JP2003194261A - 補強管および耐圧容器 - Google Patents

補強管および耐圧容器

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JP2003194261A
JP2003194261A JP2001394704A JP2001394704A JP2003194261A JP 2003194261 A JP2003194261 A JP 2003194261A JP 2001394704 A JP2001394704 A JP 2001394704A JP 2001394704 A JP2001394704 A JP 2001394704A JP 2003194261 A JP2003194261 A JP 2003194261A
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Koichi Ono
紘一 小野
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量の増加を抑えて、管の耐圧を高めること
ができるようにする。 【解決手段】 補強管1は、管2の周囲に繊維糸4を巻
き付けて補強層3を形成し、管2内部の流体の圧力が増
大して、管2に降伏応力を越える応力が作用しても耐え
るように、補強する。管2は、軸2a方向の長さが充分
に大きく、平面ひずみ状態が成立しているとみなすこと
ができる。補強層3による補強も、軸2a方向を除外し
て、周方向のみでよく、炭素繊維などの繊維糸4を周方
向に巻き付けて、効率よく補強することができる。補強
管1を円形に複数回巻き付けることによって、効率よく
気体を貯蔵することができる耐圧容器10を得ることも
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種流体、特に高
圧の流体の輸送や貯蔵に用いる補強管および耐圧容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種流体の輸送には管が用い
られている。たとえば原油や天然ガスの輸送用には、長
大な距離にわたってパイプラインが敷設される。敷設さ
れたパイプラインは、過酷な気象条件などの環境下で使
用され、地盤沈下や管自体の腐食の影響を受けやすい。
パイプラインに対する適切な手入れを行わないでいる
と、パイプラインの一部が破損して、流体が漏れてしま
うようになる。
【0003】今日、天然ガスなどの大量輸送は、低温の
液化状態であるLNGをLNG輸送船と呼ばれる専用の
船舶で行われている。LNG輸送船には、大容量の極低
温貯槽が備えられる。LNG輸送船は大量の天然ガスを
長距離輸送することができるために、効率的である。し
かしながら天然ガスの産地では液化プラントが必要とな
り、天然ガスの消費地では極低温のLNGを貯蔵し、気
化させて使用可能にする基地が必要となる。
【0004】比較的少量の気体を貯蔵するためには、圧
力を高めることができる耐圧容器が利用される。近年、
自動車の燃料として、圧縮天然ガスCNGが利用される
ようになってきている。圧縮天然ガスを燃料とする自動
車では、1回の燃料補給で走行可能な距離を大きくする
ために、高い圧力で貯蔵可能であることが望ましい。ま
た、重量や容積が大きくなると、自動車として輸送など
に利用可能な重量やスペースが減ってしまうので、耐圧
容器は軽量かつ小型であることが望まれる。特開平9−
257193号公報には、ガスバリア性を有する内殻
と、該内殻を覆うように構成され、補強繊維と樹脂とを
含む繊維強化プラスチックFRPで形成される外殻とを
有し、水圧30MPaで試験しうる圧力容器が開示され
ている。自動車では、内燃機関から燃料電池へ切り換え
る技術開発も進められており、燃料電池に使用する水素
ガスの燃料を貯蔵する方法も大きな課題となっている。
【0005】なお、天然ガスの海上輸送などを、LNG
ではなくCNGで行うことも考えられている。日本工業
出版株式会社発行、「配管技術」誌の2001年11月
号の第13頁〜第23頁には、「LNGに対抗できる経
済的なCNG海上輸送法」という解説記事が掲載されて
いる。この記事では、カナダのCran&StenningTechnolog
y社が開発しているCoselle と呼ばれるモジュールにC
NGを貯蔵して輸送する方法が紹介されている。Cosell
e と呼ばれるモジュールは、たとえば外形が17cm程
度、板圧が6mm程度、全長が16km程度の小口径パ
イプを、回転木馬などのような円形のカルーセル状に巻
いて形成される。
【0006】さらに自動車では、搭乗者の安全を守る装
備の一つとして、エアバッグが備えられるようになって
きている。特開2001−163166号公報には、エ
アバッグを膨らませるための気体を圧縮状態で貯蔵する
エアバッグインフレータ用高圧容器を、繊維強化プラス
チック層と、該繊維強化プラスチック層よりも内側に配
備される金属層とを有する多層体で形成することが提案
されている。繊維強化プラスチックFRPは、炭素繊維
を用いて、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリイミド樹脂、不乱樹脂、マレイミド樹脂、アクリル
樹脂などのマトリックス樹脂を強化するようにしてい
る。このFRPと高張力鋼による高圧容器とを組合せる
と、従来の鋼製高圧容器と同等の性能を、1/3程度の
重量で可能になることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】長大なパイプラインを
形成している金属管の周囲に、特開平9−257193
号公報や特開2001−163166号公報で示されて
いるような圧力容器の補強用の繊維強化プラスチック層
を設けることができれば、耐久性を向上させることがで
きると期待される。しかしながら、既に敷設されている
パイプラインの全長に繊維強化プラスチック層を巻き付
ける工法は、非常に困難であり、実際上は不可能であ
る。またこの工法は、大略的に円筒状の圧力容器とみな
せる形状に対しての補強であるので、補強が必要な方向
には、円周方向のみではなく軸方向も含まれる。
【0008】たとえば、特開平9−257193号公報
には、繊維の方向を内殻の軸方向に対して±5°〜±5
0°の角度と、±75°〜±105°の角度とにするこ
とが記載されている。すなわち、角度範囲の中心では、
軸方向に対して90°付近である円周方向とともに、2
8°付近である傾斜した方向にも繊維を向けるようにし
ている。特開2001−163166号公報には、実施
例2および実施例3として、繊維の方向を軸方向に対し
て0°と90°とにすることが記載されている。
【0009】管の肉厚や径に対して軸方向の長さが大き
くなると、内部に圧力が作用しても、軸方向のひずみは
無視しうるようになり、軸に垂直な断面内でのみひずみ
を考えることができる平面ひずみ状態となる。平面ひず
み状態とみなせるような条件では、軸方向に繊維で強化
する必要はなく、また強化することも不可能である。特
開2001−163166号公報の実施例1では、繊維
を円周方向に巻いて円筒状の補強層を形成しておいて、
円筒状の金属容器を圧入して高圧容器を得ることが記載
されている。このような工法は、平面ひずみ状態とみな
せる長い管に適用することはできない。
【0010】CNGの輸送用に開発が進められているCo
selle モジュールも、金属管を曲げて形成するだけで
は、圧力に限界がある。より軽量で高圧力に耐えうるよ
うにするこことができれば、より経済的に有利なように
改善することができるはずである。
【0011】本発明の目的は、重量の増加を抑えて耐圧
を高めることができる補強管および耐圧容器を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、断面形状が円
形で、肉厚および径に比較して軸方向の長さが大きく、
軸方向のひずみを無視することが可能で、軸に垂直な断
面内での平面ひずみ状態が成立する管と、該管の材料よ
りも抗張力が大きい材料の繊維糸が、該管の外周に巻き
付けられて形成される補強層とを含むことを特徴とする
補強管である。
【0013】本発明に従えば、管の外周側には、管の材
料よりも抗張力が大きい材料の繊維糸が巻き付けられて
補強層が形成される。管内に管の流体の圧力がかかっ
て、管に作用する応力が管の材料の降伏応力を越える
と、管は平面ひずみ状態であるので、径が膨張して円周
方向に延びようとする。管の外周側には、管の材料より
も抗張力が大きい材料の繊維糸を巻き付けて補強層を形
成してあるので、管の膨張は抑えられ、管が単独では降
伏してしまう圧力よりも高い圧力に耐えることができ
る。管は平面ひずみ状態であるので、繊維糸による補強
は円周方向のみでよく、軽量でも有効な補強の効果を得
ることができる。
【0014】また本発明で、前記管は鋼管であり、前記
繊維糸は炭素繊維糸であることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、鋼管の周りに炭素繊維糸
を巻き付けて、鋼管単独よりも補強された管とすること
ができる。炭素繊維の密度は鋼管の約1/5であり、炭
素繊維の抗張力は鋼の降伏応力の約10倍であるので、
約1/50の重量増加で、管の強度を2倍にすることが
できる。
【0016】さらに本発明は、円形に複数回巻き付けら
れる前述のいずれかに記載の補強管と、該補強管の軸方
向の両端を封止する封止部材とを含むことを特徴とする
耐圧容器である。
【0017】本発明に従えば、繊維糸を巻き付けた補強
管を円形に複数回巻き付けて、平面ひずみ状態が得られ
るように長い管であっても、比較的小さな空間に収納す
ることができる。管の軸方向の両端は封止部材で封止し
ているので、管内は密閉された空間となり、容器として
使用することができる。円形に巻き付けられた補強管
は、1つのモジュールとして取り扱い、複数のモジュー
ル同士を積み重ねて海上輸送する際にも、補強層によっ
て強化してあるのでつぶれにくくなり、効率よく輸送す
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、(a)で、本発明の実施
の一形態である補強管1の基本的な構成を示す。本実施
形態の補強管1は、管2の外周面に補強層3として、繊
維糸4が巻き付けられている。管2は、断面形状が円形
で、肉厚および径に比較して軸2a方向の長さが大き
く、軸2a方向のひずみを無視することが可能で、軸2
aに垂直な断面内でのみひずみが生じる平面ひずみ状態
が成立している。繊維糸4には、管2の材料の降伏応力
よりも抗張力が大きい材料が使用される。管2内に流体
の圧力がかかって、管2に作用する応力が管2の材料の
降伏応力を越えると、管2は平面ひずみ状態であるの
で、径が膨張して円周方向に延びようとする。管2の外
周側には、管2の材料よりも抗張力が大きい材料の繊維
糸4を巻き付けて補強層3を形成してあるので、管2の
膨張は抑えられ、管2が単独では降伏してしまう圧力よ
りも高い圧力に耐えることができる。管2は平面ひずみ
状態であるので、繊維糸4による補強は円周方向のみで
よく、軽量でも有効な補強の効果を得ることができる。
【0019】さらに図1(b)は、図1(a)に示す補
強管1を、円形に複数回巻き付けて形成する耐圧容器1
0の外形を示す。補強管1の軸方向の両端は、栓となる
封止部材11,12によってそれぞれ封止されている。
平面ひずみ状態が得られるように長い管であっても、円
形に複数回巻き付けることによって、比較的小さな空間
に収納することができる。補強管1の軸方向の両端は封
止部材11,12で封止しているので、補強管1内は密
閉された空間となり、耐圧容器10として使用すること
ができる。円形に巻き付けられた補強管1は、前述のCo
selle モジュールとして取り扱うことができる。本実施
形態の耐圧容器10を用いれば、補強層3によって強化
してあるのでつぶれにくくなり、複数のモジュール同士
を積み重ねて海上輸送する際にも、効率よく輸送するこ
とができる。
【0020】図2は、平面ひずみ状態が長い管2に生ず
る理由を示す。図2(a)に示すように、管2が長い直
管である場合を想定する。管2の軸に垂直な断面内にX
軸およびY軸を設定し、軸方向にZ軸を設定する。図1
(b)に示すように、補強管1が直管ではなく、円形に
巻き付けられるような場合でも、曲率半径が管径や管壁
厚に比較して充分に大きければ、直管と同様に考えるこ
とができる。図2(b)に示すように、管2で長さδの
部分を考えると、軸方向に変形しようとしても、隣接す
る部分同士が相互に拘束し合って、変形することができ
なくなっている。このため変形は軸に垂直なX軸および
Y軸を含む平面内でのみ生じる。すなわち、管2の軸方
向の長さが充分に大きければ、図2(c)に示すよう
に、管2に作用する力によって生じる変形としてのひず
みは、X−Y平面内にのみ発生し、ひずみを発生させる
応力もX−Y平面内にのみ発生することになる。
【0021】材料力学では、基本的な円筒容器で内圧p
と釣り合う容器壁の接線応力σは、円筒の内径をD、容
器壁の厚さをtとすれば、D>>tとなる薄肉の条件
で、次の(1)式で与えられることが知られている。
【0022】
【数1】
【0023】図3は、(a)で、管2の材料として一般
的な鉄鋼材料の応力−歪の関係を示す。鉄鋼材料を一方
向に引張ると、ある程度の伸びまでは弾性的に変形し、
歪εと応力σとがほぼ比例関係にあり、引張ることをや
めると元の長さに戻る。歪が大きくなって、応力がσY
に達すると、降伏が生じ、応力はほぼ一定でも塑性変形
で歪が増大するようになる。さらに引張ると、歪εの増
大とともに応力σも増大し、最大の応力σBに達した
後、破断に至る。管2として使用可能な範囲は、降伏応
力σYまでである。管2の材料の降伏応力をσYとする
と、(1)式から、管2が耐えられる圧力pYは、次の
(2)式で表される。
【0024】
【数2】
【0025】(2)式から、管2の内径Dが小さくなれ
ば、耐圧を上げられることが判る。前述のCoselle モジ
ュールでは、管を細くして耐圧を高め、管を巻いて全体
の容積が小さくなるようにしている。
【0026】図3(b)は、補強層3の応力σと歪εと
の関係を示す。補強層3を生成する繊維糸4の材料とし
ては、たとえば炭素繊維を利用することができる。補強
層3の抗張力σFは、管2の降伏応力σYよりも大きく
することができる。管2に繊維糸4を周方向に巻き付け
て補強するとき、管2の外周面と補強層3との間にわず
かな隙間が生じる。このため、内圧によって管2の壁面
が周方向に伸びる際に、管2の降伏応力σYを越えて塑
性変形が生じてから補強層3による補強の効果が現れ
る。
【0027】図3(c)は、本実施形態の補強管1に作
用する内圧pと、管2の円周方向の歪εとの関係を示
す。破線は管2について示し、二点鎖線は補強層3につ
いて示す。補強管1では、実線で示すように、圧力がp
1に達し、管2が降伏して塑性変形で歪がε1からε2
に増大すると、補強層3が寄与して、圧力p2まで耐え
ることが可能になる。いったん圧力がp1を越えて管2
が塑性変形すると、管2の外周面と補強層3との隙間が
小さくなり、圧力がp1より小さくなって、再び圧力が
p1を越える際には、降伏状態で塑性変形する歪の量が
減少する。
【0028】なお、補強層3での繊維糸4の巻き付け
で、内圧pが0のときに、管2内に周方向に収縮する負
の接線応力が作用するようにしておくこともできる。こ
のように予め逆方向の応力を作用させておくと、導入す
ることができる内圧に変化はないけれども、管2の変形
を小さくすることができる。
【0029】図4は、(a)で、図1に示す補強管1の
補強層3を形成するために利用する糸20の形状を示
す。糸20は、たとえば直径が6μmの炭素繊維糸を1
2000本束ねて、リボン状に形成される。断面の幅w
は、たとえば5mmである。断面の厚さdは、たとえば
0.1mmである。このような糸20は、全長5000
mで2kg程度の重量となる。
【0030】図4(b)は、図4(a)に示す糸20を
管2の外周面に巻き付けている状態を示す。ただし説明
の便宜上、糸20は間隔をあけて1層巻きで表示してい
るけれども、図1(a)に示す補強層3は、密にかつ多
層に巻き付けて形成する。管2や糸20の表面を保護す
るために、糸20の巻き付け後、エポキシ樹脂などの合
成樹脂を塗布して硬化させてもよい。管2の内径Dを1
0〜20cm程度とすると鋼製の管2では降伏応力が最
大300MPa(N/mm2)程度であり、炭素繊維糸
の引張強度は3000MPa(N/mm2 )程度であ
る。炭素繊維糸の密度は1.8kg/m3(g/mm3
であり、鋼の密度は7.9kg/m3(g/mm3)であ
る。すなわち、図1(a)で、炭素繊維糸4の密度は鋼
製の管2の約1/5であり、炭素繊維糸4の抗張力は鋼
の降伏応力の約10倍であるので、約1/50の重量増
加で、強化管1としての耐圧を2倍にすることができ
る。
【0031】このときの総合的なコストは、鋼管のみの
場合の約2倍程度である。補強管1の内圧を2倍にすれ
ば、管2単独よりも2倍の量の気体を収容することがで
きる。同等の管2を2本用いれば、2倍の容積の気体を
同様に収容することができるけれども、2本の管2を保
持する空間も2倍必要となる。補強管1では、保持の空
間をほとんど増加させないで、収容する気体の量を増大
させることができる。
【0032】以上の説明では、管2としては鋼管を使用
し、補強層3としては炭素繊維糸を使用しているけれど
も、これらの材料は適宜選択することができる。たとえ
ば、管2としては、ステンレス鋼やチタンなどの他の金
属材料や、繊維強化プラスチック(FRP)材料などを
使用することもできる。また、既存の管2の外周に繊維
糸4を巻き付けて、耐圧の強化や劣化部分の強化を図る
こともできる。たとえば、長大なパイプラインでも、繊
維糸4を巻き付けて、寿命延長を図ることができる。繊
維糸としては、炭素繊維ばかりではなく、ガラス繊維、
アラミド繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊
維、金属繊維など、繊維強化プラスチックの強化用など
に開発されている繊維を同様に使用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、管は平面
ひずみ状態であるので、径が膨張して円周方向に延びよ
うとしても、管の材料の降伏応力よりも抗張力が大きい
材料の繊維糸を外周側に巻き付けて補強層を形成してあ
るので、管の膨張は抑えられ、管が単独では降伏してし
まう圧力よりも高い圧力に耐えることができる。繊維糸
による補強は円周方向のみでよく、管に付加する重量は
軽量でも有効な補強の効果を得ることができる。
【0034】また本発明によれば、鋼管と炭素繊維糸と
を組合せて、鋼管が耐える圧力を増大させることができ
る。既存の鋼管に対しても、炭素繊維糸を巻き付けて補
強層を形成することができ、パイプラインなどを有効に
補強することができる。
【0035】さらに本発明によれば、繊維糸を巻き付け
た補強管を円形に複数回巻き付けてあるので、軸方向に
長く、平面ひずみ状態が得られる管であっても、比較的
小さな空間に収納することができる。管の軸方向の両端
を封止部材で封止して、容器として使用するので、空間
全体を囲む容器よりも多量の気体を圧縮して貯蔵するこ
とができる。繊維糸を巻くことによって管を補強するこ
とができるので、管の肉厚を減らし、材質や容量を変え
ることなくガスボンベなどの耐圧容器を軽量化すること
もできる。円形に巻き付けられた補強管をモジュールと
して取り扱い、積層して効率的な海上輸送を行うことも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としての補強管1および
耐圧容器10の構成を示す断面図および斜視図である。
【図2】平面ひずみ状態が生じる理由を示す図である。
【図3】図1の補強管1で管2および補強層3の材料に
対する応力と歪との関係、および補強層3による耐圧向
上の効果を示すグラフである。
【図4】図1の補強管1で補強層3を形成するために使
用する糸20の形状、および管2に糸20を巻き付けて
いる状態を示す簡略化した斜視図である。
【符号の説明】
1 補強管 2 管 2a 軸 3 補強層 4 繊維糸 10 耐圧容器 11,12 封止部材 20 糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E072 AA10 BA04 3H111 AA01 BA03 BA28 CB03 CB14 CC13 CC18 DA07 DB08 DB11 DB12 4F100 AB03A AD11B AT00A BA02 DA11 DG01B DH00B DH02 GB16 JL03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面形状が円形で、肉厚および径に比較
    して軸方向の長さが大きく、軸方向のひずみを無視する
    ことが可能で、軸に垂直な断面内での平面ひずみ状態が
    成立する管と、 該管の材料の降伏応力よりも抗張力が大きい材料の繊維
    糸が、該管の外周に巻き付けられて形成される補強層と
    を含むことを特徴とする補強管。
  2. 【請求項2】 前記管は鋼管であり、 前記繊維糸は炭素繊維糸であることを特徴とする請求項
    1記載の補強管。
  3. 【請求項3】 円形に複数回巻き付けられる請求項1ま
    たは2に記載の補強管と、 該補強管の軸方向の両端を封止する封止部材とを含むこ
    とを特徴とする耐圧容器。
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