JP2003206847A - 翼長可変翼を備えた風車 - Google Patents

翼長可変翼を備えた風車

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JP2003206847A
JP2003206847A JP2002004332A JP2002004332A JP2003206847A JP 2003206847 A JP2003206847 A JP 2003206847A JP 2002004332 A JP2002004332 A JP 2002004332A JP 2002004332 A JP2002004332 A JP 2002004332A JP 2003206847 A JP2003206847 A JP 2003206847A
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blade length
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Masaaki Shibata
昌明 柴田
Toyoaki Furukawa
豊秋 古川
Yoshiyuki Hayashi
義之 林
Eiji Kato
英司 加藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • F03MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS; WIND, SPRING, OR WEIGHT MOTORS; PRODUCING MECHANICAL POWER OR A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03DWIND MOTORS
    • F03D7/00Controlling wind motors 
    • F03D7/02Controlling wind motors  the wind motors having rotation axis substantially parallel to the air flow entering the rotor
    • F03D7/022Adjusting aerodynamic properties of the blades
    • F03D7/0236Adjusting aerodynamic properties of the blades by changing the active surface of the wind engaging parts, e.g. reefing or furling
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05BINDEXING SCHEME RELATING TO WIND, SPRING, WEIGHT, INERTIA OR LIKE MOTORS, TO MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS COVERED BY SUBCLASSES F03B, F03D AND F03G
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    • F05B2240/20Rotors
    • F05B2240/30Characteristics of rotor blades, i.e. of any element transforming dynamic fluid energy to or from rotational energy and being attached to a rotor
    • F05B2240/307Blade tip, e.g. winglets
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 翼の有効長を自在に変化せしめることにより
風速に対応して風の翼通過面積を変化可能として、風車
の出力を疲労破壊の発生を回避し得る範囲で最大限に保
持することを可能とする翼を供えた風車を提供する。 【解決手段】 風車において、翼の全長または中間部か
ら翼端部までの所定長さ部分において翼長を変化可能に
構成されるとともに該翼を駆動してその翼端部外径を変
化させる翼長可変装置を備え、翼長可変装置により翼の
ロータ半径方向位置を変化せしめることにより風の翼通
過面積を変化可能に構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風車発電装置等に
適用され、複数の翼に風力を作用させ該翼の回転力をロ
ータを介しあるいは直接に出力側の風車軸に伝達するよ
うに構成された風車において、前記翼の翼長を変化可能
に構成して風の翼通過面積を変化可能にした翼長可変翼
を備えた風車に関する。
【0002】
【従来の技術】ロータに支持された複数の翼に風力を作
用させて回転力を発生せしめる風車によって発電機を駆
動するようにした風車発電装置を多数併設することによ
り高出力の発電能力を備えた風力発電設備は、丘陵上や
山上等の高所あるいは洋上等の高風速が得られる場所に
設置されている。
【0003】かかる風車発電装置や種々の動力源に適用
される風車装置は、例えば特開平5−60053号に示
されるように、出力軸を構成する風車軸に固着されたロ
ータヘッド(翼支持部材)の外周に複数の翼を固着し、
風力により発生する翼の回転力を該ロータヘッドを経て
風車軸に伝達するように構成されており、稼動時におけ
るエネルギーや消費電力(必要発電電力)に対応して風
車軸に連結される翼のピッチを変化させ、風速に応じた
翼ピッチの最適点を探して運転制御することにより所要
の発電電力を保持するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然るに、かかる風車装
置において風(空気流)による風車の動力(エネルギ
ー)は、該風車における風の通過面積即ち翼の外周円と
翼根の内周円との間に形成される環状面の面積Sに比例
する。即ち、翼根の内周円の半径をl、外周円の半径を
Lとすると、前記環状面の面積つまり翼の通過面積S
は、 S=π(L―l) (1) となり、風車の動力を増大するには、翼の外周円の半径
Lを大きくするか、あるいは翼の外周円と翼根の内周円
との差つまり翼長を長くすることを要する。
【0005】また、かかる風車の出力Pは、風速をV、
翼の通過面積をSとすると、 P=k・S・V (2) 即ち風車の出力P、つまり風車発電装置であれば、発電
量は風車設置場所の気象状態よって左右される風速Vの
増大には限度があることから、翼の通過面積Sを増加す
ることにより増大可能となる。
【0006】然るに、前記風車の出力Pを増大するため
に翼の通過面積Sを増加した場合、気象状態の変化に伴
う突風の発生等によって風速Vが過大になった際には、
前記風車の出力Pが増大する一方で、過大風速の作用に
より翼及びロータ等の回転部材が疲労破壊を起こし易く
なる。
【0007】しかしながら、前記特開平5−60053
号等の従来技術にあっては、風車軸よりもやや大径のロ
ータヘッドに翼が直接固着された構造であるため、翼の
外周円の半径Lを大きく採り難く風車の出力Pの増大に
は限界があり、また前記外周円の半径Lを最大限に採っ
て翼の通過面積Sを大きくした場合には、気象状態の変
化に伴う突風の発生等によって風速Vが過大になった際
には翼及びロータ等の回転部材が疲労破壊を起こし易
い。等の問題点を有している。
【0008】本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、翼
の有効長を自在に変化せしめることにより風速に対応し
て風の翼通過面積を変化可能として、風車の出力を疲労
破壊の発生を回避し得る範囲で最大限に保持することを
可能とする翼長可変翼を備えた風車を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、請求項1記載の発明として、ロータに支持
された複数の翼に風力を作用させ、該翼の回転力を前記
ロータを介して出力側の風車軸に伝達するように構成さ
れた風車において、前記翼はその全長または中間部から
翼端部までの所定長さ部分において翼長を変化可能に構
成されるとともに、該翼を駆動してその翼端部外径を変
化させる翼長可変装置を備えて、前記翼長可変装置によ
り翼の前記ロータ半径方向位置を変化せしめることによ
り風の翼通過面積を変化可能に構成したことを特徴とす
る翼長可変翼を備えた風車を提案する。
【0010】請求項2ないし4記載の発明は前記翼及び
翼長可変装置の具体的構成に係り、請求項2記載の発明
は請求項1において、前記翼はロータ半径方向に伸縮可
能な蛇腹状に形成されるとともに内部に空気の発明はが
給排される複数の空気室が翼長手方向に連設されてな
り、前記翼長可変装置は加圧空気を生成する空気供給装
置及び前記翼の伸縮に従い翼長手方向に変位可能に構成
されて前記空気供給装置と前記各空気室とを接続し各空
気室内に加圧空気を供給する空気管からなることを特徴
とする。
【0011】請求項2において好ましくは請求項3記載
のように、前記空気管に設けられて前記各空気室への空
気出口部を開閉する空気弁と、該空気弁の開閉及び前記
空気供給装置の運転を制御する空気制御装置を設けてな
るのがよい。
【0012】さらに好ましくは請求項4記載のように、
前記翼の翼端部に連結されるワイヤ等の可撓索と、該可
撓索を翼長手方向に出し入れすることにより前記翼を伸
縮させその翼端部外径を変化させる可撓索駆動装置とを
備えるのがよい。
【0013】また請求項5記載の発明は請求項1におい
て、前記翼をその中間部から翼端部までの所定長さ部分
にて構成される可変翼長部と該可変翼長部の内周側に連
結され前記ロータに固定される翼本体部とに分割すると
ともに、前記可変翼長部の内周部位を前記翼本体部に支
持軸廻りに回動可能に支持し、前記翼長可変装置は可逆
転モータ等の可逆動可能な駆動装置の駆動力によりリン
ク機構を介して前記可変翼長部を前記支持軸廻りに回動
させて前記翼の翼端部外径を変化させる翼回動装置から
なることを特徴とする。
【0014】請求項6記載の発明は請求項1において、
前記翼をその中間部から翼端部までの所定長さ部分にて
構成される可変翼長部と該可変翼長部の内周側に連結さ
れ前記ロータに固定される翼本体部とに分割するととも
に、前記可変翼長部を前記翼本体部に翼長手方向に移動
可能に嵌合し、前記翼長可変装置は可逆転モータ等の可
逆動可能な可逆式駆動装置の駆動力により前記可変翼長
部を前記嵌合部に沿って往復動させて前記翼の翼端部外
径を変化させる翼往復動装置からなることを特徴とす
る。
【0015】請求項6において好ましくは請求項7記載
のように、前記可変翼長部はその下端部にラックが固定
されてなるとともに、前記翼長可変装置は前記可逆式駆
動装置の出力軸に前記ラックに噛み合うピニオンを固定
し前記可逆式駆動装置の回転を前記ピニオン及びラック
を介して前記可変翼長部の往復動に変換するように構成
されるのがよい。
【0016】さらに好ましくは請求項8記載のように、
前記可変翼長部はその下端部にナットが固定されてなる
とともに、前記翼長可変装置は前記可逆式駆動装置の出
力軸に前記ナットに螺合されるねじ棒を固定し前記可逆
式駆動装置の回転を前記ねじ棒及びナットを介して前記
可変翼長部の往復動に変換するように構成されるのがよ
い。
【0017】請求項9記載の発明は請求項1において、
前記翼をその中間部から翼端部までの所定長さ部分にて
構成される可変翼長部と該可変翼長部の内周側に連結さ
れ前記ロータに固定される翼本体部とに分割するととも
に、該可変翼長部は風の方向に対して前縁部を金属管等
の硬質の前部芯材を翼長手方向に延設して形成するとと
もに後縁部を軟質の線材を翼長手方向に延設して形成し
該前縁部と後縁部との間を可撓性材料で翼プロフィール
を形成した翼外殻体によって結合してなり、前記可変翼
長部の前縁部に連設された作動軸部を前記翼本体部に翼
長手方向に移動可能に嵌合し、前記翼長可変装置は可逆
転モータ等の可逆動可能な駆動装置の駆動力により前記
作動軸部を介して前記可変翼長部を前記嵌合部に沿って
往復動させて前記翼の翼端部外径を変化させる翼往復動
装置からなることを特徴とする。
【0018】かかる発明によれば、翼長可変装置によっ
て翼をロータ半径方向に移動させあるいは該翼自体を翼
長手方向に伸縮させて、翼端部外径を変化させるととも
に翼の有効長を変化させることにより、風車の運転中に
おいても風の翼通過面積を風況に対応した最適面積に調
整することができる。これにより、風速が小さくなるに
従い翼の翼端部外径を増大するとともに翼の有効長を増
大して風の翼通過面積を増大し、一方風速が大きくなる
に従い前記翼端部外径を減少するとともに翼の有効長を
減少して風の翼通過面積を減少せしめるように、翼自体
の半径方向有効長さを調整して、該翼に作用している風
速に対して翼及びロータ等の運動部材に疲労破壊の発生
を回避し得る範囲で風車の出力が最大になるような風車
の運転を行うことができる。
【0019】従ってかかる発明によれば、翼及びロータ
等の運動部材に疲労破壊の発生を回避し、かつ風車の出
力が最大になる最適翼通過面積となるように、翼の半径
方向有効長さを常時自動的に制御して風車を作動させる
ことができ、翼及びロータ等の運動部材の疲労寿命を長
く保持して風車出力を最大出力、風車発電装置であれば
最大発電量にて風車の運転を行うことができる。
【0020】また、前記のように翼通過面積を変化させ
ても可変翼長部及び翼本体部の全長で風の作用を受ける
ことができるので、可変翼長部及び翼本体部の全長で翼
を作用させて翼の作動面積を最大限に維持しつつ翼通過
面積を変化させることができる。また、翼の内部に翼長
可変装置を内蔵可能であるので、翼の重量増大を伴うこ
となく翼通過面積を変化させることができる。
【0021】さらに、請求項2ないし4のように構成す
れば、ロータ半径方向に伸縮可能な蛇腹状に形成され複
数の空気室が翼長手方向に連設された翼の前記各空気室
に、空気供給装置から空気管を経て加圧空気を供給ある
いは排出し、空気制御装置によって空気弁を開閉して各
空気室への空気の給排を行うことにより、翼の有効長さ
を変化させて翼通過面積を変化させることができる。ま
た、翼の翼端部に連結されるワイヤ等の可撓索を可撓索
駆動装置によって翼長さ方向に出し入れし前記翼を伸縮
させることにより、翼端部外径を自在に変化させること
ができる。
【0022】また請求項5のように構成すれば、可逆転
モータ等の可逆動可能な可逆駆動装置によってリンク機
構を介して内周部位が翼本体部に支持軸廻りに回動可能
に支持された可変翼長部を該支持軸廻りに回動させ該翼
の回動角を変化させることにより、翼の半径方向投影面
積つまり翼通過面積を変化させることができる。
【0023】また請求項6ないし8のように構成すれ
ば、可逆転モータ等の可逆動可能な可逆駆動装置によっ
て、請求項7におけるピニオン―ラック機構あるいは請
求項8におけるねじ棒―ナット機構等の回転―往復動変
換機構を介して、翼本体部に翼長手方向に移動可能に嵌
合した可変翼長部を翼本体部への嵌合部に沿って往復動
させることにより、翼の翼端部外径を変化させ翼通過面
積を変化させることができる。
【0024】また請求項9のように構成すれば、可逆転
モータ等の可逆動可能な翼往復動装置によって、ピニオ
ン―ラック機構等の回転―往復動変換機構を介して、可
変翼長部の前縁部に連設された作動軸部を介して該可変
翼長部を翼本体部への嵌合部に沿って往復動させること
により翼の翼端部外径を変化させることができる。かか
る発明においては、可変翼長部を硬質の前部芯材軟質の
線材からなる後縁部との間を可撓性材料で翼プロフィー
ルを形成した翼外殻体により結合した構造であるので、
可変翼長部の重量が軽量であり、また可撓性材料からな
る翼外殻体及び後縁部を折りたたむことができ搬送性が
良好となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
ている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置など
は特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれ
のみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎな
い。
【0026】図1は本発明の第1実施例に係る翼長可変
翼を備えた風車の翼及び翼長可変装置を示し、(A)は
その構成図(図6のD―D矢視図)、(B)は(A)に
おけるA―A矢視図である。図2は第2実施例を示す構
成図、図3は第3実施例を示す図2対応図、図4は第4
実施例を示す図2対応図である。図5は第5実施例を示
し、(A)はその構成図、(B)は(A)におけるB―
B矢視図である。図6は本発明が適用される風車の正面
図である。
【0027】本発明が適用される風車を示す図6におい
て、103はロータで、外周に複数個(この例では3
個)の翼100が円周方向等間隔に後述するような手段
で取り付けられるとともに後部に風車軸102が連結さ
れている。前記翼100は前記ロータ103に固定され
た翼本体部2と該翼本体部2の外周側に翼長さ方向に変
位あるいは伸縮可能に取り付けられた可変翼長部1とに
より構成される。101は風車支持用の支持基台であ
る。
【0028】第1実施例を示す図1において、1はロー
タ103の半径方向に伸縮可能な蛇腹状に形成された可
変翼長部で次のように構成される。1aは翼長手方向に
蛇腹状に結合された外皮部、3a、3b、3cは前記外
皮部1a内翼長手方向に複数連設された空気室で、各空
気室3a、3b、3cは隔壁4によって遮断された独立
室となっている。また図1(B)に示すように、前記外
皮部1aは翼長手方向の各断面形状が風の作用により揚
力を発生し得るプロフィールに形成されている。前記各
空気室3a、3b、3cの最上部は上蓋14によって覆
蓋されている。8は前記各空気室3a、3b、3cを貫
通して上蓋14に連結されるワイヤ、13は該ワイヤが
巻回されているワイヤドラム、10は該ワイヤドラム1
3を回転駆動してワイヤ8を翼長手方向に出し入れする
モータである。7は前記ワイヤ8の外周と隔壁4との間
に介装された各空気室3a、3b、3cシール用のシー
ル部である。
【0029】11は加圧空気を生成する空気供給装置、
9は該空気供給装置の空気送出口に接続されゴム材、軟
質合成樹脂材等からなる可撓空気管であり、該可撓空気
管9は前記可変翼長部1の伸縮に従い翼長手方向に変位
(変形)可能に構成されている。5は該可撓空気管から
分岐されて前記各空気室3a、3b、3cに開口する空
気供給口、6は各空気供給口5を開閉する空気弁であ
る。8は前記可撓空気管9の外周と隔壁4との間に介装
された各空気室3a、3b、3cシール用のシール部で
ある。12は空気制御装置で、前記各空気弁6を開閉制
御するとともに前記空気供給装置11の運転を制御する
ものである。
【0030】かかる第1実施例において、風速が小さく
なると、空気制御装置12により空気供給装置11を所
要空気圧力にて運転するとともに各空気弁6を開き各空
気室3a、3b、3cに前記空気制御装置12から空気
管9を通して加圧空気を供給する。一方、前記モータ1
0によりワイヤドラム13を回転駆動してワイヤ8を繰
り出す。かかる操作により各空気室3a、3b、3cの
容積が増大し、蛇腹状に形成された可変翼長部1が外周
方向に延びて翼端部外径が増大し、従って風の翼通過面
積が増大する。
【0031】また、風速が大きくなると、空気制御装置
12により空気供給装置11の空気圧力を減少させるか
あるいは該空気圧力を開放するとともに各空気弁6の一
部または全部を閉じ各空気室3a、3b、3cにおける
加圧空気圧力を減少せしめる。一方、前記モータ10に
よりワイヤドラム13を逆回転させてワイヤ8を巻き取
り、該ワイヤ8の先端部に固定されている上蓋14を内
周側に引き寄せる。かかる操作により各空気室3a、3
b、3cの容積が減少し、蛇腹状に形成された可変翼長
部1が内周方向に縮小して翼端部外径が減少し、従って
風の翼通過面積が減少する。
【0032】かかる実施例によれば、ロータ103の半
径方向に伸縮可能な蛇腹状に形成され可変翼長部1の翼
長手方向に連設された前記各空気室3a、3b、3c
に、空気供給装置11から可撓空気管9を経て加圧空気
を供給あるいは排出し、空気制御装置12によって空気
弁6を開閉して各空気室3a、3b、3cへの空気の給
排を行うことにより、また可変翼長部1の翼端部に設け
られた上蓋14に連結されるワイヤ8をモータ10によ
って翼長手方向に出し入れして前記可変翼長部1を伸縮
させて翼端部外径を自在に変化させることにより、可変
翼長部1の有効長さ即ち翼の有効長さを変化させて翼通
過面積を変化させることができ、風車の運転中において
も風の翼通過面積を風況に対応した最適面積に調整する
ことが可能となる。これにより、翼100に作用してい
る風速に対して翼100及びロータ103等の運動部材
に疲労破壊の発生を回避し得る範囲で風車の出力が最大
になるような風車の運転を行うことができる。
【0033】図2に示す第2実施例において、翼100
は前記ロータ103に固定された翼本体部2と中間部か
ら翼端部までの所定長さ部分にて構成される可変翼長部
20とに2分割されている。31は該可変翼長部1の内
周部29に固定されたリンクで、該リンク31及び該リ
ンク31が内周部に固定されている可変翼長部1は、該
リンク31の一端側を前記翼本体部2に固定された支持
軸32廻りに、かつ前記内周部29が翼本体部2に形成
されたガイド面33に案内されて回動可能に支持されて
いる。21は可逆転式のモータ、22は該モータ21の
出力軸21aの軸端部に固定されたピニオンである。2
3は該ピニオン22に噛み合うラックで、24は該ラッ
ク23に連結された作動軸、25は該作動軸24を翼本
体部2に往復動可能に支持する軸受である。28は該作
動軸24の軸端部と前記リンク31の他端部とをピン2
7及びピン30を介して連結するリンクである。
【0034】かかる第2実施例において、可逆転式のモ
ータ21によってピニオン22を正回転あるいは逆回転
させると、該ピニオン22に噛み合うラック23及び該
ラック23に固定された作動軸24が図のY矢のように
往復動せしめられる。かかる作動軸24の往復動により
リンク28を介してリンク31が支持軸32廻りに回動
せしめられ、これによって内周部29が該リンク31に
固定されている可変翼長部20がリンク31とともに支
持軸32廻りに前記ガイド面33に沿って回動する
【0035】即ち、前記モータ21によって作動軸24
を伸長すると前記リンク28を介してリンク31及び可
変翼長部20が図の実線のように起立して可変翼長部2
0の外径が増大する。また前記モータ21を逆回転させ
て作動軸24を縮小すると前記リンク31及び可変翼長
部20が図のZ矢方向に回動せしめられ、図の鎖線のよ
うに横臥して可変翼長部20の外径が減少する以上のよ
うに、かかる実施例によれば、リンク31を介して内周
部29が支持軸32廻りに回動可能に支持された可変翼
長部20を該支持軸32廻りに回動させて該可変翼長部
20の回動角を変化させることにより、翼100の半径
方向投影面積つまり翼通過面積を変化させることが可能
となる。
【0036】図3に示す第3実施例において、翼100
は前記ロータ103に固定された翼本体部2と中間部か
ら翼端部までの所定長さ部分にて構成される可変翼長部
40とに2分割されている。48は前記翼本体部2に対
をなして固着されたすべり軸受で、前記可変翼長部40
の内周部位に形成された摺動部46が該すべり軸受48
の摺動面47に翼長手方向に摺動自在に嵌合されてい
る。41は可逆転式のモータ、42は該モータ41の出
力軸41aの軸端部に固定されたピニオンである。43
は該ピニオン42に噛み合うラックである。44は該ラ
ック43に連結された作動軸で該作動軸44の他端側は
前記可変翼長部40の内周部位に固定されている。45
は該作動軸44を翼本体部2に往復動可能に支持する軸
受である。
【0037】かかる第3実施例において、可逆転式のモ
ータ41によってピニオン42を正回転あるいは逆回転
させると、該ピニオン42に噛み合うラック43及び該
ラック43に固定された作動軸44が図のW矢のように
往復動せしめられる。かかる作動軸44の往復動によ
り、該作動軸44に固定された可変翼長部40が前記摺
動部46を介してすべり軸受48に沿って翼長手方向に
摺動する。
【0038】即ち、前記モータ41によって作動軸44
を伸長すると、可変翼長部40が図の実線のように外周
方向に移動して該可変翼長部40の外径が増大する。ま
た前記モータ41を逆回転させて作動軸44を縮小する
と、前記可変翼長部40が内周方向にストロークSだけ
移動し図の鎖線の位置に整定せしめられ、可変翼長部4
0の外径が減少する。以上のように、かかる実施例によ
れば、翼本体部2に翼長手方向に摺動自在に嵌合された
可変翼長部40を往復動させて該可変翼長部40のスト
ロークSを変化させることにより、翼100の翼通過面
積を変化させることが可能となる。
【0039】図4に示す第4実施例においては、可逆転
式モータ51の出力軸51aの軸端部に雄ねじが形成さ
れたねじ棒61を固定し、可変翼長部40の内周部位に
固定され雌ねじが形成されたナット62に該ねじ棒61
を螺合している。そして、前記可逆転式のモータ51に
よってねじ棒61を例えば右回転させると、ナット62
及びこれに固定されている可変翼長部40が図の実線の
ように外周方向に移動して該可変翼長部40の外径が増
大する。また前記モータ51を逆回転させてねじ棒61
を左回転させると、ナット62及び可変翼長部40が図
の鎖線のように内周方向にストロークSを移動して該可
変翼長部40の外径が減少する。その他の構成は前記第
3実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号
で示す。
【0040】図5に示す第5実施例において、翼100
は前記ロータ103に固定された翼本体部2と中間部か
ら翼端部までの所定長さ部分にて構成される可変翼長部
50とに2分割されている。前記可変翼長部50は、風
の方向に対して前縁部を金属管等の硬質の前部芯材56
を翼長手方向に延設して形成するとともに、後縁部を軟
質の線材からなる後部芯材58を翼長手方向に延設して
形成し、該前部芯材56(前縁部)と後部芯材58(後
縁部)との間を、図5(B)のように高強度布等の可撓
性薄板材で翼プロフィールを形成した翼外殻体57によ
って結合して構成される。そして、前記可変翼長部50
の前部芯材56の内周側に連設された作動軸54を前記
翼本体部2に設けられた軸受部55に翼長手方向に移動
可能に嵌合する。59は翼本体部2に形成された翼格納
部である。51は可逆転式のモータ、52は該モータ5
1の出力軸51aの軸端部に固定されたピニオンであ
る。53は該ピニオン52に噛み合うラックである。前
記作動軸54は該ラック53に連結されている。
【0041】かかる第5実施例において、可逆転式モー
タ51によって、ピニオン52及びラック53及び作動
軸54を介して、可変翼長部50の前部芯材56を翼本
体部2への嵌合部である軸受部55に沿ってストローク
Sの範囲でU矢のように往復動させることにより翼10
0の翼端部外径を変化させることができる。かかる実施
例においては、可変翼長部50を硬質の前部芯材56と
軟質の後部芯材58との間を可撓性材料で翼プロフィー
ルを形成した翼外殻体57により結合した構造であるの
で、可変翼長部50の重量が軽量となり、また可撓性材
料からなる翼外殻体57及び後部芯材58を折りたたむ
ことができる。
【0042】
【発明の効果】以上記載の如く本発明によれば、翼長可
変装置によって翼をロータ半径方向に移動させあるいは
該翼自体を翼長手方向に伸縮させて、翼端部外径を変化
させるとともに翼の有効長を変化させることにより、風
車の運転中においても風の翼通過面積を風況に対応した
最適面積に調整することができる。これにより、風速が
小さくなるに従い風の翼通過面積を増大し風速が大きく
なるに従い前記翼通過面積を減少せしめるように、風速
により翼自体の半径方向有効長さを調整して、風速に対
して翼及びロータ等の運動部材に疲労破壊の発生を回避
し得る範囲で風車の出力が最大になるような風車の運転
を行うことができる。
【0043】従って本発明によれば、翼及びロータ等の
運動部材に疲労破壊の発生を回避し、かつ風車の出力が
最大になる最適翼通過面積となるように、翼の半径方向
有効長さを常時自動的に制御して風車を作動させること
ができ、翼及びロータ等の運動部材の疲労寿命を長く保
持して風車出力を最大出力、風車発電装置であれば最大
発電量にて風車の運転を行うことができる。
【0044】また、前記のように翼通過面積を変化させ
ても可変翼長部及び翼本体部の全長で風の作用を受ける
ことができるので、可変翼長部及び翼本体部の全長で翼
を作用させて翼の作動面積を最大限に維持しつつ翼通過
面積を変化させることができる。さらに、翼の内部に翼
長可変装置を内蔵可能であるので、翼の重量増大を伴う
ことなく翼通過面積を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る翼長可変翼を備え
た風車の翼及び翼長可変装置を示し、(A)はその構成
図(図6のD―D矢視図)、(B)は(A)におけるA
―A矢視図である。
【図2】 第2実施例を示す構成図である。
【図3】 第3実施例を示す図2対応図である。
【図4】 第4実施例を示す図2対応図である。
【図5】 第5実施例を示し、(A)はその構成図、
(B)は(A)におけるB―B矢視図である。
【図6】 本発明が適用される風車の正面図である。
【符号の説明】
100 翼 103 ロータ 1、20,40,50 可変翼長部 1a 外皮部 2 ロータ 2a 嵌合孔 3 風車軸 3a、3b、3c 空気室 4 隔壁 5 空気供給口 6 空気弁 8 ワイヤ 9 可撓空気管 10、21、41、51 モータ 11 空気供給装置 12 空気制御装置 13 ワイヤドラム 14 上蓋 22、42、52 ピニオン 23、43、53 ラック 28、31 リンク 24、44、54 作動軸 32 支持軸 46 摺動部 56 前部芯材 57 翼外殻体 58 後部芯材 61 ねじ棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 義之 長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 加藤 英司 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内 Fターム(参考) 3H078 AA01 BB07 BB08 BB12 CC03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータに支持された複数の翼に風力を作
    用させ、該翼の回転力を前記ロータを介して出力側の風
    車軸に伝達するように構成された風車において、前記翼
    はその全長または中間部から翼端部までの所定長さ部分
    において翼長を変化可能に構成されるとともに、該翼を
    駆動してその翼端部外径を変化させる翼長可変装置を備
    えて、前記翼長可変装置により翼の前記ロータ半径方向
    位置を変化せしめることにより風の翼通過面積を変化可
    能に構成したことを特徴とする翼長可変翼を備えた風
    車。
  2. 【請求項2】 前記翼はロータ半径方向に伸縮可能な蛇
    腹状に形成されるとともに内部に空気が給排される複数
    の空気室が翼長手方向に連設されてなり、前記翼長可変
    装置は加圧空気を生成する空気供給装置及び前記翼の伸
    縮に従い翼長手方向に変位可能に構成されて前記空気供
    給装置と前記各空気室とを接続し各空気室内に加圧空気
    を供給する空気管からなることを特徴とする請求項1記
    載の翼長可変翼を備えた風車。
  3. 【請求項3】 前記空気管に設けられて前記各空気室へ
    の空気出口部を開閉する空気弁と、該空気弁の開閉及び
    前記空気供給装置の運転を制御する空気制御装置を設け
    てなることを特徴とする請求項2記載の翼長可変翼を備
    えた風車。
  4. 【請求項4】 前記翼の翼端部に連結されるワイヤ等の
    可撓索と、該可撓索を翼長手方向に出し入れすることに
    より前記翼を伸縮させその翼端部外径を変化させる可撓
    索駆動装置とを備えたことを特徴とする請求項2記載の
    翼長可変翼を備えた風車。
  5. 【請求項5】 前記翼をその中間部から翼端部までの所
    定長さ部分にて構成される可変翼長部と該可変翼長部の
    内周側に連結され前記ロータに固定される翼本体部とに
    分割するとともに、前記可変翼長部の内周部位を前記翼
    本体部に支持軸廻りに回動可能に支持し、前記翼長可変
    装置は可逆転モータ等の可逆動可能な駆動装置の駆動力
    によりリンク機構を介して前記可変翼長部を前記支持軸
    廻りに回動させて前記翼の翼端部外径を変化させる翼回
    動装置からなることを特徴とする請求項1記載の翼長可
    変翼を備えた風車。
  6. 【請求項6】 前記翼をその中間部から翼端部までの所
    定長さ部分にて構成される可変翼長部と該可変翼長部の
    内周側に連結され前記ロータに固定される翼本体部とに
    分割するとともに、前記可変翼長部を前記翼本体部に翼
    長手方向に移動可能に嵌合し、前記翼長可変装置は可逆
    転モータ等の可逆動可能な可逆式駆動装置の駆動力によ
    り前記可変翼長部を前記嵌合部に沿って往復動させて前
    記翼の翼端部外径を変化させる翼往復動装置からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の翼長可変翼を備えた風
    車。
  7. 【請求項7】 前記可変翼長部はその下端部にラックが
    固定されてなるとともに、前記翼長可変装置は前記可逆
    式駆動装置の出力軸に前記ラックに噛み合うピニオンを
    固定し前記可逆式駆動装置の回転を前記ピニオン及びラ
    ックを介して前記可変翼長部の往復動に変換するように
    構成されたことを特徴とする請求項6記載の翼長可変翼
    を備えた風車。
  8. 【請求項8】 前記可変翼長部はその下端部にナットが
    固定されてなるとともに、前記翼長可変装置は前記可逆
    式駆動装置の出力軸に前記ナットに螺合されるねじ棒を
    固定し前記可逆式駆動装置の回転を前記ねじ棒及びナッ
    トを介して前記可変翼長部の往復動に変換するように構
    成されたことを特徴とする請求項6記載の翼長可変翼を
    備えた風車。
  9. 【請求項9】 前記翼をその中間部から翼端部までの所
    定長さ部分にて構成される可変翼長部と該可変翼長部の
    内周側に連結され前記ロータに固定される翼本体部とに
    分割するとともに、該可変翼長部は風の方向に対して前
    縁部を金属管等の硬質の前部芯材を翼長手方向に延設し
    て形成するとともに後縁部を軟質の線材を翼長手方向に
    延設して形成し該前縁部と後縁部との間を可撓性材料で
    翼プロフィールを形成した翼外殻体によって結合してな
    り、前記可変翼長部の前縁部に連設された作動軸部を前
    記翼本体部に翼長手方向に移動可能に嵌合し、前記翼長
    可変装置は可逆転モータ等の可逆動可能な駆動装置の駆
    動力により前記作動軸部を介して前記可変翼長部を前記
    嵌合部に沿って往復動させて前記翼の翼端部外径を変化
    させる翼往復動装置からなることを特徴とする請求項1
    記載の翼長可変翼を備えた風車。
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