JP2003207511A - 磁性体微粒子標識検体の検出方法及びその装置 - Google Patents

磁性体微粒子標識検体の検出方法及びその装置

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JP2003207511A
JP2003207511A JP2002002108A JP2002002108A JP2003207511A JP 2003207511 A JP2003207511 A JP 2003207511A JP 2002002108 A JP2002002108 A JP 2002002108A JP 2002002108 A JP2002002108 A JP 2002002108A JP 2003207511 A JP2003207511 A JP 2003207511A
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Saburo Tanaka
三郎 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁性体微粒子で標識された抗原抗体反応の反応
物などの検体の検出感度に優れ、しかも簡便に検出でき
る磁性体微粒子標識検体の検出方法及びその装置を提供
すること。 【解決手段】磁性体微粒子標識検体の検出方法は、抗原
抗体反応における磁性体微粒子で標識された反応物など
の検体を標識する磁性体微粒子を磁化後、検体を冷却
し、磁気検出手段を用いて磁性体微粒子による磁気信号
を検出する。磁性体微粒子標識検体の検出を行う装置1
00は、磁化された磁性体微粒子で標識された検体を通
過させる貫通孔が穿設されたピックアップループを有す
るSQUID磁気センサ21と、該SQUID磁気セン
サ21を冷却するSQUID磁気センサ冷却手段25と
を備えたクライオスタット20と、検体を標識する磁性
体微粒子の磁化手段40と、検体搬送手段50、51
と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗原抗体反応にお
ける磁性体微粒子で標識された反応物の検出、標識され
た断片化DNAなど生体高分子の検出などに用いること
ができる高感度な磁性体微粒子標識検体の検出方法及び
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】動物体内の免疫系の検出法に代表される
様々な抗原抗体反応の反応物(以下、検体ともいう)に
標識を結合させ、この標識を検出することにより検体の
定性あるいは定量を行う検出法がある。このような検出
法は、標識の種類と検出手段により多くの方法が提供さ
れている。
【0003】この検出法として、従来より、放射性同位
元素標識法、蛍光検出法、酵素標識検出法などがある。
しかしながら、放射性同位元素標識法は、特定管理区域
で作業を行わなければならないという制約や、作業者の
安全性の点から広く一般に利用できる方法とは言い難
い。蛍光検出法では、蛍光が退色する、いわゆるブリー
チング現象が生じるため、短時間での評価が必要でその
精度に問題があった。酵素標識検出法では、標識した酵
素が不安定になるような場合には利用が制約され、また
検出感度の点でも更なる高感度の検出法が期待されてい
た。
【0004】近年、磁性体微粒子で標識する検出法が提
案されている。このような検出法としては、残留磁気測
定法や磁気緩和法等が知られているが、標識としての磁
性体微粒子の粒径が検出感度に大きく影響し、十分な感
度が得られていないのが現状である。
【0005】そのため、超伝導量子干渉素子(以下、S
QUIDという)と呼ばれる素子が実用化されている。
このようなものとして、例えば、特開2001−334
55号公報には、標識としての磁性体を抗原抗体反応に
より検体に結合させ、該標識を磁化した上で、磁気セン
サとしてのSQUIDにより該標識を検出する免疫検査
法において、該標識を磁化するための磁界が、該SQU
IDの検出する磁束の方向と直角であることを特徴とす
る免疫検査法が開示されており、また、特開2001−
133458号公報には、抗原抗体反応検出装置におい
て、抗原抗体反応に際して、磁性体微粒子で標識された
抗体に対して交流磁界を印加する交流磁界の印加手段
と、その信号をSQUID磁気センサを用いて検出する
手段とを具備することを特徴とする抗原抗体反応検出装
置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
SQUIDを用いるいずれの検出法においても、磁性体
微粒子の磁化が常温で行われるため、磁性体微粒子の双
極子の内部磁気モーメントがバラツキ易く、ひいては検
出感度を十分に高められないということがあった。ま
た、SQUID磁気センサと検体との間が離間している
ため、SQUID磁気センサで検出される磁束量子が少
なく、ひいては検出感度を十分に高められないというこ
とがあった。更に、磁化コイルがSQUID磁気センサ
に近い位置に配設されるため、磁気コイルの磁界がSQ
UID磁気センサによる検出に影響を及ぼす虞があり、
磁性体微粒子の磁化方法やSQUID磁気センサによる
検出方法などに特段の工夫をしなければならず煩雑であ
った。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、検出感度に優れ、しかも簡便に検出できる磁性体
微粒子標識検体の検出方法及びその装置を提供すること
を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の磁性体微粒子標識検体の検出方法は、抗原抗
体反応における磁性体微粒子で標識された反応物などの
検体の検出に用いる磁性体微粒子標識検体の検出方法で
あって、検体を標識する磁性体微粒子を磁化後、検体を
冷却し、磁気検出手段を用いて磁性体微粒子による磁気
信号を検出するものである。
【0009】本発明は、上記構成により検体が冷却され
るので、磁化された磁性体微粒子の双極子の内部磁気モ
ーメントが固定され、また磁性体微粒子のブラウン運動
が抑制され、SQUID磁気センサなどの磁気検出手段
を用いて磁化手段により印加された検体を標識する磁性
体微粒子の磁気信号を鋭敏に検出することが可能とな
る。また、検体の冷却による前記作用から、磁性体微粒
子の磁化手段を磁気検出手段から離間した位置に配設で
きるので、磁化手段が磁気検出手段に及ぼす影響を減弱
させることができる。なお、冷却とは、何らかの冷却手
段を講じて磁性体微粒子で標識された検体の温度を下げ
ることであり、検体自体を凍結させる場合も含むもので
ある。
【0010】また、本発明の磁性体微粒子標識検体の検
出方法は、抗原抗体反応における磁性体微粒子で標識さ
れた反応物などの検体の検出に用いる磁性体微粒子標識
検体の検出方法であって、検体を標識する磁性体微粒子
を磁化後、検体をSQUID磁気センサのワッシャーに
電気的あるいは磁気的に結合されたピックアップループ
に形成される貫通孔を通過させ、該通過時の磁性体微粒
子による磁気信号をSQUID磁気センサを用いて検出
するものである。
【0011】本発明は、上記構成により検体がSQUI
D磁気センサの構成部分であるピックアップループを通
過し、SQUIDに近い位置で磁性体微粒子の磁気信号
を検出できるので、ピックアップループを通過する磁性
体微粒子の磁束量子が多くなり、ひいてはより高感度に
磁気信号を検出することが可能となる。
【0012】また、本発明の磁性体微粒子標識検体の検
出を行う装置は、抗原抗体反応における磁性体微粒子で
標識された反応物などの検体の検出に用いる磁性体微粒
子標識検体の検出を行う装置であって、貫通孔が穿設さ
れると共にワッシャーに電気的あるいは磁気的に結合さ
れたピックアップループを有するSQUID磁気センサ
と、該SQUID磁気センサを冷却するSQUID磁気
センサ冷却手段とを備えたクライオスタットと、検体を
標識する磁性体微粒子の磁化手段と、検体搬送手段と、
を備えてなり、前記検体搬送手段により、磁化された磁
性体微粒子で標識された検体を前記ピックアップループ
の貫通孔を通過させ、該通過時の磁性体微粒子による磁
気信号をSQUID磁気センサを用いて検出するもので
ある。
【0013】本発明は、上記構成により検出感度に優れ
た磁性体微粒子標識検体の検出方法を行うことが可能と
なる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0015】本発明の磁性体微粒子標識検体の検出方法
は、図1に示す抗原抗体反応の反応物を検体として好適
に用いることができるので、これを例に挙げて説明す
る。図1は、樹脂やガラスなどで形成された検体用プレ
ート1に予め抗原2を付着させ、そこに抗原2を認識す
る一次抗体3を反応させ、さらに磁性体微粒子4で標識
された二次抗体5を反応させたものである。これによ
り、抗原2を認識した一次抗体3が磁性体微粒子4によ
って認識される。
【0016】上記では、一次抗体を介するものであった
が、磁性体微粒子で標識された抗体を直接抗原と反応さ
せることも可能である。また、ダイオキシンなどに特異
的に結び付く抗体を予め検体用プレートに付着させて、
ダイオキシンなどの抗原を付加し、それに磁性体微粒子
で標識されたに二次抗体を付着させることもできる。更
に、本発明の磁性体微粒子標識検体の検出方法は、抗原
抗体反応の反応物のみならず、例えば標識されたプロー
ブDNAや断片化DNAなどの生体高分子の検出などに
も用いることができ、また定量反応あるいは定性反応を
問わず用いることができる。
【0017】磁性体微粒子4は、微粒子であっても残留
磁化が大きいものが望ましいが、これには特に限定され
ず、例えば強磁性体、常磁性体、超常磁性体、フェリ磁
性体などから選択することができ、鉄、酸化鉄、水酸化
鉄、コバルトなどの微粒子を用いることができる。ま
た、磁性体微粒子4の分散性を向上させるために、デキ
ストランのような多糖類などでコーティングすることも
できる。
【0018】検体10を標識する磁性体微粒子4は、磁
化コイルなどの磁化手段により磁化される。磁化コイル
は、直流コイルでも交流コイルでも良い。また、磁化コ
イルは単一コイルでも、あるいは半径及び巻数の等しい
一対の円筒コイルを共通の軸に対してある間隔を置いて
配置し、直列に接続したヘルムホルツコイルを用いても
良い。磁性体微粒子4の磁化は、2回以上繰り返しても
良い。例えば、磁化コイルで一旦磁化し、更に磁化され
た磁性微粒子4を磁化コイルで再度磁化し、その後、検
体10を冷却しても良い。これにより、磁性体微粒子4
の磁化を確実に行うことができる。また、磁気検出手段
としてSQUID磁気センサを用いる場合、磁化手段を
クライオスタットの外側でSQUID磁気センサから離
間した位置に配設して磁性体微粒子4の磁化を行っても
良い。これにより、磁化手段がSQUID磁気センサに
及ぼす影響を減弱させることができる。
【0019】次いで、検体用プレート1上の磁性体微粒
子4が磁化された検体10は冷却される。冷却は、例え
ば液体窒素などを用いて行うことができる。冷却によ
り、磁化された磁性体微粒子4の双極子の内部磁気モー
メントが固定され、また磁性体微粒子4のブラウン運動
が抑制されるので、SQUID磁気センサなどの磁気検
出手段を用いて磁化手段により印加された検体10の磁
気信号を高感度で検出することが可能となる。検体10
の冷却は、磁気検出手段による検出に先立ち、2回以上
繰り返しても良い。これにより、磁気信号をより高感度
に検出することができる。
【0020】冷却された検体10に印加された磁気信号
の検出は、上記のSQUID磁気センサは勿論のこと、
プロトン磁束計、ホール効果MRセンサ、フラックスゲ
ート磁束計などの磁気検出手段を用いて行うことができ
る。SQUID磁気センサは、ダイレクトカップル型や
フリップチップ型など各種のものを用いることができ
る。
【0021】SQUID磁気センサを用いる場合、SQ
UID磁気センサの構成部分であるピックアップループ
に貫通孔を穿設し、該貫通孔に検体を通過させる構成と
しても良い。これにより、検体はSQUIDに近い位置
を通過できるので、ピックアップループを通過する磁性
体微粒子の磁束量子が多くなり、ひいてはより高感度に
磁気信号を検出することができる。ピックアップループ
の貫通孔を通過させる場合、検体を冷却しても、あるい
は冷却しなくても良いが、冷却する方がより一層高感度
の検出が可能となるので好ましい。
【0022】なお、上記の検体用プレート1上の検体1
0に対する磁化、冷却などの一連の操作は、マニュアル
で行っても、あるいは検体搬出手段を用いて自動的に行
っても良い。
【0023】次いで、本発明の磁性体微粒子標識検体の
検出方法に用いることができる装置100について説明
する。この装置100は、図2と図3に示すように、磁
気検出手段に相当するSQUID磁気センサ21とSQ
UID磁気センサ冷却手段に相当する液体窒素タンク2
5と該液体窒素タンク25に連通する銅伝熱ロッド26
と第2の検体冷却手段に相当する液体窒素が充填された
銅円筒体27とが各々収容されるクライオスタット20
と、該クライオスタット20の外側に配設される磁性体
微粒子4の磁化手段に相当する磁化コイル40と、検体
搬出手段に相当する検体収容チューブ50と検体ガイド
チューブ51とを備えている。
【0024】クライオスタット20は、SQUID磁気
センサ21を動作させるための低温保持装置で、SQU
ID磁気センサ21を常に低温に保ちながら検体10の
磁気信号を測定するためのものである。クライオスタッ
ト20の筐体部は、天板の一部が開口する下部円筒体部
28とこの下部円筒体部28の天板上に載置され、底板
が開口して下部円筒体部28と連通する小径の上部円筒
体部29とから構成され、クライオスタット20の内部
は真空状態に維持されている。また、クライオスタット
20は外部磁場の影響を少なくするため図示しない磁気
シールドケース内に収容されている。なお、磁気シール
ドケースを設けることは必ずしも必要ではない。
【0025】下部円筒体部28には、液体窒素タンク2
5が収容されている。液体窒素タンク25の上部には、
銅伝熱ロッド26が立設され、銅伝熱ロッド26の先端
部は上部円筒体部29内に収容されている。銅伝熱ロッ
ド26の基端部は、液体窒素タンク25内に連通し、先
端部に取り付けられたSQUID磁気センサ21を冷却
する。なお、液体窒素タンク25は、SQUID磁気セ
ンサ21を冷却するのみならず第3の検体冷却手段とし
て検体をも冷却するものである。また、液体窒素タンク
25と銅伝熱ロッド26には、20層のアルミマイラ3
0が重層され断熱効果が高められている。
【0026】SQUID磁気センサ21は、超伝導リン
グを一つ又は二つのジョセフソン接合に結合したもので
あり、応用としては高感度磁力計、近磁界アンテナ、非
常に小さな電流又は電圧の測定に適するものである。図
4(b)に示すように、SQUID磁気センサ21のS
QUID22は、ダイレクトカップル型で、ワッシャー
ルに電気的あるいは磁気的に結合されたピックアップル
ープ23により磁束を捕らえ、ピックアップループ23
に流れる電流を直接SQUID22に流入させるもので
ある。ピックアップループ23の中央には、貫通孔24
が穿設され、検体10を通過させることができるように
なっている。
【0027】既述の検体10が付着された検体用プレー
ト1は、図5に示すように、テフロン(登録商標)で形
成された検体収容チューブ50に収容され、該検体収容
チューブ50は同じくテフロン(登録商標)で形成され
た検体ガイドチューブ51内に移動自在に収容される。
検体ガイドチューブ51は、上部円筒体29、銅円筒体
27、銅伝熱ロッド26及びピックアップループ23
(貫通孔24)を通過し固定されている。検体収容チュ
ーブ50は、検体ガイドチューブ51内に収容された状
態で液体窒素により冷却されるので、検体10は凍結す
る。なお、上部円筒体29の検体ガイドチューブ51の
通過箇所には、気密性を保持するためシリコン樹脂シー
ル31がテーパー状に嵌入されている(ウイルソンシー
ル)。なお、検体収容チューブ50及び検体ガイドチュ
ーブ51の材質は、テフロン(登録商標)に限定される
ものではなく、また断面形状は特に円形に限定されるも
のではなく、四角形、三角形などでも良い。
【0028】図示しない磁気シールドケースの外側に
は、円筒体内に収容された直流の磁化コイル40が配設
されている。検体ガイドチューブ51は、この円筒体を
も通過するように構成されており、この検体ガイドチュ
ーブ51内を検体収容チューブ50を検体移動機構32
を用いて移動させることにより磁性体微粒子4を磁化さ
せることができる。磁化後、円筒体内には直ちに液体窒
素が充填されるようになっており、この第1の検体冷却
手段により検体10を速やかに冷却することができる。
また、磁化コイル40はクライオスタット20の外側に
配設されているので、磁化コイル40の磁場がSQUI
D磁気センサ21に及ぼす影響をより減弱させることが
できる。
【0029】次いで、冷却された検体10はクライオス
タット20内に移動され、銅円筒体27内で液体窒素に
より冷却される。これにより、検体ガイドチューブ51
内に存在する常温の空気に起因するSQUID磁気セン
サ21の温度上昇の虞を未然に防止できる。更に、検体
10は銅伝熱ロッド26を通過することにより再度冷却
され、SQUID磁気センサ21のピックアップループ
23の通過により、図4に示すように、ピックアップル
ープ23で磁性体微粒子4の磁束量子が捕らえられ、そ
の結果、ピックアップループ23の表面に矢印の方向に
電流が流れる。この電流は、ピックアップコイル23が
結合されるワッシャーに流れ込み、このときに生じた電
圧を信号として測定する。この信号は、図2に示すSQ
UID駆動回路33を介しハイパスフイルター34を通
すことにより直流部分をカットし、微小な信号を測定す
ることによりX−Yペンレコーダー35に出力され記録
される。
【0030】本発明は、上記の実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り様々に
態様を変更して具体化することができる。以下、その一
例を述べる。 (1)検体の磁化手段は、クライオスタット内に配設し
ても良い。 (2)上記の実施の形態における検体の冷却は、第1〜
第3の検体冷却手段により行われるものであるが、検体
の磁化後、少なくとも1回のみ冷却する構成としても良
い。 (3)検体冷却手段は、SQUID磁気センサ冷却手段
の併用ではなく別体で構成しても良い。 (4)クライオスタットの筐体部は、少なくともSQU
ID磁気センサとSQUID磁気センサ冷却手段を収容
できる限り、上記の実施の形態に限定されるものではな
く、例えば上下別体でなく一体で構成しても良い。
【0031】
【実施例】続いて、本発明を実施例を挙げて更に詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0032】上記の発明の実施の形態で説明した磁性体
微粒子標識検体の検出を行う装置100を用い、以下の
試験を行った。すなわち、クライオスタット20内に横
6.2mm、縦7.92mmのSQUID磁気センサ2
1を配置した。SQUID磁気センサ21には、横2m
m、縦1.9mmの貫通孔23が穿設されており、検体
ガイドチューブ51が通過できるようになっている。ま
た、クライオスタット20内は10−5〜10−6To
rrの真空に維持され、断熱効果が高められている。
【0033】磁性体微粒子4は、超常磁性のFe
の核をデキストランでコーティングされた様々な大きさ
のものを試験に供した。
【0034】磁性体微粒子4を検体収容チューブ50内
に収容し、検体ガイドチューブ51内を移動させ、更に
磁性体微粒子4に磁化コイル40で直流7mT(ミリテ
スラ)で7分間印加した。その後、クライオスタット2
0内に移動させ、SQUID磁気センサ21で磁気信号
を測定するものを常温サンプルとした。また、磁化コイ
ル40で印加後、直ちに液体窒素で冷却し、クライオス
タット20内に移動させ、SQUID磁気センサ21で
磁気信号を測定するものを冷却サンプルとした。
【0035】測定の結果、図6に示すように、常温サン
プルでは0.4マイクログラム程度の磁性体微粒子4の
検出が限界であったが、冷却サンプルでは0.1ナノグ
ラム程度の磁性体微粒子4の検出が可能であった。この
ことより、検体の冷却により検出感度を高められること
が確認された。また、磁界を大きくすることにより冷却
サンプルの検出感度を更に高められるものと予想され
る。
【0036】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されるの
で、以下の効果を奏する。本発明の磁性体微粒子標識検
体の検出方法によれば、抗原抗体反応の反応物などの検
体において、検体を冷却することにより定量的又は定性
的な検体の検出を極めて高感度に行うことができる。例
えば、ダイオキシンの分析などにおいて、磁性体微粒子
で標識した抗ダイオキシン抗体を利用することにより、
高精度の定量分析が従来の検出法に比し極めて短時間で
簡便に行うことができ、効率的な検出が可能となる。ま
た、検体の連続的な検出が行えるので、極微量の検体の
大量な処理を効率的に行うことができる。更に、磁性体
微粒子の磁化手段を磁気検出手段から離間した位置に配
設できるので、磁化手段の影響を軽減させながら磁性体
微粒子の磁気信号を検出することができ、より高精度の
検体の検出が行える。
【0037】本発明の磁性体微粒子標識検体の検出方法
によれば、検体を冷却するだけで良いので、簡便に高感
度な検体の検出方法を提供できる。また、放射性元素や
蛍光色素を用いることがないので、いかなる場所でいか
なる検体に対しても安全に検体の検出を行うことができ
る。
【0038】本発明の磁性体微粒子認識検体の検出方法
によれば、SQUID磁気センサの構成部分のピックア
ップループに貫通孔を穿設し、ここに検体を通過させS
QUID磁気センサに近い位置での検体の検出を行える
ので、高感度な検出ができる。
【0039】本発明の磁性体微粒子認識検体の検出を行
う装置によれば、検体の高感度な検出を簡便に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で検出可能な抗原抗体反応の原理を示す
説明図である。
【図2】本発明の磁性体微粒子標識検体の検出を行う装
置の説明図である。
【図3】本発明の磁性体微粒子標識検体の検出を行う装
置におけるクライオスタットの概略断面図である。
【図4】本発明の磁性体微粒子標識検体の検出を行う装
置におけるSQUID磁気センサの説明図で、(a)は
磁気信号の検出時における磁性体微粒子の磁束量子を示
し、(b)は検体の通過時のピックアップループにおけ
る電流を示す。
【図5】本発明の磁性体微粒子標識検体の検出を行う装
置における検体搬出手段の説明図である。
【図6】磁束量子と磁性体微粒子の質量の関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
4 磁性体微粒子 10 検体 20 クライオスタット 21 SQUID磁気センサ 22 SQUID 23 ピックアップループ 24 貫通孔 25 液体窒素タンク 28 下部円筒体部 29 上部円筒体部 40 磁気コイル 50 検体収容チューブ 51 検体ガイドチューブ 100 磁性体微粒子標識検体の検出を行う装置

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗原抗体反応における磁性体微粒子で標識
    された反応物などの検体の検出に用いる磁性体微粒子標
    識検体の検出方法であって、検体を標識する磁性体微粒
    子を磁化後、検体を冷却し、磁気検出手段を用いて磁性
    体微粒子による磁気信号を検出する磁性体微粒子標識検
    体の検出方法。
  2. 【請求項2】前記磁性体微粒子の磁化が、2回以上繰り
    返される請求項1記載の磁性体微粒子標識検体の検出方
    法。
  3. 【請求項3】前記検体の冷却が、2回以上繰り返される
    請求項1又は請求項2記載の磁性体微粒子標識検体の検
    出方法。
  4. 【請求項4】前記磁気検出手段が、SQUID磁気セン
    サである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の磁性体
    微粒子標識検体の検出方法。
  5. 【請求項5】前記磁性体微粒子の磁化が、クライオスタ
    ットの外側であってSQUID磁気センサから離間した
    位置で行われる請求項4記載の磁性体微粒子標識検体の
    検出方法。
  6. 【請求項6】抗原抗体反応における磁性体微粒子で標識
    された反応物などの検体の検出に用いる磁性体微粒子標
    識検体の検出方法であって、検体を標識する磁性体微粒
    子を磁化後、検体をSQUID磁気センサのワッシャー
    に電気的あるいは磁気的に結合されたピックアップルー
    プに形成される貫通孔を通過させ、該通過時の磁性体微
    粒子による磁気信号をSQUID磁気センサを用いて検
    出する磁性体微粒子標識検体の検出方法。
  7. 【請求項7】前記磁性体微粒子の磁化が、2回以上繰り
    返される請求項6記載の磁性体微粒子標識検体の検出方
    法。
  8. 【請求項8】前記磁性体微粒子の磁化が、クライオスタ
    ットの外側であってSQUID磁気センサから離間した
    位置で行われる請求項6又は請求項7記載の磁性体微粒
    子標識検体の検出方法。
  9. 【請求項9】前記磁性体微粒子の磁化後、検体を冷却し
    てピックアップループを通過させる請求項6〜請求項8
    のいずれかに記載の磁性体微粒子標識検体の検出方法。
  10. 【請求項10】前記検体の冷却が、2回以上繰り返され
    る請求項9記載の磁性体微粒子標識検体の検出方法。
  11. 【請求項11】前記検体が、抗原抗体反応の反応物であ
    る請求項1〜請求項10のいずれかに記載の磁性体微粒
    子標識検体の検出方法。
  12. 【請求項12】抗原抗体反応における磁性体微粒子で標
    識された反応物などの検体の検出に用いる磁性体微粒子
    標識検体の検出を行う装置であって、 貫通孔が穿設されると共にワッシャーに電気的あるいは
    磁気的に結合されたピックアップループを有するSQU
    ID磁気センサと、該SQUID磁気センサを冷却する
    SQUID磁気センサ冷却手段とを備えたクライオスタ
    ットと、 検体を標識する磁性体微粒子の磁化手段と、 検体搬送手段と、 を備えてなり、 前記検体搬送手段により、磁化された磁性体微粒子で標
    識された検体を前記ピックアップループの貫通孔を通過
    させ、該通過時の磁性体微粒子による磁気信号をSQU
    ID磁気センサを用いて検出する磁性体微粒子標識検体
    の検出を行う装置。
  13. 【請求項13】前記クライオスタットは、磁気シールド
    ケース内に収容され、磁化手段は磁気シールドケースの
    外側に配設されてなる請求項12記載の磁性体微粒子標
    識検体の検出を行う装置。
  14. 【請求項14】前記磁化手段は、直流の磁化コイルであ
    る請求項12又は請求項13記載の磁性体微粒子標識検
    体の検出を行う装置。
  15. 【請求項15】前記磁性体微粒子の磁化後、検体を冷却
    させるための検体冷却手段を備えてなる請求項12〜請
    求項14のいずれかに記載の磁性体微粒子標識検体の検
    出を行う装置。
  16. 【請求項16】前記検体冷却手段を2以上備える請求項
    15記載の磁性体微粒子標識検体の検出を行う装置。
  17. 【請求項17】前記検体冷却手段は、SQUID磁気セ
    ンサ冷却手段を併用するものである請求項15又は請求
    項16記載の磁性体微粒子標識検体の検出を行う装置。
  18. 【請求項18】前記検体搬送手段は、前記磁化手段と前
    記クライオスタットのいずれもを通過すると共に前記ピ
    ックアップループの貫通孔を通過する検体ガイドチュー
    ブと、検体を収容すると共に前記検体ガイドチューブ内
    を移動自在な検体収容チューブとからなる請求項12〜
    請求項17のいずれかに記載の磁性体微粒子標識検体の
    検出を行う装置。
  19. 【請求項19】前記検体が、抗原抗体反応の反応物であ
    る請求項12〜請求項18のいずれかに記載の磁性体微
    粒子標識検体の検出を行う装置。
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