JP2003166993A - アトピー性皮膚炎の検出方法 - Google Patents

アトピー性皮膚炎の検出方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】アトピー性皮膚炎であるとの確定的な診断およ
び原因抗原の同定を安全かつ正確になし得る、アトピー
性皮膚炎の検出用試薬ならびにアトピー性皮膚炎の検出
方法を提供すること。 【解決手段】単離された真菌由来の抗原性タンパク質お
よび/またはその抗原性断片を有効成分として含有して
なるアトピー性皮膚炎の検出用試薬、および前記アトピ
ー性皮膚炎の検出用試薬と個体由来の被検試料とを接触
させ、 該検出用試薬に含まれる単離された真菌由来の抗
原性タンパク質および/またはその抗原性断片に対する
該被検試料のIgE抗体価を測定する工程、を含むアト
ピー性皮膚炎の検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アトピー性皮膚炎
の検出用試薬ならびにアトピー性皮膚炎の検出方法に関
する。さらに本発明は、アトピー性皮膚炎の治療剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】アトピー性皮膚炎の治療においては、非
アトピー性とアトピー性の疾患では治療の方法が異なる
ため、まずアトピー性であるか否かを正確に診断するこ
とが重要である。また、原因となっている抗原を特定す
ることが、適切な抗原除去療法、減感作療法を実施する
上で重要である。
【0003】従来、アトピー性皮膚炎の診断は主に皮疹
の性状や分布等の臨床的症状から肉眼的あるいは問診に
より行われ、次いで100種を超える市販の抗原エキス
や自製の抗原等の、原因抗原として疑われる粗抗原を用
いて皮内テストを行い、原因抗原としての可能性の高い
抗原が見つかると、さらに放射性アレルゲン吸着法(ra
dioallergosorbent test;RAST法)等による血清中
のIgE抗体価の測定、誘発テスト、または全血やリン
パ球を用いたヒスタミン遊離試験を行うことにより原因
抗原の同定が行われる。しかしながら、粗抗原は多くの
不純物を含み、かつ明確な力価が規定されていないた
め、使用の際にはアナフィラキシー誘発や重篤な副作用
の発生等の危険性を伴うため注意が必要である。また、
これらの試験において血清におけるIgE抗体価の上昇
を示す疾患としては、アトピー性皮膚炎以外に、気管支
喘息、アレルギー性鼻炎等のアレルギー疾患、寄生虫疾
患、肝炎、肝硬変、原発性肝癌等の肝疾患、全身性エリ
テマトーデス等の自己免疫疾患等が存在するため、Ig
E抗体価が高値であることが必ずしもアトピー性皮膚炎
とは結びつかない。従って、従来の方法では、アトピー
性皮膚炎であるとの確定的な診断ならびに原因抗原の同
定を行うことは困難であった。すなわち、皮膚炎の症状
を呈し、かつ粗抗原に反応する患者は、当該抗原に起因
するアトピー性皮膚炎であると一様に診断されてしま
う。
【0004】近年、アレルゲンエキスの標準化の試みが
なされており、一定の成果を挙げている。しかしなが
ら、これらの標準化エキスは、含有成分量の安定化やロ
ット間格差の減少などの長所はあるものの、やはり不純
物を含んでおり、未だ使用の際の危険性を完全に排除し
得るには至っていない。また、これまでに抗原性真菌と
してのカンジダやマラセチアとアトピー性皮膚炎を含む
アレルギー疾患との関連が多数報告されているが、アト
ピー性皮膚炎に特有の原因抗原の存在は未だ知られてい
ない。
【0005】このように、アトピー性皮膚炎の確定的な
診断および原因抗原の同定を安全かつ正確になし得る方
法はこれまでには開発されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アトピー性
皮膚炎であるとの確定的な診断および原因抗原の同定を
安全かつ正確になし得る、アトピー性皮膚炎の検出用試
薬ならびにアトピー性皮膚炎の検出方法を提供すること
を課題とする。さらに本発明は、アトピー性皮膚炎に対
して著効を有するアトピー性皮膚炎の治療剤を提供する
ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
〔1〕 単離された真菌由来の抗原性タンパク質および
/またはその抗原性断片を有効成分として含有してなる
アトピー性皮膚炎の検出用試薬、〔2〕 真菌由来の抗
原性タンパク質がマンガン型スーパーオキシドジスムタ
ーゼおよび/またはシクロフィリンである前記〔1〕記
載の検出用試薬、〔3〕 真菌がカンジダ属またはマラ
セチア属に属するものである前記〔1〕または〔2〕記
載の検出用試薬、〔4〕 真菌由来の抗原性タンパク質
および/またはその抗原性断片が不溶性担体に担持され
たものである前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の検出用
試薬、〔5〕 不溶性担体の形状が粒子状、シート状ま
たは容器状である前記〔4〕記載の検出用試薬、〔6〕
前記〔1〕〜〔5〕いずれかに記載のアトピー性皮膚
炎の検出用試薬と個体由来の被検試料とを接触させ、 該
検出用試薬に含まれる単離された真菌由来の抗原性タン
パク質および/またはその抗原性断片に対する該被検試
料のIgE抗体価を測定する工程、を含むアトピー性皮
膚炎の検出方法、〔7〕 被検試料が血清である前記
〔6〕記載のアトピー性皮膚炎の検出方法、〔8〕 I
gE抗体価の測定を放射性免疫測定法(RIA)もしく
は酵素免疫吸着測定法(ELISA)により行う前記
〔6〕または〔7〕記載のアトピー性皮膚炎の検出方
法、
〔9〕 前記〔1〕〜〔5〕いずれかに記載のアト
ピー性皮膚炎の検出用試薬に含まれる抗原性タンパク質
および/またはその抗原性断片の取得源である真菌に対
して抗菌活性を有する抗真菌剤を含有してなるアトピー
性皮膚炎の治療剤、〔10〕 前記〔6〕〜〔8〕いず
れかに記載のアトピー性皮膚炎の検出方法により真菌に
よるアトピー性皮膚炎が検出された個体に使用するため
の治療剤であって、該真菌が該検出方法に使用された検
出用試薬に含まれる抗原性タンパク質および/またはそ
の抗原性断片の取得源である、前記
〔9〕記載の治療
剤、〔11〕 前記〔6〕〜〔8〕いずれかに記載のア
トピー性皮膚炎の検出方法によりアトピー性皮膚炎が検
出された個体に対する治療剤の選択方法であって、該検
出方法に使用された検出用試薬に含まれる抗原性タンパ
ク質および/またはその抗原性断片の取得源である真菌
を確認する工程、ならびに確認された真菌に対して抗菌
活性を有する抗真菌剤を該個体に対する治療剤として選
択する工程、を含む治療剤の選択方法、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】前記するように、従来のアトピー
性皮膚炎の診断においては、アトピー性皮膚炎であると
の確定的な診断および原因抗原の同定を行うことは困難
であった。また、原因抗原を同定する際に使用する粗抗
原は多くの不純物を含んでおり、副作用等が発生する危
険性があった。
【0009】本発明のアトピー性皮膚炎の検出用試薬
(以下、試薬という)は、アレルギー疾患全般に対し抗
原性を有することが報告されている真菌に含まれるタン
パク質成分に、意外にもアトピー性皮膚炎に対し特異的
に抗原性を示し得るタンパク質成分が存在することを見
出し、完成するに至ったものである。本発明の試薬は真
菌より単離された当該タンパク質成分、すなわち、単離
された抗原性タンパク質および/またはその抗原性断片
を有効成分として含むことを1つの大きな特徴とする。
従って、本発明の試薬と個体由来の被検試料とを接触さ
せ、当該被検試料における前記有効成分に対するIgE
抗体価を任意の方法により測定し、得られた測定結果に
基づき、容易かつ迅速に当該個体のアトピー性皮膚炎を
検出することができる。すなわち、当該個体がアトピー
性皮膚炎であるとの確定的な診断を行うことができる。
また、当該試薬に含まれている抗原性タンパク質および
/またはその抗原性断片こそが当該アトピー性皮膚炎の
原因抗原であると同定することができる。
【0010】また、本発明の試薬を個体に投与すること
によるアレルギー反応の発生の有無を観察し、アレルギ
ー反応の発生が確認された場合、直ちに当該個体はアト
ピー性皮膚炎であると判定(診断)することができ、同
時に原因抗原の同定をも行いうる。
【0011】このようにアトピー性皮膚炎であると診断
された場合、同時に個体の原因抗原が同定されることか
ら、当該原因抗原の取得源である真菌に対し抗菌活性を
有する抗菌剤を当該個体に対し治療剤として選択するこ
とで、当該個体のアトピー性皮膚炎に対し著効を有する
治療剤を得ることもできる。
【0012】さらに、本発明の試薬は単離された抗原性
タンパク質および/またはその抗原性断片を含むもので
あるので、従来の粗抗原に含まれていたような不純物は
含まれておらず、抗原の力価算定も容易に行うことがで
きるので、使用の際のアナフィラキシー誘発や重篤な副
作用の発生等の危険性もない。
【0013】なお、本明細書において「個体」とは哺乳
動物(たとえば、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒト)をい
い、好ましくはヒトである。
【0014】本発明において有効成分として用いられる
真菌由来の抗原性タンパク質としては、公知の精製方法
に従って真菌から単離されたタンパク質であって、かつ
少なくともIgE抗体と反応しうるタンパク質であれば
特に限定されるものではない。また、同様に本発明にお
いて有効成分として用いられる前記抗原性タンパク質の
抗原性断片としては、前記抗原性タンパク質の断片であ
って、かつ少なくともIgE抗体と反応しうる断片であ
れば特に限定されるものではない。抗原性断片として
は、たとえば、少なくとも抗原性タンパク質の抗原抗体
反応の特異性および免疫原性を決定している構造を含ん
でなるものを挙げることができ、好ましくはエピトープ
または抗原決定基を含む抗原性タンパク質の断片を挙げ
ることができる。
【0015】真菌としては特に限定されるものではない
が、アレルギー疾患に対し抗原性が報告されているもの
が好ましい。たとえば、アルテルナリア属、アスペルギ
ルス属、カンジダ属、クラドスポリウム属、ペニシリウ
ム属、マラセチア属等に属する真菌を挙げることができ
る。中でもカンジダ属、マラセチア属またはアスペルギ
ルス属に属する真菌がより好ましく、カンジダ属または
マラセチア属に属する真菌がさらに好ましい。
【0016】抗原性タンパク質の単離方法としては、た
とえば、以下のような方法を挙げることができる。すな
わち、所望の真菌を当該真菌に好適な公知の培養条件に
て培養し、培養菌体を回収する。得られた菌体を細胞壁
溶解酵素処理によりプロトプラスト化する。このプロト
プラストを低張条件下でバーストさせ、遠心分離により
可溶性の細胞質画分と不溶性の膜画分を得る。細胞質画
分、ならびに界面活性剤により可溶化した膜画分を公知
のタンパク質精製手段、たとえば、塩析、カラムクロマ
トグラフィー等に供することにより真菌由来のタンパク
質成分を得る。次いで、得られたタンパク質成分につ
き、そのIgE抗体との反応性について調べ、IgE抗
体と反応しうるタンパク質を単離し、真菌由来の単離さ
れた抗原性タンパク質とする。
【0017】IgE抗体との反応性は、本発明を特に限
定するものではないが、たとえば下記のようなイムノブ
ロット法によって調べることができる。 上記のようにし
て得られたタンパク質をプロットしたメンブレンにアト
ピー性皮膚炎患者由来の血清を添加して反応させた後、
メンブレンを洗浄する。このメンブレンと適切な標識を
付加した抗ヒトIgE抗体とを反応させることにより、
患者の有するIgE抗体と反応しうるタンパク質を検出
する。患者由来IgE抗体との反応性が検出されたタン
パク質を本発明において使用する抗原性タンパク質とす
る。
【0018】また、抗原性タンパク質の少なくとも一部
のアミノ酸配列が判明している場合には、たとえば、当
該アミノ酸配列を利用したハイブリダイゼーション法に
より真菌由来のcDNAライブラリーから前記アミノ酸配列
を有するタンパク質をコードするcDNAを単離し、たとえ
ば、公知の発現ベクターに導入し、大腸菌発現系を利用
して組換え的に生産することにより抗原性タンパク質を
得ても良い。
【0019】このようにして得られた本発明の抗原性タ
ンパク質としては、たとえば、マンガン型スーパーオキ
シドジスムターゼ(MnSOD)、シクロフィリン等を
挙げることができ、より具体的には、カンジダ属、マラ
セチア属またはアスペルギルス属に属する真菌由来のM
nSODおよびシクロフィリンを挙げることができる。
中でもカンジダ属またはマラセチア属に属する真菌に由
来するものが好適であり、カンジダ属の真菌としてはカ
ンジダ・アルビカンスが、マラセチア属の真菌としては
マラセチア・ファーファーが好適である。なお、アスペ
ルギルス属の真菌としてはアスペルギルス・フミガタス
が好適である。本発明の試薬としては、アトピー性皮膚
炎の確定的な診断の正確性の観点から、MnSODおよ
び/またはシクロフィリンを含有してなる試薬が好適で
あり、カンジダ属またはマラセチア属に属する真菌に由
来するものがより好適である。
【0020】抗原性断片は、たとえば、得られた抗原性
タンパク質を酵素プロテアーゼを用いてランダムに消化
し、各種ペプチド断片を得、次いで前記のようにしてそ
のIgE抗体との反応性について調べ、その結果、Ig
E抗体と反応しうるペプチド断片を選択することにより
得ることができる。また、抗原性タンパク質のエピトー
プまたは抗原決定基を形成する部分のアミノ酸配列が既
知の場合には、たとえば、当該抗原性タンパク質のプロ
テアーゼによる限定分解により当該アミノ酸配列を含む
ペプチド断片を得ることにより、あるいは真菌由来のcD
NAライブラリーから当該アミノ酸配列に対応するcDNA部
分を単離し、たとえば、公知の発現ベクターに導入し、
大腸菌発現系を利用して組換え的に生産することによ
り、抗原性断片を得ても良い。
【0021】本発明の試薬は、たとえば、前記有効成分
を任意の緩衝液(たとえば、リン酸緩衝液、トリス−塩
酸緩衝液等)に溶解することにより製造することができ
る。かかる場合、当該試薬は、溶液として提供される
が、一方、使用直前に、たとえば、滅菌水等の滅菌液体
担体を加えて使用する凍結乾燥物として提供することも
できる。また、当該試薬には、上記の緩衝成分の他、界
面活性剤、防腐剤、安定化剤等のその他の成分を含有さ
せることもできる。当該試薬における有効成分の含有量
は特に限定されるものではないが、たとえば、後述する
本発明のアトピー性皮膚炎の検出方法の第1の態様にお
いて使用する場合、個体由来の被検試料に含まれること
が予想されるIgE抗体量に対して過剰量であるのが好
ましい。
【0022】さらに、当該アトピー性皮膚炎の検出方法
の第1の態様において、個体由来の被検試料、たとえ
ば、血清試料中におけるIgE抗体の測定を行う場合に
適した本発明の試薬としては、特に限定するものではな
いが、前記有効成分が不溶性担体に担持されてなるもの
を挙げることができる。また、当該不溶性担体の形状と
しては粒子状、シート状または容器状であるのが好まし
い。かかる不溶性担体としては、たとえば、マイクロタ
イタープレート、遠心管、マイクロビーズ、メンブレ
ン、ペーパーディスク等が挙げられる。なお、容器状の
担体においては、該担体に保持される溶液が接触する部
位、例えばマイクロタイタープレートの場合にはウェル
(穴)の部位に前記有効成分が担持される。本発明の前
記有効成分の不溶性担体への担持は公知の方法により行
うことができる。
【0023】また、後述するアトピー性皮膚炎の検出方
法の第2の態様において使用する場合、本発明の試薬
は、たとえば、抗原性タンパク質および/またはその抗
原性断片と、公知の安定剤もしくは担体、静菌剤もしく
は抗生物質、抗酸化剤、投与対象の個体の血液と等張に
する溶質等を含有してなる水溶性および非水溶性滅菌注
射溶液、ならびに懸濁剤および増量剤を含有してなる水
溶液および非水溶液滅菌懸濁液等として提供される。該
試薬は、たとえば、封止されたアンプルおよび水薬瓶等
の単回用量または複数回用量容器に入れられて提供され
てもよく、また使用直前にたとえば注射用水等の滅菌液
体担体を加えるだけでよい凍結乾燥された状態で提供さ
れてもよい。また、その製造方法は公知の医薬品の製造
方法に準じればよい。
【0024】当該試薬における前記有効成分の含有量は
特に限定されるものではなく、当該試薬の単回用量に応
じ、投与した個体において所望の免疫応答(アレルギー
反応)の誘導が検出できるような範囲で適宜調整するこ
とができる。たとえば、試薬中の含有量としては、好ま
しくは0.1〜100μg/ml程度である。
【0025】次に本発明のアトピー性皮膚炎の検出方法
(以下、検出方法という)について説明する。本発明の
検出方法は、本発明の試薬に含有される真菌由来の抗原
性タンパク質および/またはその抗原性断片を認識する
IgE抗体の個体での検出に基づくものである。
【0026】本発明の検出方法としては、本発明を特に
限定するものではないが、たとえば、以下の態様を挙げ
ることができる。
【0027】(1)本発明の試薬と個体由来の被検試料
とを接触させ、該試薬に含まれる前記有効成分に対する
当該被検試料のIgE抗体価を測定する工程、を含む方
法(第1の態様)。本態様においては、前記被検試料中
のIgE抗体量を測定し、個体に有意な量のIgE抗体
の存在が認められた場合、個体のアトピー性皮膚炎が検
出される、すなわち、当該個体はアトピー性皮膚炎であ
ると確定的に診断される。また、使用した試薬に含有さ
れた抗原性タンパク質および/またはその抗原性断片が
原因抗原であると同定される。
【0028】(2)本発明の試薬を個体に投与し、 次い
で当該個体におけるアレルギー反応の発生の有無を確認
する工程を含み、当該反応の発生が確認された場合、当
該個体においてアトピー性皮膚炎が検出される、方法
(第2の態様)。本態様においては、本発明の試薬を個
体に投与し、前記有効成分により誘導されるアレルギー
反応の発生を指標として、個体のアトピー性皮膚炎が検
出される、すなわち、当該個体はアトピー性皮膚炎であ
ると確定的に診断される。また、使用した試薬に含有さ
れた抗原性タンパク質および/またはその抗原性断片が
原因抗原であると同定される。
【0029】前記第1の態様における「有意な量のIg
E抗体の存在」とは、使用した本発明の試薬に含まれる
抗原性タンパク質および/またはその抗原性断片を原因
抗原であると認めるに足る量でIgE抗体が被検試料中
に存在することをいう。そのような当該抗体の存在の程
度は、たとえば、後述のRASTスコアにより好適に判
定することができる。なお、被検試料としては、たとえ
ば、血清を挙げることができる。
【0030】被検試料におけるIgE抗体価の測定方法
としては、抗体の検出感度、その特異性の観点から、R
AST、CAP system等の放射性免疫測定法
(RIA)、MAST、AloSTAT、QAS等の酵
素免疫吸着測定法(ELISA)等が好適に使用され
る。
【0031】本発明の検出方法の第1の態様を、被検試
料として血清を用い、IgE抗体価の測定をRAST法
により行う場合について具体的に説明する。
【0032】RAST法においては、操作容易性の観点
から、たとえば、本発明の有効成分をペーパーディスク
に担持させてなる、本発明の試薬を用いるのが好適であ
る。本発明の試薬と血清との接触は両者を混合すること
により行われ、次いで、たとえば、室温(15〜37
℃)で0.5〜12時間程度維持し、該試薬に含まれる
有効成分と血清中のIgE抗体とを結合させる。さら
に、放射性同位体(たとえば、125 I)で標識した抗I
gE抗体を加えて、この結合能を測定することにより血
清中のIgE抗体量を測定する。個体由来の血清中のI
gE抗体価は、得られたIgE抗体量に基づきPRU
(pharmacia RAST unit)として表される。PRU値に
は、以下のようにRASTスコアおよびその臨床的意義
が規定されている: (RASTの判定基準) PRU値 RASTスコア 臨床的意義 <0.35 0 陰性 0.35-0.70 1 境界領域 0.70-3.5 2 陽性 3.5-17.5 3 強陽性 >17.5 4 最強陽性
【0033】前記RASTの判定基準に従い、RAST
スコアが1以上の場合、個体のアトピー性皮膚炎が検出
され、当該個体はアトピー性皮膚炎であると確定的に診
断される。また、使用した試薬に含まれる有効成分が原
因抗原であると同定される。
【0034】本発明の検出方法の第2の態様は、たとえ
ば、以下のようにして行うことができる。
【0035】本発明の試薬の個体への投与は、特に限定
されるものではないが、皮内投与または経皮投与により
行うのが好適である。該試薬の投与量は、投与対象の個
体において所望のアレルギー反応が検出できるような範
囲であれば特に限定されるものではない。たとえば、投
与対象の個体がヒトである場合、前記好ましい含有量範
囲で抗原性タンパク質および/またはその抗原性断片を
含有してなる本発明の試薬を皮下注射により投与する。
また、パッチテストを行う場合には、前記本発明の試薬
を皮膚に適用、たとえば、塗布する。各個体においては
個体差(年齢、性別等)があるため、投与量は各場合に
応じて適宜調整すればよい。次いで、たとえば、いずれ
の場合も一定期間、たとえば1〜7日間経過後に、当該
個体におけるアレルギー反応の発生の有無を確認する。
確認は、アトピー性皮膚炎に特有の即時型反応を調べる
公知の方法に従い、たとえば、本発明の試薬の適用部位
の皮膚の発赤、湿疹の生成等を観察することにより行
う。当該観察において何らかのアレルギー反応が認めら
れた場合、当該個体においてアトピー性皮膚炎が検出さ
れ、当該個体はアトピー性皮膚炎であると確定的に診断
される。また、使用した試薬に含まれる有効成分が原因
抗原であると同定される。
【0036】また、本発明の別の態様としては、本発明
の検出方法への使用に適し、アトピー性皮膚炎の確定的
な診断およびその原因抗原の同定を容易かつ迅速に行う
ことができるアトピー性皮膚炎の検出用キットを提供す
る。かかるキットは、少なくとも本発明の試薬を含んで
なる。当該試薬としては、保存に適する観点から、たと
えば、凍結乾燥され、個装されているものが好ましい。
また、RAST法等への使用に適する観点から、有効成
分が不溶性担体に担持されてなるものが好ましい。
【0037】当該キットには、さらに任意に、検量のた
めに標準として使用する各種濃度のIgE抗体や、被検
試料中のIgE抗体価の測定に必要な試薬類(たとえ
ば、放射性同位体で標識した抗IgE抗体等)が含まれ
ていてもよい。
【0038】本発明の試薬、検出方法およびキットによ
れば、アトピー性皮膚炎の確定的な診断およびその原因
抗原の同定を、安全に、しかも容易かつ従来に比しより
正確に行うことができるので、アトピー性皮膚炎の個体
に対しより有効で適切な処置(たとえば、抗原除去療
法、減感作療法等)を施すことが可能となる。
【0039】また、本発明は抗真菌剤を含有してなるア
トピー性皮膚炎の治療剤を提供する。本発明の試薬を用
いる前記検出方法によりアトピー性皮膚炎であると診断
された個体は、当該試薬に含まれる抗原性タンパク質お
よび/またはその抗原性断片を原因抗原とする。それゆ
え、当該抗原性タンパク質および/またはその抗原性断
片の取得源である真菌の感染の関与が当該皮膚炎の原因
である蓋然性が高く、当該真菌に対して抗菌活性を有す
る抗真菌剤は、本発明の検出方法によりアトピー性皮膚
炎であると診断された個体の治療に有効である。
【0040】具体的には、本発明の試薬に含まれる抗原
性タンパク質および/またはその抗原性断片の取得源と
なる真菌に対して抗菌活性を有する抗真菌剤を含有して
なるアトピー性皮膚炎の治療剤を提供する。より好適な
態様としては、本発明の検出方法により真菌によるアト
ピー性皮膚炎が検出された個体に使用される治療剤であ
って、該検出方法に使用された試薬に含まれる抗原性タ
ンパク質および/またはその抗原性断片の取得源である
真菌に対して抗菌活性を有する抗真菌剤を含有してなる
治療剤を提供する。すなわち、本発明の検出方法により
アトピー性皮膚炎と診断され、当該検出方法において使
用された本発明の試薬に含まれていた抗原性タンパク質
および/またはその抗原性断片が原因抗原であると同定
された個体に対しては、当該抗原性タンパク質および/
またはその抗原性断片の取得源となる真菌に対し抗菌活
性を有する抗真菌剤を使用することが当該個体の治療に
おいてはより有効である。
【0041】本発明の治療剤に含有される抗真菌剤とし
ては、本発明の試薬に含まれる抗原性タンパク質および
/またはその抗原性断片の取得源である真菌に対し抗菌
活性を有するものであれば特に限定されるものではない
が、より好ましくは、本発明の検出方法によりアトピー
性皮膚炎であると診断された個体の原因抗原の取得源で
ある真菌に対し抗菌活性を有する抗真菌剤が選択され
る。たとえば、原因抗原がカンジダ菌由来の抗原である
と同定された場合、カンジダ菌の殺傷に対して有効な抗
真菌剤(たとえば、フルコナゾール、イトラコナゾー
ル、アンフォテリシンB等)を有効成分として含有する
治療剤を提供することができる。当該治療剤によれば、
本発明の検出方法によりアトピー性皮膚炎であると診断
された個体の根本原因を直接的に排除することが可能と
なるため、非常に優れた治療効果が得られる。
【0042】本発明の治療剤は抗真菌剤のみを有効成分
として含むものであってもよいが、抗真菌剤の抗菌活性
を阻害しない限り、アトピー性皮膚炎に対し有効性が知
られるその他の治療剤または予防剤を含有させてもよ
い。本発明の治療剤における抗真菌剤の含有量は特に限
定されるものではなく、それぞれの抗真菌剤により異な
り、適宜選択することが可能である。剤型や投与経路に
応じて所望の効果を得ることができる含有量であればよ
い。治療剤の剤型としては特に限定されるものではない
が、使用の容易性の観点から、軟膏、ローション剤、貼
付剤等の経皮投与に適したものが好適である。また、当
該治療剤の投与量としては、一般的には、たとえば、ヒ
トに適用する場合、好ましくは成人1回当たり患部に対
し抗真菌剤の量に換算して1〜100mg程度である。
なお、治療剤は所望により単位用量形態で提供すること
もできる。本発明の治療剤は製薬分野の公知の方法で製
造することができる。
【0043】さらに本発明の一態様として、アトピー性
皮膚炎の治療剤の選択方法を提供する。すなわち、当該
選択方法は、本発明の検出方法によりアトピー性皮膚炎
と診断された個体に対し治療剤を選択する方法であっ
て、(a)該検出方法に使用された試薬に含まれる抗原
性タンパク質および/またはその抗原性断片の取得源で
ある真菌を確認する工程、(b)確認された真菌に対し
て抗菌活性を有する抗真菌剤を該個体に対する治療剤と
して選択する工程、を含むものである。
【0044】工程(a)における真菌の確認は、本発明
の検出方法により個体の診断を行い、その結果、アトピ
ー性皮膚炎と診断された場合、当該検出方法を実施する
際に使用された本発明の試薬に含まれた抗原性タンパク
質および/またはその抗原性断片こそが原因抗原である
と同定されるため、当該抗原性タンパク質および/また
はその抗原性断片が、いずれの真菌に由来するものであ
るかを確認することにより行われる。通常、試薬に含ま
れる抗原性タンパク質および/またはその抗原性断片の
由来は当該試薬を調製した時点で既知であるため、本発
明の検出方法により当該個体がアトピー性皮膚炎である
と診断された時点で、どの試薬を用いたかをチェックす
ることで真菌の確認を行うことができる。次いで、工程
(b)において、確認された真菌に対し抗菌活性を有す
る抗真菌剤を当該個体に対する治療剤として選択する。
かかる治療剤の選択方法により各個体に対して最も適切
な治療剤の選択が可能となる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0046】実施例1 カンジダ・アルビカンス粗抗原(鳥居薬品製)の皮内投
与に対して即時型反応を示す患者15名について下記の
試験を行った。なお、これらの患者の主症状は、8名が
アトピー性皮膚炎、7名がアレルギー性喘息であった。
【0047】これらの患者にカンジダ・アルビカンス由
来の精製MnSOD を皮内投与し、即時型反応を調べた。そ
の結果を表1に示す。なお、表1中の数字は即時型反応
を示した患者数とその割合(百分率:%)である。
【0048】表1に示すように、精製MnSOD を皮内投与
した場合、主症状としてアトピー性皮膚炎を示す患者で
は8名中6名が即時型反応を示したのに対し、アレルギ
ー性喘息を示す患者では即時型反応を示した例はなかっ
た。
【0049】以上の結果から、カンジダ・アルビカンス
粗抗原ではアレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、アレル
ギー性喘息)全般が検出されることになり、アトピー性
皮膚炎患者とアレルギー性喘息患者とを区別することは
できないのに対し、精製MnSOD によればアトピー性皮膚
炎患者だけを感度良くかつ高い特異性を持って検出でき
ることが分かる。
【0050】
【表1】
【0051】実施例2 実施例1に示したアレルギー疾患患者15名のカンジダ
・アルビカンス粗抗原および精製MnSOD に対するIgE 抗
体価をRAST法により測定した。
【0052】臭化シアンによるペーパーディスクの活性
化および精製MnSOD のペーパーディスクへのカップリン
グは宮本らの方法(アレルギー、22巻、584―59
4頁、1973年)に準じて行なった。ポリスチレンチ
ューブに精製MnSOD をカップリングさせたペーパーディ
スク1枚と患者由来の血清検体(実施例1において得ら
れたもの)50μlを加えて、室温で3時間インキュベ
ートした。0.2%のツィーン20を含む生理食塩水で
ペーパーディスクを3回洗浄後、ファルマシア製RAST-R
IAキットの125I標識抗ヒトIgE 抗体50μlを加えて、
室温で一晩インキュベートした。再度3回洗浄後、ガン
マカウンターで放射能を測定した。同時に測定したキッ
トのリファレンス試薬で作成した標準曲線からIgE 抗体
価を算出した。標準曲線の上限(>17.5 PRU/ml)より高
い値が得られた検体は、ウマ血清で10倍、又は100
倍に希釈してから再度測定を行い、抗体価を算出した。
【0053】上記の測定の結果を表2に示す。表2に示
されるように、カンジダ・アルビカンス粗抗原に対する
IgE 抗体はアレルギー疾患患者全般に存在するのに対し
て、精製MnSOD に対するIgE 抗体はアトピー性皮膚炎患
者にのみ存在することが明らかになった。なお、アトピ
ー性皮膚炎患者のうちIgE 抗体価が検出限界(0.35PRU/
ml)であった患者は、実施例1において皮内テストで即
時型反応を示さなかった2名であった。
【0054】
【表2】
【0055】実施例3 実施例2と同様の試験を、実施例2とは異なる43名の
患者について実施した。なお、これらの患者の主症状
は、21名がアレルギー性喘息、22名がアトピー性皮
膚炎であった。
【0056】また、カンジダ・アルビカンス粗抗原、精
製MnSOD に加えて、カンジダ・アルビカンス由来の精製
シクロフィリンについても同様に血清検体中のIgE 抗体
価を測定した。前記シクロフィリンは、ジーン(Gen
e)、第96巻、第189-195 頁(1990)に記載のカンジダ
・アルビカンス由来のシクロフィリンをコードする遺伝
子を大腸菌に導入し、当該大腸菌より精製して調製し
た。
【0057】その結果を表3に示す。表3中の数字は各
アレルゲンに関する陽性患者数、すなわちIgE 抗体価が
検出限界(0.35PRU/ml)以上であった患者数とその割合
(百分率:%)である。
【0058】表3に示されるように、精製抗原であるMn
SOD とシクロフィリンに対するIgE抗体はアレルギー性
喘息患者ではほとんど認められない。このことから、こ
れらの精製抗原を使用することにより、アトピー性皮膚
炎患者を特異的に検出できることが分かる。
【0059】
【表3】
【0060】実施例4 実施例2と同様の試験を、実施例2、3とは異なる43
名の患者について実施した。なお、これらの患者の主症
状は、21名がアレルギー性端息、22名がアトピー性
皮膚炎であった。
【0061】抗原として、マラセチア・ファーファー由
来の粗抗原、ならびに精製MnSOD を使用した。前記粗抗
原としては、国際公開第97/21817号パンフレットに記載
の方法で調製したマラセチア粗抗原を使用した。また精
製MnSOD は、国際公開第97/21817号パンフレットに記載
のMF−3タンパク質をコードするcDNAを大腸菌に
導入し、当該大腸菌より精製して調製した。
【0062】その結果を表4に示す。表4中の数字は各
アレルゲンに関する陽性患者数、すなわちIgE 抗体価が
検出限界(0.35PRU/ml)以上であった患者数とその割合
である。
【0063】表4に示されるように、精製抗原であるMn
SOD に対するIgE 抗体はアレルギー性喘息患者では認め
られないのに対し、アトピー性皮膚炎患者では8割以上
の患者でIgE 抗体が陽性であった。このことから、精製
MnSOD がアトピー性皮膚炎患者の検出に極めて有用であ
ることが分かる。
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】本発明により、単離された真菌由来の抗
原性タンパク質および/またはその抗原性断片を有効成
分として含むアトピー性皮膚炎の検出用試薬、ならびに
該試薬を使用するアトピー性皮膚炎の検出方法が提供さ
れ、アトピー性皮膚炎であるとの確定的な診断および原
因抗原の同定を安全かつ正確に行うことができる。ま
た、アトピー性皮膚炎に対して著効を有するアトピー性
皮膚炎の治療剤が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒造 株式会社中央研究所内 (72)発明者 安枝 浩 神奈川県相模原市桜台18−1 国立相模原 病院臨床研究センター内 (72)発明者 秋山 一男 神奈川県相模原市桜台18−1 国立相模原 病院臨床研究センター内 Fターム(参考) 4C084 AA17 BA44 CA59 CA62 NA14 ZA892 ZB352

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離された真菌由来の抗原性タンパク質
    および/またはその抗原性断片を有効成分として含有し
    てなるアトピー性皮膚炎の検出用試薬。
  2. 【請求項2】 真菌由来の抗原性タンパク質がマンガン
    型スーパーオキシドジスムターゼおよび/またはシクロ
    フィリンである請求項1記載の検出用試薬。
  3. 【請求項3】 真菌がカンジダ属またはマラセチア属に
    属するものである請求項1または2記載の検出用試薬。
  4. 【請求項4】 真菌由来の抗原性タンパク質および/ま
    たはその抗原性断片が不溶性担体に担持されたものであ
    る請求項1〜3いずれか記載の検出用試薬。
  5. 【請求項5】 不溶性担体の形状が粒子状、シート状ま
    たは容器状である請求項4記載の検出用試薬。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれかに記載のアトピー
    性皮膚炎の検出用試薬と個体由来の被検試料とを接触さ
    せ、 該検出用試薬に含まれる単離された真菌由来の抗原
    性タンパク質および/またはその抗原性断片に対する該
    被検試料のIgE抗体価を測定する工程、を含むアトピ
    ー性皮膚炎の検出方法。
  7. 【請求項7】 被検試料が血清である請求項6記載のア
    トピー性皮膚炎の検出方法。
  8. 【請求項8】 IgE抗体価の測定を放射性免疫測定法
    (RIA)もしくは酵素免疫吸着測定法(ELISA)
    により行う請求項6または7記載のアトピー性皮膚炎の
    検出方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5いずれかに記載のアトピー
    性皮膚炎の検出用試薬に含まれる抗原性タンパク質およ
    び/またはその抗原性断片の取得源である真菌に対して
    抗菌活性を有する抗真菌剤を含有してなるアトピー性皮
    膚炎の治療剤。
  10. 【請求項10】 請求項6〜8いずれかに記載のアトピ
    ー性皮膚炎の検出方法により真菌によるアトピー性皮膚
    炎が検出された個体に使用するための治療剤であって、
    該真菌が該検出方法に使用された検出用試薬に含まれる
    抗原性タンパク質および/またはその抗原性断片の取得
    源である、請求項9記載の治療剤。
  11. 【請求項11】 請求項6〜8いずれかに記載のアトピ
    ー性皮膚炎の検出方法によりアトピー性皮膚炎が検出さ
    れた個体に対する治療剤の選択方法であって、該検出方
    法に使用された検出用試薬に含まれる抗原性タンパク質
    および/またはその抗原性断片の取得源である真菌を確
    認する工程、ならびに確認された真菌に対して抗菌活性
    を有する抗真菌剤を該個体に対する治療剤として選択す
    る工程、を含む治療剤の選択方法。
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