JP2003180699A - 関節軟骨治療用インプラント - Google Patents

関節軟骨治療用インプラント

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JP2003180699A
JP2003180699A JP2001388428A JP2001388428A JP2003180699A JP 2003180699 A JP2003180699 A JP 2003180699A JP 2001388428 A JP2001388428 A JP 2001388428A JP 2001388428 A JP2001388428 A JP 2001388428A JP 2003180699 A JP2003180699 A JP 2003180699A
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cartilage
implant
face
bone
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Yusuke Yoshihara
雄祐 吉原
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Kyocera Corp
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/30Joints
    • A61F2/30756Cartilage endoprostheses
    • A61F2002/30761Support means for artificial cartilage, e.g. cartilage defect covering membranes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】関節の軟骨欠損部を完全に治癒し、長期的に修
復された軟骨が変性することがないようにする。 【解決手段】先端面2と後端面3と外周面4とからなる
柱状体をなし、該柱状体の後端面3に開口し且つ該後端
面3から前記柱状体の軸方向の所定深さまで続く孔径5
μm以下の第一の孔5と該柱状体の先端面3に開口し且
つ前記第一の孔5に連通する孔径100〜1000μm
の第二の孔6を形成し、ほぼ全体が軟骨下骨内に埋設さ
れるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、関節疾患や事故な
どの原因により欠損した関節軟骨組織を修復する目的で
外科的治療に用いられる関節軟骨治療用インプラントに
関するものある。
【0002】
【従来の技術】従来から、変形性関節症を代表とする各
種の膝関節疾患やスポーツ外傷などで喪失あるいは損傷
した関節軟骨層の治療には、軟骨下骨を穿孔し、骨髄組
織内に存する未分化な間葉系細胞を欠損部に満たして自
然治癒を促す処置や、自己の膝関節組織から採取した骨
軟骨片を患部に移植し、自然治癒を促す処置が実施され
てきた。また、近年では自己の関節軟骨から採取した組
織片より軟骨細胞を単離し、コラーゲンゲル培地などで
3次元培養した培養細胞を患部に移植する治療方法など
も開発され、臨床応用されている。
【0003】しかしながら、従来までの治療は処置が実
施された時点での自然治癒能を利用して関節軟骨層の改
善を図るものであるが、処置が実施され、一連の組織修
復反応が一段落した後は、経時的に修復軟骨層は繊維軟
骨化あるいは繊維性結合組織化したり、あるいは軟骨層
直下の軟骨下骨の上方成長によって、処置前の状態に回
帰してしまうなどの課題があった。
【0004】これに対して、特表2001−51324
0号に開示されている軟骨修復ユニットは軟骨下骨に固
定される生体吸収デリバリユニットと該生体吸収デリバ
リユニットに支持されながら、軟骨欠損部に設置される
多孔質の生体吸収インサートとからなる。
【0005】生体吸収デリバリユニットは周囲の健全な
軟骨からの細胞移動を促すための流路と軟骨下骨からの
細胞移動や血管進入を促すための大きな流路が形成され
ている。
【0006】また、前記多孔質の生体吸収インサートは
各種の細胞成長因子や細胞付着因子や軟骨細胞が含有さ
れ、軟骨組織を修復するという作用を有することが記載
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術は軟骨欠損部への血管進入を許すものである。こ
れは、前記生体吸収インサートは周囲の健全軟骨からの
軟骨細胞を貯留するものであるから、その孔径は最低で
も10μmの大きさがあるものであり、このようなサイ
ズの孔に対しては毛細血管が進入してしまう。軟骨は血
管系を有さない組織であり、滑液により栄養されてい
る。従って、毛細血管が軟骨欠損部に進入すると軟骨形
成が阻害され、繊維性結合組織や骨形成をもたらす恐れ
がある。このように繊維性結合組織や骨形成が発生して
しまうと軟骨の再生が不十分となり、関節機能も不全と
なってしまう。
【0008】また、前記従来技術は、生体吸収性材料よ
りなるため、軟骨形成が完全に行われる前に部材が体内
で分解消失し、軟骨再生が不完全な状態に成ったり、仮
に修復した場合にも軟骨が時間経過につれて次第に変
性、消失してしまい、関節機能の不全を引き起こす恐れ
もあった。
【0009】本発明は、このような従来技術の課題に鑑
み、関節の軟骨欠損部を完全に治癒し、長期的に修復さ
れた軟骨が変性することがないようにすることを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1のインプラントは先端面と後端面と外周面
とからなり且つほぼ全体が軟骨下骨内に埋設される柱状
体をなし、該柱状体の後端面に開口し且つ該後端面から
前記柱状体の軸方向の所定深さまで続く孔径5μm以下
の第一の孔と該円筒体の先端面に開口し且つ前記第一の
孔に連通する孔径100〜1000μmの第二の孔を形
成したことを特徴とする。
【0011】かかる構成によれば、大径の第二の孔から
浸潤した骨髄組織内の未分化間葉系細胞を含む各種細胞
が骨髄液と共に小径の第一の孔の孔口に触れながら流通
し、そのうちサイズが微小な血小板や成長因子または栄
養分などのみを含む骨髄液が第二の孔を通過して軟骨欠
損部に浸潤する。ここで、前記第二の孔を設けるのは、
軟骨形成に関与する血小板や成長因子または栄養分など
を含む骨髄液を軟骨下骨の近くまで効率よく流通させる
ことができ、これら軟骨形成関与成分を効率よく軟骨欠
損部に供給することができるためである。
【0012】その結果、細胞培養移植体に対して血小
板、成長因子、栄養分のみを供給することが可能とな
り、また、健全な軟骨の形成の障害となる血管が骨欠損
部に浸潤することを防止する。ここで、成長因子と栄養
分のみが供給されることの利点は、軟骨欠損部に移植さ
れた軟骨細胞が他の細胞(血管など)が混在することの
ない環境で機能の発現をすることができ、軟骨組織の形
成に有利である。したがって、軟骨形成を非常に活発に
行なうことができ、関節の軟骨欠損部を完全に治癒し、
長期的に修復された軟骨が変性することがないようにす
ることが可能である。
【0013】前記第一の孔の孔径を5μm以下としたの
は、この範囲のサイズが骨髄中の細胞進入ならびに血管
進入を物理的に遮断できるサイズであるためである。
【0014】前記第一の孔の孔径が5μmより大きい場
合は、骨髄中の細胞が第一の部材を通過して、軟骨欠損
部に浸潤してしまい、繊維性結合組織や骨組織の形成が
もたらされ、軟骨修復を阻害してしまう可能性がある。
【0015】前記第二の孔の孔径を100〜1000μ
mとしたのは、100μmは骨髄中の細胞が進入可能
で、且つ細胞成分がその場に留まることなく流通が可能
な限界のサイズであることによる。この孔径が100μ
m未満の場合、細胞成分の流通が滑らかでなくなるため
軟骨形成に関与する成分の供給が滞ってしまう恐れがあ
り、他方1000μmを越えると骨組織の内部成長が起
こってしまい、孔が閉塞してしまうことにより軟骨形成
に関与する成分の供給が滞ってしまう恐れがある。
【0016】また、請求項2のインプラントは前記第一
の孔第一の部材に形成され、前記第二の孔が第二の部材
に形成されたことを特徴とする。
【0017】かかる構成によれば、第二の部材を軟骨下
骨内に固定し、孔を流通する骨髄組織成分の有無を確認
した後に第一の部材を第二の部材上に設置することがで
きるため、より確実に機能を発揮させることができる利
点がある。
【0018】また、請求項3のインプラントは前記第一
の部材が生体負活性の高分子材料からなり、前記第二の
部材が骨親和性の金属材料よりなることを特徴とする。
【0019】かかる構成によれば、第二の部材は生体親
和性の金属材料よりなるので、将来的に負荷される圧縮
荷重に対して充分な材料強度を有するため、軟骨下骨内
で安定した長期埋入が可能であり、また、その表面が骨
髄組織内の構成成分に対して変性をもたらす作用はない
ため、軟骨下骨内の細胞や成長因子、栄養分などをその
性質を保持したままの状態で第一の部材との接合部にま
で流通させることが可能である。
【0020】これに対して第一の部材を高分子材料によ
り構成したのは、5μm以下の微孔構造を付与するため
に高分子材料の物性が最適であることと、軟骨修復過程
ならびに修復後に負荷される荷重に対して弾性があって
修復領域に対する反力も軽減すること、さらに修復後の
軟骨基質が高分子材料繊維と絡み合うことで、修復軟骨
の機械的な固定にも役立つ。
【0021】また、請求項4のインプラントは前記柱状
体の先端面が半球状面となった円柱体であることを特徴
とする。
【0022】かかる構成によれば、軟骨下骨に埋入され
る先端部分から角部分を排することができ、荷重負荷後
の応力集中による骨吸収を防止することができる。
【0023】また、請求項5のインプラントは前記柱状
体の外周に雄ネジが形成されていることを特徴とする。
【0024】かかる構成によれば、第二の部材を軟骨下
骨内に固定する上で非常に有利であり、将来的に負荷さ
れる荷重に対して充分な骨内固定性を得ることができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。
【0026】図1乃至図3に本実施形態の関節軟骨治療
用インプラント(以下、インプラントと略称する)1を
示す。図中、符号2は先端面、3は後端面、4は外周
面、5は第一の孔、6は第二の孔を示す。
【0027】前記インプラント1は生体に為害性のない
材料からなり、先端面2と後端面3と外周面4とからな
る柱状体をなし、そのほぼ全体が軟骨欠損部の軟骨下骨
内に埋設される。
【0028】このインプラント1の後端面3には、該後
端面3に開口し且つこの後端面3から軸方向の所定深さ
まで続く第一の孔5が形成されている。
【0029】また、前記インプラント1の先端面2に
は、該先端面2に開口し且つ前記第一の孔5に連通する
第二の孔6が形成されている。
【0030】前記第一の孔5は孔径が5μm以下であ
り、前記第二の孔6の孔径が100μm〜1000μm
である。
【0031】本実施形態において、上記インプラント1
は第一の部材7と第二の部材8とからなり前記第一の部
材7には前記第一の孔5が形成され、前記第二の部材8
には前記第二の孔6が形成されている。また、これら第
一の部材7と第二の部材8はこの第二の部材8の後端部
と孔付キャップ9とを螺合することによって結合され
る。このとき、前記第一の部材7は、第二の部材8の後
端部に設けられた凹部8aに嵌合される。
【0032】本実施形態において前記第一の部材7は、
ポリエチレンなどの生体不活性の高分子材料から構成さ
れる。このような高分子材料としてポリエチレンの他に
ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエステル、エチレ
ンビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレンなど
がある。
【0033】前記第一の部材7は、ポリエチレン溶融
後、押し出し成形によりシートを作製後、延伸開孔法に
よって最大孔径5μmの多孔性シートとすることで作製
することができる。このように作製される前記第一の部
材7は、内部で多数の孔(第1の孔)が相互に連通する
多孔質体を形成する。このような多孔質体によれば、軟
骨形成に関与する成分の供給を活発にし、且つ流通をス
ムーズにすることができる。
【0034】ここで延伸開孔法とは配向結晶化の進んだ
ポリエチレンフィルムを繊維軸方向に延伸することによ
り、非晶部が引き延ばされ、結晶部のラメラ間に孔が生
じることを利用した微孔の開孔技術である。
【0035】なお、この多孔質体に備える孔径は断面を
写真撮影し、その撮像から測定することができる。
【0036】また、前記第一の部材7厚さは100μm
〜2000μm程度であることが好ましい。
【0037】これは前記第二の部材8から第一の部材7
を経て軟骨欠損部に供給される成分の流通の容易性を維
持することができるためである。
【0038】一方、この第一の部材7の厚さが100μ
m未満の場合は第一の部材の耐荷重強度を維持すること
が困難であり、2000μmを超える場合は軟骨欠損部
への成分の浸潤性が悪くなることがある。
【0039】また、前記第二の部材8はチタン合金など
生体親和性の金属材料からなる。ここで、生体親和性と
は材料が生体組織に接触した際に長期的、慢性的な炎症
反応を引き起こさず、周囲組織と部分的な密着状態を維
持することができる性能を言う。このような金属材料と
して純チタン、チタン合金、コバルトクロム合金などが
ある。
【0040】この第二の部材8は、その外周面4に骨と
の係合固定のための雄ネジ8bが形成されている。他
方、先端面2は略半球状に形成されており、また、前記
第二の孔6がドリル切削の手段によって形成されてい
る。
【0041】本実施形態において、前記第二の孔6は十
字状に5個形成されている。前記第二の孔6の配置とし
て、中央部の孔に対して他の孔が放射状(または等間
隔、均一)に位置させた場合、前記第一の部材7全域に
ほぼ均等に骨髄成分を供給することができる。
【0042】また、図3に示すように、前記第二の孔6
は上端部で水平方向に形成された溝6aで互いに連通し
ている。これにより骨髄液の流通性を高めることができ
る。また、前記第二の孔6は骨髄液の流通性の点で直線
状に伸びるものであることが望ましい。
【0043】かかる構成によれば、大径の第二の孔6か
ら浸潤した骨髄組織内の未分化間葉系細胞を含む各種細
胞が骨髄液と共に小径の第一の孔5の孔口に触れながら
流通し、そのうちサイズが微小な血小板や成長因子また
は栄養分などのみを含む骨髄液が第二の孔を通過して軟
骨欠損部に浸潤する。
【0044】その結果、細胞培養移植体に対して血小
板、成長因子、栄養分のみを供給することが可能とな
り、また、健全な軟骨の形成の障害となる血管が骨欠損
部に浸潤することを防止する。
【0045】また、軟骨欠損部に生体吸収性材料などの
人工物を充填しないことにより、軟骨形成を非常に活発
に行なうことができ、関節の軟骨欠損部を完全に治癒
し、長期的に修復された軟骨が変性することがないよう
にすることが可能である。
【0046】なお、上記成長因子とは、副甲状腺ホルモ
ン、トランスフォーミンググロースファクター−β、フ
ァイブロブラストグロースファクター、インシュリン様
グロースファクターなどで、これらは軟骨細胞の分化や
機能の発現に関与する。
【0047】上記インプラント1の使用法に関して、イ
ンプラント3を関節軟骨欠損部の関節下骨内に設置して
から、関節軟骨欠損部をポリグリコール酸膜などで覆
う。これにより、骨内から軟骨欠損部に浸潤させた骨髄
液などをそこに貯留する。また、図4に示すように、こ
のポリグリコール酸膜11下に別途培養された細胞培養
物10を軟骨欠損部12に入れておくこともできる。
【0048】以上、本発明の実施形態を例示したが本発
明はこれら実施形態に限定されるものではないことは云
うまでもない。発明の目的を逸脱しない限り本発明は任
意の形態とすることができる。
【0049】次に、本発明の実験例について説明する。
【0050】実験例(関節欠損内埋入実験/組織学的評
価) 家兎(ニュージーランドホワイトラビット、12週間
例、オス)にネンブタール注射液にて全身麻酔を実施
後、大腿膝関節を露出し、両骨顆間に径5mm、深さ1
0mmのドリリングを行い、軟骨下骨内に図1乃至図3
に示すインプラント1を埋入固定した。
【0051】実験例としてインプラント後にポリグリ
コール酸膜で開口部を封鎖した症例、コラーゲンゲル
中にて培養した家兎軟骨細胞体を移植し、ポリグリコー
ル酸膜で開口部を封鎖した症例(インプラント未使用
例)を行なった。
【0052】各実験症例の埋入期間は4週間、16週間
で、各n数は3とした。
【0053】埋入期間満了後に樹脂包埋し、インプラン
ト長軸と平行な面でトルイジンブルー染色の非脱灰研磨
標本を作製した。
【0054】染色標本中のインプラント上部を光学顕微
鏡にて観察した結果、各実験症例にて以下の様な所見が
得られた。 インプラント埋入後にポリグリコール酸膜で開口部を
封鎖した症例(培養細胞未使用例) 4週間後はポリグリコール酸膜との接触面を除いては欠
損全域に軟骨様組織が充満しており、特に第一の部材の
ポリマー表面上の新生組織は硝子軟骨で占められてい
た。
【0055】但し、欠損部の軟骨様組織と既存の周囲健
全軟骨との境界部は連続性に乏しく、一部には繊維性結
合組織の存在も認めた。
【0056】16週間後は更に欠損全域の軟骨様組織の
形成が進行し、ポリマー表面上の硝子軟骨組織と新生組
織上側との組織形態学的な差異も少なかった。
【0057】新生組織と周囲健全軟骨との境界部の連続
性は改善され、新生軟骨様組織の厚みは周囲健全軟骨の
厚みとほぼ同等であった。 コラーゲンゲル中にて培養した家兎軟骨細胞体を移植
し、ポリグリコール酸膜で開口部を封鎖した症例(イン
プラント未使用例) 4週間後は軟骨欠損部の新生組織の大半は軟骨様組織が
形成されていた。但し、新生組織上面の残存ポリグリコ
ール酸膜との接触部は軽度の炎症性細胞の浸潤が確認さ
れ、また、新生軟骨様組織と既存の周囲健全軟骨との境
界部は連続性に乏しく、一部には繊維性結合組織の存在
も認めた。
【0058】16週間後は更に新生組織中に占める軟骨
様組織の割合が増し、連続性も改善されていたが、軟骨
下骨からの新生骨の上方成長が認められ、新生軟骨様組
織の厚みは周囲健全軟骨の厚みよりも薄いものであっ
た。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明のインプラントによ
れば、先端面と後端面と外周面とからなり且つほぼ全体
が軟骨下骨内に埋設される柱状体をなし、該柱状体の後
端面に開口し且つ該後端面から前記柱状体の軸方向の所
定深さまで続く孔径5μm以下の第一の孔と該円筒体の
先端面に開口し且つ前記第一の孔に連通する孔径100
〜1000μmの第二の孔を形成したことにより、大径
の第二の孔から浸潤した骨髄組織内の未分化間葉系細胞
を含む各種細胞が骨髄液と共に小径の第一の孔の孔口に
触れながら流通し、そのうちサイズが微小な血小板や成
長因子または栄養分などのみを含む骨髄液が第二の孔を
通過して軟骨欠損部に浸潤する。
【0060】その結果、細胞培養移植体に対して血小
板、成長因子、栄養分のみを供給することが可能とな
り、また、健全な軟骨の形成の障害となる血管が骨欠損
部に浸潤することを防止するので、軟骨形成を非常に活
発に行なうことができ、関節の軟骨欠損部を完全に治癒
し、長期的に修復された軟骨が変性することがないよう
にすることが可能である。
【0061】また、前記第一の孔を第一の部材に形成
し、前記第二の孔を第二の部材に形成した場合、第二の
部材を軟骨下骨内に固定し、孔を流通する骨髄組織成分
の有無を確認した後に第一の部材を第二の部材上に設置
することができるため、より確実に機能を発揮させるこ
とができる。
【0062】また、前記第一の部材を生体負活性の高分
子材料で、前記第二の部材を骨親和性の金属材料で構成
した場合、第二の部材は生体親和性の金属材料よりなる
ので、将来的に負荷される圧縮荷重に対して充分な材料
強度を有するため、軟骨下骨内で安定した長期埋入が可
能であり、また、その表面が骨髄組織内の構成成分に対
して変性をもたらす作用はないため、軟骨下骨内の細胞
や成長因子、栄養分などをその性質を保持したままの状
態で第一の部材との接合部にまで流通させることが可能
である。そして、第一の部材を高分子材料により構成し
たことにより軟骨修復過程ならびに修復後に負荷される
荷重に対して弾性があって修復領域に対する反力も軽減
すること、さらに修復後の軟骨基質が高分子材料繊維と
絡み合うことで、修復軟骨の機械的な固定にも役立つ。
【0063】また、前記インプラントの先端面を半球状
面となった円柱体とした場合、軟骨下骨に埋入される先
端部分から角部分を排することができ、荷重負荷後の応
力集中による骨吸収を防止することができる。
【0064】また、前記インプラントの外周に雄ネジが
形成した場合、第二の部材を軟骨下骨内に固定する上で
非常に有利であり、将来的に負荷される荷重に対して充
分な骨内固定性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態例のインプラントの分解断面図
である。
【図2】図1のインプラントを示し、(a)は断面図、
(b)は(a)の領域Bを示す拡大断面図である。
【図3】図1のインプラントを構成する第二部材の後端
部分を示し、(a)は後端面図、(b)は斜視図であ
る。
【図4】本発明の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インプラント 2 先端面 3 後端面 4 外周 5 第一の孔 6 第二の孔 6a 溝 7 第一の部材 8 第二の部材 8a 凹部 8b 雄ネジ 9 孔付キャップ 10 培養軟骨

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端面と後端面と外周面とからなり且つほ
    ぼ全体が軟骨下骨内に埋設される柱状体をなし、該柱状
    体の後端面に開口し且つ該後端面から前記柱状体の軸方
    向の所定深さまで続く孔径5μm以下の第一の孔と該柱
    状体の先端面に開口し且つ前記第一の孔に連通する孔径
    100〜1000μmの第二の孔を形成したことを特徴
    とする関節軟骨治療用インプラント。
  2. 【請求項2】前記第一の孔が第一の部材に形成され、前
    記第二の孔が第二の部材に形成されたことを特徴とする
    請求項1記載の関節軟骨治療用インプラント。
  3. 【請求項3】前記第一の部材が生体不活性の高分子材料
    からなり、前記第二の部材が骨親和性金属材料よりなる
    ことを特徴とする請求項2記載の関節軟骨治療用インプ
    ラント。
  4. 【請求項4】前記柱状体は、前記先端面が半球状面とな
    った円柱状体であるとこを特徴とする請求項1記載の関
    節軟骨治療用インプラント。
  5. 【請求項5】前記柱状体の外周に雄ネジを形成したこと
    を特徴とする請求項4記載の関節軟骨治療用インプラン
    ト。
JP2001388428A 2001-12-20 2001-12-20 関節軟骨治療用インプラント Pending JP2003180699A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1916964A4 (en) * 2005-08-26 2015-11-04 Zimmer Inc IMPLANTS AND METHODS FOR THE REPAIR, REPLACEMENT AND TREATMENT OF JOINT DISEASES
CN108245771A (zh) * 2018-02-02 2018-07-06 南方医科大学南方医院 骨科植入式给药装置
US10167447B2 (en) 2012-12-21 2019-01-01 Zimmer, Inc. Supports and methods for promoting integration of cartilage tissue explants

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