JP2003201700A - 紙 - Google Patents
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- JP2003201700A JP2003201700A JP2002001686A JP2002001686A JP2003201700A JP 2003201700 A JP2003201700 A JP 2003201700A JP 2002001686 A JP2002001686 A JP 2002001686A JP 2002001686 A JP2002001686 A JP 2002001686A JP 2003201700 A JP2003201700 A JP 2003201700A
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- polyvinyl alcohol
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Abstract
供する。 【解決手段】主表面の少なくとも一部に、ポリビニルア
ルコールと抗菌剤とを含む抗菌層が形成されてなる、
紙。紙本体の主表面の少なくとも一部に、ポリビニルア
ルコールと抗菌剤とを含む抗菌液を付着させることを含
む、紙の製造方法。
Description
細には、抗菌性を有する紙に関する。本発明の紙(以
下、「本紙」という。)は、抗菌性を有するので、食品
や医療品等のような雑菌の付着が問題になるものと接触
させる態様で、例えば、上記の物品を包装又は収容する
ような用途にも好適に使用することができる。
と呼ばれる厚いものまでさまざまな厚みのものが製造さ
れ、さまざまな用途に使用されている。このような用途
として、雑菌等の繁殖が問題になるような、例えば、食
品や医療品を包装するための包装紙として用いられる場
合や、食品や医療品を梱包するための箱体を形成するた
めに用いられる場合等が一例として挙げられる。かかる
用途に用いられる紙は、従来は用いられる前に厳重に滅
菌処理(例えば、加熱処理)されると共に、用いられて
いる際にも雑菌が付着しないように使用されていた(雑
菌の付着を防止するため、樹脂製のフィルムで外部を包
装する等)。
な紙はそれ自体抗菌性を有さないことから、用いられる
前の滅菌処理が完全でなかったり使用中に雑菌が一旦付
着すると、雑菌が増殖して、中に包装又は収容した物を
安全かつ衛生的に提供することができないという問題が
あった。そして、これまでの紙は、それ自体抗菌性を有
さないことから、最近の清潔志向から求められるいわゆ
る抗菌グッズを構成するために用いることができないと
いう問題もあった。
提供することを目的とする。さらに、本発明は、該抗菌
性を有する紙の製造方法を提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意検討を重ねていたところ、紙の表面
を、ポリビニルアルコールとチアゾリルスルファミド等
のポリビニルアルコールに対して可溶性の抗菌剤との混
合液を用いて、塗布処理することにより、該抗菌剤の抗
菌作用を損なうことなく、紙表面に安定かつ強固な抗菌
性被覆層を形成することができることを見出した。そし
て、これによって調製される紙が自ら抗菌性を備えた紙
として、雑菌の繁殖が問題となる食品や医薬品の包装紙
又は収容紙等として有用であることを確認した。さら
に、これ以外の抗菌剤とポリビニルアルコールとの混合
液を用いて、紙の表面を塗布処理することでも紙表面に
抗菌性被覆層を同様に形成することができることを見出
した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもので
ある。即ち、本発明の紙(本紙)は、主表面の少なくと
も一部に、ポリビニルアルコールと抗菌剤とを含む抗菌
層が形成されてなる、紙である。なお、ここにいう「主
表面」とは、紙の表面又は裏面のいずれか少なくとも一
面を意味するものであり、表面と裏面との両面を含む概
念である。また、ポリビニルアルコールと抗菌剤とを含
む抗菌層を紙の主表面に形成することで、該主表面に光
沢、平滑性及び撥水性を付与することができる。
態様が含まれる。 (1)抗菌剤が、ポリビニルアルコールに可溶のもので
ある、上記紙。 (2)抗菌剤が、チアゾリルスルファミド(1,2−B
enzisothiazoline−3−on:既存化
学物質番号5−5246、CAS番号2634−33−
5):
する。即ち、該製造方法は、紙本体の主表面の少なくと
も一部に、ポリビニルアルコールと抗菌剤とを含む抗菌
液を付着させることを含む、本紙の製造方法(以下、
「本方法」という。)である。なお、ここにいう「紙本
体」とは、抗菌液が付着される前の紙をいう。そして、
ここにいう「主表面」とは、前述の通りである。
の態様が含まれる。 (1)抗菌剤が、ポリビニルアルコールに可溶のもので
ある、上記方法。 (2)抗菌剤が、チアゾリルスルファミド(1,2−B
enzisothiazoline−3−on:既存化
学物質番号5−5246、CAS番号2634−33−
5):
させるものである、上記方法。 (4)紙本体のカレンダー工程に用いるロール表面に抗
菌液を付着させてカレンダー工程を実施することを特徴
とする、上記方法。
とも一部に、ポリビニルアルコールと抗菌剤とを含む抗
菌層が形成されてなる、紙である。また、本紙の厚みは
何ら制限されるものではなく、例えば、厚み0.03m
m〜5mm程度といったいわゆる薄紙と呼ばれるものか
ら板紙と呼ばれるものまで本紙は全て含むものである。
しては、紙本体の主表面において膜を形成することがで
きると共に、用いる抗菌剤を安定に抗菌層内に保持し得
るものであればいかなるものを用いてもよく、特に限定
されるものではない。一例を挙げるとすれば、株式会社
クラレ社製の商品名「クラレポバール PVA−S−5
4改」を好適に用いることができる。抗菌層を形成する
抗菌剤としては、所望の抗菌効果が得られるものである
と共に、安定に抗菌層内に保持され得るものであればい
かなるものを用いてもよく、特に限定されるものではな
い。一例を挙げるとすれば、チアゾリルスルファミド
(1,2−Benzisothiazoline−3−
on:既存化学物質番号5−5246、CAS番号26
34−33−5)、キチン、キトサン、ヒノキチオー
ル、ヒノキ油、カテキン、又は二酸化チタン等の光触媒
等を挙げることができる。これらは1種単独で用いても
2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくはポリ
ビニルアルコールに可溶のものである。
用いることにより、ポリビニルアルコールによって本紙
主表面に形成されてなる被覆層に、抗菌剤を安定かつ持
続的に存在させることができるため安定して持続する抗
菌性を紙に付与することができる。ポリビニルアルコー
ルに可溶の抗菌剤としては、様々なものを用いることが
でき、特に限定されるものではないが、前述するものの
うちチアゾリルスルファミド(1,2−Benziso
thiazoline−3−on:既存化学物質番号5
−5246、CAS番号2634−33−5)やヒノキ
チオールを挙げることができる。中でも好ましくは、チ
アゾリルスルファミド(1,2−Benzisothi
azoline−3−on:既存化学物質番号5−52
46、CAS番号2634−33−5)である。このチ
アゾリルスルファミドによれば、ポリビニルアルコール
と共に臭気を有しない抗菌層を形成することができるた
め、臭いの発生や臭いの付着が問題となる特に食品の包
装紙又は収容紙に塗工する抗菌液の成分として有用であ
る。
剤の質量/抗菌層の質量)は、あまり小さいと十分な抗
菌作用が得られない反面、あまり大きいと通常高価な抗
菌剤の使用が多くなることで経済的な問題を生じうるの
で、用いる抗菌剤の抗菌効果の程度や、本紙が達成すべ
き抗菌効果の程度等を考慮して適宜定められればよい。
例えば、抗菌剤として前述のチアゾリルスルファミドを
用いる場合であれば、下限としては好ましくは0.1%
以上であり、より好ましくは0.2%以上であり、最も
好ましくは0.3%以上であり、上限としては好ましく
は3%以下であり、より好ましくは2%以下であり、最
も好ましくは1%以下である。
造されてもよく、特に限定されるものではないが、本方
法によって製造されてもよい。即ち、本方法は、紙本体
の主表面の少なくとも一部に、ポリビニルアルコールと
抗菌剤とを含む抗菌液を付着させることを含む、紙の製
造方法である。こうすることでポリビニルアルコールと
抗菌剤とを含む抗菌層が紙の主表面に形成される。この
場合、抗菌液中に抗菌剤が万遍なく溶解又は分散される
こと、好ましくは溶解していることが望ましく、これに
より抗菌剤を紙表面にほぼむらなく存在させることがで
き、紙の主表面が均一な抗菌性を有することができる。
抗菌剤がポリビニルアルコールに可溶のものであれば、
抗菌剤が、ポリビニルアルコールを含む膜に一層安定し
て保持されるので、抗菌剤を紙表面に一層安定かつ持続
的に存在させることができ、一層安定して持続する抗菌
性を本紙に付与することができる。ポリビニルアルコー
ルに可溶の抗菌剤としては、様々なものを用いることが
でき、特に限定されるものではないが、チアゾリルスル
ファミド(1,2−Benzisothiazolin
e−3−on:既存化学物質番号5−5246、CAS
番号2634−33−5)やヒノキチオールを挙げるこ
とができる。好ましくはチアゾリルスルファミド(1,
2−Benzisothiazoline−3−on:
既存化学物質番号5−5246、CAS番号2634−
33−5)である。なお、このチアゾリルスルファミド
は、ポリビニルアルコールと一緒に形成する抗菌層が臭
気を有さないことから、食品等に本紙が用いられる際に
臭気が付着する問題もないことからも好ましい抗菌剤で
ある。
は、紙本体の主表面の少なくとも一部に抗菌液を付着さ
せる方法であれば足り、例えば、該一部に抗菌液を塗布
する方法、該一部に抗菌液を噴霧する方法、該一部に抗
菌液を滴下する方法、該一部を抗菌液中に浸漬する方
法、等を例示として挙げることができる。該付着処理
は、既に製造された紙本体に別個に単独処理工程として
行われてもよいし、又は紙の製造工程の一連の工程に組
み込まれて行われてもよい。好ましくは後者である。こ
の場合、付着処理工程は、紙の製造工程において抄紙工
程(湿紙を形成し、形成した湿紙から水を搾り、そして
乾燥させる工程)後に引き続いて行なわれることが好ま
しい。より好ましくは、カレンダー工程に組み込まれて
実施される方法である。ここに「カレンダー工程」と
は、複数のロールを重ね、その間に紙本体を通過させて
表面を平滑にし光沢を付ける工程をいい、紙本体の抄紙
工程(湿紙を形成し、形成した湿紙から水を搾り、そし
て乾燥させる工程)に引き続いて行われる。又は、別途
準備された紙本体に対してカレンダー工程が施される場
合もある。本方法は、かかる紙本体のカレンダー工程に
用いるロール表面に抗菌液を付着させて、これでカレン
ダー工程処理を行うことによって実施できる。このよう
にロール表面に抗菌液を付着させることで、抗菌液を紙
本体の主表面にむらなくかつ迅速に付着させることがで
きる。また、抄紙工程に引き続きカレンダー工程を行う
紙の製造装置を有していれば(多くの紙の製造装置がこ
のようになっている。)、カレンダー工程のロール表面
に抗菌液を付着させるための装置を設けることで、容易
に本方法を実施することができる。
紙を形成するセルロース等の天然繊維に対して高い親和
性を有することから、紙の表面において安定かつ強固な
膜を形成することができる。従って、抗菌剤をポリビニ
ルアルコールに混合した抗菌層を紙表面に形成すること
で、抗菌剤を紙表面に安定かつ持続的に存在させること
ができ、安定して持続する抗菌性を紙に付与することが
できる。そして、ポリビニルアルコールは紙表面におい
て光沢、平滑性及び撥水性を有する膜を形成するので、
ポリビニルアルコールと抗菌剤とを含む抗菌層を形成す
ることで、前述の抗菌性に加え、紙の主表面に光沢、平
滑性及び撥水性を付与することができる。
施例を挙げる。しかしながら、本発明は、かかる実施例
によって何ら制限されるものではない。
ルアルコール(株式会社クラレ社製、商品名「クラレポ
バール PVA−S−54改」)20kgと、精製水6
00リットルと、を蒸気にて加熱しつつ混合し、略3重
量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。次い
で、該ポリビニルアルコール水溶液に、チアゾリルスル
ファミド(株式会社ニッショー社製、商品名AP−D
S、1,2−Benzisothiazoline−3
−on:既存化学物質番号5−5246、CAS番号2
634−33−5)4.34kgを加え、十分攪拌し、
均一な溶液(抗菌液)を得た。
実施例1にて調製した抗菌液を紙本体に付着させるため
の装置(以下、「付着装置」という。)を示す概略図で
ある。図1を参照して、付着装置について説明する。付
着装置11は、湿紙を形成する湿紙形成部20と、湿紙
形成部20によって形成された湿紙から水を搾る水搾部
と、水搾部によって水を搾られた含水紙を乾燥させる乾
燥部51と、乾燥部51にて乾燥された紙本体の表面を
平滑にし光沢を付与するカレンダー部61と、カレンダ
ー部61により表面を平滑にし光沢を付与された紙を所
定の大きさに裁断する裁断部71と、裁断部71により
所定大きさに裁断された紙を積層させる積層部81と、
を備えてなる。なお、ここでは湿紙形成部20と水搾部
と乾燥部51とによって紙本体の抄紙工程が行われ、カ
レンダー部61によってカレンダー工程が行われる。
第二湿紙形成機23とを有してなり、第一湿紙形成機2
1と第二湿紙形成機23とのそれぞれが湿紙を形成す
る。第一湿紙形成機21と第二湿紙形成機23とのいず
れもが、古紙やバージンパルプ等のパルプを水にスラリ
ー状に懸濁させたパルプ懸濁液から、すき網を円筒状に
形成し回転されるすき網ドラム21a、23aによって
湿紙を形成する。ここでは第一湿紙形成機21と第二湿
紙形成機23との2の湿紙形成機により湿紙を形成し、
それぞれが形成された湿紙は互いに重ね合わせられる。
なお、ここでは2の湿紙形成機により形成された湿紙そ
れぞれは互いに重ね合わせられるが、湿紙形成機及び湿
紙の重ね合わせ枚数は何ら限定されるものでないことは
言うまでもない(湿紙形成機及び該枚数は、1(即ち、
重ね合わせられない)や3以上であってよい。)。
とによって形成された湿紙は1枚になるように互いに重
ね合わされ、前記水搾部を構成する前搾りロール25及
び後搾りロール27を通過することで、含んでいる水分
が搾りとられる。具体的には、前搾りロール25及び後
搾りロール27のいずれも、互いに回転軸が略平行に配
置された一対の円筒のロールから構成されており(前搾
りロール25としては複数の該対が配設されてい
る。)、これら一対のロールの間を湿紙が通過すること
により湿紙中の水分が搾りとられるようになっている。
なお、湿紙自体の強度は小さく、前搾りロール25を湿
紙が通過する間は湿紙を保護するため、湿紙はフエルト
製の布(フエルト)31、41の間に挟まれた状態で移
動する。布(フエルト)31、41は、湿紙の一面側と
他面側とに配置され湿紙を両面から挟んで駆動される。
また、布(フエルト)31は、前搾りロール25と布
(フエルト)循環ロール33とによって環状に循環し、
布(フエルト)41は、前搾りロール25と布(フエル
ト)循環ロール43とによって環状に循環する。
通過して水を搾られた含水紙は、数本のロールと係合し
た後、乾燥部51を構成する前段ドライヤー53及び後
段ドライヤー55に係合する。前段ドライヤー53及び
後段ドライヤー55のいずれも、外周面が加熱されたロ
ールによって構成されており(後段ドライヤー55は複
数のロールにより構成されている。)、この加熱された
外周面に含水紙が係合接触することで、含水紙中の水分
が蒸発除去される。必要な含水量になるように、該外周
面の温度や含水紙の通過速度が調節される。
ダー部61を通過する。図2は、カレンダー部61の拡
大図である。図2を参照して、カレンダー部61につい
て説明する。カレンダー部61は、互いに回転軸が略平
行に配設された4本の円筒形のロール62、63、6
4、65と、ロール64の表面に抗菌液67を付着させ
る第一付着器66と、ロール65の表面に抗菌液67を
付着させる第二付着器68と、を有してなる。ロール6
2、63、64、65は図2中、図示した方向に回転す
るよう駆動され、紙本体69はロール62、63間、ロ
ール63、64間、ロール64、65間を通過する。第
一付着器66と第二付着器68とはいずれも同じ構造を
有しており、図示しない抗菌液の貯槽から付着器におけ
る抗菌液の液面が一定高さになるように抗菌液が移送さ
れるようになっており(液面制御)、抗菌液67がロー
ル64、65の外周面に付着するようになっている(ロ
ール64、65と付着器との間のシールは、リップパッ
キン66a、68aにより行われる。)。従って、ロー
ル64に紙本体69が係合する際に紙本体69の一面に
抗菌液67が付着(塗着)されると共に、ロール65に
紙本体69が係合する際に紙本体69の他面に抗菌液6
7が付着(塗着)され、カレンダー部61を通過した紙
の両面に抗菌液67が付着(塗着)される。なお、抗菌
液67が紙本体69の表面に付着(塗着)される量(該
表面の単位面積当たりの付着量)は、抗菌液67の粘度
(ポリビニルアルコール重合度、ポリビニルアルコール
濃度、抗菌液の温度等によって変化する。)、ロール6
4、65の回転速度、ロール間の圧力、紙本体69の張
力等によって変化するので、所望の付着量になるように
これらの要因を調節すればよい。また、紙本体69に付
着された抗菌液67は、図示しない送風機による送風に
より乾燥されて、後述するように抗菌層を形成する。
71によって所定の大きさに裁断された後、積層部81
によって積層され、その後、梱包等され出荷される。
7をその表面に対して垂直に切断した断面図である。図
3を参照して本紙97について説明する。本紙97は、
紙本体69と、紙本体69の両主表面のうちの一面側に
形成された抗菌層91と、紙本体69の両主表面のうち
の他面側に形成された抗菌層93と、を有している。抗
菌層91、93は、ポリビニルアルコールと抗菌剤(チ
アゾリルスルファミド)とを含む抗菌液を、紙本体69
の主表面の少なくとも一部(ここでは主表面の全部)に
付着させることによって形成されているので、ポリビニ
ルアルコールと抗菌剤(チアゾリルスルファミド)とを
含む。また、本紙97は、抗菌層91、93を紙本体6
9の外側に局在化して有しているので(少なくとも紙本
体69の中心部分まで抗菌層が形成されていない。)、
最も抗菌性を必要とする紙表面に抗菌層を限定すること
で、抗菌剤が奏する抗菌作用を効果的に利用することが
できる。
ようにして製造した本紙の抗菌性を次のように評価し
た。用いた本紙は、紙本体69(500g/m2のいわ
ゆる板紙を用いた。)の表面に10ml/m2の割合で
抗菌液を付着(塗布)させたものであった。なお、紙本
体69の表面単位面積当たり抗菌液の付着(塗布)量
は、あまり少なくと抗菌性が十分に発揮されず、あまり
多いと経済的に不利になったり乾燥が面倒であるといっ
た問題が生じうることから、これら両者を満たす範囲と
されることが好ましく、通常、5〜15ml/m2の割
合とされる。
着(塗布)させた本紙を、「抗菌性試験方法・抗菌効
果」(JIS Z2801:2000)に準拠し、次の
要領で試験した。 ・試験菌:Escherichia coli NIH
J(大腸菌) ・試験方法:本紙を1辺略50mmの正方形に切り取
り、試験片とした。 該試験片に試験菌を滴下(接種)し、35℃±1℃にて
24時間培養し、その後、生菌数を測定した。なお、抗
菌液を付着(塗布)させない板紙を対照とした。
種直後生菌数は同じであったが、24時間後生菌数はほ
ぼ800倍の差が生じており、本紙が優れた抗菌性を有
することが明らかになった。なお、表1中、抗菌活性値
とは、JIS Z2801:2000に定められた方法
により算出したものである。
も一部に、ポリビニルアルコールと抗菌剤とを含む抗菌
層が形成されてなる、紙であり、十分な抗菌性を有す
る。従って、本紙は、食品関係、服飾関係、その他一般
紙器用等に使用することで、主表面に形成された抗菌層
が優れた抗菌効果を奏する。そして、ここでは紙本体の
抄紙工程に引き続き行われるカレンダー工程にて、抗菌
液を紙本体の主表面に付着させて抗菌層を形成するの
で、抗菌層を形成するための別個の工程を要さない。加
えて、ここでは紙本体の表面に極めて薄い抗菌層を形成
するため、通常高価な抗菌剤の使用が少なくて済むこと
に加え、抗菌効果を最も必要とされる紙表面に抗菌剤を
局在化して存在させることができるので、抗菌剤を極め
て効果的に用いることができる。なお、ここで抗菌剤と
して用いたチアゾリルスルファミドは、カビ類などの真
菌類に対しても抗菌作用を発揮する。
概略図である。
である。
Claims (7)
- 【請求項1】主表面の少なくとも一部に、ポリビニルア
ルコールと抗菌剤とを含む抗菌層が形成されてなる、
紙。 - 【請求項2】前記抗菌剤が、ポリビニルアルコールに可
溶のものである、請求項1に記載の紙。 - 【請求項3】前記抗菌剤が、チアゾリルスルファミドで
ある、請求項2に記載の紙。 - 【請求項4】紙本体の主表面の少なくとも一部に、ポリ
ビニルアルコールと抗菌剤とを含む抗菌液を付着させる
ことを含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の紙の製
造方法。 - 【請求項5】前記紙本体の抄紙工程に引き続き、前記抗
菌液を付着させるものである、請求項4に記載の紙の製
造方法。 - 【請求項6】前記紙本体のカレンダー工程に用いるロー
ル表面に前記抗菌液を付着させてカレンダー工程を実施
することを特徴とする、請求項4又は5に記載の紙の製
造方法。 - 【請求項7】請求項4乃至6のいずれかに記載の製造方
法によって製造された紙。
Priority Applications (1)
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