JP2003200492A - 管路内面ライナー材の成形方法及び成形装置 - Google Patents

管路内面ライナー材の成形方法及び成形装置

Info

Publication number
JP2003200492A
JP2003200492A JP2002000750A JP2002000750A JP2003200492A JP 2003200492 A JP2003200492 A JP 2003200492A JP 2002000750 A JP2002000750 A JP 2002000750A JP 2002000750 A JP2002000750 A JP 2002000750A JP 2003200492 A JP2003200492 A JP 2003200492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liner material
molding
roll
omega
liner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002000750A
Other languages
English (en)
Inventor
Ayumi Yamane
歩 山根
Shingo Nakamura
伸吾 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2002000750A priority Critical patent/JP2003200492A/ja
Publication of JP2003200492A publication Critical patent/JP2003200492A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】オメガ形ライナー材を成形する場合、没入奥端
の円弧部を再加熱復元時の破損に対し充分安全に成形し
得と共に全体断面を充分コンパクトに成形でき、かつ長
さ方向熱収縮性をよく抑え得るようにする。 【解決手段】没入奥端の円弧部の曲率半径が前記rで、
上下方向の最大高さがhのオメガ形ライナー材を成形す
る方法であり、没入奥端の円弧部の曲率半径が前記rよ
りも大で、かつ上下方向が前記高さhよりも高い断面形
状Cに前段成形のうえ、この前段成形体を上下方向に圧
縮してオメガ形ライナー材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、老朽化した管路、
例えば下水道管、農業用潅漑用水管、ケーブル管路等の
更生に使用するライナー材の成形方法及びその成形方法
に使用する成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】老朽化した管路、例えば下水道管、農業
用潅漑用水管、ケーブル管路等を更生する場合、合成樹
脂製の断面円形ライナーを、再加熱による復元が可能な
成形温度で既設管の内郭よりも小さい断面に屈曲縮小
し、その断面縮小ライナー材を既設管内に引込み、熱媒
の注入により復元させて既設管内面をライニングするこ
とが公知である。この断面縮小ライナー材の再加熱によ
る復元は「合成樹脂をガラス転移点または軟化点以上に
おいて力を加えて変形させれば、分子鎖が力の作用方向
に配向され、同時に分子鎖の絡み合いが弾性的に伸ばさ
れ、冷却固化によりその状態を凍結させればストレスが
残留され、この凍結状態を再加熱により解除させて前記
の残留ストレスを解放させれば、その解放ストレスによ
って元の断面形状に復元される」という合成樹脂の物性
に基づいている。上記において、分子鎖の絡み合いの伸
びが弾性限界(以下、回復限界と称する)を越えると、
分子鎖間にずれが生じ、そのずれに基づく変形部位は、
再加熱だけでは元に戻らずに、解放された残留ストレス
により強制的に変形されるから、破断される畏れがあ
る。強制的に元に戻すために、ライナー材に内圧を作用
させれば、応力−歪の発生を伴い、その歪が合成樹脂の
破断伸びに達してライナー材が破損(例えば、内面亀
裂)されるに至る畏れがある。
【0003】従来、ライナーの断面縮小形状として、図
6に示すように、断面円形を扁平化すると共にその扁平
長軸方向の一端側中央を没入させて上下対称の合掌二重
壁形とした形状(以下、オメガ形と称する)が知られて
いる(特開昭64−56531号公報やU.S.Patnt
4,986,951号等)。このオメガ形の成形には、
図9の(イ)に示すように第1段階で縮小形aに成形ロ
ールR1により屈曲縮小し、更に、図9の(ロ)に示す
ように第2段階で縮小形bに成形ロールR2により屈曲
縮小し、更に、図9の(ハ)に示すように第3段階で第
縮小形cに成形ロールR3により屈曲縮小し、更に、図
9の(ニ)に示すように第4段階で縮小形dに成形ロー
ルR4により屈曲縮小し、最後に、図9の(ホ)に示す
ように、第5段階で前記の縮小形dを最終のオメガ形Ω
にレールGと一対の挾みロールR5とで成形している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記図9の(イ)〜
(ホ)に至る一連の断面縮小成形においては、ライナー
材のいずれの箇所の変形も、前記回復限界を越えないよ
うに抑える必要がある。もし、回復限界を越える箇所が
あれば、再加熱しても復元できず、解放された残留スト
レスにより強制的に変形されて破損されるか、内圧を加
えて無理に復元させると、内圧で破損される畏れがある
ことは前記した通りである。而るに、上記した従来例で
は、図9の(ホ)に示す最終のオメガ形成形段階に対す
る、図9の(ニ)に示す前段階において、没入奥端が相
当に大きい変形率で成形されており、最終のオメガ形の
没入奥端部の円弧径が大きくされていても、そのオメガ
形成形の前段での大きい変形率が前記の回復限界を越え
てしまって、オメガ形ライナーの復元時に、そのオメガ
形ライナーの没入奥端部がその大なる円弧径にもかかわ
らず破損される懸念がある。これに対し、オメガ形成形
の前段での成形において、没入奥端部の変形率を回復限
界内に設定すると、オメガ形の没入奥端円弧部の変形率
が、回復限界よりも過剰に小さくなって、その円弧部の
曲率半径が大きくなるから、オメガ形の高さが大きくな
り、ドラムへの整列巻き取り量の減少が避けられない。
【0005】更に、上記の従来例では、元の円形から最
終のオメガ形に至るまでに5段階の成形を経ており、成
形段数が多いために、成形中にライナー材に作用する長
手方向引っ張り応力が大きくなり、分子鎖の長さ方向へ
の配向によりライナーの伸びに基づく縮径が顕著にな
る。而るに、かかるライナーの長手方向伸びのもとで
は、既設管への引込み後の再加熱により元の長さに復元
しようとしても、既設管内面との摩擦のためにその復元
が阻止され、結局は、ライニング内径の減少、ライニン
グ厚みの減少が招来されて満足なライニングが困難にな
る。
【0006】本発明の目的は、合成樹脂製の断面円形ラ
イナー材を、再加熱により復元が可能な成形温度で既設
管内郭よりも小さい断面に屈曲縮小成形し、屈曲縮小ラ
イナー材を既設管内に引込み、熱媒の注入により既設管
内面にライニングする施工に使用するライナー材であっ
て、前記断面円形ライナー材を扁平化すると共にその扁
平長軸方向の一端側中央を没入させて上下対称の合掌二
重壁形とする、所謂、オメガ形ライナー材を成形する場
合、没入奥端の円弧部を再加熱復元時の破損に対し充分
安全に成形し得と共に全体断面を充分コンパクトに成形
でき、かつ長さ方向熱収縮性をよく抑え得るようにする
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る管路内面ラ
イナー材の成形方法は、合成樹脂製の断面円形ライナー
材を、再加熱により復元が可能な成形温度で既設管内郭
よりも小さい断面に屈曲縮小成形し、屈曲縮小ライナー
材を既設管内に引込み、熱媒の注入により既設管内面に
ライニングする施工に使用するライナー材であって、前
記断面円形ライナー材を扁平化すると共にその扁平長軸
方向の一端側中央を没入させて上下対称の合掌二重壁形
とし、しかもその没入奥端の円弧部の曲率半径を所定の
曲率半径rとし、かつ上下方向の最大高さを所定高さh
とした所定断面の屈曲縮小ライナー材を成形する方法で
あり、没入奥端の円弧部の曲率半径が前記rよりも大
で、かつ上下方向が前記高さhよりも高い断面形状に前
段成形のうえ、この前段成形体を上下方向に圧縮して前
記の所定断面に成形することを特徴とする。
【0008】本発明に係る管路内面ライナー材の成形装
置は、前記管路内面ライナー材の成形方法に使用する成
形装置であり、成形体の上下面を挾む上下の従動ディス
クと、その両ディスクの軸芯であって成形体の扁平長軸
方向の上記没入側とは反対側の他端側を支承する従動ロ
ールを有する従動部及び上記扁平長軸側の一端側の合掌
各手部先端側を外周面で支承する上下の径小ロール部の
間に、上記合掌間の没入部を形成する径大ロール部を取
り付けた駆動ロールを有する駆動部を備え、従動部の両
ディスク間に上記従動ロールと駆動ロールとで前記の前
段成形用の成形空間を形成するように前記両ディスク間
に駆動ロールの上下径小ロール部を入り込ませてなる前
段成形機を設け、該前段成形機の下流側に、上下平行ロ
ールを設けたたことを特徴とし、駆動ロールの径大ロー
ル部の外周に沿って球面成形部を設けてある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図は本発明において使用
するライナー材の製造ラインの一例を示している。図1
において、11は押出機、111は押出金型であり、押
出形状は円形である。12は噴霧式水槽であり、上流側
冷却セクション121と下流側加熱セクション122と
に分け、上流側冷却セクション121の入口側に円形の
サイジングチュ−ブ123を取付けてある。上流側冷却
セクション121では、噴霧水をチラ−水等とし、その
温度を10〜20℃に管理してあり、下流側加熱セクシ
ョン122では、噴霧温水の温度調節により、所定の縮
径成形温度に設定するようにしてある。下流側加熱セク
ション122は、遠赤外線や近赤外線等の熱線方式とす
ることもできる。2は前記の所定温度に加熱した断面円
形の樹脂管を断面オメガ形に屈曲縮小するためのライナ
ー材成形装置であり、本発明に係るライナーの成形装置
を使用することができる。14は引取機、15は巻取
機、16は巻取りボビン、151はトラバ−サである。
【0010】図2は、本発明に係るライナー材の成形方
法における断面形状の屈曲縮小過程を示し、図2の
(イ)の原円形形状Aから、(ロ)の断面形状B、
(ハ)の断面形状Cを経て(ニ)の最終のオメガ形Ωに
成形していく。この最終のオメガ形Ωは、原円形を扁平
化すると共にその扁平長軸方向の一端側中央を没入させ
て上下対称の合掌二重壁形とし、しかも、その没入奥端
の円弧部の曲率半径を所定の曲率半径rとし、かつ上下
方向の最大高さを所定高さhとした断面形状である。高
さhは既設管への挿入容易性やドラムへの整列巻き長さ
の長尺化等のために、可及的に低く設定してある。ま
た、没入奥端の円弧部の曲率半径rは、前記した再加熱
復元時での破損防止のために、その曲率を所定の下限変
形率以内におさめるように、設定してある。
【0011】図2の(ハ)の断面形状Cは、最終のオメ
ガ形成形段階の前段階の成形断面形状であり、上下対称
形であって、上記最終のオメガ形Ωに対し、没入奥端円
弧部の曲率半径Rを上記オメガ形Ωの没入奥端円弧部の
曲率半径rよりも大きくし、高さHをオメガ形の高さh
よりも大きくしてある(当然、巾はオメガ形の巾よりも
小さくしてある。以下、この形状を準オメガ形と称す
る)。
【0012】上記において、図2の(イ)の原円形Aか
ら図2の(ハ)に示す準オメガ形Cに成形するに至る間
に、ライナー材を準オメガ形Cに成形し易いように予備
成形し、かつ図2の(ロ)と(ハ)に示すように予備成
形中心bを準オメガ形中央点cに横方向に一致させるよ
うに、横方向にガイドすることが好ましい。図2の
(ロ)は(イ)との対比から理解できるように、横方向
にガイドし、かつ予備成形した断面形状を示している。
【0013】図3は本発明に係るライナー材成形装置を
ライナー材と共に示している。図3において、23は準
オメガ形成形機を示している。24は準オメガ形成形機
23の下流側に配設され、準オメガ形を上下方向に圧縮
してオメガ形に成形する上下水平ロール(従動)を示
し、21は入口水平ガイドロール(従動)を示し、22
は予備成形・横ガイドロール(従動)を示している。
【0014】図4は準オメガ形成形機23の正面図(ラ
イラー材の走行方向から観た図面)を示し、成形体の上
下面を挾む上下の従動ディスク2311a,2311b
と、その両ディスク2311a,2311bの軸芯であ
って準オメガ形成形体Cの扁平長軸方向の没入側とは反
対側の他端側を支承する従動ロール2312とからなる
従動部231及び同準オメガ形成形体Cの扁平長軸側の
一端側の合掌各手部先端側を外周面で支承する上下の径
小ロール部2321a,2321bの間に、上記合掌間
の没入部を形成する径大ロール部2322を取り付けた
駆動ロール232からなる駆動部を備え、従動部の両デ
ィスク2311a,2311b間に上記従動ロール23
12と駆動ロール232とで準オメガ形成形空間を形成
するように前記両ディスク2311a,2311b間に
駆動ロール232の上下径小ロール部2321a,23
21bを入り込ませてあり、駆動ロール232の径大ロ
ール部2322の外周に沿い所定曲率半径の球面成形リ
ング2320を取り付けてある。上記駆動ロール232
の径小ロール部2321a,2321bと径大ロール部
2322とは、着脱可能な組立て式として、準オメガ形
の寸法に応じて径小ロール部2321a,2321bと
径大ロール部2322とをそれぞれ取替えることができ
るようにしてある。準オメガ形の寸法の変更に応じた成
形空間の寸法の変更は、上下の従動ディスク2311
a,2311b間の間隔調整、従動軸ロール2312の
取替え、駆動ロール232の径大ロール部2322の取
替え、駆動ロール232の径小ロール部2321a,2
321bの取替え、従動上下ディスク2311a,23
11b間への駆動ロール232の入り込み深さの調整等
により行なうことができる。而して、従動の上下ディス
ク2311a,2311bの間隔を調整したり、従動部
231の駆動部232に対する位置を調整するための操
作ユニット230を設けてある。また、従動ロール、駆
動ロールの径大ロール部及び径小ロール部の切り替えセ
ットを準備してある。
【0015】図3における、オメガ形の成形を行なう上
下水平ロール24は、圧縮代の調整乃至は変更を可能と
するために、上下間隔を調整可能としてあり、また、オ
メガ形の中央点高さと準オメガ形の中央点高さを一致さ
せるために、高さ調整可能としてある。
【0016】図3における、入口水平ロール21は、原
円形の中心高さを準オメガ形の中央点の高さに一致させ
るために、高さ調整可能としてある。
【0017】図5は上記予備成形・ガイドロール22を
示し、横方向に移動可能なガイド221に角度調整機構
222を介して従動ロール223を支持してあり、準オ
メガ形に可及的に成形され易い形状とし、かつ予備成形
形状の中央点を準オメガ形の中央点に一致させるよう
に、従動ロール223の横方向位置及び傾きを調整でき
るようにしてある。
【0018】本発明において、ライナー材の樹脂には、
熱可塑性樹脂であれば適宜の樹脂を使用できるが、塩化
ビニル樹脂を使用し、縮小成形温度をガラス転移温度T
g〜Tg+40℃の範囲とすることが好ましい。その理
由は、この温度範囲内で屈曲縮小成形した塩化ビニル樹
脂ライナー材を、この成形温度以上に加熱すると、分子
鎖の凍結が解除され、残留ストレスが解放されて原の円
形断面に復元されるが、(Tg〜Tg+40℃)の温度
領域でガラス領域からゴム領域への転移が生じ、回復限
界が高くなり、また、復元速度が速くなり、しかも、再
加熱温度を100℃〜70℃程度にでき、加熱媒体に低
蒸気圧のスチームの使用が可能になるからである。
【0019】そこで、次ぎに塩化ビニル樹脂ライナー材
を使用した本発明の実施形態を説明する。本発明に係る
ライナー材の成形方法によりライナー材を成形するに
は、図1において、塩化ビニル系樹脂材料を押出機11
にホッパ112から供給し、押出金型111から塩化ビ
ニル系樹脂材料を管状に押出し、この管状溶融樹脂をサ
イジングチュ−ブ123に通し、その外径を既設管内径
にほぼ等しい寸法に規制する。噴霧式水槽12の上流側
冷却セクション121の出口での管外表面温度は、塩化
ビニル系樹脂材料のガラス転移温度Tgよりも低温であ
り、下流側加熱セクション122を通過する間に噴霧温
水等で加熱され、下流側加熱セクション122の出口で
管温度が、ガラス転移温度Tg〜Tg+40℃の範囲内
の所定温度とされる。 この温度に加熱した塩化ビニル
樹脂管を前記した本発明のライナー材成形装置2に通過
させて、図2の(イ)に示す断面円形Aから、図2の
(ロ)に示す予備成形形状Bを経て、図2の(ハ)に示
す準オメガ形Cに成形し、更に図2の(ニ)に示す最終
のオメガ形Ωに成形し、ついで、これを、成形装置2の
駆動部と同調駆動の引取機14で引取り、更に巻取りド
ラム16にトラバ−サ151のガイド操作で整列巻して
いく。
【0020】上記図2に示す成形において、最も大きい
変形(変形率)は、図2の(ニ)における、オメガ形Ω
の没入奥端の円弧部に生じ(曲率半径rn、rm、R
n、Rm等で示す円弧は凸の円弧であり、これらの円弧
での変形率は凹の円弧である没入奥端の円弧部での変形
率に較べ小である)、その円弧部の曲率半径をr、原円
形の半径をR、ライナー厚みをtとすれば、その変形率
εは
【数1】 ε=t〔(1/r)+(1/R)〕 (1) で与えられる。従って、前記成形温度よりも高い温度の
再加熱でオメガ形ライナー材を破損なく復元するために
は、上記の変形率εを安全率を見込んで前記回復限界よ
りも低いε’に設定し、円弧部の曲率半径rを、
【数2】 ε’=t〔(1/r)+(1/R)〕 (2) を満たす値に設定すればよい。
【0021】これに対し、図9の(イ)〜(ホ)の成形
過程を経る従来例では、成形中、最も大きい変形率が、
最終成形段階〔図9の(ホ)〕に対する前段の段階〔図
9の(ニ)〕における、没入奥端の円弧部に生じ、前記
本発明と復元時の耐破損性を同じにして比較すると、そ
の前段での没入奥端の円弧部の曲率半径を前記r”とし
なければならず、図9の(ホ)に示す最終のオメガ形の
没入奥端の円弧部の曲率半径がこのr”よりも大きくな
るから、本発明に較べてオメガ形の没入奥端の円弧部の
曲率半径が大きくなり、形状的に不利である。あるい
は、オメガ形の没入奥端の円弧部の曲率半径を同じとす
れば、本発明により成形するオメガ形ライナー材の方が
復元時破損性に優れている。
【0022】更に、本発明に係るライナー材の成形方法
によれば、図2の(ハ)の準オメガ形Cから(ニ)のオ
メガ形Ωへの変形が、各合掌手の先端部p,pを上下方
向の可動支点とする曲げ変形であり、曲げが没入奥端の
円弧部のみならず、各合掌手部e,eでも分担されて曲
げ変形が分散されるから、没入奥端の円弧部の変形率が
緩和され、かかる面からも、復元時の破損防止に有利で
ある。
【0023】更に、本発明に係るライナー材の成形装置
によれば、予備成形・ガイドロールとライナー材との接
触がライナー外周の一部であり、準オメガ形成形機とラ
イナー材との接触が6ヵ所であり(没入奥端と駆動ロー
ルの径大ロール部外周との接触、各合掌手部先端側と駆
動ロールの各径小ロール部との接触、成形体の上下各面
側と従動部の上下ディスク内面との接触、成形体側面と
Hの軸ロールとの接触)、オメガ形成形上下ロールとラ
イナー材との接触が上下の2ヵ所であり、図9に示す従
来例に較べ、ライナー材と成形装置との接触面積を充分
に少なくできるから、成形時のライナー材長手方向の抵
抗を低減でき、管軸方向の延伸配向に基づくライナー材
内径の減少や薄肉化をよく抑制でき、所定内径、肉厚の
ライニングを行なうことができる。
【0024】前記した回復限界は、成形温度(配向温
度)、樹脂の弾性、樹脂の高温伸長率、耐熱性等により
左右される。また、同じ変形率でも、スチーム温度(圧
力)を高くすれば、復元時間を短くでき、逆に、長い加
熱時間で復元するのであれば、変形率を回復限界に対し
相当に小さくできる。更に、オメガ形の没入奥端円弧部
の曲率半径をrとするときの変化率が前記した式(1)
からも明らかなように、原円形の半径、肉厚に関係し、
折り曲げ形状にも影響される。而るに、ライナー材の組
成として、平均重合度が1,000〜1,400の塩化
ビニル樹脂またはアクリルグラフト変性塩化ビニル樹脂
等の塩化ビニル系樹脂100重量部に、錫系あるいは鉛
系安定剤1〜6重量部、アクリルゴム、ニトリルゴムま
たはエチレン−酢酸ビニル共重合体の1種または2種以
上の熱可塑性エラストマー10〜20重量部、その他の
添加剤(滑材、加工助剤、顔料等)1〜5重量部を配合
した組成(ガラス転移温度Tg=35〜85℃)を使用
すれば、弾性が高く(20℃での弾性率がほぼ16,0
00kgf/cm2、JISK7171による)、高温伸長率
が、60℃でほぼ400%、80℃でほぼ500%、9
0℃でほぼ600%、100℃でほぼ500%、120
℃でほぼ200%であって、高く、前記した回復限界が
相当に高く、オメガ形の没入奥端円弧部の曲率半径を相
当に低くできると予想される。
【0025】そこで、この塩化ビニル樹脂系組成物を用
いた各種寸法のライナーについて復元試験を行なってオ
メガ形の没入奥端円弧部の内郭の下限値直径R(図6を
参照)を測定したところ、表1の通りの結果を得た。
【表1】 この表1のオメガ形ライナー材の復元は表2に示すスチ
ームの圧力及び温度条件により行なうことができる。
【表2】
【0026】本発明により成形するライナー材において
は、既設管内に挿通した屈曲縮小ライナ−材をスチ−ム
の送入により復元させた復元ライナ−材の寸法に実質的
に一致し、通常、その復元ライナ−材の外径が既設管内
径に実質的に等しくされ、自立強度を満たすように(既
設管が無くても、単独で要求される管強度を満たすよう
に)肉厚が管径に応じ設定される。而るに、老朽化既設
管には、通常、段差が存在し、当然のことながら、曲が
り部も存在し、これらの個所での管路内径は真の管路内
径に較べて小さくなり、通常、既設管内径の10%減程
度である。而して、ライナ−材の復元外径を真の管路内
径に合わせると、段差個所等の小内径個所でライナ−材
の末期段階の復元が絞られてしわが発生する畏れがあ
り、他方、ライナ−材の復元外径を段差個所等の小内径
に合わせると、上記のしわの発生を防止できても、真の
管路内径部分と復元ライナ−材との間に大きなギャップ
が生じるに至る。そこで、ライナ−材の復元外径を上記
両者の中間値、具体的には、真の管路内径の4〜8%
減、好ましくは6%減とすれば、段差のある既設管内部
の周囲と同等になり、前記しわの発生を前者の場合より
も軽減でき、しかもギャップの発生を後者の場合よりも
軽減できる。従って、本発明により成形するライナ−材
の原管外径は、既設管内径の96%〜92%とすること
が好ましく、この場合の管路内面と復元ライナ−材との
間のギャップは管路内径の4〜8%に過ぎず、ライナ−
材の復元に100℃のスチ−ムを使用すれば、蒸気圧が
1kgf/cm2程度で既設管内面にほぼ密接させることがで
き、そのギャップの減少が期待できる。
【0027】図7と表3(H3は最大高さ、W3は巾、W
4は没入深さ)は、図8と表4(H1は合掌各手先端間の
距離、H2は最大高さ、W2は巾)で示す寸法のオメガ形
ライナーを得るための準オメガ形の寸法を示し、準オメ
ガ形の没入奥端の円弧部内郭の曲率半径Rを、前記した
表1のオメガ形の没入奥端円弧部の内郭の下限値直径に
等しく設定(曲率半径では2倍に設定)してある。
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】本発明により、図7と表3に示す寸法の準
オメガ形の形状を上下に圧縮して図8及び表4に示すオ
メガ形に変形すれば、そのオメガ形の没入奥端円弧部の
内郭の直径を表1に示した下限値直径Rよりも大きくで
き(実験と経験により確認している)、再加熱復元時に
没入奥端円弧部の破損を確実に回避できるオメガ形ライ
ナー材を得ることができる。
【0030】上記オメガ形ライナー材の横幅を狭くすれ
ば、既設管への挿入が容易になるから、易施工性が期待
でき、ドラムへの整列巻き長さを長くできるから、輸送
コストの低減が期待でき、蒸気流通速度を同じ流量のも
とでは高速にできるから、復元時間の短縮が期待できる
が、自立管タイプでは、経験的に、図の準オメガ形の成
形段階において、没入奥端円弧部の背後に若干の隙間を
設けることが成形上有利であり、図8及び表4におい
て、
【数3】 W4≒0.77W3 (3) としてある。
【0031】上記の表1〜表4を使用して、本発明によ
りオメガ形ライナー材を成形するには、まず、表1から
既設管の呼び径に応じた原管外径及び厚みを設定し、こ
の原管外径に対し図7及び表3から準オメガ形の寸法
を、図8及び表4からオメガ形の寸法をそれぞれ設定
し、それらの設定値に基づき前段成形機(図4)の各部
品の取替えや寸法調整を行ない、また、前段成形機の下
流側の上下平行ロール間の間隔調整を行なう。而るの
ち、前記した塩化ビニル樹脂組成物で前記寸法の原管を
押出し成形し、この押出成形管をTg〜Tg+40℃の
範囲の所定の温度に加熱し、この加熱した塩化ビニル樹
脂管を前記した本発明のライナー材成形装置に通過させ
て、図2の(イ)に示す断面円形Aから、同(ロ)に示
す予備成形形状Bを経て、同(ハ)に示す準オメガ形C
に成形し、更に、同(ニ)に示す最終のオメガ形Ωに成
形し、これを、成形装置の駆動部と同調駆動の引取機で
引取り、更に巻取りドラムにトラバ−サのガイド操作で
整列巻していく。
【0032】このようにして成形したオメガ形ライナー
材で、上記該当予備径の既設管の内面をライニングする
には、該当寸法のオメガ形ライナー材をその既設管に挿
入し、ついで、表2に示す蒸気温度の蒸気を注入しオメ
ガ形ライナーを円形に復元させ、最後に、コンプレッサ
ーにて圧縮させた冷却エアーを用いてエア拡張と冷却を
兼ねて行い、ライナー材を既設管に密着させ、これにて
ライニング施工を終了する。
【0033】
【発明の効果】本発明に係るライナー材の成形方法によ
れば、合成樹脂製の断面円形ライナー材を、再加熱によ
り復元が可能な成形温度で既設管内郭よりも小さい断面
に屈曲縮小成形し、屈曲縮小ライナー材を既設管内に引
込み、熱媒の注入により既設管内面にライニングする施
工に使用するライナー材であって、前記断面円形ライナ
ー材を扁平化すると共にその扁平長軸方向の一端側中央
を没入させて上下対称の合掌二重壁形とし、しかもその
没入奥端の円弧部の曲率半径を所定の曲率半径とし、か
つ上下方向の最大高さを所定高さとした所定断面の屈曲
縮小ライナー材、所謂、オメガ形ライナー材を、優れた
耐復元破断性のもとで成形できる。また、オメガ形の没
入奥端円弧部の径を充分に小さくしてオメガ形の高さを
低くすることができ、ドラムの整列巻き長さを長くで
き、輸送長の長尺化に有利なオメガ形ライナー材を成形
できる。また、本発明に係るライナー材の成形装置によ
れば、上記の優れたオメガ形ライナーを小さい長さ方向
抵抗のもとで成形でき、長手方向の伸びと縮径化をよく
抑えて寸法精度の優れたオメガ形ライナー材を容易に成
形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が使用されるライラー材製造ラインを示
す図面である。
【図2】本発明に係るライナー材の成形装置を示す説明
図である。
【図3】本発明に係るライナー成形装置を示す図面であ
る。
【図4】図3における準オメガ型成形機を示す図面であ
る。
【図5】図3における予備成形・ガイドロール部を示す
図面である。
【図6】本発明により成形したオメガ形ライナー材を示
す図面である。
【図7】本発明のライナー成形法における前段成形での
断面寸法を示すために用いた図面である。
【図8】本発明のライナー成形法におけるライナー材の
最終断面形状(オメガ形)の寸法を示すために用いた図
面である。
【図9】ライナー材の従来の成形方法を示す図面であ
る。
【符号の説明】
A 断面円形原管 B 予備成形管 C 前段成形管 Ω 断面屈曲縮小ライナー材 R,r 合掌二重壁の没入奥端の円弧部の曲率
半径 H,h 合掌二重壁の最大高さ 231 駆動部 2311a 上ディスク 2311b 下ディスク 2312 軸芯ロール 232 従動ロール 2321a 上径小ロール部 2321b 下径小ロール部 2322 径大ロール部 2320 球面体 24 圧縮上下水平ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F207 AG09 AH01 AH43 KA01 KA17 KK51 KK54 KW26 KW41 4F211 AA15 AD05 AD12 AG03 AG08 AH43 SA13 SC03 SD04 SG01 SH00 SH06 SH18 SJ01 SJ29 SP15 SP20 SP21 SP25

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂製の断面円形ライナー材を、再加
    熱により復元が可能な成形温度で既設管内郭よりも小さ
    い断面に屈曲縮小成形し、屈曲縮小ライナー材を既設管
    内に引込み、熱媒の注入により既設管内面にライニング
    する施工に使用するライナー材であって、前記断面円形
    ライナー材を扁平化すると共にその扁平長軸方向の一端
    側中央を没入させて上下対称の合掌二重壁形とし、しか
    もその没入奥端の円弧部の曲率半径を所定の曲率半径r
    とし、かつ上下方向の最大高さを所定高さhとした所定
    断面の屈曲縮小ライナー材を成形する方法であり、没入
    奥端の円弧部の曲率半径が前記rよりも大で、かつ上下
    方向が前記高さhよりも高い断面形状に前段成形のう
    え、この前段成形体を上下方向に圧縮して前記の所定断
    面に成形することを特徴とする管路内面ライナー材の成
    形方法。
  2. 【請求項2】請求項1の管路内面ライナー材の成形方法
    に使用する成形装置であり、成形体の上下面を挾む上下
    の従動ディスクと、その両ディスクの軸芯であって成形
    体の扁平長軸方向の上記没入側とは反対側の他端側を支
    承する従動ロールを有する従動部及び上記扁平長軸側の
    一端側の合掌各手部先端側を外周面で支承する上下の径
    小ロール部の間に、上記合掌間の没入部を形成する径大
    ロール部を取り付けた駆動ロールを有する駆動部を備
    え、従動部の両ディスク間に上記従動ロールと駆動ロー
    ルとで前記の前段成形用の成形空間を形成するように前
    記両ディスク間に駆動ロールの上下径小ロール部を入り
    込ませてなる前段成形機を設け、この前段成形機の下流
    側に、上下平行ロールを設けたことを特徴とする管路内
    面ライナー材の成形装置。
  3. 【請求項3】駆動ロールの径大ロール部の外周に沿って
    球面成形部が設けられている請求項2記載の管路内面ラ
    イナー材の成形装置。
JP2002000750A 2002-01-07 2002-01-07 管路内面ライナー材の成形方法及び成形装置 Withdrawn JP2003200492A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002000750A JP2003200492A (ja) 2002-01-07 2002-01-07 管路内面ライナー材の成形方法及び成形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002000750A JP2003200492A (ja) 2002-01-07 2002-01-07 管路内面ライナー材の成形方法及び成形装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003200492A true JP2003200492A (ja) 2003-07-15

Family

ID=27641046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002000750A Withdrawn JP2003200492A (ja) 2002-01-07 2002-01-07 管路内面ライナー材の成形方法及び成形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003200492A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110404990A (zh) * 2019-08-14 2019-11-05 山东广泰环保科技有限公司 一种压管设备、复合管拉拔设备及拉拔工艺

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110404990A (zh) * 2019-08-14 2019-11-05 山东广泰环保科技有限公司 一种压管设备、复合管拉拔设备及拉拔工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0216033A (ja) 埋設管をポリマーライナーでライニングする方法および装置
JP6480333B2 (ja) ロールベッド上を走行するガラス板の曲げ加工
KR0181511B1 (ko) 개설관 라이닝용 수지관의 제조방법
Dai et al. The effects of welded joint characteristics on its properties in HDPE thermal fusion welding
JP2003200492A (ja) 管路内面ライナー材の成形方法及び成形装置
KR100227234B1 (ko) 폴리머 라이너로 파이프를 라이닝하는 방법 및 장치
US20100300575A1 (en) Socketing of Pipe
JP2011121112A (ja) 異形管の製造方法
EP0834034B1 (en) Apparatus and methods for reducing plastics pipes
JP6286627B1 (ja) 高伸直性焼入鋼線の製造方法
RU2717271C1 (ru) Способ нанесения полимерного покрытия
JP2016016615A (ja) ライナー材、ライナー材の製造方法および施工方法、並びにその施工方法に用いる加熱冷却治具
JP4472129B2 (ja) ライニング用管
JP4242043B2 (ja) 管路用塩化ビニル系樹脂ライナ−材の製造方法
CN109551750A (zh) 一种高分子管件空间立体热弯成型方法及装置
JP2004232674A (ja) インサーション工法
KR102412842B1 (ko) 테프론 밀착 성형 공정을 이용하는 액압 성형 테프론 벨로우즈의 제조 방법
JPH0890652A (ja) 長尺樹脂管捲回物の製造方法
JPH0569480A (ja) プラスチツク管の曲げ加工用芯材とその芯材を用いた曲げ加工方法
JPH07266449A (ja) プラスチツクパイプを製造するための方法及び装置、並びにプラスチツクパイプ
JP2002096372A (ja) ライナー管およびその製造方法
JP2006088407A (ja) 管路用合成樹脂製ライナー材及びその製造方法
JPH07115410B2 (ja) ポリオレフィン樹脂管による内面ライニング方法
JP2017116085A (ja) ポリウレタンチューブ
CN115489147A (zh) 一种用于pvc-o管材的连续成型生产工艺

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051109

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20051213