JP2003201877A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置

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JP2003201877A
JP2003201877A JP2002000156A JP2002000156A JP2003201877A JP 2003201877 A JP2003201877 A JP 2003201877A JP 2002000156 A JP2002000156 A JP 2002000156A JP 2002000156 A JP2002000156 A JP 2002000156A JP 2003201877 A JP2003201877 A JP 2003201877A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関運転に悪影響を与えることなく燃料消費
量バランスを調整する。 【解決手段】 機関負荷に応じて成層燃焼モードと均質
燃焼モードとを切換えて運転する機関100に、燃料噴
射弁110から機関負荷に応じて高オクタン価ガソリン
と低オクタン価ガソリンとを切換えて供給する。低オク
タン価ガソリン用11内の燃料残量が低下した場合に
は、燃料消費量バランス調整のために、本来低オクタン
価ガソリンで運転すべき負荷領域でも高オクタン価ガソ
リンを使用して機関を運転するが、その際、燃料消費量
バランス調整のための高オクタン価ガソリンでの運転は
均質燃焼モードのみで行い、成層燃焼モードでは行わな
い。これにより、成層燃焼モードにおける機関性能の低
下や排気ガス性状の悪化を防止しながら燃料消費量バラ
ンスを調整することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料供
給装置に関し、詳細には高オクタン価燃料と低オクタン
価燃料との2種類の燃料を機関に供給することが可能な
燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃料オクタン価に対する要求
は機関運転状態に応じて変化する。例えば、低回転高負
荷の機関運転状態ではノッキングを防止し機関高出力を
得るためには燃料オクタン価は高い方が好ましく、一方
高回転低負荷の機関運転状態では燃焼状態を良好に維持
するためには燃料オクタン価は低い方が好ましい。この
ため、機関燃焼室に高オクタン価燃料と低オクタン価燃
料とを同時に供給し、機関運転状態に応じて両方の燃料
の混合割合を変更することにより燃料のオクタン価を変
更したり、或は機関運転状態に応じて機関燃焼室に供給
する燃料を高オクタン価燃料のみもしくは低オクタン価
燃料のみに切換える燃料供給装置が知られている。この
ように、オクタン価の異なる燃料を同時にもしくは切換
えて機関に供給することにより、機関運転条件に応じて
必要とされるオクタン価の燃料を使用して機関を運転可
能となるため、機関性能や排ガス性状を常に良好に維持
することが可能となる。
【0003】例えば、このような燃料供給装置の例とし
ては特開2001−50070号公報に記載されたもの
がある。同公報の燃料供給装置では原料となる燃料を分
留することにより、原料燃料よりオクタン価の高い高オ
クタン価燃料と、原料燃料よりオクタン価の低い低オク
タン価燃料とを生成し、これら2種類の燃料を機関運転
状態に応じた混合比で混合して機関に供給している。
【0004】上記特開2001−50070号公報の装
置では、原料燃料を分留して生成した高オクタン価燃料
と低オクタン価燃料とをそれぞれ別のサブ燃料タンクに
一旦貯留し、これらのサブ燃料タンクから高オクタン価
燃料と低オクタン価燃料とを取出して所定の割合で混合
して機関に供給している。これにより、機関に供給する
燃料のオクタン価を運転状態に応じて調整することが可
能となっている。
【0005】上記特開2001−50070号公報の装
置では、原料燃料の分留により高オクタン価燃料と低オ
クタン価燃料とを生成しているため、両方の燃料の生成
量の比率は或る範囲内に固定されている。このため、一
方の燃料のみが消費される運転状態(或は一方の燃料の
消費量が大きい運転状態)が長時間継続すると問題が生
じる。例えば、上記特開2001−50070号公報の
装置では、機関が比較的低負荷で運転されている場合に
は、機関に主に低オクタン価燃料を供給して機関を自己
着火燃焼運転させている。このため、自己着火燃焼運転
では高オクタン価燃料はほとんど消費されず、低オクタ
ン価燃料のみが消費され両方の燃料の消費量のバランス
が保てなくなる。
【0006】一方、特開2001−50070号公報の
装置では原料燃料を分留することにより高オクタン価燃
料と低オクタン価燃料とを生成しているため、一方の燃
料のみを生成することはできない。従って、機関の自己
着火運転中はサブ燃料タンクに貯留される高オクタン価
燃料の量は増大し、低オクタン価燃料の量は低下するよ
うになる。このように両方の燃料の消費量に大きな差が
生じる状態が継続すると、例えばサブ燃料タンク内の低
オクタン価燃料量が不足したり、或はサブ燃料タンク内
の高オクタン価燃料の量が増大してタンクの容量上限に
到達するような場合が生じてしまい好ましくない。
【0007】上記特開2001−50070号公報の装
置では、例えば自己着火燃焼の運転が長時間継続して、
低オクタン価燃料のタンク内残量が下限値以下に減少し
た場合、又は高オクタン価燃料のタンク内残量が上限値
以上に増大した場合には、機関の燃焼モードを自己着火
燃焼から火花点火燃焼に切換えるとともに、機関への高
オクタン価燃料の供給割合を増大するようにしている。
これにより、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との
燃料の消費量バランスが調整される。すなわち、特開2
001−50070号公報の装置では、一方の燃料の消
費量が大きい運転状態が継続し、この一方の燃料の残量
が過大になった場合、または他方の燃料の残量が過小に
なった場合には、両方の燃料の消費量バランスをとるた
めに、機関の運転モードを切換えて残量が多い方の燃料
を多く使用する運転モードで機関を運転するようにして
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開2001−5
0070号公報の装置では、一方の燃料の消費量のみが
増大する条件での機関運転が継続して両方の燃料の消費
量バランスを調整する必要が生じた場合には、消費量の
少ない方の燃料を多く使用する燃焼モード(すなわち、
自己着火燃焼から火花点火燃焼)に運転状態を切換える
ことにより燃料の消費量バランスを調整している。
【0009】しかし、上記公報の装置の場合には、逆に
火花点火燃焼での運転が継続し、高オクタン価燃料の残
量が低下したり、低オクタン価燃料の残量が増大した場
合には、燃料消費バランスを調整するためには火花点火
燃焼から自己着火燃焼に運転状態を切換えて低オクタン
価燃料の消費量を増大させる必要がある。ところが、自
己着火燃焼での運転は低負荷領域でしか行うことができ
ないため、燃料消費バランスを調整するために常に火花
点火燃焼から自己着火燃焼に運転モードを切換えること
ができるとは限らない。また、燃料消費バランス調整の
ために、本来自己着火燃焼には適していない運転状態で
無理に自己着火燃焼での運転を行うと燃焼状態の悪化や
排気性状の大幅な悪化を生じることになる。このため、
上記公報の装置では、低オクタン価燃料の残量が増大し
た場合、或は高オクタン価燃料の残量が低下した場合に
は有効に燃料消費量バランスを調整することができない
問題が生じる。
【0010】本発明は上記問題に鑑み、高オクタン価燃
料と低オクタン価燃料との両方を機関に供給する場合
に、機関性能や排気性状の大幅な悪化を生じることなく
有効に両方の燃料の消費量バランスをとることが可能な
内燃機関の燃料供給装置を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、燃焼室内の一部の領域に着火可能な空燃比の混
合気を成層させ全体としてリーン空燃比の燃焼を行う成
層燃焼モードと、燃焼室内全体に均一な空燃比の混合気
を生成して燃焼を行う均質燃焼モードとを負荷に応じて
切換えて運転する内燃機関の燃料供給装置であって、高
オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを個別にまたは混
合して内燃機関に供給し、機関が比較的低負荷で運転さ
れる領域では機関に供給する燃料中の低オクタン価燃料
の割合を増大し、機関が比較的高負荷で運転される領域
では機関に供給する燃料中の高オクタン価燃料の割合を
増大させる燃料供給制御手段と、両方の燃料の消費量バ
ランスの調整のために高オクタン価燃料の消費量を増大
すべき場合には、均質モード運転時に前記低負荷運転領
域であっても機関に供給される高オクタン価燃料の量を
低オクタン価燃料の量より増大させる燃料消費量調整手
段を備えたことを特徴とする、内燃機関の燃料供給装置
が提供される。
【0012】すなわち請求項1の発明では、機関は成層
燃焼と均質燃焼とを切換えて運転可能とされている。ま
た、燃料供給装置は、機関が比較的低負荷で運転されて
いる場合には燃料中の低オクタン価燃料の割合を増大
し、比較的高負荷で運転されている場合には燃料中の高
オクタン価燃料の割合を増大する。一方、機関の成層燃
焼モード運転は機関回転数と負荷とが比較的小さい領域
で行われ、成層燃焼モード運転は、機関回転数と負荷と
の何れか一方または両方が比較的大きい領域で行われ
る。
【0013】このため、本発明では、成層燃焼モード運
転と均質燃焼モード運転との両方において、高オクタン
価燃料主体の運転と低オクタン価主体の運転との両方が
行われる場合がある。燃料消費量バランス調整のために
高オクタン価燃料の消費量を増大すべきとき(例えば、
高オクタン価燃料のタンク内残量が増大したとき、また
は低オクタン価燃料の残量が減少したときなど)には、
本来低オクタン価燃料主体の運転を行うべき負荷領域で
高オクタン価燃料主体の運転を行うことにより、高オク
タン価燃料の消費量を増大させて燃料消費量バランスが
調整される。本発明では、成層燃焼モードと均質燃焼モ
ードとの両方において低オクタン価燃料主体の運転を行
う負荷領域があるため、上記の消費量バランス調整のた
めの高オクタン価燃料主体の運転への切換も本来、成層
燃焼モードと均質燃焼モードとのいずれにおいても実施
することが可能である。
【0014】しかし、成層燃焼モードにおいては全体と
してリーンな空燃比の運転が行われるため、本来低オク
タン価燃料主体の運転を行うべき領域で高オクタン価燃
料主体の運転を行うと混合気の着火性が悪化し、燃焼の
悪化、排気性状の悪化等が生じる可能性がある。一方、
均質燃焼モードでは燃焼状態や排気性状は比較的燃料の
オクタン価の影響を受けにくいため、本来低オクタン価
燃料主体の燃料を行うべき領域で高オクタン価燃料主体
の運転を行っても燃焼の悪化や排気性状の悪化は生じな
い。
【0015】そこで、本発明では燃料消費量バランス調
整のために高オクタン価燃料の消費量を増大すべき場合
には、機関が均質燃焼モードで運転を行っている場合に
のみ本来低オクタン価燃料主体の燃焼を行うべき負荷領
域で高オクタン価燃料主体の燃焼を行い、成層燃焼モー
ド運転時には本来定められた燃料を用いて運転を行うよ
うにしている。このように、燃料のオクタン価変動の影
響を受けにくい均質燃焼モード運転時に燃焼モードを変
更することなく燃料消費量バランス調整のための高オク
タン価燃料供給増大を行うようにしたため、燃焼モード
が負荷条件と適合しないために生じる機関の燃焼の悪化
や排気性状の悪化が防止されるとともに、有効に燃料消
費量のバランスが調整される。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、前記燃料
供給制御手段は、機関負荷が予め定めた所定の負荷より
高い場合には機関に高オクタン価燃料のみを供給し、前
記所定の負荷以下の場合には機関に低オクタン価燃料の
みを供給し、前記燃料消費量調整手段は、前記高オクタ
ン価燃料の消費量を増大する必要がある場合には、均質
燃焼時における前記所定の負荷を低下させることを特徴
とする、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置が提
供される。
【0017】すなわち、請求項2の発明では、高オクタ
ン価燃料と低オクタン価燃料とは混合されることなく、
それぞれ機関の運転負荷領域に応じて切換えて使用され
るが、この場合も均質燃焼時にのみ燃料消費量バランス
調整のための高オクタン価燃料の消費量増大を行うこと
により、燃焼モードを切換えることなく燃料消費量バラ
ンスの調整を有効に行うことができる。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、高オクタ
ン価燃料と低オクタン価燃料とを個別にまたは混合して
内燃機関に供給する内燃機関の燃料供給装置であって、
機関が比較的低負荷で運転される領域では機関に供給す
る燃料中の低オクタン価燃料の割合を増大し、機関が比
較的高負荷で運転される領域では機関に供給する燃料中
の高オクタン価燃料の割合を増大する燃料供給制御手段
と、両方の燃料の消費量バランスの調整のために低オク
タン価燃料の消費量を増大すべき場合には、前記高負荷
運転領域であっても機関に供給される低オクタン価燃料
の量を高オクタン価燃料の量より増大するとともに、機
関の実圧縮比を低下させる燃料消費量調整手段を備えた
ことを特徴とする、内燃機関の燃料供給装置が提供され
る。
【0019】すなわち、請求項3の発明では機関が比較
的高負荷で運転される領域では高オクタン価燃料の供給
量が増大され、比較的低負荷で運転される領域では低オ
クタン価燃料の供給量が増大される。また、比較的高負
荷の運転が継続して高オクタン価燃料のタンク内残量が
低下した場合、または低オクタン価燃料のタンク内残量
が増大した場合には、本来高オクタン価燃料を使用して
運転すべき比較的高負荷領域でも低オクタン価燃料を使
用するようにして、燃料消費量のバランスを調整する。
また、低オクタン価燃料を使用すると比較的負荷の高い
領域ではノックが生じ機関性能や排気性状が悪化する。
そこで、本発明では燃料消費量バランスを調整するため
に、比較的高い負荷領域まで低オクタン価燃料を使用す
る場合には、機関のバルブタイミングを変化させること
により機関の実際の圧縮比を低下させる。これにより、
点火時期を遅角させることなくノックの発生を防止する
ことができるため、点火時期の遅角による機関性能や排
気性状の悪化を生じることなく燃料消費量のバランスを
調整することが可能となる。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、高オクタ
ン価燃料と低オクタン価燃料とを個別にまたは混合して
内燃機関に供給する内燃機関の燃料供給装置であって、
機関が比較的低負荷で運転される領域では機関に供給す
る燃料中の低オクタン価燃料の割合を増大し、機関が比
較的高負荷で運転される領域では機関に供給する燃料中
の高オクタン価燃料の割合を増大する燃料供給制御手段
と、両方の燃料の消費量バランスの調整のために一方の
燃料の消費量を増大すべき場合に、機関運転条件の変化
により前記一方の燃料の供給量が増大する領域に機関運
転状態が移行することが予測された時に、実際に前記機
関運転状態の移行が生じる前に、機関に供給される燃料
中の前記一方の燃料量を増大させる燃料消費量調整手段
と、を備えたことを特徴とする、内燃機関の燃料供給装
置が提供される。
【0021】すなわち、請求項4の発明では燃料消費バ
ランス調整のために一方の燃料の消費量を増大すべき場
合に、機関の運転状態の変化を予測し、運転状態が変化
して実際に一方の燃料の供給量を増大すべき運転状態に
移行する前にこの一方の燃料の供給量を増大する。これ
により、消費量を増大すべき燃料での運転時間が長くな
り燃料消費量バランス調整が有効に行われる。また、燃
料の供給量割合の変更には多少の時間を要するため、実
際の運転では運転状態の移行後、必ずしも機関の運転状
態に応じたオクタン価の燃料が機関に供給されない場合
が生じるが、本発明のように機関の運転状態の変化を予
測して予め燃料供給割合の変更を行うことにより、燃料
オクタン価調整の際の応答遅れをなくすことが可能とな
る。
【0022】請求項5に記載の発明によれば、前記燃料
消費量調整手段は、前記両方の燃料の消費量バランスの
調整のために高オクタン価燃料の消費を増大すべきとき
にのみ前記運転状態移行の予測に基づいて、実際に運転
状態が前記領域に移行する前に高オクタン価燃料量の増
大を行うことを特徴とする、請求項4に記載の内燃機関
の燃料供給装置が提供される。
【0023】すなわち、請求項5の発明では請求項4の
運転状態移行の予測による運転状態移行前の燃料供給割
合の変更は、燃料消費量バランス調整のために高オクタ
ン価燃料の消費量を増大すべきときにのみ行う。例え
ば、本発明では、燃料消費量バランス調整のために高オ
クタン価燃料の消費量を増大すべきときには、低オクタ
ン価燃料主体の運転を実施中に機関運転負荷が増大する
ことが予測される場合(例えば加速開始時)等に、実際
に機関負荷が増大する前に高オクタン価燃料の供給割合
を増大する。しかし、逆に燃料消費量バランス調整のた
めに低オクタン価燃料の消費量を増大すべきときには、
高オクタン価燃料主体の運転(高負荷運転)から低オク
タン価燃料主体の運転(低負荷運転)に運転状態が移行
する場合には予測による燃料の供給割合の変更は行わ
ず、実際に運転状態が移行して負荷が低下してから低オ
クタン価燃料の供給割合を増大する。
【0024】例えば、低オクタン価燃料主体の供給から
高オクタン価燃料主体の供給への切換は、機関負荷が実
際に増大する前に行っても運転上問題は生じない。しか
し、逆に高オクタン価燃料主体の供給から低オクタン価
燃料主体の供給への切換は、実際に機関負荷が低下する
前に行ってしまうとノックが生じる可能性がある。そこ
で、本発明では燃料消費量バランス調整のための燃料供
給割合の変更は、高オクタン価燃料の消費量を増大すべ
き場合にのみ行うようにしている。これにより、機関運
転状態に影響を与えることなく燃料消費バランスの調整
を有効に行うことが可能となる。
【0025】請求項6に記載の発明によれば、高オクタ
ン価燃料と低オクタン価燃料とを負荷に応じて切換えて
内燃機関に供給する内燃機関の燃料供給装置であって、
機関負荷が予め定めた所定の負荷より高い場合には機関
に高オクタン価燃料のみを供給し、前記所定の負荷以下
の場合には機関に低オクタン価燃料のみを供給する燃料
供給制御手段と、前記両方の燃料の消費量バランスの調
整のために高オクタン価燃料の消費を増大すべきときに
は、高オクタン価燃料の消費増大要求の程度に応じて前
記所定負荷を低く設定し、低オクタン価燃料の消費を増
大すべき時には低オクタン価燃料の消費増大要求の程度
に応じて前記所定負荷を高く設定する、燃料消費量調整
手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料供給
装置が提供される。
【0026】すなわち、請求項6の発明では高オクタン
価燃料と低オクタン価燃料とを機関負荷に応じて切換え
て使用する場合に、消費量バランス調整のための消費量
増大要求の程度に応じて燃料の切換を行う負荷を変更す
る。例えば、燃料の消費量バランス調整のために高オク
タン価燃料の消費を増大する必要がある場合には、切換
を行う所定負荷を消費量増大要求の程度に応じて低下さ
せる。ここで、消費量増大要求の程度は、例えば消費量
をどの程度増大させるかの程度を意味し、高オクタン価
燃料のタンク内残量が多いほど、或は低オクタン価燃料
のタンク内残量が少ないほど高オクタン価燃料の消費量
増大要求の程度が大きくなる。
【0027】従って、高オクタン価燃料のタンク内残量
が多いほど、または低オクタン価燃料の少ないほど燃料
切換を行う所定負荷が低くなるように設定することによ
り、高オクタン価燃料を使用する運転が行われる頻度が
増加し、高オクタン価燃料の消費量の増大幅が大きくな
る。同様に、低オクタン価燃料の消費を増大する必要が
ある場合には、低オクタン価燃料の消費量増大要求の程
度が大きいほど(例えば、低オクタン価燃料の残量が多
いほど、または高オクタン価燃料の残量が少ないほど)
切換を行う所定負荷が高くなるように設定することによ
り、低オクタン価燃料の消費量増大幅が大きくなる。従
って、本発明によれば、燃料の消費量バランスの狂いが
大きい場合にも短時間で燃料消費量のバランス調整が行
われるようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明の燃料供給
装置を車両用内燃機関に適用した場合の実施形態の概略
構成を模式的に示す図である。
【0029】図1において、100は内燃機関、110
は内燃機関1の各気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁を示
す。各燃料噴射弁110は、後述するデュアルデリバリ
パイプ20に接続され、デュアルデリバリパイプ20内
に形成された2つのデリバリ通路201、203内の燃
料の一方を選択的に、もしくは両方の燃料を任意の混合
比で同時に、機関100の各気筒内に噴射可能な構造と
なっている。デュアルデリバリパイプ20の構造及び具
体的な燃料噴射弁110への燃料供給部構造については
後述する。
【0030】図1において、11、13で示すのは機関
1の燃料タンクである。本実施形態では、種類の異なる
2つの燃料油を燃料噴射弁110から機関に噴射するた
めにそれぞれの燃料タンクを別個に設けている。本実施
形態では、種類の異なる2つの燃料としてオクタン価の
異なる2つの燃料、例えば高オクタン価ガソリンと低オ
クタン価ガソリンや、ガソリンと他の種類の液体燃料
(例えばDME(ジメチルエーテル))等を使用するこ
とが可能であるが、図1の例では高オクタン価ガソリン
と低オクタン価ガソリンとを使用する場合を示してい
る。
【0031】本実施形態では、例えば燃料タンク11に
は高オクタンガソリンが、13には低オクタンガソリン
がそれぞれ貯留されている。高オクタン価ガソリンと低
オクタン価ガソリンとは、それぞれ外部からタンク11
と13とに別々に補給するようにしても良いし、例えば
後述するように、車両上で分留などの適宜な手段を用い
て市販のガソリンを高オクタン価成分を多く含むガソリ
ンと低オクタン価成分を多く含むガソリンとに分けるこ
とにより車両上で生成することも可能である。
【0032】燃料タンク11と13に貯留された燃料
は、タンク内にそれぞれ設けられた低圧フィードポンプ
11a、13aにより低圧供給配管15、17を介して
高圧燃料ポンプ21、23に供給される。高圧燃料ポン
プ21、23は、例えばプランジャ式高圧ポンプとさ
れ、それぞれポンプ吐出量を調整する吐出量制御機構を
有している。高圧燃料ポンプ21、23はそれぞれ高圧
供給配管25、27を介してデュアルデリバリパイプ2
0のデリバリ通路201、203に接続されている。
【0033】図1に示すように、高オクタン価ガソリン
は燃料タンク11から低圧フィードポンプ11aにより
高圧燃料ポンプ21に供給され、高圧燃料ポンプ21で
昇圧されて高圧供給配管25からデュアルデリバリパイ
プ20のデリバリ通路201に供給される。また、低オ
クタン価ガソリンは燃料タンク13から低圧フィードポ
ンプ13a、高圧燃料ポンプ23、高圧供給配管27を
通りデュアルデリバリパイプ20のデリバリ通路203
に供給される。すなわち、高オクタン価ガソリンと低オ
クタン価ガソリンとは、互いに独立した供給源から互い
に独立した供給経路を通って燃料噴射弁110に供給さ
れる。
【0034】次に、燃料噴射弁110への燃料供給機構
について説明する。図2は、デュアルデリバリパイプ2
0と燃料噴射弁110の燃料供給機構の構成を示す断面
図である。デュアルデリバリパイプ20内には、その長
手方向に沿った隔壁20aにより2つのデリバリ通路
(高オクタン価ガソリンレール201と低オクタン価ガ
ソリンレール203)とが形成されている。レール20
1と203とは、それぞれ供給される高圧の高オクタン
価ガソリンと低オクタン価ガソリンとを貯留し、各気筒
の燃料噴射弁110に分配する機能を有している。
【0035】図2に251で示すのは、各燃料噴射弁1
10毎に設けられた円筒状のインジェクタガイド251
である。インジェクタガイド251は、デュアルデリバ
リパイプ20内の隔壁20aを貫通して取付けられてい
る。インジェクタガイド251は、内部に軸線方向に形
成された燃料噴射通路257を備えている。燃料噴射通
路257はその端部にデリバリパイプ20の高オクタン
価ガソリンレール201内に開口する開口257aによ
りレール201に連通しており、更にデリバリパイプ2
0側面に形成された開口257bによりデリバリパイプ
20内の低オクタン価ガソリンレール203に連通して
いる。
【0036】図2に201a、203aで示すのは、イ
ンジェクタガイド20の外側に嵌装され、各レールから
の燃料洩れを防止するOリングシールである。各燃料噴
射弁110は、それぞれのインジェクタガイド251の
デリバリパイプ20側と反対の端部に取付けられてお
り、インジェクタガイド251内に軸線方向に形成され
た燃料噴射通路257から燃料を供給される。すなわ
ち、本実施形態では、共通の燃料噴射通路257を介し
て高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの両
方がそれぞれの燃料噴射弁に供給される。
【0037】図1に30で示すのは、機関1の電子制御
ユニット(ECU)である。本実施形態では、ECU3
0は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセ
スメモリ(RAM)、演算ユニット(CPU)及び入出
力ポートを双方向性バスで接続した公知の構成のマイク
ロコンピュータとして構成され、機関の燃料噴射制御や
点火時期制御などの基本制御を行う他、本実施形態では
後述するように、高圧燃料ポンプ21と23の吐出量を
制御してデリバリパイプ20内の圧力を機関運転条件に
応じて調節するとともに、各レール201、203への
燃料供給量を個別に調節することにより、各燃料噴射弁
110に供給される高オクタン価ガソリンと低オクタン
価ガソリンとの量の比率を調節する。
【0038】これらの各制御のために、ECU30の入
力ポートには図示しない機関回転数センサと、機関吸入
空気量センサ、アクセル開度センサ等の各センサから、
機関回転数、吸入空気量、運転者のアクセルペダル踏込
み量(アクセル開度)等の機関運転状態を表すパラメー
タが入力されている他、デュアルデリバリパイプ20の
両方のレール201、203に設けられた燃料圧センサ
201Pと203Pからそれぞれのレール内の燃料圧力
を表す信号が入力されている。また、ECU30の出力
ポートは、各燃料噴射弁110に接続され、各燃料噴射
弁からの燃料噴射量、燃料噴射タイミングを制御してい
る他、高圧燃料ポンプ21、23の吐出量制御機構に接
続され、それぞれの高圧燃料ポンプ21、23の燃料吐
出量を制御している。なお、本実施形態の機関100は
吸排気弁の開閉タイミング(バルブタイミング)を変更
可能な可変バルブタイミング機構100aを有してお
り、ECU30の出力ポートは可変バルブタイミング機
構100aのアクチュエータに接続され、機関100の
各気筒のバルブタイミングを制御している。
【0039】それぞれの高圧燃料ポンプ21、23から
デュアルデリバリパイプ20のレール201、203に
圧送された燃料は、それぞれインジェクタガイド251
の各レールに設けられた開口257aと257bとから
インジェクタガイド内の燃料噴射通路257に流入し、
各燃料噴射弁110に供給される。この場合、各レール
に供給された燃料量と各レールから燃料噴射通路257
に流入する燃料量とは等しくなるため、各燃料噴射弁1
10からはそれぞれの高圧燃料ポンプ21、203の吐
出量の比率に等しい混合比の燃料が機関に噴射されるよ
うになる。このように、それぞれのポンプの吐出量を制
御することにより、燃料の混合比を精密に制御すること
ができる。なお、一方のポンプの吐出量をゼロにする
と、レールには燃料が供給されなくなる。このため、こ
の場合には他方のポンプからの燃料のみが各燃料噴射弁
から噴射されるようになり、高オクタン価ガソリンの
み、または低オクタン価ガソリンのみでの機関の運転が
可能となる。
【0040】次に、本実施形態における高オクタン価ガ
ソリンと低オクタン価ガソリンとの使用方法について説
明する。本実施形態では、機関100は成層燃焼モード
と均質燃焼モードとの2つの運転モードを切換えて運転
することが可能な希薄燃焼機関とされている。機関の均
質燃焼モードでは、燃料噴射弁110から機関燃焼室内
に吸気行程前半に燃料を噴射して燃焼室内に均一な混合
気を形成し、この混合気にスパークプラグで着火するこ
とにより燃焼を行う。均質燃焼モードでは、燃焼室内の
混合気全体の空燃比が可燃範囲になっている必要がある
ため、混合気の空燃比を高く(希薄に)することができ
ないが、燃料噴射から着火までに比較的長い時間をとる
ことができるため機関に比較的多量の燃料を供給するこ
とができる。このため、本実施形態では機関出力トルク
が大きい運転領域、或は機関高回転領域で均質燃焼モー
ド運転が行われる。
【0041】一方、成層燃焼は、気筒の圧縮行程後期に
燃焼室内に燃料を噴射することにより、スパークプラグ
近傍のみに可燃空燃比の混合気を成層させるものであ
る。このようにスパークプラグまわりのみに噴射燃料を
成層させることにより、気筒全体としての空燃比は均質
混合気燃焼の場合に較べて大幅に高く(希薄に)維持し
ながら、安定した燃焼を行うことが可能となる。成層燃
焼は、気筒全体としての燃焼空燃比を充分高く設定し
て、排気性状(特にNOX濃度)を改善することが可能
であるが、燃料噴射開始から着火までの時間が比較的短
く機関に比較的少量の燃焼しか供給できないため、機関
出力を増大することが困難な問題がある。
【0042】本実施形態では、機関出力が比較的小さ
く、かつ機関回転数が低い運転領域で機関を成層燃焼モ
ードで機関の運転を行う。図3は、縦軸に機関出力トル
クT、横軸に回転数Nをとって表した機関100の成層
燃焼モード運転と均質燃焼モード運転とを行う運転領域
を示す図である。図3に示すように、本実施形態では機
関出力トルクが小さく、かつ機関回転数が低い(図3で
出力トルクTがT0以下、かつ機関回転数NがN0以下)
運転領域では成層燃焼モード運転が行われ、機関出力ト
ルクと機関回転数のいずれか一方または両方が大きい場
合(図3でT>T0とN>N0の一方もしくは両方が成立
する場合)に均質燃焼モード運転が行われる。
【0043】ところで、燃料に要求されるオクタン価は
ノックが生じない範囲でできるだけ低いことが好まし
い。オクタン価が低いほど燃料の着火性が向上し燃料の
燃焼状態が良好になるためである。一方、燃料オクタン
価が低くなるにつれて燃焼時の火炎伝播速度が大きくな
るため、点火時期を進角するとノックが生じるようにな
る。このため、燃料オクタン価が低いと点火時期を最適
時期まで進角することができず、機関出力を充分に増大
することができない。このため、本実施形態では上記燃
焼モードの切換に加えて、機関出力がある切換判定値よ
り高い場合には高オクタン価ガソリンを、低い場合には
低オクタン価ガソリンを使用して、機関負荷により燃料
を切換えて使用する。
【0044】図3に直線Aで示すのは、本実施形態にお
ける燃料切換負荷の判定値である。図3に示すように、
負荷判定値は機関回転数が高いほど大きくなるように設
定されている。すなわち、機関回転数が低いほど小さい
負荷でもノックが生じやすくなるため、本実施形態では
機関回転数が低いほど小さい負荷領域まで高オクタン価
ガソリンでの運転を行い、機関回転数が高いほど高い負
荷領域まで低オクタン価ガソリンでの運転を行ってい
る。図3から判るように、本実施形態では機関が成層燃
焼モードで運転されている場合も、機関負荷が図3直線
Aより高くなると燃料は低オクタン価ガソリンから高オ
クタン価ガソリンに切換えられる。
【0045】また、図3に示すように低オクタン価燃料
は比較的負荷が低い領域で使用されるため、機関の通常
の運転状態では低オクタン価ガソリンでの運転が行われ
る頻度が高い。しかし、低オクタン価ガソリンでの運転
では機関出力が比較的低いため、単位時間当りの燃料消
費量は比較的小さくなる。一方、高オクタン価ガソリン
運転が行われる領域は、比較的負荷が高い領域であるた
め、高オクタン価ガソリンでの運転が行われる頻度は低
オクタン価ガソリンでの運転が行われる頻度に較べて小
さくなる。しかし、高オクタン価ガソリンでの運転では
機関出力が比較的大きいため、単位時間当りの燃料消費
量は比較的大きくなる。このため、通常の運転では全体
的に見ると高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリ
ンとの消費量は略同等となりバランスしている。
【0046】ところが、運転状態によっては上記の燃料
消費量のバランスがくずれてしまい、一方の燃料が他方
の燃料より多く消費される場合が生じる。例えば、低負
荷運転のみが長く続いて低オクタン価ガソリンの消費量
が高オクタン価ガソリンの消費量に較べて極めて大きく
なったような場合には、高オクタン価ガソリン用タンク
11内の燃料レベルは高いにもかかわらず、低オクタン
価ガソリン用タンク13内の燃料レベルが低下してしま
う場合がある。このような場合には、高オクタン価ガソ
リンのタンク内残量は充分にあるにもかかわらず、低オ
クタン価ガソリンを補給しなければ運転を続行すること
ができなくなる。
【0047】本実施形態では、このような場合には高オ
クタン価ガソリンの消費量を増大、すなわち高オクタン
価ガソリンを消費する運転頻度を増大することにより燃
料消費量のバランスを調整して、片方の燃料(低オクタ
ン価ガソリン)のみの不足のために燃料を補給する必要
がないようにしている。ところが、上記のように燃料消
費量バランスの調整のために高オクタン価ガソリン消費
量を増大すべき場合に成層燃焼の低負荷運転領域で低オ
クタン価ガソリンの代りに高オクタン価ガソリンを使用
すると運転上問題を生じる場合がある。成層燃焼モード
での低負荷運転領域では、燃焼室内に成層化される燃料
量も極めて少ないため、成層した混合気の空燃比もかな
り低くなる。このため、成層燃焼モードでの低負荷運転
領域で比較的着火性の低い高オクタン価ガソリンを使用
すると、失火、燃焼不良などの問題が生じる可能性が生
じるのである。
【0048】一方、均質燃焼モードは成層燃焼モードに
較べて比較的燃料のオクタン価の変化による影響を受け
にくい。このため、均質燃焼モードでは本来低オクタン
価ガソリンで運転している領域では負荷にかかわらず低
オクタン価ガソリンによる運転を行っても大きな問題は
生じない。そこで、本実施形態では燃料消費量バランス
調整のために高オクタン価ガソリンの消費量を増大すべ
き場合には、本来高オクタン価ガソリンでの運転を行う
機関運転領域に加えて、更に均質燃焼モード運転で本来
低オクタン価ガソリンで運転すべき領域においても高オ
クタン価ガソリンによる運転を行う。
【0049】すなわち、本実施形態では燃料消費量バラ
ンス調整のために高オクタン価ガソリンをの消費量を増
大すべき場合には、図4に斜線で示す領域、つまり均質
燃焼モード運転の全領域(及び成層燃焼モード運転では
切換判定値(A線)より負荷が高い領域)で高オクタン
価ガソリンでの運転を行う。この場合、成層燃焼モード
運転では、高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリ
ンを使用する運転領域は示すように、均質燃焼モードで
は通常時(図3)と同じに維持される。これにより、機
関が高オクタン価ガソリンで運転される領域が大幅に拡
大され、高オクタン価ガソリンの消費量が低オクタン価
ガソリンの消費量に較べて大きく増大する。従って、燃
料消費量バランス調整のために高オクタン価ガソリンの
消費量を増大すべき場合にも、成層燃焼モードにおける
燃焼の悪化を生じることなく短時間でバランス調整を行
うことが可能となる。
【0050】上記は、燃料消費量バランス調整のために
高オクタン価ガソリンの消費量を増大すべき場合の操作
について説明したが、実際の運転では高オクタン価ガソ
リンを消費する運転(高負荷運転)が長時間継続して、
逆に高オクタン価ガソリンのタンク内残量が減少してし
まう場合がある。このような場合には、燃料消費量バラ
ンスを調整するために低オクタン価ガソリンの消費量を
高オクタン価ガソリンに較べて増大する必要が生じる。
このような場合には、本実施形態では図3の燃料切換負
荷判定値を増大させることにより低オクタン価ガソリン
での運転頻度を増大するようにしている。
【0051】図5は、燃料消費量バランス調整のために
低オクタン価ガソリン消費量を増大すべき場合の燃料切
換負荷判定値を示す図である。図5において、線A′は
燃料消費量バランス調整のために低オクタン価ガソリン
消費量を増大すべき場合の各回転数における燃料切換負
荷判定値を、線Aは、通常の運転時(図3の場合)の燃
料切換負荷判定値を示している。
【0052】図5に示すように、燃料消費量バランス調
整のために低オクタン価ガソリン消費量を増大すべき場
合には、燃料切換負荷判定値A′線は、通常の判定値A
線に較べて高負荷側に平行移動した形になっており、低
オクタン価ガソリンを使用する運転の頻度が大幅に増大
する。なお、燃料切換負荷判定値をA線からA′線に上
昇させた結果、本来高オクタン価ガソリンで運転すべき
比較的負荷の高い領域で低オクタン価燃料での運転が行
われるようになるため、ノックが発生しやすくなる。こ
のため、本実施形態では、燃料切換判定値をA′線に移
動させた場合には機関の各気筒の実圧縮比を低下させて
ノックの発生を防止するようにしている。また、逆に図
4の斜線で示すように均質燃焼モード運転領域を拡大し
てでも高オクタン価ガソリンの消費量を増大させたい場
合には、図5における燃料切換負荷判定値は通常時の線
Aから線A′′のように低負荷側に平行移動させ、高オ
クタン価ガソリンを使用する運転の頻度を更に増大させ
ることも可能である。
【0053】前述したように、本実施形態の機関100
は機関運転中に各気筒の吸排気弁のバルブタイミングを
変更可能な可変バルブタイミング機構100aを備えて
いる。本実施形態では、可変バルブタイミング機構10
0aにより各気筒の吸気弁のバルブタイミングを変更す
ることにより実圧縮比を低下させる。すなわち、本実施
形態では、図5に示したように通常高オクタン価ガソリ
ンを用いて運転すべき領域で低オクタン価ガソリンを使
用する場合に、ECU30は可変バルブタイミング機構
100aを操作して各気筒の吸気弁の開閉タイミングを
遅角させる。これにより、気筒の実際の吸気行程(吸気
弁が開弁してからピストンが下死点に到達するまでの期
間)が短くなり気筒に充填される空気量が低減するとと
もに、下死点通過後吸気弁が閉弁するまでに吸気弁を通
じて気筒内の吸気が排出されるようになる。従って、吸
気弁の開閉タイミングを遅角させることにより実際に気
筒内で圧縮される吸気の量が低減され、気筒の実圧縮比
が低下する。
【0054】通常、ノック発生を防止するためには機関
点火時期を遅角することが行われる。しかし、点火時期
の遅角は燃焼に与える影響が比較的大きく機関性能の低
下や排気ガス性状の悪化を生じやすい。一方、本実施形
態のように点火時期を通常に維持したまま気筒実圧縮比
を低下させる場合には燃焼に対する影響が少なく、機関
性能の低下や排気ガス性状の悪化を生じにくい。このた
め、燃料消費量バランス調整のために、通常高オクタン
価ガソリンで運転すべき領域で低オクタン価ガソリンを
使用する場合に機関の実圧縮比を低下させることによ
り、機関性能の低下や排気ガス性状の悪化を生じること
なく低オクタン価ガソリンでの運転が可能となる。
【0055】次に、上記した燃料消費量バランスの調整
を実施すべき場合について説明する。本実施形態では燃
料消費量バランスの調整を実施すべきか否かは、例え
ば、燃料タンク11、13内の燃料残量に基づいて判断
する。すなわち、ECU30は、燃料タンク11、13
に設けた液面センサ(図示せず)の出力に基づいて、そ
れぞれのタンク内の燃料の残量を算出する。そして、一
方の燃料(例えば高オクタン価ガソリン)のタンク内残
量が所定値以下になった場合、または、一方の燃料(例
えば高オクタン価ガソリン)のタンク内残量が他方の燃
料(例えば低オクタン価ガソリン)のタンク内残量より
所定値以上少なくなった場合には、他方の燃料(例えば
低オクタン価ガソリン)の消費量を増大することにより
燃料消費量バランスを調整する。
【0056】また図1には示していないが、前述の特開
2001−50070号公報に記載したように、車上に
搭載した分留装置などにより原料ガソリンを高オクタン
価ガソリンと低オクタン価ガソリンとに分留してそれぞ
れのタンク11、13に貯留するような燃料供給装置で
は、一方の燃料(例えば低オクタン価ガソリン)を生成
しようとすると必ず他方の燃料(例えば高オクタン価ガ
ソリン)が生成されてしまう。このため、一方の燃料
(例えば低オクタン価ガソリン)の消費量に較べて他方
の燃料(例えば高オクタン価ガソリン)の消費量が少な
いような場合には、一方の燃料(低オクタン価ガソリ
ン)のタンク内残量が低下していなくても、他方の燃料
(高オクタン価ガソリン)のタンク内残量が増大してし
まい、タンクの上限容量に到達してしまう場合がある。
【0057】このような場合にも、上記他方の燃料(高
オクタン価ガソリン)のタンク内残量を低減するため
に、他方の燃料(高オクタン価ガソリン)の消費量を増
大する燃料消費量のバランス調整が実施される。また、
上記実施携帯では切換負荷判定値(図3、図4のA線、
図5のA′線)を境に負荷が大きい側では高オクタン価
ガソリンのみ、小さい側では低オクタン価ガソリンのみ
を機関に供給している。しかし、高オクタン価ガソリン
と低オクタン価ガソリンとの混合燃料を機関に供給し、
上記負荷判定値を境にして両方の燃料の混合比を変える
ことにより、全体としての燃料オクタン価を変化させる
ようにすることも可能である。例えば、この場合には負
荷判定値より負荷が大きい場合には機関に供給する燃料
中の高オクタン価ガソリンの割合を増大させ全体として
オクタン価の高い燃料を機関に供給し、逆に負荷判定値
より負荷が小さい場合には、供給燃料中の低オクタン価
ガソリンの割合を増大させ、全体としてオクタン価の低
い燃料を機関に供給するようにしても良い。
【0058】次に本発明の別の実施形態について説明す
る。図4、図5で説明した実施形態では、燃料消費量バ
ランスを調整する際に、燃料切換負荷判定値(図3、A
線)を変更(図4)または移動(図5)させることによ
り、必要とされる側の燃料の消費量増大を得ている。こ
れに対して、本実施形態では、燃料切換負荷判定値(図
3、A線)は固定したままで燃料消費量バランスの調整
を行う。
【0059】図6は、図3と同じ燃料切換負荷判定値
(A線)を示す図である。今、機関が図6のI点で運転
されていたとする。この場合、I点はA線より低負荷側
(下側)であるため機関は低オクタン価ガソリンで運転
されている。この状態から運転者がアクセルペダルを踏
込んで加速すると、運転点は図6の線I−II上を通っ
て移動し、最終的には図6のII点に到達する。この場
合、運転点が図6のI−II線とA線との交点(図6、
A1点)を通過したときに低オクタン価ガソリンから高
オクタン価ガソリンへの切換が行われることになる。
【0060】本実施形態では、機関の運転状態が変化し
て運転点が燃料切換負荷判定値(A線)を横切ることが
予想される場合には、実際に運転点がA線に到達する前
に予め燃料を切換えて運転することにより燃料消費量バ
ランスを調整する。すなわち、例えば図6のI点で運転
中に加速が開始され、運転状態が切換判定値(A線)を
越えてII点に移行すると予測される場合には、予めA
線より低い負荷(例えば図6のa線)に運転点が到達し
たときに低オクタン価ガソリンから高オクタン価ガソリ
ンへの切換を行う。これにより、高オクタン価ガソリン
で機関が運転される機会が増大するため、燃料消費量の
バランスを調整する際に高オクタン価ガソリンの消費量
を増大することが可能となる。
【0061】なお、実際に運転点がA線を横切る以前に
a線で低オクタン価ガソリンから高オクタン価ガソリン
への燃料切換を行っておくことには別の利点もある。す
なわち、実際にはA1点到達時までは機関は低オクタン
価ガソリンで運転されており燃料噴射弁内の燃料通路に
は低オクタン価ガソリンが充満している。このため、加
速時等の負荷増大時にA1点で低オクタン価ガソリンか
ら高オクタン価ガソリンへの切換を行った場合には、実
際に高オクタン価ガソリンが燃料噴射弁から噴射される
ようになるまでに遅れ時間が生じ、実際には高オクタン
価ガソリンで運転されるべき領域で機関が過渡的に低オ
クタン価ガソリンで運転される状態が生じることにな
り、ノックなどが発生する場合がある。従って、運転点
がA線を横切って高負荷側に移行すると予測される際
に、A線より低い負荷のa線到達時に予め燃料を高オク
タン価ガソリンに切換えておくことにより、燃料消費量
バランスの調整の他に、加速時のノックの発生を防止す
ることが可能となる副次的効果を得ることができる。
【0062】なお、運転状態の移行の予測は機関回転数
NEと運転者のアクセルペダルの操作量(アクセル開
度)と操作速度とに基づいて判断する。すなわち、ある
アクセル開度と回転数で機関が運転されていた場合、運
転者がある速度以上でアクセルペダルを踏込んだ場合に
は、機関負荷が増大して運転状態が燃料切換判定値(A
線)を越えて変化すると予想することができる。本実施
形態では、アクセル開度が変化したときに、その変化速
度(微分値)がそのときのアクセル開度と機関回転数と
から定まる判定値を越えた場合には、運転状態が燃料切
換判定値を越えて変化すると予想して運転状態が図6の
A線より低負荷側のa線に到達したときに低オクタン価
ガソリンから高オクタン価ガソリンへの切換を実施す
る。これにより、高オクタン価ガソリンでの運転頻度が
高くなり高オクタン価ガソリンの消費量が増大するとと
もに、実際に運転状態が高負荷側に移行した場合に燃料
の切換に遅れが生じることが防止される。
【0063】なお、上記は燃料消費量バランス調整のた
めに高オクタン価ガソリンの消費量を増大すべき場合に
ついて説明したが、逆に燃料消費量バランス調整のため
に低オクタン価ガソリンの消費量を増大すべき場合に
は、逆の操作により実際に機関の運転状態がA線の下部
に移行する前に高オクタン価ガソリンから低オクタン価
ガソリンに切換えるようにしてもよい。しかし、この場
合には実際に高負荷運転されている領域で機関に低オク
タン価ガソリンが供給される場合が生じるため、ノック
が発生するおそれがある。
【0064】そこで、上記の予測による燃料の切換は負
荷が増大すると予測される場合のみ、すなわち低オクタ
ン価ガソリンから高オクタン価ガソリンへの燃料切換の
場合にのみ行うようにしてもよい。この場合、低オクタ
ン価ガソリンから高オクタン価ガソリンへの燃料切換時
に燃料切換の遅れにより過渡的に、本来低オクタン価ガ
ソリンで運転されるべき負荷領域で高オクタン価ガソリ
ンでの運転が行われる場合が生じるが、この方向の燃料
切換が生じるのは高負荷運転から低負荷運転への移行で
あり、直前まで高負荷運転が行われており燃焼室温度も
高くなっており、急激に低オクタン価燃料への切換を行
うと過早着火によるノックが発生する場合がある。従っ
て、高オクタン価ガソリンから低オクタン価ガソリンへ
の切換には、むしろ遅れ時間が生じたほうが好ましい場
合もある。なお、燃料消費量バランス調整のために高オ
クタン価ガソリンから低オクタン価ガソリンへの切換を
運転状態の移行を予測して実施する場合には、バルブタ
イミングの変更による実圧縮比の低減などを併用してノ
ックの発生を防止することが好ましい。
【0065】次に本発明の別の実施形態について説明す
る。本実施形態では、図4、図5の実施形態と同様に、
燃料消費量バランスを調整する際には燃料切換負荷判定
値(A線)を移動させて、消費量増大が必要とされる側
の燃料での運転が行われる機会を増大することにより、
燃料消費量のバランスを調整する。しかし、図5の実施
形態では切換負荷判定値(A線)の移動幅は固定(A′
線)されており、そのため消費量増大が必要とされる側
の燃料での運転頻度の増大も常時ほぼ一定になってい
る。これに対して、本実施形態では燃料消費量バランス
調整のために一方の燃料の消費量を増大すべき場合に
は、その消費量増大要求の程度に応じて切換負荷判定値
を移動させ、消費量を増大すべき側の燃料での運転が行
われる頻度を必要に応じて変更するようにしている。
【0066】図7は、本実施形態の燃料切換負荷判定値
の設定を説明する図3と同様な図である。本実施形態に
おいても、通常運転時(すなわち、燃料消費量バランス
を調整する必要がない場合)には、燃料切換負荷判定値
は図3と同一に設定されている(A線)。例えば図1の
例において低オクタン価ガソリンの残量が低下したため
に、高オクタン価ガソリンの消費量を増大して燃料消費
バランスを調整する必要が生じた場合について考える。
【0067】この場合、燃料切換負荷判定値(A線)を
低負荷側に移動させれば、それに応じて機関が高オクタ
ン価ガソリンで運転される頻度が増大するため、高オク
タン価ガソリンの消費量が増大する。また、この場合に
は切換負荷判定値を低く設定すればするほど高オクタン
価ガソリンでの運転頻度が増大し高オクタン価ガソリン
の消費量の増大幅が大きくなる。そこで、本実施形態で
は高オクタン価ガソリンの消費量増大要求の程度に応じ
て燃料切換負荷判定値の移動幅を決定するようにしてい
る。例えば、高オクタン価ガソリンの消費量増大要求が
非常に大きい場合、すなわち低オクタン価ガソリンのタ
ンク内残量が極めて少量になった場合等には、燃料切換
負荷判定値は図7にa1線で示すように、通常の値(A
線)から大きく低下される。これにより、機関が高オク
タン価ガソリンで運転される機会が大幅に増大するた
め、短時間で高オクタン価ガソリンの消費量は大幅に増
大するようになる。
【0068】一方、高オクタン価ガソリンの消費量増大
要求が比較的小さい場合、すなわち低オクタンガソリン
のタンク内残量が比較的多い場合等には、燃料切換負荷
判定値は図7にa2線で示すように通常の値(A)線に
比較的近い位置に設定される。これにより、通常の運転
に近い状態で運転を行い、機関の運転状態を大幅に変え
ることなく高オクタン価ガソリンでの運転の機会を増大
し、燃料消費量バランスを調整することが可能となる。
なお、本実施形態では、例えば図1のように高オクタン
価ガソリン用サブタンク11と低オクタン価ガソリン用
サブタンク13とを有し、外部からこれらのサブタンク
にそれぞれのガソリンを補給するような場合には、低オ
クタン価ガソリン用サブタンク13内の液面レベルが低
いほど、または高オクタン価ガソリン用サブタンク11
内の液面レベルと低オクタン価ガソリン用サブタンク1
3内の液面レベルの差が大きいほど高オクタン価ガソリ
ンの消費量増大要求は大きくなる。また、前述の特開2
001−50070号のように車上に搭載した分留装置
等により両方のガソリンを生成する場合には、高オクタ
ン価ガソリンサブタンク11のレベルが高いほど消費量
増大要求が大きくなる。本実施形態では、ECU30は
それぞれのサブタンクに設けた液面レベルセンサにより
タンク内液面レベルを検出し、液面レベルに応じて予め
設定された関係に基づいて燃料切換負荷判定値を設定す
る。
【0069】また、本実施形態では燃料消費量バランス
調整のために低オクタン価ガソリンの消費量を増大すべ
き場合にも、同様に図7にb1、b2線で示すように低
オクタン価ガソリンの消費量の増大要求の程度に応じて
燃料切換負荷判定値を設定するが、この場合にはノック
の発生を防止するために、バルブタイミングの変更によ
る実圧縮比の低減を併用することが好ましい。
【0070】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、高オク
タン価燃料と低オクタン価燃料との両方を運転状態に応
じて機関に供給する場合に、機関性能や排気性状の大幅
な悪化を生じることなく有効に両方の燃料の消費量のバ
ランスを調整することが可能となる共通の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料供給装置を車両用内燃機関に適用
した場合の実施形態の概略構成を模式的に示す図であ
る。
【図2】図1の燃料供給装置のデュアルデリバリパイプ
と燃料噴射弁の燃料供給機構の構成を示す断面図であ
る。
【図3】図1の内燃機関の高オクタン価ガソリンと低オ
クタン価ガソリンとを使用する運転を行う領域の設定を
示す図である。
【図4】燃料消費量バランス調整のために高オクタン価
ガソリン消費量を増大すべき場合の燃料切換負荷判定値
の設定を説明する図である。
【図5】燃料消費量バランス調整のために低オクタン価
ガソリン消費量を増大すべき場合の燃料切換負荷判定値
の設定を説明する図である。
【図6】燃料消費量バランス調整のために一方の燃料消
費量を増大する場合の燃料切換負荷判定値の設定の別の
実施形態を示す図である。
【図7】燃料消費量バランス調整のために一方の燃料消
費量を増大する場合の燃料切換負荷判定値の設定の別の
実施形態を示す図である。
【符号の説明】
11、13…サブ燃料タンク 20…デュアルデリバリパイプ 21、23…高圧燃料ポンプ 100…内燃機関本体 110…燃料噴射弁
フロントページの続き Fターム(参考) 3G092 AA01 AA02 AA09 AA11 AB12 BA01 DA01 DA08 EA01 EA02 EA04 EA11 EA13 FA01 FA06 FA15 GA05 GA06 HA01Z HB01X HB05X HB07X HE01Z HF00Z HF08Z 3G301 HA01 HA04 JA21 JA22 KA06 LB13 PA11A PE01A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内の一部の領域に着火可能な空燃
    比の混合気を成層させ全体としてリーン空燃比の燃焼を
    行う成層燃焼モードと、燃焼室内全体に均一な空燃比の
    混合気を生成して燃焼を行う均質燃焼モードとを負荷に
    応じて切換えて運転する内燃機関の燃料供給装置であっ
    て、 高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを個別にまたは
    混合して内燃機関に供給し、機関が比較的低負荷で運転
    される領域では機関に供給する燃料中の低オクタン価燃
    料の割合を増大し、機関が比較的高負荷で運転される領
    域では機関に供給する燃料中の高オクタン価燃料の割合
    を増大させる燃料供給制御手段と、 両方の燃料の消費量バランスの調整のために高オクタン
    価燃料の消費量を増大すべき場合には、均質モード運転
    時に前記低負荷運転領域であっても機関に供給される高
    オクタン価燃料の量を低オクタン価燃料の量より増大さ
    せる燃料消費量調整手段を備えたことを特徴とする、内
    燃機関の燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料供給制御手段は、機関負荷が予
    め定めた所定の負荷より高い場合には機関に高オクタン
    価燃料のみを供給し、前記所定の負荷以下の場合には機
    関に低オクタン価燃料のみを供給し、 前記燃料消費量調整手段は、前記高オクタン価燃料の消
    費量を増大する必要がある場合には、均質燃焼時におけ
    る前記所定の負荷を低下させることを特徴とする、請求
    項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 【請求項3】 高オクタン価燃料と低オクタン価燃料と
    を個別にまたは混合して内燃機関に供給する内燃機関の
    燃料供給装置であって、 機関が比較的低負荷で運転される領域では機関に供給す
    る燃料中の低オクタン価燃料の割合を増大し、機関が比
    較的高負荷で運転される領域では機関に供給する燃料中
    の高オクタン価燃料の割合を増大する燃料供給制御手段
    と、 両方の燃料の消費量バランスの調整のために低オクタン
    価燃料の消費量を増大すべき場合には、前記高負荷運転
    領域であっても機関に供給される低オクタン価燃料の量
    を高オクタン価燃料の量より増大するとともに、機関の
    実圧縮比を低下させる燃料消費量調整手段を備えたこと
    を特徴とする、内燃機関の燃料供給装置。
  4. 【請求項4】 高オクタン価燃料と低オクタン価燃料と
    を個別にまたは混合して内燃機関に供給する内燃機関の
    燃料供給装置であって、 機関が比較的低負荷で運転される領域では機関に供給す
    る燃料中の低オクタン価燃料の割合を増大し、機関が比
    較的高負荷で運転される領域では機関に供給する燃料中
    の高オクタン価燃料の割合を増大する燃料供給制御手段
    と、 両方の燃料の消費量バランスの調整のために一方の燃料
    の消費量を増大すべき場合に、機関運転条件の変化によ
    り前記一方の燃料の供給量が増大する領域に機関運転状
    態が移行することが予測された時に、実際に前記機関運
    転状態の移行が生じる前に、機関に供給される燃料中の
    前記一方の燃料量を増大させる燃料消費量調整手段と、 を備えたことを特徴とする、内燃機関の燃料供給装置。
  5. 【請求項5】 前記燃料消費量調整手段は、前記両方の
    燃料の消費量バランスの調整のために高オクタン価燃料
    の消費を増大すべきときにのみ前記運転状態移行の予測
    に基づいて、実際に運転状態が前記領域に移行する前に
    高オクタン価燃料量の増大を行うことを特徴とする、請
    求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  6. 【請求項6】 高オクタン価燃料と低オクタン価燃料と
    を負荷に応じて切換えて内燃機関に供給する内燃機関の
    燃料供給装置であって、 機関負荷が予め定めた所定の負荷より高い場合には機関
    に高オクタン価燃料のみを供給し、前記所定の負荷以下
    の場合には機関に低オクタン価燃料のみを供給する燃料
    供給制御手段と、 前記両方の燃料の消費量バランスの調整のために高オク
    タン価燃料の消費を増大すべきときには、高オクタン価
    燃料の消費増大要求の程度に応じて前記所定負荷を低く
    設定し、低オクタン価燃料の消費を増大すべき時には低
    オクタン価燃料の消費増大要求の程度に応じて前記所定
    負荷を高く設定する、燃料消費量調整手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
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