JP2003170248A - 連続鋳造用鋳型および該鋳型を用いた鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造用鋳型および該鋳型を用いた鋼の連続鋳造方法

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JP2003170248A
JP2003170248A JP2001373205A JP2001373205A JP2003170248A JP 2003170248 A JP2003170248 A JP 2003170248A JP 2001373205 A JP2001373205 A JP 2001373205A JP 2001373205 A JP2001373205 A JP 2001373205A JP 2003170248 A JP2003170248 A JP 2003170248A
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Masahiko Kokita
雅彦 小北
Kazutaka Kunii
一孝 國井
Takafumi Tai
啓文 田井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳片の面中央部やコーナー部に凹みを発生さ
せない連続鋳造用鋳型を提供する。また、この鋳型を用
いて鋼を連続鋳造することによって、殆ど凹みのない鋳
片を提供する。 【解決手段】 引抜方向に対して垂直な断面形状が矩形
となる鋳片を連続鋳造する際に用いる連続鋳造用鋳型で
あって、鋳型の断面形状が略矩形であり、該略矩形の各
辺が夫々外側に向かって湾曲しつつ、その張り出し量が
引抜方向に向かって減少し、且つ、前記各辺のコーナー
間隔が引抜方向に向かって0.5%/m以上の割合で狭
くなる様に構成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造用鋳型お
よび該鋳型を用いた鋼の連続鋳造方法に関するものであ
り、より詳細には、引抜方向に対して垂直な断面形状が
矩形となる鋳片を連続鋳造するための鋳型と、この鋳型
を用いた鋼の連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶鋼が凝固する際は、凝固の完了直前
(凝固末期)に液相から固相への変態に伴う凝固収縮を
起こしたり、凝固の完了直後にδ→γ変態に伴う熱収縮
(体積収縮)を起こすので、凝固の進行と共に鋳片の周
長が変化する(以下本発明では、凝固の完了直前または
直後に発生する「凝固収縮」または「熱収縮」をまとめ
て単に「収縮」と称する場合がある)。特に鋳片コーナ
ー部に存在する溶鋼は、鋳型のコーナー部を形成してい
る二面から冷却されるので、一面から冷却される溶鋼よ
りも冷却が早くすすむ。よって、高速鋳造したり、収縮
の激しい例えば亜包晶鋼を鋳造すると、コーナー部近傍
の凝固シェルが鋳型から剥離してしまい、剥離後は局部
的に冷却されない状態となるので、その部分には結果的
に凝固遅れが生じていた。そして、この凝固遅れが原因
となって鋳片表面に凹みを発生させ、さらには表面下に
内部割れを発生させていたのである。
【0003】そこで、溶鋼の凝固に伴う収縮量に合わせ
た鋳型の設計が行われてきた。例えば、引抜方向に対し
て垂直な断面の形状が矩形となる鋳片を製造する際に用
いる鋳型として、鋳型の角(コーナー部)に丸みを帯び
させると共に、溶鋼注入部から鋳片引抜き側に向かって
平面状のテーパを設けたものが一般に用いられていた。
しかしながら、この様な鋳型を用いて鋼を連続鋳造した
としても、鋳片表面に生じる凹みは充分に低減できず、
この表面の凹みが原因となって皮下割れを発生したり、
場合によってはブレークアウトという最悪の事態を招く
こともあった。
【0004】この様な問題を解決するために、例えば、
特開昭53-125932号では、鋳型における鋳片の収縮挙動
に合わせてテーパが複数段となる様に鋳型壁の斜度を変
化させることを提案している。また、特開平2-207945号
には、鋳型のメニスカス部がメニスカスレベルを変曲点
とするS字状のものが提案されている。しかしながら、
鋳型のテーパ形状だけを変化させても、鋳造速度や鋼種
によっては鋳片表面の凹みを充分に低減することができ
ないことがあった。
【0005】一方、特公平7-67600号には、鋳片の収縮
量に合わせるために、鋳型の各面を外側に張り出して湾
曲させた鋳型が提案されている。しかしながら、本発明
者らが検討したところ、各面の張り出し量が収縮量に合
致していないときは、モールドフラックスを用いて鋳造
する際に該モールドフラックスが凝固シェルと鋳型との
隙間に過剰に入り込み、鋳片の面中央部に凹みを発生さ
せることがわかった。
【0006】また、この技術では、鋳型のコーナー部に
正や負のテーパを設けることも提案されているが、本発
明者らによると鋳片のコーナー部に、ある程度のテーパ
ーを設けなければ辺の一部で鋳片の凝固が遅れて凹みが
生じることが確認できた。
【0007】他方、特許3179069号には、鋳型本体部分
の横断面形状が4本の直線辺を四個の四分の一円弧で接
続した四角形である鋳型が提案されており、該鋳型のテ
ーパ量とコーナー円弧部の大きさを変化させることによ
って、鋳型の内周長を収縮量に合わせて変える技術が提
案されている。しかし、本発明者らは、この様に鋳型の
テーパ量と円弧径で内周長を変化させる方法では、溶鋼
の凝固完了直前や直後における収縮量が大きい鋼種(例
えば亜包晶鋼)を鋳造する際に、鋳片のコーナー部が収
縮によって鋳型から剥離してしまい、凹みを充分に改善
できないことを知った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況に鑑みてなされたものであり、その目的は、連続鋳造
する際に用いる鋳型であって、鋳片の面中央部やコーナ
ー部に凹みを発生させない連続鋳造用鋳型を提供するこ
とにある。また、この鋳型を用いて鋼を連続鋳造するこ
とによって、殆ど凹みのない鋳片を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決できた本
発明に係る連続鋳造用鋳型は、引抜方向に対して垂直な
断面形状が矩形となる鋳片を連続鋳造する際に用いる連
続鋳造用鋳型であって、鋳型の断面形状が略矩形であ
り、該略矩形の各辺が夫々外側に向かって湾曲しつつ、
その張り出し量が引抜方向に向かって減少し、且つ、前
記各辺のコーナー間隔が引抜方向に向かって0.5%/
m以上の割合で狭くなる様に構成されたものである点に
要旨を有する。本発明では、前記鋳型の内周長が、引抜
方向に向かって2〜5%/mで減少する様に構成される
ことが好ましい。また、本発明では、少なくともメニス
カス位置から引抜方向に向かって250mmまでの範囲
において上述した様な要件を満足することが推奨され
る。
【0010】上記課題を解決できた本発明に係る鋼の連
続鋳造方法は、上述した連続鋳造用鋳型を用いて、炭素
含有量がδフェライトの固溶限界から包晶点までの鋼を
鋳造する点に要旨を有し、(1)鋳造速度1.5m/m
in以上で操業することや、(2)モールドフラックス
として、振動片式粘度計を用いて測定したときの結晶化
温度が1100〜1250℃であり、且つ1300℃で
の粘度が0.03〜0.09Pa・sのものを用いるこ
とが好ましい。
【0011】尚、本発明において「炭素含有量がδフェ
ライトの固溶限界から包晶点までの鋼」とは、いわゆる
「亜包晶鋼」を指し、一般的な普通鋼では炭素を0.08〜
0.15質量%程度含有するものである。
【0012】また、本発明において「結晶化温度」と
は、モールドフラックスの温度を降下させつつ粘度を測
定したときに、モールドフラックスの粘度が急激に高く
なり始める温度を指し、結晶が析出し始める温度を意味
する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記課題を解決す
べく様々な角度から検討してきた。その結果、溶鋼の凝
固完了前後における収縮量を考慮して鋳型を設計すると
きに、鋳型内壁面の張り出し量と、鋳片のコーナー間隔
の減少量(以下、「コーナー追い込み量」と称する場合
がある。)の両方を厳密に規定して設計すると上記目的
を見事に達成できることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明が完成された経緯に則し、その作用効果に
ついて説明する。
【0014】本発明者らは、溶鋼の凝固が完了する前後
における収縮量の変化について検討した。収縮量の変化
は、引抜方向に対して垂直な断面の形状が略正方形の鋳
型を用いて約150mm角の鋳片を製造するときにおける
鋳片の周長の変化で評価した。図1は、凝固時間(se
c)に対して鋳片の周長さ(mm)をプロットしたもの
である。尚、ここでは引抜方向に対して垂直な断面の形
状が略正方形の鋳型を用いているので、得られる鋳片断
面も略正方形である。よって、鋳片断面の形状は線対称
であり且つ点対称であるので、図1のY軸は鋳片の周長
さを8等分した値で示した。
【0015】図1から明らかな様に、鋳造初期では鋳片
周長の変化度合いが大きく、収縮量が大きいことがわか
る。そして、鋳造が進むに連れて鋳片周長の変化度合い
が小さくなり、収縮量が小さくなっていることがわか
る。
【0016】この理由は、凝固シェルの収縮量は、凝
固シェルから鋳型への抜熱量[Qou t(J/m2)]、
凝固シェルの平均温度降下量[dT(K)]、凝固シ
ェルの変形強度[E(N/m2)]によって変化するか
らである。つまり、QoutやdTが大きいときや、Eが
小さいときに収縮量が大きくなるからである。これら各
要件と鋳造時間との関係について説明する。
【0017】 凝固シェルから鋳型への抜熱量[Q
out(J/m2)] 鋳片表面の温度をTs、銅板の表面温度をTCu、鋳片表
面と銅板間の熱伝達率をhとすると、凝固シェルから鋳
型への抜熱量Qoutは下記式で示される。 Qout=h×(Ts−TCu) ここで、銅板が充分に冷却されているとするとTcuが一
定となり、凝固シェルと銅板との接触状態が一定のとき
はhが一定となるので、凝固シェルから鋳型への抜熱量
outはTsの変化に依存することとなる。従って、鋳片
表面の温度Tsは鋳造時間と共に低くなるので、凝固シ
ェルから鋳型への抜熱量Qoutも鋳造時間と共に低下す
るのである。
【0018】 凝固シェルの平均温度降下量[dT
(K)] 溶鋼から凝固シェルへの入熱量をQin、比熱をCp、凝
固シェルの体積をVとすると、凝固シェルの平均温度降
下量dTは、下記式で示される。 dT=(Qout−Qin)/(Cp・V) すなわち、凝固シェルから鋳型への抜熱量Qoutを一定
とすると、凝固シェルの升(凝固シェル体積)が大きい
ほど、凝固シェル全体における平均温度降下量dTは小
さくなる。つまり、鋳造が進むに連れて凝固シェルは成
長するので、凝固シェル体積が増加し、これによって凝
固シェルの平均温度降下量dTが小さくなるのである。
従って、dTが大きいほど凝固シェルの収縮量は大きく
なる。
【0019】 凝固シェルの変形強度[E(N/
2)] 凝固シェルの変形強度Eは凝固シェルの温度分布に依存
するので、凝固が進行して凝固シェルの平均温度が低下
すれば、凝固シェルの変形強度Eは高くなる。
【0020】上記〜の様に、鋳片の収縮量は鋳造の
進行と共に変化して、凝固が進むほど変形量が減少して
いるので、この変化に合わせた鋳型の設計が必要とな
る。そこで、本発明者らは、鋳型の形状を溶鋼の凝固完
了前後における収縮量に合わせる手段として二つの方法
について検討した。
【0021】[1]鋳型壁面を外側に張り出して湾曲さ
せ、この張り出し量を鋳片の収縮量に合わせる方法 鋳型壁面の張り出し量を鋳片の収縮量に合わせる方法が
あるが、このバランスが一致していないときは、次の様
な問題が生じる。
【0022】(1)図2は、鋳造過程のある時点におけ
る鋳片と鋳型の様子を示した模式図であり、鋳型壁面の
張り出し量の減少度合いよりも、鋳片の収縮度合いの方
が大きい場合を示している。図中1は鋳型、2は鋳片を示
し、鋳片2は凝固シェル3と溶鋼4からなり、点線は凝固
シェル3と溶鋼4との界面を示している。また、5は鋳型
内面(壁面)を示している。図2に示す様に、鋳片の周
長2よりも鋳型内面5の周長の方が長くなると、鋳片の面
中央部が鋳型から大きく離れることとなる。よって、鋳
造の際にモールドフラックスを用いると、該モールドフ
ラックスが鋳片と鋳型との隙間に過剰流入してしまい、
凝固シェル3が鋳片2の内側に押し込まれて鋳片2の面中
央部に凹みが生じるのである。
【0023】(2)図3は、鋳造過程のある時点におけ
る鋳片と鋳型の様子を示した模式図であり、鋳片の収縮
度合いよりも、鋳型壁面の張り出し量の減少度合いの方
が大きい場合を示している。尚、前記図2と同じ部分に
は同一の符号を付すことによって重複説明を避ける。
【0024】図3に示す様に、鋳型内面5の周長の方が
鋳片2の周長よりも短いと、図中に矢印で示した様に鋳
片2は鋳型から押し込み力を受ける。このとき、鋳片2は
外側に向かって湾曲しているので、図中に示した矢印の
長さで表す様に前記押し込み力は鋳片2のコーナー部よ
りも辺中央部の方が大きくなる。一方、鋳片の内部から
は外向きに溶鋼静圧による力が生じている(図示せ
ず)。従って、鋳型壁面2を内部へ過剰に押し込むと、
鋳型1と鋳片2との間に生じる引抜き摩擦力が大きくなり
過ぎるので、凝固シェルの破断によるブレークアウトが
発生するのである。
【0025】[2]鋳型のコーナー部を内側に追い込む
ことによって鋳型内周長を鋳片の収縮量に合わせる方法 鋳型の形状を鋳片周長の減少度合いに合わせる手段とし
て、引抜方向に向かってコーナー間隔を狭くして鋳型の
コーナー部を鋳型内部に追い込む方法がある。つまり、
鋳型のコーナーが内部方向に追い込まれる様にテーパを
つけると、鋳型を形成している各辺の長さが徐々に短く
なるので、鋳型内壁の周長が短くなるのである。しか
し、このコーナーの追い込み度合いと鋳片の収縮度合い
が一致していないときは、次の様な問題が生じる。
【0026】(1)図4は、鋳造過程のある時点におけ
る鋳片と鋳型の様子を示した模式図であり、鋳片の収縮
の度合いが鋳型のコーナー追い込みの度合いよりも大き
い場合を示している。この様に収縮量の方が大きいと、
鋳片2は鋳型内面5から離れるので、鋳型内面5と鋳片2と
の間に空間ができ、該空間にモールドフラックスが過剰
流入してしまう。この過剰に流入したモールドフラック
スによって鋳片2は内側へ押し込まれ、鋳片2の面中央部
やコーナー部に凹みが生じる原因となる。
【0027】(2)図5は、鋳造過程のある時点におけ
る鋳片と鋳型の様子を示した模式図であり、鋳型のコー
ナー追い込み割合が鋳片の収縮の度合いよりも大きい場
合を示している。このときは、鋳型の辺全体で凝固シェ
ル3を押し込んでいるので、溶鋼は冷却されやすい。よ
って、凝固遅れを生じてシェル強度が小さくなった部位
では、座屈を生じやすいのである。
【0028】本発明者らが上記方法[1]と上記方法
[2]のを比較検討したところ、上記方法[2]の方が
凝固遅れによる欠陥を生じやすいことを確認している。
この理由について図面を用いて詳細に説明する。但し、
以下に示す計算例では鋳型辺を円弧状に張り出した場合
を示しているが、辺の張り出し状態はこれに限定される
ものではない。
【0029】図6は、上記[1]に示した鋳型を用いた
ときの溶鋼の凝固過程を説明するための図である。弧C
Dは中心点Z、半径R,中心角2αの円弧であり、該中
心角の二等分線と弧CDの交点を点Oとする。この鋳型
は引抜方向に向かって張り出し量が減少しているので弧
CDは線分CDとなっている。このとき、コーナー間隔
は変化していない(狭くなっていない)ので、点Cと点
Dは弧CDと線分CDで夫々等しくなる。線分CDと中
心角2αの二等分線との交点を点Qとしたとき、張り出
し量はQOで表される。弧CD上の点Aは、鋳造の進行
に伴って線分CD上に移動するが、このときの移動方向
は弧CD上の点Aにおける接線に垂直な向きとなる。よ
って、弧CD上の点Aは、線分CD上の点Bに移動する
こととなる。
【0030】しかしながら、鋼が同じ割合で収縮すると
考えると、弧CD上の点Aは線分CD上の点Eに移動す
る。つまり、収縮量が均一であれば、 弧CO:弧AO=線分CQ:線分EQ となるからである。従って、点Bと点EではBE分の差
があり、凝固シェルへの負荷を最小にするには鋳型と凝
固シェルをBE分滑らす必要がある。
【0031】ここで、線分CZと線分OZとの間の角度
はαなので、線分CQはRsinαで表され、弧COは
Rαで表される。また、線分ABを延長したときの線分
AZと、線分OQを延長した線分OZとの間の角度をθ
とすると、線分BQはRsinθで表され、弧AOはR
θで表される。そして、弧CO:弧AO=線分CQ:線
分EQであるので、線分EQは、 と表される。従って、線分BEは、 線分BE=線分BQ−線分EQ =Rsinθ−Rsinα×[Rθ/Rα] と表される。
【0032】図7は、上記[2]に示した鋳型を用いた
ときの溶鋼の凝固過程を示した説明図である。鋳型壁面
は、図6における前記弧CDと長さの等しい線分xyで
あり、引抜方向に向かってコーナー間隔が狭く(線分c
d)なっている。尚、図7の線分cdと図6の線分CD
は同じ長さである。また、点oは線分xyの中点、点q
は線分cdの中点、点zは線分oqの延長上の点であ
る。
【0033】図7に示した鋳型を用いて鋳造すると、線
分xy上の点aに存在する鋼は、鋳造の進行に伴って線
分cd上に移動するが、このときの移動方向は線分xy
と垂直な向きとなる。よって、線分xy上の点aは、線
分cd上の点bに移動することとなる。しかしながら、
鋼が同じ割合で収縮すると考えると、線分xy上の点a
は線分cd上の点eに移動する。つまり、収縮量が均一
であれば、線分xo:線分ao=線分cq:線分eqと
なるからである。従って、点bと点eではbe分の差が
あり、凝固シェルへの負荷を最小にするには鋳型と凝固
シェルをbe分滑らす必要がある。
【0034】ここで、線分cqは図6の線分CQと長さ
が等しいのでRsinαと表され、線分bqと線分ao
は図6の弧AOと長さが等しいのでRθと表され、線分
xoは図6の弧COと長さが等しいのでRαと表され
る。一方、 線分xo:線分ao=線分cq:線分eq であるので、線分eqは、 と表される。従って、線分beは、 と表される。
【0035】従って、図6の線分BEと図7の線分be
を比較すると、 線分BE−線分be=(Rsinθ−Rsinα×[Rθ/Rα]) −(Rθ−Rsinα×[Rθ/Rα]) =Rsinθ−Rθ となり、θ>0であるので、線分BE<線分beとな
る。すなわち、Rが大きくなり張り出し量が大きいとき
や、θが大きくなり鋳型のコーナー部に存在する鋼ほど
線分BEと線分beの差は開くので、操業上の不具合に
よって鋳型と凝固シェルとの間に抵抗が生じたときは、
上記[2]に示した方法では特に皺の発生頻度が高くな
る。従って、凝固シェルと鋳型との間にギャップができ
て凝固遅れが進行しやすいのである。
【0036】以上の様に、上記[1]や[2]に示した
方法のどちらか一方のみを採用して鋳型を設計したとし
ても、鋳造速度や鋼種によって凝固進行が異なると鋳片
の辺中央部やコーナー部に凹みが生じてしまうのであ
る。
【0037】そこで、本発明では、鋳片の収縮量を、鋳
型壁面の張り出し量とコーナー部の追い込み量の両方を
減少させることによって補償すると、鋳片の辺中央部や
コーナー部の何れにも凹みが生じないことに想到し本発
明を完成した。すなわち、本発明に係る鋳型とは、鋳型
の断面形状が略矩形であり、該略矩形の各辺は夫々外側
に向かって湾曲しつつ、その張り出し量が引抜方向に向
かって減少しているものである。そして、さらに前記各
辺のコーナー間隔が該引抜方向に向かって0.5%/m以
上の割合で狭くなる様に構成する必要がある。この鋳型
を図面を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限
定する性質のものではない。
【0038】図8は本発明に係る連続鋳造用鋳型の一構
成例を示す概略説明図であり、10は鋳型の全体図、
(a)および(b)は該鋳型における引抜方向に対して垂
直な断面図である。但し、(a)は鋳型の上方側におけ
る断面図であり(b)は鋳型の下方側における断面図で
あり、断面(a)と(b)との面間隔距離はLである。
【0039】断面(a)および(b)は略矩形であり、各
辺は夫々外側に向かって張り出している。そして、各コ
ーナー部は、各辺が直交する点(例えば、点イ)を通る
半径xの曲線と、この曲線にできるだけ滑らかに接続さ
れている各辺(つまり鋳型を形成している各壁面)から
構成されている。但し、コーナー部を構成している半径
xの曲線が短いと、該コーナー部は角張った形状となる
ので、鋳造して得られる鋳片のコーナーも角張るが、こ
の角張った鋳片を圧延すると角が折れ込み、欠陥を生じ
やすくなる。一方、前記半径xの曲線が長いと、凝固シ
ェルが鋳型から剥離しやすくなり、凝固遅れして鋳片に
凹みを生じるときがある。よって、本発明では鋳型のコ
ーナー部に半径xが3〜8mm程度の曲線を有する様に構
成することが推奨される。また、図8では説明の便のた
め鋳型断面が略正方形の場合を示したけれども、略長方
形であってもかまわない。
【0040】図8の断面(a)において、コーナー間隔
とは各辺が直交する点を結んだ直線距離(例えば、図中
の弦イロ)を指し、これを以下「G1」と表す。また、
鋳型の各辺の長さとは、各コーナーの点を結ぶ弧(例え
ば、弧ハニ)の長さを指し、これを以下「弧A1」と表
す。尚、弧A1とは、上述した鋳型コーナー部における
半径xの曲線と鋳型壁面を形成している曲線との和であ
り、これらの曲線はできるだけ滑らかになる様に接続さ
れている。好ましくは接続点における両曲線の接線の傾
きが一致することが望ましい。
【0041】各辺の張り出し量は、各コーナの点を結ぶ
弧(例えば、図中の弧イロ)と各コーナを結ぶ弦(例え
ば、図中の弦イロ)との距離の最大値を指し、これを以
下「a1」と示す。各辺の張り出し具合は、凝固シェル
の収縮量から算出した周長の変化量を、各辺の張り出し
量の減じ量とコーナー間隔の減じ量に分担させる際に、
コーナー間隔が引抜方向に向かって0.5%/m以上の割
合で狭くなる範囲で設定すれば良い。そして、本発明の
鋳型では、各辺の張り出し量が引抜方向に向かって減少
している。すなわち、断面(a)と(b)を比較したとき
に、「a1>a2」となる様に鋳型を設計する必要があ
る。
【0042】さらに、本発明では、前記各辺のコーナー
間隔が引抜方向に向かって0.5%/m以上で狭くなる様
に構成する必要がある。すなわち、下記(1)式で算出
されるコーナーの追い込み率が0.5%/m以上となる様
に鋳型を設計するのである。尚、「%/m」とは、引抜
方向1mに対しての減少率(%)を示している。
【0043】
【数1】
【0044】本発明では、前記鋳型の内周長が、引抜方
向に向かって2〜5%/mで減少する様に構成することが
推奨される。5%/mを超える様に構成すると、鋳片の
収縮量に対して鋳型の絞り込み過多となり、凝固シェル
と鋳型との間の抵抗が大きくなって、凝固シェルの破断
やブレークアウトを発生させるときがある。また、2%
/m未満では鋳片の収縮量に対して鋳型の絞り込み不足
となり、鋳片と鋳型との隙間にモールドフラックスが流
入すると凹みが生じるときがある。
【0045】ここで、内周長の減少割合は、次の様に算
出することができる。図8の断面(a)における鋳型内
面の周長は、弧イロ、弧ロハ、弧ハニ、弧ニイの総和で
あるので「4×弧A1」となり、同様に断面(b)におけ
る鋳型内面の周長は「4×弧A 2」となるので、断面
(a)から(b)までの周長減少率は下記(2)式で示さ
れる。
【0046】
【数2】
【0047】図1に示した様に、鋳片の収縮は初期の段
階において急速に進行するので、この収縮量に合わせて
鋳型を設計しなければ鋳片の辺中央部やコーナー部に凹
みを生じることとなる。よって、本発明では、少なくと
もメニスカス位置から引抜方向に向かって250mmまで
の範囲で上記要件を満足する様に鋳型を設計することが
好ましい。より好ましくは350mm程度までの範囲で上
記要件を満足する様に鋳型を設計するのが望ましい。
【0048】本発明に係る鋳型を用いて連続鋳造する際
の対象鋼種は特に限定されないが、凝固完了前後におけ
る鋳片の収縮量が大きい鋼種ほど、連続鋳造する際に鋳
片凹みを発生しやすいので、この様な鋼種を連続鋳造す
る際に本発明に係る鋳型を用いると、本発明の効果を充
分に発揮することができる。例えば、炭素含有量がδフ
ェライトの固溶限界から包晶点までの鋼は収縮度合いが
特に大きいので、本発明の鋳型を用いることが好まし
い。ここで、炭素含有量がδフェライトの固溶限界から
包晶点までの鋼とは、一般には亜包晶鋼と呼ばれてお
り、普通鋼では炭素含有量が約0.08〜0.15質量%の範囲
である。この範囲の炭素を含有する溶鋼が凝固すると、
凝固完了直後にL+δ→δ+γ変態を起こすので体積収
縮(熱収縮)の度合いが大きいことが知られている。
【0049】また、鋼を連続鋳造する際の鋳造速度が大
きいと、鋳型から凝固シェルへの平均的熱流束が大きく
なるので、局所的に鋳型と凝固シェルとの隙間が生じる
ときがある。このときは、鋳型から剥離した凝固シェル
に凝固遅れが発生するので、凹みが生じ、この凹みによ
って凝固シェルの熱歪が大きくなり高速鋳造することが
困難であった。しかし、本発明の鋳型は辺の張り出し量
とコーナーの追い込み量を減少させることによって鋳片
の収縮量を補償しているので、この鋳型を用いて高速鋳
造しても鋳片表面に凹みを生じないのである。よって、
本発明における連続鋳造方法では、鋳造速度を1.5m/
min以上で操業しても、凹みのない鋳片を製造するこ
とができる。
【0050】また、従来の鋳型を用いた連続鋳造方法で
は、収縮量の大きい鋼種を鋳造する際に、鋳型と凝固シ
ェルとの隙間へのモールドフラックスの過剰流入を防止
して鋳片の凹み発生を低減するために高凝固温度で高粘
性のモールドフラックスを用いていた。従って、操業条
件によっては、フラックスが鋳型と凝固シェルとの隙間
へ殆ど流入せず潤滑不良による焼き付きが発生するとき
があった。しかし本発明に係る鋳型を用いて連続鋳造す
ると、従来よりも凝固温度が低く且つ粘度が低いモール
ドフラックスを用いることができるので、この様な事態
は発生しないのである。本発明で用いることのできる低
凝固温度で且つ低粘度のモールドフラックスとしては、
具体的には、振動片式粘度計を用いて測定したときの結
晶化温度が1100〜1250℃であり、且つ、振動片式粘度計
を用いて測定したときの1300℃での粘度が0.03〜0.09P
a・sのものが例示できる。結晶化温度の好ましい下限
は1120℃であり、上限は1200℃である。また1300℃での
粘度の好ましい下限は0.05Pa・sであり、上限は0.09
Pa・sである。
【0051】モールドフラックスの物性を測定するため
に振動片式粘度計を用いた理由は、従来の測定機器と比
べて測定精度が高いからであり、これによってモールド
フラックスの物性と鋳片品質との関係を明らかにするこ
とができるからである。尚、振動片式粘度計とは、本発
明者らが特願平1-164874号などに開示した粘度測定装置
であり、溶融したモールドフラックス中に一定の加振力
で振動させた白金製の振動片および熱電対を挿入し、振
動の変化量と温度の変化を測定することによって粘度と
結晶化温度を測定するものである。
【0052】本発明では、モールドフラックスの結晶化
温度および粘度が上述の範囲内であればよく、その組成
は特に限定されず公知のものが使用できる。例えば、C
aOやSiO2、Al23、MgOなどを適宜混合した
ものが挙げられる。また、本発明では、鋼の用途に応じ
てCaF2やNa2O、Cなどを添加することも勿論でき
る。さらに、LiO2やZrO2,MnOなどを添加して
モールドフラックスを調整することもできる。
【0053】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0054】
【実施例】130mm角のビレット用連続鋳造機を用い
て、表1に示す化学成分を含有する鋼種を連続鋳造し、
鋳型の形状と鋳片凹みの発生度合いとの関係について検
討した。
【0055】鋳型は図9に示す様に設計した。図中10は
鋳型の全体を示す概略図であり、(a)〜(b)は引抜方
向に対して垂直な断面の形状を示す。図9の(a)は鋳
型末端から60mmの位置であり、メニスカスの位置に相
当している。図9の(b)は鋳型上端から310mmの位置
であり、断面(a)からの距離は250mmである。図9の
(c)は鋳型上端から500mmの位置である。図9に示し
た様に、断面(a)〜(b)の範囲において鋳型の各辺の
張り出し量とコーナー追い込み量を変化させることによ
って鋳型の周長を減少させた。断面(b)〜(c)の範囲
は、コーナーを追い込むことによってのみ周長を変化さ
せた。このときの周長減少率(%/m)は上記(2)
式、コーナー追い込み率(%/m)は上記(1)式を用
いて算出した。但し、コーナー部は半径6mmの円弧の
一部と、それに接続された辺からなる。
【0056】鋳造する際には、振動片式粘度計を用いて
測定したときの結晶化温度が1135〜1165℃で、且つ、振
動片式粘度計を用いて測定したときの1300℃での粘度が
0.05〜0.07Pa・sのモールドフラックスを用いた。
【0057】鋳造速度は、1.0〜3.0m/minとした。
また、鋳型振動の振幅は10mmとし、鋳造速度が1.8m
/minのときの鋳型振動数は1.9Hzとした。尚、鋳
造速度を1.8m/minから変えたときは、鋳片振動数
をネガティブストリップ時間率が一定となる様に変化さ
せた。
【0058】連続鋳造によって得られた鋳片の凹み発生
度合いは、辺中央部とコーナー部の2箇所で観察した。
【0059】鋳片の辺中央部の凹み発生度合いは、凹み
が発生していない鋳片表面位置を基準としたときに、こ
の基準位置からの深さが1.5mm以上となる凹みを発生
している鋳片の長さを測定し、この長さを鋳造全長で割
った値を辺中央部の凹み比率(%)とした。但し、コー
ナー角から30mm以内の範囲に発生している凹みは、後
述する「コーナー部の凹み」とするので「辺中央部の凹
み」から除外する。
【0060】鋳片のコーナー部の凹み発生度合いは、コ
ーナー角から30mm以内の範囲で凹みが発生していない
鋳片表面位置を基準としたときに、この基準位置から深
さ1.5mm以上となる凹みを発生している鋳片の長さを
測定し、この長さを鋳造全長で割った値をコーナー部の
凹み比率(%)とした。凹み深さが1.5mm以上の部分
では、鋳片の皮下に内部割れが発生して圧延後の製品加
工時に内部割れなどのトラブルを起こす可能性が高くな
ることを本発明者らは確認している。
【0061】表1に示す鋼種1または鋼種2を、表2に示
す周長減少率(%/m)およびコーナー追い込み率(%
/m)の鋳型を用いて各鋳造速度(m/min)で鋳造
して、得られた鋳片の辺中央部の凹み比率(%)とコー
ナー部の凹み比率(%)を測定した。結果を表2に示
す。また、No.1〜12の結果を図10にプロットした。但
し、Y軸は「周長減少率(%/m)」と「コーナー追込
み率(%/m)」との差(%/m)で表した。また、図
中に示した点線は、鋳型の内周長が引抜方向に向かって
2%/mまたは5%/mで減少していることを示してい
る。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】表2と図10から次の様に考察できる。
【0065】No.1は、コーナー間隔が引抜方向に向かっ
て狭くなっていないので、鋳片の辺中央部とコーナー部
の両方に凹みを生じた。No.2は、コーナー追い込み率と
周長減少率が等しいので、鋳型の各辺には張り出しがな
く本発明の要件を満足していない鋳型である。よって、
得られた鋳片には辺中央部とコーナー部の両方に凹みを
生じた。
【0066】No.3は、コーナー追込み率が本発明の範囲
外であるので、辺中央部に凹みが生じている。No.4〜6
は、本発明の要件を満足する鋳型を用いて鋳造している
ので、鋳片の凹みを低減することができた。No.7は、コ
ーナー追い込み率と周長減少率が等しいので、鋳型の各
辺には張り出しがなく、得られた鋳片はコーナー部に凹
みが生じた。
【0067】No.8は、コーナー追込み率が本発明の範囲
外であるので、辺中央部に凹みが生じている。No.9〜10
は本発明の要件を満足する鋳型を用いて鋳造しているの
で、鋳片の凹みを低減することができた。
【0068】No.11とNo.12から明らかな様に、周長減少
率が非常に高いときは、ブレークアウト(BO)を生じ
ることが分かる。
【0069】No.13〜15は、コーナー追い込み率と周長
減少率を一定とし、鋳造速度を変化させた例である。N
o.5とNo.13〜15を夫々比較すると、鋳造速度に応じて周
長追い込み率を変化させることが好ましいことが分か
る。
【0070】また、No.16から明らかな様に、本発明に
係る鋳型を用いて連続鋳造すると、亜包晶鋼以外の鋼種
であっても辺中央部やコーナー部に凹みが生じないこと
が分かる。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、上記構成を採用するこ
とによって、鋳片の辺中央部やコーナー部に凹みを発生
させない連続鋳造用鋳型を提供することができる。ま
た、この鋳型を用いて鋼を連続鋳造することによって、
凹みのない鋳片を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 凝固時間(sec)に対して鋳片の周長さ
(mm)の変化をプロットしたものである。
【図2】 鋳造過程のある時点における鋳片と鋳型の様
子を示した模式図である。
【図3】 鋳造過程のある時点における鋳片と鋳型の様
子を示した模式図である。
【図4】 鋳造過程のある時点における鋳片と鋳型の様
子を示した模式図である。
【図5】 鋳造過程のある時点における鋳片と鋳型の様
子を示した模式図である。
【図6】 溶鋼の凝固過程を説明するための図である。
【図7】 溶鋼の凝固過程を説明するための図である。
【図8】 本発明に係る連続鋳造用鋳型の一構成例を示
す概略説明図である。
【図9】 実施例に用いた鋳型を示す概略説明図であ
る。
【図10】 実施例の結果をプロットしたグラフであ
る。
【符号の説明】
1 鋳型 2 鋳片 3 凝固シェル 4 溶鋼 5 鋳型内面(壁面) 10 鋳型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 11/20 B22D 11/20 A (72)発明者 田井 啓文 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神戸 製鋼所神戸製鉄所内 Fターム(参考) 4E004 AA05 AA06 MB14 MC05 NC01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引抜方向に対して垂直な断面形状が矩形
    となる鋳片を連続鋳造する際に用いる連続鋳造用鋳型で
    あって、 鋳型の断面形状が略矩形であり、該略矩形の各辺が夫々
    外側に向かって湾曲しつつ、その張り出し量が引抜方向
    に向かって減少し、且つ、前記各辺のコーナー間隔が引
    抜方向に向かって0.5%/m以上の割合で狭くなる様
    に構成されたものであることを特徴とする連続鋳造用鋳
    型。
  2. 【請求項2】 前記鋳型の内周長が、引抜方向に向かっ
    て2〜5%/mで減少する様に構成される請求項1に記
    載の連続鋳造用鋳型。
  3. 【請求項3】 少なくともメニスカス位置から引抜方向
    に向かって250mmまでの範囲は、請求項1または2
    に記載の要件を満足するものである連続鋳造用鋳型。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の連続鋳
    造用鋳型を用いて、炭素含有量がδフェライトの固溶限
    界から包晶点までの鋼を鋳造することを特徴とする鋼の
    連続鋳造方法。
  5. 【請求項5】 鋳造速度1.5m/min以上で操業す
    る請求項4に記載の鋼の連続鋳造方法。
  6. 【請求項6】 モールドフラックスとして、振動片式粘
    度計を用いて測定したときの結晶化温度が1100〜1
    250℃であり、且つ1300℃での粘度が0.03〜
    0.09Pa・sのものを用いる請求項4または5に記
    載の鋼の連続鋳造方法。
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