JP2003200140A - 生ごみ処理基材とその製造方法 - Google Patents
生ごみ処理基材とその製造方法Info
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Abstract
用寿命が長く、しかも生分解率が高く、従来廃棄してい
た樹皮を有効活用し、工程数削減によりコストを低減で
き、高価なバクテリア製剤を使用する必要のない、コス
ト面においても有利な生ごみ処理基材とその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 生ごみ処理基材を、木材を砕いてなる木
材粒状物1と、杉またはその他の針葉樹の樹皮を砕いて
なる樹皮粒状物2と、から構成する。
Description
ごみを生分解する生ごみ処理装置に用いるための生ごみ
処理基材とその製造方法に係り、特に、樹皮を有効活用
した、生分解率の高い生ごみ処理基材とその製造方法に
関する。
からでる野菜、魚、肉、残飯等各種の生ごみを、好気性
細菌等の微生物の有する有機物分解能を利用して水と炭
酸ガスなどに生分解する生ごみ処理装置が開発され、使
用されている。生ごみ処理装置は一般に、発酵槽、攪拌
手段、換気手段等から構成される装置である。装置の発
酵槽中に、微生物を保持し、これを繁殖させることので
きる微生物培養基材(菌床)を入れておき、発生した生
ごみを順次発酵槽に投入し、発酵槽内で攪拌、換気など
を施すことにより、該基材中の生ごみ分解能を有する微
生物による生分解作用が機能し、生ごみが水と炭酸ガス
などに分解するものである。
培養基材としては、おが粉や木材チップ等の木材粒状
物、ピートモス、木炭粒、イネ科穀物の外皮など、いく
つかの種類のものが提案されている(特開平8-113
3号公報、特開平8-39041号公報、特開平8−1
68744号公報、他)が、特に製材工程における廃棄
物であるおが粉を始めとした木材粒状物は、広く微生物
培養基材、生ごみ処理基材として用いられている。
く用いられているおが粉は、樹皮を剥皮処理した原木や
製材屑を切削し、細かく粉砕することにより製造されて
いる。暗色を呈する樹皮を剥皮することにより、色彩的
な点において、より視覚的な訴求力を有する生ごみ処理
基材商品を提供することができる。また細かく粉砕する
ことにより、微生物の培養、繁殖に必要な表面の表面積
が大きくなり、生分解率を高めることができる。これら
市販され、広く用いられているおが粉は、また、その粒
径の変動が概して大きくなく、この点においても、生ご
み処理基材商品の視覚的な訴求力に寄与し得る可能性を
有する。
み処理基材としては、広葉樹の樹皮を粉砕したものがあ
り、これに、生ごみを分解するのに適した微生物を用い
たバクテリア製剤を添加して、生ごみ処理が行われてい
る。
による生ごみ処理基材では、使用により基材が生ごみ中
の水分等を吸収することによって固結物を形成してしま
う。固結物形成により基材の表面積が減少し、空隙が少
なくなり、生ごみ分解に特に有効な好気性微生物の繁殖
が抑制される。このため、微生物による分解能力が短期
で低下し、生ごみを効率的に分解できなくなり、悪臭や
汚水の発生が増加する。すなわち、微生物が生分解効果
を発揮できる基材としての耐用寿命が短いという問題が
あった。そのため、効率的な生ごみ処理を長期間可能に
する、寿命の長い微生物培養基材、生ごみ処理基材の開
発が求められていた。
み処理基材では、基材である広葉樹樹皮自体の生分解速
度が速いため、基材としての寿命が短く、悪臭や汚水の
発生が多く、そのために基材の交換頻度が高くなり、コ
ストと労力がかかるという問題があった。その上、基材
に添加するバクテリア製剤は高価な物であり、コスト面
で有利な代替手段が求められていた。
材では原木の樹皮は剥皮されるが、剥皮工程には相当の
コストがかかり、かつ新たな廃棄物を産出することにも
なるため、係る樹皮の有効活用が求められていた。
では、使用されているおが粉の約70%が輸入木材の製
材屑であり、防虫剤、薫蒸処理剤等の化学物質汚染や、
海中貯木による塩分含有の問題があった。すなわち、こ
れらを微生物培養基材、生ごみ処理材として生ごみを処
理する場合、化学物質等により微生物の生分解能や繁殖
が阻害されたり、さらに分解処理産物を土壌改良資材等
として二次利用する際の、土壌汚染、作物や人畜に対す
る悪影響等、問題があった。一方では、国内山林におけ
る間伐材放棄による森林健全育成の阻害も問題視されて
おり、間伐材の資源化、有効活用が、求められていた。
題点を解決し、微生物による生分解効果の持続性に優れ
て耐用寿命が長く、しかも生分解率が高く、生ごみ分解
性能が高い生ごみ処理基材とその製造方法を提供するこ
とである。また、従来廃棄していた樹皮を有効活用し、
工程数削減によりコストを低減できる、生ごみ処理基材
とその製造方法を提供することである。
剤を使用する必要のない、コスト面においても有利な生
ごみ処理基材とその製造方法を提供することである。
た国内山林の汚染度の低い間伐材を資源化し、有効活用
することのできる、環境および国内資源有効活用に配慮
した生ごみ処理基材とその製造方法を提供することであ
る。
め、本願研究者らが鋭意検討した結果、生ごみ処理基材
に用いる木材粒状物の粒径を調整すること、生ごみ処理
基材の材料として樹皮を添加することにより、また、杉
等の針葉樹の樹皮や木材を用いることにより、上記各課
題を解決することのできる本発明に至った。すなわち、
本願において特許請求される発明は以下のとおりであ
る。
る、菌床とするための生ごみ処理基材において、樹皮を
砕いてなる樹皮粒状物を含むことを特徴とする、生ごみ
処理基材。
の針葉樹の樹皮を砕いてなるものであることを特徴とす
る、(1)の生ごみ処理基材。
が0.15mm〜3.35mmである前記木材粒状物お
よび前記樹皮粒状物の含有量が、合わせて80重量%以
上であることを特徴とする、(1)または(2)の生ご
み処理基材。
が20mm以上である前記木材粒状物および前記樹皮粒
状物の含有量が、合わせて1重量%以下であることを特
徴とする、(1)ないし(3)のいずれかの生ごみ処理
基材。
樹皮粒状物の含有量が、材積として0.4%以上0.8
%以下であることを特徴とする、(1)ないし(4)の
いずれかの生ごみ処理基材。
物からなる前記生ごみ処理基材を目開き3.35mm、
2.00mm、0.85mm、0.50mm、0.25
mm、および0.15mmの各篩により、7の分級に篩
別した場合に、(A)全分級において篩別された前記木
材粒状物および前記樹皮粒状物の粒子の重量比の標準偏
差nが14以下であるか、(B)0.00mm〜3.3
5mmの範囲の6分級において篩別された前記木材粒状
物および前記樹皮粒状物の粒子の重量比の標準偏差nが
15以下であるか、(C)0.25mm〜2.00mm
の範囲の3分級において篩別された前記木材粒状物およ
び前記樹皮粒状物の粒子の重量比の標準偏差nが9以下
であるか、(D)最大の重量比を与えた分級およびその
前後に隣接する分級、計3分級において篩別された前記
木材粒状物および前記樹皮粒状物の粒子の重量比の標準
偏差nが11以下であるか、少なくとも(A)ないし
(D)のいずれか一つの条件を満たすことを特徴とす
る、(1)ないし(5)のいずれかの生ごみ処理基材。
物とし、次いで該木材切削物を破砕して木材粒状物とす
る、生ごみ処理基材の製造方法。
程中において、前記木材粒状物および前記樹皮粒状物の
粒径を調整するための粒径調整工程を設けることを特徴
とする、(7)の生ごみ処理基材の製造方法。
理基材であって、該生ごみ処理基材が、樹皮を砕いてな
る樹皮粒状物を含むものであることを特徴とする、生ご
み処理基材。
他の針葉樹の樹皮を砕いてなるものであることを特徴と
する、(9)の生ごみ処理基材。
径が0.15mm〜3.35mmである前記木材粒状物
および前記樹皮粒状物の含有量が、合わせて90重量%
以上であることを特徴とする、(1)、(2)、(4)
ないし(10)のいずれかの生ごみ処理基材。
径が0.25mm〜2.00mmである前記木材粒状物
および前記樹皮粒状物の含有量が、合わせて80重量%
以上であることを特徴とする、(1)、(2)、(4)
ないし(10)のいずれかの生ごみ処理基材。
径が3.35mm以上である前記木材粒状物および前記
樹皮粒状物の含有量が、合わせて1重量%以下であるこ
とを特徴とする、(1)、(2)、(4)ないし(1
0)のいずれかの生ごみ処理基材。
状物からなる前記生ごみ処理基材を目開き3.35m
m、2.00mm、0.85mm、0.50mm、0.
25mm、および0.15mmの各篩により、7の分級
に篩別した場合に、(A’)全分級において篩別された
前記木材粒状物および前記樹皮粒状物の粒子の重量比の
標準偏差nが13以下であるか、(B’)0.00mm
〜3.35mmの範囲の6分級において篩別された前記
木材粒状物および前記樹皮粒状物の粒子の重量比の標準
偏差nが12以下であるか、(C’)0.25mm〜
2.00mmの範囲の3分級において篩別された前記木
材粒状物および前記樹皮粒状物の粒子の重量比の標準偏
差nが6以下であるか、(D’)最大の重量比を与えた
分級およびその前後に隣接する分級、計3分級において
篩別された前記木材粒状物および前記樹皮粒状物の粒子
の重量比の標準偏差nが6以下であるか、少なくとも
(A’)ないし(D’)のいずれか一つの条件を満たす
ことを特徴とする、(1)ないし(5)、(7)ないし
(13)のいずれかの生ごみ処理基材。
砕されることによって粒状に微細化したものをいい、そ
の粒径や形状により限定されるものではない。おが粉、
木材チップも木材粒状物に含まれる。また、樹皮粒状物
とは、樹皮が破砕されることによって粒状に微細化した
ものをいい、その粒径や形状により限定されるものでは
ない。
に後から添加されるものであってもよいし、また、原木
を剥皮せずに切削および破砕することによって、木材粒
状物と同時に形成されるものであってもよい。
進する機能を有するリグニンが含有されているため、樹
皮粒状物を含む本発明の生ごみ処理基材は、生ごみ分解
が促進される。また、杉その他の針葉樹の樹皮を用いた
場合、広葉樹の樹皮と比べて自己の分解速度が小さく、
生ごみ処理基材としての耐用寿命が長くなる。
状物等の粒子の大きさであり、粒径が0.15mm〜
3.35mmであるとは、目開き0.15mm(150
メッシュ)から目開き3.35mm(5メッシュ)の篩
を用いて篩別した場合に、粒径がこの範囲に分級される
木材粒状物等であることを示す。粒度分布は、試料10
0gに対する、篩別による各分級の重量により求められ
る。
m、0.85mm、0.50mm、0.25mm、およ
び0.15mmの各篩を用いた篩別による7の分級は、
(S)3.35mm〜 、(T)3.35mm〜2.0
0mm、(U)2.00mm〜0.85mm、(V)
0.85mm〜0.50mm、(W)0.50mm〜
0.25mm、(X)0.25mm〜0.15mm、
(Y)0.15mm〜、である。
皮粒状物からなる生ごみ処理基材自体の体積をいう。
説明する。図1は、本発明の生ごみ処理基材の構成を示
す概念図である。図において本生ごみ処理基材は、木材
を砕いてなる木材粒状物1と、樹皮を砕いてなる樹皮粒
状物2と、から構成される。該樹皮粒状物2は、杉また
はその他の針葉樹の樹皮を砕いたものとすることができ
る。また、該木材粒状物1も、杉またはその他の針葉樹
の樹皮を砕いたものとすることができる。
粒径が0.15mm〜3.35mmである前記木材粒状
物1および前記樹皮粒状物2の含有量が、両者合わせて
80重量%以上であることとすることができる。あるい
は、より望ましくは、粒径が0.15mm〜3.35m
mである前記木材粒状物1および前記樹皮粒状物2の含
有量が、両者合わせて90重量%以上であることとする
ことができる。あるいは、粒径が0.25mm〜2.0
0mmである前記木材粒状物1および前記樹皮粒状物2
の含有量が、両者合わせて80重量%以上であることと
することができる。
粒径が20mm以上である前記木材粒状物1および前記
樹皮粒状物2の含有量が、両者合わせて1重量%以下で
あることとすることができる。また、粒径が3.35m
m以上である前記木材粒状物1および前記樹皮粒状物2
の含有量が、両者合わせて1重量%以下であることとす
ることができる。
該生ごみ処理基材中における前記樹皮粒状物2の含有量
が、材積として0.4%以上0.8%以下であることと
することができる。あるいは、より望ましくは、前記樹
皮粒状物2の含有量を0.5%以上0.7%以下である
こととすることができる。
明の生ごみ処理基材は、前記木材粒状物1の個々の粒子
間、および該木材粒状物1の粒子と前記樹皮粒状物2の
粒子との間において、空隙が多く形成される。そのた
め、生ごみの分解能力が高い好気性微生物の繁殖が促進
され、生ごみの生分解作用が活発になり、生ごみの分解
効率が高まる。
または生ごみに本基材を加えることにより、本基材に含
まれる樹皮粒状物2が含有するリグニンの生ごみ分解促
進作用により、特にバクテリア製剤を添加しなくても、
生ごみに自然に付着するバクテリア等微生物が急速に増
殖し、特に杉等の針葉樹の樹皮を用いる場合、長期にわ
たって安定的に生ごみ分解作用を持続できる微生物群が
形成され、分解効率の低下が抑制され、生ごみ処理基材
の耐用寿命が長くなる。
ける、それらの破砕により形成される形状の相違や、形
成される粒子の粒径の相違がある場合、該木材粒状物1
の粒子と該樹皮粒状物2との間の空隙形成は促進され
る。
粒径は、チップソーで処理されて概ね20mm以上の粒
径を有するいわゆる木材チップのような大きさでは、よ
り小さい粒径のものに比べて相対的な表面積が小さいた
め生ごみの分解効率と分解能力の持続性の点で過大であ
り、一方おが粉のような大きさの粒径を有する粒子が過
多でも生ごみの分解効率と分解能力の持続性が小さい。
したがって木材粒状物1および樹皮粒状物2の粒子の粒
径は、木材チップ大の粒径を有する粒子と、おが粉大の
粒径を有する粒子との中間の粒径に調整することによ
り、生ごみの分解効率と分解能力の持続性が向上する。
子の形成により、前記木材粒状物1および前記樹皮粒状
物2の各粒子は、生ごみからの水分、油脂分等の吸収に
よる相互の固着およびそれによる凝集や固結が抑制さ
れ、基材と水分等による団子状の固結物の形成が抑制さ
れ、生ごみ分解に適した好気性微生物にとり阻害的な環
境である嫌気的環境の現出が回避され、分解効率の低下
および耐用寿命の短期化が抑制される。
粒径を、たとえばおが粉大から木材チップ大の間の範囲
において、広い粒度分布を持たせることにより、前記団
子状の固結物の形成が抑制される。
粒状物1および前記樹皮粒状物2からなる前記生ごみ処
理基材を、目開き3.35mm、2.00mm、0.8
5mm、0.50mm、0.25mm、および0.15
mmの各篩により、7の分級に篩別した場合に、
(A’’)全7分級において篩別された前記木材粒状物
1および前記樹皮粒状物2を合わせた粒子の重量比の標
準偏差nが14以下であるか、より望ましくは13以下
であるか、(B’’)0.00mm〜3.35mmの範
囲の6分級において篩別された前記木材粒状物1および
前記樹皮粒状物2を合わせた粒子の重量比の標準偏差n
が15以下であるか、より望ましくは12以下である
か、(C’’)0.25mm〜2.00mmの範囲の3
分級において篩別された前記木材粒状物および前記樹皮
粒状物の粒子の重量比の標準偏差nが9以下であるか、
より望ましくは6以下であるか、(D’’)最大の重量
比を与えた分級およびその前後に隣接する分級、計3分
級において篩別された前記木材粒状物および前記樹皮粒
状物の粒子の重量比の標準偏差nが11以下であるか、
より望ましくは6以下であるか、少なくとも(A’’)
ないし(D’’)のいずれか一つの条件を満たすよう
に、製造工程において、該粒子の粒径を調整する手段を
用いることができる。
木材粒状物1および前記樹皮粒状物2を合わせた粒子
の、全分級または選択した複数の分級における重量比に
ついての標準偏差nが小さければ、各分級間相互におけ
る重量比の値の変動が小さい。したがって、粒子は各分
級にわたってより広く分布しており、生ごみ処理基材は
粒径の変動がより大きく、上述した空隙形成促進、団子
状の固結物生成抑制がなされる。
剥皮せずにそのままで切削して粒径の比較的大きい木材
切削物(生ごみ処理基材の製造方法にいう「木材切削
物」は、樹皮の切削物を含むことができるものとす
る。)とし、さらに該木材切削物を破砕して粒径のより
小さい木材粒状物とする工程を経て製造された木材粒状
物1および樹皮粒状物2の混合物を、上述したような目
開きの相違する複数の篩を適宜用いて篩別し、篩別され
た混合物の各画分を基に適宜再構成することにより、行
うことができる。
等刃の回転速度を、周期的または非周期的に変化させる
調整をすることによって、あるいは、一度切削、破砕処
理により生成した木材粒状物について再度処理を施すこ
とによって、粒度調整手段とすることもできる。その
他、粒子の粒度分布を広くして粒径の変動を大きくする
ことのできるあらゆる手段を、粒度調整手段とすること
ができる。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
して、3ヶ月間連続的に生ごみの処理を行った。実験に
用いた生ごみ処理基材および生ごみは、次のとおりであ
る。生ごみ処理基材としては、杉間伐材の木材粒状物で
あるおが粉を用いた粒径の異なる2種類の基材No.1
(比較例)およびNo.2(実施例1)を調製した。ま
た、これらにそれぞれ、杉間伐材の樹皮粒状物が混入し
た状態で調製された基材No.3(比較例2)およびN
o.4(実施例2)も用いた。樹皮の混入は、杉間伐材
の原木丸太を剥皮せずにそのまま粉砕機(森下機械製
ウグランマシン ニューシグマ)にて切削、破砕するこ
とにより行った。表1に、生ごみ処理基材No.1およ
びNo.2の粒度分布を示す。なお、No.3はNo.
1と、No.4はNo.2と、それぞれ同等の粒度分布
を示す。
た調理屑および残飯を生ごみとして用いた。生ごみは、
これを粉砕し均質化処理した後、約1kgに小分けし、
凍結保存して生ごみ試料とした。各生ごみ試料は、供試
される数時間前に予め解凍し、室温に戻した。前記生ご
み処理機4台にそれぞれ、本発明の実施例および比較例
である前記各基材を24リットルずつ入れ、これに各生
ごみ試料を投入した。24時間ごとに1回、1回あたり
の投入量を約1kgとし、毎週月曜日から金曜日まで計
1週間に5回、計約5kgの生ごみ試料を各基材入りの
各生ごみ処理機に投入した。バクテリア製剤等、微生物
の添加は行わなかった。
生ごみ処理後の物質収支結果について、表2ないし表4
に示す。
いても、生ごみ試料投入重量の約90%が消失したが、
その多くは水分の蒸発によるものであり、固形分の分解
率は、約60%程度であった(表2、3、4)。
における分解率の相違を比較すると、粒度分布のみが異
なり樹皮粒状物混入の有無が共通するNo.1(比較例
1)とNo.2(実施例1)との間では、粒度分布にお
いてより粒径の小さい粒子を含むNo.2(実施例1)
が60%、No.1(比較例1)が57%であり、より
粒径の小さい粒子を含む実施例1の方が、より高い分解
率を示した(表4)。同様に、粒度分布のみが異なり樹
皮粒状物混入の有無が共通するNo.3(比較例2)と
No.4(実施例2)の比較においても、粒度分布にお
いてより粒径の小さい粒子を含むNo.4(実施例2)
が64%、No.3(比較例2)が57%であり、より
粒径の小さい粒子を含む実施例2の方が、より高い分解
率を示した(表4)。
の相違を比較すると、粒度分布のみが異なり樹皮粒状物
混入の有無が共通するNo.1(比較例1)とNo.2
(実施例1)との間では、粒度分布において、粒径が
0.15mm〜3.35mmである基材の含有量が80
重量%以上(93.3%)であるNo.2が60%、同
様に82.6%であるNo.1が57%であり、粒径が
0.15mm〜3.35mmである粒子をより多く含む
実施例1の方が、より高い分解率を示した(表1、表
4)。
率の相違を比較すると、粒度分布のみが異なり樹皮粒状
物混入の有無が共通するNo.1(比較例1)とNo.
2(実施例1)との間では、粒度分布において、粒径が
0.15mm〜3.35mmである基材の含有量が90
重量%以上(93.3%)であるNo.2が60%、同
様に82.6%であるNo.1が57%であり、粒径が
0.15mm〜3.35mmである粒子をより多く含む
実施例1の方が、より高い分解率を示した(表1、表
4)。
率の相違を比較すると、粒度分布のみが異なり樹皮粒状
物混入の有無が共通するNo.1(比較例1)とNo.
2(実施例1)との間では、粒度分布において、粒径が
0.25mm〜2.00mmである基材の含有量が80
重量%以上(82.5%)であるNo.2が60%、同
様に37.5%であるNo.1が57%であり、粒径が
0.25mm〜2.00mmである粒子をより多く含む
実施例1の方が、より高い分解率を示した(表1、表
4)。
o.1とNo.2の粒度分布における基本統計量を示
す。各表において「範囲」とは、統計処理対象とする全
分級からなる範囲をいう。単位はmmである。
を比較すると、粒度分布のみが異なり樹皮粒状物混入の
有無が共通するNo.1(比較例1)とNo.2(実施
例1)との間では、粒度分布において、(a)全7分級
において篩別された基材粒子の重量比の標準偏差nが、
No.2では14以下である一方No.1では14を超
えた値をとり、(b)0.00mm〜3.35mmの範
囲の6分級において篩別された基材粒子の重量比の標準
偏差nが、No.2では15以下である一方No.1で
は、15を超えた値をとり、(c)0.25mm〜2.
00mmの範囲の3分級において篩別された基材粒子の
重量比の標準偏差nが、No.2では9以下である一方
No.1では、9を超えた値をとり、(d)最大の重量
比を与えた分級(階級)およびその前後に隣接する分
級、計3分級において篩別された基材粒子の重量比の標
準偏差nが、No.2では11以下である一方No.1
では、11を超えた値をとった。
ての標準偏差nが小さく、各分級間相互における重量比
の値の変動が小さいNo.2が60%、一方標準偏差n
がより大きいNo.1が57%であり、重量比について
の標準偏差nの小さい実施例1の方が、より高い分解率
を示した(表4、5、6、7、8)。
皮粒状物混入の有無において相違するNo.2(実施例
1)とNo.4(実施例2)の比較により、樹皮が混入
しているNo.4の分解率が64%、混入していないN
o.2が60%であり、樹皮の混入により分解率が高く
なることが示された(表4)。
温度および発酵温度の変化を示すグラフである。図中、
小さい黒丸、三角形、正方形、および菱形は、それぞ
れ、基材No.1、2、3、4を用いた際の庫内温度
を、大きい黒丸、三角形、正方形、および菱形は、それ
ぞれ、基材No.1、2、3、4を用いた際の発酵温度
を表す。また、点線は室温を表す。図において、庫内温
度は生ごみ処理機内上部空間における気温、発酵温度は
基材表面部から深さ10cmの基材内部の温度を、それ
ぞれ測定した。図より、微生物の活性を示す指標の一つ
である発酵温度は、基材No.4(実施例2)を用いた
場合に最も高くなることが示された。
り継続されたが、No.1〜4のいずれの実施例におい
ても発酵温度の低下は特に認められず、本発明の生ごみ
処理基材が、微生物による分解効果を低下させない、優
れた持続性を有することが示された。
樹皮混入を、剥皮しない杉間伐材原木をそのまま切削、
粉砕することによって行ったところ、良好な生ごみ処理
基材を得ることができた。一般に、杉を始め原木におけ
る樹皮の材積は約0.6%程度であるため、生ごみ処理
基材における樹皮粒状物の組成比は、材積0.4〜0.
8%、より望ましくは0.5〜0.7%程度が良好であ
る、と判断された。
したり粒度分布の変動を大きくする等、粒径を調整し、
適当量の樹皮を混入させることによって、生分解率の高
い生ごみ処理基材を製造できることが明らかとなった。
によれば、上述のように構成されているため、従来廃棄
していた木材樹皮を有効活用し、剥皮工程を省くことに
よる工程数削減によりコストを低減でき生分解効果の持
続性に優れ、しかも生分解率を高くし、生ごみ分解性能
を高くすることができる。
要のない、コスト面においても有利な生ごみ処理が可能
となる。
た国内山林の汚染度の低い間伐材を資源化し、有効活用
することができ、環境に配慮した生ごみ処理が可能とな
る。
図。
化を示すグラフ。
Claims (8)
- 【請求項1】 木材を砕いてなる木材粒状物からなる、
菌床とするための生ごみ処理基材において、樹皮を砕い
てなる樹皮粒状物を含むことを特徴とする、生ごみ処理
基材。 - 【請求項2】 前記樹皮粒状物が、杉またはその他の針
葉樹の樹皮を砕いてなるものであることを特徴とする、
請求項1記載の生ごみ処理基材。 - 【請求項3】 前記生ごみ処理基材において、粒径が
0.15mm〜3.35mmである前記木材粒状物およ
び前記樹皮粒状物の含有量が、合わせて80重量%以上
であることを特徴とする、請求項1または2に記載の生
ごみ処理基材。 - 【請求項4】 前記生ごみ処理基材において、粒径が2
0mm以上である前記木材粒状物および前記樹皮粒状物
の含有量が、合わせて1重量%以下であることを特徴と
する、請求項1ないし3のいずれかに記載の生ごみ処理
基材。 - 【請求項5】 前記生ごみ処理基材中における前記樹皮
粒状物の含有量が、材積として0.4%以上0.8%以
下であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれ
かに記載の生ごみ処理基材。 - 【請求項6】 前記木材粒状物および前記樹皮粒状物か
らなる前記生ごみ処理基材を目開き3.35mm、2.
00mm、0.85mm、0.50mm、0.25m
m、および0.15mmの各篩により、7の分級に篩別
した場合に、(A)全分級において篩別された前記木材
粒状物および前記樹皮粒状物の粒子の重量比の標準偏差
nが14以下であるか、(B)0.00mm〜3.35
mmの範囲の6分級において篩別された前記木材粒状物
および前記樹皮粒状物の粒子の重量比の標準偏差nが1
5以下であるか、(C)0.25mm〜2.00mmの
範囲の3分級において篩別された前記木材粒状物および
前記樹皮粒状物の粒子の重量比の標準偏差nが9以下で
あるか、(D)最大の重量比を与えた分級およびその前
後に隣接する分級、計3分級において篩別された前記木
材粒状物および前記樹皮粒状物の粒子の重量比の標準偏
差nが11以下であるか、少なくとも(A)ないし
(D)のいずれか一つの条件を満たすことを特徴とす
る、請求項1ないし5のいずれかに記載の生ごみ処理基
材。 - 【請求項7】 原木または木材を切削して木材切削物と
し、次いで該木材切削物を破砕して木材粒状物とする、
生ごみ処理基材の製造方法。 - 【請求項8】 前記生ごみ処理基材の製造に係る工程中
において、前記木材粒状物および前記樹皮粒状物の粒径
を調整するための粒径調整工程を設けることを特徴とす
る、請求項7記載の生ごみ処理基材の製造方法。
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JP2011168416A (ja) * | 2010-02-16 | 2011-09-01 | Mitama Kaihatsu:Kk | 段ボール箱用の生ゴミ堆肥化資材とその製造方法 |
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2001
- 2001-12-28 JP JP2001402019A patent/JP3592293B2/ja not_active Expired - Fee Related
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