JB02 JB03 MA06 NA05 5D789 AA01 AA11 AA22 BA01 EB02 EC04 EC15 JA44 JA64 JB01 JB02 JB03 MA06 NA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光に対して透明な基板に該基板より
    も高屈折率の材料から成るレンズが埋め込まれて成るレ
    ンズ基板と、 入射光に対して透明な平行平板状の基板とを有し、 上記レンズ基板及び上記平行平板状の基板が、互いに平
    行に、かつ上記平行平板状の基板が上記レンズによる入
    射光の集束点側に配置されるように、一体化されて成る
    ことを特徴とする光学素子。
  2. 【請求項2】 上記レンズ基板及び上記平行平板状の基
    板が接着剤層により貼り合わされて一体化されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 【請求項3】 上記レンズ基板及び上記平行平板状の基
    板が、位置保持機構により互いに平行に配置されて一体
    化されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素
    子。
  4. 【請求項4】 上記レンズの入射側の面が非球面であ
    り、上記レンズの出射側の面が平面であることを特徴と
    する請求項1に記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 上記レンズ基板の屈折率をnA 、上記レ
    ンズの屈折率をnB 、上記レンズの実効的な屈折率Nを
    N=(nB /nA +nB )/2として、上記レンズの主
    点から焦点までの各層を同じ厚さの均質な媒質に置換し
    たときの屈折率をnC と定義したとき、 第1の条件式:N>1.62かつnB >nA 第2の条件式:0.35<nA +nC −nB <1.0 を共に満足するように、上記平行平板状の基板の屈折率
    及び厚さが選定されていることを特徴とする請求項1に
    記載の光学素子。
  6. 【請求項6】 少なくとも光源と、 上記光源から出射された光を集束させて記録媒体に照射
    するレンズとを有し、 上記光に対して透明な基板に、該基板よりも高屈折率の
    材料から成る上記レンズが埋め込まれてレンズ基板が構
    成され、 上記レンズ基板及び上記光に対して透明な上記平行平板
    状の基板が、互いに平行に、かつ上記平行平板状の基板
    が上記レンズによる上記光の集束点側に配置されるよう
    に、一体化されて成る光学素子を備えたことを特徴とす
    る光学ピックアップ。
  7. 【請求項7】 上記光学素子を用いたスライダーが上記
    記録媒体に対向するように配置されていることを特徴と
    する請求項6に記載の光学ピックアップ。
  8. 【請求項8】 上記光学素子と上記記録媒体との間隔が
    0.1μm以上10μm以下とされていることを特徴と
    する請求項7に記載の光学ピックアップ。
JP2002005272A 2002-01-11 2002-01-11 光学素子及び光学ピックアップ Pending JP2003207606A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002005272A JP2003207606A (ja) 2002-01-11 2002-01-11 光学素子及び光学ピックアップ
US10/336,795 US6839188B2 (en) 2002-01-11 2003-01-06 Optical element and optical pickup

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002005272A JP2003207606A (ja) 2002-01-11 2002-01-11 光学素子及び光学ピックアップ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003207606A true JP2003207606A (ja) 2003-07-25

Family

ID=27644362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002005272A Pending JP2003207606A (ja) 2002-01-11 2002-01-11 光学素子及び光学ピックアップ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6839188B2 (ja)
JP (1) JP2003207606A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016177059A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 オリンパス株式会社 蛍光観察用ユニットおよび蛍光観察装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004361239A (ja) * 2003-06-04 2004-12-24 Enplas Corp マイクロ分析システム用光学系

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6590717B2 (en) * 2000-09-26 2003-07-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical system for optical disk, optical head unit for optical disk, and optical drive device
JP3712628B2 (ja) * 2001-04-06 2005-11-02 シャープ株式会社 対物レンズおよびその製造誤差の補正方法並びに該対物レンズを用いた光ピックアップ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016177059A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 オリンパス株式会社 蛍光観察用ユニットおよび蛍光観察装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20030174415A1 (en) 2003-09-18
US6839188B2 (en) 2005-01-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6987615B2 (en) Diffractive optical element and optical head using the same
EP1043615A1 (en) Optical head and recording/reproducing device
PL185067B1 (pl) Soczewka obiektywowa
KR100765741B1 (ko) 일 매의 렌즈로 된 고개구수의 대물렌즈 및 이를 채용한광픽업장치
EP0863502B1 (en) An optical pickup and an optical pickup objective lens assembling method
US6819504B2 (en) High NA objective lens for optical pick-up
JP2002303787A (ja) 対物レンズおよびその製造誤差の補正方法並びに該対物レンズを用いた光ピックアップ装置
JP2000090477A (ja) 光ピックアップ、情報再生装置及び情報記録装置
US8223442B2 (en) Objective lens for optical pick-up
US6646817B2 (en) Objective lens for optical recording media and optical pickup apparatus using the same
US20050232121A1 (en) Refracting objective optical system and optical recording/reproducing device using the same
US20060221454A1 (en) Collimator lens for optical pickup
US6898024B2 (en) Optical system for optical pickup employing coma compensating element
JP2002522809A (ja) 光学走査装置および、そのような装置を装備した情報面における情報の読み取りおよび/または書き込みを行うための光学機器
JP2008032991A (ja) 干渉計用基準レンズ
JP2003207606A (ja) 光学素子及び光学ピックアップ
JP2005535063A (ja) 2種類の材料で形成された対物レンズを含むスキャン装置
US20030090987A1 (en) Objective lens for optical recording medium and optical pickup apparatus
JP2000162503A (ja) 反射微小光学系
JP2003347682A (ja) 半導体レーザ装置及び光ヘッド装置
JP2004251924A (ja) ビームエクスパンダー及びこれを用いた光ヘッド
KR100562338B1 (ko) 광픽업 장치
JP2004511060A (ja) 記録担体を走査する光学ヘッド
JPS593724B2 (ja) 不均質屈折率レンズ
KR100607937B1 (ko) 광디스크 경사 보정장치 및 이를 채용한 광픽업장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080325

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080722