JP2003172821A - 偏光分離素子 - Google Patents

偏光分離素子

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JP2003172821A
JP2003172821A JP2001371819A JP2001371819A JP2003172821A JP 2003172821 A JP2003172821 A JP 2003172821A JP 2001371819 A JP2001371819 A JP 2001371819A JP 2001371819 A JP2001371819 A JP 2001371819A JP 2003172821 A JP2003172821 A JP 2003172821A
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polarization
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JP2001371819A
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Yasuhiro Azuma
康弘 東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明基板の片面上に同一平面に周期的凹凸格
子が形成されている複屈折膜を接着層を介して接着し、
更にその上に等方性のオーバーコート層を被覆あるいは
装荷した構成の偏光分離素子において、偏光分離素子作
製工程中の温度湿度変化による複屈折膜の収縮に伴う偏
光分離素子全体の反りを改善することができる。即ち、
複屈折膜を片面に備えた透明基板の反対面上に表面コー
ト剤を塗膜し、その体積収縮率および膜厚を調節するこ
とによって、偏光分離素子の反りを低減または解消する
ことができる。 【解決手段】 透明基板2と、該透明基板の片面上に接
着され且つ周期的凹凸格子を備えた複屈折膜3と、該複
屈折膜上に被覆、或いは装荷された等方性オーバーコー
ト層4と、を備え、入射光の直交する偏光を0次光と回
折光に分離する偏光分離素子1において、透明基板の他
面に表面コート剤層6が塗膜されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク用ピッ
クアップ等に応用される偏光分離素子の改良に関し、特
に光学特性が良く、信頼性の高い新規な偏光分離素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスク等の光記録媒体に対して情報
の記録・再生を行う光ディスク用ピックアップが知られ
ているが、光ディスク用ピックアップにおいては、光デ
ィスク基板からの情報信号を光源に戻すことなく効率よ
く受光光学系の光検出器へ導く手段として、偏光ビーム
スプリッタを1/4波長板と組み合わせて用い、光源か
らの出射光と光ディスクからの反射光とを偏光分離する
ことが行われている。しかし、偏光ビームスプリッタ
は、複屈折の大きい結晶材料から成る2つのプリズムを
組み合わせた構造や、或いはガラス等の等方性の光学媒
質から成る2つのプリズムの接合面(反射面)に誘電体
多層膜を設けた構造を備えるため、大型で且つ高価にな
るという欠点を有し、これが光ディスク用ピックアップ
の小型化や低コスト化を阻害する要因となっていた。そ
こで、特開昭63−314502号公報によって、従来
の偏光分離素子の難点を除去した、極めて薄い偏光分離
素子として、複屈折回折格子型偏光板が提案されてい
る。この複屈折回折格子型偏光板は、複屈折光学結晶で
あるニオブ酸リチウム(LiNbO)を基板として用
い、これに周期的パターンでプロトンイオン交換を施
し、更にプロトンイオン交換領域上に誘電体膜を装荷し
た構造を備え、プロトンイオン交換領域での常光線の位
相差を誘電体膜で相殺することにより、常光線は直進
し、異常光線だけを回折させる機能を有しており、薄く
て小型の偏光分離素子を実現することができる。しか
し、この複屈折回折格子型偏光板は、小型化、量産化が
可能で高い偏光分離度が得られる偏光子であるが、作製
に時間がかかると言う問題がある。すなわち、結晶に対
して周期的プロトン交換を行なう必要があるので、プロ
トン交換だけでも数時間かかることとなる。また、作製
に時間がかかることや、基板に光学結晶を用いるので製
造コストが高くなるなどの欠点も有している。
【0003】また、この点を考慮し、特開平10-302291
号公報、特開2000-75130公報では、図2に示すように、
簡単な工程で安価に作製できる偏光分離素子1として、
透明基板2上に同一平面状に周期的凹凸格子を有する複
屈折膜3を接着剤層2を介して配置し、複屈折膜3の上
に等方性のオーバーコート層4を被覆あるいは装荷した
構造の複屈折回折格子型偏光分離素子が提案されている
(図2を参照)。中でも高分子複屈折膜を複屈折材料に
用いた構成のものは、材料コストも比較的安価であるた
め、大量生産が比較的容易になっている。また、光学特
性の向上、素子両面の平坦性の向上、素子の強度向上を
目的とした構成として、図3の断面図に示すように、ガ
ラスやプラスチック等の透明基板2上に同一平面に周期
的凹凸格子が形成された複屈折膜3が接着層5により接
着され、その複屈折膜3が等方性のオーバーコート層4
で覆われ、このオーバーコート層4が接着層も兼ねた透
明基板2と接着した構成のものも提案されている。この
ような構成のものは素子として強度があり、かつさらに
生産性の高い構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き構造の偏光
分離素子においては、複屈折膜として高分子材料が使用
されているが、これらの高分子材料は偏光分離素子の作
製の工程中(接着剤の熱硬化工程等(100〜150℃))に発
生する温度変化や作製後の環境変化により収縮し、透明
基板を含む素子全体に反りが発生する現象が確認されて
いる。一般に異種材料を貼り合せた構成の場合、それぞ
れの収縮率、熱膨張率等が異なるために環境の変化すな
わち温度変化、湿度変化により反りが発生する。偏光分
離素子の場合、反りが発生することにより、偏光分離素
子作製工程に不具合が発生したり、偏光分離素子として
の光学的特性、特に波面収差が悪化することが確認され
ている。そのために反りの改善、対策が必要となってい
る。本発明は上記に鑑みてなされたものであり、透明基
板の片面上に同一平面に周期的凹凸格子が形成されてい
る複屈折膜を接着層を介して接着し、更にその上に等方
性のオーバーコート層を被覆あるいは装荷した構成の偏
光分離素子において、偏光分離素子作製工程中の温度湿
度変化による複屈折膜の収縮に伴う偏光分離素子全体の
反りを改善することを課題としている。すなわち、本発
明では、複屈折膜を片面に備えた透明基板の反対面上に
表面コート剤を塗膜し、その体積収縮率および膜厚を調
節することによって、偏光分離素子の反りを低減または
解消することを可能としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、透明基板と、該透明基板の片面
上に接着され且つ周期的凹凸格子を備えた複屈折膜と、
該複屈折膜上に被覆、或いは装荷された等方性オーバー
コート層と、を備え、入射光の直交する偏光を0次光と
回折光に分離する偏光分離素子において、前記透明基板
の他面に表面コート剤が塗膜されていることを特徴とす
る。複屈折膜として高分子材料を使用した場合、偏光分
離素子の作製の工程中(接着剤の熱硬化工程等(100〜15
0℃))に発生する温度変化や作製後の環境変化により収
縮し、透明基板を含む素子全体に反りが発生する現象が
確認されており、反りが発生することにより、偏光分離
素子作製工程に不具合が発生したり、偏光分離素子とし
ての光学的特性、特に波面収差が悪化することが確認さ
れている。この不具合は、複屈折膜の肉厚を薄くしたと
しても改善されることがない。この発明によれば、透明
基板の他面側に反り防止層としての表面コート剤層を形
成するという単純な構造、工程の追加によって、複屈折
膜の収縮に起因した偏光分離素子の不良品率の増大を防
止できる。請求項2の発明は、請求項1記載の偏光分離
素子において、前記表面コート剤の体積収縮率が5〜7
0%であることを特徴とする。反り防止膜層を構成する
表面コート剤の体積収縮率を5〜70%の範囲、好まし
くは5〜20%の範囲に設定することにより、製造工程
中に加わる温度変化、環境変化によって偏光分離素子全
体に加わる反り方向への応力の影響を押え、反りを防止
することが可能となる。請求項3の発明は、請求項1、
又は2記載の偏光分離素子において、前記表面コート剤
の膜厚が0.1〜100μmであることを特徴とする。
反り防止効果を充分に確保し、且つ膜厚を一定に保持す
ることを可能にするためには、表面コート剤層の膜厚を
0.1〜100μmの範囲に設定することが有効であ
る。
【0006】請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れ
か一項に記載の表面コート剤が、紫外線硬化性樹脂を含
む組成物であることを特徴とする。これによれば、生産
性を高めることができる。請求項5の発明は、請求項1
乃至4の何れか一項に記載の偏光分離素子において、前
記表面コート剤の透過率が偏光分離を受けるレーザー波
長に対し95%以上であることを特徴とする。この程度の
透過率を有した表面コート剤層を使用することにより、
偏光分離素子として充分に機能することができる。請求
項6の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の偏
光分離素子において、前記表面コート剤の屈折率(n)
が、偏光分離素子を構成する他層の屈折率の最小値と最
大値をそれぞれnmin、nmaxとした時に、nmin≦n≦
maxとなることを特徴とする。屈折率をこの範囲内に
設定することにより、偏光分離素子として充分に機能さ
せることが可能となる。請求項7の発明は、請求項1乃
至6の何れか一項に記載の偏光分離素子において、前記
周期的凹凸格子が形成される複屈折膜が高分子複屈折膜
であることを特徴とする。これによれば、複屈折膜を大
面積で、且つ大量に低コストで量産することが可能とな
る。請求項8の発明は、請求項7記載の偏光分離素子に
おいて、前記周期的凹凸格子が形成される複屈折膜が分
子鎖が配向した高分子複屈折膜であることを特徴とす
る。高分子複屈折膜を、分子鎖が配向した高分子膜とす
ることにより、生産性を高めることが可能となる。請求
項9は、請求項8記載の偏光分離素子において、前記高
分子複屈折膜が延伸により分子鎖を配向させた高分子膜
であることを特徴とする。高分子複屈折膜を、分子鎖が
配向した高分子膜、とりわけ延伸された有機高分子膜と
することにより、無機複屈折結晶材料に比べて更に大面
積で、大量に、且つ低コストに生産することが可能とな
る。
【0007】
【発明の詳細な説明】以下、本発明を図面に示した実施
の形態により詳細に説明する。図1は本発明の一実施形
態に係る偏光分離素子の構成を示す断面図である。この
実施形態に係る偏光分離素子1は、ガラスやプラスチッ
ク等の透明基板2と、透明基板2の片面上に接着剤層5
を介して接着され且つ周期的凹凸格子構造を備えた複屈
折膜3と、該複屈折膜3上に被覆、或いは装荷された等
方性オーバーコート層4と、オーバーコート層4上に形
成した透明基板2aと、を備え、更に、透明基板2の他
面に表面コート剤(表面コート剤層)6が塗膜されてい
る。この偏光分離素子1は、入射光の直交する偏光を0
次光と回折光に分離する手段である。なお、図1に示し
た構成の偏光分離素子は一例に過ぎず、本発明の表面コ
ート剤層6を、図2、図3に夫々示した偏光分離素子1
の透明基板2の下面に形成した偏光分離素子も本発明の
範囲に含まれるものである。次に、表面コート剤層6の
体積収縮率は5〜70%の範囲が望ましく、さらに好ま
しくは5〜20%であることが望ましい。体積収縮率が
5%以下では、反りに対して十分な効果を得ることがで
きず、70%以上では効果を均一に制御することが困難
となる。なお、ここでいう体積収縮率とは、表面コート
剤の硬化前後の比重を測定し、次式によって算出される
ものである。 体積収縮率(%)={(b−a)/a}×100 (aは表面コート剤の硬化前の比重、bは硬化後の比重を
表す。)
【0008】また、表面コート剤層6は、偏光分離素子
1の性能に悪影響を与えないものであればいかなる種類
の樹脂組成物であってもよいが、特に紫外線硬化性樹脂
を含む組成物であることが好ましい。その一例として、
アクリレートオリゴマーにベンゾフェノン等の硬化剤を
配合した組成物が挙げられる。具体的には例えば、大日
本インキ(株)の製品SD-101(体積収縮率9.8%)、SD
-17(体積収縮率11.4%)、SD-301(体積収縮率
7.6%)を例示することができる。この表面コート剤
層6は、ロールコート法、スピンコート法によって透明
基板2の面上に塗布、形成することができ、硬化後の膜
厚を後述する適正範囲である0.1〜100μmの範囲
に収めるためには、塗布量、硬化条件等を適切に調節す
ればよい。例えば、直径100mmの透明基板の場合、
塗布量は0.1〜2.0mlが好ましく、また硬化条件と
しては紫外線強度を100〜500mW/cmの範囲とし
て、2〜20秒間照射することが好ましい。表面コート
剤層6の膜厚は、0.1〜100μmの範囲であること
が望ましく、さらに好ましくは1.0〜50μmである
ことが望ましい。膜厚が0.1μm以下の場合は、反り
改善の効果が十分ではなく、また100μm以上の場合
は膜厚を均一にすることが困難になり、生産性も損なわ
れることになる。反り防止を目的とする表面コート剤層
6の屈折率(n)は、偏光分離素子1を構成する他の層
2、3、4、5を構成する材料の各屈折率の最小値と最
大値をそれぞれnmin、nmaxとした時に、nmin≦n≦
maxの範囲にあることが望ましい。表面コート剤層6
の屈折率がこの範囲から外れた場合、偏光分離素子とし
ての機能に影響があり使用に適さなくなるからである。
更に、表面コート剤層6の透過率は、偏光を分離するレ
ーザー波長に対し95%であることが望ましい。95%未満
であると、偏光分離素子としての使用に適さなくなる。
【0009】複屈折膜3は、大面積で且つ大量に低コス
トで作製することを考慮すると、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアル
コール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリス
チレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォ
ン(PES)、ポリイミドなどの高分子複屈折膜であること
が好ましい。中でも分子鎖が配向した高分子膜であるこ
とが好ましく、生産性を考慮すると延伸された有機高分
子膜であることが特に好ましい。即ち、有機高分子材料
を延伸すると、光異方性が発生するが、これは有機高分
子フィルム延伸すると、材料中の高分子鎖の配向が生
じ、延伸方向の屈折率とそれに直交する方向の屈折率に
差異が生じるためである。この方法により形成された高
分子複屈折膜は、無機複屈折結晶材料に比べて大面積
で、大量に、且つ低コストに生産することができる。な
お、使用する材料として上記したものは例示に過ぎず、
これらに限定する趣旨ではない。なお、表面コート剤を
偏光分離素子の表面に設けることにより、偏光分離素子
の耐蝕性が向上し傷つき等を防止できるという付加的な
効果もある。次に、図1に基づいて本発明の偏光分離素
子1の動作を説明する。この偏光分離素子1への入射光
が紙面と平行な方向と、紙面と直交する2方向の振動成
分を有していると仮定する。この場合、偏光分離素子1
を透過した後、紙面と平行な方向の振動成分の光は0次
光として直進する。又、紙面と直交する方向の振動成分
の光は±1次光として回折する。従って、偏光方向の違
いに応じて進行方向が変わり、偏光分離素子として有効
に機能する。
【0010】
【実施例】以下、本発明による実施例と比較例とを示
し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例に制限されるものではない。実施例1 厚さ500μm、φ100mmの透明基板2の片面(上面=入射
面)に紫外線硬化型接着剤にて厚さ20μmの接着剤層5
を設け、周期的凹凸格子(3.0μmピッチ)が形成され
ている厚さ100μmの高分子複屈折膜3を貼り合わせ
し、減圧下にて一体化させた後、紫外線を照射し、100
℃にて10分間ベーキングを行ない完全に接着剤層5を硬
化させた。この際、透明基板2は約100μm複屈折膜側
に反っていた。そこでアクリル系紫外線硬化樹脂である
大日本インキ(株)の製品SD-101(体積収縮率9.8%)
を透明基板2の下面側(出射面)にスピンコート法によ
り塗布し、紫外線照射により完全に硬化させ20μmの表
面コート剤層6を形成した。さらに周期的凹凸格子(3.
0μmピッチ)が形成されている高分子複屈折膜側にオ
ーバーコート層4となるアクリル系紫外線硬化樹脂をボ
ッティングし、その上から厚さ500μmの透明基板2a
をのせ適度に加圧し、凹凸格子内にオーバーコート剤を
充填した。紫外線を照射後、100℃で10分間ベーキング
を行ない、図1に示すような構成の偏光分離素子1を作
製した。実施例2 透明基板2として厚さ1.0mm、φ100mmの透明基板を用
い、実施例1と同様の方法で、周期的凹凸格子(3.0μ
mピッチ)が形成されている厚さ100μmの高分子複屈
折膜3を貼り合わせした。この際、透明基板2は約50μ
m複屈折膜側に反っていた。そこでアクリル系紫外線硬
化樹脂である大日本インキ(株)の製品SD-101(体積収縮
率9.8%)を透明基板2の下面側にスピンコートによ
り塗布し、紫外線照射により完全に硬化させ、厚さ50μ
mの表面コート層6を形成した。さらに実施例1と同様
の方法で図1に示すような構成の偏光分離素子を作製し
た。
【0011】比較例1 反り防止層となる表面コート剤層6を塗布しない構成の
他は、実施例1と同様の作製法にて、図3に示すような
構成の偏光分離素子を作製した。即ち、厚さ500μm、
φ100mmの透明基板2の片面(上面=入射面)に紫外線
硬化型接着剤にて厚さ20μmの接着剤層5を設け、周期
的凹凸格子(3.0μmピッチ)が形成されている厚さ5
0μmの高分子複屈折膜3を貼り合わせし、減圧下にて
一体化させた後、紫外線を照射し、100℃にて10分間ベ
ーキングを行ない完全に接着剤層5を硬化させた。比較例2 反り防止層となる表面コート層6を作製しない構成の他
は実施例2と同様の作製法にて、図3に示すような構成
の偏光分離素子を作製した。即ち、比較例2では、複屈
折率膜3の厚さを100μmとした点が比較例1と異な
っている。実施例1、2および比較例1、2のように偏
光分離素子を作成し、φ100mmにおける複屈折膜貼り付
け後の反り量を測定した。また偏光分離素子を作製し終
えた後に波面収差を測定した(測定波長:780nm)。波
面収差は0.03λ以下を○として評価した。評価結果を
に示した。表1 この結果、比較例1、2に示したように、複屈折膜3の
厚さを薄くしたとしても(比較例1)、膜の収縮に起因
した反りの改善を行うことは不可能であり、反り防止膜
としての表面コート層6を設けた方が確実に反り低減効
果を達成できることが明らかである。
【0012】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、透明基板
の片面上に同一平面に周期的凹凸格子が形成されている
複屈折膜を接着層を介して接着し、更にその上に等方性
のオーバーコート層を被覆あるいは装荷した構成の偏光
分離素子において、偏光分離素子作製工程中の温度湿度
変化による複屈折膜の収縮に伴う偏光分離素子全体の反
りを改善することができる。即ち、複屈折膜を片面に備
えた透明基板の反対面上に表面コート剤を塗膜し、その
体積収縮率および膜厚を調節することによって、偏光分
離素子の反りを低減または解消することができる。従っ
て、偏光分離素子としての光学特性を満足させ、生産
性、信頼性の高い偏光分離素子を提供することができ
る。また、この表面コート剤を偏光分離素子の表面に設
けることにより偏光分離素子の耐蝕性が向上し傷つき等
を防止できるという付加的な効果もある。即ち、請求項
1の発明によれば、透明基板の他面側に反り防止層とし
ての表面コート剤層を形成するという単純な構造、工程
の追加によって、複屈折膜の収縮に起因した偏光分離素
子の不良品率の増大を防止できる。請求項2の発明によ
れば、反り防止膜層を構成する表面コート剤の体積収縮
率を5〜70%の範囲、好ましくは5〜20%の範囲に
設定することにより、製造工程中に加わる温度変化、環
境変化によって偏光分離素子全体に加わる反り方向への
応力の影響を押え、反りを防止することが可能となる。
【0013】請求項3の発明の発明によれば、表面コー
ト剤層の膜厚を0.1〜100μmの範囲に設定するこ
とにより、反り防止効果を充分に確保し、且つ膜厚を一
定に保持することを可能にすることができる。請求項4
の発明によれば、生産性を高めることができる。請求項
5の発明によれば、偏光分離素子として充分に機能する
ことが可能となる。請求項6の発明によれば、屈折率を
この範囲内に設定することにより、偏光分離素子として
充分に機能させることが可能となる。請求項7の発明に
よれば、複屈折膜を大面積で、且つ大量に低コストで量
産することが可能となる。請求項8の発明によれば、高
分子複屈折膜を、分子鎖が配向した高分子膜とすること
により、生産性を高めることが可能となる。請求項9の
発明によれば、高分子複屈折膜を、分子鎖が配向した高
分子膜、とりわけ延伸された有機高分子膜とすることに
より、無機複屈折結晶材料に比べて更に大面積で、大量
に、且つ低コストに生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る偏光分離素子の構成
を示す断面図。
【図2】従来の偏光分離素子の構成を示す断面図。
【図3】他の従来の偏光分離素子の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 偏光分離素子、2 透明基板、2a 透明基板、3
複屈折膜、4 等方性オーバーコート層、5 接着剤
層、6 表面コート剤層。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、該透明基板の片面上に接着
    され且つ周期的凹凸格子を備えた複屈折膜と、該複屈折
    膜上に被覆、或いは装荷された等方性オーバーコート層
    と、を備え、入射光の直交する偏光を0次光と回折光に
    分離する偏光分離素子において、 前記透明基板の他面に表面コート剤が塗膜されているこ
    とを特徴とする偏光分離素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の偏光分離素子において、
    前記表面コート剤の体積収縮率が5〜70%であること
    を特徴とする偏光分離素子。
  3. 【請求項3】 請求項1、又は2記載の偏光分離素子に
    おいて、前記表面コート剤の膜厚が0.1〜100μm
    であることを特徴とする偏光分離素子。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか一項に記載の表
    面コート剤が、紫外線硬化性樹脂を含む組成物であるこ
    とを特徴とする偏光分離素子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか一項に記載の偏
    光分離素子において、前記表面コート剤の透過率が偏光
    分離を受けるレーザー波長に対し95%以上であることを
    特徴とする偏光分離素子。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか一項に記載の偏
    光分離素子において、前記表面コート剤の屈折率(n)
    を、偏光分離素子を構成する他層の屈折率の最小値と最
    大値をそれぞれnmin、nmaxとした時に、nmin≦n≦
    maxとしたことを特徴とする偏光分離素子。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか一項に記載の偏
    光分離素子において、前記周期的凹凸格子が形成される
    複屈折膜が高分子複屈折膜であることを特徴とする偏光
    分離素子。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の偏光分離素子において、
    前記周期的凹凸格子が形成される複屈折膜が分子鎖が配
    向した高分子複屈折膜であることを特徴とする偏光分離
    素子。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の偏光分離素子において、
    前記高分子複屈折膜が延伸により分子鎖を配向させた高
    分子膜であることを特徴とする偏光分離素子。
JP2001371819A 2001-12-05 2001-12-05 偏光分離素子 Pending JP2003172821A (ja)

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