JP2003185617A - センサーおよび電気化学装置 - Google Patents

センサーおよび電気化学装置

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JP2003185617A JP2001382394A JP2001382394A JP2003185617A JP 2003185617 A JP2003185617 A JP 2003185617A JP 2001382394 A JP2001382394 A JP 2001382394A JP 2001382394 A JP2001382394 A JP 2001382394A JP 2003185617 A JP2003185617 A JP 2003185617A
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隆 杉野
Masaki Kusuhara
昌樹 楠原
Masaru Umeda
優 梅田
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M Watanabe and Co Ltd
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(57)【要約】 【課題】ダイヤモンドに匹敵する広い電位窓を有するホ
ウ素炭素窒素系薄膜を用いたセンサーおよび電気化学装
置を提供すること 【解決手段】ホウ素、炭素、窒素の少なくとも2原子か
らなる材料を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホウ素、炭素、窒素
の少なくとも2原子からなる材料を用いたセンサーおよ
び電気化学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全を目指した取り組みが様
々な分野でなされている。排ガスによる大気汚染を―掃
するため電気自動車は不可欠であり、電池の研究開発が
活発に行われてきている。また、製造工場等から排出さ
れるごみ、汚水等の処理技術の開発が強く望まれてい
る。これらの研究開発には電気化学分野に負う所が大き
く、電気化学反応電極の材質によって性能が制限され
る。電気化学電極用材料として、金、白金、カーボンな
どが知られているが、更に電位窓の広い材料が望まれて
いる。また、電解質溶液やガスのセンシング、生体分野
におけるバイオセンサーが重要となる。
【0003】これまでにMOSFETのゲート部にイオ
ン感応膜を形成したイオン感応電界効果トランジスタ
(ISFET)が作製されている。ここで用いているセ
ンサーおよび電気化学装置の名称は前述の電池、材料合
成、分解装置、および物質検知機能を有する素子等をす
べて含んでいる。現在、センサーおよび電気化学装置の
高性能化重要であり、これに適した新しい基盤材料の開
発が望まれる。
【0004】これを解決するため、近年、ダイヤモンド
を電気化学電極に用いることが考えられ、研究が進めら
れている。従来、電極として用いられている金、白金、
カーボンに比べ、広い電位窓を有することが見出され、
生体系物質センサーとして応用できる可能性も示唆され
ている。しかし比較的成長温度が高く、大面積基板への
成膜が容易でないと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況で化学
的安定性に富み、高い熱伝導性等の優れた特性を有する
ダイヤモンド薄膜が注目されているが、プラズマCVD
法による大面積成膜技術が確立されていないのが現状で
ある。このため合成が容易で、電位窓をはじめ他の特性
がダイヤモンドに匹敵する新しい材料が望まれている。
【0006】本発明は上記の状況に鑑みてなされたもの
で、ダイヤモンドに匹敵する広い電位窓を有するホウ素
炭素窒素系薄膜を用いたセンサーおよび電気化学装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明のセンサーおよび電気化学装置の基盤材料とし
てホウ素、炭素、窒素の少なくとも2原子からなる膜を
用いることを特徴とする。
【0008】また、上記目的を達成し、センサーおよび
電気化学装置の性能向上のため、本発明の膜にイオウ、
珪素、酸素のいずれかの原子を含むことを特徴とする。
【0009】
【実施例】以下に本発明の成膜方法および成膜装置につ
いて図面を用いて詳しく説明する。
【0010】(実施例1)本発明の膜を用いて電気化学
電極を作製し、重要な特性の1である電位窓を評価した
第1実施例を以下に示す。プラズマアシスト化学気相合
成法によりシリコン基板上へのホウ素炭素窒素薄膜の成
膜を行う。原料ガスとして三塩化ホウ素、窒素、メタン
を用いた。高周波(13.56MHz)電力を供給し、
窒素の誘導結合プラズマを生成した。三塩化ホウ素とメ
タンを分解し、基板にホウ素炭素窒素薄膜を堆積させ
た。基板温度は650℃とした。300℃までの低温に
おいても成膜は可能である。膜厚は50−100nmと
した。得られた膜は多結晶薄膜でアモルファス成分を多
く含んでいることが透過電子顕微鏡、透過電子線回折に
よって示された。
【0011】電気化学電極としての電位窓の評価を0.
5モルの硫酸溶液を用いて行った。参照電極にAg/A
gCl、対極に白金を用いた。図1に示すように―1.
5Vから2Vの電位窓が得られることが見出された。こ
れはダイヤモシド薄膜の場合と同等であり、電気化学装
置の電極材料として用いられる。
【0012】本実施例では基板材料としてシリコンを用
いたが、それ以外の金属や半導体材料も用いることがで
きる。また、本実施例のプラズマアシスト化学気相合成
法で材料ガスとして窒素ガス、塩化ホウ素、メタンガス
を用いたが、窒素材料としてアンモニアガスを用いるこ
ともできる。また、塩化ホウ素の代わりにジボランガス
を用いることができる。また、炭素の供給としてメタン
ガス以外のエタンガスやアセチレンガス等の炭化水素ガ
スやトリメチルボロンをはじめホウ素や窒素の有機化合
物も用いることができる。合成方法についてもプラズマ
アシスト化学気相合成法だけでなく、他のスパッタ法な
どの物理気相合成法なども用いることができる。
【0013】(実施例2)本発明の第2実施例はセンサ
ーの作製に関するものであり、図2に示す。第1実施例
と同様の成膜方法を用い、ホウ素炭素窒素膜を合成す
る。プラズマアシスト化学気相合成法により石英基板1
上へのホウ素炭素窒素薄膜2の成膜を行う。
【0014】原料ガスとして三塩化ホウ素、窒素、メタ
ンを用いた。高周波(13.56Mhz)電力を供給
し、窒素の誘導結合プラズマを生成した。三塩化ホウ素
とメタンを分解し、基板にホウ素炭素窒素薄膜を堆積さ
せた。基板温度は650℃とした。
【0015】膜厚は100nmとした。ホウ素炭素窒素
薄膜2をストライプ3状に露出させ、その両側に二ッケ
ルを蒸着し、電極を形成する。この2つの電極はソース
電極4とドレイン電極5として用いられる。ホウ素炭素
窒素薄膜2のストライプ3状に露出した部分にのみ溶液
を接触させることが必要であるため電極部分を樹脂6で
カバーする。
【0016】ホウ素炭素窒素薄膜2の露出したストライ
プ3の幅を100μmとした。○リング7を介して溶液
を入れる容器8に装着する。ゲート電極9を溶液10中
に入れ、ソース電極4と接続する。ドレイン電極5にバ
イアス11を印加する。ドレイン電極5に印加した電圧
とソース電極4とドレイン電極5間を流れる電流の関係
を調べる。この電流−電圧特性をpHの異なる溶液10
に対して測定する。溶液のpHを増加させるとソース電
極4とドレイン電極5間の電流変化が検知され、pHセ
ンサーとして動作することが確認できた。
【0017】本実施例では基板材料として石英を用いた
が、それ以外の絶縁体材料も用いることができる。ま
た。本実施例のプラズマアシスト化学気相合成法で材料
ガスとして窒素ガス、塩化ホウ素、メタンガスを用いた
が、窒素材料としてアンモニアガスを用いることもでき
る。
【0018】また、塩化ホウ素の代わりにジボランガス
を用いることができる。また、炭素の供給としてメタン
ガス以外のエタンガスやアセチレンガス等の炭化水素ガ
スやトリメチルボロンをはじめホウ素や窒素の有機化合
物も用いることができる。合成方法についてもプラズマ
アシスト化学気相合成法だけでなく、他のスパッタ法な
どの物理気相合成法なども用いることができる。電極用
材料として二ッケルを用いたが、これに限られることは
なく様々な金属を用いることができる。
【0019】図2に示された試料はpHのセンサーとし
て用いられるだけでなく、生体物質のセンサーとしても
用いられる。
【0020】(実施例3)本発明の第3実施例はホウ素
炭素窒素膜とシリコンMOSFETからなるセンサーの
作製に関するものであり、図3に示す。第1実施例と同
様の成膜方法を用い、プラズマアシスト化学気相合成法
によりホウ素炭素窒素膜を合成する。シリコン21にソ
ース22、ドレイン23領域が形成され、その上に金属
電極22a、23aが付けられ、ソース−ドレイン電極
22a、23a間にゲート絶縁膜24としてSiO
が形成されているMOSFET構造を持つ試料を基板と
する。ゲート絶縁膜24であるSiO膜の厚さは通常
のシリコンMOSFETで用いられるものと比べ、薄膜
化したものを用いる。ゲート絶縁膜24としてSiO
膜上に本発明のホウ素炭素窒素薄膜25の成膜を行う。
原料ガスとして三塩化ホウ素、窒素、メタンを用いた。
高周波(13.56MHz)電力を供給し、窒素の誘導
結合プラズマを生成した。三塩化ホウ素とメタンを分解
し、基板にホウ素炭素窒素薄膜25を堆積させた。墓板
温度は400℃とした。膜厚は10nmとした。作製し
た試料を溶液を入れる容器26に装着する。ゲート電極
27を溶液28中に入れ、ソース電極22aと接続す
る。ドレイン電極23aにバイアス29を印加する。ド
レイン電極23aに印加した電圧とソース電極22aと
ドレイン電極23a間を流れる電流の関係を調べる。こ
の電流−電圧特性をpHの異なる溶液28に対して測定
する。溶液のpHを増加させるとソース電極22aとド
レイン電極23a間の電流変化が検知され、pHセンサ
ーとして動作することが確認できた。
【0021】図3に示された試料はpHのセンサーとし
て用いられるだけでなく、生体物質のセンサーとしても
用いられる。
【0022】
【発明の効果】本発明のセンサーおよび電気化学装置は
ホウ素炭素窒素膜を基盤材料に用い、性能向上、新機能
の創出を図ることができる。本発明で用いられるホウ素
炭素窒素膜は従来電極用材料として用いられている金、
白金、カーボンより広い電位窓を有する材料で、これま
で困難であった物質の酸化還元反応を可能にし、新しい
物質のヤンシングにも応用できる。また、大面積合成が
容易で低温においても合成できる。このため環境保全や
生体物質の研究に関する分野において不可欠なセンサー
および電気化学装置の提供が可能になると共に、今後、
新機能を有するセンサーおよび電気化学装置の実現によ
り、環境保全や生体物質に関する研究が更にすすむと考
えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホウ素炭素窒素膜電極電流―電位曲線
【図2】本発明の第2実施例に係るホウ素炭素窒素膜を
用いたセンサーの断面概略図
【図3】本発明の第3実施例に係るホウ素炭素窒素膜を
用いたセンサーの断面概略図
【符号の説明】
1・・石英基板 2・・ホウ素炭素窒素膜 3・・ストライプ部 4・・ソース電極 5・・ドレイン電極 6・・樹脂 7・・Oリング 8・・容器 9・・ゲート電極 10・・溶液 11・・バイアス 21・・シリコン 22・・ソース 22a・・ソース電極 23・・ドレイン 23a・・ドレイン電極 24・・ゲート絶縁膜 25・・ホウ索炭素窒素薄膜 26・・容器 27・・ゲート電極 28・・溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/66 G01N 27/30 301U // C23C 16/36 301V 16/38 27/46 306 336G (72)発明者 楠原 昌樹 東京都中央区日本橋室町4丁目2番16号 株式会社渡邊商行内 (72)発明者 梅田 優 東京都中央区日本橋室町4丁目2番16号 株式会社渡邊商行内 Fターム(参考) 4K011 AA01 AA20 AA23 AA48 CA04 DA11 4K030 AA03 AA10 AA18 BA24 BA26 BA27 BB03 BB05 CA04 FA04 LA11 5H017 BB16 CC01 DD05 EE01 EE06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホウ素、炭素、窒素の少なくとも2原子
    からなる材料を有することを特徴とするセンサーおよび
    電気化学装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の材料にイオウ、珪素、
    酸素のいずれかの原子を含むことを特徴とするセンサー
    および電気化学装置。
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