JP2003199581A - マーカー遺伝子を用いた生体機能分子の評価並びに同定方法 - Google Patents

マーカー遺伝子を用いた生体機能分子の評価並びに同定方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、特定の生体現象と特異的に連関す
る遺伝子(マーカー遺伝子)を利用した生体活性物質の
新規なスクリーニング方法を提供する。また本発明は、
そのための遺伝子、当該遺伝子を導入した形質転換体、
それらを含有してなる機能分子を検出、同定又は評価す
るためのキットを提供する。 【解決手段】 本発明は、特定の生体現象を誘起する機
能分子を、その現象と特異的に連関する遺伝子(マーカ
ー遺伝子)の発現量を指標としてスクリーニングする方
法に関する。また本発明は、マーカー遺伝子のプロモー
ターの下流にレポーター遺伝子を融合させた遺伝子、そ
の使用、それを含有してなる特定の生体現象を誘起する
機能分子を検出、同定又は評価するためのキット、及び
当該遺伝子で形質転換された形質転換細胞に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の生体現象を
誘起する機能分子を、その現象と特異的に連関する遺伝
子の発現量を指標としてスクリーニングする方法に関す
る。また、本発明は、特定の生体現象と特異的に連関す
る遺伝子のプロモーターの下流にレポーター遺伝子を融
合させた遺伝子、より詳細には当該遺伝子を含有してな
る、特定の生体現象を誘起する機能分子を、その現象と
特異的に連関する遺伝子の発現量を指標として検出、同
定又は評価するための遺伝子、それを含有してなる、特
定の生体現象を誘起する機能分子を、その現象と特異的
に連関する遺伝子の発現量を指標として検出、同定又は
評価するためのキット、及び当該遺伝子で形質転換され
た形質転換細胞に関する。
【0002】
【従来の技術】特定の生体現象を誘起する機能分子の同
定は、抗ガン剤や降圧剤など古典的な医薬品の開発基盤
としては言うまでもなく、新しい医療として期待される
再生医療のツールとしても極めて重要である。このよう
な機能分子を同定する方法としては、従来いくつかの戦
略が用いられてきた。最もオーソドックスな方法は、目
的とする生体現象のアッセイ系を用い、当該生体現象の
活性を指標として、種々の物質が混在した粗な標品から
スタートし、粗な標品の中から何段階かの分離精製の後
に精製された標的物質を得、この物質が機能分子である
ことを同定する方法である。こうした生化学的アプロー
チの例としては、血管収縮物質であるエンドセリン−1
(endothelin-1)の発見が挙げられる(Yanagisawa M,
et al., Nature 1988; 332: 411-5.)。この場合のアッ
セイ系にはブタ冠動脈のリング標本が、また粗標品には
血管内皮細胞の培養上清が用いられた。その後に、アッ
セイ系自体は具体的な生体現象を用いるが、標的物質の
cDNAを組み込んだcDNAライブラリーを培養細胞
株に発現させるという方法が出現した。この方法は一般
に、発現クローニング(expression cloning)と呼ば
れ、標的物質の単離・精製を行うことなく、機能分子を
同定することができるようになった。この方法の応用例
としては、心肥大誘発物質であるカルジオトロフィン−
1(cardiotrophin-1)の発見がある(Pennica D, et a
l., Proc Natl AcadSci U S A 1995;92(4):1142-6.)。
この場合のアッセイ系には肥大の程度を顕微鏡下で観察
することができる新生児ラット心筋細胞が用いられ、標
的物質としてはcDNAライブラリーを293細胞株に
発現させた培養上清が用いられた。発現クローニング法
は、古典的な生化学的手法に伴う面倒な精製作業を省く
ことを可能にしたが、標的物質毎に個別なアッセイ系を
組み立てなければならないという問題点は依然として解
決されていない。
【0003】ところで、一般に細胞の増殖や再生あるい
は血管の収縮など、生体の形態や機能の発現は外界から
の刺激によって引き起こされる。この場合、外部からの
入力刺激は様々であっても、最終的にはごく少数の遺伝
子発現に帰着されることが多い。例えば心臓の筋肉の肥
大は、エンドセリン−1(endothelin-1)、アンジオテ
ンシン−II(angiotensin-II)、アドレナリン(adrena
lin)など様々な分泌型の生理活性物質が、心筋細胞膜
表面の特異的受容体に結合して引き起こされるが、いず
れの場合にも、細胞内で数段階の情報仲介分子が活性化
された後、β−MHCやα−骨格筋アクチン(α-skele
tal muscle actin)など、ごく少数の遺伝子の発現に至
る。
【0004】このように様々な外界からの刺激によって
引き起こされる細胞の特定の形態や機能の発現に直結す
る遺伝子を、本明細書では「マーカー遺伝子」と呼ぶこ
ととする。「マーカー遺伝子」は、特定の生体現象と特
異的に連関する遺伝子であると言うこともできる。「マ
ーカー遺伝子」は様々な機能分子により発現されること
もあるが、「マーカー遺伝子」の発現は細胞の特定の形
態や機能と特異的に関連するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
マーカー遺伝子を利用した新規なスクリーニング方法を
提供する。また本発明は、マーカー遺伝子の発現量を計
測するための遺伝子、当該遺伝子を導入した形質転換細
胞、それらを含有してなる機能分子を検出、同定又は評
価するためのキットを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の生体現
象を誘起する機能分子を、その現象と特異的に連関する
遺伝子の発現量を指標としてスクリーニングする方法に
関する。より詳細には、特定の生体現象と特異的に連関
する遺伝子の発現量を指標とする方法が、当該遺伝子の
プロモーターの下流にレポーター遺伝子を融合させた発
現コンストラクトを用い、特定の生体現象を誘起する機
能分子をスクリーニングする方法に関する。さらに詳細
には、特定の生体現象と特異的に連関する遺伝子のプロ
モーターとレポーター遺伝子とを融合させた遺伝子を培
養細胞株のゲノムに組み込んだ細胞株を用いる前記方法
に関する。
【0007】また、本発明は、特定の生体現象と特異的
に連関する遺伝子のプロモーターの下流にレポーター遺
伝子を融合させた遺伝子に関する。より詳細には、特定
の生体現象と特異的に連関する遺伝子の発現量を指標と
してその現象に対する機能分子を検出、同定又は評価す
るための、特定の生体現象と特異的に連関する遺伝子の
プロモーターの下流にレポーター遺伝子を融合させた遺
伝子に関する。本発明は、前記した本発明の遺伝子で形
質転換された形質転換細胞に関する。より詳細には、特
定の生体現象を誘起する機能分子を、その現象と特異的
に連関する遺伝子の発現量を指標として検出、同定又は
評価するための前記した本発明の遺伝子で形質転換され
た形質転換細胞に関する。さらに、本発明は、前記した
本発明の遺伝子又は当該遺伝子で形質転換された形質転
換細胞を含有してなる、特定の生体現象を誘起する機能
分子を、その現象と特異的に連関する遺伝子の発現量を
指標として検出、同定又は評価するためのキットに関す
る。
【0008】また、本発明は、前記した本発明の遺伝子
又は当該遺伝子で形質転換された形質転換細胞を含有し
てなる、特定の生体現象を誘起する機能分子を、その現
象と特異的に連関する遺伝子の発現量を指標として検
出、同定又は評価するためのアッセイ系に関する。本発
明は、前記した本発明のスクリーニング方法によりスク
リーニングされた機能分子に関する。即ち、検体物質
を、特定の生体現象と特異的に連関する遺伝子を含有す
る形質転換細胞に接触させて、当該細胞における特定の
生体現象と特異的に連関する遺伝子の発現量を指標とし
て、検体物質が当該遺伝子の機能分子であるか否かをス
クリーニングすることからなるスクリーニングされた機
能分子に関する。
【0009】本発明の概要を図1に示した例により説明
する。図1は外界として細胞外からの刺激を受容体を介
して受ける場合を例示している。生物の形態や機能の発
現は、刺激の形態は様々であっても最終的には極少数の
「マーカー遺伝子」に帰着されることが多く、図1は様
々なアゴニストにより受容体が活性化される場合を例示
している。様々なアゴニストにより活性化された受容体
は、トランスデューサーやエフェクターなどの細胞内シ
グナル伝達系により核内に伝達され、核内の転写因子に
よりマーカー遺伝子のプロモーター領域に作用すること
になる。一般に、特定の遺伝子のプロモーターの活性の
測定は、それ自身の構造遺伝子に代えて別の測定可能な
遺伝子(レポーター遺伝子)に置換して行うことができ
る。本発明の特徴はマーカ遺伝子のプロモーター領域の
下流にこのようなレポーター遺伝子を融合させて、レポ
ーター遺伝子の発現によりマーカー遺伝子の発現量を測
定可能にしたことである。
【0010】本発明は、マーカー遺伝子とレポーター遺
伝子の融合した遺伝子を細胞のゲノムに組み込んだ培養
細胞株を樹立させて、様々な標的物質による刺激に対す
る細胞内のマーカー遺伝子の発現量をレポーター遺伝子
の発現量を指標として標的物質(検体物質)の機能分子
としての有効性を検出、同定又は評価するためのスクリ
ーニングする方法を提供するものである。本発明をさら
に、具体的に説明するために特定の生体現象として心筋
肥大を例として説明する。心筋肥大の場合には、前記し
た図1においては、マーカー遺伝子としてβ−MHCを
コードする遺伝子が例示され、エフェクターとしてはc
−myc、転写因子としてはGATA−4などが例示さ
れる。
【0011】心臓の筋肉(心筋)は、高血圧などの外因
的ストレスあるいは心筋症のような内因的ストレスに曝
されると、肥大という適応現象を起こす。この心筋肥大
を例として説明する。まず、本発明者はアッセイ細胞株
を作成した。心筋肥大のモデル系で「マーカー遺伝子」
を導入させる細胞株には、ヒト右心房筋から樹立された
ジラルディハート(Girardi Heart)(Girardi AJ, et
al.Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 1958; 98: 18-22)を
採用し、ジラルディハート(Girardi Heart)の核型分
析と心肥大に関連する主要な遺伝子の発現パターンを解
析した。
【0012】このジラルディハート(Girardi Heart)
の核型分析を行うために古典的なG−band染色を行
った。結果を図2に図面に代わる写真で示す。さらに、
各染色体を個別の色で検出するために、スペクトルカリ
オタイピング法(Spectral karyotyping (SKY))
を行った。結果を図3に図面に代わる写真で示す。10
細胞を分析した結果、平均染色体数は78(3倍体)
で、以下の特徴を有していた。
【0013】75−79 <3n>,XX,del
(X)(p11p21)[2],del(X)(q23
〜24)[10],+der(1)t(1;6)(q1
1;?)[9],+der(1;16)(q10;p1
0)[7], der(1)t(1;1)(p?;?)
[10], +der(3;5)(p10;q10)
[10], der(3;16)(q10;q10)
[10], der(3)t(3;20)(q11;
?)[10], +i(5)(p10)x3[10],
+der(6)dup(6)(p21p23)del
(6)(q14)[9],+7[4], dup(8)
(q22q24)[10], der(11)t(1
1;11)(p11;?)[10], +12[8],
der(12)t(3;12)(q13;q14)
[9], +13[2], add(15)(q22)
[2], add(16)(q12)[9], +17
[7], der(19)t(13;19)(q14;
p13)[10], der(22)t(8;22)
(?;q13)[10], +0〜4mar
【0014】次にジラルディハート(Girardi Heart)
における遺伝子の発現を、心筋肥大に関連する主要な遺
伝子についてRT−PCR(Reverse-Transcription PC
R)で検討した。ジラルディハート(Girardi Heart)か
ら抽出した全RNA、あるいは正常のヒト心筋の全RN
Aを用いて、定法に従ってcDNAを合成した(Sakamo
to A, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 1997;94(2
5):13873-8.)。cDNA合成の確認として、ハウスキ
ーピング遺伝子(housekeeping gene)であるGAPD
H(Glyceraldehyde 3-Phosphate Dehydrogenase)を用
いた。結果を図4に図面に代わる写真で示す。図4の上
側は正常なヒト心筋からの全RNA(Clontech社より購
入)によるものであり、図4の下側がジラルディハート
(Girardi Heart)によるものである。図4の左側はマ
ーカーとしてのkbラダーである。図4のその左から、
プレプロ−エンドセリン−1(prepro-endothelin-1
(ppET−1))、ETAエンドセリン受容体(ETA
endothelin receptor (ETR))、ETBエンドセ
リン受容体(ETB endothelin receptor(ET
R))、AT1アンジオテンシン受容体(AT1 angiot
ensin receptor(AT1R))、α1Cアドレナリン受
容体(α1C adrenergic receptor (α1cAR))、
gp130(カージオトロフィン−1受容体(cardiotro
phin-1 receptor))、トランスフォーミング成長因子
β(transforming growth factorβ(TGFβ))、タ
ンパクキナーゼCβ(protein kinase Cβ (PKC
β))、c−myc、c−fos、c−ras、及びβ
−MHCであり、右端はcDNA合成の確認のためのG
APDHである。
【0015】ジラルディハート(Girardi Heart)では
検討した12の心肥大関連遺伝子のうち、α1Cアドレ
ナリン受容体とタンパクキナーゼCβを除く10の遺伝
子が発現しており、心肥大の機能評価系としてのマーカ
ー遺伝子として十分使用できるものと考えられた。そこ
で、心筋肥大に対するマーカー遺伝子としてβ−MHC
を採用することにして、この「マーカー遺伝子」のプロ
モーターとレポーター遺伝子との融合を行った。シリア
ンハムスターのβ−MHCのプロモーター領域(Wang,
R., et. al. J. Mol. Cell. Cardiol. 26 (9), 1155-11
65 (1994))をPCRで増幅した。得られたPCR産物
を図5に図面に代わる写真で示す。図5の右側のMはマ
ーカーとしてのkbラダーである。左側の矢印で示され
るバンドがPCR産物である。
【0016】得られたPCR産物(図5)をXhoIと
BamHIで消化し、定法に従い、プラスミドpd2E
GFP−1のXhoI/BamHI認識部位に挿入した
組み替え体(pβMHC/d2EGFP)を調製した。
クローン化したPCR断片の塩基配列はDNAシークエ
ンサー(ABI310)で確認した。完成した発現コン
ストラクトの部分塩基配列を図6に示した。その塩基配
列を配列表の配列番号1に示す。レポーター遺伝子の翻
訳領域のN末端アミノ酸配列の一部を配列表の記載規則
に従って配列番号2に示す。図5の細字部分の塩基配列
はβ−MHC遺伝子に由来する部分であり、その転写開
始点(+1)の5’上流728塩基から3’下流91塩
基までに対応する。TATAボックスとGATA転写因
子の結合部位を、それぞれボックスと下線で示す。太字
部分はプラスミドpd2EGFPに由来するものであ
り、レポーター遺伝子d2EGFの翻訳開始点(d2E
FGP→)はβ−MHC遺伝子の転写開始点から110
塩基3’下流に位置する。d2EGFの部分アミノ酸配
列をアミノ酸の一文字表記で塩基配列の下に示した。プ
ラスミドpd2EGFP−1のコードするレポーター遺
伝子d2EGFPは、 エンハンスド緑色蛍光蛋白質
(Enhanced Green Fluorescence Protein(EGF
P))の変異体で、EGFPのカルボキシル末端に自身
の分解速度を高めるマウスのオルニチンデカルボキシラ
ーゼ(ornithine decarboxylase)のPEST配列を融
合させたものである。その結果、d2EGFPのタンパ
ク質の半減期が2時間と短く、測定される蛍光強度はそ
の転写量を良く反映すると考えられる。
【0017】得られた融合遺伝子を用いてアッセイ細胞
株を樹立した。ジラルディハート(Girardi Heart)
に、得られた融合遺伝子pβMHC/d2EGFPとG
418耐性遺伝子をコードするpSV2neoとをFu
GENE6(Boehringer Mannheim社)試薬を用いて同時
にトランスフェクションした 。翌日から選択培地で培
養し、得られた耐性コロニーから細胞株(Girard
i/βMHC/d2EGFP)を樹立した。こうして得
られた細胞株のゲノムに、pβMHC/d2EGFPが
実際に組み込まれているか否かをPCRで検討した。結
果を図7に図面に代わる写真で示す。図7は、G418
で選択した複数のコロニーからゲノムを抽出し(レーン
1〜3)d2EGFPに対するプライマーでPCRを行
った。lane3の細胞株のゲノムにはd2EGFPが
組み込まれていることが分かった。図7の右側のPCは
ポジティブコントロール(プラスミドpβMHC/d2
EGFP)を表す。
【0018】樹立したアッセイ細胞株(Girardi
/βMHC/d2EGFP)に既知の心肥大誘発分子で
あるエンドセリン−1(endothelin-1)を発現させ、レ
ポーター遺伝子(d2EGFP)の発現レベルを検討した。S
Rαプロモーターの下流にヒトprepro−ET−1
cDNAを組み込んだプラスミドpME18S/ppE
T−1を、FuGene試薬を用いてGirardi/
βMHC/d2EGFPに一過性発現させ、トランスフ
ェクション48時間後にアッセイした。レポーター遺伝
子(d2EGFP)の発現レベルは、放射性同位元素を
用いたRNAブロットで直接定量した。結果を図8に図
面に代わる写真で示す。図8のコントロールはジラルデ
ィハート(Girardi Heart)であり、Basalは無刺
激の形質転換体Girardi/βMHC/d2EGF
Pであり、ET−1はET−1を一過性発現させたGi
rardi/βMHC/d2EGFPである。レーン当
たり5μgの全RNAを用いた。
【0019】図8に示されるGirardi/βMHC
/d2EGFP細胞におけるd2EGFPの発現レベル
のRNAブロットによる検討結果において、それが発す
る蛍光強度も測定した。蛍光の測定には、Wallac 1420
ARVOsxを用いた。結果を図9に示す。図9のコントロー
ル、Basal、及びET−1は前記図8の場合と同じ
である。いずれの場合にも、無刺激でβ−MHCプロモ
ーターによる基本転写活性をある程度は認めたが、d2
EGFPの転写レベルは刺激で有意に上昇し、本発明の
アッセイ系の妥当性が確認できた。
【0020】先に動作確認に用いたエンドセリン−1
(endothelin-1)は生理活性ペプチドであり、細胞の外
側から細胞膜表面の受容体に結合して作用する。心肥大
誘発分子はこれ以外にも、細胞質に存在するプロト−オ
ンコジーン(proto-oncogene(c−mycなど))や核
内の転写因子(GATA−4など)などが知られてい
る。そこで、今回開発したアッセイ細胞株が、こうした
様々な部位で機能する心肥大誘発分子の活性も検出でき
るか否かを検討した。pME18S/c−mycあるい
はpME18S/GATA−4を、FuGene試薬を
用いてGirardi/βMHC/d2EGFPに一過
性発現させ、その蛍光をWallac 1420 AR
VOsxを用いて測定した。結果を図10に示す。図1
0のコントロール、Basal、及びET−1は前記図
8の場合と同じであり、その右側がc−myc及びGA
TA−4である。この結果、いずれの場合にも蛍光は有
意に上昇し、細胞内物質についても本発明のアッセイ系
が極めて有効であることが確認された。
【0021】
【発明の実施の形態】以上のように本発明の方法は、マ
ーカー遺伝子に着目した新規なアッセイ系を提供するも
のであり、本発明の方法により、細胞外及び細胞内にお
ける様々な刺激に対するアッセイが簡便な方法で可能と
なった。例えば、単離・同定したい標的分子の細胞内局
在を問題にしないのならば、アッセイ細胞株自身にcD
NAライブラリーをトランスフェクションさせれば良
い。一方、標的分子をエンドセリン−1(endotehlin-
1)のような分泌型の生理活性物質に的を絞るならば、
アッセイ細胞株とは別の細胞にcDNAライブラリー発
現させ、両者を共培養させる方法が効果的である。共培
養でアッセイ細胞株のレポーター遺伝子の発現レベルが
上昇するのは、cDNA発現細胞から培養上清中に生理
活性物質が分泌される場合に限られるからである。もち
ろん本発明の方法は、古典的な生化学手法で精製した標
品(ペプチドに限らず、脂質、ガス性物質を含む)のア
ッセイにも有用である。また、標的分子の単離は、cD
NAライブラリー全体をトランスフェクションする以外
にも、限られた候補cDNAを個別にトランスフェクシ
ョンする方法も有効である。
【0022】機能分子を探索する方法としては、例え
ば、未分化と分化状態あるいは正常と病気など発現レベ
ルが異なるcDNAを単離・同定する有力な方法とし
て、サブトラクションハイブリダイゼーション法(subt
ractive hybridization法)やディファレンシャルディ
スプレー法(differential display法)など既にいくつ
かの方法が報告されている。しかし、こうした方法で単
離される数多くのcDNAの中から、興味ある形質を誘
導するものを同定する方法はこれまで無かった。本発明
の方法はこのような方法で探索されたcDNAの中か
ら、その機能や作用する遺伝子を特定するための極めて
有効な方法となる。また、ヒトの全ゲノム配列はほぼ決
定され、配列から多数の遺伝子の存在が予測されている
が、そのほとんどは機能不明である。重要な機能分子を
効率よく同定する方法はポストゲノム研究においては必
須の技術である。本発明の方法は、発現量や配列をもと
にリストアップされた候補cDNAの中から、目的の活
性を有するものを効率よく同定することにも威力を発揮
するはずである。したがって、ゲノム解析における機能
分析においても本発明の方法は極めて有効な手法となる
ものである。
【0023】本発明の方法には、大きく二つの特徴があ
る。まず第一に、様々な生物活性を有する機能分子の単
離・同定を、培養細胞における「マーカー遺伝子」の発
現を指標として行うことで、特殊な生物活性のアッセイ
系を不要とした点である。第二に、目的の形質発現に関
与する広範な機能分子群の単離・同定を、単一の方法で
可能にした点である。すなわち、細胞外から作用する分
泌型の生理活性物質のみならず、細胞質内あるいは核内
で機能する情報伝達分子や転写因子などの同定も、本発
明の方法により可能である。さらに、本発明のアッセイ
系はきわめて高感度で、96穴や384穴などのマイク
ロタイタープレートと蛍光プレートリーダーで十分に測
定可能である。本発明の方法は、ポストゲノム時代にお
いて創薬の対象となりうる有用分子の同定に絶大な威力
を発揮するものと期待される。
【0024】本発明は、特定の生体現象を誘起する機能
分子を、その現象と特異的に連関する遺伝子の発現量を
指標として、スクリーニングする方法を提供するもので
あり、本発明の特定の生体現象としては、前記した例に
おける心筋肥大に限定されるものではなく、生体組織や
細胞における様々な形態の変化や機能の発現などの各種
の現象を包含するものである。これらの現象の中で当該
現象と特異的に関連する遺伝子(マーカー遺伝子)が存
在していることが必要である。マーカー遺伝子としては
前記の例に示したβ−MHCをコードする遺伝子に限定
されるものでは無く、当該現象と特異的に関連する遺伝
子であればよい。本発明の方法におけるマーカー遺伝子
としては、特異的な関連があるものであるが、必ずしも
特異的な関連性があることが知られている遺伝子に限定
されるものではなく、特定の生体現象に関連性があると
推定される遺伝子も使用することができる。このような
遺伝子については、本発明の方法により公知の機能分子
を用いてその関連性をさらに詳細に計測することが可能
である。
【0025】本発明の特徴のひとつは、特定の生体現象
と特異的に連関する遺伝子(マーカー遺伝子)の発現量
を指標とする方法として、当該遺伝子のプロモーター領
域に着目した点が挙げられる。マーカー遺伝子のプロモ
ーター領域の入手方法は公知の方法により行うことがで
きる。また、本発明の方法は、このプロモーター領域の
下流にレポーター遺伝子を融合させることにより、マー
カー遺伝子の発現量をレポーター遺伝子を用いた簡便な
手段により計測可能にしたことを特徴とするものでもあ
る。本発明のレポーター遺伝子としては、レポーターと
しての機能を果たすものであればよく、例えば、蛍光蛋
白質をコードする遺伝子が好ましいが、これに限定され
るものではなく蛍光若しくは放射性のプローブを用いて
検出や同定が可能な遺伝子を本発明のレポーター遺伝子
として使用することもできる。蛍光蛋白質としては、例
えば、緑色蛍光蛋白質(Green Fluorescence Protein
(GFP))、赤色蛍光蛋白質(Cyan Fluorescence Pr
otein(CFP))、青色蛍光蛋白質(Blue Fluorescen
ce Protein(BFP))、黄色蛍光蛋白質(Yellow Flu
orescence Protein(YFP))、ルシフェラーゼ(luc
iferase)、若しくはβ−ガラクトシダーゼ(β-galact
osidase)、又はこれらの改良型若しくは変異体を使用
することができる。
【0026】本発明のマーカー遺伝子のプロモーターと
レポーター遺伝子の融合遺伝子の製造方法も特に制限は
ないが、通常はレポーター遺伝子を含有するプラスミド
に当該レポーター遺伝子の翻訳開始点よりも上流側にマ
ーカー遺伝子のプロモーター領域を挿入する方法が簡便
で好ましい。挿入位置は特に制限はないが、プロモータ
ーの機能に影響を与えない位置であればよい。また、本
発明のマーカー遺伝子のプロモーターとレポーター遺伝
子の融合遺伝子は、培養細胞株のゲノムに組み込むのが
好ましい。このような細胞株としては、ヒト、マウス、
ラットなどの各種の動物細胞や大腸菌や酵母などの微生
物が使用できる。
【0027】本発明のスクリーニング方法は、検体物質
を検出、同定又は定量することができるものであり、ま
た検体物質の機能分子としての作用を評価する方法も包
含するものである。また、本発明のスクリーニング方法
では、特定の生体現象と特異的に連関する遺伝子(マー
カー遺伝子)として、1種または2種以上のものを同時
又は随時に使用することもできる。マーカー遺伝子が複
数存在する場合には、同時に複数種のマーカー遺伝子を
使用することにより、本発明のスクリーニング方法の精
度を上げることができる。例えば、前記の心筋肥大につ
いての例においては、マーカー遺伝子としてβ−MHC
のみならずBNPをコードする遺伝子をさらにマーカー
遺伝子として使用することもできる。
【0028】また、本発明は、特定の生体現象と特異的
に連関する遺伝子(マーカー遺伝子)のプロモーターの
下流にレポーター遺伝子を融合させた遺伝子を提供する
ものである。このような遺伝子としては融合遺伝子だけ
であってもよいし、適当なベクターに挿入された遺伝子
であってもよい。本発明の遺伝子におけるマーカー遺伝
子やレポーター遺伝子としては前記したものが使用され
る。本発明の遺伝子の例としては、配列表の配列番号1
に記載の塩基配列、又は当該塩基配列にストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズし得る塩基配列を挙げられ
る。
【0029】本発明の前記遺伝子は、特定の生体現象を
誘起する機能分子を、その現象と特異的に連関する遺伝
子の発現量を指標としてスクリーニングし、検出、同定
又は評価するための遺伝子である。したがって、本発明
の遺伝子は特定の生体現象を誘起する機能分子を、その
現象と特異的に連関する遺伝子の発現量を指標としてス
クリーニングする際に使用されるスクリーニング材料を
提供するものである。本発明は、前記した本発明の遺伝
子を含有してなる、特定の生体現象を誘起する機能分子
を、その現象と特異的に連関する遺伝子の発現量を指標
として検出、同定又は評価するためのキットを提供する
ものである。このような遺伝子としては、同種の生体現
象と特異的に連関する遺伝子のプロモーターの下流にレ
ポーター遺伝子を融合させた遺伝子の1種以上をさらに
含有することができる。この場合にマーカー遺伝子に対
応してレポーター遺伝子を異なる種類、例えばレポータ
ー遺伝子が蛍光蛋白質の遺伝子である場合には蛍光の色
をマーカーに対応させて変えることもできる。これによ
り蛍光の色の変化により多数のマーカー遺伝子の発現を
混合した色の色調により目視可能となる。また、98穴
や328穴のマイクロタイタープレートと蛍光プレート
リーダーを用いて、1又は2以上のアッセイを同時に行
うこともできる。本発明のスクリーニング方法は感度が
よく、少量で確実なスクリーニング系を提供するもので
ある。
【0030】さらに、本発明は、前記した本発明の遺伝
子で形質転換された形質転換細胞を提供するものであ
る。本発明の形質転換細胞は、本発明の方法に適してい
るのみでなく、細胞におけるマーカー遺伝子の作用を評
価するためにも有用なものである。本発明の形質転換細
胞は、転写可能な状態で宿主細胞に挿入されたものであ
ればよいが、好ましくはゲノム中に挿入されたものであ
る。形質転換の方法としては、公知の種々の方法を使用
することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。なお、以下の実施例に示すジラルディハ
ート(Girardi Heart)細胞株は、ヒト右心房筋から樹
立されたものであり(Girardi AJ, et al. Proc. Soc.
Exp. Biol. Med. 1958; 98: 18-22)、大日本製薬から
購入した。各種の遺伝子操作は、公知の遺伝子操作手段
を採用するか、メーカーのマニュアルに従って操作され
た。
【0032】実施例1 (ジラルディハート(Girardi
Heart)細胞株の核型分析) 古典的なG−バンド染色を行った。結果を図2に示す。
また、各染色体を個別の色で検出するスペクトルカリオ
タイピング(Spectralkaryotyping (SKY))を行っ
た。結果を図3に示す。この結果、10細胞を分析した
結果、平均染色体数は78(3倍体)で、前記した特徴
を有していることがわかった。
【0033】実施例2 (遺伝子の発現) ジラルディハート(Girardi Heart)における発現、心
筋肥大に関連する主要な遺伝子のをRT−PCR(Reve
rse-Transcription PCR)で検討した。ジラルディハー
ト(Girardi Heart)から抽出した全RNA(10μ
g)、あるいは正常のヒト心筋からの全RNA(10μ
g、Clontech社より購入。)から、ランダムプライマー
(random primer)を用いた定法に従ってcDNAを合
成し、全量100μlに調製した(Sakamoto A, et al.
Proc Natl Acad Sci U SA. 1997;94(25):13873-8.)。
PCRは、ABI9700を用い、以下の反応系条件で
行った。 HO 6.15μL 10xバッファー 1.0 μL dNTP(各々2.5mM) 0.8 μL 順方向プライマー(forward primer:10μM) 0.5 μL 逆方向プライマー(reverse primer:10μM) 0.5 μL cDNA 1 μL Ex Taq(宝酒造) 0.05μL 合計 10 μL 94℃で1分の後、94℃で20秒、55℃あるいは6
5℃で30秒、72℃で1分を35サイクル行った。
【0034】解析した心肥大関連遺伝子とプライマーセ
ット(forward primer / reverse primer)は以下の通
りである。またcDNA合成の確認として、ハウスキー
ピング遺伝子(housekeeping gene)であるGAPDH
(Glyceraldehyde 3-Phosphate Dehydrogenase)を用い
た。 prepro-endothelin-1 (ppET-1):5’-CCAAGGAGCTCCAGAAA
CAG-3’/5’-TTGACCCAGATGATGTCCAG-3’ ETA endothelin receptor (ETAR):5’-TCTGCGCGCTAAGTG
TTGACAGGT-3’/5’-TCATCAGGCTTTAGGACTGGTAAC-3’ ETB endothelin receptor (ETBR):5’-TCTCTGTGGTTCTGG
CTGTC-3’/5’-TGCTGAGGTGAAGGGGAAGC-3’ AT1 angiotensin receptor (AT1R):5’-GCTGAAGACTGTGG
CCAGTG-3’/5’-ATGCAGGTGACTTTGGCTAC-3’ α1C adrenergic receptor (α1cAR):5’-TCCACGGTGCTG
CCCTTCTC-3’/5’-TTGATCTGGCAGATGGTCTC-3’ gp130 (cardiotrophin-1 receptor):5’-CAGAATGTGTATG
GAGTCAC-3’/5’-ACCCAGACTTCAATGTTGAC-3’ transforming growth factor β (TGFβ):5’-AACTATTG
CTTCAGCTCCAC-3’/5’-ACGTAGTACACGATGGGCAG-3’ protein kinase Cβ (PKCβ):5’-GCAGCCACTGCACCGACTT
C-3’/5’-ACGTAGGGATCTGACAAGCC-3’ c-myc:5’-ACAGCAAACCTCCGCACAG-3’/5’-TGGTCACGCAGG
GCAAAAA-3’ c-fos:5’-GCCCCATCGCAGACCAGAGC-3’/5’-ATGCTGCTGAT
GCTCTTGAC-3’ c-ras:5’-CACCATAGAGGTGAGCTCTG-3’/5’-TCCTCTTGGCC
TGCTGTGTC-3’ β-MHC:5’-CGCATGGACCTGGAGCGAGC-3’/5’-CGCCGCATCT
TCCGGAACTC-3’ GAPDH:5’-ACCACAGTCCATGCCATCAC-3’/5’-TCCACCACCCT
GTTGCTGTA-3’
【0035】結果を図4に示す。ジラルディハート(Gi
rardi Heart)では検討した12の心肥大関連遺伝子の
うち、α1C adrenergic receptorとprotein kinase
Cβを除く10の遺伝子が発現しており、心肥大の機能
評価系として十分使用に耐えると考えられた。
【0036】実施例3(「マーカー遺伝子」のプロモー
ターとレポーター遺伝子との融合) 心肥大のマーカー遺伝子としては、β−MHC(β-myo
sin heavy chain)を用いた。シリアンハムスターのβ
−MHCのプロモーター領域(Wang, R., et.al. J. Mo
l. Cell. Cardiol. 26 (9), 1155-1165 (1994))をPC
Rで増幅した。用いたプライマーは以下の通りである。 Forward primer (F1) : 5’-CGCTCGAGGAAGCTGTGTGACCT
TGGAG-3’ Reverse primer (R2) : 5’-CGGGATCCCTCTTCCTGAATCTGG
AGCC-3’ 下線の配列はゲノムに対応し、それ以外は後にプラスミ
ド(pd2EGFP-1)に組み込むための付加的な制限酵素認
識配列である。PCRは以下の反応系条件で行った。 HO 6.15μL 10xバッファー 1.0 μL dNTP(各々2.5mM) 0.8 μL 順方向プライマー(forward primer:10μM) 0.5 μL 逆方向プライマー(reverse primer:10μM) 0.5 μL cDNA 1 μL Ex Taq(宝酒造) 0.05μL 合計 10 μL 94℃で1分の後、94℃で20秒、65℃で30秒、
72℃で1分を35サイクル行った。得られたPCR産
物(図5)をXhoIとBamHIで消化し、定法に従
い、プラスミドpd2EGFP−1のXhoI/Bam
HI認識部位に挿入した組み換え体(pβMHC/d2
EGFP)を調製した。クローン化したPCR断片の塩
基配列はDNAシークエンサー(ABI310)で確認
した。完成した発現コンストラクトの部分塩基配列を図
6に示した。プラスミドpd2EGFP−1のコードす
るレポーター遺伝子d2EGFPは、Enhanced Green F
luorescence Protein(EGFP)の変異体で、EGFP
のカルボキシル末端に自身の分解速度を高めるマウスの
オルニチンデカルボキシラーゼ(ornithine decarboxyl
ase)のPEST配列を融合させたものである。その結
果、d2EGFPのタンパク質の半減期が2時間と短
く、測定される蛍光強度はその転写量を良く反映すると
考えられる。
【0037】実施例4 (アッセイ細胞株の樹立) φ3.5cmのディッシュに50%の密度で生着させた
ジラルディハート(Girardi Heart)に、pβMHC/
d2EGFP(1μg)とG418耐性遺伝子をコード
するpSV2neo(0.1μg)とをFuGENE6
(Boehringer Mannheim社)試薬を用いて同時にトラン
スフェクションした。翌日から選択培地(0.5mg/
mlのG418を含有)で培養し、得られた耐性コロニ
ーから細胞株(Girardi/βMHC/d2EGF
P)を樹立した。こうして得られた細胞株のゲノムに、
pbMHC/d2EGFPが実際に組み込まれているか
否かをPCRで検討した。用いたプライマーセットは、 GFP-F: 5’-TCGCCACCATGGTGAGCAAG-3’ GFP-R: 5’-CCTAGCAGAAGCACAGGCTG-3’ で、 反応条件はアニーリング温度を55℃にした以外
は、β−MHCの場合と同一で行った。結果を図7に示
す。
【0038】実施例5 (アッセイ細胞株の検定) 樹立したアッセイ細胞株(Girardi/βMHC/
d2EGFP)に既知の心肥大誘発分子であるendo
thelin−1を発現させ、レポーター遺伝子(d2
EGFP)の発現レベルを検討した。SRαプロモータ
ーの下流にヒトprepro−ET−1cDNAを組み
込んだプラスミドpME18S/ppET−1を、Fu
Gene試薬を用いてGirardi/βMHC/d2
EGFPに一過性発現させ、トランスフェクション48
時間後にアッセイした。レポーター遺伝子(d2EGF
P)の発現レベルは、放射性同位元素を用いたRNA
blotで直接定量した(図8)上で、それが発する蛍
光強度でも測定した(図9)。蛍光の測定には、Wal
lac 1420 ARVOsxマルチラベルカウンタ
ー(excitation 485nm、emissi
on 535nm)を用いた。いずれの場合にも、無刺
激でβ−MHCプロモーターによる基本転写活性をある
程度は認めたが、d2EGFPの転写レベルは刺激で有
意に上昇し、系の妥当性が確認できた。
【0039】
【発明の効果】本発明は、新規かつ高感度で、簡便な機
能分子のアッセイ系及びスクリーニング系を提供する。
本発明の方法は、マーカー遺伝子と機能分子の特異性に
着目することにより、細胞内外における刺激によるマー
カー遺伝子の発現をレポーター遺伝子を用いて簡便に検
出、同定、又は測定できる方法を提供するものである。
本発明は、第一に、様々な生物活性を有する機能分子の
単離・同定を、培養細胞における「マーカー遺伝子」の
発現を指標として行うことで、特殊な生物活性のアッセ
イ系を不要とし、第二に、目的の形質発現に関与する広
範な機能分子群の単離・同定を、単一の方法で可能にし
たものである。すなわち、細胞外から作用する分泌型の
生理活性物質のみならず、細胞質内あるいは核内で機能
する情報伝達分子や転写因子などの同定も、本発明の方
法で可能となる。本発明は、重要な機能分子を効率よく
同定する方法であり、ポストゲノム研究においては必須
の技術となるものであり、発現量や配列をもとにリスト
アップされた候補cDNAの中から、目的の活性を有す
るものを効率よく同定することにも威力を発揮するもの
である。
【0040】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Japan Science And Technology Corporation Sakamoto, Aiji <120> A Method for Evalution or Identification for Bioactive Molecules with the Use of Marker Genes. <130> PC909155 <150> JP 2001-327576 <151> 2001-10-25 <160> 32 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 900 <212> DNA <213> Hamster sp. <220> <221> CDS <222> (875)..(901) <400> 1 tagcgctacc ggactcagat ctcgaggaag ctgtgtgacc ttggaggagg cactcccacc 60 tccataaact aaagcactca cttggatgga tcaccagaga cctgtctggc tctgaggctc 120 ggtgacctca acacattgtc tgctggccca aggaaagcgg tgcctgagcc agagttccag 180 tgtctaaact ctggtcattc ttcttcctcc ttaactagga agctgcctcc tagctgctcc 240 aatccagctg ccataccagg gccatgcccg actctgccct gcccctcttt gctgtggtaa 300 ctaggcccct tcccacctca gtgagatgtg ggactcaggc cagtagagta gggaggattc 360 tggaaacaga gccaggctag tgctgggggc caggactcca aggggcagca tgccagggca 420 gggcagggct ctgtctgcct aaggtcatgg tggtcgttgt cagcttactc tgcagtgagc 480 tgtggaatgt aagagatatt ttctgttcgc tttgagccac cccacccctt ggaactcaga 540 ccctgaacat gccatgccac aacaatgacg accacttcca attgtttcct ggctgggggg 600 ggagggggag cactgtttgg acaagggaag ggggggagtc gagggggaaa tgcttttagt 660 gacaacagcc ctttctaaat ctggctaggg actgggtgca ggtgggggtg ggggcacctt 720 ctgccccata tatacaaccc ctgaggccag gtctgactct gagcagtctc ctgctgtttc 780 cttccttgct gccctcaggt aggagtggga gctggaggcc tcctctggga taaggggctc 840 cagattcagg aagagggatc caccggtcgc cacc atg gtg agc aag ggc gag gag 895 Met Val Ser Lys Gly Glu Glu 1 5 ctg ttc 901 Leu Phe <210> 2 <211> 9 <212> PRT <213> Hamster sp. <400> 2 Met Val Ser Lys Gly Glu Glu Leu Phe 1 5 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: prepro-endothelin-1 (ppET-1) , forward primer <400> 3 ccaaggagct ccagaaacag 20 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: prepro-endothelin-1(ppET-1) , reverse primer <400> 4 ttgacccaga tgatgtccag 20 <210> 5 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: ETA endothelin receptor (ETAR) , forward primer <400> 5 tctgcgcgct aagtgttgac aggt 24 <210> 6 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: ETA endothelin receptor (ETAR) , reverse primer <400> 6 tcatcaggct ttaggactgg taac 24 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: ETB endothelin receptor (ETBR) , forward primer <400> 7 tctctgtggt tctggctgtc 20 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: ETB endothelin receptor (ETBR) , reverse primer <400> 8 tgctgaggtg aaggggaagc 20 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: AT1 angiotensin receptor (AT1R) , forward primer <400> 9 gctgaagact gtggccagtg 20 <210> 10 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: AT1 angiotensin receptor (AT1R) , reverse primer <400> 10 atgcaggtga ctttggctac 20 <210> 11 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: α1C adrenergic receptor (α1cAR) , forward primer <400> 11 vtccacggtg ctgcccttct c 21 <210> 12 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: α1C adrenergic receptor (α1cAR) , reverse primer <400> 12 ttgatctggc agatggtctc 20 <210> 13 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: gp130 (cardiotrophin-1 receptor) , forward primer <400> 13 cagaatgtgt atggagtcac 20 <210> 14 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: gp130 (cardiotrophin-1 receptor) , reverse primer <400> 14 acccagactt caatgttgac 20 <210> 15 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: transforming growth factor β (TGFβ) , forward primer <400> 15 aactattgct tcagctccac 20 <210> 16 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: transforming growth factor β (TGFβ) , reverse primer <400> 16 acgtagtaca cgatcccgac 20 <210> 17 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: protein kinase Cβ (PKCβ) , forward primer <400> 17 gcagccactg caccgacttc 20 <210> 18 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: protein kinase Cβ (PKCβ) , reverse primer <400> 18 acgtagggat ctgacaagcc 20 <210> 19 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: c-myc , forward primer <400> 19 acagcaaacc tccgcacag 19 <210> 20 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: c-myc , reverse primer <400> 20 tggtcacgca gggcaaaaa 19 <210> 21 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: c-fos , forward primer <400> 21 gccccatcgc agaccagagc 20 <210> 22 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: c-fos , reverse primer <400> 22 atgctgctga tgctcttgac 20 <210> 23 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: c-ras , forward primer <400> 23 caccatagag gtgagctctg 20 <210> 24 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: c-ras , reverse primer <400> 24 tcctcttggc ctgctgtgtc 20 <210> 25 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: β-MHC , forward primer <400> 25 cgcatggacc tggagcgagc 20 <210> 26 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: β-MHC , reverse primer <400> 26 cgccgcatct tccggaactc 20 <210> 27 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: GAPDH , forward primer <400> 27 accacagtcc atgccatcac 20 <210> 28 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: GAPDH , reverse primer <400> 28 tccaccaccc tgttgctgta 20 <210> 29 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: forward primer (F1) <400> 29 cgctcgagga agctgtgtga ccttggag 28 <210> 30 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: reverse primer (R2) <400> 30 cgggatccct cttcctgaat ctggagcc 28 <210> 31 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:GFP-F <400> 31 tcgccaccat ggtgagcaag 20 <210> 32 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:GFP-R <400> 32 cctagcagaa gcacaggctg 20
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の概要を例示したものである。
【図2】図2は、ジラルディハート(Girardi Heart)
のG−band法による核型分析の結果を示す、図面に
代わる写真である。
【図3】図3は、ジラルディハート(Girardi Heart)
のSKY法による核型分析の結果を示す、図面に代わる
写真である。
【図4】図4は、ジラルディハート(Girardi Heart)
における遺伝子発現のRT−PCRによる検討結果を示
す、図面に代わる写真である。ジラルディハート(Gira
rdi Heart)では、α1cARとPLCβ以外の心肥大
関連遺伝子の発現を認めた。
【図5】図5は、β−MHCプロモーターの増幅結果を
示す。シリアンハムスターのゲノムから、β−MHC遺
伝子のプロモーター領域をPCRで増幅した結果を示
す、図面に代わる写真である。Mはkbラダーマーカー
(GIBCO BRL)を表す。
【図6】図6は、本発明の発現コンストラクトの転写・
翻訳開始点付近の塩基配列を示す。細字の塩基配列はβ
−MHC遺伝子に由来し、その転写開始点(+1)の
5’上流728塩基から3’下流91塩基までに対応す
る。TATAボックスとGATA転写因子の結合部位
を、それぞれボックスと下線で示した。太字の配列はプ
ラスミドpd2EGFPに由来し、レポーター遺伝子d
2EGFの翻訳開始点(d2EFGP→)はβ−MHC
遺伝子の転写開始点から110塩基3’下流に位置す
る。d2EGFの部分アミノ酸配列を一文字表記で示し
た。
【図7】図7は、本発明の心肥大アッセイ細胞株の樹立
を示す。ジラルディハート(Girardi Heart)にpβM
HC/d2EGFPとpSV2neoを同時にトランス
フェクトし、G418で選択した複数のコロニーからゲ
ノムを抽出し、d2EGFPに対するプライマーでPC
Rを行った結果を示す、図面に代わる写真である。la
ne3の細胞株のゲノムにはd2EGFPが組み込まれ
ていることが分かる。PCはポジティブコントロール
(プラスミド pβMHC/d2EFGP)を表す。
【図8】図8は、本発明のGirardi/βMHC/
d2EGFP細胞におけるd2EGFPの発現レベルの
RNAブロットによる検討結果を示す、図面に代わる写
真である。ControlはGirardi Hear
tを示し、Basalは無刺激のGirardi/βM
HC/d2EGFPを示し、ET−1はET−1を一過
性発現させたGirardi/βMHC/d2EGFP
を示す。レーン当たり全RNA5μgである。
【図9】図9は、本発明のGirardi/βMHC/
d2EGFP細胞におけるd2EGFPの発現レベルの
蛍光度による検討結果を示す。ControlはGir
ardi Heartを示し、Basalは無刺激のG
irardi/βMHC/d2EGFPを示し、ET−
1はET−1を一過性発現させたGirardi/βM
HC/d2EGFPを示す。
【図10】図10は、c−myc、GATA−4の一過
性発現によるGirardi/βMHC/d2EGFP
細胞の蛍光上昇を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 G01N 33/566 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 B Fターム(参考) 2G045 AA35 AA40 BA11 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 4B024 AA11 BA80 CA04 DA03 EA04 FA02 FA10 HA12 4B063 QA01 QQ08 QQ20 QQ43 QQ44 QR77 QR80 QS34 QS36 QS38 QX02 4B065 AA93X AB01 BA02 BA25 CA24 CA28 CA31 CA46

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の生体現象を誘起する機能分子を、
    その現象と特異的に連関する遺伝子の発現量を指標とし
    て、スクリーニングする方法。
  2. 【請求項2】 特定の生体現象と特異的に連関する遺伝
    子の発現量を指標とする方法が、当該遺伝子のプロモー
    ターの下流にレポーター遺伝子を融合させた発現コンス
    トラクトを用いる方法である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 レポーター遺伝子が、蛍光蛋白質をコー
    ドする遺伝子である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 蛍光蛋白質が、緑色蛍光蛋白質(Green
    Fluorescence Protein(GFP))、赤色蛍光蛋白質
    (Cyan Fluorescence Protein(CFP))、青色蛍光
    蛋白質(Blue Fluorescence Protein(BFP))、黄
    色蛍光蛋白質(Yellow Fluorescence Protein(YF
    P))、ルシフェラーゼ(luciferase)、若しくはβ−
    ガラクトシダーゼ(β-galactosidase)、又はその改良
    型である請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 特定の生体現象と特異的に連関する遺伝
    子のプロモーターとレポーター遺伝子のcDNAとを融
    合させた発現コンストラクトが、培養細胞株のゲノムに
    組み込むんだ細胞株を用いる請求項2〜4のいずれかに
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 特定の生体現象と特異的に連関する遺伝
    子が、2種以上である請求項1〜5のいずれかに記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 機能分子が、心筋肥大を誘発する物質で
    ある請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 培養細胞が、ヒト心臓由来の細胞株であ
    るジラルディハート(Girardi Heart)である請求項7
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 心筋肥大と特異的に関連する遺伝子が、
    β−myosinheavy chain(β−MH
    C)及び/又はBrain Natriuretic
    peptide(BNP)の遺伝子である請求項7又は
    8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 特定の生体現象と特異的に連関する遺
    伝子のプロモーターの下流にレポーター遺伝子を融合さ
    せた遺伝子。
  11. 【請求項11】 レポーター遺伝子が、蛍光蛋白質をコ
    ードする遺伝子である請求項10に記載の遺伝子。
  12. 【請求項12】 遺伝子が、レポーター遺伝子を含有す
    るプラスミドのレポーター遺伝子の上流に特定の生体現
    象と特異的に連関する遺伝子のプロモーターが導入され
    たプラスミドである請求項10又は11に記載の遺伝
    子。
  13. 【請求項13】 特定の生体現象と特異的に連関する遺
    伝子が、心筋肥大と特異的に関連する遺伝子である請求
    項10〜12のいずれかに記載の遺伝子。
  14. 【請求項14】 心筋肥大と特異的に関連する遺伝子
    が、β−MHC及び/又はBNPの遺伝子である請求項
    13に記載の遺伝子。
  15. 【請求項15】 遺伝子が、配列表の配列番号1に記載
    の塩基配列、又は当該塩基配列にストリンジェントな条
    件下でハイブリダイズし得る塩基配列を含有するもので
    ある請求項10〜14のいずれかに記載の遺伝子。
  16. 【請求項16】 請求項10〜15のいずれかに記載の
    遺伝子を含有してなる、特定の生体現象を誘起する機能
    分子を、その現象と特異的に連関する遺伝子の発現量を
    指標として検出、同定又は評価するための遺伝子。
  17. 【請求項17】 請求項10〜15のいずれかに記載の
    遺伝子を含有してなる、特定の生体現象を誘起する機能
    分子を、その現象と特異的に連関する遺伝子の発現量を
    指標として検出、同定又は評価するためのキット。
  18. 【請求項18】 遺伝子が、同種の生体現象と特異的に
    連関する遺伝子のプロモーターの下流にレポーター遺伝
    子を融合させた遺伝子の1種以上をさらに含有するもの
    である請求項17に記載のキット。
  19. 【請求項19】 レポーター遺伝子が、特定の生体現象
    と特異的に連関する遺伝子に応じて異種のものである請
    求項17又は18に記載のキット。
  20. 【請求項20】 マイクロタイタープレートと蛍光プレ
    ートリーダーを用いて、1又は2以上のアッセイを同時
    に行うための請求項17〜19のいずれかに記載のキッ
    ト。
  21. 【請求項21】 請求項10〜15のいずれかに記載の
    遺伝子で形質転換された形質転換細胞。
  22. 【請求項22】 請求項10〜15のいずれかに記載の
    遺伝子で形質転換された、特定の生体現象を誘起する機
    能分子を、その現象と特異的に連関する遺伝子の発現量
    を指標として検出、同定又は評価するための形質転換細
    胞。
  23. 【請求項23】 遺伝子がゲノムに導入されたものであ
    る請求項21又は22に記載の形質転換細胞。
  24. 【請求項24】 細胞が、ヒト心臓由来の細胞株である
    ジラルディハート(Girardi Heart)である請求項21
    〜23のいずれかに記載の形質転換細胞。
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