JP2003178289A - 画像処理装置、画像評価装置、画像処理方法、画像評価方法および画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
画像処理装置、画像評価装置、画像処理方法、画像評価方法および画像処理プログラムを記録した記録媒体Info
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Landscapes
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Abstract
画像処理を行なう。 【解決手段】 コンピュータ21は、入力された実写画
像を構成する画素の画像データに対してエッジ画素サン
プリング,均等サンプリングを行ない(ステップS12
0,S140)、各サンプリングによる集計結果Dis
t_edg,Dist_aveを求める。次に、画像評
価オプションにより重み付け係数kを決定し(ステップ
S192〜S196)、この重み付け係数kを用いて二
つの集計結果Dist_edg,Dist_aveに対
する重み付けを行ないつつ、集計結果Dist_edg
と集計結果Dist_aveとを合算する。この合算に
より求められた集計結果Dist_Sumに基づいて画
像データに対するコントラストの拡大幅等が決定され
る。
Description
のような実写画像を評価し、該実写画像に所定の画像処
理を行なう技術に関する。
データに対して各種の画像処理が行われている。例え
ば、コントラストを強調するとか、色調を補正すると
か、明るさを補正するといった画像処理である。これら
の画像処理は、通常、マイクロコンピュータで実行可能
となっており、操作者がモニタ上で画像を確認して必要
な画像処理を選択したり、画像処理のパラメータなどを
決定している。すなわち、画像の特徴を操作者が判定し
て各種の操作を選択したり実行している。
については各種のものが提案され、実際に効果を発揮し
ている。しかしながら、どの技法でどの程度の処理を行
うかとなると、依然、人間が関与しなければならない。
これは、画像処理の対象となるディジタル画像データに
おいて、どこが重要であるのかを判断することができな
かったためである。
た場合、画面全体の平均が暗ければ明るく補正し、逆に
平均が明るければ暗く補正するという自動処理を考えた
とする。ここで、夜間撮影した人物像の実写の画像デー
タがあるとする。背景は殆ど真っ暗に近いものの、人物
自体は良好に撮影できていたとする。この実写の画像デ
ータを自動補正すると、背景が真っ暗であるがために明
るく補正しようとしてしまい、昼間の画像のようになっ
てしまうことになる。
部分だけに注目する。そして、人物像が暗ければ少し明
るく補正するし、逆に、フラッシュなどの効果で明る過
ぎれば暗くする補正を選択する。
平9−151413号にて画像の中での重要な部分を判
断する発明を提案した。同発明においては、画像のシャ
ープな部分に本来の被写体(オブジェクト)が存在して
いるはずであると考え、各画素での画像の変化度合いに
着目して同変化度合いの大きな画素をオブジェクトと判
断している。
るにしても同部分の面積は小さく背景部分を基準にした
画像処理が好ましい場合もあり、一つの評価基準だけで
は偏りが生じる可能性があった。また、いずれの評価基
準を採用すべきかを判定する必要性は依然として残った
ままであった。
もので、画像処理の前提として画像を評価するにあた
り、柔軟に対応して画像評価結果を利用しやすくするこ
とが可能な画像評価技術の提供を目的とする。
記目的を達成するため、本発明の画像処理装置は、複数
の画素からなる実写画像を予め評価してから、該実写画
像に所定の画像処理を行なう画像処理装置であって、実
写画像を構成する少なくとも一部の画素の画像データを
入力し、該画像データに対して異なる複数の手法で個別
に集計処理を行なうと共に、該集計処理の結果を当該複
数の手法毎に重み付けを行なって合算する合算手段と、
該合算された結果に基づいて、前記実写画像を評価する
評価手段と、該評価に従って前記所定の画像処理を行な
う処理手段とを備えたことを要旨としている。
素からなる実写画像に対する画像処理に先立って、該実
写画像の評価を行なう画像評価装置であって、実写画像
を構成する少なくとも一部の画素の画像データを入力
し、該画像データに対して異なる複数の手法で個別に集
計処理を行なうと共に、該集計処理の結果を当該複数の
手法毎に重み付けを行なって合算する合算手段と、該合
算された結果に基づいて、前記実写画像を評価する評価
手段とを備えたことを要旨としている。
写画像を構成する画像データに対して異なる複数の手法
で個別に集計処理を行なうと共に、該集計処理の結果を
当該複数の手法毎に重み付けを行なって合算し、該合算
された結果に基づいて、評価手段が、実写画像を評価す
る。例えば、ポートレートのように画像のシャープな被
写体をオブジェクトとして当該画像を評価するのに適当
な集計処理もあれば、背景を重要なオブジェクトとして
当該画像を評価するのに適当な集計処理もあり、これら
の複数の手法による集計処理を並行して実行すると共
に、この集計処理の結果を当該複数の手法毎に重み付け
を行なって合算し、合算された結果に基づいて実写画像
を総合的に評価する。従って、画像の特徴を判定するに
あたって柔軟に対応することが可能な装置を提供するこ
とができる。
どを判定するのに使用可能なものであればよく、具体的
に画像の種類を特定するような結果が得られる必要はな
い。例えば、画像を明るいと判定するか暗いと判定する
かといった場合の輝度のヒストグラムなどといった指標
も含むものであり、明るい画像であるとか暗い画像であ
るといった判定結果が得られる必要はない。むろん、明
暗以外にも画像がシャープであるか否かの指標であると
か、鮮やかさを判断する際の指標であってもよい。
る集計処理に、各画素における隣接画素との間の画像デ
ータの変化の度合いが大きい画素について、その画像デ
ータを集計する処理である変化部集計処理を含むこと
も、各画素における隣接画素との変化度合いを検出する
ことができる点で好適である。
結果に、他の手法による集計処理よりも重い重み付けを
行なって合算する構成としてもよい。この構成では、結
果的に、変化度合いの大きいはっきりした画像部分を評
価する集計処理を採用したことになる。
きい部分はフォーカスのはっきりした被写体部分である
ことが多いため、このような重要画素に重きをおいた画
像評価が可能となる。こうして合算された結果によれ
ば、実写画像のシャープな部分に重きをおいて評価する
ことが可能となるので、人物像などの画像を判定するの
に好適なことはいうまでもない。ここで変化度合いが大
きい画像に評価の重きをおく手法は、集計しながら重み
付けを代えるものであってもよいし、変化度合いの大き
い画素だけについて集計するといったものでもよい。
画像を構成する画素の画像データとこれに少なくとも縦
横いずれかの方向に隣接する2つの画素の画像データと
の差分を縦横成分とするベクトルの大きさが所定以上の
画素を画像データの変化の度合いが大きい画素であると
判断して、画像データを集計する処理としてもよい。
結果を当該複数の手法毎に重み付けを行なって合算する
ためには、実質的に同様の目的を達するさまざまな手法
を採用可能である。例えば、異なる複数の手法による集
計処理を全画素について行ない、各集計処理の結果を当
該複数の手法毎に重み付けを行なって合算することもそ
の一例である。但し、全画素について集計すると処理量
が多くなるので、そのような状況に対して好適な一例と
して、合算手段によって行われる複数の手法による集計
処理に、実写画像を構成する全画素から所定の基準で間
引いて選択した画素について、その画像データを集計す
る処理である間引き集計処理を含む構成を考えることが
できる。
変えることにより、結果的に複数の手法による集計処理
を採用することが可能となる。さらに、それぞれの集計
結果の重み付けを調整して合算することにより、結果的
に複数の集計処理の結果に対してそれぞれ重み付けを持
たせて評価したことに対応する。従って、画像データに
ついてサンプリングして処理を行うため、画素の間引き
方に応じて複数通りの集計処理を採用可能であるととも
に、処理量を低減させることができる。
を、実写画像の全体に対して、均等にサンプリングして
集計する処理とすることも望ましい。こうすれば、画像
データが均等に間引かれて、画像を全体的に捉えること
になるので、処理量を低減させつつ、風景などの実写画
像について好適な評価を行なうことができる。
において、実写画像を構成する画素からサンプリングさ
れる画素の数Nが、サンプリングにより生じる誤差とし
て許容される上限をE%としたとき、E≦100/√
(N)を満たすよう選択されていることも好適である。
的でなければならないわけではなく、この重み付けを、
複数の集計処理の少なくとも一つにおいて変更可能に構
成してもよい。
に対する重み付けを変更することにより、画像に対応し
た総合評価結果を導き出すことが可能となり、より柔軟
な評価を行なうことができる。
み付けを個別に変更するものであるとか、複数の組合せ
を予め用意しておき、その組合せを選択するというもの
など各種の態様が含まれる。
操作者が行うもののみならず、画像データに基づいて実
現するものも含まれる。その一例として、異なる複数の
手法で行なわれた各集計処理の結果に基づいて重み付け
を変化させる構成を考えることができる。
る複数の手法で集計処理を行なうことにより集計処理の
結果を得て、この集計処理の結果の内容を勘案して各集
計処理の結果に付与される重み付けを変化させる。この
ように集計処理の結果を利用して重み付けを変化させる
ことで、評価の手間を軽減させることができる。
る際にもさまざまな手法を採用可能であり、例えば、あ
る集計処理において各画素の画像データをサンプリング
の対象とするか否かを判断する構成とした場合には、サ
ンプリングされた画素数を一つの基準とし、画素数が多
い場合に重み付けを重くするといったことも含まれる。
重み付けを、前記画像データの変化の度合いの大きな画
素数と前記所定の基準で間引いて選択した画素数との比
により設定する手段を備えた構成を考えることができ
る。また、合算手段が、前記重み付けを、前記実写画像
の種類を指定することにより設定する手段を備えること
としてもよい。
データに含まれる輝度または彩度について、各画素の画
像データが属する範囲の度数を集計してヒストグラムを
作成する処理を行なうこととしてもよい。
度について、異なる複数の手法で個別に集計処理を行な
い、該集計処理の結果を当該複数の手法毎に重み付けを
行なって合算する手段とした場合には、合算手段により
合算された結果に基づいて、決定手段が、前記実写画像
の輝度が保存されるように、前記実写画像に対する彩度
強調度合いを決定し、該決定された彩度強調度合いに基
づいて前記実写画像を評価し、該評価に従って彩度強調
処理を行なうこととしても差し支えない。こうすれば、
彩度の強調に伴って実写画像が全体的に明るくなってし
まうといった事態を防止することができる。
評価装置は単独で存在する場合もあるし、画像処理装置
や画像評価装置に組み込まれた状態で利用されることも
あるなど、適宜変更可能である。
しも実体のある装置に限られる必要もなく、その一例と
して、本発明の画像評価方法は、複数の画素からなる実
写画像に対する画像処理に先立って、該実写画像の評価
を行なう画像評価方法であって、実写画像を構成する少
なくとも一部の画素の画像データを入力し、各画素の画
像データを異なる複数の手法で個別に集計処理すると共
に、当該複数の手法毎に重み付けを行なって合算し、該
合算された結果に基づいて、前記実写画像を評価するこ
とを要旨としている。
素からなる実写画像に対する画像処理に先立って、該実
写画像の評価を行ない、該評価に基づいて画像を処理す
る方法であって、実写画像を構成する少なくとも一部の
画素の画像データを入力し、該画像データに対して異な
る複数の手法で個別に集計処理を行なうと共に、該集計
処理の結果を当該複数の手法毎に重み付けを行なって合
算し、該合算された結果に基づいて、前記実写画像を評
価し、該評価に従って、前記実写画像に対する所定の処
理を行なうことを要旨としている。
明と同様に、画像の特徴を判定するにあたって柔軟に対
応することができる。
思想は、各種の態様を含むものである。すなわち、ハー
ドウェアで実現されたり、ソフトウェアで実現されるな
ど、適宜、変更可能である。
ソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記
録したソフトウェア記録媒体上においても当然に存在
し、利用されるといわざるをえない。
数の画素からなる実写画像に対する画像処理に先立っ
て、該実写画像の評価を行ない、該評価に基づいて画像
を処理するプログラムを、コンピュータにより読み取り
可能に記録した記録媒体であって、実写画像を構成する
少なくとも一部の画素の画像データを入力し、該画像デ
ータに対して異なる複数の手法で個別に集計処理を行な
う機能と、当該複数の手法毎に重み付けを行なって、前
記集計処理の結果を合算する機能と、該合算された結果
に基づいて、前記実写画像を評価する機能と、該評価に
従って、前記実写画像に対する所定の処理を行なう機能
とをコンピュータにより実現するプログラムを記録した
ことを要旨としている。
て画像の特徴を判定するにあたって柔軟に対応すること
が可能な画像評価プログラムを記録した媒体を提供する
ことができる。
あってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後
開発されるいかなるソフトウェア記録媒体においても全
く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次
複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等
である。その他、供給方法として通信回線を利用して行
う場合でも本発明が利用されていることには変わりない
し、半導体チップに書き込まれたようなものであっても
同様である。
部がハードウェアで実現されている場合においても発明
の思想において全く異なるものはなく、一部をソフトウ
ェア記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み
込まれるような形態のものとしてあってもよい。
実施形態を説明する。
評価方法を実行して画像処理する画像処理システムをブ
ロック図により示しており、図2は具体的ハードウェア
構成例を概略ブロック図により示している。
どをドットマトリクス状の画素として表した実写の画像
データを画像処理装置20へ出力し、同画像処理装置2
0は所定の処理を経て画像データを集計すると共に、こ
の集計結果を用いて画像を評価し、同評価結果に基づい
て画像処理の内容と程度を決定してから画像処理を実行
する。同画像処理装置20は画像処理した画像データを
画像出力装置30へ出力し、画像出力装置は画像処理さ
れた画像をドットマトリクス状の画素で出力する。
計して当該画像に対する評価結果を求めている。この
際、異なる複数の手法で個別に画像データの集計を行な
い、この集計の結果を当該複数の手法毎に重み付けを行
なって合算し、該合算された結果に基づいて画像を評価
している。従って、画像処理装置20は、合算手段,評
価手段,処理手段を構成する。
スキャナ11やデジタルスチルカメラ12あるいはビデ
オカメラ14などが該当し、画像処理装置20の具体例
はコンピュータ21とハードディスク22とキーボード
23とCD−ROMドライブ24とフレキシブルディス
クドライブ25とモデム26などからなるコンピュータ
システムが該当し、画像出力装置30の具体例はプリン
タ31やディスプレイ32等が該当する。本実施形態の
場合、画像の不具合等を修正すべく等該画像を評価する
ため、画像データとしては写真などの実写データが好適
である。なお、モデム26については公衆通信回線に接
続され、外部のネットワークに同公衆通信回線を介して
接続し、ソフトウェアやデータをダウンロードして導入
可能となっている。
としてのスキャナ11やデジタルスチルカメラ12が画
像データとしてRGB(緑、青、赤)の階調データを出
力するとともに、画像出力装置30としてのプリンタ3
1は階調データとしてCMY(シアン、マゼンダ、イエ
ロー)あるいはこれに黒を加えたCMYKの二値データ
を入力として必要とするし、ディスプレイ32はRGB
の階調データを入力として必要とする。一方、コンピュ
ータ21内ではオペレーティングシステム21aが稼働
しており、プリンタ31やディスプレイ32に対応した
プリンタドライバ21bやディスプレイドライバ21c
が組み込まれている。また、画像処理アプリケーション
21dはオペレーティングシステム21aにて処理の実
行を制御され、必要に応じてプリンタドライバ21bや
ディスプレイドライバ21cと連携して所定の画像処理
を実行する。
ンピュータ21の具体的役割は、RGBの階調データを
入力して画像を評価しつつ最適な画像処理を施したRG
Bの階調データを作成し、ディスプレイドライバ21c
を介してディスプレイ32に表示させるとともに、プリ
ンタドライバ21bを介してCMY(あるいはCMY
K)の二値データに変換してプリンタ31に印刷させる
ことになる。
の入出力装置の間にコンピュータシステムを組み込んで
画像評価と画像処理を行うようにしているが、必ずしも
かかるコンピュータシステムを必要とするわけではな
く、画像データに対して各種の画像処理を行うシステム
に適用可能である。例えば、図3に示すようにデジタル
スチルカメラ12a内に画像評価して画像処理する画像
処理装置を組み込み、変換した画像データを用いてディ
スプレイ32aに表示させたりプリンタ31aに印字さ
せるようなシステムであっても良い。また、図4に示す
ように、コンピュータシステムを介することなく画像デ
ータを入力して印刷するプリンタ31bにおいては、ス
キャナ11bやデジタルスチルカメラ12bあるいはモ
デム26b等を介して入力される画像データから画像評
価して画像処理するように構成することも可能である。
は、具体的には上記コンピュータ21内にて図5などに
示すフローチャートに対応した画像処理プログラムで行
っている。同図に示すフローチャートは画像処理プログ
ラムにおける画像評価の前段部分に該当し、画像データ
を複数の評価基準で集計して所定の評価結果を得る処理
を実行する。
評価基準について説明する。共通するのはいずれも全画
素を対象とするのではなく、所定の基準に従って画素を
間引くとともに、サンプリングした画素について輝度を
集計する点である。また、相違するのは、一方が均等に
画素をサンプリングするのに対し、他方がエッジ画素を
選択してサンプリングする点である。輝度の集計結果に
ついては後述するが、このようにしていわゆるサンプリ
ング手法を変えることにより、画像の評価を変えること
ができる。均等に画素をサンプリングするというのは画
像全体の画素について輝度を集計することに他ならず、
画像全体としての画像データの輝度の分布を評価するこ
とになるから、風景写真が全体的に暗いとかコントラス
トが狭いといった評価の参考となる。
であるから、画像の中でも本来の被写体に関わる画素に
ついて輝度を集計することになり、たとえ背景が暗くて
も被写体が十分な明るさを持っていれば画像の明るさは
十分であるといった評価結果が得られることになる。本
実施形態においては、操作者による選択あるいは自動処
理によってこれら二つの評価基準を適宜組み合わせて画
像の判定を行うようにしている。
この画像評価処理では、図6に示すようにドットマトリ
クス状の画素からなる画像データについて対象画素を水
平方向に主走査しつつ垂直方向に副走査して移動させ、
各画素についてサンプリング対象であるか否かを判断し
て集計している。
ら構成されている場合には、各画素ごとに上述したRG
Bの輝度を表す階調データで表されており、画像のエッ
ジ部分では隣接する画素間での同データの差分は大きく
なる。この差分は輝度勾配であり、これをエッジ度と呼
ぶことにし、ステップS110では各画素でのエッジ度
を判定する。図7に示すようなXY直交座標を考察する
場合、画像の変化度合いのベクトルはX軸方向成分とY
軸方向成分とをそれぞれ求めれば演算可能となる。
タル画像においては、図8に示すように縦軸方向と横軸
方向に画素が隣接しており、その明るさをf(x,y)
で表すものとする。この場合、f(x,y)はRGBの
各輝度であるR(x,y),G(x,y),B(x,
y)であったり、あるいは全体の輝度Y(x,y)であ
ってもよい、なお、RGBの各輝度であるR(x,
y),G(x,y),B(x,y)と全体の輝度Y
(x,y)との関係は、厳密には色変換テーブルなどを
参照しなければ変換不能であるが、後述するようにして
簡易な対応関係を利用するようにしても良い。
fxとY方向の差分値fyは、
とするベクトルの大きさ|g(x,y)|は、
の|g(x,y)|で表される。なお、本来、画素は図
9に示すように縦横に升目状に配置されており、中央の
画素に注目すると八つの隣接画素がある。従って、同様
にそれぞれの隣接する画素との画像データの差分をベク
トルで表し、このベクトルの和を画像の変化度合いと判
断しても良い。
が求められるので、あるしきい値と比較してエッジ度の
方が大きい画素はエッジ画素と判断すればよい。なお、
経験的事実から考察すると、フォーカスが集中する被写
体は構図の中央部分に位置することが多い。従って、中
央部分から多くの画素が抽出されるような仕組みとする
ことにより、画像処理の判断に利用したときにより好ま
しい効果を得られる。
の部分毎に比較するしきい値Th1,Th2,Th3を
異ならせておくようにしてもよい。むろん、この例で
は、
い値は低く、エッジ度が比較的低くてもフォーカスが集
中していると判断されるようになる。
値とを比較して変化度合いが大きいか否かを判断する。
比較の結果、エッジ度の方が大きければこの画素はエッ
ジ画素であると判断し、ステップS130にてその画素
の画像データをサンプリングしてワークエリアに保存す
る。ワークエリアはコンピュータ21内のRAMであっ
てもよいしハードディスク22であってもよい。
てステップS140では当該対象画素が均等サンプリン
グの対象画素であるか否かを判断する。均等にサンプリ
ングするといっても、ある誤差の範囲内となる程度にサ
ンプリングする必要がある。統計的誤差によれば、サン
プル数Nに対する誤差は概ね1/(N**(1/2))と
表せる。ただし、**は累乗を表している。従って、1%
程度の誤差で処理を行うためにはN=10000とな
る。
面は(width)×(height)の画素数とな
り、サンプリング周期ratioは、
h,height)はwidthとheightのいず
れか小さい方であり、Aは定数とする。また、ここでい
うサンプリング周期ratioは何画素ごとにサンプリ
ングするかを表しており、図11の○印の画素はサンプ
リング周期ratio=2の場合を示している。すなわ
ち、縦方向及び横方向に二画素ごとに一画素のサンプリ
ングであり、一画素おきにサンプリングしている。A=
200としたときの1ライン中のサンプリング画素数は
図12に示すようになる。
ないことになるサンプリング周期ratio=1の場合
を除いて、200画素以上の幅があるときには最低でも
サンプル数は100画素以上となることが分かる。従っ
て、縦方向と横方向について200画素以上の場合には
(100画素)×(100画素)=(10000画素)
が確保され、誤差を1%以下にできる。
ght)を基準としているのは次のような理由による。
例えば、図13(a)に示すビットマップ画像のよう
に、width>>heightであるとすると、長い
方のwidthでサンプリング周期ratioを決めて
しまった場合には、同図(b)に示すように、縦方向に
は上端と下端の2ラインしか画素を抽出されないといっ
たことが起こりかねない。しかしながら、min(wi
dth,height)として、小さい方に基づいてサ
ンプリング周期ratioを決めるようにすれば同図
(c)に示すように少ない方の縦方向においても中間部
を含むような間引きを行うことができるようになる。す
なわち、所定の抽出数を確保したサンプリングが可能と
なる。
サンプリング手法を採用しつつ、当該対象画素がそのサ
ンプリング対象となっているか否かを判断し、対象であ
ればステップS150にて画像データをサンプリングす
る。
をサンプリングするというのは、同画像データに基づい
て輝度を集計することを意味する。上述したように、本
実施形態においてはコンピュータ21が扱うのはRGB
の階調データであり、直接には輝度の値を持っていな
い。輝度を求めるためにLuv表色空間に色変換するこ
とも可能であるが、演算量などの問題から得策ではな
い。このため、テレビジョンなどの場合に利用されてい
るRGBから輝度を直に求める次式の変換式を利用す
る。
ん、ステップS130の集計エリアとステップS150
の集計エリアは別個である。なお、輝度の集計とともに
集計対象となった画素数についても集計しておく。
ついて行うため、ステップS160にて処理の対象画素
を移動させ、ステップS170にて全画素について終了
したと判断されるまで処理を繰り返す。
画素について輝度の集計を行ったら、ステップS180
では画像評価オプションを入力する。図14はディスプ
レイ32上に表示される画像評価オプション入力画面を
示しており、選択肢としてポートレートと風景写真と自
動設定という三つが用意されている。
られた輝度のヒストグラムと、エッジ画素のサンプリン
グで得られた輝度のヒストグラムとを合算して当該画像
を評価するためのヒストグラムを生成するにあたり、そ
れぞれの重み付けを調整する必要がある。ここで重み付
け係数kを採用すると、均等サンプリングの集計結果D
ist_aveとエッジ画素サンプリングでの集計結果
Dist_edgから、評価用の集計結果Dist_S
umは、
「0」に近づくほど全体重視となり、「1」に近づくほ
ど被写体重視といえる。このため、図14に示す画像評
価オプション入力画面でオプションを選択した後、ステ
ップS190にて同オプションに基づいて分岐し、ポー
トレートを選択したときにはステップS192にて「k
=0.8」と設定し、風景写真を選択したときにはステ
ップS194にて「k=0.2」と設定する。
設定である。この自動設定では先に述べたようにサンプ
リングしたエッジ画素数に基づき、当該エッジ画素数が
少ない場合には風景写真と考えて重み付け係数kを
「0」に近づけるし、当該エッジ画素数が多い場合には
ポートレートと考えて重み付け係数kを「1」に近づけ
る。エッジ画素のサンプリング数x_edgと均等サン
プリング数x_aveを使用し、ステップS196にて
重み付け係数を
_Sumを得る。
_Sumを得ることにより画像の評価を行ったことにな
る。むろん、この集計結果を用いてさらなる判定を行っ
ても良いが、基本的にはかかる集計結果を利用する画像
処理に応じて適宜変更すればよい。
処理を決定し、実行する。図16は、その一例としてコ
ントラストの強調と明度の補正の画像処理を実行するた
めのフローチャートを示している。
めの基本的な手法は、画像データに基づいて輝度分布を
求め、この輝度分布が本来の階調幅(255階調)の一
部分しか利用していないのであれば分布を拡大するとい
うものである。
み付け係数kから集計結果Dist_Sumとしての輝
度分布のヒストグラムを作成し、ステップS320では
拡大する幅を決定する。拡大幅を決定するにあたり、輝
度分布の両端を求めることを考える。写真画像の輝度分
布は図17に示すように概ね山形に表れる。むろん、そ
の位置、形状についてはさまざまである。輝度分布の幅
はこの両端をどこに決めるかによって決定されるが、単
に裾野が延びて分布数が「0」となる点を両端とするこ
とはできない。裾野部分では分布数が「0」付近で変移
する場合があるし、統計的に見れば限りなく「0」に近
づきながら推移していくからである。
きい側と小さい側からある分布割合だけ内側に経た部分
を分布の両端とする。本実施形態においては、同図に示
すように、この分布割合を0.5%に設定している。む
ろん、この割合については、適宜、変更することが可能
である。このように、ある分布割合だけ上端と下端をカ
ットすることにより、ノイズなどに起因して生じている
白点や黒点を無視することもできる。すなわち、このよ
うな処理をしなければ一点でも白点や黒点があればそれ
が輝度分布の両端となってしまうので、255階調の輝
度値であれば、多くの場合において最下端は階調「0」
であるし、最上端は階調「255」となってしまうが、
上端部分から0.5%の画素数だけ内側に入った部分を
端部とすることにより、このようなことが無くなる。
対する0.5%を演算し、再現可能な輝度分布における
上端の輝度値及び下端の輝度値から順番に内側に向かい
ながらそれぞれの分布数を累積し、0.5%の値となっ
た輝度値を求める。以後、この上端側をymaxと呼
び、下端側をyminと呼ぶ。
5」としたときに、変換前の輝度yと輝度の分布範囲の
最大値ymaxと最小値yminから変換先の輝度Yを次式に
基づいて求める。
とし、Y>255ならばY=255とする。ここにおけ
る、aは傾きであり、bはオフセットといえる。この変
換式によれば、図18に示すように、あるせまい幅を持
った輝度分布を再現可能な範囲まで広げることができ
る。ただし、再現可能な範囲を最大限に利用して輝度分
布の拡大を図った場合、ハイライト部分が白く抜けてし
まったり、ハイシャドウ部分が黒くつぶれてしまうこと
が起こる。これを防止するため本実施形態においては、
再現可能な範囲を制限している。すなわち、再現可能な
範囲の上端と下端に拡大しない範囲として輝度値で
「5」だけ残している。この結果、変換式のパラメータ
は次式のようになる。
ymaxの範囲においては変換を行わないようにする。
適用してしまうと、非常に大きな拡大率が得られる場合
も生じてしまう。例えば、夕方のような薄暮の状態では
最も明るい部分から暗い部分までのコントラストの幅が
狭くて当然であるのに、この画像についてコントラスト
を大きく拡大しようとする結果、昼間の画像のように変
換されてしまいかねない。このような変換は希望されな
いので、拡大率には制限を設けておき、aが1.5(〜
2)以上とはならないように制限する。これにより、薄
暮は薄暮なりに表現されるようになる。なお、この場合
は輝度分布の中心位置がなるべく変化しないような処理
を行っておく。
換式(Y=ay+b)を実行するのは非合理的である。
というのは、輝度yの取りうる範囲が「0」〜「25
5」でしかあり得ないため、予め輝度yが取りうる全て
の値に対応して変換後の輝度Yを求めておくことも可能
である。従って、図19に示すようなテーブルとして記
憶しておく。
ステップS320の拡大幅決定処理に該当し、画像デー
タを変更することが可能になる。しかし、このような輝
度の範囲の拡大によってコントラストを強調するだけで
なく、合わせて明るさを調整することも極めて有効であ
るため、ステップS330にて画像の明るさを判断し、
補正のためのパラメータを生成する。
分布の山が全体的に暗い側に寄っている場合には波線で
示すように全体的に明るい側に山を移動させると良い
し、逆に、図21にて実線で示すように輝度分布の山が
全体的に明るい側に寄っている場合には波線で示すよう
に全体的に暗い側に山を移動させると良い。
いては、輝度分布におけるメジアンymedを求め、同
メジアンymedが「85」未満である場合に暗い画像
と判断して以下のγ値に対応するγ補正で明るくする。
0.7とする。このような限界を設けておかないと夜の
画像が昼間のようになってしまうからである。なお、明
るくしすぎると全体的に白っぽい画像になってコントラ
ストが弱い画像になりやすいため、彩度を合わせて強調
するなどの処理が好適である。
大きい場合に明るい画像と判断して以下のγ値に対応す
るγ補正で暗くする。
も、γ=1.3として暗くなり過ぎないように限界を設
けておく。
して行っても良いし、変換後の輝度分布に対して行って
も良い。γ補正をした場合における対応関係を図22に
示しており、γ<1であれば上方に膨らむカーブとな
り、γ>1であれば下方に膨らむカーブとなる。むろ
ん、かかるγ補正の結果も図19に示すテーブル内に反
映させておけばよく、テーブルデータに対して同補正を
行っておく。
ト補正と明度補正が必要であるか否かを判断する。この
判断は上述した拡大率(a)とγ値について適当なしき
い値と比較し、拡大率の方が大きかったりγ値が所定範
囲を超えていたら必要性有りと判断する。そして、必要
性有りと判断されれば画像データの変換を行う。
(9)式に基づく変換を行うが、同式の変換式は、RG
Bの成分値との対応関係においても当てはめることがで
き、変換前の成分値(R0,G0,B0)に対して変換後
の成分値(R,G,B)は、
y,Yが階調「0」〜階調「255」であるのに対応し
てRGBの各成分値(R0,G0,B0),(R,G,B)
も同じ範囲となっており、上述した輝度y,Yの変換テ
ーブルをそのまま利用すればよいといえる。
像データ(R0,G0,B0)について(18)〜(2
0)式に対応する変換テーブルを参照し、変換後の画像
データ(R,G,B)を得るという処理を繰り返すことに
なる。
像の判定に利用する評価基準として使用し、コントラス
ト補正と明度補正を行うようにしているが、画像処理の
具体例はこれに限られるものではなく、従って評価基準
として使用する集計内容も様々である。
する場合のフローチャートを示している。
度を持っていればその彩度の値を用いて分布を求めるこ
とが可能であるが、RGBの成分値しか持っていないた
め、本来的には彩度値が直接の成分値となっている表色
空間への変換を行なわなければ彩度値を得ることができ
ない。例えば、標準表色系としてのLuv空間において
は、L軸が輝度(明度)を表し、U軸及びV軸で色相を
表している。ここにおいて、U軸及びV軸においては両
軸の交点からの距離が彩度を表すため、実質的に(U**
2+V**2)**(1/2)が彩度となる。
は対応関係を記憶した色変換テーブルを参照しつつ、補
間演算を併用しなければならず、演算処理量は膨大とな
ってくる。このような状況に鑑み、本実施形態において
は、画像データとして標準的なRGBの階調データを直
に利用して彩度の代替値Xを次のようにして求めてい
る。
「0」となり、RGBの単色あるいはいずれか二色の所
定割合による混合時において最大値となる。この性質か
ら直に彩度を適切に表すのは可能であるものの、簡易な
(21)式によっても赤の単色および緑と青の混合色で
ある黄であれば最大値の彩度となり、各成分が均一の場
合に「0」となる。また、緑や青の単色についても最大
値の半分程度には達している。むろん、
プリングとエッジ画素サンプリングの手法を採用しつつ
それぞれ別個に彩度の代替値Xについてのヒストグラム
の分布を求める。(21)式においては、彩度が最低値
「0」〜最大値「511」の範囲で分布し、概略的には
図24に示すような分布となる。次なるステップS42
0では、集計された彩度分布に基づいてこの画像につい
ての彩度指数というものを決定する。但し、この場合も
均等サンプリングの集計結果とエッジ画素サンプリング
の集計結果から個別に彩度指数を導出し、上述した重み
付け係数kを利用して合算せしめた彩度指数を算出す
る。
においては、サンプリングされた画素数の範囲で、分布
数として上位の「16%」が占める範囲を求める。そし
て、この範囲内での最低の彩度「A」がこの画像の彩度
を表すものとして次式に基づいて彩度強調指数Sを決定
する。
強調指数Sとの関係を示している。図に示すように、彩
度指数Sは最大値「50」〜最小値「0」の範囲で彩度
「A」が小さいときに大きく、同彩度「A」が大きいと
きに小さくなるように徐々に変化していくことになる。
にあたり、上述したように画像データが彩度のパラメー
タを備えているものであれば同パラメータを変換すれば
よいものの、RGBの表色空間を採用している場合に
は、一旦、標準表色系であるLuv空間に変換し、Lu
v空間内で半径方向へ変移させなければならないといえ
る。しかしながら、RGBの画像データを、一旦、Lu
v空間内の画像データに変換し、彩度強調後に再びRG
Bに戻すといった作業が必要となり、演算量が多くなら
ざるを得ない。従って、RGBの階調データをそのまま
利用して彩度強調することにする。
な関係にある色相成分の成分値であるときには、R=G
=Bであればグレイであって無彩度となる。従って、R
GBの各成分における最小値となる成分については各画
素の色相に影響を与えることなく単に彩度を低下させて
いるにすぎないと考えれば、各成分における最小値をす
べての成分値から減算し、その差分値を拡大することに
よって彩度を強調できるといえる。
有利な彩度強調パラメータSratioを、
=0のときに彩度強調パラメータSratio=1となって
彩度強調されない。次に、RGB階調データの各成分
(R,G,B)における青(B)の成分値が最小値であ
ったとすると、この彩度強調パラメータSratioを使用
して次のように変換する。
の間で一往復する二度の色変換が不要となるため、演算
時間の低減をはかることができる。この実施形態におい
ては、無彩度の成分について単純に最小値の成分を他の
成分値から減算する手法を採用しているが、無彩度の成
分を減算するにあたっては別の変換式を採用するもので
あっても構わない。ただし、(29)〜(31)式のよ
うに最小値を減算するだけの場合には乗除算が伴わない
ので演算量が容易となるという効果がある。
も、良好な変換が可能であるものの、この場合には彩度
を強調すると輝度も向上して全体的に明るくなるという
傾向がある。従って、各成分値から輝度の相当値を減算
した差分値を対象として変換を行うことにする。
v空間に色変換したのでは演算量が多大となってしまう
ため、テレビジョンなどの場合に利用されているRGB
から輝度を直に求める次式の変換式を利用する。
度との差分値に基づいて次式のように求める。すなわ
ち、
は次式から明らかである。
には、輝度Y=R=G=Bとなるので、加減値ΔR=Δ
G=ΔB=0となり、無彩色に色が付くこともない。
(39)式〜(41)式を利用すれば輝度が保存され、
彩度を強調しても全体的に明るくなることはない。
求めたら、ステップS430にて所定のしきい値と比較
し、彩度強調が必要な画像であるかを判断する。そし
て、必要であればステップS440にて(39)式〜
(41)式に基づいて全画素について画像データを変換
する。
複数の評価基準に基づいて画像データを評価しつつ、そ
れぞれの評価結果に対して所定の重み付けを持たせて合
算しており、これらを実行するハードウェア構成とソフ
トウェアとによって合算手段を構成することになる。
調処理の画像処理を前提としたエッジ度の評価に適用す
ることもできる。図26は、このエッジ強調処理のフロ
ーチャートを示している。エッジ度は上述した手法にて
算出するものとし、ステップS510では対象画素を移
動させながら均等サンプリングとエッジ画素サンプリン
グの手法で別々にエッジ度を集計する。そして、積算さ
れたエッジ度を画素数で除算することにより、それぞれ
の評価基準に基づくエッジ度の平均値を算出する。すな
わち、この画像のシャープ度合いSLは、画素数をE
(I)pixとすると、
場合、SLの値が小さい画像ほどシャープネスの度合い
が低い(見た目にぼけた)と判断できるし、SLの値が
大きい画像ほどシャープネスの度合いが高い(見た目に
はっきりとしたもの)と判断できる。
ションを入力するなどして重み付け係数kを決定し、そ
れぞれのサンプリング手法に基づくエッジ度を重み付け
加算して合算する。
あるため、実験的に得られた最適なシャープ度合いの画
像データについて同様にしてシャープ度合いSLを求
め、その値を理想のシャープ度合いSLoptと設定す
るとともに、ステップS520においてエッジ強調度E
enhanceを、
画像の大きさに基づいて変化するものであり、上述した
ように画像データが縦横方向にそれぞれheightド
ットとwidthドットからなる場合、
min(height,width)はheightド
ットとwidthドットのうちのいずれか小さい方を指
し、Aは定数で「768」としている。むろん、これら
は実験結果から得られたものであり、適宜変更可能であ
ることはいうまでもない。ただし、基本的には画像が大
きいものほど強調度を大きくするということで良好な結
果を得られている。
求めたら、ステップS530にて所定のしきい値と比較
してエッジ強調が必要であるか判断し、必要であると判
断されればステップS540にて全画素についてエッジ
強調処理を実行する。
Yに対して強調後の輝度Y’が、
各画素の画像データに対してアンシャープマスク処理を
施したものであり、ここでアンシャープマスク処理につ
いて説明する。図27は一例として5×5画素のアンシ
ャープマスク41を示している。このアンシャープマス
ク41は、中央の「100」の値をマトリクス状の画像
データにおける処理対象画素Y(x,y)の重み付けと
し、その周縁画素に対して同マスクの升目における数値
に対応した重み付けをして積算するのに利用される。こ
のアンシャープマスク41を利用する場合、
式において、「396」とは重み付け係数の合計値であ
り、サイズの異なるアンシャープマスクにおいては、そ
れぞれ升目の合計値となる。また、Mijはアンシャー
プマスクの升目に記載されている重み係数であり、Y
(x,y)は各画素の画像データである。なお、ijに
ついてはアンシャープマスク41に対して横列と縦列の
座標値で示している。
調演算の意味するところは次のようになる。Yunsharp
(x,y)は注目画素に対して周縁画素の重み付けを低
くして加算したものであるから、いわゆる「なまった
(アンシャープ)」画像データとしていることになる。
このようにしてなまらせたものはいわゆるローパスフィ
ルタをかけたものと同様の意味あいを持つ。従って、
「Y(x,y)−Yunsharp(x,y)」とは本来の全
成分から低周波成分を引いたことになってハイパスフィ
ルタをかけたものと同様の意味あいを持つ。そして、ハ
イパスフィルタを通過したこの高周波成分に対してエッ
ジ強調度Eenhanceを乗算して「Y(x,y)」に加え
れば同エッジ強調度Eenhanceに比例して高周波成分を
増したことになり、エッジが強調される結果となる。
るといわゆる画像のエッジ部分であるから、隣接する画
素との間で画像データの差が大きな場合にだけ演算する
ようにしてもよい。このようにすれば、殆どのエッジ部
分でない画像データ部分でアンシャープマスクの演算を
行う必要がなくなり、処理が激減する。
強調前の輝度Yから、
は、
プS510,S515にて、複数の評価基準に基づいて
画像のエッジ度を評価しつつ、それぞれの評価結果に対
して所定の重み付けを持たせて合算しており、これらを
実行するハードウェア構成とソフトウェアとによって合
算手段を構成することになる。
正、彩度強調、エッジ強調のそれぞれについて、画像処
理を行うかを判断している。しかし、必ずしも画像処理
を行うか否かの二者択一の判断を行う必要はない。すな
わち、それぞれにおいて強調程度を設定しており、この
ようにして設定した強調程度で画像処理を行うようにし
ても良い。
を説明する。
ンタ31にて印刷する場合を想定する。すると、まず、
コンピュータ21にてオペレーティングシステム21a
が稼働しているもとで、画像処理アプリケーション21
dを起動させ、スキャナ11に対して写真の読み取りを
開始させる。読み取られた画像データが同オペレーティ
ングシステム21aを介して画像処理アプリケーション
21dに取り込まれたら、処理対象画素を初期位置に設
定する。続いて、ステップS110にて(1)式〜
(3)式に基づいてエッジ度を判定し、ステップS12
0ではしきい値と同エッジ度とを比較する。そして、エ
ッジ度の方が大きい場合には処理対象画素がエッジ画素
であると判断し、ステップS130にて当該画素の画像
データをワークエリアに保存する。また、ステップS1
40では当該処理対象画素が均等サンプリングの対象で
あるか否かを判断し、対象である場合はステップS15
0で当該画素の画像データを別のワークエリアに保存す
る。
象画素を移動させながらステップS170にて全画素に
ついて実行したと判断されるまで繰り返す。
のワークエリアには異なる評価基準でサンプリングされ
た画像データが保存されていることになり、ステップS
180では画像評価のためのオプションを入力する。操
作者が画像を見てポートレートであるか風景写真である
かが判断できればいずれかを選択すればよいし、判断で
きない場合や全てを自動化したい場合には自動設定を選
択する。ポートレートを選択した場合には重み付け係数
kが「0.8」となってエッジ画素についての集計結果
に重きを置かれるし、風景写真を選択した場合には重み
付け係数kが「0.2」となって均等にサンプリングし
た集計結果に重きを置かれ、自動設定を選択した場合に
はエッジ画素の割合に応じた重み付け係数kがセットさ
れる。ただし、どの場合においても重み付け係数kを使
用して複数の評価基準を採用することになり、一つだけ
の評価基準にとらわれない柔軟な評価が可能となる。
像データそのものを保存するようにしたが、メモリ容量
や処理時間の面から考えると必ずしも画像データをその
ものをワークエリアに保存しておく必要はない。すなわ
ち、最終的にはサンプリング対象の画素について輝度分
布や彩度代替値分布のヒストグラムを作成することにな
るので、予めステップS120,S150にてヒストグ
ラムの情報を蓄積していくようにすればよい。
行する場合は、重み付け係数を使用してステップS12
0,S150,S310にて輝度分布のヒストグラムを
求め、ステップS320にて(12)(13)式に基づ
いて拡大処理のためのパラメータを決定するとともに、
ステップS330にて(14)〜(17)式に基づいて
明度補正のためのパラメータを決定する。そして、ステ
ップS340ではこれらのパラメータを所定のしきい値
と比較し、画像処理すべきと判断すればステップS35
0にて上記パラメータに基づいて輝度変換する。この場
合、演算量を減らすために最初に図19に示す輝度の変
換テーブルを作成しておき、(18)〜(20)式に基
づいて画像データを変換する。
スプレイドライバ21cを介してディスプレイ32に表
示し、良好であればプリンタドライバ21bを介してプ
リンタ31にて印刷させる。すなわち、同プリンタドラ
イバ21bはエッジ強調されたRGBの階調データを入
力し、所定の解像度変換を経てプリンタ31の印字ヘッ
ド領域に対応したラスタライズを行なうとともに、ラス
タライズデータをRGBからCMYKへ色変換し、その
後でCMYKの階調データから二値データへ変換してプ
リンタ31へ出力する。
読み込まれた写真の画像データは自動的に最適なコント
ラスト補正と明度補正を施されてディスプレイ32に表
示された後、プリンタ31にて印刷される。すなわち、
複数の評価基準を採用してより柔軟に画像を判定し、そ
の評価結果に基づいてコントラスト補正や明度補正とい
う最適な画像処理を実現することができる。
補正に限らず、彩度強調やエッジ強調の場合にも、複数
の評価基準で彩度やエッジ度をサンプリングして集計す
るとともに重み付け係数を調整して合算するようにした
ため、単一の評価基準だけにとらわれない柔軟な判定を
経て画像処理を実行することになる。
ュータ21はステップS120,S140にて異なる評
価基準で画素の画像データをサンプリングしておくとと
もに、ステップS180にて入力される画像評価オプシ
ョンに基づいてステップS192〜S196にて重み付
け係数kを決定し、この決定した重み付け係数kを使用
してステップS310にて集計結果を合算して輝度分布
ヒストグラムを生成することにより、複数の評価基準を
合算した総合的な集計結果に基づいて画像を評価し、ス
テップS310〜S350にて最適な画像処理を実行す
ることができる。
適用した画像処理システムのブロック図である。
ック図である。
略ブロック図である。
略ブロック図である。
部分を示すフローチャートである。
せていく状態を示す図である。
す場合の説明図である。
接画素における差分値で求める場合の説明図である。
る場合の説明図である。
る。
関係を示す図である。
ある。
て合算する状況を示す図である。
フローチャートである。
る端部を示す図である。
示す図である。
す図である。
図である。
る。
である。
る。
である。
Claims (15)
- 【請求項1】 複数の画素からなる実写画像を予め評価
してから、該実写画像に所定の画像処理を行なう画像処
理装置であって、 実写画像を構成する少なくとも一部の画素の画像データ
を入力し、該画像データに対して異なる複数の手法で個
別に集計処理を行なうと共に、該集計処理の結果を当該
複数の手法毎に重み付けを行なって合算する合算手段
と、 該合算された結果に基づいて、前記実写画像を評価する
評価手段と、 該評価に従って前記所定の画像処理を行なう処理手段と
を備えた画像処理装置。 - 【請求項2】 前記合算手段によって行われる前記複数
の手法による集計処理には、各画素における隣接画素と
の間の画像データの変化の度合いが大きい画素につい
て、その画像データを集計する処理である変化部集計処
理が含まれる請求項1に記載の画像処理装置。 - 【請求項3】 前記合算手段によって行われる前記複数
の手法による集計処理には、前記実写画像を構成する全
画素から所定の基準で間引いて選択した画素について、
その画像データを集計する処理である間引き集計処理が
含まれる請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 【請求項4】 前記合算手段によって行われる間引き集
計処理は、前記実写画像の全体に対して、均等にサンプ
リングして集計する処理である請求項3に記載の画像処
理装置。 - 【請求項5】 請求項4に記載の画像処理装置であっ
て、 前記合算手段によって行われる間引き集計処理におい
て、前記実写画像を構成する画素からサンプリングされ
る画素の数Nが、サンプリングにより生じる誤差として
許容される上限をE%としたとき、 E≦100/√(N) を満たすよう選択された画像処理装置。 - 【請求項6】 前記合算手段における前記重み付けを、
前記複数の集計処理の少なくとも一つにおいて変更可能
に構成した請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処
理装置。 - 【請求項7】 前記合算手段は、前記重み付けを、前記
画像データの変化の度合いの大きな画素数と前記所定の
基準で間引いて選択した画素数との比により設定する手
段を備えた請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処
理装置。 - 【請求項8】 前記合算手段は、前記重み付けを、前記
実写画像の種類を指定することにより設定する手段を備
えた請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理装
置。 - 【請求項9】 前記合算手段における前記変化部集計処
理は、前記実写画像を構成する画素の画像データとこれ
に少なくとも縦横いずれかの方向に隣接する2つの画素
の画像データとの差分を縦横成分とするベクトルの大き
さが所定以上の画素を前記画像データの変化の度合いが
大きい画素であると判断して、前記画像データを集計す
る処理である請求項2に記載の画像処理装置。 - 【請求項10】 前記合算手段は、前記集計処理の一つ
として、画像データに含まれる輝度または彩度につい
て、各画素の画像データが属する範囲の度数を集計して
ヒストグラムを作成する処理を行なう請求項1ないし9
のいずれかに記載の画像処理装置。 - 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
の画像処理装置であって、 前記合算手段は、前記画像データに含まれる彩度につい
て、異なる複数の手法で個別に集計処理を行ない、該集
計処理の結果を当該複数の手法毎に重み付けを行なって
合算する手段であり、 前記合算手段により合算された結果に基づいて、前記実
写画像の輝度が保存されるように、前記実写画像に対す
る彩度強調度合いを決定する決定手段を備え、 前記評価手段は、該決定された彩度強調度合いに基づい
て前記実写画像を評価する手段であり、 前記処理手段は、該評価に従って彩度強調処理を行なう
手段である画像処理装置。 - 【請求項12】 複数の画素からなる実写画像に対する
画像処理に先立って、該実写画像の評価を行なう画像評
価装置であって、 実写画像を構成する少なくとも一部の画素の画像データ
を入力し、該画像データに対して異なる複数の手法で個
別に集計処理を行なうと共に、該集計処理の結果を当該
複数の手法毎に重み付けを行なって合算する合算手段
と、 該合算された結果に基づいて、前記実写画像を評価する
評価手段とを備えた画像評価装置。 - 【請求項13】 複数の画素からなる実写画像に対する
画像処理に先立って、該実写画像の評価を行なう画像評
価方法であって、 実写画像を構成する少なくとも一部の画素の画像データ
を入力し、各画素の画像データを異なる複数の手法で個
別に集計処理すると共に、当該複数の手法毎に重み付け
を行なって合算し、 該合算された結果に基づいて、前記実写画像を評価する
画像評価方法。 - 【請求項14】 複数の画素からなる実写画像に対する
画像処理に先立って、該実写画像の評価を行ない、該評
価に基づいて画像を処理する方法であって、 実写画像を構成する少なくとも一部の画素の画像データ
を入力し、該画像データに対して異なる複数の手法で個
別に集計処理を行なうと共に、該集計処理の結果を当該
複数の手法毎に重み付けを行なって合算し、 該合算された結果に基づいて、前記実写画像を評価し、 該評価に従って、前記実写画像に対する所定の処理を行
なう画像処理方法。 - 【請求項15】 複数の画素からなる実写画像に対する
画像処理に先立って、該実写画像の評価を行ない、該評
価に基づいて画像を処理するプログラムを、コンピュー
タにより読み取り可能に記録した記録媒体であって、 実写画像を構成する少なくとも一部の画素の画像データ
を入力し、該画像データに対して異なる複数の手法で個
別に集計処理を行なう機能と、 当該複数の手法毎に重み付けを行なって、前記集計処理
の結果を合算する機能と、 該合算された結果に基づいて、前記実写画像を評価する
機能と、 該評価に従って、前記実写画像に対する所定の処理を行
なう機能とをコンピュータにより実現するプログラムを
記録した記録媒体。
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-
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- 2002-09-25 JP JP2002278377A patent/JP3731573B2/ja not_active Expired - Lifetime
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