JP2003202315A - 隔膜カートリッジ - Google Patents

隔膜カートリッジ

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JP2003202315A
JP2003202315A JP2002001822A JP2002001822A JP2003202315A JP 2003202315 A JP2003202315 A JP 2003202315A JP 2002001822 A JP2002001822 A JP 2002001822A JP 2002001822 A JP2002001822 A JP 2002001822A JP 2003202315 A JP2003202315 A JP 2003202315A
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Japan
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diaphragm
electrode
cartridge
spacer
dissolved oxygen
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JP2002001822A
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English (en)
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Hiroko Konno
裕子 金野
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DKK TOA Corp
Original Assignee
DKK TOA Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて容易に隔膜型電極の隔膜を交換すると
共に、スペーサを交換することができ、且つ、スペーサ
を作用極と隔膜との間に密着するように確実に所定の位
置に配置することのできる隔膜カートリッジを提供す
る。 【解決手段】 隔膜型電極1に着脱可能な隔膜カートリ
ッジ10は、隔膜固定部材11、12と、隔膜固定部材
11、12に固定された、隔膜型電極1の測定対象ガス
を透過させる隔膜2と、隔膜2に固定された液浸透性の
スペーサ9と、を有する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料液中に溶存す
る測定対象ガスの濃度を測定する隔膜型電極の隔膜カー
トリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば試料液中の溶存酸素濃度を
測定するために、所謂、ガルバニ電池式又はポーラログ
ラフ法を用いた酸化還元電流測定が行われている。例え
ば、発酵生産物の収率向上を図るため、又、実験プラン
トにおいて菌体の生理状況を把握する必要性から、培養
槽中の溶存酸素濃度の計測が行われる。
【0003】酸化還元電流測定では、測定用センサとし
て、作用極と、この作用極上での酸化還元反応に対応し
た酸化還元反応により電流が生じる対極とを有する測定
用電極を用いる。このような測定用電極には、測定対象
ガスを透過させるガス透過性隔膜を備えた隔膜型電極、
即ち、ガルバニ電池式隔膜型電極、ポーラログラフ式隔
膜型電極が広く用いられている。
【0004】酸化還元電流測定による溶存酸素濃度の測
定は、上述の発酵分野以外にも、例えば環境(河川、海
水、湖沼)、水処理、養殖などの分野で使用される。
又、溶存酸素濃度測定の他、例えば遊離残留塩素濃度測
定、溶存オゾン濃度測定、溶存二酸化塩素測定、亜塩素
酸(HClO2)濃度測定、溶存水素濃度測定などのた
めに利用することができる。原子力発電プラントなどで
は、溶存水素の測定が重要であり、計器によるモニタリ
ングが行われている。
【0005】又、隔膜を透過してセンサ内に侵入する測
定対象ガスによるセンサ内部液の変化を検出して試料液
中の測定対象ガス濃度を測定する、例えばアンモニア濃
度測定用電極、二酸化炭素濃度測定用電極など、pH電
極、或いはORP(酸化還元電位差)電極、イオン電極
などを用いた電位測定式の隔膜型電極もある。
【0006】従来のガス透過性の隔膜を使用した隔膜型
電極の概略構成を、溶存酸素濃度測定用電極を例に説明
すると、図7に示すように、例えば、中空円筒状のセン
サ本体1の先端開口部に測定対象ガス(酸素)を透過さ
せるガス透過性の隔膜2が固定され、この隔膜2に近接
してセンサ本体内部に作用極3が対向配置されている。
この作用極3は、センサ本体内部に同軸的に配設された
支持管4の先端開口部に取り付けられている。
【0007】作用極3は隔膜2と僅かな間隔をもって対
向配置されており、従って、作用極3と隔膜2との間に
電解液5の薄層が存在することになる。又、支持管4の
外周部には対極6が取り付けられており、この対極6と
作用極3との間に、それらに接続されたリード線6a及
び3aを介して電圧印加手段7から所定の電解電圧を印
加し(通常は作用極3に負電圧を印加する)、電解電流
を電流計8で測定することによって試料溶液の溶存ガス
濃度を求めている。
【0008】この時、隔膜2と作用極3との間に一定の
僅かな間隙を形成して、一定厚さの電解液5の層(電解
液層)を形成することを容易とするために、図8に示す
ように、センサ本体内部に隔膜2に接してスペーサ9を
設けることが行われる。スペーサ9は、例えば不織布の
ような液浸透性の物質より形成されており、従って、こ
のスペーサ9は電解液5を吸収し、隔膜2と作用極3と
の間に常に一定の厚さの電解液層を提供することにな
る。このように、一定厚さの電解液層を形成することに
より、測定精度が高くなる。
【0009】隔膜型電極においては、試料液中の測定対
象ガスを透過させる隔膜の特性が、電極の性能に影響す
る。例えば、隔膜のしわ、たわみ、或いは汚れや破損な
どにより電極性能は低下する。
【0010】従って、電極の正規の性能を維持するため
には、不具合が生じた際に、或いは定期的に隔膜を交換
する必要がある。
【0011】隔膜の交換方法としては、隔膜自体を新品
と交換してセンサ本体1の先端開口部に張る方法があ
る。例えば、図9に示すように、センサ本体1の外筒4
0の開口部を封止するように、この開口部の外径よりも
大きく切断された隔膜2を配置し、隔膜固定部材として
の弾性Oリング42を用いて、外筒40の先端部外周に
設けられた溝部41中に締め付ける。
【0012】この方法によれば、隔膜交換のコストは隔
膜の費用のみで済み、比較的安価である。しかし、電極
の設置現場で極めて薄い隔膜を交換する作業は困難であ
り、作業性は極めて悪く、かなりの熟練を要する。その
ため、交換した隔膜にしわ、たわみなどが発生し易く、
しばしば隔膜の張り替えを数度行わなければならない。
【0013】一方、図10に示すように、予め隔膜2が
取り付けられた、所謂、隔膜カートリッジ10を装着す
る方法がある。即ち、概略円筒状の袋ナットなどとされ
るカートリッジ押さえ50を、例えばセンサ本体1の外
筒40の先端部に螺着し、このカートリッジ押さえ50
によって隔膜カートリッジ10を外筒40の先端開口部
に装着する。
【0014】この方法では、隔膜が予め張設されている
隔膜カートリッジごとの交換となるので、設置現場での
交換作業が容易となり、短時間で作業を終了することが
できるという大きな利点を有する。そのため、例えば、
作業者の負担の軽減、或いは測定値の欠測が少なくなる
など、総合的なコストを安くすることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、隔膜2
と作用極3との間にスペーサ9を配置して一定厚さの電
解液層を形成することにより、電極性能は向上する。従
って、隔膜型電極のメンテナンスとして、上述のように
隔膜2を定期的に交換すると共に、スペーサ9をも定期
的に交換する必要がある。
【0016】しかしながら、スペーサ9が有効に作用す
るためには、スペーサ9は作用極3と隔膜2との間に密
着されるように所定の位置に装着されなければならな
い。
【0017】図9に示すような、従来の隔膜固定方法を
採用した隔膜の場合、隔膜2の交換作業自体が困難であ
ることに加え、スペーサ9を作用極3と隔膜2との間に
密着するように、確実に所定の位置に配置することは非
常に困難であった。
【0018】又、図10に示すように、隔膜2が隔膜カ
ートリッジ10として交換可能とされている場合、隔膜
2の交換作業自体は、隔膜2のみを交換する場合に比べ
て飛躍的に容易となったが、隔膜型電極の設置現場など
でスペーサ13を作用極3と隔膜2との間に密着するよ
うに、確実に所定の位置に配置することは容易ではなか
った。
【0019】従って、本発明の目的は、極めて容易に隔
膜型電極の隔膜を交換すると共に、スペーサを交換する
ことができ、且つ、スペーサを作用極と隔膜との間に密
着するように確実に所定の位置に配置することのできる
隔膜カートリッジを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
隔膜カートリッジにて達成される。要約すれば、本発明
は、隔膜型電極に着脱可能な隔膜カートリッジにおい
て、隔膜固定部材と、前記隔膜固定部材に固定された、
前記隔膜型電極の測定対象ガスを透過させる隔膜と、前
記隔膜に固定された液浸透性のスペーサと、を有するこ
とを特徴とする隔膜カートリッジである。
【0021】本発明の一実施態様によると、前記液浸透
性のスペーサは不織布である。
【0022】又、本発明の一実施態様によると、前記液
浸透性のスペーサは水溶性の接着手段により前記隔膜に
固定されている。前記水溶性の接着手段としては、前記
隔膜型電極に内部液として充填される電解液と同一の電
解液を好適に用いうる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る隔膜カートリ
ッジを図面に則して更に詳しく説明する。
【0024】実施例1 本実施例では、本発明に係る隔膜カートリッジは、例え
ば培養槽中の溶存酸素の計測に使用される酸化還元電流
測定式の隔膜型電極、即ち、溶存酸素濃度測定用電極
(以下、単に「溶存酸素センサ」と呼ぶ。)に装着され
るものとして説明する。但し、本発明はこれに限定され
るものではなく、測定対象ガスを透過させる隔膜を用い
た隔膜型電極に広く適用可能である。図4は、隔膜カー
トリッジ10が装着された溶存酸素センサ1の一例の概
略断面を示す。
【0025】先ず、溶存酸素センサ1の全体構成につい
て説明する。本実施例の溶存酸素センサ1は、略円筒状
形状とされる本体ボディ30を有し、ボディ30の図中
下部には、段付の略円筒形状の電極本体20が連結され
ている。電極本体20は、図中上方の大径の基部21
と、この基部21に連結された図中下方の小径の電極支
持体(管)22とを有する。電極支持管22の図中下方
には、ガラス製のホルダ(ガラスホルダ)23が装着さ
れている。
【0026】電極支持管22の外周部には対極6が取付
けられており、ガラスホルダ23の図中下端(先端)に
は、ガラス封入された作用極3が取り付けられている。
【0027】又、電極本体20の基部21の図中下端側
には小径の結合部21aが形成されており、この結合部
21aに、電極支持管22を取り巻くように配置される
外筒40が螺着される。
【0028】電極支持管22の外周に配置された外筒4
0の図中下方端外周部には、概略円筒状の袋ナットとさ
れるカートリッジ押さえ50の図中上端内周が螺着され
る。このカートリッジ押さえ50によって、外筒40の
図中下方端開口部42(図6)に、少なくとも測定対象
ガスを透過するガス透過性の隔膜2を備えた隔膜カート
リッジ10が装着される。
【0029】つまり、図5及び図6により詳しく示すよ
うに、本実施例の溶存酸素センサ1では、外筒40の下
方端外周部には、ねじ部41が形成され、概略円筒形状
のカートリッジ押さえ50の上部内周に形成されたねじ
部51が螺合するようになっている。又、カートリッジ
押さえ50の下側開口部52の縁を形成する環状の肩部
は、隔膜カートリッジ10を外筒40に保持する環状押
さえ部53を形成する。そして、詳しくは後述する隔膜
カートリッジ10の外側リング11の、図中下側の環状
保持受け部11aが、カートリッジ押さえ50の環状押
さえ部53に嵌合される。
【0030】隔膜カートリッジ10を外筒40の下方端
開口部42に固定する際には、パッキン60を外筒40
の下方端部に配置し、このパッキン60上に隔膜カート
リッジ10を配置し、隔膜カートリッジ10の環状保持
受け部11aがカートリッジ押さえ50の環状押さえ部
53に嵌合するように、カートリッジ押さえ50を外筒
40の下方端部に螺着する。こうして、予め隔膜2が適
正に張設された隔膜カートリッジ10が外筒40の下端
に固定される。
【0031】ここで、詳しくは後述するように、本実施
例の隔膜カートリッジ10の隔膜2には、作用極3と接
する所定の位置に、液浸透性の物質より形成されたスペ
ーサ9が予め固定されている。このスペーサ9によっ
て、ガス透過性の隔膜2は、作用極3と一定の僅かな間
隔をもって対向配置される。
【0032】隔膜カートリッジ10を装着することで、
隔膜2は外筒40の下端開口部42を封止し、電極本体
20の下方部と外筒40との間に形成された環状の空間
部には、内部液として電解液5が貯留される。電解液5
は、対極6に接触し、又スペーサ9に吸収、保持される
ことで作用極3と隔膜2との間に薄膜状に侵出して作用
極3に接触し、対極6と作用極3は電気的に接続され
る。外筒40の下方端部に配置されたパッキン60は、
隔膜カートリッジ10が装着された後に、電解液5が貯
留される空間をシールする。
【0033】作用極3及び対極6には、それぞれリード
線3a、6aが接続され、これらリード線3a、6a
は、電極本体20、本体ボディ30内を通って外部に導
出され、測定装置本体(図示せず)の電圧印加手段(図
示せず)に接続されている。又、隔膜2を透過した測定
対象ガス(本実施例では、酸素)は、作用極3の面で反
応し、そのとき作用極3に流れる溶存酸素の電解電流
は、測定装置本体の電流計(図示せず)で測定される。
そして、測定装置本体で、溶存酸素センサ1で検出した
溶存酸素濃度を計測するようになっている。計測結果
は、測定装置本体に設けた指示計に指示される。或いは
計測結果をプリントアウトするようにしてもよい。
【0034】本実施例では、作用極3として白金、対極
6として鉛、電解液5として塩化カリウム(0.5mo
l/L)溶液を使用する。対極6としては、銀−塩化銀
を使用することもできる。
【0035】次に、図1及び図2を参照して、上記構成
の溶存酸素センサ1に着脱可能とされる隔膜カートリッ
ジ10について説明する。
【0036】本実施例の隔膜カートリッジ10は、第1
の隔膜固定部材としての外側リング11と、第2の隔膜
固定部材としての内側リング12とで隔膜2を狭持して
固定する。図2に詳しく示すように、隔膜カートリッジ
10の外側リング11の図中下方端部外周には、リング
状部材のエッジを環状に切り欠いた形状の環状保持受け
部11aが形成される。上述のように、この環状保持受
け部11aには、カートリッジ押さえ50の環状押さえ
部53が嵌合する。一方、内側リング12は、外側リン
グ11の貫通孔11bの内径と略同一の外径を有する。
内側リング12は、隔膜カートリッジ10を溶存酸素セ
ンサ1に装着した際に、ガラスホルダ23を配置し得る
内径(本実施例では、8mm)の貫通孔12aを有す
る。外側リング11と内側リング12とで隔膜2を挟持
して組み立てた状態(図1)で、隔膜カートリッジ10
の上端面は略同一平面となるようにしている。又、本実
施例では、内側リング12の高さは外側リング11の高
さより若干高い。
【0037】外側リング11及び内側リング12は、限
定されるものではないが、金属にて作製することができ
る。本実施例では、ステンレススチール(SUS31
6)にて作製される。外側リング11、内側リング12
のいずれか、若しくは両方を、例えば、ポリサルフォン
樹脂などの樹脂にて作製することもできる。
【0038】隔膜カートリッジ10には、撥水性多孔質
膜のようなガス透過性の良好な隔膜2が固定される。そ
して、本実施例では、隔膜カートリッジ10には、予め
液浸透性の物質より形成されたスペーサ9が、隔膜カー
トリッジ10を溶存酸素センサ1に装着した際に作用極
3と密着するような所定の位置において、隔膜2に固定
されている。
【0039】つまり、スペーサ9は、溶存酸素センサ1
内で、作用極3と隔膜2との間の距離を一定に保つ、即
ち、隔膜2と作用極3との間に一定の厚さの電解液層を
形成することを容易とするために配置される。上述のよ
うに、このスペーサ9を用いることによって電極性能が
向上するが、スペーサ9は、作用極3と隔膜2との間に
密着するように所定の位置に配置される必要があり、従
来の隔膜カートリッジでは、これは容易ではなかった。
【0040】そこで、本実施例では、スペーサ9をも隔
膜2と共にカートリッジ化することによって、隔膜2の
交換と同時にスペーサ9をも容易に交換し、確実に所定
の位置に配置することができるようにする。
【0041】ここで、スペーサ9をも一体に隔膜カート
リッジ10としてカートリッジ化するためには、スペー
サ9を隔膜2の所定の位置に固定することが必要であ
る。このとき、隔膜2のシール面にスペーサ9が接する
と、センサ本体1の内部に充填された電解液5が漏れた
り、或いは試料液がセンサ本体1の内部に漏れるなど液
漏れの原因になる。このため、シール面を避けて隔膜2
と接し、隔膜2と作用極3の間に配置するようにスペー
サ9を隔膜2の表面に接着する必要がある。
【0042】ところで、隔膜2は電解液5を溶存酸素セ
ンサ1の内部に保持する目的で配置されるため、隔膜カ
ートリッジ10を溶存酸素センサ1に装着した後に、ス
ペーサ3が保持し得るのは電解液5のみである。このた
め、通常の接着剤を用いることができない。
【0043】この点に鑑みて本発明者は鋭意検討した結
果、隔膜2へのスペーサ9の接着手段として、溶存酸素
センサ1内に充填する電解液5と同じ電解液5を使用し
得ることを見出した。
【0044】本実施例では、一例としてスペーサ9に厚
さ40μm、直径7mmの略円形の不織布(日本バイリ
ーン(株)製ポリエステル不織布)を用い、これを隔膜
2として直径8mmに切り出した厚さ25μmの多孔性
FEP膜(東レ(株)製)の略中心に載置した。その上
に電解液5(0.5mol/L KCl水溶液)を滴下
して(約0.5ml)、スペーサ(不織布)9に電解液
を含ませた後、そのまま放置することで電解液5の水分
を蒸発させた。水分の蒸発後、やや粘張性のある結晶が
少量残り、隔膜2とスペーサ3とが固定された。
【0045】このようにして、隔膜2の内側、即ち、溶
存酸素センサ1に装着した際の作用極3側の所定の位置
にスペーサ9を固定化することができる。その後、この
隔膜2を、外側リング11と内側リング12とでカート
リッジ化した。
【0046】隔膜2を外側リング11と内側リング12
とで固定する際には、スペーサ9が固定された隔膜2
を、外側リング11の図2中上部側に、スペーサ9が上
側にあり、且つ、外側リング11の略中心に位置するよ
うに配置し(図3)、次いで外側リング11の貫通孔1
1bに内側リング12を圧入する。
【0047】このように、スペーサ9が隔膜2に固定さ
れていることにより、隔膜カートリッジ10を溶存酸素
センサ1に装着する際に、スペーサ9を確実に作用極3
と隔膜2との間に密着するように配置することができ
る。
【0048】しかも、隔膜カートリッジ10の装着後に
は、隔膜2とスペーサ9との接着時に用いた電解液5、
即ち、水分が蒸発して粘張性のある電解液成分は、溶存
酸素センサ1に内部液として充填される電解液5がスペ
ーサ9に侵入することにより溶解する。このため、スペ
ーサ9には、電解液成分のみを保持することができるた
め、スペーサ9の接着手段が電極反応に影響することは
ない。
【0049】スペーサ9の接着手段としては、上記電解
液5、即ち、KClの他、KOH、酢酸など、通常隔膜
型電極の内部液として用いられる電解液について検討し
たが、上述の操作により全て実用上問題ない程度にスペ
ーサ9と隔膜2とを固定することができた。又、スペー
サ9の接着手段としては、電解液の他、例えば、でんぷ
ん質、セルロースなど、水溶性の物質であり、電極反応
に影響することのない物質であれば用いることができ、
上記同様の効果を得ることができる。例えば、でんぷん
質を用いる場合、限定されるものではないが、適当な濃
度に溶解したでんぷん溶液を用いて、上述の電解液5を
用いた場合と同様の操作により、スペーサ9を隔膜2に
接着することができる。
【0050】隔膜2としては、FEP(四フッ化エチレ
ン−六フッ化プロピレン共重合体)、ODPE(低密度
ポリエチレン)、TFE(四フッ化エチレン)、PFA
(パーフルオロアルコキシ)、ETFE(エチレン−四
フッ化エチレン共重合体)など、隔膜型電極に用いうる
任意のガス透過性膜を使用しうる。隔膜の形状、寸法
は、従来一般に使用されている隔膜と同様の形状、寸法
とされ、通常、直径は使用される電極に応じて任意の寸
法とされ、一般に2〜5mmである。又、膜厚は特に制
限されるものではないが、通常、3〜80μmとされ
る。膜厚は、強度的な面から3μm以上とされ、又、膜
が厚くなるほど応答速度が遅くなるので、この観点から
膜厚は80μm以下とするのが好ましい。
【0051】又、スペーサ9としては、不織布の他、多
孔質フィルターなどの液浸透性の材料を用いることがで
きる。スペーサ9の厚さは、通常、10〜100μmと
される。スペーサ9の厚さは、内部液を保持する目的か
ら10μm以上とされ、又、隔膜2と作用極3との間が
離れて応答速度が遅くなるなど、センサの機能を損なう
ことのないように100μm以下とするのが好ましい。
ここで、液浸透性の材料とは、スペーサ9を隔膜型電極
に装着した際に、隔膜型電極の内部液が浸透しうる材料
をいう。
【0052】尚、隔膜2を外側リング11と内側リング
12とで固定してカートリッジ化した後に、スペーサ9
を内側の所定の位置に接着してもよいことは言うまでも
ない。又、スペーサ9が固定された隔膜2は、隔膜固定
部材として、例えば上記内側リング(ワッシャ)12
に、適当な接着剤などの接着手段により、溶存酸素セン
サ1に装着した際の外側から接着してもよい。
【0053】本実施例の隔膜カートリッジ10により、
溶存酸素センサ1の隔膜2の交換作業を行ったところ、
隔膜カートリッジ10を装着することにより、極めて簡
単に隔膜2を交換することができると共に、極めて簡単
にスペーサ9を作用極3と隔膜2との間に密着するよう
に配置することができた。又、この隔膜カートリッジ1
0を装着した溶存酸素センサ1により実際に試料液中の
溶存酸素を測定したところ、何らの問題もなく、安定し
た電極性能が発揮されることが確認された。
【0054】以上、本実施例によれば、極めて容易に溶
存酸素センサ1の隔膜2を交換すると共に、スペーサ9
を交換することができ、且つ、スペーサ9を作用極3と
隔膜2との間に密着するように確実に所定の位置に配置
することができる。
【0055】尚、上記説明から明らかなように、本発明
の特徴は、隔膜カートリッジ10に予めスペーサ9が固
定されているところにあり、隔膜カートリッジ10の形
態は、上述のものに限定されるものではなく、溶存酸素
センサ1に容易に着脱できるように構成された任意のカ
ートリッジ形態であってよい。
【0056】又、上記実施例では、隔膜型電極はポーラ
ログラフ式隔膜型電極であるとして説明したが、本発明
はガルバニ電池式隔膜型電極にも等しく適用可能であ
る。ガルバニ電池式隔膜型電極は、例えば図7を参照し
て説明すれば、実質的に電源7が設けられていない点で
のみポーラログラフ式隔膜型電極と相違し、その他の構
成は同じである。従って、上記実施例の隔膜カートリッ
ジ10の構成を等しく適用可能である。
【0057】更に、上述の各実施例では、本発明は、隔
膜型電極は溶存酸素電極であるとして説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊離残留
塩素濃度測定用電極、溶存オゾン濃度測定用電極、溶存
二酸化塩素濃度測定用電極、亜塩素酸(HClO2)濃
度測定用電極、溶存水素濃度測定用電極などのその他の
酸化還元電流測定式の隔膜型電極においても好適に具現
化し得るものである。又、本発明は、アンモニア濃度測
定用電極、二酸化炭素濃度測定用電極などの電位測定式
の隔膜型電極にも好適に適用することができる。電位測
定式の隔膜型電極においては、上記同様に隔膜カートリ
ッジに予めスペーサを固定することにより、pH電極、
ORP電極或いはイオン電極などの作用極たるガラス電
極、金属電極、金属酸化物電極などと隔膜との間の所定
の位置に、容易にスペーサを配置して一定厚さの内部液
の層を形成することができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
隔膜型電極に着脱可能な隔膜カートリッジは、隔膜固定
部材と、隔膜固定部材に固定された、隔膜型電極の測定
対象ガスを透過させる隔膜と、隔膜に固定された液浸透
性のスペーサと、を有する構成とされるので、極めて容
易に隔膜型電極の隔膜を交換すると共に、スペーサを交
換することができ、且つ、スペーサを作用極と隔膜との
間に密着するように確実に所定の位置に配置することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る隔膜カートリッジの一実施例の断
面図である。
【図2】図1の隔膜カートリッジの分解断面図である。
【図3】図1の隔膜カートリッジを内側から見た図であ
る。
【図4】本発明に係る隔膜カートリッジを装着可能な隔
膜型電極の一例の概略断面図である。
【図5】図4の隔膜型電極における隔膜カートリッジ装
着部をより詳しく示す断面図である。
【図6】図4の隔膜型電極における隔膜カートリッジ装
着部をより詳しく示す分解断面図である。
【図7】従来の隔膜型電極の一例の概略構成図である。
【図8】従来の隔膜型電極の他の例の概略構成図であ
る。
【図9】従来の隔膜固定方法の一例を説明するための隔
膜型電極の概略構成図である。
【図10】従来の隔膜固定方法の他の例を説明するため
の隔膜型電極の隔膜固定部の断面図である。
【符号の説明】
1 溶存酸素センサ(溶存酸素電極、隔膜型電
極) 2 隔膜 3 作用極 5 電解液(内部液) 6 対極 9 スペーサ 10 隔膜カートリッジ 11 外側リング(第1の隔膜固定部材) 12 内側リング(第2の隔膜固定部材) 20 電極本体 22 電極支持体 23 ガラスホルダ 40 外筒 50 カートリッジ押さえ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隔膜型電極に着脱可能な隔膜カートリッ
    ジにおいて、隔膜固定部材と、前記隔膜固定部材に固定
    された、前記隔膜型電極の測定対象ガスを透過させる隔
    膜と、前記隔膜に固定された液浸透性のスペーサと、を
    有することを特徴とする隔膜カートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記液浸透性のスペーサは不織布である
    ことを特徴とする請求項1の隔膜カートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記液浸透性のスペーサは水溶性の接着
    手段により前記隔膜に固定されていることを特徴とする
    請求項1又は2の隔膜カートリッジ。
  4. 【請求項4】 前記水溶性の接着手段は、前記隔膜型電
    極に内部液として充填される電解液と同一成分の電解液
    であることを特徴とする請求項3の隔膜カートリッジ。
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