JP2003177288A - 光ファイバドロップケーブル及び製造方法 - Google Patents

光ファイバドロップケーブル及び製造方法

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JP2003177288A
JP2003177288A JP2001376977A JP2001376977A JP2003177288A JP 2003177288 A JP2003177288 A JP 2003177288A JP 2001376977 A JP2001376977 A JP 2001376977A JP 2001376977 A JP2001376977 A JP 2001376977A JP 2003177288 A JP2003177288 A JP 2003177288A
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optical fiber
cable
drop cable
optical
tensile strength
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JP2001376977A
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English (en)
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Masahiro Kusakari
雅広 草刈
Yukiaki Tanaka
志明 田中
Takeshi Honjo
武史 本庄
Hiroto Watanabe
裕人 渡邉
Osamu Koyasu
修 子安
Kazunaga Kobayashi
和永 小林
Suehiro Miyamoto
末広 宮本
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバケーブルの外皮(ケーブルシー
ス)の亀裂等により起こる抗張力体内の水走りを抑え、
光伝送損失の増加抑制に寄与する光ファイバドロップケ
ーブル及び製造方法を提供する。 【解決手段】 この光ファイバドロップケーブルは、光
ファイバテープ心線5の両脇に一対の非導電性の抗張力
繊維に吸収材を塗布して束ね合わされた第1の抗張力体
が添設され、これが一括して熱可塑性樹脂のケーブルシ
ース7で被覆されてなる光エレメント部11と、例えば
鋼線からなる第2の抗張力体に熱可塑性樹脂のケーブル
シース7を被覆してなるケーブル支持部13とが互いに
平行に、かつくびれた首部15を介して連続的又は間欠
的に一体に接続されることで、第1の抗張力体内に水走
りが発生しても、水の流れを抑制し伝送損失の増加を抑
えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバドロッ
プケーブルの構造に関し、特に光ファイバ心線に添設さ
れる抗張力体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア通信のネットワー
ク化実現に向けて、情報通信ネットワークをディジタル
化し、ネットワークの大容量化及び高機能化を図り、各
家庭やオフィスにおいても大容量データ通信が可能とな
るような通信基盤が整いつつある。
【0003】このように各家庭やオフィスにおいても大
容量データの通信を実現化するための通信基盤の1つと
してFTTH(Fiber to the Home)がある。FTTH
は、家庭又はオフィスにおいて、超高速データ等の高速
広帯域情報を送受信するために電話局から延線された光
ファイバケーブルを電柱を介して一般住宅等の加入者宅
に引き落とし、家庭内の端末に接続することで高速通信
を実現するものである。この電柱から加入者宅に引き落
とす配線ケーブルとして光ファイバドロップケーブルが
一般に用いられている。
【0004】図5は、従来の光ファイバドロップケーブ
ル100の断面を示す図である。同図に示すように、光
ファイバ心線又は光ファイバテープ心線105の両脇に
は、一対の導電性材料、例えば鋼線からなる第1の抗張
力体103が添設され、これを一括して熱可塑性樹脂の
ケーブルシース107で被覆されてなる光エレメント部
111と、例えば鋼線からなる支持線109(第2の抗
張力体)に熱可塑性樹脂のケーブルシース107を被覆
してなるケーブル支持部113とが互いに平行かつ、く
びれた首部115を介して一体に接続されている。
【0005】光ファイバドロップケーブル100を使用
し、電話局から延線された光ファイバドロップケーブル
100から各家庭に光ファイバ心線103を引き落とす
場合は、この光ファイバドロップケーブル100の両側
端部の首部115の一部を引き裂いて、光エレメント部
111とケーブル支持部113とを分離する。分離した
一方のケーブル支持部113の端部は、電柱に設置され
る架空用クロージャに固定し、他方の端部は、家屋の屋
外線引き止め具に固定する。また光エレメント部111
も同様に、一方の端部は架空用クロージャに接続し、他
方の端部は家屋の屋外に設置される成端箱に接続する。
【0006】なお、成端箱が屋内になる場合や、成端箱
がなく屋内のOE変換器に直接ケーブルが接続されるよ
うな場合は、光ファイバドロップケーブル100の光エ
レメント部111は屋内に引き込まれることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記光エレメント部の
抗張力体は導電性の金属線であるため、屋内に引き込ん
でいる場合は落雷時に抗張力体を介して誘導が行われる
ため、例えば屋内の電気機器が故障するという問題があ
る。
【0008】また、光ファイバケーブルを通信用ケーブ
ルとして製造するためには、外力、水に対しても伝送特
性が安定していることが必要とされるが、光ファイバの
側面から不均一な外圧が加えられる、又は光ファイバケ
ーブル内に水が浸入すると、光ファイバの軸がわずかに
(数μm程度)曲がり伝送損失の増加(マイクロベンデ
ィンググロス)が生じるという問題がある。
【0009】光ファイバケーブル内に水が浸入する場合
とは、具体的には光ファイバ心線及び抗張力体を一括し
てシースするケーブルシースが破断した場合等が考えら
れる。光ファイバ心線を挟んで両側に添設される抗張力
体まで亀裂が入った場合、抗張力体とケーブルシースの
間の空隙部に水が侵入して水走りが起こるという問題が
ある。
【0010】また、屋外に設置された架空用クロージャ
に水が浸入すると、抗張力体の切断面からケーブルシー
スの空隙部に水が走り、この水が低温下に曝されること
により凍り付き、空隙部内で膨張して、その応力により
伝送損失が増加するという問題がある。
【0011】なお、光ファイバドロップケーブルの外皮
は熱可塑性樹脂で覆われていることから外部からの水の
侵入は防止されている。そこで本発明においては、外皮
が破断されることにより起こり得る抗張力線内の水走
り、或いはケーブルの切断面から水が浸入することによ
り起こり得る抗張力体の水走りを防止することにある。
【0012】本発明は、上記問題を鑑みてなされたもの
であり、その目的としては、抗張力体内に侵入した水の
水走りを抑えることで、ケーブルに与える応力を減少さ
せ、データ伝送の損失増加を抑制させる光ファイバドロ
ップケーブル及び光ファイバドロップケーブルの製造方
法を提供することができる。
【0013】
【課題を解決するための手段】光ファイバ心線と該光フ
ァイバ心線を挟んでその両側に平行に配置される少なく
とも1対の第1の抗張力体とがケーブルシースで被覆さ
れた長尺の光エレメント部と、第2の抗張力体がケーブ
ルシースで被覆された長尺のケーブル支持部とが、互い
に平行でかつ連続的に又は間欠的に固着されてなる光フ
ァイバドロップケーブルであって、前記第1の抗張力体
は、非導電性繊維に防水性を有する吸水材料を塗布した
ものからなることを要旨とする。
【0014】本発明にあっては、第1の抗張力体として
非導電性繊維を使用することで落雷による屋内電気誘導
の事故を防止し、かつ、非導電性繊維に防水性を有する
吸水材料を塗布することで、ケーブル破断時或いは切断
面から水が侵入した場合に、水の浸入距離を短距離に抑
える。
【0015】また、請求項2記載の本発明は、前記非導
電性繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維等の繊維からな
ることを要旨とする。
【0016】本発明にあっては、非導電性繊維は、不燃
性、腐食性を兼ね備えるガラス繊維、アラミド繊維とす
ることで、落雷による屋内電気誘導の事故を防止し、か
つ、ケーブルの伸び率が0.2%以下となる張力を確保
する。
【0017】さらに、請求項3記載の本発明は、前記吸
収性を有する吸収材料は、アクリル繊維に親水基を導入
してなることを要旨とする。
【0018】本発明にあっては、アクリル繊維に水と親
和性の高い親水基を導入することで、ケーブルの破断等
により抗張力体に侵入した水との吸着性を高めて、水走
りを抑制する。
【0019】また、請求項4記載の本発明は、前記非導
電性繊維が集合体からなることを要旨とする。
【0020】本発明にあっては、第1の抗張力体を構成
する非導電性繊維は、所要数を束ね合わせた集合体から
なることで光ファイバに影響を及ぼす張力に耐え得る強
度を確保する。
【0021】さらに、請求項5記載の本発明は、前記非
導電性繊維の集合体が撚り合わせてなることを要旨とす
る。
【0022】本発明にあっては、第1の抗張力体を構成
する非導電性繊維は、所要数を束ねて撚り合わせること
で、光ファイバに影響を及ぼす張力に耐え得る強度を確
保し、かつ、被覆時に非導電性繊維が広がることをを防
ぐ。
【0023】また、請求項6記載の本発明は、光ファイ
バ心線と該光ファイバ心線を挟んでその両側に平行に配
置される少なくとも1対の第1の抗張力体とがケーブル
シースで被覆された長尺の光エレメント部と、第2の抗
張力体がケーブルシースで被覆された長尺のケーブル支
持部とが、互いに平行でかつ連続的に又は間欠的に固着
して光ファイバドロップケーブルを製造する際に、抗張
力体を非導電性繊維とし、該非導電性繊維に吸収性を有
する吸収材料を塗布して束ね合わせた集合体をケーブル
シースで被覆することを要旨とする。
【0024】本発明にあっては、吸収材料を塗布した非
導電性繊維を束ねて合わせて第1の抗張力体を形成した
後に、光ファイバ心線と支持線とを一括して押出し成形
することで、簡単に長尺製造を可能とする光ファイバド
ロップケーブルを製造する。
【0025】さらに、請求項7記載の本発明は、請求項
6記載の光ファイバドロップケーブルの製造方法におい
て、吸収性を有する吸収材料を塗布した非導電性繊維の
集合体は、撚り合わせて構成されることを要旨とする。
【0026】本発明にあっては、吸収材料を塗布した非
導電性繊維を撚り合わせて第1の抗張力体を、光ファイ
バ心線と支持線とを一括して押出し成形することで、簡
単に長尺製造を可能とする光ファイバドロップケーブル
を製造する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態を説明する。
【0028】図1は、本発明の光ファイバドロップケー
ブル1の断面図であり、図2は、本発明の光ファイバド
ロップケーブル1の側面図である。
【0029】この光ファイバドロップケーブル1の構成
は、光ファイバテープ心線5(或いは光ファイバ心線)
の両脇に一対の非導電性の抗張力繊維からなる第1の抗
張力体(以下、単に抗張力体3という)が添設され、こ
れが一括して熱可塑性樹脂のケーブルシース7で被覆さ
れてなる光エレメント部11と、例えば鋼線からなる第
2の抗張力体(以下、支持線9という)に熱可塑性樹脂
のケーブルシース7を被覆してなるケーブル支持部13
とが互いに平行に、かつくびれた首部15を介して連続
的又は間欠的に一体に接続されている。
【0030】抗張力体3として使用される非導電性の抗
張力繊維は、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維であ
り、これら集合体を束ね合わせて約1500デニールの
抗張力体3とする。
【0031】ガラス繊維は、一般に長繊維と短繊維の2
種類に大別され、ケーブル等に使用される長繊維は一般
にガラスヤーン31と呼ばれ、特殊鋼に匹敵する程の引
張り強度を有する他、伸び縮みがほとんどなく寸法安定
性が良い。また、電気絶縁性が極めてよく、耐熱性が高
くて不燃繊維であるという特長を有している。
【0032】一方アラミド繊維は、例えば、ケブラー
(デュポン社商標登録)を使用する。ケブラーは、30
0kg/mmの引張り強度を持ち、伸び縮みがほどん
どなく寸法安定性が良い。さらに、耐熱性や高耐衝撃性
などの特性に優れる不燃繊維であるという特長を有して
いる。
【0033】抗張力体3に塗布する吸収材料は、アクリ
ル繊維に親水基を導入して生成される吸水性パウダーを
用いる。吸収性パウダーとは、水との吸着性が極めて良
い粉末状の物質であり、アクリル繊維を形成する鎖状の
炭素原子(鎖状化合物)に、化学処理を施して、炭素原
子から枝分かれしている側鎖に水と親和性の強い親水基
(例えば、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−CO
OH)、アミノ基(−NH))を組成させることによ
り生成される繊維を、さらに粉末状にしたものである。
【0034】次に、上記光ファイバドロップケーブル1
の製造方法について説明する。図3は、本発明の光ファ
イバドロップケーブル1を製造する押出装置17の概略
を示す図である。なお、本実施の形態においては、抗張
力体3としてガラスヤーン31を使用する。
【0035】押出装置17は、ガラスヤーン31を巻い
たボビン19aと、ガラスヤーン31に吸収材を塗布す
る吸収材塗布装置21と、光ファイバテープ心線5を巻
いたボビン19bと、支持線9を巻いたボビン19c
と、押出しヘッド23からなり、押出しヘッド23は吸
収剤塗布装置21で形成された抗張力体3、光ファイバ
テープ心線5及び支持線9を一括して熱可塑性の樹脂で
被覆する。
【0036】吸収材塗布装置21は、吸水性パウダーを
均一に噴出する噴出金具を有し、ガラスヤーン31の表
面全体に吸水性パウダーを均一に塗布すると共に、複数
のガラスヤーン31を束ね合わせて固化させる。
【0037】押出ヘッド23は、押出しヘッド23内に
押型金具を具備しており、抗張力体3、光ファイバテー
プ心線5及び支持線9を押型金具を通過させるときに、
光ファイバテープ心線5を挟んで両側に抗張力体3を配
置し、これに熱可塑性樹脂のケーブルシース7を被覆す
ることで光エレメント部11を成形する。同時に、支持
線9に対しても熱可塑性樹脂のケーブルシース7を被覆
しケーブル支持部13を成形する。これら両者を一括し
て押出成形し、首部15を介して一体固着させる。
【0038】したがって、上記製造方法により吸収パウ
ダーを塗布して束ね合わされた抗張力体3を、押出ヘッ
ド23で、光ファイバテープ心線5及び支持線9と一括
シースすることで長尺製造することを可能とし、さらに
抗張力体3内に水が侵入しても、吸収パウダーが水と吸
着して水走り侵入速度を抑制させる光ファイバドロップ
ケーブル1を製造することができる。
【0039】次に、上記製造方法で製造された光ファイ
バドロップケーブル1の評価を表1を用いて説明する。
【0040】
【表1】 評価に用いる光ファイバドロップケーブル1は、抗張力
体1の線径を約0.4φ、引張り強度を約95N、引張
弾性率を26000N/mmのものとし、測定波長
は、中継系ネットワークシステムに利用される1.55
μmを使用する。
【0041】評価項目は、表1に示すように、光伝送損
失、温度特性、機械特性、防水特性の4項目とし、機械
特性については、側圧特性、曲げ特性、衝撃特性、捻回
特性、引張特性を測定する。
【0042】光伝送損失の評価は、光ファイバドロップ
ケーブル1の単位長当たり光ファイバ内で損失する電力
量を、入射光電力に対する出射光電力の比から測定す
る。光伝送損失は、0.25dB/km以下のものを良
とする。
【0043】温度特性の評価は、光ファイバドロップケ
ーブル1の布設環境を想定した上で、−30℃〜+70
℃の範囲内で光伝送損失を測定する。−30℃〜+70
℃の温度範囲内でのヒートサイクルを行った結果、試験
開始時を0として、その損失増加量が0.3dB/km
以下であるものを良とする。
【0044】側圧特性の評価は、光ファイバドロップケ
ーブル1の側面から1200N/25mmの圧力をかけ
た場合における伝送損失の増加を測定し、0.1dB以
下を良とする。
【0045】曲げ特性の評価は、光ファイバドロップケ
ーブル1に、30mの半径で±90円の曲げを10サイ
クル加えたときに生じる光伝送損失の増加を測定し、
0.1dB以下を良とする。
【0046】衝撃特性の評価は、光ファイバドロップケ
ーブル1の両端部を固定金具で固定し、ケーブルに捻り
(1回/m)を加え、かつ、0.3kgの応力を印加し
たときの光伝送損失の増加を測定し、0.1dB以下を
良とする。
【0047】捻回特性の評価は、光ファイバドロップケ
ーブル1の両端部を固定金具で固定し、ケーブルに捻り
(1回/m)を加え、かつ、捻り方向を±90°とした
ときに生じる光伝送損失の増加を測定し、0.1dB以
下を良とする。
【0048】引張特性の評価は、光ファイバドロップケ
ーブル1に70kg/mの引張り強度を与えた場合に生
じる光伝送損失の増加を測定し、0.1dB以下を良と
する。
【0049】防水特性の評価は、水頭長を1m、サンプ
ル長が1mの光ファイバドロップケーブル1を168時
間人口海水に浸水させた状態で、光ファイバドロップケ
ーブル1の端部から水が侵入した距離を測定する。
【0050】上記評価方法により、各条件を基に評価し
た結果、実用上問題のない特性を有する光ファイバドロ
ップケーブル1であることが確認された。
【0051】具体的には、光伝送損失は0.25dB/
km以下であり、温度特性は0.30dB/km以下で
ある。この値から一般に0.5dB/km以下であれば
伝送に支障ないとされいることから、−30〜70℃の
温度範囲において、十分な光伝送損失特性が確認され
た。
【0052】機械特性のうち側圧測定の評価結果は、
0.1dB以下であり、以下曲げ特性、衝撃特性、捻回
特性、引張特性も共に0.1dB以下であることから、
布設工事あるいは地下配設に使用する場合に、いずれの
環境下においても正常に使用できることが確認された。
【0053】また、防水特性は、吸水材が塗布されてい
ない状態では水走り長が19mであったが、吸収材を塗
布したことにより水走りした距離は1m未満であるとい
う結果が得られた。
【0054】したがって、表1の評価条件に基づく測定
結果から、ケーブルを吊り下げる架空設置や、ケーブル
を地下に埋設する地下配設等で実施する状況下におい
て、外力による伝送損失の増加を抑制する光ファイバド
ロップケーブルであることが確認された。
【0055】また、光ファイバドロップケーブル1のケ
ーブルシース7に亀裂が生じ、そこから水が浸入したと
しても抗張力体3に塗布された吸水材が水を吸着するの
で、急速な水走りを抑え、ケーブルの取り替え工事まで
時間を稼ぎ、取替え時まで正常に伝送することができる
光ファイバドロップケーブルであることが確認された。
【0056】同様に、屋外に設置された架空用クロージ
ャに水が浸入して光ファイバドロップケーブルの切断面
から水が侵入する場合においても、抗張力体3に塗布さ
れた吸水材が水を吸着して空隙部の急速な水走りを抑制
するので、ケーブルの取り替え工事まで正常な伝送を行
うことができる。
【0057】次に図4を用いて本発明の光ファイバドロ
ップケーブル1の布設方法を説明する。
【0058】電話局から延線された光ファイバケーブル
43は電柱41上の架空用クロージャ45に装着され
る。この架空用クロージャ45と加入者宅55との間に
は本発明の光ファイバドロップケーブル1が配線され、
この光ファイバドロップケーブル1の一方の端部は架空
用クロージャに接続され、もう一方の端部は加入者宅5
5の屋外に設けられる成端箱53に接続されて屋内に引
き落とされる。
【0059】そして、この光ファイバドロップケーブル
1を使用して電話局から延線された光ファイバケーブル
43から各家庭に光ファイバ心線5を引き落とす際は、
この光ファイバドロップケーブル1の両端部の首部15
を一部切裂いて光エレメント部11とケーブル支持部1
3とに分離させ、分離された一方のケーブル支持部13
の端部13Aを電柱41の屋外線引き止め具47に固定
し、他方の端部13Bを加入者宅の屋外引き止め具51
に固定する。
【0060】さらに、光エレメント部11の一方端部1
1Aは、電柱41上の架空用クロージャ45に接続さ
れ、他方の端部11Bは屋内のOE変換器又は成端箱5
3に接続される。
【0061】(第2の実施の形態)なお、上記第1の実
施の形態において、抗張力体3は、非導電性繊維を所要
数を束ねて1000デニール以上2000デニール以下
の集合体を構成しているが、抗張力体3の構成はこれに
限らず、非導電性繊維の集合体を撚り合わせて構成して
もよい。
【0062】このとき抗張力体3の充填率は、50%以
上が望ましい。なぜなら、充填率が50%以上であれば
光エレメント部11とケーブル支持部13とを引き裂い
た際に、光ファイバ心線にかかるテンションが小さくな
り、光ファイバ心線の断線及び伝送損失の増加が生じに
くくなることが測定により得られているためである。
【0063】なお、ここでいう充填率とは、抗張力体3
が入る空隙部の断面積に対して、撚られた非導電性繊維
が占める割合を意味している。
【0064】また、1000デニール以上2000デニ
ール以下の非導電性繊維の集合体で、かつ、充填率を5
0%以上とした場合に、7000kgf/mmのヤン
グ率が得られることが測定により得られており、非導電
性繊維を束ねて撚り合わせることにより構成される抗張
力体3は、抗張力体3内の水走りを抑えることで伝送損
失の増加抑制し、かつ、被覆時に起こる非導電性繊維の
広がりを防止するので、非撚り抗張力体に比べて剛性の
高い光ファイバドロップケーブルを提供することができ
る。
【0065】なお、非導電性繊維に撚りを加える製造方
法は、図3のガラスヤーン31を巻いたボビン19a自
体を回転させながら、ガラスヤーン31を巻いた他のボ
ビン19aとを互いに撚り合わせることで生成すること
ができる。
【0066】撚り合わせ強度は、ボビン19aの回転速
度とガラスヤーン31の送り出し速度を調整することに
より容易に設定される。撚り合わされた後は、上記製造
方法と同様に、吸収材塗布装置21内の噴射金具から吸
収材が均一に塗布され、固化した後、押出装置17へ送
り出される。
【0067】したがって、非導電性繊維を撚り合わせて
抗張力線3を構成しても上記実施の形態と同様に、ケー
ブルシース7に亀裂が生じて水が浸入した場合や、架空
用クロージャに水が浸入して光ファイバドロップケーブ
ルの切断面から水が侵入した場合においても、抗張力体
3に塗布された吸水パウダーが水を吸着するので、急速
な水走りを抑え、かつ、ケーブルの取り替え工事までは
正常にデータ伝送を行うことができる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、抗張力体内に侵入した
水の水走りを抑えることで、ケーブルに与える応力を減
少させ、データ伝送の損失増加の抑制に寄与する光ファ
イバドロップケーブル及び光ファイバドロップケーブル
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバドロップケーブルの断面図
である。
【図2】本発明の光ファイバドロップケーブルの側面図
である。
【図3】本発明の光ファイバドロップケーブルを作製す
る押出装置を示す図である。
【図4】本発明の光ファイバドロップケーブルの布設形
態の一例を示す図である。
【図5】従来の光ファイバドロップケーブルの断面図で
ある。
【符号の説明】
1 光ファイバドロップケーブル 3 抗張力体 5 光ファイバテープ心線(光ファイバ心線) 7 ケーブルシース 9 支持線 11 光エレメント部 13 ケーブル支持部 15 首部 17 押出装置 19 ボビン 21 吸収材塗布装置 23 押出しヘッド 31 ガラスヤーン 41 電柱 43 光ファイバケーブル 45 架空用クロージャ 47 屋外線引き止め具 51 屋外線引き止め具 53 成端箱(又はOE変換器) 55 加入者宅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本庄 武史 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 渡邉 裕人 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 子安 修 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 小林 和永 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 宮本 末広 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2H001 BB21 BB27 DD06 DD11 DD35 FF01 HH02 KK08 KK09 KK17 MM01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ心線と該光ファイバ心線を挟
    んでその両側に平行に配置される少なくとも1対の第1
    の抗張力体とがケーブルシースで被覆された長尺の光エ
    レメント部と、第2の抗張力体がケーブルシースで被覆
    された長尺のケーブル支持部とが、互いに平行でかつ連
    続的に又は間欠的に固着されてなる光ファイバドロップ
    ケーブルであって、 前記第1の抗張力体は、 非導電性繊維に吸収性を有する吸水材料を塗布したもの
    からなることを特徴とする光ファイバドロップケーブ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記非導電性繊維は、 ガラス繊維、アラミド繊維等の繊維からなることを特徴
    とする請求項1記載の光ファイバドロップケーブル。
  3. 【請求項3】 前記吸収性を有する吸収材料は、 アクリル繊維に親水基を導入してなることを特徴とする
    請求項1又は2記載の光ファイバドロップケーブル。
  4. 【請求項4】 前記非導電性繊維が集合体からなること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファ
    イバドロップケーブル。
  5. 【請求項5】 前記非導電性繊維の集合体が撚り合わせ
    てなることを特徴とする請求項4記載の光ファイバドロ
    ップケーブル。
  6. 【請求項6】 光ファイバ心線と該光ファイバ心線を挟
    んでその両側に平行に配置される少なくとも1対の第1
    の抗張力体とがケーブルシースで被覆された長尺の光エ
    レメント部と、第2の抗張力体がケーブルシースで被覆
    された長尺のケーブル支持部とが、互いに平行でかつ連
    続的に又は間欠的に固着して光ファイバドロップケーブ
    ルを製造する際に、抗張力体を非導電性繊維とし、該非
    導電性繊維に吸収性を有する吸収材料を塗布して束ね合
    わせた集合体をケーブルシースで被覆することを特徴と
    する光ファイバドロップケーブルの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の光ファイバドロップケー
    ブルの製造方法において、吸収性を有する吸収材料を塗
    布した非導電性繊維の集合体は、撚り合わせて構成され
    ることを特徴とする光ファイバドロップケーブルの製造
    方法。
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