JP2003175721A - 蓄熱式車両空気調和装置 - Google Patents

蓄熱式車両空気調和装置

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JP2003175721A
JP2003175721A JP2001377708A JP2001377708A JP2003175721A JP 2003175721 A JP2003175721 A JP 2003175721A JP 2001377708 A JP2001377708 A JP 2001377708A JP 2001377708 A JP2001377708 A JP 2001377708A JP 2003175721 A JP2003175721 A JP 2003175721A
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vehicle
heat
heat storage
air conditioner
evaporator
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JP2001377708A
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Masao Imanari
正雄 今成
Saho Funakoshi
砂穂 舟越
Hidenori Yokoyama
英範 横山
Masanori Takeso
當範 武曽
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走行中の車室内温度を一定に保つとともに,冷
熱を効率よく蓄熱しておき,その冷熱をアイドルストッ
プ時の車室内温度上昇を抑える補助冷房として利用する
ことのできる車両用空気調和装置を提供すること。 【解決手段】蒸発器と蓄熱器を冷媒流路的に直列に接続
して,走行時に車室内を連続的に冷房することにより車
室内温度の上下動を抑えつつ,空調装置を連続運転する
ことにより発生しうる冷房能力のうちの車室内負荷を差
し引いた余冷熱分を蓄熱しておく。アイドルストップ時
には,この冷熱を車室内に放熱させて補助冷房に用いる
ことにより,車室内温度上昇を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,アイドルストップ
を行う車両用の空気調和装置で,蓄熱手段を備えた装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の走行用駆動源とプーリとベルトで
連結された圧縮機をもつ車両用空気調和装置では,主に
夏場に長時間停止した後からの始動では,車室内の温度
も上昇しているため,走行用駆動源を起動してからある
程度の走行時間までは,車両用空気調和装置をONした場
合,その走行用駆動源と同一の回転数で連続的に運転さ
れて,その回転数に応じた最大冷房能力で空調を行う。
その後,車室内の温度が冷房されて設定温度付近まで下
がると,車両用空気調和装置の冷房能力を抑制するため
に,プーリ近傍に設けられたクラッチをON-OFFして断続
的な冷房運転とすることで,車室内負荷に応じた冷房能
力に調整していた。しかしながらこのON-OFF運転では,
冷房能力と空調のための入力の比である成績係数(COP)
が悪くなり,エネルギー効率の良い運転にはなっていな
い。さらにON-OFF運転では,車室内に対して断続的な冷
房となるため,設定温度を中心とした車内温度の上下動
は避けられず,乗員にとっては不快感を伴っていた。
【0003】このような空調機を備えた運転において,
もし車室内温度が設定温度よりも上がり気味の状態でア
イドルストップを行うと,その温度を基点としてさらに
車室内温度は上昇してしまい,乗員は次の起動後しばら
くは暑さに耐えなければ成らなかった。とくに不規則な
停止を繰り返すような場合には車室内温度は,上昇し続
ける危惧もあった。
【0004】この対応策の一つとして特開2000-127752
なるものがある。これは空気調和機がON-OFF運転に入っ
たときのOFF時に蒸発器とバイパスして設けた蓄熱器側
に冷媒流路を切り替えて,蓄熱しておき,この熱をアイ
ドルストップ時の冷房に用いるというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の実施例では,車
室内の空調に対しては,ON-OFF運転となるため,上述の
設定温度に対する車室内温度の上下動は避けられず,さ
らに車室内温度が上がり気味のときにアイドルストップ
となったときも,その上がり気味の状態から蓄熱利用運
転(冷房)となるため,車室内を冷やし続けるには,より
多くの冷熱が必要となってしまう。
【0006】本発明は,冷房時の車室内温度の上下動を
極力押さえつつ,連続空調と連続蓄熱により,各構成要
素の熱容量損失を抑えて有効に余った冷熱を蓄熱し,そ
の蓄熱した冷熱をアイドルストップ時の車室内温度維持
に有効に利用できる蓄熱式空気調和装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は,走行時におけ
る車室内冷房を連続冷房として,車室内温度が設定温度
に近づき空調に必要な冷房能力が小さくなって,走行用
駆動源の回転数で発生できる冷房能力のほうが大きくな
った場合には,それまでと変わらず蒸発器に冷媒を通し
て車室内冷房を続けつつ,余った冷熱を蓄熱器に連続的
に蓄熱しておく。アイドルストップしたときには,蓄熱
器に通風して蓄熱した冷熱を車室内温度維持に利用す
る。
【0008】蒸発器で蒸発しきれなかった冷媒を蓄熱器
に導くために,蒸発器と直列に冷媒を配置させ,蒸発器
の前のみならず,蒸発器と蓄熱器の間にも第2の膨脹弁
を設けておく。また必要に応じて第2の膨脹弁と蓄熱器
を通過させずに圧縮機に冷媒を戻せるバイパス経路を設
けておく。
【0009】車室内冷房負荷が大きい場合には,蒸発器
ですべての冷媒を蒸発させ,その後は蓄熱器もしくはバ
イパス経路を通して圧縮機に戻るサイクルとする。車室
内冷房負荷が小さくなった場合には,蒸発器手前の第1
の膨脹弁の開度を調節して蒸発温度を上げて,蒸発器で
の蒸発能力を下げる。その後に通過する第2の膨脹弁で
蓄熱温度まで絞って,余った冷熱を蓄熱器に蓄熱させて
圧縮機に戻るサイクルとする。アイドルストップのとき
には,蓄熱器に通風して蓄熱した冷熱を車室内温度維持
に利用する。
【0010】これにより,冷房時の車室内温度の上下動
を極力押さえつつ,連続蓄熱により有効に余った冷熱を
蓄熱し,その蓄熱した冷熱をアイドルストップ時の車室
内温度維持に有効に利用できる蓄熱式空気調和装置を提
供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である蓄
熱式車両空気調和装置の基本構成図である。本実施例は
走行用駆動源の回転軸とプーリ,ベルト(図示せず)を介
して回転軸が連結された圧縮機1,凝縮器2,第1の膨脹
弁3,蒸発器4,この蒸発器4と冷媒流路として直列に結
ばれた第2の膨脹弁6及び蓄熱器7から構成されており,
さらに蒸発器4を冷媒が通過した後,これら第2の膨脹
弁6と蓄熱器7を通過せずに圧縮機1に戻るバイパス経路
を備えている。主に夏場に車両が長時間停車した後に,
走行用駆動源を起動させて車両を走行させた直後は,車
室内温度は上昇しているため,設定温度をそれよりも低
くして空気調和装置を作動させると,走行用駆動源と同
一回転数で発生できる冷房能力よりも車室内空調負荷の
ほうが通常大きいため,空調装置はその最大冷房能力に
て空調し続ける。この時の蒸発器4後の三方弁5は,バイ
パス経路側に開となり,蓄熱器7には蓄熱させず,蒸発
器4で循環冷媒すべてが蒸発しきるように第1の膨脹弁3
にて蒸発温度を設定する。その後,車室内が冷房され続
け,設定温度近くまで車室内温度が下がり,車室内冷房
負荷が小さくなってきたときには,その空調装置が発生
する冷房能力のほうが大きくなるため,冷房能力と車室
内冷房負荷の差し引きの冷熱(以下これを余冷熱と呼ぶ)
蓄熱器7に蓄熱し始める。この時は,循環冷媒量のうち
予測した空調負荷分のみ蒸発器4で蒸発できるように,
第1の膨脹弁3の絞りで蒸発温度を設定し直し,さらに
第2の膨脹弁6の絞りを蓄熱器7への蓄熱温度以下まで調
節する(三方弁5は蓄熱器7側に開)。このようにして蓄
熱した冷熱を不規則なアイドルストップ時の補助冷房に
利用することにより,車室内温度の上昇を抑制できる。
蓄熱した冷熱の取り出し方としては,本実施例では室内
の空気を循環させるときに蓄熱器7にダクトの風を通過
させて直接熱交換させて冷熱を取り出す。以上のような
構成とすることにより,車室内温度の設定温度に対する
上下動を極力抑えながら冷房することができ,さらに連
続的に空調及び蓄熱することにより,蒸発器側と蓄熱器
側双方の構成要素の熱容量損失分を極力抑えることがで
きるため,エネルギー効率よく蓄熱することができる。
このため不規則なアイドルストップに対しても車室内温
度をほぼ一定としてから対応することができ,かつより
無駄なく蓄熱した冷熱によって,より長く車室内の温度
上昇を抑えることができる。また蒸発器側としては,常
に蒸発温度の調整により能力を制御した運転となるた
め,とくに車室内低負荷時に蒸発器を不必要に低温とす
ることがないため,結露が極力抑えられる。このため,
蒸発器でのカビの繁殖や蒸発器の腐食を抑えることがで
き,品質を保持できる。
【0012】図2は蒸発器4の後に設けたバイパス経路
と蓄熱器7とを切り替える三方弁5の制御フローチャート
について示したものである。まず乗員が設定した設定温
度と室温センサによる室内温度もしくは蒸発器4の吸込
空気温度から室内温度による負荷を計算する。これに日
射センサの信号から換算した日射による負荷を合わせて
車室内空調負荷を見積もる。その後走行用駆動源の回転
数と外気温度,室内温度,風量からその条件における定
格冷房能力が見積もられる。もしこの冷房能力が室内空
調負荷よりも小さい場合には三方弁5を蓄熱器7側に開と
して,室内空調をしつつ,余冷熱を蓄熱器7に蓄熱す
る。室内温度による負荷の具体的な見積もり方について
概略説明する。一つは,車室内温度(もしくは吸込空気
温度)と設定温度の差と風量から室内温度による負荷(単
位時間当たりの)を見積もることができる。もう一つ
は,吸込空気温度と設定温度の差と車室内空間から設定
温度までのトータル室内温度負荷を見積もり,これを運
転している風量に対しての入れ替え時間で除して(単位
時間当たりの)相当室内温度負荷として見積もる方法が
考えられる。このときの入れ替え時間には,車室内形状
や対流の様子による補正分も考慮しておく。
【0013】次に室内空調をしつつ,蓄熱するときの蒸
発器4と蓄熱器7への冷力配分について図3に示したモリ
エル略線図によって説明する。まず室内空調負荷が冷房
能力よりもわずかに小さくなり,少しの余冷熱がある場
合は,図中の実線で示したごとく,全ての冷房能力を室
内空調に利用していたときと同様に,設定温度とも蒸発
温度との差が大きくなるように第1の膨脹弁3の開度を
設定して,蒸発器4にて多くの熱交換を行わせ,その後
の残りの冷熱を蓄熱器7に蓄熱する。この時の第2の膨
脹弁6の開度は蓄熱温度よりも低くなるように調節す
る。つぎに室内空調負荷が冷房能力よりもかなり小さく
なり,多くの余冷熱ができた場合は,図中の破線で示し
たごとく,設定温度よりも蒸発温度がやや低くなるよう
に第1の膨脹弁3の開度を調節して,蒸発温度と設定温
度との差を小さくすることによって,蒸発器4での熱交
換量を小さくする。これに対して第2の膨脹弁6の開度
を絞って蓄熱温度と第2の膨脹弁6後の蒸発温度との差
を以前よりも大きくして熱交換量を増してやる。以上の
ように第1の膨脹弁3と第2の膨脹弁6の開度を連続的に
調節してやることによって,室内を冷房しつつ,効率よ
く連続的に蓄熱することができる。またシステム構成と
して蓄熱温度が極端に低い場合には,第2の膨脹弁6に
よってさらに蒸発温度を低くしなければ成らないため,
その回転数に応じた全体の冷房能力も低くなる。このた
め室内冷房+蓄熱の運転となった場合には,システムの
冷房能力を補正するのがより好ましい。また,もし室内
空調+蓄熱運転が長時間続き,蓄熱器への蓄熱が熱的に
完了した場合は,従来どおりのON-OFF空調運転にもどる
ことは言うまでもない。
【0014】図4は,本発明に用いられる蓄熱器7の実
施例を示したものである。本図内の断面AA'図からも分
かるように,本蓄熱器7は蓄熱体9とその内部に設けた冷
媒熱交換部8,さらに蓄熱体9の内部に通風させるための
通風孔10から主に構成されている。蓄熱体9に蓄熱する
ときは,通風孔10に風を通さない状態で,冷媒熱交換部
8に余冷熱を伴った冷媒を流して蓄熱体9に蓄熱する。蓄
熱した冷熱を利用する場合には,通風孔10に風を通し
て,蓄熱体9と空気とを熱交換させて冷熱を取り出す。
すなわちこの蓄熱器7は,通風量を制御するダンパを上
流側に持つダクト内に設けるのが好ましい。
【0015】図5は,本発明に用いられる蓄熱器7の他
の実施例を示したものである。本実施例は,外側にフィ
ン13をもつ密閉容器11内に,冷媒熱交換部8と蓄熱材12
として水を充填した構成となっている。余冷熱は水を冷
やして氷にすることで蓄熱し,冷熱を取り出すには,密
閉容器11の外側に通風させることによって,密閉容器11
外壁及びフィン13を通して空気と氷(もしくは水)を熱交
換させて,冷熱を取り出す。このためフィン13は,密閉
容器11の内部から熱を取り出しやすくするために,内壁
側にも突出したものでも良い。また蓄熱時の伝熱性を向
上させるために,冷媒熱交換部8にもフィン13を設けて
もなんら差し支えない。
【0016】図6は,本発明に用いられる蓄熱器7の他
の実施例を示したものである。本実施例は,蓄熱器7が
備え付けられるダクトの内側に隙間なく収まる形状と
し,ダクトの中央を風が抵抗なく流れるようにした構成
となっている。このような構成とすることにより,ダク
トの通風方向に熱交換のための場所が十分に確保できる
場合には,通風抵抗を上げずに熱交換させることがで
き,さらに十分な蓄熱量も確保することができる。
【0017】図7は本発明に用いられる蓄熱器7の他の
実施例を示した構成図である。本実施例は,多孔質の蓄
熱体9と通風方向と直角方向に伝熱面積が大きくなるよ
うに,冷媒熱交換部8を,蓄熱体9の一辺に接触させた構
成となっている。車室内冷房負荷が大きく予冷熱がない
場合には,ダクトの風の一部をこの蓄熱体9から冷媒熱
交換部8の順に通過するように通風させることにより,
蓄熱器7の冷媒熱交換部8を蒸発器7の一部として有効利
用する。このようにして,蓄熱器7の蓄熱体9を通過させ
て冷媒熱交換部8で空気を冷却し,車室内へ送る。車室
内冷房負荷が下がり,余冷熱が生じたら,これら蓄熱体
9と冷媒熱交換部8からなる蓄熱器7への通風を止めて,
蓄熱器7として使用する。冷熱を取り出すときには,蓄
熱体9に再び通風させることによって冷熱を取り出す。
このような構成とすることにより,蓄熱器7の冷媒熱交
換部8を有効利用できるとともに,蒸発器7も小さいもの
とすることができる。
【0018】また図8は,図7の蓄熱器7を用いたシス
テムにおいて,蓄熱体9への蓄熱速度を高めるために,
蓄熱時には冷房時とは反対方向から通風させて熱交換率
を向上させる実施例について示したものである。本実施
例は,蓄熱器7,バイパスダクト14,ダンパ(1)〜(3)1
5〜17で構成されている。蓄熱器の冷媒熱交換部を蒸発
器の一部として有効利用する場合の蓄熱器周辺の通風を
制御するダンパは,図8aに示すように,ダンパ(1)15
を蓄熱器7側に開とし,ダンパ(2)16も通風とする(ダ
ンパ(3)17は遮断)。このような組み合わせとすること
により,車室内に導かれる風の一部をダンパ(1)15を介
して冷媒熱交換部8で冷却(除湿)させて,ダンパ(2)16
を通して車室内へ送る。蓄熱器7へ蓄熱する場合には,
ダンパ(1)15をバイパスダクト14側に開とし,ダンパ
(2)16を遮断,ダンパ(3)17を通風とする。このような
組み合わせとすることにより,室内ブロワの風のごく一
部をバイパスダクト14を通過させて,蓄熱器7を冷媒熱
交換部側8から通風させる。これにより冷媒熱交換部8で
冷却されるが,その直後の蓄熱体9にその冷熱を与え
る。その後はダンパ(3)17を介して室内ブロワに帰され
る(もしくはそのまま外気へ排気)。このような構成と
することにより,蓄熱時に冷媒熱交換部8と蓄熱体9との
接触伝熱と対流伝熱で蓄熱できるため,蓄熱時の蓄熱体
9への蓄熱速度をより向上させることができる。
【0019】図9は本発明の蓄熱器7の応用例を示した
蓄熱式車両空気調和装置の構成図である。本実施例では
前述した実施例を使用することによって連続空調+連続
蓄熱を行っている。このようなシステムを前提にして本
実施例はシート18の下部および背もたれの内部に蓄熱体
9を収め,その一部(受熱部20)がシート18下部にあるダ
クト口19からの風と熱交換できるように配置させた構成
となっている。このような構成とすることにより,余冷
熱を下部ダクト口19から冷風として送り出し,その直後
の蓄熱体9の受熱部20を通して蓄熱体9に蓄熱させる。こ
の余冷熱をアイドルストップ時の補助冷房に利用すると
きには,蓄熱体9にダクト口19からの内気循環の風を当
てて,蓄熱体9に蓄熱した冷熱で内気循環空気を冷却す
る。あるいは,車室内が暖まってくると低温である蓄熱
体9が吸熱する。特に暖まりやすい車室内上部での吸熱
を促させるために,シート18上部に補助熱交換部21を設
けるのが好ましい。更に、本実施例にあっては、連続空
調を行うことは出来ないが、従来タイプのON-OFFして断
続的な冷房運転を採用してもシート18を冷却することが
できる。
【0020】図10は,本発明の蓄熱器7の応用例を示
した蓄熱式車両空気調和装置の構成図である。本実施例
では前述した実施例を使用することによって連続空調+
連続蓄熱を行っている。このようなシステムを前提にし
て本実施例では,蓄熱器7をオーディオパネル、空調パ
ネル等よりなるセンターコンソール22の一部の中に設け
て,保冷庫29の熱源として利用した構成となっている。
このような構成とすることにより,蓄熱した余冷熱を保
冷庫29の熱源として用いるとともに,長時間アイドルス
トップしたときには,保冷庫29のフタを開けて,自然対
流もしくは強制的に通風することにより,補助冷房とし
ても利用する。とくに蓄熱体9の形状については限定し
ないが,本図では一例として多孔質の蓄熱体9を用いた
ものとしている。更に、本実施例にあっては、連続空調
を行うことは出来ないが、従来タイプのON-OFFして断続
的な冷房運転を採用してもシート18を冷却することがで
きる。
【0021】図11は,本発明の車両用空気調和装置の
他の実施例について示したものである。本実施例では凝
縮器2の出口に流量制御弁23を設けて,蒸発器4と蓄熱器
7への冷媒循環量を適宜分配させる構成となっている。
車室内冷房に用いる冷熱量に値する冷媒循環量と蓄熱器
7に蓄熱させる余熱量に値する冷媒循環量を,流量制御
弁23にて分配させる。このような構成とすることによ
り,第2の膨脹弁6の入口までの冷媒を液状態とするこ
とができるため,径の小さい液配管とすることができる
とともに,蓄熱器7をバイパスさせるバイパス経路を不
要とすることができる。また第1の膨脹弁3と第2の膨
脹弁6のみで冷媒流量の分配が良好にできる場合は,必
ずしも流量制御弁23は必要としない。
【0022】図12は,本発明の車両用空気調和装置の
他の実施例について示したものである。本実施例は,発
電機25により,走行用駆動源の動力の一部を用いて発電
し,この電力によって圧縮機1を運転して車室内を空調
する車両用空気調和装置に関するものである。この発電
機25で発電した電力は通常,蓄電池26に蓄電され,空気
調和装置の電源をはじめ,その他の電力源として使用さ
れるが,蓄電池26が電気的に飽和してしまうと,発電し
て余った電力分は放電していた。そこで本実施例では,
この放電させていた電力分も圧縮機1の入力として圧縮
機1の回転数を上げて,車室内冷房に必要とされる冷房
能力よりも多い冷房能力を発生させ,余冷熱を蓄熱して
おく。具体的な冷房サイクルならびに蓄熱器7構成に
は,本実施例以前の実施例で説明したものが適用できる
のは言うまでもない。
【0023】以上のように、走行中に連続運転して車室
内を空調し、連続運転により発生する冷房能力のうちの
車室内冷房負荷を差し引いた余冷熱を蓄熱器に蓄熱し、
蓄熱した冷熱をアイドルストップ時の車室内温度上昇を
抑える冷房として利用するようにしたものであって発電
機による電力を入力とした圧縮機を使用し、凝縮器に第
1の膨張弁を介して連結された蒸発器に、第2の膨張弁
を介して蓄熱器を接続し、かつ該蒸発器の出口側と圧縮
機の入口側とを結んで蒸気蓄熱器バイパス路を設け、車
室内冷房負荷および余冷熱に相当する電力を前記圧縮機
に入力することによって連続空調+連続蓄熱を行うよう
にした。
【0024】また、走行中に連続運転して車室内を空調
し、連続運転により発生する冷房能力のうちの車室内冷
房負荷を差し引いた余冷熱を蓄熱器に蓄熱し、蓄熱した
冷熱をアイドルストップ時の車室内温度上昇を抑える冷
房として利用するようにした蓄熱式車両用空気調和装置
であって、発電機による電力を入力とした圧縮機を使用
し、凝縮器に膨張弁を介して連結された蒸発器に蓄熱器
を接続し、車室内冷房負荷および余冷熱に相当する電力
を前記圧縮機に入力することによって連続空調+連続蓄
熱を行うようにした。
【0025】本発明の態様によれば,蒸発器で蒸発しき
れなかった冷媒を蓄熱器に導くために,蒸発器と直列に
冷媒を配置させ,蒸発器の前のみならず,蒸発器と蓄熱
器の間にも第2の膨脹弁を設けた構成としておき,また
必要に応じて第2の膨脹弁と蓄熱器を通過させずに圧縮
機に冷媒を戻せるバイパス経路を設けた構成とする。
【0026】
【発明の効果】車室内冷房負荷が大きい場合には蒸発器
ですべての冷媒を蒸発させ,その後は蓄熱器もしくはバ
イパス経路を通して圧縮機に戻るサイクルとする。車室
内冷房負荷が小さくなった場合には蒸発器手前の第1の
膨脹弁の開度を調節して蒸発温度を上げて,蒸発器での
蒸発能力を下げる。その後に通過する第2の膨脹弁で必
要に応じて蓄熱温度まで絞って,余った冷熱を蓄熱器に
蓄熱させ圧縮機に戻るサイクルとする。アイドルストッ
プのときには,蓄熱器に通風して蓄熱した冷熱を車室内
温度維持に利用する。
【0027】このような構成とすることにより,連続空
調+連続蓄熱として,冷房時の車室内温度の上下動を極
力押さえつつ,蓄熱器側と蒸発器側双方の熱容量損失を
おさえて,有効に余った冷熱を蓄熱し,その蓄熱した冷
熱をアイドルストップ時の車室内温度維持に有効に利用
できる蓄熱式空気調和装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す基本構成図である。
【図2】本発明における余冷熱を蓄熱するフローチャー
ト説明図である。
【図3】図1に示す実施例の蓄熱時のモリエル線図概略
図である。
【図4】本発明に用いる蓄熱器の実施例を示す部分構成
図である。
【図5】本発明に用いる蓄熱器の他の実施例を示す部分
構成図である。
【図6】本発明に用いる蓄熱器の他の実施例を示す部分
構成図である。
【図7】本発明に用いる蓄熱器の他の実施例を示す部分
構成図である。
【図8】図7に示す蓄熱器を用いたシステムの部分構成
図である。
【図9】本発明に用いる蓄熱器の他の実施例を示す部分
構成図である。
【図10】本発明に用いる蓄熱器の他の実施例を示す部
分構成図である。
【図11】本発明の他の実施例を示す基本構成図であ
る。
【図12】本発明の他の実施例を示す基本構成図であ
る。
【符号の説明】
1…圧縮機, 2…凝縮器, 3…第1の膨脹弁, 4…蒸発
器, 5…三方弁, 6…第2の膨脹弁, 7…蓄熱器, 8…
冷媒熱交換部, 9…蓄熱体, 10…通風孔, 11…蓄熱容
器, 12…蓄熱材, 13…フィン, 14…バイパスダクト,
15…ダンパ(1),16…ダンパ(2), 17…ダンパ(3), 18
…シート, 19…シート下部のダクト口,20…受熱部,2
1…補助熱交換部,22…センターコンソール,23…流量
制御弁,24…走行用駆動源,25…発電機,26…蓄電池,
27…インバータコントローラ,28…フタ,29…保冷庫。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 英範 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 武曽 當範 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行中に連続運転して車室内を空調し、連
    続運転により発生する冷房能力のうちの車室内冷房負荷
    を差し引いた余冷熱を蓄熱器に蓄熱し、蓄熱した冷熱を
    アイドルストップ時の車室内温度上昇を抑える冷房とし
    て利用するようにした蓄熱式車両用空気調和装置におい
    て、 凝縮器に第1の膨張弁を介して連結された蒸発器に、第
    2の膨張弁を介して蓄熱器を接続し、かつ該蒸発器の出
    口側と圧縮機の入口側とを結んで蒸気蓄熱器バイパス路
    を設けて、連続空調+連続蓄熱を行うことを特徴とする
    蓄熱式車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記蓄熱器は熱交換部を備え、該熱交換部を蒸発器とし
    て使用することを特徴とする蓄熱式車両用空気調和装
    置。
  3. 【請求項3】走行中に連続運転して車室内を空調し、連
    続運転により発生する冷房能力のうちの車室内冷房負荷
    を差し引いた余冷熱を蓄熱器に蓄熱し、蓄熱した冷熱を
    アイドルストップ時の車室内温度上昇を抑える冷房とし
    て利用するようにした蓄熱式車両用空気調和装置におい
    て、 凝縮器に第1の膨張弁を介して連結された蒸発器と、圧
    縮機とを結ぶ第1の流路と、前記凝縮器に第2の膨張弁
    を介して連結された蓄熱器と前記圧縮機とを結ぶ第2の
    流路とを設け、 第1の流路と第2の流路とに冷媒配分させる流量制御弁
    を設けて連続空調+連続蓄熱を行うことを特徴とする蓄
    熱式車両用空気調和装置。
  4. 【請求項4】走行中に連続運転して車室内を空調し、連
    続運転により発生する冷房能力のうちの車室内冷房負荷
    を差し引いた余冷熱を蓄熱器に蓄熱し、蓄熱した冷熱を
    アイドルストップ時の車室内温度上昇を抑える冷房とし
    て利用するようにした蓄熱式車両用空気調和装置におい
    て、 発電機による電力を入力とした圧縮機を使用し、 凝縮器に第1の膨張弁を介して連結された蒸発器に、第
    2の膨張弁を介して蓄熱器を接続し、かつ該蒸発器の出
    口側と圧縮機の入口側とを結んで蒸気蓄熱器バイパス路
    を設け、 車室内冷房負荷および余冷熱に相当する電力を前記圧縮
    機に入力することによって連続空調+連続蓄熱を行うこ
    とを特徴とする蓄熱式車両用空気調和装置。
  5. 【請求項5】走行中に連続運転して車室内を空調し、連
    続運転により発生する冷房能力のうちの車室内冷房負荷
    を差し引いた余冷熱を蓄熱器に蓄熱し、蓄熱した冷熱を
    アイドルストップ時の車室内温度上昇を抑える冷房とし
    て利用するようにした蓄熱式車両用空気調和装置におい
    て、 発電機による電力を入力とした圧縮機を使用し、 凝縮器に膨張弁を介して連結された蒸発器に蓄熱器を接
    続し、 車室内冷房負荷および余冷熱に相当する電力を前記圧縮
    機に入力することによって連続空調+連続蓄熱を行うこ
    とを特徴とする蓄熱式車両用空気調和装置。
  6. 【請求項6】走行中に連続運転して車室内を空調し、連
    続運転により発生する冷房能力のうちの車室内冷房負荷
    を差し引いた余冷熱を蓄熱器に蓄熱し、蓄熱した冷熱を
    アイドルストップ時の車室内温度上昇を抑える冷房とし
    て利用するようにした蓄熱式車両用空気調和装置におい
    て、 車両内のシートの下部および背もたれの内部に前記蓄熱
    器を収容したことを特徴とする蓄熱式車両用空気調和装
    置。
  7. 【請求項7】走行中に連続運転して車室内を空調し、連
    続運転により発生する冷房能力のうちの車室内冷房負荷
    を差し引いた余冷熱を蓄熱器に蓄熱し、蓄熱した冷熱を
    アイドルストップ時の車室内温度上昇を抑える冷房とし
    て利用するようにした蓄熱式車両用空気調和装置におい
    て、 車両内のシート間のセンターコンソールの一部に蓄熱器
    を設置して保冷庫としたことを特徴とする蓄熱式車両用
    空気調和装置。
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