JP2003190906A - 廃材アルミニウムの処理装置 - Google Patents

廃材アルミニウムの処理装置

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JP2003190906A
JP2003190906A JP2001390825A JP2001390825A JP2003190906A JP 2003190906 A JP2003190906 A JP 2003190906A JP 2001390825 A JP2001390825 A JP 2001390825A JP 2001390825 A JP2001390825 A JP 2001390825A JP 2003190906 A JP2003190906 A JP 2003190906A
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waste aluminum
waste
reaction
aqueous solution
alkaline aqueous
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JP2001390825A
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English (en)
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Katsuyasu Iida
勝康 飯田
Masayo Kuno
雅世 久野
Hiroshi Hosokawa
宏 細川
Shinji Kawahara
申治 河原
Tomohiro Akiyama
友宏 秋山
Hiroyuki Uesugi
浩之 上杉
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UEDA SEKKAI SEIZO KK
ITEC Co Ltd
Original Assignee
UEDA SEKKAI SEIZO KK
ITEC Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量の廃材アルミニウムを実用的なレベルで
アルカリ水溶液で連続的に処理し、水素と有用な物質を
生産できるようにする。 【解決手段】 廃材アルミニウムを苛性ソーダ水溶液に
より前処理する前処理槽2と、前処理された廃材アルミ
ニウムを水酸化カルシウム水溶液と反応させる反応槽5
と、前処理槽2により前処理された廃材アルミニウムを
反応槽5に移送させるスクレーパーコンベア12と、反
応槽5内の水酸化カルシウム水溶液と廃材アルミニウム
と反応して生成された沈殿生成物を反応槽5から取出す
水封コンベア21とを備え、少なくとも反応槽5で発生
した水素を所定位置に設けられた水素取出口18から取
り出せるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃材アルミニウムの
処理装置に関し、さらに詳しくは廃材アルミニウムを処
理することにより、水素燃料や有益な物質を得る技術に
関する。
【0002】
【従来技術】アルミニウム又はアルミニウム合金を溶解
炉において溶解するときに溶湯上に浮上した酸化アルミ
ニウムや、廃棄アルミ缶、アルミサッシ加工クズ等の廃
材アルミニウムの処理に関する技術が知られている。例
えば、廃材アルミニウムを電気溶解炉において溶解し、
再び純度の高いアルミニウムとして精製する方法が知ら
れている。また、酸化アルミニウムからアルミン酸ナト
リウムを経てゼオライトを合成し、水素を回収するとい
う技術(特開昭59−30716号参照)が開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術であれば下記のような課題がある。 (A)上記電気溶解炉で行うアルミニウムの再精錬処理
は、不純物を除去する工程が複雑になるとともに排気ガ
ス中にダイオキシン類などの有害物を放出してしまう問
題がある。さらにエネルギーを大量に消費するなどの技
術上の課題も残している。 (B)上述した特開昭59−30716号の技術では、
実験室レベルでその可能性に言及しているだけで、例え
ば、廃棄アルミ缶で年間約8万トンに達し、またアルミ
サッシ等の廃棄アルミ建材で年間約10万トンに達す
る、多量の廃棄アルミニウムを実用的に処理できる装置
の構成については、なんら開示はされていない。本発明
は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的
は、上記課題を解決できる、廃材アルミニウムの処理装
置を提供することにある。
【0004】具体的な目的の一例を示すと、以下の通り
である。 (a)多量の廃材アルミニウムを実用的なレベルでアルカ
リ水溶液で連続的に処理でき、化学反応によって生じる
水素とアルミン酸カルシウム等の有用な物質を効率的に
生産できる廃材アルミニウムの処理装置を提供する。 (b)従来の電気炉を用いた再生方法に比べて、環境負荷
の小さいクリーンな方法により低コストで廃材アルミニ
ウムを処分することができる廃材アルミニウムの処理装
置を提供する。なお、上記に記載した以外の発明の課題
及びその解決手段は、後述する明細書内の記載において
詳しく説明する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明を、例えば、本発
明の実施の形態を示す図1〜図3に基づいて説明する
と、次のように構成したものである。第1発明の廃材ア
ルミニウムの処理装置は、廃材アルミニウムを第1アル
カリ水溶液により前処理する前処理槽2と、前処理され
た廃材アルミニウムを第2アルカリ水溶液と反応させる
反応槽5と、前処理槽2により前処理された廃材アルミ
ニウムを反応槽5に移送させる搬送コンベアと、反応槽
5内の第2アルカリ水溶液と廃材アルミニウムと反応し
て生成された沈殿生成物を反応槽5から取出す水封コン
ベア21とを備え、少なくとも反応槽5で発生した水素
を所定位置に設けられた水素取出口18から取り出せる
ように構成したことを特徴とする。
【0006】第2発明は、前記反応槽5内を廃材アルミ
ニウムの反応室15と、予備室16に区画する分離壁1
7を反応槽5の上壁から底壁に達しない位置まで設け、
反応室15に溜まった水素の圧力で、反応室15の第2
アルカリ水溶液の液面を押し下げ、廃材アルミニウムを
第2アルカリ水溶液から露出させることにより、水素の
取出しが行われないときに自動的に反応を停止できるよ
うに構成したことを特徴とする。第3発明は、前処理槽
2に連通口3で連通する廃材アルミニウムの投入槽4を
設け、前記連通口3の下側壁3aを第1アルカリ水溶液
と廃材アルミニウムの反応により生じた水素が前記連通
口3から出ないように前処理槽2の奥側に突出させたこ
とを特徴とする。
【0007】第4発明は、反応槽5内の廃材アルミニウ
ムを収容する受体を設け、その受体に第2アルカリ水溶
液と廃材アルミニウムの反応生成物が反応槽5の底部に
向かって落ちることができる開口を設け、その開口から
落ちた反応生成物を受体よりも下側位置に設けられた前
記水封コンベア21で反応槽5外に排出するように構成
したことを特徴とする。第5発明は、熱交換手段を設け
ることにより廃材アルミニウム周辺の第2アルカリ水溶
液の温度を外部から制御可能に構成したことを特徴とす
る。
【0008】第6発明は、前記第1アルカリ水溶液と第
2アルカリ水溶液をともに、廃棄物で生成された廃アル
カリ水溶液で構成したことを特徴とする。第7発明は、
前記第2アルカリ水溶液を廃石灰を用いて生成した廃水
酸化カルシウム水溶液で構成したことを特徴とする。第
8発明は、第1アルカリ水溶液を廃棄物で生成された廃
苛性ソーダ水溶液で構成したことを特徴とする。
【0009】上記第1発明〜第8発明について、さらに
説明する。本明細書において、第1発明に記載した『水
封コンベア』とは、水溶液中にある反応生成物を水溶液
の液面より上にある気体域の圧力を直接変化させること
なく搬出するコンベアを言う。具体的な構成としては、
水溶液中の反応生成物をスクレーパーコンベア、スクリ
ュウコンベアなどで取り出すような構成や、水溶液の液
面より上のコンベア周囲を気体域から密閉して、水溶液
中の反応生成物を反応槽内の気体に触れることなく外部
へ搬出可能に構成したコンベアなどが例示できる。第1
発明において、反応槽で発生した水素のみならず、前処
理槽で発生した水素も所定位置に設けられた単一の水素
取出口から取り出せるように前処理槽と反応槽とを上部
域で連通させることもできる。
【0010】第7発明の場合は、水封コンベアが排出す
る反応生成物は廃材アルミニウムと廃水酸化カルシウム
水溶液の反応によって生じるアルミン酸カルシウムにな
る。第8発明において、廃苛性ソーダ水溶液と廃材アル
ミニウムとの反応により生じたアルミン酸ナトリウムと
水酸化アルミニウムの少なくとも一方を回収する回収装
置を設けることもできる。
【0011】上記『廃材アルミニウム』としては、アル
ミニウム溶融炉の残渣や、廃棄アルミ缶、廃棄アルミ建
材などが例示できる。また、『廃アルカリ水溶液』とは
廃棄されたアルカリ物質から生成されたアルカリ水溶液
や、廃棄されたアルカリ水溶液を用いて生成されたアル
カリ水溶液を含む概念である。上記『廃アルカリ水溶
液』は原料として廃棄物を使用しているという意味であ
り、廃棄されたアルカリ水溶液をそのまま水素発生反応
に使う場合や、廃棄されたアルカリ水溶液に含まれる不
純物を除去して、比較的純度の高い『アルカリ水溶液』
に変える過程を含むことを除外するものではない。その
限定がないことは『廃苛性ソーダ水溶液』も同様であ
る。
【0012】また、第6発明〜第8発明において、廃棄
物を100%使用しなければならないということはな
く、実質的に製造原価が下がる程度に『廃アルカリ水溶
液』、『廃苛性ソーダ水溶液』、『廃石灰』などが含ま
れておれば良い。『廃石灰』とは廃棄物としての石灰を
言い、廃棄物としての消石灰、生石灰を含む概念であ
る。
【0013】上記第1発明〜第8発明の装置を、石灰製
造工場に設置すれば、発生する水素ガスを輸送トラック
やパイプラインなどの特別の輸送手段を用いなくても、
そのまま石灰製造工場の補助燃料として有効に用いるこ
とができる。同様に、上記第1〜第8の各発明において
も廃棄物処理工場において、廃材アルミミウム、廃アル
カリ水溶液、廃石灰などを用いて生成した水素をその廃
棄物処理工場の動力燃料(内燃動力源、水素による発電
等)として使用することにより、全体として考えたとき
の廃棄物処理価格を下げることができる。
【0014】
【作用及び効果】第1発明であれば、前処理槽において
廃材アルミニウムを第1アルカリ水溶液により前処理し
て、後の反応槽における反応を行いやすくした後、搬送
コンベアにより前処理された廃材アルミニウムを反応槽
に移送させる。このように反応槽の前に廃材アルミニウ
ムの表面除去などを行う前処理槽を設けることにより、
反応槽での反応を促進安定化させることができる。ま
た、移送された廃材アルミニウムは反応槽において第2
アルカリ水溶液と反応させ、所定位置に設けられた水素
取出口から少なくとも反応槽から生じた水素を取り出す
ことができる。さらに、水封コンベアにより反応槽内の
第2アルカリ水溶液と廃材アルミニウムと反応して生成
された沈殿生成物を反応槽から取出すので、反応槽の気
体域の圧力を直接変化させることがなく沈殿生成物を取
出すことができ、水素と沈殿生成物の取出し処理を簡単
化かつ効率化できる。
【0015】第2発明であれば、水素の取出しが行われ
ない場合は、反応室に溜まった水素の圧力で、反応室の
第2アルカリ水溶液の液面を押し下げ、廃材アルミニウ
ムを第2アルカリ水溶液から露出させるので、水素の取
出しが行われないときに反応を停止できるので水素の取
出しが不要なときに水素の発生を自動的に抑制すること
ができる。第3発明であれば、前記連通口の下側壁を第
1アルカリ水溶液と廃材アルミニウムの反応により生じ
た水素が前記連通口から出ないように前処理槽の奥側に
突出させているので、前処理槽で発生した水素を投入槽
の投入口から漏れ出すことを防止することができ、水素
の回収効率を向上させることができる。
【0016】第4発明であれば、開口のある受体で廃材
アルミニウムを保持することにより廃材アルミニウムと
第2アルカリ水溶液の接触面積を増やすことができると
ともに、特別の動力を必要とすることなく、反応により
生じた反応生成物の多くを水封コンベアの取り込み部に
沈殿させることができる。第5発明であれば、廃材アル
ミニウムと第2アルカリ水溶液の反応の速度は、廃材ア
ルミニウム周辺の第2アルカリ水溶液の温度に影響を受
けることになるが、前記熱交換手段を設けたことにより
反応の速度を外部から制御することができ、水素及び反
応生成物の生産量をコントロールすることが可能にな
る。
【0017】第6発明であれば、前記第1アルカリ水溶
液と第2アルカリ水溶液をともに廃棄物で生成された廃
アルカリ水溶液で構成したので、廃アルカリ水溶液と廃
材アルミニウムの処分を一度に行うことができる。特に
廃アルカリ水溶液と廃材アルミニウムは処理費をもらっ
て回収することができるほど入手に費用がかからないの
で、水素及び反応生成物の製造コストを大幅に安くする
ことができる。
【0018】第7発明であれば、前記第2アルカリ水溶
液を廃石灰を用いて生成した廃水酸化カルシウム水溶液
で構成したので、第2アルカリ水溶液を安価に生成でき
る。また、廃材アルミニウムと廃石灰を用いて生成した
水酸化カルシウム水溶液との反応は、例えば、廃材アル
ミニウムと苛性ソーダ水溶液との反応に比べて遅いた
め、水素発生量の制御を行いやすくなる。さらに、廃石
灰の廃棄量は他のアルカリ水溶液の原料、例えば、廃苛
性ソーダ水溶液の廃棄量などに比べて多いので第2アル
カリ水溶液の確保に困らない利点がある。
【0019】第8発明であれば、第1アルカリ水溶液を
廃棄物で生成された廃苛性ソーダ水溶液で構成したの
で、侵食作用の強い苛性ソーダで反応が起こりにくい廃
材アルミニウムの表面を除去することができ、後の第2
アルカリ水溶液との反応を円滑かつ良好に行うことがで
きる。特に、廃材アルミニウムはアルマイト処理された
酸化被膜の付いたものが多いので、後の第2アルカリ水
溶液との反応を促進する上で好都合である。さらに、酸
化被膜の付いた廃材アルミニウムは水酸化カルシウム水
溶液と反応しないので、第7発明を用いて水素の発生を
行おうとする場合は、本第8発明の意義は大きい。ま
た、前処理槽と反応槽の水素が一緒にならないように区
画した構成では、前処理槽で廃苛性ソーダ水溶液で廃材
アルミニウムに付着している不純物を除去して、反応槽
で回収される水素の純度を上げることができる利点もあ
る。
【0020】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1は本発明に係る廃材アルミニウムの処
理装置の一実施形態を示す概略構成図である。この処理
装置1は、廃材アルミニウムを苛性ソーダ水溶液により
前処理する前処理槽2と、前処理槽2に連通口3で連通
する廃材アルミニウムの投入槽4と、前処理された廃材
アルミニウムを水酸化カルシウム水溶液と反応させる反
応槽5を含んだ構成としてある。
【0021】投入槽4は、図2に示すように略逆L字形
に形成された前処理槽2の第1区画壁6に開口された連
通口3に、傾斜壁7を取り付けることにより、縦断面視
において三角形のシュートとなるように構成してある。
図1において廃苛性ソーダ水溶液槽8から供給された苛
性ソーダ水溶液9は、シュートとしての投入槽4、連通
口3を経て、前処理槽2に溜められる。廃材アルミニウ
ムも投入槽4から前処理槽2へ投入される。このような
構成では、前処理槽2上部に溜まった水素ガスの圧力が
大きくなれば、前処理槽2の苛性ソーダ水溶液の水面3
3(図2参照)が下降するにしたがって連通口3から投
入槽4側に流れ込む苛性ソーダ水溶液9の量が増え、投
入槽4の水面34は次第に上昇することになる。
【0022】また、図2に示すように、前記連通口3の
下側壁3aを、苛性ソーダ水溶液9と廃材アルミニウム
10との反応により生じた水素11が前記連通口3から
出ないように前処理槽2の奥側に突出させて設けてあ
る。図2では第1区画壁6からの突出距離をdで示して
いる。このように連通口3の下側壁3aを奥側に突出さ
せることにより、前処理槽2で発生した水素11は真っ
直ぐ上方に上昇するので、連通口3から水素11が漏れ
出すことはなくなる。なお、連通口3の下側壁3aは傾
斜壁7を前処理槽2内に突入させることで構成しても良
いし、連通口3に傾いた円筒などを連結させて構成して
も良い。
【0023】図2に示すように、前処理槽2と反応槽5
の間には、前処理された廃材アルミニウムを反応槽5に
移送させる搬送コンベアとしてのスクレイパーコンベア
12が設けてある。スクレーパーコンベア12は前処理
槽2の底部に溜まった廃材アルミニウム10を掻き揚げ
るようにして反応槽5の上部から反応室15内の水酸化
カルシウム水溶液へ落とす働きがある。前処理槽2と反
応槽5は、底から上部へ延びる第2区画壁13が立設さ
れることにより、2つのアルカリ水溶液が混合しないよ
うにしてある。また、この実施形態では、前処理槽2で
発生した水素は反応槽5で発生した水素と一緒になるよ
うに各槽2、5の上部域が連通状態になっており、その
連通開口14からスクレーパーコンベア12の廃材アル
ミニウムが投下されるようになっている。
【0024】図1に示すように、反応槽5内には廃材ア
ルミニウムの反応室15と予備室16に区画する分離壁
17を反応槽5の上壁から底壁に達しない位置まで設け
てある。反応室15の所定上壁位置には水素ガスを取出
す水素取出口18と、石灰スラリーが投入される石灰投
入口19とが設けられている。反応室5内には、スクレ
ーパーコンベア12から投入された廃材アルミニウムを
収容する受体としての網皿20を設け、反応によって生
じたアルミン酸カルシウムを網皿20の開口から沈殿さ
せることにより、網皿20の下部位置に設けられた前記
水封コンベア21で反応槽5外に排出するように構成し
てある。
【0025】反応室15の底部域には、アルミン酸カル
シウムを反応槽5から取出す水封コンベア21の取り込
み部21aが設けてあり、水封コンベア21の排出部2
1bは予備室16の側壁16aから外部へ突出して配置
してある。また、廃材アルミニウム周辺の水酸化カルシ
ウム水溶液の温度を外部から制御する熱交換器22が設
けてあり、網皿20に収容された廃材アルミニウムの反
応速度を制御できるようになっている。さらに、反応室
15内には水酸化カルシウム水溶液に流れを起こす水流
生成手段としての回転羽根23が設けてある。
【0026】上記構成の廃材アルミニウムの処理装置の
動作について簡単に説明する。まず、投入槽4から前処
理槽2に水酸化ナトリウム水溶液を供給し、投入槽4か
ら廃材アルミニウムを前処理槽2に供給する。両者の反
応によって生成した水素は、第1区画壁6の連通開口1
4から反応槽5の上部に溜まる。一方、前処理槽2内の
廃材アルミニウムは水酸化ナトリウム水溶液により表面
酸化膜等を除去するなどの前処理がされた後、スクレー
パーコンベア12により反応室15内の網皿20に供給
される。
【0027】廃石灰と水酸化カルシウム水溶液は、ミキ
サー24により混合され、石灰スラリーとされた後、石
灰投入口19から反応槽5内の反応室15へ供給され
る。反応室15内で発生した水素は反応室15上部に溜
まるとともに、アルミン酸カルシウムは、水封コンベア
21の取り込み部21aに沈殿する。水封コンベア21
によって反応槽5から取り出されたアルミン酸カルシウ
ムは乾燥され、有益な生産物として回収される。一方、
水素取出口18からガスブースター25により吸引され
た水素ガスは、加圧水封タンク26内に貯蔵される。ま
た、反応槽5内の水酸化カルシウム水溶液はスラリーポ
ンプ29により反応槽5外に取り出され、一部は、再び
反応室15に戻され(図1において※1で示す)、残り
の一部は廃石灰と混合される水酸化カルシウム水溶液槽
28に戻される(図1において※2で示す)。
【0028】なお、前処理槽2からは、スラリーポンプ
30、遠心分離機31を経て、反応生成物としてのアル
ミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウムが回収され、残
りの水酸化ナトリウム水溶液は廃苛性ソーダ水溶液槽8
に戻される(図1において※3で示す)。
【0029】次に、反応槽5内に分離壁17を設け、反
応室15と前処理槽2に溜まった水素の圧力で、反応室
15の水酸化カルシウム水溶液の液面を押し下げ、廃材
アルミニウムを水酸化カルシウム水溶液から露出させる
ことにより、水素の取出しが行われないときに自動的に
反応を停止できる作用について説明する。まず、発生し
た水素をガスブースター25で吸引しているときは、反
応室15の上部は負圧になり、反応室15内の水面は実
線35で示す位置に上昇して、網皿20内の廃材アルミ
ニウムは水酸化カルシウム水溶液に完全に漬かっている
状態が維持される。
【0030】そして、水素の吸引が行われないとき、即
ち、水素を使用しない場合は、反応室15内で次々に発
生する水素の圧力により、反応室15内の水面35が徐
々に下がるとともに予備室16の水面が上昇する。そし
て最終的には、反応室15内の水面35は、廃材アルミ
ニウムが水面から露出して反応が停止する破線32の位
置まで低下することになる。このように反応室15と予
備室16とを設け、反応室15に溜まる水素の圧力によ
って水面が下降し、自動的に反応が停止するように液中
の廃材アルミニウムの高さ位置を設定しておくことによ
り、不必要な水素を生産することを防止することができ
る。
【0031】図3は実施例に記載した廃材アルミニウム
の処理装置を方法として把握した場合の一実施形態を示
すフローチャートである。図3において、過程1におい
て、廃苛性ソーダで廃材アルミニウムの表面を除去する
ことにより不純物を除去し、過程2において、廃苛性ソ
ーダで処理後の廃材アルミニウムを廃石灰水に投入し、
過程3において、発生する水素を回収して一連の過程を
終了する。なお、必要に応じて、廃苛性ソーダに廃材ア
ルミニウムを投入する前と、廃材アルミニウムの表面が
処理された後の時点において廃材アルミニウムを所定大
きさに細分化しても良い。また、過程1では必要に応じ
て、水素の回収、アルミン酸ナトリウムの回収、
水酸化アルミニウムの回収を行っても良い。同様に、過
程2では必要に応じてアルミン酸カルシウムの回収を行
っても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る廃材アルミニウムの処理方
法を利用した廃材アルミニウムの処理装置の一実施形態
を示す概略構成図である。
【図2】図2は本発明に係る投入槽と前処理槽の拡大縦
断面図である。
【図3】図3は本発明に関係する廃材アルミニウムの処
理方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…前処理槽、3…連通口、4…投入槽、5…反応槽、
12…スクレーパーコンベア、15…反応室、16…予
備室、17…分離壁、18…水素取出口、20…網皿、
21…水封コンベア、22…熱交換器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 3/00 304Z (71)出願人 501402213 河原 申治 愛知県豊田市新生町2丁目3番地11 (71)出願人 501295682 秋山 友宏 宮城県仙台市青葉区赤坂2丁目1番19号 (71)出願人 501493532 上杉 浩之 東京都杉並区本天沼1丁目22番20号 (72)発明者 飯田 勝康 大阪府大阪市中央区南船場1丁目3番5号 株式会社アイテック内 (72)発明者 久野 雅世 愛知県西加茂郡三好町大字三好字蜂ケ池13 (72)発明者 細川 宏 岐阜県大垣市赤坂町3751番地 上田石灰製 造株式会社内 (72)発明者 河原 申治 愛知県豊田市新生町2丁目3番地11 (72)発明者 秋山 友宏 仙台市青葉区赤坂2丁目1−19番地 (72)発明者 上杉 浩之 東京都杉並区本天沼1丁目22番20号 Fターム(参考) 4D004 AA27 AA31 AA44 BA03 CA13 CA34 CB42 CB43 CC11 DA02 DA06 4G076 AA02 AA10 AA18 AB06 AB18 AB27 AB28 BA26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃材アルミニウムを第1アルカリ水溶液
    により前処理する前処理槽と、前処理された廃材アルミ
    ニウムを第2アルカリ水溶液と反応させる反応槽と、前
    処理槽により前処理された廃材アルミニウムを反応槽に
    移送させる搬送コンベアと、反応槽内の第2アルカリ水
    溶液と廃材アルミニウムと反応して生成された沈殿生成
    物を反応槽から取出す水封コンベアとを備え、少なくと
    も反応槽で発生した水素を所定位置に設けられた水素取
    出口から取り出せるように構成したことを特徴とする、
    廃材アルミニウムの処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の廃材アルミニウムの処
    理装置において、前記反応槽内を廃材アルミニウムの反
    応室と予備室に区画する分離壁を反応槽の上壁から底壁
    に達しない位置まで設け、反応室に溜まった水素の圧力
    で、反応室の第2アルカリ水溶液の液面を押し下げ、廃
    材アルミニウムを第2アルカリ水溶液から露出させるこ
    とにより、水素の取出しが行われないときに自動的に反
    応を停止できるように構成した、廃材アルミニウムの処
    理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし請求項2のいずれか1項
    に記載の廃材アルミニウムの処理装置において、前処理
    槽に連通口で連通する廃材アルミニウムの投入槽を設
    け、前記連通口の下側壁を第1アルカリ水溶液と廃材ア
    ルミニウムの反応により生じた水素が前記連通口から出
    ないように前処理槽の奥側に突出させた、廃材アルミニ
    ウムの処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載の廃材アルミニウムの処理装置において、反応槽
    内の廃材アルミニウムを収容する受体を設け、その受体
    に第2アルカリ水溶液と廃材アルミニウムの反応生成物
    が反応槽の底部に向かって落ちることができる開口を設
    け、その開口から落ちた反応生成物を受体よりも下側位
    置に設けられた前記水封コンベアで反応槽外に排出する
    ように構成した、廃材アルミニウムの処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の廃材アルミニウムの処理装置において、熱交換
    手段を設けることにより廃材アルミニウム周辺の第2ア
    ルカリ水溶液の温度を外部から制御可能に構成した、廃
    材アルミニウムの処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    に記載の廃材アルミニウムの処理装置において、前記第
    1アルカリ水溶液と第2アルカリ水溶液をともに、廃棄
    物で生成された廃アルカリ水溶液で構成した、廃材アル
    ミニウムの処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    に記載の廃材アルミニウムの処理装置において、前記第
    2アルカリ水溶液を廃石灰を用いて生成した廃水酸化カ
    ルシウム水溶液で構成した、廃材アルミニウムの処理装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれか1項
    に記載の廃材アルミニウムの処理装置において、第1ア
    ルカリ水溶液を廃棄物で生成された廃苛性ソーダ水溶液
    で構成した、廃材アルミニウムの処理装置。
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