JP2003166934A - 分別セルおよび光学的微小物質の分別装置 - Google Patents

分別セルおよび光学的微小物質の分別装置

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JP2003166934A
JP2003166934A JP2001364918A JP2001364918A JP2003166934A JP 2003166934 A JP2003166934 A JP 2003166934A JP 2001364918 A JP2001364918 A JP 2001364918A JP 2001364918 A JP2001364918 A JP 2001364918A JP 2003166934 A JP2003166934 A JP 2003166934A
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JP2001364918A
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English (en)
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Kazuhiro Atsumi
一弘 渥美
Takuji Ikeda
卓司 池田
Kenichi Hirano
憲一 平野
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Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さくかつ複雑である機構を用いることな
く、光学的微小物質を非光学的微小物質から分別できる
ようにする。 【解決手段】 分別装置1における分別セル10は、分
岐路21を有しており、分岐路12には、試料溶液F1
が流入する流入路13と、特異結合DNA試料含有溶液
を取り出す取出路14と、試料溶液F1から特異結合D
NA試料含有溶液が取り除かれた廃液F3が排出される
排出路15が接続されている。流入路13には、第1送
液ポンプ23が接続され、試料溶液F1を押し出し、排
出路14にはバキュームポンプ42が接続され、廃液F
3を吸引する第1送液ポンプ23の加圧力とバキューム
ポンプ42の吸引力により、試料溶液F1が搬送され
る。また、第2電磁弁44を閉じてバキュームポンプ4
2の吸引力を除去することにより、試料溶液F1が取出
路14に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光物質、発光物
質などの光学的に検出される微小な物質である光学的微
小物質を、非光学的微小物質から分別するための分別セ
ルおよび分別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、ゲノムインフォマティクス
(Genome Informatics Technologies)の研究において
は、DNAと、たんぱく質などからなるDNA結合性転
写制御因子(以下「転写制御因子」という)との特異結
合に関する研究が進められている。かかる研究において
は、転写制御因子が特異結合されたDNA(以下「特異
結合DNA」という)を得る必要がある。これらの転写
制御因子やDNAは、微小な物質であるため、特異結合
DNAと、特異結合されていないDNA(以下「非特異
結合DNA」という)との分別は、たとえば目視などで
行うことは非常に困難である。
【0003】このような特異結合DNAなどの光学的微
小物質を分別する装置として、たとえば特公平6−40
061号公報に開示された捕獲管分類装置がある。この
捕獲管分類装置には、細長い毛細管からなる捕獲管が設
けられており、この捕獲管は、捕獲管の下端と上端との
間に配置された点を中心として枢動可能とされている。
また、捕獲管は、これを枢動させるドライバに接続され
ている。そしてドライバで捕獲管を枢動させることによ
り、所望の粒子(光学的微小物質)を捕獲しかつ選択的
に分類しうるように位置決めすることができるようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報に開
示された従来の分類装置においては、粒子を捕獲し、か
つ選択的に分類するために、ドライバによって捕獲管を
枢動させるといった複雑な機構を有するものであった。
特に、光学的微小物質はたとえば数百μmであるなど、
非常に小さなものであるため、これを分別するために
は、その機構も全体として小さなものとならざるを得な
い。このような小さくかつ複雑な機構を設けるのは非常
に手間の掛かるものである。
【0005】そこで、本発明の課題は、小さくかつ複雑
である機構を用いることなく、光学的微小物質を非光学
的微小物質から分別できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明に係る分別セルは、光学的微小物質を非光学的微小物
質から分別する分別セルであって、光学的微小物質およ
び非光学的微小物質を含有する試料含有流体が流入する
流入路と、試料含有流体から取り出された光学的微小物
質を含有する試料含有流体を取り出す取出路と、試料含
有流体から光学的微小物質が取り除かれた廃液を排出す
る排出路と、流入路に接続され、供給された試料含有流
体を、取出路と排出路に振り分ける分岐路を備え、流入
路が試料含有流体を供給する加圧手段に接続され、排出
路が廃液を吸引する吸引手段に接続され、吸引手段が吸
引力除去手段により吸引力を除去可能とされており、吸
引力除去手段が、分岐路の手前位置で、光学的微小物質
が含まれているか否かに基づいて、試料含有流体を取出
路および排出路のいずれに供給するかを制御する制御手
段に接続されており、制御手段により吸引力除去手段を
作動させると試料含有流体が取出路に供給され、吸引力
除去手段を停止させると試料含有流体が排出路に供給さ
れるものである。
【0007】このように、本発明に係る分別セルでは、
分岐路の上流側に加圧手段を備えるとともに、下流側に
吸引手段を備える。これらの加圧手段の加圧力と吸引手
段の吸引力により、試料含有流体を流入路から、分岐路
を介して排出路へと流している。この試料含有流体に光
学的微小物質が含まれていることが検出され、試料含有
流体を取出路に供給する場合には、吸引力除去手段によ
り、吸引手段の吸引力を除去する。吸引手段の吸引力が
除去されると、試料含流体を排出路へと導入する力が失
われる一方、上流側からは試料含有流体を押し出す押出
力が働いている。この押出力によって試料含有流体は分
岐路を介して取出路へと供給される。そして、試料含有
流体に光学的微小物質が含まれていなくなったときに
は、吸引力除去手段を停止させ、吸引手段により、試料
含有流体を排出路側に再び吸引し始めることにより、試
料含有流体は、排出路へと供給される。
【0008】したがって、吸引力除去手段を操作するこ
とのみによって、試料含有流体を分別セル内における排
出路と取出路に振り分けることができる。したがって、
従来の捕獲管を枢動させるための機構やドライバなどの
小さくかつ複雑な機構を用いることなく、光学的微小物
質を非光学的微小物質から分別することができる。
【0009】また、分岐路には、さらに、搬送流体を供
給する供給路が接続されており、供給路には、搬送流体
を供給する搬送流体供給手段が接続されているのが好適
である。
【0010】このように、分岐路には供給路が接続さ
れ、この供給路から搬送流体が供給されることにより、
試料含有物質を短時間で流入路から排出路または取出路
に搬送することができる。このため、搬送時間を短縮さ
せることができるので、ひいては分別作業を行う時間を
短くすることができる。
【0011】さらに、取出路の少なくとも一部に漏斗状
流路が形成されているのが好適である。
【0012】このように、取出路の少なくとも一部に漏
斗状流路が形成され、この漏斗状流路にいったん試料含
有流体が溜められることにより、取出路から取り出され
る試料含有流体を液滴化しやすくすることができる。蛍
光微小物質を含む試料含有流体を液滴化することによ
り、この試料含有流体の回収が容易なものとなる。
【0013】また、上記課題を解決した本発明に係る光
学的微小物質の分別装置は、光学的微小物質および非光
学的微小物質を含有する試料含有流体が流入する流入路
と、試料含有流体から取り出された光学的微小物質を含
有する試料含有流体を取り出す取出路と、試料含有流体
から光学的微小物質が取り除かれた廃液を排出する排出
路と、流入路に接続され、供給された試料含有流体を、
取出路と排出路に振り分ける分岐路と、を有し、光学的
微小物質を非光学的微小物質から分別する分別セルと、
試料含有流体を試料含有流体流路に供給する加圧手段
と、排出路から排出される廃液を吸引する吸引手段と、
吸引手段の吸引力を除去可能とする吸引力除去手段と、
分別セルにおける分岐路の上流側で、試料含有流体から
の光信号を検出する光検出手段と、光検出手段により光
信号が検出されたか否かに基づいて、試料含有流体の中
に光学的試料が含有しているか否かを判断するととも
に、この判断に基づいて、試料含有流体を取出路および
排出路のいずれに供給するかを、吸引力除去手段を操作
して制御する制御手段と、を備えており、制御手段によ
り吸引力除去手段を作動させると試料含有流体が取出路
に供給され、吸引力除去手段を停止させると試料含有流
体が排出路に供給されるものである。
【0014】このように、上記の分別セルを有する光学
的微小物質の分別装置を用いることにより、小さくかつ
複雑である機構を用いることなく、光学的微小物質の分
別を行うことができる。
【0015】また、分岐路には、さらに、搬送流体を供
給する供給路が接続されており、供給路に対して、搬送
流体を供給する搬送流体供給手段が設けられているのが
好適である。
【0016】さらには、吸引力除去手段が排出路と吸引
手段の間に設けられた電磁弁である態様とするのが望ま
しい。
【0017】このように、吸引力除去手段として電磁弁
を用いることにより、電磁弁を閉じれば吸引力が除去さ
れ、電磁弁を開けば吸引力が発現するという簡素な構成
とすることができる。しかも、かかる作業をたとえば制
御装置を用いて行うことができるので、その制御が容易
なものとなる。
【0018】また、光学的微小物質が蛍光性を有する蛍
光微小物質であり、分別セルにおける分岐路の上流側
に、励起光投射手段が設けられており、光検出手段は、
励起光投射手段が蛍光微小物質によって発せられた蛍光
を検出する蛍光検出手段である態様とすることができ
る。
【0019】さらに、取出路から取り出される試料含有
流体を受け止めるマイクロタイタープレートが設けられ
ているのが望ましい。
【0020】このように、マイクロタイタープレートを
設けておくことにより、光学的微小物質を1つずつ取り
出す際に、1つずつ取り出された光学的微小物質の保存
を容易に行うことができる。
【0021】また、マイクロタイタープレートを水平方
向に移動させる移動手段が設けられているのが望まし
い。
【0022】かかる移動手段が設けられていることによ
り、マイクロタイタープレートにおける1つのウェルに
1つの光学的微小物質が取り入れられたら、マイクロタ
イタープレートを移動させ、未使用のウェルに、次の光
学的微小物質を取り入れることを容易に行うことができ
る。
【0023】さらに、マイクロタイタープレートを他の
マイクロタイタープレートと交換する交換手段が設けら
れている態様とするのが望ましい。
【0024】かかる交換手段を設けておくことにより、
マイクロタイタープレートのすべてのウェルに光学的微
小物質が取り入れられた後、新しい他のマイクロタイタ
ープレートと交換すれば、引き続き分別作業を継続する
ことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一要
素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略
する。
【0026】図1は本発明の第1の実施形態に係る分別
装置全体の概要を示す斜視図、図2はその構成を示すブ
ロック図である。本実施形態に係る分別装置では、特異
結合DNA試料と非特異結合DNA試料を分別する例に
ついて説明する。ここで、特異結合DNA試料には、微
小な蛍光性物質が取り付けられており、非特異結合DN
A試料では、いったん取り付けられた蛍光性物質が取り
除かれている。
【0027】図1および図2に示すように、本実施形態
に係る分別装置1は、分別セル10を備えている。分別
セル10は、図3にも示すように、ケース11を備えて
おり、ケース11の内部中央には、分岐路12が形成さ
れている。分岐路12は四つ又に分かれており、それぞ
れ、試料溶液F1が流入する流入路13、特異結合DN
A試料含有溶液F2を取り出す取出路14、廃液F3を
排出する排出路15、および搬送液F4を供給する供給
路16が接続されている。また、ケース11の下面に
は、逆三角錐形状の突出部17が設けられている。
【0028】流入路13は、ケース11の上面側から上
下方向に向けて形成されており、ケース11の中央部の
やや下方位置において、分岐路12に接続されている。
この流入路13には、光学的微小物質である特異結合D
NA試料および非光学微小物質である非特異結合DNA
試料が含有された試料含有流体である試料溶液F1が流
入する。流入路13は、上方約半分が大径部13Aをな
し、下方約半分が小径部13Bをなしている。また、大
径部13Aと小径部13Bの間には、下方にいくにした
がって縮径するテーパ部13Cが形成されている。大径
部13Aの直径は、1mm±0.1mmに設定され、小
径部13Bの直径は0.1mm±0.02mmに設定さ
れている。
【0029】取出路14は、ケース11の中央やや下方
位置から下面を超えて、突出部17にわたって上下方向
に向けて形成されており、ケース11の中央やや下方位
置において、分岐路12に接続されている。また、取出
路14は、流入路13の延長線から若干側方にずれた位
置に形成されている。この取出路14は、ケース11の
内部に形成された円柱状の大径部14Aと、突出部17
の内部に形成された逆三角錐形状なす漏斗状流路である
テーパ部14Bと、小径の円柱状の小径部14Cを備え
ている。大径部14Aの直径は1mm±0.1mmに設
定されている。また、テーパ部14Bにおける大径部1
4A側の直径は1mm±0.1mmに設定され、小径部
14C側の直径は0.1mm±0.1mmに設定され、
高さは1mm±0.1mmに設定されている。さらに、
小径部14Cの直径は0.1mm±0.02mmに設定
されている。この取出路14には、試料含有流体から取
り出された特異結合DNA試料を含む特異結合DNA試
料含有溶液F2が流入し、特異結合DNA試料含有溶液
F2は、ケース11の下面に設けられた突出部17の下
端部から取り出される。
【0030】排出路15は、ケース11の一側面から中
央部にわたって形成されており、ケース11の中央やや
下方位置において分岐路12に接続されている。この排
出路15は、横長の円柱状をなし、その直径は1mm±
0.1mmに設定されている。排出路15には、特異結
合DNA試料が取り出され、非特異結合DNA試料を含
有する廃液F3が流入し、この廃液F3は、ケース11
の一側面から排出される。供給路16は、ケース11の
他側面から中央やや下方位置にわたって形成されてお
り、ケース11の中央部において分岐路12に接続され
ている。この供給路16は、円柱状をなし、排出路15
とは一直線状に形成されており、その直径は、排出路1
5と同様に、1mm±0.1mmに設定されている。供
給路16には、試料溶液F1を廃液F3として排出路1
5に送液する際の搬送を補助する搬送流体である水道水
などの搬送液F4が供給され、供給路16に供給された
搬送液F4は、分岐路12を経て取出路14または排出
路15に流入する。
【0031】分別セル10における流入路13は、第1
配管21を介して試料タンク22に接続されている。試
料タンク22には、特異結合DNA試料および非特異結
合DNA試料を含有する試料溶液F1が貯溜されてい
る。また、第1配管21における試料タンク22の下流
側であって分別セル10の上流側には、加圧手段である
第1送液ポンプ23が設けられている。第1送液ポンプ
23は、試料タンク22から試料溶液F1を取り出し、
取り出した試料溶液F1を分別セル10の流入路13に
対して加圧しながら供給している。さらに、第1送液ポ
ンプ23の下流側であって、分別セル10の上流側に
は、第1電磁弁24が設けられている。第1電磁弁24
が開いていると、第1送液ポンプ23の加圧力により、
試料溶液F1が分別セル10に供給される。一方、第1
電磁弁24が閉じていると、第1送液ポンプ23の加圧
力が除去されて、試料溶液F1は分別セル10には供給
されないようになっている。
【0032】分別セル10の後方位置には、分別セル1
0の流入路13に小径部13Bを含む範囲に設定された
検出エリアEに対して励起光を投射する励起光投射手段
である投射装置30が設けられている。投射装置30
は、レーザ光源31を備えており、レーザ光源31は、
たとえばArレーザであり、蛍光体に投射してその蛍光
体を励起させて、蛍光を生じさせる励起光を投射する。
また、レーザ光源31から投射され励起光の先にはダイ
クロイックミラー32が配設されている。ダイクロイッ
クミラー32は、励起光の投射方向を90度変換させる
ものであり、分別セル10の裏面と平行に投射された励
起光の進行方向を、分別セル10の裏面側に向けるよう
に変換している。このダイクロイックミラー32は、励
起光は投射させ、蛍光は透過させるものであるので、蛍
光を透過させてそのまま直進させる。また、ダイクロイ
ックミラー32と分別セル10の間には、対物レンズ3
3が設けられている。
【0033】分別セル10の後方位置において、投射装
置30のさらに後方には、蛍光検出手段である検出装置
35が設けられている。検出装置35は、光電子増倍管
36を備えている。光電子増倍管36の受光面は、レー
ザ光源31の投射方向と同一の方向を向いており、光電
子増倍管36の受光面に、分別セル10において蛍光体
に反射した光を向けるためのビームスプリッタ37が光
電子増倍管36と分別セル10の間に配設されている。
ビームスプリッタ37の後方には、CCDカメラ38が
設けられている。CCDカメラ38は、光軸調整用に設
けられているものであり、分別作業を行う際には用いら
れないものである。また、ビームスプリッタ37とダイ
クロイックミラー32の間には、フィルタ39Aが設け
られている。さらに、ビームスプリッタ37とCCDカ
メラ38の間にはフィルタ39Bが設けられ、ビームス
プリッタ37と光電子増倍管36の間には、2枚のフィ
ルタ39C,39Dが設けられている。
【0034】分別セル10における排出路15には、第
2配管41を介して、吸引手段であるバキュームポンプ
42が接続されており、分別セル10とバキュームポン
プ42の間には廃液タンク43が設けられている。廃液
タンク43には、試料溶液F1から特異結合DNA試料
が取り除かれ、非特異結合DNA試料を含有する廃液F
3が貯溜されている。バキュームポンプ42では、廃液
タンク43および第2配管41を介して、分別セル10
における排出路15の廃液F3を吸引している。また、
廃液タンク43と分別セル10の間には、吸引力除去手
段である第2電磁弁44が設けられている。第2電磁弁
44が開いていると、バキュームポンプ42の吸引力に
より、廃液F3が分別セル10から排出される。一方、
第2電磁弁44が閉じていると、バキュームポンプ42
の加圧力が除去されて、分別セル10から廃液F3が排
出されないようになっている。ここで、本実施形態で
は、第2電磁弁44を開くと吸引力除去手段を作動させ
ることになり、第2電磁弁44を閉じると吸引力除去手
段を停止させることになる。
【0035】分別セル10における供給路16は、第3
配管46を介して、搬送液タンク47が接続されてい
る。搬送液タンク47には、搬送液F4が貯溜されてい
る。また、第3配管46における搬送液タンク47の下
流側であって分別セル10の上流側には、第2送液ポン
プ48が設けられている。第2送液ポンプ48は、搬送
液タンク47から搬送液F4を取り出し、取り出した搬
送液F4を分別セル10の供給路16に対して加圧しな
がら供給している。このような第2送液ポンプ48を設
けることにより、試料溶液F1を廃液F3として排出路
15に早く送出することができる。そのため、結果とし
て検出エリアEで試料の分別を行う際の速度を早めるこ
とができる。
【0036】分別セル10の下方位置には、マイクロタ
イタープレート51が設けられている。マイクロタイタ
ープレート51には、複数のウェルが形成されており、
分別セル10における突出部17の直下に、複数のウェ
ルのうちの1つが配置される。マイクロタイタープレー
ト51は、これを水平方向に移動させる移動装置である
X−Yステージ52上に載置されている。X−Yステー
ジ52は、ステージ53を有している。ステージ53
は、たとえば図示しないスライダ機構を備えるX方向移
動装置54上に載置されている。このX方向移動装置5
4は、やはり図示しないスライダ機構を備えるY方向移
動装置55上に載置されている。そして、ステージ53
上にマイクロタイタープレート51が載置されることに
より、X方向移動装置54およびY方向移動装置55に
よって、マイクロタイタープレート51をそれぞれX方
向、Y方向に移動させることができる。さらに、X−Y
ステージ52の側方には、交換手段である図示しないロ
ボットハンドが設けられている。このロボットハンドを
作動させることにより、所定のウェルに所定の特異結合
DNA試料が収められたマイクロタイタープレート51
を、他のマイクロタイタープレートと交換できるように
なっている。
【0037】また、分別装置1は、制御手段である制御
装置60を備えている。制御装置60は、パーソナルコ
ンピュータ(以下「パソコン」という)61と流路制御
回路62を有しており、パソコン61は流路制御回路6
2、検出装置35における光電子増倍管36、およびX
−Yステージ52に接続されている。また、流路制御回
路62は、パソコン61のほか、第1送液ポンプ23、
バキュームポンプ42、第1電磁弁24、および第2電
磁弁44に接続されている。
【0038】以上の構成を有する分別装置1における特
異結合DNA試料と非特異結合DNA試料の分別方法に
ついて説明する。
【0039】ここで、分別方法を説明する前に、特異結
合DNA試料に蛍光性物質を取り付け、非特異結合DN
A試料からはいったん取り付けた蛍光性物質を取り除い
て、DNA試料群を作成する手順について説明する。
【0040】まず、目的とする生物に関する転写制御因
子試料群を作成し、ファージディスプレイ法などによっ
て微生物の表面に任意のたんぱく質を呈示させる。次
に、一定長における所定の組み合わせのDNA試料群を
作成する。DNA試料群を作成するにあたっては、マイ
クロビーズの表面を覆うように任意のDNA試料塩基配
列を結合させる。このマイクロビーズは、たとえば直径
4μm程度でその内部には鉄が混入されており、塩基配
列の先端には蛍光性物質が付いている。また、1つのマ
イクロビーズには同じ塩基配列が結合される。
【0041】こうして作成された転写制御因子試料群と
DNA試料群を混合させる。このとき、特異的な結合性
を有する転写制御因子試料とDNA試料は結合し、特異
的な結合を持たない場合には結合しない。続いて、転写
制御因子試料群とDNA試料群に制限酵素を添加する。
制限酵素は、転写制御因子試料と特異結合していない非
特異結合DNA試料に作用し、非特異結合DNA試料に
おいては、制限酵素の働きによって蛍光性物質が切り離
されて取り除かれる。一方の特異結合DNA試料には、
制限酵素は作用せず、蛍光性物質は切り離されず、取り
付けられたままとなる。
【0042】制限酵素を添加したら、磁石を近づける。
DNA試料におけるマイクロビーズには、鉄が混入され
ているので、DNA試料は磁石に保持される。こうして
DNA試料を磁石で保持した状態で、DNA試料から切
り離された蛍光性物質や結合しなかった転写制御因子試
料を洗い流す。このようにして、特異結合DNA試料に
は蛍光性物質が取り付けられ、非特異結合DNA試料に
は蛍光性物質が取り付けられていないDNA試料群が作
成される。
【0043】DNA試料群が作成されたら、分別装置1
によって、特異結合DNA試料と非特異結合DNA試料
を分別する。この分別を開始する前の準備として、ま
ず、作成したDNA試料群を、試料溶液F1とともに試
料タンク22に投入する。このときのDNA試料群の濃
度は、たとえば10000個/lに設定する。
【0044】この準備が完了したら、分別装置1による
分別作業を開始する。かかる分別作業を、図4に示すフ
ローチャートを参照しながら説明する。
【0045】分別作業を開始すると(S0)、まず、制
御装置60を操作することにより、投射装置30におけ
るレーザ光源31をONにし(S1)、続いて、検出装
置35をONにする(S2)。レーザ光源31から投射
された励起光は、ダイクロイックミラー32によって方
向を変換され、分別セル10における検出エリアEに投
射される。検出エリアEに蛍光物質が存在すると、この
蛍光物質に励起光が照射され、蛍光が発生する。こうし
て発生した蛍光は、ダイクロイックミラー32を直線的
に通過し、ビームスプリッタ37で方向を変換されて、
検出装置35における光電子増倍管36により検出され
る。また検出エリアEに蛍光物質がない場合には蛍光は
生じない。
【0046】投射装置30および検出装置35をONに
したら、第2送液ポンプ48をONにし(S3)、搬送
液タンク47から搬送液F4を分別セル10における供
給路16に供給する。このとき、第3配管46を流れる
搬送液F4の流量が、たとえば980μl/minとな
るように第2送液ポンプ48の加圧力を調整する。その
直後に、第1電磁弁24を開き(S4)、第1送液ポン
プ23をONにする(S5)。こうして、試料タンク2
2から分別セル10における流入路13に対する試料溶
液F1の供給が開始される。このとき、第1電磁弁24
の開度は、たとえば試料溶液F1の流量が6μl/mi
nとなるように設定する。第1送液ポンプ23をONに
したら、その直後に第2電磁弁44を開き(S6)、バ
キュームポンプ42をONにする(S7)。このよう
に、搬送液F4の流量および試料溶液F1の流量を調整
することにより、おおよそ1秒間に1個の割合で試料が
検出エリアEを通過する。ここで、流入路13において
は、大径部13Aと小径部13Bの間にテーパ部13C
が形成されており、試料溶液F1は、小径部13Bに供
給される前にテーパ部13Cを通過する。テーパ部13
Cを通過することにより、試料溶液F1に含まれる試料
を1つずつ小径部13Bに離間して供給することができ
る。
【0047】こうして、試料タンク22に投入された試
料溶液F1が、分別セル10を通過して廃液タンク43
まで搬送される経路が開通する。この段階では、流入路
13から分岐路12に流入した試料溶液F1は、廃液F
3として排出路15に供給され、廃液タンク43に流入
する。
【0048】このように、分岐路12を介して、上流側
の流入路13における試料溶液F1には第1送液ポンプ
23によって加圧力を与え、下流側の排出路15に廃液
F3にはバキュームポンプ42により吸引力を与える。
これらの加圧力および吸引力により、流入路13から分
岐路12に供給された試料溶液F1は、取出路14に流
入することなく、廃液F3となって排出路15に流入す
る。
【0049】そして、分別セル10においては、特異結
合DNA試料と非特異結合DNA試料の分別測定が行わ
れる。ここで、分別測定が終了したか否かを判断し(S
8)、分別測定が終了していると判断した場合には、分
別作業が終了する(S16)。一方、分別測定が終了さ
れていないと判断した場合には、特異結合DNA試料
が、分別セル10における検出エリアEを通過したか否
かを判断する(S9)。
【0050】試料タンク22から供給された試料溶液F
1には、特異結合DNA試料と非特異結合DNA試料が
混合されてなる試料が含まれている。いま、試料溶液F
1に含まれる試料は、分別セル10内の流入路13にお
ける小径部13Bをおよそ1秒間に1個ずつ通過する。
また、レーザ光源31から投射された励起光は、ダイク
ロイックミラー32および対物レンズ33を介して分別
セル10における検出エリアEを照射している。このと
き、特異結合DNA試料が検出エリアEを通過すると、
レーザ光源31から投射された励起光が特異結合DNA
試料に取り付けられている蛍光性物質を照射し、蛍光性
物質が励起して蛍光が発生する。
【0051】ここで発生した蛍光は、対物レンズ33、
ダイクロイックミラー32、フィルタ39A、ビームス
プリッタ37、およびフィルタ39C,39Dを介して
光電子増倍管36に入射する。光電子増倍管36では、
たとえばフォトンカウンティング法により蛍光を検出す
るため、入射した蛍光における光子の数を計数する。計
数の結果、光子の量があらかじめ設定されたしきい値を
超えると、検出エリアEにおける蛍光性物質があるこ
と、すなわち蛍光性物質が取り付けられた特異結合DN
A試料が通過したことを検出する。このように特異結合
DNA試料が検出エリアEを通過したことを検出した光
電子増倍管36は、検出信号を制御装置60に出力す
る。
【0052】一方、検出エリアEに非特異結合DNA試
料が通過した場合、非特異結合DNA試料には蛍光性物
質が取り付けられていないので、蛍光が生じることこと
はなく、光電子増倍管36で計数される光子の量がしき
い値を超えることもない。この場合には、特異結合DN
A試料が検出エリアEを通過していたことを検出してい
ないので、制御装置60に対して検出信号が出力される
ことはない。
【0053】制御装置60においては、検出信号を入力
したら特異結合DNA試料が検出エリアEを通過したと
判断し、第2電磁弁44を閉じ(S10)、続いて、バ
キュームポンプ42をOFFにする(S11)。第2電
磁弁44を閉じてバキュームポンプ42をOFFにする
と、排出路15には、試料溶液F1が流入しなくなり、
廃液F3として排出路15に供給されていた試料溶液F
1は、特異結合DNA試料含有溶液F2となって取出路
14に供給される。特異結合DNA試料含有溶液F2に
は、1つの特異結合DNA試料が含まれており、この特
異結合DNAはやがて取出路14の下端部から落下して
取り出される。
【0054】このように、第2電磁弁44を閉じてバキ
ュームポンプ42の吸引力を除去すると、第1送液ポン
プ23の加圧力により、流入路13から分岐路12に供
給された試料溶液F1は、特異結合DNA試料含有溶液
F2となって取出路14に流入する。このため、第2電
磁弁44を閉じてバキュームポンプ42の吸引力を除去
するのみで、分岐路12では、試料溶液F1が流入する
先を排出路15から取出路14に容易に変更することが
できる。したがって、試料溶液F1を振り分けるための
複雑な構造を別途設ける必要はない。
【0055】取出路14に特異結合DNA試料含有溶液
F2が供給されたら、テーパ部14Bを通過することに
よって液滴化された特異結合DNA試料含有溶液F2が
落下するのを待ち(S12)、一定時間第2電磁弁44
を閉じ、バキュームポンプ42をOFFにした状態を維
持する。
【0056】ところで、検出エリアEを通過した特異結
合DNA試料は、およそ0.1秒後に排出路15の入り
口に到達するので、その前に第2電磁弁44を閉じる必
要がある。したがって、検出装置35によって特異結合
DNA試料が検出されたら、制御装置60では、特異結
合DNA試料を検出からおよそ0.1秒後に第2電磁弁
44を閉じるとともに、バキュームポンプ42をOFF
にする。すると、特異結合DNA試料を含む試料溶液F
1は、特異結合DNA試料含有溶液F2となって、取出
路14に供給される。取出路14では、特異結合DNA
試料含有溶液F2が落下する際、液滴となるので、落下
するための液滴が形成されるまで、若干の時間が掛か
る。この時間を含め、第2電磁弁44を閉めてから特異
結合DNA試料含有溶液F2がマイクロタイタープレー
ト51におけるウェルに落下するまでの時間がおよそ
0.8秒間である。したがって、第2電磁弁44を閉じ
てから、0.9秒後に第2電磁弁44を開き(S1
3)、続いてバキュームポンプ42をONにする(S1
4)。こうして、特異結合DNA試料含有溶液F2が取
り出され、マイクロタイタープレート51におけるウェ
ルに収容される。
【0057】特異結合DNA試料含有溶液F2が落下
し、特異結合DNA試料がウェルに収容されたら、制御
装置60においては、未だ特異結合DNA試料が収容さ
れていないウェルが分別セル10における突出部17の
直下に位置するように、X−Yステージ52を作動させ
て、マイクロタイタープレート51を移動させる(S1
5)。この動作は、次の試料が落下してくるまでの1秒
間に行われる。こうして、マイクロタイタープレート5
1には、1つのウェルに対して1つの特異結合DNA試
料が収容されることになる。また、マイクロタイタープ
レート51のすべてのウェルに特異結合DNA試料が収
容されたら、制御装置60においては、適宜各ポンプ2
3,42,48をOFFにし電磁弁24,44を閉じ
る。続いて、図示しないロボットハンドを作動させて、
マイクロタイタープレート51を新しい他のマイクロタ
イタープレートと交換する。そして、再び各ポンプ2
3,42,48をONにし、電磁弁24,44を開くな
どして、分別作業を再開することができる。
【0058】マイクロタイタープレート51を移動させ
たら、ステップS8に戻り、分別測定が終了したか否か
を判断する。その結果、分別測定が終了していると判断
した場合には、分別作業が終了する(S16)。一方、
分別測定が終了されていないと判断した場合には、ステ
ップS9に進み、ステップS15までの作業を繰り返
す。
【0059】このようにして、特異結合DNA試料と非
特異結合DNA試料を分別することができる。
【0060】また、上記実施形態で用いた分別セル10
に代えて、図5(a)〜(d)に示す各分別セルを用い
ることもできる。以下に示す各分別セルは、上記の分別
セル10と比較して、主に取出路の形状が異なってい
る。それでは、各分別セルについて説明する。
【0061】図5(a)に示す分別セル70における取
出路71は、小径部を有することなく大径部のみで形成
されている。また、ケース72の下方位置に形成された
突出部73は、逆円錐台形状をなしており、特異結合D
NA試料含有溶液F2を取り出す取出口は、大径部と同
一の径に設定されている。この大径部の直径は、分別セ
ル10の取出路14における大径部14Aと同一で1m
m±0.1mmに設定されている。このように、小径部
およびテーパ部を設けない態様とすることができる。
【0062】図5(b)に示す分別セル75における取
出路では、大径部が形成されておらず、ケース11の中
央よりやや下方位置において、逆円錐形状のテーパ部7
6と、直径が0.1mm±0.02mmの小径部77が
形成されている。テーパ部76における入り口側の直径
は、1mm±0.1mmmに設定されている。このテー
パ部76は、分岐路12に隣接する形で形成されてい
る。このように、大径部を省いた形状とすることもでき
る。
【0063】図5(c)に示す分別セル80における取
出路としては、ケース11の中央やや下方位置におい
て、直径が0.1mm±0.02mmの小径部81のみ
が形成されている。また、この小径部81は、流入路1
3の延長線上に形成されており、上方から供給された特
異結合DNA試料が、そのまま小径部81に入りやすく
なっている。このように、流入路13の延長線上に取出
路を形成し、その取出路を小径部81のみで形成するこ
ともできる。
【0064】図5(d)に示す分別セル85では、分別
セル75と同様に大径部が形成されておらず、逆円錐形
状のテーパ部86と直径が0.1mm±0.02mmの
小径部87が形成されている。このテーパ部86は、流
入路13の延長線上に形成されており、流入路13から
供給される特異結合DNA試料が入りやすくなってい
る。このように、流入路13の延長線上に形成し、その
取出路をテーパ部86と小径部87で形成することもで
きる。
【0065】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。
【0066】図6は、第2の実施形態に係る分別装置全
体の概要を示す斜視図である。
【0067】図6に示すように、第2の実施形態に係る
分別装置2は、第1の実施形態で示した分別装置1と比
較して、搬送液を分別セルに供給しない点で主に異な
る。その相違点について主に説明すると、本実施形態に
係る分別装置2においては、分別セル90を用いてい
る。図7にも示すように、分別セル90は、ケース91
を備えており、ケース91内には分岐路92が形成され
ている。分岐路92は三つ又に分かれており、それぞれ
流入路93、取出路94、および排出路95に接続され
ている。また、ケース91の下面には、逆円錐形状の突
出部96が設けられている。
【0068】流入路93は、分別セル10における流入
路13と同様に、上下方向に向けて形成され、大径部9
3Aと小径部93Bとテーパ部93Cを備え、大径部9
3Aと小径部93Bの間にテーパ部93Cが形成されて
いる。小径部93Bは、分岐路92に接続されている。
取出路94は、流入路93の延長線上に形成されてお
り、小径部のみで形成されている。この取出路94は、
突出部96の下端にまで延在している。排出路95は、
水平方向に向けて形成され、大径部95Aと小径部95
Bとテーパ部95Cとを備え、大径部95Aと小径部9
5Bの間にテーパ部95Cが形成されている。小径部9
5Bは、分岐路92に接続されている。
【0069】かかる構成を有する分別装置2では、上記
の第1の実施形態に係る分別装置1と同様の手順を経る
ことにより光学的微小物質、たとえば特異結合DNA試
料と非光学的微小物質、たとえば非特異結合DNA試料
を分別することができる。本実施形態に係る分別装置2
では、上記の第1の実施形態に係る分別装置1と比較し
て、試料溶液F1を搬送するための搬送液の供給がない
ので、若干流速が遅くなるものの、装置構成としては簡
素なものとすることができる。
【0070】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるもの
ではない。たとえば、光学的微小物質として蛍光性物質
が取り付けられた特異結合DNA試料を対象としたが、
これに限らず、たとえば発光細胞や発光バクテリアを対
象とすることもできる。光学的微小物質として発光細胞
を対象とした場合には、非光学的微小物質として、たと
えば非発光細胞を対象とすることができる。また、光学
的微小物質として発光バクテリアを対象とした場合に
は、非光学的微小物質として、たとえば非発光バクテリ
アを対象とすることができる。また、光学的微小物質と
して発光細胞や発光バクテリアを対象とする場合には、
上記の実施形態で示した投射装置を設けることなく、発
光細胞や発光バクテリアが発光する光を検出できる検出
装置を用いることもできる。
【0071】また、吸引手段の吸引力を除去する吸引力
除去手段として電磁弁を用いているが、電磁弁を用いる
ことなく、他の切り替え弁などを用いることもできる。
あるいは、弁などを用いることなく、吸引手段を停止さ
せる停止手段をもって吸引力除去手段とすることもでき
る。
【0072】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明によれば、
小さくかつ複雑である機構を用いることなく、光学的微
小物質を非光学的微小物質から分別できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る分別装置全体の
概要を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る分別装置の構成
を示すブロック図である。
【図3】分別セルの縦断面図である。
【図4】分別装置による分別工程を示すフローチャート
である。
【図5】(a)〜(d)のいずれも、分別セルの他の例
を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る分別装置全体の
概要を示す斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係る分別装置における分別セ
ルの縦断面図である。
【符号の説明】
1…分別装置 10…分別セル 11…ケース 12…分岐路 13…流入路 13A…大径部 13B…小径部 13C…テーパ部 14…取出路 14A…大径部 14B…テーパ部 14C…小径部 15…排出路 16…供給路 23…第1送液ポンプ 24…第1電磁弁 30…投射装置 35…検出装置 42…バキュームポンプ 44…第2電磁弁 48…第2送液ポンプ 51…マイクロタイタープレート 52…X−Yステージ 60…制御装置 E…検出エリア F1…試料溶液 F2…試料含有溶液 F3…廃液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 102 G01N 37/00 102 (72)発明者 平野 憲一 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2G043 AA04 BA16 CA03 DA02 DA05 EA01 GA07 GB19 HA01 HA09 JA02 KA09 LA02 LA03 2G045 AA40 DA12 DA13 DA14 FA08 FA12 FA19 FA36 FB02 FB07 FB12 FB15 HA09 JA01 JA07 2G052 AA28 AB20 AD32 AD52 CA04 CA12 CA25 CA29 CA38 CA46 CA48 DA06 ED11 FD20 GA12 GA25 GA30 HC04 HC10 HC15 HC16 HC28 HC34 JA04 JA07 2G057 AA04 AB04 AC01 BA05 DC07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的微小物質を非光学的微小物質から
    分別する分別セルであって、 光学的微小物質および非光学的微小物質を含有する試料
    含有流体が流入する流入路と、前記試料含有流体から取
    り出された前記光学的微小物質を含有する試料含有流体
    を取り出す取出路と、前記試料含有流体から前記光学的
    微小物質が取り除かれた廃液を排出する排出路と、前記
    流入路に接続され、供給された試料含有流体を、前記取
    出路と前記排出路に振り分ける分岐路を備え、 前記流入路が前記試料含有流体を供給する加圧手段に接
    続され、前記排出路が前記廃液を吸引する吸引手段に接
    続され、前記吸引手段が吸引力除去手段により吸引力を
    除去可能とされており、 前記吸引力除去手段が、前記分岐路の手前位置で、前記
    光学的微小物質が含まれているか否かに基づいて、前記
    試料含有流体を前記取出路および前記排出路のいずれに
    供給するかを制御する制御手段に接続されており、 前記制御手段により前記吸引力除去手段を作動させると
    前記試料含有流体が前記取出路に供給され、前記吸引力
    除去手段を停止させると前記試料含有流体が前記排出路
    に供給されることを特徴とする分別セル。
  2. 【請求項2】 前記分岐路には、さらに、搬送流体を供
    給する供給路が接続されており、 前記供給路には、前記搬送流体を供給する搬送流体供給
    手段が接続されている請求項1に記載の分別セル。
  3. 【請求項3】 前記取出路の少なくと一部に漏斗状流路
    が形成されている請求項1または請求項2に記載の分別
    セル。
  4. 【請求項4】 光学的微小物質および非光学的微小物質
    を含有する試料含有流体が流入する流入路と、前記試料
    含有流体から取り出された前記光学的微小物質を含有す
    る試料含有流体を取り出す取出路と、前記試料含有流体
    から前記光学的微小物質が取り除かれた廃液を排出する
    排出路と、前記流入路に接続され、供給された試料含有
    流体を、前記取出路と前記排出路に振り分ける分岐路
    と、を有し、光学的微小物質を非光学的微小物質から分
    別する分別セルと、 前記試料含有流体を前記試料含有流体流路に供給する加
    圧手段と、 前記排出路から排出される廃液を吸引する吸引手段と、 前記吸引手段の吸引力を除去可能とする吸引力除去手段
    と、 前記分別セルにおける前記分岐路の上流側で、前記試料
    含有流体からの光信号を検出する光検出手段と、 前記光検出手段により光信号が検出されたか否かに基づ
    いて、前記試料含有流体の中に光学的試料が含有してい
    るか否かを判断するとともに、この判断に基づいて、前
    記試料含有流体を前記取出路および前記排出路のいずれ
    に供給するかを、前記吸引力除去手段を操作して制御す
    る制御手段と、 を備えており、 前記制御手段により前記吸引力除去手段を作動させると
    前記試料含有流体が前記取出路に供給され、前記吸引力
    除去手段を停止させると前記試料含有流体が前記排出路
    に供給されることを特徴とする光学的微小物質の分別装
    置。
  5. 【請求項5】 前記分岐路には、さらに、搬送流体を供
    給する供給路が接続されており、 前記供給路に対して、前記搬送流体を供給する搬送流体
    供給手段が設けられている請求項4に記載の光学的微小
    物質の分別装置。
  6. 【請求項6】 前記吸引力除去手段が前記排出路と前記
    吸引手段の間に設けられた電磁弁である請求項4または
    請求項5に記載の光学的微小物質の分別装置。
  7. 【請求項7】 前記光学的微小物質が蛍光性を有する蛍
    光微小物質であり、 前記分別セルにおける前記分岐路の上流側に、励起光投
    射手段が設けられており、前記光検出手段は、前記励起
    光投射手段が前記蛍光微小物質によって発せられた蛍光
    を検出する蛍光検出手段である請求項4〜請求項6のう
    ちのいずれか一項に記載の光学的微小物質の分別装置。
  8. 【請求項8】 前記取出路から取り出される試料含有流
    体を受け止めるマイクロタイタープレートが設けられて
    いる請求項4〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の
    光学的微小物質の分別装置。
  9. 【請求項9】 前記マイクロタイタープレートを水平方
    向に移動させる移動手段が設けられている請求項8に記
    載の光学的微小物質の分別装置。
  10. 【請求項10】 前記マイクロタイタープレートを他の
    マイクロタイタープレートと交換する交換手段が設けら
    れている請求項8または請求項9に記載の光学的微小物
    質の分別装置。
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