JP2003190308A - ガス排出通気孔を有する呼吸マスクおよび呼吸マスクのためのガス排出通気孔アセンブリ - Google Patents

ガス排出通気孔を有する呼吸マスクおよび呼吸マスクのためのガス排出通気孔アセンブリ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CPAP治療に用いられるタイプの呼吸マス
クと合わせた使用に適した通気孔アセンブリを提供する
こと。 【解決手段】 1つの実施形態では、通気孔は薄い空気
透過膜から作られる。一般に、膜は0.5mmよりも薄
い。膜はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の
疎水性材料から作ることができる。また、膜は延伸加工
PTFEから作ることもできる。延伸加工PTFE膜は
ポリプロピレン・スクリムに取り付けられる。膜の孔の
標準孔サイズは10〜15ミクロンである。代替実施形
態では、通気孔アセンブリはステンレス鋼から構成され
た通気孔を含む。別の実施形態では、膜の断面積が約5
00mm2である。別の実施形態では、通気孔アセンブ
リが、通気孔フレームに取り付けられた膜を備え、通気
孔アセンブリが、マスク・フレームに着脱可能に取り付
けることのできるインサートを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、呼吸マスクおよび
呼吸マスクのためのガス排出通気孔に関する。
【0002】
【従来の技術】鼻マスクを介した持続的陽圧呼吸法(C
PAP)は、出願人の米国特許第4944310号に記
載されているように、閉塞性睡眠無呼吸(OSA)を含
む睡眠障害呼吸(SDB)の改善治療に一般に適用され
ている。OSAのためのCPAP治療では、空気または
他の呼吸可能なガスが、大気圧よりも高い圧力、典型的
には患者との接触部分で測定して3〜20cmH2Oで
患者の気道入口に供給される。患者の必要に応じて治療
圧力のレベルを治療期間中に変化させることも知られて
おり、その形態のCPAPは、出願人の米国特許第52
45995号に記載されている鼻CPAP治療を自動的
に調整するものとして知られている。
【0003】非観血的陽圧換気法(NIPPV)は、睡
眠障害呼吸を含む呼吸障害の別の治療形態である。基本
的な形態では、NIPPVは、比較的高圧のガスが呼吸
の吸気相中に患者との接触部分に送られ、比較的低い圧
力または大気圧が呼吸の呼気相中に患者との接触部分に
送られることを含む。他のNIPPVの形態では、呼吸
周期全体を通して圧力を複雑に変化させることができ
る。例えば、出願人の国際PCT特許出願第WO98/
12965号および国際PCT特許出願第WO99/6
1088号に開示されているように、吸気または呼気中
の患者との接触部分での圧力を、治療期間を通して変化
させることができる。
【0004】本明細書中では、CPAP治療への言及
は、換気治療または換気補助の前記の形態の全てを包含
するものと理解すべきである。
【0005】典型的には、CPAP治療のための患者と
の接触部分は鼻マスクで構成される。鼻マスクは、一般
にその内面とマスク・クッションと使用者の顔とにより
画定される内部キャビティを形成するマスク・シェル
と、スイベル・エルボ等の別個の部品を含むまたは含ま
ないガス入口とにより画定される。あるいは、鼻口マス
ク、全面マスク、鼻プロング、または鼻ピローを使用す
ることができる。本明細書中では、特に指示のない限
り、マスクへの言及は鼻マスク、鼻口マスク、全面マス
ク、鼻プロング、または鼻ピローへの言及を組み入れる
ものと理解すべきである。マスクは、吐出したガスを大
気中へ通気するためのガス排出通気孔を近接して組み入
れ、または有している。ガス排出通気孔(通気孔)はC
2排出通気孔として言及されることがある。
【0006】患者が治療に従うように促すため、装置は
静音で快適なものであることが重要である。吐出したガ
スを通気孔を通して大気中に排出することにより、騒音
が生じる。CPAP治療およびNIPPV治療は通常患
者の睡眠中に行われるので、患者の快適性と同室の患者
との両方に配慮して、そのような騒音を最小にすること
が望ましい。
【0007】臨床上の観点から、マスクと通気孔との組
み合わせでは、吐出されたCO2を通気孔を通して最大
限除去し、なおかつ供給された呼吸可能なガスを最大限
吸入することが望ましい。このようにすれば、着用者が
「再び吸って」しまうマスク内の吐出CO2の残留分は
最小になる。一般に、マスク・シェル内に通気孔を配置
することにより、マスク・シェルと呼吸可能なガス供給
導管との間に同様の通気孔を配置する場合よりも、CO
2の排出性が優れたものとなる。
【0008】患者の快適性をより高めるために、通気孔
アセンブリの重さを最小にすることが望ましい。
【0009】鼻CPAP治療を行うためのシステムで
は、しばしば直列型加湿器を組み入れて、鼻粘膜の乾燥
を最小にし、患者の快適性を高める。従って、加湿した
ガスと共に使用した場合に通気孔が閉塞されないことが
望ましい。また、通気孔を容易に洗浄でき、経済的に使
い捨てできることが望ましい。
【0010】いくつかの通気孔の形成が知られている。
通気孔を形成する1つの手法は、排出ガスが内部キャビ
ティから大気中へ流れるようにする1つまたは複数の開
口を、マスク・シェル内に作ることである。排出流を、
マスク・シェル外面に配置された開口から外側に延びる
追加の管を組み入れることにより、方向付けしてもよ
い。
【0011】ResMedモジュラー・マスク・システ
ムの名で知られる出願人の鼻マスク・システムは、マス
ク・シェルに接続されたスイベル・エルボ内に配置され
た出口通気孔を組み入れている。通気孔を画定するポー
トは同一の断面厚さを有し、スイベル・エルボおよびマ
スク・シェル・フレームの形成に使用したものと同一の
ポリカーボネート材料から形成される。
【0012】Respironics,Incにより製
造されたウィスパー・スイベルは、一般に円筒形の取付
け部品の周囲に3つの長孔を設けている。使用時には、
取付け部品がマスク・シェルとガス導管との間に配置さ
れる。取付け部品は、マスク・シェルの製造に使用した
ものと同一の材料および厚さで作られる。
【0013】欧州特許第697225号は、多孔焼結材
料から形成された通気孔を開示している。
【0014】Gottleib Weinmann G
erate Fur Medizin Und Arb
eitsschutz GmbH and Co.によ
り製造された公知の通気孔は、使用時にマスク・シェル
とガス導管との間に配置される一般に円筒形のインサー
トを備えている。このインサートは約3〜4mmの厚さ
の多孔焼結材料で覆われた窓を含んでいる。
【0015】マスク・シェルと呼吸可能なガス供給導管
との間に挿入される別のタイプの通気孔には、Drae
ger medizintechnik GmbHによ
り製造されたE−Vent N(Draeger通気
孔)がある。Draeger通気孔は積み重なった21
枚の環状ディスクを備え、これらのディスクは隣接する
面に長孔を有してガスがそれらを通って流れるようにな
っている。各長孔は、通気孔の内部から大気中までの通
路に沿って測定して5〜7mmの長さを有する。
【0016】出願人はMIRAGE(登録商標)鼻マス
ク・システムおよびMIRAGE(登録商標)全面マス
ク(MIRAGEマスク)として知られる呼吸マスクを
製造している。MIRAGE(登録商標)マスクはマス
ク・シェル内に三日月形の開口を有し、その中には通気
孔を構成する6つの孔を内部に持つ相補形状の三日月形
エラストマー・インサートが配置されている。エラスト
マー・インサートの断面厚さは3〜4mmである。MI
RAGE(登録商標)で使用されるタイプの通気孔が、
国際特許出願第WO98/34665号およびオースト
ラリア特許第712236号に記載されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、呼吸
マスクでの使用に適した通気孔の代替形態を提供するこ
とである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、CPAP治療
で用いられるマスクと合わせた使用に適した通気孔アセ
ンブリを提供し、この通気孔アセンブリは薄い空気透過
膜である。
【0019】本発明の1つの形態では、膜がマスク・フ
レームよりも薄い。
【0020】本発明の別の形態では、膜が0.5mmよ
りも薄い。
【0021】本発明の別の形態では、膜が約0.05m
mの厚さである。
【0022】本発明の別の形態では、膜がポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)等の疎水性材料から構成さ
れる。
【0023】本発明の別の形態では、膜が延伸加工PT
FEから構成される。
【0024】本発明の別の形態では、延伸加工PTFE
膜がポリプロピレン・スクリムに取り付けられる。
【0025】本発明の別の形態では、膜の孔の標準孔サ
イズが10〜15ミクロンである。
【0026】本発明の別の形態では、膜がステンレス鋼
から構成される。
【0027】本発明の別の形態では、通気孔の膜の断面
積が約500mm2である。
【0028】本発明の別の形態では、通気孔アセンブリ
が、通気孔フレームに取り付けられた膜を備え、通気孔
アセンブリが、マスク・フレームに着脱可能に取り付け
ることのできるインサートを形成する。
【0029】本発明の別の形態では、呼吸可能なガスを
着用者の気道入口に連通させるための呼吸マスクが設け
られ、マスクが(i)マスク・シェル、(ii)ガス入
口、(iii)開口を含み、この開口には対応する形状
を持つ薄い空気透過膜から構成されたインサートを配置
することができる。開口をマスク・シェルまたはガス入
口内に配置してもよい。
【0030】1つの形態では、一体形成されたガス入口
を持つマスク・シェルをマスクが含み、入口から離れた
マスク・シェル内に開口が設けられる。別の形態では、
一体形成されたガス入口を持つマスク・シェルをマスク
が含み、ガス入口内に開口が設けられる。さらに別の形
態では、別形成されたガス入口を取り付けたマスク・シ
ェルをマスクが含み、入口から離れたマスク・シェル内
に開口が設けられる。さらに別の形態では、別形成され
たガス入口を取り付けたマスク・シェルをマスクが含
み、ガス入口内に開口が設けられる。
【0031】本発明はまた、呼吸可能なガスを着用者の
気道入口に連通させる呼吸マスク構成を提供し、このマ
スク構成は、薄い空気透過膜が開口にわたって延びる開
口を備えた通気孔アセンブリを含んでいる。
【0032】本発明はまた、CPAPを行うための装置
を提供し、この装置は呼吸可能なガスを着用者の気道入
口に連通させるマスク構成を含み、このマスク構成は、
薄い空気透過膜が前記開口にわたって延びる開口を備え
たガス排出通気孔アセンブリを含んでいる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施形態に
よる鼻呼吸マスク10を示している。マスク10は剛性
のプラスチック製マスク・シェル12を含み、このマス
ク・シェル12はクッション(図示せず)をマスク・シ
ェル12に取り付けるための周囲フランジ14を有す
る。クッションは使用時に着用者の顔に当接し、当技術
分野では公知のものである。フランジ14は、着用者の
頭の回りに延びてマスク10を着用者の顔に隣接して保
持するマスク拘束ストラップ(図示せず)を接続するた
めの長孔15を含んでいる。このストラップも当技術分
野では公知である。また、マスク・シェル12はアーム
16を含み、このアーム16は、当技術分野で公知の額
サポート(図示せず)に接続するようになされた金具1
8を終端に有する。
【0034】マスク・シェル12は、マスク・シェル1
2に回転可能に取り付けられた呼吸可能なガス入口20
を含んでいる。ガス入口20は、呼吸可能なガス供給導
管(図示せず)に接続するように構成された第1の端部
22と、マスク・シェル12内部に接続され、供給され
たガスをマスク・シェル12内部に連通させ、続いて着
用者の気道に連通させるようになされた第2の端部24
とを有する。
【0035】マスク10は、薄い空気透過膜28がそれ
にわたって延びる、マスク・シェル12内の開口26に
より構成されたガス排出通気孔を含んでいる。
【0036】図1の実施形態では、薄い空気透過膜28
は直径約0.1mmの孔を有する約0.45mmのステ
ンレス鋼シートである。全開放面積は、シートの全表面
積の約5%である。シートの寸法は約322mm2であ
る。孔はステンレス鋼にレーザ・カットされている。孔
はステンレス鋼を通してレーザ・カットまたはフレーム
・カットされることが望ましい。
【0037】孔の直径は0.2mm未満であることが好
ましく、全開放面積は、鋼の表面積の約1%〜25%で
あることが好ましい。孔はその内腔を通して(徐々にま
たは段付き状に)テーパ形状になっていてもよい。使用
時には、通気孔の開口の小さい方の端部を大気側に配置
すると、粒子物質の挿入により生じる閉塞の可能性が最
小になる。あるいは、通気孔の開口の大きい方の端部を
大気側に配置して通気孔をより静音にしてもよい。
【0038】図2は本発明の第2の実施形態による鼻呼
吸マスク40を示している。第1の実施形態を説明する
のに使用したものと同様の符号を用いて、第2の実施形
態に関して同様の特徴を示す。従って、マスク40はガ
ス入口20を持つマスク・シェル12を有する。第1の
実施形態の長孔15の代わりに、マスク・シェルは、マ
スク拘束ストラップ(図示せず)の端部に設けられた接
続金具(図示せず)にスナップ係合するようになされた
開口42を含んでいる。さらに、アーム16および金具
18の代わりに、マスク40は全体を参照番号44で示
した調節可能な額サポート機構を含んでいる。
【0039】また、マスク40は、ガス入口20内に形
成され薄い空気透過膜28がそれにわたって延びる開口
26により構成された通気孔を含んでいる。
【0040】図3は本発明の第3の実施形態によるマス
ク60を示している。本実施形態は鼻マスクに向けたも
のであるが、種々の通気孔構成を種々のマスク構成と共
に使用することができる点に注目すべきである。再び第
1の実施形態の特徴を説明するのに使用したものと同様
の参照番号を用いて、第3の実施形態に関して同様の特
徴を示す。マスク60は一体形成された固定ガス入口6
2を持つマスク・シェル12を含んでいる。クッション
64がマスク・シェル12の周囲フランジ14に取り付
けられている。また、マスク・シェル12はヘッドギヤ
(図示せず)をマスクに接続するための孔開き延長部6
6を含んでいる。マスク60は開口26を含み、それに
わたって、図6に示すマスク40に関連して以下に述べ
るePFTE膜と同一構成の、薄い空気透過膜28が延
びている。
【0041】図4は通気孔アセンブリ110の断面図を
示している。外部要素112と内部要素116との間に
膜114が設けられている。この構成は単一のアセンブ
リに備えたものである。外部要素112および内部要素
116内には対応する開口115があり、空気が膜を通
過できるようになっている。内部要素116が、マスク
・フレームまたはマスク・フレームの開口内に配置され
る別個のインサートの一部を形成するようにしてもよ
い。
【0042】図5は通気孔アセンブリ110の別の断面
図である。ステンレス鋼膜インサート118が内部要素
120上に配置されている。内部要素120内には開口
119があり、空気が膜を通過できるようにしている。
内部要素120が、マスク・フレームまたはマスク・フ
レームの開口内に配置される別個のインサートの一部を
形成するようにしてもよい。
【0043】図6は本発明の第6の実施形態による鼻呼
吸マスク80を示している。マスク80は図2に示すマ
スク40の第2の実施形態と類似しており、同様の参照
番号を用いて、第2の実施形態に関して同様の特徴を示
す。図2のマスク40では通気孔がガス入口20内に設
けられるが、マスク80では通気孔がマスク・シェル1
2内に設けられる。より詳細には、マスク80は2つの
円筒形インサート82を含み、これらは薄い空気透過膜
28がそれにわたって延びる内部開口26を有する。薄
い空気透過膜は481mm2の面積を有するポリプロピ
レン・スクリムに取り付けられたGORE−TEX(登
録商標)製品から作られる。膜は延伸加工ポリテトラフ
ルオロエチレン(ePTFE)から構成される。発明者
らはアメリカ合衆国、メリーランド州のW.L.Gor
e & Associates,Inc.より製造され
たGORE−TEX(登録商標)ePTFE製品(GO
RE−TEX(登録商標)メンブレン)が、膜を構成す
るのに適した材料であると認識している。1つの好まし
い形態では、GORE−TEX(登録商標)メンブレン
は以下の特性を有する。 メンブレン材料 100%延伸加工ポリテトラフルオロエチレン 標準孔サイズ 10〜15ミクロン バブル・ポイント 典型的には最小で各0.02バール 気流 0.37LPM/cm2 厚さ 0.05mm 下地 ポリプロピレン・スクリム
【0044】図7は本発明による全面呼吸マスク100
の第7の実施形態を示している。再び前述の実施形態と
同様の特徴を示すのに用いたものと同様の参照番号を使
用して、本実施形態に関して同様の特徴を示す。マスク
100は、通気孔がインサート82内に設けられている
という点で、図6に示すマスク80に類似している。し
かし、マスク100は、開口42ではなく孔開き延長部
66を使用してマスク拘束ストラップ(図示せず)を取
り付けている。
【0045】図6に示すインサートの拡大図である図8
に最もよく見られるように、インサート82は、マスク
・シェル12に設けられた円形オリフィス88内にぴっ
たりと嵌入する大きさの円筒形部分86を備えている。
インサート82は周囲フランジ90によりマスク・シェ
ル12の外面に対して配置されている。インサートを定
位置に接着してもよい。
【0046】図9は、直列型の通気孔アセンブリを設け
た本発明のさらなる実施形態を示している。同様の参照
番号を使用して前述の実施形態と同様の特徴を示す。本
実施形態では、直列型の通気孔アセンブリは前述した膜
で覆われた「窓」または「ポート」を持つ一般に円筒形
状の通気孔フレームを備えている。
【0047】本発明の薄い空気透過膜は適宜のいかなる
手段によってマスクに取り付けてもよい。例えば、前述
したステンレス鋼の通気孔を(例として)熱接着または
その他の適宜の接着によりポリカーボネートのマスク・
シェルに取り付けてもよい。達成しようとする耐久性に
よって、適切な取付け手法が決まる。
【0048】さらなる実施形態では、通気孔を通過した
空気の量、あるいは通気孔アセンブリが使用された時間
を示す手段が設けられている。十分な量の空気が通気孔
アセンブリを通過すると、またはアセンブリが十分な時
間使用されて閉塞すると、インジケータが、通気孔アセ
ンブリを交換すべきであるとの信号を送る。
【0049】便宜を図って、図8に示すように、薄い空
気透過膜を、押嵌め機構を介してマスク・シェルに解放
可能に取り付けることのできるインサート内に設けるこ
とができる。インサートの少なくとも外面上に、空気透
過膜がマスク・シェルの受けオリフィス内に配置される
際に空気透過膜を損傷から保護する少なくとも1つの横
材を設けることが好ましい。この手法により、マスクの
他の部品を保持しながら通気孔インサートを容易に配
置、取外し、交換できるようになる。インサートは、必
要とされるいかなる形状をとるように構成してもよい
が、インサートが、マスク・シェルまたはガス入口の対
応する円形オリフィス内に摩擦嵌入する円筒形インサー
トを画定する円形周囲形状であることが好ましい。
【0050】インサート構成の使用を通して通気孔を形
成することにより、使用者の要求に合った通気孔の選択
および装着が容易になる。例えば、低い治療圧力が必要
な場合、関連する流れが、より高い治療圧力を達成する
のに必要な流れに比べて比較的小さくなる。このような
状況で、比較的大きな通気孔面積を採用して、臨床上望
ましいマスクCO2排出率を達成することが容易になる
ようにしてもよい。より高い治療圧力が必要な場合、予
め選択した通気孔を、流れに対してより制限的な通気孔
と交換してもよい。より制限的な通気孔により、騒音の
激しさと、予め選択した低圧通気孔が高い治療圧力で使
用された場合に生じる排出ガス噴射とを避けつつ、臨床
上望ましいマスクCO2排出率を達成することができ
る。
【0051】通気孔をマスク・シェル内に配置すること
により、通気孔を直列型のマスク部品として配置するの
に比べて、マスク内でのCO2残留の最小化を図ること
ができる。
【0052】本発明を特定の例に関して説明したが、こ
れらの例は単に本発明の原理の適用を例示しているに過
ぎないことを理解すべきである。従って、本発明の例示
した例において多数の修正を行うことができ、本発明の
精神および範囲を逸脱することなく他の構成を案出でき
ることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による呼吸マスクの斜
視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による呼吸マスクの斜
視図である。
【図3】本発明の第3の実施形態による呼吸マスクの斜
視図である。
【図4】本発明の第4の実施形態による通気孔アセンブ
リの部分断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態による通気孔アセンブ
リの部分断面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態による呼吸マスクの斜
視図である。
【図7】本発明の第7の実施形態による全面マスクの斜
視図である。
【図8】図6および図7に示すマスクと合わせた使用に
適したインサートの拡大詳細図である。
【図9】本発明の第8の実施形態による通気孔アセンブ
リの斜視図であり、薄い空気透過膜がマスク・エルボへ
の取付けに適した管の円筒形位置に配置されている。
【符号の説明】
10 マスク 12 マスク・シェル 14 フランジ 15 長孔 16 アーム 18 金具 20 ガス入口 26 開口 28 薄い空気透過膜
フロントページの続き (72)発明者 アレクサンダー ヴィール オーストラリア国 ニューサウスウェール ズ、 バルメイン、ノース ストリート 21 (72)発明者 ジェフリー クランブリン オーストラリア国 ニューサウスウェール ズ、 ボークハム ヒルズ、ベンワーリン アヴェニュー 17 Fターム(参考) 2E185 AA07 BA19 CA03 CB02 CC22 CC33

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用者の鼻を覆って装着することのでき
    るマスク・シェルと、 マスク・シェルの縁部に近接して配置され、使用者の顔
    にマスク・シェルを装着するのを助けるクッションと、 マスクの使用時に、マスク・シェルと使用者の顔との間
    に形成された呼吸キャビティへ、マスク・シェルを通し
    てガスを導くことのできる呼吸可能なガス入口と、 呼吸キャビティからガスが流出するように形成され、構
    成され、配置された、薄い空気透過膜のガス排出通気孔
    とを備えた呼吸マスク。
  2. 【請求項2】 ガス排出通気孔がマスク・シェル内に配
    置される、請求項1に記載の呼吸マスク。
  3. 【請求項3】 ガス排出通気孔がガス入口内に配置され
    る、請求項1に記載の呼吸マスク。
  4. 【請求項4】 ガス排出通気孔が、内部に孔を有するス
    テンレス鋼シートを備えた、請求項1に記載の呼吸マス
    ク。
  5. 【請求項5】 孔の面積がステンレス鋼シートの面積の
    ほぼ5%を構成する、請求項4に記載の呼吸マスク。
  6. 【請求項6】 ステンレス鋼シートの厚さがほぼ0.4
    5mmである、請求項4に記載の呼吸マスク。
  7. 【請求項7】 ステンレス鋼シートの面積が約322m
    2である、請求項4に記載の呼吸マスク。
  8. 【請求項8】 膜が疎水性材料から作られる、請求項1
    に記載の呼吸マスク。
  9. 【請求項9】 ガス排出孔空気透過膜が延伸加工ポリテ
    トラフルオロエチレンを含む、請求項1に記載の呼吸マ
    スク。
  10. 【請求項10】 ガス排出孔空気透過膜が、スクリム上
    に設けられたGORE−TEX(登録商標)メンブレン
    を含む、請求項9に記載の呼吸マスク。
  11. 【請求項11】 スクリムがポリプロピレンから作られ
    る、請求項10に記載の呼吸マスク。
  12. 【請求項12】 膜の面積が約480mm2である、請
    求項10に記載の呼吸マスク。
  13. 【請求項13】 膜の厚さが約0.05mmである、請
    求項10に記載の呼吸マスク。
  14. 【請求項14】 膜の孔サイズが約10〜15ミクロン
    である、請求項10に記載の呼吸マスク。
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