JP2003164293A - Dnaセンサー本出願は、2001年9月18日に出願した、特願326968(jpp2001−326968)の優先権を主張し、内容を追加するものである。 - Google Patents
Dnaセンサー本出願は、2001年9月18日に出願した、特願326968(jpp2001−326968)の優先権を主張し、内容を追加するものである。Info
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- JP2003164293A JP2003164293A JP2002111322A JP2002111322A JP2003164293A JP 2003164293 A JP2003164293 A JP 2003164293A JP 2002111322 A JP2002111322 A JP 2002111322A JP 2002111322 A JP2002111322 A JP 2002111322A JP 2003164293 A JP2003164293 A JP 2003164293A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】酸化還元酵素の活性を指標として、標的DNA
を高感度に検出する測定法を開発し、簡便で高集積化の
可能な汎用性の高い標的DNA検出法を提供すること。 【解決手段】酸化還元酵素の一種であるピロロキノリン
キノン(PQQ)を補酵素とするグルコース脱水素酵素
(PQQGDH)あるいはその変異酵素とストレプトア
ビジンを連結したアビジン−酵素複合体を作製し、標的
DNAと相補的な配列を持つ標識DNAをプローブとし
て電極上に固定化しこれとビオチン標識標的DNAとを
ハイブリダイゼーションさせた上でアビジン−酵素複合
体を加え、その酵素活性を指標として標的DNAを検出
することにより、本発明を完成した。酵素反応により得
られる信号を増幅することができるので高感度なDNA
の検出が可能になり、更にSingle Nucleo
tide polymorphism(一塩基多型)の
検出も可能である。
を高感度に検出する測定法を開発し、簡便で高集積化の
可能な汎用性の高い標的DNA検出法を提供すること。 【解決手段】酸化還元酵素の一種であるピロロキノリン
キノン(PQQ)を補酵素とするグルコース脱水素酵素
(PQQGDH)あるいはその変異酵素とストレプトア
ビジンを連結したアビジン−酵素複合体を作製し、標的
DNAと相補的な配列を持つ標識DNAをプローブとし
て電極上に固定化しこれとビオチン標識標的DNAとを
ハイブリダイゼーションさせた上でアビジン−酵素複合
体を加え、その酵素活性を指標として標的DNAを検出
することにより、本発明を完成した。酵素反応により得
られる信号を増幅することができるので高感度なDNA
の検出が可能になり、更にSingle Nucleo
tide polymorphism(一塩基多型)の
検出も可能である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化還元酵素の酵
素活性を指標として、目的の塩基配列を有するDNAを
検出する原理に関する。
素活性を指標として、目的の塩基配列を有するDNAを
検出する原理に関する。
【0002】
【従来の技術】目的の塩基配列を有するDNA(以下標
的DNAと呼ぶ)を検出する場合、それと相補的な塩基
配列を有するDNAを合成し、これをプローブとして標
的とする核酸とのハイブリダイゼーションを検出するの
が一般的である。このハイブリダイゼーションは、一般
に蛍光物質や放射性同位体を結合させたプローブ、すな
わち蛍光物質や放射性同位体で標識したプローブを用
い、標的DNAとハイブリダイゼーションさせ、その結
果生じるプローブの標識物質が発する信号すなわち蛍光
強度や放射活性を測定することによって検出する。これ
らの蛍光や放射活性を測定する方法は、現在のところn
Mレベルの標的DNAの検出が可能であり、かなり高感
度の検出が可能になってきているが、今後標的DNAの
検出は、発病機構解析や薬剤の作用機作解析、さらには
極微少量微生物、ウィルスの検出へ応用されると考えら
れ、さらに高感度な検出、すなわちpM、fM、aMレ
ベルの解析が必要とされる。その為にはプローブから得
られる信号を数千倍から数万倍に増幅する手段が必要と
なる。さらに最近DNAチップやマイクロアレイのよう
に、一度に多数の標的DNAを解析する技術が開発さ
れ、標的核酸あるいはプローブを多数集積したチップが
作製され、さらにその集積度の向上が試みられている。
この際に蛍光を測定する場合は蛍光顕微鏡や共焦点レー
ザー顕微鏡、放射活性を測定する場合はシンチレーショ
ンカウンターが必要であり、高集積度のチップを解析す
るためには、高価で大型の機器を必要とする。今後標的
DNAの検出は、前述したように様々な分野での応用が
期待されており、その為には特殊な分析機器を有する研
究施設や大学、大病院だけでなく様々な場所で標的DN
Aの検出が可能になることが必要である。その為には、
例えば酵素反応の生成物を測定できる電極などの簡単な
計測機器を用いて多数の標的DNAを検出する技術の開
発が必要不可欠である。
的DNAと呼ぶ)を検出する場合、それと相補的な塩基
配列を有するDNAを合成し、これをプローブとして標
的とする核酸とのハイブリダイゼーションを検出するの
が一般的である。このハイブリダイゼーションは、一般
に蛍光物質や放射性同位体を結合させたプローブ、すな
わち蛍光物質や放射性同位体で標識したプローブを用
い、標的DNAとハイブリダイゼーションさせ、その結
果生じるプローブの標識物質が発する信号すなわち蛍光
強度や放射活性を測定することによって検出する。これ
らの蛍光や放射活性を測定する方法は、現在のところn
Mレベルの標的DNAの検出が可能であり、かなり高感
度の検出が可能になってきているが、今後標的DNAの
検出は、発病機構解析や薬剤の作用機作解析、さらには
極微少量微生物、ウィルスの検出へ応用されると考えら
れ、さらに高感度な検出、すなわちpM、fM、aMレ
ベルの解析が必要とされる。その為にはプローブから得
られる信号を数千倍から数万倍に増幅する手段が必要と
なる。さらに最近DNAチップやマイクロアレイのよう
に、一度に多数の標的DNAを解析する技術が開発さ
れ、標的核酸あるいはプローブを多数集積したチップが
作製され、さらにその集積度の向上が試みられている。
この際に蛍光を測定する場合は蛍光顕微鏡や共焦点レー
ザー顕微鏡、放射活性を測定する場合はシンチレーショ
ンカウンターが必要であり、高集積度のチップを解析す
るためには、高価で大型の機器を必要とする。今後標的
DNAの検出は、前述したように様々な分野での応用が
期待されており、その為には特殊な分析機器を有する研
究施設や大学、大病院だけでなく様々な場所で標的DN
Aの検出が可能になることが必要である。その為には、
例えば酵素反応の生成物を測定できる電極などの簡単な
計測機器を用いて多数の標的DNAを検出する技術の開
発が必要不可欠である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸化還元酵
素の活性を指標として、標的DNAを高感度に検出する
測定法を開発し、簡便で高集積化の可能な汎用性の高い
標的DNA検出法を提供することを課題とする。
素の活性を指標として、標的DNAを高感度に検出する
測定法を開発し、簡便で高集積化の可能な汎用性の高い
標的DNA検出法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、酸化還元酵
素の一種であるピロロキノリンキノン(PQQ)を補酵
素とするグルコース脱水素酵素(PQQGDH)とスト
レプトアビジンを連結したアビジン−酵素複合体を作製
し、標的DNAと相補的な配列を持つ標識DNAをプロ
ーブとして電極上に固定化しこれとビオチン標識標的D
NAとをハイブリダイゼーションさせた上でアビジン−
酵素複合体を加え、その酵素活性を指標として標的DN
Aを検出することにより、本発明を完成した。
素の一種であるピロロキノリンキノン(PQQ)を補酵
素とするグルコース脱水素酵素(PQQGDH)とスト
レプトアビジンを連結したアビジン−酵素複合体を作製
し、標的DNAと相補的な配列を持つ標識DNAをプロ
ーブとして電極上に固定化しこれとビオチン標識標的D
NAとをハイブリダイゼーションさせた上でアビジン−
酵素複合体を加え、その酵素活性を指標として標的DN
Aを検出することにより、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、酸化還元酵素の一種
であるPQQGDHとストレプトアビジンの複合体を、
標的DNAと、それに相補的な塩基配列を持つ合成DN
Aプローブとをハイブリダイゼーションさせた2本鎖D
NAに結合させ、PQQGDHの酵素反応を指標として
2本鎖DNAの形成を検出することによって標的DNA
を検出する原理を提供する。酸化還元酵素としては、F
ADを補酵素とするものでもPQQを補酵素とするもの
でもよい。また酵素の基質としては、あらゆる化学物質
が考えられるが、本DNA検出法の汎用性を考えると安
価な糖類が好ましく、その中でも汎用されているグルコ
ースが好ましい。さらに好ましい酸化還元酵素としては
検出の際に共存物質の影響の少ないグルコース脱水素酵
素(GDH)があげられ、その中でも正確な検出が可能
なPQQを補酵素とするPQQGDHがよい。より好ま
しくは、PQQGDHとしてAcinetobacte
r calcoaceticus由来水溶性PQQGD
Hである。また遺伝子組み換えにより特性が変化した、
例えば安定性が向上したPQQGDHは更に好ましい。
また、標的DNAを検出するためには、何らかの方法で
酸化還元酵素が標的DNAあるいはプローブDNAに結
合できるように修飾することが好ましい。その為にはス
トレプトアビジンで修飾された酸化還元酵素を用いるこ
とが好ましい。その修飾については化学結合を利用した
ものでもよいし、融合タンパク質法により結合されたも
のでもよい。その酵素反応の検出法としては、従来より
よく使われている比色法など様々な方法が利用できる
が、好ましくは測定系を単純化する事が可能で、微小
化、集積化、量産化が可能な電気化学的測定法である。
酵素の活性を指標とすることにより、標的DNAとプロ
ーブの1:1のハイブリダーゼーションから得られる信
号を数千倍から数万倍に増幅することが可能になる。
であるPQQGDHとストレプトアビジンの複合体を、
標的DNAと、それに相補的な塩基配列を持つ合成DN
Aプローブとをハイブリダイゼーションさせた2本鎖D
NAに結合させ、PQQGDHの酵素反応を指標として
2本鎖DNAの形成を検出することによって標的DNA
を検出する原理を提供する。酸化還元酵素としては、F
ADを補酵素とするものでもPQQを補酵素とするもの
でもよい。また酵素の基質としては、あらゆる化学物質
が考えられるが、本DNA検出法の汎用性を考えると安
価な糖類が好ましく、その中でも汎用されているグルコ
ースが好ましい。さらに好ましい酸化還元酵素としては
検出の際に共存物質の影響の少ないグルコース脱水素酵
素(GDH)があげられ、その中でも正確な検出が可能
なPQQを補酵素とするPQQGDHがよい。より好ま
しくは、PQQGDHとしてAcinetobacte
r calcoaceticus由来水溶性PQQGD
Hである。また遺伝子組み換えにより特性が変化した、
例えば安定性が向上したPQQGDHは更に好ましい。
また、標的DNAを検出するためには、何らかの方法で
酸化還元酵素が標的DNAあるいはプローブDNAに結
合できるように修飾することが好ましい。その為にはス
トレプトアビジンで修飾された酸化還元酵素を用いるこ
とが好ましい。その修飾については化学結合を利用した
ものでもよいし、融合タンパク質法により結合されたも
のでもよい。その酵素反応の検出法としては、従来より
よく使われている比色法など様々な方法が利用できる
が、好ましくは測定系を単純化する事が可能で、微小
化、集積化、量産化が可能な電気化学的測定法である。
酵素の活性を指標とすることにより、標的DNAとプロ
ーブの1:1のハイブリダーゼーションから得られる信
号を数千倍から数万倍に増幅することが可能になる。
【0006】本発明はまた、本発明の原理に基づくDN
A、RNA、SNP(SingleNucleotid
e Polymorphism:一塩基多型)検出キッ
トならびにDNA、RNA、SNPセンサーまたはDN
A、RNA、SNPチップ及びマイクロアレイを提供す
る。SNPについては標的配列の一塩基変異を検出する
事が必要であるが、例えば一塩基の違いにより標的DN
AとプローブDNAがハイブリダイゼーションしない測
定条件を工夫したりすることにより本原理に基づいた高
感度検出は可能である。
A、RNA、SNP(SingleNucleotid
e Polymorphism:一塩基多型)検出キッ
トならびにDNA、RNA、SNPセンサーまたはDN
A、RNA、SNPチップ及びマイクロアレイを提供す
る。SNPについては標的配列の一塩基変異を検出する
事が必要であるが、例えば一塩基の違いにより標的DN
AとプローブDNAがハイブリダイゼーションしない測
定条件を工夫したりすることにより本原理に基づいた高
感度検出は可能である。
【0007】すなわち本発明は以下のDNAの検出原理
に関する。 [1]酸化還元酵素の活性を指標にDNAを検出する原
理。 [2][1]において酸化還元酵素がFADを補酵素と
することを特徴とするDNAを検出する原理。 [3][1]において酸化還元酵素がPQQを補酵素と
することを特徴とするDNAを検出する原理。 [4][1]において酸化還元酵素が糖類を基質とする
ことを特徴とするDNAを検出する原理。 [5][4]において糖類を基質とする酸化還元酵素が
グルコース脱水素酵素であることを特徴とするDNAを
検出する原理。 [6][5]においてグルコース脱水素酵素の補酵素が
FADであることを特色とするグルコース脱水素酵素の
活性を指標にDNAを検出する原理。 [7][5]においてグルコース脱水素酵素の補酵素が
PQQであることを特色とするDNAを検出する原理。 [8]ストレプトアビジンを化学的に結合させたPQQ
を補酵素とするグルコース脱水素酵素。 [9][8]においてストレプトアビジンとPQQを補
酵素とするグルコース脱水素酵素とを架橋性試薬で結合
させることにより調製したストレプトアビジンを化学的
に結合させたPQQを補酵素とするグルコース脱水素酵
素。 [10][8]においてストレプトアビジンとPQQを
補酵素とするグルコース脱水素酵素をグルタルアルデヒ
ドで架橋させることにより調製することを特徴とするス
トレプトアビジンを化学的に結合させたPQQを補酵素
とするグルコース脱水素酵素。 [11][8]においてストレプトアビジンとPQQを
補酵素とするグルコース脱水素酵素とをヘテロ二架橋性
試薬で結合させることにより調製したストレプトアビジ
ンを化学的に結合させたPQQを補酵素とするグルコー
ス脱水素酵素。 [12][8]においてストレプトアビジンをN−Su
ccinimidyl−3(2−pyridyldit
io)propionateさらにスルフォニル基によ
り修飾し、またPQQを補酵素とするグルコース脱水素
酵素を4[N−maleimidomethyl]−c
yclohexane−1−carboxylateで
修飾し、これを反応させることにより調製することを特
徴とするストレプトアビジンを化学的に結合させたPQ
Qを補酵素とするグルコース脱水素酵素。 [13][1〜7]の酸化還元酵素がストレプトアビジ
ンで修飾されていることを特色とする1に記載のDNA
を検出する原理。 [14][13]において[8−12]記載のストレプ
トアビジンを化学的に結合させたPQQを補酵素とする
グルコース脱水素酵素を酸化還元酵素として用いること
を特色とするDNAを検出する原理。 [15][13]において融合タンパク質法により調製
されたストレプトアビジンと結合したPQQを補酵素と
するグルコース脱水素酵素を酸化還元酵素として用いる
ことを特色とするDNAを検出する原理。 [16][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、かつ遺伝子組み換えにより特
性が改変された変異グルコース脱水素酵素であることを
特色とするDNAを検出する原理。 [17][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、かつ遺伝子組み換えにより安
定性が向上した変異グルコース脱水素酵素であることを
特色とするDNAを検出する原理。 [18][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、2つのサブユニットが1また
はそれ以上のジスルフィド結合を介して互いに連結され
ていることを特徴とする水溶性グルコース脱水素酵素で
あることを特色とするDNAを検出する原理。 [18a][1〜7、13〜15]において酸化還元酵
素が、PQQを補酵素とし、1またはそれ以上のシステ
イン以外のアミノ酸残基がシステイン残基で置換されて
いる水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とす
るDNAを検出する原理。 [19][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、Acinetobacter calcoacet
icus由来の[18、18a]記載の、PQQを補酵
素とする水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色
とするDNAを検出する原理。 [20][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、アミノ酸配列の415番目のセリン残基がシステイ
ン残基で置換されている[19]記載の、PQQを補酵
素とする水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色
とするDNAを検出する原理。 [21][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、アミノ酸配列の340番目のアスパラギン残基およ
び418番目のチロシン残基が両方ともシステイン残基
で置換されている[19]記載の、PQQを補酵素とす
る水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする
DNAを検出する原理。 [22]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
遺伝子組み換えにより特性が改変された変異グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [23]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
遺伝子組み換えにより安定性が向上した変異グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [24]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
2つのサブユニットが1またはそれ以上のジスルフィド
結合を介して互いに連結されていることを特徴とする水
溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする[8
〜12]記載のグルコース脱水素酵素。 [24a]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素
が2つのサブユニットが1またはそれ以上のシステイン
以外のアミノ酸残基がシステイン残基で置換されている
水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする
[8〜12]記載のグルコース脱水素酵素。 [25]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
Acinetobacter calcoacetic
us由来の[24、24a記載の水溶性グルコース脱水
素酵素であることを特色とする[8〜12記載のグルコ
ース脱水素酵素。 [26]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
アミノ酸配列の415番目のセリン残基がシステイン残
基で置換されている[25]記載の、水溶性グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [27]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
340番目のアスパラギン残基および418番目のチロ
シン残基が両方ともシステイン残基で置換されている
[25]記載の、水溶性グルコース脱水素酵素であるこ
とを特色とする[8〜12]記載のグルコース脱水素酵
素。 [28][1〜7、13〜21]記載のDNAを検出す
る原理を含むDNA検出キット。 [29][1〜7、13〜21]記載のDNAを検出す
る原理を含むDNAセンサー。 [30][28]においてDNAを検出する原理が電気
化学的であることを特色とするDNA検出キット。 [31][29]においてDNAを検出する原理が電気
化学的であることを特色とするDNAセンサー。 [32][1〜7、13〜21]および[28、30]
記載のDNAを検出する原理にもとづきサルモネラを検
出するDNA検出キット。 [33][1〜7、13〜21]および[29、31]
記載のDNAを検出する原理にもとづきサルモネラを検
出するDNAセンサー。 [34][1〜7、13〜21]および[28、30、
32]記載のDNAを検出する原理にもとづきSNP
(Single NucleotidePolymor
phism:一塩基多型)を検出するSNP検出キッ
ト。 [35][1〜7、13〜21]および[29、31、
33]記載のDNAを検出する原理にもとづきSNPを
検出するSNPセンサー。 [発明の詳細な説明] [36][1〜7、13〜21]および[28、30、
32、34]記載のDNAを検出する原理にもとづきヒ
トのperoxisome proliferator
−activated receptor(PPAR)
γ2中の開始コドンから32番目の塩基のCがGに変異
したSNPを検出するSNP検出キット。 [37][1〜7、13〜21]および[29、31、
33、35]記載のDNAを検出する原理にもとづきヒ
トのPPAR γ2中の開始コドンから32番目の塩基
のCがGに変異したSNPを検出するSNPセンサー。
に関する。 [1]酸化還元酵素の活性を指標にDNAを検出する原
理。 [2][1]において酸化還元酵素がFADを補酵素と
することを特徴とするDNAを検出する原理。 [3][1]において酸化還元酵素がPQQを補酵素と
することを特徴とするDNAを検出する原理。 [4][1]において酸化還元酵素が糖類を基質とする
ことを特徴とするDNAを検出する原理。 [5][4]において糖類を基質とする酸化還元酵素が
グルコース脱水素酵素であることを特徴とするDNAを
検出する原理。 [6][5]においてグルコース脱水素酵素の補酵素が
FADであることを特色とするグルコース脱水素酵素の
活性を指標にDNAを検出する原理。 [7][5]においてグルコース脱水素酵素の補酵素が
PQQであることを特色とするDNAを検出する原理。 [8]ストレプトアビジンを化学的に結合させたPQQ
を補酵素とするグルコース脱水素酵素。 [9][8]においてストレプトアビジンとPQQを補
酵素とするグルコース脱水素酵素とを架橋性試薬で結合
させることにより調製したストレプトアビジンを化学的
に結合させたPQQを補酵素とするグルコース脱水素酵
素。 [10][8]においてストレプトアビジンとPQQを
補酵素とするグルコース脱水素酵素をグルタルアルデヒ
ドで架橋させることにより調製することを特徴とするス
トレプトアビジンを化学的に結合させたPQQを補酵素
とするグルコース脱水素酵素。 [11][8]においてストレプトアビジンとPQQを
補酵素とするグルコース脱水素酵素とをヘテロ二架橋性
試薬で結合させることにより調製したストレプトアビジ
ンを化学的に結合させたPQQを補酵素とするグルコー
ス脱水素酵素。 [12][8]においてストレプトアビジンをN−Su
ccinimidyl−3(2−pyridyldit
io)propionateさらにスルフォニル基によ
り修飾し、またPQQを補酵素とするグルコース脱水素
酵素を4[N−maleimidomethyl]−c
yclohexane−1−carboxylateで
修飾し、これを反応させることにより調製することを特
徴とするストレプトアビジンを化学的に結合させたPQ
Qを補酵素とするグルコース脱水素酵素。 [13][1〜7]の酸化還元酵素がストレプトアビジ
ンで修飾されていることを特色とする1に記載のDNA
を検出する原理。 [14][13]において[8−12]記載のストレプ
トアビジンを化学的に結合させたPQQを補酵素とする
グルコース脱水素酵素を酸化還元酵素として用いること
を特色とするDNAを検出する原理。 [15][13]において融合タンパク質法により調製
されたストレプトアビジンと結合したPQQを補酵素と
するグルコース脱水素酵素を酸化還元酵素として用いる
ことを特色とするDNAを検出する原理。 [16][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、かつ遺伝子組み換えにより特
性が改変された変異グルコース脱水素酵素であることを
特色とするDNAを検出する原理。 [17][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、かつ遺伝子組み換えにより安
定性が向上した変異グルコース脱水素酵素であることを
特色とするDNAを検出する原理。 [18][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、2つのサブユニットが1また
はそれ以上のジスルフィド結合を介して互いに連結され
ていることを特徴とする水溶性グルコース脱水素酵素で
あることを特色とするDNAを検出する原理。 [18a][1〜7、13〜15]において酸化還元酵
素が、PQQを補酵素とし、1またはそれ以上のシステ
イン以外のアミノ酸残基がシステイン残基で置換されて
いる水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とす
るDNAを検出する原理。 [19][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、Acinetobacter calcoacet
icus由来の[18、18a]記載の、PQQを補酵
素とする水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色
とするDNAを検出する原理。 [20][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、アミノ酸配列の415番目のセリン残基がシステイ
ン残基で置換されている[19]記載の、PQQを補酵
素とする水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色
とするDNAを検出する原理。 [21][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、アミノ酸配列の340番目のアスパラギン残基およ
び418番目のチロシン残基が両方ともシステイン残基
で置換されている[19]記載の、PQQを補酵素とす
る水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする
DNAを検出する原理。 [22]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
遺伝子組み換えにより特性が改変された変異グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [23]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
遺伝子組み換えにより安定性が向上した変異グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [24]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
2つのサブユニットが1またはそれ以上のジスルフィド
結合を介して互いに連結されていることを特徴とする水
溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする[8
〜12]記載のグルコース脱水素酵素。 [24a]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素
が2つのサブユニットが1またはそれ以上のシステイン
以外のアミノ酸残基がシステイン残基で置換されている
水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする
[8〜12]記載のグルコース脱水素酵素。 [25]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
Acinetobacter calcoacetic
us由来の[24、24a記載の水溶性グルコース脱水
素酵素であることを特色とする[8〜12記載のグルコ
ース脱水素酵素。 [26]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
アミノ酸配列の415番目のセリン残基がシステイン残
基で置換されている[25]記載の、水溶性グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [27]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
340番目のアスパラギン残基および418番目のチロ
シン残基が両方ともシステイン残基で置換されている
[25]記載の、水溶性グルコース脱水素酵素であるこ
とを特色とする[8〜12]記載のグルコース脱水素酵
素。 [28][1〜7、13〜21]記載のDNAを検出す
る原理を含むDNA検出キット。 [29][1〜7、13〜21]記載のDNAを検出す
る原理を含むDNAセンサー。 [30][28]においてDNAを検出する原理が電気
化学的であることを特色とするDNA検出キット。 [31][29]においてDNAを検出する原理が電気
化学的であることを特色とするDNAセンサー。 [32][1〜7、13〜21]および[28、30]
記載のDNAを検出する原理にもとづきサルモネラを検
出するDNA検出キット。 [33][1〜7、13〜21]および[29、31]
記載のDNAを検出する原理にもとづきサルモネラを検
出するDNAセンサー。 [34][1〜7、13〜21]および[28、30、
32]記載のDNAを検出する原理にもとづきSNP
(Single NucleotidePolymor
phism:一塩基多型)を検出するSNP検出キッ
ト。 [35][1〜7、13〜21]および[29、31、
33]記載のDNAを検出する原理にもとづきSNPを
検出するSNPセンサー。 [発明の詳細な説明] [36][1〜7、13〜21]および[28、30、
32、34]記載のDNAを検出する原理にもとづきヒ
トのperoxisome proliferator
−activated receptor(PPAR)
γ2中の開始コドンから32番目の塩基のCがGに変異
したSNPを検出するSNP検出キット。 [37][1〜7、13〜21]および[29、31、
33、35]記載のDNAを検出する原理にもとづきヒ
トのPPAR γ2中の開始コドンから32番目の塩基
のCがGに変異したSNPを検出するSNPセンサー。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、酸化還元酵素の活性を
指標として目的の塩基配列を有するDNAを検出するこ
とを特徴とする。例として標的DNAとプローブDNA
のハイブリダイゼーションの結果生じる2本鎖DNAを
酸化還元酵素などにより標識し、この酸化還元酵素の反
応を指標としてハイブリダイゼーション形成を検出する
ことができる。酸化還元酵素はFADを補酵素とするも
のでもPQQを補酵素とするものでもよい。また酵素の
基質としては、あらゆる化学物質が考えられるが、汎用
性を考えると安価な糖類が好ましく、その中でも汎用さ
れているグルコースが好ましい。酸化還元酵素による標
識には、プローブDNAか標的DNAのどちらかをビオ
チン標識し、酸化還元酵素はストレプトアビジンと結合
させたアビジン−酸化酵素複合体を利用して双方を結合
させることが考えられる。またプローブDNAと酸化還
元酵素とを化学反応を利用して直接連結させることも考
えられる。こうすることにより標的DNAとプローブD
NAのハイブリダイゼーション形成を、酵素活性を測定
することにより検出することができる。
指標として目的の塩基配列を有するDNAを検出するこ
とを特徴とする。例として標的DNAとプローブDNA
のハイブリダイゼーションの結果生じる2本鎖DNAを
酸化還元酵素などにより標識し、この酸化還元酵素の反
応を指標としてハイブリダイゼーション形成を検出する
ことができる。酸化還元酵素はFADを補酵素とするも
のでもPQQを補酵素とするものでもよい。また酵素の
基質としては、あらゆる化学物質が考えられるが、汎用
性を考えると安価な糖類が好ましく、その中でも汎用さ
れているグルコースが好ましい。酸化還元酵素による標
識には、プローブDNAか標的DNAのどちらかをビオ
チン標識し、酸化還元酵素はストレプトアビジンと結合
させたアビジン−酸化酵素複合体を利用して双方を結合
させることが考えられる。またプローブDNAと酸化還
元酵素とを化学反応を利用して直接連結させることも考
えられる。こうすることにより標的DNAとプローブD
NAのハイブリダイゼーション形成を、酵素活性を測定
することにより検出することができる。
【0009】好ましくは酸化還元酵素としては、試料中
の溶存酸素の影響を受けない脱水素酵素であり、高価な
基質を必要としないもの、例えばグルコースデヒドロゲ
ナーゼ(GDH)がよい。さらに好ましくは酵素活性の
高いPQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素PQQ
GDHがよい。当業者は、他の細菌に由来する水溶性P
QQGDHについても、本発明の教示にしたがって標的
DNAに相補的塩基配列を持つ合成DNAと結合させる
ことにより、本発明に利用できるプローブを得ることが
できる。これらのプローブ及びそれを含むDNA検出キ
ット、センサーシステムも本発明の範囲内である。
の溶存酸素の影響を受けない脱水素酵素であり、高価な
基質を必要としないもの、例えばグルコースデヒドロゲ
ナーゼ(GDH)がよい。さらに好ましくは酵素活性の
高いPQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素PQQ
GDHがよい。当業者は、他の細菌に由来する水溶性P
QQGDHについても、本発明の教示にしたがって標的
DNAに相補的塩基配列を持つ合成DNAと結合させる
ことにより、本発明に利用できるプローブを得ることが
できる。これらのプローブ及びそれを含むDNA検出キ
ット、センサーシステムも本発明の範囲内である。
【0010】本発明では酸化還元酵素の一例としてPQ
QGDHを用いたがこれは、ピロロキノリンキノン(P
QQ)を補酵素とするグルコース脱水素酵素(GDH)
であり、グルコースを酸化してグルコノラクトンを生成
する反応を触媒する。膜結合性PQQGDHは、分子量
約87kDaのシングルペプチド蛋白質であり、種々の
グラム陰性菌において広く見いだされている。一方、水
溶性PQQGDHはAcinetobacter ca
lcoaceticusのいくつかの株においてその存
在が確認されており(Biosci.Biotech.
Biochem.(1995),59(8),1548
−1555)、その構造遺伝子がクローニングされアミ
ノ酸配列が明らかにされている(Mol.Gen.Ge
net.(1989),217:430−436)。
A.calcoaceticus由来水溶性PQQGD
Hは、ペリプラズムに局在する、分子量約50kDaの
2つの同一のサブユニットからなるホモダイマーであ
る。PQQGDH活性は、ホモダイマー酵素が形成され
る場合にのみ発現され、サブユニット単独ではPQQG
DH活性を示さないことが報告されている。水溶性PQ
QGDHの生理学的役割はまだよく解明されていない。
本酵素は糖尿病の重要なマーカーである血中グルコース
濃度を定量するのに有用であると考えられる。従来、グ
ルコースはグルコースオキシダーゼ(GOD)あるいは
グルコース6リン酸脱水素酵素(G6PDH)を用いる
酵素法により定量されていたが、GODを用いる方法で
はグルコース酸化反応にともない発生する過酸化水素を
定量するためカタラーゼあるいはパーオキシダーゼをア
ッセイ系に添加する必要があった。またGODを用いる
バイオセンサーの開発も進められてきたが、反応が水溶
液中の溶存酸素濃度に依存することから高濃度のグルコ
ース試料には適さないこと、あるいは溶存酸素濃度によ
って測定値に誤差が生じる可能性があった。そこで、こ
れまでのグルコース酵素定量方法に用いられてきた酵素
にかわる新たな酵素としてPQQGDHの応用が注目さ
れている。PQQGDHはグルコースに対して高い酸化
活性を有していること、およびPQQGDHは補酵素結
合型の酵素であるため電子受容体として酸素を必要とし
ないことから、グルコースセンサーの認識素子をはじめ
として、アッセイ分野への応用が期待されている。ま
た、その触媒能力が高いことから様々分野への応用が期
待されている。PQQGDHにおいては、アミノ酸残基
の一部が欠失または置換されていてもよく、また他のア
ミノ酸残基が付加されていてもよい。特定の領域のアミ
ノ酸残基を他のアミノ酸残基で置換することにより、酵
素の熱安定性や基質に対する親和性を改良することがで
きる(たとえば、特開平10−243786、特願平1
1−101143、特願平11−124285を参
照)。これらの改変されたPQQGDHが連結されたプ
ローブも本発明の範囲内である。
QGDHを用いたがこれは、ピロロキノリンキノン(P
QQ)を補酵素とするグルコース脱水素酵素(GDH)
であり、グルコースを酸化してグルコノラクトンを生成
する反応を触媒する。膜結合性PQQGDHは、分子量
約87kDaのシングルペプチド蛋白質であり、種々の
グラム陰性菌において広く見いだされている。一方、水
溶性PQQGDHはAcinetobacter ca
lcoaceticusのいくつかの株においてその存
在が確認されており(Biosci.Biotech.
Biochem.(1995),59(8),1548
−1555)、その構造遺伝子がクローニングされアミ
ノ酸配列が明らかにされている(Mol.Gen.Ge
net.(1989),217:430−436)。
A.calcoaceticus由来水溶性PQQGD
Hは、ペリプラズムに局在する、分子量約50kDaの
2つの同一のサブユニットからなるホモダイマーであ
る。PQQGDH活性は、ホモダイマー酵素が形成され
る場合にのみ発現され、サブユニット単独ではPQQG
DH活性を示さないことが報告されている。水溶性PQ
QGDHの生理学的役割はまだよく解明されていない。
本酵素は糖尿病の重要なマーカーである血中グルコース
濃度を定量するのに有用であると考えられる。従来、グ
ルコースはグルコースオキシダーゼ(GOD)あるいは
グルコース6リン酸脱水素酵素(G6PDH)を用いる
酵素法により定量されていたが、GODを用いる方法で
はグルコース酸化反応にともない発生する過酸化水素を
定量するためカタラーゼあるいはパーオキシダーゼをア
ッセイ系に添加する必要があった。またGODを用いる
バイオセンサーの開発も進められてきたが、反応が水溶
液中の溶存酸素濃度に依存することから高濃度のグルコ
ース試料には適さないこと、あるいは溶存酸素濃度によ
って測定値に誤差が生じる可能性があった。そこで、こ
れまでのグルコース酵素定量方法に用いられてきた酵素
にかわる新たな酵素としてPQQGDHの応用が注目さ
れている。PQQGDHはグルコースに対して高い酸化
活性を有していること、およびPQQGDHは補酵素結
合型の酵素であるため電子受容体として酸素を必要とし
ないことから、グルコースセンサーの認識素子をはじめ
として、アッセイ分野への応用が期待されている。ま
た、その触媒能力が高いことから様々分野への応用が期
待されている。PQQGDHにおいては、アミノ酸残基
の一部が欠失または置換されていてもよく、また他のア
ミノ酸残基が付加されていてもよい。特定の領域のアミ
ノ酸残基を他のアミノ酸残基で置換することにより、酵
素の熱安定性や基質に対する親和性を改良することがで
きる(たとえば、特開平10−243786、特願平1
1−101143、特願平11−124285を参
照)。これらの改変されたPQQGDHが連結されたプ
ローブも本発明の範囲内である。
【0011】合成DNAと酸化還元酵素を結合させる方
法としては、共有結合等の化学的結合を形成させても、
ストレプトアビジンと酸化還元酵素を何らかの方法で結
合させた結合アビジン−タンパク質複合体を作製し、ビ
オチン標識した合成DNAとのアビジン−ビオチンの結
合を利用してもよい。
法としては、共有結合等の化学的結合を形成させても、
ストレプトアビジンと酸化還元酵素を何らかの方法で結
合させた結合アビジン−タンパク質複合体を作製し、ビ
オチン標識した合成DNAとのアビジン−ビオチンの結
合を利用してもよい。
【0012】ストレプトアビジンと酸化還元酵素を結合
させる方法としては、遺伝子工学的手法の融合タンパク
質法を用いて融合タンパク質を作製してもよいし(特願
2000−366248を参照)、リンカーを用いてそ
れぞれに化学的結合を形成させてもよい。
させる方法としては、遺伝子工学的手法の融合タンパク
質法を用いて融合タンパク質を作製してもよいし(特願
2000−366248を参照)、リンカーを用いてそ
れぞれに化学的結合を形成させてもよい。
【0013】好ましくはストレプトアビジンはStre
ptomyces avidinii由来、より好まし
くは同IFO13429株由来のストレプトアビジンあ
るいはストレプトアビジンのビオチン結合部位の蛋白質
をPQQGDHに連結することによりアビジン−酸化還
元酵素複合体を構築できる。
ptomyces avidinii由来、より好まし
くは同IFO13429株由来のストレプトアビジンあ
るいはストレプトアビジンのビオチン結合部位の蛋白質
をPQQGDHに連結することによりアビジン−酸化還
元酵素複合体を構築できる。
【0014】アビジン−酢化還元酵素複合体の製造方法
本発明のアビジン−酸化還元酵素複合体は、酸化還元酵
素のPQQGDHとストレプトアビジンとをリンカーを
用いて連結させることにより作製することができる。G
OD由来の天然の水溶性PQQGDHをコードする遺伝
子の配列は、Mol.Gen.Genet.(198
9),217:430−436に開示される。また、遺
伝子工学的手法によりアビジンと酸化還元酵素の融合タ
ンパク質を作ることにより作製することができる(特願
2000−366248を参照)。
素のPQQGDHとストレプトアビジンとをリンカーを
用いて連結させることにより作製することができる。G
OD由来の天然の水溶性PQQGDHをコードする遺伝
子の配列は、Mol.Gen.Genet.(198
9),217:430−436に開示される。また、遺
伝子工学的手法によりアビジンと酸化還元酵素の融合タ
ンパク質を作ることにより作製することができる(特願
2000−366248を参照)。
【0015】アビジン−PQQGDH複合体の調製につ
いて以下に述べる。培養液から遠心分離などで菌体を回
収した後、菌体をフレンチプレスなどで破砕する。これ
を超遠心分離し、PQQGDH活性を含む水溶性画分を
得ることができる。あるいはアビジン−PQQGDH複
合体が不溶性の顆粒として産生されている場合には、細
胞破砕液より遠心分離機によって沈澱として顆粒を回収
し、これを尿素等の変性剤で可溶化したのち、透析によ
り蛋白質立体構造を巻き戻し、活性のある融合蛋白質と
して水溶性画分として回収する。あるいは、適当な宿主
ベクター系を用いることにより、発現したアビジン−P
QQGDH複合体を培養液中に分泌させることもでき
る。得られた水溶性画分を、イオン交換クロマトグラフ
ィー、アフィニティークロマトグラフィー、HPLCな
どにより精製することにより、アビジン−PQQGDH
複合体を調製する。
いて以下に述べる。培養液から遠心分離などで菌体を回
収した後、菌体をフレンチプレスなどで破砕する。これ
を超遠心分離し、PQQGDH活性を含む水溶性画分を
得ることができる。あるいはアビジン−PQQGDH複
合体が不溶性の顆粒として産生されている場合には、細
胞破砕液より遠心分離機によって沈澱として顆粒を回収
し、これを尿素等の変性剤で可溶化したのち、透析によ
り蛋白質立体構造を巻き戻し、活性のある融合蛋白質と
して水溶性画分として回収する。あるいは、適当な宿主
ベクター系を用いることにより、発現したアビジン−P
QQGDH複合体を培養液中に分泌させることもでき
る。得られた水溶性画分を、イオン交換クロマトグラフ
ィー、アフィニティークロマトグラフィー、HPLCな
どにより精製することにより、アビジン−PQQGDH
複合体を調製する。
【0016】酵素活性の測定方法
本発明は酸化還元酵素の活性を測定することにより、標
的DNAを検出する。酸化還元酵素としてPQQGDH
を用いる場合、本酵素はPQQを補酵素として、グルコ
ースを酸化してグルコノラクトンを生成する反応を触媒
する作用を有する。酵素活性の測定は、様々な方法が考
えられるが、一般にはPQQGDHによるグルコースの
酸化にともなって還元されるPQQの量を酸化還元色素
の呈色反応により定量する。呈色試薬としては、例え
ば、PMS(フェナジンメトサルフェート)−DCIP
(2,6−ジクロロフェノールインドフェノール)、フ
ェリシアン化カリウム、フェロセンなどを用いることが
できる。またグルコースの酸化を電気化学的に測定する
こともできる。この場合検出系として電極を用いるが微
小化、集積化、量産化が容易であり汎用性の高い検出シ
ステムを提供することができる。他にも水晶振動子、表
面プラズモン共鳴などによる測定も可能である。
的DNAを検出する。酸化還元酵素としてPQQGDH
を用いる場合、本酵素はPQQを補酵素として、グルコ
ースを酸化してグルコノラクトンを生成する反応を触媒
する作用を有する。酵素活性の測定は、様々な方法が考
えられるが、一般にはPQQGDHによるグルコースの
酸化にともなって還元されるPQQの量を酸化還元色素
の呈色反応により定量する。呈色試薬としては、例え
ば、PMS(フェナジンメトサルフェート)−DCIP
(2,6−ジクロロフェノールインドフェノール)、フ
ェリシアン化カリウム、フェロセンなどを用いることが
できる。またグルコースの酸化を電気化学的に測定する
こともできる。この場合検出系として電極を用いるが微
小化、集積化、量産化が容易であり汎用性の高い検出シ
ステムを提供することができる。他にも水晶振動子、表
面プラズモン共鳴などによる測定も可能である。
【0017】DNAアッセイキット
本発明はまた、本発明の原理に従うDNAアッセイキッ
トを特徴とする。典型的には、キットは、本発明のアビ
ジン−酸化還元酵素複合体などを含む酸化還元酵素標識
プローブDNA、アッセイに必要な緩衝液、電子受容
体、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース
標準溶液、ならびに使用の指針を含む。電子受容体とし
てはPMS、DCIP、フェリシアン化カリウム、さら
にシトクロームなどを用いることができる。本発明に従
う標識用酸化還元酵素は種々の形態で、例えば、凍結乾
燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液と
して提供することができる。好ましくは本発明の融合蛋
白質はホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態
で提供し、使用時にホロ化することもできる。
トを特徴とする。典型的には、キットは、本発明のアビ
ジン−酸化還元酵素複合体などを含む酸化還元酵素標識
プローブDNA、アッセイに必要な緩衝液、電子受容
体、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース
標準溶液、ならびに使用の指針を含む。電子受容体とし
てはPMS、DCIP、フェリシアン化カリウム、さら
にシトクロームなどを用いることができる。本発明に従
う標識用酸化還元酵素は種々の形態で、例えば、凍結乾
燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液と
して提供することができる。好ましくは本発明の融合蛋
白質はホロ化した形態で提供されるが、アポ酵素の形態
で提供し、使用時にホロ化することもできる。
【0018】DNAセンサー、DNAチップ
本発明はまた、本発明の原理に従う酸化還元酵素を用い
るDNAセンサー、DNAチップを特徴とする。例えば
酸化還元酵素の活性測定に電極を利用できるが、電極と
しては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、
この電極上にプローブDNAを固定化する。固定化方法
としては、アビジン−ビオチンの結合を利用する方法、
架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入す
る方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導
電性ポリマー、酸化還元ポリマーで包括固定する方法な
どがあり、その場合フェロセンあるいはその誘導体に代
表される電子メディエーターとともにポリマー中に固定
あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組
み合わせて用いてもよい。典型的には、アビジン−ビオ
チンの結合を用いてプローブDNAをカーボン電極上に
固定化した後、ビオチン標識標的DNAとハイブリダイ
ゼーションさせ、アビジン−酸化還元酵素複合体を添加
して酵素反応生成物を電気化学測定することによりハイ
ブリダイゼーション形成を検出する。本発明はまた、本
発明の原理に基づくSNP(Single Nucle
otide Polymorphism:一塩基多型)
検出キットならびにSNPセンサーまたはSNPチップ
及びマイクロアレイを提供する。SNPは標的配列の一
塩基変異を検出する事が必要であるが、例えば一塩基の
違いにより標的DNAとプローブDNAがハイブリダイ
ゼーションしない測定条件を工夫したりすることにより
上記の方法で高感度検出は可能である。一塩基変異があ
るとハイブリダイゼーションしない条件としては温度や
尿素やホルムアミドなどの変成剤を共存させることが考
えられる。またSNPの部位の一塩基だけハイブリダイ
ゼーションさせるシングルベースハイブリダイゼーショ
ン法やミニシーケンシング法(Syvanen,A.
C.et al.Genomics(1990)684
−92)に本発明を応用することによってもSNPの検
出が可能である。
るDNAセンサー、DNAチップを特徴とする。例えば
酸化還元酵素の活性測定に電極を利用できるが、電極と
しては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、
この電極上にプローブDNAを固定化する。固定化方法
としては、アビジン−ビオチンの結合を利用する方法、
架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入す
る方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導
電性ポリマー、酸化還元ポリマーで包括固定する方法な
どがあり、その場合フェロセンあるいはその誘導体に代
表される電子メディエーターとともにポリマー中に固定
あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組
み合わせて用いてもよい。典型的には、アビジン−ビオ
チンの結合を用いてプローブDNAをカーボン電極上に
固定化した後、ビオチン標識標的DNAとハイブリダイ
ゼーションさせ、アビジン−酸化還元酵素複合体を添加
して酵素反応生成物を電気化学測定することによりハイ
ブリダイゼーション形成を検出する。本発明はまた、本
発明の原理に基づくSNP(Single Nucle
otide Polymorphism:一塩基多型)
検出キットならびにSNPセンサーまたはSNPチップ
及びマイクロアレイを提供する。SNPは標的配列の一
塩基変異を検出する事が必要であるが、例えば一塩基の
違いにより標的DNAとプローブDNAがハイブリダイ
ゼーションしない測定条件を工夫したりすることにより
上記の方法で高感度検出は可能である。一塩基変異があ
るとハイブリダイゼーションしない条件としては温度や
尿素やホルムアミドなどの変成剤を共存させることが考
えられる。またSNPの部位の一塩基だけハイブリダイ
ゼーションさせるシングルベースハイブリダイゼーショ
ン法やミニシーケンシング法(Syvanen,A.
C.et al.Genomics(1990)684
−92)に本発明を応用することによってもSNPの検
出が可能である。
【0019】標的DNAの検出は、以下のようにして行
うことができる。恒温セルに緩衝液を入れ、PQQおよ
びCaCl2、およびメディエーターを加えて一定温度
に維持する。メディエーターとしては、フェリシアン化
カリウム、フェナジンメトサルフェートなどを用いるこ
とができる。またこれらのメディエーターに加えてシト
クロームを添加する場合もある。作用電極としてプロー
ブDNAを固定化した電極(例えばカーボン電極)を用
い、対極(例えば白金電極)および参照電極(例えばA
g/AgCl電極)を用いる。ビオチン標識標的DNA
を添加してプローブDNAとハイブリダイゼーションさ
せた後、アビジン−酸化還元酵素複合体(この場合はア
ビジン−PQQGDH複合体)を添加して2本鎖DNA
を介してPQQGDHをカーボン電極に固定化した後、
電極に一定の電圧を印加して、電流が定常になった後、
グルコースを含む試料を加えて電流の増加を測定する。
標準濃度のDNA溶液により作製したキャリブレーショ
ンカーブに従い、試料中のDNA濃度を計算することが
できる。
うことができる。恒温セルに緩衝液を入れ、PQQおよ
びCaCl2、およびメディエーターを加えて一定温度
に維持する。メディエーターとしては、フェリシアン化
カリウム、フェナジンメトサルフェートなどを用いるこ
とができる。またこれらのメディエーターに加えてシト
クロームを添加する場合もある。作用電極としてプロー
ブDNAを固定化した電極(例えばカーボン電極)を用
い、対極(例えば白金電極)および参照電極(例えばA
g/AgCl電極)を用いる。ビオチン標識標的DNA
を添加してプローブDNAとハイブリダイゼーションさ
せた後、アビジン−酸化還元酵素複合体(この場合はア
ビジン−PQQGDH複合体)を添加して2本鎖DNA
を介してPQQGDHをカーボン電極に固定化した後、
電極に一定の電圧を印加して、電流が定常になった後、
グルコースを含む試料を加えて電流の増加を測定する。
標準濃度のDNA溶液により作製したキャリブレーショ
ンカーブに従い、試料中のDNA濃度を計算することが
できる。
【0020】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【実施例1】サルモネラ菌侵入性因子関連遺伝子(in
vA)の電気化学的検出 標的DNAとしてサルモネラ菌の侵入性因子関連遺伝子
(invA)遺伝子の一部分を用い、酸化還元酵素とし
てPQQGDHを用いてその酵素活性を指標として電気
化学的に標的DNAを検出した。
vA)の電気化学的検出 標的DNAとしてサルモネラ菌の侵入性因子関連遺伝子
(invA)遺伝子の一部分を用い、酸化還元酵素とし
てPQQGDHを用いてその酵素活性を指標として電気
化学的に標的DNAを検出した。
【0021】(1)アビジン−PQQGDH複合体の調
製 ストレプトアビジン0.3mgをPBSバッファー30
0μl(14.3μM)に溶かし、DIMOに溶かした
20mM N−Succinimidyl−3−(2−
pyridylditio)propiponate
(SPDP)50μl(2.9mM)を入れ30℃で一
晩反応させた。次にNAP10カラムに通し、余分なS
PDP(分子量:312.4)を除いた。試料には12
mgのDithiothreitol(DTT)(終濃
度156mM)を加え、SH基を導入した。次にPQQ
GDH4mgをMOPSバッファー500μl(160
μM)に溶かし、その中にSulfosuccinim
idyl 4[N−maleimidomethyl]
−cyclohexane−1−carboxylat
e(Sulfo−SMCC)を1mg(4.6mM)入
れ4℃で一晩反応させた。次にNAP10カラムに通
し、余分なSulfo−SMCCを除くことによりPQ
QGDHにマレイミド基を導入した。次に4.9μMの
SH基を導入したストレプトアビジン)と4.9μMマ
レイミド基導入PQQGDHを30℃で4時間反応さ
せ、アビジン−PQQGDH複合体を調製した(図
1)。
製 ストレプトアビジン0.3mgをPBSバッファー30
0μl(14.3μM)に溶かし、DIMOに溶かした
20mM N−Succinimidyl−3−(2−
pyridylditio)propiponate
(SPDP)50μl(2.9mM)を入れ30℃で一
晩反応させた。次にNAP10カラムに通し、余分なS
PDP(分子量:312.4)を除いた。試料には12
mgのDithiothreitol(DTT)(終濃
度156mM)を加え、SH基を導入した。次にPQQ
GDH4mgをMOPSバッファー500μl(160
μM)に溶かし、その中にSulfosuccinim
idyl 4[N−maleimidomethyl]
−cyclohexane−1−carboxylat
e(Sulfo−SMCC)を1mg(4.6mM)入
れ4℃で一晩反応させた。次にNAP10カラムに通
し、余分なSulfo−SMCCを除くことによりPQ
QGDHにマレイミド基を導入した。次に4.9μMの
SH基を導入したストレプトアビジン)と4.9μMマ
レイミド基導入PQQGDHを30℃で4時間反応さ
せ、アビジン−PQQGDH複合体を調製した(図
1)。
【0022】(2)調製したアビジン−PQQGDH複
合体の確認 その後調製されたアビジン−PQQGDH複合体をゲル
ろ過クロマトグラフィーにて分子量別に分離した。主要
なPQQGDHの活性が得られた画分に対してSDS−
PAGEを行ったところ、約110kDaにバンドが得
られことから、本方法によりアビジン−PQQGDH複
合体が構築されたと考えられる。その後アビジン−PQ
QGDH複合体の活性測定、たんぱく質濃度測定を行っ
た結果、酵素の活性値は約178U/mg prote
inであった。
合体の確認 その後調製されたアビジン−PQQGDH複合体をゲル
ろ過クロマトグラフィーにて分子量別に分離した。主要
なPQQGDHの活性が得られた画分に対してSDS−
PAGEを行ったところ、約110kDaにバンドが得
られことから、本方法によりアビジン−PQQGDH複
合体が構築されたと考えられる。その後アビジン−PQ
QGDH複合体の活性測定、たんぱく質濃度測定を行っ
た結果、酵素の活性値は約178U/mg prote
inであった。
【0023】(3)用いた合成DNAの配列
実験に用いたDNAの塩基配列を以下に示す。標的DN
Aは、ほとんど全てのサルモネラ菌が保持している遺伝
子の1つである侵入性因子関連遺伝子(invA)中の
18merを用いた。電極に固定するプローブDNAは
ターゲットDNAの相補的配列を持つものを用いた。コ
ントロールDNAとしては以下のランダム配列を持つも
のを用いた。それぞれ5′端をビオチン標識したものを
用いた(なお下図でBioはビオチンを示す。A,C,
G,Tはそれぞれの核酸塩基を示す)。 標的DNA:Bio−TCGGCATCAATACTC
ATC プローブDNA:Bio−GATGAGTATTGAT
GCCGA コントロールDNA:Bio−CTGATGAACAT
ACTATCT
Aは、ほとんど全てのサルモネラ菌が保持している遺伝
子の1つである侵入性因子関連遺伝子(invA)中の
18merを用いた。電極に固定するプローブDNAは
ターゲットDNAの相補的配列を持つものを用いた。コ
ントロールDNAとしては以下のランダム配列を持つも
のを用いた。それぞれ5′端をビオチン標識したものを
用いた(なお下図でBioはビオチンを示す。A,C,
G,Tはそれぞれの核酸塩基を示す)。 標的DNA:Bio−TCGGCATCAATACTC
ATC プローブDNA:Bio−GATGAGTATTGAT
GCCGA コントロールDNA:Bio−CTGATGAACAT
ACTATCT
【0024】(4)カーボンペースト電極へのプローブ
DNAの固定化 アビジンゲル(アビジン約2.0nmolを含む)を2
X SSC(30mMクエン酸、300mMNaCl
バッファー)で洗って凍結乾燥し、その後アビジンゲル
を20mgカーボンペースト、ミネラルオイル1滴と混
合し、電極の空孔に詰めた。次にビオチン修飾されたプ
ローブDNA3.0nmol溶液100μlをアビジン
ゲルが練りこまれたカーボンペースト電極に25℃、3
0分間反応させた。反応バッファーは0.1 Mリン酸
バッファー、300mM NaCl(pH6.0)を用
いた。その後0.2×SSCバッファーを用いて3回洗
い、非特異吸着したビオチンを反応しないようにするた
めに12nmolアビジン溶液200μlを電極に25
℃、30分間反応させた。その後0.2×SSCバッフ
ァーを用いて3回洗った。さらにハイブリダイゼーショ
ン用ブロッキングバッファー(カゼイン)を電極に対し
て25℃30、分間反応させ、これを2回繰り返した。
その後0.2×SSCバッファーを用いて3回洗った。
全体の検出の模式図を図2に示す。
DNAの固定化 アビジンゲル(アビジン約2.0nmolを含む)を2
X SSC(30mMクエン酸、300mMNaCl
バッファー)で洗って凍結乾燥し、その後アビジンゲル
を20mgカーボンペースト、ミネラルオイル1滴と混
合し、電極の空孔に詰めた。次にビオチン修飾されたプ
ローブDNA3.0nmol溶液100μlをアビジン
ゲルが練りこまれたカーボンペースト電極に25℃、3
0分間反応させた。反応バッファーは0.1 Mリン酸
バッファー、300mM NaCl(pH6.0)を用
いた。その後0.2×SSCバッファーを用いて3回洗
い、非特異吸着したビオチンを反応しないようにするた
めに12nmolアビジン溶液200μlを電極に25
℃、30分間反応させた。その後0.2×SSCバッフ
ァーを用いて3回洗った。さらにハイブリダイゼーショ
ン用ブロッキングバッファー(カゼイン)を電極に対し
て25℃30、分間反応させ、これを2回繰り返した。
その後0.2×SSCバッファーを用いて3回洗った。
全体の検出の模式図を図2に示す。
【0025】(5)プローブDNA固定化電極への標的
DNAのハイブリダイゼーション 標的DNAもしくはコントロールDNA(10nmol
/ml)を電極に固定されているプローブDNAに対し
て45℃60分間ハイブリダイゼーションさせた。反応
バッファーは0.1Mリン酸バッファー、300mM
NaCl(pH6.0)を用いた。反応後、0.2×S
SCバッファーにて3度洗浄した。
DNAのハイブリダイゼーション 標的DNAもしくはコントロールDNA(10nmol
/ml)を電極に固定されているプローブDNAに対し
て45℃60分間ハイブリダイゼーションさせた。反応
バッファーは0.1Mリン酸バッファー、300mM
NaCl(pH6.0)を用いた。反応後、0.2×S
SCバッファーにて3度洗浄した。
【0026】(6)ハイブリダイゼーションした標的D
NAへのアビジン−PQQGDH複合体の結合 標的DNAをハイブリダイゼーションさせた電極を、ア
ビジン−PQQGDH(0.2U)、PQQ(1μ
M)、CaCl2(1mM)を含むバッファー(10m
M MOPS、150mM NaCl、1mM EDT
A、15% glycerol(pH6.0))1ml
中に浸漬し25℃20分間反応させた。反応後10mM
MOPS150mM NaCl、15%glycer
ol(pH6.3)にて3回洗った。
NAへのアビジン−PQQGDH複合体の結合 標的DNAをハイブリダイゼーションさせた電極を、ア
ビジン−PQQGDH(0.2U)、PQQ(1μ
M)、CaCl2(1mM)を含むバッファー(10m
M MOPS、150mM NaCl、1mM EDT
A、15% glycerol(pH6.0))1ml
中に浸漬し25℃20分間反応させた。反応後10mM
MOPS150mM NaCl、15%glycer
ol(pH6.3)にて3回洗った。
【0027】(7)グルコース添加に対する電極の応答
測定 本電極を作用極とし、参照極にAg/AgCl、対極に
Pt電極を用い、グルコース添加による応答電流値を測
定した。反応溶液は1mM mPMS、1μMPQQ、
1mM CaCl2、10mM MOPS(pH7.
0)、全量10mlとし、印加電位+100mV vs
Ag/AgCl、25℃で測定を行った。その結果を
図3に示す。標的DNAをハイブリさせたもの(●)
は、プローブのみを電極に固定したもの(▲)、コント
ロールDNAをハイブリさせたもの(◆)、と比較して
顕著な電流応答値を示した。なおアビジンゲルのみを電
極に練りこんだものにアビジン−PQQGDH複合体を
加えても低い応答しか得られなかった。本方法によって
目的の塩基配列を持つDNAを特異的に検出できた。
測定 本電極を作用極とし、参照極にAg/AgCl、対極に
Pt電極を用い、グルコース添加による応答電流値を測
定した。反応溶液は1mM mPMS、1μMPQQ、
1mM CaCl2、10mM MOPS(pH7.
0)、全量10mlとし、印加電位+100mV vs
Ag/AgCl、25℃で測定を行った。その結果を
図3に示す。標的DNAをハイブリさせたもの(●)
は、プローブのみを電極に固定したもの(▲)、コント
ロールDNAをハイブリさせたもの(◆)、と比較して
顕著な電流応答値を示した。なおアビジンゲルのみを電
極に練りこんだものにアビジン−PQQGDH複合体を
加えても低い応答しか得られなかった。本方法によって
目的の塩基配列を持つDNAを特異的に検出できた。
【0028】(8)DNAに対する電極の応答曲線
本電極を作用極とし、参照極にAg/AgCl、対極に
Pt電極を用い、DNAの濃度を変化させて応答電流値
を測定した。反応溶液は6.3mMグルコース、1mM
mPMS、1μM PQQ、1m MCaCl2、1
0mM MOPS(pH7.0)、全量10mlとし、
印加電位+100mV vs Ag/AgCl、25℃
で測定を行った。その結果を図4に示す。1x10−8
Mから1x10−6MのDNAに対してその濃度が上が
るにつれて電流応答値は上昇し、両者はほぼ直線的な相
関を示した。その検出加減は0.5x10−8Mであり
従来のDNAの検出法と比べて十分高感度な検出が可能
であった。
Pt電極を用い、DNAの濃度を変化させて応答電流値
を測定した。反応溶液は6.3mMグルコース、1mM
mPMS、1μM PQQ、1m MCaCl2、1
0mM MOPS(pH7.0)、全量10mlとし、
印加電位+100mV vs Ag/AgCl、25℃
で測定を行った。その結果を図4に示す。1x10−8
Mから1x10−6MのDNAに対してその濃度が上が
るにつれて電流応答値は上昇し、両者はほぼ直線的な相
関を示した。その検出加減は0.5x10−8Mであり
従来のDNAの検出法と比べて十分高感度な検出が可能
であった。
【0029】
【実施例2】耐熱化PQQGDH、Ser415Cys
を用いたサルモネラ菌invA遺伝子の電気化学的検出(1)アビジン−PQQGDH複合体及び、アビジン−
Ser415Cys複合体の調製 グルタルアルデヒドを用いた架橋法によるアビジン修飾
Ser415Cysの調製の原理を図5に示す。Ser
415CysはAcinetobactercalco
aceticusのPQQGDHの415番目のセリン
をシステインに変換した変異酵素である。このPQQG
DHはダイマーで活性を示すが、Ser415Cysは
それぞれのモノマーの415番目のシステインがジスル
フィド結合を形成することによりダイマー構造を安定化
し、高温での安定性を獲得している。これを用いること
により酵素標識したDNAをハイブリダイゼーションの
際にそのまま利用することが可能になり、より迅速な測
定が可能になると考えられる。すなわち実施例1ではア
ビジン−PQQGDH複合体が60℃でのハイブリダイ
ゼーションで失活してしまうため、ハイブリダイゼーシ
ョンの後に結合しなかったDNAを洗浄し、その後にア
ビジン−PQQGDH複合体を添加しハイブリダイゼー
ション産物に結合させ、再び結合しなかったアビジン−
PQQGDH複合体ヲ洗浄するという操作が必要であっ
た。アビジン−Ser415Cys複合体は60℃でも
活性を保つため、これらの操作を省略できると考えられ
る。野生型PQQGDH及び精製されたSer415C
ys(0.3mg)を1mM CaCl2 1μM P
QQ存在下ホロ化した後、Ser415Cys:アビジ
ン=1:2、全タンパク質量1mgとなるように混合
し、10mM MOPS(pH7.0)にて全量を1m
lとなるように調製した。次にグルタルアルデヒドを終
濃度0.1%になるように加え、30分撹拌した。そし
てグルタルアルデヒドの架橋反応を止めるために10m
M Tris−HCl(pH7.5)で3時間透析し、
さらに10mM MOPS(pH7.0)にて6時間以
上透析し調製した。
を用いたサルモネラ菌invA遺伝子の電気化学的検出(1)アビジン−PQQGDH複合体及び、アビジン−
Ser415Cys複合体の調製 グルタルアルデヒドを用いた架橋法によるアビジン修飾
Ser415Cysの調製の原理を図5に示す。Ser
415CysはAcinetobactercalco
aceticusのPQQGDHの415番目のセリン
をシステインに変換した変異酵素である。このPQQG
DHはダイマーで活性を示すが、Ser415Cysは
それぞれのモノマーの415番目のシステインがジスル
フィド結合を形成することによりダイマー構造を安定化
し、高温での安定性を獲得している。これを用いること
により酵素標識したDNAをハイブリダイゼーションの
際にそのまま利用することが可能になり、より迅速な測
定が可能になると考えられる。すなわち実施例1ではア
ビジン−PQQGDH複合体が60℃でのハイブリダイ
ゼーションで失活してしまうため、ハイブリダイゼーシ
ョンの後に結合しなかったDNAを洗浄し、その後にア
ビジン−PQQGDH複合体を添加しハイブリダイゼー
ション産物に結合させ、再び結合しなかったアビジン−
PQQGDH複合体ヲ洗浄するという操作が必要であっ
た。アビジン−Ser415Cys複合体は60℃でも
活性を保つため、これらの操作を省略できると考えられ
る。野生型PQQGDH及び精製されたSer415C
ys(0.3mg)を1mM CaCl2 1μM P
QQ存在下ホロ化した後、Ser415Cys:アビジ
ン=1:2、全タンパク質量1mgとなるように混合
し、10mM MOPS(pH7.0)にて全量を1m
lとなるように調製した。次にグルタルアルデヒドを終
濃度0.1%になるように加え、30分撹拌した。そし
てグルタルアルデヒドの架橋反応を止めるために10m
M Tris−HCl(pH7.5)で3時間透析し、
さらに10mM MOPS(pH7.0)にて6時間以
上透析し調製した。
【0030】(2)金電極へのDNAの固定化
金電極上にプローブDNAを固定化するため、金電極上
にアビジンを固定化し、それを介してビオチン修飾プロ
ーブDNAを固定する方法を用いた。金電極にタンパク
質やDNAを固定化する前に金電極を洗浄するため、電
極をピランハ溶液(過酸化水素:濃硫酸=1:3)に室
温で5分間浸した。この操作を2回繰り返した。次に1
mMジチオジプロピオン酸2mlに室温で30分間金電
極を浸すことによりチオール基を介してジチオプロピオ
ン酸を金電極に結合させ、その後ミリQ水で洗った。そ
して、5mg/50μl NHS(N−Hydroxy
succinimide)および5mg/50μl E
DC(1−(3−Dimethylaminoprop
yl)−3−ethylcarbodiimide h
ydrochloride)水溶液を混合し全量100
μlとし、金電極を室温で20分間浸すことによりジチ
オプロピオン酸にNHSを結合させ、金電極にスクシミ
ド基を導入した。その後1mM HEPES(pH8.
5)バッファー2mlで洗浄した。次に、金電極にアビ
ジンを結合させるため、0.15mg/mlアビジン溶
液(1mM HEPES pH8.5)2mlに金電極
を室温で1時間浸した。そして、反応しなかったスクシ
ミド基を無くすため、1M Tris−HCl(pH
8.0)バッファーにて電極を洗うことにより、反応し
なかったスクシミド基にTrisを結合させた。その後
アビジンを固定化した金電極を4pmol/mlのビオ
チン標識プローブDNAまたはビオチン標識コントロー
ルDNAを含む溶液に25℃、30分間浸漬し、金電極
上にプローブDNAを固定化した。固定化には2×SS
C buffer(30mM クエン酸、300mM
NaCl pH7.0)を用いた。反応後電極上に固定
化されなかったDNAを取り除くために0.2×SSC
bufferにて3回洗浄した。なおDNAは実施例1
と同じものを用いた。
にアビジンを固定化し、それを介してビオチン修飾プロ
ーブDNAを固定する方法を用いた。金電極にタンパク
質やDNAを固定化する前に金電極を洗浄するため、電
極をピランハ溶液(過酸化水素:濃硫酸=1:3)に室
温で5分間浸した。この操作を2回繰り返した。次に1
mMジチオジプロピオン酸2mlに室温で30分間金電
極を浸すことによりチオール基を介してジチオプロピオ
ン酸を金電極に結合させ、その後ミリQ水で洗った。そ
して、5mg/50μl NHS(N−Hydroxy
succinimide)および5mg/50μl E
DC(1−(3−Dimethylaminoprop
yl)−3−ethylcarbodiimide h
ydrochloride)水溶液を混合し全量100
μlとし、金電極を室温で20分間浸すことによりジチ
オプロピオン酸にNHSを結合させ、金電極にスクシミ
ド基を導入した。その後1mM HEPES(pH8.
5)バッファー2mlで洗浄した。次に、金電極にアビ
ジンを結合させるため、0.15mg/mlアビジン溶
液(1mM HEPES pH8.5)2mlに金電極
を室温で1時間浸した。そして、反応しなかったスクシ
ミド基を無くすため、1M Tris−HCl(pH
8.0)バッファーにて電極を洗うことにより、反応し
なかったスクシミド基にTrisを結合させた。その後
アビジンを固定化した金電極を4pmol/mlのビオ
チン標識プローブDNAまたはビオチン標識コントロー
ルDNAを含む溶液に25℃、30分間浸漬し、金電極
上にプローブDNAを固定化した。固定化には2×SS
C buffer(30mM クエン酸、300mM
NaCl pH7.0)を用いた。反応後電極上に固定
化されなかったDNAを取り除くために0.2×SSC
bufferにて3回洗浄した。なおDNAは実施例1
と同じものを用いた。
【0031】(3)Ser415Cys修飾ターゲット
DNAの調製 4pmol/mlのビオチン標識されたターゲットDN
Aと2Uアビジン修飾Ser415Cysを10mM
MOPS(pH7.0)中にて混合し、10mM MO
PS(pH7.0)にて全量900μlとなるように調
製した。このサンプルを1時間室温にてインキュベート
することでビオチンとアビジンの結合力を利用してビオ
チン標識ターゲットDNAとアビジン修飾Ser415
Cysを結合させた。その後Ultrafree−MC
(Millipore社製、MA、USA)を用いて5
000g、30分間遠心することでアビジン修飾Ser
415Cysと結合しなかったターゲットDNAを除去
した。
DNAの調製 4pmol/mlのビオチン標識されたターゲットDN
Aと2Uアビジン修飾Ser415Cysを10mM
MOPS(pH7.0)中にて混合し、10mM MO
PS(pH7.0)にて全量900μlとなるように調
製した。このサンプルを1時間室温にてインキュベート
することでビオチンとアビジンの結合力を利用してビオ
チン標識ターゲットDNAとアビジン修飾Ser415
Cysを結合させた。その後Ultrafree−MC
(Millipore社製、MA、USA)を用いて5
000g、30分間遠心することでアビジン修飾Ser
415Cysと結合しなかったターゲットDNAを除去
した。
【0032】(4)DNA固定化金電極を用いたSer
415Cys修飾ターゲットDNAの検出 Ser415Cys標識ターゲットDNAもしくは野生
型PQQGDH標識ターゲットDNA(2U,4pmo
l/ml)を含む溶液にプローブDNAを固定化した金
電極を60℃、10分間浸漬し、ハイブリダイゼーショ
ンを行った。ハイブリダイゼーションには2×SSCb
uffer(pH7.0)を用いた。反応後ハイブリダ
イゼーションされなかったDNAを取り除くために0.
2×SSC bufferにて2回、10mM MOP
S(pH7.0)にて1回洗浄した。反応溶液は終濃度
1mM mPMS、1μM PQQ、1mM CaCl
2を含む10mM MOPS(pH7.0)全量10m
lをウォータージャケットセル中に調製し、作用極とし
て構築された電極を、参照極にAg/AgCl、対極に
Pt電極を用いた三電極方式を用いてグルコース添加に
よる応答電流値を測定した。印加電位+100mV v
s Ag/AgCl、25℃で測定を行った。結果を図
6に示す。Ser415Cys標識ターゲットDNA、
Ser415Cys標識コントロールDNAの応答電流
値はグルコース濃度が20mM付近までは増加し30m
M付近では飽和に達した。またSer415Cys標識
ターゲットDNAを添加した場合、Ser415Cys
標識コントロールDNAを添加した場合よりも明らかに
大きな電流応答値が得られた。したがって本システムは
DNAを塩基配列特異的に検出できると考えられる。D
NA野生型PQQGDH標識ターゲットDNA、コント
ロールDNAをハイブリダイゼーションさせた電極にお
いては共にグルコースに対する応答電流値の増加が見ら
れなかった。このことから60℃において10分間ハイ
ブリダイゼーションを行っている間に標識されているP
QQGDHが失活したと考えられる。従って酵素標識D
NAヲハイブリダイゼーション時に添加する場合は、S
er415Cys標識ターゲットDNAを用いた場合の
みにおいて60℃におけるハイブリダイゼーションを検
出できることが示唆された。またターゲットDNA、プ
ローブDNAの濃度を変化させたときのグルコースに対
する応答電流値を測定した結果を図7に示す。それぞれ
のエラーバーは3回測定したときの誤差を表す。この結
果よりDNA濃度が1×10−11Mより低くなるとタ
ーゲットDNAとコントロールDNAの応答電流値が重
なるため、明確な差を区別できなかった。このことから
検出限界は4×10−11M程度であると考えられる。
415Cys修飾ターゲットDNAの検出 Ser415Cys標識ターゲットDNAもしくは野生
型PQQGDH標識ターゲットDNA(2U,4pmo
l/ml)を含む溶液にプローブDNAを固定化した金
電極を60℃、10分間浸漬し、ハイブリダイゼーショ
ンを行った。ハイブリダイゼーションには2×SSCb
uffer(pH7.0)を用いた。反応後ハイブリダ
イゼーションされなかったDNAを取り除くために0.
2×SSC bufferにて2回、10mM MOP
S(pH7.0)にて1回洗浄した。反応溶液は終濃度
1mM mPMS、1μM PQQ、1mM CaCl
2を含む10mM MOPS(pH7.0)全量10m
lをウォータージャケットセル中に調製し、作用極とし
て構築された電極を、参照極にAg/AgCl、対極に
Pt電極を用いた三電極方式を用いてグルコース添加に
よる応答電流値を測定した。印加電位+100mV v
s Ag/AgCl、25℃で測定を行った。結果を図
6に示す。Ser415Cys標識ターゲットDNA、
Ser415Cys標識コントロールDNAの応答電流
値はグルコース濃度が20mM付近までは増加し30m
M付近では飽和に達した。またSer415Cys標識
ターゲットDNAを添加した場合、Ser415Cys
標識コントロールDNAを添加した場合よりも明らかに
大きな電流応答値が得られた。したがって本システムは
DNAを塩基配列特異的に検出できると考えられる。D
NA野生型PQQGDH標識ターゲットDNA、コント
ロールDNAをハイブリダイゼーションさせた電極にお
いては共にグルコースに対する応答電流値の増加が見ら
れなかった。このことから60℃において10分間ハイ
ブリダイゼーションを行っている間に標識されているP
QQGDHが失活したと考えられる。従って酵素標識D
NAヲハイブリダイゼーション時に添加する場合は、S
er415Cys標識ターゲットDNAを用いた場合の
みにおいて60℃におけるハイブリダイゼーションを検
出できることが示唆された。またターゲットDNA、プ
ローブDNAの濃度を変化させたときのグルコースに対
する応答電流値を測定した結果を図7に示す。それぞれ
のエラーバーは3回測定したときの誤差を表す。この結
果よりDNA濃度が1×10−11Mより低くなるとタ
ーゲットDNAとコントロールDNAの応答電流値が重
なるため、明確な差を区別できなかった。このことから
検出限界は4×10−11M程度であると考えられる。
【0033】
【実施例3】ヒトPeroxisome Prolif
erator−Activated Receptor
(PPAR)γ2のSNPの電気化学的検出 SNP検出のターゲットとして2型糖尿病に関するSN
P検出を試みた。現在、日本国内の糖尿病患者は推定で
700万人で、その95%が2型糖尿病である。今回検
出に用いたSNPはPPAR(peroxisome
proliferator−activated re
ceptor)γ2中の34番目塩基のc→g変異(P
ro12Ala)であり、これは2型糖尿病にかかわる
SNPであると言われている。PPARγは高脂肪食下
でエネルギー貯蔵に作用し小型脂肪細胞を作る働きを持
つ典型的な倹約遺伝子である。このPPARγは脂肪が
過剰に存在する場合、小型脂肪細胞を大型化し、インシ
ュリン作用を効かなくする作用もあわせ持つ。日本人の
85%以上はPPARγを正常な状態でもつため、近年
の食生活の欧米化、慢性的な運動不足により、肥満、高
脂血症、糖尿病になりやすい。しかし、欧米人はPPA
Rγの34塩基目にc→g変異(Pro12Ala)を
持っているため、PPARγが正常に働かないので糖尿
病率は日本人に比べ低いとされている。このような知見
をもとに、今回はモデルDNAとしてPPARγの34
塩基目c→gのSNPをターゲットとして用い、その検
出を試みた。(1)用いた合成DNAの配列 実験に用いたDNAの塩基配列を以下に示す。標的DN
A(PPAR−SNP)は、PPARのSNP部分塗装
補的な配列を持つ38merを用いた。コントロールD
NA(PPAR)としては、標的DNA(PPAR−S
NP)と同じ部分でSNPのない配列をもつ38mer
を用いた。電極に固定するプローブDNAは標的DNA
(PPAR−SNP)及びコントロールDNA(PPA
R)共通の相補的配列を持ちSNP部位直前のところま
での配列を有する28merを用いた。プローブDNA
は5′端をビオチン標識したものを用いた(なお下図で
Bioはビオチンを示す。A,C,G,Tはそれぞれの
核酸塩基を示す)。 標的DNA(PPAR−SNP):CCTATTGAC
CCAGAAAGCGATTCCTTCACTGATA
CACT コントロールDNA(PPAR):CCTATTGAC
GCAGAAAGCGATTCCTTCACTGATA
CACT プローブDNA: Bio−AGTGTATCAGTG
AAGGAATCGCTTTCTG
erator−Activated Receptor
(PPAR)γ2のSNPの電気化学的検出 SNP検出のターゲットとして2型糖尿病に関するSN
P検出を試みた。現在、日本国内の糖尿病患者は推定で
700万人で、その95%が2型糖尿病である。今回検
出に用いたSNPはPPAR(peroxisome
proliferator−activated re
ceptor)γ2中の34番目塩基のc→g変異(P
ro12Ala)であり、これは2型糖尿病にかかわる
SNPであると言われている。PPARγは高脂肪食下
でエネルギー貯蔵に作用し小型脂肪細胞を作る働きを持
つ典型的な倹約遺伝子である。このPPARγは脂肪が
過剰に存在する場合、小型脂肪細胞を大型化し、インシ
ュリン作用を効かなくする作用もあわせ持つ。日本人の
85%以上はPPARγを正常な状態でもつため、近年
の食生活の欧米化、慢性的な運動不足により、肥満、高
脂血症、糖尿病になりやすい。しかし、欧米人はPPA
Rγの34塩基目にc→g変異(Pro12Ala)を
持っているため、PPARγが正常に働かないので糖尿
病率は日本人に比べ低いとされている。このような知見
をもとに、今回はモデルDNAとしてPPARγの34
塩基目c→gのSNPをターゲットとして用い、その検
出を試みた。(1)用いた合成DNAの配列 実験に用いたDNAの塩基配列を以下に示す。標的DN
A(PPAR−SNP)は、PPARのSNP部分塗装
補的な配列を持つ38merを用いた。コントロールD
NA(PPAR)としては、標的DNA(PPAR−S
NP)と同じ部分でSNPのない配列をもつ38mer
を用いた。電極に固定するプローブDNAは標的DNA
(PPAR−SNP)及びコントロールDNA(PPA
R)共通の相補的配列を持ちSNP部位直前のところま
での配列を有する28merを用いた。プローブDNA
は5′端をビオチン標識したものを用いた(なお下図で
Bioはビオチンを示す。A,C,G,Tはそれぞれの
核酸塩基を示す)。 標的DNA(PPAR−SNP):CCTATTGAC
CCAGAAAGCGATTCCTTCACTGATA
CACT コントロールDNA(PPAR):CCTATTGAC
GCAGAAAGCGATTCCTTCACTGATA
CACT プローブDNA: Bio−AGTGTATCAGTG
AAGGAATCGCTTTCTG
【0033】(2)PPARのSNPの電気化学的検出
SNP検出方法の模式図を図8に示す。プローブDNA
は実施例2と同じ方法で金電極上に固定化した。さらに
PPAR−SNPとPPAR DNAは実施例2と同じ
方法で金電極上のプローブDNAとハイブリダイゼーシ
ョンさせた。なおこのPPAR−SNPとPPARDN
AはPQQGDHでは酵素表紙記されていない。ハイブ
リダイゼーションした2本鎖DNAが固定された電極に
おいて、Probe DNAに対してビオチン修飾dC
TP1塩基分を伸長させるため2U Taq poly
merase、1nmolビオチン修飾dCTP、1.
5mM塩化マグネシウムを含むTaq polymer
ase ReactionBuffer(TAKARA
社製、Shiga、Japan)100μlを添加し、
Probe DNAの伸長反応を50℃、60分間行っ
た。その電極に対してPQQGDH−アビジン複合体
(0.2U)、PQQ(1μM)、CaCl2(1m
M)を含む10mM MOPS、150mM NaC
l、1mM EDTA、15%グリセロール(pH6.
0)(26)を用いて全量2mlとなるように調製し2
5℃30分間反応させた。反応後10mM MOPS1
50mMNaCl 1mM EDTA 15%グリセロ
ール(pH6.0)バッファーにて電極を洗った。反応
溶液は終濃度1mM mPMS、1μM PQQ、1m
M CaCl2を含む10mM MOPS(pH7.
0)全量10mlをウォータージャケットセル中に調製
し、作用極として(3)で構築された電極を、参照極に
Ag/AgCl、対極にPt電極を用いた三電極方式を
用いてグルコース添加により、サイクリックボルタンメ
トリー、応答電流値を測定した。応答電流値測定におけ
る印加電位+100mV vs Ag/AgCl、25
℃で測定を行った。PPAR−SNP DNAもしくは
PPAR DNAを1×10−6M金電極上に作用させ
たときの応答電流値を図9に示す。この結果からPPA
R−SNPDNA、PPAR DNAの応答電流値は顕
著な差を示し、共にグルコース濃度が20mM程度まで
は応答電流値は増加していったが、20mMを過ぎると
応答電流値が減少していった。従って本検出法でSNP
を検出できることが示唆された。PPAR−SNP D
NA、PPAR DNAの濃度を変えたときのグルコー
スに対する応答電流値の結果を図10に示す。PPAR
−SNP DNAはDNA濃度が高くなるにつれて応答
電流値が高くなったが、PPAR DNAはDNA濃度
変化に対して応答電流値の変化はなかった。
は実施例2と同じ方法で金電極上に固定化した。さらに
PPAR−SNPとPPAR DNAは実施例2と同じ
方法で金電極上のプローブDNAとハイブリダイゼーシ
ョンさせた。なおこのPPAR−SNPとPPARDN
AはPQQGDHでは酵素表紙記されていない。ハイブ
リダイゼーションした2本鎖DNAが固定された電極に
おいて、Probe DNAに対してビオチン修飾dC
TP1塩基分を伸長させるため2U Taq poly
merase、1nmolビオチン修飾dCTP、1.
5mM塩化マグネシウムを含むTaq polymer
ase ReactionBuffer(TAKARA
社製、Shiga、Japan)100μlを添加し、
Probe DNAの伸長反応を50℃、60分間行っ
た。その電極に対してPQQGDH−アビジン複合体
(0.2U)、PQQ(1μM)、CaCl2(1m
M)を含む10mM MOPS、150mM NaC
l、1mM EDTA、15%グリセロール(pH6.
0)(26)を用いて全量2mlとなるように調製し2
5℃30分間反応させた。反応後10mM MOPS1
50mMNaCl 1mM EDTA 15%グリセロ
ール(pH6.0)バッファーにて電極を洗った。反応
溶液は終濃度1mM mPMS、1μM PQQ、1m
M CaCl2を含む10mM MOPS(pH7.
0)全量10mlをウォータージャケットセル中に調製
し、作用極として(3)で構築された電極を、参照極に
Ag/AgCl、対極にPt電極を用いた三電極方式を
用いてグルコース添加により、サイクリックボルタンメ
トリー、応答電流値を測定した。応答電流値測定におけ
る印加電位+100mV vs Ag/AgCl、25
℃で測定を行った。PPAR−SNP DNAもしくは
PPAR DNAを1×10−6M金電極上に作用させ
たときの応答電流値を図9に示す。この結果からPPA
R−SNPDNA、PPAR DNAの応答電流値は顕
著な差を示し、共にグルコース濃度が20mM程度まで
は応答電流値は増加していったが、20mMを過ぎると
応答電流値が減少していった。従って本検出法でSNP
を検出できることが示唆された。PPAR−SNP D
NA、PPAR DNAの濃度を変えたときのグルコー
スに対する応答電流値の結果を図10に示す。PPAR
−SNP DNAはDNA濃度が高くなるにつれて応答
電流値が高くなったが、PPAR DNAはDNA濃度
変化に対して応答電流値の変化はなかった。
【発明の効果】上述のように目的の塩基配列を持つDN
AやSNPを酸化還元酵素の活性を指標にして検出する
事ができるようになった。特に酸化還元酵素の活性を指
標とすると、試料中の標的DNAが極少量しか存在しな
くてもその信号を数千倍、数万倍に増幅することが可能
であり、発病機構解析や薬剤の作用機作解析、さらには
極微少量微生物、ウィルスの検出へ応用できると考えら
れる。さらにDNAチップやマイクロアレイのような一
度に多数の標的DNAを解析する技術においても、酸化
還元酵素の活性を指標にしてDNAが検出できれば、例
えばその検出は電極で行うことが可能であり、その場合
高集積度のチップを簡単に製作・解析することが可能に
なる。今後標的DNAの検出は、様々な分野での応用が
期待されており、その為には特殊な分析機器を有する研
究施設や大学、大病院だけでなく様々な場所で標的DN
Aの検出が可能になることが必要不可欠であり、本発明
はその為の基盤技術を提供する。
AやSNPを酸化還元酵素の活性を指標にして検出する
事ができるようになった。特に酸化還元酵素の活性を指
標とすると、試料中の標的DNAが極少量しか存在しな
くてもその信号を数千倍、数万倍に増幅することが可能
であり、発病機構解析や薬剤の作用機作解析、さらには
極微少量微生物、ウィルスの検出へ応用できると考えら
れる。さらにDNAチップやマイクロアレイのような一
度に多数の標的DNAを解析する技術においても、酸化
還元酵素の活性を指標にしてDNAが検出できれば、例
えばその検出は電極で行うことが可能であり、その場合
高集積度のチップを簡単に製作・解析することが可能に
なる。今後標的DNAの検出は、様々な分野での応用が
期待されており、その為には特殊な分析機器を有する研
究施設や大学、大病院だけでなく様々な場所で標的DN
Aの検出が可能になることが必要不可欠であり、本発明
はその為の基盤技術を提供する。
【図1】アビジン−PQQGDH複合体の調製
【図2】酸化還元酵素を用いた標的DNAの検出の模式
図
図
【図3】アビジン−PQQGDH複合体添加後のグルコ
ースに対する電流応答値
ースに対する電流応答値
【図4】DNA固定化電極のDNA濃度に対する応答曲
線
線
【図5】グルタルアルデヒドを用いた酵素修飾
【図6】DNA固定化金電極のグルコースに対する応答
曲線
曲線
【図7】DNA固定化金電極の添加したDNA濃度に対
する応答曲線
する応答曲線
【図8】SNP検出法の模式図
【図9】SNP検出用DNA固定化金電極のグルコース
に対する応答曲線
に対する応答曲線
【図10】SNP検出用DNA固定化金電極の添加した
DNA濃度に対する応答曲線
DNA濃度に対する応答曲線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年6月6日(2002.6.6)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】すなわち本発明は以下のDNAの検出原理
に関する。 [1]酸化還元酵素の活性を指標にDNAを検出する原
理。 [2][1]において酸化還元酵素がFADを補酵素と
することを特徴とするDNAを検出する原理。 [3][1]において酸化還元酵素がPQQを補酵素と
することを特徴とするDNAを検出する原理。 [4][1]において酸化還元酵素が糖類を基質とする
ことを特徴とするDNAを検出する原理。 [5][4]において糖類を基質とする酸化還元酵素が
グルコース脱水素酵素であることを特徴とするDNAを
検出する原理。 [6][5]においてグルコース脱水素酵素の補酵素が
FADであることを特色とするグルコース脱水素酵素の
活性を指標にDNAを検出する原理。 [7][5]においてグルコース脱水素酵素の補酵素が
PQQであることを特色とするDNAを検出する原理。 [8]ストレプトアビジンを化学的に結合させたPQQ
を補酵素とするグルコース脱水素酵素。 [9][8]においてストレプトアビジンとPQQを補
酵素とするグルコース脱水素酵素とを架橋性試薬で結合
させることにより調製したストレプトアビジンを化学的
に結合させたPQQを補酵素とするグルコース脱水素酵
素。 [10][8]においてストレプトアビジンとPQQを
補酵素とするグルコース脱水素酵素をグルタルアルデヒ
ドで架橋させることにより調製することを特徴とするス
トレプトアビジンを化学的に結合させたPQQを補酵素
とするグルコース脱水素酵素。 [11][8]においてストレプトアビジンとPQQを
補酵素とするグルコース脱水素酵素とをヘテロ二架橋性
試薬で結合させることにより調製したストレプトアビジ
ンを化学的に結合させたPQQを補酵素とするグルコー
ス脱水素酵素。 [12][8]においてストレプトアビジンをN−Su
ccinimidyl−3(2−pyridyldit
io)propionateさらにスルフォニル基によ
り修飾し、またPQQを補酵素とするグルコース脱水素
酵素を4[N−maleimidomethyl]−c
yclohexane−1−carboxylateで
修飾し、これを反応させることにより調製することを特
徴とするストレプトアビジンを化学的に結合させたPQ
Qを補酵素とするグルコース脱水素酵素。 [13][1〜7]の酸化還元酵素がストレプトアビジ
ンで修飾されていることを特色とする1に記載のDNA
を検出する原理。 [14][13]において[8−12]記載のストレプ
トアビジンを化学的に結合させたPQQを補酵素とする
グルコース脱水素酵素を酸化還元酵素として用いること
を特色とするDNAを検出する原理。 [15][13]において融合タンパク質法により調製
されたストレプトアビジンと結合したPQQを補酵素と
するグルコース脱水素酵素を酸化還元酵素として用いる
ことを特色とするDNAを検出する原理。 [16][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、かつ遺伝子組み換えにより特
性が改変された変異グルコース脱水素酵素であることを
特色とするDNAを検出する原理。 [17][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、かつ遺伝子組み換えにより安
定性が向上した変異グルコース脱水素酵素であることを
特色とするDNAを検出する原理。 [18][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、2つのサブユニットが1また
はそれ以上のジスルフィド結合を介して互いに連結され
ていることを特徴とする水溶性グルコース脱水素酵素で
あることを特色とするDNAを検出する原理。 [18a][1〜7、13〜15]において酸化還元酵
素が、PQQを補酵素とし、1またはそれ以上のシステ
イン以外のアミノ酸残基がシステイン残基で置換されて
いる水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とす
るDNAを検出する原理。 [19][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、Acinetobactercalcoaceti
cus由来の[18、18a]記載の、PQQを補酵素
とする水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色と
するDNAを検出する原理。 [20][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、アミノ酸配列の415番目のセリン残基がシステイ
ン残基で置換されている[19]記載の、PQQを補酵
素とする水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色
とするDNAを検出する原理。 [21][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、アミノ酸配列の340番目のアスパラギン残基およ
び418番目のチロシン残基が両方ともシステイン残基
で置換されている[19]記載の、PQQを補酵素とす
る水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする
DNAを検出する原理。 [22]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
遺伝子組み換えにより特性が改変された変異グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [23]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
遺伝子組み換えにより安定性が向上した変異グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [24]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
2つのサブユニットが1またはそれ以上のジスルフィド
結合を介して互いに連結されていることを特徴とする水
溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする[8
〜12]記載のグルコース脱水素酵素。 [24a]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素
が2つのサブユニットが1またはそれ以上のシステイン
以外のアミノ酸残基がシステイン残基で置換されている
水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする
[8〜12]記載のグルコース脱水素酵素。 [25]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
Acinetobactercalcoaceticu
s由来の[24、24a記載の水溶性グルコース脱水素
酵素であることを特色とする[8〜12記載のグルコー
ス脱水素酵素。 [26]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
アミノ酸配列の415番目のセリン残基がシステイン残
基で置換されている[25]記載の、水溶性グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [27]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
340番目のアスパラギン残基および418番目のチロ
シン残基が両方ともシステイン残基で置換されている
[25]記載の、水溶性グルコース脱水素酵素であるこ
とを特色とする[8〜12]記載のグルコース脱水素酵
素。 [28][1〜7、13〜21]記載のDNAを検出す
る原理を含むDNA検出キット。 [29][1〜7、13〜21]記載のDNAを検出す
る原理を含むDNA17ンサー。 [30][28]においてDNAを検出する原理が電気
化学的であることを特色とするDNA検出キット。 [31][29]においてDNAを検出する原理が電気
化学的であることを特色とするDNAセンサー。 [32][1〜7、13〜21]および[28、30]
記載のDNAを検出する原理にもとづきサルモネラを検
出するDNA検出キット。 [33][1〜7、13〜21]および[29、31]
記載のDNAを検出する原理にもとづきサルモネラを検
出するDNAセンサー。 [34][1〜7、13〜21]および[28、30、
32]記載のDNAを検出する原理にもとづきSNP
(Single Nucleotide Polymo
rphism:一塩基多型)を検出するSNP検出キッ
ト。 [35][1〜7、13〜21]および[29、31、
33]記載のDNAを検出する原理にもとづきSNPを
検出するSNPセンサー。 [36][1〜7、13〜21]および[28、30、
32、34]記載のDNAを検出する原理にもとづきヒ
トのperoxisome proliferator
−activatedreceptor(PPAR)γ
2中の開始コドンから32番目の塩基のCがGに変異し
たSNPを検出するSNP検出キット。 [37][1〜7、13〜21]および[29、31、
33、35]記載のDNAを検出する原理にもとづきヒ
トのPPAR γ2中の開始コドンから32番目の塩基
のCがGに変異したSNPを検出するSNPセンサー。
に関する。 [1]酸化還元酵素の活性を指標にDNAを検出する原
理。 [2][1]において酸化還元酵素がFADを補酵素と
することを特徴とするDNAを検出する原理。 [3][1]において酸化還元酵素がPQQを補酵素と
することを特徴とするDNAを検出する原理。 [4][1]において酸化還元酵素が糖類を基質とする
ことを特徴とするDNAを検出する原理。 [5][4]において糖類を基質とする酸化還元酵素が
グルコース脱水素酵素であることを特徴とするDNAを
検出する原理。 [6][5]においてグルコース脱水素酵素の補酵素が
FADであることを特色とするグルコース脱水素酵素の
活性を指標にDNAを検出する原理。 [7][5]においてグルコース脱水素酵素の補酵素が
PQQであることを特色とするDNAを検出する原理。 [8]ストレプトアビジンを化学的に結合させたPQQ
を補酵素とするグルコース脱水素酵素。 [9][8]においてストレプトアビジンとPQQを補
酵素とするグルコース脱水素酵素とを架橋性試薬で結合
させることにより調製したストレプトアビジンを化学的
に結合させたPQQを補酵素とするグルコース脱水素酵
素。 [10][8]においてストレプトアビジンとPQQを
補酵素とするグルコース脱水素酵素をグルタルアルデヒ
ドで架橋させることにより調製することを特徴とするス
トレプトアビジンを化学的に結合させたPQQを補酵素
とするグルコース脱水素酵素。 [11][8]においてストレプトアビジンとPQQを
補酵素とするグルコース脱水素酵素とをヘテロ二架橋性
試薬で結合させることにより調製したストレプトアビジ
ンを化学的に結合させたPQQを補酵素とするグルコー
ス脱水素酵素。 [12][8]においてストレプトアビジンをN−Su
ccinimidyl−3(2−pyridyldit
io)propionateさらにスルフォニル基によ
り修飾し、またPQQを補酵素とするグルコース脱水素
酵素を4[N−maleimidomethyl]−c
yclohexane−1−carboxylateで
修飾し、これを反応させることにより調製することを特
徴とするストレプトアビジンを化学的に結合させたPQ
Qを補酵素とするグルコース脱水素酵素。 [13][1〜7]の酸化還元酵素がストレプトアビジ
ンで修飾されていることを特色とする1に記載のDNA
を検出する原理。 [14][13]において[8−12]記載のストレプ
トアビジンを化学的に結合させたPQQを補酵素とする
グルコース脱水素酵素を酸化還元酵素として用いること
を特色とするDNAを検出する原理。 [15][13]において融合タンパク質法により調製
されたストレプトアビジンと結合したPQQを補酵素と
するグルコース脱水素酵素を酸化還元酵素として用いる
ことを特色とするDNAを検出する原理。 [16][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、かつ遺伝子組み換えにより特
性が改変された変異グルコース脱水素酵素であることを
特色とするDNAを検出する原理。 [17][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、かつ遺伝子組み換えにより安
定性が向上した変異グルコース脱水素酵素であることを
特色とするDNAを検出する原理。 [18][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、PQQを補酵素とし、2つのサブユニットが1また
はそれ以上のジスルフィド結合を介して互いに連結され
ていることを特徴とする水溶性グルコース脱水素酵素で
あることを特色とするDNAを検出する原理。 [18a][1〜7、13〜15]において酸化還元酵
素が、PQQを補酵素とし、1またはそれ以上のシステ
イン以外のアミノ酸残基がシステイン残基で置換されて
いる水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とす
るDNAを検出する原理。 [19][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、Acinetobactercalcoaceti
cus由来の[18、18a]記載の、PQQを補酵素
とする水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色と
するDNAを検出する原理。 [20][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、アミノ酸配列の415番目のセリン残基がシステイ
ン残基で置換されている[19]記載の、PQQを補酵
素とする水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色
とするDNAを検出する原理。 [21][1〜7、13〜15]において酸化還元酵素
が、アミノ酸配列の340番目のアスパラギン残基およ
び418番目のチロシン残基が両方ともシステイン残基
で置換されている[19]記載の、PQQを補酵素とす
る水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする
DNAを検出する原理。 [22]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
遺伝子組み換えにより特性が改変された変異グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [23]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
遺伝子組み換えにより安定性が向上した変異グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [24]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
2つのサブユニットが1またはそれ以上のジスルフィド
結合を介して互いに連結されていることを特徴とする水
溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする[8
〜12]記載のグルコース脱水素酵素。 [24a]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素
が2つのサブユニットが1またはそれ以上のシステイン
以外のアミノ酸残基がシステイン残基で置換されている
水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とする
[8〜12]記載のグルコース脱水素酵素。 [25]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
Acinetobactercalcoaceticu
s由来の[24、24a記載の水溶性グルコース脱水素
酵素であることを特色とする[8〜12記載のグルコー
ス脱水素酵素。 [26]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
アミノ酸配列の415番目のセリン残基がシステイン残
基で置換されている[25]記載の、水溶性グルコース
脱水素酵素であることを特色とする[8〜12]記載の
グルコース脱水素酵素。 [27]PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素が
340番目のアスパラギン残基および418番目のチロ
シン残基が両方ともシステイン残基で置換されている
[25]記載の、水溶性グルコース脱水素酵素であるこ
とを特色とする[8〜12]記載のグルコース脱水素酵
素。 [28][1〜7、13〜21]記載のDNAを検出す
る原理を含むDNA検出キット。 [29][1〜7、13〜21]記載のDNAを検出す
る原理を含むDNA17ンサー。 [30][28]においてDNAを検出する原理が電気
化学的であることを特色とするDNA検出キット。 [31][29]においてDNAを検出する原理が電気
化学的であることを特色とするDNAセンサー。 [32][1〜7、13〜21]および[28、30]
記載のDNAを検出する原理にもとづきサルモネラを検
出するDNA検出キット。 [33][1〜7、13〜21]および[29、31]
記載のDNAを検出する原理にもとづきサルモネラを検
出するDNAセンサー。 [34][1〜7、13〜21]および[28、30、
32]記載のDNAを検出する原理にもとづきSNP
(Single Nucleotide Polymo
rphism:一塩基多型)を検出するSNP検出キッ
ト。 [35][1〜7、13〜21]および[29、31、
33]記載のDNAを検出する原理にもとづきSNPを
検出するSNPセンサー。 [36][1〜7、13〜21]および[28、30、
32、34]記載のDNAを検出する原理にもとづきヒ
トのperoxisome proliferator
−activatedreceptor(PPAR)γ
2中の開始コドンから32番目の塩基のCがGに変異し
たSNPを検出するSNP検出キット。 [37][1〜7、13〜21]および[29、31、
33、35]記載のDNAを検出する原理にもとづきヒ
トのPPAR γ2中の開始コドンから32番目の塩基
のCがGに変異したSNPを検出するSNPセンサー。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C12N 9/04 C12Q 1/26 4B063
11/06 1/68 A
C12Q 1/26 G01N 33/483 F
1/68 33/569 F
G01N 27/327 37/00 102
27/416 C12N 15/00 ZNAA
33/483 F
33/569 G01N 27/30 353F
37/00 102 353T
27/46 338
336M
Fターム(参考) 2G045 AA28 CB21 DA12 DA13 FB01
FB02 FB05 GC20
4B024 AA11 BA08 CA04 CA05 CA09
DA05 EA04 GA11 GA18 GA19
HA03 HA14
4B029 AA07 AA21 AA23 BB16 BB20
CC03 CC08 CC11 FA13 FA15
4B033 NA02 NA23 NB04 NB13 NB43
NC05 NC10 NC12 ND05 NF02
4B050 CC01 CC04 DD02 GG10 LL03
4B063 QA01 QA12 QA18 QQ03 QQ06
QQ42 QR04 QR08 QR32 QR38
QR41 QR55 QR57 QR62 QR65
QR66 QR72 QR75 QR82 QS12
QS25 QS28 QS34 QS39 QX01
QX04
Claims (37)
- 【請求項1】酸化還元酵素の活性を指標にDNAを検出
する原理。 - 【請求項2】請求項1において酸化還元酵素がFADを
補酵素とすることを特徴とするDNAを検出する原理。 - 【請求項3】請求項1において酸化還元酵素がPQQを
補酵素とすることを特徴とするDNAを検出する原理。 - 【請求項4】請求項1において酸化還元酵素が糖類を基
質とすることを特徴とするDNAを検出する原理。 - 【請求項5】請求項4において糖類を基質とする酸化還
元酵素がグルコース脱水素酵素であることを特徴とする
DNAを検出する原理。 - 【請求項6】請求項5においてグルコース脱水素酵素が
補酵素がFADであることを特色とするグルコース脱水
素酵素の活性を指標にDNAを検出する原理。 - 【請求項7】請求項5においてグルコース脱水素酵素の
補酵素がPQQであることを特色とするDNAを検出す
る原理。 - 【請求項8】ストレプトアビジンを化学的に結合させた
PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素。 - 【請求項9】請求項8においてストレプトアビジンとP
QQを補酵素とするグルコース脱水素酵素とを架橋性試
薬で結合させることにより調製したストレプトアビジン
を化学的に結合させたPQQを補酵素とするグルコース
脱水素酵素。 - 【請求項10】請求項8においてストレプトアビジンと
PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素をグルタル
アルデヒドで架橋させることにより調製することを特徴
とするストレプトアビジンを化学的に結合させたPQQ
を補酵素とするグルコース脱水素酵素。 - 【請求項11】請求項8においてストレプトアビジンと
PQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素とをヘテロ
二架橋性試薬で結合させることにより調製したストレプ
トアビジンを化学的に結合させたPQQを補酵素とする
グルコース脱水素酵素。 - 【請求項12】請求項8においてストレプトアビジンを
N−Succinimidyl−3(2−pyridy
lditio)propionateさらにスルフォニ
ル基により修飾し、またPQQを補酵素とするグルコー
ス脱水素酵素を4[N−maleimidomethy
l]−cyclohexane−1−carboxyl
ateで修飾し、これを反応させることにより調製する
ことを特徴とするストレプトアビジンを化学的に結合さ
せたPQQを補酵素とするグルコース脱水素酵素。 - 【請求項13】請求項1〜7の酸化還元酵素がストレプ
トアビジンで修飾されていることを特色とする1に記載
のDNAを検出する原理。 - 【請求項14】請求項13において請求項8−12記載
のストレプトアビジンを化学的に結合させたPQQを補
酵素とするグルコース脱水素酵素を酸化還元酵素として
用いることを特色とするDNAを検出する原理。 - 【請求項15】請求項13において融合タンパク質法に
より調製されたストレプトアビジンと結合したPQQを
補酵素とするグルコース脱水素酵素を酸化還元酵素とし
て用いることを特色とするDNAを検出する原理。 - 【請求項16】請求項1〜7、13〜15において酸化
還元酵素が、PQQを補酵素とし、かつ遺伝子組み換え
により特性が改変された変異グルコース脱水素酵素であ
ることを特色とするDNAを検出する原理。 - 【請求項17】請求項1〜7、13〜15において酸化
還元酵素が、PQQを補酵素とし、かつ遺伝子組み換え
により安定性が向上した変異グルコース脱水素酵素であ
ることを特色とするDNAを検出する原理。 - 【請求項18】請求項1〜7、13〜15において酸化
還元酵素が、PQQを補酵素とし、2つのサブユニット
が1またはそれ以上のジスルフィド結合を介して互いに
連結されていることを特徴とする水溶性グルコース脱水
素酵素であることを特色とするDNAを検出する原理。 【請求項18a】請求項1〜7、13〜15において酸
化還元酵素が、PQQを補酵素とし、1またはそれ以上
のシステイン以外のアミノ酸残基がシステイン残基で置
換されている水溶性グルコース脱水素酵素であることを
特色とするDNAを検出する原理。 - 【請求項19】請求項1〜7、13〜15において酸化
還元酵素が、Acinetobacter calco
aceticus由来の請求項18、18a記載の、P
QQを補酵素とする水溶性グルコース脱水素酵素である
ことを特色とするDNAを検出する原理。 - 【請求項20】請求項1〜7、13〜15において酸化
還元酵素が、アミノ酸配列の415番目のセリン残基が
システイン残基で置換されている請求項19記載の、P
QQを補酵素とする水溶性グルコース脱水素酵素である
ことを特色とするDNAを検出する原理。 - 【請求項21】請求項1〜7、13〜15において酸化
還元酵素が、アミノ酸配列の340番目のアスパラギン
残基および418番目のチロシン残基が両方ともシステ
イン残基で置換されている請求項19記載の、PQQを
補酵素とする水溶性グルコース脱水素酵素であることを
特色とするDNAを検出する原理。 - 【請求項22】PQQを補酵素とするグルコース脱水素
酵素が遺伝子組み換えにより特性が改変された変異グル
コース脱水素酵素であることを特色とする請求項8〜1
2記載のグルコース脱水素酵素。 - 【請求項23】PQQを補酵素とするグルコース脱水素
酵素が遺伝子組み換えにより安定性が向上した変異グル
コース脱水素酵素であることを特色とする請求項8〜1
2記載のグルコース脱水素酵素。 - 【請求項24】PQQを補酵素とするグルコース脱水素
酵素が2つのサブユニットが1またはそれ以上のジスル
フィド結合を介して互いに連結されていることを特徴と
する水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色とす
る請求項8〜12記載のグルコース脱水素酵素。 【請求項24a】PQQを補酵素とするグルコース脱水
素酵素が2つのサブユニットが1またはそれ以上のシス
テイン以外のアミノ酸残基がシステイン残基で置換され
ている水溶性グルコース脱水素酵素であることを特色と
する請求項8〜12記載のグルコース脱水素酵素。 - 【請求項25】PQQを補酵素とするグルコース脱水素
酵素がAcinetobacter calcoace
ticus由来の請求項24、24a記載の水溶性グル
コース脱水素酵素であることを特色とする請求項8〜1
2記載のグルコース脱水素酵素。 - 【請求項26】PQQを補酵素とするグルコース脱水素
酵素がアミノ酸配列の415番目のセリン残基がシステ
イン残基で置換されている請求項25記載の、水溶性グ
ルコース脱水素酵素であることを特色とする請求項8〜
12記載のグルコース脱水素酵素。 - 【請求項27】PQQを補酵素とするグルコース脱水素
酵素が340番目のアスパラギン残基および418番目
のチロシン残基が両方ともシステイン残基で置換されて
いる請求項25記載の、水溶性グルコース脱水素酵素で
あることを特色とする請求項8〜12記載のグルコース
脱水素酵素。 - 【請求項28】請求項1〜7、13〜21記載のDNA
を検出する原理を含むDNA検出キット。 - 【請求項29】請求項1〜7、13〜21記載のDNA
を検出する原理を含むDNAセンサー。 - 【請求項30】請求項28においてDNAを検出する原
理が電気化学的であることを特色とするDNA検出キッ
ト。 - 【請求項31】請求項29においてDNAを検出する原
理が電気化学的であることを特色とするDNAセンサ
ー。 - 【請求項32】請求項1〜7、13〜21および28、
30記載のDNAを検出する原理にもとづきサルモネラ
を検出するDNA検出キット。 - 【請求項33】請求項1〜7、13〜21および29、
31記載のDNAを検出する原理にもとづきサルモネラ
を検出するDNAセンサー。 - 【請求項34】請求項1〜7、13〜21および28、
30、32記載のDNAを検出する原理にもとづきSN
P(Single NucleotidePolymo
rphism:一塩基多型)を検出するSNP検出キッ
ト。 - 【請求項35】請求項1〜7、13〜21および29、
31、33記載のDNAを検出する原理にもとづきSN
Pを検出するSNPセンサー。 - 【請求項36】請求項1〜7、13〜21および28、
30、32、34記載のDNAを検出する原理にもとづ
きヒトのperoxisome proliferat
or−activated receptor(PPA
R)γ2中の開始コドンから32番目の塩基のCがGに
変異したSNPを検出するSNP検出キット。 - 【請求項37】請求項1〜7、13〜21および29、
31、33、35記載のDNAを検出する原理にもとづ
きヒトのPPAR γ2中の開始コドンから32番目の
塩基のCがGに変異したSNPを検出するSNPセンサ
ー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002111322A JP2003164293A (ja) | 2001-09-18 | 2002-03-09 | Dnaセンサー本出願は、2001年9月18日に出願した、特願326968(jpp2001−326968)の優先権を主張し、内容を追加するものである。 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001326968 | 2001-09-18 | ||
JP2001-326968 | 2001-09-18 | ||
JP2002111322A JP2003164293A (ja) | 2001-09-18 | 2002-03-09 | Dnaセンサー本出願は、2001年9月18日に出願した、特願326968(jpp2001−326968)の優先権を主張し、内容を追加するものである。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003164293A true JP2003164293A (ja) | 2003-06-10 |
Family
ID=26624080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002111322A Pending JP2003164293A (ja) | 2001-09-18 | 2002-03-09 | Dnaセンサー本出願は、2001年9月18日に出願した、特願326968(jpp2001−326968)の優先権を主張し、内容を追加するものである。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003164293A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007534961A (ja) * | 2004-04-29 | 2007-11-29 | エイジェンシー・フォー・サイエンス,テクノロジー・アンド・リサーチ | 核酸および/またはポリペプチドを検出するための方法および装置 |
JPWO2006068111A1 (ja) * | 2004-12-22 | 2008-06-12 | 国立大学法人 東京大学 | PPARγ遺伝子の遺伝子多型に関連する表現型の判定方法 |
US10752934B2 (en) | 2015-10-29 | 2020-08-25 | Leadway (Hk) Limited | PQQ-sGDH mutant, polynucleotide and glucose detection biosensor |
-
2002
- 2002-03-09 JP JP2002111322A patent/JP2003164293A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007534961A (ja) * | 2004-04-29 | 2007-11-29 | エイジェンシー・フォー・サイエンス,テクノロジー・アンド・リサーチ | 核酸および/またはポリペプチドを検出するための方法および装置 |
JPWO2006068111A1 (ja) * | 2004-12-22 | 2008-06-12 | 国立大学法人 東京大学 | PPARγ遺伝子の遺伝子多型に関連する表現型の判定方法 |
US10752934B2 (en) | 2015-10-29 | 2020-08-25 | Leadway (Hk) Limited | PQQ-sGDH mutant, polynucleotide and glucose detection biosensor |
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